(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】静電容量センサ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20240229BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/041 512
G06F3/044 127
(21)【出願番号】P 2020097813
(22)【出願日】2020-06-04
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】山本 和央
(72)【発明者】
【氏名】李 京浩
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-219986(JP,A)
【文献】特開2015-185169(JP,A)
【文献】特開2015-121829(JP,A)
【文献】特開2013-246695(JP,A)
【文献】特開2019-087060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、検出電極と、駆動電極と、制御部とを備えており、
前記基体は、絶縁性を有する一又は複数の層を有しており、
前記一又は複数の層が、前記基体の厚み方向である第1方向において互いに異なる第1面及び第2面を有しており、
前記検出電極は、互いに電気的に接続された複数の第1検出ラインと、前記複数の第1検出ラインに電気的に接続された複数の第2検出ラインと、環状又は一部が破断した環状の第3検出ラインとを有しており、
前記複数の第1検出ラインは、第2方向に延びており且つ前記第1面上に第3方向に間隔をあけて配置されており、前記第2方向は、前記第1方向に略直交しており、前記第3方向は、前記第1方向に略直交し且つ前記第2方向に交差しており、
前記複数の第2検出ラインは、前記第3方向に延びており且つ前記第1面上に前記第2方向に間隔をあけて配置されており且つ前記複数の第1検出ラインに交差しており、
前記第3検出ラインは、少なくとも前記複数の第1検出ライン及び前記複数の第2検出ラインの周りに位置するように前記第1面上に設けられており且つ前記複数の第1検出ラインの長手方向の両端及び前記複数の第2検出ラインの長手方向の両端に連結されており、
前記駆動電極は、互いに電気的に接続された複数の第1駆動ラインと、前記複数の第1駆動ラインに電気的に接続された複数の第2駆動ラインとを有しており、
前記複数の第1駆動ラインは、前記第2方向に延びており且つ前記第2面上に前記第3方向に間隔をあけて配置されており、前記複数の第1駆動ラインの各々は、前記第1方向の一方側から見て前記複数の第1検出ラインのうちの隣り合う第1検出ラインの間に位置するように配置されており、
前記複数の第2駆動ラインは、前記第3方向に延びており、前記複数の第2駆動ラインの各々は、前記第1方向の一方側から見て前記複数の第2検出ラインのうちの隣り合う第2検出ラインの間に位置するように前記第2面上に配置されており且つ前記複数の第1駆動ラインに交差しており、
前記複数の第1駆動ラインの前記第2方向の寸法が前記複数の第1検出ラインの前記第2方向の寸法よりも大きく、前記複数の第1駆動ラインは、前記第3検出ラインに対して前記第2方向の一方側、前記第2方向の他方側に位置する第1、第2部を有しており、
前記複数の第2駆動ラインの前記第3方向の寸法は、前記複数の第2検出ラインの前記第3方向の寸法よりも大きく、前記複数の第2駆動ラインは、前記第3検出ラインに対して前記第3方向の一方側、前記第3方向の他方側に位置する第1、第2部を有しており、
前記制御部は、前記検出電極に対して充放電を行う構成及び前記駆動電極に対して駆動パルスを供給する構成を有しており、前記検出電極に対する充放電時に、前記検出電極に検出対象が接近することによって、前記検出電極と前記検出対象との間の第1静電容量が変化するようになっており、前記駆動電極に対する駆動パルス供給時に、前記検出電極及び前記駆動電極に前記検出対象が接近することによって、前記検出電極と前記駆動電極との間の第2静電容量が変化するようになっており、
前記制御部は、前記第1静電容量の変化及び前記第2静電容量の変化に基づいて前記検出対象を検出する構成を更に有している静電容量センサ。
【請求項2】
請求項1記載の静電容量センサにおいて、
前記駆動電極は、前記複数の第1駆動ライン及び前記複数の第2駆動ラインに電気的に接続された少なくとも一つの第3駆動ラインを更に有しており、
前記少なくとも一つの第3駆動ラインは、前記複数の第1検出ラインのうちの少なくとも一つの第1検出ラインに沿って延びており、前記第1方向の一方側から見て前記少なくとも一つの第1検出ラインに重なるように前記第2面上に配置されている静電容量センサ。
【請求項3】
請求項2記載の静電容量センサにおいて、
前記駆動電極は、前記複数の第1駆動ライン、前記複数の第2駆動ライン及び前記少なくとも一つの第3駆動ラインに電気的に接続された少なくとも一つの第4駆動ラインを更に有しており、
前記少なくとも一つの第4駆動ラインは、前記第1方向の一方側から見て前記複数の第2検出ラインのうちの少なくとも一つに重なるように前記第2面上に配置されている静電容量センサ。
【請求項4】
請求項2又は3記載の静電容量センサにおいて、
前記少なくとも一つの第3駆動ラインは、複数であって、前記第1方向の一方側から見て前記複数の第1検出ラインに各々重なるように前記第2面上に配置されており、
前記複数の第3駆動ライン及び前記複数の第1駆動ラインは、その並び方向において交互に配置されている静電容量センサ。
【請求項5】
請求項3記載の静電容量センサにおいて、
前記少なくとも一つの第4駆動ラインは、複数であって、前記第1方向の一方側から見て前記複数の第2検出ラインに各々重なるように前記第2面上に配置されており、
前記複数の第4駆動ライン及び前記複数の第2駆動ラインは、その並び方向において交互に配置されている静電容量センサ。
【請求項6】
基体と、検出電極と、駆動電極と、制御部とを備えており、
前記基体は、絶縁性を有する一又は複数の層を有しており、
前記一又は複数の層が、前記基体の厚み方向である第1方向において互いに異なる第1面及び第2面を有しており、
前記検出電極は、互いに電気的に接続された複数の第1検出ラインと、前記複数の第1検出ラインに電気的に接続された少なくとも一つの第2検出ラインとを有しており、
前記複数の第1検出ラインは、第2方向に延びており、前記第1面上に第3方向に間隔をあけて配置されており且つ前記第2方向の一方側の第1端と、前記第2方向の他方側の第2端とを有しており、前記第2方向は、前記第1方向に略直交しており、前記第3方向は、前記第1方向に略直交し且つ前記第2方向に交差しており、
前記複数の第1検出ラインは、最も前記第3方向の一方側に位置する前記第3方向の一方側の第1検出ラインと、最も前記第3方向の他方側に位置する前記第3方向の他方側の第1検出ラインとを含み、
前記少なくとも一つの第2検出ラインは、一対であって、前記第1面に配置されており、一方の第2検出ライン及び他方の第2検出ラインを含み、前記一方の第2検出ラインが前記複数の第1検出ラインの前記第1端に連結されており、前記他方の第2検出ラインが前記複数の第1検出ラインの前記第2端に連結されており、
前記駆動電極は、互いに電気的に接続された複数の第1駆動ラインと、前記複数の第1駆動ラインに電気的に接続された少なくとも一つの第2駆動ラインとを有しており、
前記複数の第1駆動ラインの各々は、前記第1面及び前記第2面のうちの何れか一方の面上に前記第1方向の一方側から見て前記複数の第1検出ラインのうちの隣り合う第1検出ラインの間に位置するように配置されており、
前記少なくとも一つの第2駆動ラインは、前記第1面及び前記第2面のうちの何れか一方の面上に配置されており、
前記少なくとも一つの第2駆動ラインは、前記第2面上に設けられた環状又は一部が破断した環状の本体を有しており、
前記本体は、その内周縁である第1部を有しており、前記本体の前記第1部は、前記第1方向の一方側から見て前記第3方向の一方側の第1検出ライン、前記第3方向の他方側の第1検出ライン及び前記一対の第2検出ラインに重なるように位置しており、
前記制御部は、前記検出電極に対して充放電を行う構成及び前記駆動電極に対して駆動パルスを供給する構成を有しており、前記検出電極に対する充放電時に、前記検出電極に検出対象が接近することによって、前記検出電極と前記検出対象との間の第1静電容量が変化するようになっており、前記駆動電極に対する駆動パルス供給時に、前記検出電極及び前記駆動電極に前記検出対象が接近することによって、前記検出電極と前記駆動電極との間の第2静電容量が変化するようになっており、
前記制御部は、前記第1静電容量の変化及び前記第2静電容量の変化に基づいて前記検出対象を検出する構成を更に有している静電容量センサ。
【請求項7】
請求項6記載の静電容量センサにおいて、
前記複数の第1駆動ラインは、前記第1面に配置されており、且つ、前記第2方向の一方側の第1端と、前記第2方向の他方側の第2端とを有しており、
前記少なくとも一つの第2駆動ラインは、複数の第1接続部と、複数の第2接続部とを更に有しており、
前記複数の第1接続部は、前記第2面上で前記本体の前記第1部から前記複数の第1
駆動ラインの前記第1端の前記第1方向の他方側の位置まで延びており、且つ、その先端が前記複数の第1駆動ラインの前記第1端に前記基体のスルーホール電極を介して接続されており、
前記複数の第2接続部は、前記第2面上で前記本体の前記第1部から前記複数の第1駆動ラインの前記第2端の前記第1方向の他方側の位置まで延びており、且つ、その先端が前記複数の第1駆動ラインの前記第2端に前記基体の別のスルーホール電極を介して接続されている静電容量センサ。
【請求項8】
請求項1~5の何れかに記載の静電容量センサにおいて、
GND電極を更に備えており、
前記基体の前記複数の層は、前記第1方向における前記第1面及び前記第2面と異なる第3面を更に有しており、
前記第3面は、前記第2面に対して前記第1方向の他方側に配置されており、
前記複数の第1検出ライン及び前記複数の第2検出ラインは、前記第1面上でメッシュ状に交差しており、 前記複数の第1検出ライン及び前記複数の第2検出ラインで構成されるメッシュの複数の隙間内には、前記第1方向の一方側から見て四つの空間が設けられており、前記隙間内の四つの空間は、前記複数の第1検出ラインのうちの隣り合う第1検出ラインと、前記複数の第2検出ラインのうちの隣り合い且つ前記隣り合う第1検出ラインに交差する第2検出ラインと、前記隣り合う第1検出ラインの間に位置する前記第1駆動ラインと、前記隣り合う第2検出ラインの間に位置する前記第2駆動ラインとによって区画されており、
前記GND電極は、複数の第1GNDラインと、複数の第2GNDラインとを有しており、
前記複数の第1GNDライン及び前記複数の第2GNDラインは、前記第3面上でメッシュ状に交差しており且つその交点で電気的に接続されており、前記複数の第1GNDラインは、前記第1方向の一方側から見て前記複数の第1検出ラインに各々重なるように配置されており、前記複数の第2GNDラインは、前記第1方向の一方側から見て前記複数の第2検出ラインに各々重なるように配置されており、
前記複数の第1GNDライン及び前記複数の第2GNDラインで構成されるメッシュの複数の隙間である間隙が設けられており、前記間隙は、前記複数の第1GNDラインのうちの隣り合う第1GNDラインと、前記複数の第2GNDラインのうちの隣り合い且つ隣り合う第1GNDラインに交差する第2GNDラインとによって区画されており、
前記間隙は、前記四つの空間に対して前記第1方向の他方側に位置している静電容量センサ。
【請求項9】
請求項1~5の何れかに記載の静電容量センサにおいて、
GND電極を更に備えており、
前記基体の前記複数の層は、前記第1方向における前記第1面及び前記第2面と異なる第3面を更に有しており、
前記第3面は、前記第2面に対して前記第1方向の他方側に配置されており、
前記複数の第1検出ライン及び前記複数の第2検出ラインは、前記第1面上でメッシュ状に交差しており、 前記複数の第1駆動ライン及び前記複数の第2駆動ラインで構成されるメッシュの複数の隙間内には、前記第1方向の一方側から見て四つの空間が設けられており、前記隙間内の四つの空間は、前記複数の第1駆動ラインのうちの隣り合う第1駆動ラインと、前記複数の第2駆動ラインのうちの隣り合い且つ前記隣り合う第1駆動ラインに交差する第2駆動ラインと、前記隣り合う第1駆動ラインの間に位置する前記第1検出ラインと、前記隣り合う第2駆動ラインの間に位置する前記第2検出ラインとによって区画されており、
前記GND電極は、複数の第1GNDラインと、複数の第2GNDラインとを有しており、
前記複数の第1GNDライン及び前記複数の第2GNDラインは、前記第3面上でメッシュ状に交差しており且つその交点で電気的に接続されており、前記複数の第1GNDラインは、前記第1方向の一方側から見て前記複数の第1駆動ラインに各々重なるように配置されており、前記複数の第2GNDラインは、前記第1方向の一方側から見て前記複数の第2駆動ラインに各々重なるように配置されており、
前記複数の第1GNDライン及び前記複数の第2GNDラインで構成されるメッシュの複数の隙間である間隙が設けられており、前記間隙は、前記複数の第1GNDラインのうちの隣り合う第1GNDラインと、前記複数の第2GNDラインのうちの隣り合い且つ隣り合う第1GNDラインに交差する第2GNDラインとによって区画されており、
前記間隙は、前記四つの空間に対して前記第1方向の他方側に位置している静電容量センサ。
【請求項10】
請求項1~7の何れかに記載の静電容量センサにおいて、
GND電極を更に備えており、
前記複数の第1検出ラインのうちの隣り合う第1検出ラインとその間に位置する前記第1駆動ラインとの間には、前記第1方向の一方側から見て二つの空間が設けられており又は前記複数の第1駆動ラインのうちの隣り合う第1駆動ラインとその間に位置する前記第1検出ラインとの間には、前記第1方向の一方側から見て二つの空間が設けられており、
前記基体の前記複数の層は、前記第1方向における前記第1面及び前記第2面と異なる第3面を更に有しており、
前記第3面は、前記第2面に対して前記第1方向の他方側に配置されており、
前記GND電極は、互いに電気的に接続された複数の第1GNDラインを有しており、
前記複数の第1GNDラインは、前記第1方向の一方側から見て前記複数の第1検出ライン又は前記複数の第1駆動ラインに各々重なるように前記第3面上に配置されており、
前記複数の第1GNDラインのうちの隣り合う第1GNDライン間には、間隙が設けられており、
前記間隙が、前記二つの空間に対して前記第1方向の他方側に位置している静電容量センサ。
【請求項11】
基体と、検出電極と、駆動電極と、制御部と、GND電極とを備えており、
前記基体は、絶縁性を有する一又は複数の層を有しており、
前記一又は複数の層が、前記基体の厚み方向である第1方向において互いに異なる第1面及び第2面を有しており、
前記検出電極は、互いに電気的に接続された複数の第1検出ラインと、環状又は一部が破断した環状の第3検出ラインとを有しており、
前記複数の第1検出ラインは、前記第1面上に間隔をあけて配置されており、
前記第3検出ラインは、少なくとも前記複数の第1検出ラインの周りに位置するように前記第1面上に設けられており且つ前記複数の第1検出ラインの長手方向の両端に連結されており、
前記駆動電極は、互いに電気的に接続された複数の第1駆動ラインと、前記複数の第1駆動ラインに電気的に接続された環状又は一部が破断した環状の第5駆動ラインとを有しており、
前記複数の第1駆動ラインの各々は、前記第1面及び前記第2面のうちの何れか一方の面上に前記第1方向の一方側から見て前記複数の第1検出ラインのうちの隣り合う第1検出ラインの間に位置するように配置されており、
前記第5駆動ラインは、前記第3検出ラインの周りに位置するように前記第1面上に設けられており、
前記GND電極は、環状又は一部が破断した環状の第3GNDラインを有しており、
前記第3GNDラインは、前記第5駆動ラインの周りに位置するように前記第1面上に設けられており、
前記制御部は、前記検出電極に対して充放電を行う構成及び前記駆動電極に対して駆動パルスを供給する構成を有しており、前記検出電極に対する充放電時に、前記検出電極に検出対象が接近することによって、前記検出電極と前記検出対象との間の第1静電容量が変化するようになっており、前記駆動電極に対する駆動パルス供給時に、前記検出電極及び前記駆動電極に前記検出対象が接近することによって、前記検出電極と前記駆動電極との間の第2静電容量が変化するようになっており、
前記制御部は、前記第1静電容量の変化及び前記第2静電容量の変化に基づいて前記検出対象を検出する構成を更に有している静電容量センサ。
【請求項12】
請求項1~7の何れかに記載の静電容量センサにおいて、
GND電極を更に備えており、
前記基体の前記複数の層は、前記第1方向における前記第1面及び前記第2面と異なる第3面を更に有しており、
前記第3面は、前記第2面に対して前記第1方向の他方側に配置されており、
前記第1方向の一方側から見て前記複数の第1検出ラインのうちの隣り合う第1検出ラインとその間に位置する前記第1駆動ラインとの間に二つの空間が設けられており、
前記GND電極は、複数の第1GNDラインと、前記複数の第1GNDラインに電気的に接続された少なくとも一つの第4GNDラインとを有しており、
前記複数の第1GNDラインは、前記第1方向の一方側から見て前記複数の第1検出ラインに各々重なるように前記第3面上に配置されており、
前記少なくとも一つの第4GNDラインは、前記第1方向の一方側から見て前記複数の第1駆動ラインのうちの少なくとも一つの第1駆動ラインに重なるように前記第3面上に配置されており且つ前記複数の第1GNDラインのうちの隣り合う第1GNDラインの間に位置しており、
前記隣り合う第1GNDラインと前記少なくとも一つの第4GNDラインとの間には、間隙が設けられており、前記間隙が、前記空間に対して前記第1方向の他方側に位置している静電容量センサ。
【請求項13】
請求項1~7の何れかに記載の静電容量センサにおいて、
GND電極を更に備えており、
前記基体の前記複数の層は、前記第1方向における前記第1面及び前記第2面と異なる第3面を更に有しており、
前記第3面は、前記第2面に対して前記第1方向の他方側に配置されており、
前記GND電極は、複数の第6GNDラインと、複数の第7GNDラインとを有しており、
前記複数の第6GNDライン及び前記複数の第7GNDラインは、前記第3面上でメッシュ状に交差しており且つその交点で電気的に接続されており、
前記複数の第6GNDラインは、複数の第1GNDラインと、複数の第4GNDラインとを含んでおり、
前記複数の第1GNDラインは、前記第1方向の一方側から見て前記複数の第1検出ラインに各々重なるように前記第3面上に配置されており、
前記複数の第4GNDラインは、前記第1方向の一方側から見て前記複数の第1駆動ラインに各々重なるように前記第3面上に配置されており、
前記第1方向の一方側から見て前記複数の第1検出ラインのうちの隣り合う第1検出ラインとその間に位置する前記第1駆動ラインとの間に二つの空間が設けられており、
前記複数の第6GNDライン及び前記複数の第7GNDラインで構成されるメッシュの複数の隙間である間隙が設けられており、前記間隙のうち、前記複数の第1GNDライン及び前記複数の第4GNDラインのうち隣り合う前記第1GNDラインと前記第4GNDラインとの間に位置する複数の間隙が、前記空間に対して前記第1方向の他方側に位置している静電容量センサ。
【請求項14】
請求項
10又は12記載の静電容量センサにおいて、
前記GND電極は、前記複数の第1GNDラインに電気的に接続された少なくとも一つの第2GNDラインを更に有しており、
前記少なくとも一つの第2GNDラインは、前記第1方向の一方側から見て前記第2検出ラインに重なるように前記第3面上に配置されている静電容量センサ。
【請求項15】
基体と、検出電極と、駆動電極と、制御部とを備えており、
前記基体は、絶縁性を有する一又は複数の層を有しており、
前記一又は複数の層が、前記基体の厚み方向である第1方向において互いに異なる第1面及び第2面を有しており、
前記検出電極は、互いに電気的に接続された複数の第1検出ラインと、前記複数の第1検出ラインに電気的に接続された少なくとも一つの第2検出ラインと、複数の第4検出ラインと、少なくとも一つの第5検出ラインとを有しており、
前記複数の第1検出ライン、前記少なくとも一つの第2検出ライン、前記複数の第4検出ライン及び前記少なくとも一つの第5検出ラインは電気的に接続されており、
前記複数の第1検出ラインは、第2方向に延びており且つ前記第1面上に第3方向に間隔をあけて配置されており、前記第2方向は、前記第1方向に略直交しており、前記第3方向は、前記第1方向に略直交し且つ前記第2方向に交差しており、
前記少なくとも一つの第2検出ラインは、前記第3方向に延びており、前記第1面上に配置されており且つ前記第1面上で前記複数の第1検出ラインに交差しており、
前記駆動電極は、互いに電気的に接続された複数の第1駆動ラインを有しており、
前記複数の第1駆動ラインは、前記第1面上に設けられており且つ前記第2方向に延びており、前記複数の第1駆動ラインの各々は、前記第1方向の一方側から見て前記複数の第1検出ラインのうちの隣り合う第1検出ラインの間に位置するように配置されており、
前記複数の第4検出ラインは、前記第2方向に延びており且つ前記第1方向の一方側から見て前記複数の第1駆動ラインに重なるように前記第2面上に各々配置されており、
前記少なくとも一つの第5検出ラインは、前記第3方向に延びており且つ前記第2面上で前記複数の第4検出ラインに交差しており、
前記制御部は、前記検出電極に対して充放電を行う構成及び前記駆動電極に対して駆動パルスを供給する構成を有しており、前記検出電極に対する充放電時に、前記検出電極に検出対象が接近することによって、前記検出電極と前記検出対象との間の第1静電容量が変化するようになっており、前記駆動電極に対する駆動パルス供給時に、前記検出電極及び前記駆動電極に前記検出対象が接近することによって、前記検出電極と前記駆動電極との間の第2静電容量が変化するようになっており、
前記制御部は、前記第1静電容量の変化及び前記第2静電容量の変化に基づいて前記検出対象を検出する構成を更に有している静電容量センサ。
【請求項16】
請求項15記載の静電容量センサにおいて、
前記駆動電極は、前記複数の第1駆動ラインに電気的に接続された少なくとも一つの第3駆動ラインを更に有しており、
前記少なくとも一つの第3駆動ラインは、前記複数の第1検出ラインの少なくとも一つの第1検出ラインに沿って延びており、前記第1方向の一方側から見て前記少なくとも一つの第1検出ラインに重なるように前記第2面上に配置されている静電容量センサ。
【請求項17】
請求項16記載の静電容量センサにおいて、
前記駆動電極は、前記複数の第1駆動ライン及び前記少なくとも一つの第3駆動ラインに電気的に接続された少なくとも一つの第4駆動ラインを更に有しており、
前記少なくとも一つの第4駆動ラインは、前記第1方向の一方側から見て前記少なくとも一つの第2検出ラインの少なくとも一つに重なるように前記第2面上に配置されている静電容量センサ。
【請求項18】
請求項1~5の何れかに記載の静電容量センサにおいて、
前記駆動電極は、前記複数の第1駆動ライン及び前記複数の第2駆動ラインに電気的に接続された環状又は一部が破断した環状の第5駆動ラインとを有しており、
前記第5駆動ラインは、前記第3検出ラインの周りに位置するように前記第1面上に設けられている静電容量センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量センサに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、従来の静電容量センサが記載されている。この静電容量センサは、検出電極と、駆動電極と、基板と、制御部とを備えている。検出電極及び駆動電極は、基板の一方の面上に隣り合うように設けられた構成、検出電極が基板の一方の面上に設けられ且つ駆動電極が基板の前記一方の面上の検出電極の周りに設けられた構成、又は、検出電極が基板の一方の面上に設けられ且つ駆動電極が基板の他方の面上に検出電極に重なるように設けられた構成とすることが可能である。
【0003】
制御部は、検出面に人体である検出対象がタッチしたか否かについて、自己容量方式のセンシングと、相互容量方式のセンシングと、自己容量方式及び相互容量方式を合成した合成静電容量方式のセンシングとを行う構成となっている。
【0004】
自己容量方式のセンシングでは、制御部が、検出電極を活性化させる一方で、駆動電極を非活性化させる。この状態で、検出対象が検出面に接触して検出対象が検出電極に接近すると、検出電極と検出対象との間の第1静電容量が変化する。制御部は、第1静電容量の変化に基づいて検出対象のタッチを検出する。
【0005】
相互容量方式のセンシングでは、制御部が、検出電極を非活性化させる一方で、駆動電極を活性化させる。これにより、駆動電極と検出電極とが静電結合する。この状態で、検出対象が検出面に接触して検出対象が駆動電極及び検出電極に接近すると、駆動電極と検出電極との間の第2静電容量が変化する。制御部は、第2静電容量の変化に基づいて検出対象のタッチを検出する。
【0006】
合成静電容量方式のセンシングでは、制御部が、検出電極を活性化及び駆動電極を活性化させる。この状態で、検出対象が検出面に接触して検出対象が駆動電極及び検出電極に接近すると、検出電極と検出対象との間の第1静電容量が変化すると共に、駆動電極と検出電極との間の第2静電容量が変化する。制御部は、第1、第2静電容量の変化に基づいて検出対象のタッチを検出する。
【0007】
検出対象が検出面に接触して検出電極及び駆動電極の近傍に存在する場合と、水等の導体付着物が検出面上にあり且つ検出電極及び駆動電極の近傍に存在する場合とでは、第1静電容量は同じように変化するが、第2静電容量の変化は異なる。このため、制御部は、合成静電容量方式のセンシングによって、第1、第2静電容量の変化に基づいて検出対象のタッチを導体付着物から識別して検出できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の通り、検出電極及び駆動電極は隣り合うように配置されていたり、駆動電極が検出電極の周りに配置されていたり、検出電極及び駆動電極が重なるように配置されている。このため、導体付着物が検出面上に付着し且つ検出電極の中心部等の上側に位置する場合、導体付着物が駆動電極から離れて位置するため、当該導体付着物と検出電極との間の静電容量を変化させることはできるが、当該導体付着物によって検出電極と駆動電極との間の静電容量を変化させることができない。この場合、制御部は、第1静電容量の変化にのみ基づいて導電付着物を検出対象として誤検出してしまう恐れが生じる。
【0010】
本発明は、導体付着物によって検出電極と駆動電極との間の静電容量が変化する可能性を向上させることができる静電容量センサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の静電容量センサは、基体と、検出電極と、駆動電極と、制御部とを備えている。基体は、絶縁性を有する一又は複数の層を有している。一又は複数の層が、第1面及び第2面を有している。第1面及び第2面は、基体の厚み方向である第1方向において互いに異なる面である。検出電極は、互いに電気的に接続された複数の第1検出ラインを有している。複数の第1検出ラインは、第1面上に間隔をあけて配置されている。駆動電極は、互いに電気的に接続された複数の第1駆動ラインを有している。複数の第1駆動ラインの各々は、第1面及び第2面のうちの何れか一方の面上に第1方向の一方側から見て複数の第1検出ラインのうちの隣り合う第1検出ラインの間に位置するように配置されている。制御部は、検出電極に対して充放電を行う構成及び駆動電極に対して駆動パルスを供給する構成を有している。検出電極に対する充放電時に、検出電極に検出対象が接近することによって、検出電極と検出対象との間の第1静電容量が変化するようになっている。駆動電極に対する駆動パルス供給時に、検出電極及び駆動電極に検出対象が接近することによって、検出電極と駆動電極との間の第2静電容量が変化するようになっている。制御部は、第1静電容量の変化及び第2静電容量の変化に基づいて検出対象を検出する構成を更に有している。
【0012】
このような態様の静電容量センサによる場合、駆動電極の複数の第1駆動ラインの各々が、隣り合う第1検出ラインの間に位置しているので、導体付着物が、複数の第1駆動ラインのうちの少なくとも一つの第1駆動ラインとその隣の第1検出ラインに対して略Z方向側に位置することによって、第2静電容量のうちの少なくとも一つの第1駆動ラインとその隣の第1検出ラインとの間に形成される相互静電容量を変化させることができる。このため、導体付着物によって、第2静電容量が変化する可能性が向上するので、制御部が、導体付着物を検出対象として誤検出する可能性が低減される。
【0013】
検出電極は、複数の第1検出ラインに電気的に接続された少なくとも一つの第2検出ラインを更に有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの第2検出ラインは、第1面及び第2面のうちの何れか一方の面上に配置された構成とすることが可能である。
【0014】
駆動電極は、複数の第1駆動ラインに電気的に接続された少なくとも一つの第2駆動ラインを更に有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの第2駆動ラインは、第1面及び第2面のうちの何れか一方の面上に配置された構成とすることが可能である。
【0015】
複数の第1検出ラインは、第2方向に延びており且つ第3方向に間隔をあけて配置された構成とすることが可能である。第2方向は、第1方向に略直交しており、第3方向は、第1方向に略直交し且つ第2方向に交差していると良い。少なくとも一つの第2検出ラインは、第3方向に延びており且つ基体の第1面上で複数の第1検出ラインに交差する構成とすることが可能である。少なくとも一つの第2検出ラインは、複数とすることが可能である。この場合、複数の第2検出ラインは、第1面上に第2方向に間隔をあけて配置されており且つ複数の第1検出ラインに交差した構成とすることが可能である。
【0016】
複数の第1駆動ラインは、第2方向に延びており且つ第2面上に第3方向に間隔をあけて配置された構成とすることが可能である。少なくとも一つの第2駆動ラインは、第3方向に延びた構成とすることが可能である。少なくとも一つの第2駆動ラインは、複数であっても良い。
【0017】
少なくとも一つの第2検出ライン及び少なくとも一つの第2駆動ラインが複数である場合、複数の第2駆動ラインの各々は、第1方向の一方側から見て複数の第2検出ラインのうちの隣り合う第2検出ラインの間に位置するように第2面上に配置されており且つ複数の第1駆動ラインに交差した構成とすることが可能である。
【0018】
駆動電極は、複数の第1駆動ライン及び少なくとも一つの第2駆動ラインに電気的に接続された少なくとも一つの第3駆動ラインを更に有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの第3駆動ラインは、複数の第1検出ラインの少なくとも一つの第1検出ラインに沿って延びており、第1方向の一方側から見て少なくとも一つの第1検出ラインに重なるように第2面上に配置された構成とすることが可能である。
【0019】
駆動電極は、複数の第1駆動ライン、少なくとも一つの第2駆動ライン及び少なくとも一つの第3駆動ラインに電気的に接続された少なくとも一つの第4駆動ラインを更に有する構成とすることが可能である。この場合、少なくとも一つの第2検出ラインは、第1面上に配置された構成とすることが可能である。少なくとも一つの第4駆動ラインは、第1方向の一方側から見て少なくとも一つの第2検出ラインの少なくとも一つに重なるように第2面上に配置された構成とすることが可能である。
【0020】
少なくとも一つの第3駆動ラインは、複数としても良い。複数の第3駆動ラインは、第1方向の一方側から見て複数の第1検出ラインに各々重なるように第2面上に配置された構成とすることが可能である。複数の第3駆動ライン及び複数の第1駆動ラインは、その並び方向において交互に配置された構成とすることが可能である。
【0021】
少なくとも一つの第2検出ラインが複数である場合、少なくとも一つの第4駆動ラインは、複数とすることが可能である。複数の第4駆動ラインは、第1方向の一方側から見て複数の第2検出ラインに各々重なるように第2面上に配置されており、且つ、複数の第4駆動ライン及び複数の第2駆動ラインは、その並び方向において交互に配置された構成とすることが可能である。
【0022】
複数の第1検出ラインが第2方向に延びており且つ第3方向に間隔をあけて配置されている場合、複数の第1検出ラインは、第2方向の一方側の第1端と、第2方向の他方側の第2端とを有する構成とすることが可能である。この複数の第1検出ラインは、最も第3方向の一方側に位置する第3方向の一方側の第1検出ラインと、最も第3方向の他方側に位置する第3方向の他方側の第1検出ラインとを含む構成とすることが可能である。
【0023】
少なくとも一つの第2検出ラインは、一対であって、第1面に配置された構成とすることが可能である。この場合、一対の第2検出ラインは、一方の第2検出ラインと他方の第2検出ラインとを含み、一方の第2検出ラインが複数の第1検出ラインの第1端に連結されており、他方の第2検出ラインが複数の第1検出ラインの第2端に連結された構成とすることが可能である。
【0024】
第2駆動ラインは、基体の第2面上に設けられた環状又は一部が破断した環状の本体を有する構成とすることが可能である。本体は、その内周縁である第1部を有しており、第1部は、第1方向の一方側から見て第3方向の一方側の第1検出ライン、第3方向の他方側の第1検出ライン及び一対の第2検出ラインに重なる構成とすることが可能である。
【0025】
複数の第1駆動ラインは、第2方向の一方側の第1端と、第2方向の他方側の第2端とを有する構成とすることが可能である。
【0026】
第2駆動ラインは、複数の第1接続部と、複数の第2接続部とを更に有する構成とすることが可能である。複数の第1駆動ラインが第1面に配置されている場合、複数の第1接続部は、第2面上で本体の第1部から複数の第1駆動ラインの第1端の第1方向の他方側の位置まで延びており、且つ、その先端が複数の第1駆動ラインの第1端に基体のスルーホール電極を介して接続された構成とすることが可能である。複数の第2接続部は、第2面上で本体の第1部から複数の第1駆動ラインの第2端の第1方向の他方側の位置まで延びており、且つ、その先端が複数の第1駆動ラインの第2端に基体の別のスルーホール電極を介して接続された構成とすることが可能である。なお、複数の第1接続部及び複数の第2接続部が省略され、複数の第1駆動ラインが第2面上で本体の第1部の第2方向の一方側の部分から他方側の部分へ延びた構成とすることも可能である。
【0027】
少なくとも一つの第2検出ラインが複数である場合、複数の第1検出ライン及び複数の第2検出ラインは、第1面上でメッシュ状に交差しており且つその交点で電気的に接続された構成とすることが可能である。複数の第1検出ライン及び複数の第2検出ラインで構成されるメッシュの複数の隙間内には、第1方向の一方側から見て四つの空間が設けられた構成とすることが可能である。この場合、隙間内の四つの空間は、複数の第1検出ラインのうちの隣り合う第1検出ラインと、複数の第2検出ラインのうちの隣り合い且つ隣り合う第1検出ラインに交差する第2検出ラインと、隣り合う第1検出ラインの間に位置する第1駆動ラインと、隣り合う第2検出ラインの間に位置する第2駆動ラインとによって区画された構成とすることが可能である。又は、複数の第1駆動ライン及び複数の第2駆動ラインで構成されるメッシュの複数の隙間内には、第1方向の一方側から見て四つの空間が設けられた構成とすることも可能である。この場合、隙間内の四つの空間は、複数の第1駆動ラインのうちの隣り合う第1駆動ラインと、複数の第2駆動ラインのうちの隣り合い且つ隣り合う第1駆動ラインに交差する第2駆動ラインと、隣り合う第1駆動ラインの間に位置する第1検出ラインと、隣り合う第2駆動ラインの間に位置する第2検出ラインとによって区画された構成とすることが可能である。
【0028】
検出電極は、環状又は一部が破断した環状の第3検出ラインを更に有する構成とすることが可能である。第3検出ラインは、少なくとも複数の第1検出ラインの周りに位置するように第1面上に設けられており且つ複数の第1検出ラインの長手方向の両端に連結された構成とすることも可能である。少なくとも一つの第2検出ラインが第1面上に設けられている場合、第3検出ラインは、少なくとも複数の第1検出ライン及び少なくとも一つの第2検出ラインの周りに位置するように第1面上に設けられており且つ複数の第1検出ラインの長手方向の両端及び少なくとも一つの第2検出ラインの長手方向の両端に連結された構成とすることも可能である。
【0029】
基体の複数の層は、第1方向における第1面及び第2面と異なる第3面を更に有する構成とすることが可能である。第3面は、第2面に対して第1方向の他方側に配置された構成とすることが可能である。
【0030】
上記した何れかの態様の静電容量センサは、GND電極を更に備えた構成とすることが可能である。GND電極は、第3面上の複数の第1GNDライン及び/又は少なくとも一つの第2GNDラインを有する構成とすることが可能である。複数の第1GNDラインは、第1方向の一方側から見て複数の第1検出ライン又は複数の第1駆動ラインに各々重なるように配置された構成とすることが可能である。少なくとも一つの第2GNDラインは、第1方向の一方側から見て少なくとも一つの第2検出ラインに重なるように第3面上に配置された構成とすることが可能である。少なくとも一つの第2GNDラインは、複数であっても良い。複数の第2GNDラインは、第1方向の一方側から見て複数の第2検出ライン又は複数の第2駆動ラインに各々重なるように配置された構成とすることが可能である。
【0031】
複数の第1GNDライン及び複数の第2GNDラインが設けられている場合、複数の第1GNDライン及び複数の第2GNDラインが、第3面上でメッシュ状に交差しており且つその交点で電気的に接続された構成とすることが可能である。
【0032】
複数の第1GNDライン及び複数の第2GNDラインで構成されるメッシュの複数の隙間である間隙が設けられた構成とすることが可能である。この記間隙は、複数の第1GNDラインのうちの隣り合う第1GNDラインと、複数の第2GNDラインのうちの隣り合い且つ隣り合う第1GNDラインに交差する第2GNDラインとによって区画された構成とすることが可能である。間隙は、四つの空間に対して第1方向の他方側に位置した構成とすることが可能である。
【0033】
複数の第1検出ラインのうちの隣り合う第1検出ラインとその間に位置する第1駆動ラインとの間には、第1方向の一方側から見て二つの空間が設けられた構成とすることが可能である。又は、複数の第1駆動ラインのうちの隣り合う第1駆動ラインとその間に位置する第1検出ラインとの間には、第1方向の一方側から見て二つの空間が設けられた構成とすることが可能である。
【0034】
複数の第1GNDラインのうちの隣り合う第1GNDライン間には、間隙が設けられており、間隙が、二つの空間に対して第1方向の他方側に位置する構成とすることが可能である。
【0035】
駆動電極は、複数の第1駆動ラインに電気的に接続された環状又は一部が破断した環状の第5駆動ラインを更に有する構成とすることが可能である。第3検出ラインが設けられている場合、第5駆動ラインは、第3検出ラインの周りに位置するように第1面上に設けられた構成とすることが可能である。第3検出ラインが設けられていない場合、第5駆動ラインは、少なくとも第1検出ラインの周りに位置するように第1面上に設けられた構成とすることが可能である。
【0036】
GND電極は、環状又は一部が破断した環状の第3GNDラインを有する構成とすることが可能である。第3GNDラインは、第5駆動ラインの周りに位置するように第1面上に設けられた構成とすることが可能である。第3GNDラインは、第5駆動ラインではなく、複数の第1検出ライン、複数の第2検出ライン及び/又は第3検出ラインの周りに位置するように第1面上に設けられた構成とすることが可能である。
【0037】
GND電極は、複数の第1GNDラインに電気的に接続された少なくとも一つの第4GNDラインを更に有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの第4GNDラインは、第1方向の一方側から見て複数の第1駆動ラインのうちの少なくとも一つの第1駆動ラインに重なるように第3面上に配置されており且つ複数の第1GNDラインのうちの隣り合う第1GNDラインの間に位置した構成とすることが可能である。この場合、隣り合う第1GNDラインと少なくとも一つの第4GNDラインとの間には、間隙が設けられており、間隙が、空間に対して第1方向の他方側に位置する構成とすることが可能である。
【0038】
少なくとも一つの第4GNDラインは、複数とすることが可能である。複数の第4GNDラインは、第1方向の一方側から見て複数の第1駆動ラインに各々重なるように第3面上に配置された構成とすることが可能である。
【0039】
GND電極は、複数の第6GNDラインと、複数の第7GNDラインとを有する構成とすることが可能である。複数の第6GNDライン及び複数の第7GNDラインは、第3面上でメッシュ状に交差しており且つその交点で電気的に接続された構成とすることが可能である。複数の第6GNDラインは、複数の第1GNDラインを含んだ構成とすることが可能である。複数の第6GNDラインは、複数の第4GNDラインを更に含んだ構成とすることが可能である。
【0040】
複数の第6GNDライン及び複数の第7GNDラインで構成されるメッシュの複数の隙間である間隙が設けられており、この間隙のうち、複数の第1GNDライン及び複数の第4GNDラインのうちの隣り合う第1GNDラインと第4GNDラインとの間に位置する複数の間隙が、空間に対して第1方向の他方側に位置する構成とすることが可能である。
【0041】
検出電極は、複数の第1検出ラインに電気的に接続された複数の第4検出ラインを更に有する構成とすることが可能である。複数の第1駆動ラインが第1面上に設けられている場合、複数の第4検出ラインは、第1方向の一方側から見て複数の第1駆動ラインに重なるように第2面上に各々配置された構成とすることが可能である。
【0042】
検出電極は、複数の第1検出ライン、少なくとも一つの第2検出ライン及び複数の第4検出ラインに電気的に接続された少なくとも一つの第5検出ラインを更に有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの第5検出ラインは、第2面上で複数の第4検出ラインに交差する構成とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1A】本発明の実施例1に係る静電容量センサの概略的平面図であって、前記静電容量センサの基体を透過させ且つ検出電極、駆動電極及びGND電極の重畳関係を示す図である。
【
図1B】前記実施例1の静電容量センサの概略的底面図であって、前記静電容量センサの基体を透過させ且つ検出電極、駆動電極及びGND電極の重畳関係を示す図である。
【
図1C】前記実施例1の静電容量センサの検出電極、駆動電極及び制御部の関係を示す説明図である。
【
図2A】前記実施例1の静電容量センサの
図1A中の2A-2A断面図である。
【
図2B】前記実施例1の静電容量センサの
図1A中の2B-2B断面図である。
【
図2C】前記実施例1の静電容量センサの
図1A中の2C-2C断面図である。
【
図2D】前記実施例1の静電容量センサの
図1A中の2D-2D断面図である。
【
図3A】前記実施例1の静電容量センサの基体の第1面上の検出電極の第1~第3検出ライン及び駆動電極の第5駆動ラインの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図3B】前記実施例1の静電容量センサの基体の第2面上の駆動電極の第1~第4駆動ラインの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図3C】前記実施例1の静電容量センサの基体の第3面上のGND電極の第1~第2GNDラインの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図4A】前記実施例1の静電容量センサの第1設計変更例を示す概略的平面図であって、前記静電容量センサの基体を透過させ且つ検出電極、駆動電極及びGND電極の重畳関係を示す図である。
【
図4B】前記第1設計変更例の静電容量センサの概略的底面図であって、前記静電容量センサの基体を透過させ且つ検出電極、駆動電極及びGND電極の重畳関係を示す図である。
【
図5A】前記第1設計変更例の静電容量センサの
図4A中の5A-5A断面図である。
【
図5B】前記第1設計変更例の静電容量センサの
図4A中の5B-5B断面図である。
【
図5C】前記第1設計変更例の静電容量センサの
図4A中の5C-5C断面図である。
【
図5D】前記第1設計変更例の静電容量センサの
図4A中の5D-5D断面図である。
【
図6A】前記第1設計変更例の静電容量センサの基体の第1面上の検出電極の第1~第3検出ライン及び駆動電極の第5駆動ラインの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図6B】前記第1設計変更例の静電容量センサの基体の第2面上の駆動電極の第1~第2駆動ラインの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図6C】前記第1設計変更例の静電容量センサの基体の第3面上のGND電極の第1~第2GNDラインの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図7A】前記実施例1の静電容量センサの第2設計変更例を示す概略的平面図であって、前記静電容量センサの基体を透過させ且つ検出電極、駆動電極及びGND電極の重畳関係を示す図である。
【
図7B】前記第2設計変更例の静電容量センサの基体の第1面上の検出電極の第1~第2検出ライン、駆動電極の第5駆動ライン及びGND電極の第3GNDラインの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図8A】前記実施例1の静電容量センサの第3設計変更例を示す模式的平面図であって、前記静電容量センサの基体の第1面上の第1~第2検出ラインと、前記基体の第2面上の第1~第2駆動ラインとの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図8B】前記実施例1の静電容量センサの第4設計変更例を示す模式的平面図であって、前記静電容量センサの基体の第1面上の第1~第2検出ライン及び第1駆動ラインと、前記基体の第2面上の第2駆動ラインとの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図8C】前記実施例1の静電容量センサの第5設計変更例を示す模式的平面図であって、前記静電容量センサの基体の第1面上の第1~第2検出ライン及び第2駆動ラインと、前記基体の第2面上の第1駆動ラインとの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図8D】前記実施例1の静電容量センサの第6設計変更例を示す模式的平面図であって、前記静電容量センサの基体の第1面上の第1~第2検出ライン及び第1~第2駆動ラインの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図8E】前記実施例1の静電容量センサの第7設計変更例を示す模式的平面図であって、前記静電容量センサの基体の第1面上の第1検出ライン及び第1~第2駆動ラインと、前記基体の第2面上の第1検出ラインとの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図8F】前記実施例1の静電容量センサの第8設計変更例を示す模式的平面図であって、前記静電容量センサの基体の第1面上の第1検出ライン及び第2駆動ラインと、前記基体の第2面上の第2検出ライン及び第1駆動ラインとの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図8G】前記実施例1の静電容量センサの第9設計変更例を示す模式的平面図であって、前記静電容量センサの基体の第1面上の第1検出ライン及び第1駆動ラインと、前記基体の第2面上の第2検出ライン及び第2駆動ラインとの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図8H】前記実施例1の静電容量センサの第10設計変更例を示す模式的平面図であって、前記静電容量センサの基体の第1面上の第1検出ラインと、前記基体の第2面上の第2検出ライン及び第1~第2駆動ラインとの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図9A】本発明の実施例2に係る静電容量センサの概略的平面図であって、前記静電容量センサの基体を透過させ且つ検出電極、駆動電極及びGND電極の重畳関係を示す図である。
【
図9B】前記実施例2の静電容量センサの概略的底面図であって、前記静電容量センサの基体を透過させ且つ検出電極、駆動電極及びGND電極の重畳関係を示す図である。
【
図10A】前記実施例2の静電容量センサの
図9A中の10A-10A断面図である。
【
図10B】前記実施例2の静電容量センサの
図9A中の10B-10B断面図である。
【
図10C】前記実施例2の静電容量センサの
図9A中の10C-10C断面図である。
【
図10D】前記実施例2の静電容量センサの
図9A中の10D-10D断面図である。
【
図11A】前記実施例2の静電容量センサの基体の第1面上の検出電極の第1~第2検出ライン及び駆動電極の第1駆動ライン並びに第5駆動ラインの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図11B】前記実施例2の静電容量センサの基体の第2面上の駆動電極の第2駆動ライン及び第3駆動ラインの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図11C】前記実施例2の静電容量センサの基体の第3面上のGND電極の第1~第2GNDライン及び第4~第5GNDラインの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図12A】本発明の実施例3に係る静電容量センサの概略的平面図であって、前記静電容量センサの基体を透過させ且つ検出電極及び駆動電極の重畳関係を示す図である。
【
図12B】前記実施例3の静電容量センサの概略的底面図であって、前記静電容量センサの基体を透過させ且つ検出電極及び駆動電極の重畳関係を示す図である。
【
図13A】前記実施例3の静電容量センサの
図12A中の13A-13A断面図である。
【
図13B】前記実施例3の静電容量センサの
図12A中の13B-13B断面図である。
【
図13C】前記実施例3の静電容量センサの
図12A中の13C-13C断面図である。
【
図13D】前記実施例3の静電容量センサの
図12A中の13D-13D断面図である。
【
図14A】前記実施例3の静電容量センサの基体の第1面上の検出電極の第1~第2検出ライン及び駆動電極の第1駆動ライン並びに第5駆動ラインの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図14B】前記実施例3の静電容量センサの基体の第2面上の検出電極の第4~第5検出ライン及び駆動電極の第3駆動ライン及び第4駆動ラインの位置関係を示す概略的平面図である。
【
図15A】本発明の実施例4に係る静電容量センサの概略的平面図であって、前記静電容量センサの基体を透過させ且つ検出電極、駆動電極及びGND電極の重畳関係を示す図である。
【
図15B】前記実施例4の静電容量センサの概略的底面図であって、前記静電容量センサの基体を透過させ且つ検出電極、駆動電極及びGND電極の重畳関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施例1、2、3及びその設計変形例について説明する。なお、後述する実施例及び設計変更例の各構成要素は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能であることに留意されたい。また、後述する実施例の各態様及び設計変形例における各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能であることにも留意されたい。
【実施例1】
【0045】
以下、本発明の実施例1及びその設計変型例に係る静電容量センサS1(以下、単にセンサS1とも称する。)について、
図1A~図
8Hを参照しつつ説明する。
図1A~
図3Cには、実施例1のセンサS1が示されている。
図4A~
図6Cには、実施例1のセンサS1の第1設計変型例が示されている。
図7A及び
図7Bには、実施例1のセンサS1の第2設計変型例が示されている。
図2A~
図2D及び
図5A~
図5Dには、Z-Z’方向(第1方向)が示されている。Z-Z’方向は、センサS1の基体100の厚み方向に相当しており、且つZ方向(第1方向の一方)及びZ’方向(第1方向の他方)を含む。
図1A~
図1B、
図3A~
図3C、
図4A~
図4B及び
図6A~
図8Hには、Y-Y’方向(第2方向)及びX-X’方向(第3方向)が示されている。Y-Y’方向及びX-X’方向は、Z-Z’方向に略直交している。Y-Y’方向は、Y方向(第2方向の一方)及びY’方向(第2方向の他方)を含む。X-X’方向は、Y-Y’方向に対して交差していれば良く、Y-Y’方向に略直交していても良い。X-X’方向は、X方向(第3方向の一方)及びX’方向(第3方向の他方)を含む。
【0046】
センサS1は、検出面に対する指等の検出対象によるZ方向側からのタッチを、当該検出面に付着し得る水等の導体付着物と識別して検出可能な構成となっている。センサS1は車両や電子機器の筐体内に収容されて使用される。検出面は、筐体のセンサS1に対してZ方向側に設けられていても良い。又は、検出面は、基体100の最もZ方向側に位置する面としても良い。以下、本明細書では、両検出面を区別せず、説明するが、検出面は、前述の通り筐体に設けられており、センサS1の構成要素でない可能性があることに留意されたい。
【0047】
センサS1は上記した基体100を備えている。基体100は、絶縁性を有する少なくとも一つの層110を有している。少なくとも一つの層110が一つである場合(図示なし)、基体100は層110で構成されている。この場合、例えば、層110は単相基板又は樹脂フィルムで構成されている。少なくとも一つの層110が複数である場合(
図2A~
図2D及び
図5A~
図5D参照)、基体100はZ-Z’方向に積層された複数の層110で構成されている。この場合、例えば、基体100は多層基板又は多層フィルムで構成されており、複数の層110は多層基板のZ-Z’方向に積層された複数の層又は多層フィルムのZ-Z’方向に積層された複数の樹脂フィルムで構成されている。なお、樹脂フィルムは、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)またはこれらの素材のうち複数の素材を混合させたポリマーアロイ等で構成されている。基体100は、フラットであっても良いし、一部又は全体が曲面状に曲がっていても良い。
【0048】
一又は複数の層110は第1面110a及び第2面110bを有する。各層110はZ方向側の面及びZ’方向側の面を有する。第1面110aは、一又は複数の層110のZ方向側の面及びZ’方向側の面のうちの何れか一つの面である。第2面110bは、一又は複数の層110のZ方向側の面及びZ’方向側の面のうちの第1面110aに対してZ’方向側に位置する何れかの面とすることが可能であるが、一又は複数の層110のZ方向側の面及びZ’方向側の面のうちの第1面110aと相違する何れか一つの面であれば良い。一又は複数の層110は、図示しない複数のスルーホール電極を更に有していても良い。なお、複数のスルーホール電極は省略可能である。
【0049】
少なくとも一つの層110が複数である場合、複数の層110は、第1面110a及び第2面110bに加えて、第3面110cを有する構成とすることが可能である。第3面110cは、複数の層110のZ方向側の面及びZ’方向側の面のうちの第1面110a及び第2面110bと相違し且つ第1面110a及び第2面110bに対してZ’方向側に位置する何れかの面であれば良い。
【0050】
センサS1は検出電極200を更に備えている。検出電極200は、自己容量型の検出電極及び相互容量型の検出電極を兼ねている。検出電極200は、互いに電気的に接続された複数の第1検出ライン210を有している。複数の第1検出ライン210は、導電性を有する材料で構成されている。例えば、複数の第1検出ライン210は、(a)周知の印刷法やフォトリソグラフィーなどによって基体100の第1面110a上に形成された導体で構成されていても良いし、(b)スパッタ、無電解めっき又は蒸着により基体100の第1面110a上に導体を形成した後、レーザー又は薬剤のエッチングにより、導体の不必要な部分を除去して形成されていても良い。複数の第1検出ライン210は、Y-Y’方向に直線状に延びていても良いし、一部又は全部が湾曲しつつY-Y’方向に延びていても良い。Y-Y’方向は、検出面に付着した導体付着物が自重によって落下する方向(導体付着物が水である場合、水が自重によって移動する方向)であっても良いが、これに限定されるものではない。複数の第1検出ライン210は、基体100の第1面110aにX-X’方向に間隔をあけて配置されている。なお、Y-Y’方向は、複数の第1検出ライン210の長手方向に相当し、X-X’方向は、複数の第1検出ライン210の並び方向に相当する。
【0051】
センサS1は駆動電極300を更に備えている。駆動電極300は相互容量型の駆動電極である。駆動電極300は、互いに電気的に接続された複数の第1駆動ライン310を有している。複数の第1駆動ライン310は、第1検出ライン210と同様の素材で構成されている。複数の第1駆動ライン310は、Y-Y’方向に直線状に延びていても良いし、一部又は全部が湾曲しつつY-Y’方向に延びていても良い。複数の第1駆動ライン310の各々は、基体100の第1面110a及び第2面110bの何れか一方の面上にZ方向側から見て複数の第1検出ライン210のうちの隣り合う第1検出ライン210の間に位置するように配置されている。換言すると、複数の第1駆動ライン310と複数の第1検出ライン210が、Z方向側から見てX-X’方向において一つずつ交互に配置されている。複数の第1駆動ライン310が第1面110a上に設けられている場合(
図8B、
図8D、
図8E及び
図8G参照)、複数の第1駆動ライン310の各々は、対応する隣り合う第1検出ライン210から間隔をあけて配置されているので、複数の第1検出ライン210に電気的に接続されていない。複数の第1駆動ライン310が第2面110b上に設けられている場合(
図8A、
図8C、
図8F及び
図8H参照)、複数の第1駆動ライン310は、複数の第1検出ライン210が設けられた第1面110aとは異なる第2面110b上に設けられているので、複数の第1検出ライン210に電気的に接続されていない。なお、
図8B、
図8D、
図8E及び
図8Gでは、第1面110a上の第1検出ライン210及び第1駆動ライン310が実線で示されている。
図8A、
図8C、
図8F及び
図8Hでは、第1面110a上の第1検出ライン210が実線で、第2面110b上の第1駆動ライン310が破線で示されている。
【0052】
複数の第1駆動ライン310のY-Y’方向の寸法は、複数の第1検出ライン210のY-Y’方向の寸法よりも大きくても良いが、略同じ又は小さくても構わない。
【0053】
検出電極200は、少なくとも一つの第2検出ライン220を更に有する構成とすることが可能である。一又は複数の第2検出ライン220は、複数の第1検出ライン210に電気的に接続されているが、複数の第1駆動ライン310に電気的に接続されていない。一又は複数の第2検出ライン220は、第1検出ライン210と同様の素材で構成されている。一又は複数の第2検出ライン220は、X-X’方向に直線状に延びていても良いし、一部又は全部が湾曲しつつX-X’方向に延びていても良い。一又は複数の第2検出ライン220は、基体100の第1面110a及び第2面110bの何れか一方の面上に配置されている。例えば、一又は複数の第2検出ライン220は、以下の(1)~(4)の何れかの構成とすることが可能である。なお、
図8A~
図8Dでは、第1面110a上の第2検出ライン220が実線で、
図8E~
図8Hでは、第2面110b上の第2検出ライン220が破線で示されている。
【0054】
(1)少なくとも一つの第2検出ライン220が、一つであって、基体100の第1面110a上に配置されている。この場合、第2検出ライン220は、複数の第1検出ライン210に交差しており且つその交点で複数の第1検出ライン210に電気的に接続されている。
【0055】
(2)少なくとも一つの第2検出ライン220が、複数であって、基体100の第1面110a上にY-Y’方向に間隔をあけて配置されている(
図8A~
図8D参照)。この場合、複数の第2検出ライン220は、複数の第1検出ライン210に交差しており且つその交点で複数の第1検出ライン210に電気的に接続されている。例えば、複数の第1検出ライン210及び複数の第2検出ライン220は、メッシュ状に交差した構成とすることが可能である(
図1A~
図7B参照)。この場合、複数の第1検出ライン210及び複数の第2検出ライン220は、上記した導体で構成されていても良いし、メッシュ状の金属板で構成されていても良い。
【0056】
(3)少なくとも一つの第2検出ライン220が、一つであって、基体100の第2面110b上に配置されている。この場合、第2検出ライン220は、Z方向側から見て複数の第1検出ライン210に交差しており且つ基体100の複数のスルーホール電極を介して複数の第1検出ライン210に各々電気的に接続されている。
【0057】
(4)少なくとも一つの第2検出ライン220が、複数であって、基体100の第2面110b上に間隔をあけて配置されている(
図8E~
図8H参照)。この場合、複数の第2検出ライン220は、Z方向側から見て複数の第1検出ライン210に交差しており且つ基体100の複数のスルーホール電極を介して複数の第1検出ライン210に各々電気的に接続されている。
【0058】
少なくとも一つの第2検出ライン220及び複数の第1駆動ライン310が基体100の同一面(第1面110a又は第2面110b)上に設けられている場合、少なくとも一つの第2検出ライン220は、複数の第1駆動ライン310から離して配置されている(
図8B、
図8D、
図8F及び
図8H参照)。例えば、少なくとも一つの第2検出ライン220は、Z方向側から見て複数の第1検出ライン210の長手方向の一端部に交差しており、複数の第1駆動ライン310が複数の第1検出ライン210の長手方向の他端部の間に配置された構成とすることが可能である。
【0059】
駆動電極300は、少なくとも一つの第2駆動ライン320を更に有する構成とすることが可能である。一又は複数の第2駆動ライン320は、複数の第1駆動ライン310に電気的に接続されているが、複数の第1検出ライン210と一又は複数の第2検出ライン220とには電気的に接続されていない。一又は複数の第2駆動ライン320は、第1検出ライン210と同様の素材で構成されている。一又は複数の第2駆動ライン320は、X-X’方向に直線状に延びていても良いし、一部又は全部が湾曲しつつX-X’方向に延びていても良い。一又は複数の第2駆動ライン320は、基体100の第1面110a及び第2面110bの何れか一方の面上に配置されている。例えば、少なくとも一つの第2駆動ライン320は、以下の(5)~(12)の何れかの構成とすることが可能である。なお、
図8C、
図8D、
図8E及び
図8Fでは、第1面110a上の第2駆動ライン320が実線で、
図8A、
図8B、
図8G及び
図8Hでは、第2面110b上の第2駆動ライン320が破線で示されている。
【0060】
(5)一又は複数の第2検出ライン220が基体100の第1面110a上に設けられており且つ複数の第1駆動ライン310が基体100の第2面110b上に設けられている場合において(
図8A参照)、一又は複数の第2駆動ライン320が、基体100の第2面110b上に配置されており、複数の第1駆動ライン310に交差しており且つその交点で複数の第1駆動ライン310に電気的に接続されている。少なくとも一つの第2駆動ライン320及び少なくとも一つの第2検出ライン220が複数である場合、複数の第1検出ライン210及び複数の第2検出ライン220が第1面110a上でメッシュ状に交差し且つ複数の第1駆動ライン310及び複数の第2駆動ライン320が第2面110b上でメッシュ状に交差した構成とすることが可能である(
図4A~
図7B参照)。この場合、複数の第1駆動ライン310の各々は、Z方向側から見て複数の第1検出ライン210のうちの隣り合う第1検出ライン210の間に位置するように第2面110b上に配置され、且つ、複数の第2駆動ライン320の各々が、Z方向側から見て複数の第2検出ライン220のうちの隣り合う第2検出ライン220の間に位置するように第2面110b上に配置されている。換言すると、複数の第1駆動ライン310と複数の第1検出ライン210が、Z方向側から見てX-X’方向において一つずつ交互に配置され、且つ、複数の第2駆動ライン320と複数の第2検出ライン220が、Z方向側から見てY-Y’方向において一つずつ交互に配置されている。なお、メッシュ状に交差した複数の第1駆動ライン310及び複数の第2駆動ライン320は、メッシュ状に交差した複数の第1検出ライン210及び複数の第2検出ライン220と同様に、上記した導体で構成されていても良いし、メッシュ状の金属板で構成されていても良い。
【0061】
(6)一又は複数の第2検出ライン220が基体100の第2面110b上に設けられており且つ複数の第1駆動ライン310が基体100の第1面110a上に設けられている場合において(
図8G参照)、一又は複数の第2駆動ライン320が、基体100の第2面110b上に一又は複数の第2検出ライン220から離して配置されており、Z方向側から見て複数の第1駆動ライン310に交差しており且つその交点で基体100の複数のスルーホール電極を介して複数の第1駆動ライン310に電気的に接続されている。
【0062】
(7)一又は複数の第2検出ライン220が基体100の第1面110a上に設けられており且つ複数の第1駆動ライン310が基体100の第2面110b上に設けられている場合において(
図8C参照)、一又は複数の第2駆動ライン320が、基体100の第1面110a上に複数の第1検出ライン210と一又は複数の第2検出ライン220とから離して配置されており、Z方向側から見て複数の第1駆動ライン310に交差しており且つその交点で基体100の複数のスルーホール電極を介して複数の第1駆動ライン310に電気的に接続されている。
【0063】
(8)一又は複数の第2検出ライン220が基体100の第2面110b上に設けられており且つ複数の第1駆動ライン310が基体100の第1面110a上に設けられている場合において(
図8E参照)、一又は複数の第2駆動ライン320が、基体100の第1面110a上に複数の第1検出ライン210から離して配置されており、複数の第1駆動ライン310に交差しており且つその交点で複数の第1駆動ライン310に電気的に接続されている。
【0064】
(9)一又は複数の第2検出ライン220及び複数の第1駆動ライン310が基体100の第1面110a上に設けられている場合において(
図8B参照)、一又は複数の第2駆動ライン320が、基体100の第2面110b上に配置されており、Z方向側から見て複数の第1駆動ライン310に交差しており且つ基体100の複数のスルーホール電極を介して複数の第1駆動ライン310に電気的に接続されている。
【0065】
(10)一又は複数の第2検出ライン220及び複数の第1駆動ライン310が基体100の第1面110a上に設けられている場合において(
図8D参照)、一又は複数の第2駆動ライン320が、基体100の第1面110a上に複数の第1検出ライン210と一又は複数の第2検出ライン220とから離して配置されており、複数の第1駆動ライン310に交差しており且つその交点で複数の第1駆動ライン310に電気的に接続されている。
【0066】
(11)一又は複数の第2検出ライン220が基体100の第2面110b上に設けられており且つ複数の第1駆動ライン310が基体100の第2面110b上に設けられている場合において(
図8F参照)、一又は複数の第2駆動ライン320が、基体100の第1面110a上に複数の第1検出ライン210から離して配置されており、Z方向側から見て複数の第1駆動ライン310に交差しており且つ基体100の複数のスルーホール電極を介して複数の第1駆動ライン310に電気的に接続されている。
【0067】
(12)一又は複数の第2検出ライン220が基体100の第2面110b上に設けられており且つ複数の第1駆動ライン310が基体100の第2面110b上に設けられている場合において(
図8H参照)、一又は複数の第2駆動ライン320が、基体100の第2面110b上に一又は複数の第2検出ライン220から離して配置されており、複数の第1駆動ライン310に交差しており且つその交点で複数の第1駆動ライン310に電気的に接続されている。
【0068】
一又は各第2駆動ライン320のX-X’方向の寸法は、少なくとも一つの第2検出ライン220のX-X’方向の寸法よりも大きくても良いが、略同じ又は小さくても構わない。
【0069】
駆動電極300は、少なくとも一つの第3駆動ライン330を更に有する構成とすることが可能である。一又は複数の第3駆動ライン330は、複数の第1駆動ライン310と一又は複数の第2駆動ライン320とに電気的に接続されているが、複数の第1検出ライン210と一又は複数の第2検出ライン220とには電気的に接続されていない。一又は複数の第3駆動ライン330は、第1検出ライン210と同様の素材で構成されている。
【0070】
少なくとも一つの第3駆動ライン330が一つである場合、第3駆動ライン330は、複数の第1検出ライン210のうちの一つの第1検出ライン210に略沿って延びており且つZ方向側から見て当該一つの第1検出ライン210に重なるように基体100の第2面110b上に配置されている。
【0071】
少なくとも一つの第3駆動ライン330が複数である場合、複数の第3駆動ライン330は、複数の第1検出ライン210に沿って各々延びており且つZ方向側から見て複数の第1検出ライン210に各々重なるように基体100の第2面110b上に配置されている。この場合、複数の第3駆動ライン330と複数の第1駆動ライン310は、その並び方向(X-X’方向)において一つずつ交互に配置されている。
【0072】
一又は各第3駆動ライン330の幅寸法(X-X’方向の寸法)は、重なる第1検出ライン210の幅寸法(X-X’方向の寸法)と略同じであると良いが、これに限定されるものではない。一又は複数の第2検出ライン220が第2面110b上に設けられている場合、一又は複数の第3駆動ライン330は、一又は複数の第2検出ライン220から離して第2面110b上に配置されている。一又は各第3駆動ライン330のY-Y’方向の寸法は、重なる第1検出ライン210のY-Y’方向の寸法よりも大きくても良いが、略同じ又は小さくても構わない。
【0073】
駆動電極300は、少なくとも一つの第4駆動ライン340を更に有する構成とすることが可能である。この場合、少なくとも一つの第2検出ライン220は、基体100の第1面110a上に配置されている。一又は複数の第4駆動ライン340は、複数の第1駆動ライン310と、一又は複数の第2駆動ライン320と、一又は複数の第3駆動ライン330とに電気的に接続されているが、複数の第1検出ライン210と一又は複数の第2検出ライン220とには電気的に接続されていない。一又は複数の第4駆動ライン340は、第1検出ライン210と同様の素材で構成されている。
【0074】
少なくとも一つの第4駆動ライン340が一つである場合、第4駆動ライン340は、一の第2検出ライン220又は複数の第2検出ライン220のうちの一つの第2検出ライン220に略沿って延びており、Z方向側から見て当該第2検出ライン220に重なるように基体100の第2面110b上に配置されており、少なくとも一又は複数の第3駆動ライン330に交差しており且つその交点で一又は複数の第3駆動ライン330に電気的に接続されている。
【0075】
少なくとも一つの第4駆動ライン340及び少なくとも一つの第2検出ライン220が複数である場合(
図1A~
図2D及び
図3B参照)、複数の第4駆動ライン340は、複数の第2検出ライン220に沿って各々延びており且つZ方向側から見て複数の第2検出ライン220に各々重なるように基体100の第2面110b上に配置されており、少なくとも一又は複数の第3駆動ライン330に交差しており且つその交点で一又は複数の第3駆動ライン330に電気的に接続されている。
【0076】
一又は各第4駆動ライン340の幅寸法(Y-Y’方向の寸法)は、重なる第2検出ライン220の幅寸法(Y-Y’方向の寸法)と略同じであると良いが、これに限定されるものではない。一又は各第4駆動ライン340のX-X’方向の寸法は、重なる第2検出ライン220のX-X’方向の寸法よりも大きくても良いが、略同じ又は小さくても構わない。
【0077】
複数の第2検出ライン220が基体100の第1面110a上に設けられ且つ複数の第1駆動ライン310、複数の第2駆動ライン320、複数の第3駆動ライン330及び複数の第4駆動ライン340が第2面110b上に設けられている場合、複数の第1検出ライン210及び複数の第2検出ライン220が第1面110a上でメッシュ状に交差し且つ複数の第1駆動ライン310、複数の第2駆動ライン320、複数の第3駆動ライン330及び複数の第4駆動ライン340が第2面110b上でメッシュ状に配置された構成とすることが可能である(
図1A~図
3C参照)。この場合も、複数の第1駆動ライン310の各々は、Z方向側から見て複数の第1検出ライン210のうちの隣り合う第1検出ライン210の間に位置しており、且つ、複数の第2駆動ライン320の各々が、Z方向側から見て複数の第2検出ライン220のうちの隣り合う第2検出ライン220の間に位置している。複数の第1駆動ライン310と複数の第3駆動ライン330は、その並び方向(X-X’方向)において一つずつ交互に配置されており、複数の第2駆動ライン320と複数の第4駆動ライン340とは、その並び方向(Y-Y’方向)において一つずつ交互に配置されている。
【0078】
複数の第3駆動ライン330及び複数の第4駆動ライン340が設けられている否かにかかわらず、複数の第1検出ライン210及び複数の第2検出ライン220が第1面110a上でメッシュ状に交差し且つ複数の第1駆動ライン310及び複数の第2駆動ライン320が第2面110b上でメッシュ状に交差している場合(
図1A及び
図4A参照)、Z方向から見て複数の第1検出ライン210及び複数の第2検出ライン220で構成されるメッシュの複数の隙間内には、四つの空間Sが設けられている。換言すると、四つの空間Sは複数組存在する。各組の四つの空間Sは、複数の第1検出ライン210のうちの隣り合う第1検出ライン210と、複数の第2検出ライン220のうちの隣り合い且つ隣り合う第1検出ライン210に交差する第2検出ライン220と、隣り合う第1検出ライン210の間に位置する第1駆動ライン310と、隣り合う第2検出ライン220の間に位置する第2駆動ライン320とによって区画されている。
【0079】
検出電極200は、第3検出ライン230を更に有する構成とすることが可能である。第3検出ライン230は、複数の第1検出ライン210と一又は複数の第2検出ライン220とに電気的に接続されているが、複数の第1駆動ライン310、一又は複数の第2駆動ライン320、一又は複数の第3駆動ライン330、及び、一又は複数の第4駆動ライン340に電気的に接続されていない。第3検出ライン230は、環状又は一部が破断した環状であって、第1検出ライン210と同様の素材で構成されている。第3検出ライン230は、少なくとも複数の第1検出ライン210の周りに位置するように基体100の第1面110a上に設けられており且つ複数の第1検出ライン210の長手方向の両端に連結されている。一又は複数の第2検出ライン220が基体100の第1面110a上に設けられており且つ複数の第1駆動ライン310と一又は複数の第2駆動ライン320とが基体100の第2面110b上に設けられている場合、第3検出ライン230は、複数の第1検出ライン210と一又は複数の第2検出ライン220との周りに位置するように基体100の第1面110a上に設けられており、且つ、複数の第1検出ライン210の長手方向の両端と一又は複数の第2検出ライン220の長手方向の両端とに連結されている(
図3A、
図6A及び
図7B参照)。なお、第3検出ライン230は省略可能である。
【0080】
第3検出ライン230が設けられている場合、駆動電極300は、第5駆動ライン350を更に有する構成とすることが可能である。第5駆動ライン350は、環状又は一部が破断した環状であって、第1検出ライン210と同様の素材で構成されている。第5駆動ライン350は、第3検出ライン230の周りに位置するように基体100の第1面110a上に設けられている。第5駆動ライン350は、複数の第1駆動ライン310、一又は複数の第2駆動ライン320、一又は複数の第3駆動ライン330、及び、一又は複数の第4駆動ライン340に電気的に接続されているが、複数の第1検出ライン210、一又は複数の第2検出ライン220及び第3検出ライン230とには電気的に接続されていない。例えば、複数の第1駆動ライン310、一又は複数の第2駆動ライン320、一又は複数の第3駆動ライン330、及び/又は、一又は複数の第4駆動ライン340が基体100の第2面110b上に設けられている場合、第5駆動ライン350は、複数の第1駆動ライン310、一又は複数の第2駆動ライン320、一又は複数の第3駆動ライン330、及び/又は、一又は複数の第4駆動ライン340に基体100のスルーホール電極を介して電気的に接続されている。なお、第5駆動ライン350は省略可能である。
【0081】
なお、上記した何れかの態様において、少なくとも一つの第2検出ライン220は省略可能である。また、上記した何れかの態様において、少なくとも一つの第2駆動ライン320、少なくとも一つの第3駆動ライン330及び/又は少なくとも一つの第4駆動ライン340は省略可能である。なお、実施例1のセンサS1と、その第1設計変型例のセンサS1とは、複数の第3駆動ライン330及び複数の第4駆動ライン340の有無の点で相違している以外、略同じ構成であるので、複数の第3駆動ライン330及び複数の第4駆動ライン340が省略された態様については、第1設計変型例のセンサS1を示す
図4A~
図6Cを参照されたい。
【0082】
センサS1は、基体100のGNDに電気的に接続されるGND電極400を更に備えた構成とすることが可能である。GND電極400は、互いに電気的に接続された複数の第1GNDライン410を有している。複数の第1GNDライン410は、第1検出ライン210と同様の素材で構成されている。複数の第1GNDライン410は、複数の第1検出ライン210に略沿って各々延びている。少なくとも一つの第3駆動ライン330が設けられていない場合、複数の第1GNDライン410は、Z方向側から見て複数の第1検出ライン210に各々重なるように基体100の第3面110c上に配置されている。複数の第1GNDライン410の各々の幅寸法(X-X’方向の寸法)は、重なる第1検出ライン210の幅寸法(X-X’方向の寸法)よりも若干大きくても良いが、略同じ又は小さくても良い。少なくとも一つの第3駆動ライン330が複数設けられている場合、複数の第1GNDライン410は、Z方向側から見て複数の第1検出ライン210及び複数の第3駆動ライン330に各々重なるように基体100の第3面110c上に配置されている。この場合、複数の第1GNDライン410の各々の幅寸法(X-X’方向の寸法)は、重なる第1検出ライン210及び第3駆動ライン330の幅寸法(X-X’方向の寸法)よりも若干大きくすることが可能であるが、略同じでも良い。
【0083】
GND電極400は、少なくとも一つの第2GNDライン420を更に有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの第2GNDライン420は、第1検出ライン210と同様の素材で構成されている。少なくとも一つの第2GNDライン420は、少なくとも一つの第2検出ライン220に沿って延びており、複数の第1GNDライン410に交差しており且つその交点で複数の第1GNDライン410に電気的に接続されている。
【0084】
少なくとも一つの第2GNDライン420が一つであり且つ少なくとも一つの第4駆動ライン340が設けられていない場合、第2GNDライン420は、Z方向側から見て一つの第2検出ライン220又は複数の第2検出ライン220の何れか一つに重なるように基体100の第3面110c上に配置されている。
【0085】
少なくとも一つの第2GNDライン420が複数であり、少なくとも一つの第2検出ライン220が複数であり且つ複数の第4駆動ライン340が設けられていない場合、複数の第2GNDライン420は、Z方向側から見て複数の第2検出ライン220に各々重なるように基体100の第3面110c上に配置されている。
【0086】
一又は複数の第2GNDライン420の幅寸法(Y-Y’方向の寸法)は、重なる第2検出ライン220の幅寸法(Y-Y’方向の寸法)よりも若干大きくても良いが、略同じ又は小さくても良い。
【0087】
少なくとも一つの第2GNDライン420が一つであり且つ少なくとも一つの第4駆動ライン340が設けられている場合、第2GNDライン420は、Z方向側から見て一つの第2検出ライン220及び一つの第4駆動ライン340に、又は、Z方向側から見て複数の第2検出ライン220の何れか一つ及び複数の第4駆動ライン340の何れか一つに重なるように基体100の第3面110c上に配置されている。
【0088】
少なくとも一つの第2GNDライン420が複数であり、少なくとも一つの第2検出ライン220が複数であり且つ複数の第4駆動ライン340が設けられている場合、複数の第2GNDライン420は、Z方向側から見て複数の第2検出ライン220及び複数の第4駆動ライン340に各々重なるように基体100の第3面110c上に配置されている。
【0089】
一又は複数の第2GNDライン420の幅寸法(Y-Y’方向の寸法)は、重なる第2検出ライン220及び第4駆動ライン340の幅寸法(Y-Y’方向の寸法)よりも若干大きくても良いが、略同じ又は小さくても良い。
【0090】
なお、複数の第1検出ライン210及び複数の第2検出ライン220が、第1面110a上でメッシュ状に交差した構成である場合、複数の第1GNDライン410及び複数の第2GNDライン420も、第3面110c上でメッシュ状に交差した構成とすることが可能である(
図1A~
図7B参照)。なお、複数の第1GNDライン410及び/又は少なくとも一つの第2GNDライン420は省略可能である。複数の第1GNDライン410及び少なくとも一つの第2GNDライン420の双方が省略される場合、基体100の第3面110cも省略可能である。なお、メッシュ状に交差した複数の第1GNDライン410及び複数の第2GNDライン420は、メッシュ状に交差した複数の第1検出ライン210及び複数の第2検出ライン220と同様に、上記した導体で構成されていても良いし、メッシュ状の金属板で構成されていても良い。
【0091】
複数の第1GNDライン410及び複数の第2GNDライン420がメッシュ状に交差している場合、複数の第1GNDライン410及び複数の第2GNDライン420で構成されるメッシュの複数の隙間である間隙Gが設けられている(
図3C及び
図6C参照)。各間隙Gは、複数の第1GNDライン410のうちの隣り合う第1GNDライン410と、複数の第2GNDライン420のうちの隣り合い且つ隣り合う第1GNDライン410に交差する第2GNDライン420とによって区画されている。各間隙Gは、対応する組の四つの空間Sに対してZ’方向側に位置している(
図1B及び
図4B参照)。
【0092】
GND電極400は、第3GNDライン430を更に有する構成とすることが可能である。第3GNDライン430は、環状又は一部が破断した環状であって、第1検出ライン210と同様の素材で構成されている。第5駆動ライン350が設けられている場合、第3GNDライン430は、第5駆動ライン350の周りに位置するように基体100の第1面110a上に設けられている(
図7A及び
図7B参照)。第5駆動ライン350が設けられていない場合、第3GNDライン430は、少なくとも複数の第1検出ライン210の周りに位置するように基体100の第1面110a上に設けられている。なお、第3GNDライン430は省略可能である(
図1A~
図6C参照)。
【0093】
センサS1は、制御部500を更に備えた構成とすることが可能である。制御部500は、検出IC等の論理回路、又はプロセッサで処理されるソフトウエアで構成されており、且つ、検出電極200及び駆動電極300に電気的に接続されていれば良い。制御部500は、基体100上に実装又は基体100内に設けられていても良いが、これに限定されるものではない。制御部500は、検出電極200に対して充放電を行う構成及び駆動電極300に対して駆動パルスを供給する構成を有している。検出電極200に対する充放電時に、検出電極200に検出対象が接近することによって、検出電極200と検出対象との間の第1静電容量が変化するようになっている。駆動電極300に対する駆動パルス供給時(以下、単に駆動パルス供給時とも称する。)に、検出電極200及び駆動電極300に検出対象が接近することによって、検出電極200と駆動電極300との間の第2静電容量が変化するようになっている。制御部500は、第1静電容量の変化及び第2静電容量の変化に基づいて、検出対象を検出する構成を更に有している。
【0094】
制御部500は、例えば、以下のような構成とすることが可能である。制御部500は、内部コンデンサCADCと、アナログ/デジタルコンバータ(ADC)510と、I/Oポート520と、外部ピン530と、外部ピン540と、外部ピン550を有している(
図1C参照)。内部コンデンサCADCは、外部ピン530及び外部ピン540に接続されている。外部ピン540は、基体100の
GNDに接続されている。外部ピン530は検出電極200に接続されており、検出電極200と
GNDとの間に外部コンデンサCRXが提供されている。I/Oポート520は、外部ピン550を介して駆動電極300に接続されており、I/Oポート520から駆動パルスが駆動電極300に供給されるようになっている。駆動パルスが駆動電極300に供給されることによって、駆動電極300と検出電極200との間に相互静電容量CTXRX(以下、第2静電容量CTXRXとも称する。)が形成される。なお、制御部500内の図示しないメモリには、第1、第2閾値が記録されている。
【0095】
第2静電容量CTXRXは少なくとも第1相互静電容量を含む。駆動電極300の複数の第1駆動ライン310の各々が、Z方向側から見て検出電極200の複数の第1検出ライン210のうちの隣り合う第1検出ライン210の間に位置しているため、駆動パルス供給時に、複数の第1駆動ライン310の各々とその隣りの第1検出ライン210との間に第1相互静電容量が形成される。
【0096】
検出電極200の複数の第1検出ライン210及び複数の第2検出ライン220がメッシュ状に交差しており、駆動電極300の複数の第1駆動ライン310及び複数の第2駆動ライン320がメッシュ状に交差しており、且つ、複数の第2駆動ライン320の各々がZ方向側から見て複数の第2検出ライン220のうちの隣り合う第2検出ライン220の間に位置している場合、第2静電容量CTXRXは、第2相互静電容量、第3相互静電容量及び第4相互静電容量を更に含む。駆動パルス供給時に、複数の第2駆動ライン320の各々とその隣りの第2検出ライン220との間に第2相互静電容量が形成され、複数の第1駆動ライン310の各々と複数の第2検出ライン220の複数の交差部位に対してX方向側、X’方向側の隣の部位との間に第3相互静電容量が形成され且つ複数の第2駆動ライン320の各々と複数の第1検出ライン210の複数の交差部位のY方向側、Y’方向側の隣の部位との間に第4相互静電容量が形成される。複数の第2検出ライン220の複数の交差部位は、Z方向から見て複数の第1駆動ライン310に交差する部位である。複数の第1検出ライン210の複数の交差部位は、Z方向から見て複数の第2駆動ライン320に交差する部位である。
【0097】
第3検出ライン230及び第5駆動ライン350が設けられている場合、第2静電容量CTXRXは第5相互静電容量を更に含む。第5駆動ライン350は第3検出ライン230の周りに間隔をあけて配置されているので、駆動パルス供給時に、第3検出ライン230と第5駆動ライン350との間に第5相互静電容量が形成される。
【0098】
第3検出ライン230が設けられており且つ複数の第1駆動ライン310のY-Y’方向の寸法が複数の第1検出ライン210のY-Y’方向の寸法よりも大きい場合、第2静電容量CTXRXは、第6相互静電容量を更に含む。この場合、複数の第1駆動ライン310は、第3検出ライン230に対してY方向側、Y’方向側(第3検出ライン230より外側)に位置する第1、第2部を有する。駆動パルス供給時に、複数の第1駆動ライン310の第1、第2部と第3検出ライン230との間に第6相互静電容量が形成される。第3検出ライン230が設けられており且つ少なくとも一つの第2駆動ライン320のX-X’方向の寸法が少なくとも一つの第2検出ライン220のX-X’方向の寸法よりも大きい場合、第2静電容量CTXRXは、第7相互静電容量を更に含む。この場合、少なくとも一つの第2駆動ライン320は、第3検出ライン230に対してX方向側、X’方向側(第3検出ライン230より外側)に位置する第1、第2部を有する。駆動パルス供給時に、少なくとも一つの第2駆動ライン320の第1、第2部と第3検出ライン230との間に第7相互静電容量が形成される。第3検出ライン230が設けられており且つ少なくとも一つの第3駆動ライン330のY-Y’方向の寸法が重なる第1検出ライン210のY-Y’方向の寸法よりも大きい場合、第2静電容量CTXRXは、第8相互静電容量を更に含む。この場合、少なくとも一つの第3駆動ライン330は、第3検出ライン230に対してY方向側、Y’方向側(第3検出ライン230より外側)に位置する第1、第2部を有する。駆動パルス供給時に、少なくとも一つの第3駆動ライン330の第1、第2部と第3検出ライン230との間に第8相互静電容量が形成される。第3検出ライン230が設けられており且つ少なくとも一つの第4駆動ライン340のX-X’方向の寸法が第2検出ライン220のX-X’方向の寸法よりも大きい場合、第2静電容量CTXRXは、第9相互静電容量を更に含む。この場合、少なくとも一つの第4駆動ライン340は、第3検出ライン230に対してX方向側、X’方向側(第3検出ライン230より外側)に位置する第1、第2部を有する。駆動パルス供給時に、少なくとも一つの第4駆動ライン340の第1、第2部と第3検出ライン230との間に第9相互静電容量が形成される。
【0099】
制御部500は、駆動パルスを駆動電極300に供給しつつ、下記(A)~(D)の処理を繰り返している。
(A)制御部500は、内部コンデンサCADCをVDDまで充電する一方、外部コンデンサCRXをVSSまで放電する。
(B)(A)の後、制御部500は、内部コンデンサCADCと外部コンデンサCRXとを接続し、両コンデンサの電圧を中間点で安定化させる。このとき、内部コンデンサCADCから外部コンデンサCRXへ電荷が移動する。制御部500は、両コンデンサの電圧が安定化した後、内部コンデンサCADCと外部コンデンサCRXとの接続を解除する。すると、内部コンデンサCADCの電圧がADC510に入力される。この内部コンデンサCADCの電圧がADC510に入力される時点を第1時点と称する。
(C)(B)の後、制御部500は、外部コンデンサCRXをVDDまで充電する一方、内部コンデンサCADCをVSSまで放電する。
(D)(C)の後、制御部500は、内部コンデンサCADCと外部コンデンサCRXとを接続し、両コンデンサの電圧を中間点で安定化させる。このとき、外部コンデンサCRXから内部コンデンサCADCへ電荷が移動する。制御部500は、両コンデンサの電圧が安定化した後、内部コンデンサCADCと外部コンデンサCRXとの接続を解除する。すると、内部コンデンサCADCの電圧がADC510に入力される。この内部コンデンサCADCの電圧がADC510に入力される時点を第2時点と称する。
【0100】
駆動パルスの信号レベルは、上記(A)においてローレベルであり、上記(B)においてローレベル→ハイレベルとなり、上記(C)においてハイレベルが維持され、上記(D)においてハイレベル→ローレベルとなる。上記(B)の第1時点において、駆動パルスの信号レベルはハイレベルであるので、ADC510に入力される内部コンデンサCADCの電圧は、駆動パルスが供給されていない場合に比べて、上昇している。上記(D)の第2時点において、駆動パルスの信号レベルはローレベルであるので、ADC510に入力される内部コンデンサCADCの電圧は、駆動パルスが供給されていない場合に比べて、低下している。
【0101】
検出対象が検出面をタッチする(すなわち、Z方向側から検出対象が検出電極200及び駆動電極300に接近する)と、外部コンデンサCRXに検出対象と検出電極200との間の第1静電容量が加わる一方、駆動電極300と検出電極200との間の第2静電容量CTXRXの電荷が検出対象を経てアースへ移動するので、第2静電容量CTXRXが減少する。第1時点では、第1静電容量の増加に応じて内部コンデンサCADCの電圧が低下し且つ第2静電容量CTXRXの減少に応じて内部コンデンサCADCの電圧が低下する。このように第1時点において第1静電容量の変化及び第2静電容量CTXRXの変化の双方に応じて内部コンデンサCADCの電圧が低下するので、当該内部コンデンサCADCの電圧は、第1静電容量の変化及び第2静電容量CTXRXの変化の何れか一方のみに応じて低下する内部コンデンサCADCの電圧に比べて大きく低下する。第2時点では、第1静電容量の増加に応じて内部コンデンサCADCの電圧が上昇し且つ第2静電容量CTXRXの減少に応じて内部コンデンサCADCの電圧が上昇する。このように第2時点において第1静電容量の変化及び第2静電容量CTXRXの変化の双方に応じて内部コンデンサCADCの電圧が上昇するので、当該内部コンデンサCADCの電圧は、第1静電容量の変化及び第2静電容量CTXRXの変化の何れか一方のみに応じて上昇する内部コンデンサCADCの電圧に比べて大きく上昇する。
【0102】
制御部500は、第1時点の内部コンデンサCADCの電圧と第1閾値とを比較し、第1時点の内部コンデンサCADCの電圧が第1閾値以下であるか否かについて第1判断する。制御部500は、第2時点の内部コンデンサCADCの電圧と第2閾値とを比較し、第2時点の内部コンデンサCADCの電圧が第2閾値以上であるか否かについて第2判断する。制御部500は、第1判断の結果、内部コンデンサCADCの電圧が第1閾値以下であると判断した場合及び/又は第2判断の結果、内部コンデンサCADCの電圧が第2閾値以上であると判断した場合、検出対象が検出面をタッチしたと判断する。
【0103】
一方、検出面に水等の導体付着物が付着する(すなわち、検出電極200に対してZ方向側に導体付着物が存在する)と、外部コンデンサCRXに導体付着物と検出電極200との間の第1静電容量が加わる一方、導体付着物は電気的にアースから電気的に浮遊しているので、導体付着物の静電容量が駆動電極300と検出電極200との間の第2静電容量CTXRXに加わり、第2静電容量CTXRXが導体付着物の静電容量分増加する。この場合、第1時点では、第1静電容量の増加に応じて低下しようとする内部コンデンサCADCの電圧成分と、第2静電容量CTXRXの増加に応じて上昇しようとする内部コンデンサCADCの電圧成分とが互いに相殺するため、結局、第1時点の内部コンデンサCADCの電圧は殆ど変化しない又は変化が小さくなる。第2時点では、第1静電容量の増加に応じて上昇しようとする内部コンデンサCADCの電圧成分と、第2静電容量CTXRXの増加に応じて低下しようとする内部コンデンサCADCの電圧成分とが互いに相殺するため、結局、第2時点の内部コンデンサCADCの電圧は殆ど変化しない又は変化が小さくなる。したがって、検出面に水等の導体付着物が付着した場合、第1時点の内部コンデンサCADCの電圧が第1閾値以下となることはなく、第2時点の内部コンデンサCADCの電圧が第2閾値以上となることはないため、制御部500は、第1判断及び/又は第2判断の結果において、導体付着物を検出対象であると誤って判断しないようになっている。以上の通り、制御部500は、検出対象の検出面に対するタッチを、導体付着物から識別して検出できるようになっている。
【0104】
なお、第1静電容量と、第2静電容量CTXRXとが略同じになるように、複数の第1駆動ライン310のX-X’方向の間隔が調整された構成とすることが可能である。例えば、第1静電容量が、第2静電容量CTXRXよりも大きい場合、検出電極200の複数の第1駆動ライン310のX-X’方向の間隔を小さくすることによって、第2静電容量CTXRXを低下させ、第1静電容量と、第2静電容量CTXRXとを略同じにすることが可能である。この場合、複数の第1駆動ライン310のX-X’方向の間隔は、複数の第1検出ライン210のX-X’方向の間隔よりも小さくすることが可能である。第2静電容量CTXRXが、第1静電容量よりも大きい場合、前述の逆の構成とすることが可能である。
【0105】
複数の第2検出ライン220及び複数の第2駆動ライン320が設けられている場合、第1静電容量と、第2静電容量CTXRXとが略同じになるように、複数の第1駆動ライン310のX-X’方向の間隔及び複数の第2駆動ライン320のY-Y’方向の間隔が調整された構成とすることが可能である。例えば、第1静電容量が、第2静電容量CTXRXよりも大きい場合、検出電極200の複数の第1駆動ライン310のX-X’方向の間隔及び複数の第2駆動ライン320のY-Y’方向の間隔を小さくすることによって、第2静電容量CTXRXを低下させ、第1静電容量と、第2静電容量CTXRXとを略同じにすることが可能である。この場合、複数の第1駆動ライン310のX-X’方向の間隔、複数の第2駆動ライン320のY-Y’方向の間隔は、複数の第1検出ライン210のX-X’方向の間隔、複数の第2検出ライン220のY-Y’方向の間隔よりも小さくすることが可能である。第2静電容量CTXRXが、第1静電容量よりも大きい場合、前述の逆の構成とすることが可能である。
【0106】
以上のようなセンサS1は、以下の技術的特徴及び効果を奏する。
【0107】
技術的特徴及び効果(1)
駆動電極300の複数の第1駆動ライン310の各々が、Z方向側から見て検出電極200の複数の第1検出ライン210のうちの隣り合う第1検出ライン210の間に位置しているため、検出面に付着した導体付着物が、複数の第1駆動ライン310のうちの少なくとも一つの第1駆動ライン310及びその隣の第1検出ライン210に対して略Z方向側に位置することによって、第2静電容量CTXRXのうちの少なくとも一つの第1駆動ライン310とその隣の第1検出ライン210との間に形成される第1相互静電容量を変化させることができる。このため、検出面に付着した導体付着物によって第2静電容量CTXRXが変化する可能性が向上するので、制御部500が、導体付着物を検出対象として誤検出する可能性が低減される。
【0108】
検出電極200の複数の第1検出ライン210及び複数の第2検出ライン220がメッシュ状に交差し、駆動電極300の複数の第1駆動ライン310及び複数の第2駆動ライン320がメッシュ状に交差しており、複数の第1駆動ライン310の各々がZ方向側から見て検出電極200の複数の第1検出ライン210のうちの隣り合う第1検出ライン210の間に位置しており且つ複数の第2駆動ライン320の各々がZ方向側から見て複数の第2検出ライン220のうちの隣り合う第2検出ライン220の間に位置している場合、検出面に付着した導体付着物が、複数の第1駆動ライン310のうちの少なくとも一つの第1駆動ライン310及びその隣の第1検出ライン210に対して及び/又は複数の第2駆動ライン320のうちの少なくとも一つの第2駆動ライン320とその隣の第2検出ライン220に対して、略Z方向側に位置することによって、第2静電容量CTXRXのうちの少なくとも一つの第1駆動ライン310とその隣の第1検出ライン210との間に形成される第1相互静電容量、少なくとも一つの第2駆動ライン320とその隣の第2検出ライン220との間に形成される第2相互静電容量、複数の第1駆動ライン310の各々と複数の第2検出ライン220の複数の交差部位に対するX方向側、X’方向側の隣の部位との間に形成される第3相互静電容量、及び/又は、複数の第2駆動ライン320の各々と複数の第1検出ライン210の複数の交差部位に対するY方向側、Y’方向側の隣の部位との間に形成される第4相互静電容量を変化させることができる。このため、検出面に付着した導体付着物によって第2静電容量CTXRXが更に変化する可能性が向上するので、制御部500が、導体付着物を検出対象として誤検出する可能性が更に低減される。
【0109】
検出電極200の第3検出ライン230及び駆動電極300の第5駆動ライン350が設けられている場合、検出面に付着した導体付着物が、第5駆動ライン350及び第3検出ライン230に対して略Z方向側に位置することによって、第2静電容量CTXRXのうちの第5駆動ライン350と第3検出ライン230との間に形成される第5相互静電容量を変化させることができる。このため、検出面に付着した導体付着物によって第2静電容量CTXRXが変化する可能性が向上するので、制御部500が、導体付着物を検出対象として誤検出する可能性が更に低減される。
【0110】
検出電極200の第3検出ライン230が設けられており且つ駆動電極300の第1駆動ライン310、第2駆動ライン320、第3駆動ライン330及び/又は第4駆動ライン340が第3検出ライン230より外側に位置する第1、第2部を有している場合、検出面に付着した導体付着物が、第1駆動ライン310、第2駆動ライン320、第3駆動ライン330及び/又は第4駆動ライン340の第1、第2部とその隣の第3検出ライン230に対して略Z方向側に位置することによって、第2静電容量CTXRXのうちの第1駆動ライン310の第1、第2部とその隣の第3検出ライン230との間に形成される第6相互静電容量、第2駆動ライン320の第1、第2部とその隣の第3検出ライン230との間に形成される第7相互静電容量、第3駆動ライン330の第1、第2部とその隣の第3検出ライン230との間に形成される第8相互静電容量及び/又は第4駆動ライン340の第1、第2部とその隣の第3検出ライン230との間に形成される第9相互静電容量を変化させることができる。このため、検出面に付着した導体付着物によって第2静電容量CTXRXが変化する可能性が向上するので、制御部500が、導体付着物を検出対象として誤検出する可能性が更に低減される。
【0111】
技術的特徴及び効果(2)
少なくとも一つの第3駆動ライン330が設けられている場合、基体100の第2面110b上の一又は複数の第3駆動ライン330が、基体100の第1面110a上の複数の第1検出ライン210のうちの少なくとも一つに重なることによって、この少なくとも一つの第1検出ライン210に対するZ’方向側から電磁遮蔽部として機能するので、少なくとも一つの第1検出ライン210がZ’方向側から電磁的な影響を受けに難くすることができる。また、少なくとも一つの第4駆動ライン340が設けられている場合、基体100の第2面110b上の一又は複数の第4駆動ライン340が、基体100の第1面110a上の少なくとも一つの第2検出ライン220に重なることによって、この少なくとも一つの第2検出ライン220に対するZ’方向側から電磁遮蔽部として機能するので、少なくとも一つの第2検出ライン220がZ’方向側から電磁的な影響を受けに難くすることができる。
【0112】
技術的特徴及び効果(3)
複数の第1GNDライン410が設けられている場合、基体100の第3面110c上の複数の第1GNDライン410が、基体100の第1面110a上の複数の第1検出ライン210の各々重なることによって、複数の第1検出ライン210に対するZ’方向側から電磁遮蔽部として機能するので、複数の第1検出ライン210がZ’方向側から電磁的な影響を受けに難くすることができる。また、少なくとも一つの第2GNDライン420が設けられている場合、基体100の第3面110c上の一又は複数の第2GNDライン420が、基体100の第1面110a又は第2面110b上の少なくとも一つの第2検出ライン220に重なることによって、この少なくとも一つの第2検出ライン220に対するZ’方向側から電磁遮蔽部として機能するので、少なくとも一つの第2検出ライン220がZ’方向側から電磁的な影響を受けに難くすることができる。
【0113】
技術的特徴及び効果(4)
検出電極200の複数の第1検出ライン210及び複数の第2検出ライン220がメッシュ状に交差し、駆動電極300の複数の第1駆動ライン310及び複数の第2駆動ライン320がメッシュ状に交差しており、上記の通り四つの空間Sが複数組設けられており、且つ、複数の第1GNDライン410及び複数の第2GNDライン420で構成されるメッシュの複数の隙間である間隙Gが設けられている場合、各間隙Gが、対応する組の四つの空間SのZ’方向側に存在する。このため、駆動パルス供給時に、第1、第2駆動ライン310、320からの電荷の一部が複数の間隙Gに移動せず、隣の第1、第2検出ライン210,220に移動するため、第1~第4相互静電容量の低減が抑制される。
【実施例2】
【0114】
以下、本発明の実施例2及びその設計変形例を含む複数の実施例に係る静電容量センサS2について、
図9A~
図11Cを参照しつつ説明する。
図9A~
図11Cには、実施例2の静電容量センサS2(以下、単にセンサS2とも称する。)が示されている。
図10A~
図10Dにも、センサS1と同様に、Z-Z’方向が示されている。
図9A~
図9B及び
図11A~
図11Cにも、センサS1と同様に、X-X’方向及びY-Y’方向が示されている。
【0115】
センサS2は、(1)検出電極200’が、基体100の第1面110a上の複数の第1検出ライン210及び一対の第2検出ライン220を有している点、及び(2)駆動電極300’が、基体100の第1面110a上の複数の第1駆動ライン310と、基体100の第2面110b上の第2駆動ライン320’とを有している点で、センサS1と相違する以外、センサS1と同様の構成である。以下、この相違点について詳しく説明し、センサS2の説明のうち、センサS1の説明と重複する説明は省略する。
【0116】
検出電極200’の複数の第1検出ライン210は、Y-Y’方向に延びており且つX-X’方向に間隔をあけて配置されている(
図9A及び
図11A参照)。複数の第1検出ライン210は、Y方向の第1端と、Y’方向の第2端とを有している。複数の第1検出ライン210は、X方向側の第1検出ライン210と、X’方向側の第1検出ライン210とを含む。X方向側の第1検出ライン210は、複数の第1検出ライン210のうちの最もX方向側に位置する。X’方向側の第1検出ライン210は、複数の第1検出ライン210のうちの最もX’方向側に位置する。
【0117】
検出電極200’の一対の第2検出ライン220は、検出電極200’の一方の第2検出ライン220と他方の第2検出ライン220とを含む。一方の第2検出ライン220は、X-X’方向に延びており且つ複数の第1検出ライン210の第1端に連結されている。他方の第2検出ライン220は、X-X’方向に延びており且つ複数の第1検出ライン210の第2端に連結されている。X方向側の第1検出ライン210、X’方向側の第1検出ライン210及び一対の第2検出ライン220が、略角環状の検出ラインを構成している。以下、これを「略角環状の検出ライン」とも称する。なお、一対の第2検出ライン220は、何れか一方のみが設けられていても良い。
【0118】
駆動電極300’の複数の第1駆動ライン310は、Y-Y’方向に延びている。複数の第1駆動ライン310の各々は、Z方向側から見て複数の第1検出ライン210のうちの隣り合う第1検出ライン210の間に配置されている。複数の第1駆動ライン310は、Y方向の第1端と、Y’方向の第2端とを有している。複数の第1駆動ライン310のY-Y’方向の寸法は、複数の第1検出ライン210のY-Y’方向の寸法よりも小さい。複数の第1駆動ライン310の第1端は、Y-Y’方向において一方の第2検出ライン220と間隔をあけて位置し、複数の第1駆動ライン310の第2端は、Y-Y’方向において一方の第2検出ライン220と間隔をあけて位置している。このため、複数の第1駆動ライン310は、一対の第2検出ライン220に電気的に接続されていない。
【0119】
駆動電極300’は、上記した第5駆動ライン350を更に有する構成とすることが可能である。この場合、第5駆動ライン350は、基体100の第1面110a上の略角環状の検出ラインの周りに間隔をあけて配置されている。なお、第5駆動ライン350は、省略可能である。
【0120】
駆動電極300’の第2駆動ライン320’は、環状又は一部が破断した環状の本体321’を有している。本体321’は、第1部321a’及び/又は第2部321b’を有している。第1部321a’が設けられている場合、第1部321a’は、本体321’の内周縁であって、Z方向側から見て略角環状の検出ラインに重なるように位置しており、且つ、第2部321b’は、本体321’の第1部321a’より外側の環状の部分又は一部が破断した環状の部分であって、略角環状の検出ラインの外側に配置されている。第1部321a’が設けられていない場合、第2部321b’は、本体321’の任意の環状の部分又は一部が破断した環状の部分であって、略角環状の検出ラインの外側に配置されている。第1部321a’が設けられているか否かにかかわらず、第5駆動ライン350が設けられている場合、本体321’の第2部は、Z方向側から見て第5駆動ライン350と略角環状の検出ラインとの間に位置している。第5駆動ライン350が設けられている場合、本体321’は、基体100のスルーホール電極を介して第5駆動ライン350に接続されている。
【0121】
第2駆動ライン320’は、複数の第1接続部322’と、複数の第2接続部323’とを更に有する構成とすることが可能である。この場合、基体100の複数のスルーホール電極130及び複数のスルーホール電極140を有していると良い。複数の第1接続部322’の各々は、本体321’の第1部321a’のY方向側の部分から対応する第1駆動ライン310の第1端に対するZ’方向側の位置までY’方向に延びており且つ当該第1接続部322’の先端が、基体100の対応するスルーホール電極130を介して対応する第1駆動ライン310の第1端に接続されている。複数の第1接続部322’の各々は、Z方向側から見て複数の第1検出ライン210のうちの隣り合う第1検出ライン210の間に配置されており且つZ方向側から見て対応する第1駆動ライン310の第1端と一方の第2検出ライン220との間に配置されている。複数の第2接続部323’は、本体321’の第1部321a’のY’方向側の部分から対応する第1駆動ライン310の第2端に対するZ’方向側の位置までY方向に延びており且つ当該第2接続部323’の先端が基体100の対応するスルーホール電極140を介して対応する第1駆動ライン310の第2端に接続されている。複数の第2接続部323’の各々は、Z方向側から見て複数の第1検出ライン210のうちの隣り合う第1検出ライン210の間に配置されており且つZ方向側から見て対応する第1駆動ライン310の第2端と他方の第2検出ライン220との間に配置されている。
【0122】
なお、複数の第1駆動ライン310は、基体100の第1面110aではなく、基体100の第2面110bに設けられていても良い。この場合、複数の第1接続部322’及び複数の第2接続部323’が省略され、第1駆動ライン310の第1端、第2端が、本体321’まで延びており且つ本体321’に連結された構成とすることが可能である。
【0123】
複数の第1駆動ライン310が基体100の第1面110a及び第2面110bの何れに設けられているにかかわらず、Z方向から見て複数の第1検出ライン210のうちの隣り合う第1検出ライン210とその間に位置する第1駆動ライン310との間には、長尺状の二つの空間Sが生じる。この二つの空間Sは、隣り合う第1検出ライン210毎に存在する。換言すると、二つの空間Sは、複数組存在する。
【0124】
駆動電極300’は、少なくとも一つの第3駆動ライン330を更に有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの第3駆動ライン330は、本体321’の第1部321a’のY方向側の部分からY’方向側の部分まで延びている。駆動電極300’の一又は複数の第3駆動ライン330は、複数の第1検出ライン210のうちの一又は複数の第1検出ライン210に沿って延びており且つZ方向側から見て一又は複数の第1検出ライン210に重なるように基体100の第2面110b上に配置されている。なお、少なくとも一つの第3駆動ライン330は省略可能である。
【0125】
センサS2が、基体100のGNDに電気的に接続されるGND電極400’を更に備えた構成とすることが可能である。GND電極400’は、上記複数の第1GNDライン410及び/又は上記少なくとも一つの第2GNDライン420を有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの第2GNDライン420は、二つであって、一対の第2検出ライン220に各々の重なるように配置されていても良い。二つの第2GNDライン420は、Y方向側の第2GNDライン420と、Y’方向側の第2GNDライン420とを含む。
【0126】
少なくとも一つの第3駆動ライン330が設けられている場合、GND電極400’は、少なくとも複数の第1GNDライン410に電気的に接続された少なくとも一つの第4GNDライン440を更に有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの第4GNDライン440は、第1検出ライン210と同様の素材で構成されている。少なくとも一つの第4GNDライン440は、複数の第1駆動ライン310のうちの少なくとも一つの第1駆動ライン310に沿って延びており、Z方向側から見て当該少なくとも一つの第1駆動ライン310に重なるように基体100の第3面110c上に配置されている。少なくとも一つの第4GNDライン440は、複数であって、複数の第1駆動ライン310に各々重なるように基体100の第3面110c上に配置されていても良い。この場合、複数の第4GNDライン440と複数の第1GNDライン410とはX-X’方向において一つずつ交互に配置されている。
【0127】
GND電極400’は、複数の第6GNDライン460及び複数の第7GNDライン470を有する構成とすることが可能である。複数の第6GNDライン460及び複数の第7GNDライン470は、第1検出ライン210と同様の素材で構成されている。複数の第6GNDライン460は、基体100の第3面110c上に設けられており、Y-Y’方向に延びており、且つX-X’方向に間隔をあけて配置されている。複数の第7GNDライン470は、基体100の第3面110c上に設けられており、X-X’方向に延びており且つY-Y’方向に間隔をあけて配置されている。複数の第6GNDライン460及び複数の第7GNDライン470は、メッシュ状に交差しており且つその交点で電気的に接続されている。複数の第6GNDライン460は、複数の第1GNDライン410及び少なくとも一つの第4GNDライン440を含み、複数の第7GNDライン470は、少なくとも一つの第2GNDライン420を含む。
【0128】
基体100の複数のスルーホール電極130及び複数のスルーホール電極140が、基体100の第3面110cに至る構成とすることが可能である(図10D参照)。この場合、GND電極400’は、第1検出ライン210と同様の素材で構成された略環状の複数の第5GNDライン450を更に有する構成とすることが可能である。
【0129】
複数の第5GNDライン450は、複数の第1GNDライン410のうちの隣り合う第1GNDライン410の間に各々位置するように基体100の第3面110c上に配置されており且つ隣り合う第1GNDライン410に連結されている。複数の第5GNDライン450は、複数のスルーホール電極130周りに位置する複数のY方向側の第5GNDライン450と、複数のスルーホール電極140周りに位置する複数のY’方向側の第5GNDライン450を含む。複数のY方向側の第5GNDライン450は、Y方向側の第2GNDライン420に対してY’方向側に隣接しており且つY方向側の第2GNDライン420に連結されている。複数のY方向側の第5GNDライン450は、複数の第7GNDライン470のうちのY方向側の第2GNDライン420に対してY’方向側に位置する第7GNDライン470を分断しており且つ分断された第7GNDライン470に連結されている。複数のY’方向側の第5GNDライン450は、Y’方向側の第2GNDライン420に対してY方向側に隣接しており且つY’方向側の第2GNDライン420に連結されている。複数のY’方向側の第5GNDライン450は、複数の第7GNDライン470のうちのY’方向側の第2GNDライン420に対してY方向側に位置する第7GNDライン470を分断しており且つ分断された第7GNDライン470に連結されている。更に、複数のY方向側の第5GNDライン450及び複数のY’方向側の第5GNDライン450の一つずつが、複数の第4GNDライン440のうちの対応する一つを分断しており且つ分断された第4GNDライン440に各々連結されている。
【0130】
なお、複数の第1GNDライン410、少なくとも一つの第2GNDライン420、少なくとも一つの第4GNDライン440、複数の第5GNDライン450及び/又は少なくとも一つの第6GNDライン460は、省略可能である。他方で、GND電極400’は、センサS1のGND電極400と同様に、上記した第3GNDライン430を更に有する構成とすることが可能である。
【0131】
少なくとも一つの第4GNDライン440が設けられていない場合、複数の第1GNDライン410のうちの隣り合う第1GNDライン410との間には、隣り合う第1GNDライン410に沿って延びる長尺状の間隙が設けられた構成とすることが可能である。この場合、各間隙は、対応する前記組の二つの空間Sに対してZ’方向側に位置している。
【0132】
複数の第4GNDライン440が設けられている場合、複数の第4GNDライン440及び複数の第1GNDライン410のうちの隣り合う第4GNDライン440と第1GNDライン410と間に、当該第4GNDライン440及び第1GNDライン410及びに沿って延びる長尺状の間隙が設けられた構成とすることが可能である。この間隙は、隣り合う第4GNDライン440及び第1GNDライン410毎に存在する。各間隙は、対応する空間Sに対してZ’方向側に位置している。
【0133】
複数の第6GNDライン460及び複数の第7GNDライン470がメッシュ状に交差している場合、複数の第6GNDライン460及び複数の第7GNDライン470で構成されるメッシュの複数の隙間である間隙が設けられている。この間隙は、複数の第6GNDライン460のうちの隣り合う第6GNDライン460と、複数の第7GNDライン470のうちの隣り合い且つ隣り合う第6GNDライン460に交差する第7GNDライン470とによって区画されている。メッシュの間隙は、複数の第6GNDライン460のうちの隣り合う第1GNDライン410と第4GNDライン440との間に位置する複数の間隙Gを含む。複数の間隙Gは、隣り合う第1GNDライン410及び第4GNDライン440毎に存在する。換言すると、複数の間隙Gは、複数組存在する。各間隙Gが、対応する空間Sに対してZ’方向側に位置している。
【0134】
センサS2の制御部500は、センサS1の制御部500と同様に、検出電極200’に対して充放電を行う構成及び駆動電極300’に対して駆動パルスを供給する構成を有している。検出電極200’に対する充放電時に、検出電極200’に検出対象が接近することによって、検出電極200’と検出対象との間の第1静電容量が変化するようになっている。駆動電極300’に対する駆動パルス供給時(以下、単に駆動パルス供給時とも称する。)に、検出電極200’及び駆動電極300’に検出対象が接近することによって、検出電極200’と駆動電極300’との間の第2静電容量が変化するようになっている。センサS2の制御部500は、センサS1の制御部500と同様に、検出電極200’と検出対象との第1静電容量の変化及び検出電極200’と駆動電極300との間の第2静電容量の変化に基づいて、検出対象を検出する構成を更に有している。
【0135】
センサS2の第2静電容量CTXRXは少なくとも第1相互静電容量を含む。第1相互静電容量は上記した通りである。第2駆動ライン320’の本体321’の第2部321b’が、略角環状の検出ラインの外側に配置されている場合、第2静電容量CTXRXは第10相互静電容量を更に含む。駆動パルス供給時に、本体321’の第2部321b’と略角環状の検出ラインとの間に第10相互静電容量が形成される。第2駆動ライン320’の複数の第1接続部322’及び複数の第2接続部323’が設けられている場合、第2静電容量CTXRXは第11相互静電容量、第12相互静電容量、第13相互静電容量及び第14相互静電容量を更に含む。駆動パルス供給時に、複数の第1接続部322’の各々とその隣りの第1検出ライン210との間に第11相互静電容量が形成され、複数の第2接続部323’の各々とその隣りの第1検出ライン210との間に第12相互静電容量が形成され、複数の第1接続部322’の各々と一方の第2検出ライン220との間に第13相互静電容量が形成され、且つ、複数の第2接続部323’の各々と他方の第2検出ライン220との間に第14相互静電容量が形成される。第5駆動ライン350が略角環状の検出ラインの周りに間隔をあけて配置されている場合、第2静電容量CTXRXは第15相互静電容量を更に含む。駆動パルス供給時に、第5駆動ライン350と略角環状の検出ラインとの間に第15相互静電容量が形成される。
【0136】
以上のようなセンサS2は、以下の技術的特徴及び効果を奏する。
【0137】
技術的特徴及び効果(1)
駆動電極300’の複数の第1駆動ライン310の各々が、Z方向側から見て検出電極200の複数の第1検出ライン210のうちの隣り合う第1検出ライン210の間に位置しているため、検出面に付着した導体付着物が、複数の第1駆動ライン310のうちの少なくとも一つの第1駆動ライン310とその隣の第1検出ライン210に対して略Z方向側に位置することによって、第2静電容量CTXRXのうちの少なくとも一つの第1駆動ライン310とその隣の第1検出ライン210との間に形成される第1相互静電容量を変化させることができる。このため、検出面に付着した導体付着物によって第2静電容量CTXRXが変化する可能性が向上するので、制御部500が、導体付着物を検出対象として誤検出する可能性が低減される。
【0138】
第2駆動ライン320’の本体321’の第2部321b’が、略角環状の検出ラインの外側に配置されている場合、検出面に付着した導体付着物が、第2駆動ライン320’の本体321’の第2部321b’と略角環状の検出ラインに対して略Z方向側に位置することによって、本体321’の第2部321b’と略角環状の検出ラインとの間に形成される第10相互静電容量を変化させることができる。このため、検出面に付着した導体付着物によって第2静電容量CTXRXが変化する可能性が向上するので、制御部500が、導体付着物を検出対象として誤検出する可能性が低減される。
【0139】
第2駆動ライン320’の複数の第1接続部322’及び複数の第2接続部323’が設けられている場合、検出面に付着した導体付着物が、複数の第1接続部322’及び複数の第2接続部323’のうちの少なくとも一つに対して略Z方向側に位置することによって、第2静電容量CTXRXのうちの複数の第1接続部322’の各々とその隣りの第1検出ライン210との間に形成される第11相互静電容量、複数の第2接続部323’の各々とその隣りの第1検出ライン210との間に形成される第12相互静電容量、複数の第1接続部322’の各々と一方の第2検出ライン220との間に形成される第13相互静電容量及び/又は複数の第2接続部323’の各々と他方の第2検出ライン220との間に形成される第14相互静電容量を変化させることができる。このため、検出面に付着した導体付着物によって第2静電容量CTXRXが変化する可能性が向上するので、制御部500が、導体付着物を検出対象として誤検出する可能性が低減される。
【0140】
第5駆動ライン350が略角環状の検出ラインの周りに間隔をあけて配置されている場合、検出面に付着した導体付着物が、第5駆動ライン350と略角環状の検出ラインに対して略Z方向側に位置することによって、第2静電容量CTXRXのうちの第5駆動ライン350と略角環状の検出ラインとの間に形成される第15相互静電容量を変化させることができる。このため、検出面に付着した導体付着物によって第2静電容量CTXRXが変化する可能性が向上するので、制御部500が、導体付着物を検出対象として誤検出する可能性が低減される。
【0141】
技術的特徴及び効果(2)
第2駆動ライン320’の本体321’の第1部321a’がZ方向側から見て略角環状の検出ラインに重なることによって、略角環状の検出ライン(すなわち、X方向側の第1検出ライン210、X’方向側の第1検出ライン210及び一対の第2検出ライン220)に対するZ’方向側から電磁遮蔽部として機能するので、略角環状の検出ラインがZ’方向側から電磁的な影響を受けに難くすることができる。更に、少なくとも一つの第3駆動ライン330が設けられている場合、基体100の第2面110b上の一又は複数の第3駆動ライン330が、基体100の第1面110a上の複数の第1検出ライン210のうちの少なくとも一つに重なることによって、この少なくとも一つの第1検出ライン210に対するZ’方向側から電磁遮蔽部として機能するので、少なくとも一つの第1検出ライン210がZ’方向側から電磁的な影響を受け難くすることができる。
【0142】
技術的特徴及び効果(3)
Z方向から見て複数の第1検出ライン210のうちの隣り合う第1検出ライン210とその間に位置する第1駆動ライン310との間に位置する二つの空間Sが複数組設けられており、少なくとも一つの第4GNDライン440が設けられておらず、且つ、GND電極400’の複数の第1GNDライン410のうちの隣り合う第1GNDライン410との間に位置する間隙が複数設けられている場合、各間隙は、対応する組の二つの空間Sに対してZ’方向側に位置している。この場合、第1駆動ライン310から電荷の一部が前述の間隙へ移動せず、隣の第1検出ライン210に移動するため、第1相互静電容量の低減が抑制される。
【0143】
また、二つの空間Sが複数組設けられており、複数の第4GNDライン440が設けられており、且つ複数の第4GNDライン440及び複数の第1GNDライン410のうちの隣り合う第4GNDライン440と第1GNDライン410と間に位置する間隙が複数設けられている場合、各間隙は、対応する空間Sに対してZ’方向側に位置している。この場合、駆動パルス供給時に、第1駆動ライン310から電荷の一部が前述の間隙へ移動せず、隣の第1検出ライン210に移動するため、第1相互静電容量の低減が抑制される。
【0144】
また、二つの空間Sが複数組設けられており、複数の第6GNDライン460及び複数の第7GNDライン470がメッシュ状に交差しており、複数の第6GNDライン460及び複数の第7GNDライン470で構成されるメッシュの複数の隙間である間隙が、隣り合う第1GNDライン410及び第4GNDライン440の間に位置する複数の間隙Gを含む場合、複数の間隙Gが、対応する空間Sに対してZ’方向側に位置している。この場合、第1駆動ライン310から電荷の一部が前述の間隙Gへ移動しないため、第1相互静電容量の低減が抑制される。
【0145】
なお、GND電極400’の第1GNDライン410及び/又は第2GNDライン420が設けられている場合、センサS2は、センサS1の技術的特徴及び効果(3)と同様の技術的特徴及び効果を奏する。
【実施例3】
【0146】
以下、本発明の実施例3及びその設計変形例を含む複数の実施例に係る静電容量センサS3について、
図12A~
図14Cを参照しつつ説明する。
図12A~
図14Cには、実施例2の静電容量センサS3(以下、単にセンサS3とも称する。)が示されている。
図13A~
図13Dにも、センサS1と同様に、Z-Z’方向が示されている。
図12A~
図12B及び
図14A~
図14Cにも、センサS1と同様に、X-X’方向及びY-Y’方向が示されている。
【0147】
センサS3は、(1)検出電極200’’が、基体100の第1面110a上の複数の第1検出ライン210及び少なくとも一つの第2検出ライン220と、基体100の第2面110b上の複数の第4検出ライン240とを有している点、及び(2)駆動電極300’’が、基体100の第1面110a上の複数の第1駆動ライン310と、基体100の第2面110b上の複数の第3駆動ライン330とを有している点で、センサS1と相違する。以下、この相違点について詳しく説明し、センサS3の説明のうち、センサS1の説明と重複する説明は省略する。
【0148】
検出電極200’’の複数の第1検出ライン210は、Y-Y’方向に延びており且つX-X’方向に間隔をあけて配置されている(
図12A及び
図14A参照)。複数の第1検出ライン210は、Y方向側の第1端部と、Y’方向側の第2端部と、第1、第2端部の間の中間部とを有する。検出電極200’’の少なくとも一つの第2検出ライン220は、X-X’方向に延びており、複数の第1検出ライン210の中間部に交差しており且つその交点で複数の第1検出ライン210に電気的に接続されている。少なくとも一つの第2検出ライン220が、複数である場合、Y-Y’方向に間隔をあけて配置されていると良い。
【0149】
駆動電極300’’の複数の第1駆動ライン310は、Y-Y’方向に延びている。複数の第1駆動ライン310のY-Y’方向の寸法は、複数の第1検出ライン210のY-Y’方向の寸法よりも小さい。複数の第1駆動ライン310の各々は、Z方向側から見て複数の第1検出ライン210のうちの隣り合う第1検出ライン210の第1端部間及び第2端部間に位置するように基体100の第1面110a上に設けられている。複数の第1駆動ライン310は、少なくとも一つの第2検出ライン220側に位置する第1端と、その反対側の第2端とを有する。複数の第1駆動ライン310の第1端は、Y-Y’方向において少なくとも一つの第2検出ライン220から間隔をあけて位置している。このため、複数の第1駆動ライン310は、少なくとも一つの第2検出ライン220に電気的に接続されていない。
【0150】
駆動電極300’’は、上記した第5駆動ライン350を更に有する構成とすることが可能である。第5駆動ライン350は、基体100の第1面110a上の複数の第1検出ライン210、少なくとも一つの第2検出ライン220及び複数の第1駆動ライン310の周りに配置されている。複数の第1駆動ライン310の第2端が第5駆動ライン350に連結されている。第5駆動ライン350は、複数の第1検出ライン210及び少なくとも一つの第2検出ライン220から間隔をあけて配置されている。
【0151】
駆動電極300’’の複数の第3駆動ライン330は、複数の第1駆動ライン310に電気的に接続されているが、複数の第1検出ライン210及び少なくとも一つの第2検出ライン220には電気的に接続されていない。複数の第3駆動ライン330は、複数の第1検出ライン210に沿って各々延びており且つZ方向側から見て複数の第1検出ライン210に各々重なるように基体100の第2面110b上に配置されている。複数の第3駆動ライン330は、Y方向側の第1端部と、Y’方向側の第2端部と、第1、第2端部の間の中間部とを有する。
【0152】
駆動電極300’’は、少なくとも一つの第4駆動ライン340を更に有する構成とすることが可能である。少なくとも一つの第4駆動ライン340は、基体100の第2面110b上に設けられ、少なくとも一つの第2検出ライン220に略沿って延びており、Z方向側から見て少なくとも一つの第2検出ライン220に重なるように配置されており、複数の第3駆動ライン330の中間部に交差しており且つその交点で複数の第3駆動ライン330に電気的に接続されている。すなわち、少なくとも一つの第4駆動ライン340、複数の第1駆動ライン310及び複数の第3駆動ライン330は、電気的に接続されている。
【0153】
検出電極200’’の複数の第4検出ライン240は、第1検出ライン210と同様の素材で構成されており、複数の第1駆動ライン310に略沿って延びており且つZ方向側から見て複数の第1駆動ライン310に各々重なるように配置されている。複数の第4検出ライン240は、複数の第1駆動ライン310に各々重なるY方向側の第4検出ライン240と、複数の第1駆動ライン310に各々重なるY’方向側の第4検出ライン240とを含む。また、Y方向側の第4検出ライン240は、Y方向側の第4検出ライン240のうちの最もX方向側に位置するYX方向側の第4検出ライン240と、Y方向側の第4検出ライン240のうちの最もX’方向側に位置するYX’方向側の第4検出ライン240とを含み、Y’方向側の第4検出ライン240は、Y’方向側の第4検出ライン240のうちの最もX方向側に位置するY’X方向側の第4検出ライン240と、Y’方向側の第4検出ライン240のうちの最もX’方向側に位置するY’X’方向側の第4検出ライン240とを含む。
【0154】
複数のY方向側の第4検出ライン240と複数の第3駆動ライン330の第1端部とは、X-X’方向において一つずつ交互に間隔をあけて配置されており、複数のY’方向側の第4検出ライン240と複数の第3駆動ライン330の第2端部とは、X-X’方向において一つずつ交互に間隔をあけて配置されているので、複数の第4検出ライン240は、複数の第3駆動ライン330に電気的に接続されていない。複数の第4検出ライン240は、少なくとも一つの第4駆動ライン340側に位置する第1端と、その反対側の第2端とを有する。複数の第4検出ライン240の第1端は、Y-Y’方向において少なくとも一つの第4駆動ライン340から間隔をあけて位置している。このため、複数の第4検出ライン240は、少なくとも一つの第4駆動ライン340に電気的に接続されていない。複数の第4検出ライン240は、複数の第1検出ライン210及び少なくとも一つの第2検出ライン220に接続されている。なお、少なくとも一つの第4駆動ライン340は省略可能である。
【0155】
検出電極200’’は、基体100の第2面110b上の複数の第5検出ライン250を更に有する構成とすることが可能である。複数の第5検出ライン250は、第1検出ライン210と同様の素材で構成されており且つX-X’方向に延びている。複数の第5検出ライン250は、Y方向側の第5検出ライン250と、Y’方向側の第5検出ライン250とを含む。Y方向側の第5検出ライン250は、Y方向側の第4検出ライン240の第2端に連結されており且つY方向側の第4検出ライン240に電気的に接続されているが、複数の第3駆動ライン330の第1端部からY-Y’方向において間隔をあけて配置されているので、複数の第3駆動ライン330に電気的に接続されていない。Y’方向側の第5検出ライン250は、Y’方向側の第4検出ライン240の第2端に連結されており且つY’方向側の第4検出ライン240に電気的に接続されているが、複数の第3駆動ライン330の第2端部からY-Y’方向において間隔をあけて配置されているので、複数の第3駆動ライン330に電気的に接続されていない。複数の第5検出ライン250は、基体100のスルーホール電極を介して複数の第1検出ライン210及び少なくとも一つの第2検出ライン220に電気的に接続されている。これにより、Y方向側の第5検出ライン250と、Y’方向側の第5検出ライン250とが電気的に接続されている。なお、Y方向側の第5検出ライン250は、Y方向側の第4検出ライン240に交差していても良い。Y’方向側の第5検出ライン250は、Y’方向側の第4検出ライン240に交差していても良い。なお、複数の第5検出ライン250は省略可能である。
【0156】
駆動電極300’’は、第6駆動ライン360を更に有する構成とすることが可能である。この場合、第6駆動ライン360は、環状又は一部が破断した環状であって、第1検出ライン210と同様の素材で構成されている。第6駆動ライン360は、複数の第3駆動ライン330、少なくとも一つの第4駆動ライン340、複数の第4検出ライン240及び複数の第5検出ライン250の周りに位置するように基体100の第2面110b上に設けられている。第6駆動ライン360は、YX方向側の第4検出ライン240、YX’方向側の第4検出ライン240、Y’X方向側の第4検出ライン240、Y’X’方向側の第4検出ライン240、Y方向側の第5検出ライン250及びY’方向側の第5検出ライン250から間隔をあけて配置されている。したがって、第6駆動ライン360は、複数の第4検出ライン240及び複数の第5検出ライン250に電気的に接続されていない。第6駆動ライン360は、少なくとも一つの第4駆動ライン340に連結されていても良いが、これに限定されるものではない。また、第5駆動ライン350が設けられている場合、第6駆動ライン360は、基体100の別のスルーホール電極を介して第5駆動ライン350に電気的に接続されている。第5駆動ライン350及び/又は第6駆動ライン360は省略可能である。
【0157】
センサS3の制御部500は、センサS1の制御部500と同様に、検出電極200’’に対して充放電を行う構成及び駆動電極300’’に対して駆動パルスを供給する構成を有している。検出電極200’’に対する充放電時に、検出電極200’’に検出対象が接近することによって、検出電極200’’と検出対象との間の第1静電容量が変化するようになっている。駆動電極300’’に対する駆動パルス供給時(以下、単に駆動パルス供給時とも称する。)に、検出電極200’’及び駆動電極300’’に検出対象が接近することによって、検出電極200’’と駆動電極300’’との間の第2静電容量が変化するようになっている。センサS3の制御部500は、センサS1の制御部500と同様に、検出電極200’’と検出対象との第1静電容量の変化及び検出電極200’’と駆動電極300との間の第2静電容量の変化に基づいて、検出対象を検出する構成を更に有している。
【0158】
センサS3の第2静電容量CTXRXは少なくとも第1相互静電容量、第16相互静電容量及び第17相互静電容量を含む。第1相互静電容量は上記した通りである。複数の第4検出ライン240と複数の第3駆動ライン330とは、一つずつ交互に間隔をあけて配置されているので、駆動パルス供給時に、複数の第3駆動ライン330の各々とその隣りの第4検出ライン240との間に第16相互静電容量が形成される。複数の第1駆動ライン310は、Y-Y’方向において少なくとも一つの第2検出ライン220から間隔をあけて配置されているため、駆動パルス供給時に、複数の第1駆動ライン310と少なくとも一つの第2検出ライン220との間に第17相互静電容量が形成される。
【0159】
少なくとも一つの第4駆動ライン340が設けられている場合、第2静電容量CTXRXは第18相互静電容量を更に含む。複数の第4検出ライン240が少なくとも一つの第4駆動ライン340からY-Y’方向に間隔をあけて配置されているので、駆動パルス供給時に、複数の第4検出ライン240と少なくとも一つの第4駆動ライン340との間に第18相互静電容量が形成される。
【0160】
第5駆動ライン350が設けられている場合、第2静電容量CTXRXは第19相互静電容量を更に含む。第5駆動ライン350が複数の第1検出ライン210の周りに間隔をあけて配置されているので、駆動パルス供給時に、第5駆動ライン350と複数の第1検出ライン210との間に第19相互静電容量が形成される。
【0161】
複数の第5検出ライン250が設けられている場合、第2静電容量CTXRXは第20相互静電容量を更に含む。複数の第5検出ライン250のうちのY方向側の第5検出ライン250は、複数の第3駆動ライン330の第1端部からY-Y’方向において間隔をあけて配置されており、Y’方向側の第5検出ライン250は、複数の第3駆動ライン330の第2端部からY-Y’方向において間隔をあけて配置されているので、駆動パルス供給時に、Y方向側の第5検出ライン250と複数の第3駆動ライン330の第1端部との間及びY’方向側の第5検出ライン250と複数の第3駆動ライン330の第2端部との間第20相互静電容量が形成される。
【0162】
第6駆動ライン360が設けられている場合、第2静電容量CTXRXは第21相互静電容量を更に含む。第6駆動ライン360は、YX方向側の第4検出ライン240、YX’方向側の第4検出ライン240、Y’X方向側の第4検出ライン240、Y’X’方向側の第4検出ライン240、Y方向側の第5検出ライン250及びY’方向側の第5検出ライン250から間隔をあけて配置されているので、駆動パルス供給時に、第5駆動ライン350と、YX方向側の第4検出ライン240、YX’方向側の第4検出ライン240、Y’X方向側の第4検出ライン240、Y’X’方向側の第4検出ライン240、Y方向側の第5検出ライン250及び/又はY’方向側の第5検出ライン250との間に第21相互静電容量が形成される。
【0163】
以上のようなセンサS3は、以下の技術的特徴及び効果を奏する。
【0164】
技術的特徴及び効果(1)
駆動電極300’’の複数の第1駆動ライン310の各々が、Z方向側から見て検出電極200’’の複数の第1検出ライン210のうちの隣り合う第1検出ライン210の間に位置しているため、検出面に付着した導体付着物が、複数の第1駆動ライン310のうちの少なくとも一つの第1駆動ライン310とその隣の第1検出ライン210に対して略Z方向側に位置することによって、第2静電容量CTXRXのうちの少なくとも一つの第1駆動ライン310とその隣の第1検出ライン210との間に形成される第1相互静電容量を変化させることができる。このため、検出面に付着した導体付着物によって第2静電容量CTXRXが変化する可能性が向上するので、制御部500が、導体付着物を検出対象として誤検出する可能性が低減される。
【0165】
複数の第4検出ライン240と複数の第3駆動ライン330とは、一つずつ交互に間隔をあけて配置されているので、検出面に付着した導体付着物が、複数の第3駆動ライン330のうちの少なくとも一つの第3駆動ライン330とその隣の第4検出ライン240に対して略Z方向側に位置することによって、第2静電容量CTXRXのうちの少なくとも一つの第3駆動ライン330とその隣の第4検出ライン240との間に形成される第16相互静電容量を変化させることができる。このため、検出面に付着した導体付着物によって第2静電容量CTXRXが変化する可能性が向上するので、制御部500が、導体付着物を検出対象として誤検出する可能性が低減される。
【0166】
複数の第1駆動ライン310は、Y-Y’方向において少なくとも一つの第2検出ライン220から間隔をあけて配置されているため、検出面に付着した導体付着物が、複数の第1駆動ライン310のうちの少なくとも一つの第1駆動ライン310と少なくとも一つの第2検出ライン220に対して略Z方向側に位置することによって、第2静電容量CTXRXのうちの少なくとも一つの第1駆動ライン310と少なくとも一つの第2検出ライン220との間に形成される第17相互静電容量を変化させることができる。このため、検出面に付着した導体付着物によって第2静電容量CTXRXが変化する可能性が向上するので、制御部500が、導体付着物を検出対象として誤検出する可能性が低減される。
【0167】
少なくとも一つの第4駆動ライン340が設けられている場合、複数の第4検出ライン240が少なくとも一つの第4駆動ライン340からY-Y’方向に間隔をあけて配置されているので、検出面に付着した導体付着物が、複数の第4検出ライン240のうちの少なくとも一つの第4検出ライン240と少なくとも一つの第4駆動ライン340に対して略Z方向側に位置することによって、第2静電容量CTXRXのうちの少なくとも一つの第4検出ライン240と少なくとも一つの第4駆動ライン340との間に形成される第18相互静電容量を変化させることができる。このため、検出面に付着した導体付着物によって第2静電容量CTXRXが変化する可能性が向上するので、制御部500が、導体付着物を検出対象として誤検出する可能性が低減される。
【0168】
第5駆動ライン350が設けられている場合、第5駆動ライン350が複数の第1検出ライン210の周りに間隔をあけて配置されているので、検出面に付着した導体付着物が、複数の第1検出ライン210のうちの少なくとも一つの第1検出ライン210と第5駆動ライン350に対して略Z方向側に位置することによって、第2静電容量CTXRXのうちの少なくとも一つの第1検出ライン210と第5駆動ライン350との間に形成される第19相互静電容量を変化させることができる。このため、検出面に付着した導体付着物によって第2静電容量CTXRXが変化する可能性が向上するので、制御部500が、導体付着物を検出対象として誤検出する可能性が低減される。
【0169】
複数の第5検出ライン250が設けられている場合、複数の第5検出ライン250のうちのY方向側の第5検出ライン250は、複数の第3駆動ライン330の第1端部からY-Y’方向において間隔をあけて配置されており、Y’方向側の第5検出ライン250は、複数の第3駆動ライン330の第2端部からY-Y’方向において間隔をあけて配置されている。そのため、検出面に付着した導体付着物が、複数の第3駆動ライン330の第1端部のうちの少なくとも一つとY方向側の第5検出ライン250に対して及び/又は複数の第3駆動ライン330の第2端部のうちの少なくとも一つとY’方向側の第5検出ライン250に対して略Z方向側に位置することによって、第2静電容量CTXRXのうちの少なくとも一つの第3駆動ライン330の第1端部とY方向側の第5検出ライン250との間に形成される第20相互静電容量及び/又は少なくとも一つの第3駆動ライン330の第2端部とY’方向側の第5検出ライン250との間に形成される第20相互静電容量を変化させることができる、このため、検出面に付着した導体付着物によって第2静電容量CTXRXが変化する可能性が向上するので、制御部500が、導体付着物を検出対象として誤検出する可能性が低減される。
【0170】
第6駆動ライン360が設けられている場合、第6駆動ライン360は、YX方向側の第4検出ライン240、YX’方向側の第4検出ライン240、Y’X方向側の第4検出ライン240、Y’X’方向側の第4検出ライン240、Y方向側の第5検出ライン250及びY’方向側の第5検出ライン250から間隔をあけて配置されている。そのため、検出面に付着した導体付着物が、YX方向側の第4検出ライン240、YX’方向側の第4検出ライン240、Y’X方向側の第4検出ライン240、Y’X’方向側の第4検出ライン240、Y方向側の第5検出ライン250及びY’方向側の第5検出ライン250のうちの少なくとも一つの検出ラインと第6駆動ライン360に対して略Z方向側に位置することによって、第2静電容量CTXRXのうちの前記少なくとも一つの検出ラインと第6駆動ライン360の間に形成される第21相互静電容量を変化させることができる、このため、検出面に付着した導体付着物によって第2静電容量CTXRXが変化する可能性が向上するので、制御部500が、導体付着物を検出対象として誤検出する可能性が低減される。
【0171】
技術的特徴及び効果(2)
基体100の第2面110b上の複数の第3駆動ライン330が、基体100の第1面110a上の複数の第1検出ライン210に各々重なることによって、複数の第1検出ライン210に対するZ’方向側から電磁遮蔽部として機能するので、複数の第1検出ライン210がZ’方向側から電磁的な影響を受けに難くすることができる。基体100の第2面110b上の複数の第4検出ライン240が、基体100の第1面110a上の複数の第1駆動ライン310に各々重なることによって、複数の第1駆動ライン310に対するZ’方向側から電磁遮蔽部として機能するので、複数の第1駆動ライン310がZ’方向側から電磁的な影響を受けに難くすることができる。また、少なくとも一つの第4駆動ライン340が設けられている場合、基体100の第2面110b上の少なくとも一つの第4駆動ライン340が、基体100の第1面110a上の少なくとも一つの第2検出ライン220に重なることによって、この少なくとも一つの第2検出ライン220に対するZ’方向側から電磁遮蔽部として機能するので、少なくとも一つの第2検出ライン220がZ’方向側から電磁的な影響を受けに難くすることができる。
【実施例4】
【0172】
以下、本発明の実施例4及びその設計変形例を含む複数の実施例に係る静電容量センサS4について、
図15A及び
図15Bを参照しつつ説明する。
図15A及び
図15Bには、実施例4の静電容量センサS4(以下、単にセンサS4とも称する。)が示されている。
【0173】
センサS4は、GND電極400の複数の第1、第2GNDライン410、420が、検出電極200の複数の第1、第2検出ライン210、220ではなく、Z方向側から見て駆動電極300の複数の第1、第2駆動ライン310、320に各々重なるように配置されている点で、センサS1と相違する以外、センサS1と同様の構成である。以下、この相違点について詳しく説明し、センサS4の説明のうち、センサS1の説明と重複する説明は省略する。
【0174】
Z方向から見て複数の第1駆動ライン310及び複数の第2駆動ライン320で構成されるメッシュの複数の隙間内には、四つの空間Sが設けられている。換言すると、四つの空間Sは複数組存在する。各組の四つの空間Sは、複数の第1駆動ライン310のうちの隣り合う第1駆動ライン310と、複数の第2駆動ライン320のうちの隣り合い且つ隣り合う第1駆動ライン310に交差する第2駆動ライン320と、隣り合う第1駆動ライン310の間に位置する第1検出ライン210と、隣り合う第2駆動ライン320の間に位置する第2検出ライン220とによって区画されている。
【0175】
複数の第1GNDライン410及び複数の第2GNDライン420で構成されるメッシュの複数の隙間である間隙Gが設けられている。各間隙Gは、複数の第1GNDライン410のうちの隣り合う第1GNDライン410と、複数の第2GNDライン420のうちの隣り合い且つ隣り合う第1GNDライン410に交差する第2GNDライン420とによって区画されている。各間隙Gは、対応する組の四つの空間Sに対してZ’方向側に位置している。
【0176】
以上のようなセンサS4は、センサS1の技術的特徴及び効果(1)及び(2)と同様の技術的特徴及び効果を奏する。
【0177】
技術的特徴及び効果(3)
基体100の第3面110c上の複数の第1、第2GNDライン410、420が、基体100の第2面110b上の複数の第1、第2駆動ライン310、320の各々重なることによって、複数の第1、第2駆動ライン310、320に対するZ’方向側から電磁遮蔽部として機能するので、複数の第1、第2駆動ライン310、320がZ’方向側から電磁的な影響を受けに難くすることができる。
【0178】
技術的特徴及び効果(4)
各間隙Gが、対応する組の四つの空間SのZ’方向側に存在する。このため、駆動パルス供給時に、第1、第2駆動ライン310、320からの電荷の一部が間隙Gに移動せず、隣の第1、第2検出ライン210,220に移動するため、第1~第4相互静電容量の低減が抑制される。
【0179】
なお、上記した静電容量センサは、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲(本発明の記載範囲)において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0180】
センサS1のGND電極400は、少なくとも一つの第4GNDライン440を更に有する構成とすることが可能である。センサS1のGND電極400は、複数の第5GNDライン450を更に有する構成とすることが可能である。上記した何れかの態様のGND電極は、基体100のGNDに接続されているとしたが、電気的に浮遊していても構わない。センサS3は、GND電極400又はGND電極400’を更に備えていても良い。
【0181】
センサS1又はS2の複数の第1GNDライン410は、複数の第1検出ライン210ではなく、Z方向側から見て複数の第1駆動ライン310に各々重なるように基体100の第3面110c上に設けられた構成とすることが可能である。この場合、複数の第1駆動ライン310のうちの隣り合う第1駆動ライン310とその間に位置する第1検出ライン210との間に二つの空間は、設けられており、且つ、隣り合う第1GNDライン410間の間隙が、前記二つの空間に対してZ’方向に配置された構成とすることが可能である。
【0182】
上記した何れかの検出ライン間は、上記した例に限定されず、基体内のスルーホール電極や基体の導電ライン等の内部ライン又はリード線等を外部ラインによって電気的に接続可能である。上記した何れかの駆動ライン間は、上記した例に限定されず、基体内のスルーホール電極や基体の導電ライン等の内部ライン又はリード線等を外部ラインによって電気的に接続可能である。上記した何れかのGNDライン間は、上記した例に限定されず、基体内のスルーホール電極や基体の導電ライン等の内部ライン又はリード線等を外部ラインによって電気的に接続可能である。上記した何れかの検出ライン、上記した何れかの駆動ライン及び/又は上記した何れかのGNDラインは長尺状である必要はなく、その形状は任意に変更可能である。
【0183】
上記した制御部500は、上記した何れかの態様の検出電極に対して充放電を行う構成及び上記した何れかの態様の駆動電極に対して駆動パルスを供給する構成の何れか一つを有する構成としても構わない。この場合、制御部500は、上記した何れかの態様の検出電極と検出対象との第1静電容量の変化又は上記した何れかの態様の検出電極と上記した何れかの態様の駆動電極との間の第2静電容量の変化に基づいて、検出対象を検出する構成を更に有していると良い。
【0184】
なお、上記した何れかの態様の静電容量センサは、上記した何れかの態様の検出電極及び駆動電極をそれぞれ複数備えた構成とすることが可能である。すなわち、静電容量センサは、検出対象による検出面上のタッチの座標位置を検出するタッチパネルとすることが可能である。また、上記した何れかの態様の静電容量センサは、検出対象による検出面のタッチを検出するのではなく、検出対象の接近を検出する構成とすることも可能である。この場合、検出面は省略される。
【符号の説明】
【0185】
S1、S2、S3、S4:静電容量センサ
100:基体
110:層 110a:第1面 110b:第2面 110c:第3面 120:GND 130~140:スルーホール電極
200、200’、200’’:検出電極
210:第1検出ライン 220:第2検出ライン 230:第3検出ライン 240:第4検出ライン 250:第5検出ライン
300、300’、300’’:駆動電極
310:第1駆動ライン 320:第2駆動ライン 330:第3駆動ライン 340:第4駆動ライン 350:第5駆動ライン 360:第6駆動ライン
400、400’:GND電極
410:第1GNDライン 420:第2GNDライン 430:第3GNDライン 440:第4GNDライン 450:第5GNDライン 460:第6GNDライン 470:第7GNDライン
500:制御部
510:ADC 520:I/Oポート 530~550:外部ピン CADC:内部コンデンサ CRX:外部コンデンサ