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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】光源モジュール及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240229BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240229BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20240229BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20240229BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240229BHJP
【FI】
F21S2/00 481
G09F9/00 336E
G09F9/00 324
G02F1/13357
F21S2/00 431
G02B5/20
F21Y115:10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020101344
(22)【出願日】2020-06-11
(65)【公開番号】P2021005550
(43)【公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】201910559542.5
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】▲頼▼ 育▲すん▼
(72)【発明者】
【氏名】陳 映翔
(72)【発明者】
【氏名】徐 俊▲祺▼
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-206598(JP,A)
【文献】特開2016-194986(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0059482(US,A1)
【文献】特開2017-084827(JP,A)
【文献】特開2003-287746(JP,A)
【文献】特開2006-128008(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108761903(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G09F 9/00
G02F 1/13357
G02B 5/20
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源、色変換層及び2方向色分解層を含む光源モジュールであって、
前記光源は、第一光束を提供し、
前記色変換層は、前記第一光束の伝播経路に設置され、前記色変換層は、前記第一光束を第二光束に変換するために用いられ、
前記2方向色分解層は、前記色変換層の入光面に設置されることで、前記光源からの前記第一光束を前記色変換層よりも早く受け、
前記2方向色分解層は、前記第一光束を通過させ、前記第二光束を反射し、
前記2方向色分解層は、中心領域色分解層及び前記中心領域色分解層の外周に位置する周辺領域色分解層を有し、前記色変換層は、前記中心領域色分解層及び前記周辺領域色分解層と重なり、前記中心領域色分解層及び前記周辺領域色分解層は、異なる透過率又は異なる反射率を有する、光源モジュール。
【請求項2】
請求項に記載の光源モジュールであって、
前記中心領域色分解層及び前記周辺領域色分解層は、異なる被覆率を有する、光源モジュール。
【請求項3】
請求項に記載の光源モジュールであって、
前記中心領域色分解層は、前記第一光束に対して第一透過率を有し、前記周辺領域色分解層は、前記第一光束に対して第二透過率を有し、前記第一透過率は、前記第二透過率よりも大きい、光源モジュール。
【請求項4】
請求項に記載の光源モジュールであって、
前記周辺領域色分解層は、異なる位置において同じ透過率及び同じ反射率を有する、光源モジュール。
【請求項5】
請求項1に記載の光源モジュールであって、
前記入光面は、中心領域及び前記中心領域の外周に位置する周辺領域を有し、前記周辺領域色分解層は、前記周辺領域と重なる、光源モジュール。
【請求項6】
請求項に記載の光源モジュールであって、
前記周辺領域色分解層は、異なる位置において異なる透過率又は異なる反射率を有する、光源モジュール。
【請求項7】
請求項に記載の光源モジュールであって、
前記周辺領域色分解層の内縁部と前記2方向色分解層の辺縁部との間の距離が30ミリメートル以下である、光源モジュール。
【請求項8】
請求項1に記載の光源モジュールであって、
拡散シートをさらに含み、
前記2方向色分解層は、前記色変換層と前記拡散シートとの間に位置する、光源モジュール。
【請求項9】
請求項に記載の光源モジュールであって、
前記色変換層、前記2方向色分解層及び前記拡散シートが光学膜片として統合される、光源モジュール。
【請求項10】
請求項1に記載の光源モジュールであって、
反射シート、増光膜及び二重増光膜をさらに含み、
前記2方向色分解層は、前記色変換層と前記反射シートとの間に位置し、
前記色変換層は、前記反射シートと前記増光膜との間に位置し、
前記増光膜は、前記色変換層と前記二重増光膜との間に位置する、光源モジュール。
【請求項11】
表示パネル及び光源モジュールを含む表示装置であって、
前記光源モジュールは、前記表示パネルと重なって設置され、且つ光源、色変換層及び2方向色分解層を含み、
前記光源は、第一光束を提供し、
前記色変換層は、前記第一光束の伝播経路に設置され、前記色変換層は、前記第一光束を第二光束に変換するために用いられ、
前記2方向色分解層は、前記色変換層の入光面に設置されることで、前記光源からの前記第一光束を前記色変換層よりも早く受け、
前記2方向色分解層は、前記第一光束を通過させ、前記第二光束を反射し、
前記2方向色分解層は、中心領域色分解層及び前記中心領域色分解層の外周に位置する周辺領域色分解層を有し、前記色変換層は、前記中心領域色分解層及び前記周辺領域色分解層と重なり、前記中心領域色分解層及び前記周辺領域色分解層は、異なる透過率又は異なる反射率を有する、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電モジュール及び光電装置に関し、特に、光源モジュール及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置における光源モジュールが複数の種類の製品形態を有し、そのうちの1種類が、発光素子と色変換層との組み合わせを採用して照明光束を提供するのである。色変換層により生成される光束が発散するものであり、且つ一部の光束が光源モジュールの外部に向けて伝播する過程において、界面による反射が原因で光源モジュールの内部に戻る可能性がある。また、光損失が光路の増加に伴って増加するので、発光素子と色変換層との組み合わせを採用することで照明光束を提供する従来の表示装置は、光回収率が低く、出光効率が低いなどの問題が存在する。
【0003】
なお、この「背景技術」の部分は、本発明の内容への理解を助けるためだけのものであるため、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、当業者に知られていない技術を含む可能性がある。よって、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、該内容、又は、本発明の1つ又は複数の実施例が解決しようとする課題が本発明の出願前に既に当業者に周知されていることを意味しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の1つの目的は、光回収率及び出光効率を向上させることができる光源モジュールを提供することにある。
【0005】
本発明のもう1つの目的は、良好な表示品質を有する表示装置を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的及び利点は、本発明に開示される技術的特徴からさらに理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の1つ又は一部又は全ての目的或いは他の目的を達成するために、本発明の一実施例によれば、光源モジュールが提供され、それは、光源、色変換層及び2方向色分解層を含む。光源は、第一光束を提供する。色変換層は、第一光束の伝播経路に設置され、且つ第一光束を第二光束に変換するために用いられる。2方向色分解層は、色変換層の入光面に設置され、光源からの第一光束を色変換層よりも早く受け、そのうち、2方向色分解層は、第一光束を通過させ、第二光束を反射する。
【0008】
上述の1つ又は一部又は全ての目的或いは他の目的を達成するために、本発明の一実施例によれば、表示装置が提供され、それは、表示パネル及び上述の光源モジュールを含む。光源モジュールは、表示パネルと重なって設置される。
【0009】
上述により、本発明の実施例は、少なくとも、次のような利点又は効果のうちの1つを有する。本発明の実施例に係る光源モジュールでは、2方向色分解層を用いて光源モジュールの内部に向けて伝播する第二光束(変換光束)を反射することで、より多くの第二光束が光源モジュールの外部へ出力し得るようにさせることができる。よって、本発明の実施例における光源モジュールは、光回収率及び出光効率を向上させることができ、また、本発明の実施例における表示装置は、上述の光源モジュールを採用するため、良好な表示品質を有する。
【0010】
本発明の上述の特徴及び利点をより明らかにするために、以下、実施例を挙げて、添付した図面を参照することにより、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第一実施例による表示装置の断面図である。
図2A図1における色変換層の下面図である。
図2B図1における2方向色分解層の下面図である。
図3】2方向色分解層のもう1つの例の下面図である。
図4図1に示す表示装置に用いられ得る光学膜片の断面図である。
図5】本発明の第二実施例による表示装置の断面図である。
図6図5における光源、色変換層及び2方向色分解層の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の上述及び他の技術的内容、特徴、機能及び効果は、添付した図面に基づく以下のような好ましい実施例における詳細な説明により明確になる。なお、以下の実施例に言及びされる方向についての用語、例えば、上、下、左、右、前、後などは、添付した図面の方向に過ぎない。よって、使用される方向の用語は、本発明を説明するためだけのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0013】
図1は、本発明の第一実施例における表示装置1の断面図である。図1に示すように、表示装置1は、表示パネル10及び光源モジュール12を含む。表示パネル10は、映像画面を提供するために用いられる。例を挙げて言えば、表示パネル10は、液晶表示パネル又は他の非自己発光表示パネルであっても良い。
【0014】
光源モジュール12は、表示パネル10と重なって設置され、照明光束Iを提供するために用いられる。例を挙げて言うと、光源モジュール12は、表示パネル10の下方に設置され、表示装置1のバックライトモジュールとされても良い。
【0015】
光源モジュール12は、直下型光源モジュール又はエッジ型光源モジュールであっても良い。図1では、直下型光源モジュールの一実施態様が示されているが、直下型光源モジュールの一実施態様は、これに限られない。また、本発明による光源モジュールは、エッジ型光源モジュールであっても良い。
【0016】
光源モジュール12は、光源120、色変換層121及び2方向色分解層122を含む。光源120は、第一光束(光束B1)を提供するために用いられる。例を挙げて言えば、光源120は、1つ又は複数の発光素子1200を含んでも良い。発光素子1200は、発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)であっても良いが、これに限定されない。
【0017】
色変換層121は、光束B1の伝播経路に設置される。直下型光源モジュールでは、色変換層121は、光源120の上方に設置され、色変換層121の入光面S1は、光源120と色変換層121の出光面S2との間にある。入光面S1は、色変換層121が光源120からの光束B1を受けるための表面である。言い換えると、光束B1は、入光面S1を経由して色変換層121に進入する。出光面S2は、入光面S1に相対する表面であり、出光面S2は、入光面S1と表示パネル10との間に位置する。
【0018】
色変換層121は、光源120が提供する光束B1を第二光束(光束B2)に変換するために用いられる。具体的には、色変換層121に伝播する光束B1の一部が色変換層121により光束B2に変換され、色変換層121に伝播する光束B1の他の一部が色変換層121を通過することができ、即ち、光束B1’になる。照明光束Iは、少なくとも、色変換層121により変換された光束B2及び色変換層121を通過した光束B1’を含む。
【0019】
例を挙げて言えば、色変換層121は、蛍光粉、量子ドット又はこの2種類の材料の組み合わせを含んでも良い。蛍光粉、量子ドットなどの材料が短波長の光束を吸収して長波長の光束を放出し得るので、光束B2の波長は、光束B1の波長よりも長い。
【0020】
一実施例では、発光素子1200は、青色の発光ダイオードであっても良く、色変換層121は、黄色の色変換材料を含んでも良い。対応して、光束B1及び光束B1’は、青色の光束であり、光束B2は、黄色の光束を含んでも良い。照明光束Iは、青色の光束と黄色の光束との混合により形成される白色の光束である。もう1つの実施例では、色変換層121は、赤色の色変換材料及び緑色の色変換材料を含んでも良く、光束B2は、赤色の光束及緑色の光束を含んでも良い。このようにして、照明光束Iは、赤色の光束、緑色の光束及び青色の光束の混合により形成される白色の光束である。なお、発光素子1200及び色変換層の色の種類(或いは光束B1及び光束B2の色)は、上述に限定されない。
【0021】
2方向色分解層122は、色変換層121の入光面S1に設置され、これにより、2方向色分解層122は、光源120からの光束B1を色変換層121よりも早く受けることができる。また、2方向色分解層122は、色変換層121の入光面S1に設置され、2方向色分解層122は、入光面S1に直接的に設置されても良く、2方向色分解層122は、入光面S1に間接的に設置されても良い。例を挙げて言うと、2方向色分解層122及び色変換層121を形成する方法は、薄膜又は基板(以下、「薄膜/基板」と言う)の表面において順に色変換層121及び2方向色分解層122を形成すること、色変換層121(又は2方向色分解層122)を有する薄膜/基板において2方向色分解層122(又は色変換層121)を形成すること、或いは、色変換層121を有する薄膜/基板と、2方向色分解層122を有する薄膜/基板とを接合することを含んでも良い。
【0022】
2方向色分解層122は、光束B1を通過させることで、色変換層121が光束B1を受け得るようにさせる。また、2方向色分解層122は、さらに、光束B2を反射するために用いられる。例を挙げて言えば、色変換層121の入光面S1に設置される2方向色分解層122が、他の光学素子による反射又は界面による反射が原因で表示パネル10を離れる方向に伝播する光束B2(例えば、光束B2A、B2B)を反射することで、元々表示パネル10を離れる方向に伝播する光束B2A、B2Bは、表示パネル10に伝播するようになり、即ち、光束B2A’及び光束B2B’になる。このようにして、より多くの光束B2(例えば、光束B2、光束B2A’及び光束B2B’)が光源モジュール12の外部に出力することができるため、光回収率及び出光効率を向上させることができる。
【0023】
本実施例では、異なるニーズに応じて、光源モジュール12は、さらに、他の素子及/又は膜層を含んでも良い。例を挙げて言うと、光源モジュール12は、さらに、拡散シート123、反射シート124、増光膜125及び二重増光膜126を含んでも良い。
【0024】
拡散シート123は、光束B1の伝播経路に設置され、光束B1を均一化するために用いられる。例を挙げて言えば、拡散シート123は、2方向色分解層122の下方に設置され、且つ2方向色分解層122は、色変換層121と拡散シート123との間に位置しても良い。
【0025】
反射シート124は、2方向色分解層122の下方に設置され、2方向色分解層122は、色変換層121と反射シート124との間に位置する。拡散シート123が設置されている構成では、拡散シート123は、2方向色分解層122と反射シート124との間に位置しても良い。光源120からの光束B1は、界面による反射が原因で表示パネル10を離れる方向に伝播する恐れがある。反射シート124は、表示パネル10を離れる方向に伝播する光束(図示せず)を反射することで、該光束(図示せず)を表示パネル10に伝播させることができる。本実施例では、光源120は、反射シート124に設置され、反射シート124は、外部反射層が形成されている回路基板であっても良いが、これに限定されない。
【0026】
色変換層121は、反射シート124と増光膜125との間に位置する。増光膜125は、色変換層121と二重増光膜126との間に位置する。増光膜125及び二重増光膜126は、光束を集中させて増光の効果を達成するために用いられる。例を挙げて言うと、増光膜125は、第一増光膜1250及び第二増光膜1252を含んでも良く、そのうち、第一増光膜1250は、第二増光膜1252と色変換層121との間に位置する。第一増光膜1250は、複数の三角柱状プリズムT1を含んでも良い。これらの三角柱状プリズムT1は、それぞれ、第一方向D1に沿って延伸し、且つ第二方向D2に沿って配列される。第一方向D1及び第二方向D2は、例えば、互いに垂直である。第二増光膜1252は、複数の三角柱状プリズムT2を含んでも良い。これらの三角柱状プリズムT2は、それぞれ、第二方向D2に沿って延伸し、且つ第一方向D1に沿って配列される。
【0027】
本発明における2方向色分解層122のパターン設計及び2方向色分解層122の色変換層121の入光面S1上での配置について、色変換層121の入光面S1の全体に対応して2方向色分解層122を設置し得る以外に、異なる設計のニーズに応じて変えても良い。例えば、従来の表示装置では、光源モジュールについて言えば、組み立て、設計、辺縁部の光漏れ、光の干渉などが原因で、光源モジュールの局所領域にカラーキャスト(color cast)の問題が生じる可能性がある。一般的に言うと、カラーキャストの問題は、主に、光源モジュールの辺縁部からの30ミリメートル(millimeter(mm))の範囲内に生じる。狭い枠のニーズを満たすために、表示装置の枠が益々狭くなり、辺縁部のカラーキャストの問題は、辺縁部領域が枠により有効に遮蔽されず又は枠が非予期光束を有効に遮蔽することができないため、次第に現れる。表示装置1では、2方向色分解層122のパターン設計及び2方向色分解層122の色変換層121の入光面S1上での配置により、光束B1及/又は光束B2の光源モジュール12の中心領域及び/又は周辺領域における出力比率を制御することができ、これによって、従来の表示装置に係るカラーキャストの問題を改善することができる。
【0028】
図2Aは、図1における色変換層の下面図である。図2Bは、図1における2方向色分解層の下面図である。なお、2方向色分解層122のパターン設計及び2方向色分解層122の色変換層121の入光面S1上での配置は、図2A及び図2Bに示すものに限定されない。
【0029】
図2A及び図2Bを参照する。色変換層121は、中心領域R1及び中心領域R1の外周に位置する周辺領域R2を有しても良く、2方向色分解層122は、中心領域色分解層1220及び中心領域色分解層1220の外周に位置する周辺領域色分解層1222を有しても良く、そのうち、色変換層121は、中心領域色分解層1220及び周辺領域色分解層1222と重なる。具体的には、色変換層121は、例えば、連続した薄膜であり、そのうち、色変換層121の入光面S1は、中心領域R1及び中心領域R1の外周に位置する周辺領域R2を有する。色変換層121の中心領域R1と中心領域色分解層1220とが重なり、且つ色変換層121の周辺領域R2と周辺領域色分解層1222とが重なる。なお、色変換層121の中心領域R1及び周辺領域R2の形状及び/又はサイズは、設計のニーズに応じて変わっても良いが、図2A及び図2Bに示すものに限られない。
【0030】
周辺領域R2の内縁部IEと、入光面S1の辺縁部OEとの間の距離DTは、30ミリメートル以下である。対応して、周辺領域色分解層1222の内縁部E1222と、2方向色分解層122の辺縁部E122との間の距離(距離DTに等しい)は、30ミリメートル以下であっても良い。中心領域色分解層1220及び周辺領域色分解層1222は、異なる透過率又は異なる反射率を有することで、カラーキャストの問題を改善することができる。なお、図2A及び図2Bに示す周辺領域R2及び周辺領域色分解層1222の各辺の幅がすべて同じ(例えば、距離DT)であるが、本発明は、これに限定されず、他の実施例では、周辺領域R2及び周辺領域色分解層1222の各辺の幅が異なるニーズに応じて、異なる幅又は形状を有しても良い。
【0031】
図2Bは、2方向色分解層122の中心領域色分解層1220及び周辺領域色分解層1222の材料が異なることによって透過率(又は反射率)が異なる一実施態様を示している。図2Bに示すように、中心領域色分解層1220は、周辺領域色分解層1222により囲まれる四角形パターンを含む。この四角形パターンの面積は、例えば、中心領域R1の面積に等しい。図2Bでは、中心領域色分解層1220及び周辺領域色分解層1222は、同じ被覆率(すべて100%)を有しても良いが、中心領域色分解層1220及び周辺領域色分解層1222は、異なる材料により製成される。材料の選択により、中心領域色分解層1220及び周辺領域色分解層1222の各自の透過率及び反射率をそれぞれ制御することができる。
【0032】
例を挙げて言えば、中心領域色分解層1220は、光束B1に対して第一透過率を有しても良く、周辺領域色分解層1222は、光束B1に対して第二透過率を有しても良く、そのうち、周辺領域色分解層1222は、異なる位置において同じ透過率及び同じ反射率を有する。第一透過率は、第二透過率よりも大きくても良く、これにより、中心領域R1から出力する光束B1を増加させることができる。逆に、第一透過率は、第二透過率よりも小さくても良く、これにより、周辺領域R2から出力する光束B1を増加させることができる。また、中心領域色分解層1220は、光束B2に対して第一反射率を有しても良く、周辺領域色分解層1222は、光束B2に対して第二反射率を有しても良い。第一反射率は、第二反射率よりも小さくても良く、これにより、周辺領域R2から出力する光束B2を増加させることができる。逆に、第一透過率は、第二透過率よりも大きくても良く、これにより、中心領域R1から出力する光束B2を増加させることができる。これにより、各領域の光束B1及び光束B2に対しての透過率及び反射率を調整することで、カラーキャストの問題を改善することができる。
【0033】
図3を参照する。図3は、2方向色分解層のもう1つの例の下面図である。この例では、中心領域色分解層1220Aは、複数の2方向色分解ユニットUを含む。これらの2方向色分解ユニットUは、第一方向D1及び第二方向D2に沿って間隔を以って棋盤状パターンに配列される。また、周辺領域色分解層1222は、外周の複数の2方向色分解ユニットUに接続される枠状パターンを含む。なお、ここでの透過率(又は反射率)は、領域平均の方式で計算される。例えば、中心領域色分解層1220Aの透過率(又は反射率)は、対応する図2Aの中心領域R1における複数の2方向色分解ユニットUの所在する領域の透過率(又は反射率)と、中心領域R1における複数の2方向色分解ユニットU以外の領域の透過率(又は反射率)との総和の平均である。
【0034】
図3は、被覆率が異なることによって透過率(又は反射率)が異なる一実施態様を示している。図3では、中心領域色分解層1220A及び周辺領域色分解層1222は、同じ材料により製成されても良いが、中心領域色分解層1220A及び周辺領域色分解層1222は、異なる被覆率を有しても良い。中心領域色分解層1220Aの被覆率は、中心領域R1が複数の2方向色分解ユニットUにより覆われる比率と定義され、周辺領域色分解層1222の被覆率は、周辺領域R2が2方向色分解材料により覆われる比率と定義される。本実施例では、中心領域色分解層1220A及び周辺領域色分解層1222の被覆率は、それぞれ、50%及び100%である。これにより、中心領域R1から出力する光束B1を増加させることができ、即ち、中心領域R1から出力する光束B2を減少させることができる。このように各領域の光束B1及び光束B2に対しての出力量を調整することで、各領域の照明光束Iの光束比率を変え、カラーキャストの問題を改善することができ。もう1つの実施例では、複数の2方向色分解ユニットUの材料及び周辺領域色分解層1222の材料は、異なる材料であっても良い。
【0035】
図4は、図1に示す表示装置1に用いられ得る光学膜片Fの断面図である。なお、図1における色変換層121、2方向色分解層122及び拡散シート123は、光学膜片Fとして統合することにより、組み立てを簡単にすることができるが、本発明は、これに限定されない。
【0036】
図5は、本発明の第二実施例における表示装置2の断面図である。図5に示すように、表示装置2と表示装置1との主な相違点は、次の通りである。表示装置2では、光源モジュール22がエッジ型光源モジュールである。さらに言えば、光源モジュール22は、さらに、導光板220を含んでも良い。光源120は、導光板220の近傍に設置され、光源120から出力する光束B1は、導光板220の側面SSを経由して導光板220に進入する。導光板220に進入した光束B1は、全内部反射(Total Internal Reflection(TIR))により光源120に隣接する側から光源120を離れる側に伝播する。導光板220の底面SBには、複数の微細構造(図示せず)が、全内部反射を破壊するよう形成されても良く、これにより、光束B1は、導光板220の頂面STから射出することができる。エッジ型光源モジュールの構成では、光源モジュール22は、図1における拡散シート123を含んでも良く、含まなくても良い。光源モジュール22が図1における拡散シート123を含むときに、色変換層121、2方向色分解層222及び拡散シート123は、図4に示す光学膜片Fとして統合することができるが、本発明は、これに限定されない。
【0037】
図5における2方向色分解層222のパターン設計及び2方向色分解層222の色変換層121の入光面S1上での配置について、異なる設計のニーズに応じて変えても良い。図6は、図5における光源120、色変換層121及び2方向色分解層222の下面図である。図2A及び図6を参照する。2方向色分解層222と図2Bにおける2方向色分解層122との主な相違点は、次の通りである。図6では、2方向色分解層222が周辺領域R2と重なる周辺領域色分解層2222を有するが、図2Bにおける中心領域色分解層1220を有しない。なお、本発明は、これに限られず、もう1つの実施例では、図6における、中心領域R1と重なる領域は、ニーズに応じて、中心領域色分解層1220を設置することで、カラーキャストを調整する機能を達成することもできる。
【0038】
周辺領域色分解層2222の内縁部E2222と、2方向色分解層222の辺縁部E222との間の距離(距離DTに等しい)も、30ミリメートル以下である。また、周辺領域色分解層2222は、異なる位置において異なる透過率又は異なる反射率を有する。さらに言えば、周辺領域色分解層2222は、第一部分2222A、2つの第二部分2222B及び第三部分2222Cを有しても良く、そのうち、第一部分2222Aは、第三部分2222Cに相対し、第一部分2222Aは、第三部分2222Cよりも光源120に隣接する。2つの第二部分2222Bは、互いに相対し、且つ各自、第一部分2222A及び第三部分2222Cに接続される。第一部分2222A、2つの第二部分2222B及び第三部分2222Cは、異なる透過率又は異なる反射率を有しても良い。
【0039】
従来の光源モジュールについて言えば、光源モジュールの、光源に近い側から出力する光束B1の光強度は、光源モジュールの、光源から遠い側から出力する光束B1の光強度よりも高い。また、光源モジュールの、光源に近い側と光源から遠い側とを接続する相対の両側から出力する光束B1の光強度は、光源に近い側から出力する光束B1の光強度よりも低いが、光源から遠い側から出力する光束B1の光強度よりも高い。上述のカラーキャストの問題を改善するために、第三部分2222Cの光束B1に対しての透過率は、第二部分2222Bの各々の光束B1に対しての透過率よりも大きくも良く、第二部分2222Bの各々の光束B1に対しての透過率は、第一部分2222Aの光束B1に対しての透過率よりも大きくても良く、これにより、光束B1の出光の均一性を向上させることができる。なお、周辺領域色分解層2222の各部分の数量、分布、各自の透過率又は反射率は、ニーズに応じて変わっても良い(例えば、光源の配置方式に従って変わっても良い)が、これに限定されない。また、本実施例は、エッジ型光源に応用されることに限られず、他の光源形態(例えば、直下型光源)も、上述の周辺領域色分解層が異なる位置において異なる透過率又は異なる反射率を有する実施態様を採用することができる。
【0040】
以上のことから、本発明の実施例は、少なくとも、次のような利点又は効果を有する。本発明の実施例に係る光源モジュールでは、2方向色分解層を用いて光源モジュールの内部に向けて伝播する第二光束を反射することで、より多くの第二光束が光源モジュールの外部に出力し得るようにさせることができる。よって、本発明の実施例における光源モジュールは、光回収率及び出光効率を向上させることができる。また、2方向色分解層は、光源モジュールにおける異なる領域のカラーキャストの問題に応じて配置されることで、光源モジュールにおける異なる領域から出力する光束の色を一致するようにさせることもできる。よって、本発明の実施例に係る光源モジュールは、さらに、光源モジュールの辺縁部のカラーキャストの問題を改善することができ、また、本発明の実施例における表示装置は、上述の光源モジュールを採用するため、良好な表示品質を有する。
【0041】
本発明は、前述した好適な実施例に基づいて以上のように開示されたが、前述した好適な実施例は、本発明を限定するためのものでなく、当業者は、本発明の技術思想と範囲を離脱しない限り、本発明に対して些細な変更と潤色を行うことができるので、本発明の保護範囲は、添付した特許請求の範囲に定まったものを基準とする。また、本発明の何れの実施例又は特許請求の範囲は、本発明に開示されたすべての目的又は利点又は特徴を達成する必要がない。また、要約の一部と発明の名称は、文献の検索を助けるためのみのものであり、本発明の技術的範囲を限定するものでない。また、本明細書又は特許請求の範囲に言及びされている「第一」、「第二」などの用語は、要素(element)に名前を付け、又は、他の実施例又は範囲を区別するためのものみであり、要素の数量上での上限又は下限を限定するためのものでない。
【符号の説明】
【0042】
1、2:表示装置
10:表示パネル
12、22:光源モジュール
120:光源
1200:発光素子
121:色変換層
122、222:2方向色分解層
1220:中心領域色分解層
1222、2222:周辺領域色分解層
123:拡散シート
124:反射シート
125:増光膜
1250:第一増光膜
1252:第二増光膜
126:二重増光膜
220:導光板
2222A:第一部分
2222:第二部分
2222C:第三部分
B1、B1’、B2、B2A、B2A’、B2B、B2B’:光束
D1:第一方向
D2:第二方向
DT:距離
F:光学膜片
I:照明光束
IE、E1222、E2222:内縁部
OE、E122、E222:辺縁部
R1:中心領域
R2:周辺領域
S1:入光面
S2:出光面
SB:底面
SS:側面
ST:頂面
T1:三角柱状プリズム
T2:三角柱状プリズム
U:2方向色分解ユニット
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6