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特許7445534情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20240229BHJP
【FI】
G16H20/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020105219
(22)【出願日】2020-06-18
(65)【公開番号】P2021197059
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】309005238
【氏名又は名称】アクシスルートホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 一馬
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-034479(JP,A)
【文献】特開2010-231328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機関側端末で生成されて送信された処方箋情報と、薬局側端末で前記処方箋情報に対応付けて生成されて送信された調剤実績情報とを処理する情報処理装置であって、
前記処方箋情報を記憶部に記憶させ、
前記処方箋情報を前記薬局側端末に送信し、
前記調剤実績情報に対応付けられた前記処方箋情報を前記記憶部から抽出し、
前記記憶部から抽出した前記処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた前記調剤実績情報とを照合し、照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該調剤実績情報に含まれる薬情報とが一致しない場合に、オンライン服薬指導の実施を禁止する情報処理装置。
【請求項2】
医療機関側端末で生成されて送信された処方箋情報と、薬局側端末で前記処方箋情報に対応付けて生成されて送信された調剤実績情報とを処理する情報処理装置であって、
前記処方箋情報に含まれない薬を調剤することを申請する申請情報を前記薬局側端末から受信可能であり、
前記処方箋情報に含まれない薬を調剤することを許可する許可情報を前記医療機関側端末から受信可能であり、
前記処方箋情報を記憶部に記憶させ、
前記処方箋情報を前記薬局側端末に送信し、
前記調剤実績情報に対応付けられた前記処方箋情報を前記記憶部から抽出し、
前記申請情報を前記薬局側端末から受信した場合に、受信した前記申請情報を前記医療機関側端末に送信し、
前記記憶部から抽出した前記処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた前記調剤実績情報とを照合し、照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該調剤実績情報に含まれる薬情報とが一致せず、且つ、前記許可情報を前記医療機関側端末から受信しない場合、オンライン服薬指導の実施を禁止する情報処理装置。
【請求項3】
前記薬局側端末と患者側端末との少なくとも一方で前記処方箋情報に対応付けて生成されて送信された服薬指導情報を処理し、
当該服薬指導情報に対応付けられた前記処方箋情報を前記記憶部から抽出し、
前記記憶部から抽出した前記処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた前記服薬指導情報とを照合し、照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該服薬指導情報に含まれる薬情報とが一致しない場合に、配送手配及び決済の処理を禁止する請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記服薬指導情報に基づいて、前記オンライン服薬指導が所定の手順で実施されたか否かを判定し、前記オンライン服薬指導が前記所定の手順で実施されるまで、前記配送手配及び決済の処理を禁止する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
医療機関側端末で生成されて送信された処方箋情報と、薬局側端末で前記処方箋情報に対応付けて生成されて送信された調剤実績情報とを処理する情報処理装置を用いて実行する情報処理方法であって、
前記処方箋情報を記憶部に記憶させ、
前記処方箋情報を前記薬局側端末に送信し、
前記調剤実績情報に対応付けられた前記処方箋情報を前記記憶部から抽出し、
前記記憶部から抽出した前記処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた前記調剤実績情報とを照合し、照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該調剤実績情報に含まれる薬情報とが一致しない場合に、オンライン服薬指導の実施を禁止する情報処理方法。
【請求項6】
医療機関側端末で生成されて送信された処方箋情報と、薬局側端末で前記処方箋情報に対応付けて生成されて送信された調剤実績情報とを処理する情報処理装置を用いて実行する情報処理方法であって、
前記処方箋情報に含まれない薬を調剤することを申請する申請情報を前記薬局側端末から受信可能とし、
前記処方箋情報に含まれない薬を調剤することを許可する許可情報を前記医療機関側端末から受信可能とし、
前記処方箋情報を記憶部に記憶させ、
前記処方箋情報を前記薬局側端末に送信し、
前記調剤実績情報に対応付けられた前記処方箋情報を前記記憶部から抽出し、
前記申請情報を前記薬局側端末から受信した場合に、受信した前記申請情報を前記医療機関側端末に送信し、
前記記憶部から抽出した前記処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた前記調剤実績情報とを照合し、照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該調剤実績情報に含まれる薬情報とが一致せず、且つ、前記許可情報を前記医療機関側端末から受信しない場合に、オンライン服薬指導の実施を禁止する情報処理方法。
【請求項7】
医療機関側端末で生成されて送信された処方箋情報と、薬局側端末で前記処方箋情報に対応付けて生成されて送信された調剤実績情報とを処理する情報処理装置を実行させるためのプログラムであって、
前記処方箋情報を記憶部に記憶させ、
前記処方箋情報を前記薬局側端末に送信し、
前記調剤実績情報に対応付けられた前記処方箋情報を前記記憶部から抽出し、
前記記憶部から抽出した前記処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた前記調剤実績情報とを照合し、照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該調剤実績情報に含まれる薬情報とが一致しない場合に、オンライン服薬指導の実施を禁止するプログラム。
【請求項8】
医療機関側端末で生成されて送信された処方箋情報と、薬局側端末で前記処方箋情報に対応付けて生成されて送信された調剤実績情報とを処理する情報処理装置を実行させるためのプログラムであって、
前記処方箋情報に含まれない薬を調剤することを申請する申請情報を前記薬局側端末から受信可能とし、
前記処方箋情報に含まれない薬を調剤することを許可する許可情報を前記医療機関側端末から受信可能とし、
前記処方箋情報を記憶部に記憶させ、
前記処方箋情報を前記薬局側端末に送信し、
前記調剤実績情報に対応付けられた前記処方箋情報を前記記憶部から抽出し、
前記申請情報を前記薬局側端末から受信した場合に、受信した前記申請情報を前記医療機関側端末に送信し、
前記記憶部から抽出した前記処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた前記調剤実績情報とを照合し、照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該調剤実績情報に含まれる薬情報とが一致せず、且つ、前記許可情報を前記医療機関側端末から受信しない場合に、オンライン服薬指導の実施を禁止するプログラム。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
薬局において、薬剤師と患者とのコミュニケーションを支援する情報処理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の情報処理システムでは、薬局用コンピュータが、処方情報を蓄積して管理し、新たに取得した処方情報と前回の処方情報とを比較し、患者に処方される薬剤の変更点のデータを薬剤師用端末の画面に表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-64692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現在、医療機関において電話や情報通信機器を用いて診療を行うオンライン診療と、薬局において電話や情報通信機器を用いて服薬指導を行うオンライン服薬指導とが実施可能となっている。医療機関においてオンライン診療が行われた後に薬局において調剤やオンライン服薬指導等が行われる場合、医療機関で作成された処方箋情報に基づいて適切に調剤やオンライン服薬指導等が行われることを保証する必要がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、医療機関においてオンライン診療が行われた後に薬局において行われるオンラインでの処理を保証できる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、医療機関側端末で生成されて送信された処方箋情報と、薬局側端末で前記処方箋情報に対応付けて生成されて送信された調剤実績情報とを処理する情報処理装置であって、前記処方箋情報を記憶部に記憶させ、前記処方箋情報を前記薬局側端末に送信し、前記調剤実績情報に対応付けられた前記処方箋情報を前記記憶部から抽出し、前記記憶部から抽出した前記処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた前記調剤実績情報とを照合し、照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該調剤実績情報に含まれる薬情報とが一致しない場合に、オンライン服薬指導の実施を禁止する。
【0007】
本発明に係る情報処理装置は、医療機関側端末で生成されて送信された処方箋情報と、薬局側端末で前記処方箋情報に対応付けて生成されて送信された調剤実績情報とを処理する情報処理装置であって、前記処方箋情報に含まれない薬を調剤することを申請する申請情報を前記薬局側端末から受信可能であり、前記処方箋情報に含まれない薬を調剤することを許可する許可情報を前記医療機関側端末から受信可能であり、前記処方箋情報を記憶部に記憶させ、前記処方箋情報を前記薬局側端末に送信し、前記調剤実績情報に対応付けられた前記処方箋情報を前記記憶部から抽出し、前記申請情報を前記薬局側端末から受信した場合に、受信した前記申請情報を前記医療機関側端末に送信し、前記記憶部から抽出した前記処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた前記調剤実績情報とを照合し、照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該調剤実績情報に含まれる薬情報とが一致せず、且つ、前記許可情報を前記医療機関側端末から受信しない場合、オンライン服薬指導の実施を禁止する。
【0008】
本発明に係る情報処理装置において、前記薬局側端末と患者側端末との少なくとも一方で前記処方箋情報に対応付けて生成されて送信された服薬指導情報を処理し、当該服薬指導情報に対応付けられた前記処方箋情報を前記記憶部から抽出し、前記記憶部から抽出した前記処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた前記服薬指導情報とを照合し、照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該服薬指導情報に含まれる薬情報とが一致しない場合に、配送手配及び決済の処理を禁止してもよい。
【0009】
本発明に係る情報処理装置において、前記服薬指導情報に基づいて、前記オンライン服薬指導が所定の手順で実施されたか否かを判定し、前記オンライン服薬指導が前記所定の手順で実施されるまで、前記配送手配及び決済の処理を禁止してもよい。
【0010】
本発明に係る情報処理方法は、医療機関側端末で生成されて送信された処方箋情報と、薬局側端末で前記処方箋情報に対応付けて生成されて送信された調剤実績情報とを処理する情報処理装置を用いて実行する情報処理方法であって、前記処方箋情報を記憶部に記憶させ、前記処方箋情報を前記薬局側端末に送信し、前記調剤実績情報に対応付けられた前記処方箋情報を前記記憶部から抽出し、前記記憶部から抽出した前記処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた前記調剤実績情報とを照合し、照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該調剤実績情報に含まれる薬情報とが一致しない場合に、オンライン服薬指導の実施を禁止する。
【0011】
本発明に係る情報処理方法は、医療機関側端末で生成されて送信された処方箋情報と、薬局側端末で前記処方箋情報に対応付けて生成されて送信された調剤実績情報とを処理する情報処理装置を用いて実行する情報処理方法であって、前記処方箋情報に含まれない薬を調剤することを申請する申請情報を前記薬局側端末から受信可能とし、前記処方箋情報に含まれない薬を調剤することを許可する許可情報を前記医療機関側端末から受信可能とし、前記処方箋情報を記憶部に記憶させ、前記処方箋情報を前記薬局側端末に送信し、前記調剤実績情報に対応付けられた前記処方箋情報を前記記憶部から抽出し、前記申請情報を前記薬局側端末から受信した場合に、受信した前記申請情報を前記医療機関側端末に送信し、前記記憶部から抽出した前記処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた前記調剤実績情報とを照合し、照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該調剤実績情報に含まれる薬情報とが一致せず、且つ、前記許可情報を前記医療機関側端末から受信しない場合に、オンライン服薬指導の実施を禁止する。
【0012】
本発明に係るプログラムは、医療機関側端末で生成されて送信された処方箋情報と、薬局側端末で前記処方箋情報に対応付けて生成されて送信された調剤実績情報とを処理する情報処理装置を実行させるためのプログラムであって、前記処方箋情報を記憶部に記憶させ、前記処方箋情報を前記薬局側端末に送信し、前記調剤実績情報に対応付けられた前記処方箋情報を前記記憶部から抽出し、前記記憶部から抽出した前記処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた前記調剤実績情報とを照合し、照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該調剤実績情報に含まれる薬情報とが一致しない場合に、オンライン服薬指導の実施を禁止する。
【0013】
本発明に係るプログラムは、医療機関側端末で生成されて送信された処方箋情報と、薬局側端末で前記処方箋情報に対応付けて生成されて送信された調剤実績情報とを処理する情報処理装置を実行させるためのプログラムであって、前記処方箋情報に含まれない薬を調剤することを申請する申請情報を前記薬局側端末から受信可能とし、前記処方箋情報に含まれない薬を調剤することを許可する許可情報を前記医療機関側端末から受信可能とし、前記処方箋情報を記憶部に記憶させ、前記処方箋情報を前記薬局側端末に送信し、前記調剤実績情報に対応付けられた前記処方箋情報を前記記憶部から抽出し、前記申請情報を前記薬局側端末から受信した場合に、受信した前記申請情報を前記医療機関側端末に送信し、前記記憶部から抽出した前記処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた前記調剤実績情報とを照合し、照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該調剤実績情報に含まれる薬情報とが一致せず、且つ、前記許可情報を前記医療機関側端末から受信しない場合に、オンライン服薬指導の実施を禁止する。
【0014】
本発明に係る記録媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0015】
なお、以下の説明における「薬」や「医薬品」は、飲み薬のみならず、湿布薬や塗り薬等の飲み薬以外の薬も含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた調剤実績情報とを照合し、照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該調剤実績情報に含まれる薬情報とが一致しない場合に、オンライン服薬指導の実施を禁止するので、医療機関においてオンライン診療が行われた後に薬局においてオンラインで行われる処理を保証できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るシステムの概念図である。
図2図2は、図1に示す薬局用サーバを示すブロック図である。
図3図3は、図2に示す薬局用サーバの処理を示すフローチャートである。
図4図4は、図2に示す薬局用サーバの処理を示すフローチャートである。
図5図5は、ステップ16(図4に示すS16)における服薬指導照合部の照合処理を示すフローチャートである。
図6図6は、本発明の他の実施形態に係る薬局用サーバの処理を示すフローチャートである。
図7図7は、本発明の他の実施形態に係る薬局用サーバの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るシステム1の概念図である。システム1は、医療機関用システム2と、薬局用システム10とを備える。医療機関用システム2は、オンライン診療に対応したシステムであり、薬局用システム10は、オンライン服薬指導や医薬品の発送手配及び決済に対応したシステムである。
【0020】
医療機関用システム2は、医療機関Dに備えられる医療機関側端末21と、ネットワークを介して医療機関側端末21に接続された医療機関用サーバ22とを備える。薬局用システム10は、薬局Aに備えられる薬局側端末110と、ネットワークを介して薬局側端末110に接続された薬局用サーバ120とを備える。医療機関用サーバ22と薬局用サーバ120とは、ネットワークを介して患者側端末130に接続されている。
【0021】
患者側端末130は、スマートフォンやタブレットやパーソナルコンピュータ等である。患者側端末130は、ネットワークと医療機関用サーバ22とを介して医療機関側端末21に接続され、ネットワークと薬局用サーバ120とを介して薬局側端末110に接続される。この患者側端末130は、オンライン診療及びオンライン服薬指導を受けるためのアプリケーションを利用可能である。このアプリケーションは、薬局側端末110にインストールされていてもよく、ASP(Application Service Provider)サービスにより薬局側端末110に提供されてもよい。このアプリケーションは、患者の個人情報の登録、オンライン診療を受ける医療機関の選択、オンライン診療を受ける時間の予約、問診票の登録、オンライン服薬指導を受けるか否かの選択、オンライン服薬指導を受ける薬局の選択、費用の決済等を行うことが可能である。また、このアプリケーションには、ビデオチャットが内蔵されており、このビデオチャットを用いてオンライン診療とオンライン服薬指導とが実施される。
【0022】
医療機関側端末21は、電子カルテシステムとオンライン診療システムとが搭載されたパーソナルコンピュータである。この医療機関側端末21は、診察記録と、処方する薬の情報等を含む処方箋情報とを記録可能である。この処方箋情報は、例えば、処方箋の識別子としての処方箋ID、患者の個人情報(氏名やID)、処方された薬の種類及び数量の情報、処方された薬の服用量や投与方法等の情報、オンライン診療の実施の有無の情報、オンライン服薬指導の実施の有無の情報、及びオンライン服薬指導を実施する薬局の情報等を含む。この処方箋情報の記述仕様は、医療機関側端末21、医療機関用サーバ22、薬局側端末110、薬局用サーバ120、分包機、電子薬歴システム、医薬品在庫管理システム、及び調剤監査システム等を連動させるための共有仕様である。医療機関側端末21は、記録された処方箋情報に基づいて紙による処方箋を発行可能であると共に、オンライン診療が実施された場合に処方箋情報を医療機関用サーバ22に送信可能である。
【0023】
医療機関側端末21は、オンライン診療を実施するためのアプリケーションを利用可能である。このアプリケーションは、医療機関側端末21にインストールされていてもよく、ASPサービスにより医療機関側端末21に提供されてもよい。このアプリケーションは、患者の個人情報の登録、オンライン診療を実施する時間の予約、オンライン服薬指導を実施するか否かの選択、オンライン服薬指導を実施する薬局の選択、処方箋情報の送信、診療費の決済等を行うことが可能である。また、このアプリケーションには、ビデオチャットが内蔵されており、このビデオチャットを用いてオンライン診療が実施される。
【0024】
医療機関用サーバ22は、オンライン診療が実施された後にオンライン服薬指導が実施される場合、処方箋情報を暗号化通信により薬局用サーバ120に送信する。暗号化通信は、共通鍵暗号方式、公開鍵暗号方式、及びセッション鍵暗号方式等の公知の方法を用いればよい。例えば、医療機関用サーバ22は、暗号化した処方箋情報と、該処方箋情報を復号化するための復号化鍵とを薬局用サーバ120に送信する。なお、処方箋情報は、医療機関側端末21から医療機関用サーバ22に暗号化通信により送信されてもよい。
【0025】
薬局側端末110は、調剤システムとオンライン服薬指導システムとが搭載されたパーソナルコンピュータである。薬局側端末110は、処方箋情報を薬局用サーバ120から暗号化通信により受信する。暗号化通信は、共通鍵暗号方式、公開鍵暗号方式、及びセッション鍵暗号方式等の公知の方法を用いればよい。例えば、薬局側端末110は、暗号化した処方箋情報と、該処方箋情報を復号化するための復号化鍵とを薬局用サーバ120から受信する。薬局Aの薬剤師や事務員等(以下、薬剤師等という)による薬局側端末110の操作によって、薬局用サーバ120から受信した処方箋情報が復号化される。また、薬局Aの薬剤師等による薬局側端末110の操作によって、復号化された処方箋情報が、連動する各種システム(電子薬歴システム等)に記録されたり、薬局側端末110と連動する各種システム(分包機や薬袋印刷機等)に送信されたりする。
【0026】
調剤後には、薬局Aの薬剤師等による薬局側端末110の操作によって、調剤実績情報が、薬局側端末110と連動する各種システム(オンライン服薬指導システム等)に送信される。この調剤実績情報は、例えば処方箋ID、患者の個人情報(氏名やID)、調剤した薬の種類及び数量の情報等である。また、調剤実績情報の記述仕様は、薬局側端末110、薬局用サーバ120、医療機関側端末21、医療機関用サーバ22、分包機、電子薬歴、医薬品在庫管理システム、及び調剤監査システム等を連動させるための共有仕様である。
【0027】
薬局側端末110は、オンライン服薬指導を実施するためのアプリケーションを利用可能である。このアプリケーションは、薬局側端末110にインストールされていてもよく、ASPサービスにより薬局側端末110に提供されてもよい。このアプリケーションは、患者の個人情報の登録、オンライン服薬指導を実施する時間の予約、患者側端末130のアプリケーションの呼出し、及び患者側端末130のアプリケーションとの間でのオンライン服薬指導等を行うことが可能である。また、このアプリケーションには、ビデオチャットが内蔵されており、このビデオチャットを用いてオンライン服薬指導が実施される。ビデオチャットは、オンライン服薬指導を行う薬剤師とオンライン服薬指導を受ける患者とを撮影した動画を患者側端末130のアプリケーションとの間で送受信する機能と、薬剤情報提供書や調剤報酬明細書等の画像を患者側端末130のアプリケーションとの間で共有する機能とを備える。このアプリケーションのビデオチャットを用いて実施されたオンライン服薬指導の動画、静止画像及び音声の情報は、薬局用サーバ120が備える記憶部124(図2参照)に記憶される。薬剤情報提供書や調剤報酬明細書等の画像が静止画像に相当する。
【0028】
図2は、図1に示す薬局用サーバ120を示すブロック図である。この図に示すように、薬局用サーバ120は、第1の通信部121と、処方箋情報処理部122と、第2の通信部123と、記憶部124と、第3の通信部125と、予約処理部126と、調剤実績照合部127と、服薬指導照合部128と、配送・決済処理部129とを備える。
【0029】
第1の通信部121は、医療機関用サーバ22と通信する。この第1の通信部121は、処方箋情報を暗号化通信により医療機関用サーバ22から受信する。暗号化通信は、共通鍵暗号方式、公開鍵暗号方式、及びセッション鍵暗号方式等の公知の方法を用いればよい。例えば、処方箋情報処理部121は、暗号化した処方箋情報と、該処方箋情報を復号化するための復号化鍵とを医療機関用サーバ22から受信する。
【0030】
処方箋情報処理部122は、第1の通信部121が受信した処方箋情報を記憶部124に記憶させる。また、処方箋情報処理部122は、第1の通信部121が受信した処方箋情報を復号化し、復号化した処方箋情報からオンライン服薬指導を実施する薬局Aを抽出する。処方箋情報処理部122が抽出する薬局Aは、予め記憶部124に登録された薬局Aである。処方箋情報処理部122は、復号化した処方箋情報に含まれる薬局IDが、記憶部124に登録されているか否かを判定する。処方箋情報処理部122は、記憶部124に登録された薬局Aを抽出できない場合には、第1の通信部121から医療機関用サーバ22に、処方箋情報の受付を拒否する通知を送信する。
【0031】
第2の通信部123は、薬局側端末110と通信する。処方箋情報処理部122は、第1の通信部121が受信した処方箋情報を、第2の通信部123から薬局Aの薬局側端末110に暗号化通信により送信する。暗号化通信は、共通鍵暗号方式、公開鍵暗号方式、及びセッション鍵暗号方式等の公知の方法を用いればよい。例えば、第2の通信部123は、暗号化した処方箋情報と、該処方箋情報を復号化するための復号化鍵とを薬局側端末110に送信する。また、第2の通信部123は、薬局側端末110から送信された調剤実績情報と服薬指導情報とを受信する。
【0032】
記憶部124は、薬局用サーバ120を情報処理装置として機能させるためのプログラムを記憶している。また、記憶部124は、オンライン服薬指導を実施する薬局Aの情報を予め記憶している。また、記憶部124は、オンライン服薬指導の予約可能日時の情報を予め記憶している。この予約可能日時の情報は、薬局側端末110において編集可能であり、患者側端末130において閲覧可能である。さらに、記憶部124は、第1の通信部121が受信した処方箋情報と、第2の通信部123が受信した調剤実績情報及び服薬指導情報とを記憶する。
【0033】
第3の通信部125は、患者側端末130と通信する。この第3の通信部125は、オンライン服薬指導の予約に関する情報と、オンライン服薬指導の動画、静止画、及び音声の情報と、配送・決済に関する情報とを、患者側端末130との間で送受信する。
【0034】
予約処理部126は、第3の通信部125が患者側端末130から受信した予約日時の情報を、第2の通信部123から薬局側端末110に送信する。この予約日時は、記憶部124に記憶された予約可能日時の中から選択可能である。また、予約処理部126は、予約日時の情報を記憶部124に記憶させる。さらに、予約処理部126は、オンライン服薬指導の予約及び日時が確定した旨の通知を、第2の通信部123から薬局側端末110に、第3の通信部125から患者側端末130に送信する。
【0035】
調剤実績照合部127は、第2の通信部123が薬局側端末110から調剤実績情報を受信した場合、当該調剤実績情報に含まれる処方箋IDに対応付けられた処方箋情報を記憶部124から抽出する。調剤実績照合部127は、第2の通信部123が受信した調剤実績情報と、記憶部124から抽出した処方箋情報とを照合する。調剤実績照合部127による照合処理では、調剤実績情報に含まれる患者の個人情報と処方箋情報に含まれる患者の個人情報とが一致するか否か、調剤実績情報に含まれる調剤した薬の種類及び数量と、処方箋情報に含まれる処方された薬の種類及び数量とが一致するか否かが判定される。
【0036】
調剤実績照合部127は、照合の結果、調剤実績情報に含まれる患者の個人情報と処方箋情報に含まれる患者の個人情報とが一致し、且つ、調剤実績情報に含まれる調剤した薬の種類及び数量と、処方箋情報に含まれる処方された薬の種類及び数量とが一致した場合、第2の通信部123から薬局側端末110に、オンライン服薬指導を許可する通知を送信する。他方で、調剤実績照合部127は、照合の結果、調剤実績情報に含まれる患者の個人情報と処方箋情報に含まれる患者の個人情報とが一致せず、又は、調剤実績情報に含まれる調剤した薬の種類及び数量と、処方箋情報に含まれる処方された薬の種類及び数量とが一致しない場合、第2の通信部123から薬局側端末110に、薬剤師による調剤のやり直しを要求する指令を送信する。
【0037】
服薬指導照合部128は、第2の通信部123が薬局側端末110から服薬指導情報を受信して記憶部124に記憶させた場合、処方箋IDにより当該服薬指導情報と対応付けられた処方箋情報を記憶部124から抽出し、抽出した処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた服薬指導情報とを照合する。服薬指導照合部128による照合処理では、服薬指導情報に含まれる音声情報が音声認識機能により文字列情報に変換され、文字列情報に変換された服薬指導情報に含まれる患者の個人情報と、処方箋情報に含まれる患者の個人情報とが一致するか否かが判定される。また、服薬指導照合部128による照合処理では、文字列情報に変換された服薬指導情報に基づいて、オンライン服薬指導が所定の手順で行われたか否かが判定される。また、服薬指導照合部128による照合処理では、文字列情報に変換された服薬指導情報に含まれる調剤した薬の種類及び数量と、処方箋情報に含まれる処方された薬の種類及び数量とが一致するか否かが判定される。さらに、服薬指導照合部128による照合処理では、服薬指導に含まれる画像情報が文字認識機能により文字列情報に変換され、文字列情報に変換された服薬指導情報に含まれる患者の個人情報と処方箋情報に含まれる患者の個人情報とが一致するか否か、文字列情報に変換された服薬指導情報に含まれる調剤した薬の種類及び数量と、処方箋情報に含まれる処方された薬の種類及び数量とが一致するか否かが判定される。
【0038】
服薬指導照合部128は、照合の結果、服薬指導情報に含まれる患者の個人情報と処方箋情報に含まれる患者の個人情報とが一致し、オンライン服薬指導が所定の手順で実施され、且つ、服薬指導情報に含まれる調剤した薬の種類及び数量と、処方箋情報に含まれる処方された薬の種類及び数量とが一致した場合、配送・決済処理を許可する。他方で、服薬指導照合部128は、照合の結果、服薬指導情報に含まれる患者の個人情報と処方箋情報に含まれる患者の個人情報とが一致しない場合、オンライン服薬指導が所定の手順で実施されていない場合、又は、服薬指導情報に含まれる調剤した薬の種類及び数量と、処方箋情報に含まれる処方された薬の種類及び数量とが一致しない場合、配送・決済処理を禁止する。
【0039】
配送・決済処理部129は、第3の通信部125が患者側端末130から決済処理の指令を受信した場合、医薬品の配送手配と医薬品の決済処理とを行う。
【0040】
図3及び図4は、図2に示す薬局用サーバ120の処理を示すフローチャートである。これらのフローチャートに示す処理は、医療機関用システム2においてオンライン診療が実施された後に、第1の通信部121が、処方箋情報を暗号化通信により医療機関用サーバ22から受信すると開始される。
【0041】
図3に示すように、ステップ1において、処方箋情報処理部122は、第1の通信部121が受信した処方箋情報を記憶部124に記憶させる。次に、ステップ2において、処方箋情報処理部122は、第1の通信部121が受信した処方箋情報を復号化し、復号化した処方箋情報に含まれる薬局IDが記憶部124に記憶されているか否かを判定する。ステップ2において肯定判定がされた場合にはステップ3に移行し、ステップ2において否定判定がされた場合にはステップ4に移行する。ステップ4において、処方箋情報処理部122は、処方箋情報の受付を拒否する通知を医療機関用サーバ22に送信する。ステップ4が実行された場合には図1に示すフローチャートの処理が終了する。
【0042】
ステップ3において、処方箋情報処理部122は、第1の通信部121が受信した処方箋情報を、第2の通信部123から薬局Aの薬局側端末110に暗号化通信により送信する。ステップ3からステップ5に移行する。
【0043】
ステップ5において、予約処理部126は、患者側端末130から予約日時の情報を受信したか否かを判定する。ステップ5において肯定判定がされた場合には、ステップ6に移行し、ステップ5において否定判定がされた場合にはステップ5が繰り返し実行される。ステップ6において、予約処理部126は、予約日時の情報を記憶部124に記憶させる。また、予約処理部126は、オンライン服薬指導の予約及び日時が確定した旨の通知を、薬局側端末110と患者側端末130とに送信する。
【0044】
次に、ステップ7において、調剤実績照合部127は、薬局側端末110から調剤実績情報を受信したか否かを判定する。ステップ7において肯定判定がされた場合、ステップ8に移行し、ステップ7において否定判定がされた場合、ステップ7が繰り返し実行される。ステップ8において、調剤実績照合部127は、受信した調剤実績情報に含まれる処方箋IDに対応する処方箋情報が、記憶部124に記憶されているか否かを判定する。ステップ8において肯定判定がされた場合にはステップ9に移行し、ステップ8において否定判定がされた場合にはステップ10に移行する。
【0045】
ステップ9において、調剤実績照合部127は、調剤実績情報に含まれる患者の個人情報と処方箋情報に含まれる患者の個人情報とが一致するか否かを判定する。ステップ9において肯定判定がされた場合にはステップ11に移行し、ステップ9において否定判定がされた場合にはステップ10に移行する。
【0046】
ステップ11において、調剤実績照合部127は、調剤実績情報に含まれる調剤した薬の種類及び数量と、処方箋情報に含まれる処方された薬の種類及び数量とが一致するか否かを判定する。ステップ11において肯定判定がされた場合にはステップ12に移行し、ステップ11において否定判定がされた場合にはステップ10に移行する。
【0047】
ステップ10において、調剤実績照合部127は、薬剤師による調剤のやり直しを指示する通知を薬局側端末110に送信する。薬剤師による調剤のやり直しを指示する通知には、患者情報の一致と不一致、及び、薬の種類及び数量の一致と不一致の少なくとも一方の情報が含まれる。ステップ10からステップ7に移行する。他方で、ステップ12において、調剤実績照合部127は、服薬指導を許可する通知を薬局側端末110に送信する。ステップ12から図4のフローチャートに示すステップ13に移行する。
【0048】
図4に示すように、ステップ13において、服薬指導照合部128は、薬局側端末110から服薬指導情報を受信したか否かを判定する。ステップ13において肯定判定がされた場合にはステップ14に移行し、ステップ13において否定判定がされた場合にはステップ13が繰り返し実行される。
【0049】
ステップ14において、服薬指導照合部128は、受信した服薬指導情報を記憶部124に記憶させる。ステップ14からステップ15に移行する。ステップ15において、服薬指導照合部128は、記憶部124に記憶されたオンライン服薬指導の音声情報を音声認識機能により文字列情報に変換し、記憶部124に記憶されたオンライン服薬指導の画像情報を文字認識機能により文字列情報に変換する。ステップ15からステップ16に移行する。ステップ16において、服薬指導照合部128は、文字列の服薬指導情報に基づいて、オンライン服薬指導が所定の手順で行われたか否かを判定する。
【0050】
図5は、ステップ16(図4に示すS16)における服薬指導照合部128の照合処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示すように、まず、ステップ161において、服薬指導照合部128は、患者の氏名に関する情報(少なくとも名字)が、薬剤師の音声情報から音声認識機能により変換された文字列情報に含まれているか否かを判定する。ステップ161において肯定判定がされた場合にはステップ163に移行し、ステップ161において否定判定がされた場合にはステップ162に移行する。ステップ162において、服薬指導照合部128は、薬剤師による患者の呼出しのやり直しを要求する指令を薬局側端末110に送信する。ステップ162からステップ161に移行する。
【0051】
ステップ163において、服薬指導照合部128は、薬剤師の氏名に関する情報(少なくとも名字)が、薬剤師の音声情報から音声認識機能により変換された文字列情報に含まれているか否かを判定する。ステップ163において肯定判定がされた場合にはステップ165に移行し、ステップ163において否定判定がされた場合にはステップ164に移行する。ステップ164において、服薬指導照合部128は、薬剤師による自己紹介のやり直しを要求する指令を薬局側端末110に送信する。ステップ164からステップ163に移行する。なお、ステップ161,163では、服薬指導の「お声がけ」の実施の有無が確認されている。
【0052】
ステップ165において、服薬指導照合部128は、患者の症状に関する情報が、患者と薬剤師との音声情報から音声認識機能により変換された文字列情報に含まれているか否かを判定する。患者の症状に関する情報は、初めて来局した患者についてのアレルギーや既往歴や併用薬、継続して来局している患者についての前回の症状や経過や副作用の発現の有無等である。ステップ165において肯定判定がされた場合にはステップ167に移行し、ステップ165において否定判定がされた場合にはステップ166に移行する。ステップ166において、服薬指導照合部128は、薬剤師による患者の症状の聞き取りのやり直しを要求する指令を薬局側端末110に送信する。ステップ166からステップ165に移行する。なお、ステップ165では、服薬指導の「症状の聞き取り」の実施の有無が確認されている。
【0053】
ステップ167において、服薬指導照合部128は、薬に関する情報が、薬剤師の音声情報から音声認識機能により変換された文字列情報又は薬剤情報提供書等の画像情報から文字認識機能により変換された文字列情報に含まれているか否かを判定する。薬に関する情報は、薬の種類・数量や効能・効果や服用方法や副作用や飲み合わせや保管方法等である。ステップ167において肯定判定がされた場合にはステップ169に移行し、ステップ167において否定判定がされた場合にはステップ168に移行する。ステップ168において、服薬指導照合部128は、薬剤師による医薬品の説明のやり直しを要求する指令を薬局側端末110に送信する。ステップ168からステップ167に移行する。なお、ステップ167では、服薬指導の「医薬品の説明」の実施の有無が確認されている。
【0054】
ステップ169において、服薬指導照合部128は、上記の文字列の服薬指導情報に含まれる薬に関する情報と、記憶部124に記憶されている処方箋情報に含まれる薬に関する情報とが一致するか否かを判定する。ステップ169において肯定判定がされた場合にはステップ171に移行し、ステップ169において否定判定がされた場合にはステップ170に移行する。ステップ170において、服薬指導照合部128は、薬剤師による医薬品の説明のやり直しを要求する指令を薬局側端末110に送信する。ステップ170からステップ169に移行する。なお、ステップ169では、服薬指導の「医薬品の説明」が処方箋情報に基づいて正確に実施されているか否かが確認されている。
【0055】
ステップ171において、服薬指導照合部128は、質問事項に関する情報が、薬剤師及び患者の音声情報から音声認識機能により変換された文字列情報に含まれているか否かを判定する。質問事項に関する情報は、薬剤師による質問事項の確認の有無、患者による質問事項が無い旨の回答の有無等である。ステップ171において肯定判定がされた場合にはステップ173に移行し、ステップ171において否定判定がされた場合にはステップ172に移行する。ステップ172において、服薬指導照合部128は、薬剤師による質問事項の確認のやり直しを要求する指令を薬局側端末110に送信する。ステップ172からステップ171に移行する。なお、ステップ171では、服薬指導の「質問事項の確認」の実施の有無が確認されている。
【0056】
ステップ173において、服薬指導照合部128は、クロージングに関する情報が、薬剤師の音声情報から音声認識機能により変換された文字列情報に含まれているか否かを判定する。クロージングに関する情報は、薬剤師によるオンライン服薬指導を終了する旨の発言等である。ステップ173において肯定判定がされた場合には図4に示すステップ17に移行し、ステップ173において否定判定がされた場合にはステップ174に移行する。ステップ174において、服薬指導照合部128は、薬剤師によるクロージングのやり直しを要求する指令を薬局側端末110に送信する。ステップ174からステップ173に移行する。なお、ステップ173では、服薬指導の「クロージング」の実施の有無が確認されている。
【0057】
図4に示すように、ステップ17において、服薬指導照合部128は、配送・決済処理を許可する通知を患者側端末130と薬局側端末110とに送信する。ステップ17からステップ18に移行する。ステップ18において、配送・決済処理部129は、患者側端末130から決済処理の指令を受信したか否かを判定する。ステップ18において肯定判定がされた場合にはステップ19に移行し、ステップ18において否定判定がされた場合にはステップ18を繰り返し実行する。
【0058】
ステップ19において、配送・決済処理部129は、医薬品の発送手配処理と医薬品の決済処理とを実行する。ステップ19からステップ20に移行する。ステップ20において、配送・決済処理部129は、オンライン服薬指導と医薬品の発送手配処理と医薬品の決済処理とが完了した旨の通知を、患者側端末130と薬局側端末110とに送信する。以上で図3図5に示す処理を終了する。
【0059】
以上説明したように、本実施形態に係る薬局用サーバ120では、医療機関側端末21から医療機関用サーバ22を介して送信された処方箋情報を、薬局側端末110に送信すると共に記憶部124に記憶させ、薬局側端末110から送信され処方箋情報に対応付けられた調剤実績情報と、記憶部124に記憶され当該調剤実績情報に対応付けられた処方箋情報とを照合する。照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該調剤実績情報に含まれる薬情報とが一致しない場合に、オンライン服薬指導の実施が禁止される。即ち、医療機関側端末110から送信された処方箋情報に基づいて適切に調剤が行われた場合に限り、オンライン服薬指導が実施される。従って、薬局Aと患者との間でオンライン服薬指導が実施されるまでの薬局Aの処理を保証できる。
【0060】
また、本実施形態に係る薬局用サーバ120では、薬局側端末110と患者側端末130との間でビデオチャットを用いて実施されたオンライン服薬指導の情報を、処方箋情報に対応付けた状態で記憶部124に記憶させ、記憶部124に記憶された処方箋情報と、当該処方箋情報に対応付けられた服薬指導情報とを照合する。照合の結果、当該処方箋情報に含まれる薬情報と当該服薬指導情報に含まれる薬情報とが一致しない場合に、配送手配及び決済の処理が禁止される。即ち、医療機関側端末110から送信された処方箋情報に基づいて適切に調剤が行われた後に、オンライン服薬指導で処方薬の説明が適切に行われた場合に限り、処方薬の配送手配及び決済の処理が実施される。従って、薬局Aが処方箋情報を受信してからオンライン服薬指導を経て処方薬の配送及び決済が実施されるまでの薬局Aの処理を保証できる。
【0061】
さらに、本実施形態に係る薬局用サーバ120では、薬局側端末110と患者側端末130との間でビデオチャットを用いて実施されたオンライン服薬指導の音声情報及び/又は画像情報に基づいて、オンライン服薬指導が、例えば、(1)お声がけ、(2)症状の聞き取り、(3)医薬品の説明、(4)質問事項の確認、(5)クロージングといった所定の手順で実施されたか否かが判定され、肯定判定がされるまで、処方薬の配送手配及び決済の処理が禁止される。即ち、医療機関側端末21から送信された処方箋情報に基づいて適切に調剤が行われた後に、オンライン服薬指導が所定の手順で行われた場合に限り、処方薬の配送手配及び決済の処理が実施される。従って、薬局Aが処方箋情報を受信してからオンライン服薬指導を経て処方薬の配送手配及び決済の処理が実施されるまでの薬局Aの処理を保証できる。
【0062】
図6及び図7は、本発明の他の実施形態に係る薬局用サーバの処理を示すフローチャートである。上記実施形態と同様の処理については同一の符号を付し、上記実施形態についての説明を援用する。
【0063】
ステップ1~ステップ7が実行された後、ステップ8,9,11において否定判定がされた場合に、ステップ100を実行する。ステップ11において肯定判定がされた場合には図7のステップ12に移行する。ステップ100において、調剤実績照合部127は、薬局側端末110から、処方箋情報に含まれない薬を調剤することを申請する申請情報を受信したか否かを判定する。ステップ100において肯定判定がされた場合には図7のステップ101に移行し、ステップ100において否定判定がされた場合には図7のステップ10に移行する。
【0064】
図7のステップ101において、調剤実績照合部127は、薬局側端末110から受信した申請情報を医療機関用サーバ22に送信する。医療機関用サーバ22は、薬局用サーバ120から受信した申請情報を、処方箋情報に対応付けられた医療機関側端末21に送信する。ステップ101からステップ102に移行する。
【0065】
ステップ102において、調剤実績照合部127は、医療機関用サーバ22から、処方箋情報に含まれない薬を調剤することを許可する許可情報を受信したか否かを判定する。ここで、医療機関側端末21は、上記許可情報を生成して医療機関用サーバ22に送信することが可能である。ステップ102において肯定判定がされた場合にはステップ12に移行し、ステップ102において否定判定がされた場合にはステップ10に移行する。
【0066】
ここで、例えば、医療機関側端末21から送信された処方箋情報では先行薬が指定されているのに対して患者が後発薬を希望する場合、患者が薬の数量の変更を希望する場合、患者が薬の残量があることを理由に調剤を拒否する場合、処方薬に疑義がある場合等がある。かかる場合に、医療機関側端末21から送信された処方箋情報に含まれる薬情報と、薬局側端末110から送信された調剤実績情報に含まれる薬情報とが不一致であることから、オンライン服薬指導が禁止されるのでは、円滑なシステムの運用が妨げられる。他方で、薬剤師が、処方医の許可を得ずに処方薬を変更することも法的に問題がある。そこで、本実施形態では、処方箋情報に含まれない薬を調剤することを申請する申請情報を薬局側端末110から薬局用サーバ120に送信可能、且つ、処方箋情報に含まれない薬を調剤すること許可する許可情報を医療機関側端末21から受信可能とし、薬局用サーバ120が上記申請情報を受信し、且つ、薬局側サーバ120が上記許可情報を受信した場合には、処方箋情報に含まれる薬情報と調剤実績情報に含まれる薬情報とが一致するか否かにかかわらず、オンライン服薬指導を許可する。これにより、医療機関Dに処方箋情報の再作成を要求する等の手間を省くことができ、円滑なシステムの運用を実現できる。また、処方医の許可を得たうえで処方薬を変更するので、法的な問題も生じない。さらに、処方薬の疑義を電話で医療機関に照会する場合における煩わしさや聞き間違いによるミス等を無くすことができる。
【0067】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、可能な範囲で適宜他の技術を組み合わせてもよい。
【0068】
例えば、上記実施形態では、医療機関用サーバ22と薬局用サーバ120とを設け、処方箋情報を医療機関用サーバ22を介して薬局用サーバ120で受信したが、医療機関用サーバ22と薬局用サーバ120とを統合し、処方箋情報を医療機関用且つ薬局用のサーバで受信してもよい。
【0069】
また、服薬指導情報は、患者側端末130で生成されて薬局用サーバ120に送信されてもよく、薬局側端末110と患者側端末130との双方で生成されて薬局用サーバ120に送信されてもよい。
【0070】
また、上記のオンライン服薬指導の所定の手順は、(1)お声がけ、(2)症状の聞き取り、(3)医薬品の説明、(4)質問事項の確認、(5)クロージングの全てを含むことは必須ではなく、何れか一つ以上を含めばよい。さらに、この(1)~(5)の手順の順序は、記載した順序であることは必須ではない。さらに、この所定の手順を確認することも必須ではなく、少なくとも医薬品の説明が適切に実施されたか否かが確認されていればよい。
【符号の説明】
【0071】
1 :システム
2 :医療機関用システム
10 :薬局用システム
21 :医療機関側端末
22 :医療機関用サーバ
110 :薬局側端末
120 :薬局用サーバ(情報処理装置)
124 :記憶部
130 :患者側端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7