(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】発注処理装置、発注処理方法、及び発注処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/04 20120101AFI20240229BHJP
【FI】
G06Q30/04
(21)【出願番号】P 2020106361
(22)【出願日】2020-06-19
【審査請求日】2022-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井手 柾希
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】上田 翔太
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-016243(JP,A)
【文献】特開2000-305827(JP,A)
【文献】特開2004-185323(JP,A)
【文献】特開2001-256424(JP,A)
【文献】特開2016-173718(JP,A)
【文献】変更契約書の書き方によっては印紙税額が高くなる?,[online],2017年11月01日,[2023年10月4日検索],インターネット,<URL:https://www.ymbt-zeirishi.com/stamp-duty-of-change-agreement/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部及び制御部を備えた発注処理装置であって、
前記制御部は、
本体金額、前回本体金額と今回本体金額の差額である差額本体金額、及び変更回数を含む発注伝票データを入力して前記記憶部に登録する発注伝票登録手段と、
前記記憶部に登録されている発注伝票データの本体金額、差額本体金額、及び変更回数を変更し、変更後の発注伝票データを前記記憶部に登録する変更手段と、
前記記憶部に登録した発注伝票データに基づく注文書を発行し、その際、変更後の発注伝票データに基づく注文書を発行する場合には、その鑑部分に差額本体金額を記載する発行手段と、
前記記憶部に登録されている発注伝票データを訂正して、前記記憶部に登録されている発注伝票データを更新する訂正手段と、
を備え、
前記発注伝票データは、当該発注伝票データが承認されたか否かを示す承認状態と、注文書を発行したか否かを示す発行フラグとを含み、
対象の発注伝票データの承認状態が承認済、かつ、発行フラグが発行済の場合に、前記変更手段は、前記記憶部に登録されている発注伝票データの本体金額、差額本体金額、及び変更回数を変更し、変更後の発注伝票データを前記記憶部に登録し、それ以外の場合は、前記訂正手段は、前記記憶部に登録されている発注伝票データを訂正し、前記記憶部に登録されている発注伝票データを更新することを特徴とする発注処理装置。
【請求項2】
前記発行手段は、変更後の発注伝票データに基づく注文書を発行する場合は、注文書に、更に、累計金額と変更回数を記載することを特徴とする
請求項1に記載の発注処理装置。
【請求項3】
記憶部と制御部とを備えた情報処理装置で実行させるための発注処理方法であって、
前記制御部で実行される、
本体金額、前回本体金額と今回本体金額の差額である差額本体金額、及び変更回数を含む発注伝票データを入力して前記記憶部に登録する発注伝票登録工程と、
前記記憶部に登録されている発注伝票データの本体金額、差額本体金額、及び変更回数を変更し、変更後の発注伝票データを前記記憶部に登録する変更工程と、
前記記憶部に登録した発注伝票データに基づく注文書を発行し、その際、変更後の発注伝票データに基づく注文書を発行する場合には、その鑑部分に差額本体金額を記載する発行工程と、
前記記憶部に登録されている発注伝票データを訂正して、前記記憶部に登録されている発注伝票データを更新する訂正工程と、
を含み、
前記発注伝票データは、当該発注伝票データが承認されたか否かを示す承認状態と、注文書を発行したか否かを示す発行フラグとを含み、
対象の発注伝票データの承認状態が承認済、かつ、発行フラグが発行済の場合に、前記変更工程では、前記記憶部に登録されている発注伝票データの本体金額、差額本体金額、及び変更回数を変更し、変更後の発注伝票データを前記記憶部に登録し、それ以外の場合は、前記訂正工程では、前記記憶部に登録されている発注伝票データを訂正し、前記記憶部に登録されている発注伝票データを更新することを特徴とする発注処理方法。
【請求項4】
記憶部と制御部とを備えた情報処理装置に実行させるための発注処理プログラムであっ
て、
本体金額、前回本体金額と今回本体金額の差額である差額本体金額、及び変更回数を含む発注伝票データを入力して前記記憶部に登録する発注伝票登録工程と、
前記記憶部に登録されている発注伝票データの本体金額、差額本体金額、及び変更回数を変更し、変更後の発注伝票データを前記記憶部に登録する変更工程と、
前記記憶部に登録した発注伝票データに基づく注文書を発行し、その際、変更後の発注伝票データに基づく注文書を発行する場合には、その鑑部分に差額本体金額を記載する発行工程と、
前記記憶部に登録されている発注伝票データを訂正して、前記記憶部に登録されている発注伝票データを更新する訂正工程と、
を前記制御部に実行させる発注処理プログラムであり、
前記発注伝票データは、当該発注伝票データが承認されたか否かを示す承認状態と、注文書を発行したか否かを示す発行フラグとを含み、
対象の発注伝票データの承認状態が承認済、かつ、発行フラグが発行済の場合に、前記変更工程では、前記記憶部に登録されている発注伝票データの本体金額、差額本体金額、及び変更回数を変更し、変更後の発注伝票データを前記記憶部に登録し、それ以外の場合は、前記訂正工程では、前記記憶部に登録されている発注伝票データを訂正し、前記記憶部に登録されている発注伝票データを更新することを特徴とする発注処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発注処理装置、発注処理方法、及び発注処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、建設工事業における注文書について、同じ発注伝票の内容を修正して再発行する場合がある。発注伝票を修正して再発行するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1においては、注文書を修正して再発行する場合に、前回からの差額金額を注文書の鑑部分に印字することにより、収入印紙代を削減することに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、注文書を修正して再発行する場合に、前回からの差額金額を注文書の鑑部分に印字することにより、収入印紙代を削減することが可能な発注処理装置、発注処理方法、および、発注処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記憶部及び制御部を備えた発注処理装置であって、前記制御部は、本体金額、前回本体金額と今回本体金額の差額である差額本体金額、及び変更回数を含む発注伝票データを入力して前記記憶部に登録する発注伝票登録手段と、前記記憶部に登録されている発注伝票データの本体金額、差額本体金額、及び変更回数を変更し、変更後の発注伝票データを前記記憶部に登録する変更手段と、前記記憶部に登録した発注伝票データに基づく注文書を発行し、その際、変更後の発注伝票データに基づく注文書を発行する場合には、その鑑部分に差額本体金額を記載する発行手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、前記記憶部に登録されている発注伝票データを訂正して、前記記憶部に登録されている発注伝票データを更新する訂正手段を備えることにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記発注伝票データは、当該発注伝票が承認されたか否かを示す承認状態と、注文書を発行したか否かを示す発行フラグとを含み、対象の発注伝票データの承認状態が承認済、かつ、発行フラグが発行済の場合に、前記変更手段は変更を行い、それ以外の場合は、前記訂正手段が訂正を行うことにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、発行手段は、変更後の発注伝票データに基づく注文書を発行する場合は、注文書に、更に、累計金額と変更回数を記載することにしてもよい。
【0010】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記憶部と制御部とを備えた情報処理装置で実行させるための発注処理方法であって、前記制御部で実行される、本体金額、前回本体金額と今回本体金額の差額である差額本体金額、及び変更回数を含む発注伝票データを入力して前記記憶部に登録する発注伝票登録工程と、前記記憶部に登録されている発注伝票データの本体金額、差額本体金額、及び変更回数を変更し、変更後の発注伝票データを前記記憶部に登録する変更工程と、前記記憶部に登録した発注伝票データに基づく注文書を発行し、その際、変更後の発注伝票データに基づく注文書を発行する場合には、その鑑部分に差額本体金額を記載する発行工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記憶部と制御部とを備えた情報処理装置に実行させるための発注処理プログラムであって、前記制御部において、本体金額、前回本体金額と今回本体金額の差額である差額本体金額、及び変更回数を含む発注伝票データを入力して前記記憶部に登録する発注伝票登録工程と、前記記憶部に登録されている発注伝票データの本体金額、差額本体金額、及び変更回数を変更し、変更後の発注伝票データを前記記憶部に登録する変更工程と、前記記憶部に登録した発注伝票データに基づく注文書を発行し、その際、変更後の発注伝票データに基づく注文書を発行する場合には、その鑑部分に差額本体金額を記載する発行工程と、を実行させるための発注処理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、注文書を修正して再発行する場合に、前回からの差額金額を注文書の鑑部分に印字することにより、収入印紙代を削減することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、発注処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態に係る発注処理装置の制御部の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【
図3】
図3は、発注伝票データの訂正を説明するための図である。
【
図4】
図4は、発注伝票データの変更を説明するための図である。
【
図5】
図5は、訂正モードの入力画面の制御を説明するための図である。
【
図6】
図6は、訂正モードの入力画面の制御を説明するための図である。
【
図7】
図7は、変更モードの入力画面の制御を説明するための図である。
【
図8】
図8は、変更前と変更後の発注伝票に基づく注文書の印刷出力について説明するための図である。
【
図9】
図9は、変更前と変更後の発注伝票に基づく注文書の印刷出力について説明するための図である。
【
図10】
図10は、印紙代金の節約効果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る発注処理装置、発注処理方法、及び発注処理プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
例えば、建設工事業における注文書について、同じ発注伝票の内容を修正して再発行する場合がある。注文書を交わす際、鑑部分の金額に応じて、必要とされる収入印紙の代金が規定されている。従来の注文書修正後の再発行では、鑑部分に累計の注文金額が常に表示されるため、必要な収入印紙代金はその金額に応じた印紙を購入する必要があった。
【0016】
具体的には、建設工事業においては、案件の規模が大きくなるほど注文金額も大きくなり、仮に注文書を修正して再発行すると、その発行の都度、注文金額の総額に応じた収入印紙を貼る必要があるため、その費用が余分にかかってしまうという課題が存在する。
【0017】
また、前回からの差額金額を有していないため、この課題を解決するための伝票修正自体ができないことが課題であった。
【0018】
そこで、本実施の形態では、注文書を修正して再発行する場合に、前回からの差額金額を注文書の鑑部分に印字する。これにより、その差額金額に応じた金額の収入印紙代金のみが必要となるため、収入印紙代を削減することができる。
【0019】
また、本実施の形態では、発注担当者による誤った発注伝票の修正を防止するため、発注伝票の修正を行うモードを2つに分岐させており、一方の訂正モードでは、通常通りの伝票修正、他方の変更モードでは変更回数という項目によって採番管理する伝票修正ができる。これにより、任意の変更に関する履歴管理が同一発注伝票内でなされる。この変更回数に応じた注文書を発行することができ、鑑部分の金額が通常の注文書よりも小さくなることから、契約書類に必要な収入印紙代金の削減という、直接的な費用削減をおこなうことが可能となっている。
【0020】
具体的には、本実施の形態では、(1)発注伝票毎に変更回数をデータとして保持する機能を搭載することで、発注伝票の変更履歴を管理し、また、発注伝票毎に、注文金額、差額金額を保持する機能を搭載している。また、(2)上記(1)を受けて、注文書の発行を変更回数で抽出することができ、また無駄に発行枚数を増やさない入力制御を実現している。(3)発注伝票を修正する場合、「訂正」と「変更」の2つのモードを使い分けることで、発注伝票毎に変更履歴を保持するようデータ構造を作り上げている。
【0021】
以下の説明では、発注金額が増える伝票修正を一例として説明しているが、減額する場合にも適用可能である。また、本明細書では、「発注」と「注文」を同じ意味で使用している。
【0022】
[2.構成]
本実施形態に係る発注処理装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、発注処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
発注処理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、発注処理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0024】
発注処理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。発注処理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、発注処理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、発注処理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、データテーブル106aを備えている。
【0028】
データテーブル106aは、発注伝票データ等の各種データを格納するためのテーブルである。データテーブル106aに格納される発注伝票データには、変更前、変更後、訂正後のデータが含まれる。発注伝票データは、発注番号、変更回数、注文書日付、仕入先名、本体金額、消費税額、前回の本体金額と今回の本体金額の差額である差額本体金額、差額消費税額、当該発注伝票が承認済みであるか否かを示す承認状態「例えば、承認済or申請中」、注文書を発行したか否かを示す発行FLG「例えば、済or未」を含んでいていてもよい(
図3参照)。
【0029】
担当者は発注伝票を作成する際に、上司等に承認を申請し、「承認状態」は、申請中の場合は「申請中」、承認された場合は、「承認済」とする。また、「発行FLG」に関して、発注伝票データに基づく「注文書」を発行した場合は、「済」、未発行の場合は、「未」とする。「承認状態」と「発行FLG」のステータスは、オペレータの入力操作により更新してもよく、また、制御部102が自動で更新してもよい。
【0030】
また、発注伝票データでは、「変更回数」を保持することで変更履歴を管理している。また、「差額本体金額」を保持することで、注文書の鑑部分に差額本体金額を印字することができ、収入印紙代を低減することができる。
【0031】
制御部102は、発注処理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、発注伝票登録部102aと、訂正部102bと、変更部102cと、発行部102dと、画面表示制御部102eとを備えている。
【0032】
発注伝票登録部102aは、例えば、新規の工事の注文を受けた場合に、例えば、モニタ114に表示される入力画面上でのオペレータの操作に応じて、発注伝票データを入力して、データテーブル106aに登録する。
【0033】
訂正部102bは、例えば、モニタ114に表示される入力画面上でのオペレータの操作に応じて、発注番号をキーとして、データテーブル106aから発注伝票データを読み出し、読み出した発注伝票データを訂正して、訂正後の発注伝票データにデータテーブル106aのデータを更新する。すなわち、訂正の場合は、データテーブル106aの発注伝票データは訂正後のデータに書き換えられる。
【0034】
変更部102cは、例えば、モニタ114に表示される入力画面上でのオペレータの操作に応じて、発注番号をキーとして、データテーブル106aから発注伝票データを読み出して、読み出した発注伝票データの本体金額、差額本体金額、及び変更回数等を変更し、変更後の発注伝票データをデータテーブル106aに追加する。すなわち、変更の場合は、データテーブル106aの発注伝票データは、変更前のデータに加えて、変更後のデータが順次追加され、変更履歴が保持される。
【0035】
発行部102dは、例えば、モニタ114に表示される入力画面上でのオペレータの操作に応じて、データテーブル106aに登録されている発注伝票データに基づく注文書を発行(プリンタ114で印刷出力、モニタ114に表示出力等)する。発行部102dは、変更後の発注伝票データに基づく注文書を発行する場合には、その鑑部分に差額本体金額を記載する。また、発行部102dは、変更後の発注伝票データに基づく注文書を出力する場合には、累計金額(本体金額)と変更回数を記載してもよい。
【0036】
画面表示制御部102eは、例えば、モニタ114に表示する各種画面の表示及びその画面上での入力の受付を制御する。
【0037】
[3.具体例]
図1~
図10を参照して、本実施の形態に係る発注処理装置100の制御部102の処理の具体例を説明する。
図2は、本実施の形態に係る発注処理装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
図2を参照して、本実施の形態に係る発注処理装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明する。
【0038】
(全体の処理)
図2において、発注伝票登録部102aは、発注登録処理を実行する(ステップS1)。発注登録処理では、新規の発注伝票データを登録する。具体的には、発注伝票登録部102aは、例えば、新規の工事の注文を受けた場合に、例えば、モニタ114に表示される入力画面上でのオペレータの操作に応じて、発注伝票データを入力して、データテーブル106aに登録する。つぎに、モードを判定する(ステップS2)。例えば、登録した発注伝票データの承認状態が「承認済」、かつ、発行FLGが「済」の場合に「変更モード」、それ以外の場合に「訂正モード」を実行することにしてもよい。
【0039】
訂正部102bは、訂正モードの場合に訂正処理を実行する(ステップS3)。具体的には、訂正処理では、訂正部102bは、例えば、モニタ114に表示される入力画面上でのオペレータの操作に応じて、発注番号をキーとして、データテーブル106aから発注伝票データを読み出し、読み出した発注伝票データを訂正して、訂正後の発注伝票データにデータテーブル106aのデータを更新する。
【0040】
変更部102cは、変更モードの場合に変更処理を実行する(ステップS4)。具体的には、変更処理では、変更部102cは、例えば、モニタ114に表示される入力画面上でのオペレータの操作に応じて、発注番号をキーとして、データテーブル106aから発注伝票データを読み出して、読み出した発注伝票データの本体金額、差額本体金額、及び変更回数等を変更し、変更後の発注伝票データをデータテーブル106aに追加する。
【0041】
発行部102dは、注文書発行処理を実行する(ステップS5)。具体的には、注文書発行処理では、発行部102dは、例えば、オペレータの操作に応じて、データテーブル106aに登録されている発注伝票データ(新規の発注伝票データ、訂正後の発注伝票データ、or変更後の発注伝票データ)に基づく注文書を発行(プリンタ114で印刷出力、モニタ114に表示出力等)する。この場合、発行部102dは、変更後の発注伝票データ(変更回数が「1」以上)に基づく注文書を発行する場合には、その鑑部分に差額本体金額を記載し、さらに、累計金額(本体金額)と変更回数を記載してもよい。
【0042】
(訂正の場合)
図3を参照して、発注伝票データの訂正の場合を説明する。
図3は、発注伝票データの
訂正を説明するための図である。
【0043】
発注登録処理により発注伝票データを生成する。
図3(A)は、発注登録処理S1に生成される発注伝票データの一例を示す図である。
図3(A)に示す例では、発注番号「HACCUU001」、変更回数「0」、注文書日付「2020/3/1」、仕入先名「○×商事」、本体金額「¥20,000,000」、消費税額「¥2,000,000」、差額本体金額「¥20,000,000」、差額消費税額「¥2,000,000」、承認状態「申請中」、発行FLG「未」となっている。
【0044】
つぎに、訂正処理S3により発注伝票データを訂正する。
図3(B)は、訂正処理により訂正された発注伝票データの一例を示す図である。ここでは、例えば、発注金額を「¥60,000,000」に訂正する。
図2(B)に示す訂正された発注伝票データの例では、本体金額「¥60,000,000」、消費税額「¥6,000,000」、差額本体金額「¥60,000,000」、差額消費税額「¥6,000,000」が訂正されている。データテーブル106aは、訂正された発注伝票データに更新される。
【0045】
(変更の場合)
図4を参照して、発注伝票データの変更の場合を説明する。
図4は、発注伝票データの
変更を説明するための図である。
【0046】
発注登録処理S1により発注伝票データを生成する。
図4(A)は、発注登録処理S1に生成される発注伝票データの一例を示す図である。
図4(A)に示す例では、発注番号「HACCUU001」、変更回数「0」、注文書日付「2020/3/1」、仕入先名「○×商事」、本体金額「¥20,000,000」、消費税額「¥2,000,000」、差額本体金額「¥20,000,000」、差額消費税額「¥2,000,000」、承認状態「承認済」、発行FLG「済」となっている。
【0047】
次に、変更処理S4(1回目)により発注伝票データを変更する。
図4(B)は、変更処理(1回目)により変更された発注伝票データの一例を示す図である。ここでは、例えば、発注金額を「¥60,000,000」に変更する
【0048】
図4(B)に示す変更された発注伝票データの例(2行目)では、変更回数「1」、本体金額「¥60,000,000」、消費税額「¥6,000,000」、差額本体金額「¥40,000,000」、差額消費税額「¥4,000,000」に変更されている。データテーブル106aには、変更された発注伝票データが順次追加されていく。
【0049】
次に、変更処理S4(2回目)により発注伝票データを変更する。
図4(C)は、変更処理S4(2回目)により変更された発注伝票データの一例を示す図である。ここでは、例えば、発注金額を「¥65,000,000」に変更する。
【0050】
図4(C)に示す変更された発注伝票データの例(3行目)では、変更回数「2」、本体金額「¥65,000,000」、消費税額「¥6,500,000」、差額本体金額「¥5,000,000」、差額消費税額「¥500,000」、承認状態「申請中」、発行FLG「未」に変更されている。
【0051】
(入力画面の制御)
図5~
図7を参照して、入力画面における制御を説明する。発注伝票作成時、「訂正モード」と「変更モード」におけるオペレーション制御の概要は以下のようになる。
【0052】
図5及び
図6を参照して、訂正モードの入力画面の制御を説明する。
図5及び
図6は、訂正モードの入力画面の制御を説明するための図である。
図5は、入力画面の例を示しており、入力画面は、発注番号、発注事業所、発注担当者、発注日、注文書日付、変更理由等の入力欄と、注文書不要チェックボックス、明細項目エリアで新規行を追加するための新規行ボタン、明細項目エリアで行を修正するための行修正ボタン、明細項目エリアで行を削除するための行削除ボタン、明細項目を入力するための明細項目エリア(商品、数量、単価、金額、明細備考)等を備えている。
【0053】
訂正モードでは、登録済みの発注伝票について、承認状態が「承認済」以外、かつ、注文書発行FLGが「未」の場合は、基本的にどの項目についても修正可能となる。
【0054】
一方で、承認状態、注文書発行FLGの双方のいずれかが上記の条件を満たさない場合には、数量、単価、金額、商品といった明細項目エリア、注文書に印字する日付の変更ができないように、
図6に示すように、画面上でロック制御される。
【0055】
図7を参照して、変更モードの入力画面の制御を説明する。
図7は、変更モードの入力画面の制御を説明するための図である。
図7において、変更モードでは、数量、単価、金額、商品といった明細項目エリアに関する制御を行わないが、そのモードの性質を考慮し、注文書不要チェックボックスのチェックが不可となるような制御、また変更理由は必須入力項目とする制御を行う。
【0056】
なお、マスタデータの設定により、注文書を発行していない発注伝票については変更モードで登録するように制御してもよい。
【0057】
(差額注文書の発行)
図8及び
図9を参照して、変更前と変更後の発注伝票に基づく注文書の印刷出力を説明する。
図8及び
図9は、変更前と変更後の発注伝票に基づく注文書の印刷出力について説明するための図である。
【0058】
図8は、1回目の注文書(変更前)の印刷出力の例を示す図である。1回目の注文書では、鑑部分の注文金額が「¥20,000,000」、明細に、商品名「土木工事」、数量「一式」、金額「¥20,000,000」が印刷されている。
【0059】
図9は、2回目の注文書(変更回数1)の印刷出力の例を示す図である。2回目の注文書では、鑑部分の注文金額が「¥40,000,000」、鑑部分の下に、前回迄の金額「¥20,000,000」、累計注文金額「¥60,000,000」が印刷されている。また、明細に、商品名「土木工事」、数量「一式」、金額「¥60,000,000」が印刷されている。さらに、下方に変更回数「1」が印刷されている。
【0060】
(印紙代金の節約)
図10を参照して、印紙代金の節約効果について説明する。注文書として発行した場合の鑑部分の金額によって印紙代が決定する。
図3及び
図4の例を用いて、1回発注伝票を訂正/変更した場合に必要となる印紙代金は以下となる。
【0061】
訂正の場合は、新規注文時「¥20,000,000」のため、印紙代「¥20,000」必要、訂正注文時「¥60,000,000」のため、印紙代「¥60,000」必要であり、合計の印紙代「¥80,000」となる。
【0062】
これに対して、変更の場合は、新規注文時「¥20,000,000」のため、印紙代「¥20,000」必要であり、変更注文時「¥40,000,000」のため、印紙代「¥20,000」必要であり、合計の印紙代「¥40,000」となる。このように、発行枚数が増えれば増えるほど、注文金額が増えれば増えるほど、「変更」による印紙代金の節約効果が大きくなる。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態によれば、本体金額、前回本体金額と今回本体金額の差額である差額本体金額、及び変更回数を含む発注伝票データを入力してデータテーブル106aに登録する発注伝票登録部102aと、データテーブル106aに登録されている発注伝票データの本体金額、差額本体金額、及び変更回数を変更し、変更後の発注伝票データをデータテーブル106aに登録する変更部102cと、データテーブル106aに登録した発注伝票データに基づく注文書を発行し、その際、変更後の発注伝票データに基づく注文書を発行する場合には、その鑑部分に差額本体金額を記載する発行部102dと、を備えているので、注文書を修正して再発行する場合に、前回からの差額金額を注文書の鑑部分に印字することにより、収入印紙代を削減することが可能となる。
【0064】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0065】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0066】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0067】
また、発注処理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0068】
例えば、発注処理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて発注処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0069】
また、このコンピュータプログラムは、発注処理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0070】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0071】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0072】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0073】
また、発注処理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、発注処理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0074】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0075】
100 発注処理装置
102 制御部
102a 発注伝票登録部
102b 訂正部
102c 変更部
102d 発行部
102e 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a データテーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク