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特許7445549測定データ表示装置、測定データ表示方法及び測定データ表示装置用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】測定データ表示装置、測定データ表示方法及び測定データ表示装置用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01D 7/00 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
G01D7/00 E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020119656
(22)【出願日】2020-07-13
(65)【公開番号】P2022016750
(43)【公開日】2022-01-25
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】笠嶋 辰也
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-116593(JP,A)
【文献】特開平2-1516(JP,A)
【文献】特開平6-186060(JP,A)
【文献】特開2003-302283(JP,A)
【文献】特開昭58-162812(JP,A)
【文献】実開平5-75789(JP,U)
【文献】特開2003-149007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 7/00-7/12
G01D 1/12
G01D 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサにより測定される測定データを画面に表示する測定データ表示装置であって、
前記画面内に前記センサ毎に設定した直線状のスケール上に、前記各センサの測定値を示す測定値指示点と、当該測定値指示点の時間経過に伴う動きの軌跡であって、前記スケールの長さ方向に沿って伸びる直線状の軌跡とを表示させ、時間経過に伴い前記測定値指示点が前記直線状の軌跡上を動くように表示させる測定データ表示装置。
【請求項2】
前記各スケール上に、対応する前記各センサの測定値の正常範囲を示す上限値指示線及び下限値指示線を表示する請求項1に記載の測定データ表示装置。
【請求項3】
前記画面内に設定した所定の円環領域内に、互いに同種である複数の前記センサの前記スケールが放射状に並ぶように設定されており、複数の前記測定値指示点の軌跡が放射状に並ぶように表示される請求項1又は2に記載の測定データ表示装置。
【請求項4】
前記円環領域内に、互いに隣り合う前記各センサに対して設定されている前記上限値指示線及び下限値指示線を揃えて表示する、請求項2を引用する請求項3に記載の測定データ表示装置。
【請求項5】
前記画面内に前記円環領域が同心円状に複数設定されており、前記円環領域毎に異なる種類の前記センサの測定値指示点の軌跡を表示する請求項3又は4に記載の測定データ表示装置。
【請求項6】
個数が多い種類の前記センサの測定データほど外側の前記円環領域内に表示する請求項5に記載の測定データ表示装置。
【請求項7】
複数のセンサにより測定される測定データを画面に表示する測定データ表示方法であって、
前記画面内に前記センサ毎に設定した直線状のスケール上に、前記各センサの測定値を示す測定値指示点と、当該測定値指示点の時間経過に伴う動きの軌跡であって、前記スケールの長さ方向に沿って伸びる直線状の軌跡とを表示させ、時間経過に伴い前記測定値指示点が前記直線状の軌跡上を動くように表示させる測定データ表示方法。
【請求項8】
複数のセンサにより測定される測定データを画面に表示する測定データ表示装置用のプログラムであって、
前記画面内に前記センサ毎に設定した直線状のスケール上に、前記各センサの測定値を示す測定値指示点と、当該測定値指示点の時間経過に伴う動きの軌跡であって、前記スケールの長さ方向に沿って伸びる直線状の軌跡を表示し、時間経過に伴い前記測定値指示点が前記直線状の軌跡上を動くように表示させる表示制御部としての機能をコンピュータに発揮させる測定データ表示装置用プログラム。
【請求項9】
複数のセンサにより測定される測定データを画面に表示する測定データ表示装置であって、
前記画面内に前記センサ毎に設定した直線状のスケール上に、前記各センサの測定値を示す測定値指示点の時間経過に伴う動きの軌跡を表示する表示制御部を備え、
当該表示制御部が、
前記画面内に設定された同心円状をなす複数の円環領域の各々において、複数の前記センサの前記スケールが放射状に並ぶように設定し、複数の前記測定値指示点の軌跡が放射状に並ぶように表示させ、
前記円環領域毎に異なる種類の前記センサの測定値指示点の軌跡を表示し、個数が多い種類の前記センサの測定データほど外側の前記円環領域内に表示する測定データ表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のセンサにより測定される測定データを画面に表示する測定データ表示装置、測定データ表示方法及び測定データ表示装置用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気機器や機械機器の劣化状態や異常の有無を把握するため、これらの機器に取り付けた多数のセンサから長期間にわたって連続的に測定データを取得し、その状態を監視できるようにした監視システムが知られている(例えば特許文献1)。一般的にこのような監視システムでは、各センサの測定データをディスプレイの画面に表示させ、ユーザは画面上の各センサの測定データを見て、各センサの測定値に異常がないか、また異常発生の兆候がないか等を確認するようにしている。
【0003】
このような複数のセンサの測定データの画面への表示方法としては、例えば、横軸に時間を取り、縦軸に測定値を取る線グラフで表し、測定値の時間変動を把握できるようにするものが挙げられる。また別の表示方法としては、例えば図7に示すように、横軸に時間を取り、縦軸にセンサの番号を取り、各時間におけるセンサの測定値を色や濃淡で示すヒートマップで表すものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-184256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したように複数の測定データを線グラフで表すものは、センサの数が多いとグラフ上で各線が入り乱れてしまい、どの線がどのセンサの測定データを表すのかが分かりにくい。また測定期間が長くなると、測定データの全体を確認するためにはグラフを横方向にスクロールさせる必要があり、測定データの確認に手間がかかる。
【0006】
上記したように各センサの測定データをヒートマップで表すことにより、各センサの測定データを判別することができるが、センサの数が多くなると個々の測定値を示す領域が小さくなり表示が煩雑になる。また線グラフと同様に、測定期間が長くなると測定データの全体を確認するためにはマップを横方向にスクロールさせる必要があり、測定データの確認に手間がかかる。
【0007】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、複数のセンサにより測定される測定データを画面にシンプルに表示し、センサの数が多く、且つ測定期間が長くても、測定値の異常の有無やその異常発生の兆候を容易に確認できるようにすることをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係る測定データ表示装置は、複数のセンサにより測定される測定データを画面に表示するものであって、前記画面内に前記センサ毎に設定した直線状のスケール上に、前記各センサの測定値を示す測定値指示点の時間経過に伴う動きの軌跡を表示することを特徴とする。
【0009】
このような構成であれば、各センサの測定データが示す測定期間中の測定値の変動を、時間軸を用いることなく、スケールに沿った直線状の軌跡により表すので、各測定データを画面上にシンプルに表示することができる。すなわち、画面には各センサの測定データとして、測定期間における測定値の最小値から最大値までの間の直線状の軌跡が表示されるだけであるので、センサ数が多く、且つ測定期間が長くても、その測定データをシンプルに表示することができる。そしてユーザは、各軌跡の長さや、最小値及び最大値を示す各軌跡の両端位置を確認することにより、測定期間中における測定値の異常の有無や異常発生の兆候を容易に確認することができる。
【0010】
前記測定データ表示装置は、前記各スケール上に前記測定値指示点を表示することが好ましい。
このようにすれば、各センサの測定値の変動をリアルタイムで確認することができる。
【0011】
前記測定データ表示装置は、前記各スケール上に、対応する前記各センサの測定値の正常範囲を示す上限値指示線及び下限値指示線を表示することが好ましい。
このようにすれば、測定値指示点の軌跡が上限値指示線や下限値指示線を越えているかどうかを確認するだけで、測定期間中に測定値が正常範囲から外れたかどうかがわかるので、測定期間中における測定値の異常の有無や異常発生の兆候をより一層容易に確認することができる。
【0012】
前記測定データ表示装置は、前記画面内に設定した所定の円環領域内に、互いに同種である複数の前記センサの前記スケールが放射状に並ぶように設定されており、複数の前記測定値指示点の軌跡が放射状に並ぶように表示されることが好ましい。
このようにすれば、円環領域よりも内側の領域に測定データに関する各種の情報(例えば経過時間や測定データのタイトル等)を表示することができ、ユーザ利便性を向上できる。
【0013】
前記測定データ表示装置は、前記円環領域内に、互いに隣り合う前記各センサに対して設定されている前記上限値指示線及び下限値指示線をそれぞれ揃えて表示することが好ましい。
このようにすれば、同種類のセンサの測定値の正常範囲を示す領域を、円環形状で表示することができるので、測定期間中に測定値が正常範囲から外れたかどうかが、視覚的によりわかりやすくなる。
【0014】
前記測定データ表示装置は、前記画面内に前記円環領域が同心円状に複数設定されており、前記円環領域毎に互いに異なる種類の前記センサの測定値指示点の軌跡を表示することが好ましい。
このようにすれば、複数種類のセンサの測定データをコンパクトに表示することができる。
ここで、同心円状に表示する複数のセンサの種類が、測定対象の関連性があるものであればより好ましい。
【0015】
前記測定データ表示装置は、個数が多い種類の前記センサの測定データほど外側の前記円環領域内に表示することが好ましい。
このようにすれば、表示する測定データの数が多くても、外側の円環領域内に表示することにより隣り合う軌跡の間隔を広く取ることができるので、各軌跡を見やすくできる。
【0016】
また本発明の測定データ表示方法は、複数のセンサにより測定される測定データを画面に表示する方法であって、前記画面内に前記センサ毎に設定した直線状のスケール上に、前記各センサの測定値を示す測定値指示点の時間経過に伴う動きの軌跡を表示することを特徴とする。
【0017】
また本発明の測定データ表示装置用のプログラムは、複数のセンサにより測定される測定データを画面に表示する測定データ表示装置用のものであって、前記画面内に前記センサ毎に設定した直線状のスケール上に、前記各センサの測定値を示す測定値指示点の時間経過に伴う動きの軌跡を表示する表示制御部としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とする。
【0018】
このような表示方法やプログラムであれば、本発明の測定データ表示装置と同様の作用効果を奏し得る。
【発明の効果】
【0019】
このように構成した本発明によれば、複数のセンサにより測定される測定データを画面にシンプルに表示し、センサの数が多く、且つ測定期間が長くても、測定値の異常の有無やその兆候を確認しやすくできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態の測定データ表示装置の全体構成を模式的に示す図。
図2】同実施形態の測定データ表示画面を模式的に示す図。
図3】同実施形態の測定データ表示画面の一部を模式的に示す図。
図4】他の実施形態の測定データ表示画面を模式的に示す図。
図5】他の実施形態の測定データ表示画面の一部を模式的に示す図。
図6】他の実施形態の測定データ表示画面の一部を模式的に示す図。
図7】従来の測定データ表示画面の一例を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明に係る測定データ表示装置100の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
本実施形態の測定データ表示装置100は、例えば対象物に対して紫外光を照射するLED照明装置200の状態を監視するのに用いられるものである。具体的にこの測定データ表示装置100は、図1に示すように、LED照明装置200の状態をセンシングするセンサSから測定データを取得し、この測定データをディスプレイDの画面30に表示するものである。ユーザは、画面30に表示された測定データを確認することにより、LED照明装置200における異常の有無や異常発生の兆候を確認することができる。
【0023】
LED照明装置200は、紫外光を発する複数のLED210を面状に配置して形成した発光面を備えるものである。このLED照明装置200は、複数のLED210が直列乃至並列接続して構成されるLED回路220と、このLED回路220に電圧を印加する電源230とを備えている。この複数のLED210を含むLED回路220は筐体240内に収容されており、この筐体240にはLED210を空冷するための複数の冷却ファン250が取り付けられている。
【0024】
LED照明装置200には、複数種類のセンサSが取り付けられている。本実施形態では、LED照明装置200には、発光面の放射強度を測定する放射強度センサと、筐体240の外部周辺の温度及び湿度をそれぞれ測定する環境温度センサ及び環境湿度センサと、各LED210に印加される電圧を測定するLED電圧センサと、各LED210の温度を測定するLED温度センサと、各冷却ファン250の回転数を測定する回転センサとが、それぞれ複数個ずつ取り付けられている。各センサSは、各測定対象を所定時間にわたって連続的に測定し、その測定値の時系列変化を示す時系列データを測定データとして出力するように構成されている。
【0025】
測定データ表示装置100は、CPU、メモリ等を備えた所謂コンピュータであり、メモリに格納された所定プログラムに従ってCPUやその周辺機器が協働することにより、図1に示すように、測定データ取得部10及び表示制御部20としての機能を少なくとも発揮する。以下に各機能部を説明する。
【0026】
測定データ取得部10は、各センサSから出力された測定データを取得するとともに、当該測定データを記憶するものである。この測定データ取得部10は、各センサSにより測定される測定データを、連続的に受け付けるように構成されている。
【0027】
表示制御部20は、測定データ取得部10が取得した複数の測定データを参照し、これらを画面30に表示するものである。具体的にこの表示制御部20は、各センサSにより測定された測定値の時間変動を画面30に表示するものである。図2に示すように、画面30内には、測定データを表示する所定の測定データ表示領域31がセンサSの種類毎に個別に設定されている。表示制御部20は、測定データ表示領域31毎に異なる種類のセンサSの測定データを表示させ、各測定データ表示領域31内において同種類のセンサSが測定した複数の測定データを互いに隣り合うように並べて表示する。
【0028】
本実施形態では、放射強度表示領域31a、環境温度表示領域31b、環境湿度表示領域31c、LED電圧表示領域31d、LED温度表示領域31e及びファン回転数表示領域31fが、画面30内に測定データ表示領域31として設定されている。表示制御部20は、各測定データ表示領域31内に、対応するセンサSにより測定された測定値の時間変動を表示している。
【0029】
表示制御部20はまた、各センサSによる測定データのロギングの開始及び停止を指定するためのロギングスイッチ32を画面30に表示させる。ユーザの操作によりロギングスイッチ32がオン(開始)になると、各測定データ表示領域31内に各センサSの測定値及びその時間変動が表示されるようになる。
【0030】
表示制御部20はまた、画面30内に設定した所定のステータス表示領域に、LED照明装置200のステータスを表示させる。このLED照明装置200のステータスは、具体的にはLED照明装置200の状態が正常であるか異常であるかを示すものである。本実施形態ではステータス表示領域内にステータス表示バー33を表示し、当該ステータス表示バー33の色によりLED照明装置200のステータスを表すようにしている。例えば、LED照明装置200の状態が正常である場合にはステータス表示バー33の色を緑にし、LED照明装置200の状態が異常である場合にはステータス表示バー33の色を赤にして表示させる。
【0031】
しかして、本実施形態の測定データ表示装置100は、表示制御部20が、センサS毎に画面30内に設定した直線状のスケール34(本実施形態では画面30上に表示していない)上に、各センサSの測定値を示す測定値指示点35の時間変化に伴う動きの軌跡35aを表示するように構成されている。ユーザは、画面30に表示されている各センサSの測定値指示点35の軌跡35aを確認することより、LED照明装置200の駆動状態等の異常の有無を簡単に確認することができる。
【0032】
より具体的には、図2に示すように、画面30内において各測定データ表示領域31は円環形状を成すように設定されており、この各円環領域内に、対応する複数のセンサSに対応するスケール34が放射状に等間隔に並ぶように設定されている。
【0033】
表示制御部20は、図3に示すように、各センサSの測定値を示す測定値指示点35を、対応するスケール34上に表示させる。このスケール34は、円環領域の径方向の外側に向かうほど数値が大きくなるように設定されている。すなわち、各センサSの測定値が大きい程、測定値指示点35は径方向の外側に表示され、各センサSの測定値が小さい程、測定値指示点35は径方向の内側に表示される。なお、測定値指示点35の形状は、例えば円形、矩形、×印等任意のものでよい。
【0034】
ここで表示制御部20は、センサSから取得した最新の測定データを反映し、最新の測定値を測定値指示点35として表示し続けるようにしている。そのため、時間の経過に伴い測定値が変動すると、画面30上では測定値指示点35がスケール34の長手方向に沿って動くように表示される。そして表示制御部20は、測定期間(すなわちロギング開始以後、現在まで)の測定値指示点35の動きの軌跡35aを画面30上に表示する。
【0035】
測定値指示点35の軌跡35aは、その線幅が、測定値指示点35の線幅方向の長さよりも小さくなるように表示される。そしてこの軌跡35aは、対応するスケール34上に、その長手方向に沿って直線状に途切れることなく表示される。本実施形態では、前記したように各測定データ表示領域31において各スケール34が放射状に設定されているので、各測定値指示点35の軌跡35aが全体として放射状に広がるように並んで表示される。各測定値指示点35の軌跡35aにおいて、その径方向に沿った外側の端部が測定期間における測定値の最大値を表し、径方向に沿った内側の端部が測定期間における測定値の最小値を表す。
【0036】
表示制御部20はまた、各スケール34上に、対応する各センサSの測定値の正常範囲を示す上限値指示線36及び下限値指示線37を表示させる。ここでは各測定データ表示領域31において、互いに隣り合うセンサSに対して設定した上限値指示線36及び下限値指示線37をそれぞれ揃えて表示するようにしている。これにより画面30には、円形の上限値指示線36及び下限値指示線37の間に形成された、測定値の正常範囲を示す円環状の正常範囲指示領域が表示される。
【0037】
ロギング開始後、センサSの測定対象が正常である場合、測定値指示点35及びその軌跡35aは上限値指示線36と下限値指示線37との間に表示され、ステータス表示バー33は緑色に点灯する。一方で、ロギング開始後にいずれかのセンサSの測定対象に異常が生じた場合、その測定値指示点35及び軌跡35aが上限値指示線36又は下限値指示線37を越えて表示され、ステータス表示バー33は赤色に点灯する。
【0038】
また本実施形態では、互いの関連性が高い測定データを表示する複数の測定データ表示領域31が、画面30内で同心円状になるよう設定されている。そしてこの測定データ表示領域31は、表示する測定データの数が多いほど径方向の外側に位置するよう設定されている。本実施形態では、環境温度表示領域31bと環境湿度表示領域31cとが同心円状に設定され、表示する測定データの数が多い環境温度表示領域31bが外側に設定され、表示する測定データの数が少ない環境湿度表示領域31cが内側に設定されている。これと同様に、LED電圧表示領域31dとLED温度表示領域31eも同心円状に設定されている。
【0039】
このように構成した本実施形態の測定データ表示装置100によれば、各センサSの測定データが示す測定期間中の測定値の変動を、時間軸を用いることなく、スケール34に沿った直線状の軌跡35aにより表すので、各測定データを画面30上にシンプルに表示することができる。ユーザは、各軌跡35aの長さや、最小値及び最大値を示す各軌跡35aの両端位置を確認することにより、測定期間中における測定値の異常の有無やその兆候を容易に確認することができる。
また、各スケール34上に測定値指示点35を表示するので、各センサSの測定値の変動をリアルタイムで確認することができる。
【0040】
また、各測定データ表示領域31には、各センサSの測定値の正常範囲を示す上限値指示線36及び下限値指示線37が表示されるので、測定期間中における測定値の異常の有無やその兆候をより一層容易に確認することができる。
【0041】
測定データの種類毎に円環領域内に表示し、これを同心円状に複数表示するので、複数種類のセンサSの測定データをコンパクトに表示することができる。そして、個数が多い種類のセンサSの測定データほど外側の円環領域内に表示するようにしているので、表示する測定データの数が多くても、外側の円環領域内に表示することにより隣り合う軌跡35aの間隔を広く取ることができるので、各軌跡35aを見やすくできる。
【0042】
<その他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0043】
前記実施形態の測定データ表示装置100は、LED照明装置200に取付けられた複数のセンサSが測定した測定データを表示するものであったがこれに限らない。他の実施形態の測定データ表示装置100は、LED照明装置200以外の装置に取付けられた複数のセンサSが測定した測定データを表示するものであってもよい。
【0044】
前記実施形態の測定データ表示装置100は、測定値指示点35を表示するものであったがこれに限らない。他の実施形態の測定データ表示装置100は、測定値指示点35を表示せず、軌跡35aのみを表示するようにしてもよい。また軌跡35aの線幅と、測定値指示点35の線幅方向の長さとを同じにしてもよい。
【0045】
また前記実施形態の測定データ表示装置100は、各測定データ表示領域31において、スケール34を放射状に並べるように設定したがこれに限らない。他の実施形態の測定データ表示装置100は、図4に示すように、各測定データ表示領域31において、各スケール34を互いに平行で等間隔に並べるように設定してもよい。そして、上限値指示線36と下限値指示線37との間に表示される正常範囲が矩形状であってもよい。
【0046】
前記実施形態の測定データ表示装置100は、測定値指示点35の値を示すスケール34を画面30上に表示しなかったがこれに限らない。他の実施形態の測定データ表示装置100は、図5に示すように画面30上にスケール34を表示してもよい。
【0047】
前記実施形態の測定データ表示装置100は、一つのLED照明装置200をセンシングして取得した測定データを表示するものであったが、これに限らない。他の実施形態の測定データ表示装置100は、複数のLED照明装置200の状態を監視するのに用いられてよく、複数のLED照明装置200をセンシングして取得した測定データを一画面に表示するように構成されてよい。この場合、表示制御部20は、例えば図6に示すように、各LED照明装置200をセンシングして得られた測定データを、周方向に沿ってLED照明装置毎に順番に並べて表示してもよい。
【0048】
前記実施形態の測定データ表示装置100は、複数種類のセンサSの測定データを一画面に表示するものであったがこれに限らない。他の実施形態の測定データ表示装置100は、一種類のセンサSの複数の測定データを一画面に表示するものであってもよい。
【0049】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0050】
100 ・・・測定データ表示装置
30 ・・・測定データ表示画面
34 ・・・スケール
35 ・・・測定値指示点
35a ・・・軌跡
S ・・・センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7