(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】加熱調理システム及び加熱調理システム用プログラム
(51)【国際特許分類】
F24C 15/00 20060101AFI20240229BHJP
F24C 3/12 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
F24C15/00 M
F24C3/12 S
(21)【出願番号】P 2020145193
(22)【出願日】2020-08-31
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】小室 篤史
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-282920(JP,A)
【文献】特開平4-6318(JP,A)
【文献】特開2017-9206(JP,A)
【文献】特開2016-126430(JP,A)
【文献】特開2014-165548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 1/00-15/36
H05B 3/00- 3/86
H05B 6/12
A47J 9/00-47/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理を実行する加熱調理器と、加熱調理器と通信可能に接続される外部端末とを備え、
加熱調理器は、被調理物を加熱する加熱手段と、加熱手段に実行させる調理機能の選択情報または調理機能の設定情報の少なくとも一方を含む操作情報を設定するための設定操作が行われる調理器側操作部と、操作情報を取得する操作情報取得部と、通信を制御する調理器側通信制御部と、操作情報取得部で取得された操作情報に基づいて、加熱調理器の動作を制御する調理器側制御部と、を有し、
外部端末は、加熱手段に実行させる調理機能の選択情報または調理機能の設定情報の少なくとも一方を含む操作情報を設定するための設定操作が行われる端末側操作部と、通信を制御する端末側通信制御部と、外部端末の動作を制御する端末側制御部と、を有する加熱調理システムであって、
加熱調理器は、加熱手段の加熱状態が所定の上限加熱時間、継続すると、加熱手段の加熱を自動で停止させる一方、調理器側操作部で上限加熱時間を超える加熱時間を含む操作情報の設定操作が行われると、その操作情報に基づいて上限加熱時間を超えても、加熱手段による加熱を継続させる構成を有し、
外部端末は、端末側操作部で上限加熱時間を超える加熱時間を含む操作情報の設定操作が行われると、その操作情報の設定を規制する構成を有する加熱調理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理システムにおいて、
加熱調理器は、上限加熱時間を変更する上限加熱時間変更部を有する加熱調理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の加熱調理システムにおいて、
調理機能の選択情報は、加熱手段の加熱時間を任意に設定する調理である調理タイマ機能を含み、
調理機能の設定情報は、調理タイマ機能において設定する加熱時間を含んでおり、
外部端末は、端末側操作部で調理タイマ機能が選択され、上限加熱時間を超える加熱時間を含む操作情報を設定するための設定操作が行われると、その操作情報の設定を規制する構成を有する加熱調理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の加熱調理システムにおいて、
外部端末は、調理タイマ機能が選択されて加熱手段による加熱調理が開始された後、加熱手段による加熱状態の継続中に、端末側操作部で加熱開始からの合計加熱時間が上限加熱時間を超える加熱時間を含む操作情報を設定するための設定操作が行われると、その操作情報の設定を規制する構成を有する加熱調理システム。
【請求項5】
請求項1または2に記載の加熱調理システムにおいて、
調理機能の選択情報は、加熱手段による加熱時間が自動で調整される自動調理メニュー機能を含み、
自動調理メニュー機能は、加熱手段による加熱時間が上限加熱時間を超える長時間自動調理メニュー機能を含んでおり、
外部端末は、端末側操作部で自動調理メニュー機能が選択される場合、長時間自動調理メニュー機能を含む操作情報の設定を規制する構成を有する加熱調理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の加熱調理システムは、さらに、
外部端末と通信可能な外部サーバを有し、
外部サーバは、加熱手段による加熱時間が自動で調整される自動調理メニュー機能の制御情報を含み、
外部端末は、外部サーバから自動調理メニュー機能の制御情報を取得する場合、長時間自動調理メニュー機能の制御情報の取得を規制する構成を有する加熱調理システム。
【請求項7】
加熱調理を実行する加熱調理器と、加熱調理器と通信可能に接続される外部端末とを備える加熱調理システム用プログラムであって、
外部端末の端末側操作部で加熱調理器の加熱手段に実行させる調理機能の選択情報または調理機能の設定情報の少なくともいずれか一方の操作情報を設定するための設定操作が行われる場合、その操作情報に含まれる加熱時間と、加熱手段の加熱状態が所定の上限加熱時間、継続する場合、加熱手段の加熱を自動で停止させるための上限加熱時間とを対比するステップと、
その操作情報に含まれる加熱時間が上限加熱時間を超える場合、操作情報の設定を規制するステップと、をコンピュータに実行させる加熱調理システム用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器と、加熱調理器と通信可能に接続される外部端末とを備える加熱調理システム及びその加熱調理システムにおいて実行される加熱調理システム用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
調理タイマ機能や自動調理メニュー機能を備え、ユーザがセットした加熱時間や自動調理メニューにより所定の加熱条件で調理を実行するコンロ等の加熱調理器が実用化されている。また、スマートフォンやタブレット等の携帯型端末の普及により、加熱調理器の動作をこれらの外部端末からの遠隔指令によって制御する加熱調理システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
一方、従来、ユーザによる加熱手段の消し忘れを防止するため、加熱手段が所定の上限加熱時間、継続して加熱されている場合、自動で加熱手段を停止させる連続加熱停止制御を実行する加熱調理器が知られている。この種の加熱調理器では、上記連続加熱停止制御とともに、ユーザが煮込み調理などの長時間の加熱調理を希望する場合を考慮して、ユーザが加熱調理器に設けられた調理タイマ機能を利用して上限加熱時間を超える加熱時間を設定した場合、連続加熱停止制御を無効とする無効制御を実行するように構成されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-158344号公報
【文献】特開2006-29685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2のような連続加熱停止制御と無効制御とが実行される加熱調理器における長時間の加熱調理の設定は、ユーザが加熱調理器に設けられた操作部で行うことを前提としているが、操作部のスペースには大きさに限りがあり、加熱調理器に慣れていないユーザには使い難いという問題がある。そのため、特許文献1のような操作表示部に制約の少ない外部端末による遠隔操作で加熱調理器の操作部と同様の設定が可能であれば、ユーザの利便性に優れる。
【0006】
しかしながら、加熱調理器と外部端末とが通信可能に接続される加熱調理システムでは、ユーザが加熱調理器近傍に存在しない場合でも加熱手段による加熱が長時間、継続される虞がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、高い安全性を確保しつつ、ユーザの利便性に優れる加熱調理システム及びその加熱調理システムで実行されるプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面によれば、
加熱調理を実行する加熱調理器と、加熱調理器と通信可能に接続される外部端末とを備え、
加熱調理器は、被調理物を加熱する加熱手段と、加熱手段に実行させる調理機能の選択情報または調理機能の設定情報の少なくとも一方を含む操作情報を設定するための設定操作が行われる調理器側操作部と、操作情報を取得する操作情報取得部と、通信を制御する調理器側通信制御部と、操作情報取得部で取得された操作情報に基づいて、加熱調理器の動作を制御する調理器側制御部と、を有し、
外部端末は、加熱手段に実行させる調理機能の選択情報または調理機能の設定情報の少なくとも一方を含む操作情報を設定するための設定操作が行われる端末側操作部と、通信を制御する端末側通信制御部と、外部端末の動作を制御する端末側制御部と、を有する加熱調理システムであって、
加熱調理器は、加熱手段の加熱状態が所定の上限加熱時間、継続すると、加熱手段の加熱を自動で停止させる一方、調理器側操作部で上限加熱時間を超える加熱時間を含む操作情報の設定操作が行われると、その操作情報に基づいて上限加熱時間を超えても、加熱手段による加熱を継続させる構成を有し、
外部端末は、端末側操作部で上限加熱時間を超える加熱時間を含む操作情報の設定操作が行われると、その操作情報の設定を規制する構成を有する加熱調理システムが提供される。
【0009】
上記加熱調理システムによれば、ユーザが長時間の加熱調理を希望して調理器側操作部を操作する場合、上限加熱時間を超えても加熱手段の加熱が継続されるから、加熱調理の途中で加熱手段が自動で停止されるのを防止することができる。これにより、調理の失敗を防止することができる。
【0010】
一方、上記加熱調理システムによれば、ユーザが外部端末の端末側操作部で長時間の加熱調理を設定するための設定操作を行っても、その操作情報の設定が規制されるから、遠隔操作による長時間の加熱調理の設定が防止される。これにより、ユーザが加熱調理器近傍にいない可能性があるときに、加熱手段の加熱状態が上限加熱時間を超えて継続するのを防止することができる。
【0011】
好ましくは、上記加熱調理システムにおいて、
加熱調理器は、上限加熱時間を変更する上限加熱時間変更部を有する。
【0012】
上記加熱調理システムによれば、加熱調理器が上限加熱時間を変更する上限加熱時間変更部を有するから、加熱調理に合わせてユーザの希望する加熱時間を設定することができる。
【0013】
好ましくは、上記加熱調理システムにおいて、
調理機能の選択情報は、加熱手段の加熱時間を任意に設定する調理である調理タイマ機能を含み、
調理機能の設定情報は、調理タイマ機能において設定する加熱時間を含んでおり、
外部端末は、端末側操作部で調理タイマ機能が選択され、上限加熱時間を超える加熱時間を含む操作情報を設定するための設定操作が行われると、その操作情報の設定を規制する構成を有する。
【0014】
上記加熱調理システムによれば、ユーザが端末側操作部で調理タイマ機能を選択したときの長時間の加熱調理の設定を防止することができる。
【0015】
好ましくは、上記加熱調理システムにおいて、
外部端末は、調理タイマ機能が選択されて加熱手段による加熱調理が開始された後、加熱手段による加熱状態の継続中に、端末側操作部で加熱開始からの合計加熱時間が上限加熱時間を超える加熱時間を含む操作情報を設定するための設定操作が行われると、その操作情報の設定を規制する構成を有する。
【0016】
上記加熱調理システムによれば、加熱手段による加熱調理の継続中に、ユーザが加熱時間の延長を希望する場合でも、加熱開始からの合計加熱時間が上限加熱時間を超える加熱時間が遠隔操作によって設定されるのを防止することができる。
【0017】
好ましくは、上記加熱調理システムにおいて、
調理機能の選択情報は、加熱手段による加熱時間が自動で調整される自動調理メニュー機能を含み、
自動調理メニュー機能は、加熱手段による加熱時間が上限加熱時間を超える長時間自動調理メニュー機能を含んでおり、
外部端末は、端末側操作部で自動調理メニュー機能が選択される場合、長時間自動調理メニュー機能を含む操作情報の設定を規制する構成を有する。
【0018】
上記加熱調理システムによれば、ユーザが端末側操作部を操作して自動調理メニュー機能が選択される場合でも、上限加熱時間を超える長時間の加熱調理が行われる長時間自動調理メニューの遠隔操作による設定を防止することができる。
【0019】
好ましくは、上記加熱調理システムは、さらに、
外部端末と通信可能な外部サーバを有し、
外部サーバは、加熱手段による加熱時間が自動で調整される自動調理メニュー機能の制御情報を含み、
外部端末は、外部サーバから自動調理メニュー機能の制御情報を取得する場合、長時間自動調理メニュー機能の制御情報の取得を規制する構成を有する。
【0020】
上記加熱調理システムによれば、外部端末は外部サーバから長時間自動調理メニュー機能の制御情報の取得が規制されるから、端末側操作部での長時間自動調理メニューの設定を確実に防止することができる。
【0021】
本発明の他の局面によれば、
加熱調理を実行する加熱調理器と、加熱調理器と通信可能に接続される外部端末とを備える加熱調理システム用プログラムであって、
外部端末の端末側操作部で加熱調理器の加熱手段に実行させる調理機能の選択情報または調理機能の設定情報の少なくともいずれか一方の操作情報を設定するための設定操作が行われる場合、その操作情報に含まれる加熱時間と、加熱手段の加熱状態が所定の上限加熱時間、継続する場合、加熱手段の加熱を自動で停止させるための上限加熱時間とを対比するステップと、
その操作情報に含まれる加熱時間が上限加熱時間を超える場合、操作情報の設定を規制するステップと、をコンピュータに実行させる加熱調理システム用プログラムが提供される。
【0022】
上記加熱調理システム用プログラムは、例えば、専用アプリケーションに組み込んで外部端末で実行させることができる。これにより、ユーザが外部端末を操作するだけで、遠隔操作による長時間の加熱調理の設定を防止することができる。なお、上記プログラムは、外部端末に組み込まれる前の状態のものを含む。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明によれば、高い安全性を確保しつつ、ユーザの利便性に優れる加熱調理システム及びその加熱調理システムで実行されるプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る加熱調理システムの一例を示す概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態に係る加熱調理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態に係る加熱調理システムを構成する加熱調理器の設定操作パネルの一例を示す概略構成図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態に係る加熱調理システムの制御動作の一例を示すフローチャートの一部である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態に係る加熱調理システムの制御動作の一例を示すフローチャートの一部である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態に係る加熱調理システムの制御動作の一例を示すフローチャートの一部である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態に係る加熱調理システムの制御動作の一例を示すフローチャートの一部である。
【
図8】
図8は、本発明の実施の形態に係る加熱調理システムを構成する外部端末の表示形態の一例を示す模式図であり、(a)は、起動画面を、(b)は、規制画面を示す。
【
図9】
図9は、本発明の実施の形態に係る加熱調理システムの制御動作の他の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態に係る加熱調理システムについて、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る加熱調理システムは、加熱調理器1と、外部端末2と、外部サーバ3とで構成される。
【0026】
加熱調理器1としては、例えばガスコンロ、IHコンロ、電子オーブンレンジ等が挙げられる。外部端末2は、ユーザ(加熱調理器1の使用者)が利用する端末装置であり、スマートフォン、タブレットコンピュータ、携帯電話機、パーソナルコンピュータ等を適用することができる。
【0027】
加熱調理器1と外部端末2とは、無線通信方式を用いて通信可能に接続される。AP4は、例えば、Wi-Fi(登録商標)方式に従った無線LAN(Local Area Network)を形成可能である。加熱調理器1及び外部端末2は、AP4によって形成された無線LANに参加している。また、AP4は、インターネット5に接続されている。これにより、加熱調理器1及び外部端末2はそれぞれ、AP4及びインターネット5を介して、外部サーバ3と通信可能に接続されている。
【0028】
加熱調理器1は、調理器本体10の上部に載置された被調理物を加熱調理する単数または複数のコンロ11と、調理器本体10の加熱庫120内に収容された被調理物を加熱調理するグリル12とを備える。
【0029】
調理器本体10の前部には、加熱調理器1の電源をオンオフさせるための電源スイッチ13と、コンロ11の点火や消火、火力調整を行うためのコンロ11用の点消火操作子14Aと、グリル12の点火や消火、火力調整を行うためのグリル12用の点消火操作子14Bと、コンロ11による調理タイマメニューや自動調理メニュー、加熱温度、加熱時間等の調理条件を設定入力するためのコンロ11用の設定操作パネル15Aと、グリル12による調理タイマメニューや自動調理メニュー、加熱温度、加熱時間等の調理条件を設定入力するためのグリル12用の設定操作パネル15Bとが設けられている。従って、本実施の形態では、これら設定操作パネル15A,15Bが、調理器側操作部として機能する。また、加熱調理器1の内部には、機器側制御装置100や、図示しないコンロ11やグリル12へのガスの供給を制御する制御弁を有するバルブユニット、アンテナなどが設けられている。
【0030】
図2は、加熱調理システムの構成の一例を示すブロック図である。機器側制御装置100は、マイクロコンピュータ、メモリ、各種インターフェース回路、タイマ回路等を有する電子回路ユニットから構成される。機器側制御装置100には、上記した点消火操作子14A,14B、設定操作パネル15A,15Bや、図示しないバルブユニットの各種制御弁、アンテナ、各種センサなどが電気配線を介して接続されている。機器側制御装置100は、実装されたハードウェア及びプログラムにより実現される機能を有する。
【0031】
また、機器側制御装置100は、機能構成として、コンロ11やグリル12の調理機能の選択情報または調理機能の設定情報の少なくともいずれか一方を含む操作情報を取得する操作情報取得部102、外部端末2や外部サーバ3との間で双方向通信を行う機器側通信制御部103、コンロ11やグリル12の加熱状態が所定の上限加熱時間を超えて継続している場合、ガスの供給を遮断して強制的に加熱を停止させる連続加熱停止制御を実行する連続加熱停止制御部104、設定操作パネル15A,15Bでの操作により、上限加熱時間を超える加熱時間を含む操作情報が設定される場合、操作情報に含まれる加熱時間を優先して、連続加熱停止制御を無効とする無効制御を実行する無効制御部105、連続加熱停止制御における上限加熱時間を変更する上限加熱時間変更部106、外部サーバ3から調理機能の選択制御情報や調理機能の設定制御情報を取得する機器側情報取得制御部107、動作状態や加熱条件などを示す制御情報を設定操作パネル15Aの表示部151や図示しない設定操作パネル15Bの表示部へ表示する機器側表示制御部108、操作情報取得部102で取得された操作情報や機器側情報取得制御部107で取得された制御情報に基づき加熱調理器1全体の動作を制御する機器側制御部101などを備える。図示しないが、メモリには、工場出荷時に予め登録された調理機能の選択制御情報や調理機能の設定制御情報、設定されている上限加熱時間などが格納されている。これらのプログラムや各種制御情報等は、施工者やユーザが外部サーバ3から取得してもよい。なお、後述するように、操作情報取得部102で取得される操作情報には、設定操作パネル15A,15Bを操作することにより設定される操作情報と、外部端末2で設定されて送信され、機器側通信制御部103で受信される遠隔操作情報の両方を含む。また、無効制御における上限加熱時間を超える加熱時間は、ユーザが設定操作パネル15A,15Bを操作して最初に設定する加熱時間だけでなく、加熱開始後、加熱状態の継続中にユーザが設定操作パネル15A,15Bを操作して加熱時間を延長させたときに、加熱開始からの合計加熱時間が上限加熱時間を超える加熱時間を含む。
【0032】
図3に示すように、コンロ11用の設定操作パネル15Aには、コンロ11の動作状態や加熱条件を表示する表示部151と、各コンロ11に割り当てられている調理種別や調理機能に対応した各種スイッチが設けられている。例えば、左右のコンロ11用の操作部には、調理タイマ機能を選択するための調理タイマスイッチ152、湯沸かしや煮込み調理等の自動調理メニュー機能を選択するための自動調理メニュースイッチ153、調理温度機能を設定するための調理温度スイッチ154、調理タイマ機能や調理温度機能が選択された場合に加熱時間や加熱温度を設定するためのアップダウンスイッチ155などが設けられている。従って、本実施の形態では、これらの各種スイッチ152,153,154を選択することにより設定される特定の調理機能が調理機能の選択情報に対応し、アップダウンスイッチ155により設定される加熱時間や加熱温度が調理機能の設定情報に対応する。図示しないが、グリル12用の設定操作パネル15Bには、同様に、表示部と、調理タイマ機能や自動調理メニュー機能などの各種調理機能を選択するための機能選択スイッチや、加熱時間及び加熱温度の設定情報を設定するためのアップダウンスイッチなどの設定スイッチが設けられている。設定操作パネル15A,15Bはそれぞれ、ユーザが特殊操作(例えば、複数スイッチの同時操作)を行なうことにより、上限加熱時間を所定の範囲(例えば、1時間~4時間の範囲)で変更できるように構成されている。
【0033】
図2に戻って、外部端末2には、ユーザによってタッチ操作されるとともに、各種の画面が表示されるタッチパネル21が設けられている。また、外部端末2の内部には、端末側制御装置200や、図示しない音声等が出力されるスピーカ、アンテナ、カメラなどが設けられている。後述するように、ユーザがタッチパネル21を操作することにより、調理機能の選択情報や調理機能の設定情報を設定するための設定操作が行なわれる。従って、本実施の形態では、外部端末2のタッチパネル21が端末側操作部として機能する。
【0034】
端末側制御装置200は、マイクロコンピュータ、メモリ、各種インターフェース回路、タイマ回路等を有する電子回路ユニットから構成される。端末側制御装置200には、上記したタッチパネル21や、図示しないアンテナ、カメラ、各種センサなどが電気配線を介して接続されている。外部端末2は二次電池を電源とし、各部に電力が供給される。端末側制御装置200は、実装されたハードウェア及びプログラムにより実現される機能を有する。
【0035】
また、端末側制御装置200は、機能構成として、外部端末2全体の動作を制御する端末側制御部201、ユーザがタッチパネル21を操作して調理機能の選択情報または調理機能の設定情報の少なくともいずれか一方の操作情報を設定する設定操作が行われると、上限加熱時間を超える加熱時間を含む操作情報の設定操作であるかどうかを判定する判定部202、外部端末2や外部サーバ3との間で双方向通信を行う端末側通信制御部203、上限加熱時間以下の加熱時間を含む操作情報を設定するための設定操作である場合、その操作情報を遠隔操作情報として加熱調理器1へ送信させる遠隔操作情報送信部204、上限加熱時間を超える加熱時間を含む操作情報を設定するための設定操作である場合、その操作情報の遠隔操作情報としての設定を規制する規制制御を実行する設定規制制御部205、外部サーバ3から調理機能の選択制御情報や調理機能の設定制御情報を取得する端末側情報取得制御部206、調理機能の選択情報や調理機能の設定情報、規制情報などを示す制御情報をタッチパネル21へ表示する端末側表示制御部207、加熱調理器1から設定されている上限加熱時間を取得して、メモリに登録されている上限加熱時間を更新する上限加熱時間取得部208などを備える。図示しないが、メモリには、専用のアプリケーションプログラム、外部サーバ3から取得する調理機能の選択制御情報や調理機能の設定制御情報、加熱調理器1から取得する上限加熱時間などが格納されている。アプリケーションプログラムや選択制御情報等は、加熱調理器1のメーカ等により提供されるものであり、外部サーバ3から予め取得することができる。なお、加熱調理器1と同様に、判定部202における上限加熱時間を超える加熱時間であるかどうかを判定する加熱時間には、ユーザがタッチパネル21を操作して最初に設定される加熱時間だけでなく、加熱開始後、加熱状態の継続中にユーザがタッチパネル21を操作して加熱時間を延長させる設定操作を行ったときに、延長されると加熱開始からの合計加熱時間が上限加熱時間を超えることとなる加熱時間の両方を含む。
【0036】
外部サーバ3は、加熱調理器1の設置場所とは異なる遠隔地(例えば、加熱調理器1のメーカが管理する施設内)に設置される。図示しないが、外部サーバ3は、インターネット5に接続して加熱調理器1や外部端末2との通信を制御する通信制御部と、オペレーティングシステム、サーバプログラムを含む各種プログラム及びデータ等を記憶する記憶部と、各種演算処理を行う演算処理回路から構成されるシステム制御部と、システム制御部が記憶部との間でインターフェース処理を行う入出力インターフェース回路とを備える。なお、記憶部は、加熱調理器1の調理機能に対応した選択制御情報や設定制御情報を格納するデータベースを備える。
【0037】
次に、本実施の形態の加熱調理システムにおける制御動作の一例について、
図4~
図8を参照して説明する。ここでは、ユーザが外部端末2を利用して、1つのコンロ11の加熱調理を設定する場合について説明するが、他のコンロ11やグリル12で所定の加熱調理を設定する場合でも同様の制御が実行される。
【0038】
なお、ユーザが加熱調理器1でマニュアル調理を行う場合の連続加熱停止制御、及びユーザが設定操作パネル15A,15Bを操作して調理タイマ機能や自動調理メニュー機能を選択した場合の無効制御は従来と同様であるため詳細は省略するが、マニュアル調理の場合、例えば、ユーザが点消火操作子14Aで点火操作を行って加熱調理が開始された後、加熱開始からの加熱時間が設定されている上限加熱時間を経過すると、機器側制御部101はバルブユニットの制御弁を閉弁させて強制的に加熱を停止させる。また、例えば、ユーザが設定操作パネル15Aを設定操作して調理タイマ機能が選択され、上限加熱時間を超える任意の加熱時間が設定された場合、設定された加熱時間が経過すると、同様に機器側制御部101はバルブユニットの制御弁を閉弁させて強制的に加熱を停止させる。
【0039】
ユーザが加熱調理器1の電源スイッチ13をオン操作すると、メモリに登録されている上限加熱時間が読み込まれ、ユーザがコンロ11の点消火操作子14Aで点火操作を行うと、タイマをスタートさせて上限加熱時間の計測が開始される(ステップS101~S103)。また、点火後、ユーザが設定操作パネル15Aを操作して上限加熱時間の設定が更新されると、同様に、タイマをスタートさせて更新された上限加熱時間の計測が開始される(ステップS104~S106)。
【0040】
一方、ユーザがタッチパネル21上の図示しない設定アプリをタッチ操作すると、端末側制御部201は、タッチパネル21に
図8(a)に示す起動画面を表示させる。起動画面には、加熱手段を選択するための「コンロ・グリル選択」ボタン221と、登録されている自動調理メニュー機能を選択するための「自動調理メニュー選択」ボタン223と、調理タイマ機能を選択する「調理タイマメニュー」ボタン225と、外部サーバ3から調理機能の制御情報を取得するための「調理メニューダウンロード」ボタン227とが表示される。
【0041】
「コンロ・グリル選択」ボタン221の右側には、加熱手段の一覧を表示するための表示ボタン222が設けられており、図示しないが、ユーザが「コンロ・グリル選択」ボタン221を選択して、表示ボタン222を押すと、加熱調理器1の加熱手段の一覧が表示される。「自動調理メニュー選択」ボタン223の右側には、自動調理メニューの一覧を表示するための表示ボタン224が設けられており、図示しないが、ユーザが「自動調理メニュー選択」ボタン223を選択して、表示ボタン224を押すと、コンロ11に割り当てられている自動調理メニューの一覧が表示される。また、「調理タイマメニュー」ボタン225の右側には、アップダウンボタン226が設けられており、図示しないが、ユーザが「調理タイマメニュー」ボタン225を選択して、アップダウンボタン226を押すことにより、加熱時間が選択される。従って、加熱調理器1と同様に、外部端末2側ではこれらの設定ボタンを操作して設定される特定の調理機能が調理機能の選択情報に対応し、加熱時間等が調理機能の設定情報に対応する。「調理メニューダウンロード」ボタン227の下方には、外部サーバ3と通信して調理機能の選択制御情報や調理機能の設定制御情報のダウンロードを開始させる「OK」ボタン228と、通信を切断する「キャンセル」ボタン229とが設けられている。図示しないが、ユーザが「次ページ」ボタン230を選択すると、調理温度設定ボタンなどの他の調理条件を設定するための画面が表示される。
【0042】
図4に戻って、設定アプリが起動すると、加熱調理器1との接続が開始され(ステップS301)、外部端末2は加熱調理器1に現在設定されている上限加熱時間の制御情報を要求する(ステップS302)。加熱調理器1は、外部端末2から要求を受信すると、現在設定されている上限加熱時間の制御情報を外部端末2に送信する(ステップS108~S109)。外部端末2は、加熱調理器1から送信された現在設定されている上限加熱時間がメモリに登録されている上限加熱時間と異なる場合、上限加熱時間を更新する(ステップS303~S305)。これにより、ユーザが設定した現在の上限加熱時間の範囲内で加熱時間を設定することができる。
【0043】
次いで、
図5に示すように、ユーザが、例えば、「調理タイマメニュー」ボタン225を選択した場合(ステップS306で、Yes)、アップダウンボタン226を操作して設定する加熱時間が現在設定されている上限加熱時間を超えていれば(ステップS307で、Yes)、端末側制御部201は、
図8(b)に示す規制画面をタッチパネル21に表示させ、上限加熱時間を超える加熱時間の設定ができないことを報知させる(ステップS308)。これにより、ユーザに上限加熱時間の設定の変更を喚起させることができる。このとき、ユーザは設定操作パネル15Aを操作すれば、上限加熱時間の設定の変更が可能であるから、再度、外部端末2から加熱調理器1に上限加熱時間の制御情報を要求し、上限加熱時間の設定が変更されている場合、設定する加熱時間が更新された上限加熱時間を超えているかどうかが判断される(ステップS302~S307)。
【0044】
一方、ユーザがアップダウンボタン226を操作して設定する加熱時間が上限加熱時間以下であれば(ステップS307で、No)、遠隔操作情報が生成されて加熱調理器1に送信される(ステップS309)。加熱調理器1は、外部端末2から遠隔操作情報を受信すると、遠隔操作情報に含まれる加熱時間に基づきタイマをスタートさせて加熱時間の計測を開始させる(ステップS110~S111)。そして、上記した設定操作パネル15Aで調理タイマ機能が選択された場合と同様に、設定された加熱時間が経過すると、コンロ11を消火させて、加熱調理を終了させる(ステップS112~S113)。また、外部端末2は、遠隔操作情報を送信すると、加熱調理器1と同様にタイマをスタートさせて加熱時間の計測を開始させ、加熱時間が経過すると、タッチパネル21から調理の終了を報知させる(ステップS310~S312)。なお、外部端末2から上限加熱時間の要求を受信する前に、ユーザがマニュアル調理等を行って上限加熱時間が経過した場合(ステップS107で、Yes)、コンロ11が強制的に消火される(ステップS113)。
【0045】
上記のようにして調理タイマ機能が選択されて加熱調理が開始された後、設定された加熱時間が経過する前のコンロ11の加熱状態の継続中に、ユーザが加熱時間の変更を希望して、アップダウンボタン226を操作した場合(ステップS311で、No、ステップS313で、Yes)、変更後の加熱開始からの合計加熱時間が上限加熱時間以下となる加熱時間であれば(ステップS314で、No)、遠隔操作情報が生成されて加熱調理器1に送信される(ステップS309)。そして、上記と同様に、遠隔操作情報を受信した加熱調理器1は、前回設定された加熱時間の残時間に変更後の加熱時間を加算した加熱時間のタイマをスタートさせる(ステップS111)。
【0046】
一方、ユーザが加熱時間の変更を希望して、アップダウンボタン226を操作した場合(ステップS311で、No、ステップS313で、Yes)、変更後の加熱開始からの合計加熱時間が上限加熱時間を超える加熱時間であれば(ステップS314で、Yes)、上記と同様に、
図8(b)に示す規制画面をタッチパネル21に表示させ、上限加熱時間を超える加熱時間の設定ができないことを報知させる(ステップS315)。また、
図6に示す加熱時間延長制御を実行する(S316)。
【0047】
この加熱時間延長制御では、上記した設定アプリの起動時と同様に、外部端末2は、再度、加熱調理器1に現在設定されている上限加熱時間の制御情報が要求し、加熱調理器1から受信する上限加熱時間が変更されていれば、変更後の上限加熱時間に更新する(ステップS401~S404及びS131~S132)。そして、変更後の加熱開始からの合計加熱時間が更新された上限加熱時間を超えているかどうかが判定される(ステップS314)。既述したように、上限加熱時間の設定の変更は設定操作パネル15A,15Bでのみ可能であるから、上限加熱時間の設定が変更されていれば、ユーザは加熱調理器1近傍に存在する可能性が高い。従って、変更後の加熱開始からの合計加熱時間が更新された上限加熱時間以下であれば(ステップS314で、No)、遠隔操作情報を生成して、加熱調理器1に送信させる(ステップS309)。
【0048】
また、ユーザが「自動調理メニュー選択」ボタン223を選択し、表示ボタン224を押して、希望する自動調理メニューを選択すると(ステップS317で、Yes)、
図7に示す自動調理メニュー制御を実行する(S318)。この自動加熱メニュー制御では、上記と同様に、選択された自動調理メニューが現在設定されている上限加熱時間を超える加熱時間を含む長時間自動調理メニューであるかどうかが判定される(ステップS431)。
【0049】
長時間自動調理メニューが選択されている場合の制御動作(ステップS436)は、調理タイマ機能で上限加熱時間を超える加熱時間が設定操作されたときのそれ(ステップS308)と同様であり、ユーザが上限加熱時間の設定を変更した場合、再度、選択された長時間自動調理メニューの加熱時間が更新された上限加熱時間を超えているかどうかが判断される(ステップS431)。長時間自動調理メニューが選択されていない場合の制御動作(ステップS432~S435及びS151~S153)は、調理タイマ機能で上限加熱時間以下の加熱時間が設定操作されたときのそれら(ステップS309~S312及びS110~S112)と同様であり、遠隔操作情報を受信した加熱調理器1は、選択された自動調理メニュー機能で設定されている加熱時間に従って、加熱調理を実行する。
【0050】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、ユーザが長時間の加熱調理を希望して設定操作パネル15A,15Bを操作する場合、連続加熱停止制御における上限加熱時間を超えてもコンロ11の加熱を継続させることができるから、加熱調理の途中でコンロ11が自動で停止されるのを防止することができる。これにより、調理の失敗を防止することができる。
【0051】
また、本実施の形態によれば、ユーザが外部端末2のタッチパネル21で上限加熱時間を超える長時間の加熱調理を設定するための設定操作を行っても、設定操作が受け付けられず、操作情報の設定が規制されるから、遠隔操作による長時間の加熱調理の設定が防止される。これにより、ユーザが加熱調理器1近傍にいない可能性があるときに、コンロ11の加熱状態が上限加熱時間を超えて継続するのを防止することができる。一方、ユーザはタッチパネル21で調理タイマ機能を選択して、上限加熱時間以下の加熱時間を設定することや、加熱時間が上限加熱時間以下の短時間の自動調理メニュー機能は選択できるから、ユーザの利便性を確保することができる。
【0052】
また、上記実施の形態によれば、調理タイマ機能が選択され、上限加熱時間以下の加熱時間が設定されて加熱調理が開始された後、コンロ11の加熱状態の継続中に、ユーザがタッチパネル21で加熱時間を延長させようとしても、変更後の加熱開始からの合計加熱時間が上限加熱時間を超える加熱時間を含む操作情報の設定は規制されるから、加熱途中での遠隔操作による上限加熱時間を超える加熱時間の設定を防止することができる。これにより、さらに高い安全性を確保することができる。一方、変更後の加熱開始からの合計加熱時間が上限加熱時間以下であれば、外部端末2からでも加熱時間の延長が可能であるから、ユーザの利便性を確保することができる。さらに、ユーザは設定操作パネル15A,15Bで上限加熱時間の設定を変更できるから、加熱調理器1近傍にいるユーザが設定操作パネル15A,15Bを操作して上限加熱時間の設定を変更した場合、加熱時間の延長を外部端末2から設定することができる。
【0053】
なお、長時間自動調理メニュー機能を含む操作情報の設定の規制は、外部サーバ3から取得する自動調理メニュー機能の選択制御情報の取得規制によって行ってもよい。
図9は、この制御動作の一例を示すフローチャートである。
【0054】
ユーザが
図8(a)に示す「調理メニューダウンロード」ボタン227を選択して、「OK」ボタン228を押すと、外部サーバ3への接続が開始され、外部端末2から外部サーバ3に調理機能の選択制御情報及び調理機能の設定制御情報の提供の要求が送信される(ステップS601~S603)。
【0055】
外部サーバ3により要求が受信され(S701)、これに応じてデータベースから加熱調理器1に対応する調理機能の選択制御情報及び調理機能の設定制御情報が抽出されて、外部端末2に送信される(ステップS702~S703)。これらの選択制御情報や設定制御情報には、調理種別、加熱時間、加熱温度、調理容器の種類などに関する情報が含まれる。
【0056】
外部端末2において、外部サーバ3から送信される選択制御情報及び設定制御情報が受信されると(S604)、受信する自動調理メニュー機能の選択制御情報中に加熱時間が現在設定されている上限加熱時間を超える長時間自動調理メニュー機能の選択制御情報が含まれているかどうかが判定され(S605)、長時間自動調理メニュー機能を除く自動調理メニュー機能の選択制御情報及び設定制御情報がメモリに記憶保持される(ステップS606~S607)。
【0057】
上記取得規制制御によれば、外部端末2は、外部サーバ3から上限加熱時間を超える長時間自動調理メニュー機能の選択制御情報の取得が規制されるから、ユーザはタッチパネル21で長時間自動調理メニューを選択できなくなる。これにより、確実に遠隔操作により長時間の加熱時間が設定される長時間自動調理メニュー機能を含む操作情報の設定を防止することができる。
【0058】
以上のように、本実施の形態によれば、高い安全性を確保しつつ、ユーザの利便性に優れる加熱調理システム及びその加熱調理システムで実行されるプログラムを提供することができる。
【0059】
(その他の実施の形態)
(1)上記実施の形態では、外部端末で設定操作される加熱時間と上限加熱時間とを対比して、操作情報の設定が規制されている。しかしながら、外部端末で設定操作される加熱時間と上限加熱時間との対比は加熱調理器側で行ってもよい。
【0060】
(2)上記実施の形態では、外部端末で調理タイマ機能を選択して加熱調理が開始された後、加熱時間の変更の設定操作は外部端末の端末側操作部で行われている。しかしながら、加熱調理器の機器側操作部で調理タイマ機能を選択して加熱調理が開始された後、外部端末の端末側操作部で加熱時間の変更の設定操作が行われる場合も同様の制御動作が実行される。また、加熱調理器または外部端末で上限加熱時間以下の加熱時間を含む操作情報を設定し、加熱開始後、加熱状態の継続中に、加熱調理器の機器側操作部で上限加熱時間を超える加熱時間の変更の設定操作が行われた場合、その操作情報に基づいて加熱時間が変更される。
【符号の説明】
【0061】
1 加熱調理器
11 コンロ
12 グリル
15A,15B 設定操作パネル
100 機器側制御装置
2 外部端末
21 タッチパネル
200 端末側制御装置
3 外部サーバ