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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】バックライトモジュール
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240229BHJP
   F21V 5/02 20060101ALI20240229BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20240229BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20240229BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240229BHJP
【FI】
F21S2/00 435
F21S2/00 431
F21S2/00 436
F21V5/02 100
F21V5/02 300
F21V5/00 530
G02B5/02 B
F21Y115:10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020173006
(22)【出願日】2020-10-14
(65)【公開番号】P2021097035
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】62/948,808
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】202010668051.7
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】簡 宏達
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-310269(JP,A)
【文献】特開2010-061096(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103267995(CN,A)
【文献】特開2008-158014(JP,A)
【文献】特開2005-174706(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0053075(US,A1)
【文献】米国特許第06074069(US,A)
【文献】韓国公開特許第2007-0075003(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 5/02
F21V 5/00
G02B 5/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板、第一光源第一光学フィルム及び第二光学フィルムを含むバックライトモジュールであって、
前記導光板は入光面、出光面及び底面を有し、前記入光面は前記出光面と前記底面との間に接続され、前記出光面は前記底面に対向し、前記底面は複数の同心環状の第一V字型微細構造を有し、
前記第一光源は前記導光板の前記入光面の一方側に設置され、前記複数の同心環状の第一V字型微細構造の円心は前記第一光源とアラインしており、
前記第一光学フィルムは前記導光板の前記出光面の一方側に設置され、前記第一光学フィルムは複数の同心環状の第二V字型微細構造を有し、
前記第二光学フィルムは、前記導光板と前記第一光学フィルムとの間に設置され、且つ複数の同心環状の第三V字型微細構造を有する、バックライトモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のバックライトモジュールであって、
前記導光板及び前記第一光学フィルムは配列方向に沿って配列され、前記導光板は中心軸線の方向を有し、前記第一光源は前記導光板の前記中心軸線の方向上に設置され、前記中心軸線の方向は前記配列方向に垂直である、バックライトモジュール。
【請求項3】
請求項2に記載のバックライトモジュールであって、
前記導光板の前記入光面の一方側に設置される少なくとも1つの第二光源をさらに含み、
前記少なくとも1つの第二光源は、前記入光面が前記配列方向に垂直である方向上で前記第一光源とは間隔を置いて配列される、バックライトモジュール。
【請求項4】
請求項3に記載のバックライトモジュールであって、
前記第一光源及び前記少なくとも1つの第二光源のうちの少なくとも1つがオンにされることにより、前記バックライトモジュールの出光形状を特定の視野角範囲内に位置させる、バックライトモジュール。
【請求項5】
請求項3に記載のバックライトモジュールであって、
前記少なくとも1つの第二光源の数が偶数であり、前記少なくとも1つの第二光源が前記第一光源を中心として間隔を置いて配列される、バックライトモジュール。
【請求項6】
請求項1に記載のバックライトモジュールであって、
前記複数の同心環状の第二V字型微細構造の円心は前記第一光源とアラインしている、バックライトモジュール。
【請求項7】
請求項1に記載のバックライトモジュールであって、
前記第一光学フィルムは、前記導光板の前記出光面に近い表面を有し、前記複数の同心環状の第二V字型微細構造は、前記第一光学フィルムの前記表面に設置される、バックライトモジュール。
【請求項8】
請求項1に記載のバックライトモジュールであって、
前記複数の同心環状の第三V字型微細構造の円心は前記第一光源とアラインしている、バックライトモジュール。
【請求項9】
請求項1に記載のバックライトモジュールであって、
前記第二光学フィルムは、前記導光板の前記出光面を離れる表面を有し、前記複数の同心環状の第三V字型微細構造は、前記第二光学フィルムの前記表面に設置される、バックライトモジュール。
【請求項10】
請求項1に記載のバックライトモジュールであって、
前記導光板の前記入光面は拡散構造を有し、前記拡散構造は空気柱又は微細構造アレイである、バックライトモジュール。
【請求項11】
請求項1に記載のバックライトモジュールであって、
前記導光板の前記入光面は光発散構造を有し、前記光発散構造は発散レンズである、バックライトモジュール。
【請求項12】
請求項1に記載のバックライトモジュールであって、
前記導光板の前記底面は平坦領域をさらに有し、前記平坦領域は、前記複数の同心環状の第一V字型微細構造の前記円心に最も近い前記第一V字型微細構造と、前記入光面との間に位置する、バックライトモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学モジュールに関し、特に、バックライトモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
高コリメーション(Collimation)の面光源は、その発光角度を1つの比較的小さい範囲内に制限することで、正方向の輝度を向上させ、大角度の光束を抑制することができ、特定の映像装置にとって、消費電力を削減し、迷光の発生を回避することができる。一般的に言えば、高コリメーションの面光源は、通常、以下のような応用を有する。
【0003】
(1)高コリメーションの面光源は、光源のライトコーン(Light cone)の角度が比較的小さいため、人の目が発光ライトコーンの角度の範囲内に位置しなければ、表示器に表示される映像を見ることができないので、プライバシー機能付きの表示器に適用することができる。人の目の表示器に対する角度が異なるときに、ライトコーンがユーザの目に向き、ユーザを離れた傍観者が表示された画像をはっきりと見ることができないように、発光ライトコーンの向きを切り替える必要がある。
【0004】
(2)人の目の位置に応じてバックライトのライトコーンの向きを切り替えることができるニアアイディスプレイに適用される。同心円に配置されたV字型微細構造を備えた導光板を使用しているため、大面積を実現することが困難であるが、バックライトが必要な小型表示器(例えば、液晶ディスプレイ)には非常に適している。よって、高コリメーションの面光源は、バーチャルリアリティ、ヘッドマウントディスプレイ、ニアアイディスプレイのバックライトモジュールとして適する。これらのシステムでは、照明システムのNA値が結像に必要な値よりも大きい場合、迷光を引き起こしやすい。一方、発光ライトコーンを縮小すると、消費電力を低減し、さらに軽量化を実現することができる。照明システムのNA値が結像に必要な値により小さい場合、複数の異なる向きのライトコーンを使用して重ね合わせることで結像に必要なNA値を達成することができる。このときに、さらに人の目の位置及び映像の内容に応じて、重ね合わせた後のライトコーンの向き及びサイズを調整することができる。このようにして、迷光を減少させ、コントラストを増加させ、消費電力を削減することができる。
【0005】
(3)ライトフィールド表示器がサブ映像及びマイクロレンズアレイからなるライトフィールド表示器であり、その結像に必要なNA値が比較的小さいので、迷光及びゴーストイメージの発生を回避することができる。発光ライトコーンの向きを変えることで、異なる可視領域でエネルギーのトランスファーを行うことができる。このようにして、人の目の位置に応じて、映像光を人の目に集中させ、目の移動可能な範囲を増大することができる。
【0006】
しかしながら、市販の高コリメーションの面光源は、通常、発光ライトコーンが非対称になる問題が存在する。対称な光の形状(light shape)を達成するために、光学フィルム、例えば、柱状レンズフィルム(lenticular film)を増設する必要がある。ただし、設置する光学フィルムの数が増えるほど、コストはさらに増加する。
【0007】
また、V字型微細構造の代わりにホログラムを使用して導光板から光束を導き出すバックライトモジュールも市場に出ている。そのホログラフィックパターンが同心円であり、且つ点光源と一緒に利用することにより、比較的均一なライトコーンを得ることができるが、そのホログラフィック分散特性が原因で、白色光への適用は困難である。
【0008】
よって、面光源が如何に発光ライトコーンのサイズ及び形状を同時に制御することで、均一なライトコーンを生成し、さらに発光ライトコーンの向きを切り替えることができるかは、早急に克服すべき問題になっている。
【0009】
なお、この「背景技術」の部分は、本発明の内容への理解を助けるためだけのものであるため、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、当業者に知られていない技術を含む可能性がある。よって、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、該内容、又は、本発明の1つ又は複数の実施例が解決しようとする課題が本発明の出願前に既に当業者に周知されていることを意味しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、均一なライトコーンを生成することができるとともに、発光ライトコーンの向きを切り替えることもできるバックライトモジュールを提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的及び利点は、本発明に開示される技術的特徴からさらに理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例によれば、バックライトモジュールが提供され、それは、導光板、第一光源及び第一光学フィルムを含む。導光板は、入光面、出光(光取り出し又は光放出とも言う)面及び底面を有し、そのうち、入光面は、出光面と底面との間に接続され、出光面は、底面に対向し、底面は、複数の同心環状の第一V字型微細構造を有する。第一光源は、導光板の入光面の一方側に設置され、そのうち、これらの第一V字型微細構造の円心は第一光源とアライン(Align)している。第一光学フィルムは、導光板の出光面の一方側に設置される。第一光学フィルムは、複数の同心環状の第二V字型微細構造を有する。
【0013】
上述により、本発明の実施例におけるバックライトモジュールでは、導光板の底面が複数の同心環状の第一V字型微細構造を有し、第一V字型微細構造の円心が第一光源とアラインしており、且つ複数の同心環状の第二V字型微細構造を有する第一光学フィルムが設置されているから、バックライトモジュールは、高コリメーションの出光形状(光の形状とも言う)を有する。
【0014】
本発明の上述の特徴及び利点をより明らかにするために、以下、実施例を挙げて、添付した図面を参照することによって詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施例によるバックライトモジュールの断面図である。
図2】本発明の一実施例によるバックライトモジュールの導光板の下面図である。
図3】本発明の一実施例によるバックライトモジュールの第一光学フィルムの下面図である。
図4】本発明の一実施例によるバックライトモジュールの第二光学フィルムの上面図である。
図5A】本発明の一実施例のバックライトモジュールの出光形状の一例を示す図である。
図5B】本発明の一実施例のバックライトモジュールの出光形状の一例を示す図である。
図5C】本発明の一実施例のバックライトモジュールの出光形状の一例を示す図である。
図6】本発明の一実施例によるバックライトモジュールの出光輝度対視野角の曲線図である。
図7A】本発明の一実施例によるバックライトモジュールの導光板が入光面において拡散構造を有する一例を示す図である。
図7B】本発明の一実施例によるバックライトモジュールの導光板が入光面において拡散構造を有する一例を示す図である。
図7C】本発明の一実施例によるバックライトモジュールの導光板が入光面において拡散構造を有する一例を示す図である。
図7D図7Aに示す拡散構造による光束伝播の一例を示す図である。
図8】導光板が入光面において拡散構造を有するときに本発明の実施例におけるバックライトモジュールの出光強度対角度の曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の上述及び他の技術的内容、特徴、機能及び効果は、添付した図面に基づく以下のような好ましい実施例における詳細な説明により明確になる。なお、以下の実施例に言及びされる方向についての用語、例えば、上、下、左、右、前、後などは、添付した図面の方向に過ぎない。よって、使用される方向の用語は、本発明を説明するためだけのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0017】
図1は、本発明の一実施例によるバックライトモジュールの断面図である。図1を参照するに、本発明の一実施例においてバックライトモジュール100が提供され、それは、導光板120、第一光源110及び第一光学フィルム130を含み、そのうち、導光板120は、第一光学フィルム130とは配列方向(例えば、図1のZ軸方向)に沿って配列される。
【0018】
図2は、本発明の一実施例によるバックライトモジュールの導光板の下面図である。図1及び図2を同時に参照するに、本実施例では、導光板120の材質(材料)が、光束を通過させるために、プラスチック、ガラス又は他の適切なものであっても良いが、本発明は、これに限定されない。導光板120は、入光面120S1、底面120S2及び出光面120S3を有し、そのうち、入光面120S1は、出光面120S3と底面120S2との間に接続され、出光面120S3は、底面120S2に対向する。本実施例では、導光板120は、複数の側面120S4をさらに有する。側面120S4は、入光面120S1、底面120S2及び出光面120S3と接続されても良く、或いは、側面120S4は、底面120S2及び出光面120S3と接続されても良い。
【0019】
本実施例では、導光板120の底面120S2は、複数の同心環状の第一V字型微細構造122を有する。言い換えると、複数の第一V字型微細構造122は、同じ位置に位置する同じ円心122Cを有する。本実施例では、導光板120の底面120S2は、入光面120S2と第一V字型微細構造122Aとの間にある平坦領域をさらに有し、そのうち、第一V字型微細構造122Aは、複数の第一V字型微細構造122のうち、円心122Cに最も近いものである。平坦領域は、導光板120の入光面120S1に接近し、且つ平坦領域には、第一V字型微細構造122が設置されない。一実施例において、平坦領域の半径rが、例えば、10mmであるが、本発明は、これに限られず、平坦領域の半径r又は平坦領域の面積と、第一V字型微細構造122が設置される領域の面積との間の比例は、設計のニーズに応じて決定されるべきである。本発明の実施例によるバックライトモジュール100では、導光板120が平坦領域を含むことができるので、バックライトモジュール100の出光形状(即ち、バックライトモジュール100から出た光の形状)の入光面120S1の一方側におけるムラ(ホットスポット/hot spot)の問題を効果的に改善することができる。
【0020】
また、本実施例では、第一光源110が発光ダイオード(Light-emitting diode、LED)又は他の適切な光源であっても良い。第一光源110は、好ましくは、高ルーメン(Lumen)値を有する光源を選択する。第一光源110は、導光板120の入光面120S1の一方側に設置され、導光板120は、中心軸線(図示せず)の方向(例えば、図1のY軸方向)を有し、第一光源110は、導光板120の中心軸線の方向上に設置され、中心軸線の方向は、配列方向に垂直であり、そのうち、第一V字型微細構造122の円心122Cは、第一光源110とアラインしており且つそれに対応する。
【0021】
一実施例において、バックライトモジュール100は、少なくとも、第二光源112A、112B、114A、114Bをさらに含む。第二光源112A、112B、114A、114Bは、発光ダイオード(Light-emitting diode、LED)又は他の適切な光源であっても良い。第二光源112A、112B、114A、114Bは、好ましくは、高ルーメン(Lumen)値を有する光源を選択する。また、第二光源112A、112B、114A、114Bは、導光板120の入光面120S1の一方側に設置される。第二光源112A、112B、114A、114Bは、入光面120Sが配列方向に垂直である方向に沿って第一光源110とはピッチPを間隔として間隔を置いて配置される。言い換えると、第一光源110及び第二光源112A、112B、114A、114Bは、図2のX軸方向に沿って間隔を置いて配列される。
【0022】
本実施例では、第一光源110及び第二光源112A、112B、114A、114Bが光束Bを発するために用いられる。光束Bは、導光板120の入光面120S1を通過した後に、導光板120の中で全反射の方式で伝播する。光束Bが第一V字型微細構造122に伝播するときに、第一V字型微細構造122は、光束Bの全反射を破壊し、光束Bを、出光面120S3を通過して第一光学フィルム130に向かうように伝播させることができる。
【0023】
一実施例において、第二光源112A、112B、114A、114Bの数が偶数であっても良く、且つ第二光源112A、112B、114A、114Bは、第一光源110を中心として間隔を置いて配列される。また、図1には、4つの第二光源112A、112B、114A、114Bが示されているが、本発明は、これに限られず、バックライトモジュール100の第二光源112A、112B、114A、114Bを設置すべき数は、バックライトモジュール100の出光形状の設計のニーズに応じて決定されるべきである。
【0024】
一実施例において、バックライトモジュール100は、反射シート150をさらに含む。反射シート150は、導光板120の底面120S2の一方側に設置される。光束Bの一部が導光板120を経由して伝播する過程において導光板120の底面120S2から出射することで、光エネルギーの損失を来すことがある。よって、反射シート150の設置により、導光板120の底面120S2から出射した光束Bを反射して導光板120へ伝播させることこができるため、光エネルギーの利用率を向上させることができる。反射シート150、導光板120及び第一光学フィルム130は、配列方向(例えば、図1のZ軸方向)に沿って配列される。
【0025】
図3は、本発明の一実施例によるバックライトモジュールの第一光学フィルムの下面図である。図1及び図3を同時に参照するに、本実施例では、第一光学フィルム130が導光板120の出光面120S3の一方側に設置される。第一光学フィルム130は、例えば、光学逆プリズム(Turning Film)である。また、第一光学フィルム130は、複数の同心環状の第二V字型微細構造132を有し、且つ第二V字型微細構造132は、導光板120に近い出光面120S3の表面に設置される。第二V字型微細構造132の円心130Cは、第一光源110とアラインしており且つそれに対応する。
【0026】
図4は、本発明の一実施例によるバックライトモジュールの第二光学フィルムの上面図である。図1及び図4を同時に参照するに、一実施例において、バックライトモジュール100は、第二光学フィルム140をさらに含む。第二光学フィルム140は、例えば、光学増光フィルム(Brightness Enhancement Film、BEF)である。また、第二光学フィルム140は、導光板120と第一光学フィルム130との間に設置され、且つ複数の同心環状の第三V字型微細構造142を有する。第二光学フィルム140の第三V字型微細構造142は、導光板120を離れる出光面120S3の表面に設置され、且つ第三V字型微細構造142の円心140Cは、第一光源110とアラインしており且つそれに対応する。
【0027】
図5A乃至図5Cは、それぞれ、本発明の一実施例によるバックライトモジュールの異なる出光形状の例を示す図である。図5Aは、例えば、第一光源110のみをオンにした後のバックライトモジュール100の出光形状であり、図5Bは、例えば、第二光源112Aのみをオンにした後のバックライトモジュール100の出光形状であり、図5Cは、例えば、第二光源114Aのみをオンにした後のバックライトモジュール100の出光形状である。図6は、本発明の一実施例によるバックライトモジュールの出光(即ち、バックライトモジュールから出た光の)輝度対視野角の曲線図である。
【0028】
図5A乃至図6を参照するに、第一光源110のみがオンにされたときに、第一光源110は、バックライトモジュール100の出光形状を、出光面120S3に垂直な方向を中心とする特定の視野角範囲内に対称に位置させるために用いられる。例えば、図6では、視野角0度を中心とする、2.5度以下且つ-2.5度以上の視野角範囲である。言い換えると、上述の本発明の実施例における第一光源110は、入光面120S1が配列方向に垂直である方向の中心に設置され、第一V字型微細構造122の円心122が第一光源110とアラインしており、及び第二V字型微細構造132の円心130Cが第一光源110とアラインしている条件の下で、バックライトモジュール100の出光形状は、視野角0度を中心とする。なお、本発明は、これに限定されず、第一光源110が設置される位置は、バックライトモジュール100の出光形状の設計に応じて決定されるべきである。
【0029】
図2図5A乃至図6を参照するに、図2では、第一光源110及び第二光源112A、112B、114A、114Bがすべてオンにされたときに、バックライトモジュール100の出光形状は、出光面120S3に垂直な方向を中心とするもう1つの特定の視野角範囲内に対称に位置することができる。例えば、図6では、視野角0度を中心とする、10度以下且つ-10度以上の視野角範囲である。言い換えると、第一光源110のみがオンにされる場合に比べ、全ての光源がオンにされるときに、バックライトモジュール100の出光形状は、より大きなン視野角範囲内に位置する。
【0030】
もう1つの実施例において、第一光源110及び第二光源112A、112B、114A、114Bのうちの少なくとも1つがオンにされることで、バックライトモジュール100の出光形状をもう1つの特定の視野角範囲内に位置させる。言い換えると、バックライトモジュール100とユーザの視線との間の相対位置又は角度に基づいて、ユーザは、どの光源(1つ又は複数)がオンにされるべきであるかを調整することで、バックライトモジュール100の出光形状を、ユーザが要する視野角範囲内に位置させることができる。よって、本発明の実施例によるバックライトモジュール100は、ユーザの体験をより良くすることができる。
【0031】
図7A乃至図7Cは、それぞれ、本発明の一実施例によるバックライトモジュールの導光板が入光面において異なる拡散構造を有する例を示す図である。図7Dは、図7Aに示す拡散構造による光束伝播の一例を示す図である。図7Dに示すように、第一光源110が投射した光束Bが入光面120S1を経由して導光板120A(拡散構造124Aを有する)に進入したときに、光束Bの屈折がスネルの法則(Snell’s law)に従うため、光束Bが導光板120に進入した後のライトコーンの角度が大きくなり、これにより、光束Bの伝播距離(入光面120S1から有効領域Wの境界までの距離Lを表す)を短縮し、導光板120Aの有効出光領域Wを増大することができる。これに対して、拡散構造が設置されない導光板の場合、小さすぎるライトコーンの角度が原因で、光束Bの伝播距離がより長くされる必要があるため、有効領域Wのサイズを小さくする。
【0032】
図8は、導光板が入光面において異なる拡散構造を有するときに光束Bが導光板120に導入された後のライトコーンの角度における光強度分布を示す図である。図7A乃至図8を参照するに、一実施例において、導光板120A、120B、120Cの入光面120S1は、拡散構造124A、124B、124Cを有し、そのうち、拡散構造124Aは、(半)空気柱であり、そのうち、拡散構造124Aとは、導光板120Aに形成される凹溝を指す。拡散構造124B、124Cは、微細構造アレイである。また、拡散構造124Cの材料は、例えば、高屈折率の材料である。
【0033】
図7A及び図8を参照するに、本発明の実施例における導光板120Aの入光面120S1が(半)空気柱の拡散構造124Aを有するとき、導光板120Aに導入されるライトコーンは比較的大きい。
【0034】
図7B及び図8を参照するに、本発明の実施例における導光板120Bの入光面120S1が微細構造アレイの拡散構造124Bを有するときに、導光板120Bに導入されるライトコーンは比較的に集中している。
【0035】
図7C及び図8を参照するに、本発明の実施例における導光板120Cの入光面120S1が微細構造アレイの拡散構造124Cを有するときに、導光板120Cに導入されるライトコーンは比較的均一である。
【0036】
もう1つの実施例において、導光板100の入光面120S1は、光発散構造を有しても良く、且つ光発散構造は、発散レンズである。言い換えると、本発明の実施例におけるバックライトモジュール100では、導光板の入光面120S1において拡散構造124A、124B、124C又は光発散構造を有することにより、バックライトモジュール100及び導光板120のサイズを効果的に縮小することができる(図7Dに示すように、同じ有効領域のサイズの条件の下で、ライトコーンが大きくなるため、比較的短い伝播距離Lを有する)。
【0037】
以上のことから、本発明の実施例におけるバックライトモジュールでは、導光板の底面が複数の同心環状の第一V字型微細構造を有し、第一V字型微細構造の円心が第一光源とアラインしており、複数の同心環状の第二V字型微細構造を有する第一光学フィルムが設置されているので、バックライトモジュールの出光形状は、視野角0度を中心とする特定の視野角範囲内に対称に集中することができる。
【0038】
本発明は、前述した好適な実施例に基づいて以上のように開示されたが、前述した好適な実施例は、本発明を限定するためのものでなく、当業者は、本発明の技術思想と範囲を離脱しない限り、本発明に対して些細な変更と潤色を行うことができるので、本発明の保護範囲は、添付した特許請求の範囲に定まったものを基準とする。また、本発明の何れの実施例又は特許請求の範囲は、本発明に開示されたすべての目的又は利点又は特徴を達成する必要がない。また、要約の一部と発明の名称は、文献の検索を助けるためのみのものであり、本発明の技術的範囲を限定するものでない。また、本明細書又は特許請求の範囲に言及びされている「第一」、「第二」などの用語は、要素(element)に名前を付け、又は、他の実施例又は範囲を区別するためのものみであり、要素の数上での上限又は下限を限定するためのものでない。
【符号の説明】
【0039】
100:バックライトモジュール
110:第一光源
112A、112B、114A、114B:第二光源
120、120A、120B、120C:導光板
120S1:入光面
120S2:底面
120S3:出光面
120S4:側面
122、122A:第一V字型微細構造
122C、130C、140C:円心
130:第一光学フィルム
132:第二V字型微細構造
140:第二光学フィルム
142:第三V字型微細構造
150:反射シート
B:光束
L:伝播距離
P:ピッチ
r:半径
W:有効領域
θ:視野角
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8