IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パラマウントベッド株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ポールホルダセット及び寝台装置 図1A
  • 特許-ポールホルダセット及び寝台装置 図1B
  • 特許-ポールホルダセット及び寝台装置 図2
  • 特許-ポールホルダセット及び寝台装置 図3
  • 特許-ポールホルダセット及び寝台装置 図4
  • 特許-ポールホルダセット及び寝台装置 図5
  • 特許-ポールホルダセット及び寝台装置 図6
  • 特許-ポールホルダセット及び寝台装置 図7
  • 特許-ポールホルダセット及び寝台装置 図8
  • 特許-ポールホルダセット及び寝台装置 図9
  • 特許-ポールホルダセット及び寝台装置 図10
  • 特許-ポールホルダセット及び寝台装置 図11A
  • 特許-ポールホルダセット及び寝台装置 図11B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ポールホルダセット及び寝台装置
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/05 20060101AFI20240229BHJP
   A47C 21/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
A61G7/05
A47C21/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020174709
(22)【出願日】2020-10-16
(65)【公開番号】P2022065909
(43)【公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】山野邊 崇史
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 祐輔
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-168165(JP,A)
【文献】特開平11-318987(JP,A)
【文献】特開2009-270902(JP,A)
【文献】国際公開第2014/015373(WO,A1)
【文献】特表2003-534873(JP,A)
【文献】特表2008-539902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/00-16
A61G 12/00-13/12
A47C 17/00-21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ポールホルダと、
第2ポールホルダと、
連結部材と、
を備え、
前記第1ポールホルダは、
寝台装置のフレームの第1部分に固定可能な第1固定部と、
前記第1固定部から離隔し、第1医療器具を支持する第1ポールが配置可能な第1ホルダ部と、
前記第1固定部から前記第1ホルダ部に向かって延びており、前記第1固定部及び前記第1ホルダ部に接続された第1延伸部と、
を有し、
前記第2ポールホルダは、
前記フレームの前記第1部分から離隔した第2部分に固定可能な第2固定部と、
前記第2固定部から離隔し、第2医療器具を支持する第2ポールが配置可能な第2ホルダ部と、
前記第2固定部から前記第2ホルダ部に向かって延びており、前記第2固定部及び前記第2ホルダ部に接続された第2延伸部と、
を有し、
前記連結部材は、前記第1ポールホルダと前記第2ポールホルダが並んだ状態で、前記第1延伸部と前記第2延伸部との間に位置し、前記第1延伸部及び前記第2延伸部に連結可能であり、
前記第1ホルダ部と前記第2ホルダ部との距離は、前記第1固定部と前記第2固定部との距離よりも長いポールホルダセット。
【請求項2】
前記第1固定部及び前記第2固定部は、第1方向に延びており、
前記第1ホルダ部は、前記第1方向において前記第1固定部から離隔し、かつ、前記第1方向と直交する第2方向において前記第1固定部から離隔しており、
前記第2ホルダ部は、前記第1方向において前記第2固定部から離隔し、かつ、前記第2方向において前記第2固定部から離隔している、請求項に記載のポールホルダセット。
【請求項3】
前記フレームは、前記フレームにおいて最も頭側に位置し、上面視において前記寝台装置の長手方向と直交する短手方向に延びた横フレーム材を含み、
前記第1固定部及び前記第2固定部が前記フレームに固定された状態においては、前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記長手方向において、前記横フレーム材よりも内側に位置し、前記第1ホルダ部及び前記第2ホルダ部は、前記長手方向において前記横フレーム材よりも外側に位置する請求項1または2に記載のポールホルダセット。
【請求項4】
前記フレームは、前記寝台装置上に寝ている患者の身体を支持する第1フレーム部と、前記第1フレーム部の下に位置する第2フレーム部と、を有し、
前記寝台装置は、前記第1フレーム部の下に位置し、前記第2フレーム部に支持され、前記第1フレーム部上に載置された物の重さを測定する測定部を更に備え、
前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記第2フレーム部に固定可能である請求項1~のいずれか1つに記載のポールホルダセット。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1つに記載のポールホルダセットを備えた寝台装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ポールホルダセット及び寝台装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、点滴袋等の医療器具を支持するポールを保持可能な寝台装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-225762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態の目的は、寝台装置に取り付け可能であり、使い勝手の良いポールホルダセット及び寝台装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係るポールホルダセットは、第1ポールホルダと、第2ポールホルダと、連結部材と、を備える。前記第1ポールホルダは、寝台装置のフレームの第1部分に固定可能な第1固定部と、前記第1固定部から離隔し、第1医療器具を支持する第1ポールが配置可能な第1ホルダ部と、前記第1固定部から前記第1ホルダ部に向かって延びており、前記第1固定部及び前記第1ホルダ部に接続された第1延伸部と、を有する。前記第2ポールホルダは、前記フレームの前記第1部分から離隔した第2部分に固定可能な第2固定部と、前記第2固定部から離隔し、第2医療器具を支持する第2ポールが配置可能な第2ホルダ部と、前記第2固定部から前記第2ホルダ部に向かって延びており、前記第2固定部及び前記第2ホルダ部に接続された第2延伸部と、を有する。前記連結部材は、前記第1ポールホルダと前記第2ポールホルダが並んだ状態で、前記第1延伸部と前記第2延伸部との間に位置し、前記第1延伸部及び前記第2延伸部に連結可能である。
【0006】
実施形態に係る寝台装置は、前記ポールホルダセットを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、寝台装置に取り付け可能であり、使い勝手の良いポールホルダセット及び寝台装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】実施形態に係るポールホルダセットを寝台装置に取り付けた状態を示す斜視図である。
図1B図1Aにおける寝台装置を示す上面図である。
図2図1Aにおける寝台装置のフレームを下方向から見た斜視図である。
図3図1Aにおける寝台装置のフレームを示す分解斜視図である。
図4図3に示す寝台装置のフレームの第2フレーム部を示す上面図である。
図5】実施形態に係るポールホルダセットを示す斜視図である。
図6】実施形態に係るポールホルダセット、及び寝台装置の第2フレーム部を示す上面図である。
図7】実施形態に係るポールホルダセット、並びに寝台装置の第1フレーム部及び第2フレーム部を示す上面図である。
図8図5のA-A’線における断面図である。
図9】実施形態に係るポールホルダセットの連結部材を示す斜視図である。
図10】実施形態に係るポールホルダを固定した状態で、寝台装置のフレームを下げた状態を示す斜視図である。
図11A】ポールホルダセットの変形例を示す上面図である。
図11B】ポールホルダセットの変形例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1Aは、本実施形態に係るポールホルダセットを寝台装置に取り付けた状態を示す斜視図である。
図1Bは、図1Aにおける寝台装置を示す上面図である。
本実施形態に係るポールホルダセット100は、寝台装置200の付属品であり、寝台装置200に着脱自在である。ポールホルダセット100は、寝台装置200に固定された状態において、点滴袋若しくは輸液装置等の医療器具を支持するポール300、又は、酸素ボンベを支持する酸素ボンベ受けを保持する。なお、図1Aでは、ポール300が、点滴袋を支持するポールである例を示している。ただし、ポールホルダセットは、酸素ボンベ受け、又はサイドレール(柵)等の寝台装置のオプションを保持してもよい。
【0010】
<寝台装置>
寝台装置200は、例えば医療施設等において集中治療室のベッドとして用いられる電動ベッドである。集中治療室の患者に対しては、周囲に複数の医療器具を配置して医療処置を行う場合がある。そのため、寝台装置200の周囲に、医療器具を支持するポール300を複数配置したいという要望がある。ただし、ポールホルダセットが取り付けられる寝台装置は、一般病室用の電動ベッドであってもよい。
【0011】
寝台装置200は、本実施形態では、床面上に載置される台車210と、台車210上に設けられたフレーム220と、フレーム220上に設けられた複数のボトム230と、ヘッドボード240h、フットボード240fと頭側に配置される右サイドレール240hrと、頭側に配置される左サイドレール240hlと、足側に配置される右サイドレール240frと、足側に配置される左サイドレール240flと、駆動部(図示せず)と、コントローラ250と、を備える。操作者は、コントローラ250を操作することにより、駆動部が駆動させ、各ボトム230の角度、並びに、フレーム220の床面からの高さ及び角度を変更できる。なお、図1Bでは、複数のボトム230のうち最も頭側に配置される頭ボトム230を省略して示している。
【0012】
以下では、寝台装置200において台車210からフレーム220に向かう方向又はその逆方向を「上下方向Z」という。また、寝台装置200の頭側から足側に向かう方向又はその逆方向を「長手方向X」という。また、上下方向Z及び長手方向Xと直交する方向を「短手方向Y」という。
【0013】
図2は、図1Aにおける寝台装置のフレームを下方向から見た斜視図である。
図3は、図1Aにおける寝台装置のフレームを示す分解斜視図である。
フレーム220は、複数のボトム230の下に設けられた第1フレーム部221と、第1フレーム部221の下に設けられた第2フレーム部224と、を有する。すなわち、フレーム220は、2段構造を有している。
【0014】
第1フレーム部221は、図3に示すように、全体的に枠状に形成されている。第1フレーム部221は、複数のフレーム材222を組み合わせてなる。各フレーム材222は、例えば中空のパイプや中実のロッド等により構成できる。
【0015】
以下では、複数のフレーム材222のうち、長手方向Xにおいて最も頭側位置し、短手方向Yに延びるフレーム材222を「頭側の横フレーム材222a」という。また、複数のフレーム材222のうち、長手方向Xにおいて最も足側位置し、短手方向Yに延びるフレーム材222を「足側の横フレーム材222b」という。また、複数のフレーム材222のうち、頭側の横フレーム材222aから足側の横フレーム材222bまで延び、短手方向Yにおいて互いに離隔した一対のフレーム材222を「一対の縦フレーム材222c」という。
【0016】
一対の縦フレーム材222cの頭側の端部には、頭側の横フレーム材222aが接続されている。一対の縦フレーム材222cの足側の端部には、足側の横フレーム材222aが接続されている。頭側の横フレーム材222a、足側の横フレーム材222b、及び一対の縦フレーム材222cの上には、他のフレーム材222が配置されている。
【0017】
頭側の横フレーム材222aには、ヘッドボード240hが着脱自在である。同様に、足側の横フレーム材222bには、フットボード240fが着脱自在である。また、頭側の横フレーム材222aの短手方向Yにおける両端部、及び足側の横フレーム材222bの短手方向Yにおける両端部には、本実施形態では、ポール300を保持可能なホルダ部222dが設けられている。
【0018】
各ホルダ部222dには、図1Aに示すように、上下方向Zに延びる穴222hが設けられている。ポール300は、下端部が穴222h内に配置された状態で、ホルダ部222dに保持される。
【0019】
図1Bに示すように、上面視において、各穴222hは、ヘッドボード240hと、フットボード240fと、頭側に配置される右サイドレール240hrと、頭側に配置される左サイドレール240hlと、足側に配置される右サイドレール240frと、足側に配置される左サイドレール240flと、で囲まれた略矩形の領域の外側に位置する。そのため、ポール300の下端部が穴222h内に配置された状態においては、ポール300の下端部は、ヘッドボード240hと、フットボード240fと、頭側に配置される右サイドレール240hrと、頭側に配置される左サイドレール240hlと、足側に配置される右サイドレール240frと、足側に配置される左サイドレール240flと、で囲まれた略矩形の外側に位置する。
【0020】
ホルダ部222dの上部は、カバー部222eにより覆われている。また、ホルダ部222dの下部は、ローラーバンパ部222fが設けられている。
【0021】
ローラーバンパ部222fは、ホルダ部222dの穴222hと同軸に回動することができる。ローラーバンパ部222fは、例えば柔軟性のある材料から成る。そのような材料としては、特に限定されないが、例えば合成ゴムや樹脂等が挙げられる。
【0022】
図1Bに示すように、上面視において、各ローラーバンパ部222fは、ヘッドボード240hと、フットボード240fと、頭側に配置される右サイドレール240hrと、頭側に配置される左サイドレール240hlと、足側に配置される右サイドレール240frと、足側に配置される左サイドレール240flと、で囲まれた略矩形の領域の外側に位置する。そのため、ローラーバンパ部222fは、寝台装置200を搬送する際に壁に接したときに、寝台装置200及び壁の双方に加わる衝撃を緩和できる。
【0023】
ただし、第1フレーム部を構成するフレーム材の数、形状、及び位置等は、上記に限定されない。また、第1フレーム部には、ホルダ部が設けられていなくてもよい。
【0024】
第2フレーム部224は、図3に示すように、全体的に枠状に形成されている。第2フレーム部224は、本実施形態では、長手方向Xに延び、短手方向Yにおいて互いに離隔した一対の縦フレーム材224aと、一対の縦フレーム材224aの頭側の端部に接続された頭側の横フレーム材224bと、一対の縦フレーム材224aの足側の端部に接続された足側の横フレーム材224cと、を有する。一対の縦フレーム材224a、頭側の横フレーム材224b、及び足側の横フレーム材224cは、例えば中空のパイプや中実のロッド等により構成できる。
【0025】
第2フレーム部224は、各縦フレーム材224aの頭側の端部の外側の側面に接続された延長フレーム材224dと、各縦フレーム材224aの足側の端部の外側の側面に接続された延長フレーム材224eと、を更に有する。第2フレーム部224は、各縦フレーム材224aの頭側の端部の内側の側面に接続された延長フレーム材224fと、各縦フレーム材224aの足側の端部の内側の側面に接続された延長フレーム材224gと、を更に有する。
【0026】
頭側の延長フレーム材224dと延長フレーム材224fは、互いに対向している。足側の延長フレーム材224eと延長フレーム材224gは、互いに対向している。各延長フレーム材224d、224e、224f、224gは、本実施形態では、板部材により構成している。ただし、各延長フレーム材は、例えば中空のパイプや中実のロッド等により構成してもよい。
【0027】
図4は、図3に示す寝台装置のフレームの第2フレーム部を示す上面図である。
頭側の延長フレーム材224dは、縦フレーム材224aに固定され、長手方向Xに延びる第1部分225aと、第1部分225aに連なり、長手方向Xにおける内側から外側に向かうにつれて、短手方向Yにおける内側から外側に向かう方向に延びる第2部分225bと、第2部分225bに連なり、長手方向Xに延びる第3部分225cと、を有する。
【0028】
第3部分225cには、本実施形態では、2つの凸部225hが溶接等により接続されている。各凸部225hは、短手方向Yの外側に向かって第3部分225cから突出している。各凸部225hには、短手方向Yに延びるねじ穴が設けられている。
【0029】
頭側の一対の延長フレーム材224d、224fの間には、図3に示すように、支持板224iが設けられている。支持板224iは、一対の延長フレーム材224d、224fに接続されている。また、足側の一対の延長フレーム材224e、224gの間には、支持板224jが設けられている。支持板224jは、一対の延長フレーム材224d、224fに接続されている。
【0030】
ただし、第2フレーム部を構成するフレーム材の数、形状、及び位置等は、上記に限定されない。
【0031】
図2及び図3に示すように、第1フレーム部221の下には、第1フレーム部221上の重さを測定可能な4つの測定部226が設けられている。各測定部226は、第2フレーム部224に支持されている。
【0032】
各測定部226は、例えばロードセルを含み、寝台装置200のコントローラ250に電気的に接続されている。4つの測定部226により第1フレーム部221及び第1フレーム部221上に載置された物の重さを測定することで、寝台装置200上に寝ている患者の体重の変化量を推定することができる。これにより、例えば患者が点滴や輸液等の医療処置を受けている際に、患者の体内への送液量を管理することができる。4つの測定部226のうちの2つは、第2フレーム部224の一対の延長フレーム材224d、224fの間に配置されており、支持板224iに支持されている。4つの測定部226のうちの他の2つは、第2フレーム部224の一対の延長フレーム材224e、224gの間に配置されており、支持板224jに支持されている。ただし、寝台装置に設ける測定部の数及び位置等は、上記に限定されない。
【0033】
なお、寝台装置におけるフレームの具体的な構成は、上記に限定されない。例えば、フレームは、1段構造であってもよい。また、寝台装置に測定部は設けられていなくてもよい。
【0034】
<ポールホルダセット>
図5は、本実施形態に係るポールホルダセットを示す斜視図である。
図6は、本実施形態に係るポールホルダセット、及び寝台装置の第2フレーム部を示す上面図である。
図7は、本実施形態に係るポールホルダセット、並びに寝台装置の第1フレーム部及び第2フレーム部を示す上面図である。
ポールホルダセット100は、寝台装置200に着脱自在である。そのため、ポールホルダセット100が固定されていないコンパクトな状態で、寝台装置200を医療施設に納品できる。そして、寝台装置200が病室に設置した後に、ポールホルダセット100を寝台装置200に固定できる。本実施形態に係るポールホルダセット100は、第1ポールホルダ110と、第2ポールホルダ120と、連結部材130と、を備える。
【0035】
<第1ポールホルダ>
第1ポールホルダ110は、第1固定部111と、第1ホルダ部112と、第1延伸部113と、第1カバー部114と、第1ローラーバンパ部115と、を備える。
【0036】
第1固定部111は、図6に示すように、寝台装置200の第2フレーム部224における頭側の延長フレーム材224dに着脱可能である。このように、本実施形態では、第1固定部111は、測定部226による測定に影響のない第2フレーム部224に固定される。以下、第1固定部111が寝台装置200に固定された状態を、「固定状態」という。第1固定部111は、第1方向D1に延びている。固定状態において、第1方向D1は、本実施形態では、寝台装置200の長手方向Xに相当する。
【0037】
第1固定部111は、本実施形態では図5に示すように、例えば金属板を折り曲げてなる。具体的には、第1固定部111は、図5及び図6に示すように、頭側の延長フレーム材224dの外側の側面に対向する第1平板部111aと、第1平板部111aと対向する第2平板部111bと、第1平板部111aの上端と第2平板部111bの上端との間に配置され、第1平板部111aの上端と第2平板部111bの上端に連なる第3平板部111cと、を有する。
【0038】
第1平板部111a及び第2平板部111bは、固定状態においては図6に示すように、寝台装置200の長手方向X及び上下方向Zに概ね平行である。第3平板部111cは、固定状態において、寝台装置200の長手方向X及び短手方向Yに概ね平行である。
【0039】
第1平板部111aには、本実施形態では、2つの貫通穴111hが設けられている。頭側の延長フレーム材224dの凸部225hのねじ穴及び第1固定部111の貫通穴111hを挿通するねじ又はボルト等の固定具410により、第1固定部111は、頭側の延長フレーム材224dに固定される。特に、第1固定部111は、固定状態において寝台装置200の延長フレーム材224dに沿って長手方向Xに延びている。そのため、第1固定部111を2箇所以上で延長フレーム材224dに強固に固定できる。固定具410を取り外すことにより、第1固定部111の頭側の延長フレーム材224dへの固定は解除される。
【0040】
また、第1平板部111aの下面は、図5に示すように、第1方向D1に延びる第1領域S1と、第1領域S1の第1方向D1における端部に連なり、第1方向D1において第1延伸部113に近づくほど下方向に向かうように傾斜した第2領域S2と、第2領域S2の第1方向D1における端部に連なり、第1方向D1に延びる第3領域S3と、を有する。
【0041】
ただし、第1固定部のフレームへの固定方法及び固定位置は、上記に限定されない。例えば第1固定部は、第2フレームの縦フレーム材に固定可能であってもよいし、頭側の横フレーム材に固定可能であってもよい。また、第1固定部は、第1フレーム部に固定可能であってもよい。また、第1固定部の形状及び材料等の具体的な構成は、上記に限定されない。例えば、第1固定部は、第1方向に延びる中実のロッドであってもよいし、第1方向に延びる中空のパイプであってもよい。
【0042】
第1ホルダ部112は、ポール300を保持可能である。第1ホルダ部112は、図6に示すように、第1方向D1において第1固定部111から離隔し、かつ、第1方向D1と直交する第2方向D2において第1固定部111から離隔している。第2方向D2は、固定状態においては、寝台装置200の短手方向Yに相当する。換言すれば、第1ホルダ部112は、第1方向D1及び第2方向D2に対して傾斜した第1傾斜方向Daにおいて、第1固定部111から離隔している。
【0043】
固定状態においては、図7に示すように、第1ホルダ部112は、寝台装置200の長手方向Xにおける頭側に位置する。また、固定状態において、第1ホルダ部112は、上面視においてフレーム220の長手方向Xに延びる中心軸Cから短手方向Yに離隔している。ここで、中心軸Cは、頭側の横フレーム材222aの短手方向Yにおける中心を通り、長手方向Xに延びる軸である。
【0044】
図8は、図5のA-A’線における断面図である。
第1ホルダ部112は、本実施形態では、第1筒状部材112aと、第2筒状部材112bと、挿通部材112cと、止めねじ112dと、により構成されている。
【0045】
第1筒状部材112aは、第1方向D1及び第2方向D2と交差する第3方向D3に延びている。固定状態において、第3方向D3は、寝台装置200の上下方向Zに相当する。第1筒状部材112aの形状は、略円筒形状である。
【0046】
第2筒状部材112bは、第3方向D3に延びた筒状の本体部112b1と、本体部112b1の上端に連なる鍔部112b2と、を有する。本体部112b1は、第1筒状部材112aの穴112hに配置されている。鍔部112b2は、第1筒状部材112aの上端に接している。第2筒状部材112bの下端は、第1筒状部材112aの下端よりも上方に位置する。
【0047】
挿通部材112cは、第1筒状部材112aの下端部を径方向に挿通している。そのため、第1ホルダ部112は、第1筒状部材112aの穴112h及び第2筒状部材112bの穴112h2に配置されたポール300を保持できる。
【0048】
止めねじ112dは、第1筒状部材112a及び第2筒状部材112bの側壁を挿通している。第1ホルダ部112は、第1筒状部材112aの穴112h及び第2筒状部材112bの穴112h2にポール300が配置された状態において、止めねじ112dをポール300の側面に押し付けることにより、ポール300を強固に保持できる。
【0049】
ただし、第1ホルダ部の形状、位置、及び材料等の具体的な構成は、ポールが配置可能な穴が設けられている限り、上記に限定されない。例えば、第1ホルダは、第3方向に延びる有底の穴が設けられた部材により構成してもよい。
【0050】
第1延伸部113は、図6に示すように、第1固定部111から第1ホルダ部112に向かって延びている。第1延伸部113は、例えば中空のパイプや中実のロッド等により構成されている。第1延伸部113は、本実施形態では、第1傾斜方向Daに延びている。ただし、第1延伸部が延びる方向は、第1固定部と第1ホルダ部とを接続可能である限り、上記に限定されない。
【0051】
第1延伸部113は、例えば溶接等により、第1固定部111及び第1ホルダ部112に接続されている。具体的には、第1延伸部113は、図5に示すように、第1固定部111の第1平板部111a及び第2平板部111bに接続されている。また、第1延伸部113は、第1ホルダ部112の第1筒状部材112aに接続されている。ただし、第1延伸部の第1固定部及び第1ホルダ部への接続方法及び接続位置は、上記に限定されない。また、第1延伸部113は、伸縮可能であってもよい。この場合、第1延伸部113を伸縮させることで、第1ホルダ部112の位置を調整できる。
【0052】
第1カバー部114は、第1延伸部113の一部及び第1ホルダ部112の一部を覆っている。第1カバー部114は、例えば樹脂材料等からなる。図8に示すように、第1カバー部114は、第1ホルダ部112の筒状部材112aの外周面の一部、及び上端を覆っている。第1ホルダ部112において第1筒状部材112a及び第2筒状部材112bの直上に位置する部分には、開口114hが設けられている。
【0053】
第1ローラーバンパ部115は、第1カバー部114の下方に位置し、第1ホルダ部112の下端部を覆っている。第1ローラーバンパ部115は、第1ホルダ部112の穴112hと同軸に回動できる。第1ローラーバンパ部115は、例えば柔軟性のある材料から成る。そのような材料としては、特に限定されないが、例えば合成ゴムや樹脂等が挙げられる。
【0054】
第1カバー部114及び第1ローラーバンパ部115により第1ポールホルダ110の意匠性を向上させることができる。また、第1ローラーバンパ部115は、ローラーバンパ部222fと同様に、寝台装置200を搬送する際に壁に接したときに、寝台装置200及び壁の双方に加わる衝撃を緩和する。
【0055】
第1ホルダ部112、第1カバー部114、及び第1ローラーバンパ部115は、本実施形態では、フレーム220におけるホルダ部222d、カバー部222e、及びローラーバンパ部222fと同様に構成している。このように寝台装置200の部品とポールホルダ110の部品を共通化することで、製造コストを低減できる。ただし、第1ポールホルダの第1ホルダ部、第1カバー部、及び第1ローラーバンパ部は、フレームにおけるホルダ部、カバー部、及びローラーバンパ部と同様に構成していなくてもよい。
【0056】
図7に示すように、固定状態においては、第1固定部111は、頭側の横フレーム材222aよりも、長手方向Xにおける内側に位置し、第1ホルダ部112は、頭側の横フレーム材222aよりも、長手方向Xにおける外側に位置する。
【0057】
また、固定状態において、第1ホルダ部112と中心軸Cとの距離は、第1固定部111と寝台装置200の中心軸Cとの距離よりも長い。換言すれば、固定状態において、第1ホルダ部112は、第1固定部111よりも寝台装置200の短手方向Yにおける外側に位置する。
【0058】
<第2ポールホルダ>
第2ポールホルダ120は、図6に示すように、第1ポールホルダ110の第1平板部111aに平行な平面Pを基準として、第1ポールホルダ110と概ね対称な形状を有する点を除き、第1ポールホルダ110と同様に構成している。具体的には、第2ポールホルダ120は、第2固定部121と、第2ホルダ部122と、第2延伸部123と、第2カバー部124と、第2ローラーバンパ部125と、を備える。
【0059】
第2固定部121は、第1固定部111と同様に、第1方向D1に延びている。第2固定部121は、寝台装置200の第2フレーム部224の他の延長フレーム材224dに着脱可能である。
【0060】
第2ホルダ部122には、第1方向D1において第2固定部121から離隔し、かつ、第2方向D2において第2固定部121から離隔している。換言すれば、第2ホルダ部122は、第1方向D1及び第2方向D2に対して傾斜した第2傾斜方向Dbにおいて、第2固定部121から離隔している。第2傾斜方向Dbは、図6に示すように上面視において、中心軸Cを基準として、第1傾斜方向Daと概ね対称な方向である。第2ホルダ部122には、第1ホルダ部112と同様に、第3方向D3に延びる穴122hが設けられている。
【0061】
第2延伸部123は、第2固定部121から第2ホルダ部122に向かって延び、第2固定部121及び第2ホルダ部122に接続されている。第2延伸部123は、本実施形態では、第2傾斜方向Dbに延びている。ただし、第1延伸部が延びる方向は、第2固定部と第2ホルダ部とを接続可能である限り、上記に限定されない。また、第2延伸部123は、伸縮可能であってもよい。この場合、第2延伸部123を伸縮させることで、第2ホルダ部122の位置を調整できる。
【0062】
第2カバー部124は、第1カバー部114と同様に、第2延伸部123の一部及び第2ホルダ部122の一部を覆っている。第2ローラーバンパ部125は、第1ローラーバンパ部115と同様に、第2カバー部124の下方に位置し、第2ホルダ部122の下端部を覆っている。
【0063】
図7に示すように、第2ホルダ部122と中心軸Cとの距離は、第2固定部121と寝台装置200の中心軸Cとの距離よりも長い。換言すれば、固定状態において、第2ホルダ部122は、第2固定部121よりも寝台装置200の短手方向Yにおける外側に位置する。したがって、第1ホルダ部112と第2ホルダ部122との距離L1は、第1固定部111と第2固定部121との距離L2よりも長い。また、第1ホルダ部112と第2ホルダ部122との距離は、頭側の横フレーム材211aに設けられた一対のホルダ部222d同士の距離よりも小さい。
【0064】
また、図1Bに示すように、第1ホルダ部112、第1ローラーバンパ部115、第2ホルダ部122、及び第2ローラーバンパ部125は、寝台装置200の長手方向Xにおいて、ヘッドボード240h及びホルダ部222dよりも外側に位置する。そのため、ポール300の下端部が穴112h内に配置された状態においては、ポール300の下端部は、ヘッドボード240hと、フットボード240fと、頭側に配置される右サイドレール240hrと、頭側に配置される左サイドレール240hlと、足側に配置される右サイドレール240frと、足側に配置される左サイドレール240flと、で囲まれた略矩形の外側に位置する。
【0065】
<連結部材>
連結部材130は、図5に示すように、第1ポールホルダ110及び第2ポールホルダ120が並んだ状態で、第1ポールホルダ110の第1延伸部113と第2ポールホルダ120の第2延伸部123との間に位置し、第1延伸部113及び第2延伸部123に連結可能である。本実施形態では、連結部材130は、第1延伸部113及び第2延伸部123にねじ等の固定具を用いて固定される。
【0066】
固定具を取り外すことで、連結部材130の第1ポールホルダ110及び第2ポールホルダ120への連結状態は解除される。このように、連結部材130は、第1ポールホルダ110及び第2ポールホルダ120に着脱自在である。そのため、ポールホルダセット100は、連結部材130が第1ポールホルダ110及び第2ポールホルダ120に連結されていないコンパクトな状態で、医療施設に納品できる。一方、ポールホルダセット100の使用時は、連結部材130が第1ポールホルダ110及び第2ポールホルダ120に連結される。そのため、ポールホルダセット100の使用時の剛性を向上させることができる。これにより、各ホルダ部112、122に配置するポール300に、重量の大きい医療器具や複数の医療器具を支持させることができる。
【0067】
図9は、本実施形態に係るポールホルダセットの連結部材を示す斜視図である。
連結部材130は、第1延伸部113から第2延伸部123に向かって延びる梁部131と、梁部131の両端部に設けられた一対の取付部132と、を有する。
【0068】
梁部131は、連結部材130が第1ポールホルダ110及び第2ポールホルダ120に連結された状態で、第1方向D1及び第3方向D3方向と概ね直交する方向に延びている。すなわち、梁部131は、固定状態で寝台装置200の短手方向Yに延びている。梁部131は、例えば中空のパイプや中実なロッド等により構成できる。第1延伸部113及び第2延伸部123がそれぞれ伸縮可能である場合、併せて連結部材130も伸縮可能であってもよい。
【0069】
各取付部132の形状は、本実施形態ではLの字形状である。各取付部132は、各延伸部113、123のホルダ部112、122側の端部に、ねじ留め等により連結される。
【0070】
ただし、連結部材の形状、連結位置、及び連結方法等は、第1延伸部及び第2延伸部に連結可能である限り、上記に限定されない。
【0071】
<使用方法>
次に、本実施形態における寝台装置200及びポールホルダセット100の使用方法について説明する。
【0072】
看護師等の医療従事者は、寝台装置200上の患者に対して、点滴、輸液、又は酸素の供給等の医療処置を行う場合に、寝台装置200に設けられたホルダ部222dやポールホルダセット100のホルダ部112、122に、処置に必要な医療器具を支持するポール300を配置する。特に、集中治療室の患者に対しては、周囲に複数の医療器具を配置して医療処置を行う場合がある。そのため、寝台装置200にポールホルダセット100を固定することにより、患者の周囲により多くの医療器具を配置できる。
【0073】
また、寝台装置200上に寝ている患者に点滴や輸液等の医療処置を行っている状態で、患者を別室に搬送するために、台車210により寝台装置200を移動させる場合がある。ポールホルダセット100は、寝台装置200に固定されており、寝台装置200の移動に伴って移動する。そのため、寝台装置200の移動に伴って、医療器具を手に持ち付き添う人員が必要なくなる。これにより、医療従事者の負担を軽減できる。
【0074】
また、寝台装置200のフレーム220の高さを変更したり、フレーム220の角度を変更したりする場合がある。ポールホルダセット100は、寝台装置200のフレーム220に固定されており、フレーム220と連動する。そのため、フレーム220の高さの変更や角度の変更に伴って、ポール300に支持されている医療器具と寝台装置200上に寝ている患者との距離が変化することを抑制できる。
【0075】
また、点滴や輸液等の医療処置を行う場合は、患者の上半身側の血管を穿刺することにより、患者の上半身に点滴や輸液等のためのアクセス部位を形成することが多い。ホルダ部112、122は、長手方向Xにおいて頭側の横フレーム材222aよりも外側に配置されるため、点滴チューブや輸液チューブ等が長くなることを抑制できる。
【0076】
図7に示すように、寝台装置200のヘッドボード240hを取り外した状態で、医師等の医療従事者が、寝台装置200の頭側の空間Tに立ち、寝台装置200上に寝ている患者に医療処置する場合がある。そのため、各ホルダ部112、122は、医療処置の邪魔にならないように、短手方向Yの外側に配置することが望ましい。一方で、以下に説明するように、固定部111、121は、寝台装置200の構成要素との干渉を避けるために、短手方向Yの内側に配置することが望ましい。
【0077】
図10は、本実施形態に係るポールホルダを固定した状態で、寝台装置のフレームを下げた状態を示す斜視図である。
例えば、寝台装置のフレーム220の頭側の角部の周辺には、患者の容態が急変した時に、ボトム230をフラットにするための操作レバー260等が設けられている。このように、寝台装置200のフレーム220の外周付近には、寝台装置200に様々な機能を持たせるために、様々な構成要素が配置されている場合がある。
【0078】
また、例えば、寝台装置200上に寝ている患者が万が一落下等した際の衝撃を緩和する観点から、夜間等においては、寝台装置200のフレーム220を最も床面に近づけて使用する場合がある。このような場合は、台車210の四隅に設けられたキャスター211等の構成要素とフレーム220に固定された各固定部111、121が接近する。したがって、固定部111、121は、ホルダ部222d、操作レバー260、及びキャスター211等の構成要素と干渉しないように短手方向Yにおける外側に配置することが望ましい。
【0079】
本実施形態では、各ホルダ部112、122は、各固定部111、121が延びる第1方向D1及び第1方向D1と直交する第2方向D2において各固定部111、121から離隔している。そのため、各ポールホルダ110、120は、各ホルダ部112、122とフレーム220の中心軸Cとの距離が、各固定部111、121とフレーム220の中心軸Cとの距離よりも長くなるように配置できる。これにより、各固定部111、121を、ホルダ部222d、操作レバー260、及びキャスター211等の構成要素と干渉しないように短手方向Yにおける内側に配置しつつ、ホルダ部112、122を、医療処置の邪魔にならないように短手方向Yにおける外側に配置できる。
【0080】
また、本実施形態では、各固定部111、121の第1平板部111aの下面には、第1方向D1において第1延伸部113に近づくほど下方向に向かうように傾斜した第2領域S2が設けられている。そのため、短手方向Yに並ぶ一対のキャスター211に連結された連結部材212に、各固定部111、121が干渉することを抑制できる。
【0081】
また、本実施形態では図7に示すように、各固定部111、121は、長手方向Xにおいて頭側の横フレーム材222aよりも内側に配置されている。また、連結部材130は、頭側の横フレーム材222aと重なる位置に設けられており、頭側の横フレーム材222aよりも外側に突出していない。そのため、寝台装置200のヘッドボード240hを取り外した状態で、医師等の医療従事者が、フレーム220の頭側の空間Tに立った際に、連結部材130が医療処置の邪魔になることを抑制できる。
【0082】
次に、本実施形態の効果について説明する。
医療施設では、寝台装置200を納品する際に使用するエレベータが小さい場合があり、納品時は、寝台装置200をコンパクトにすることが望ましい。ポールホルダセット100は、寝台装置200の付属品であり、寝台装置200に着脱自在である。そのため、ポールホルダセット100が固定されていないコンパクトな状態で、寝台装置200を医療施設に納品できる。そして、寝台装置200が病室に設置した後に、ポールホルダセット100を寝台装置200に固定できる。
【0083】
また、各ポールホルダ110、120の固定部111、121は、寝台装置200のフレーム220に固定可能である。そのため、ポールホルダセット100は、寝台装置200に固定されており、寝台装置200の移動に伴って移動する。これにより、寝台装置200の移動に伴って、医療器具を保持して付き添う人員が必要なくなる。その結果、医療従事者の負担を軽減できる。
【0084】
また、各固定部111、121は、第1方向D1に延びている。そのため、各固定部111、121をフレーム220が延びる方向に沿って配置し、各固定部111、121を2か所以上で、フレーム220に結合できる。これにより、各ポールホルダ110、120をフレーム220に対して強固に固定できる。その結果、各ホルダ部112、122に配置するポール300に、重量の大きい医療器具や複数の医療器具を支持させることができる。これにより、ポールホルダ110、120の使い勝手を向上させることができる。
【0085】
また、点滴や輸液等の医療処置を行う場合は、患者の上半身側の血管に点滴や輸液等のためのルートが確保されることが多い。本実施形態における各ホルダ部112、122は、固定状態において、寝台装置200の頭側に配置される。そのため、点滴や輸液等のラインが長くなることを抑制できる。これにより、点滴や輸液等のラインが長くなり、患者が煩わしさを感じることを抑制できる。
【0086】
また、医師等の医療従事者が、寝台装置200の頭側に立ち、寝台装置200上に寝ている患者に医療処置する場合がある。そのため、各ホルダ部112、122は、医療処置の邪魔にならないように、短手方向Yの外側に配置することが望ましい。一方で、寝台装置200のホルダ部222d、操作レバー260、及びキャスター211等の構成要素との干渉を抑制する観点から、各固定部111、121は、短手方向Yの内側に配置することが望ましい。
【0087】
本実施形態では、ホルダ部112、122は、第1方向D1及び第2方向D2において固定部111、121から離隔している。そのため、ポールホルダ110、120は、ホルダ部112、122とフレーム220の中心軸Cとの距離が、固定部111、121とフレーム220の中心軸Cとの距離よりも長くなるように配置できる。これにより、固定部111、121を、寝台装置200の構成要素と干渉しないように短手方向Yにおける内側に配置しつつ、ホルダ部112、122を、医療処置の邪魔にならないように短手方向Yにおける外側に配置できる。その結果、ポールホルダ110、120の使い勝手を向上させることができる。
【0088】
また、各固定部111、121及び連結部材130は、頭側の横フレーム材222aよりも外側に突出していない。そのため、寝台装置200のヘッドボード240hを取り外した状態で、医師等の医療従事者が、フレーム220の頭側の空間Tに立ち、医療処置を行う際に、連結部材130が医療処置の邪魔になることを抑制できる。
【0089】
また、固定部111、121は、測定部226による重さの測定に影響のない第2フレーム部224に固定される。そのため、寝台装置上の患者に対して点滴や輸液等の処置を行う際の患者の身体への送液量を正確に管理できる。
【0090】
また、連結部材130は、第1ポールホルダ110と、第2ポールホルダ120と、第1ポールホルダ110と第2ポールホルダ120が並んだ状態で、第1延伸部113と第2延伸部123との間に位置し、第1延伸部113及び第2延伸部123に連結される。そのため、ポールホルダセット100の剛性を向上させることができる。これにより、各ホルダ部112、122に配置するポール300に、重量の大きい医療器具や複数の医療器具を支持させることができる。これにより、ポールホルダセット100の使い勝手を向上させることができる。
【0091】
<変形例>
図11Aは、ポールホルダセットの変形例を示す上面図である。
図11Bは、ポールホルダセットの変形例を示す上面図である。
各延伸部113、123は、図11A及び図11Bに示すように、一方向のみに延びていなくてもよい。
【0092】
例えば、図11Aに示すように、第1延伸部113は、第1方向D1と交差する方向に延びる第1部分113aと、第1部分113aの頭側の端部に連なり、第1方向D1に延びる第2部分113bと、を有していてもよい。同様に、第2延伸部123は、第1方向D1と交差する方向に延びる第1部分123aと、第1部分123aの頭側の端部に連なり、第1方向D1に延びる第2部分123bと、を有していてもよい。
【0093】
また、例えば図11Bに示すように、第1延伸部113及び第2延伸部123は、湾曲していてもよい。
【0094】
上記の実施形態及び変形例は、本発明を具現化した例であり、本発明は上記の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、実施形態及び変形例において、いくつかの構成要素を追加、削除または変更したものも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
100 :ポールホルダセット
110 :第1ポールホルダ
111 :第1固定部
112 :第1ホルダ部
112h :穴
113 :第1延伸部
114 :第1カバー部
115 :第1ローラーバンパ部
120 :第2ポールホルダ
121 :第2固定部
122 :第2ホルダ部
122h :穴
123 :第2延伸部
124 :第2カバー部
125 :第2ローラーバンパ部
130 :連結部材
200 :寝台装置
210 :台車
220 :フレーム
221 :第1フレーム部
222a :横フレーム材
224 :第2フレーム部
226 :測定部
230 :ボトム
240h :ヘッドボード
240f :フットボード
240hr :頭側に配置される右サイドレール
240hl :頭側に配置される左サイドレール
240fr :足側に配置される右サイドレール
240fr :足側に配置される左サイドレール
250 :コントローラ
260 :操作レバー
300 :ポール
410 :固定具
C :中心軸
D1 :第1方向
D2 :第2方向
D3 :第3方向
P :平面
T :空間
X :長手方向
Y :短手方向
Z :上下方向
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B