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特許7445582出荷倉庫判定装置、出荷倉庫判定方法および出荷倉庫判定プログラム
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  • 特許-出荷倉庫判定装置、出荷倉庫判定方法および出荷倉庫判定プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】出荷倉庫判定装置、出荷倉庫判定方法および出荷倉庫判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20240101AFI20240229BHJP
【FI】
G06Q10/08
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020192656
(22)【出願日】2020-11-19
(65)【公開番号】P2021152864
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2020048337
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】都外川 大樹
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-065166(JP,A)
【文献】特開2020-035136(JP,A)
【文献】特開2006-160395(JP,A)
【文献】特開2004-250165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える出荷倉庫判定装置であって、
前記制御部は、
設定された商品および設定された得意先または納入先を基に、倉庫を商品別且つ取引先別に管理する倉庫判定マスタと商品の現在庫数を商品別且つ倉庫別に管理する現在庫情報を参照して、当該設定された商品および当該設定された得意先または納入先に紐付く倉庫であって当該設定された商品の在庫があるものを出荷倉庫として判定する出荷倉庫判定手段
備え、
前記倉庫は、食品を管理する倉庫であって、前記商品は、食品であることを、
を特徴とする出荷倉庫判定装置。
【請求項2】
前記倉庫判定マスタは、出荷倉庫の優先順位を示すランクが格納されたものであり、
前記出荷倉庫判定手段は、前記設定された商品および前記設定された得意先または納入先に紐付く倉庫であって当該設定された商品の在庫があるものが複数存在する場合、当該複数の倉庫のうちランクが最も上位の倉庫を出荷倉庫として判定すること、
を特徴とする請求項1に記載の出荷倉庫判定装置。
【請求項3】
前記制御部は、商品の受注登録を行う受注登録手段をさらに備え、
前記受注登録手段は、受注登録する商品および得意先または納入先が設定されると、当該設定された商品および当該設定された得意先または納入先を前記出荷倉庫判定手段に渡し、前記出荷倉庫判定手段から返された判定結果を受け取ること、
を特徴とする請求項1または2に記載の出荷倉庫判定装置。
【請求項4】
制御部を備える情報処理装置で実行される出荷倉庫判定方法であって、
前記制御部で実行される、
設定された商品および設定された得意先または納入先を基に、倉庫を商品別且つ取引先別に管理する倉庫判定マスタと商品の現在庫数を商品別且つ倉庫別に管理する現在庫情報を参照して、当該設定された商品および当該設定された得意先または納入先に紐付く倉庫であって当該設定された商品の在庫があるものを出荷倉庫として判定する出荷倉庫判定ステップ
含み、
前記倉庫は、食品を管理する倉庫であって、前記商品は、食品であることを、
を特徴とする出荷倉庫判定方法。
【請求項5】
制御部を備える情報処理装置に実行させるための出荷倉庫判定プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
設定された商品および設定された得意先または納入先を基に、倉庫を商品別且つ取引先別に管理する倉庫判定マスタと商品の現在庫数を商品別且つ倉庫別に管理する現在庫情報を参照して、当該設定された商品および当該設定された得意先または納入先に紐付く倉庫であって当該設定された商品の在庫があるものを出荷倉庫として判定する出荷倉庫判定ステップ
含み、
前記倉庫は、食品を管理する倉庫であって、前記商品は、食品であることを、
を特徴とする出荷倉庫判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出荷倉庫判定装置、出荷倉庫判定方法および出荷倉庫判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
食品業界では、例えば、冷蔵品など保管時の温度帯が異なる商品を別々の倉庫で管理する、賞味期限の観点から消費地の近くで在庫を持つ、などの事情から、商品を複数の倉庫で管理する場合が多い。また、食品業界では、商品を、得意先が管理する倉庫に直接納入する場合もある。そのため、複数の倉庫に在庫がある商品の注文を得意先から受けた場合、商品の出荷倉庫を判断する必要がある。従来は、この判断を、受注担当者が、得意先の場所、商品の在庫がある倉庫、得意先と倉庫との距離、および地域などを手作業で確認しながら行っていた。
【0003】
特許文献1には、倉庫間で商品を移動して得意先に商品を納品する場合に、入出庫業務を円滑に行う方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-066949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の人手での判断の仕方には、業務の煩雑化および属人化という問題があった。また、判断の適確性という観点から、従来の人手での判断の仕方には、改善の余地が残されていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、適切な出荷倉庫を判定することができ、延いては業務の煩雑化および属人化を解消することができる出荷倉庫判定装置、出荷倉庫判定方法および出荷倉庫判定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る出荷倉庫判定装置は、制御部を備える出荷倉庫判定装置であって、前記制御部は、設定された商品および設定された得意先または納入先を基に、倉庫を商品別且つ取引先別に管理する倉庫判定マスタと商品の現在庫数を商品別且つ倉庫別に管理する現在庫情報を参照して、当該設定された商品および当該設定された得意先または納入先に紐付く倉庫であって当該設定された商品の在庫があるものを出荷倉庫として判定する出荷倉庫判定手段を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る出荷倉庫判定装置において、前記倉庫判定マスタは、出荷倉庫の優先順位を示すランクが格納されたものであり、前記出荷倉庫判定手段は、前記設定された商品および前記設定された得意先または納入先に紐付く倉庫であって当該設定された商品の在庫があるものが複数存在する場合、当該複数の倉庫のうちランクが最も上位の倉庫を出荷倉庫として判定すること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る出荷倉庫判定装置において、前記制御部は、商品の受注登録を行う受注登録手段をさらに備え、前記受注登録手段は、受注登録する商品および得意先または納入先が設定されると、当該設定された商品および当該設定された得意先または納入先を前記出荷倉庫判定手段に渡し、前記出荷倉庫判定手段から返された判定結果を受け取ること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る出荷倉庫判定方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される出荷倉庫判定方法であって、前記制御部で実行される、設定された商品および設定された得意先または納入先を基に、倉庫を商品別且つ取引先別に管理する倉庫判定マスタと商品の現在庫数を商品別且つ倉庫別に管理する現在庫情報を参照して、当該設定された商品および当該設定された得意先または納入先に紐付く倉庫であって当該設定された商品の在庫があるものを出荷倉庫として判定する出荷倉庫判定ステップを含むこと、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る出荷倉庫判定プログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるための出荷倉庫判定プログラムであって、前記制御部に実行させるための、設定された商品および設定された得意先または納入先を基に、倉庫を商品別且つ取引先別に管理する倉庫判定マスタと商品の現在庫数を商品別且つ倉庫別に管理する現在庫情報を参照して、当該設定された商品および当該設定された得意先または納入先に紐付く倉庫であって当該設定された商品の在庫があるものを出荷倉庫として判定する出荷倉庫判定ステップを含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、適切な出荷倉庫を判定することができ、延いては業務の煩雑化および属人化を解消することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、出荷倉庫判定装置100の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、倉庫判定マスタ106aのデータ構造の一例を示す図である。
図3図3は、出荷倉庫判定装置100で実行される処理に関するフローチャートの一例を示す図である。
図4図4は、倉庫判定マスタメンテ画面MAの一例を示す図である。
図5図5は、倉庫判定マスタ106aの一例を示す図である。
図6図6は、受注入力画面MBの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る出荷倉庫判定装置、出荷倉庫判定方法および出荷倉庫判定プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.構成]
ここでは、本実施形態に係る出荷倉庫判定装置100の構成の一例について、図1等を参照して説明する。図1は、出荷倉庫判定装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
出荷倉庫判定装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、出荷倉庫判定装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0017】
出荷倉庫判定装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。出荷倉庫判定装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0018】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、出荷倉庫判定装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、出荷倉庫判定装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0019】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0020】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0021】
記憶部106には、例えば、倉庫判定マスタ106a、および現在庫情報106bなどが格納される。
【0022】
図2は、倉庫判定マスタ106aのデータ構造の一例を示す図である。倉庫判定マスタ106aは、取引先区分識別情報(例えば、取引先区分の名称など)と、取引先識別情報(例えば、取引先コードなど)と、商品識別情報(例えば、商品コードなど)と、出荷倉庫の優先順位を示すランクと、倉庫識別情報(例えば、倉庫コード)と、を含む。ランクは、得意先と倉庫との距離、得意先と倉庫が同一のエリア(例えば、関東エリアなど)か、各商品の在庫場所が複数か単数か、また複数の場合はメインとなる倉庫はどこか、などの事情を考慮して設定する。
【0023】
現在庫情報106b(図示せず)は、倉庫識別情報と、商品識別情報と、商品の現在個数と、を含む。
【0024】
図1に戻り、制御部102は、出荷倉庫判定装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0025】
制御部102は、機能概念的に、マスタメンテ部102aと、本発明の受注登録手段に相当する受注登録部102bと、本発明の出荷倉庫判定手段に相当する出荷倉庫判定部102cなどを備える。
【0026】
マスタメンテ部102aは、設定された取引先区分識別情報、取引先識別情報、商品識別情報、ランク、および倉庫識別情報を基に、倉庫判定マスタ106aの管理(例えば、新規登録、修正、または削除など)を行う。
【0027】
受注登録部102bは、商品の受注登録を行う。また、受注登録部102bは、受注登録する商品識別情報および得意先識別情報または納入先識別情報が設定されると、当該設定された商品識別情報および当該設定された得意先情報または納入先識別情報を出荷倉庫判定部102cに渡し、出荷倉庫判定部102cから返された判定結果を受け取る。
【0028】
出荷倉庫判定部102cは、設定された商品識別情報および設定された得意先識別情報または納入先識別情報(例えば、得意先コード、または納入先コードなど)を基に、倉庫判定マスタ106aと現在庫情報106bを参照して、当該設定された商品識別情報および当該設定された得意先識別情報または納入先識別情報に紐付く倉庫識別情報で識別される倉庫であって当該設定された商品識別情報で識別される商品の在庫があるものを出荷倉庫として判定する。
【0029】
また、出荷倉庫判定部102cは、設定された商品識別情報および設定された得意先識別情報または納入先識別情報に紐付く倉庫識別情報で識別される倉庫であって当該設定された商品識別情報で識別される商品の在庫があるものが複数存在する場合、当該複数の倉庫のうちランクが最も上位の倉庫を出荷倉庫として判定する。
【0030】
制御部102を構成する各処理部が実行する処理の具体例については、以下に詳細に説明する。
【0031】
[2.処理の具体例]
ここでは、出荷倉庫判定装置100で実行される処理の具体例について、図3等を参照して説明する。図3は、出荷倉庫判定装置100で実行される処理に関するフローチャートの一例を示す図である。
【0032】
図4は、倉庫判定マスタメンテ画面MAの一例を示す図である。また、図5は、倉庫判定マスタ106aの一例を示す図である。本具体例の説明では、図4に示す倉庫判定マスタメンテ画面MAでの設定により、マスタメンテ部102aが、倉庫判定マスタ106aを、図5に示すように予め登録したものとする。
【0033】
図6は、受注入力画面MBの一例を示す図である。受注入力画面MBへの入力によって、受注登録する商品および納入先が設定される。本具体例の説明では、受注入力画面MB1~MB4の各画面に、商品コードと、得意先コードまたは納入先コードが、図6に示すように設定されたものとする。
【0034】
まず、受注登録部102bは、受注入力画面MBで設定された商品コードと、得意先コードまたは納入先コードを、出荷倉庫判定部102cに渡す(ステップS1)。
【0035】
つぎに、出荷倉庫判定部102cは、ステップS1で受注登録部102bから渡された情報を基に、図5に示す倉庫判定マスタ106aと現在庫情報106bを参照して、出荷倉庫を判定する(ステップS2)。
【0036】
つぎに、出荷倉庫判定部102cは、ステップS2での判定結果を、受注登録部102bに返す(ステップS3)。
【0037】
つぎに、受注登録部102bは、出荷倉庫判定部102cから返された判定結果を基に、受注登録を行う(ステップS4)。
【0038】
図6に示すように、出荷倉庫判定部102cが出荷倉庫として判定した倉庫の倉庫コードは、各受注入力の下部に表示される。図6に示す受注入力画面MB1では、図5に示す倉庫判定マスタ106aの取引先区分「0:得意先」、取引先コード「T001」、商品コード「S001」に紐付く倉庫コード「K001」の倉庫を、出荷倉庫と判定する。また、図6に示す受注入力画面MB2では、図5に示す倉庫判定マスタ106aの取引先区分「0:得意先」、取引先コード「T001」、商品コード「S002」に紐付く倉庫コード「K002」の倉庫を、出荷倉庫と判定する。また、図6に示す受注入力画面MB3では、図5に示す倉庫判定マスタ106aの取引先区分「1:納入先」、取引先コード「N001」、商品コード「S001」に紐付く倉庫コードのうち、ランクが最も上位の倉庫コード「K003」の倉庫に商品コード「S001」の商品の在庫があったので、倉庫コード「K003」と判定する。また、図6に示す受注入力画面MB4では、図5に示す倉庫判定マスタ106aの取引先区分「1:納入先」、取引先コード「N001」、商品コード「S001」に紐付く倉庫コードのうち、ランクが最も上位の倉庫コード「K003」の倉庫に商品コード「S001」の商品の在庫がなく、次にランクが上位の倉庫コード「K004」の倉庫には商品コード「S001」の商品の在庫があったので、倉庫コード「K004」と判定する。
【0039】
以上の処理から、受注データ登録時に出荷倉庫を自動で判定することで、出荷倉庫の決定を容易に行うことができる。なお、本具体例の説明では、図6に示す受注入力画面MBへの入力により、受注登録する商品および得意先または納入先を設定したが、それに代えて、EDI(Electronic Data Interchange)による受注データの取込によって商品および得意先または納入先を設定してもよい。また、受注登録の際に得意先および納入先の両方が設定されていた場合、出荷倉庫判定部102cは、まず、倉庫判定マスタ106aを参照して納入先に紐付く倉庫の取得を実施し、もし納入先に紐付く倉庫が倉庫判定マスタ106aに無かったときは、続けて、倉庫判定マスタ106aを参照して得意先に紐付く倉庫の取得を実施してもよい。
【0040】
また、同一の商品を複数の倉庫に保管している場合、出荷倉庫として判定する優先順位をランク付けしてシステムに予め登録することで、受注データ登録時に商品の在庫があるランクが最も上位の倉庫を出荷倉庫として自動で判定できる。
【0041】
ここで、食品業界では、商品を複数の倉庫で管理することが多い。その背景として、例えば、冷蔵品など温度帯が異なる商品を別倉庫で管理する、賞味期限の観点から消費地の近くに在庫を持つ、などが挙げられる。また、得意先管理の倉庫に商品を直接納入しているケースもある。このような複数の倉庫に在庫された商品に対して得意先からの注文があった場合、本実施形態によれば、例えば最も早く出荷できる出荷倉庫を判断することができるので、受注の機会損失を防ぐことができる。なお、本実施形態において、各商品の在庫倉庫や得意先との距離、エリアなどを加味し、優先して引き当てる倉庫を判断してもよい。また、食品業界では電子取引が進んでいることから、本実施形態において、得意先からの注文データを基に適切な出荷倉庫を自動で判断して出荷指示を行ってもよい。つまり、本実施形態では、オペレータによる入力およびEDIのいずれの場合にも出荷倉庫の自動判定を行うことができる。
【0042】
また、従来は、得意先の場所や商品等によって異なる引当倉庫を、オペレータが判断して指定する必要があった。そして、その判断には、商品による保管倉庫の違いや、倉庫と得意先の距離、地域などを、オペレータが把握しておく必要があり、業務が煩雑且つ属人化していた。本実施形態によれば、出荷先の取引先と商品ごとにどの倉庫から出荷するかを予め登録することで、例えば受注データ登録時に出荷倉庫を自動で判定し、引当を行うので、これらの従来の問題を解消することができる。なお、本実施形態では、同一商品を複数の倉庫に保管している場合、引当優先順を登録することもできる。
【0043】
[3.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0044】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0045】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0046】
また、出荷倉庫判定装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0047】
例えば、出荷倉庫判定装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて出荷倉庫判定装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0048】
また、このコンピュータプログラムは、出荷倉庫判定装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0049】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0050】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0051】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0052】
また、出荷倉庫判定装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、出荷倉庫判定装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0053】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、特に、同一の商品を複数の倉庫に保管する業態または取引先によって出荷倉庫を変える必要がある業態において有用である。
【符号の説明】
【0055】
100 出荷倉庫判定装置
102 制御部
102a マスタメンテ部
102b 受注登録部
102c 出荷倉庫判定部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 倉庫判定マスタ
106b 現在庫情報
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6