(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】シャッター装置の座板
(51)【国際特許分類】
E06B 9/17 20060101AFI20240229BHJP
E06B 9/84 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
E06B9/17 U
E06B9/84 C
(21)【出願番号】P 2020195704
(22)【出願日】2020-11-26
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【氏名又は名称】小池 勇三
(74)【代理人】
【識別番号】100095212
【氏名又は名称】安藤 武
(72)【発明者】
【氏名】▲吉田▼ 展行
【審査官】小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-52530(JP,A)
【文献】特開2003-239656(JP,A)
【文献】特開2007-162427(JP,A)
【文献】特開2014-25286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/17
E06B 9/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッターカーテンが左右両側のガイドレールに案内されて開閉移動するシャッター装置の前記シャッターカーテンの下端部に設けられた座板であって、
内側に配置された座板内部材と、この座板内部材の外側の少なくとも一部に、座板長さ方向の長さをもって被せられた座板カバー部材とを含んで構成されているシャッター装置の座板において、
前記座板カバー部材が、前記座板長さ方向となっている左右方向に分割された複数個の分割カバー部材により形成されているとともに、それぞれが前記座板内部材に固定されているこれらの分割カバー部材のうちには、前記左右方向に隣り合って並設されている2個の分割カバー部材同士が座板内外方向の重なり部分をもって配置されているものがあり、少なくとも1個の前記重なり部分に座板内外方向のすき間が設けられていることを特徴とするシャッター装置の座板。
【請求項2】
請求項1に記載のシャッター装置の座板において、前記座板長さ方向の中央箇所には、前記複数個の分割カバー部材のうちの1個の分割カバー部材が第1分割カバー部材として配置され、この第1分割カバー部材は、前記すき間付きの前記重なり部分をもって配置されている前記2個の分割カバー部材のうち、前記座板内部材から遠い位置に配置されている分割カバー部材であって、前記第1分割カバー部材の左右両側に配置されている2個の第2分割カバー部材は、前記重なり部分をもって配置されている前記2個の分割カバー部材のうち、前記座板内部材に近い位置に配置されている分割カバー部材となっていることを特徴とするシャッター装置の座板。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシャッター装置の座板において、前記すき間付きの前記重なり部分をもって配置されている前記2個の分割カバー部材のうち、前記座板内部材から遠い位置に配置されている分割カバー部材と、前記座板内部材との間には、スペース部材が介設され、前記座板内部材から遠い位置に配置されている前記分割カバー部材は、前記スペース部材を介して前記座板内部材に固定されていることを特徴とするシャッター装置の座板。
【請求項4】
請求項3に記載のシャッター装置の座板において、前記スペース部材に、前記座板内部材から遠い位置に配置されている前記分割カバー部材を前記座板内部材に結合するための結合具の軸部が貫通していることにより、前記座板内部材から遠い位置に配置されている前記分割カバー部材は、前記結合具によって前記スペース部材を介して前記座板内部材に固定されていることを特徴とするシャッター装置の座板。
【請求項5】
シャッターカーテンが左右両側のガイドレールに案内されて開閉移動するシャッター装置の前記シャッターカーテンの下端部に設けられた座板であって、
内側に配置された座板内部材と、この座板内部材の外側の少なくとも一部に、座板長さ方向の長さをもって被せられた座板カバー部材とを含んで構成されているシャッター装置の座板において、
前記座板カバー部材が、前記座板長さ方向となっている左右方向に分割された複数個の分割カバー部材により形成されているとともに、これらの分割カバー部材のうちには、前記左右方向に隣り合って並設されている2個の分割カバー部材同士が座板内外方向の重なり部分をもって配置されているものがあり、少なくとも1個の前記重なり部分における前記2個の分割カバー部材のうち、少なくとも一方の分割カバー部材が、前記座板内部材に対して前記左右方向にずれ移動可能となっていることを特徴とするシャッター装置の座板。
【請求項6】
請求項5に記載のシャッター装置の座板において、前記重なり部分をもって配置されている前記2個の分割カバー部材同士は、前記重なり部分において接触していることを特徴とするシャッター装置の座板。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のシャッター装置の座板において、前記重なり部分をもって配置されている前記2個の分割カバー部材のうち、前記他方の分割カバー部材も、前記座板内部材に対して前記左右方向にずれ移動可能となっていることを特徴とするシャッター装置の座板。
【請求項8】
請求項5~7のいずれかに記載のシャッター装置の座板において、前記一方の分割カバー部材は、前記座板長さ方向の中央箇所に配置されている第1分割カバー部材となっているとともに、この第1分割カバー部材は、前記重なり部分をもって配置されている前記2個の分割カバー部材のうち、前記座板内部材から遠い位置に配置されている分割カバー部材となっていることを特徴とするシャッター装置の座板。
【請求項9】
請求項8に記載のシャッター装置の座板において、前記第1分割カバー部材と、前記座板内部材との間には、スペース部材が介設され、前記第1分割カバー部材は、前記スペース部材を介して前記座板内部材に配置されていることを特徴とするシャッター装置の座板。
【請求項10】
請求項5~9のいずれかに記載のシャッター装置の座板において、前記重なり部分をもって配置されている前記2個の分割カバー部材のうち、前記座板内部材に対して前記左右方向にずれ移動可能となっている前記分割カバー部材と、前記座板内部材には、これらの分割カバー部材と座板内部材とを結合するための結合具の軸部が貫通した孔が形成され、これらの孔のうち、少なくとも一方の孔が前記左右方向に長い長孔となっていることにより、前記左右方向にずれ移動可能となっている前記分割カバー部材が、前記座板内部材に対して前記長孔の前記左右方向の長さ寸法分だけ前記左右方向にずれ移動可能となっていることを特徴とするシャッター装置の座板。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載のシャッター装置の座板において、座板本体と、この座板本体の下側に配置され、前記座板本体に対して昇降自在となっている昇降体とを含んで構成されている座板であって、前記分割カバー部材は、前記座板本体と前記昇降体のうち、少なくとも前記座板本体に設けられていることを特徴とするシャッター装置の座板。
【請求項12】
請求項1~10のいずれかに記載のシャッター装置の座板において、前記シャッターカーテンのカーテン本体に結合された立上り部と、この立上り部が立ち上がっている座板主部とを含んで構成されている座板であって、前記分割カバー部材は、少なくとも前記座板主部に設けられていることを特徴とするシャッター装置の座板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物等に設置されるシャッター装置の開閉移動するシャッターカーテンの下端部に設けられる座板に係り、出入口をシャッターカーテンで開閉する出入口用シャッター装置を含む各種のシャッター装置に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、シャッターカーテンが左右両側のガイドレールに案内されて開閉移動するシャッター装置が示されており、このシャッターカーテンの下端部には座板が設けられているとともに、この座板は、内側に配置された座板内部材と、この座板内部材の外側の少なくとも一部に、座板長さ方向の長さをもって被せられた座板カバー部材とを含んで構成されたものとなっている。このように座板を、内側に配置された座板内部材の外側の少なくとも一部に、座板長さ方向の長さを有する座板カバー部材を被せたものとすることにより、例えば、火災等による熱を座板が受けても、座板内部材よりも耐熱性を有する座板カバー部材により、熱による影響が座板に生ずることを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように内側に配置された座板内部材の外側の少なくとも一部に、座板長さ方向の長さを有する座板カバー部材を被せたものとなっている従来の座板は、座板カバー部材が、座板長さ方向である左右方向に連続している1個のものとなっているものや、座板カバー部材が、左右方向に分割された複数個の分割カバー部材の並設により形成されたものとなっており、座板カバーが、左右方向に分割された複数個の分割カバー部材の並設により形成されたものとなっている座板については、左右方向に隣り合って並設されている2個の分割カバー部材の端面同士が突き当てられており、そして、上述の1個の座板カバー部材や、複数個の分割カバー部材は、座板内部材に固定されている。
【0005】
これによると、座板の長さ方向のそれぞれの端部がガイドレールの内部に挿入されていないシャッター装置は、もちろんのこと、座板の長さ方向のそれぞれの端部の少なくとも一部がガイドレールの内部に挿入されているシャッター装置でも、例えば、台風による強風時において、シャッターカーテンが大きな風圧を受けて、座板にもシャッターカーテンの厚さ方向への撓み変形荷重が作用したときに、座板内部材に固定されている1個の座板カバー部材や、複数個の分割カバー部材は、座板の強度を大きくする部材となっているため、これらの1個の座板カバー部材や複数個の分割カバー部材によって座板のシャッターカーテンの厚さ方向への柔軟性が低下していることにより、シャッターカーテンの厚さ方向へ大きく撓み変形できない座板に損傷などが発生するおそれが生ずる。
【0006】
本発明の目的は、座板内部材の外側に、座板長さ方向の長さを有する座板カバー部材が被せられていても、シャッターカーテンの厚さ方向への柔軟性を備えているシャッター装置の座板を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るシャッター装置の座板は、シャッターカーテンが左右両側のガイドレールに案内されて開閉移動するシャッター装置の前記シャッターカーテンの下端部に設けられた座板であって、内側に配置された座板内部材と、この座板内部材の外側の少なくとも一部に、座板長さ方向の長さをもって被せられた座板カバー部材とを含んで構成されているシャッター装置の座板において、前記座板カバー部材が、前記座板長さ方向となっている左右方向に分割された複数個の分割カバー部材により形成されているとともに、それぞれが前記座板内部材に固定されているこれらの分割カバー部材のうちには、前記左右方向に隣り合って並設されている2個の分割カバー部材同士が座板内外方向の重なり部分をもって配置されているものがあり、少なくとも1個の前記重なり部分に座板内外方向のすき間が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
このように本発明に係るシャッター装置の座板は、内側に配置された座板内部材の外側の少なくとも一部に、座板カバー部材が座板長さ方向の長さをもって被せられることにより構成されているとともに、この座板カバー部材は、座板長さ方向となっている左右方向に分割された複数個の分割カバー部材により形成されており、それぞれが座板内部材に固定されているこれらの分割カバー部材のうちには、左右方向に隣り合って並設されている2個の分割カバー部材同士が座板内外方向の重なり部分をもって配置されているものがあり、少なくとも1個の重なり部分には、座板内外方向のすき間が設けられているため、例えば、台風による強風時において、シャッターカーテンが大きな風圧を受けて、座板にシャッターカーテンの厚さ方向への撓み変形荷重が作用したときには、すき間付きの重なり部分をもって配置されている2個の分割カバー部材のうち、一方の分割カバー部材が他方の分割カバー部材に対して前記すき間の分だけシャッターカーテンの厚さ方向へ変形することが許容されることになる。これを言い換えると、座板内部材と複数個の分割カバー部材とを含んで構成されている座板は、前記すき間によってシャッターカーテンの厚さ方向への柔軟性を備えていることになり、このため、座板がシャッターカーテンの厚さ方向に充分に撓み変形することが可能となって、座板の安全性を確保することができる。
【0009】
以上の本発明のシャッター装置の座板において、前記重なり部分の個数は、座板長さ方向において、1個でもよく、あるいは、複数個でもよい。重なり部分の個数が、座板長さ方向において、1個である場合には、この重なり部分に、座板内外方向のすき間が設けられ、また、重なり部分の個数が、座板長さ方向において、複数個である場合には、少なくとも1個の重なり部分に、座板内外方向のすき間を設ければよい。
【0010】
また、以上の本発明のシャッター装置の座板において、前記すき間付きの前記重なり部分をもって配置される前記2個の分割カバー部材は、座板長さ方向の任意の箇所に配置することができる。その一つの例は、座板長さ方向の中央箇所に、前記複数個の分割カバー部材のうちの1個の分割カバー部材を第1分割カバー部材として配置するとともに、この第1分割カバー部材を、前記すき間付きの前記重なり部分をもって配置される前記2個の分割カバー部材のうち、前記座板内部材から遠い位置に配置される分割カバー部材とし、第1分割カバー部材の左右両側に配置される2個の第2分割カバー部材を、前記すき間付きの前記重なり部分をもって配置される前記2個の分割カバー部材のうち、前記座板内部材に近い位置に配置される分割カバー部材とすることである。また、他の例は、座板長さ方向の端部の箇所又は端部に近い箇所に、前記複数個の分割カバー部材のうちの1個の分割カバー部材を第1分割カバー部材として配置するとともに、この第1分割カバー部材を、前記すき間付きの前記重なり部分をもって配置される前記2個の分割カバー部材のうち、前記座板内部材から遠い位置に配置される分割カバー部材とし、第1分割カバー部材よりも座板中央箇所側に配置される第2分割カバー部材を、前記すき間付きの前記重なり部分をもって配置される前記2個の分割カバー部材のうち、前記座板内部材に近い位置に配置される分割カバー部材とすることである。
【0011】
これらのうち、前者のように座板長さ方向の中央箇所に、前記複数個の分割カバー部材のうちの1個の分割カバー部材を第1分割カバー部材として配置するとともに、この第1分割カバー部材を、前記すき間付きの前記重なり部分をもって配置される前記2個の分割カバー部材のうち、前記座板内部材から遠い位置に配置される分割カバー部材とし、第1分割カバー部材の左右両側に配置される2個の第2分割カバー部材を、前記すき間付きの前記重なり部分をもって配置される前記2個の分割カバー部材のうち、前記座板内部材に近い位置に配置される分割カバー部材とすると、座板長さ方向の中央箇所は、強風の風圧等による荷重により座板がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形する際に、最も大きく撓み変形する箇所であるため、座板長さ方向の中央箇所に配置されていて、座板内部材から遠い位置に配置されている第1分割カバー部材を、座板内部材による影響をなくして又は少なくして、撓み変形させながら上記荷重の作用方向に応じて充分に伸び変形又は圧縮変形させることができ、これにより、座板に、シャッターカーテンの厚さ方向への柔軟性を一層有効に備えさせることができるようになる。
【0012】
また、前記すき間付きの前記重なり部分をもって配置されている2個の分割カバー部材のうち、座板内部材から遠い位置に配置されている分割カバー部材と、座板内部材との間に、スペース部材を介設し、座板内部材から遠い位置に配置されている分割カバー部材を、このスペース部材を介して座板内部材に固定することが好ましい。
【0013】
これによると、前記すき間付きの前記重なり部分をもって配置されている2個の分割カバー部材のうち、座板内部材から遠い位置に配置されている分割カバー部材と、座板内部材との間に、座板内部材に近い位置に配置されている分割カバー部材の厚さ寸法よりも大きいすき間が存在していても、座板内部材から遠い位置に配置されている分割カバー部材が、予期しない外力等によって座板内部材側へ窪み変形することを、スペース部材により防止できるようになる。
【0014】
また、このように前記すき間付きの前記重なり部分をもって配置されている2個の分割カバー部材のうち、座板内部材から遠い位置に配置されている分割カバー部材と、座板内部材との間に、スペース部材を介設し、座板内部材から遠い位置に配置されている分割カバー部材を、このスペース部材を介して座板内部材に固定する場合には、座板内部材にスペース部材を溶接やビス等の結合具により結合し、さらに、スペース部材に分割カバー部材を溶接や別のビス等の結合具により結合してもよく、あるいは、スペース部材に、座板内部材から遠い位置に配置されている分割カバー部材を座板内部材に結合するための結合具の軸部を貫通させることにより、座板内部材から遠い位置に配置されている分割カバー部材を、前記軸部を有する前記結合具により、スペース部材を介して座板内部材に固定するようにしてもよい。
【0015】
これらのうち、後者のようにスペース部材に、座板内部材から遠い位置に配置されている分割カバー部材を座板内部材に結合するための結合具の軸部を貫通させることによって、座板内部材から遠い位置に配置されている分割カバー部材を、前記軸部を有する前記結合具により、スペース部材を介して座板内部材に固定するようにすると、分割カバー部材をスペース部材を介して座板内部材に固定するための作業を、前記軸部を有する前記結合具により、スペース部材を座板内部材に固定するための作業と同時に、かつ簡単な作業として実施できることになる。
【0016】
また、本発明に係るシャッター装置の座板は、シャッターカーテンが左右両側のガイドレールに案内されて開閉移動するシャッター装置の前記シャッターカーテンの下端部に設けられた座板であって、内側に配置された座板内部材と、この座板内部材の外側の少なくとも一部に、座板長さ方向の長さをもって被せられた座板カバー部材とを含んで構成されているシャッター装置の座板において、前記座板カバー部材が、前記座板長さ方向となっている左右方向に分割された複数個の分割カバー部材により形成されているとともに、これらの分割カバー部材のうちには、前記左右方向に隣り合って並設されている2個の分割カバー部材同士が座板内外方向の重なり部分をもって配置されているものがあり、少なくとも1個の前記重なり部分における前記2個の分割カバー部材のうち、少なくとも一方の分割カバー部材が、前記座板内部材に対して前記左右方向にずれ移動可能となっていることを特徴とするものである。
【0017】
以上のようにこの発明に係るシャッター装置の座板でも、座板カバー部材が、座板長さ方向となっている左右方向に分割された複数個の分割カバー部材により形成されているとともに、これらの分割カバー部材のうちには、左右方向に隣り合って並設されている2個の分割カバー部材同士が座板内外方向の重なり部分をもって配置されているものがあり、少なくとも1個の重なり部分における前記2個の分割カバー部材のうち、少なくとも一方の分割カバー部材が、座板内部材に対して左右方向にずれ移動可能となっているため、この一方の分割カバー部材は、座板内部材に拘束されていない。このため、例えば、台風による強風時において、シャッターカーテンが大きな風圧を受けて、座板にシャッターカーテンの厚さ方向への撓み変形荷重が作用したときには、座板内部材に対して左右方向にずれ移動可能となっている分割カバー部材が、座板内部材によって拘束されることなく、この座板内部材に対して左右方向にずれ移動できることになり、このため、このずれ移動できる分だけ座板は、シャッターカーテンの厚さ方向への柔軟性を備えていることになり、これにより、座板がシャッターカーテンの厚さ方向に大きく撓み変形することが可能となって、座板の安全性を確保することができる。
【0018】
なお、この発明のシャッター装置の座板においても、前記重なり部分の個数は、座板長さ方向において、1個でもよく、あるいは、複数個でもよい。重なり部分の個数が、座板長さ方向において、1個である場合には、この重なり部分をもって配置されている前記2個の分割カバー部材のうち、少なくとも一方の分割カバー部材を、座板内部材に対して左右方向にずれ移動可能とし、また、重なり部分の個数が、座板長さ方向において、複数個である場合には、少なくとも1個の重なり部分において、この重なり部分をもって配置されている前記2個の分割カバー部材のうち、少なくとも一方の分割カバー部材を、座板内部材に対して左右方向にずれ移動可能とすればよい。
【0019】
また、この発明に係るシャッター装置の座板において、前記重なり部分をもって配置されている前記2個の分割カバー部材同士を、前述したシャッター装置の座板と同様に、座板内外方向のすき間をあけて配置されるものとしてもよく、あるいは、前記重なり部分において接触するものとしてもよい。
【0020】
これらのうち、後者のように前記重なり部分をもって配置されている前記2個の分割カバー部材同士を、前記重なり部分において接触するものとすると、例えば、塵埃等が前記2個の分割カバー部材の間に侵入することをなくすことができる。
【0021】
また、この発明に係るシャッター装置の座板において、左右方向に隣り合って並設されていて、座板内外方向の重なり部分をもって配置されている前記2個の分割カバー部材のうち、一方の分割カバー部材だけを、座板内部材に対して左右方向にずれ移動可能としてもよく、あるいは、一方の分割カバー部材と他方の分割カバー部材を、すなわち、両方の分割カバー部材を、座板内部材に対して左右方向にずれ移動可能としてもよい。
【0022】
これらのうち、後者のように、左右方向に隣り合って並設されていて、座板内外方向の重なり部分をもって配置されている前記2個の分割カバー部材のそれぞれを、座板内部材に対して左右方向にずれ移動可能とすると、座板は、シャッターカーテンの厚さ方向への一層大きな柔軟性を備えることになり、このため、座板をシャッターカーテンの厚さ方向に一層大きく撓み変形させることが可能となる。
【0023】
また、この発明に係るシャッター装置の座板でも、座板内部材に対して左右方向にずれ移動可能となる分割カバー部材は、座板長さ方向の任意の箇所に配置することができる。その一つの例は、座板内部材に対して左右方向にずれ移動可能となっている前述の一方の分割カバー部材を、座板長さ方向の中央箇所に配置された第1分割カバー部材とするとともに、この第1分割カバー部材を、前記重なり部分をもって配置される前記2個の分割カバー部材のうち、座板内部材から遠い位置又は座板内部材に近い位置に配置される分割カバー部材とすることである。また、他の例は、座板内部材に対して左右方向にずれ移動可能となっている前述の一方の分割カバー部材を、座板長さ方向の端部の箇所又は端部に近い箇所に配置された第1分割カバー部材とするとともに、この第1分割カバー部材を、前記重なり部分をもって配置される前記2個の分割カバー部材のうち、座板内部材から遠い位置又は座板内部材に近い位置に配置される分割カバー部材とすることである。
【0024】
これらのうち、座板内部材に対して左右方向にずれ移動可能となっている前述の一方の分割カバー部材を、座板長さ方向の中央箇所に配置された第1分割カバー部材とするとともに、この第1分割カバー部材を、前記重なり部分をもって配置される前記2個の分割カバー部材のうち、座板内部材から遠い位置に配置される分割カバー部材とすると、座板長さ方向の中央箇所は、強風の風圧等による荷重により座板がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形する際に、最も大きく撓み変形する箇所であるため、座板内部材に対して左右方向にずれ移動可能となって座板長さ方向の中央箇所に配置されている前記第1分割カバー部材が、座板内部材から遠い位置に配置されていることにより、この第1分割カバー部材を、座板内部材によって拘束されることなく、撓み変形させながら、上記荷重の作用方向に応じて、左右方向のずれ移動による伸び変形又は圧縮変形させることができ、これにより、座板に、シャッターカーテンの厚さ方向への柔軟性を一層有効に備えさせることができるようになる。
【0025】
また、上述のように、座板内部材に対して左右方向にずれ移動可能となっている前記一方の分割カバー部材を、座板長さ方向の中央箇所に配置された第1分割カバー部材とするとともに、この第1分割カバー部材を、前記重なり部分をもって配置される前記2個の分割カバー部材のうち、座板内部材から遠い位置に配置される分割カバー部材とする場合には、第1分割カバー部材を、スペース部材を介して座板内部材に配置することが好ましい。
【0026】
これによると、座板内部材から遠い位置に配置されている第1分割カバー部材と、座板内部材との間に、座板内部材に近い位置に配置されている分割カバー部材の厚さ寸法分に相当するすき間が存在していても、座板内部材から遠い位置に配置されている第1分割カバー部材が、予期しない外力等によって座板内部材側へ窪み変形することを、スペース部材により防止できるようになる。
【0027】
さらに、この発明に係るシャッター装置の座板において、前記重なり部分をもって配置される前記2個の分割カバー部材のうち、前記一方の分割カバー部材だけを、又は両方の分割カバー部材を、座板内部材に対して左右方向にずれ移動可能とするためには、例えば、座板内部材に対して左右方向にずれ移動可能となっている分割カバー部材と、座板内部材とに、これらの分割カバー部材と座板内部材とを結合するための結合具の軸部が貫通した孔を形成し、これらの孔のうち、少なくとも一方の孔を左右方向に長い長孔とすることにより、左右方向にずれ移動可能となっている分割カバー部材を、座板内部材に対して長孔の左右方向の長さ寸法分だけ左右方向にずれ移動できるようにしてもよい。
【0028】
以上説明したそれぞれの本発明のシャッター装置の座板において、座板内部材の外側に被せられる座板カバー部材が、左右方向に分割された複数個の分割カバー部材により形成されていても、左右方向に隣り合って並設されている2個の分割カバー部材同士は、座板内外方向の重なり部分をもって配置されるため、これらの分割カバー部材が有する耐熱性等により座板内部材を有効に保護することができる。
【0029】
また、以上説明したそれぞれの本発明は、座板が各種形態によって形成されているシャッター装置に適用することができる。その一つのシャッター装置の座板は、座板本体と、この座板本体の下側に配置され、前記座板本体に対して昇降自在となっている昇降体とを含んで構成されているものであり、このような座板については、前述した分割カバー部材を、座板本体と昇降体のうち、少なくとも座板本体に設けることが好ましく、もちろん、座板本体と昇降体の両方に設けてもよい。
【0030】
また、以上説明したそれぞれの本発明は、座板が、シャッターカーテンのカーテン本体に結合された立上り部と、この立上り部が立ち上がっている座板主部とを含んで構成されているシャッター装置にも適用することができ、このような座板については、前述した分割カバー部材を、立上り部と座板主部のうち、少なくとも座板主部に設けることが好ましく、もちろん、座板主部と立上り部の両方に設けてもよい。
【0031】
さらに、以上説明したそれぞれのシャッター装置の座板は、シャッターカーテンが、このシャッターカーテンの厚さ方向への風圧等の荷重を受けることが予想される任意の用途のシャッター装置に適用することができ、その一つのシャッター装置は、シャッターカーテンにより建物やガレージ等の出入口が開閉される出入口用シャッター装置であり、また、他のシャッター装置は、窓用シャッター装置である。さらに、以上説明したそれぞれのシャッター装置の座板は、火災等の発生時に防災区画を形成するために全閉となるシャッターカーテンに、炎や煙等の圧力や、排気による負圧が作用する防災用シャッター装置にも適用することができ、さらに、シャッターカーテンが防水のために全閉となるシャッター装置にも適用することができる。
【0032】
さらに、以上説明したそれぞれのシャッター装置の座板は、新たに建築された建物等に設置されるシャッター装置や、改修されるシャッター装置に適用することができ、さらには、既に設置されているシャッター装置にも適用することができる。
【0033】
また、以上説明したそれぞれのシャッター装置の座板は、座板を除くシャッターカーテンの全体部分又は略全体又は一部の部分が、多数のスラットの連設で形成されているスラット式シャッター装置や、複数のパネルの連設で形成されているパネル式シャッター装置、シートで形成されているシート式シャッター装置、さらには、これらの部材の複合で形成されている複合式シャッター装置等に適用することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によると、シャッター装置の座板が、座板内部材の外側に、座板長さ方向の長さを有する座板カバー部材が被せられたものとなっていても、座板にシャッターカーテンの厚さ方向への柔軟性を備えさせることができるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る座板を備えているシャッター装置の全閉時を室外側から見た全体正面図であって、座板が座板本体と昇降体とを含んで構成されているとともに、座板の座板内部材に分割カバー部材が固定されている実施形態について示す図である。
【
図3】
図3は、
図1の座板の部分を拡大して示す正面図である。
【
図8】
図8は、シャッターカーテンが全閉位置から開き移動した後の状態を示す
図5と同様の図である。
【
図9】
図9は、
図4の一部拡大図であって、台風の強風の風圧等により分割カバー部材等がシャッターカーテンの厚さ方向に撓み変形することを二点鎖線で示した図である。
【
図10】
図10は、座板が座板本体と昇降体とを含んで構成されているシャッター装置において、座板の座板内部材に対して分割カバー部材が左右方向にずれ移動可能となっている実施形態について示す
図3と同様の図である。
【
図16】
図16は、座板が立上り部と座板主部とを含んで構成されているとともに、立上り部と座板主部に分割カバー部材が固定されて配置されている実施形態について示す
図5と同様の図である。
【
図17】
図17は、座板が立上り部と座板主部とを含んで構成されているとともに、立上り部と座板主部に分割カバー部材が左右方向にずれ移動可能となって配置されている実施形態について示す
図12と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る座板を備えているシャッター装置の全体正面図が示されており、このシャッター装置は、倉庫等の建物の出入口に設置されている出入口用シャッター装置であって、
図1は、シャッターカーテンの全閉時におけるシャッター装置を室外側から見た図である。この出入口用シャッター装置は、壁等の建物躯体に取り付けられて左右両側に配置されたガイドレール1により案内されて上下に開閉移動自在となっているシャッターカーテン2が、カーテン本体3と、このカーテン本体3の下端部に設けられた座板4とを備えているものとなっており、シャッターカーテン2の略全体を形成しているカーテン本体3は、多数のスラット5が上下に連設されたものとなっている。カーテン本体3の上端は、天井15の上側の天井裏空間において、下がり壁等に結合された左右一対のブラケット6により回転自在に支持されている水平の巻取軸7に連結され、この巻取軸7には、図示されていない操作装置の操作で駆動される電動モータとブレーキの組み合わせからなる開閉機8からの駆動力がスプロケットホイールやチェーン等で構成された伝動手段9を介して伝達され、開閉機8の電動モータからの正逆回転駆動力で巻取軸7が正逆回転することによる巻取軸7のシャッターカーテン2の巻き取り、繰り出しにより、シャッターカーテン2は左右両側のガイドレール1に案内されて上下方向に開閉移動する。
【0037】
閉じ側の下端部が座板4となっているシャッターカーテン2が下側へ閉じ移動して、この座板4が出入口の床面10に当接することにより、シャッターカーテン2は全閉となり、また、シャッターカーテン2が上側へ開き移動して、シャッターカーテン2を上下に挿通させるためのスリットを天井15に形成しているまぐさ部材11の高さ位置に座板4が達することにより、シャッターカーテン2は全開となる。
【0038】
上述したように本実施形態に係るシャッター装置は、シャッターカーテン2が開閉機8からの駆動力で上下方向に開閉移動する電動式シャッター装置となっているが、これから説明するそれぞれの実施形態の座板は、巻取軸の内部に戻しばねが配置されていて、この戻しばねに、シャッターカーテンが下側へ閉じ移動するときの巻取軸の逆回転時において、シャッターカーテンを上側に開き移動させるための巻取軸の正回転を補助するための戻しばね力が蓄圧され、この戻しばね力により、シャッターカーテンを手動操作により上側に軽く開き移動させることができるようになっている手動式シャッター装置にも適用することができる。
【0039】
図1に示されているように、シャッターカーテン2のうち、カーテン本体3の左右両側の部分はガイドレール1の内部に挿入されており、これらのガイドレール1の内部において、カーテン本体3のそれぞれのスラット5のうち、間隔をあけて配置されている所定のスラット5ごとに、抜け出し防止部材12がこれらのスラット5の左右両端部に取り付けられている。本実施形態に係るこれらの抜け出し防止部材12は、
図1のS2-S2線断面図である
図2に示されているように、シャッターカーテン2の厚さ方向両側へ突出した突起部12Aが設けられたT字形状のものであり、それぞれのガイドレール1は、カーテン本体3の左右両側の部分が挿入される開口部1Aにおいて、この開口部1Aについてのシャッターカーテン2の厚さ方向の開口幅寸法を小さくするためのリップ部1B,1Cが設けられたものとなっている。
【0040】
このため、全閉位置に達しているときのシャッターカーテン2や、開閉移動中のシャッターカーテン2に、例えば、台風の強風による風圧がシャッターカーテン2の厚さ方向に作用することにより、カーテン本体3がシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形しても、抜け出し防止部材12の突起部12Aがガイドレール1のリップ部1B,1Cに係止することにより、カーテン本体3の左右両側の部分がガイドレール1の内部から抜け出ることを防止できる。
【0041】
図3には、
図1で示されている座板4の部分の拡大図が示されている。この
図3に示されているように、座板4は、左右両側のガイドレール1の間の内幅寸法と同じ又はこの内幅寸法よりも少し短い左右方向の長さ寸法を有しており、このため、座板4の長さ方向の両端部は、左右両側のガイドレール1の内部に挿入されていない。
図4は、
図3のS4-S4線断面図であり、また、
図5、
図6及び
図7は、
図4のS5-S5線断面図、
図4のS6-S6線断面図及び
図4のS7-S7線断面図である。これらの
図5~
図7に示されているように、座板4は、座板本体21と、この座板本体21の下側において、座板本体21に対して上下方向に昇降自在に配置された昇降体22とを含んで構成されたものとなっており、この座板4は、前述した出入口に存在する障害物を検出することにより、シャッターカーテン2の閉じ移動を停止させることができるシャッター装置に用いられるものである。
【0042】
図5に示されているように、座板4を構成する部材のうち、昇降体22には、上方へ延出していて、座板本体21の下面に形成された開口部21Aから座板本体21の内部に侵入した延出部22Aが設けられ、シャッターカーテン2の厚さ方向に一対設けられている延出部22Aのそれぞれの先端には、シャッターカーテン2の厚さ方向外側に突出した係止部22Bが設けられている。シャッターカーテン2が上下方向に開閉移動しているときや前述の全開位置に達しているときには、
図8に示されているように、係止部22Bが、座板本体21の開口部21Aの外縁部を形成している被係止部21Bに上から係止することにより、昇降体22は、座板本体21に対して最下位置まで下降している。また、座板本体21の内部には、軸部21Cを中心に上下に揺動自在となった揺動部材23と、取付部材24に取り付けられた電気スイッチ等によるセンサ25とが配置されている。また、昇降体22には、下端部がリベット等の結合具26によって昇降体22に結合された押し上げ部材27が立設されている。
【0043】
全開位置に達していたシャッターカーテン2の閉じ移動中において、前述した出入口に障害物が存在すると、昇降体22はこの障害物に当接して停止するとともに、この昇降体22に対して座板本体21はさらに下降するため、昇降体22に設けられている延出部22Aの係止部22Bと押し上げ部材27が、座板本体21の内部に配置されている揺動部材23を軸部21Cを中心に上方へ揺動させ(
図5を参照)、これにより、揺動部材23によってセンサ25が作動する。このセンサ25からの信号は、無線又は有線により、例えば、
図1のまぐさ部材11に配置されている図示外の制御装置に送られ、この制御装置による制御によって
図1の開閉機8の電動モータの駆動が停止してブレーキがオンとなることにより、巻取軸7の回転が停止し、シャッターカーテン2は閉じ移動を停止する。障害物が除去されると、昇降体22が下降することによって揺動部材23は軸部21Cを中心に下方へ揺動するため、センサ25の逆作動により、制御装置からの信号によって開閉機8の電動モータの駆動が開始してブレーキがオフとなることにより、シャッターカーテン2は閉じ移動を開始する。
【0044】
図5に示されているように、座板4が前述した床面10に当接することによりシャッターカーテン2が全閉となっても、センサ25は作動するが、例えば、
図1の巻取軸7に、この巻取軸7の回転数を検出するための巻取軸回転数検出装置を配置し、この巻取軸回転数検出装置により、シャッターカーテン2が全閉位置に達したことを検出し、この巻取軸回転数検出装置からの信号が送られる前述の制御装置の制御により、開閉機8の電動モータの駆動を停止させてブレーキをオンとさせることにより、全閉位置に達したシャッターカーテン2の閉じ移動を停止させるようにしてもよい。このようにする場合には、センサ25から送られる信号は、前述の制御装置において無効とされる。
【0045】
なお、この実施形態における座板4の昇降体22には、前述したように下端部がリベット等の結合具26で結合された押し上げ部材27が設けられ、この結合具26は、昇降体22の下面から下方へ突出している部分を有するものとなっているため、この実施形態において、座板4が全閉位置に達することは、これを言い換えると、シャッターカーテン2が全閉となることは、結合具26のうち、昇降体22の下面から下方へ突出している部分が床面10に当接することである。
【0046】
図5に示されているように、座板4における座板本体21は、内側の座板内部材31と、それぞれが、シャッターカーテン2の厚さ方向の両側において、座板内部材31の外側に配置されていて、座板内部材31の下端部31Aを除く、座板内部材31の外側全体に座板4の長さ方向の長さをもって被せられた座板カバー部材32とを含んで構成されたものとなっており、前述した軸部21Cは、座板内部材31に設けられている。また、それぞれの座板カバー部材32は、座板内部材31の下端部31Aを除く、座板内部材31の外側全体に被せられた本体部32Aと、シャッターカーテン2のカーテン本体3における最下段のスラット5Aの外側に被せられた立上り部32Bとからなる。
【0047】
また、
図3に示されているように、座板カバー部材32は、座板4の長さ方向である左右方向に分割された3個の分割カバー部材33,34,35により形成されており、シャッターカーテン2の厚さ方向の両側にそれぞれ配置されているこれらの分割カバー部材33,34,35は、座板カバー部材32を構成する部材となっているため、
図5~
図7に示されているように、分割カバー部材33,34,35は、座板カバー部材32と同様に、座板内部材31の下端部31Aを除く、座板内部材31の外側全体に被せられた本体部33A,34A,35Aと、シャッターカーテン2のカーテン本体3における最下段のスラット5Aの外側に被せられた立上り部33B,34B,35Bとからなる。
【0048】
そして、
図3及び
図4に示されているように、座板4の長さ方向となっている左右方向に並設されている分割カバー部材33,34,35のうち、分割カバー部材34は、座板4の長さ方向の中央箇所に配置されている第1分割カバー部材34となっており、この第1分割カバー部材34と、第1分割カバー部材34の左右両側に配置されている第2分割カバー部材33,35とは、座板4の内外方向の重なり部分36,37をもって左右方向に隣り合って並設されている。すなわち、
図4のS6-S6線断面図である
図6に示されているように、第1分割カバー部材34は、座板内部材31から遠い位置に配置されているのに対し、第2分割カバー部材35は、座板内部材31に近い位置に配置されており、また、
図4のS7-S7線断面図である
図7に示されているように、第2分割カバー部材33も、座板内部材31に近い位置に配置されており、第1分割カバー部材34と第2分割カバー部材33,35は、
図3及び
図4から分かるように、重なり部分36,37が生ずる左右方向の長さ寸法を有している。
【0049】
また、それぞれの第2分割カバー部材33,35が座板内部材31に接触して配置されているのに対し、
図4のS5-S5線断面図である
図5に示されているように、第1分割カバー部材34と座板内部材31との間には、スペース部材38が介設されている。
図3及び
図4に示されているように、このスペース部材38は、本実施形態では、左右方向に2個配置されており、これらのスペース部材38は、左右方向の幅寸法が小さい帯状部材であり、これらのスペース部材38も、座板カバー部材32や分割カバー部材33,34,35と同様に、
図5に示されているように、座板内部材31の下端部31Aを除く、座板内部材31の外側に被せられた本体部38Aと、シャッターカーテン2のカーテン本体3における最下段のスラット5Aの外側に被せられた立上り部38Bとからなる。
【0050】
また、それぞれのスペース部材38は、第2分割カバー部材33,35よりも少し大きい厚さ寸法を有している。このため、第1分割カバー部材34と第2分割カバー部材33,35との間には、
図3及び
図4で示されている重なり部分36,37において、
図6及び
図7で示されているすき間S1が設けられている。座板4の内外方向のこれらのすき間S1は、第1分割カバー部材34の本体部34Aと第2分割カバー部材33,35の本体部33A,35Aとの間の第1すき間部S1Aと、第1分割カバー部材34の立上り部34Bと第2分割カバー部材33,35の立上り部33B,35Bとの間の第2すき間部S1Bと、第1すき間部S1Aと第2すき間部S1Bを繋ぐ第3すき間部S1Cとからなる。これらの第1、第2及び第3すき間部S1A,S1B,S1Cのうち、第1すき間部S1Aは、重なり部分36,37におけるシャッターカーテン2の厚さ方向の座板4の中心部からシャッターカーテン2の厚さ方向に大きく外れた箇所に設けられたすき間部となっており、また、第2すき間部S1Bは、重なり部分36,37におけるシャッターカーテン2の厚さ方向の座板4の中心部からシャッターカーテン2の厚さ方向に少し外れた箇所に設けられたすき間部となっている。
【0051】
以上において、シャッターカーテン2の厚さ方向の両側にそれぞれ配置されている第2分割カバー部材33,35の本体部33A,35Aは、
図6及び
図7で示されている結合具39により座板内部材31に結合され、
図3に示されているように、それぞれの第2分割カバー部材33,35について、左右方向に複数個配置されているこれらの結合具39は、
図6及び
図7で示す軸部39Aが、第2分割カバー部材33,35の本体部33A,35Aと座板内部材31とを貫通したリベット等である。このため、シャッターカーテン2の厚さ方向の両側にそれぞれ配置されている第2分割カバー部材33,35は、結合具39により座板内部材31に固定されている。また、第2分割カバー部材33,35の立上り部33B,35Bは、
図6及び
図7で示されている結合具40によりシャッターカーテン2のカーテン本体3の最下段のスラット5Aに結合され、
図3に示されているように、それぞれの第2分割カバー部材33,35について、左右方向に複数個配置されているこれらの結合具40は、
図6及び
図7で示す軸部40Aが、第2分割カバー部材33,35の立上り部33B,35Bとスラット5Aとを貫通したリベット等である。
【0052】
さらに、
図5に示されているように、シャッターカーテン2の厚さ方向の両側に配置されている第1分割カバー部材34の本体部34Aは、スペース部材38の本体部38Aを介して座板内部材31に結合具41により結合され、1個のスペース部材38について1個設けられているこの結合具41は、軸部41Aが、第1分割カバー部材34の本体部34Aとスペース部材38の本体部38Aと座板内部材31とを貫通したリベット等である。このため、それぞれの第1分割カバー部材34は、スペース部材38を介して結合具41により座板内部材31に固定されている。また、
図5に示されているように、第1分割カバー部材34の立上り部34Bは、スペース部材38の立上り部38Bを介してシャッターカーテン2のカーテン本体3の最下段のスラット5Aに結合具42により結合され、この結合具42は、軸部42Aが、シャッターカーテン2の厚さ方向の両側に配置されている第1分割カバー部材34の立上り部34Bと、シャッターカーテン2の厚さ方向の両側に配置されているスペース部材38の立上り部38Bと、最下段のスラット5Aとを貫通したリベット等である。
【0053】
以上は、座板4を構成している座板本体21についての説明であり、次に、座板本体21と共に座板4を構成している前述の昇降体22について説明する。この昇降体22も、
図5~
図8に示されているように、座板本体21と同様に、内側の座板内部材51と、この座板内部材51の外側に配置されていて、座板内部材51の上端部51Aを除く、座板内部材51の外側全体に座板4の長さ方向の長さをもって被せられた座板カバー部材52とを含んで構成されたものとなっている。また、座板カバー部材52は、
図3に示されているように、座板4の長さ方向である左右方向に分割された3個の分割カバー部材53,54,55により形成されており、
図5~
図8に示されているように、側断面形状がU字状となっていて、座板4の長さ方向となっている左右方向に並設されているこれらの分割カバー部材53,54,55のうち、分割カバー部材54は、座板4の長さ方向の中央箇所に配置されている第1分割カバー部材54となっており、この第1分割カバー部材54と、第1分割カバー部材54の左右両側に配置されている第2分割カバー部材53,55とは、
図3で示されている座板4の内外方向の重なり部分56,57をもって左右方向に隣り合って並設されている。
【0054】
そして、
図6に示されているように、第1分割カバー部材54は、座板内部材31から遠い位置に配置されているのに対し、第2分割カバー部材55は、座板内部材31に近い位置に配置されており、また、
図7に示されているように、第2分割カバー部材53も、座板内部材31に近い位置に配置されており、第1分割カバー部材54と第2分割カバー部材53,55は、重なり部分56,57が生ずる左右方向の長さ寸法を有している。
【0055】
第2分割カバー部材53,55は、
図6及び
図7に示されているように、座板内部材51に接触しており、これに対して
図5に示されているように、第1分割カバー部材54と座板内部材51との間には、スペース部材58が介設されている。
図3に示されているように、このスペース部材58は、本実施形態では、左右方向に2個配置されており、これらのスペース部材58も、前述したスペース部材38と同様に、左右方向の幅寸法が小さい帯状部材である。
【0056】
それぞれのスペース部材58は、第2分割カバー部材53,55よりも少し大きい厚さ寸法を有している。このため、第1分割カバー部材54と第2分割カバー部材53,54との間には、
図3で示す重なり部分56,57において、
図6及び
図7で示されているすき間S2が設けられている。座板4の内外方向のこれらのすき間S2は、座板4におけるシャッターカーテン2の厚さ方向の両側の第1すき間部S2Aと、座板4における下側の第2すき間部S2Bとからなる。これらの第1及び第2すき間部S2A、S2Bのうち、第1すき間部S2Aは、重なり部分56,57におけるシャッターカーテン2の厚さ方向の座板4の中心部からシャッターカーテン2の厚さ方向に大きく外れた箇所に設けられたすき間部となっている。
【0057】
図5に示されているように、第1分割カバー部材54は、前述した押し上げ部材27を昇降体22に結合している結合具26により、スペース部材58を介して座板内部材51に結合され、リベット等であるこの結合具26の軸部26Aは、第1分割カバー部材54とスペース部材58と座板内部材51と押し上げ部材27とを貫通している。このため、第1分割カバー部材54は、スペース部材58を介して座板内部材51に結合具26によって固定されている。また、それぞれの第2分割カバー部材53,55は、
図6及び
図7に示されているように、座板内部材51に結合具26と同様の結合具26’により結合され、
図3に示されているように、それぞれの第2分割カバー部材53,55について、左右方向に複数個配置されているこれらの結合具26’の軸部26’Aは、第2分割カバー部材53,55と座板内部材51と押し上げ部材27とを貫通している。このため、それぞれの第2分割カバー部材53,55は、座板内部材51に結合具26’により固定されている。
【0058】
なお、結合具26,26’が配置されている位置は、座板4の昇降体22におけるシャッターカーテン2の厚さ方向の中央位置である。
【0059】
以上説明した座板4の座板本体21の座板内部材31と、昇降体22の座板内部材51は、例えば、アルミ又はアルミ合金の押し出し成形品により形成されている。これに対して座板本体21の座板カバー部材32を形成している分割カバー部材33,34,35と、昇降体22の座板カバー部材52を形成している分割カバー部材53,54,55は、座板内部材31,51よりも耐熱温度が高い、例えば、スチール製又はステンレス製の折り曲げ品で形成されている。このため、
図1で示されているシャッター装置の設置場所又はこの設置場所の近くで火災が発生しても、この火災の熱による影響を座板4が、座板本体21の分割カバー部材33,34,35と昇降体22の分割カバー部材53,54,55の耐熱性によって受けない又は殆ど受けないようになっている。
【0060】
以上の説明から分かるように、座板本体21の座板カバー部材32を形成している分割カバー部材33,34,35は、座板本体21の座板内部材31に結合具39~42によって固定され、また、昇降体22の座板カバー部材52を形成している分割カバー部材53,54,55は、昇降体22の座板内部材51に結合具26,26’によって固定されているが、座板本体21の第1分割カバー部材34と第2分割カバー部材33,35には、座板4の内外方向の重なり部分36,37が設けられていて、これらの重なり部分36,37には、座板4の内外方向のすき間S1が設けられており、また、昇降体22の第1分割カバー部材54と第2分割カバー部材53,55には、重なり部分56,57が設けられていて、これらの重なり部分56,57には、座板4の内外方向のすき間S2が設けられているため、これらのすき間S1,S2の存在により、座板4の座板本体21と昇降体22は、シャッターカーテン2の厚さ方向についての柔軟性を有している。
【0061】
図9は、
図4の一部拡大図である。この
図9には、例えば、台風の強風による風圧等により、シャッターカーテン2のカーテン本体3の最下段のスラット5Aがこのシャッターカーテン2の厚さ方向である室外側から室内側へ撓み変形することが、二点鎖線Aで示されている。このように最下段のスラット5Aが撓み変形すると、座板4の座板本体21には、室外側から室内側への撓み変形荷重が作用するが、座板本体21の第1分割カバー部材34と第2分割カバー部材33,35には、重なり部分36,37が設けられていて、これらの重なり部分36,37には、座板4の内外方向のすき間S1が設けられているため、第1分割カバー部材34と、第2分割カバー部材33,35のうち、一方の分割カバー部材が他方の分割カバー部材に対してすき間S1の分だけシャッターカーテンの厚さ方向へ変形することが許容されることになる。すなわち、座板4の座板本体21は、すき間S1によってシャッターカーテン2の厚さ方向への上述の柔軟性を備えていることになり、このため、座板本体21がシャッターカーテン2の厚さ方向に大きく撓み変形することが可能となって、座板本体21の安全性を確保することができる。
【0062】
また、座板4の昇降体22についても、この昇降体22の第1分割カバー部材54と第2分割カバー部材53,55には、重なり部分56,57が設けられていて、これらの重なり部分56,57には、座板4の内外方向のすき間S2が設けられているため、第1分割カバー部材54と、第2分割カバー部材53,55のうち、一方の分割カバー部材が他方の分割カバー部材に対してすき間S2の分だけシャッターカーテンの厚さ方向へ変形することが許容され、したがって、座板4の昇降体22も、すき間S2によるシャッターカーテン2の厚さ方向への柔軟性を備えているため、昇降体22がシャッターカーテン2の厚さ方向に大きく撓み変形することが可能となって、昇降体22についても安全性を確保することができる。
【0063】
また、座板本体21に左右方向に並設されている3個の分割カバー部材33,34,35のうち、座板4の長さ方向の中央箇所に配置されている第1分割カバー部材34は、座板本体21の座板内部材31から遠い位置に配置されていて、この座板内部材31に接触しておらず、また、昇降体22に左右方向に並設されている3個の分割カバー部材53,54,55のうち、座板4の長さ方向の中央箇所に配置されている第1分割カバー部材54も、昇降体22の座板内部材51から遠い位置に配置されていて、この座板内部材51に接触していない。このため、座板4の長さ方向の中央箇所が、座板4の全長のうちで台風の強風により風圧等により最も大きく撓み変形する箇所となっていても、これらの第1分割カバー部材34,54は、座板内部材31,51からの大きな影響を受けることなく、
図9の二点鎖線Bで示すように撓み変形しながら、上述の風圧又は吹き返しによる圧力等の荷重の方向に応じて充分に伸び変形又は圧縮変形することができ、また、これらの変形は、すき間S1,S2によっても保障され、これにより、座板本体21と昇降体22に、シャッターカーテン2の厚さ方向への柔軟性を一層有効に備えさせることができる。
【0064】
さらに、座板本体21の3個の分割カバー部材33,34,35のうち、座板4の長さ方向の中央箇所に配置されている第1分割カバー部材34は、スペース部材38を介して座板本体21の座板内部材31に配置され、また、昇降体22の3個の分割カバー部材53,54,55のうち、座板4の長さ方向の中央箇所に配置されている第1分割カバー部材54も、スペース部材58を介して昇降体22の座板内部材51に配置されているため、第1分割カバー部材34,54と座板内部材31,51との間に間隔があっても、第1分割カバー部材34,54が、予期しない外力等によって座板内部材31,51側へ窪み変形することを、スペース部材38,58により有効に防止することができる。
【0065】
また、座板4の長さ方向の中央箇所に配置されている第1分割カバー部材34,54は、軸部26A,26’A,41A,42Aが第1分割カバー部材34,54とスペース部材38,58と座板内部材31,51を貫通する結合具26,26’,41,42により座板内部材31,51に結合されているため、第1分割カバー部材34,54をスペース部材38,58を介して座板内部材31,51に固定する作業を、軸部26A,26’A,41A,42Aを有する結合具26,26’,41,42により、スペース部材38,58を座板内部材31,51に固定する作業と同時に、かつ簡単な作業として実施することができる。
【0066】
なお、以上説明した座板4では、座板本体21の座板内部材31の外側に3個の分割カバー部材33,34,35が被せられることにより、この座板内部材31の座板カバー部材32が形成され、また、昇降体22の座板内部材51の外側に3個の分割カバー部材53,54,55が被せられることにより、この座板内部材51の座板カバー部材52が形成されているが、3個の分割カバー部材33,34,35は、座板4の内外方向の重なり部分36,37をもって配置され、また、3個の分割カバー部材53,54,55も、座板4の内外方向の重なり部分56,57をもって配置されているため、座板カバー部材32,52が、左右方向に分割された複数個の分割カバー部材33,34,35,53,54,55により形成されていても、これらの分割カバー部材33,34,35,53,54,55が有する耐熱性等により、座板内部材31,51を火災等の熱から有効に保護することができる。
【0067】
図10には、別実施形態に係る座板4が示されている。
図11は、
図10のS11-S11線断面図であり、
図12、
図13及び
図14は、
図11のS12-S12線断面図、
図11のS13-S13断面図及び
図11のS14-S14線断面図である。これらの
図12~
図14に示されているように、この実施形態の座板4も、
図3等で示した実施形態の座板4と同様に、座板本体21と、座板本体21の下側に配置され、座板本体21に対して昇降自在となっている昇降体22とを含んで構成されたものとなっている。
【0068】
また、この実施形態でも、
図12~
図14に示されているように、座板本体21の座板内部材31の外側に、座板4の長さ方向の長さをもって被せられている座板カバー部材32は、座板4の長さ方向である左右方向に分割された3個の分割カバー部材33,34,35により形成され、
図11で示されているこれらの分割カバー部材33,34,35のうち、座板4の長さ方向の中央箇所に配置されている第1分割カバー部材34と、この第1分割カバー部材34の左右両側に配置されている第2分割カバー部材33,35は、
図10でも示されている座板4の内外方向に重なり部分36,37をもって配置されている。また、
図12~
図14に示されているように、昇降体22の座板内部材51の外側に、座板4の長さ方向の長さをもって被せられている座板カバー部材52も、座板4の長さ方向である左右方向に分割された3個の分割カバー部材53,54,55により形成され、これらの分割カバー部材53,54,55のうち、座板4の長さ方向の中央箇所に配置されている第1分割カバー部材54と、この第1分割カバー部材54の左右両側に配置されている第2分割カバー部材53,55は、
図10に示されているように、座板4の内外方向に重なり部分56,57をもって配置されている。
【0069】
さらに、
図13及び
図14に示されているように、座板本体21の第2分割カバー部材33,35の本体部33A,35Aは、軸部39Aが第2分割カバー部材33,35の本体部33A,35Aと座板本体21の座板内部材31とを貫通した結合具39により、座板内部材31に結合されているとともに、これらの第2分割カバー部材33,35の立上り部33B,35Bは、軸部40Aが、第2分割カバー部材33,35の立上り部33B,35Bと、シャッターカーテン2のカーテン本体3の最下段のスラット5Aとを貫通した結合具40により、最下段のスラット5Aに結合されている。また、
図13及び
図14に示されているように、昇降体22の第2分割カバー部材53,55は、軸部26’Aが第2分割カバー部材53,55と昇降体22の座板内部材51と前述した押し上げ部材27とを貫通した結合具26’により、座板内部材51に結合されている。
【0070】
また、この実施形態でも、座板本体21の第1分割カバー部材34は、座板本体21の座板内部材31から遠い位置に配置されているとともに、第2分割カバー部材33,35は、座板内部材31に近い位置に、具体的には、この座板内部材31に接触して配置され、また、昇降体22の第1分割カバー部材54は、昇降体22の座板内部材51から遠い位置に配置されているとともに、第2分割カバー部材53,55は、座板内部材51に近い位置に、具体的には、座板内部材51に接触して配置されているが、この実施形態においては、座板本体21の第1分割カバー部材34と、座板本体21の座板内部材31との間に介設されている
図11のスペース部材68は、
図12に示されているように、厚さ寸法が、座板本体21の第2分割カバー部材33,35と同じ又は略同じになっており、また、昇降体22の第1分割カバー部材54と、昇降体22の座板内部材51との間に介設されているスペース部材78も、
図12から分かるように、厚さ寸法が、昇降体22の第2分割カバー部材53,55と同じ又は略同じになっている。
【0071】
したがって、座板本体21の第1分割カバー部材34と第2分割カバー部材33,35は、
図10及び
図11で示されている重なり部分36,37において、互いに接触しており、また、昇降体22の第1分割カバー部材54と第2分割カバー部材53,55も、
図10で示されている重なり部分56,57において、互いに接触している。このため、この実施形態の座板4によると、重なり部分36,37,56,57において、塵埃等が侵入することを防止できる。
【0072】
また、
図12に示されているように、座板本体21の第1分割カバー部材34の本体部34Aは、軸部41Aが、第1分割カバー部材34の本体部34Aとスペース部材68の本体部68Aと座板内部材31とを貫通した結合具41により、座板内部材31に結合されているとともに、座板本体21の第1分割カバー部材34の立上り部34Bは、軸部42Aが、第1分割カバー部材34の立上り部34Bと、スペース部材68の立上り部68Bと、シャッターカーテン2のカーテン本体3の最下段のスラット5Aとを貫通した結合具41により、最下段のスラット5Aに結合されている。
【0073】
さらに、
図12に示されているように、昇降体22の第1分割カバー部材54は、軸部26Aが、第1分割カバー部材54と、スペース部材78と、昇降体22の座板内部材51と、前述した押し上げ部材27とを貫通した結合具26により、座板内部材51に結合されている。
【0074】
図15には、
図11の一部拡大図が示されている。この
図15に示されているように、結合具39の軸部39Aが貫通している座板本体21の第2分割カバー部材33,35の本体部33A,35Aと、座板本体21の座板内部材31とのうち、第2分割カバー部材33,35の本体部33A,35Aには、左右方向に長い長孔80が形成され、この長孔80を結合具39の軸部39Aが貫通している。また、結合具40の軸部40Aが貫通している座板本体21の第2分割カバー部材33,35の立上り部33B,35Bと、シャッターカーテン2のカーテン本体3の最下段のスラット5Aとのうち、第2分割カバー部材33,35の立上り部33B,35Bにも、左右方向に長い長孔81が形成され、この長孔81を結合具40の軸部40Aが貫通している。
【0075】
さらに、
図15に示されているように、結合具41の軸部41Aが貫通している座板本体21の第1分割カバー部材34の本体部34Aと、スペース部材68の本体部68Aと、座板本体21の座板内部材31とのうち、第1分割カバー部材34の本体部34Aには、左右方向に長い長孔82が形成され、この長孔82を結合具41の軸部41Aが貫通している。また、結合具42の軸部42Aが貫通している座板本体21の第1分割カバー部材34の立上り部34Bと、スペース部材68の立上り部68Bと、シャッターカーテン2のカーテン本体3の最下段のスラット5Aとのうち、第1分割カバー部材34の立上り部34Bにも、左右方向に長い長孔83が形成され、この長孔83を結合具42の軸部42Aが貫通している。
【0076】
このため、座板本体21のそれぞれの分割カバー部材33,34,35は、長孔80~83のために、座板本体21の座板内部材31に結合具39~42によって固定されておらず、これらの分割カバー部材33,34,35は、座板内部材31に対して長孔80~83の長さ寸法分だけ左右方向にずれ移動可能となっている。
【0077】
また、昇降体22のそれぞれの分割カバー部材53,54,55を、昇降体22の座板内部材51に結合するために、軸部26A,26’Aが分割カバー部材53,54,55を貫通している前述した結合具26,26’についても、分割カバー部材53,54,55に左右方向に長い形成されている長孔を、これらの結合具26,26’の軸部26A,26’Aが貫通している。このため、昇降体22のそれぞれの分割カバー部材53,54,55も、長孔のために、昇降体22の座板内部材51に結合具26,26’によって固定されておらず、これらの分割カバー部材53,54,55は、座板内部材51に対して長孔の長さ寸法分だけ左右方向にずれ移動可能となっている。
【0078】
したがって、この実施形態に係る座板4では、座板本体21のそれぞれの分割カバー部材33,34,35が左右方向にずれ移動可能となっていることにより、これらの分割カバー部材33,34,35は、座板本体21の座板内部材31に拘束されていないため、この座板本体21についてのシャッターカーテン2の厚さ方向の柔軟性が確保されており、また、昇降体22のそれぞれの分割カバー部材53,54,55も左右方向にずれ移動可能となっていることにより、これらの分割カバー部材53,54,55は、昇降体22の座板内部材51に拘束されていないため、この昇降体22についてのシャッターカーテン2の厚さ方向の柔軟性も確保されている。
【0079】
このため、台風の強風による風圧等の荷重により、シャッターカーテン2のカーテン本体3の最下段のスラット5Aが、
図15の二点鎖線Aのようにシャッターカーテン2の厚さ方向に撓み変形した際には、シャッターカーテン2の厚さ方向の両側において、座板本体21の座板内部材31に配置されている分割カバー部材33,34,35と、昇降体22の座板内部材51に配置されている分割カバー部材53,54,55は、左右方向にずれ移動しながら、スラット5Aの撓み変形に応じて撓み変形して、上述の荷重の方向により伸び変形又は圧縮変形し、座板4全体として柔軟に変形するため、座板4の安全性が確保される。
【0080】
また、この実施形態でも、座板本体21に左右方向に並設されている3個の分割カバー部材33,34,35のうち、座板4の長さ方向の中央箇所に配置されている第1分割カバー部材34は、座板本体21の座板内部材31から遠い位置に配置されていて、この座板内部材31に接触しておらず、また、昇降体22に左右方向に並設されている3個の分割カバー部材53,54,55のうち、座板4の長さ方向の中央箇所に配置されている第1分割カバー部材54も、昇降体22の座板内部材51から遠い位置に配置されていて、この座板内部材51に接触していないため、座板4の長さ方向の中央箇所が、座板4の全長のうちで台風の強風により風圧等により最も大きく撓み変形する箇所となっていても、これらの第1分割カバー部材34,54は、座板内部材31,51からの大きな影響を受けることなく、
図9の二点鎖線Bで示すように撓み変形しながら、上述の風圧又は吹き返しによる圧力等の荷重の方向に応じて、左右方向のずれ移動による伸び変形又は圧縮変形することができ、これにより、座板4全体として一層柔軟に変形するため、座板4の安全性を一層確保することができる。
【0081】
さらに、この実施形態でも、座板本体21の3個の分割カバー部材33,34,35のうち、座板4の長さ方向の中央箇所に配置されている第1分割カバー部材34は、スペース部材68を介して座板本体21の座板内部材31に配置され、また、昇降体22の3個の分割カバー部材53,54,55のうち、座板4の長さ方向の中央箇所に配置されている第1分割カバー部材54も、スペース部材78を介して昇降体22の座板内部材51に配置されているため、第1分割カバー部材34,54と座板内部材31,51との間に間隔があっても、第1分割カバー部材34,54が、予期しない外力等によって座板内部材31,51側へ窪み変形することを、スペース部材68,78により有効に防止することができる。
【0082】
また、座板4の長さ方向の中央箇所に配置されている第1分割カバー部材34,54は、軸部26A,26’A,41A,42Aが第1分割カバー部材34,54とスペース部材68,78と座板内部材31,51を貫通する結合具26,26’,41,42により座板内部材31,51に結合されているため、第1分割カバー部材34,54をスペース部材68,78を介して座板内部材31,51に固定する作業を、軸部26A,26’A,41A,42Aを有する結合具26,26’,41,42により、スペース部材68,78を座板内部材31,51に固定する作業と同時に、かつ簡単な作業として実施することができる。
【0083】
図16に示されている座板84は、これまで説明した座板4と異なり、シャッターカーテン2のカーテン本体3の最下段のスラット5Aに結合された立上り部85と、この立上り部85が立ち上がっている座板主部86とを含んで構成されたものとなっている。側断面形状がボックス状となっている座板主部86は、内側に配置された座板内部材91と、この座板内部材91の外側に、座板84の長さ方向の長さをもって被せられた座板カバー部材92とを含んで構成されている。シャッターカーテン2の厚さ方向の両側に配置されているそれぞれの座板カバー部材92は、
図3で示した実施形態の座板カバー部材32と同様に、左右方向に分割された3個の分割カバー部材により形成され、これらの分割カバー部材のうち、座板84の長さ方向の中央箇所に配置されている第1分割カバー部材94の左右両側に2個の第2分割カバー部材が配置され、
図16は、
図3で示されている座板4における
図5に相当する図であるため、
図16には、第1分割カバー部材94と、2個の第2分割カバー部材のうち、第1分割カバー部材94だけが示されている。そして、第1分割カバー部材94と2個の第2分割カバー部材は、座板84の内外方向の重なり部分をもって座板内部材91の外側に配置されている。
【0084】
2個の第2分割カバー部材が座板内部材91に接触して配置されているのに対し、第1分割カバー部材94は、座板内部材91から遠い位置に、すなわち、この座板内部材91から離れて配置されており、この第1分割カバー部材94と座板内部材91との間には、スペース部材98が介設されている。そして、シャッターカーテン2の厚さ方向の両側に配置されているそれぞれの第1分割カバー部材94とスペース部材98は、本体部94A,98Aと、立上り部94B,98Bとからなり、本体部94A,98Aには、座板内部材91の下面におけるシャッターカーテン2の厚さ方向の半分を覆う部分が設けられている。
【0085】
第1分割カバー部材94とスペース部材98の本体部94A,98Aは、座板内部材91にリベット等の結合具88,89により結合され、第1分割カバー部材94とスペース部材98の立上り部94B,98Bは、シャッターカーテンのカーテン本体3の最下段のスラット5Aと座板84の立上り部85とにリベット等の結合具90により結合されている。
【0086】
また、2個の第2分割カバー部材も、第1分割カバー部材94と同様に、本体部と、立上り部とからなり、本体部には、座板内部材91の下面におけるシャッターカーテン2の厚さ方向の半分を覆う部分が設けられている。そして、これらの第2分割カバー部材の本体部は、座板内部材91に、結合具88,89と同様の結合具により結合され、また、それぞれの第2分割カバー部材の立上り部は、シャッターカーテンのカーテン本体3の最下段のスラット5Aと座板84の立上り部85とに、結合具90と同様の結合具により結合されている。
【0087】
図16で示して座板84のスペース部材98の厚さ寸法は、第2分割カバー部材の厚さ寸法よりも少し大きいため、第1分割カバー部材94と第2分割カバー部材との重なり部分には、座板84の内外方向のすき間が存在している。
【0088】
このため、この実施形態の座板84も、このすき間によるシャッターカーテン2の厚さ方向の柔軟性を有しており、このため、この座板84によっても、
図3~
図9で説明した実施形態と同様の作用効果を得られる。
【0089】
図17で示した実施形態の座板84も、
図16の座板84と同様に構成されているが、
図17の座板84に用いられているスペース部材108は、
図16の座板84のスペース部材98よりも厚さ寸法が小さくなっており、このため、第1分割カバー部材94と2個の第2分割カバー部材は、前述の重なり部分において、互いに接触している。
【0090】
また、
図17で示した実施形態の座板84では、結合具88,89の軸部88A,89Aが貫通している第1分割カバー部材94の本体部94Aとスペース部材108の本体部108Aと座板内部材91とに設けられている孔のうち、第1分割カバー部材94の本体部94Aに設けられている孔94C,94Dは、左右方向に長い長孔となっており、これらの長孔94C,94Dを軸部88A,89Aが貫通している。また、結合具90の軸部90Aが貫通している第1分割カバー部材94の立上り部94Bとスペース部材108の立上り部108Bと最下段のスラット5Aと座板84の立上り部85とに設けられている孔のうち、第1分割カバー部材94の立上り部94Bに設けられている孔94Eも、左右方向に長い長孔となっており、この長孔94Eを軸部90Aが貫通している。
【0091】
このため、
図17の実施形態の座板84も、これらの長孔90C,90D,90Eによるシャッターカーテン2の厚さ方向の柔軟性を有しており、このため、この座板84によっても、
図10~
図15で説明した実施形態と同様の作用効果を得られる。
【0092】
なお、
図16及び
図17の座板84では、第1分割カバー部材94を含む左右方向に分割されている3個の分割カバー部材は、シャッターカーテン2の厚さ方向の両側に配置されていたが、これらの分割カバー部材のそれぞれを、シャッターカーテン2の厚さ方向に分割されていなくて、シャッターカーテン2の厚さ方向の両側で座板内部材91を覆うものとしてもよく、スペース部材98,108についても、シャッターカーテン2の厚さ方向に分割されていなくて、シャッターカーテン2の厚さ方向の両側で座板内部材91を覆うものとしてもよい。
【0093】
また、
図16と
図17の実施形態において、座板84の立上り部85における座板84の長さ方向である左右方向の端部は、
図1で示したガイドレール1の内部に挿入されていなくてもよく、あるいは、シャッターカーテン2のカーテン本体3の最下段のスラット5Aと同様に、ガイドレール1の内部に挿入されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、出入口をシャッターカーテンで開閉する出入口用シャッター装置を含む各種のシャッター装置の座板に利用することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 ガイドレール
2 シャッターカーテン
3 カーテン本体
4,84 座板
21 座板本体
22 昇降体
26,26’ 昇降体の結合具
31 座板本体の座板内部材
32 座板本体の座板カバー部材
33,35 座板本体の座板カバー部材を形成する複数の分割カバー部材のうちの第2分割カバー部材
34 座板本体の座板カバー部材を形成する複数の分割カバー部材のうちの第1分割カバー部材
38,68 座板本体のスペース部材
39~42,88~90 結合具
39A~42A,88A~90A 軸部
51 昇降体の座板内部材
52 昇降体の座板カバー部材
53,55 昇降体の座板カバー部材を形成する複数の分割カバー部材のうちの第2分割カバー部材
54 昇降体の座板カバー部材を形成する複数の分割カバー部材のうちの第1分割カバー部材
58,78 昇降体のスペース部材
80~83,94C,94D,94E 長孔
85 座板の立上り部
86 座板の座板主部
91 座板内部材
92 座板カバー部材
94 分割カバー部材のうちの第1分割カバー部材
98,108 スペース部材
S1,S2 すき間