(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】蓋取付け/取外しシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B67B 3/20 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
B67B3/20
(21)【出願番号】P 2020557176
(86)(22)【出願日】2019-04-18
(86)【国際出願番号】 EP2019060083
(87)【国際公開番号】W WO2019202078
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2022-04-15
(32)【優先日】2018-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513165469
【氏名又は名称】ビーディー キエストラ ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】シンネマ,ユリアン
(72)【発明者】
【氏名】フェイェン,フランシスカス
(72)【発明者】
【氏名】ファン・デル・ドング,ハーム ヴェイ.
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-226485(JP,A)
【文献】特表2007-526983(JP,A)
【文献】特開2000-142886(JP,A)
【文献】独国実用新案第29506035(DE,U1)
【文献】特公昭41-000953(JP,B1)
【文献】米国特許第09878890(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67B 3/20
B67B 7/15
B67B 7/18
G01N 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の対象物に回転トルクを与えるための装置であって、
前記円筒状の対象物の直径と等しい直径を有する円形の表面を有する連結アセンブリであって、前記円筒状の対象物を受け入れるように構成されている、連結アセンブリと、
前記円形の表面から延在する複数のフィンガーであって、各フィンガーの近位端は、前記連結アセンブリに取り付けられ、遠位端は、前記連結アセンブリから離れる方に延びている、複数のフィンガーと
を備え、
各フィンガーは、前記フィンガーの凹み内に少なくとも部分的に配置されたスプラインを備え、前記スプラインの第1の端は、各フィンガーの前記遠位端内に保持され、前記連結アセンブリに隣接する前記スプラインの第2の端は、前記スプラインを保持する前記フィンガーから外方に押されるように付勢され、
各スプラインは、前記円筒状の対象物が前記フィンガー間に受け入れられた時に前記円筒状の対象物の表面を把持し、これによって、前記連結アセンブリの回転が前記円筒状の対象物の回転を生じさせるように、構成されている、
装置。
【請求項2】
複数のロッドであって、各ロッドは、第1の端及び第2の端を有し、前記連結アセンブリの通路を貫通するように配置され、これによって、各ロッドの前記第1の端は、前記円筒状の対象物の第1の表面と接触するような位置にある、複数のロッドと、
エジェクタナットであって、前記複数のロッドをそれぞれ前記通路を通して押し出すことによって、前記複数のロッドの各々の前記第1の端が前記円筒状の対象物を前記円形の表面から離れる方向に移動させ、これによって、前記円筒状の対象物を前記スプラインから離脱させるように、作動されることが可能である、エジェクタナットと、
を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記連結アセンブリは、駆動手段によって前記円形の表面の中心の周りに回転し、前記フィンガーを前記中心の周りに周回させ、前記スプラインによって前記円筒状の対象物に回転トルクを与えるようになっている、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
各スプラインは、円形断面を有する、請求項1,2,又は3に記載の装置。
【請求項5】
複数の前記スプラインの各々は、単一の円形バネによって付勢され、前記単一の円形バネは、前記円形の表面と同心に配置され、各スプラインの前記第2の端と接触している、請求項1,2,又は3に記載の装置。
【請求項6】
各スプラインは、各スプラインの前記第2の端に接触する個々のバネによって付勢されている、請求項1,2,又は3に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のフィンガーは、少なくとも3つのフィンガーから構成されている、請求項1,2,又は3に記載の装置。
【請求項8】
各フィンガーは、台形断面を有する、請求項1,2,又は3に記載の装置。
【請求項9】
各スプラインの一部は、フィンガー内に位置するチャンバ内に収容されている、請求項1,2,又は3に記載の装置。
【請求項10】
前記円筒状の対象物は、容器用のネジ付き蓋である、請求項1,2,又は3に記載の装置。
【請求項11】
前記円筒状の対象物は、ネジ付き蓋を有する容器である、請求項1,2,又は3に記載の装置。
【請求項12】
前記駆動手段は、中心シャフトである、請求項3に記載の装置。
【請求項13】
前記中心シャフトは、ネジ山を有する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
第1の側及び第2の側を備えるエジェクタアセンブリを更に備え、前記ロッドの前記第2の端は、前記エジェクタナットが前記エジェクタアセンブリの前記第2の側に作用して前記複数のロッドを同時に移動させるために、支持台の前記第1の側に接続されている、請求項2に記載の装置。
【請求項15】
前記エジェクタアセンブリは、円断面及びネジ付きシャフトが貫通するネジなし通路を有し、前記円形の表面に関して同心に位置し、前記ネジ付きシャフトの前記回転と無関係に前記シャフトの長軸に沿って移動するように構成されており、
前記エジェクタナットは、円断面を有し、前記円形の表面に関して同心に位置し、前記ネジ付きシャフトの前記回転に応じて前記シャフトの長軸に沿って移動するように構成されている、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ネジ付きシャフトの長軸に沿った前記エジェクタナットの位置を検出するように適合されたセンサを更に備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ネジ付
きシャフトの長軸に沿った前記支持台の位置を検出するように適合されたセンサを更に備える、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記ネジ付きシャフトの長軸に沿った前記支持台の回転位置を検出するように適合されたセンサを更に備える、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記連結アセンブリの回転位置を検出するセンサを更に備える、請求項3に記載の装置。
【請求項20】
前記中心シャフトは、双方向モータに接続されている、請求項12に記載の装置。
【請求項21】
円筒状の対象物に回転トルクを与えるための方法であって、
前記円筒状の対象物の直径と等しい直径を有する円形の表面を有するアセンブリを前記円筒状の対象物に連結するステップであって、
前記アセンブリは、前記円形の表面の周りに配置されて前記円形の表面から延在する複数のフィンガーを備え、前記複数のフィンガーの各々は、前記円形の表面の周囲に対して直交する少なくとも1つの表面を有し、
前記複数のフィンガーの各々は、付勢されたスプラインを備え、前記スプラインは、各フィンガーの先端内に保持された第1の端を有し、前記スプラインの第2の端が、前記スプラインが保持される前記フィンガーから離れる方に押し出されるように付勢される、ステップと、
各スプラインを前記円筒状の対象物の表面に固定するステップと、
前記アセンブリを前記円形の表面の中心の周りに回転させ、これによって、前記複数のフィンガーを前記中心の周りに回転させるステップと、
これによって、各スプラインと前記円筒状の対象物の前記表面との間の界面を介して、前記円筒状の対象物に回転トルクを与えるステップと、
を含む方法。
【請求項22】
複数のロッドの各々を前記アセンブリの通路を通して押し出すようにエジェクタナットを作動させ、これによって、各ロッドの端を前記円筒状の対象物の第1の面と接触させ、前記円筒状の対象物を前記円形の表面から離れる方に押し出すステップと、
複数の前記スプラインの各々を前記円筒状の対象物の前記表面との係合から離脱させるステップと、
を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記エジェクタナットを作動させる前記ステップは、ネジ付きシャフトを回転させるステップを含み、前記ネジ付きシャフトのネジ山は、前記エジェクタナットと係合しており、これによって、前記エジェクタナットは、前記ネジ付きシャフトの長軸に沿って平行移動するようになっている、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
各スプラインは、円断面を有する、請求項21,22,又は23に記載の方法。
【請求項25】
前記複数のフィンガーは、3つのフィンガーから構成されている、請求項21,22,又は23に記載の方法。
【請求項26】
前記円筒状の対象物は、容器用のネジ付き蓋である、請求項21,22,又は23に記載の方法。
【請求項27】
前記円筒状の対象物は、ネジ付き蓋を有する容器である、請求21,22,又は23に記載の方法。
【請求項28】
前記エジェクタナットを作動させる前記ステップは、前記ネジ付きシャフトの長軸に沿った前記エジェクタナットの位置を監視するセンサから受信した信号に応じて開始される、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記エジェクタナットを作動させる前記ステップは、前記ロッドの位置を監視するセンサから受信した信号に応じて開始される、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記エジェクタナットを作動させる前記ステップは、前記アセンブリの回転位置を監視するセンサから受信した信号に応じて開始される、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年4月19日に出願された米国仮特許出願第62/659,915号の優先権を主張するものであり、その内容は、参照することによって、その全体がここに含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
研究室環境では、検査される検体を保管及び移送するための検体容器が用いられる。検体容器には、保管又は移送される必要がある検体の特性又は量に依存して、種々の大きさのものがある。また、工業規格は、特定の検体を移送するために用いられる容器の種類を指定している。
【0003】
種々の大きさの検体容器が、検体検査のために研究室に送られる。これらの容器は、通常、ねじ込み式の容器蓋によって密封されている。その結果、検体検査は、通常、蓋の取外し、容器からの検体の取出し、及び蓋の再取付けを必要とする時間と手間の掛かるプロセスである。それ故、検体容器の種々の異なる形式及び大きさに適合し、操作を迅速に行い、信頼性を最大限まで高めるために複雑さを最小限に抑えた機械的構成を利用することができるシステム及び方法を開発することが望まれる。
【0004】
容器、典型的には、研究室環境において用いられる容器の蓋の取付け/取外しを行うための現在のシステムは、容器本体及び蓋のいずれか又は両方を把持する回転アセンブリを利用している。これらのシステムは、容器の密封又は開封を可能にするのに十分な大きさのトルクを加えるために、十分な力で要素を正確に把持するために電気的、空圧的、又は流体圧的に作動するブレード、フィンガー、クッション、クランプ、及び顎部を用いている。このようなシステムは、通常、必要な把持力及び機械的な機敏さをもたらすために複雑なリンク機構及び制御システムを必要とする。これらのシステムの複雑さは、それらの全体的な信頼性にとって有害であり、システムを種々の容器寸法、形状、及び形式に迅速に適合させるのに障害になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような事情から、蓋及び/又は容器を効果的に把持し、特定の大きさのトルク又は回転を加え、次いで、該要素を離脱させる機械的に信頼性の高い適合性のあるシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、容器、例えば、典型的には研究室環境において検体を運ぶために用いられる容器の蓋の取付け/取外しを行うために、該要素を把持し、トルクを加え、及び該要素を締付け/離脱させるためのシステム及び方法を記載する。このシステムは、回転するネジ付きシャフトを介してカプラーアセンブリに連結された単一の双方向モータによって駆動される。カプラーアセンブリは、機械的に付勢されたスプラインを介して蓋又は容器に係合するように構成されている。スプラインは、どのような複雑なリンク機構を用いることなく、又はモータ又は他の動力付き構成部品に動作可能に接続されることなく、作動される。このシステムは、エジェクタナット及びエジェクタを用いる。これらは、いずれもネジ付きシャフトを中心として同心に配置される。エジェクタナットは、シャフトの回転に応じてシャフトに沿って平行移動し、該要素がカプラーアセンブリに係合した時にエジェクタの後退を可能にし、又はエジェクタをカプラーアセンブリ内に延出させ、これによって、該要素の離脱を可能にする。モータの方向及び回転は、該システム内に位置するセンサに連結されたシステムによって制御される。このような制御システムの例として、1つ又は複数のプロセッサ、コンポーネントインターフェイス、及びデータ記憶装置/メモリが挙げられる。センサの例として、ネジ付きシャフトに沿ったエジェクタナット及びエジェクタの位置及び/又はカプラーアセンブリの回転位置の1つ又は複数を監視するための多数の光学的、磁気的、又は機械的手段が挙げられる。
【0007】
カプラーアセンブリは、特定の容器又は蓋構成に対して特化されている。カプラーアセンブリは、特定の半径を有する蓋又は容器に嵌合するように設計され、機械的に付勢されるスプラインは、蓋又は容器のいずれか又は両方の表面特徴部に嵌合又は係合するように特に適合されている。更に、機械的に付勢されるスプラインは、双方向モータ又は他の動力付き構成部品に動作可能に接続されていないので、連結アセンブリは、システムに対して容易に接続/離脱可能である。これによって、システムは、新しい又は異なる構成の蓋/容器の取扱いに迅速に対応することが可能になる。このシステムは、定位置に置かれて用いられるとよく、この場合、容器が別の運搬システムによってカプラーアセンブリ内に搬入され又はカプラーアセンブリから搬出されることになる。また、このシステムは、可動性架台又は関節運動する骨組み上に置かれてもよく、この場合、このシステム自体が、容器又は別の運搬システムの位置に対して移動することが可能である。従って、このシステム及び方法は、蓋付き容器を蓋取付け/取外し装置に送達するように構成されてもよいし、又は蓋取付け/取外し装置を蓋付き容器に送達するように構成されてもよい。
【0008】
本発明の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の請求項、及び添付の図面に関連付ければ、よく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本開示の一実施形態による蓋取付け/取外しシステムの斜視図である。
【
図1B】駆動機構の構成部品を示す
図1Aの蓋取付け/取外しシステムの斜視図である。
【
図2A】
図1Bの蓋取付け/取外しシステムのエジェクタナットの底面図である。
【
図2B】
図1Bの蓋取付け/取外しシステムのエジェクタナットの上面図である。
【
図2C】
図1Bの蓋取付け/取外しシステムのエジェクタナットの側面図である。
【
図2D】
図1Bの蓋取付け/取外しシステムのエジェクタナットの斜視図である。
【
図3A】
図1Bの蓋取付け/取外しシステムの駆動機構の側面図である。
【
図3B】
図1Bの蓋取付け/取外しシステムの駆動機構の部分側面断面図である。
【
図3C】
図1Bの蓋取付け/取外しシステムの駆動機構の部分上面断面図である。
【
図4A】
図1Bの蓋取付け/取外しシステムのエジェクタの底面図である。
【
図4B】
図1Bの蓋取付け/取外しシステムのエジェクタの上面図である。
【
図4C】
図1Bの蓋取付け/取外しシステムのエジェクタの側面図である。
【
図4D】
図1Bの蓋取付け/取外しシステムのエジェクタの斜視図である。
【
図5】
図1Bの蓋取付け/取外しシステムの駆動機構の部分底面断面図である。
【
図6A】
図1Bの駆動機構上に取り付けられたカプラーアセンブリ位置センサ、エジェクタセンサ、及びエジェクタナットセンサの斜視図である。
【
図6B】
図6Aのカプラーアセンブリ位置センサを示す部分斜視断面図である。
【
図6C】
図6Aのエジェクタセンサを示す部分斜視断面図である。
【
図6D】
図6Aのエジェクタナットセンサを示す部分斜視断面図である。
【
図7A】
図1Bの蓋取付け/取外しシステムのカプラーアセンブリの側面図である。
【
図7B】
図1Bの蓋取付け/取外しシステムのカプラーアセンブリの正面図である。
【
図7C】
図1Bの蓋取付け/取外しシステムのカプラーアセンブリの上面図である。
【
図7D】
図1Bの蓋取付け/取外しシステムのカプラーアセンブリの底面図である。
【
図8A】蓋付き容器のアレイを保持する搬送具の上方に位置する
図1Bの蓋取付け/取外しシステムのカプラーアセンブリの斜視図である。
【
図10A】第1の状態にある容器ホルダーの側面図である。
【
図11A】初期の未連結状態にある
図1Bの蓋取付け/取外しシステムの側面図である。
【
図11B】初期の連結状態にある
図1Bの蓋取付け/取外しシステムの側面図である。
【
図11C】蓋取外し操作を行う
図1Bの蓋取付け/取外しシステムの側面図である。
【
図11D】蓋が取り外された状態にある
図1Bの蓋取付け/取外しシステムの側面図である。
【
図11E】蓋再取付けを開始するように位置決めされた
図1Bの蓋取付け/取外しシステムの側面図である。
【
図11F】蓋再取付け操作を行っている時の
図1Bの蓋取付け/取外しシステムの側面図である。
【
図11G】蓋の再取付けされた状態にある
図1Bの蓋取付け/取外しシステムの側面図である。
【
図11H】蓋の排出を行う時の
図1Bの蓋取付け/取外しシステムの側面図である。
【
図11I】蓋が排出された状態にある
図1Bの蓋取付け/取外しシステムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願は、容器の蓋取付け及び取外しを行うための装置に関する。具体的には、本願は、ネジ式容器の蓋取外し及び再取付けを行うことができる容器の蓋取付け/取外し装置に関する。
【0011】
図1A,1Bは、本開示の一実施形態による蓋取付け/取外しシステムの具体的な例を示している。図示されるように、システム100は、4つの主構成部品:モータ102、変速装置104、駆動機構106、及びカプラーアセンブリ108を有している。
【0012】
[モータ]
例示的な実施形態では、モータ102は、DCブラシレスモータ、例えば、マサチュ―セッツ州フォールズリバー在のMaxon Precision Motors社から市販されているモータである。この種のモータは、Maxon Precision Motors社から市販されている位置制御装置、例えば、EPOS制御装置、MAXPOS制御装置等と共に用いられる時、高度の制御性を発揮する。位置制御装置は、1つ又は複数のプロセッサ、コンポーネントインターフェイス、データ記憶装置/メモリを備える(図示されない)蓋取付け/取外し制御システムに接続される。DCブラシレスモータに代わって、どのような適切に制御可能な駆動手段が利用されてもよいことを理解されたい。このような駆動手段の例として、他の電気モータ(ステッピングモータ、ACモータ、等)又は空圧駆動モータが挙げられる。
【0013】
[変速装置]
モータ102は、変速装置106によって駆動アセンブリ106に連結された状態で示されている。一実施形態では、変速装置106は、1:18の減速比のギアボックスである。このギア比は、所定のトルク範囲及び角位置精度をネジ付き駆動シャフト122に与え、これによって、個別の容器形式の蓋取付け/取外しを容易にする。本発明の特定の実施形態では、モータによって与えられる平均トルクは、56.8mNm(ミリニュートンメートル)を最大値として制限される。他のギア比、例えば、1:1のギア比又は直動も考えられ、具体的には、特定のギア比の選択は、システムと共に用いられることが意図される特定のモータ及び蓋/容器の形式に依存する。
【0014】
[駆動機構]
図1Bに示されるように、駆動機構106は、エジェクタ―110、エジェクタナット112、カプラーアセンブリセンサ114、エジェクタ―センサ116、エジェクタナットセンサ118、エジェクタナット位置合せシャフト120、及びネジ付き駆動シャフト122を備えている。
【0015】
図2A,2B,2C,2Dは、それぞれ、エジェクターナット112の底面図、上面図、側面図、及び斜視図である。本発明の1つの好ましい実施形態では、エジェクターナット112は、ネジ付き中心通路204から半径方向に延びる6つのブレード202と、エジェクターナット基部208の周囲に位置する6つの位置合せ溝206とを有するものとして示されている。この特定の実施形態では、6つの上側ブレード及び6つの位置合せ溝が示されているが、システムの操作に必要とされるのは、それぞれ、1つのみである。この特徴部の冗長性は、設計上の選択であり、駆動機構106の組立中のエジェクタナットの位置合せを簡素化する。ネジ付き中心通路204は、ネジ付きシャフト122と嵌合するように寸法決めされている。
【0016】
図3A,3Bは、それぞれ、駆動機構106の部分側面図及び部分側面断面図を示している。
図3Aは、駆動機構のカウリング302を示している。エジェクターナット112の一部が切抜304を通して見えている。
図3Bに示されるように、エジェクタナット112の最外面306は、好ましくは、カウリング302の内壁310との間に間隙308を生じるように寸法決めされている。エジェクタ110は、断面図において、エジェクタナット112の下方に位置して示されている。これは、駆動機構106の上面断面図である
図3Cに更に示されている。図示されるように、エジェクタナット112の最外半径312は、カウリング302の内径314よりも小さい。これによって、エジェクタナット112とカウリング302の内壁310との間に間隙308が生じている。また、
図3Cは、位置合せ溝206とエジェクターナット位置合せシャフト120との間の寸法関係も示している。溝206は、エジェクタナット位置合せシャフト120の形状に適合するように輪郭付けされ、エジェクタナットの回転を阻止するようになっている。しかし、位置合せ溝206は、好ましくは、溝の外面とエジェクターナット位置合せシャフト120の外面との間に間隙308をもたらすように寸法決めされている。間隙308によって、エジェクタナット112は、エジェクタナット位置合せシャフト120によって邪魔されることなく(変速装置104によって駆動される)ネジ付きシャフト122の回転に応じて、ネジ付きシャフト122に沿って平行移動することが可能になる。
【0017】
図4A,4B,4C,4Dは、それぞれ、エジェクタ110の底面図、上面図、側面図、及び斜視図を示している。本発明の好ましい実施形態では、エジェクター110は、その底面403から延在する3本の細長のエジェクタロッド402を有するものとして示されている。エジェクタロッド402は、円断面を有している。このような3本のロッドが図示されているが、ロッドの数は、排出される要素の種類及び材料、製造、及び組立に関して考慮すべき事柄のような変数によって指定される設計上の選択事項である。また、中央ネジなし通路404が設けられている。
図5に示されるように、ネジなし通路404の半径302は、ネジなし通路404の最外半径504よりも大きい。これによって、ネジなし通路404とネジ付きシャフト122の最外面との間に間隙が確実に存在することになる。この間隙によって、エジェクタ110は、ネジ付きシャフト122によって邪魔されることなく、ネジ付きシャフト122の長軸に沿って平行移動することが可能になる。
図5は、エジェクタナット位置合せシャフト120とエジェクタ110との間の寸法関係も示している。エジェクタ―110の外径は、以下の寸法、すなわち、間隙506がエジェクタ110とエジェクタナット位置合せシャフト120との間に確実に生じ、これによって、エジェクタ110がエジェクターナット位置合せシャフト120と衝突せずに又は他の形態で接触せずにネジ付きシャフト122の長軸に沿って平行移動することを可能にする寸法、に制限されねばならない。
【0018】
図6Aに示されるように、駆動機構106は、3つのセンサ:(i)カプラーアセンブリセンサ114、(ii)エジェクタセンサ116、及び(iii)エジェクタナットセンサ118を備えている。一例では、カプラーアセンブリセンサ114は、カウリング302上に取り付けられた光学式フォークセンサである。このようなセンサの一例として、大阪在のパナソニック株式会社の事業所であるパナソニックデバイス社によって製造されるPM-Y45-P小型光電子センサが挙げられる。
図6Aに示されるように、このセンサは、(ミーリング加工によって作られた)窓602を介してカプラーアセンブリ108の回転を検知するように位置決めされている。
図6Bを参照すると、この回転は、カプラーアセンブリ116の上部に半径方向に等距離を隔てて配置された空洞又はノッチ604がカプラーアセンブリセンサ114の歯606間を通過する時に、その通過する空洞又はノッチ604を検出することによって、検知される。エジェクタセンサ116は、一例では誘導型近接センサである。市販されているこのようなセンサの一例として、ケンタッキー州フローレンス在のBluff社によって製造される溶接環境対応近接センサが挙げられる。
図6Cに示されるように、センサ116は、カウリング302を貫通して取り付けられ、エジェクタ110がネジ付きシャフト122の長軸に沿って平行移動してカプラーアセンブリ108に近接する時、その近接位置110’にあるエジェクタ110を検知するように位置決めされている。第3のセンサであるエジェクタナットセンサ118は、(ミーリング加工によって作られた)窓608内においてカウリング302上に取り付けられた状態で
図6Aに示されている。一例では、エジェクタナットセンサ118は、カプラーアセンブリセンサ114に対して特定されたのと同じ形式の光学式フォークセンサである。
図6Dに示されるように、エジェクタナットセンサ118は、駆動機構内に配置され、エジェクタナット112がネジ付きシャフト122に沿ってその最上位置にある時、ブレード202が歯610間の光学信号を遮断するようになっている。各センサの出力は、(図示されない)蓋取付け/取外し制御システムにインターフェイスを介して伝達される。この情報は、蓋取付け/取外し装置の操作を管理するために、制御システムによって処理されて利用される。上記の説明において、センサの各々は、説明することのみを目的として特定の形式(フォーク式、光学式、誘導式)として記載されている。しかし、当業界において周知の多くの形式のセンサ(例えば、光学式、磁気式、誘導式、機械式、音響式、等)が、このようなセンサがネジ付きシャフトに沿ったエジェクタナット112及びエジェクタ110の位置及びカプラーアセンブリ114の回転位置を監視する合理的な手段をもたらす限り、本明細書に記載される蓋取付け/取外し装置に利用されてもよいことを理解されたい。それ故、特定のセンサの選定は、主に設計上の選択事項である。
【0019】
[カプラーアセンブリ]
図7A,7Bは、それぞれ、ネジ付きシャフト122に連結されたカプラーアセンブリ108の側面図及び正面図である。図示されるように、カプラーの例示的な一実施形態では、3つのフィンガー702は、カプラーアセンブリの底から突出し、直径Φを有する円形内部区域704の周りに等距離を隔てて配置されている。カプラーの他の例示的実施形態では、所定のカプラーアセンブリ108の寸法に対して実際に使用できることが裏付けられる限り、3つ未満のフィンガーが用いられてもよいし、4つ以上のフィンガーが用いられてもよい。これに関して、カプラーアセンブリ108の直径が大きいほど、フィンガーの数を増やすことができる。また、カプラーアセンブリ108は、3つの円形通路706を有するものとして示されている。これらの通路は、エジェクタ110の3本のエジェクタロッド402が自在に貫通することが可能となるように配置され且つ寸法決めされている。フィンガーの具体的な形態は、主に設計上の選択事項である。
図7A-7Dにおいて、3つのフィンガー702の各々は、テーパが付された台形断面を有し、四角柱の先端704で終端するものとして示されている。各フィンガー702内のチャンバ710内に収容されているは、係合スプライン712である。
図7Cに示されるように、係合スプライン712は、本発明の特定の実施形態では、円形断面を有している。しかし、スプラインの具体的な幾何学的形態は、主に係合スプラインが嵌合される要素の具体的な表面特徴部に依存する設計上の選択事項であり、種々の他の断面形状も考えられる。
【0020】
台形状の3つのフィンガーの形態は、
図8A,8Bに示されるように、密に充填された容器担体内へのカプラーアセンブリの挿入を可能にするように特に構成されている。図示されるように、フィンガー702の位置及び断面形状の両方によって、フィンガー702は、特定の蓋/容器を周囲の蓋/容器のいずれにも接触することなく把持することが可能になる。何故なら、細長のフィンガー702は、極めて密に充填されたアレイ内の容器間の隙間内にも容易に嵌入するからである。
図8Bは、蓋802に係合するフィンガー702の部分上面断面図である。
【0021】
前述したように、本明細書に記載される蓋取付け/取外し装置は、1つの要素、具体的には、検体容器又は容器蓋の1つに適用されるように構成されている。雌ネジ山付き蓋802が、
図8C,8Dに示されている。この種の蓋は、研究室用の検体容器に対して通常用いられる蓋、例えば、ニュージャージ州のフランクリン・レイク在のBecton Dickinson and Companyによって製造される蓋(8mlPhoenix Broth)と同様である。蓋802は、ネジ山付き容器804にねじ込まれる。
図8C,8Dに示されるように、蓋802の側面は、多数の縦溝806によって輪状に包囲されている。縦溝806の各々は、実質的に円形の断面808を有している。
【0022】
図9Aは、スプライン及びカプラーアセンブリ108の断面図である。
図9Bは、蓋802に係合しているカプラーアセンブリ108の断面図である。係合スプライン712の基部は、フィンガー702の四角柱の先端708内において垂直リップ902によって保持された状態で示されている。係合スプライン712の上端は、スプライン712の上部分をチャンバ710の壁に向かって内方に押し込む円形バネ904によって、付勢されている。
図9Bは、蓋802がフィンガー702間に十分に挿入された状態を示す、カプラーアセンブリ108の断面図である。図示されるように、係合スプライン712は、縦溝806にしっかりと嵌合されている。円形バネ904は、(蓋802の挿入によってチャンバ710の壁906から離れる方に押された)スプライン712の上部分によって、外方に変形されている。係合スプライン712と縦溝806との間の嵌合は、ネジ付きシャフト122が時計方向又は反時計方向のいずれかに回転する時にカプラーアセンブリ108によって著しく大きいトルクを蓋802に加えることを可能にする確実な連結面をもたらす。時計方向又は反時計方向に関する全ての記述は、蓋取付け/取外しシステムの上端から見下ろす基準点に基づいている。
【0023】
図9Bに示されるように、蓋802は、カプラーアセンブリ108内に挿入される時、フィンガー702間にしっかりと嵌合する。この安定した嵌合及びその結果としての係合スプライン712の嵌合を確実なものとために、カプラーアセンブリ108は、蓋に固有の直径Φを有するように設計されねばならない(
図7D参照)。すなわち、駆動機構及びネジ付きシャフトに接続されるカプラーアセンブリは、特定の直径を有する蓋と同じように寸法決めされる必要がある。
【0024】
[容器支持体]
蓋取付け/取外し装置と連携する追加的な構成要素を説明するために、例えば、
図8A-8Dに示されるような蓋付き容器804に対する蓋取付け/取外し装置の操作について説明する。この操作では、蓋の取付け/取外しプロセス中に、蓋付き容器が支持される必要がする。この支持をもたらす特別の手段は、本明細書に記載される蓋取付け/取外し装置と無関係である。本明細書に記載される蓋取付け/取外し装置は、蓋付き容器への蓋取付け/取外し装置の適切な配置を妨げない限り、種々のホルダーと連携するように構成されている。容器ホルダー1002の一例が、
図10A,10Bに示されている。ホルダー1002は、少なくとも2つの状態に位置決め可能なホルダーの代表例である。
図10Aは、把持状態にあるホルダーを示している。この状態では、基部1008によって支持された可動拘束具1004,1006は、容器804の外側に接触して保持される。これらの拘束具によって容器804に加えられる力は、蓋取付け/取外し操作中に蓋802に加えられる必要があるトルクよりも大きい。
図10Bは、後退状態にあるホルダーを示している。この状態では、拘束具1004,1006は、容器804の外側から離れる方に引っ張られている。これによって、スピンドル1010によって支持された容器は、十分な回転トルクが加えられた時にその長軸を中心として自在に回転することが可能である。
【0025】
[蓋取付け/取外し操作]
図11Aは、容器804の蓋802の上方に位置する蓋取付け/取外し装置1102を示している。蓋取付け/取外し装置1102は、該装置を1つ又は複数の容器のための独立した搬送装置又は支持システムの位置に対して少なくとも1つの自由度で移動させることを可能にするロボット化又はコンピュータ制御化された架台又は骨組み(図示せず)に固定され得ることを理解されたい。このような支持システムの1つは、容器804を支持する把持状態で示されるホルダー1002である。蓋取付け/取外し装置1102は、蓋取外し操作を開始するための初期状態にある。この状態では、エジェクターナット112は、ネジ付きシャフト122の軸に沿った最上位置にある。この位置では、ブレード202がエジェクターナットセンサ118の歯間の光学信号を遮断する。センサ118の出力は、インターフェイスを介してエジェクタナットの位置決めを確認する(図示されない)蓋取付け/取外し制御システムに伝達される。エジェクタ110は、ネジ付きシャフト122の軸に沿った最下位置にあり、カプラーアセンブリ108の上面に載っている。エジェクターロッド402は、十分に延びており、カプラーアセンブリ108の円形通路706内を通って突き出している。エジェクターセンサ116は、エジェクター110の初期位置を検出し、このような位置を確認する信号を蓋取付け/取外し制御システムに伝達する。カプラーシステム110は、蓋802の上方に同心状に配置されている。カプラーアセンブリセンサ114によって認知されたカプラー108の回転位置は、蓋取付け/取外し装置がこの初期状態にある間に、モータ102の作動によってネジ山シャフト122を回転させることによって調整されるとよい。これは、例えば、フィンガー708を容器804の外側のどのような標識も覆い隠さないように位置決めするためになされるべきである。これを達成するのに必要な最小の回転調整(カプラーアセンブリ108の3つのフィンガーを有する構成の場合、60°未満の回転調整)は、ネジ付きシャフト122の軸に沿ったエジェクタナット112のそれほど大きい移動を伴わない。その結果として、ブレード202は、エジェクタナットセンサ118の歯間の光学信号を遮断し続けることになる。
【0026】
図11Bに示されるように、蓋取外し操作の次の段階では、カプラーアセンブリ108の円形内部区域704を蓋802の上面に直接接触させるために、蓋取付け/取外し装置1102を下方に移動させる必要がある。蓋取付け/取外し装置1102をこのように位置決めすることによって、蓋802の上端がフィンガー708の下面に接触して上方に押し上げ、これによって、エジェクタ110をネジ付きシャフト122の軸に沿って上方に、具体的には、エジェクタセンサ116の近傍から離れる方に押し上げる。加えて、蓋802がカプラーアッセンブリ108に接触すると、係合スプライン712が蓋802の縦溝806に嵌合する。その結果、カプラーアセンブリ108によって著しく大きいトルクを蓋802に加えることを可能にする確実な連結面が得られる。エジェクタナット112の位置は、初期状態から変化しない。
【0027】
次いで、所定の反時計方向トルク1104が、蓋取付け/取外し制御システムによってモータ102の作動を介してネジ付きシャフト122に加えられる(
図11C参照)。好ましい実施形態では、変速装置104がネジ付きシャフト122を特定の角回転で回転させるようにモータ102を作動させることによって、このトルクが加えられる。この回転は、蓋802を容器804から取外すのに必要な回転量に基づき、予め定められている。ネジ付きシャフト122が反時計方向に回転すると、蓋802が上方に平行移動する。前述のロボット化又はコンピュータ制御化された架台又は骨組みは、上方移動を補うために、蓋取付け/取外し装置1012を所定距離だけ所定の速度で上昇させるようにプログラム化されている。このように制御された機械的操縦をもたらすシステムは、当業界において周知であり、ここでは詳細に述べないことにする。システムは、もしセンサ114,116,118が、それぞれ、エジェクタナット112、連結アセンブリ108、及びエジェクタ110の適切な位置決めを表す信号を生じなかったなら、反時計方向トルク1104の初期印可を行わない。センサがこのように信号を生じなかった場合、蓋取付け/取外し制御システムは、エラーモードを設定するか、又はモータ102及び/又は前述のロボット化又はコンピュータ制御化された架台又は骨組みを作動させ、蓋取付け/取外し装置を適切な整合状態にする。オペレータは、蓋取付け/取外し装置が蓋取付け/取外し操作に対して適切な位置にないことを知らせるセンサからの信号に応じて、蓋取付け/取外し装置のデフォルト状態を決定することができる。
【0028】
いったん蓋802が完全に取り外されたなら、蓋取付け/取外し装置1102は、蓋取付け/取外し制御システムの制御に基づき、容器804から離れる方に移動することができる(
図11D参照)。これによって、容器804を移動させるか又は別に処理することが可能になる。
【0029】
蓋再取付けプロセスを開始するために、蓋取付け/取外し装置1102は、カプラーアッセンブリ110が容器804の上方に同心に位置するように移動され、蓋802の雌ネジ山が容器804のネジ山1108に接触するように下降される(
図11E参照)。
【0030】
図11Fに示されるように、所定の時計方向トルク1106が、蓋取付け/取外し制御システムによってモータ102の作動を介してネジ付きシャフト122に加えられる。好ましい実施形態では、変速装置104がネジ付きシャフト122を特定の角回転で回転させるようにモータ102を作動させることによって、このトルクが加えられる。この回転は、蓋802を容器804に締め付けるのに必要な回転量に基づき、予め定められている。また、この回転によって、エジェクタナット112がネジ付きシャフト122の軸に沿って上方に平行移動する。しかし、本発明の好ましい実施形態では、この平行移動は、ブレード202がエジェクタナットセンサ118の歯間の光学信号を遮断するほど大きくない。ネジ付きシャフト122が時計方向に回転すると、蓋802は、下方に平行移動し、これを補うために、蓋取付け/取外し制御装置は、蓋取付け/取外し装置1012を所定速度で下降させる。本発明の一実施形態では、システムは、もしセンサ114,116,118が、それぞれ、エジェクタナット112、カプラーアセンブリ108、及びエジェクタ110の適切な位置決めを表す信号を生じなかったなら、時計方向トルク1104の初期印可を行わない。センサがこのように信号を生じなかった場合、前述したように、蓋取付け/取外し制御システムは、エラーモードを設定するか、又はモータ102及び/又は前述のロボット化又はコンピュータ制御化された架台又は骨組みを作動させ、蓋取付け/取外し装置を適切な整合状態にする。
【0031】
蓋802が容器804に完全に締め付けられた時点で(
図11G参照)、エジェクタナット112は、ネジ付きシャフト122の軸に沿って下方に部分的に平行移動した位置にある。しかし、この平行移動は、エジェクタナット112の底がカプラーアセンブリ108の上面に接触するほど大きくない。蓋取付け/取外し装置は、このような接触を防ぐように構成されている。何故なら、このような接触は、蓋802の時期尚早の排出をもたらすからである。この望ましくない接触は、ネジ付きシャフト122の長さ、該シャフトのネジ山の間隔、及び/又はナット112及び/又はエジェクタ110の水平方向の寸法を選択することによって、回避される。
【0032】
締め付けられた蓋802/容器804を排出させるには、ネジ付きシャフト122を反時計方向に回転させねばならない。この反時計方向の回転中、蓋802の縦溝806は、依然としてカプラーアセンブリ108の係合スプライン712にしっかりと嵌合されている。反時計方向の力の印可によって、蓋802は、この時点において蓋802と一緒に回転しないように固定されている容器804から緩められることになる。この望ましくない結果を回避するために、まず、蓋802/容器804のアセンブリが回転トルクの印可時にその長軸を中心として自在に回転するように、ホルダー1002を後退状態に移行させる。次いで、シャフト122を蓋取付け/取外し制御システムによってモータ102の作動を介して反時計方向(1110)に回転させる(
図11H参照)。好ましい実施形態では、システムは、(エジェクタナット112がネジ付きシャフト122の軸に沿ってエジェクタ110の上面に接触するまで下方に駆動され、エジェクタ110をエジェクタセンサ116に隣接する位置に押し下げるまで)、シャフト122を回転させる。ネジ付きシャフト122の回転は、エジェクタ110がエジェクタセンサ116の近傍に位置することを示すエジェクタセンサ116からの信号が蓋取付け/取外し制御システムによって受信されたことに応じて、停止される。しかし、この回転は、エジェクタナット112がその初期位置を離れてからのシャフトの時計方向及び反時計方向の回転数が所定の回転数に達したと見なされた後に、停止されてもよい。エジェクタ110が下方に押されると、エジェクタロッド402がカプラーアセンブリ108の通路706を通って下方に突き出し、蓋802に下向き力を加える。この力によって、蓋が係合スプライン712から離脱する。離脱の前に、蓋802/容器804は、カプラーアセンブリ108によって、反時計方向に回転する。ネジ付きシャフト122が回転すると、エジェクタナット112が下降する。
【0033】
蓋802/容器804から完全に離脱した蓋取付け/取外し装置1102は、他の取付け/取外しサイクルを開始するために、その初期状態に戻される。
図11Jに示されるように、これを達成するために、システムは、(エジェクタナット112がネジ付きシャフト122の軸に沿ってブレード202がエジェクタナットセンサ118の歯間の光学信号を遮断する点まで上方に移動するまで)、シャフト122を時計方向1112に回転させる。ネジ付きシャフト122のこの回転は、エジェクタナットがその初期位置に戻ったことを表すエジェクタナットセンサ116からの信号が蓋取付け/取外しシステムによって受信されたことに応じて、停止される(
図11K参照)。
【0034】
特定の実施形態を参照して本達明を説明してきたが、これらの実施形態は、本発明の原理及び用途の単なる例示にすぎないことを理解されたい。それ故、例示的な実施形態に対して多数の修正がなされてもよいこと及び添付の請求項によって規定される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の構成が考案されてもよいことを理解されたい。