IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーの特許一覧 ▶ エーテーハー・チューリッヒの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】医療に有用な新規化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20240229BHJP
   C07D 213/81 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20240229BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20240229BHJP
   A61K 31/4427 20060101ALI20240229BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
C07D213/81
A61P9/10 101
A61P27/02
A61P27/06
A61P29/00
A61P25/28
A61P25/00
A61P19/08
A61P17/02
A61P9/04
A61P9/00
A61P1/16
A61P1/02
A61P1/04
A61P13/12
A61P3/10
A61P37/06
A61K31/4439
A61K31/4427
A61P35/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020568525
(86)(22)【出願日】2019-06-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 EP2019066811
(87)【国際公開番号】W WO2020002320
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】18180137.4
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(73)【特許権者】
【識別番号】508139000
【氏名又は名称】エーテーハー・チューリッヒ
【氏名又は名称原語表記】ETH Zurich
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ゴッビ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】グレター,ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】クレッツ,ユリアン
(72)【発明者】
【氏名】アメタミー,シモン・エム
【審査官】高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-516071(JP,A)
【文献】特表2014-534210(JP,A)
【文献】特表2017-509688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 213/81
A61P 9/10
A61P 27/02
A61P 27/06
A61P 29/00
A61P 25/28
A61P 25/00
A61P 19/08
A61P 17/02
A61P 9/04
A61P 9/00
A61P 1/16
A61P 1/02
A61P 1/04
A61P 13/12
A61P 3/10
A61P 37/06
A61K 31/4439
A61K 31/4427
A61P 35/00
C07D 401/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(式中、
はアルコキシアゼチジニル、ジハロアゼチジニル又はピロリジニルであり;
及びRは、独立して、水素及びアルキルから選択され;
は-CH-又は窒素であり;
は-CH2-又はカルボニルであり;
Xはハロゲンであり;
nは0から3であり;且つ
mは0又は1であるが、mとnが同時に0ではないことが条件である)
の化合物又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項2】
がメトキシアゼチジニル、ジフルオロアゼチジニル又はピロリジニルである請求項1記載の化合物。
【請求項3】
及びRが、独立して、水素、エチル及びブチルから選択される請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
及びRが、両方とも同時にエチルであるか、あるいはR及びRの一方が水素であり且つ他方がブチルである請求項1~3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
が-CH-である、請求項1から4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
Xがフッ素である、請求項1から5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
nが1、2又は3である、請求項1から6のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
フルオロメチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
2-フルオロエチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
3-フルオロプロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
フルオロメチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
2-フルオロエチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
3-フルオロプロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
3-フルオロプロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
フルオロメチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
2-フルオロエチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
フルオロメチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート;
2-フルオロエチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート;
3-フルオロプロピルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート;
フルオロメチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート;
2-フルオロエチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート;
3-フルオロプロピルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2R)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)プロパン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)プロパン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)プロパン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2R)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)プロパン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)プロパン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-{3-[(フルオロメトキシ)メチル]ペンタン-3-イル}-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-{3-[(2-フルオロエトキシ)メチル]ペンタン-3-イル}-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-{3-[(3-フルオロプロポキシ)メチル]ペンタン-3-イル}-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-{3-[(フルオロメトキシ)メチル]ペンタン-3-イル}-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-{3-[(2-フルオロエトキシ)メチル]ペンタン-3-イル}-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-{3-[(3-フルオロプロポキシ)メチル]ペンタン-3-イル}-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
フルオロメチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピラジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
2-フルオロエチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピラジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
3-フルオロプロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピラジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
フルオロ(ジジュウテリオ)メチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート。
2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
フルオロ(ジジュウテリオ)メチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート。
3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
フルオロ(ジジュウテリオ)メチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[フルオロ(ジジュウテリオ)メチル]オキシ}-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル]オキシ}-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル]オキシ}-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[フルオロ(ジジュウテリオ)メチル]オキシ}-3-メチルブタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル]オキシ}-3-メチルブタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル]オキシ}-3-メチルブタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[フルオロ(ジジュウテリオ)メチル]オキシ}プロパン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル]オキシ}プロパン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル]オキシ}プロパン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[フルオロ(ジジュウテリオ)メチル]オキシ}-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル]オキシ}-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル]オキシ}-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[フルオロ(ジジュウテリオ)メチル]オキシ}-3-メチルブタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル]オキシ}-3-メチルブタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル]オキシ}-3-メチルブタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル]オキシ}プロパン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル]オキシ}プロパン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[3-({[フルオロ(ジジュウテリオ)メチル]オキシ}メチル)ペンタン-3-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[3-({[2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル]オキシ}メチル)ペンタン-3-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[3-({[3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル]オキシ}メチル)ペンタン-3-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[3-({[フルオロ(ジジュウテリオ)メチル]オキシ}メチル)ペンタン-3-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[3-({[2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル]オキシ}メチル)ペンタン-3-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[3-({[3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル]オキシ}メチル)ペンタン-3-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチル-4-フルオロ(4,4-ジジュウテリオ)ブタノアート;
エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチル-4-フルオロ(4,4-ジジュウテリオ)ブタノアート;
6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-フルオロ-3-メチルアセチジン-1-イル)-N-(3-(3-フルオロプロピルカルバモイル)ペンタン-3-イル)ピコリンアミド;
エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチル-4-フルオロブタノアート;
エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチル-3-フルオロブタノアート;
エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチル-4-フルオロブタノアート;及び
エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチル-3-フルオロブタノアート
から選択される請求項1から7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
2-フルオロエチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
3-フルオロプロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
2-フルオロエチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート;
2-フルオロエチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]ピリジン-2-カルボキサミド;及び
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
から選択される請求項1から8のいずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
以下のステップ:
(a)R-H、パラジウム触媒、及び塩基の存在下における、式(A)
【化2】

の化合物の反応;
(b)NH2-C(R)-A-O-(CH-(CD-X、カップリング剤、及び塩基の存在下で式(B)
【化3】

(式中、A、A、X、R~R、m及びnは、請求項1~7のいずれか1項で定義される通りであり、Yはハロゲンである)
の化合物の反応
の一つを含む、請求項1から9のいずれか1項記載の化合物を調製するためのプロセス。
【請求項11】
治療上活性な物質として使用するための請求項1から9のいずれか1項記載の化合物。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか1項記載の化合物及び治療上不活性な担体を含む医薬組成物。
【請求項13】
疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性同種移植片拒絶、慢性同種移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血、心筋梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、発熱性歯肉炎、肝硬変又は腫瘍、骨質量の調節、神経変性、脳卒中、一過性虚血発作又はぶどう膜炎の処置又は予防のための薬剤の調製のための請求項1から9のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項14】
疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性同種移植片拒絶、慢性同種移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血、心筋梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、発熱性歯肉炎、肝硬変又は腫瘍、骨質量の調節、神経変性、脳卒中、一過性虚血発作又はぶどう膜炎の処置又は予防に使用するための請求項1から9のいずれか1項記載の化合物。
【請求項15】
疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性同種移植片拒絶、慢性同種移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血、心筋梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、発熱性歯肉炎、肝硬変又は腫瘍、骨質量の調節、神経変性、脳卒中、一過性虚血発作又はぶどう膜炎の処置又は予防のための医薬組成物であって、請求項1から9のいずれか1項に定義された化合物の有効量を含む、医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳動物の治療及び/又は予防に有用な有機化合物、そして特にカンナビノイド受容体2の優先的アゴニストである化合物に関する。
【0002】
本発明は、特に式(I)
【化1】

(式中、
はアルコキシアゼチジニル、ジハロアゼチジニル又はピロリジニルであり;
及びRは、独立して、水素及びアルキルから選択され;
は-CH-又は窒素であり;
は-CH-又はカルボニルであり;
Xはハロゲンであり;
nは0から3であり;そして
mは0又は1であるが、ただし、mとnが同時に両方とも0ではないことが条件である)
の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩に関する。
【0003】
カンナビノイドCB2受容体に対して高い親和性及び高い選択性を有する新規なピリジン及びピラジン誘導体が発見された。これらの化合物は、CB2受容体の活性を調節する効果を有する。用語「調節性の効果」は、特に、アゴニスト効果、アンタゴニスト効果及び/又はインバースアゴニスト効果を意味する。
【0004】
カンナビノイド受容体2のアゴニストは、哺乳動物における治療及び/又は予防に有用である。式(I)の化合物は、例えば、疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性同種移植片拒絶、慢性同種移植片腎症。糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血、心筋梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、発熱性歯肉炎、肝硬変又は腫瘍、骨質量の調節、神経変性、脳卒中、一過性虚血発作又はぶどう膜炎の処置又は予防に特に有用である。
【0005】
カンナビノイド受容体2のインバースアゴニストは、哺乳動物における治療及び/又は予防に有用である。
【0006】
式(I)の化合物は、疼痛、神経障害性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、精神病、腫瘍学、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、胃腸障害、精神障害関節リウマチ、精神病及びアレルギーの治療又は予防に特に有用である。
【0007】
カンナビノイド受容体は、Gタンパク質共役型受容体スーパーファミリーに属する細胞膜受容体の一種である。現在、カンナビノイド受容体1(CB1)及びカンナビノイド受容体2(CB2)と呼ばれる2つの公知のサブタイプがある。CB1受容体は、主に中枢神経系(すなわち、扁桃体小脳、海馬)において発現しており、末梢ではより少ない量で発現する。CNR2遺伝子によってコードされるCB2は、マクロファージ及びT細胞などの免疫系の細胞上(Ashton, J. C. et al. Curr Neuropharmacol 2007, 5(2), 73-80; Miller, A. M. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 299-308; Centonze, D., et al. Curr Pharm Des 2008, 14(23), 2370-42)、ならびに消化器系(Wright, K. L. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 263-70)において、主に末梢的に発現する。CB2受容体は同様に脳にも広く分布しており、そこではニューロンではなく、主にミクログリア上に見出される (Cabral, G. A. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2): 240-51)。
【0008】
カンナビノイド受容体2のモジュレーターは、哺乳動物における治療及び/又は予防に有用である。
【0009】
初期の化合物のいくつかが、慢性疼痛 (Beltramo, M. Mini Rev Med Chem 2009, 9(1), 11-25)、アテローム性動脈硬化症(Mach, F. et al. J Neuroendocrinol 2008, 20 Suppl 1, 53-7)、骨質量の調節 (Bab, I. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 182-8)、神経炎症(Cabral, G. A. et al. J Leukoc Biol 2005, 78(6), 1192-7)、虚血/再灌流傷害(Pacher, P. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 252-62)、全身性線維症(Akhmetshina, A. et al. Arthritis Rheum 2009, 60(4), 1129-36; Garcia-Gonzalez, E. et al. Rheumatology (Oxford) 2009, 48(9), 1050-6)、肝線維症 (Julien, B. et al. Gastroenterology 2005, 128(3), 742-55; Munoz-Luque, J. et al. J Pharmacol Exp Ther 2008, 324(2), 475-83)を含む多くのヒトの疾患のための前臨床モデルに於ける有益な効果を有することが示されてきたという事実により、過去10年間(現在は30~40件の特許出願/年)、CB2受容体アゴニストへの関心は、着実に高まってきている。
【0010】
虚血/再灌流(I/R)傷害は、脳卒中、心筋梗塞、心肺バイパス手術及びその他の血管手術、ならびに臓器移植などの状態において発生する組織損傷の主要な原因であり、同様に、様々な病因の循環性ショックの経過を複雑にする末梢臓器損傷の主要なメカニズムでもある。これらの全ての状態は、正常な血液供給の途絶が、組織の不十分な酸素化をもたらすことを特徴としている。例えば再灌流などの再酸素化は、正常な組織の酸素化を回復させるための究極の処置である。しかしながら、血液からの酸素及び栄養素の欠如は、循環の回復がさらなる組織の損傷をもたらす状態を作り出す。再灌流障害の損傷は、損傷した組織の炎症反応に一部起因している。白血球は、新たに戻ってきた血液によってその領域に運ばれ、組織の損傷に反応して、インターロイキンならびにフリーラジカルなどの多くの炎症性因子を放出する。回復した血流は、細胞内に酸素を再導入し、それが細胞のタンパク質、DNA、及び原形質膜を損傷する。
【0011】
遠隔虚血性前処理(RIPC)は、虚血及び再灌流によって生じる傷害に対する身体の内因性保護能力を利用するための戦略を表す。それは、ある臓器又は組織における一過性の非致死性虚血及び再灌流が、遠隔の臓器又は組織における「致死的」虚血再灌流傷害のその後のエピソードに対する耐性を与えるという興味深い現象を説明している。いくつかの仮説が提案されているが、臓器又は組織の一過性の虚血及び再灌流が保護をもたらす実際のメカニズムは、現在のところ不明である。
【0012】
体液性仮説は、遠隔の臓器又は組織で生成された内因性物質(アデノシン、ブラジキニン、オピオイド、CGRP、エンドカンナビノイド、アンジオテンシンI又はその他の未確認の体液性因子など)が血流に入り、標的組織におけるそれぞれの受容体を活性化し、それによって虚血性前処理に関与する心臓保護の様々な細胞内経路を回復することを提案している。
【0013】
最近のデータは、エンドカンナビノイド及びそれらの受容体、特にCB2が前処理に関与し、炎症反応のダウンレギュレーションにより再灌流傷害の防止に寄与し得る事を示している(Pacher, P. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 252-62)。具体的には、CB2ツールアゴニストを用いた最近の研究は、心臓(Defer, N. et al. Faseb J 2009, 23(7), 2120-30)、脳(Zhang, M. et al. J Cereb Blood Flow Metab 2007, 27(7), 1387-96)、肝臓 (Batkai, S. et al. Faseb J 2007, 21(8), 1788-800)及び腎臓(Feizi, A. et al. Exp Toxicol Pathol 2008, 60(4-5), 405-10)におけるI/R傷害の軽減に対するこの概念の有効性を実証した。
【0014】
さらに、ここ数年の間に、増加する一連の文献は、CB2が亜慢性的及び慢性的な環境においても関心を持ち得ることを示す。CB1及びCB2の特異的なアップレギュレーションは、線維化の進行を担う細胞である筋線維芽細胞におけるCB2の関連する発現を伴う、線維化に関連する慢性疾患 (Garcia-Gonzalez, E. et al. Rheumatology (Oxford) 2009, 48(9), 1050-6; Yang, Y. Y. et al. Liver Int 2009, 29(5), 678-85)の動物モデルに関連していることが示されている。
【0015】
選択的CB2アゴニストによるCB2受容体の活性化は、びまん性全身性硬化症において抗線維化効果を発揮することが実際に示されており (Garcia-Gonzalez, E. et al. Rheumatology (Oxford) 2009, 48(9), 1050-6)、CB2受容体は実験的真皮線維症において(Akhmetshina, A. et al. Arthritis Rheum 2009, 60(4), 1129-36)、また慢性肝疾患に関連する線維化を含む肝臓の病態生理学において (Lotersztajn, S. et al. Gastroenterol Clin Biol 2007, 31(3), 255-8; Mallat, A. et al. Expert Opin Ther Targets 2007, 11(3), 403-9; Lotersztajn, S. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 286-9)、重要な標的として浮上してきた。
【0016】
カンナビノイド受容体2のインバースアゴニストは、哺乳動物における治療及び/又は予防に有用である。
【0017】
式(I)の化合物は、疼痛、神経障害性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、精神病、腫瘍、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、胃腸障害、精神障害関節リウマチ、精神病及びアレルギーの処置又は予防に特に有用である。
【0018】
CB2受容体リガンドへの関心は、過去10年の間に着実に高まってきている(現在は30~40件の特許出願/年)。様々な情報源からの証拠は、CB2受容体を介した脂質エンドカンナビノイドシグナル伝達が、哺乳類の防護装備の一局面を表しているという見解を支持している(Pacher, P. Prog Lipid Res 2011, 50, 193)。選択的CB2受容体アゴニスト又はインバースアゴニスト/アンタゴニスト(疾患及びその病期に応じて)のどちらかによるその調節は、多数の疾患においてユニークな治療の可能性を秘めている。CB2インバースアゴニスト/アンタゴニストに関して、疼痛 (Pasquini, S. J Med Chem 2012, 55(11): 5391)、神経障害性疼痛(Garcia-Gutierrez, M.S. Br J Pharmacol 2012, 165(4): 951)、精神障害 (Garcia-Gutierrez, M.S. Br J Pharmacol 2012, 165(4): 951)、精神病 (Garcia-Gutierrez, M.S. Br J Pharmacol 2012, 165(4): 951)、骨粗鬆症及び炎症 (Sophocleous, A. Calcif Tissue Int 2008, 82(Suppl. 1):Abst OC18)、精神障害及び精神病 (Garcia-Gutierrez, M.S. Br J Pharmacol 2012, 165(4): 951)、腫瘍学(Preet, A. Cancer Prev Res 2011, 4: 65)、脳炎及びマラリア(Zimmer, A. WO 2011045068)、アレルギーおよび炎症 (Ueda, Y. Life Sci 2007, 80(5): 414)、脳炎及びマラリア(Zimmer, A. WO 2011045068)、喘息(Lunn, C.A. J Pharmacol Exp Ther 2006, 316(2): 780)、免疫学的障害(Fakhfouri, G. Neuropharmacology 2012, 63(4): 653)、関節リウマチ(Chackalamannil, S. US 7776889)、関節炎(Lunn, C.A. J Pharmacol Exp Ther 2006, 316(2): 780)、及び胃腸障害(Barth, F. FR 2887550 )を含む多くの病理学的病態に対する治療の機会が実証されている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[発明の詳細な説明]
本発明の化合物は、CB2受容体に結合してそれを修飾し、より低いCB1受容体活性を有する。
【0020】
本明細書において、用語「アルキル」は、単独で又は組み合わせて、1~8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基、詳細には、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基、よ詳細には、1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基を意味する。直鎖又は分岐鎖のC-Cアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、異性ペンチル、異性ヘキシル、異性ヘプチル及び異性オクチルであり、詳細には、メチル、エチル、プロピル、ブチル及びペンチルである。アルキルの特定な例は、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル及びペンチルである。メチル、エチル及びプロピルは、式(I)の化合物における「アルキル」の特定な例である。
【0021】
用語「アルコキシ」又は「アルキロキシ」は、単独で又は組み合わせて、当該用語「アルキル」が、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ及びtert-ブトキシなど従来与えられた意味を有する、式アルキル-O-の基を意味する。「アルコキシ」の特定な例は、メトキシである。
【0022】
用語「オキシ」は、単独で又は組み合わせて、-O-基を意味する。
【0023】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、単独で又は組み合わせて、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味し、詳細にはフッ素、塩素又は臭素、より詳細にはフッ素を意味する。用語「ハロ」は、別の基と組み合わせて、少なくとも1つのハロゲン、詳細には1~5個のハロゲン、詳細には1~4個のハロゲン、すなわち1、2、3又は4個のハロゲンで置換された前記基のハロゲンの置換を表す。
フルオロは、特定のハロゲンである。
【0024】
用語「カルボニル」は、単独で又は組み合わせて、-C(O)-基を意味する。
【0025】
用語「薬学的に許容され得る塩」は、遊離塩基又は遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持するそれらの塩であって、生物学的に又はその他の点で望ましくなくは
ないものを指す。当該塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、特に塩酸などの無機酸、及び酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、N-アセチルシステインなどの有機酸で形成される。また、これらの塩は、遊離酸への無機塩基又は有機塩基の添加形態で調製され得る。無機塩基に由来する塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩を含むが、これらに限定されない。有機塩基に由来する塩は、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、天然に存在する置換されたアミンを含む置換されたアミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N-エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂など)の塩を含むが、これらに限定されない。式(I)の化合物はまた、双性イオンの形で存在することができる。式(I)の化合物の特に好ましい薬学的に許容され得る塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸の塩である。
【0026】
出発物質又は式(I)の化合物のうちの1つが、1つ以上の反応工程の反応条件下で安定でないか又は反応性である1個以上の官能基を含む場合、(例えば、“Protective Groups in Organic Chemistry” by T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd Ed., 1999, Wiley, New Yorkに記載されているような、)適切な保護基を、当技術分野で周知の方法を適用する事で、重要な工程の前に導入することができる。そのような保護基は、文献に記載されている標準的な方法を用いて、合成の後の段階で除去することができる。保護基の例は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、9-フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、2-トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、カルボベンジルオキシ(Cbz)及びp-メトキシベンジルオキシカルボニル(Moz)である。
【0027】
式(I)の化合物は、いくつかの不斉中心を含むことができ、光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物(例えば、ラセミ体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体のラセミ体又はジアステレオ異性体のラセミ体の混合物など)の形態で存在することができる。
【0028】
用語「非対称炭素原子」は、4つの異なる置換基を有する炭素原子を意味する。カーン-インゴルド-プレローグ表記規則(Cahn-Ingold-Prelog Convention)に従って、不斉炭素原子は「R」又は「S」配置であることができる。
【0029】
本発明は、特に:
が、メトキシアゼチジニル、ジフルオロアゼチジニル又はピロリジニルである本発明による化合物、
及びRが、独立して水素、エチル及びブチルから選択される本発明による化合物、
及びRが同時に両方ともエチルであるか、あるいはR及びR3の一方が水素であり且つ他方がブチルである、本発明による化合物、
が-CH-である本発明による化合物、
Xがフッ素である本発明による化合物;及び
nが1、2又は3である本発明による化合物
に関する。
【0030】
本発明はさらに:
フルオロメチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
2-フルオロエチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
3-フルオロプロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
フルオロメチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
2-フルオロエチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
3-フルオロプロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
3-フルオロプロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
フルオロメチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
2-フルオロエチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
フルオロメチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート;
2-フルオロエチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート;
3-フルオロプロピルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート;
フルオロメチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート;
2-フルオロエチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート;
3-フルオロプロピルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2R)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)プロパン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)プロパン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)プロパン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2R)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)プロパン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)プロパン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-{3-[(フルオロメトキシ)メチル]ペンタン-3-イル}-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-{3-[(2-フルオロエトキシ)メチル]ペンタン-3-イル}-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-{3-[(3-フルオロプロポキシ)メチル]ペンタン-3-イル}-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-{3-[(フルオロメトキシ)メチル]ペンタン-3-イル}-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-{3-[(2-フルオロエトキシ)メチル]ペンタン-3-イル}-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-{3-[(3-フルオロプロポキシ)メチル]ペンタン-3-イル}-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
フルオロメチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピラジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
2-フルオロエチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピラジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
3-フルオロプロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピラジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
フルオロ(ジジュウテリオ)メチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
フルオロ(ジジュウテリオ)メチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
フルオロ(ジジュウテリオ)メチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[フルオロ(ジジュウテリオ)メチル]オキシ}-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル]オキシ}-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル]オキシ}-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[フルオロ(ジジュウテリオ)メチル]オキシ}-3-メチルブタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル]オキシ}-3-メチルブタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル]オキシ}-3-メチルブタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[フルオロ(ジジュウテリオ)メチル]オキシ}プロパン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル]オキシ}プロパン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル]オキシ}プロパン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[フルオロ(ジジュウテリオ)メチル]オキシ}-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル]オキシ}-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル]オキシ}-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[フルオロ(ジジュウテリオ)メチル]オキシ}-3-メチルブタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル]オキシ}-3-メチルブタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル]オキシ}-3-メチルブタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル]オキシ}プロパン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-{[3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル]オキシ}プロパン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[3-({[フルオロ(ジジュウテリオ)メチル]オキシ}メチル)ペンタン-3-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[3-({[2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル]オキシ}メチル)ペンタン-3-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[3-({[3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル]オキシ}メチル)ペンタン-3-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[3-({[フルオロ(ジジュウテリオ)メチル]オキシ}メチル)ペンタン-3-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[3-({[2-フルオロ(2,2-ジジュウテリオ)エチル]オキシ}メチル)ペンタン-3-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[3-({[3-フルオロ(3,3-ジジュウテリオ)プロピル]オキシ}メチル)ペンタン-3-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチル-4-フルオロ(4,4-ジジュウテリオ)ブタノアート;
エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチル-4-フルオロ(4,4-ジジュウテリオ)ブタノアート;
6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-フルオロ-3-メチルアセチジン-1-イル)-N-(3-(3-フルオロプロピルカルバモイル)ペンタン-3-イル)ピコリンアミド;
エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチル-4-フルオロブタノアート;
エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチル-3-フルオロブタノアート;
エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチル-4-フルオロブタノアート;及び
エチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチル-3-フルオロブタノアート
から選択される、式(I)の化合物に関する。
【0031】
本発明はさらに:
2-フルオロエチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
3-フルオロプロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート;
2-フルオロエチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート;
2-フルオロエチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド;
6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]ピリジン-2-カルボキサミド;及び
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
から選択される本発明による化合物に関する。
【0032】
本発明はまた、特に、6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミドに関する。
【0033】
一般構造Iを有する化合物の合成は、例えば、以下のスキームによって行うことができる。
【0034】
【化2】

による手順に従って、化合物AA(R'=H、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、又は別の好適な保護基(例えばT.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rd editionに記載されている)を出発物質として使用することができる。AAは、市販されているか、文献に記載されている、すなわち当業者によって合成することができるかのいずれかである。
【0035】
化合物ABは、当業者に公知の条件下(ステップa)で、好適な酸化剤で酸化することにより、例えば、周囲温度においてジクロロメタン中の3-クロロ過安息香酸で処理することにより、AAから調製することができる。
【0036】
化合物ABの6-クロロ又は6-ブロモ-ピコリンAC(X=Cl、Br)への変換は、例えば、20℃と溶媒の沸点の間の温度で、追加の溶媒を使用せずに若しくはクロロホルムなどの好適な溶媒中で、又は文献で知られている他の条件を使用するかのどちらかで、三塩化ホスホリル若しくは三臭化ホスホリルで処理することによって達成することが出来る(ステップb)。
【0037】
6-クロロ-又はブロモ-ピコリンAC(X=Cl、Br)は、室温から溶媒の還流温度の範囲の温度で、特には室温で、不活性溶媒(例えばジメチルホルムアミド)を使用して又は使用せずに、塩基(例えば水素化ナトリウム)の存在下で、シクロプロピルメタノールなどの好適に置換された第一級又は第二級アルコールADとの反応により、化合物AEに変換することができる(ステップc)。
【0038】
一般式AE(R’≠H)のエステルの鹸化は、当技術者に周知の方法で(例えば、0℃から使用する溶媒の還流温度の間の温度で、テトラヒドロフラン/エタノール又は別の好適な溶媒中でLiOH、NaOH又はKOHの水溶液を使用して)、一般式IIの酸をもたらす(ステップd)。
【0039】
化合物I(R’’=シクロプロピルメチルオキシ)は、好適なアミド結合形成反応(ステップe)により、II及び式IIIに対応するアミンから調製することができる。これらの反応は当技術分野で公知である。例えば、N,N’-カルボニル-ジイミダゾール(CDI)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、1-[ビス(ジメチルアミノ)-メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム-3-オキシドヘキサフルオロホスファート(HATU)、1-ヒドロキシ-1,2,3-ベンゾトリアゾール(HOBT)、O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、及びO-ベンゾトリアゾール-N,N,N’,N’-テトラメチル-ウロニウム-ヘキサフルオロホスファート(HBTU)のようなカップリング試薬は、このような転換に影響を与えるために用いることができる。好都合な方法は、室温で、例えばジメチルホルムアミドなどの不活性溶媒中で、例えばHBTUと塩基(例えばN-メチルモルホリン)を使用することである。
【0040】
あるいは、化合物AC(R’=メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル又は別の好適な保護基(例えば T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rd editionに記載されている))は:
i)ステップdに記載されているように、その酸の同族体AC(R’=H)に変換され;
ii)ステップeに記載されているように、アミンIIIで処理することにより、対応するアミドに変換され;そして
iii)ステップcに記載されているように、アルコールADと反応して
化合物Iに到達した。
【0041】
アミンIII及びアルコールADは、市販されているか、文献に記載されているように、当業者により合成する、又は本実施例の部分に記載されているように合成することが可能であるかのいずれかである。
【0042】
出発物質の1つ、式AA、AD又はIIIの化合物が、1つ以上の反応ステップの反応条件下で安定でないか又は反応性である1個以上の官能基を含む場合、適切な保護基(P)(例えば、 T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rdeditionに記載されているような)を、当技術分野で周知の方法を適用して、重要なステップの前に導入することができる。このような保護基は、当技術分野で公知の標準的な方法を用いて、合成の後の段階で除去することができる。
【0043】
式AAからAE、AD、II又はIIIの1つ以上の化合物がキラル中心を含む場合、式Iのピコリンは、ジアステレオマー又はエナンチオマーの混合物として得ることができ、これらは、当技術分野で周知の方法、例えば(キラル)HPLC又は結晶化によって分離することができる。ラセミ化合物は、例えば、結晶化、又はキラル吸着剤若しくはキラル溶離剤のいずれかを使用した特定のクロマトグラフィー方法による対掌体の分離によって、ジアステレオマーの塩を介して、それらの対掌体に分離することができる。
【0044】
【化3】

による手順に従って、化合物BA(R’=H、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、又は他の好適な保護基(例えばT.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rd editionに記載されている))を出発物質として使用することができる。BAは、市販されているか(例えば、R’=メチルの場合:5-ブロモ-6-クロロ-ピリジン-2-カルボン酸メチルエステルCAN 1214353-79-3)、文献に記載されている、即ち当業者によって合成することが出来るかのどちらかである。
【0045】
化合物AC’は、当業者に周知の方法、例えば、1,4-ジオキサンなどの溶媒中で、好ましくは溶媒の沸点で、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム/ジメチルビスジフェニル-ホスフィノキサンテンなどのパラジウム触媒及び炭酸セシウムなどの塩基を用いて、アミンBB(MはHである)とカップリングすることにより、BAから調製することができる(ステップa)。
【0046】
化合物AC’はさらに、
i)スキーム1のステップcに記載されているような化合物AEを形成するための化合物ADとの反応;
ii)スキーム1のステップdに記載されているような鹸化;及び
iii)スキーム1のステップeに記載されているようなアミド結合の形成
によって、化合物I(R’’=シクロプロピルメチルオキシ)に合成することができる。
【0047】
さらに、化合物BAは、スキーム1のステップcに記載されているように、化合物ADを用いて処理することにより、化合物BCに変換することができる(ステップb)。
【0048】
続いての化合物BCの化合物AEへの変換は、BAのAC’への変換(ステップa)で説明したように達成することができる。
【0049】
さらに、化合物AEは、
i)スキーム1のステップdに記載されているような鹸化;
ii)スキーム1のステップeに記載されているようなアミド結合の形成
によって、化合物I(R’’=シクロプロピルメチルオキシ)に合成することができる。
【0050】
あるいは、化合物BC(R’=メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、又は他の好適な保護基(例えばT.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999,3rd editionに記載されている))は、
i)スキーム1のステップdに記載されているように、その酸の同族体BC(R’=H)に変換され;
ii)スキーム1のステップeに記載されているように、アミンIIIで処理することにより、対応するアミドBDに変換され;そして
iii)ステップaに記載されているように、BBと反応して、
化合物I(R’’=シクロプロピルメチルオキシ)に到達した。
【0051】
さらに、化合物Iは、以下の反応シーケンス:
i)スキーム1のステップdに記載されているような、化合物BA(R’=メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、又は他の好適な保護基(例えばT.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999,3rd editionに記載されている))からの、その酸の対掌体BA(R’=H)への鹸化;
ii)スキーム1のステップeに記載されているような、アミンIIIで処理することによる対応するアミドへの変換;
iii)ステップaに記載されているような、化合物BBとの反応;及び
iv)ステップbに記載されているような、化合物ADとの反応
を適用して合成することもできる。場合によりステップiii)とステップiv)は置き替える事が出来る。
【0052】
出発物質である、式CA、CB又はBCの化合物のうちの1つが、1つ以上の反応ステップの反応条件下で安定でないか又は反応性である1個以上の官能基を含む場合、適切な保護基(P)(例えば、 T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rdeditionに記載されているような)を、当技術分野で周知の方法を適用して、重要なステップの前に導入することができる。このような保護基は、当技術分野で公知の標準的な方法を用いて、合成の後の段階で除去することができる。
【0053】
式BA、BB又はADの1つ以上の化合物が不斉中心を含む場合、式AC’及びAEのピコリンは、ジアステレオマー又はエナンチオマーの混合物として得ることができ、これらは、当技術分野で周知の方法、例えば(キラル)HPLC又は結晶化によって分離することができる。ラセミ化合物は、例えば、結晶化、又はキラル吸着剤若しくはキラル溶離剤のいずれかを使用した特定のクロマトグラフィー方法による対掌体の分離によって、ジアステレオマーの塩を介して、それらの対掌体に分離することができる。
【0054】
本発明はまた、以下のステップ:
(a)R-H、パラジウム触媒及び塩基の存在下における、式(A)
【化4】

の化合物の反応;
(b)NH2-C(R)-A-O-(CH-(CD-X、カップリング剤及び塩基の存在下における、式(B)
【化5】

(式中A、A、X、R~R、m及びnは、上記で定義された通りであり、Yはハロゲンである)
の化合物の反応
を含む式(I)の化合物を調製するためのプロセスに関する。
【0055】
ステップ(b)のカップリング剤は、好都合には、N,N’-カルボニル-ジイミダゾール(CDI)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、1-[ビス(ジメチルアミノ)-メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム-3-オキシドヘキサフルオロホスファート(HATU)、1-ヒドロキシ-1,2,3-ベンゾトリアゾール(HOBT)、O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、又は及びO-ベンゾトリアゾール-N,N,N’,N’-テトラメチル-ウロニウム-ヘキサフルオロホスファート(HBTU)のようなアミド結合形成剤である。
N-メチルモルホリンは、ステップ(b)の好都合な塩基である。
HBTUは、有利なことには、ステップ(b)のN-メチルモルホリンと組み合わせて使用することができる。
ステップ(b)の溶媒は、有利なことにはジメチルホルムアミドであり得る。
ステップ(a)において、パラジウム触媒は、例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム/ジメチルビスジフェニルホスフィノキサンテンであり得る。
ステップ(a)において、塩基は、例えば炭酸セシウムであり得る。
ステップ(a)において、溶媒は有利なことには1,4-ジオキサンである。
ステップ(a)において、Yは好都合には臭素であり得る。
【0056】
本発明はまた、本発明のプロセスにより製造された場合の本発明による化合物に関する。
【0057】
本発明の別の実施態様は、本発明の化合物及び治療的に不活性な担体、希釈剤若しくは賦形剤を含む医薬組成物又は医薬、ならびにそのような組成物及び医薬を調製するために本発明の化合物を使用する方法を提供する。一例では、式(I)の化合物は、周囲温度で、適切なpHで、且つ所望の純度で、生理学的に許容され得る担体、すなわち、ガレヌス投与形態に用いる用量及び濃度でレシピエントに対して非毒性である担体と混合することによって製剤化され得る。製剤のpHは、主に特定の用途及び化合物の濃度に依存するが、好ましくは約3から約8の範囲である。一例では、式(I)の化合物は、酢酸緩衝液中でpH5で製剤化される。別の実施態様では、式(I)の化合物は無菌である。該化合物は、例えば、固体又はアモルファス組成物として、凍結乾燥製剤として、又は水溶液として保存され得る。
【0058】
組成物は、良好な医療行為と一致する方法で製剤化され、用量化され、そして投与される。この文脈で考慮すべき因子は、処置される特定の障害、処置される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与のスケジューリング、及び医師に公知の他の因子を含む。
【0059】
本発明の化合物は、経口、局所(頬側及び舌下を含む)、直腸、膣、経皮、非経口、皮下、腹腔内、肺内、皮内、くも膜下腔内及び硬膜外及び鼻腔内、ならびに局所処置が所望される場合は病変内投与を含む、任意の好適な手段によって投与され得る。非経口注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与を含む。
【0060】
本発明の化合物は、例えば、錠剤、粉末、カプセル、溶液、分散液、懸濁液、シロップ、スプレー、坐剤、ゲル、乳濁液、パッチなどの、任意の好都合な投与形態で投与され得る。そのような組成物は、例えば、希釈剤、担体、pH調整剤、甘味料、増量剤、及び更なる活性剤などの、医薬調製における従来の成分を含み得る。
【0061】
典型的な製剤は、本発明の化合物と担体若しくは賦形剤とを混合することによって調製される好適な担体及び賦形剤は、当業者に周知であり、例えば、Ansel, Howard C., et al., Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2004; Gennaro, Alfonso R., et al. Remington: The Science and Practice of Pharmacy. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2000; and Rowe, Raymond C. Handbook of Pharmaceutical Excipients. Chicago, Pharmaceutical Press, 2005などに詳細に記載されている。当該製剤はまた、薬物(すなわち、本発明の化合物又はその医薬組成物)の洗練された提示を提供するための、すなわち、医薬製品(すなわち、医薬)の製造を助けるための、1つ以上の緩衝剤、安定剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤、抗酸化剤、不透明化剤、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味料、香料、香味料、希釈剤、及び他の公知の添加剤を含み得る。
【0062】
本発明はまた、特に、
疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性同種移植片拒絶、慢性同種移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血、心筋梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、発熱性歯肉炎、肝硬変又は腫瘍、骨質量の調節、神経変性、脳卒中、一過性虚血発作又はぶどう膜炎の処置又は予防のための式(I)の化合物の使用;
疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性同種移植片拒絶、慢性同種移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血、心筋梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、発熱性歯肉炎、肝硬変又は腫瘍、骨質量の調節、神経変性、脳卒中、一過性虚血発作又はぶどう膜炎の処置又は予防のための薬剤の調製のための式(I)の化合物の使用;
疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性同種移植片拒絶、慢性同種移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血、心筋梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、発熱性歯肉炎、肝硬変又は腫瘍、骨質量の調節、神経変性、脳卒中、一過性虚血発作又はぶどう膜炎の処置又は予防に使用のため式(I)の化合物;及び
疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血再灌流障害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性同種移植片拒絶、慢性同種移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血、心筋梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、発熱性歯肉炎、肝硬変又は腫瘍、骨質量の調節、神経変性、脳卒中、一過性虚血発作又はぶどう膜炎の処置又は予防のための方法であって、その方法が、式(I)の化合物の有効量をそれらを必要とする患者に投与することを含む方法
に関する。
【0063】
本発明は、特に、虚血、再灌流傷害、肝線維症又は腎線維症、特に虚血又は再灌流傷害の処置又は予防のための式(I)の化合物に関する。
【0064】
ここで、本発明を、限定的性質を有しない以下の実施例により例証する。
【実施例
【0065】
略語
CAN=ケミカルアブストラクトサービス番号(chemical abstracts service number);DIPEA=N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン;DMF=ジメチルホルムアミド;EtOAc=酢酸エチル;hept.=ヘプタン;HPLC=LC=高速液体クロマトグラフィー;ISP=イオンスプレー、ESI(エレクトロスプレー)に対応;MS=質量分析;NMRデータは、内部テトラメチルシランと比較して100万分の1部(δ)で報告され、サンプル溶媒(特に断りのない限りd-DMSO)からの重水素のロック信号を参照している;結合定数(J)はヘルツ単位である;RT=室温;TBTU=O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチル-ウロニウム-テトラフルオロボラート;THF=テトラヒドロフラン;tlc=薄層クロマトグラフィー。
【0066】
実施例1
フルオロメチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート
【化6】

a)2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド)-2-エチルブタン酸
【化7】

25mLの丸底フラスコに、2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド)-2-エチルブタノアート(CAN 1778678-14-0、210mg、501μmol、Eq:1)をTHF(3mL)及びMeOH(3.3mL)と合わせて、無色の溶液を与えた。水(3mL)に溶解したKOH(140mg、2.5mmol、Eq:5)を加え、反応混合物を100℃で19時間撹拌した。KOH(75mg)及びTHF 1mL 、MeOH及び水を加え、100℃で3間撹拌を続けた。有機溶媒を減圧下で除去し、水相を酸性化(1N HCl)した。得られた白色懸濁液をEtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、粗の標題化合物を淡褐色の油状物として与え、更なる精製を行わずに次のステップで使用した、MS(ISP):392.314[MH]。
【0067】
b)フルオロメチル-2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート
10mLの丸底フラスコで、2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド)-2-エチルブタン酸(37mg、94.5μmol、Eq:1)をDMF(500μL)と混合し、淡褐色の溶液を与えた。KCO(65.3mg、473μmol、Eq:5)及びフルオロ-ヨード-メタン(76.3mg、32.2μL、473μmol、Eq:5)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、EtOAcで希釈し、飽和NaCl(3×10mL)で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、5g、へプタン/EtOAc)で精製して、標題化合物(27 mg、68%)を無色の油状物として与えた、MS(ISP):424.341[MH]。
【0068】
実施例2
2-フルオロエチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート
【化8】

実施例1bに記載された手順と同様にして、2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド)-2-エチルブタン酸(実施例1a)をフルオロ-ヨード-メタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):438.346[MH]。
【0069】
実施例3
3-フルオロプロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート
【化9】

実施例1bに記載された手順と同様にして、2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド)-2-エチルブタン酸(実施例1a)を1-ヨード-3-フルオロプロパンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):452.4[MH]。
【0070】
実施例4
フルオロメチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート
【化10】

実施例1bに記載された手順と同様にして、2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド)-2-エチルブタン酸(CAN 1415896-50-2)をフルオロ-ヨード-メタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、LC-MS(UVピーク面積/ESI)100%、430.1952[MH]。
【0071】
実施例5
2-フルオロエチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート
【化11】

実施例1bに記載された手順と同様にして、2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド)-2-エチルブタン酸(CAN 1415896-50-2)をフルオロ-ヨード-エタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、LC-MS(UVピーク面積/ESI)100%、444.2109[MH]。
【0072】
実施例6
3-フルオロプロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート
【化12】

実施例1bに記載された手順と同様にして、2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド)-2-エチルブタン酸(CAN 1415896-50-2)を1-ヨード-3-フルオロプロパンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、LC-MS(UVピーク面積/ESI)100%、458.2263[MH]。
【0073】
実施例7
3-フルオロプロピル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート
【化13】

実施例1bに記載された手順と同様にして、2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド)-2-エチルブタン酸(CAN 1415897-34-5)を1-ヨード-3-フルオロプロパンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、LC-MS(UVピーク面積/ESI)98%、436.2615[MH]。
【0074】
実施例8
フルオロメチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート
【化14】

実施例1bに記載された手順と同様にして、2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド)-2-エチルブタン酸(CAN 1415897-34-5)をフルオロ-ヨード-メタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、LC-MS(UVピーク面積/ESI)96%、408.2301[MH]。
【0075】
実施例9
2-フルオロエチル2-{[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]アミノ}-2-エチルブタノアート
【化15】

実施例1bに記載された手順と同様にして、2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド)-2-エチルブタン酸(CAN 1415897-34-5)をフルオロ-ヨード-エタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、LC-MS(UVピーク面積/ESI)97%、422.2463[MH]。
【0076】
実施例10
フルオロメチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート
【化16】

a)(S)-メチル2-(5-ブロモ-6-(シクロプロピルメトキシ)ピコリンアミド)-4-メチルペンタノアート
【化17】

100mLの丸底フラスコで、5-ブロモ-6-(シクロプロピルメトキシ)ピコリン酸(CAN 1415898-37-1、850mg、3.12mmol、Eq:1)をDMF(15mL)と合わせて、淡黄色の溶液を与えた。TBTU(1.1g、3.44mmol、Eq:1.1)、DIPEA(1.61g、2.18mL、12.5mmol、Eq:4)及びL-ロイシンメチルエステル塩酸塩(CAN 7517-19-3、794mg、4.37mmol、Eq:1.4)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残留物をEtOAcに溶解した。有機層を合わせて、飽和NaHCO(3×20mL)、1M HCl(3×20mL)、及び飽和NaCl(3×20mL)で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、粗の標題生成物(1.1g、88%)を淡褐色の油状物として得、更なる精製を行わずに次の反応ステップで使用した、MS(ISP):399.162[MH]。
【0077】
b)(S)-メチル2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド)-4-メチルペンタノアート
【化18】

20mLの密閉管で、(S)-メチル2-(5-ブロモ-6-(シクロプロピルメトキシ)ピコリンアミド)-4-メチルペンタノアート(385mg、964μmol、Eq:1)をトルエン(10mL)と合わせて、無色の溶液を与えた。3-メトキシアゼチジン塩酸塩(CAN 148644-09-1、179mg、1.45mmol、Eq:1.5)及びCsCO(943mg、2.89mmol、Eq:3)を加えた。rac-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(120mg、193μmol、Eq:0.2)及び酢酸パラジウム(II)(43.3mg、193μmol、Eq:0.2)を加えた。白色の懸濁液を110℃に1時間で加熱し、EtOAcで希釈し、セライトで濾過した。有機層を合わせて、1M HCl(3×50mL)及び飽和NaCl(1×100mL)で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、50g、へプタン/EtOAc)で精製して、標題化合物(287mg、73%)を淡黄色の油状物として与えた、MS(ISP):406.319[MH]。
【0078】
c)(S)-2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド)-4-メチルペンタン酸
【化19】

25mLの丸底フラスコで、(S)-メチル2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド)-4-メチルペンタノアート(270mg、666μmol、Eq:1)をTHF(2mL)、水(2mL)及びMeOH(2mL)と合わせて、淡黄色の溶液を与えた。KOH(112mg、2mmol、Eq:3)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。有機溶媒を減圧下で除去した。水相を1M HClでpH 2に調整し、EtOAc(3×20mL)及びブライン(1×25mL)で抽出した。有機層をNaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、粗の標題化合物(定量)を淡褐色の油状物として与え、更なる精製を行わずに次の反応ステップで使用した、MS(ISP):392.316[MH]。
【0079】
d)フルオロメチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート
実施例1bに記載された手順と同様にして、(S)-2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド)-4-メチルペンタン酸をフルオロ-ヨード-メタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):424.289[MH]。
【0080】
実施例11
2-フルオロエチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート
【化20】

実施例1bに記載された手順と同様にして、(S)-2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド)-4-メチルペンタン酸(実施例10c)をフルオロ-ヨード-エタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):438.294[MH]。
【0081】
実施例12
3-フルオロプロピルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート
【化21】

実施例1bに記載された手順と同様にして、(S)-2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド)-4-メチルペンタン酸(実施例10c)を1-フルオロ-3-ヨードプロパンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):452.351[MH]。
【0082】
実施例13
フルオロメチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート
【化22】

a)(S)-メチル2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド)-4-メチルペンタノアート
【化23】

実施例10bに記載された手順と同様にして、(S)-メチル2-(5-ブロモ-6-(シクロプロピルメトキシ)ピコリンアミド)-4-メチルペンタノアート(実施例10a)をピロリジンと反応させて、標題化合物を淡黄色の油状物として与えた、LC-MS(UVピーク面積/ESI)95%、390.2403[MH]。
【0083】
b)(S)-2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド)-4-メチルペンタン酸
【化24】

実施例10cに記載された手順と同様にして、(S)-メチル2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド)-4-メチルペンタノアートをKOHで加水分解して、標題化合物を褐色の油状物として与え、更なる精製を行わずに次の反応ステップで使用した、MS(ISP):376.307[MH]。
【0084】
c)フルオロメチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート
実施例1bに記載された手順と同様にして、(S)-2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド)-4-メチルペンタン酸をフルオロ-ヨード-メタンと反応させて、標題化合物を淡黄色の油状物として与えた、MS(ISP):408.276[MH]。
【0085】
実施例14
2-フルオロエチルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート
【化25】

実施例1bに記載された手順と同様にして、(S)-2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド)-4-メチルペンタン酸(実施例13b)をフルオロ-ヨード-エタンと反応させて、標題化合物を薄褐色の油状物として与えた、MS(ISP):422.332[MH]。
【0086】
実施例15
3-フルオロプロピルN-[6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニル]-L-ロイシナート
【化26】

実施例1bに記載された手順と同様にして、(S)-2-(6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド)-4-メチルペンタン酸(実施例13b)を1-フルオロ-3-ヨード-プロパンと反応させて、標題化合物を淡褐色の油状物として与えた、MS(ISP):436.338[MH]。
【0087】
実施例16
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化27】

5mLの丸底フラスコで、(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-4-メチルペンタン-2-イル)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド(CAN 1415894-55-1、40mg、111μmol、Eq:1)をDMF(1mL)と合わせて、無色の溶液を与え、これを0℃に冷却した。鉱物油上の水素化ナトリウム(22.1mg、553μmol、Eq:5)を加え、30分間攪拌を続けた。フルオロ-ヨード-メタン(88.5mg、37.3μL、553μmol、Eq:5)を加え、混合物を周囲温度まで温め、1時間攪拌を続けた。反応混合物をEtOAcで希釈した。有機層を合わせ、飽和NaCl(3×25mL)で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、5g、へプタン/EtOAc)で精製して、標題化合物(24mg、55%)を白色の固体として与えた、MS(ISP):394.271[MH]。
【0088】
実施例17
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化28】

実施例16に記載された手順と同様にして、(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-4-メチルペンタン-2-イル)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド(CAN 1415894-55-1)を1-フルオロ-2-ヨード-エタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):408.327[MH]。
【0089】
実施例18
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化29】

実施例16に記載された手順と同様にして、(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-4-メチルペンタン-2-イル)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド(CAN 1415894-55-1)を1-フルオロ-3-フルオロ-プロパンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):422.332[MH]。
【0090】
実施例19
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化30】

a)(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-3-メチルブタン-2-イル)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド
【化31】

50mLの丸底フラスコで、6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリン酸(CAN 1415898-45-1、295mg、1.12mmol、Eq:1)をDMF(15mL)と合わせて、黄色の溶液を与えた。DIPEA(727mg、982μL、5.62mmol、Eq:5)及びTBTU(397mg、1.24mmol、Eq:1.1)を加えた。L-バリノール(CAN 2026-48-4、174mg、1.69mmol、Eq:1.5)を加え、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。EtOAcを加え、その溶液を飽和NaHCO(3×20mL)、1M HCl(3×20mL)、及び飽和NaCl(3×20mL)で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、標題化合物(240mg、61%)を淡黄色の油状物として与え、更なる精製を行わずに次の反応ステップで使用した、MS(ISP):348.239[MH]。
【0091】
b)6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
実施例16に記載された手順と同様にして、(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-3-メチルブタン-2-イル)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミドをフルオロ-ヨード-メタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):380.265[MH]。
【0092】
実施例20
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化32】

実施例16に記載された手順と同様にして、(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-3-メチルブタン-2-イル)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド(実施例19a)を1-フルオロ-2-ヨード-エタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):394.326[MH]。
【0093】
実施例21
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化33】

実施例16に記載された手順と同様にして、(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-3-メチルブタン-2-イル)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド(実施例19a)を1-ヨード-3-フルオロプロパンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):408.391[MH]。
【0094】
実施例22
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)プロパン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化34】

a)(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド
【化35】

実施例19aに記載された手順と同様にして、6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリン酸(CAN 1415898-45-1)をL-アラニノール(CAN 2749-11-3)と反応させて、標題化合物を淡黄色の油状物として与えた、MS(ISP):320.209[MH]。
b)6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)プロパン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
実施例16に記載された手順と同様にして、(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミドをフルオロ-ヨード-メタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):352.204[MH]。
【0095】
実施例23
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)プロパン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化36】

実施例16に記載された手順と同様にして、(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド(実施例22a)を1-フルオロ-2-ヨード-エタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):366.298[MH]。
【0096】
実施例24
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)プロパン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化37】

実施例16に記載された手順と同様にして、(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド(実施例22a)を1-ヨード-3-フルオロプロパンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):380.265[MH]。
【0097】
実施例25
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化38】

a)(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-4-メチルペンタン-2-イル)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド
【化39】

実施例19aに記載された手順と同様にして、6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリン酸(CAN 1613292-59-3)をL-ロイシノール(CAN 7533-40-6)と縮合させて、標題化合物を淡黄色の油状物として与えた、MS(ISP):378.309[MH]。
b)6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
実施例16に記載された手順と同様にして、(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-4-メチルペンタン-2-イル)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミドをフルオロ-ヨード-メタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、LC-MS(UVピーク面積/ESI)100%、380.265[MH]。
【0098】
実施例26
6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]ピリジン-2-カルボキサミド
【化40】

a)(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-N-(1-ヒドロキシ-4-メチルペンタン-2-イル)ピコリンアミド
【化41】

実施例19aに記載された手順と同様にして、6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)ピコリン酸(CAN 1415898-88-2)をL-ロイシノール(CAN 7533-40-6)と縮合させて、標題化合物を淡黄色の油状物として与えた、MS(ISP):384.279[MH]。
b)6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]ピリジン-2-カルボキサミド
実施例16に記載された手順と同様にして、(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-N-(1-ヒドロキシ-4-メチルペンタン-2-イル)ピコリンアミドを、1-フルオロ-2-ヨード-エタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):430.338[MH]。
【0099】
実施例27
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化42】

実施例16に記載された手順と同様にして、(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-4-メチルペンタン-2-イル)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド(実施例25a)を1-フルオロ-2-ヨード-エタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):424.362[MH]。
【0100】
実施例28
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化43】

実施例16に記載された手順と同様にして、(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-4-メチルペンタン-2-イル)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド(実施例25a)を1-ヨード-3-フルオロプロパンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):438.375[MH]。
【0101】
実施例29
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化44】

a)(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-3-メチルブタン-2-イル)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド
【化45】

実施例19aに記載された手順と同様にして、6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリン酸(CAN 1613292-59-3)をL-バリノール(CAN 2026-48-4)と縮合させて、標題化合物を淡黄色の油状物として与えた、MS(ISP):364.252[MH]。
b)6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(フルオロメトキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
実施例16に記載された手順と同様にして、(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-3-メチルブタン-2-イル)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミドをフルオロ-ヨード-メタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):396.3[MH]。
【0102】
実施例30
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化46】

実施例16に記載された手順と同様にして、(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-3-メチルブタン-2-イル)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド(実施例29b)を1-フルオロ-2-ヨード-エタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):410.335[MH]。
【0103】
実施例31
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)-3-メチルブタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化47】

実施例16に記載された手順と同様にして、(S)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-3-メチルブタン-2-イル)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド(実施例29b)を1-ヨード-3-フルオロプロパンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):424.362[MH]。
【0104】
実施例32
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)プロパン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化48】

a)6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(1S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化49】

実施例19aに記載された手順と同様にして、6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリン酸(CAN 1613292-59-3)をL-アラニノール(CAN 2749-11-3)と縮合させて、標題化合物を淡黄色の油状物として与えた、MS(ISP):336.242[MH]。
【0105】
b)6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(2-フルオロエトキシ)プロパン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
実施例16に記載された手順と同様にして、6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(1S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミドを、1-フルオロ-2-ヨード-エタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):382.270[MH]。
【0106】
実施例33
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2S)-1-(3-フルオロプロポキシ)プロパン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化50】

実施例16に記載された手順と同様にして、6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(1S)-2-ヒドロキシ-1-メチル-エチル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド(実施例32a)を1-ヨード-3-フルオロプロパンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):396.279[MH]。
【0107】
実施例34
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-{3-[(フルオロメトキシ)メチル]ペンタン-3-イル}-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化51】

a)6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(3-(ヒドロキシメチル)ペンタン-3-イル)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド
【化52】

実施例19aに記載された手順と同様にして、6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリン酸(CAN 1613292-59-3)を2-アミノ-2-エチルブタン-1-オール(CAN 19792-52-0)と縮合させて、標題化合物を淡黄色の油状物として与えた、MS(ISP):378.303[MH]。
【0108】
b)6-(シクロプロピルメトキシ)-N-{3-[(フルオロメトキシ)メチル]ペンタン-3-イル}-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
実施例16に記載された手順と同様にして、6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(3-(ヒドロキシメチル)ペンタン-3-イル)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミドをフルオロ-ヨード-メタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):410.348[MH]。
【0109】
実施例35
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-{3-[(2-フルオロエトキシ)メチル]ペンタン-3-イル}-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化53】

実施例16に記載された手順と同様にして、6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(3-(ヒドロキシメチル)ペンタン-3-イル)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド(実施例34a)を1-フルオロ-2-ヨード-エタンと反応させて、標題化合物を薄褐色の油状物として与えた、MS(ISP):424.362[MH]。
【0110】
実施例36
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-{3-[(3-フルオロプロポキシ)メチル]ペンタン-3-イル}-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化54】

実施例16に記載された手順と同様にして、6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(3-(ヒドロキシメチル)ペンタン-3-イル)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド(実施例34a)を1-ヨード-3-フルオロプロパンと反応させて、標題化合物を薄褐色の油状物として与えた、MS(ISP):438.346[MH]。
【0111】
実施例37
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2R)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化55】

a)(R)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-4-メチルペンタン-2-イル)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミド
【化56】

実施例19aに記載された手順と同様にして、6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリン酸(CAN 1415898-45-1)をD-ロイシノール(CAN 53448-09-2)と縮合させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):362.725[MH]。
【0112】
b)6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2R)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
実施例16に記載された手順と同様にして、(R)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-4-メチルペンタン-2-イル)-5-(ピロリジン-1-イル)ピコリンアミドを1-フルオロ-2-ヨード-エタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):408.359[MH]。
【0113】
実施例38
6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2R)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
【化57】

a)(R)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-4-メチルペンタン-2-イル)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミド
【化58】

実施例19aに記載された手順と同様にして、6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリン酸(CAN 1613292-59-3)をD-ロイシノール(CAN 53448-09-2)と縮合させて、標題化合物を淡黄色の油状物として与えた、MS(ISP):378.3[MH]。
【0114】
b)6-(シクロプロピルメトキシ)-N-[(2R)-1-(2-フルオロエトキシ)-4-メチルペンタン-2-イル]-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
実施例16に記載された手順と同様にして、(R)-6-(シクロプロピルメトキシ)-N-(1-ヒドロキシ-4-メチルペンタン-2-イル)-5-(3-メトキシアゼチジン-1-イル)ピコリンアミドを、1-フルオロ-2-ヨード-エタンと反応させて、標題化合物を無色の油状物として与えた、MS(ISP):424.327[MH]。
【0115】
実施例39
6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-フルオロ-3-メチルアセチジン-1-イル)-N-(3-(3-フルオロプロピルカルバモイル)ペンタン-3-イル)ピコリンアミド
【化59】

5mLのナシ型フラスコで、6-(シクロプロピルメトキシ)-5-(3-フルオロ-3-メチルアセチジン-1-イル)ピコリン酸(CAN 1812888-92-8、5mg、17.8μmol、Eq:1.0)、2-アミノ-2-エチル-N-(3-フルオロプロピル)ブタンアミド塩酸(CAN 1613239-88-5、4.45mg、19.6μmol、Eq:1.10)、2-ブロモ-1-エチルピリジニウムテトラフルオロボラート(5.37mg、19.6μmol、Eq:1.10)及びDIPEA(8.07mg、10.7μL、62.4μmol、Eq:3.50)を1,4-ジオキサン(100μL)と合わせて、淡黄色の溶液を与えた。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌し、乾燥させた。粗物を分取TLC(シリカゲル、EtOAc、CHCl/EtOAc 1:1で溶出)により精製して、標題化合物(5mg、62%)を白色の固体として与えた、MS(ESI):453.3[MH]。
【0116】
実施例40
薬理学的試験
式Iの化合物の活性を決定するために、以下の試験を行った。
放射性リガンド結合アッセイ
カンナビノイドCB1受容体に対する本発明の化合物の親和性は、ヒトCNR1又はCNR2受容体を発現するヒト胚性腎臓(HEK)細胞の膜調製物の推奨量(PerkinElmer)を、放射性リガンドとしてそれぞれ1.5又は2.6nM [3H]-CP-55,940(PerkinElmer)と組み合わせて使用し決定した。結合は、結合緩衝液(CB1受容体については、50mM トリス(Tris)、5mM MgCl、2.5mM EDTA、及び0.5%(wt/vol) 脂肪酸を含まないBSA、pH 7.4、ならびにCB2受容体については、50mM トリス、5mM MgCl、2.5mM EGTA、及び0.1%(wt/vol) 脂肪酸を含まないBSA、pH 7.4)(総容量0.2mL)で、30℃で振とうしながら1時間かけて行った。反応は、0.5%ポリエチレンイミンでコーティングされた精密ろ過プレート(UniFilter GF/Bフィルタープレート;Packard)を通した急速ろ過により停止した。飽和実験から[3H]CP55,940のKd値を決定して、非線形回帰分析(Activity Base, ID Business Solution, Limited)を用いてKiについて分析した。式(I)の化合物はCB2受容体に対して優れた親和性を示す。
式(I)による化合物は、上記アッセイ(Ki)において0.5nMと10μMの間で上記アッセイにおいて活性を有する。式(I)の特定の化合物は、上記アッセイ(Ki)において0.5nMと3μMの間で活性を有する。式(I)の他の特定の化合物は、上記アッセイ(Ki)において0.5nMから100nMの間で活性を有する。
【0117】
cAMPアッセイ
ヒトCB1又はCB2受容体を発現するCHO細胞(DMEM(Invitrogen No.31331)、1×HTサプリメント(HT supplement)中で、10%ウシ胎児血清を含む)を、実験の17~24時間前に、フラットクリアボトム(Corning Costar #3904)を備えたブラック96ウェルプレート(black 96 well plate)中にウェルあたり50.000細胞を播種し、5%CO及び37℃の加湿インキュベーター中でインキュベートする。増殖培地を、1mM IBMXを含むクレブスリンガー重炭酸緩衝液(Krebs Ringer Bicarbonate buffer)と交換し、30℃で30分間インキュベートした。化合物を100μLの最終アッセイ容量まで加え、30℃で30分間インキュベートした。cAMP-Nano-TRF検出キット(Roche Diagnostics)を使用して、アッセイを50μL溶解 (lysis)試薬(トリス、NaCl、1.5%トリトンX100、2.5% NP40、10% NaN)及び50μLの検出溶液(20μM mAb Alexa700-cAMP 1:1、及び48μM ルテニウム-2-AHA-cAMP)の添加により停止し、室温で2時間振とうした。時間分解エネルギー移動は、ND:励起源としてのYAGレーザーを備えたTRFリーダー(Evotec Technologies GmbH)を用いて測定する。プレートは、355nmでの励起ならびに100nsの遅延及び100nsのゲートを伴う放射において、2回測定し、合計露光時間は730nm(帯域幅30nm)又は645nm(帯域幅75nm)でそれぞれ10秒である。FRET信号は以下のように計算される:FRET=T730-Alexa730-P(T645-B645)、(式中、P=Ru730-B730/Ru645-B645)、ここでT730は730nmで測定されたテストウェルであり、T645は645nmで測定されたテストウェルであり、B730及びB645は、それぞれ730nm及び645nmでのバッファコントロールである。cAMP含有量は、10μMから0.13μMにまたがるcAMPの標準曲線の関数から決定される。
【0118】
EC50値は、Activity Base分析(ID Business Solution, Limited)を使用して決定した。参照される化合物のこのアッセイから生成された広範囲のカンナビノイドアゴニストのEC50値は、科学文献で公表されている値と一致していた。
前記アッセイにおいて、本発明による化合物は、0.5μMから10μMの間であるヒトCB2 EC50を有する。本発明による特定の化合物は、0.5μMから1μMの間であるヒトCB2EC50を有する。本発明による更なる特定の化合物は、0.5nMから100nMの間であるヒトCB2EC50を有する。それらは、放射性リガンド及びcAMPアッセイの両方、又はこれら2つのアッセイのいずれかにおいて、ヒトCB1受容体に対して少なくとも10倍の選択性を示す。
【0119】
本発明の代表的な化合物について得られた結果を以下の表に示す。
【表1】