(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】モバイル装置接続を提供するための方法、システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 80/10 20090101AFI20240229BHJP
H04W 88/16 20090101ALI20240229BHJP
H04W 92/24 20090101ALI20240229BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20240229BHJP
【FI】
H04W80/10
H04W88/16
H04W92/24
H04W48/18
(21)【出願番号】P 2021510055
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(86)【国際出願番号】 US2019044435
(87)【国際公開番号】W WO2020040957
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-05-09
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502303739
【氏名又は名称】オラクル・インターナショナル・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スプラギンズ,トッド
(72)【発明者】
【氏名】デオ,アジャイ・パドマカー
(72)【発明者】
【氏名】マッキャン,トーマス・マシュー
(72)【発明者】
【氏名】マクマリー,サム・エリック
(72)【発明者】
【氏名】ドノバン,スティーブン・ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ゴパール,ラジャット
【審査官】吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/053305(WO,A1)
【文献】特開2017-174147(JP,A)
【文献】特開2008-245242(JP,A)
【文献】特開2005-328460(JP,A)
【文献】特表2018-534645(JP,A)
【文献】国際公開第2018/044341(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0346722(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル装置接続を提供するための方法であって、
1つ以上のプロセッサ上で実装されたモバイルゲートウェイにおいて、
前記モバイルゲートウェイのオンプレミス通信ネットワークコアを用いて、複数のモバイルユーザ装置のモバイルデータセッションを確立し、前記オンプレミス通信ネットワークコアを介して前記モバイルユーザ装置間の通信を可能にすることと、
ソフトウェア定義広域ネットワーク(SD-WAN)コントローラを用いて、
サービスゲートウェイを含む遠隔システムに前記モバイルユーザ装置
を接続するためのSD-WANオーバーレイネットワークを確立することと
、
前記SD-WANコントローラを用いて、前記モバイルゲートウェイと前記サービスゲートウェイとの間のトンネルを確立することと、
前記トンネルを介して前記遠隔システムと制御信号を交換することによって、前記モバイルデータセッションを確立することとを含む、方法。
【請求項2】
前記モバイルゲートウェイは、セッションボーダコントローラ(SBC)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記SBCを用いて、オンプレミスアクセスネットワークと集中型コントローラを含む遠隔システムとの間のエッジに位置する通信制御プレーンの信号を制御することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記SD-WANオーバーレイネットワークを用いて、前記モバイルユーザ装置のサービス品質(QoS)およびルート最適化を提供することを含む、請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記SD-WANオーバーレイネットワークを用いて前記モバイルユーザ装置のQoSおよびルート最適化を提供することは、前記モバイルデータセッションに優先順位を付け、前記モバイルデータセッションの優先順位に従ってQoSを維持するように、前記SD-WANオーバーレイネットワークを介して前記モバイルデータセッションを再ルーティングすることを含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記オンプレミス通信ネットワークコアは、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)を含む、請求項1から
5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記オンプレミス通信ネットワークコアは、移動性管理エンティティ(MME)、サービングゲートウェイ(SGW)、ホーム加入者サーバ(HSS)、およびアクセスネットワーク発見および選択機能(ANDSF)を備える進化型パケットコア(EPC)を含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記オンプレミス通信ネットワークコアは、アクセス管理機能(AMF)、セッション管理機能(SMF)、およびユーザプレーン機能(UPF)を備える5Gコアを含む、請求項1から
7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記SD-WANコントローラを用いて、前記SMFと共に、モバイル接続制御およびポリシーを管理することを含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つのコンピュータの1以上のプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのコンピュータに、請求項1から
9のいずれか1項に記載の方法を実行させる、プログラム。
【請求項11】
モバイル装置接続を提供するためのシステムであって、
請求項
10に記載のプログラムを記憶したメモリと、
前記プログラムを実行する前記1以上のプロセッサと、
前記1以上のプロセッサ上で実装されたモバイルゲートウェイとを備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本願は、2019年5月2日に提出された米国特許出願16/402214および2018年8月24日に提出された米国特許仮出願62/722635の利益を主張し、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示の主題は、モバイル装置接続を提供するための方法およびシステムに関する。より具体的には、本開示の主題は、ソフトウェア定義広域ネットワーク(SW-WAN)オーバーレイを用いてモバイル装置をアンカーするための方法、システムおよびコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、電気通信規格業界のグループ間の連携である。3GPPは、3G、4GおよびLTE(ロングタームエボリューション)ネットワークを含む通信ネットワークのモバイルフォンシステム仕様を規定している。3GPPの次世代ネットワークは、5Gネットワークである。5G仕様は、データレートの向上、遅延の減少、エネルギーの節約、コストの削減、システム容量の増加、および接続装置数の増加を目標としている。
【0004】
いくつかの従来ネットワークの移動性は、1つの集中型アンカーポイントに依存し、全てのトラフィックがこのアンカーポイントを出入りすることを必要とする。いくつかのシステムは、ユーザプレーンを配布する解決策を含むが、これらの解決策は、通常、静的接続で実装され、費用がかかる。
【0005】
例えば、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)リンクは、費用がかかり、すぐに過剰加入になる。MPLSは、サービスプロバイダおよび企業によって広く利用され、広域ネットワーク(WAN)を構築する。MPLSは、第2層と第3層との間に存在し、複数のトランスポートをサポートする。ネットワークのエッジに位置するMPLS装置は、着信パケットを受信し、ルート検索を行う。MPLS装置は、パケットの宛先までの完全経路を決定し、経路をパケットに付加する。これによって、後続の装置は、追加のルート検索を行う必要がなく、パケットを転送することができる。しかしながら、インターネットの使用は、信頼できないことがあり、しばしば混雑する。
【0006】
したがって、モバイル装置接続を提供するための方法、システムおよびコンピュータ可読媒体が必要である。
【発明の概要】
【0007】
概要
モバイル装置接続を提供するための方法、システムおよびコンピュータ可読媒体が開示される。システムは、1つ以上のプロセッサ上で実装されたモバイルゲートウェイを含む。モバイルゲートウェイは、モバイルユーザ装置のモバイルデータセッションを確立し、モバイルユーザ装置間の通信を可能にするように構成されたオンプレミス通信ネットワークコアを含む。モバイルゲートウェイは、モバイルユーザ装置を外部通信ネットワークに接続するためのSD-WANオーバーレイネットワークを確立するように構成されたソフトウェア定義広域ネットワーク(SD-WAN)コントローラを含む。
【0008】
方法は、1つ以上のプロセッサ上で実装されたモバイルゲートウェイにおいて、モバイルゲートウェイのオンプレミス通信ネットワークコアを用いて、複数のモバイルユーザ装置のモバイルデータセッションを確立し、オンプレミス通信ネットワークコアを介してモバイルユーザ装置間の通信を可能にすることを含む。方法は、ソフトウェア定義広域ネットワーク(SD-WAN)コントローラを用いて、モバイルユーザ装置を外部通信ネットワークに接続するためのSD-WANオーバーレイネットワークを確立することを含む。
【0009】
いくつかの例において、モバイルゲートウェイは、セッションボーダコントローラ(SBC)含む。SBCは、オンプレミスアクセスネットワークと集中型コントローラを含む遠隔システムとの間のエッジに位置する通信制御プレーンの信号を制御するように構成されてもよい。
【0010】
いくつかの例において、SD-WANコントローラは、サービスゲートウェイを含む遠隔システムと共に、データ通信ネットワークを介してトンネルを確立するように構成され、モバイルゲートウェイは、当該トンネルを介して遠隔システムと制御信号を交換することによって、モバイルデータセッションを確立するように構成される。
【0011】
いくつかの例において、モバイルゲートウェイは、SD-WANオーバーレイネットワークを用いて、モバイルユーザ装置のサービス品質(QoS)およびルート最適化を提供するように構成される。SD-WANオーバーレイネットワークを用いてモバイルユーザ装置のQoSおよびルート最適化を提供することは、モバイルデータセッションに優先順位を付け、モバイルデータセッションの優先順位に従ってQoSを維持するように、SD-WANオーバーレイネットワークを介してモバイルデータセッションを再ルーティングすることを含むことができる。
【0012】
いくつかの例において、オンプレミス通信コアは、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)を含む。オンプレミス通信コアは、移動性管理エンティティ(MME)、サービングゲートウェイ(SGW)、ホーム加入者サーバ(HSS)、およびアクセスネットワーク発見および選択機能(ANDSF)を備える進化型パケットコア(EPC)を含むことができる。
【0013】
いくつかの例において、オンプレミス通信コアは、アクセス管理機能(AMF)、セッション管理機能(SMF)、およびユーザプレーン機能(UPF)を備える5Gコアを含む。SD-WANコントローラは、SMFと協働して、モバイル接続制御およびポリシーを管理するように構成されてもよい。
【0014】
本開示の主題は、ソフトウェアとハードウェアおよび/またはファームウェアとの組み合わせに実装されてもよい。例えば、本開示の主題は、プロセッサによって実行されるソフトウェアに実装されてもよい。1つの例示的な実装例において、本開示の主題は、コンピュータ実行可能な命令を記憶するコンピュータ可読媒体を用いて実装されてもよい。これらの命令は、コンピュータのプロセッサによって実行されると、ステップを実行するようにコンピュータを制御する。本開示の主題を実装するのに適した例示的なコンピュータ可読媒体は、ディスクメモリ素子、チップメモリ素子、プログラム可能なロジック素子、および特定用途向け集積回路などの非一時的な素子を含む。さらに、本開示の主題を実装するコンピュータ可読媒体は、単一の装置またはコンピューティングプラットフォーム上に配置されてもよく、または複数の装置またはコンピューティングプラットフォームにわたって分散されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】モバイル装置接続を提供するための例示的なコンピュータシステムを示すブロック図である。
【
図1B】EPCを含む例示的な通信コアを示すブロック図である。
【
図1C】5Gネットワークの例示的な通信コアを示すブロック図である。
【
図2】例示的なセッションボーダコントローラ200を示すブロック図である。
【
図4】通信ネットワークの例示的な通信環境を示す図である。
【
図5】モバイル装置接続を提供するための例示的な方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
本開示の主題は、モバイル装置接続を提供するための方法およびシステムに関する。より具体的には、本開示の主題は、ソフトウェア定義広域ネットワーク(SW-WAN)オーバーレイを用いてモバイル装置をアンカーするための方法、システムおよびコンピュータ可読媒体に関する。
【0017】
システムは、ポリシー駆動の動的SD-WANオーバーレイを用いて互いに接続される1つ以上のモバイルゲートウェイおよび/またはプライベートネットワークおよび/または公衆ネットワーク(例えば、インターネット)に接続される1つ以上のモバイルゲートウェイを介して、モバイルユーザ機器のサービス品質(QoS)およびルーチン最適化を提供することができる。例えば、通信業者または企業は、モバイルネットワークを確立するときに、このシステムを使用して、安価な接続を可能にする。また、このシステムは、例えば、モバイルデータフローをルーティングするための移動性および品質を決定するために使用されるローカルポリシー、企業ポリシー、またはネットワーク認識ポリシーに使用されてもよい。
【0018】
動作中、モバイルゲートウェイを接続するSD-WANオーバーレイネットワークの直接知識を利用して、確立した標準的なモバイルデータセッションを強化することによって、プライベートネットワークまたはパブリックネットワークへの最適な接続および送受信を決定することができる。SD-WANオーバーレイネットワークは、本質的に動的であり、QoS要件に関するポリシーによって駆動されてもよい。
【0019】
図1Aは、モバイル装置接続を提供するための例示的なコンピュータシステム100を示すブロック図である。システム100は、1つ以上のプロセッサ102と、プロセッサ102用の命令を記憶するためのメモリ104とを含む。
【0020】
システム100は、プロセッサ102上に実装されたモバイルゲートウェイ106を含む。モバイルゲートウェイ106は、モバイルユーザ装置のモバイルデータセッションを確立し、オンプレミス通信ネットワークコア108を介してモバイルユーザ装置間の通信を可能にするように構成されたオンプレミス通信ネットワークコア108を含む。また、モバイルゲートウェイ106は、モバイルユーザ装置を外部通信ネットワークに接続するためのSD-WANオーバーレイネットワークを確立するように構成されたソフトウェア定義広域ネットワーク(SD-WAN)コントローラを含む。
【0021】
SD-WANは、企業が現在のネットワーク状態に基づいて、ハイブリッドWANを介してトラフィックを動的にルーティングすることを可能にするサービスとして動作することができる。従来のルータの代わりに、SD-WANは、性能に基づいて異なるトランスポート技術を評価および利用することができる。したがって、企業は、費用効率の良いサービスを介して、殆どのトラフィックをルーティングすることができる。SD-WANは、事業所に設置されたWANエッジ装置に配置されてもよく、装置は、ネットワーク要件の変更に応じて更新され得るアプリケーションポリシーおよびセキュリティ規則に基づくルーティングと共に集中的に管理されてもよい。
【0022】
いくつかの例において、モバイルゲートウェイ106は、セッションボーダコントローラ(SBC)であるまたはSBCを含む。例えば、SBCは、オンプレミスアクセスネットワークと集中型コントローラを備える遠隔システムとの間のエッジに位置する通信制御プレーンの信号を制御するように構成されてもよい。SBCによって、サービスプロバイダは、セキュリティ、相互運用性、信頼性および品質、規制コンプライアンス、および収益/コスト最適化などの機能を提供することによって、インターネットプロトコル(IP)ネットワークボーダを介してリアルタイム通信サービスを提供することができる。
【0023】
SD-WANコントローラ110は、サービスゲートウェイを含む遠隔システムと共に、データ通信ネットワークを介してトンネルを確立するように構成されてもよい。モバイルゲートウェイ106は、トンネルを介して遠隔システムと制御信号を交換することによって、モバイルデータセッションを確立するように構成されてもよい。
【0024】
いくつかの例において、モバイルゲートウェイ106は、SD-WANオーバーレイネットワークを用いて、モバイルユーザ装置のQoSおよびルート最適化を提供するように構成される。SD-WANオーバーレイネットワークを用いて、モバイルユーザ装置のQoSおよびルート最適化を提供することは、モバイルデータセッションに優先順位を付け、モバイルデータセッションの優先順位に従ってQoSを維持するように、SD-WANオーバーレイネットワークを介してモバイルデータセッションを再ルーティングすることを含むことができる。
【0025】
オンプレミス通信コア108は、例えば、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)を含むことができる。いくつかの例において、オンプレミス通信コア108は、完全コアネットワーク、例えば、進化型パケットコア(EPC)を含む。EPCは、移動性管理エンティティ(MME)、サービングゲートウェイ(SGW)、ホーム加入者サーバ(HSS)、およびアクセスネットワーク発見および選択機能(ANDSF)などのシステム要素を含むことができる。いくつかの例において、オンプレミス通信コア108は、アクセス管理機能(AMF)、セッション管理機能(SMF)、およびユーザプレーン機能(UPF)を備える5Gコアを含む。SD-WANコントローラ110は、SMFと協働して、モバイル接続制御およびポリシーを管理するように構成されてもよい。
【0026】
図1Bは、EPCを含む例示的な通信コア108を示すブロック図である。通信コア108は、PGW120、MME122、SGW124、HSS126、およびANDSF128を含む。
【0027】
PGW120は、インターネット、インターネットプロトコルマルチメディアサブシステム(IMS)ネットワーク、または他のデータネットワークへのアクセスを提供するように構成される。例えば、PGW120は、SGW124と通信することによって、アプリケーション機能(AF)サーバまたは他のサーバとの通信を提供することができる。
【0028】
いくつかの例において、PGW120は、ポリシーおよび課金実行機能(PCEF)を含み、ポリシーおよび課金規則機能(PCRF)によって提供されたポリシーおよび課金制御(PCC)規則を管理および実行することができる。例えば、PCC規則は、各サービスデータフロー(特定の基準に合致する1つ以上のパケットフロー、例えば、加入者に基づくメディアトラフィックフロー)および/またはPGW120の使用を試みるユーザ機器に対して提供されてもよい。
【0029】
MME122は、無線アクセスネットワーク(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)アクセスネットワーク)の一次制御ノードとして作用し、伝達のアクティブ化/非アクティブ化処理および初期接続段階を支援するように構成される。MME122は、ユーザ機器から発信されるセッション構成要求メッセージの受信に応答して、セッション作成要求メッセージを生成するように構成されてもよい。MME120は、セッション作成要求メッセージを生成した後、SGW124を介して、メッセージをPGW120に送信するように構成されてもよい。
【0030】
SGW124は、アクセスネットワークと他のノード(例えば、PGW120)またはネットワークとの間の通信を容易にするように構成される。例えば、SGW124は、ユーザトラフィックを通信コア108内の他のノードに送信することができる。
【0031】
HSS126は、コールおよびセッションを処理するIMSネットワークエンティティをサポートするマスタユーザデータベースである。HSS126は、ユーザプロファイルを含み、ユーザの認証および認可を実行することができ、ユーザの物理位置に関する情報を提供することができる。
【0032】
ANDSF128は、ユーザ機器を支援して、データ通信に使用することができる他のアクセスネットワーク、例えば、Wi-Fi(登録商標)ネットワークまたはWIMAX(登録商標)ネットワークを発見するように構成される。また、ANDSF128は、他のアクセスネットワークへの接続を規制するポリシーをユーザ機器に提供するように構成される。
【0033】
図1Cは、5Gネットワークの例示的な通信コア108を示すブロック図である。通信コア108は、AMF140と、SMF142と、UPF144とを含む。
【0034】
3GPPは、その次世代5Gコアネットワークのサービスベースアーキテクチャを定義している。サービスベースアーキテクチャにおいて、サービスは、典型的には、データ通信ネットワーク上の通信プロトコルを介して、アプリケーションコンポーネントによってソフトウェアコンポーネントに提供される。サービスは、例えば、システム内の他のサービスから独立して遠隔からアクセスされ、消費および更新され得る離散機能であってもよい。異なるサービスを同時に使用して、より大きな機能システム、例えばソフトウェアアプリケーションを提供することができる。サービスベースアーキテクチャは、分散され且つ別々に維持されたソフトウェアコンポーネントを統合することができる。
【0035】
AMF140は、例えば、登録管理、接続管理、到達性管理、および移動性管理をサポートするように構成される。AMF140は、セキュリティおよびアクセス管理および許可に関連する様々な機能をサポートするように構成することができる。
【0036】
SMF142は、セッション管理、例えば、セッションの確立、変更および解放をサポートするように構成される。SMF142は、ユーザ機器のIPアドレスの割り当ておよび管理、動的ホスト構成プロトコル(DFICP)機能、およびセッション管理に関連する信号の中止をサポートするように構成されてもよい。
【0037】
UPF144は、パケットのルーティングおよび転送、パケットの検査、サービス品質(QoS)の処理をサポートするように構成される。いくつかの例において、UPF144は、相互接続を行うための外部セッションポイントおよび無線アクセス移動性を行うためのアンカーポイントとして機能するように構成される。
【0038】
5Gネットワーク機能の他の例として、ネットワークスライス選択機能(NSSF)、ネットワーク露出機能(NEF)、ネットワークリポジトリ機能(NRF)、ポリシー制御機能(PCF)、データ一元管理(UDM)機能、アプリケーション機能(AF)、セキュリティエッジ保護プロキシ(SEPP)、認証サーバ機能(AUSF)、およびブートストラップサーバ機能(BSF)が挙げられる。
【0039】
図2は、例示的なセッションボーダコントローラ200を示すブロック図である。例えば、SD-WANコントローラ110をセッションボーダコントローラ200に追加することによって、セッションボーダコントローラ200は、
図1Aのモバイルゲートウェイ106を構成することができる。
【0040】
セッションボーダコントローラ200によって、サービスプロバイダは、IPネットワークボーダを介して信頼できる第1クラスのリアルタイム通信サービスを提供することができる。セッションボーダコントローラ200は、VoIP(Voice over IP)に基づいたサービスからIMSによって有効化された任意のサービス、例えば、VoLTE(Voice over LTE)、VoWiFi(Wi-Fi(登録商標)calling)、ビデオ会議および電話、出席、インスタントメッセージング、IPテレビ(IPTV)、GSM(登録商標)協会のIP交換(IPX)、およびフェムトセルまたはWi-Fi(登録商標)対応固定モバイル収束までの様々なサービスおよびアプリケーションを提供するための収束型IMSエンジン202を含む。セッションボーダコントローラ200は、様々な種類のIPネットワークにおいて、これらの特徴に対して、制御機能/特徴、プロトコルサポート、プログラム化可能性、および管理可能性を提供する。
【0041】
セッションボーダコントローラ200は、ビジネスサービス204、例えば、セッション開始プロトコル(SIP)トランク、ホスト型統合通信(UC)、およびホスト型コンタクトセンタ(CC)を含むことができる。セッションボーダコントローラ200は、相互接続およびローミング機能206、例えば、SIP相互接続、VoLTEローミング、およびIPX相互接続を提供することができる。セッションボーダコントローラ200は、サービスプロバイダが、IPネットワークを介して、例えば、OTTボイス、ビデオ、およびメッセージングなどの通信サービスを提供することを可能にするTelco OTT(Over-The-Top)機能208を含むことができる。セッションボーダコントローラ200は、安全な異種ネットワーク(HetNet)機能210、例えば、スモールセル、WiFiオフロード、およびWi-Fi電話を含むことができる。
【0042】
動作中、セッションボーダコントローラ200は、少なくとも5つの主要な領域、すなわち、セキュリティ、相互運用性、信頼性および品質、規制コンプライアンス、および収益/コスト最適化におけるクリティカルサービスプロバイダ要件を満たすように構成される。
【0043】
セキュリティ
セッションボーダコントローラ200は、リアルタイム通信用のセキュリティフレームワークを用いて、サービスプロバイダアクセスおよび相互接続/ピアリングボーダを保護する。いくつかの例において、セキュリティフレームワークとアドバンスドハードウェアとの緊密な結合によって、セッションボーダコントローラ200は、様々な悪意の脅威および非悪意の脅威から、それ自体、サービス提供インフラストラクチャ、および通信セッションを保護することができる。セッションボーダコントローラ200は、セキュリティフレームワークを用いて、リアルタイム双方向通信サービスの機密性、完全性、および利用可能性を保証する。セッションボーダコントローラ200は、サービスを使用する加入者および事業者に連続性および高品質を保証しながら、攻撃を予防し、脆弱性を排除し、発生するイベントに対抗するための強力な緩和策を適用する。
【0044】
相互運用性
セッションボーダコントローラ200のSIP、H.323およびSIP-H.323相互運用能力は、ピアリングネットワークおよびSIP/H.323基幹企業ネットワーク内の加入者エンドポイント、ソフトスイッチ、IMSコールセッション制御機能(CSCF)要素、アプリケーションサーバ、メディアおよび記録サーバ、メディアゲートウェイ、およびSBCの間の相互運用性を保証することによって、サービス範囲を最大化するように設計される。セッションボーダコントローラ200によって、セッションは、ネットワークアドレス変換(NAT)/ファイアウォール、IPv4またはIPv6ネットワーク、重複IPアドレスを使用するパブリックネットワークまたはプライベートネットワーク、および仮想プライベートネットワーク(VPN)をトラバースすることができる。いくつかの例において、セッションボーダコントローラ200は、異なるシグナリングプロトコル、トランスポートプロトコルおよび暗号化プロトコル間で仲介し、互換性のないコーデックを変換し、シグナリング層電話番号、アドレスおよび応答コードを変換する。
【0045】
信頼性および品質
セッションボーダコントローラ200によって、サービスプロバイダは、サービス利用可能性およびユーザの体験品質を保証することができる。いくつかの例において、セッションボーダコントローラ200は、ローカルポリシーサーバまたは外部ポリシーサーバを介して承認制御を実行することによって、高品質通信をサポートする能力をネットワークおよびサービスインフラストラクチャの両方に与える。また、セッションボーダコントローラ200は、実際のセッション品質を監視および報告することによって、サービスプロバイダ間のサービスレベル合意(SLA)に記載されている性能仕様とのコンプライアンスを判断する。インテリジェントセッションルーティングおよび高利用可能性構成は、上りリンクの障害または機器の問題によって引き起こされた停止を最小化する。
【0046】
規制コンプライアンス
セッションボーダコントローラ200は、E911などの国家緊急事態サービス、政府緊急事態通信サービス(GETS)などの国家安全保障および緊急事態対策サービスを含む世界中の政府規制法令、および米国に施行された法執行のための通信援助法(CALEA)および他の国家において施行された同様の法律による法的傍受をサポートするように構成されてもよい。
【0047】
収益およびコスト最適化
セッションボーダコントローラ200の支援によって、サービスプロバイダは、必要に応じて、多くのIMS機能を統合することによって、例えば、コストを最小化するようにセッションを最適にルーティングすることによって、請求可能なセッションを最大化するように会計および関連メカニズムを提供することによって、および帯域幅の盗用およびサービス品質(QoS)を保護することによって、コストを制御することができ、収益を増加することができる。セッションボーダコントローラ200は、様々な種類および規模のサービスプロバイダに必要とされた性能、容量、およびスループットを提供するように構成されてもよい。いくつかの例において、セッションボーダコントローラ200は、最先端のハードウェアを活用して、特定の目的のために構築されたプラットフォームファミリにわたって対称的なマルチ処理を行うことができる。これによって、セッションボーダコントローラ200は、単一のシャシ(chassis)上で最大100万の加入者をサポートするようにスケーリングすることができ、例えばロードバランサによって制御されるSBCクラスタ上で動作する大規模に実現可能なアクセスネットワークをサポートすることができる。
【0048】
セッションボーダコントローラ200は、サービスの需要に応じて、アクセスSBC(A-SBC)、相互接続SBC(I-SBC)、またはその両方として構成されてもよい。いくつかの例において、セッションボーダコントローラ200は、アクセスおよび相互接続機能を単一のシステムに統合することを望むより小さいサービスプロバイダに、適応性を与えることができる。セッションボーダコントローラ200は、アクセスまたは相互接続ボーダに使用されているいくつかの標準IMS機能を統合することができ、次世代サービス提供アーキテクチャとの統合を簡単にする。
【0049】
セッションボーダコントローラ200は、サービスプロバイダアクセスボーダ(企業の位置に面するボーダ、および住宅またはケーブル加入者によって使用されるインターネット、3G/4Gモバイルなどの公衆アクセスネットワーク、または固定回線ネットワーク)に配置される場合、サービスインフラストラクチャの新しいサービスの構築および統合を可能にすることができる。いくつかの例において、セッションボーダコントローラ200は、サービス範囲、信頼性、およびユーザの体験品質を最大化すると共に、悪意の脅威または同様に危険な非悪意の脅威からサービス提供インフラストラクチャを保護する。
【0050】
相互接続ボーダ(サービスプロバイダネットワーク間のボーダ)にセッションボーダコントローラ200を使用して、次世代IMSまたはIPサービスの初期提供または拡張を加速することができ、時分割多重化(TDM)コストの削減およびサービスプロバイダパートナーシップの拡張を支援する。セッションボーダコントローラ200は、サービスプロバイダ相互接続のための重要な機能、例えば、高度に変更可能且つ柔軟なルーティング、並びにハードウェアによって加速されたセキュリティおよびトランスコーディングを与えることができる。
【0051】
いくつかの例において、セッションボーダコントローラ200は、包括的なマルチプロトコルシグナリング、プログラム可能性、制御機能および特徴を提供するAcmeパケットOSに基づく。
【0052】
セッションボーダコントローラ200は、SIP、SIP-I、SIP-T、Diameter、H.323、MGCP、H.248、メッセージセッション中継プロトコル(MSRP)、およびリアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP)を含む一般に使用されるIPシグナリングプロトコルをサポートするように構成されることができる。これによって、サービスプロバイダは、サービスを多数のエンドポイントに拡張することができ、相互接続ボーダを介してサービスを提供することができる。広範なシグナリングプロトコル相互接続機能(IWF)によって、サービスプロバイダは、ネットワーク内のシグナリングトラフィックを統合することができる。これによって、必要なネットワーク要素の数を低減し、管理を単純化し、資本および運用費用を低減することができる。また、セッションボーダコントローラ200によって、次世代SIPをレガシーネットワークおよびエンドポイントと統合することができ、サービス収益を最大化することができる。
【0053】
セッションボーダコントローラ200は、SIPを実装することによって、相互運用性、成熟性、および機能性を提供することができる。しばしばベンダ固有メッセージおよび応答コードを提供するSIP実装間のセッションシグナリングを正規化するために、セッションボーダコントローラ200は、広範なシグナリングプログラマ可能性を含むことができる。これは、SIP、セッション記述プロトコル(SDP)、およびDiameterヘッダに見られる情報を含むプロトコルヘッダまたはペイロード内の要素を検査または修正する権限を与える。
【0054】
いくつかの例において、セッションボーダコントローラ200は、完全なバックツーバックユーザエージェント(B2BUA)アプローチを実装する。B2BUAは、セッションボーダコントローラ200を通る各セッションを離散的なセグメントに分割する。このようにして、セッションボーダコントローラ200は、各エンドポイントのセッション状態を同時に維持することができ、各エンドポイントの挙動または構成を修正することなく、エンドツーエンドセッションを介して、広範囲の制御機能を適用することができる。
【0055】
いくつかの例において、セッションボーダコントローラ200は、IMSシームレス統合を行うために、多くの3GPP準拠機能およびインターフェイスを実装する。また、セッションボーダコントローラ200は、標準IMS要件を超えるセキュリティ、相互運用性、および信頼性を向上させるための追加性能を含むことができる。
【0056】
いくつかの例において、セッションボーダコントローラ200は、IMSセッションを含むSIP、リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)、およびメッセージセッション中継プロトコル(MSRP)トラフィックフローを完全に制御するために、アクセスおよび相互接続ボーダに完全なIMS機能を提供する。セッションボーダコントローラ200は、IMSアクセスボーダにおいて、シグナリングおよびメディアに関連するIMS機能、例えば、プロキシコールセッション制御機能(P-CSCF)、緊急コールセッション制御機能(E-CSCF)、ブレイクアウトゲートウェイ制御機能(BGCF)、アクセスゲートウェイ(AGW)、アクセス転送制御機能(ATCF)、およびアクセス転送ゲートウェイ(ATGW)を実装することができる。IMS I-SBC機能は、相互接続ボーダ制御機能(I-BCF)、IWF、および相互接続ボーダゲートウェイ機能(I-BGF)/変換ゲートウェイ(TrGW)を含む。
【0057】
ブロードバンドインターネットの汎用性およびスマートフォンおよびタブレットの普及によって、従業員が常にオンラインで共同作業する新たな多重接続企業を構築することができる。一部の企業は、遠隔通信サービスを実装することによって、移動中の従業員の生産性および共同作業を改善する。しばしばOTT(over-the-top)通信と呼ばれるこれらのサービスは、セルラサービスの電話のみ制約を排除し、モバイルデータネットワークを介して完全なUC機能(音声、映像、出席、およびインスタントメッセージング)を企業経営者に与える。しかしながら、接続障害、セキュリティ懸念、または悪いサービス品質は、OTTの展開を妨害し、ユーザの満足を損ない、ヘルプデスクに負担をかける。
【0058】
いくつかの例において、トンネルセッション制御機能(TSCF)は、共通のOTT展開および動作の課題を軽減するように構成されたセッションボーダコントローラ200上のイネーブル機能である。TSCFは、BYOD(Bring Your Own Device)およびFMC(Fixed Mobile Convergence)取り組みを含む多種多様なOTT通信アプリケーションには有用である。
【0059】
セッションボーダコントローラ200は、ロードバランサ、例えば、加入者識別ロードバランサと連動して配置されると、SBCクラスタのメンバとして機能することができる。SBCクラスタは、クラスタ全体の加入者トラフィックの負荷を動的且つ適応的に分散することによって、アーキテクチャを向上させることなくまたはネットワークを破壊することなく、数百万の加入者をサポートするようにサービスの規模を変更することができる。また、SBCクラスタは、従来の3層/5層ウェブロードバランサまたはSIPリダイレクトサーバで達成できない冗長性および管理容易性の改善を実現する。
【0060】
いくつかの例において、セッションボーダコントローラ200は、仮想ネットワーク機能(VNF)として実行されてもよい。セッションボーダコントローラ200は、任意の適切なハイパーバイザ、例えばオラクル(登録商標)仮想マシン(OVM)、カーネルベースの仮想マシン(KVM)、VMウエアESXiをサポートするように構成されてもよい。VNFとして実行される場合、セッションボーダコントローラ200は、独立型インスタンスとして配置されまたは統合されたネットワーク機能仮想化(NFV)環境に配置され、特定の目的のために構築されたプラットフォーム上で配置される場合と同じレベルの機能性、セキュリティ、相互運用性、および信頼性を提供する。仮想化セッションボーダコントローラのインスタンスは、特定の目的のために構築されたプラットフォーム上の同等物と共にクラスタ化され、「ハイブリッドクラスタ」として知られるものを生成し、徐々の導入およびより大きな配置柔軟性およびネットワーク機敏性を提供する。
【0061】
図3は、
図1のシステム100を含む例示的な通信環境300を示す図である。
図3に示すように、モバイルゲートウェイは、インテリジェントエッジオンプレミス機能と呼ばれてもよい。SD-WANオーバーレイは、インテリジェントエッジオーバーレイと呼ばれてもよい。
【0062】
通信ネットワークのコアネットワークの集中機能は、集中場所、例えば、クラウドコンピューティングシステム上に配置されてもよい。ユーザプレーン機能またはコアネットワークの全体は、モバイルネットワーク事業者(MNO)のデータセンタまたはMNOの顧客データセンタに配置されてもよい。
図3に示すシステムを用いて、インテリジェントエッジ機能を活用することによって、エッジおよびコアにわたってトラフィックを最適に送達することができる。
【0063】
インテリジェントエッジシステムは、以下の特徴のうち、1つ以上を有することができる。すなわち、インテリジェントエッジシステムは、1)SD-WAN技術に基づき、2)公衆ブロードバンドを利用することによってコストを削減し、柔軟性を増大させ、3)企業グレードのセキュリティおよびサービス品質の必要性に対処し、4)クラウド移行時にアプリケーションの安定性および性能を維持し、5)より短いリードタイムで展開することによってビジネス機敏性をサポートし、6)エンドツーエンド統合によってVNFサービスを含むuCPEへの進行性移行をサポートする。
【0064】
図3に示すように、1つ以上のモバイルゲートウェイは、様々なオンプレミス場所、例えば、データセンタ、キャンパス、事業所、および遠隔サイトに配置されてもよい。
図3は、
図1のシステム100に実装され得るインテリジェントエッジオンプレミス機能としてのモバイルゲートウェイ302を示す。
【0065】
インテリジェントエッジオーバーレイは、様々な種類のネットワーク、例えば、MPLS、ブロードバンドインターネット、および4G/LTEネットワークを用いて、例えば制御メッセージを交換するための安全な制御プレーンを実装することができる。モバイルゲートウェイ302は、インテリジェントエッジサービスゲートウェイ304と呼ばれるゲートウェイを介して、遠隔システムと通信する。遠隔システムは、例えば、クラウドコントローラ機能306を含むクラウドコンピューティングシステムであってもよい。
【0066】
遠隔システムは、SD-WANオーケストレータ308を含むことができる。SD-WANオーケストレータ308は、例えば、サービス事業者から、インテリジェントエッジオーバーレイを設定するための入力を受信するように構成されたグラフィカルユーザインターフェイスとして実装された顧客ポータル310を含むことができる。遠隔システムは、通信動作モニタ(COM)312を含むことができる。
【0067】
いくつかの例において、COM312は、相関エンジンに接続されたネットワークプローブを用いて、ネットワークから発信されるメッセージを捕捉するように構成され、結果は、ウェブ構成GUIを介して見ることができる。ネットワークプローブは、例えば、商用オフザシェルフ(COTS)ハードウェア上で動作するセッションモニタプローブとして、およびモバイルゲートウェイ302に一体化されたソフトウェア要素として利用可能である。
【0068】
COM312は、リアルタイムで完全なエンドツーエンド相関のコールを提供するように構成することができる。COM312は、コールおよび登録のネットワーク全体ビュー、グローバルKPIおよび統計、ネットワーク機器の統計および情報、並びにユーザグループおよびトランク情報を提供することができる。COM312は、ネットワークのドリルダウンを提供し、完全なプロトコル詳細、生捕捉、およびエンドツーエンド登録を含むコールフローの図形分析を提供する。
【0069】
動作中、SD-WANオーケストレータ308は、SD-WANオーケストレータ308に関連するSD-WANエッジおよびSD-WANゲートウェイ、例えばモバイルゲートウェイ302およびインテリジェントエッジサービスゲートウェイ304の装置管理を提供することができる。例えば、SD-WANオーケストレータ308は、構成、起動およびIPアドレスの管理を実行することができ、モバイルゲートウェイ302およびインテリジェントエッジサービスゲートウェイ304にポリシーをプッシュすることができる。
【0070】
いくつかの例において、SD-WANオーケストレータ308は、SD-WANエッジおよびSD-WANゲートウェイとの接続を維持することによって、異なるWAN間のSD-WANトンネルの動作状態を特定する。例えば、SD-WANオーケストレータ308は、各SD-WANトンネルのQoS性能メトリック、または各装置から各SD-WANトンネルのQoS性能メトリックを取得することができる。SD-WANオーケストレータ308は、例えば、QoS性能メトリックを使用して、トラフィックを調整することができる。
【0071】
いくつかの例において、SD-WANオーケストレータ308は、WAN最適化を実行することができ、またはWAN最適化ポリシーをモバイルゲートウェイ302およびインテリジェントエッジサービスゲートウェイ304にプッシュすることができる。WAN最適化は、例えば、TCPフロー上で実行することができる。WAN最適化は、例えば、同一の場所に位置する複数のユーザがデータを要求する場合に、WAN全体のバルクファイル転送トラフィック効率を高めることができる。WAN最適化は、ルールごとに実行されてもよく、TCPオフロード、データ重複排除およびデータ圧縮を実行することを含むことができる。
【0072】
データ圧縮は、ペイロードサイズを減少して、WANにわたってより多くのデータを配信することによって、影響を受けずにアプリケーションを伝送することができ、より多くのトラフィックを処理するができる。データ重複排除は、WAN上でデータの冗長コピーを排除し、記憶のオーバーヘッドを低減する圧縮形態である。
【0073】
フローのWAN最適化を有効化すると、TCP終端は、単一のTCP接続を、SD-WANオーケストレータ308によって管理および維持され得る3つの別個の接続に分割する。これによって、利用可能な帯域幅を最大化することができ、WAN全体にわたって信頼できるデータを転送することができる。また、再送信を処理するようにSD-WANノードを構成することができるため、WANを介して損失パケットの再送信に関連する負担を低減することができる。その結果、コア機能を処理するためのリソースを解放すると共に、ユーザの体験品質(QoE)を改善することができる。
【0074】
図4は、通信ネットワークの例示的な通信環境を示す図である。
図4は、
図3に示すインテリジェントエッジアーキテクチャを利用して、ハイブリッド配置モデルをサポートする1つの方法を示す。
図4に示すように、ユーザプレーンは、通信ネットワークのエッジに配置される。
【0075】
通信ネットワークは、クラウドコンピューティングシステム上で実装され、オーバーレイネットワーク、ポリシー、ルート最適化などの集中管理を行うように構成され得るインテリジェントエッジ(IE)制御機能を含む。通信ネットワークは、各位置のIEオンプレミス機能(IE-OPF)を含む。各IE-OPFは、例えば、リンク負荷分散、パケット転送、およびリンクを行うように構成することができる。
【0076】
通信ネットワークは、IEサービスゲートウェイ(IE-SG)を含み、IEサービスゲートウェイは、クラウドコンピューティングシステムに実装され、例えば、クラウドデータセンタのトンネル接続を中止するように構成されてもよい。通信ネットワークは、各位置のIEエッジプラットフォームを含む。IEエッジプラットフォームは、IE-OPFをホストすることができ、他のコアネットワークコンポーネント、例えばPGWをホストすることもできる。
【0077】
図4に示すトラフィックフローは、ユーザプレーンエッジオフロードの例を示す。以下のフロー例は、
図4に示されている。
- インテリジェントエッジは、IE制御機能(ラベル「B」)からのポリシーおよび制御を用いて、各IE-OPFとの間およびIE-OPFとIE-SGとの間のトンネル(ラベル「A」)を確立する。
- S/PGW-CとS/PGW-Uとの間の制御信号は、移動体通信(ラベル「C」)のパケットデータフローを確立する。
- 3GPP S5インターフェイスと同様の能力を利用して、任意のS/PGWでパケットデータフローを終結することができ、本質的に、S/PGWに入る任意のフローが任意のS/PGW(ラベル「D」)から出ることができる。
【0078】
さらに、標準移動性信号(3GPP S1インターフェイス)は、S/PGWを介して、無線アクセスネットワーク(RAN)からルーティングされ、IEトンネルを介してクラウドに戻され、MME上で終端されることができる。
【0079】
モバイルユーザ装置は、任意のS/PGW-Uを用いて宛先に到達することができる。例えば、以下のシナリオが可能である。
- 装置データは、RANを介して、キャンパス1のS/PGW-Uに配信され、ローカルLANに終結する。
- 装置データは、RANを介して、キャンパス1のS/PGW-Uに配信され、キャンパス1とクラウドとの間のIEトンネルを利用して、オラクルクラウドS/PG-Uを介して、IoT(Internet of Things)CSに終結する。
- 装置データは、RANを介して、キャンパス1のS/PGW-Uに配信され、キャンパス1とキャンパス2との間のトンネルを利用して、キャンパス2のS/PGW-Uを介してキャンパス2に終結する。
【0080】
5Gの場合、フローは、以下の異なる機能を除き、上述したものと同様である。すなわち、MMEは、AMFによって置換され、S/PGW-Cは、SMFによって置換され、S/PGW-Uは、UPFによって置換される。
【0081】
5Gは、このアーキテクチャにおいて活用され得るUPF連鎖を含むより分散的な移動性フレームワークを可能にする。例えば、SMFは、IEコントローラ機能と直接協働することによって、モバイル接続の制御およびポリシーをより良く管理することができる。UPFは、モバイルトラフィックを制御するためのIE-OPFにより緊密に統合されてもよく、取り外されてもよい。
【0082】
図5は、モバイル装置接続を提供するための例示的な方法500を示す流れ図である。方法500は、1つ以上のプロセッサ上に実装されたモバイルゲートウェイ、例えば、
図1のモバイルゲートウェイ106によって実行される。モバイルゲートウェイは、例えば、オンプレミスアクセスネットワークと集中コントローラを備える遠隔システムとの間のエッジに位置する通信制御プレーンの信号を制御するように構成されたSBCであってもよい。
【0083】
方法500は、モバイルゲートウェイのオンプレミス通信ネットワークコアを用いて、複数のモバイルユーザ装置のモバイルデータセッションを確立し、オンプレミス通信ネットワークコアを介してモバイルユーザ装置間の通信を可能にすることを含む(502)。方法500は、ソフトウェア定義広域ネットワーク(SD-WAN)コントローラを用いて、モバイルユーザ装置を外部通信ネットワークに接続するためのSD-WANオーバーレイネットワークを確立することを含む(504)。
【0084】
いくつかの例において、方法500は、SD-WANコントローラを用いて、サービスゲートウェイを含む遠隔システムと共に、データ通信ネットワークを介してトンネルを確立することと、トンネルを介して遠隔システムと制御信号を交換することによって、モバイルデータセッションを確立することとを含む。
【0085】
方法500は、SD-WANオーバーレイネットワークを用いて、モバイルユーザ装置のサービス品質(QoS)およびルート最適化を提供すること(506)を含む。SD-WANオーバーレイネットワークを用いてモバイルユーザ装置のQoSおよびルート最適化を提供することは、モバイルデータセッションに優先順位を付け、モバイルデータセッションの優先順位に従ってQoSを維持するように、SD-WANオーバーレイネットワークを介してモバイルデータセッションを再ルーティングすることを含むことができる。
【0086】
いくつかの例において、オンプレミス通信コアは、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)を含む。オンプレミス通信コアは、移動性管理エンティティ(MME)、サービングゲートウェイ(SGW)、ホーム加入者サーバ(HSS)、およびアクセスネットワーク発見および選択機能(ANDSF)を備える進化型パケットコア(EPC)を含むことができる。
【0087】
いくつかの例において、オンプレミス通信コアは、アクセス管理機能(AMF)、セッション管理機能(SMF)、およびユーザプレーン機能(UPF)を備える5Gコアを含むことができる。また、方法500は、SD-WANコントローラを用いて、SMFと共に、モバイル接続制御およびポリシーを管理することを含むことができる。
【0088】
上記で特定の例示および特徴を説明してきたが、特定の特徴に対して単一の例示のみを説明したにも関わらず、これらの例示および特徴は、本開示の範囲を制限することを意図していない。特に別段の記載がない限り、本開示に提供された特徴の例示は、限定的ではなく、例示的であることを意図している。当業者なら分かるように、上記の説明は、代替物、修正物、および均等物を網羅することを意図している。
【0089】
本開示の範囲は、本明細書に(明示的にまたは暗黙的に)開示される任意の特徴または特徴の組み合わせ、または開示された任意の特徴の一般化を含む(これらの特徴または一般化が本明細書に記載された課題のいずれかまたは全てを緩和するか否かに関わらず)。したがって、本願(または本願の優先権を主張する出願)を審査する間に、これらの特徴の任意の組み合わせを含むように、新しい請求項を作成することができる。特に、添付の特許請求の範囲を参照して、添付の特許請求の範囲に列挙された特定の組み合わせに限らず、従属請求項に記載の特徴を独立請求項に記載の特徴に組み合わせることができ、独立請求項に記載の特徴を任意の適切な方法で組み合わせることができる。