(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】無方向性電磁鋼板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
C22C 38/00 20060101AFI20240229BHJP
C22C 38/06 20060101ALI20240229BHJP
C22C 38/60 20060101ALI20240229BHJP
C21D 8/12 20060101ALI20240229BHJP
H01F 1/147 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
C22C38/00 303U
C22C38/06
C22C38/60
C21D8/12 A
H01F1/147 175
(21)【出願番号】P 2021531046
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(86)【国際出願番号】 KR2019016490
(87)【国際公開番号】W WO2020111781
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-06-14
(31)【優先権主張番号】10-2018-0152985
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522492576
【氏名又は名称】ポスコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジュン ス
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ジェワン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,デ-ヒョン
【審査官】河口 展明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-185365(JP,A)
【文献】国際公開第2016/002904(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/140509(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/027565(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/022360(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/117602(WO,A1)
【文献】特開2011-190485(JP,A)
【文献】特開2003-166019(JP,A)
【文献】特表2018-504516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22C 38/00-38/60
C21D 1/00-1/84
C21D 7/00-8/10
C21D 9/00-9/66
H01F 1/147
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
剪断(shearing)及び打抜(punching)加工による磁性劣化率を制御した無方向性電磁鋼板であって、
重量%で、Si:1.5~4.0%、Mn:0.1~1.5%、Al:0.7~1.5%、Bi:0.0001~0.003%およびGa:0.0001~0.003%を含み、
残部がFeおよび不可避な不純物からなり、下記数1および数2を満たし、
電磁鋼板を加工した後、母材に比べて硬度が10%以上
増加した加工硬化領域が存在し、前記加工硬化領域の深さが加工面から250μm以下であ
り、
前記電磁鋼板を加工した後、前記電磁鋼板の鉄損(W
15/50
)が2.7W/Kg以下、磁束密度(B
1
)が1.02T以上であり、磁束密度(B
50
)が1.65T以上であることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
[数1]
[Al]+[Mn]≧0.87
(数1中、[Al]、[Mn]は、それぞれAl、Mnの含有量(重量%)を示す。)
[数2]
0.0055≧[Bi]+[Ga]≧0.0008
(数2中、[Bi]、[Ga]は、それぞれBi、Gaの含有量(重量%)を示す。)
【請求項2】
C、S、NおよびTiのうちの1種以上をそれぞれ0.005重量%以下(0%を除く)にさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の無方向性電磁鋼板。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法であって、
重量%で、Si:1.5~4.0%、Mn:0.1~1.5%、Al:0.7~1.5%、Bi:0.0001~0.003%およびGa:0.0001~0.003%を含み、
残部がFeおよび不可避な不純物からなり、下記数1および数2を満たすスラブを加熱する段階と、
前記スラブを熱間圧延して熱延板を製造する段階と、
前記熱延板を冷間圧延して冷延板を製造する段階と、
前記冷延板を最終焼鈍する段階とを含み、
前記最終焼鈍された鋼板を加工する段階をさらに含み、
電磁鋼板を加工した後、母材に比べて硬度が10%以上
増加した加工硬化領域が存在し、前記加工硬化領域の深さが加工面から250μm以下であることを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
[数1]
[Al]+[Mn]≧0.87
(数1中、[Al]、[Mn]は、それぞれAl、Mnの含有量(重量%)を示す。)
[数2]
0.0055≧[Bi]+[Ga]≧0.0008
(数2中、[Bi]、[Ga]は、それぞれBi、Gaの含有量(重量%)を示す。)
【請求項4】
前記スラブは、C、S、NおよびTiのうちの1種以上をそれぞれ0.005重量%以下(0%を除く)にさらに含むことを特徴とする請求項
3に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無方向性電磁鋼板およびその製造方法に係り、より詳しくは、Bi、Gaを添加して、加工後の磁性を改善した無方向性電磁鋼板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モータや発電機は、電気的エネルギーを機械的エネルギーに、または機械的エネルギーを電気的エネルギーに変えるエネルギー変換機器であり、最近、環境保全およびエネルギー節減に対する規制が強化されるに伴い、モータや発電機の効率向上に対する要求が増大している。無方向性電磁鋼板は、このようなモータ、発電機などの回転機器および小型変圧機などの静止機器で鉄心用材料として使用されてエネルギー変換効率に大きく影響を与える重要な素材である。したがって、モータや発電機の効率向上に対する要求は、これらの鉄心素材として使用される無方向性電磁鋼板に対する特性向上の要求につながっている。
モータや発電機におけるエネルギー効率とは、入力されたエネルギーと出力されたエネルギーとの比率であり、効率向上のためには、結局、エネルギー変換過程で損失される鉄損、銅損、機械損などのエネルギー損失をどのくらい減らすことができるのかが重要であり、そのうち、鉄損と銅損は、無方向性電磁鋼板の特性に大きく影響を受けるためである。無方向性電磁鋼板の代表的な磁気的特性は、鉄損と磁束密度であり、無方向性電磁鋼板の鉄損が低いほど鉄心が磁化される過程で損失される鉄損が減少して効率が向上し、磁束密度が高いほど同じエネルギーでより大きい磁場を誘導することができ、同じ磁束密度を得るためには少ない電流を印加してもよいため、銅損を減少させてエネルギー効率を向上させることができる。したがって、エネルギー効率向上のためには低鉄損でありながら、高磁束密度である磁性に優れた無方向性電磁鋼板の開発技術が必須的であると言える。
【0003】
しかし、無方向性電磁鋼板自体の特性が優れているとしても、実際のモータや発電機の効率が必ず優れているとは言えない。無方向性電磁鋼板がモータや発電機の鉄心として使用されるためには剪断(shearing)や打抜(punching)などのような加工工程を経る、この時、印加される加工応力によって磁性が大きく劣位になり、鋼板の機械的特性や微細組織などにより磁性劣位率に差が生じるようになる。このような加工による磁性劣位現象を解決するために応力除去焼鈍(Stress relief annealing)を実施するが、費用などの問題で応力除去焼鈍を実施せず、加工後に直ちに使用されることもある。したがって、加工前に優れた磁性を有し、加工による磁性劣化が少なくて加工後にも磁性に優れた無方向性電磁鋼板はその活用価値が非常に高いと言える。
無方向性電磁鋼板の特性について説明すると、無方向性電磁鋼板の最も重要な特性は鉄損と磁束密度である。無方向性電磁鋼板の鉄損を低めるための効率的な方法としては、比抵抗が大きい元素であるSi、Al、Mnの添加量を増加したり、鋼板の厚さを薄くする方法がある。しかし、厚さが薄い鋼板は生産性および加工性が劣って加工費が増加する短所があり、Si、Al、Mn添加量増加は鋼の比抵抗を増加させて無方向性電磁鋼板の鉄損中の渦流損を減少させることによって鉄損を低減する効果があるが、添加量が増加するほど鉄損が添加量に比例して無条件的に減少するのではなく、また反対に合金元素添加量の増加は磁束密度を劣位にさせるため、優れた鉄損と磁束密度を確保するためには、適正添加量およびSi、Al、Mn添加量間の添加比を適切に制御しなければならない。
【0004】
また、このように優れた磁性の無方向性電磁鋼板を製造しても、モータや発電機の鉄心素材として製造されるための加工時、剪断(shearing)や打抜(punching)加工による磁性劣化率が大きければ、素材の優れた特性が発現しないため、加工後にも磁性に優れた無方向性電磁鋼板が非常に重要であると言える。
無方向性電磁鋼板の鉄損は低めながら磁束密度も向上させるために、REMなど特殊な添加元素を活用して集合組織を改善して磁気的性質を向上させ、温間圧延、2回圧延2回焼鈍など追加的な製造工程を導入する技術なども試みられている。しかし、このような技術は全て製造原価の上昇を招き大量生産にも困難が伴うため、磁性に優れると共に、商業的に生産が容易な技術開発が必要である。また剪断(shearing)および打抜(punching)などによる加工劣位を解決するために、応力除去焼鈍工程を導入する場合のために応力除去焼鈍条件の最適化などに対する技術が開発されているが、これは加工時に加工影響を最小化するための方法に過ぎず、根本的に加工時に磁性の劣化を低減させるための技術は開発されていない状況である。
【0005】
このような問題点を解決するための持続的な努力があり、多くの技術が開発されている。応力除去焼鈍温度を高温で行うことによって円周方向に均一な高周波鉄損を得て異方性を低減させることができる方法が提示されている。しかし、応力除去焼鈍は、鋼板自体の特性を向上させたとみることは難しく、また、高温で焼鈍時、結晶粒成長による集合組織の変化および磁束密度の変化を考慮していない。
応力除去焼鈍時に追加的な磁性向上のために、AlとBの添加量を適切に制御する技術も提示されている。この場合、Al添加量に制限があり、鉄損を低減させるには限界があり、応力除去焼鈍を必ず実施しなければならないため、追加工程による原価上昇の問題を解決していない。
【0006】
CaやMgおよびREMなど希土類元素を添加することによってMnSの析出を抑制して応力除去前は結晶粒が小さいが、応力除去焼鈍時に結晶粒が成長して優れた鉄損を有することができる技術が提示されている。しかし、これもまた、応力除去焼鈍工程による追加費用が発生する部分を解決していない。
ローターに必要となる高強度と固定子に要求される低鉄損を一枚の電磁鋼板で両立できるようにするために、鋼に含まれる特定の不純物元素を非常に低いレベルまで減少させ、スキンパス工程を追加することによって、応力除去焼鈍前は高強度の鋼板、焼鈍時には結晶粒成長の容易性により低鉄損の鋼板を得ることができる方法が提示されている。しかし、これもまた不純物の極低管理のための原価上昇が発生し、また、スキンパスの追加工程の導入で追加的な原価が上昇するという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が目的とするところは、無方向性電磁鋼板およびその製造方法を提供することであり、具体的にはBi、Gaを添加して、加工後の磁性を改善した無方向性電磁鋼板およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による無方向性電磁鋼板は、重量%で、Si:1.5~4.0%、Mn:0.1~1.5%、Al:0.7~1.5%、Bi:0.0001~0.003%およびGa:0.0001~0.003%を含み、残部がFeおよび不可避な不純物からなり、下記数1を満たすことを特徴とする。
[数1]
[Al]+[Mn]≧0.87
数1中、[Al]、[Mn]は、それぞれAl、Mnの含有量(重量%)を示す。
【0009】
前記無方向性電磁鋼板はC、S、NおよびTiのうちの1種以上をそれぞれ0.005重量%以下、
P、SnおよびSbのうちの1種以上をそれぞれ0.2重量%以下、
Cu、NiおよびCrのうちの1種以上をそれぞれ0.05重量%以下、
Zr、MoおよびVのうちの1種以上をそれぞれ0.01重量%以下さらに含むことを特徴とする。
【0010】
前記無方向性電磁鋼板は下記数2を満たすことを特徴とする。
[数2]
0.0055≧[Bi]+[Ga]≧0.0008
数2中、[Bi]、[Ga]は、それぞれBi、Gaの含有量(重量%)を示す。
【0011】
電磁鋼板を加工した後、母材に比べて硬度が10%以上である加工硬化領域が存在し、加工硬化領域の深さが加工面から250μm以下であり、
電磁鋼板の鉄損(W15/50)が2.7W/Kg以下、磁束密度(B1)が1.02T以上であり、
電磁鋼板の磁束密度(B50)が1.65T以上であることを特徴とする。
【0012】
本発明の無方向性電磁鋼板の製造方法は、重量%で、Si:1.5~4.0%、Mn:0.1~1.5%、Al:0.7~1.5%、Bi:0.0001~0.003%およびGa:0.0001~0.003%を含み、残部がFeおよび不可避な不純物からなり、下記数1を満たすスラブを加熱する段階と、スラブを熱間圧延して熱延板を製造する段階と、熱延板を冷間圧延して冷延板を製造する段階と、冷延板を最終焼鈍する段階とを含むことを特徴とする。
[数1]
[Al]+[Mn]≧0.87
数1中、[Al]、[Mn]は、それぞれAl、Mnの含有量(重量%)を示す。
【0013】
最終焼鈍された鋼板を加工する段階をさらに含み、母材に比べて硬度が10%以上である加工硬化領域が存在し、前記加工硬化領域の深さが加工面から250μm以下であることを特徴とする。
【0014】
スラブは、C、S、NおよびTiのうちの1種以上をそれぞれ0.005重量%以下にさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、無方向性電磁鋼板を加工しても、磁性が劣化せず、加工前および後にも磁性に優れており、
加工後、磁性改善のための応力除去焼鈍(SRA)が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施例による無方向性電磁鋼板の断面の模式図である。
【
図2】加工硬化領域の深さを分析する過程で無方向性電磁鋼板の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
第1、第2および第3などの用語は、多様な部分、成分、領域、層および/またはセクションを説明するために使用されるが、これらに限定されない。これら用語は、ある部分、成分、領域、層またはセクションを他の部分、成分、領域、層またはセクションと区別するためだけに使用される。したがって、以下で叙述する第1部分、成分、領域、層またはセクションは、本発明の範囲を逸脱しない範囲内で第2部分、成分、領域、層またはセクションと言及され得る。
ここで使用される専門用語は、単に特定の実施形態を言及するためのものであり、本発明を限定することを意図しない。ここで使用される単数の形態は、文言がこれと明確に反対の意味を示さない限り、複数の形態も含む。明細書で使用される「含む」の意味は、特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素および/または成分を具体化し、他の特性、領域、整数、段階、動作、要素および/または成分の存在や付加を除外させるものではない。
ある部分が他の部分の「上に」あると言及する場合、これは他の部分の「直上に」にあるか、またはその間にまた他の部分が介され得る。対照的に、ある部分が他の部分の「直上に」あると言及する場合、その間にまた他の部分が介されない。
また、特に言及しない限り、%は重量%を意味し、1ppmは0.0001重量%である。
本発明の一実施形態で追加元素をさらに含むことの意味は、追加元素の追加量の分、残部である鉄(Fe)を代替して含むことを意味する。
異なって定義しなかったが、ここで使用される技術用語および科学用語を含む全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が一般的に理解する意味と同一の意味を有する。通常使用される辞書に定義された用語は、関連技術文献と現在開示された内容に符合する意味を有すると追加解釈され、定義されない限り、理想的または非常に公式的な意味に解釈されない。
以下、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本発明は多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0018】
本発明の無方向性電磁鋼板は、重量%で、Si:1.5~4.0%、Mn:0.1~1.5%、Al:0.7~1.5%、Bi:0.0001~0.003%およびGa:0.0001~0.003%を含み、残部がFeおよび不可避な不純物からなり、下記数1を満たすことを特徴とする。
[数1]
[Al]+[Mn]≧0.87
数1中、[Al]、[Mn]は、それぞれAl、Mnの含有量(重量%)を示す。
【0019】
以下、無方向性電磁鋼板の成分限定の理由から説明する。
Si:1.5~4.0重量%
シリコン(Si)は、鋼の比抵抗を増加させて鉄損中の渦流損失を低めるために添加される主要元素である。Siが過度に少なく添加されると、鉄損が劣化するという問題が発生する。反対にSiが過度に多く添加されると、磁束密度が大きく減少し、加工性に問題が発生することがある。したがって、前述した範囲でSiを含む。より具体的にSiを2.0~3.8重量%含み、さらに具体的にSiを2.5~3.6重量%含む。
【0020】
Mn:0.1~1.5重量%
マンガン(Mn)は、Si、Alなどと共に比抵抗を増加させて鉄損を低める元素であると共に、集合組織を向上させる元素である。Mnが過度に少なく添加されると、鉄損が劣化するという問題が発生する。反対にMnが過度に多く添加されると、磁束密度が大きく減少することがある。したがって、前述した範囲でMnを含み、より具体的にMnを0.12~1.3重量%含むこととする。
Al:0.7~1.5重量%
アルミニウム(Al)は、Siと共に比抵抗を増加させて鉄損を減少させる重要な役割を果たし、また、磁気異方性を減少させて圧延方向と圧延垂直方向との磁性偏差を減少させる役割を果たす。Alが過度に少なく添加されると、前述した役割を期待し難い。Alが過度に多く添加されると、磁束密度が大きく減少することがある。したがって、前述した範囲でAlを含み、より具体的にAlを0.71~1.4重量%含むこととする。
MnおよびAlは、下記数1を満たす。
[数1]
[Al]+[Mn]≧0.87
数1中、[Al]、[Mn]は、それぞれAl、Mnの含有量(重量%)を示す。
【0021】
前述したように、Si、Al、Mnは、無方向性電磁鋼板の鉄損を減少させるために添加される合金元素であり、低鉄損の特性のためには一定量以上必ず添加されなければならない。しかし、無方向性電磁鋼板の磁性は、低鉄損の特性も重要であるが、高磁束密度の特性も重要であり、Si、Al、Mn添加量による機械的特性も重要である。Si添加量の増大だけでは低鉄損特性は確保することができるが、脆性の増加による生産性の低下問題を解決し難いため、適切なMnとAlの添加が必要である。また加工時の加工硬化度が成分に大きく影響を受け、MnとAlの添加量を増加させることによって鋼の脆性を減少させると加工硬化程度を低減させることがある。したがって、前記数1の値が0.87以上、より具体的に数1の値が1.0以上に、さらに具体的に数1の値を1.0~2.5とする。
Bi:0.0001~0.003重量%
ビスマス(Bi)は、偏析元素で結晶粒系に偏析することによって結晶粒系強度を低下させ、転位が結晶粒系に固着される現象を抑制する。これによって剪断(shearing)および打抜(punching)加工時に加工応力の増加を抑制させ、加工応力によって磁性が劣位になる加工応力の深さを低減させる効果がある。しかし、その添加量が過度に多ければ、結晶粒成長を抑制させて磁性を低下させることがある。したがって、Biを前述した範囲で含み、より具体的にBiを0.0003~0.003重量%含み、さらに具体的にBiを0.0005~0.0028重量%含むこととする。
【0022】
Ga:0.0001~0.003重量%
ガリウム(Ga)も、Biと同様に、偏析元素で結晶粒系に偏析することによって結晶粒系強度を低下させ、転位が結晶粒系に固着される現象を抑制する。これによって剪断(shearing)および打抜(punching)加工時に加工応力の増加を抑制させ、加工応力によって磁性が劣位になる加工応力の深さを低減させる効果がある。しかし、その添加量が過度に多ければ、結晶粒成長を抑制させて磁性を低下させることがある。したがって、Gaを前述した範囲で含み、むより具体的にGaを0.0002~0.0027重量%含むこととする。
BiおよびGaは、下記数2を満たす。
[数2]
0.0055≧[Bi]+[Ga]≧0.0008
数2中、[Bi]、[Ga]は、それぞれBi、Gaの含有量(重量%)を示す。
BiとGaは、剪断(shearing)および打抜(punching)加工時に加工応力の増加を抑制させ、加工応力によって磁性が劣位になる加工応力の深さを低減させる効果がある。したがって、式2を満たす量でBi、Gaを添加することとする。
【0023】
本発明の無方向性電磁鋼板は、C、S、NおよびTiのうちの1種以上をそれぞれ0.005重量%以下にさらに含む。前述したように、追加元素をさらに含む場合、残部であるFeを代替して含む。より具体的にC、S、NおよびTiをそれぞれ0.005重量%以下にさらに含む。
C:0.005重量%以下
炭素(C)は、Ti、Nbなどと結合して炭化物を形成して磁性を劣位にさせ、最終製品で電気製品として加工後、使用時に磁気時効によって鉄損が高まって電気機器の効率を減少させるため、その上限を0.005重量%にし、より具体的にCを0.004重量%以下に、さらに具体的にCを0.001~0.004重量%含むこととする。
S:0.005重量%以下
硫黄(S)は、磁気的特性に有害なMnS、CuSおよび(Cu、Mn)Sなどの硫化物を形成する元素であるため、できる限り低く添加することが好ましい。Sが多量含まれる場合は、微細な硫化物の増加によって磁性が劣位になることがある。したがって、Sを0.005重量%以下に含むこととする。Sが添加される場合、集合組織形成に有利であるため、Sをさらに含む場合、0.001重量%以上含み、より具体的にSを0.001~0.004重量%さらに含むこととする。
【0024】
N:0.005重量%以下
窒素(N)は、Al、Ti、Nbなどと強く結合することによって窒化物を形成して結晶粒成長を抑制するなど磁性に有害な元素であるため、少なく含有させることが好ましい。本発明では、Nを0.005重量%以下、より具体的にNを0.004重量%以下に、さらに具体的にNを0.001~0.004重量%含むこととする。
Ti:0.005重量%以下
チタン(Ti)は、C、Nと結合することによって微細な炭化物、窒化物を形成して結晶粒成長を抑制し、多く添加されるほど増加された炭化物と窒化物によって集合組織も劣位になり、磁性が悪くなる。本発明ではTiを0.005重量%以下含み、より具体的にTiを0.004重量%以下にさらに含み、さらに具体的にTiを0.0005~0.004重量%含むこととする。
本発明の無方向性電磁鋼板は、P、SnおよびSbのうちの1種以上をそれぞれ0.2重量%以下にさらに含む。
リン(P)、スズ(Sn)およびアンチモン(Sb)は、追加的な磁性改善のために添加されても関係ない。しかし、添加量が過度に多い場合、結晶粒成長性を抑制させ、生産性を低下させる問題があり、その添加量はそれぞれ0.2重量%以下にしなければならない。
【0025】
本発明の無方向性電磁鋼板は、Cu、NiおよびCrのうちの1種以上をそれぞれ0.05重量%以下にさらに含む。
製鋼工程で不可避に添加される元素である銅(Cu)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)の場合、不純物元素と反応して微細な硫化物、炭化物および窒化物を形成して磁性に有害な影響を与えるため、これら含有量をそれぞれ0.05重量%以下に制限する。
本発明の無方向性電磁鋼板は、Zr、MoおよびVのうちの1種以上をそれぞれ0.01重量%以下にさらに含む。
ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)などは強力な炭窒化物形成元素であるため、できる限り添加されないことが好ましく、それぞれ0.01重量%以下にする。
製鋼工程で不可避に添加される元素であるCu、Ni、Crの場合、不純物元素と反応して微細な硫化物、炭化物および窒化物を形成して磁性に有害な影響を与えるため、これら含有量をそれぞれ0.05重量%以下に制限する。またZr、Mo、Vなども強力な炭窒化物形成元素であるため、できる限り添加されないことが好ましく、それぞれ0.01重量%以下にする。
【0026】
残部は、Feおよび不可避な不純物からなる。不可避な不純物については、製鋼段階および方向性電磁鋼板の製造工程過程で混入する不純物であり、これは当該分野で広く知られているため、具体的な説明は省略する。本発明で前述した合金成分以外に元素の追加を排除するのではなく、本発明の技術思想を害しない範囲内で多様に含まれる。追加元素をさらに含む場合、残部であるFeを代替して含む。
前述したように、Si、Mn、Al、Bi、Gaの添加量を適切に制御することによって、加工時の磁性劣化を最小化することができる。具体的に、本発明の電磁鋼板を加工した後、母材に比べて硬度が10%以上である加工硬化領域が存在し、加工硬化領域の深さが加工面から250μm以下である。この時、加工とは、剪断(shearing)、打抜(punching)など鋼板を一部切断することである。
図1では、加工面および加工硬化領域、加工硬化領域の深さ(T)について説明している。本発明の一実施形態で加工硬化領域の深さ(T)が短いため、加工による磁性劣化を最小化できる。より具体的に加工硬化領域の深さが加工面から100~250μmである。
電磁鋼板を加工した後、電磁鋼板の鉄損(W
15/50)が2.7W/Kg以下、磁束密度(B
1)が1.02T以上になる。鉄損(W
15/50)は50Hzの周波数で1.5Tの磁束密度を誘起した時の鉄損である。磁束密度(B
1)は100A/mの磁場で誘導される磁束密度である。より具体的に電磁鋼板を加工した後、電磁鋼板の鉄損(W
15/50)が2.6W/Kg以下、磁束密度(B
1)が1.05T以上になる。さらに具体的に電磁鋼板を加工した後、電磁鋼板の鉄損(W
15/50)が2.0~2.55W/Kg、磁束密度(B
1)が1.05~1.2Tになる。
【0027】
電磁鋼板を加工した後、電磁鋼板の磁束密度(B50)が1.65T以上である。磁束密度(B50)は5000A/mの磁場で誘導される磁束密度である。より具体的に電磁鋼板の磁束密度(B50)が1.66T以上であり、さらに具体的に電磁鋼板の磁束密度(B50)が1.66~1.7Tである。
本発明の無方向性電磁鋼板の製造方法は、スラブを加熱する段階と、スラブを熱間圧延して熱延板を製造する段階と、熱延板を冷間圧延して冷延板を製造する段階と、冷延板を最終焼鈍する段階とを含む。
スラブの合金成分については、前述した無方向性電磁鋼板の合金成分で説明したため、重複する説明は省略する。無方向性電磁鋼板の製造過程で合金成分が実質的に変動しないため、無方向性電磁鋼板とスラブの合金成分は実質的に同一である。
具体的にスラブは、重量%で、Si:1.5~4.0%、Mn:0.1~1.5%、Al:0.7~1.5%、Bi:0.0001~0.003%およびGa:0.0001~0.003%を含み、残部がFeおよび不可避な不純物からなり、下記数1を満たす。
[数1]
[Al]+[Mn]≧0.87
数1中、[Al]、[Mn]は、それぞれAl、Mnの含有量(重量%)を示す。
その他の追加元素については、無方向性電磁鋼板の合金成分で説明したため、重複する説明は省略する。
【0028】
まず、スラブを加熱する。スラブの加熱温度は制限されないが、スラブを1200℃以下に加熱する。スラブ加熱温度が過度に高ければ、スラブ内に存在するAlN、MnSなどの析出物が再固溶された後、熱間圧延および焼鈍時に微細析出されて結晶粒成長を抑制し、磁性を低下させる。
次に、スラブを熱間圧延して熱延板を製造する。熱延板厚さは2~2.3mmになる。熱延板を製造する段階で仕上げ圧延温度は800~1000℃である。熱延板は700℃以下の温度で巻き取られる。
熱延板を製造する段階の後、熱延板を熱延板焼鈍する段階をさらに含む。この時、熱延板焼鈍温度は950~1150℃である。熱延板焼鈍温度が過度に低ければ、組織が成長しないか、または微細に成長して冷間圧延後焼鈍時に磁性に有利な集合組織を得ることが容易ではない。焼鈍温度が過度に高ければ、結晶粒が過度に成長し、板の表面欠陥が過多になることがある。熱延板焼鈍は、必要に応じて磁性に有利な方位を増加させるために行われるものであり、省略も可能である。焼鈍された熱延板を酸洗することができる。
次に、熱延板を冷間圧延して冷延板を製造する。冷間圧延は0.10mm~0.70mmの厚さに最終圧延する。必要時に1次冷間圧延と中間焼鈍後に2次冷間圧延することができ、最終圧下率は50~95%の範囲とする。
【0029】
次に、冷延板を最終焼鈍する。冷延板を焼鈍する工程で焼鈍温度は、通常無方向性電磁鋼板に適用される温度であれば大きく制限はない。無方向性電磁鋼板の鉄損は、結晶粒サイズと密接に関連しているため、900~1100℃であれば適当である。温度が過度に低い場合、結晶粒が過度に微細で履歴損失が増加し、温度が過度に高い場合は、結晶粒が過度に粗大で渦流損が増加して鉄損が劣位になる。
最終焼鈍後、鋼板は、平均結晶粒直径が70~150μmになる。
最終焼鈍後、絶縁被膜を形成することができる。前記絶縁被膜は、有機質、無機質および有機-無機複合被膜で処理され、その他絶縁が可能な被膜剤で処理することも可能である。
次に、電磁鋼板を加工する。加工とは、モータ、発電機などを製造するために、鋼板を剪断(shearing)や打抜(punching)などで切断することを意味する。
前述したように、本発明で加工による磁性劣化が少ないため、別途の応力除去焼鈍をせず、モータ、発電機などを製造してもよい。具体的に最終焼鈍された鋼板を加工する段階の後、母材に比べて硬度が10%以上である加工硬化領域が存在し、前記加工硬化領域の深さが加工面から250μm以下である。加工後、加工硬化領域の深さおよび磁性特性については、無方向性電磁鋼板で具体的に説明したため、重複する説明は省略する。
【0030】
以下、実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。しかし、このような実施例は、単に本発明を例示するためのものであり、本発明がここに限定されるのではない。
実施例
下記表1で整理した合金成分並びに残部Feおよび不可避な不純物からなるスラブを製造した。スラブを1180℃で加熱し、2.5mmの厚さに熱間圧延した後に巻き取った。空気中で巻き取り、冷却した熱延鋼板を1010℃で熱延板焼鈍および酸洗した後、0.50mm厚さに冷間圧延し、最終的に冷延板焼鈍を実施した。この時、冷延板焼鈍目標温度は1000℃で実施した。
それぞれの試片に対して剪断(shearing)加工を通じて磁性を測定できるエプスタイン試験片(Epstein sample)で加工し、加工面から深さ方向に荷重25gfで、50μm間隔で硬度を測定し、鉄損(W15/50)と磁束密度(B1およびB50)も測定し、その結果を下記表2に示した。
加工硬化領域の深さは、剪断(shearing)加工された加工面から深さ方向に硬度を測定した時、母材の平均硬度に比べて10%以上硬度が増加する深さである。
鉄損(W15/50)は、50Hz周波数で1.5Teslaの磁束密度が誘起された時の圧延方向と圧延方向垂直方向の平均損失(W/kg)である。
磁束密度(B1)は、100A/mの磁場を付加した時に誘導される磁束密度の大きさ(Tesla)である。
磁束密度(B50)は、5000A/mの磁場を付加した時に誘導される磁束密度の大きさ(Tesla)である。
【0031】
【表1】
【表2】
表1および表2に示すように、Si、Al、Mn、Bi、Gaがそれぞれの成分添加量範囲および数1を全て満たしたA4、A5、A6、A7、A8は、加工硬化深さも250μm以下であり、鉄損W
15/50と磁束密度B
1およびB
50も非常に優れた値に示された。
【0032】
反面、A1は、数1を満たしたが、BiとGaが全て添加されず、その結果、加工硬化深さが250μmを超えて鉄損W15/50と磁束密度B1が劣位に示された。磁束密度B50の場合、加工硬化深さに影響は受けるが、大きい影響がないと判断され、これは高磁場では磁化力が大きいため、加工応力が大きい影響を与えないためである。
A2は、式1とBiの添加範囲を満たしたが、Gaが添加範囲を満たさず、加工硬化深さが250μmを超え、その結果、鉄損W15/50と磁束密度B1が劣位に示された。
A3は、数1とGaの添加範囲を満たしたが、Biが添加範囲を満たさず、加工硬化深さが250μmを超え、その結果、鉄損W15/50と磁束密度B1が劣位に示された。
A9も式1とBiが添加範囲を満たしたが、Gaの添加範囲を満たすことができなかった。ただし、A9は、Biは添加範囲を満たし、Gaが添加範囲を超えて添加されることによって加工硬化深さは250μm以下に良好であり、磁束密度B1とB50が良好であったが、鉄損W15/50が劣位に示された。これは、BiとGaが添加範囲を超える場合、結晶粒成長を抑制する効果によって鉄損が劣位になった結果である。
A10とA11は、式1を満たしたが、BiおよびGaが全て添加範囲を超え、鉄損W15/50が劣位に示された。A10とA11もBiとGaが添加範囲を超えて添加されることによって加工硬化深さを減少させる効果は具現されて加工硬化深さは250μm以下に良好であったが、添加範囲超過による結晶粒成長抑制効果で鉄損が劣位になった結果である。
【0033】
実施例2
表3で整理した合金成分並びに残部Feおよび不可避な不純物からなるスラブを製造した。スラブを1160℃で加熱し、2.3mmの厚さに熱間圧延した後に巻き取った。空気中で巻き取り、冷却した熱延鋼板を1030℃で熱延板焼鈍および酸洗した後、0.50mm厚さに冷間圧延し、最終的に冷延板焼鈍を実施した。この時、冷延板焼鈍目標温度は1020℃で実施した。
それぞれの試片に対して剪断(shearing)加工を通じて磁性を測定できるエプスタイン試験片(Epstein sample)で加工し、加工面から深さ方向に荷重25gfで、50μm間隔で硬度を測定し、鉄損(W15/50)と磁束密度(B1およびB50)も測定してその結果を下記表4に示した。
加工硬化領域深さの鉄損(W15/50)と磁束密度(B1およびB50)は、実施例1と同様に測定した。
【0034】
【表3】
【表4】
表3および表4に示すように、Si、Al、Mn、Bi、Gaがそれぞれの成分添加量範囲および数1を全て満たしたB2、B3、B5、B6、B9、B10、B12は、加工硬化深さも250μm以下であり、鉄損W
15/50と磁束密度B
1およびB
50が非常に優れた値に示された。
【0035】
反面、B1は、Al、Mn、BiおよびGaがそれぞれの添加範囲は満たしたが、数1を満たすことができず、その結果、加工硬化深さも250μm以下を満たすことができず、鉄損W15/50と磁束密度B1が劣位に示された。
B4は、AlとMnがそれぞれの添加範囲および数1を満たしたが、BiとGaが添加範囲を満たすことができず、加工硬化深さが250μm以下を満たすことができず、その結果、鉄損W15/50と磁束密度B1が劣位に示された。
B7は、AlとGaがそれぞれの添加範囲を満たすことができず、数1も満たすことができず、加工硬化深さも250μm以下を満たすことができず、その結果、鉄損W15/50と磁束密度B1が劣位に示された。
B8は、Al、BiおよびGaがそれぞれの添加範囲を満たすことができず、数1も満たすことができず、その結果、加工硬化深さも250μm以下を満たすことができず、鉄損W15/50と磁束密度B1、B50が全て劣位に示された。
B11は、Al、Mnは、それぞれの添加範囲および式1を満たしたが、BiとGaがそれぞれの添加範囲を超えて添加され、その結果、加工硬化深さは250μm以下に良好であったが、鉄損W15/50が劣位に示された。BiとGaが添加範囲を超えて添加されることによって加工硬化深さを減少させる効果は具現されて加工硬化深さは250μm以下に良好であったが、添加範囲超過による結晶粒成長抑制効果で鉄損が劣位になった結果である。
B13は、MnとBi、Gaがそれぞれの添加範囲を満たすことができず、式1も満たすことができず、加工硬化深さも250μm以下を満たすことができず、その結果、鉄損W15/50と磁束密度B1およびB50が全て劣位に示された。
【0036】
本発明は、前記実施形態に限定されるのではなく、互いに異なる多様な形態に製造可能であり、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的な思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態に実施可能であることを理解できるはずである。したがって、以上で記述した実施形態は、全ての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。