(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】アミューズメントパークシステムのためのエクステンデッドリアリティ乗り物試験アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A63G 7/00 20060101AFI20240229BHJP
A63G 31/16 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
A63G7/00
A63G31/16
(21)【出願番号】P 2021539382
(86)(22)【出願日】2020-01-02
(86)【国際出願番号】 US2020012018
(87)【国際公開番号】W WO2020142584
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-12-23
(32)【優先日】2019-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170209
【氏名又は名称】林 陽和
(72)【発明者】
【氏名】グラハム マーティン エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ゲルゲン パトリック ジョン
(72)【発明者】
【氏名】トルヒーヨ トマス マヌエル
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-176131(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0166221(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0253141(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00-33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミューズメントパークアトラクションであって、
前記アミューズメントパークアトラクションの経路に沿って移動するように構成された乗り物車両と、
仮想要素を生成するように構成されたアトラクションコントローラと、
前記乗り物車両上に配置されたロボットアセンブリであって、当該ロボットアセンブリの頭部が前記乗り物車両に対する位置を調整するように構成されたロボットアセンブリと、
前記アトラクションコントローラに通信可能に結合され、前記ロボットアセンブリの前記頭部上に配置されるように構成されるとともに、前記アミューズメントパークアトラクションにおけるヘッドセット位置に基づいて、前記アトラクションコントローラによって生成された前記仮想要素を表示するように構成されたヘッドセットと、
前記ロボットアセンブリの前記頭部内に配置され、前記ヘッドセットによって表示される前記仮想要素を示すデータを取得するように構成されたカメラと、
を備える、アミューズメントパークアトラクション。
【請求項2】
前記ロボットアセンブリは、前記乗り物車両に対する前記頭部の前記位置を調整するように構成されたアジャスタを含む、
請求項1に記載のアミューズメントパークアトラクション。
【請求項3】
前記アジャスタは、前記ロボットアセンブリに加わる力、前記乗り物車両に加わる力、前記乗り物車両の速度、前記乗り物車両の加速度、前記アミューズメントパークアトラクションにおける前記乗り物車両の位置、前記アミューズメントパークアトラクションが動作している時間、またはそれらの任意の組み合わせに応じて前記頭部の前記位置を調整するように構成される、
請求項2に記載のアミューズメントパークアトラクション。
【請求項4】
前記ヘッドセットは、前記乗り物車両の速度、前記アミューズメントパークアトラクションにおける前記乗り物車両の位置、前記ヘッドセットに加わる力、前記アミューズメントパークアトラクションが動作している時間、またはそれらの任意の組み合わせに基づいて前記仮想要素を表示するように構成される、
請求項1に記載のアミューズメントパークアトラクション。
【請求項5】
前記頭部は、空洞と、該空洞内に配置されたトレイと、を含み、
前記カメラは、前記トレイに結合される、
請求項1に記載のアミューズメントパークアトラクション。
【請求項6】
前記カメラは、前記ヘッドセットによって表示される前記仮想
要素、前記アミューズメントパークアトラクションのショー要素、またはその両方を記録するように構成される、
請求項1に記載のアミューズメントパークアトラクション。
【請求項7】
前記乗り物車両は、前記ロボットアセンブリに結合するように構成された電源を含み、
前記電源は、前記ロボットアセンブリが前記電源に結合されたときに前記ロボットアセンブリに電力を供給するように構成される、
請求項1に記載のアミューズメントパークアトラクション。
【請求項8】
アミューズメントパークアトラクションであって、
前記アミューズメントパークアトラクションの経路に沿って移動するように構成された乗り物車両と、
仮想要素を生成するように構成されたアトラクションコントローラと、
前記乗り物車両上に配置されたヘッドセットであって、前記アミューズメントパークアトラクションにおける前記ヘッドセットの位置に基づいて、前記アトラクションコントローラによって生成された前記仮想要素を表示するように構成されたヘッドセットと、
頭部と、当該頭部内に配置され、前記アミューズメントパークアトラクションが動作しているときに、前記ヘッドセットによって表示される前記仮想要素を示すデータを取得するように構成されたカメラと、を含む、前記乗り物車両上に配置されたロボットアセンブリと、
前記アミューズメントパークアトラクションの動作パラメータを検出するように構成されたセンサと、
前記ロボットアセンブリに通信可能に結合され、前記動作パラメータに基づいて前記頭部の位置の調整を制御するように構成されたコントローラと、
を備える、アミューズメントパークアトラクション。
【請求項9】
前記動作パラメータは、前記ロボットアセンブリに加わる力、前記乗り物車両に加わる力、前記乗り物車両の速度、前記乗り物車両の加速度、前記アミューズメントパークアトラクションにおける前記乗り物車両の位置、前記アミューズメントパークアトラクションが動作している時間、またはそれらの任意の組み合わせを含む、
請求項8に記載のアミューズメントパークアトラクション。
【請求項10】
前記コントローラは、特定の速度で、特定の動きを介して、またはその両方で前記頭部の前記位置を調整するように構成される、
請求項8に記載のアミューズメントパークアトラクション。
【請求項11】
前記カメラに通信可能に結合されたコンピュータ装置を備え、
前記カメラは、前記データを前記コンピュータ装置に転送するように構成され、
前記コンピュータ装置は、前記データに基づいて前記仮想要素を表示するように構成される、
請求項8に記載のアミューズメントパークアトラクション。
【請求項12】
前記コンピュータ装置は、前記ヘッドセットに、前記仮想要素と、当該仮想要素に関連する前記動作パラメータの値と、を同時に表示させるように構成される、
請求項11に記載のアミューズメントパークアトラクション。
【請求項13】
前記ロボットアセンブリは、前記乗り物車両の座席、前記乗り物車両の床面、またはその両方に結合するように構成される、
請求項8に記載のアミューズメントパークアトラクション。
【請求項14】
前記頭部は、前記アミューズメントパークアトラクションが動作していないときに、前記座席に対して開始位置に設定されるように構成される、
請求項13に記載のアミューズメントパークアトラクション。
【請求項15】
アミューズメントパークアトラクションのロボットシステムであって、
前記アミューズメントパークアトラクションのヘッドセットに結合するように構成された、ロボットアセンブリの頭部と、
前記ロボットアセンブリの前記頭部の空洞内に配置され、前記ヘッドセットを介して表示される仮想要素を示すデータを取得するように構成されたカメラと、
前記アミューズメントパークアトラクションの乗り物車両に結合するように構成されるとともに、前記乗り物車両に対する前記頭部の位置を調整するように構成された、前記ロボットアセンブリのアジャスタと、
を備える、ロボットシステム。
【請求項16】
前記カメラは、第1のカメラであり、
前記ロボットシステムは、第2のカメラを備え、
前記ロボットシステムは、複数のトレイを備え、
前記複数のトレイの各トレイは、前記ロボットアセンブリの前記頭部に1つずつ個別に結合するように構成され、
前記第1のカメラおよび前記第2のカメラは、前記複数のトレイの各それぞれのトレイに結合するように構成され、
前記複数のトレイの各トレイは、前記第1のカメラおよび前記第2のカメラを分離するそれぞれの距離を含む、
請求項15に記載のロボットシステム。
【請求項17】
前記複数のトレイの各トレイの前記それぞれの距離は、互いに実質的に異なり、
前記複数のトレイの各トレイは、前記頭部に結合するように構成されたベースを含み、
それぞれの前記ベースは、ほぼ同じ寸法を有し、
前記複数のトレイの各トレイは、第1のトレイ空洞および第2のトレイ空洞を含み、
前記第1のカメラは、前記第1のトレイ空洞内に配置されるように構成されるとともに、前記第2のカメラは、前記複数のトレイの各トレイの各第2のトレイ空洞内に配置されるように構成され、
前記複数のトレイの各トレイのそれぞれの第1のトレイ空洞およびそれぞれの第2のトレイ空洞は、前記それぞれの距離だけ分離される、
請求項16に記載のロボットシステム。
【請求項18】
前記ロボットシステムは、複数の被覆物を備え、
前記複数の被覆物の各被覆物は、前記ロボットアセンブリの前記頭部上に1つずつ個別に収まるように構成され、
前記複数の被覆物の各被覆物は、それぞれの色および質感を有する、
請求項15に記載のロボットシステム。
【請求項19】
前記アジャスタは、前記乗り物車両に対して前記頭部を回転させ、前記乗り物車両に対して前記頭部を平行移動させ、またはその両方を行うように構成される、
請求項15に記載のロボットシステム。
【請求項20】
前記アジャスタは、複数のセグメントを含み、
前記複数のセグメントの各セグメントは、前記複数のセグメントのうちの少なくとも1つの他のセグメントに対して動くように構成される、
請求項15に記載のロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2019年1月4日に出願された「アミューズメントパークシステムのためのエクステンデッドリアリティ乗り物試験アセンブリ(EXTENDED REALITY RIDE TEST ASSEMBLY FOR AMUSEMENT PARK SYSTEM)」という名称の米国仮特許出願第62/788,228号に基づく優先権およびその利益を主張するものであり、この文献は引用により本明細書に組み入られる。
【0002】
本開示は、一般にアミューズメントパークエンターテイメントの分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、アトラクションをシミュレートするシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
本節は、以下で説明する本開示の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく、上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【0004】
アミューズメントパークは、各アミューズメントパークゲストに固有の体験を提供する様々な特徴を含む。たとえば、アミューズメントパークは、エクステンデッドリアリティ特徴を組み込んだアトラクションを含むことができる。すなわち、アトラクションは、アトラクションが動作している間にアトラクションの各ゲストが観察できる仮想要素を生成して表示することができる。いくつかの例では、各ゲストが異なる仮想要素を観察する。各ゲストによって観察される仮想要素を大規模に決定することは困難な場合がある。すなわち、アトラクションの各ゲストの体験をシミュレートするために仮想要素を生成して表示することは、制御された形で再現するのが複雑となり得る。従って、エクステンデッドリアリティ特徴を有するアトラクションを開発することは困難および/または厄介となり得る。
【発明の概要】
【0005】
以下、本明細書に開示するいくつかの実施形態の概要を示す。これらの態様は、読者にこれらのいくつかの実施形態の要約を示すものにすぎず、本開示の範囲を限定するものではないと理解されたい。実際には、本開示は様々な態様を含むことができ、以下ではこれらを示していないこともある。
【0006】
ある実施形態において、アミューズメントパークアトラクションは、アミューズメントパークアトラクションの経路に沿って移動するように構成された乗り物車両と、仮想要素を生成するように構成されたアトラクションコントローラと、乗り物車両上に配置されたロボットアセンブリとを含む。ロボットアセンブリの頭部は、乗り物車両に対して位置を調整するように構成される。アミューズメントパークアトラクションは、アトラクションコントローラに通信可能に結合されたヘッドセットと、ロボットアセンブリの頭部内に配置されたカメラとをさらに含む。ヘッドセットは、ロボットアセンブリの頭部に配置されるように構成される。ヘッドセットは、アミューズメントパークアトラクション内のヘッドセット位置に基づいて、アトラクションコントローラによって生成された仮想要素を表示するようにも構成される。カメラは、ヘッドセットによって表示される仮想要素を示すデータを取得するように構成される。
【0007】
ある実施形態において、アミューズメントパークアトラクションは、アミューズメントパークアトラクションの経路に沿って移動するように構成された乗り物車両と、仮想要素を生成するように構成されたアトラクションコントローラと、乗り物車両上に配置されたヘッドセットと、乗り物車両上に配置されたロボットアセンブリとを含む。ヘッドセットは、アミューズメントパークアトラクション内のヘッドセットの位置に基づいて、アトラクションコントローラによって生成された仮想要素を表示するように構成され、ロボットアセンブリは、頭部と、頭部内に配置されたカメラとを含み、カメラは、アミューズメントパークアトラクションが動作している時に、ヘッドセットによって表示される仮想要素を示すデータを取得するように構成される。さらに、アミューズメントパークアトラクションは、アミューズメントパークアトラクションの動作パラメータを検出するように構成されたセンサと、ロボットアセンブリに通信可能に結合されたコントローラとを含み、コントローラは、動作パラメータに基づいて頭部の位置の調整を制御するように構成される。
【0008】
ある実施形態において、アミューズメントパークアトラクションのロボットアセンブリは、頭部と、頭部の空洞内に配置されたカメラと、アミューズメントパークアトラクションの乗り物車両に結合するように構成されたアジャスタとを含む。頭部は、アミューズメントパークアトラクションのヘッドセットに結合するように構成され、カメラは、ヘッドセットを介して表示される仮想要素を示すデータを取得するように構成され、アジャスタは、乗り物車両に対する頭部の位置を調整するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
全体を通じて同じ要素を同じ記号で示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらのおよびその他の特徴、態様および利点がより良く理解されるであろう。
【0010】
【
図1】本開示の態様による、生成された仮想要素を取り込むロボットアセンブリを含むアトラクションの実施形態の概略図である。
【0011】
【
図2】本開示の態様による、乗り物車両と、乗り物車両内に配置されたロボットアセンブリとを含むアトラクションの実施形態の概略図である。
【0012】
【
図3】本開示の態様による、生成された仮想要素を取り込むように実装されたロボットアセンブリの実施形態の斜視図である。
【0013】
【
図4】本開示の態様による、生成された仮想要素を有する乗り物の態様を取り込むように構成されたロボットアセンブリの頭部の実施形態の斜視図である。
【0014】
【
図5】本開示の態様による、
図4のロボットアセンブリの頭部内に収容された内部コンポーネントの俯瞰的斜視図である。
【0015】
【
図6】本開示の態様による、内部コンポーネントを含まない
図5の頭部の上面図である。
【0016】
【
図7】本開示の態様による、ロボットアセンブリの頭部に組み込まれたトレイの実施形態の部分的上面図である。
【0017】
【
図8】本開示の態様による、乗り物システムに結合されたロボットアセンブリの実施形態の側面斜視図である。
【0018】
【
図9】本開示の態様による、アトラクションにロボットアセンブリを組み込んで使用し、ロボットアセンブリを介してデータを取得して評価する方法の実施形態のブロック図である。
【0019】
【
図10】本開示の態様による、ロボットアセンブリの特徴を選択する方法の実施形態のブロック図である。
【0020】
【
図11】本開示の態様による、アトラクション内でロボットアセンブリを設定する方法の実施形態のブロック図である。
【0021】
【
図12】本開示の態様による、ロボットアセンブリを介してデータを取得する方法の実施形態のブロック図である。
【0022】
【
図13】本開示の態様による、ロボットアセンブリを介して取得されたデータを処理する方法の実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、1または2以上の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実施の特徴を全て説明するわけではない。あらゆる工学または設計プロジェクトにおいて見られるようないずれかのこのような実施の開発では、実施によって異なり得るシステム関連およびビジネス関連の制約の順守などの開発者の個別の目的を達成するために、数多くの実施固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑でありかつ時間が掛かる場合もあるが、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、製作および製造という日常的な取り組みであると理解されたい。
【0024】
本開示の実施形態は、アミューズメントパークのゲストを楽しませるアミューズメントパークアトラクションに関する。アトラクションは、ライブショー、軌道式乗り物、固定式乗り物、およびアミューズメントパークがゲストを楽しませる様々な方法を提供するその他のタイプのアトラクションを含むことができる。各アトラクションは、異なる効果を使用してゲストに特定の体験を提供することもできる。たとえば、アトラクションは、ゲストの特定の感情を引き起こすために恐怖、ユーモアおよび興奮などを使用することができる。アミューズメントパークは、ゲストの体験を向上させる様々な方法をますます多く実装しつつある。たとえば、あるアトラクションは、ゲストの体験をエクステンデッドリアリティ特徴で補完することができる。エクステンデッドリアリティ特徴は、アトラクションが各ゲストを楽しませる柔軟かつ効果的な方法を提供することを可能にすることができる。
【0025】
本明細書で使用するエクステンデッドリアリティとは、実際の環境に投影イメージなどの仮想要素を組み込むことを意味する。エクステンデッドリアリティは、仮想現実、拡張現実および/または複合現実を含むことができる。本明細書で使用する仮想現実とは、実際の環境全体またはそのほとんど全体を仮想環境に置き換えることを意味する。すなわち、仮想現実は、没入的な仮想環境を再現するためにイメージ、サウンドおよびその他の要素を生成することができる。本明細書で使用する拡張現実とは、実際の環境の上に仮想要素を重ね合わせることを意味する。拡張現実は、イメージの投影、サウンドの生成、および触覚の操作などによって実際の環境を補完することができる。しかしながら、仮想要素との相互作用が制限されることもある。本明細書で使用する複合現実とは、実際の環境内に仮想要素を投影し、その中で仮想要素を相互作用的にすることができることを意味する。たとえば、複合現実は、ゲストの動きに基づいて動くことができる仮想要素を投影することができる。エクステンデッドリアリティを実装することにより、各ゲストが見るように仮想イメージを投影して、製作されアトラクション上に設置または別様に提供されたはずの物理的オブジェクトの数を制限することができる。
【0026】
本開示で説明するように、アトラクションでは、アトラクション上の各ゲストによって装着されたヘッドセットを介してエクステンデッドリアリティを形成することができる。本明細書で使用するヘッドセットとは、アトラクションのアトラクションコントローラによって生成されてゲストが体験できる仮想要素を表示するように実装できる、ゲストによって装着される装置を意味する。本開示では、ゲストが見るべき仮想イメージおよびゲストが聞くべきサウンドを表示するヘッドセットについて主に説明するが、ヘッドセットは、これに加えてまたはこれに代えて仮想的な匂い、触覚などを投影することもできると理解されたい。一般に、仮想要素は、ゲスト体験を向上させるために生成することができる。たとえば、仮想要素はゲストに特定の感情を与えることができ、これは物理的オブジェクトを介して行われた場合には制限されることがある。具体的に言えば、ヘッドセットは、現実世界で再現するには不十分または困難と考えられる要素を表示することができる。たとえば、ヘッドセットは、ヘッドセットを装着したゲストが見ることができる様々なキャラクタおよび/または環境を表示することができる。ヘッドセットは、これらのキャラクタおよび環境に関連するサウンドを投影することもできる。このように、アニマトロニクス、ロボットおよびショー出演者などの物理的オブジェクトに取って代わることができる数多くの要素を生成してアトラクション上のゲスト体験を向上させる。仮想要素は、現実要素よりも効率的に制御することができる。一例として、仮想要素は、現実要素の物理的配置を介してではなく、ヘッドセットのプログラミングを介して追加し、削除し、別様に操作することができる。また、仮想要素は、アトラクションの可搬重量、位置および/またはサイズを含むアトラクションのパラメータに制限されないことができる。従って、仮想要素は、ゲスト体験を向上させる機会を物理的オブジェクトよりも多く提供することができる。
【0027】
アトラクションコントローラは、アトラクションの特定のパラメータに基づいて仮想要素を生成することができる。1つの例では、アトラクションの特定の時間間隔などにおいて、アトラクションの動作に基づいて特定の仮想要素を生成することができる。また、ヘッドセットは、ゲストの動き、配置および/または位置付けなどのゲストの相互作用に基づいて仮想要素を表示することもできる。たとえば、ゲストがどこに位置するか、およびゲストがどこを向いているかなどに基づいて、異なるゲストが異なる仮想要素を見ることができ、および/または異なるゲストが同じ仮想要素を異なる視点で見ることができる。
【0028】
理解されるように、生成された仮想要素の識別およびレビューは、アトラクションの試験および/または開発を容易にすることができる。具体的には、アトラクション上のゲストの行動をエミュレートすることで、ゲストが体験すると思われる通りにヘッドセットを介して仮想要素を表示することができる。さらに、表示された仮想要素を記録することでゲスト体験を決定することができる。本明細書で使用するゲスト体験のシミュレーションは、ゲスト行動のシミュレーションおよびその後の表示される仮想要素の記録を含む。ゲスト体験のシミュレーションは、追加要素(たとえば、仮想要素)を含めることができるかどうか、既存の要素を除去または修正できるかどうか、および/またはゲスト体験を向上させる他の修正をアトラクション内で行うことができるかどうかの判定を容易にすることができる。ゲストがヘッドセットを介して体験する視覚要素の決定は、個人がゲスト行動をエミュレートしながらヘッドセットを装着する(たとえば、アトラクション内で考えられるゲストの動き方と同様の動きを生成する)ことによって行うことができる。このようにして、ゲストがアトラクションにおいて遭遇し得る視覚要素を個人が体験することができる。しかしながら、アトラクションの個人体験を介したゲスト体験のシミュレーションは面倒かつ不十分な場合がある。たとえば、ヘッドセットを装着した個人の視野が記録できず、個人がアトラクション上でヘッドセットを装着している間にしか個人に見えない場合がある。従って、個人の視野を繰り返すことは、アトラクションの体験を繰り返すことを含むことができる。また、いくつかの例では、個人によるアトラクションの体験を介したゲスト体験のシミュレーションが容易に利用できず、個人の利用可能性および個人を収容するアトラクションの即応性に依存する場合もある。
【0029】
従って、本開示のいくつかの実施形態によれば、ゲストがヘッドセットを介して見ることができる仮想要素の決定を可能にするシステムが、特定のアトラクションの開発および/または試験を容易にすることができる。とりわけ、このシステムは、ヘッドセットによって表示される仮想要素の記録および/または投影を可能にすることによって、シミュレートされたゲスト体験のアクセス性を高めることができる。また、システムは、アトラクション上に個人を物理的に存在させることなく動作することができる。従って、ゲスト体験のシミュレーションを、個人の限界または個人を収容するアトラクションの能力の限界によって制約しないことができる。1つの実施形態では、システムがロボットアセンブリを含むことができる。ロボットアセンブリは、ヘッドセットを装着するように実装することができ、ヘッドセットによって表示される仮想イメージを表すデータを記録し、処理し、および/または転送するカメラを含むことができる。ロボットアセンブリは、アトラクション内でゲストの動きをエミュレートするように動くことにより、ヘッドセットによって表示される仮想イメージを操作できるように実装することもできる。このように、ロボットアセンブリを使用してアトラクション内のゲスト体験をシミュレートすることができる。
【0030】
ここで図面を参照すると、
図1は、アミューズメントパークのアトラクションシステム100の実施形態の概略図である。アトラクションシステム100は、ゲスト104を配置できるゲストエリア102を含むことができる。すなわち、ゲスト104は、少なくともアトラクションシステム100が動作している継続時間中にゲストエリア102内に位置する(たとえば、座るまたは立つ)ことができる。1つの実施形態では、ゲストエリア102を固定しないことができる。たとえば、ゲストエリア102は、アトラクションシステム100の経路などに沿ってアトラクションシステム100の指定エリアを動き回るように実装された乗り物車両とすることができる。また、アトラクションシステム100の実施形態は、それぞれがアトラクションシステム100のゲストを収容できる複数のゲストエリアを含むことができると理解されたい。アトラクションシステム100は、ゲスト104の体験を向上させる複数の効果を含むことができる。これらの効果は、ゲスト104が見ることができる物理的オブジェクト、ゲスト104が聞くことができるオーディオ要素、およびゲスト104がゲストエリア102から相互作用できるその他の要素を含むことができる。
【0031】
アトラクションシステム100は、これらの効果に加え、ヘッドセット106を介してエクステンデッドリアリティ特徴を実装することもできる。ゲスト104は、対応するヘッドセット106を装着することができる。アトラクションシステム100は、各ヘッドセット106に通信可能に結合された1または2以上のアトラクションコントローラ107をさらに含むことができる。アトラクションコントローラ107は、各ヘッドセット106が表示する仮想要素を生成するように構成することができる。従って、アトラクションシステム100の動作中、各ゲスト104は、それぞれのヘッドセット106によって生成された仮想要素を見ることができる。各ヘッドセット106は、アトラクションシステム100のテーマなどに従って実質的に同じタイプの仮想視覚要素を各ゲスト104に表示するように実装することができる。しかしながら、各ゲスト104に見える仮想視覚要素は異なることができる。1つの実施形態では、ゲスト104が、ゲストエリア102および/またはアトラクションシステム100の異なる位置で異なる仮想視覚要素を見ることができる。ゲスト104は、自分が向いている方向に基づいて異なる仮想視覚要素を見ることもできる。実際に、各ヘッドセット106は、ゲスト104の視点に基づいて、仮想視覚要素がゲスト104に実際の環境内の物理的オブジェクトであるかのように見えるように仮想視覚要素の表示を更新することができる。たとえば、各ヘッドセット106は、表示すべき仮想視覚要素を決定するために、各ゲスト104の位置、ヘッドセット106に加わる力、ヘッドセット106に加わる力の方向、その他の好適なパラメータ、またはこれらのいずれかの組み合わせを検出するセンサを含むことができる。このように、仮想視覚要素は、リアルかつ相互作用的な形で表示される。
【0032】
また、アトラクションコントローラ107は、ヘッドセット106が各ゲスト104に聞こえるように投影する仮想オーディオ要素を生成することができる。このオーディオ出力も、仮想視覚要素と同様に特定のパラメータに基づいて生成することができる。実際には、生成されるオーディオ出力を表示される視覚的仮想要素に関連付けることによって、要素のリアルな提示をさらに増進させることができる。たとえば、ゲストの視野内の位置に存在する仮想視覚要素にオーディオ出力を関連付けることができる。これらのオーディオ出力は、仮想視覚要素がその位置から発しているかのように指向的に生成することができる。さらに、アトラクションシステム100の他のコンポーネントがオーディオ出力を発することもできる。一例として、乗り物車両、ショー要素および軌道などが、アトラクションシステム100内のゲスト104および/またはロボットアセンブリ108の位置などに基づいてオーディオ出力を発することができる。
【0033】
さらに、いくつかの実施形態では、アトラクションコントローラ107を、アトラクションシステム100の他の要素を制御するように構成することができる。たとえば、アトラクションコントローラ107は、ショー効果(たとえば、照明)、アトラクションシステム100の動作(たとえば、アトラクションシステム100の乗り物車両の速度)、および/またはアトラクションシステム100のその他の動作パラメータを制御することができる。
図1にはアトラクションコントローラ107をゲストエリア102内に位置するように示しているが、アトラクションコントローラ107は、アトラクションシステム100のあらゆる好適なエリアに位置することができ、或いはアトラクションシステム100に通信可能に結合されて遠隔位置からアトラクションシステム100を制御することもできる。
【0034】
ゲストエリア102は、ゲスト104の行動をエミュレートできるロボットアセンブリ108を収容することもできる。具体的には、ユーザのヘッドセットと実質的に同じヘッドセット106の実施形態をロボットアセンブリ108に配置し、ロボットアセンブリがゲスト104であるかのように仮想要素を表示することができる。ロボットアセンブリ108は、ロボットアセンブリ108がゲスト104であるかのようにヘッドセット106に仮想要素を表示させるために、ゲスト104の動きをエミュレートしてアトラクションシステム100内のゲスト104の行動を表現することができる。たとえば、ロボットアセンブリ108は、ゲスト104が動くと思われるように動くように実装された本体110を含むことができる。本体110は、ゲスト104の動きをエミュレートするロボットアセンブリ108の動きを提供するように実装されたアジャスタ112を含むことができる。1つの実施形態では、アジャスタ112が、ロボットアセンブリ108が所望の位置に調整されることを可能にすることもできる。たとえば、アジャスタ112は、ロボットアセンブリ108の高さを調整し、および/またはゲストエリア102内のロボットアセンブリの位置を調整することができる。従って、ロボットアセンブリ108の位置および動きは、アトラクションシステム100のゲスト104の位置および動きに厳密に一致することができる。
【0035】
1つの実施形態では、アトラクションコントローラ107から独立した制御システム114をロボットアセンブリ108に通信可能に結合して、制御システム114によるロボットアセンブリ108のモニタリングおよび制御を可能にすることができる。制御システム114は、メモリ116およびプロセッサ118を含むことができる。メモリ116は、大容量記憶装置、フラッシュメモリデバイス、取り外し可能メモリ、またはロボットアセンブリ108の制御に関する命令を含む他のいずれかの非一時的コンピュータ可読媒体とすることができる。これらの命令は、アルゴリズム、モデル(たとえば、逆運動学モデル)およびデータストレージなどを含むことができる。メモリ116は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、および/またはハードディスクメモリ、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、および/またはその他の好適なメモリフォーマットを含むこともできる。プロセッサ118は、メモリ116に記憶された命令を実行することができる。制御システム114は、特定のパラメータを検出するように実装されたセンサ120に通信可能に結合することができる。たとえば、センサ120は、ロボットアセンブリ108上に配置されて、アトラクションシステム100内のロボットアセンブリ108の位置、ロボットアセンブリ108の動き、ロボットアセンブリ108に加わる力、ロボットアセンブリ108に加わる力の方向、ロボットアセンブリ108のその他のパラメータ、またはこれらのいずれかの組み合わせを検出することができる。これに加えてまたはこれに代えて、センサ120は、アトラクションシステム100内の他の場所に配置されて、アトラクションシステム100の動作継続時間、アトラクションシステム100の効果の発生、その他のパラメータ、またはこれらのいずれかの組み合わせなどのパラメータを検出することもできる。センサ120は、検出されたパラメータを示す信号を制御システム114に送信するように実装することができ、制御システム114は、この信号に基づいてロボットアセンブリ108を動かすことができる。このように、制御システム114は、アトラクションシステム100の動作に応じてロボットアセンブリ108を動かすことにより、アトラクションシステム100内のゲスト104の動きをリアルにエミュレートすることができる。
【0036】
ヘッドセット106は、ロボットアセンブリ108の動きに基づいて特定の仮想要素を表示することができる。ロボットアセンブリ108は、ヘッドセット106によって表示される仮想視覚要素、およびアトラクションシステム100の他の要素(たとえば、照明、ショー要素)を感知するカメラ122を含むことができる。特定の実装では、ロボットアセンブリ108を、ヘッドセット106によって投影される仮想オーディオ要素を記録するように構成することもできる。たとえば、ロボットアセンブリ108は、カメラ122上などに、仮想オーディオ要素を記録できるマイク(図示せず)を含むことができる。カメラ122は、ヘッドセット106によって表示された視覚要素をカメラ122から離れて転送できるデータとして記録することができる。1つの実施形態では、カメラ122がネットワーク124に通信可能に結合して記録データをネットワーク124に転送することができる。他の装置がネットワーク124に通信可能に結合して記録データを受け取ることもできる。たとえば、コンピュータ装置126がネットワーク124に通信可能に結合して記録データを受け取ることができる。その後、コンピュータ装置126は記録データを出力することができる。一例として、コンピュータ装置126は、記録された仮想視覚要素を出力する画面などのディスプレイ128と、記録されたオーディオ出力を出力してコンピュータ装置のユーザに仮想要素を提示するスピーカなどのオーディオ装置130とを含むことができる。この出力された記録データを使用して、記録された仮想視覚要素に基づいて制御システム114を構成することなどによって、ロボットアセンブリ108の動きを調整することができる。
【0037】
1つの実施形態では、コンピュータ装置126が、カメラ122が視覚要素を記録した時にリアルタイムで視覚要素を出力(たとえば、ストリーミング)することができる。別の実施形態では、コンピュータ装置126が、カメラ122によって記録されたデータを記憶し、記録データを検索して再生できるように実装されたデータベースを含み、またはこのようなデータベースに通信可能に結合される。従って、コンピュータ装置126のユーザは、所望の時点でデータベースにアクセスして仮想要素を検索することができる。さらなる実施形態では、センサ120によって検出された情報を検出することもできる。たとえば、ロボットアセンブリ108および/またはアトラクションシステム100の特定の動作パラメータに関連する情報を記録してネットワーク124に転送することができる。このように、コンピュータ装置126は、仮想要素を提示することに加えて、ロボットアセンブリ108および/またはアトラクションシステム100に関するデータを検索することもできる。
【0038】
ロボットアセンブリ108は、ロボットアセンブリ108に電力を供給してロボットアセンブリ108の動作を可能にする電源132を含み、またはこのような電源に結合することもできる。見本的な実施形態(sample embodiment)では、電源132を、ロボットアセンブリ108内に含まれるバッテリ(たとえば、充電式バッテリ)とすることができる。しかしながら、電源132は、ロボットアセンブリ108がプラグなどを介して結合できる外部電源とすることもできる。たとえば、電源132は、ロボットアセンブリ108を結合できるゲストエリア102内に提供することができる。
【0039】
本開示では、説明を目的として、主に乗り物車両が経路に沿って移動するアトラクションシステム100のためのロボットアセンブリ108の応用に焦点を当てる。具体的に言えば、ゲスト104は、乗り物車両上に座り、乗り物車両が移動している時にゲスト104に仮想環境を提供することなどによってゲスト104の体験を向上させるヘッドセット106を装着することができる。しかしながら、ロボットアセンブリ108は、ゲスト104が歩き回ってアトラクションシステム100の特定の要素と相互作用できる相互作用エリアなどの他のタイプのアトラクション100に実装することもできると理解されたい。
【0040】
図2は、アトラクションシステム100の乗り物車両150に結合するように実装されたロボットアセンブリ108を含むアトラクションシステム100の実施形態の概略図である。乗り物車両150は、アトラクションシステム100の経路152に沿って移動するように実装することができる。たとえば、乗り物車両150は、経路152に沿って乗り物車両150を案内する軌道のレールに結合することができる。経路152は、ゲスト104の体験を向上させる感覚を引き起こすことができる旋回、高度変化(たとえば、上り坂、下り坂)、およびその他の経路変動(たとえば、ループ、螺旋)などの経路変動を含むことができる。アトラクションシステム100は、ゲスト体験を向上させる効果154をさらに含むことができる。効果154は、乗り物車両150によって生じることも、および/または乗り物車両150の外部に存在することもでき、音楽、水および照明などの要素を含むことができる。
【0041】
図示のアトラクションシステム100の実施形態の各ゲスト104は、アトラクションコントローラ107に通信可能に結合されたヘッドセット106のうちの対応する1つを装着することもできる。ゲスト104は、効果154および/または経路152に基づいて動くことができ、ヘッドセット106は、これに従って仮想要素を表示することができる。たとえば、乗り物車両150が経路152に沿って移動すると、乗り物車両150の動きに基づいて仮想要素を表示することができる。換言すれば、仮想要素は、ゲスト104が現実世界において仮想要素と共に移動しているかのように表示することができる。また、経路152に沿って移動する乗り物車両150は、(たとえば、慣性によって)ゲスト104による物理的な動きを引き起こし、ゲスト104の物理的な動きに基づいて仮想要素の表示をさらに調整することもできる。さらに、アトラクションシステム100の継続時間中に、たとえば効果154を使用して特定の方向を見るようにゲスト104を促し、これに従って仮想要素を表示することもできる。一般に、仮想要素は、ゲスト104および/またはアトラクションシステム100の動きに基づいて表示して、ゲスト104が現実世界で仮想要素を知覚しているかのように仮想要素のリアルな表現を提示することができる。
【0042】
ロボットアセンブリ108は、アトラクションシステム100が動作している時に表示される仮想要素をロボットアセンブリ108のカメラ122が記録できるように、乗り物車両150に固定または結合することができる。たとえば、カメラ122は、乗り物車両150が経路152に沿って移動する際に表示される仮想要素を記録することができる。また、アジャスタ112は、経路152に沿って移動する乗り物車両150によって誘発されるようにロボットアセンブリ108を動かすことができ、アトラクションシステム100が動作している時間間隔中に、および/またはアトラクションシステム100がゲスト104の行動をエミュレートするように動作している一定の継続時間にわたって、特定の方向を向くことができる。
【0043】
また、ロボットアセンブリ108は、乗り物車両150内にゲスト104と同様に配置することができると理解されたい。すなわち、ロボットアセンブリ108は、乗り物車両150内で座ることができ、および/または(たとえば、座席拘束具を使用して)ゲスト104と同様に拘束することができる。1つの実施形態では、乗り物車両150が、乗り物車両150の全ての座席上にまたは座席に隣接して配置された電源コンセントなどの電源132を含み、ロボットアセンブリ108を電源132に結合して乗り物車両150内に配置することができる。このように、ロボットアセンブリ108は、対応する電源132に結合することによって乗り物車両150のいずれかの座席に配置することができる。乗り物車両150内に配置されている間、ロボットアセンブリ108には、ゲスト104が装着するようにヘッドセット106を取り付けることもできる。すなわち、ヘッドセット106は、ゲスト104の頭部と同様に成形されたロボットアセンブリ108の部分の周囲に取り付けて固定することができる。一般に、ロボットアセンブリ108は、ゲスト104のうちの1人がヘッドセット106を装着しているかのように仮想要素が表示されるように、ゲスト104と同様に動き、行動し、配置されるように実装することができる。
【0044】
図3は、ゲスト104と同様に動くことができるロボットアセンブリ108の実施形態の斜視図である。ロボットアセンブリ108は、ヘッドセット106を装着するように実装された頭部170と、頭部170を動かすように実装されたアジャスタ112とを含むことができる。一般に、アジャスタ112は、アトラクション100上のゲスト104の位置および動きと実質的に同様の特定の動きを介して頭部170を一定の位置に動かすことができる。たとえば、ロボットアセンブリ108は、起点基準点(origin reference point)(たとえば、x-y-z座標系の[0、0、0]の座標点)を有する開始位置に頭部170を設定するように構成することができる。アジャスタ112は、ゲスト104のうちの1人の頭部の位置をエミュレートするように、頭部170を起点基準点に対して異なる位置(たとえば、x-y-z座標系の他の座標点)に動かすように構成することができる。
図3の頭部170は実質的に人間の特徴を含むが、さらなるまたは別の実施形態では、頭部170が、センサおよび/またはヘッドセット106を受け取る取り付け具を有する他の形状などの他の特徴を含むこともできる。図示の実施形態では、アジャスタ112が、第2のセグメント176に回転可能に結合された第1のセグメント174と、第2のセグメント176に回転可能に結合された第3のセグメント178とを含むことができる。第3のセグメント178は、頭部170に結合された頭部セグメント180に結合することができる。また、第1のセグメント174は、第1のセグメント174をベース(図示せず)に回転可能に結合するベースセグメント182に結合することができる。セグメント174、176、178、180、182は、可動関節において互いに結合されて対応する動きを可能にし、それぞれのセグメント174、176、178、180、182の互いの周囲での動きによって頭部170を動かすことができる。1つの実施形態では、他の複数のセグメントをベースセグメント182に結合することができる。従って、互いに独立して動く複数のロボットアセンブリ108を単一のベースセグメント182によって支持することができる。
【0045】
たとえば、ベースセグメント182は第1の回転方向184に動くことができ、第1のセグメント174は、ベースセグメント180の周囲で第2の回転方向186に動くことができ、第2のセグメント176は、第1のセグメント174の周囲で第3の回転方向188に動くことができ、第3のセグメント178は、第2のセグメント176の周囲で第4の回転方向190に動くことができ、頭部セグメント180は、頭部セグメント180の周囲で第5の回転方向192に動くことができ、および/または頭部170は、頭部セグメント180の周囲で第6の回転方向194に動くことができる。それぞれのセグメント174、176、178、180、182の動きは、頭部170を第1の線形方向196、第2の線形方向198および/または第3の線形方向200に動かすこともできる。一例として、第1のセグメント174および第2のセグメント176の同時回転は、実質的に垂直方向とすることができる第2の線形方向198に頭部を動かすことができる。一般に、セグメント174、176、178、180および182の動きは、ゲスト104の胴部の動きをエミュレートすることなどによって、乗り物車両150内のゲスト104のうちの1人の頭部の動きをエミュレートするように頭部170の位置を動かすことができる。たとえば、セグメント174、176、178、180および182は、ゲスト104のうちの1人の傾動をエミュレートするように集合的に動くことができる。
【0046】
制御システム114は、ロボットアセンブリ108を動かすために、セグメント174、176、178、180、182および/または頭部170の各々に通信可能に結合することができる。一例として、セグメント174、176、178、180、182および/または頭部170の各々はアクチュエータを含み、制御システム114の命令を介してアクチュエータが作動すると、ロボットアセンブリ108が動くことができる。1つの実施形態では、セグメント174、176、178、180、182および/または頭部170のアクチュエータによって生じる動きの量を、乗り物車両150内のゲスト104の動きとより厳密に整列するように校正することができる。具体的には、ロボットアセンブリ108のセンサ120を使用して、乗り物車両150の速度、乗り物車両150の加速度、乗り物車両150の重量の変化、ゲスト104の動きを引き起こすことができるその他のパラメータ、またはこれらのいずれかの組み合わせなどのパラメータを検出することができ、アクチュエータは、検出されたパラメータに応じて作動することができる。検出されたパラメータに基づいて各アクチュエータによって引き起こされる動きの量は互いに異なることができ、実験的試験を介して、または過去の一群のデータから受け取られた特定のデータインスタンスに基づいて設定することができると理解されたい。さらに、各アクチュエータによって引き起こされる動きの設定量を調整して、異なる量で動くゲスト104をエミュレートすることなどができる。従って、様々なゲスト行動を取り込んだ多くの記録データを利用することができる。
【0047】
別の実施形態では、各セグメント174、176、178、180、182および/または頭部170が、上述した回転方向の動きに加えて伸張および後退して、ロボットアセンブリ108のさらなる運動方向を追加することもできる。また、各セグメント174、176、178、180、182および/または頭部170は、回転方向184、186、188、190、192、194とは異なる形で互いに対して動くこともできる。さらなる実施形態では、ロボットアセンブリ108が、ロボットアセンブリ108が動くことができる方向の数を増やすさらに多くのセグメントなどの異なる数のセグメント174、176、178、180、182を含むことができる。さらに、各セグメント174、176、178、180、182のサイズは、
図3に示すものと異なることもできる。実際に、いくつかの実施形態では、異なるサイズのセグメント174、176、178、180、182を選択することによって特定の寸法のアジャスタ112を作成することができる。
【0048】
図4は、ロボットアセンブリ108の頭部170の実施形態の拡大斜視図である。図示の実施形態では、頭部170が、ゲスト104のものと同様の顔面特徴および寸法(たとえば、外周)を有する顔面部分248を含む。具体的には、頭部170は、鼻250および眼窩(eye cavity)252を含むことができる。1つの実施形態では、頭部170が耳を含むこともできる。
図4には、顔面特徴が頭部170と共に形成されることを示しているが、1つの実施形態では、顔面特徴を残りの顔面部分248とは別に形成することもできると理解されたい。たとえば、鼻250を個別に形成して顔面部分248に結合することができる。従って、顔面特徴は、ゲスト104に適合するように異なる特徴で頭部170を構成する柔軟性を高めることができる。さらなるまたは別の実施形態では、異なる寸法の顔面部分248が存在することができ、特定の寸法の頭部に一致する特定のサイズの顔面部分248をロボットアセンブリ108のために選択することができる。従って、顔面特徴は、ヘッドセット106がゲスト104の頭部(たとえば、皮膚、毛髪)上にフィットできるのと同様に頭部170上にフィットすることを可能にすることができる。また、顔面特徴は、ヘッドセット106がアトラクションシステム100の動作中にゲスト104の頭部上で動くことができるのと同様に頭部170の周囲で動くことを可能にすることもできる。換言すれば、乗り物車両150の周辺でのロボットアセンブリ108の動きに応じて、ヘッドセット106も頭部170の周辺で動くことができる。この目的のために、頭部170は、ゲスト104のものと同様の質感を有する材料から形成することができる。また、頭部170は、頭部170の動きに影響を及ぼす恐れがある望ましくない重量を加えないように軽量の材料から形成することができ、カメラ122によって記録されたデータに影響が及ぶのを避けるように絶縁性の材料から形成することができる。たとえば、頭部170は、ゴム、ポリマー、複合材料、その他の好適な材料、またはこれらのいずれかの組み合わせから形成することができる。
【0049】
カメラ122は、頭部170内に配置されて、ロボットアセンブリ108の視点からのイメージの取り込みを可能にすることができる。図示の実施形態では、眼窩252が、カメラ122が顔面部分248から突出して遮られた視野を有することを可能にする開口部254を含むことができる。具体的に言えば、一方のカメラ122のレンズ256は、一方の開口部254を通じて突出して、ヘッドセット106を介して生成された仮想イメージをカメラ122が記録することを可能にすることができる。1つの実施形態では、レンズ256を、ゲスト104による眼球の動きをエミュレートするようにカメラ122内で動くことにより、カメラ122の視点を変化させて頭部170の残り部分を動かすことなく異なる仮想視覚要素を見るように実装することができる。さらなるまたは別の実施形態では、レンズ256を、典型的なゲスト104の視野よりも広い視野を有する魚眼レンズとすることができる。従って、ユーザは、記録を見る際に、ゲスト104の視界によって通常見えるよりも仮想的な視覚要素を見ることができる。このように、記録は、ゲスト104が目の動きを通じて見ることができる仮想視覚要素を含む。すなわち、この広い視野は、ゲスト104の目の動きを通じて達成されるはずの複数の視点を含む。
【0050】
図4に示すように、頭部170は、顔面部分248の上部に配置された頭頂部(cap)258を含む。具体的には、頭頂部258は、カメラ122を挿入できる頭部170の空洞を覆うことができる。しかしながら、別の実施形態では、顔面部分248の側部からなどの別の方法でカメラ122を空洞に挿入することもでき、従って頭頂部258を異なる配置で顔面部分248に結合することができる。別の見本的な実施形態では、頭頂部258を顔面部分248に結合することができるが、カメラ122を挿入するために顔面部分248の空洞をさらけ出すように(たとえば、ヒンジを介して)調整可能とすることができる。
【0051】
上述したように、頭部170は、ゴム、ポリマーおよび/または複合材料などの異なる材料から形成することができる。頭部170は、異なる製造工程を介して製造することもできる。たとえば、頭部170は、成形(たとえば、射出成形)、付加製造、押し出し成形、別の好適な製造工程、またはこれらのいずれかの組み合わせを介して形成することができる。顔面部分248および頭頂部258は、実質的に同じ材料および/または製造工程から形成することができると理解されたい。また、ゲスト104の異なる頭部の重量に一致してゲスト104の動きおよび行動(たとえば、慣性運動)を正確にエミュレートするように、異なる重量を有する異なる頭部170を製造することもできる。
【0052】
1つの実施形態では、頭部170が、ゲスト104の特徴に一致するように他の修正を含むことができる。1つの例では、ゲスト104の異なる外観(complexion shades)に一致するように、頭部170上に異なる色の被覆物(covering)を配置することができる。別の例として、ゲスト104の異なる特徴に一致するように、異なる帽子、アクセサリ(たとえば、宝石類)、およびその他の特徴(たとえば、顔の毛)を頭部170上に配置することができる。従って、頭部170は、ヘッドセット106を装着できる様々なゲスト104を表すデータをヘッドセット106から取得するように、様々な頭部属性を表現することができる。
【0053】
図5は、カメラ122を配置できる空洞280を示す頭部170の実施形態の俯瞰的斜視図である。図示の実施形態では、空洞280内のトレイ282上に2つの別個のカメラ122を配置することができる。トレイ282は、カメラ122を空洞280内に固定できるとともに、カメラ122のそれぞれのレンズ256を互いに特定の距離284だけ分離することもできる。各カメラ122のレンズ256は、ゲスト104の個々の目を表すことができ、距離284は、ゲスト104の目の瞳孔間距離、すなわち瞳間の距離を表す。
【0054】
実際には、異なるトレイ282は異なる距離284を含むことができる。たとえば、距離284は、30ミリメートル(mm)~80ミリメートル(mm)の範囲とすることができる。従って、異なるトレイ282は異なる距離284を含むことができ、各それぞれの距離284は50mm~80mmである。従って、距離284に基づいて、特定のトレイ282を選択して顔面部分248内に配置することができる。この目的のために、トレイ282は、空洞280に対する異なるトレイ282の結合および取り外しを可能にするように、締結具および/またはクリップなどを介して空洞280に取り外し可能に結合することができる。各トレイ282は、顔面部分ベース286の上部の空洞280の空洞壁288内に配置されるように実装することができる。1つの実施形態では、トレイ282のトレイベース290上に各カメラ122を配置して、トレイベース290の寸法を空洞壁288の寸法と実質的に揃えることができる。換言すれば、トレイベース290の側面を空洞壁288に当接させることによって、空洞280内でのトレイ282の動きを制限することができる。見本的な実施形態では、異なる距離284を有する異なるトレイ282が、実質的に同じ寸法のトレイベース290を有することができる。また、異なる頭部170が同じ寸法の空洞280を含むこともできる。このようにすると、あらゆるトレイ282があらゆる頭部170の空洞280に収まることができる。従って、ゲスト104の特定の顔面特徴を再現するように、所望の特徴に基づいて特定の頭部170を選択し、いずれかのトレイ282を選択して、選択された頭部170内に収めることができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、トレイ282が、空洞280に対するトレイ282の配置および取り外しを容易にするハンドル292を含むこともできる。ハンドル292は、ベースの顔面294から横方向に延びるアーチ型を形成することによって、個人がハンドル292を把持して空洞280内にトレイ282を配置し、および/または空洞280からトレイ282を取り外すことを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、空洞280内にトレイ282が配置された時に、ハンドル292が頭部170の表面296を越えて延びないように、空洞280が頭部170内の特定の深さに広がることができる。
【0056】
トレイ282上に配置された各カメラ122は、対応するケーブル298を伴う(たとえば、に結合する)ことができる。ケーブル298は、各カメラ122による取り込みデータまたは記録データの転送および/またはカメラ122の制御などを可能にするために、カメラ122を特定の装置と通信状態に置くことができる。たとえば、装置は、カメラ122が記録データをネットワーク124に転送することを可能にし、および/またはカメラ122のリモコン装置がデータの記録を開始または停止することを可能にすることができる。
図5に示すように、ケーブル298は、空洞280内のカメラ122から、顔面部分ベース286の側部302に配置されたそれぞれのアパーチャ300を通じて延びることができる。アパーチャ300は、ケーブル298が頭部170から衝突せずに延びて、空洞280の外部に位置する装置に結合することを容易にすることができる。
図5には、顔面部分248が2つのアパーチャ300を含むことを示しているが、顔面部分248は、ケーブル298が適宜に空洞280から外向きに延びることを可能にするいずれかの好適な数のアパーチャ300を含むことができる。
【0057】
図6は、空洞280内に配置されたトレイ282を含まない頭部170の実施形態の上面図である。図示の空洞280は、空洞280内におけるトレイ282の配置を容易にする凹部320も含む。たとえば、トレイ282の一部が凹部320内に収まってトレイ282を空洞280内に位置付けることができる。従って、トレイ282は、空洞壁288に加えて凹部320の凹部壁322にも当接することにより、空洞280内に配置されたトレイ282の動きをさらに制限することができる。また、トレイ282が凹部320内に収まると、トレイ282の表面は顔面部分ベース286と実質的に同じ高さになることができる。
図6には、空洞280および凹部320が特定の形状を有するものとして示しているが、別の実施形態では、空洞280および/または凹部320が、内部にトレイ282を配置するのに適した別の形状を有することもできると理解されたい。
【0058】
空洞280は、各凹部320内におよび/または顔面部分ベース286を通じて配置された、トレイ282と顔面部分ベース286との結合を容易にする穴324を含むことができる。たとえば、各穴324は、ねじまたはその他の締結具が貫通してトレイ282を顔面部分ベース286上に締結することを可能にするねじ穴とすることができる。同様に、顔面部分248の表面296も穴326を含むことができる。穴326は、頭頂部258が締結具などを介して顔面部分248に結合することを可能にすることができる。
【0059】
図7は、トレイ282の実施形態の部分的上面図である。図示の実施形態では、トレイ282が、カメラ122を位置付けるための空洞340を含む。空洞340は、実質的に矩形形状を有するように示しているが、内部にカメラ122を配置するのに適したいずれかの形状を含むことができる。ある実施形態では、各頭部170に同じタイプおよび/またはモデルのカメラ122を使用することができ、従って各空洞340が実質的に同じ形状を有することができる。しかしながら、さらなるまたは別の実施形態では、異なるタイプおよび/またはモデルのカメラ122を実装して、各カメラ122が互いに異なる形状を有することもできる。従って、異なる形状の空洞340を有するトレイ282は、異なるカメラ122を収容するように形成することができる。上述したように、それぞれのカメラ122のレンズ256は、互いに距離284だけ分離される。各空洞340は、それぞれのレンズ256が距離284だけ分離されるようにカメラ122を配置するようにトレイ282内に形成することができる。空洞340が一貫した形状およびサイズを有するようにして、異なるカメラモデルおよび/または異なる距離284のためのアダプタを提供することもできる。
【0060】
各空洞340は、側部302に隣接して配置された空間342を有することもできる。空間342は、それぞれの空洞340内に配置されたカメラ122へのケーブル298の挿入を容易にすることができる。さらに、トレイ282は、空洞340内におよび/または表面346を通じて配置された穴344を含むことができる。トレイ282の各穴344は、顔面部分248の穴(たとえば、
図6の穴324)と整列することができる。従って、穴344および穴324を通じて締結具348を挿入して、トレイ282を顔面部分ベース286上に締結することができる。
【0061】
頭部170と同様に、トレイ282も、ゴム、ポリマー、複合材料、別の材料またはこれらのいずれかの組み合わせを含む軽量の絶縁性材料から形成することができる。トレイ282の製造工程も、上述した頭部170と同様の製造工程を含むことができる。1つの実施形態では、ハンドル292をトレイ282のベース290と共に製造することができるが、これに加えてまたはこれに代えて、ハンドル292をベース290とは別個に製造し、形成後にハンドル292およびベース290互いに結合することもできる。また、いくつかの実施形態では、トレイ282を、空洞280内に収まるように、
図7に示すものとは異なる形状を有するように製造することもできる。たとえば、空洞280は実質的に円形形状を有することもでき、従ってトレイ282(たとえば、トレイ282のベース290)も実質的に円形形状を含むことができる。
【0062】
図8は、乗り物車両150の座席370上に配置されたロボットアセンブリ108の実施形態の斜視図である。ある実施形態では、乗り物車両150上に複数のロボットアセンブリ108を配置して、それぞれを異なる座席370に結合することができる。
図8には、ロボットアセンブリ108が座席370に結合されることを示しているが、さらなるまたは別の実施形態では、床面および軌道などのアトラクションシステム100の別の部分にロボットアセンブリ108を結合することもできる。
図8に示すように、ロボットアセンブリ108のアジャスタ112は、乗り物車両150の座席370内に配置されたブラケット372に結合することができる。一例として、ブラケット372は、座席370(たとえば、座席370の背もたれおよび/またはヘッドレスト)に結合するように実装された第1のプレート374と、アジャスタ112のベースセグメント182が結合できる第2のプレート376とを含むことができる。1つの実施形態では、ブラケット372を座席370に結合することにより、座席370に対するブラケット372の動きが制限されて頭部170の望ましくない動きを抑えるようにすることができる。また、第2のプレート376は、座席370の座席底面378と実質的に同じ高さで隣接することができる。従って、アジャスタ112は、乗り物車両150上に座ったゲスト104と同様に配置されるように座席底面378から延びることができる。
【0063】
アジャスタ112は、アジャスタ112の動きが乗り物車両150内に位置するゲスト104の動きをエミュレートすることを可能にするようにブラケット372に結合することができる。たとえば、ベース182は、複数の軸を中心に回転できるように玉継ぎ手を介して第2のプレート376に結合することができる。これに加えてまたはこれに代えて、ベース182は、ゲスト104が座席370内で座席底面378に沿って滑る様子などをエミュレートするように、第2のプレート376に沿って並進運動できるように第2のプレート376に結合することもできる。上述したように、アジャスタ112の動きは、経路152などに沿った乗り物車両150の動きを介して誘発することができる。たとえば、乗り物車両150の動きは、座席370の回転などの座席370の位置の調整を行うことができ、これに応じてセグメント174、176、178、180、182および/または頭部170も動くことができる。具体的には、セグメント174、176、178、180、182および/または頭部170の動きによってゲスト104の動きをエミュレートすることができる。
【0064】
アジャスタ112は、アジャスタ112のいくつかの動作パラメータに関してゲスト104のリアルな動きを示すように校正することができる。すなわち、アジャスタ112は、乗り物車両150の動きの度合い、別の好適なパラメータ、またはこれらのいずれかの組み合わせに応じて、ゲスト104が動くことができる速さと同様の速度で、ゲスト104が動くことができる位置と同様の位置に動くことができる。実際には、異なるロボットアセンブリ108のそれぞれのアジャスタ112を、異なる形で動いて異なるゲスト104の動きをエミュレートするように校正することができる。たとえば、座席370の振動などの小さな動きの最中には、アジャスタ112が頭部170の位置を維持することができる。しかしながら、旋回中などの座席370の大きな動きの最中には、アジャスタ112を、頭部170を特定の位置に、特定の速度で、一定の動きを介して動かすように実装することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、アジャスタ112を、ゲスト104の動きをエミュレートすることに加えて、ゲスト104の頭部位置を表すように頭部170を位置付けるように実装することができる。たとえば、アジャスタ112は、アトラクションシステム100の動作前には、ゲスト104の特定の身長を再現するように座席370に対して頭部170の高さを調整することができる。一例として、頭部170は、異なる気分のゲストをエミュレートするように位置付けることができる。一例として、アトラクションシステム100のかなりの継続時間中に頭部170を座席370のヘッドレストに載せることによって、リラックスしたゲストをエミュレートすることができる。一方で、頭部170を起こして座席370のヘッドレストから離して位置付けることによって、興奮したゲストをエミュレートすることができる。従って、アジャスタ112の動きは、異なる気分のゲスト104の動きをエミュレートするように校正することもできる。
【0066】
さらなる実施形態では、ロボットアセンブリ108が、乗り物アトラクションシステム100の1回の動作中に複数のゲスト位置を表すことができる。換言すれば、ロボットアセンブリ108は、乗り物アトラクションシステム100の動作中に、ゲストエリア102内の第1の位置(たとえば、第1の座席370)に存在する第1のゲストを表すように構成できるとともに、ゲストエリア102内の第2の位置(たとえば、第2の座席370)に存在する第2のゲストを表すように構成することもできる。たとえば、制御システム114を使用して、アトラクションシステム100内の異なるゲストを選択的に表すことができる。
【0067】
上述したように、各座席370には、座席370に結合されたロボットアセンブリに電力を供給するために電源132(
図8には図示せず)を含めることができる。たとえば、ブラケット372は、電源132に結合して、電源132がロボットアセンブリ108に電力を供給できるように、電源132をロボットアセンブリ108と通信状態に置くことができる。さらなるまたは別の実施形態では、各ブラケット372に電源132を含めることができる。従って、電源132は、ロボットアセンブリ108がブラケット372に結合された時にロボットアセンブリ108に電力を供給することができる。
【0068】
いくつかの乗り物構成では、各座席370が、ヘッドセット106のうちの関連する1つを有することができる。このように、ロボットアセンブリ108は、頭部170にヘッドセット106を結合できるように座席370内に位置付けることができる。しかしながら、ヘッドセット106が座席370から分離していると理解することもできる。実際に、ヘッドセット106は、ブラケット372に取り付けることも、頭部170に取り付けることも、或いは頭部170、ブラケット372および座席370から分離することもできる。従って、乗り物座席370は、ヘッドセット106を乗り物車両150に結合または固定するために必要な特徴を含むことができる。
【0069】
上述したように、頭部170の位置は、センサ120を介して決定することができる。たとえば、センサ120は、頭部170および/またはヘッドセット106上またはこれらの内部に配置されて頭部170の動きおよび位置を検出するように構成された慣性計測装置(IMU)とすることができる。これに加えてまたはこれに代えて、センサ120は、それぞれ乗り物車両150の各座席370、頭部170および/またはヘッドセット106などに配置できるエミッタおよび受信機とすることもできる。エミッタは、座席370から離れて進む信号を発するように実装することができ、この進む信号を妨げるように頭部170が配置されると信号が反射され、受信機は、この反射信号を検出するように実装することができる。受信機がどのように反射信号を検出するかに基づいて頭部170の位置を決定することができる。
【0070】
図9は、アトラクションシステム100の動作時に仮想要素を示すデータを取得して処理するためにアトラクションシステム100上にロボットアセンブリ108を統合して使用する方法400の実施形態を示すブロック図である。なお、
図9の各ステップについては、以下で
図10~
図13に関してさらに詳細に説明する。従って、
図9には、アトラクションシステム100上でどのようにロボットアセンブリ108を構成できるかについての概要を示す。
【0071】
ブロック402において、ロボットアセンブリ108の特徴を選択する。すなわち、ロボットアセンブリ108の特定の寸法および頭部170の顔面特徴を選択することができる。ロボットアセンブリ108の特徴を選択することで、ヘッドセット106を介してどのように仮想要素を生成するかを決定することができる。たとえば、ロボットアセンブリ108の異なる特徴は、座席370内でロボットアセンブリ108がどのように動くか、およびロボットアセンブリ108の頭部170に対してヘッドセット106がどのように動くかなどを決定することができる。従って、ロボットアセンブリ108の異なる特徴は、ゲスト104の異なる動きをエミュレートするように選択することができる。
【0072】
ブロック404において、ロボットアセンブリ108をアトラクションシステム100上に設定する。ロボットアセンブリ108を設定することは、アトラクションシステム100内にロボットアセンブリ108を位置付けて、ロボットアセンブリ108が正確にデータを記録することを可能にすることを含むことができる。アトラクションシステム100内に望む通りにロボットアセンブリ108を設定した後で、アトラクションシステム100を動作させることができる。
【0073】
ブロック406によって示すように、アトラクションシステム100が動作している間にデータを取得することができる。たとえば、仮想要素を示すデータをカメラ122によって記録することができ、このデータは、ヘッドセット106によって生成されたイメージおよび/またはサウンドを含むことができる。データは、センサ120によって取得することもでき、このデータは、センサ120によって検出されたパラメータを含むことができる。取得されたデータは、ネットワーク124に送信し、および/または各それぞれのカメラ122に記憶することができる。さらに、いくつかの実施形態では、データを継続的に取得し、必要に応じて(たとえば、実行毎ベース、時間ベースで)セグメント化することもできる。
【0074】
ブロック408において、コンピュータ装置126などを介して、取得されたデータを評価する。データの評価は、取得されたデータを使用してアトラクションシステム100の特定のパラメータを調整することを含むことができる。たとえば、取得されたデータを使用して、ヘッドセット106、ロボットアセンブリ108および/または乗り物車両150のパラメータを調整することができる。一般に、データを評価することは、取得されたデータを使用してアトラクションシステム100の性能を望む通りに調整することを含む。
【0075】
図10は、ロボットアセンブリ108の特徴を選択する
図9のブロック402に関連するいくつかの行為の実施形態を示すブロック図である。ブロック430において、ロボットアセンブリ108の寸法を選択する。上述したように、ロボットアセンブリ108の頭部170、トレイ282、およびアジャスタ112のセグメント174、176、178、180、182などのいくつかのコンポーネントは、異なるサイズを有することができる。このようなコンポーネントは、ゲスト104を特定の方法でエミュレートすることなどのために、特定の方法で動くことができるロボットアセンブリ108を組み立てるように選択することができる。すなわち、ロボットアセンブリ108のために特定のサイズのコンポーネントを選択することによって、異なるサイズおよび/または異なる行動のゲスト104をエミュレートすることができる。たとえば、特定の寸法のセグメント174、176、178、180、182を選択することによって特定の寸法のアジャスタ112を組み立て、アジャスタ112が異なるゲスト104のそれぞれの胴部をエミュレートすることができる。同様に、特定の寸法のトレイ282、顔面部分248および/または鼻250を選択することによって特定の寸法の頭部170を組み立て、頭部170が異なるゲスト104のそれぞれの頭部をエミュレートすることもできる。さらなるまたは別の実施形態では、制御システム114のいくつかのパラメータを、異なるゲストを表すように選択することができる。たとえば、これらのパラメータは、ロボットアセンブリ108の開始位置が特定の身長のゲストを表すように選択することができる。
【0076】
ブロック432において、頭部170に被覆物を配置することができる。上述したように、被覆物は、頭部170の様々な態様を異なるゲスト104の異なる皮膚属性に一致するように調整することができる。これに加えてまたはこれに代えて、被覆物は、ゲスト104が有することができる毛髪などの特定の質感を再現するように頭部170の質感を調整することもできる。たとえば、被覆物は、顔の毛を有することができるゲスト104を模倣するように、よりラフな質感を含むことができる。被覆物の特定の実施形態は、頭部170の実質的に全部を覆うことができる。すなわち、被覆物は、顔面部分248および頭頂部258の実質的に全部の表面を覆うことができる。被覆物のさらなるまたは別の実施形態は、顔面部分248の表面などの頭部170の一部を覆って頭頂部258を覆わないことができる。このように、頭部170を覆ってマスクと同様の被覆物を配置し、ブロック430で選択しておくことができる頭部170の寸法に基づいて締め付けまたは緩めることができる。被覆物は、頭部170に対する被覆物の動きを制限することによって、ヘッドセット106によって生成された仮想要素を調整し得る望ましくないヘッドセット106の動きを制限するように頭部170上に配置することができる。
【0077】
特定の実施形態では、被覆物が、頭髪および/または顔の毛などの毛髪特徴を再現する要素を含むこともできる。しかしながら、頭部170には、毛髪特徴を再現するために別個の被覆物を配置することもできると理解されたい。実際には、異なるヘアスタイルを有するゲスト104を再現するように、異なるヘアスタイルを含むことができる別個の被覆物を選択することができる。
【0078】
ブロック434において、頭部170にさらなるアクセサリを配置する。さらなるアクセサリは、帽子、宝石類、および/または被覆物に含まれていないことがあるその他の顔面特徴などの特徴を含むことができる。たとえば、ハット、バンダナおよびメガネを頭部170に配置することができる。ある実施形態では、まつげ、口ひげおよび眉毛などのより小さな顔の毛を頭部170に配置することもできる。
【0079】
図11は、ロボットアセンブリ108をアトラクションシステム100上に設定するブロック404のステップの実施形態を示すブロック図である。ブロック460において、ロボットアセンブリ108をアトラクションシステム100に結合する。たとえば、アトラクションシステム100が乗り物車両150を含む
図8に示す実施形態では、ロボットアセンブリ108を座席370に結合することができる。しかしながら、相互作用エリアなどの乗り物車両150を含まないアトラクション100では、ロボットアセンブリ108を相互作用エリアの周囲に輸送するように実装された輸送装置にロボットアセンブリ108を結合することができると理解されたい。いずれにせよ、ロボットアセンブリ108は、ロボットアセンブリ108の望ましくない動きを制限するようにアトラクションシステム100の特徴にしっかりと結合することができる。
【0080】
ブロック462において、アトラクションシステム100が動作中でない場合、座席370などに対する頭部170の開始位置を設定することができる。1つの例では、頭部170の高さを、ゲスト104の特定の身長を再現するように設定することができる。別の例では、座席370のヘッドレストなどの座席370の別の部分に対する頭部170の位置を設定することができる。さらなる例では、頭部170が向いている方向を設定することもできる。頭部170の開始位置は、起点基準点に対して(たとえば、オペレータを介して)手動で設定することも、および/または制御システム114を介して設定または校正することもできる。
【0081】
ブロック464において、ロボットアセンブリ108の動きを校正することができる。すなわち、特定の要素に反応するロボットアセンブリ108の動きを校正することができる。たとえば、動きの速さ、動きの量、およびアジャスタ112の特定のセグメント174、176、178、180、182のアクチュエータの作動などを含む、アトラクションシステム100の動きによって誘発されるアジャスタ112の動きを校正することができる。アトラクションシステム100の特殊効果(たとえば、音楽)などの他の効果によって誘発されるロボットアセンブリ108の動きを校正することもできる。実際に、ロボットアセンブリ108の動作挙動は、起点基準点に対して頭部170を動かすことなどの、異なるゲスト104の特定の体の動きを表すように校正することができる。
【0082】
ロボットアセンブリ108の動きの校正は、制御システム114を介して試験を通じて実行することができる。たとえば、制御システム114は、セグメント174、176、178、180、182および/または頭部170のアクチュエータのいくつかのパラメータを、ロボットアセンブリ108の動作特性を制御するように設定することができる。パラメータが設定されると、試験を実行して設定パラメータが望ましいかどうかを判定することができる。試験の実施形態は、ロボットアセンブリ108に一定の力を加え、ロボットアセンブリ108がこれに応じて望む通りに動くかどうかを判定することを含むことができる。一例として、試験を介して、ロボットアセンブリ108の動きが速すぎる、および/またはロボットアセンブリ108が頭部170を所望の位置に動かしていないと判定することができる。この結果、制御システム114のパラメータを調整して、ロボットアセンブリ108の動きを適宜に調整することができる。1つの実施形態では、制御システム114のパラメータをアトラクションシステム100の動作中に調整することができる。たとえば、ロボットアセンブリ108のパラメータを、ロボットアセンブリ108の動きに基づいて動的に調整することができる。これに加えてまたはこれに代えて、ロボットアセンブリ108の動きを予めプログラムすることもできる。すなわち、ロボットアセンブリ108は、特定の時点で(たとえば、アトラクションシステム100が動作を開始した一定時間後に)特定の動きを実行するように予めプログラムすることができる。このように、試験は、ロボットアセンブリ108が特定の時間中に望む通りに動いたかどうかを判定することを含むことができる。
【0083】
ロボットアセンブリ108が校正されて望む通りに動いた後に、ブロック466に示すようにアトラクションシステム100を動作させることができる。
図2に示す実施形態では、乗り物車両150を経路152上で動くように設定することができる。相互作用エリアの実施形態では、アトラクションシステム100を動作させることが、輸送装置を相互作用エリアの経路に沿って移動するように初期化することを含むことができる。さらに、アトラクション466を動作させることは、カメラ122および/またはセンサ120などを介してデータを記録することを含む。従って、ロボットアセンブリ108は、アトラクションシステム100が動作している時に、ゲスト104がアトラクションシステム100を体験できる形でアトラクションシステム100のシミュレーションを提供する。
【0084】
図12は、データを取得するブロック406に関連するいくつかの行為の実施形態を示すブロック図である。ブロック480において、アトラクションシステム100が動作している時に継続的にデータを取り込む(たとえば、記録および/または検出する)ことができる。取り込まれたデータは、ヘッドセット106によって生成されカメラ122によって記録された仮想要素を含むことができる。データは、ヘッドセット106、センサ120および/または制御システム114によって検出されたいくつかの動作パラメータを含むこともできる。たとえば、動作パラメータは、頭部170によってヘッドセット106に加わる力または重量、ロボットアセンブリ105(たとえば、アジャスタ112)によって座席370に加わる力または重量、アトラクションシステム100の動作継続時間、頭部170の位置、乗り物車両150の位置、乗り物車両150の速度、別の動作パラメータ、またはこれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。一般に、データは、頭部170の動きなどの、生成された仮想要素に直接影響する要因と、頭部170の動きを誘発する要因などの、生成された仮想要素に間接的に影響する要因とを含む、ヘッドセット106によって生成された仮想要素に影響する要因を含むことができる。
【0085】
データが記録および/または検出された後に、ブロック482に示すようにデータを記憶することができる。たとえば、データは、データベースなどのメモリに記憶して、異なる時点でデータを検索し、および/またはこれにアクセスすることができる。1つの実施形態では、最初に取り込みデータを、センサ120および/またはカメラ122に配置されたメモリに記憶することができる。換言すれば、センサ120および/またはカメラ122がそれぞれデータを取り込んだ場合、データは、直接センサ120および/またはカメラ122に記憶することができる。このようにして、センサ120および/またはカメラ122をコンピュータ装置126と通信状態に置くことなどによって、センサ120および/またはカメラ122からデータを検索することができる。しかしながら、さらなるまたは別の実施形態では、取り込みデータをセンサ120および/またはカメラ122から直接転送することができる。たとえば、センサ120および/またはカメラ122は、ネットワーク124に通信可能に結合されて、データが取り込まれた時にデータを継続的にネットワーク124に転送することができる。このようにして、ネットワーク124に通信可能に結合されたいずれかの装置(たとえば、コンピュータ装置126)から取り込みデータを検索することができる。
【0086】
これに加えてまたはこれに代えて、ブロック484に示すように、取り込みデータを表示することもできる。取り込みデータは、(たとえば、ストレージから検索することによって)リアルタイムで表示または再生することができる。1つの事例では、ヘッドセット106によって仮想要素が生成された時にユーザが仮想要素を見ることおよび/または聞くことができるように、生成された仮想イメージを、画面および/またはスピーカなどを介してコンピュータ装置126上に表示することができる。このようにして、ユーザは、表示されたデータを使用してゲスト104の体験をリアルタイムでシミュレートすることができる。さらなるまたは別の実施形態では、取り込みデータをアトラクションシステム100の一部ではないリモートヘッドセット106などの異なるヘッドセット106上に表示することができる。さらに、センサ120によって取り込まれた動作パラメータに関するデータなどのデータを表示することもできる。このようにして、生成された仮想イメージをアトラクションシステム100の動作パラメータと比較することができる。たとえば、ユーザは、アトラクションシステム100の特定の継続時間に特定の仮想イメージが正しく生成されたかどうかを判定することができる。
【0087】
図13は、データを評価するブロック408に関連する行為の実施形態を示すブロック図である。ブロック500において、取り込みデータを検索する。上述したように、1つの実施形態では、取り込みデータをメモリに保存することができる。従って、取り込みデータを検索するためにメモリにアクセスすることができる。ある例では、データをコンピュータ装置126に転送するために、コンピュータ装置126をメモリに通信可能に結合することができる。これに加えてまたはこれに代えて、取り込みデータは、コンピュータ装置126がネットワーク124に通信可能に結合されている時にデータを検索できるようにネットワーク124に転送することもできる。さらに、取り込み時に直ちにデータをコンピュータ装置126に転送できるように、コンピュータ装置126をセンサ120および/またはカメラ122に通信可能に結合することもできる。
【0088】
データの検索後には、ブロック502において、コンピュータ装置126のユーザがデータを分析して、ロボットアセンブリ108が望む通りに動いているかどうか、ヘッドセット106が望む通りに仮想要素を生成しているかどうか、および/またはアトラクションシステム100の他の部分が望む通りに機能しているかどうかを判定することができる。ユーザは、ロボットアセンブリ108の動きに関して、頭部170の位置を示すデータをロボットアセンブリ108上に誘起される力を示すデータなどと比較して、ロボットアセンブリ108が望む通りに動いているかどうかを判定することができる。また、ユーザは、ヘッドセット106によって生成された仮想視覚要素のイメージを頭部170の位置を示すデータと比較して、仮想要素が望む通りに生成されたかどうかを判定することができる。さらに、ユーザは、ロボットアセンブリ108上に誘起される力を示すデータおよび/またはヘッドセット106によって生成された仮想視覚要素のイメージをアトラクションシステム100が動作している特定の継続時間と比較して、アトラクションシステム100の他の態様(たとえば、ショー効果)が望む通りに機能しているかどうかを判定することができる。一般に、ユーザは、異なる取り込みデータを比較して、ロボットアセンブリ108、ヘッドセット106および/またはアトラクションシステム100のパラメータを調整することができる。
【0089】
ブロック504において、ロボットアセンブリ108のパラメータを調整することによって、アトラクションシステム100が動作している時にロボットアセンブリ108がどのように動くかを調整することができる。たとえば、ロボットアセンブリ108のパラメータは、ロボットアセンブリ108が頭部170を異なる位置に、異なる方法で、および/または異なる速度で動かすことができるように調整することができる。このようなパラメータは、たとえばアジャスタ112を動かすことができるアクチュエータを制御システム114が調整する方法を調整することを含め、ロボットアセンブリ108の動きを制御するように実装された制御システム114を介して調整することができる。これに加えてまたはこれに代えて、異なるサイズの部分などの、ロボットアセンブリ108の異なる部分(たとえば、トレイ282、アジャスタ112)を選択することもできる。このようにして、再びアトラクションシステム100が動作すると、ロボットアセンブリのパラメータを調整したことに応じて異なるデータセットを取り込むことができる。
【0090】
ブロック506において、ヘッドセット106のパラメータを含むアトラクションシステム100のいくつかの要素のパラメータを調整することができる。ヘッドセット106のパラメータの調整は、異なる仮想要素の生成を可能にすることができる。一例として、アトラクションシステム100の動作中に異なる仮想要素を生成することができる。これに加えてまたはこれに代えて、仮想要素の動きを、ヘッドセット106の動きに応じてよりリアルに動かすなどのように調整することもできる。アトラクションシステム100の他の部分を調整することもできる。一例として、ショー効果(たとえば、音楽、アニメフィギュア)のパラメータ、乗り物車両150(たとえば、座席370)のパラメータ、経路152(たとえば、旋回部)のパラメータ、およびゲスト104の体験を向上させるアトラクションシステム100の他のいずれかの部分のパラメータを調整することができる。
【0091】
図9~
図13で説明したステップは、アトラクションシステム100の調整が効率的におよび/または効果的に実行されることを可能にすることができる。1つの態様では、データを分析することに基づいていくつかのパラメータを調整することが、アトラクションシステム100がゲスト104にとって望ましい体験を提供するかどうかを判定する正確な方法を提供することができる。別の態様では、アトラクションシステム100が人間の乗客に適するようになる前などのアトラクションシステム100の開発中にデータを取得することができる。たとえば、人間の乗客を収容するのに適した乗り物車両150が未だに開発中の場合がある。しかしながら、より複雑な乗り物車両150よりも利用しやすいロボットアセンブリ108を試験目的およびデータ収集のために開発することができる。さらなる態様では、あらゆる時点またはあらゆる地理的位置で取り込みデータにアクセスし、および/またはこれを分析することができる。換言すれば、データを容易に転送して複数の異なるユーザによって複数の異なるコンピュータ装置126上で観察することができる。従って、分析のために容易にデータを利用して、ロボットアセンブリ108および/またはアトラクションシステム100を調整することができる。
【0092】
さらに、
図9~
図13では、特定の順序で実行される異なるステップについて説明しているが、さらなるまたは別の実施形態では、説明したステップを異なる方法で実行することもできる。一例として、いくつかのステップは、互いに同時に実行することができる。たとえば、ロボットアセンブリ108の寸法を選択するブロック430のステップは、ロボットアセンブリ108の頭部170に被覆物を配置することと同時に実行することができる。また、ロボットアセンブリ108の特徴を選択するブロック402のいくつかのステップは、ロボットアセンブリ108をアトラクションシステム100に結合しながらロボットアセンブリ108の寸法を選択するなど、アトラクションシステム100上にロボットアセンブリ108を設定するブロック404のいくつかのステップと同時に実行することができる。さらに、ブロック466で説明したようなアトラクションシステム100の動作前に、ブロック464で説明したようなロボットアセンブリ108の校正などのいくつかのステップを複数回の反復で繰り返すことができる。さらに、説明した順序とは異なる順序でステップを実行することもできる。たとえば、ブロック460で説明したロボットアセンブリ108をアトラクションシステム100に結合するステップは、ブロック432および/またはブロック434で説明した頭部170に被覆物および/またはアクセサリを配置するステップの前に実行することができる。また、
図9~
図13で説明したいくつかのステップは、ユーザによって実行することに加えてまたはこれに代えて、少なくとも部分的に制御システム114によって実行することもできると理解されたい。すなわち、いくつかのステップは、制御システム114の事前プログラミングに基づいて自動的に実行されるように実装することができる。
【0093】
本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正および変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨に従う全てのこのような修正および変更を含むように意図されていると理解されたい。
【0094】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のものまたは純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物および具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「…[機能]を[実行]する手段」または「…[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1または2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。