IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスアイジー テクノロジー アーゲーの特許一覧

特許7445676パレット上の複数の梱包単位を包装するためのシステム
<>
  • 特許-パレット上の複数の梱包単位を包装するためのシステム 図1A
  • 特許-パレット上の複数の梱包単位を包装するためのシステム 図1B
  • 特許-パレット上の複数の梱包単位を包装するためのシステム 図2A
  • 特許-パレット上の複数の梱包単位を包装するためのシステム 図2B
  • 特許-パレット上の複数の梱包単位を包装するためのシステム 図3
  • 特許-パレット上の複数の梱包単位を包装するためのシステム 図4
  • 特許-パレット上の複数の梱包単位を包装するためのシステム 図5
  • 特許-パレット上の複数の梱包単位を包装するためのシステム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】パレット上の複数の梱包単位を包装するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   B65D 71/00 20060101AFI20240229BHJP
   B65D 19/36 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B65D71/00 200
B65D19/36
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021560116
(86)(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2020057912
(87)【国際公開番号】W WO2020216543
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-10-11
(31)【優先権主張番号】102019110620.6
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507132710
【氏名又は名称】エスアイジー コンビブロック サービシズ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SIG Combibloc Services AG
【住所又は居所原語表記】Laufengasse 18,CH-8212 Neuhausen am Rheinfall,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】カロル・ヤン ゴルニック
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス レムスキ
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/115478(WO,A1)
【文献】特表2011-519792(JP,A)
【文献】米国特許第06488200(US,B1)
【文献】西独国特許出願公開第01814100(DE,A)
【文献】米国特許第03695426(US,A)
【文献】特開2015-227172(JP,A)
【文献】特開2008-260554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 71/00
B65D 19/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレット(23)上の、それぞれが複数の包装スリーブ(10)と1つの梱包単位上包み(15)とから成る、複数の梱包単位(14)を包装するためのシステム(22)であって、
- それぞれが複数の包装スリーブ(10)と1つ梱包単位上包み(15)とから成る、複数の梱包単位(14)であって、前記梱包単位上包み(15)は前記複数の包装スリーブ(10)を取り囲む、複数の梱包単位(14)と、
- 前記複数の梱包単位(14)を段積みするためのパレット(23)と、
- 前記パレット(23)上に段積みされた前記複数の梱包単位(14)を取り囲むパレット上包み(24)と、
- 前記段積みされた複数の梱包単位(14)の下および/または間および/または上に配置される少なくとも1つのインサート(26、26A、26B、26C)と、
を備え、
- 前記包装スリーブ(10)は積層材製であり、
- 各包装スリーブ(10)は前側(12)と後側(13)とを有し、
- 各包装スリーブ(10)の前記前側(12)と前記後側(13)とは、前記包装スリーブ(10)がそこに沿って平らに折り畳まれている、折り山(F)によって互いに分かれており、
- 各包装スリーブ(10)は、前記包装スリーブ(10)の対向する両側に配置された2つの開口部を有し、
- 各包装スリーブ(10)は、筒状の包装スリーブ(10)を形成するために前記積層材の2つの端縁を接続する長手方向シーム(11)を有し、
- 前記パレット上包み(24)はプラスチックフィルム製である、
システム(22)において、
前記梱包単位上包み(15)はプラスチックフィルム製であり、
前記梱包単位上包み(15)の前記プラスチックフィルム、および/または前記パレット上包み(24)の前記プラスチックフィルムは、少なくとも100%の破断点伸びを備える延伸性と少なくとも5%の収縮値を備える収縮性を有し、
前記パレット(23)上に次々と段積みされた複数の梱包単位(14)層の間に配置されるインサートとして、少なくとも1つの中間層(26B)が設けられ、前記中間層(26B)は前記梱包単位上包み(15)の外側に、しかし前記パレット上包み(24)の内側に、配置され、少なくとも1つの中間層(26B)が滅菌および/または消毒用の手段を備えることを特徴とするシステム(22)。
【請求項2】
前記パレット(23)上の前記複数の梱包単位(14)の下に配置されるインサート(26)として、ベース層(26A)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(22)。
【請求項3】
前記最上層の梱包単位(14)の上に配置されるインサート(26)として、カバー(26C)が設けられることを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム(22)。
【請求項4】
前記インサート(26)は前記梱包単位上包み(15)の外側に、しかし前記パレット上包み(24)の内側に、配置されることを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載のシステム(22)。
【請求項5】
少なくとも1つのインサート(26)が滅菌および/または消毒用の手段を備えることを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載のシステム(22)。
【請求項6】
前記パレット(23)上に次々と段積みされた前記複数の梱包単位(14)と前記パレット上包み(24)との間に配置される少なくとも1つのエッジプロテクタ(25)を特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載のシステム(22)。
【請求項7】
前記パレット上包み(24)はUV保護フィルム製であることを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載のシステム(22)。
【請求項8】
前記梱包単位上包み(15)の前記プラスチックフィルム、および/または前記パレット上包み(24)の前記プラスチックフィルム、は印刷されていることを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載のシステム(22)。
【請求項9】
集積方向(S)に、1センチメートル当たり少なくとも4.0包装スリーブが配置されるように、前記梱包単位上包み(15)は前記複数の包装スリーブ(10)をまとめることを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載のシステム(22)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット上の、それぞれが複数の包装スリーブと1つの梱包単位上包み(独:Gebindeumverpackung,英:package outer packaging)とから成る、複数の梱包単位(独:Gebinde,英:packages)を包装するためのシステムであって、それぞれが複数の包装スリーブとこれら包装スリーブを取り囲む1つの梱包単位上包みとから成る、複数の梱包単位と、複数の梱包単位を段積みするためのパレットと、パレット上に段積み(独:Stapeln,英:stack)された複数の梱包単位を取り囲むパレット上包みと、段積みされた複数の梱包単位の下および/または間および/または上に配置される少なくとも1つのインサートとを備え、包装スリーブは積層材製であり、各包装スリーブは前側と後側とを有し、各包装スリーブの前側と後側とは、そこに沿って包装スリーブが扁平に折り畳まれている、折り山によって互いに分かれており、各包装スリーブは、包装スリーブの対向する両側に配置された2つの開口部を有し、各包装スリーブは、筒状(独:umlaufenden,英:circumferential)の包装スリーブを形成するために、積層材の2つの端縁を接続する長手方向シームを有し、パレット上包みはプラスチックフィルム製である、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
包装は、さまざまな方法で、多種多様な材料から作製可能である。包装を作製するための一般的に可能な方法では、包装材料からブランクが作製され、折り曲げおよび他のステップによって最初にブランクから包装スリーブが作製され、最後に包装体になる。この種の作製は、とりわけ、ブランクおよび包装スリーブが極めて扁平であり、したがって省スペースで集積(独:gestapelt,英:stack)できるという利点がある。これにより、ブランクまたは包装スリーブの作製を包装スリーブの折り曲げおよび充填現場とは異なる場所で行うことができる。材料として、積層材、例えば、紙、板紙、プラスチック、または金属、特にアルミニウム、の複数の薄層から成る積層体、が使用されることが多い。この種の包装は、特に、食品業界において広く見出され、とりわけ、少なくとも1つの液状成分を有する食品を包装するために好適に使用されている。
【0003】
第1の作製ステップは、多くの場合、折り曲げとシームの溶接または接着とによって、ブランクから筒状の包装スリーブを作製することである。包装スリーブをその充填現場に運ぶために、扁平な複数の包装スリーブが集積されて包装されることが多い。この目的のために、さまざまな(梱包単位)上包みを有する梱包単位が従来技術から公知である。
【0004】
公知の第1の梱包単位(図2A)の場合、段ボール紙製の剛性カートンが梱包単位上包みとして使用されている。この種の上包みは、その内部に収容されている包装スリーブのために極めて良好な機械的保護をもたらす。ただし、この種の上包みの一欠点は、極めて低い伸縮性であり、梱包単位の圧縮、ひいては省スペースでの輸送、を行えない。加えて、剛性の上包みは、包装スリーブの取り出し後、占有体積を減らすために分解する必要があるという欠点を有する。加えて、剛性の上包みの分解時にほこりが発生する。高い衛生要件を有するエリア、例えば食品用充填機の環境、においては、ほこりは極めて望ましくない。
【0005】
これに対して、公知の更なる梱包単位(図2B)の場合、梱包単位上包みは紙で形成されている。したがって、包装スリーブは紙で包まれる。したがって、この種の上包みは、包装スリーブの取り出し後、容易に折り畳んで廃棄できる。ただし、このような上包みの一欠点は、紙の低い伸縮性および低い耐裂性である。したがって、梱包単位は、折り畳まれた包装スリーブを省スペースで収容できない。その理由は、各包装スリーブの復元力が紙裂けをもたらすからである。
【0006】
加えて、紙または段ボール紙製の公知の上包みの場合、上包み内に封入された体積と環境との間のガス交換を微生物学的観点から望ましい、または求められる、程度まで減らすことは殆ど不可能である。この種の複数の梱包単位が輸送のためにパレット上に段積みされ、これら梱包単位が、パレットおよびパレット上包みと共に、複数の梱包単位を包装するためのシステムを形成するときも、上記の諸欠点は発生する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
この背景に対して、本発明の根拠となっている目的は、複数の包装スリーブを省スペース且つ低コストで、安全確実に輸送できるように、上記の諸欠点を回避しながら、冒頭に記載し、上でより詳細に説明したシステムを構成し更に発展させることである。
【0008】
この目的は、請求項1の前提部分に記載のシステムの場合、梱包単位上包みがプラスチックフィルム製であることで達成される。
【0009】
本発明によるシステムは、パレット上の複数の梱包単位を包装するために役立つ。ここで、各梱包単位は、一群の包装スリーブと1つの梱包単位上包みとから形成される。システムは、それぞれが複数の包装スリーブと(何れの場合も)1つの梱包単位上包みとから成る、複数の梱包単位を備える。梱包単位上包みは、その梱包単位に属する複数の包装スリーブを取り囲む。システムは、複数の梱包単位を段積みするためのパレットを更に備える。これら梱包単位は、パレット上に複数の層状に段積み可能であることが好ましい。各層は、複数の梱包単位から形成されることが好ましい。システムは、パレット上に段積みされた複数の梱包単位を取り囲むプラスチックフィルム製のパレット上包みを更に備える。システムは、パレットの複数の部品を更に備えることが好ましい。パレット上に段積みされた複数の梱包単位に、プラスチックフィルム製のパレット上包みが周方向に巻き付けられることが好ましく、巻き付け動作が複数回行われることが好ましい。
【0010】
最後に、システムは、パレット上に段積みされた複数の梱包単位の下および/または間および/または上に配置可能なインサートを少なくとも1つ備える。インサートは、例えば防滑性を有し得る、および/または安定化/殺菌用の手段のためのキャリア材としての役割を担い得る。インサートの更なる機能は、段積みされた複数の梱包単位の寸法安定性を高めることであり得る。梱包単位に包装される包装スリーブは、積層材製であり、それぞれ前側と後側とを有する。各包装スリーブの前側と後側とは、包装スリーブがそこに沿って扁平に折り畳まれている、折り山によって互いに分かれている。各包装スリーブは、包装スリーブの対向する両側に配置された2つの開口部を有する。加えて、各包装スリーブは、筒状の包装スリーブを形成するために、積層材の2つの端縁を接続する長手方向シームを有する。包装スリーブの積層材は、150g/mと500g/mの間、特に200g/mと350g/mの間、の範囲内の厚さを有し得る。
【0011】
本発明によると、梱包単位上包みはプラスチックフィルム製になる。プラスチックフィルムは、低コスト、高い伸縮性、および高い耐裂性を特徴とする。剛性の(梱包単位)上包み(例えば、段ボール紙製のカートン)と異なり、梱包単位を圧縮して省スペースでの輸送を可能にする。耐裂性が低い(梱包単位)上包み(例えば、紙製)と異なり、圧縮された複数の包装スリーブを、プラスチックフィルムの引裂なしに、収容可能である。プラスチックフィルムは、例えば、PE(ポリエチレン)製とすることができる。プラスチックフィルムは、帯電防止フィルムであることが好ましい。その理由は、フィルムの延伸時、および完成した複数の梱包単位の段積み/段ばらし時、に好都合であるからである。加えて、プラスチックフィルムは、圧縮および/または積層可能であることが好ましい。プラスチックフィルムは、できる限り耐熱性である必要もある。梱包単位上包みのプラスチックフィルム、およびパレット上包みのプラスチックフィルム、に対して、それぞれ異なる要件を設定できる。梱包単位上包みのプラスチックフィルムは、10μmと100μmの間、特に15μmと50μmの間、好ましくは30μmと40μmの間、の範囲内の厚さ(例えば約35μm)を有することができる。パレット上包みのプラスチックフィルムは、10μmと150μmの間、特に20μmと30μmの間、の範囲内の厚さ(例えば約23μm)を有することができる。極薄フィルムは低コストおよび軽量という利点を有する一方で、より厚いフィルムは耐裂性がより大きい。加えて、肉薄フィルムは、高温で裂けるので、収縮にはあまり適さない。同様に、肉厚フィルムは、変形に大きな力を要するので、延伸にはあまり適さない。上記範囲内の厚さを有するフィルムは、これら要件間で良好な折り合いが付くことが分かっている。フィルムの厚さは、例えばDIN53370に従って測定可能である。
【0012】
システムの1つの構成によると、ベース層がインサートとして設けられ、梱包単位の下のパレット上に配置されることになる。ベース層は、パレット上に直接置かれることが好ましい。したがって、ベース層は、パレットと最下層の梱包単位との間に配置される。ベース層のサイズは、パレットを完全に覆うことができ、更には梱包単位の段積みのための平らで、安定性がある、防滑支持をもたらすことができるように、パレットのサイズ(例えば、1200mm×800mmまたは1200mm×1000mm)にほぼ相当することが好ましい。ベース層は、梱包単位上包みの外側に、しかしパレット上包みの内側に、配置されることが好ましい。ベース層は、好ましくは紙または板紙製で、少なくとも300g/m、特に少なくとも400g/m、好ましくは約500g/m、の厚さを有し得る。紙または板紙製のベース層の代わりに、またはそれに加えて、フィルム製のベース層を設けることもできる。その厚さは、少なくとも100g/mであることが好ましい。
【0013】
本システムの更なる構成では、少なくとも1つの中間層がインサートとして設けられ、パレット上に次々と段積みされた複数の梱包単位層の間に配置されることになる。中間層の数は、段積みされた複数の梱包単位層の間に存在する中間レベルの数に相当することが好ましい。したがって、段積みされた梱包単位が5層の場合、例えば4つの中間層が設けられることが好ましい。中間層は、次々と段積みされた複数の梱包単位層の間に配置されることになる。中間層のサイズも、1つの層の全包装単位を覆う、またはそれらに達する、ことができるように、パレットのサイズ(例えば、1200mm×800mmまたは1200mm×1000mm)にほぼ相当する、またはそれより僅かに小さい、ことが好ましい。中間層は、梱包単位上包みの外側に、しかしパレット上包みの内側に、配置されることが好ましい。中間層も、段積みを安定化できるように、防滑性を有することが好ましい。中間層は、好ましくは紙または板紙製で、少なくとも80g/m、特に少なくとも90g/m、好ましくは約100g/m、の厚さを有し得る。紙または板紙製の中間層の代わりに、またはそれに加えて、フィルム製の中間層を設けることもできる。その厚さは、少なくとも100g/mであることが好ましい。
【0014】
本システムの更なる設計によると、カバーがインサートとして設けられ、最上層の梱包単位の上に配置される。カバーは、最上層の梱包単位の上(または、そこに位置する中間層の上)に置かれ、したがって、最上部に配置されることになる。したがって、カバーは、段積みの上端を仕上げるために役立つ。カバーのサイズも、1つの層の全梱包単位を覆う、またはそれらに達する、ことができるように、パレットのサイズ(例えば、1200mm×800mmまたは1200mm×1000mm)にほぼ相当することが好ましい。カバーは、梱包単位上包みの外側に、しかしパレット上包みの内側に、配置されることが好ましい。カバーは、好ましくは紙または板紙製で、少なくとも80g/m、特に少なくとも90g/m、好ましくは約100g/m、の厚さを有し得る。紙または板紙製のカバーの代わりに、またはそれに加えて、フィルム製のカバーを設けることができる。その厚さは、少なくとも100g/mであることが好ましい。カバーは、多層構成にもできる。その場合、第1層は、好ましくは紙または板紙製で、例えば、梱包単位の寸法安定性および保護を担う。第2層は、好ましくはフィルム製で、例えば、梱包単位を湿気から保護する役割を担う。
【0015】
インサートに関して、本システムの別の構成によると、インサート、特に中間層、は梱包単位上包みの外側に、しかしパレット上包みの内側に、配置されるようになる。梱包単位上包みの内側に配置されるインサートと異なり、外側に配置される梱包単位上包みは、梱包単位より大きくできるという利点がある。その結果、インサート、特に中間層、は1つの層の全梱包単位を覆う、またはそれらに達する、ことができる。これにより、インサートは、例えば防滑性の故に、段積みの安定化に寄与し得る。
【0016】
本システムの更なる設計によると、少なくとも1つのインサート、特に少なくとも1つの中間層、が滅菌および/または消毒用の手段を備えるようになる。全てのインサート、または少なくとも全ての中間層、が滅菌および/または消毒用の手段を備えることが好ましい。したがって、インサート、特に中間層、は活性物質、例えば滅菌剤、を吸収する荷重キャリアとして役立ち得る。これにより、パレット上に段積みされた複数の梱包単位とそれらに包装されている複数の包装スリーブとが長期輸送にわたっても、および/または望ましくない環境の影響(例えば熱)に対しても、無菌状態を維持できる。滅菌/消毒のために、例えばHが使用される。
【0017】
本システムの更なる構成は、パレット上に次々と段積みされた複数の梱包単位とパレット上包みとの間に配置される少なくとも1つのエッジプロテクタを特徴とする。エッジプロテクタは、(梱包単位がその上に段積みされている)パレットの、鉛直に延びる4つ全ての稜に設けられることが好ましい。エッジプロテクタは、機械的影響に対する保護をもたらす。エッジプロテクタは、パレット上包みの内側に配置されるので、段積みされた複数の梱包単位にパレット上包みによって押し当てられるので、その位置に留まる。エッジプロテクタは、例えば、板紙製、特に段ボール紙製、にできる。
【0018】
本システムの別の設計によると、パレット上包みはUV保護フィルム製になる。UV保護フィルムとは、紫外線が殆ど、または一切、貫通しないフィルムであると理解されたい。紫外線は、波長が380nm以下の光、例えば、100nmと380nmの間の範囲内の波長を有する光、とされている。したがって、紫外線の大部分が通過できず、例えば、反射および/または吸収されることになる。UV放射線は、単層UV保護フィルムによって、少なくとも最大50%(透過率≦50%)反射および/または吸収されることが好ましい。UV放射線は、多層(特に4層)UV保護フィルムによって、または複数回(特に4回)巻き付けられたUV保護フィルムによって、少なくとも最大90%、特に少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%(透過率≦10%)、反射および/または吸収されることが好ましい。UV保護フィルムは、それ自体を多層に形成可能である、および/またはパレットの周囲に複数回巻き付けることもできる。UV保護フィルムによって、パレットの積荷、特に複数の包装スリーブ、をUV放射線の悪影響から保護できる。例えば、印刷された包装スリーブの退色、または包装スリーブの加熱、から保護できる。一方で、UV保護フィルムは、このフィルムによって包装されている中身(例えば、色、パターン、および他の情報)が分かるように、可視光の範囲(380nmと780nmの間の波長)において光透過性(高い透過率値)であることが好ましい。
【0019】
システムの別の構成によると、梱包単位上包みのプラスチックフィルム、および/またはパレット上包みのプラスチックフィルム、は印刷されることになる。プラスチックフィルムに直接印刷することによって、輸送のために必要な情報(例えば、発送人、荷受人、中身、コーディング)を梱包単位上包み、および/またはパレット上包み、に直接添着できるので、この目的のために、別個のラベル、接着剤、またはこれらに類するものを取り付ける必要がない。
【0020】
システムの更なる構成では、梱包単位上包みのプラスチックフィルム、および/またはパレット上包みのプラスチックフィルム、が延伸性および/または収縮性を有するようにできる。延伸フィルムとは、極めて高い延伸性を有するフィルム、特に破断点伸びが少なくとも100%、特に少なくとも150%、少なくとも200%、または少なくとも300%(例えば、DIN EN ISO527による測定値)であるフィルム、と理解されるものとする。高い延伸性は、特に、高応力下でもフィルムが裂けないという利点を有する。収縮性フィルムとは、特定の条件下で、特に加熱とその後の冷却で、縮む、したがって「収縮する」、フィルムであると理解されたい。このフィルムは、収縮値が少なくとも5%、特に少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、または少なくとも40%、であることが好ましい。収縮性を有するフィルムは、包装される中身の周囲の輪郭にフィルムがより正確に被さり、前記中身をおそらく均一に圧縮できるという利点を有する。フィルムの延伸性および/または収縮性は、方向依存性にできる。特に、フィルムの延伸性および/または収縮性が長手方向および横方向でそれぞれ異なるようにできる。この場合、長手方向と横方向とは90°の角度を形成する。
【0021】
本システムの更なる設計によると、最後に、梱包単位上包みは、集積方向に、1センチメートル当たり少なくとも4.0包装スリーブ、特に1センチメートル当たり少なくとも4.5包装スリーブ、特に1センチメートル当たり少なくとも5.0包装スリーブ、特に1センチメートル当たり少なくとも5.5包装スリーブ、特に1センチメートル当たり少なくとも6.0包装スリーブ、特に1センチメートル当たり少なくとも6.5包装スリーブ、特に1センチメートル当たり少なくとも6.75包装スリーブ、特に1センチメートル当たり少なくとも7.0包装スリーブ、特に1センチメートル当たり少なくとも7.25包装スリーブ、または1センチメートル当たり少なくとも7.5包装スリーブ、が配置されるように、複数の包装スリーブをまとめるようになる。集積方向とは、集積された全ての梱包スリーブを貫通する方向であると理解されたい。集積方向は、特に、包装スリーブの前側と後側とにほぼ直角に延び得る。プラスチックフィルムの伸縮性および高い耐裂性の故に、高密度の集積を実現できる。これは、例えば、複数の包装スリーブが集積方向に一緒に押圧されて圧縮され、この状態で予張力が付与されたフィルムが巻き付けられることによって、実現される。フィルムに予張力が付与されているために、包装スリーブへの巻き付け後、フィルムは引っ張り合うので、依然として開いているフィルムの両端部から包装スリーブが復元力によって押し出されることを防止する。上記の集積密度の下限は、集積密度の上限と組み合わせることができる。集積密度の上限は、例えば、1センチメートル当たり8包装スリーブ、1センチメートル当たり9包装スリーブ、または1センチメートル当たり10包装スリーブ、とすることができる。より高い集積密度は、包装スリーブの損傷を招き得る。複数列の包装スリーブを単一の梱包単位にまとめる場合は、これらの値を列数に相当する係数だけ増やす。すなわち、例えば2列の場合、下限は1センチメートル当たり少なくとも8.0~15包装スリーブであり、上限は1センチメートル当たり16~20包装スリーブである。
【0022】
以下においては、唯一の好適な例示的実施形態を表す図面に基づき、本発明をより詳細に説明する。図面には以下の図が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】従来技術から公知の包装スリーブに折り畳まれるブランクである。
図1B図1Aに示されているブランクによって形成された従来技術から公知の包装スリーブの扁平に折り畳まれた状態である。
図2A】上包みと複数の包装スリーブとから成る従来技術から公知の第1の梱包単位である。
図2B】上包みと複数の包装スリーブとから成る従来技術から公知の第2の梱包単位である。
図3図3Aは、1つの梱包単位上包みを有する1つの包装スリーブ群である。図3Bは、複数の包装スリーブと1つの梱包単位上包みとから成る梱包単位である。
図4】複数の包装スリーブと1つの梱包単位上包みとから成る梱包単位の上面図である。
図5】パレット上の複数の梱包単位を包装するための本発明によるシステムの斜視図である。
図6図5の本発明によるシステムの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1Aには、従来技術から公知のブランク1が示されている。このブランク1から包装スリーブを形成できる。ブランク1は、異種材料、例えば紙、厚紙、板紙、プラスチック、または金属、特にアルミニウム、の層を複数備えることができる。ブランク1は、複数の折り目線2を有する。これら折り目線2は、ブランク1の折り曲げを容易にするはずであり、ブランク1を複数の表面に分割する。ブランク1は、第1の側面3、第2の側面4、前面5、裏面6、封着面7、底面8、およびゲーブル面9に細分割可能である。封着面7を前面5に接続、特に溶接、できるように、ブランク1を折り曲げることによって、ブランク1から包装スリーブが形成される。
【0025】
図1Bは、従来技術から公知の包装スリーブ10が扁平に折り畳まれた状態を示す。図1Bにおいて、図1Aに関連して既に説明した包装スリーブの各領域には、対応する参照符号が付けられている。包装スリーブ10は、図1Aに示されているブランク1から形成される。この目的のために、封着面7と前面5とを互いに平らに溶接できるように、ブランク1は、封着面7と前面5とが部分的に重なり合って配置されるように、折り曲げられる。その結果、長手方向シーム11が生じる。2本の折り目線Fに沿って扁平に折り畳まれた状態の包装スリーブ10が図1Bに示されている。この状態において、一方の側面4(図1Bでは隠れている)が前面5の下にあり、もう一方の側面3は裏面6(図1Bでは隠れている)の上にある。したがって、前面5とこれに隣接する側面3とは包装スリーブ10の前側12を形成し、裏面6とこれに隣接する側面6とは包装スリーブ10の後側13を形成する。扁平に折り畳まれている状態で、複数の包装スリーブ10を、特に省スペースで、集積できる。したがって、包装スリーブ10は、多くの場合、作製現場で集積され、集積された状態で充填現場に輸送される。そこで初めて、中身、例えば食品、の充填を可能にするために、集積がばらされて個々の包装スリーブ10が展張される。充填は、無菌条件下で行うことができる。食品は、少なくとも1つの液状成分を含むことができる。
【0026】
図2Aは、1つの梱包単位上包み15’と複数の包装スリーブ10とから成る従来技術から公知の第1の梱包単位14’を示す。図2Bは、1つの梱包単位上包み15”と複数の包装スリーブ10とから成る従来技術から公知の第2の梱包単位14”を示す。図2Aに示されている梱包単位14’の場合、梱包単位上包み15’は段ボール紙から形成されており、したがって極めて剛性である。したがって、図2Aの梱包単位上包み15’は、その内部に収容されている包装スリーブ10に対して極めて良好な機械的保護をもたらす。ただし、梱包単位上包み15’の一欠点は、極めて低い伸縮性であり、梱包単位14’を圧縮できず、ひいては省スペースで輸送できない。加えて、剛性の上包みは、包装スリーブ10の取り出し後、占有体積を減らすために、分解する必要があるという欠点を有する。図2Bに示されている梱包単位14”の場合、梱包単位上包み15”は紙で形成されており、したがって、包装スリーブ10は贈り物のように紙で包まれている。したがって、梱包単位上包み15”は、包装スリーブ10の取り出し後、容易に折り畳んで廃棄できる。ただし、梱包単位上包み15”の一欠点は、紙の低い伸縮性および低い耐裂性である。したがって、梱包単位14”は、圧縮された複数の包装スリーブ10を省スペースで収容できない。包装スリーブ10の復元力が紙裂けを招くからである。
【0027】
図3Aは、1つの梱包単位上包みを有する包装スリーブ群16を示す。図3Bは、それらから作製された梱包単位14を示す。より良好な理解のために、図3Aおよび図3Bは斜視図である。図3Aおよび図3Bにおいて、既に上記した諸領域には、対応する参照符号が付けられている。図3Aおよび図3Bにおいて、梱包単位上包み15は、伸縮性プラスチックフィルム17で形成されている。プラスチックフィルムは、1本の溶接シーム18または複数本の溶接シーム18、例えば両側に配置された2本の溶接シーム18、を有することができる。プラスチックフィルム17の突出端19は、高温空気によって包装スリーブ群16の両端面で曲げることができる。この目的のために、4つの熱風ノズル20A、20B、20C、および20Dが包装スリーブ群16の両端面に配置されることが好ましい。これらのうちの前側のノズルのみが図示されている。プラスチックフィルム17の各突出端19の加熱(独:Beaufschlagung,英:application)により、各突出端19は包装スリーブ群16の端面に被さり、完成した梱包単位14が示されている図3Bから分かるように、そこで互いに溶接される。プラスチックフィルム17の各突出端19は極めて短いので、各突出端19が端面に被さって互いに溶接されたとき、包装スリーブ群16の端面をプラスチックフィルムで完全に覆うことはできない。一種の窓21が端面の中心に形成されることが実際に図3Bから分かる。この代わりに、プラスチックフィルム17の突出端19をより長く設計することもできる。この場合、梱包単位14は、その両端面がプラスチックフィルム17によって完全に密閉される。梱包単位14の両側の溶接シーム18が端面に被さっていることも分かる。プラスチックフィルム17の上側および下側突出端19が包装スリーブ群16の端面に被さるように、最初に対向するノズル20Aおよび20Bに高温空気が供給され、その後、全ての突出端19が平らに被さり互いに溶接されるように、ノズル20Cおよび20Dが作動されることが好ましい。この場合、プラスチックフィルム17と包装スリーブ群16の外側包装スリーブ10の被覆との間に溶着が発生してはならないことは明らかである。最後に、図3Aにおいて、包装スリーブ群16は、その両端面領域において、包装スリーブ群16の角を、ならびにその稜に沿って、包装スリーブ群16を緩みなく取り囲んでいる(独:straff umfassen,英:tightly comprise)ことが明らかに分かる。これにより、寸法的に安定した、したがって輸送し易い緊密な単位になる。
【0028】
図3Aおよび図3Bに示されている構成の代わりに、プラスチックフィルム17が溶接シームを有さないようにもできる。積層方向に沿って延びる横方向の溶接シームは、例えば、プラスチックフィルム17が既に(例えば、押し出し成形によって)筒状(独:roehrenfoermig,英:tubular)に製造されていることによって省くことができる。加えて、プラスチックフィルム17の一端が既に密閉されていて、前側端面のみを密閉すればよいように、プラスチックフィルム17を袋状にすることもできる。
【0029】
図4は、複数の包装スリーブ10と1つの梱包単位上包みとから成る本発明による梱包単位14を上面図で示す。図4においても、既に上記した諸領域には、対応する参照符号が付けられている。20個の包装スリーブ10が示されている。これら包装スリーブ10は、緊密に集積され、プラスチックフィルム17によって取り囲まれて一緒に保持されている。集積方向Sが両矢印で模式的に示されている。集積方向Sは、包装スリーブ10に対して垂直に延びている。プラスチックフィルム17は、図3Bに関連して既に説明したように、窓21を下側端面の領域に形成する。各包装スリーブ10は、厚みが増した3つの領域を明らかに有する。すなわち、2つの折り山Fの領域と長手方向シーム11の領域である。これは、図4の(上に示されている)拡大部分において特に明白である。包装スリーブ10は、最小厚Dを有する。これは、長手方向シーム11の領域における厚さDより薄く、折り山Fの領域における厚さDよりも薄い。長手方向シーム11の領域において増した厚さDは、前面5の端部領域5’と封着面7の端部領域7’とが長手方向シーム11の領域において重なり合うことによる。したがって、包装スリーブ10は、長手方向シーム11の領域においては、二層構造ではなく、少なくとも三層構造を有する。包装スリーブ10の厚さDは、例えば0.5mmと1.5mmの間の範囲内であり、包装スリーブ10の増した厚さDは、例えば0.6mmと3.0mmの間の範囲内である。それぞれ異なる厚さの間の移行部は、「層ジャンプ」とも呼ばれる。折り山Fの領域においては、プラスチックフィルム17を包装スリーブ10の周りに被せることができる。したがって、この領域においては、プラスチックフィルム17を波状に形成可能である(図4の拡大領域において識別可能)。これは、プラスチックフィルム17の伸縮性によって、および/または収縮性フィルムの使用によって、実現可能である。
【0030】
重ね合わせに加え、一方または両方の端部領域5’、7’を折り返すことができる。内側の端部領域(図4では端部領域7’)を折り返すと、包装スリーブ10から作製される包装体の中身に接触し得るのが包装スリーブ10の材料の最内層のみになるという利点がある。これにより、包装スリーブ10の材料のその他の層、例えば、紙、厚紙、または板紙製の中間層、が包装体の中身から隔てられる。これにより、包装の耐漏性が保証されるばかりでなく、衛生要件も満たされる。ただし、内側端部領域7’の完全な折り返しは、長手方向シーム11の領域における包装スリーブ10の厚さを更に増加させることになる。したがって、端部領域7’の一部の層のみ、特に端部領域7’の最内層のみ、が折り返されるようにできる。この目的のために、その他の層は、折り返し前に、分離または除去される。
【0031】
図4から分かるように、複数の包装スリーブ10は、その最も強度のある領域が許容する限り、高い密度で集積することができる。これらは、特に、2つの折り山Fの領域と長手方向シーム11の領域である。包装スリーブ10の集積の厚さは、長さの単位L当たりの包装スリーブ10の数で測定および表示可能である。長さの単位Lは、集積方向Sに沿って測定される。集積密度に関して最も精確な情報を得るために、包装スリーブ10の数を数え、その数を長さの単位Lで割る必要がある(例えば、100個の包装スリーブ10)。集積密度は、1センチメートル当たり少なくとも4.0包装スリーブ、特に1センチメートル当たり少なくとも4.5包装スリーブ、特に1センチメートル当たり少なくとも5.0包装スリーブ、特に1センチメートル当たり少なくとも5.5包装スリーブ、特に1センチメートル当たり少なくとも6.0包装スリーブ、特に1センチメートル当たり少なくとも6.5包装スリーブ、特に1センチメートル当たり少なくとも6.75包装スリーブ、特に1センチメートル当たり少なくとも7.0包装スリーブ、特に1センチメートル当たり少なくとも7.25包装スリーブ、または1センチメートル当たり少なくとも7.5包装スリーブ、であることが好ましい。
【0032】
パレット23上の複数の梱包単位14を包装するための本発明によるシステム22が図5に斜視図で示されている。図5においても、既に上記した諸領域には、対応する参照符号が付けられている。システム22は、複数の梱包単位14を段積みするためのパレット23を備える。各梱包単位14は、複数の包装スリーブ10と1つの梱包単位上包み15とから形成されている。梱包単位上包み15は、プラスチックフィルム17製である。システム22は、パレット23上に段積みされた複数の梱包単位14を取り囲むパレット上包み24を更に備える。パレット上包み24もプラスチックフィルム、例えば収縮性フィルムおよび/または延伸フィルム、製である。システム22は、輸送中の梱包単位14を保護するエッジプロテクタ25を更に備えることができる。エッジプロテクタ25は、例えば、強化板紙、特に段ボール紙、製である。システム22は、少なくとも1つのインサート26(図5には不図示)を更に有する。インサート26については、図6に関連付けてより詳細に説明する。
【0033】
図6は、パレット23上の、それぞれが複数の包装スリーブ10から成る、複数の梱包単位14を包装するための本発明によるシステム22を分解図で示す。図6においても、既に上記したシステムの諸領域には、対応する参照符号が付けられている。この分解図において、システム22の個々の構成要素は互いに切り離されて示されている。特に、さまざまなインサート26の形状および配置が明らかである。
【0034】
第1の、一番下の、インサートはベース層26Aであり、パレット23上に直接置かれ、したがって、パレット23と最下層の梱包単位14との間に配置される。ベース層26Aのサイズは、パレット23を完全に覆うことができ、更には梱包単位14の段積みのための安定した防滑支持をもたらすことができるように、パレット23のサイズ(例えば、1200mm×800mmまたは1200mm×1000mm)にほぼ相当することが好ましい。ベース層26Aは、梱包単位上包み15の外側に、しかしパレット上包み24の内側に、配置される。ベース層26Aは、好ましくは紙または板紙製であり、少なくとも300g/m、特に少なくとも400g/m、好ましくは約500g/m、の厚さを有し得る。
【0035】
第2の種類のインサートは、1つまたは複数の中間層26Bであり、次々と段積みされた梱包単位14の層間に配置される。中間層26Bのサイズは、1つの層の全梱包単位14を覆う、またはそれらに達する、ことができるように、パレット23のサイズ(例えば、1200mm×800mmまたは1200mm×1000mm)にほぼ相当するか、または僅かに小さいことが好ましい。中間層26Bは、梱包単位上包み15の外側に、しかしパレット上包み24の内側に、配置される。中間層26Bは、段積みを安定化できるように、防滑性も有することが好ましい。中間層26Bは、好ましくは紙または板紙製で、少なくとも80g/m、特に少なくとも90g/m、好ましくは約100g/m、の厚さを有し得る。
【0036】
第3の、一番上の、インサートはカバー26Cであり、最上層の梱包単位14の上に、またはそこに位置する中間層26Bの上に、置かれる、したがって最上部に配置される。したがって、カバー26Cは、段積みの上端を仕上げるために役立つ。カバー26Cのサイズも、1つの層の全梱包単位14を覆う、またはそれらに達する、ことができるように、パレット23のサイズ(例えば、1200mm×800mmまたは1200mm×1000mm)にほぼ相当することが好ましい。カバー26Cも梱包単位上包み15の外側に、しかしパレット上包み24の内側に、配置されることが好ましい。カバー26Cは、好ましくは紙または板紙製で、少なくとも80g/m、特に少なくとも90g/m、好ましくは約100g/m、の厚さを有し得る。紙または板紙製のカバー26Cの代わりに、またはそれに加えて、フィルム製のカバー26Cを設けることもできる。その厚さは少なくとも100g/mであることが好ましい。カバー26Cを多層構成にすることもできる。この場合、第1層は、好ましくは紙または板紙製で、例えば、梱包単位14の寸法安定性および保護を担う。第2層は、好ましくはフィルム製で、例えば梱包単位14を湿気から保護するために役立つ。
【符号の説明】
【0037】
1 ブランク
2 折り目線
3、4 側面
5 前面
5’ (前面5の)端部領域
6 裏面
7 封着面
7’ (封着面7の)端部領域
8 底面
9 ゲーブル面
10 包装スリーブ
11 長手方向シーム
12 (包装スリーブ10の)前側
13 (包装スリーブ10の)後側
14、14’、14” 梱包単位
15、15’、15” 梱包単位上包み
16 包装スリーブ群
17 プラスチックフィルム
18 溶接シーム
19 (プラスチックフィルム16の)端部
20A、20B、20C、20D 熱風ノズル
21 窓
22 システム
23 パレット
24 パレット上包み
25 エッジプロテクタ
26 インサート
26A ベース層
26B 中間層
26C カバー
(包装スリーブ10の)最小厚
(長手方向シーム11の領域における)厚さ
(折り山Fの領域における)厚さ
L 長さの単位
F (包装スリーブ10の)折り山
S 集積方向
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6