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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】エアロゾル供給システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20240229BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20240229BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/465
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022531412
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 GB2020053042
(87)【国際公開番号】W WO2021105705
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-07-19
(31)【優先権主張番号】1917446.5
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ファロン、ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】アウン、ワリド アビ
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0289915(US,A1)
【文献】特表2019-521739(JP,A)
【文献】国際公開第2019/105879(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/122865(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源と、
エアロゾル発生部品と、
制御回路とを含み、
前記制御回路は、前記動力源と前記エアロゾル発生部品を制御してエアロゾル発生材に適用される少なくとも所定のエアロゾル化様式と可変エアロゾル化期間からなる選択肢を提供するために配置されており、
前記制御回路は、前記動力源および前記エアロゾル発生部品を制御するための起動素子を含み、
前記制御回路は、前記起動素子の状態を判断し、当該起動素子の状態に基づいて、エアロゾル発生材に対して、前記所定のエアロゾル化様式または前記可変エアロゾル化期間のどちらを選択するかを決定するように構成されている、エアロゾル供給システム。
【請求項2】
前記所定のエアロゾル化様式は、複数のエアロゾル化段階を含むことを特徴とする請求項1記載のエアロゾル供給システム。
【請求項3】
前記起動素子は、ユーザー起動素子、ユーザーインターフェイス、及びセンサのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項または記載のエアロゾル供給システム。
【請求項4】
前記起動素子が前記ユーザー起動素子であり、
当該ユーザー起動素子は、エアロゾル発生材に前記所定のエアロゾル化様式を提供する第1の方法に作用するスイッチであり、及び
前記ユーザー起動素子は、エアロゾル発生材に前記可変エアロゾル化期間を供する第2の方法に作用するスイッチであることを特徴とする請求項記載のエアロゾル供給システム。
【請求項5】
前記制御回路は、前記動力源と前記エアロゾル発生部品を制御してエアロゾル発生材に適用される複数の所定のエアロゾル化様式と可変エアロゾル化期間からなる選択肢を提供するために配置されていることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のエアロゾル供給システム。
【請求項6】
前記複数の所定のエアロゾル化様式は、異なる所定のエアロゾル化様式であり、これら所定のエアロゾル化様式は、
エアロゾル化段階の数、
エアロゾル化段階の強度、および、
エアロゾル化段階の頻度のうち少なくとも1つによって異なることを特徴とする請求項記載のエアロゾル供給システム。
【請求項7】
前記可変エアロゾル化期間は、連続したエアロゾル化の期間であることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のエアロゾル供給システム。
【請求項8】
前記所定のエアロゾル化様式は、エアロゾル化の期間と、非エアロゾル化の期間とを含むことを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のエアロゾル供給システム。
【請求項9】
前記エアロゾル発生部品は、ヒーターであり、
前記所定のエアロゾル化様式は、所定の加熱様式であり、
前記可変エアロゾル化期間は、加熱期間であることを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載のエアロゾル供給システム。
【請求項10】
前記ヒーターは、誘導ヒーターであることを特徴とする請求項記載のエアロゾル供給システム。
【請求項11】
前記ヒーターは、約160℃~約300℃の作動温度を有することを特徴とする請求項または10記載のエアロゾル供給システム。
【請求項12】
動力源を設けることと、
エアロゾル発生部品を設けることと、
前記動力源と前記エアロゾル発生部品を制御するために配置された制御回路を設けることと、
エアロゾル発生材に適用される少なくとも所定のエアロゾル化様式と可変エアロゾル化期間からなる選択肢を提供することと、
前記所定のエアロゾル化様式と前記可変エアロゾル化期間のうちの選択された方をエアロゾル発生材に適用することとを含み、更に
前記所定のエアロゾル化様式と前記可変エアロゾル化期間を選択するために起動素子を起動することと、
前記起動素子の状態を判断することと、当該起動素子の状態に基づいて、エアロゾル発生材に対して、前記所定のエアロゾル化様式または前記可変エアロゾル化期間のどちらを選択するかを決定することとを含む、エアロゾル供給システムからエアロゾルを生成する方法。
【請求項13】
前記所定のエアロゾル化様式は、複数のエアロゾル化段階を含むことを特徴とする請求項12記載のエアロゾルの生成方法。
【請求項14】
前記起動素子を第1の方法または第2の方法で起動することをさらに含み、
前記第1の方法で前記起動素子を起動することは前記所定のエアロゾル化様式を選択することであり、
前記第2の方法で前記起動素子を起動することは前記可変エアロゾル化期間を選択することであることを特徴とする請求項12または13記載のエアロゾルの生成方法。
【請求項15】
ユーザーが前記起動素子を起動することをさらに含むことを特徴とする請求項12乃至14いずれか1項記載のエアロゾルの生成方法。
【請求項16】
前記所定のエアロゾル化様式を供することは、所定の数のエアロゾル化段階を供することと、所定の強度のエアロゾル化段階を供することと、所定の頻度のエアロゾル化段階を供することとを含むことを特徴とする請求項12乃至15いずれか1項記載のエアロゾルの生成方法。
【請求項17】
前記可変エアロゾル化期間を供することは、連続したエアロゾル化の期間を供することを含むことを特徴とする請求項12乃至16いずれか1項記載のエアロゾルの生成方法。
【請求項18】
前記少なくとも所定のエアロゾル化様式と可変エアロゾル化期間からなる選択肢を提供することは、
少なくとも、複数のエアロゾル化段階を含む複数の所定のエアロゾル化様式と、
可変エアロゾル化期間らなる選択肢を提供することを含むことを特徴とする請求項12乃至17いずれか1項記載のエアロゾルの生成方法。
【請求項19】
動力手段と、
エアロゾル発生手段と、
制御回路とを含み、
前記制御回路は、前記動力手段と前記エアロゾル発生手段を制御してエアロゾル発生材に適用される少なくとも所定のエアロゾル化様式と可変エアロゾル化期間からなる選択肢を提供するために配置されており、
前記制御回路は、前記動力手段および前記エアロゾル発生手段を制御するための起動素子を含み、
前記制御回路は、前記起動素子の状態を判断し、当該起動素子の状態に基づいて、エアロゾル発生手段に対して、前記所定のエアロゾル化様式または前記可変エアロゾル化期間のどちらを選択するかを決定するように構成されている、エアロゾル供給手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給システム、エアロゾル供給システムからエアロゾルを生成する方法およびエアロゾル供給手段に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル供給システムは知られている。エアロゾル供給システムは、エアロゾル発生材からエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生部品を含むものがある。現代のデバイスは、ユーザーがボタンを押すまたはユーザーにパフが送出される前にデバイスで吸引することの結果としての要求に応じて作動する。このようなデバイスは、動力源からエアロゾル発生部品へエネルギーを送る。この設定工程が繰り返され、より多くのエアロゾルをユーザーに供する。
【0003】
エアロゾル供給システムのユーザー体験を向上させるためにエアロゾル供給システムによって生成されるエアロゾルに対する柔軟性をユーザーに提供することが望まれている。
【0004】
本発明は、上述の課題のいくつかを解決するためのものである。
【発明の概要】
【0005】
本発明の種々の態様は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0006】
本明細書で説明する一部の実施態様では動力源と、エアロゾル発生部品と、制御回路とを含み、制御回路は、動力源およびエアロゾル発生部品を制御してエアロゾル発生材に適用される少なくとも所定のエアロゾル化様式および可変エアロゾル化期間からなる選択肢を提供するために配置されているエアロゾル供給システムが提供される。
【0007】
本明細書で説明する一部の実施態様ではエアロゾル供給システムからエアロゾルを生成する方法が提供され、この方法は、動力源を設けることと、エアロゾル発生部品を設けることと、動力源とエアロゾル発生部品を制御するために構成された制御回路を設けることと、エアロゾル発生材に適用される少なくとも所定のエアロゾル化様式と可変エアロゾル化期間からなる選択肢を提供することと、所定のエアロゾル化様式と可変エアロゾル化期間のうちの選択された方をエアロゾル発生材に適用することとを含む。
【0008】
本明細書で説明する一部の実施態様では動力手段と、エアロゾル発生手段と、制御回路とを含み、制御回路は、動力手段とエアロゾル発生手段を制御してエアロゾル発生材に適用される少なくとも所定のエアロゾル化様式と可変エアロゾル化期間からなる選択肢を提供するために配置されているエアロゾル供給手段が提供される。
【0009】
本教示を以下の図を参照してあくまで例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一例によるエアロゾル供給システムの長手方向断面図である。
図2】一例によるエアロゾル供給システムの長手方向断面図である。
図3A】一例によるエアロゾル供給システムの長手方向断面図である。
図3B】一例によるエアロゾル供給システムの長手方向断面図である。
図4】一例によるエアロゾルの生成方法の略式フローチャートである。
【0011】
本発明は様々な改変及び代替の形態が可能であるが、具体的な実施形態を、図面において例として示しており、本明細書で詳細に説明する。しかしながら、図面及び図面の詳細な説明は、本発明の範囲を開示された特定の形態に限定するように意図したものではなく、むしろ反対に、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される趣旨及び範囲内に該当する全ての改変例、均等物、及び代替物を包含することは、言うまでもない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
特定の例および実施態様の様相および特徴をここで述べ、説明する。特定の例および実施態様の様相および特徴は従来通り実施してもよく、それらについては簡潔にするために詳しく述べたり、説明したりしない。当然のことながら詳しくは説明されないここで述べられる装置および方法の様相および特徴はこのような様相および特徴を実行するための何らかの従来の技術に従って実行してもよい。
【0013】
本開示は、e-タバコなどのエアロゾル供給システムとも言われるエアロゾル供給システムに関する。本開示では「非燃焼系」エアロゾル供給システムは、ユーザーへの送出を容易にするために、エアロゾル供給システム(またはその構成要素)の構成エアロゾル化可能な材料を燃焼させないまたは燃やさないシステムである。以下の説明を通して「e-タバコ」または「電子タバコ」なる用語が場合によっては使用されるが、当然のことながらこれらの用語は、エアロゾル供給システム/デバイスおよび電子エアロゾル供給システム/デバイスとほぼ同じ意味で使用される。さらに本技術分野において共通して「エアロゾル」および「蒸気」なる用語および「気化する」、「揮発させる」および「エアロゾル化」なる関連用語もほぼ同じ意味で使われる。
【0014】
図1の例ではエアロゾル供給システム100が示されている。エアロゾル供給システム100は、動力源110を有する。エアロゾル供給システム100は、エアロゾル発生部品120を有する。エアロゾル供給システム100は、制御回路130を有する。制御回路130は、動力源110およびエアロゾル発生部品120を制御してエアロゾル発生材に適用される少なくとも所定のエアロゾル化様式および可変エアロゾル化期間からなる選択肢を提供するために配置されている。
【0015】
動力源110は、エアロゾル発生部品120に接続されて示されている。接続は、動力源110に電気信号をエアロゾル発生部品120に供するようにする電気的接続であってもよい。動力源110は、エアロゾル発生材のエアロゾル化のためにエアロゾル発生部品120にエネルギーを提供してもよい。
【0016】
動力源110は、制御回路130に接続されて示されている。制御回路130は、動力源110からエアロゾル発生部品120へのエネルギーの配給を制御してもよい。制御回路130は、動力源110からエアロゾル発生部品120へのエネルギーの配給を制御してエアロゾル発生材から所定量をエアロゾル化するように動作してもよい。
【0017】
動力源110は、一例ではバッテリーなどであってもよい。動力源110は、電気エネルギーとして変換でき、配給できる化学エネルギーを含んでもよい。
【0018】
図1に示す例ではエアロゾル供給システム100は、ハウジング140を有し、その中に動力源110、エアロゾル発生部品120および制御回路130が配置される。
【0019】
所定のエアロゾル化様式は、複数のエアロゾル化段階および複数の非エアロゾル化段階を含んでもよい。エアロゾル化段階は、エアロゾル発生部品120に制御回路130の制御下で動力源110からエネルギーが供給される段階であってもよい。非エアロゾル化段階は、エアロゾル発生部品120に動力源110からエネルギーが供給されない段階であってもよい。所定のエアロゾル化様式は、長期の「喫煙期間」に亘ってエアロゾルの送出を希望するユーザーによって選択される様式であってもよい。所定のエアロゾル化様式は、したがって一連のアクティブ期間と非アクティブ期間を有してもよく、そのタイミングは、予め定められており、各期間で異なってもよい(または同じでもよい)。これにより所定の期間に亘って特定のタイミングで吸引のためのエアロゾルを生成してもよい。
【0020】
可変エアロゾル化期間は、連続した期間であり、その長さは、可変であり、エアロゾル発生部品120に制御回路130の制御下で動力源110からエネルギーが供給される。可変エアロゾル化期間は、エアロゾルを生成する期間であり、ユーザーがその長さを比較的長くまたは短く選択できるようにユーザーによって制御されてもよい。したがって、可変エアロゾル化期間は、エアロゾル化段階と並行して非エアロゾル化段階を有することはない。可変エアロゾル化期間は、どちらかと言えばシステム100の場合、オンまたはオフ使用モードである。一例ではこの設定の誤用を防ぐために可変エアロゾル化期間の最大長さの上限が定められている。例えば、最長の一回の使用は、30秒ほどに上限が定められてもよい。これはシステム100を保護するセーフティ特性として機能する。
【0021】
図2の例ではエアロゾル供給システム200が示されている。エアロゾル供給システム200は、図1に示した一例のエアロゾル供給システム100と類似の特徴を有する。類似の特徴は、100を加えた類似の番号を有する。これらはここでは詳しく考察する必要はない。
【0022】
図2の例に示したエアロゾル供給システム200は、起動素子232を有する制御回路230を有する。起動素子232は、動力源210およびエアロゾル発生材220を制御するためのものである。起動素子232は、ユーザー起動素子(ボタンまたはスイッチなど)、ユーザーインターフェイス(タッチ式スクリーン、グラフィカル・ユーザー・インターフェースなど)および/またはセンサ(指紋スキャナ、パフセンサ、QRコード(登録商標)リーダー、バーコードリーダーなど)であってもよい。起動素子232は、状態検出を行ってから起動させてもよい。状態検出は、例えばエアロゾル供給システム200が動力源210からエアロゾル発生部品220へエネルギーを供するように制御されるように有効になると知られている(例えば、有効RFIDのデータベースと相互参照によって)RFIDをRFIDセンサが検出することであってもよい。起動素子は、したがってユーザー起動または非ユーザー起動であってもよい。
【0023】
パフ検知器がシステム200をパフによって起動させてもよい。パフ検知器は、ユーザーがシステム200で吸入した時を検出し、したがって、その結果としてシステム200を起動させてもよい。システム200は、例えば吸入時間の長さまたは吸入の強さに基づいて所定のエアロゾル化様式または可変エアロゾル化期間を提供するように起動させてもよい。例えば、短い(2秒未満の)吸入は、システム200がエアロゾル化期間を提供することになり、長い(2秒を超える)吸入ではシステム200が所定のエアロゾル化様式を提供することになる。当業者はパフ起動を利用できる実行例を認識しているはずである。
【0024】
制御回路230は、起動素子232の状態を判断し、そして起動素子232の状態に基づいてエアロゾル発生材に所定のエアロゾル化様式または可変エアロゾル化期間を適用するかを判断するするように構成してもよい。これは、例えば所定のエアロゾル化様式の選択および適用に結果としてなる第1の方向に移動したことを指紋スキャナが検出したことであってもよい。これとは別に指紋スキャナが可変エアロゾル化期間の選択および適用に結果としてなる第2の方向の移動を検出したことであってもよい。
【0025】
図3Aおよび3Bの例ではエアロゾル供給システム300が示されている。エアロゾル供給システム300は、一例の図2のエアロゾル供給システム200と類似する特徴を有する。類似の特徴は、100を加えた類似の番号を有する。これらはここでは詳しく考察する必要はない。
【0026】
図3Aは、起動素子332を有する制御回路330を含むエアロゾル供給システム300を示している。起動素子332は、第1の状態に示されている。起動素子332は、ボタンまたはスイッチ等の物理的構成部品として示されているが、上述の選択肢のいずれかである可能性もある。起動素子332は、単にタッチスクリーンによって実行されるようなそれが置かれる状態の違いを示しているに過ぎない。起動素子332は第1の状態に置かれ、それが第1の状態にあるということを制御回路330に伝える。制御回路330は、次に第1の方法でエアロゾル発生部品320にエネルギーを供するように動力源310を制御する。図3Bは、一例のエアロゾル供給システム300を示し、第2の状態に起動素子332があり、これは第2の方法でエアロゾル発生部品320にエネルギーを供するように制御回路に動力源310を制御させる状態である。起動素子332は、エアロゾル供給システム300のハウジング340上に示されているが、エアロゾル供給システム300の内側に位置してもよい。
【0027】
一例ではしたがって、起動素子322は、ユーザー起動素子であってもよく、ユーザー起動素子は、所定のエアロゾル化様式をエアロゾル発生材に供する第1の方法で作用するスイッチであってもよく、スイッチは、可変エアロゾル化期間をエアロゾル発生材に供する第2の方法で作用する。図3の例ではスイッチ332は、第1の方法のためにシステムのハウジング340の一端の方へ移動させられ、第2の方法のためにシステムのハウジング340の他端部の方へと移動させられる。別の例では第1の方法では僅かに押し下げられ、第2の方法ではより深く/完全に押し下げられるプッシュボタンであってもよい。
【0028】
制御回路330は、所定のエアロゾル化様式を記憶するデータベースなどを有してもよい。制御回路330は、したがってエアロゾル発生材に適用される複数の所定のエアロゾル化様式と可変エアロゾル化期間からなる選択肢を提供する。これによりユーザーの好みのエアロゾルをエアロゾル供給システム300は提供することができる。第1の所定のエアロゾル化様式は、エアロゾルに第2の所定のエアロゾル化様式より僅かに多くのニコチン(例えば)を供してもよい。ユーザーは所定のエアロゾル化様式の好ましい選択肢を選択してもよい。ユーザーは、エアロゾル供給システム300のタッチスクリーン上のグラフィックユーザーインターフェースなどの起動素子332から選択してもよい。
【0029】
別の例では制御回路によって提供される所定のエアロゾル化様式は、消耗品の識別に基づいてもよい。特定のエアロゾル発生材(またはエアロゾル発生材の組み合わせ)を含む消耗品は、使用前にエアロゾル供給システム300に挿入されてもよい。消耗品は、バーコード、QRコードなどの検出可能素子を有してもよい。検出可能素子は、制御回路330(または起動素子332)によって検出されてもよい。これにより制御回路330によって検出され、認識された際に制御回路が消耗品内にある特定のエアロゾル発生材または複数のエアロゾル発生材に基づいて消耗品に所定のエアロゾル化様式を供することができるようにしてもよい。このようにして好適な所定のエアロゾル化様式を広範囲の消耗品のあらゆる特定の消耗品に供してもよい。これによりエアロゾル供給システム300のユーザーがシステムをより柔軟に使用できるようになる。
【0030】
制御回路330によって供される所定のエアロゾル化様式は、あらゆる好適な要因によって互いに異なってもよい。これら様式は、エアロゾル化段階の数、エアロゾル化段階の強度およびエアロゾル化段階の頻度を含む。一例ではエアロゾル発生材の大半がメンソールである消耗品に使用するための所定のエアロゾル化様式は、エアロゾル発生材の大半がタバコである消耗品よりエアロゾル化段階の強度が低くても(例えば、エアロゾル発生材からエアロゾルを生成するために低い作動温度)よい。これはメンソール消耗品とタバコ消耗品がエアロゾルを発生する作動温度に基づく。
【0031】
消耗品は、それぞれが1つ以上のエアロゾル発生材を含む複数の異なるセクションを有してもよい。第1セクションには第1の所定のエアロゾル化様式を設けてもよく、第2セクションには第2の所定のエアロゾル化様式を設けてもよい。第2の所定のエアロゾル化様式は、第1の所定のエアロゾル化様式とは異なってもよい。
【0032】
具体的な例では消耗品は、3つのセクションを有する。第1セクションは、低作動温度に加熱されてもよい(例えば、メンソールを放出するために)。第2セクションは、高作動温度に加熱されてもよい(例えば、ニコチンを放出するために)。第3セクションは、中間作動温度に加熱されてもよい(例えば、プロピレングリコールなどの湿潤剤を放出するために)。ユーザーは、どのセクションを使用し、どの順番で製せられるエアロゾルまたは味の好みをユーザー向けにするかを選択してもよい。
【0033】
この消耗品でユーザーは、10回パフできる。したがって、様式の変動の頻度は、ユーザーの所望通りに約30秒程度毎である各パフによるものであってもよい。
【0034】
エアロゾル供給システム300は、所定の方法での起動素子332との相互作用の結果としてエアロゾル供給システム300に供される任意の消耗品に連続してエアロゾル化を供してもよい。一例では起動素子332は、完全に押し下げると、結果としてエアロゾル発生材に連続したエアロゾル化が適用されるボタンである。一例では起動素子332は、押し下げられることに抗して付勢される。この例ではユーザーは望むだけ長くエアロゾルを生成するためにボタンを押し下げ、次に解除して、動力源310からエアロゾル発生部品320へのエネルギーの供給を停止する。一例ではエアロゾル供給システム300は、エアロゾル供給システム300が起動の約2~3秒以内でエアロゾルを生成するように構成されている。
【0035】
エアロゾル発生部品320は、加熱素子であってもよい。エアロゾル発生部品320は、加熱機構または加熱機構の一部であってもよい。一例ではエアロゾル発生部品320は、エアロゾル発生材に熱を与えるためのヒーターであってもよい。エアロゾル発生部品320は、電気的に接続された動力源310によってエアロゾル発生材を通過する電流からエアロゾル発生材に熱を与える抵抗性ヒーターであってもよい。エアロゾル発生部品320は、金属またはセラミックなどで作製してもよい。
【0036】
一例では所定のエアロゾル化様式は、所定の加熱様式であってもよく、可変エアロゾル化期間は、加熱期間であってもよい。この例では起動素子332の起動によって制御回路330がヒーター320の電気抵抗を介して加熱を生じさせるために動力源310からヒーター320へのエネルギーの供給を制御する。
【0037】
これとは別にまたはこれに加えてエアロゾル発生部品320は、消耗品に熱を与えるための誘導ヒーターまたは誘導加熱システムの一部であってもよい。この例では加熱機構は、エアロゾル発生材を急速加熱する誘導ヒーターの一部であってもよい。
【0038】
ヒーターは、エアロゾル発生材のエアロゾル化のために約160~約300℃の作動温度を有してもよい。作動温度は、エアロゾルがエアロゾル発生材から生成される温度を意味するためにここでは使用されている。これはエアロゾルが生成されるエアロゾル発生材に基づいて変わってもよい。
【0039】
図4にはエアロゾルの生成法の略式フローチャートが示されている。その方法400は、3つの工程410、420、430で示されている。第1の工程410は、動力源、エアロゾル発生部品および制御回路を供することを含む。エアロゾル発生部品は、ヒーターの形体であってもよい。エネルギーは、動力源(またはエネルギー貯蔵)によってエアロゾル発生部品に供給されてもよい。動力源はバッテリー等であってもよい。エアロゾル発生部品に供給されるエネルギーは、制御回路によって制御されてもよい。制御回路は、動力源およびエアロゾル発生部品を制御するために配置されてもよい。エアロゾル発生部品に供給されるエネルギーは、エアロゾル発生部品がエアロゾル発生媒体からエアロゾルを生成するために作動温度などの作動条件に到達するために充分なものであればよい。
【0040】
第2の工程420は、所定のエアロゾル化様式と可変エアロゾル化期間からなる選択肢を提供することを含む。この選択肢は、エアロゾルの生成のためのエアロゾル発生材に適用されることになる。第3の工程430は、所定のエアロゾル化様式と可変エアロゾル化期間のうちの選択された一方をエアロゾル発生材に適用することを含む。上述のようにこの選択肢は、起動素子の起動または状態の変更の結果として起こる。
【0041】
本明細書に開示したエアロゾル供給システムにはハウジングの内側にエアロゾル発生材が設けられてもよく、またはエアロゾル発生材が取り外し自在にハウジングに挿入されてもよい。エアロゾル発生材は、担体支持部とエアロゾル発生材を有する消耗品の形体であってもよい。消耗品は、多くの異なるエアロゾル発生材を含んでもよい。
【0042】
エアロゾル発生部品とエアロゾル発生媒体は、使用前または熱接触中に互いに隣接するように配置される。エアロゾル発生部品とエアロゾル発生媒体は、ヒーターと芯の組み合わせに配置されてもよい。したがって、エアロゾル発生媒体は、芯に供給され、次にエアロゾル発生部品からエネルギーによってエアロゾル化される液体であってもよい。エアロゾル発生媒体は、液体容器などに含まれてもよい。エアロゾル発生部品は、カトマイザーなどの一部であってもよい。
【0043】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイスまたは電子ニコチン供給システム(END)としても知られている電子タバコであるが、エアロゾル発生材のニコチンの有無は要件ではないことに留意されたい。
【0044】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは非燃焼加熱システムとしても知られているタバコ加熱システムである。
【0045】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、エアロゾル化可能な材料の組み合わせを使用し、そのうちの1つまたは複数を加熱することでエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムである。エアロゾル化可能な材料のそれぞれは、例えば固体、液体またはゲルの形体であってもよく、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。一部の実施態様ではハイブリッドシステムは液状またはゲル状エアロゾル化可能な材料および固体のエアロゾル化可能な材料を含む。固体のエアロゾル化可能な材料は、例えばタバコまたは非タバコ製品を含んでもよい。
【0046】
通常は非燃焼系エアロゾル供給システムは、非燃焼系エアロゾル供給デバイスと、非燃焼系エアロゾル供給デバイスと使用するための物品とを含んでもよい。しかしながら、それ自体がエアロゾル発生部材に動力を供給する手段を含む物品は、それ自体非燃焼系エアロゾル供給システムを形成することも想定される。
【0047】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、動力源と、コントローラとを含んでもよい。動力源は、例えば電力源であってもよい。
【0048】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル共有デバイスに使用するための物品は、エアロゾル化可能な材料と、エアロゾル発生部材と、エアロゾル発生領域と、マウスピースおよび/またはエアロゾル化可能な材料を収容するための領域とを含んでもよい。
【0049】
一部の実施態様ではエアロゾル発生部材はエアロゾル化可能な材料と相互作用してエアロゾル化可能な材料から1つ以上の揮発性物質を放出してエアロゾルを形成することができるヒーターである。。
【0050】
一部の実施態様では送出される物質は、エアロゾル化可能な材料であってもよい。本明細書ではエアロゾル発生材とも称するエアロゾル化可能な材料は、例えば加熱、照射または他の何らかの方法で活性化されると、エアロゾルを発生させることができる材料である。エアロゾル化可能な材料は、例えばニコチンおよび/または風味剤を含むまたは含まない固体、液体またはゲルの形体であってもよい。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料は「非晶質固体」を含んでもよく、これはこれとは別に「モノリシック固体」(即ち、非繊維性)とも言われる。一部の実施態様では非晶質固体は乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、その内部に液体などの流体を保持する固体材料である。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料は、例えば約50wt%、60wt%または70wt%の非晶質固体~約90wt%、95wt%または100wt%の非晶質固体を含んでもよい。
【0051】
一部の実施態様では非晶質固体は、ゲル化剤から形成される。一部の実施態様では非晶質固体は、ゲル化剤を含む。ゲル化剤は、セルロース系ゲル化剤、非セルロース系ゲル化剤、グァーガム、アカシアゴムおよびそれらの混合物から選択される1つ以上の化合物を含んでもよい。
【0052】
一部の実施態様ではセルロース系ゲル化剤は、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0053】
一部の実施態様ではゲル化剤は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース、グァーガムまたはアカシアゴムのうちの1つ以上を含む(またはである)。
【0054】
一部の実施態様ではゲル化剤は、寒天、キサンタンガム、アラビアゴム、グァーガム、イナゴマメゴム、ペクチン、カラギーナン、デンプン、アルギン酸塩、およびこれらの組み合わせを含む1つ以上の非セルロース系ゲル化剤を含む(またはである)が、これらに限定されない。一部の実施態様では非セルロース系ゲル化剤は、アルギン酸塩または寒天である。
【0055】
エアロゾル化可能な材料は、1つ以上の活性成分、1つ以上のキャリアー成分および選択的に1つ以上の他の機能性成分を含んでもよい。非晶質固体は、1つ以上の活性成分、1つ以上のキャリアー成分および選択的に1つ以上の他の機能性成分を含んでもよい。
【0056】
活性成分は、ユーザーに生理学的および/または嗅覚反応を達成するためにエアロゾル化可能な材料に含まれる1つ以上の生理学的および/または嗅覚活性成分を含んでもよい。活性成分は、例えば、栄養補助食品、向知性薬、および向精神薬から選択することができる。有効成分は、天然に存在するものでも、合成的に得られるものでもよい。活性成分は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリンまたはあらゆる他の好適な成分を含んでもよい。活性成分は、タバコまたは他の植物の成分、誘導体または抽出物を含んでもよい。一部の実施態様では活性成分は、生理学的に活性な成分であり、ニコチン、ニコチン塩(例えば、ニコチン二酒石酸塩/ニコチン酒石酸塩)、ニコチンを含まないタバコ代替物、カフェインなどの他のアルカロイド、またはそれらの混合物から選択される。
【0057】
一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料および/または非晶質固体は、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビエルソイン(CBE)およびカンナビシトラン(CBT)からなる群から選択される1つ以上のカンナビノイド化合物から選択される。
【0058】
エアロゾル化可能な材料および/または非晶質固体は、カンナビジオール(CBD)およびTHC(テトラヒドロカンナビノール)からなる群から選択される1つ以上のカンナビノイド化合物を含んでもよい。
【0059】
エアロゾル化可能な材料および/または非晶質固体は、カンナビジオール(CBD)を含んでもよい。
【0060】
エアロゾル化可能な材料および/または非晶質固体は、ニコチンと、カンナビジオール(CBD)とを含んでもよい。
【0061】
エアロゾル化可能な材料および/または非晶質固体は、ニコチン、カンナビジオール(CBD)およびTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含んでもよい。
【0062】
一部の実施態様では活性成分は、嗅覚活性成分であり、「風味料」および/または「風味剤」から選択され、これらは、地域の規制が許す場合、成人の消費者のための製品に所望の味、芳香または他の体性感覚を作り出すために使用される。一部の例ではそのような成分は、風味料、風味剤、冷却剤、加熱剤、および/または甘味剤と呼ばれることがある。それらは自然発生の風味材料、植物、植物の抽出物、合成によって得られた材料またはそれを組み合わせたもの(例えば、タバコ、大麻、リコリス(甘草)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、チョウジ、メイプル、抹茶、メンソール、ニホンハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドスパイス、アジアスパイス、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ダイオウ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、桑、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール、キンマ、シーシャ、マツ、ハチミツエキス、バラ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、橙花、サクランボ花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピメント、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、オオアサ、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油、ユーカリ、トウシミキ、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、マテ茶、オレンジの皮、バラ、緑茶または紅茶などの茶、タイム、ビャクシン、ニワトコの花、バジル、ローリエの葉、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモン果皮、ミント、シオガマギク、クルクマ、シラントロ、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、ハナハッカ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物または息消臭剤などのその他の添加剤を含む。それらは、模倣物、合成または天然の成分またはそれらのブレンドであってもよい。それらは、任意の適切な形態、例えば、油などの液体、粉末などの固体、気体、または1種以上の抽出物(例えば、甘草、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メントール、薄荷、アニス、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、桃、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、唐辛子、生姜、アニス、コリアンダー、コーヒー、またはメンサ属のあらゆる種のミント油)、香味増強剤、苦味受容体部位遮断薬、感覚受容体部位活性化因子または刺激因子、糖および/または糖代替物(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルタム、サッカリン、シクラメート、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、またはマンニトール)、および木炭、クロロフィル、ミネラル、植物、または呼吸清涼剤などの他の添加物であってもよい。これら材料は模造品、合成または天然成分であってもよく、またはこれらのブレンドであってもよい。これら材料は、例えば油、液体、粉末などの任意の好適な形体であってもよい。
【0063】
一部の実施態様では風味料はメンソール、スペアミントおよび/またはペパーミントを含む。一部の実施態様では風味料はキュウリ、ブルーベリー、柑橘類および/またはレッドベリーの風味成分を含む。一部の実施態様では風味料はオイゲノールを含む。一部の実施態様では風味料はタバコから抽出された風味成分を含む。一部の実施態様では風味料は、感覚惹起剤を含んでもよく、これはアロマまたは味覚神経に加えてまたは代わりに通常第5脳神経(三叉神経)の刺激によって化学的に誘発そして認識され、それらは加熱、冷却、ヒリヒリ感、しびれ感を与える薬剤を含んでもよい。好適な熱作用剤は、バニリルエチルエーテルであるが、これに限定されず、好適な冷却剤はオイカリプトール、WS-3であるが、これらに限定されない。
【0064】
担体成分は、エアロゾルを形成することができる1つ以上の成分を含んでもよい。一部の実施態様では担体成分は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、酢酸ベンジルフェニル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、および炭酸プロピレンのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0065】
一部の実施態様では担体成分は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなどの1つ以上の多価アルコール、グリセロールモノ、ジまたはトリアセテートなどの多価アルコールのエステルおよび/またはドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなどのモノ、ジまたはポリカルボン酸の脂肪族エステルを含む。
【0066】
1種以上の他の機能性成分は、1種以上のpH調整剤、着色剤、防腐剤、結合剤、充填剤、安定剤、および/または抗酸化剤を含んでもよい。
【0067】
エアロゾル化可能な材料および/または非晶質固体は酸を含んでもよい。酸は有機酸であってもよい。これらの実施態様の一部において酸は、一塩基酸、二塩基酸および三塩基酸のうちの少なくとも1つであってもよい。一部のこのような実施態様では酸は、少なくとも1つのカルボン酸官能基を含んでもよい。一部のこのような実施態様では酸は、α-ヒドロキシ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸およびケト酸のうちの少なくとも1つであってもよい。一部のこのような実施態様では酸はα-ケト酸であってもよい。
【0068】
一部のこのような実施態様では酸は、コハク酸、乳酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、レブリン酸、酢酸、リンゴ酸、ギ酸、ソルビン酸、安息香酸、プロパン酸およびピルビン酸のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0069】
好適な酸は乳酸である。他の実施態様では酸は安息香酸である。他の実施態様では酸は無機酸であってもよい。これらの実施態様の一部において酸は鉱酸であってもよい。一部のこのような実施態様では酸は、硫酸、塩酸、ホウ酸およびリン酸のうちの少なくとも1つであってもよい。一部の実施態様では酸はレブリン酸である。
【0070】
酸は、エアロゾル化可能な材料がニコチンを含むいくつかの実施態様では含まれてもよい。そのような実施態様では酸が存在することによりエアロゾル発生材が形成されるスラリーにおいて溶解した種を安定させる。酸が存在することによりスラリーの乾燥時のニコチンの蒸発を減少させるまたは実質的に妨げ、これにより製造時のニコチンの損失を少なくする。
【0071】
特定の実施態様において、非晶質固体は、セルロース系ゲル化剤および/または非セルロース系ゲル化剤、活性物質および酸を含むゲル化剤を含む。
【0072】
非晶質固体材料は、着色剤を含んでもよい。着色剤を加えることによって非晶質固体の外観を変えてもよい。非晶質固体中に着色剤が存在することで非晶質固体およびエアロゾル発生材の外観を向上させてもよい。非晶質固体に着色剤を加えることによって非晶質固体の色をエアロゾル発生材の他の成分または非晶質固体を含む物品の他の成分に合わせてもよい。
【0073】
種々の着色剤を非晶質固体の所望の色に応じて使用してもよい。非晶質固体の色は、例えば白、緑、赤、紫、青、茶または黒であってもよい。また他の色も想定される。天然のまたは合成染料、食品グレードの着色剤および医薬品グレードの着色剤などの天然のまたは合成着色剤を使用してもよい。特定の実施態様において、着色剤は、非晶質固体を茶色の外観にするカラメルである。このような実施態様では非晶質固体の色は、非晶質固体を含むエアロゾル発生材中の他の成分(タバコ材など)の色と類似してもよい。一部の実施態様では非晶質固体に着色剤を加えることによってエアロゾル発生材の他の成分を視覚的に区別できるようにする。
【0074】
着色剤は、非晶質固体の形成中(例えば、非晶質固体を形成する材料を含むスラリーを形成中)に組み込んでもよく、あるいは非晶質固体にそれが形成された後に塗布してもよい(例えば、非晶質固体に噴霧することによって)。
【0075】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給デバイスと使用するための物品は、エアロゾル化可能な材料またはエアロゾル化可能な材料を収容するための領域を含んでもよい。一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給デバイスと使用するための物品は、マウスピースを含んでもよい。エアロゾル化可能な材料を収容するための領域は、エアロゾル化可能な材料を貯蔵するための貯蔵領域であってもよい。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料を収容するための領域は、エアロゾル発生領域から離れてもよい、あるいは組み合わされてもよい。
【0076】
したがって、動力源と、エアロゾル発生部品と、制御回路とを含み、制御回路は、エアロゾル発生材に適用されるように少なくとも所定のエアロゾル化様式および可変エアロゾル化期間からなる選択肢を提供するために動力源およびエアロゾル発生部品を制御するために配されたエアロゾル供給システムについて説明してきた。
【0077】
エアロゾル供給システムは、タバコ産業製品、例えば非燃焼系エアロゾル供給システムに使用してもよい。
【0078】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は、ヒーターおよびエアロゾル化可能な基材などの非燃焼系エアロゾル供給システムの1つ以上の構成部品を含む。
【0079】
1つの実施態様ではエアロゾル供給システムは、ベイピングデバイスとしても知られている電子タバコである。
【0080】
1つの実施態様では電子タバコは、ヒーターと、ヒーターに電力を供給することができる動力源と、液体またはゲルなどのエアロゾル化可能な基材と、ハウジングと、必要であればマウスピースとを含む。
【0081】
1つの実施態様ではエアロゾル化可能な基材は、基材容器内または上に含まれる。1つの実施態様では基材容器は、ヒーターと組み合わされるまたはヒーターを含む。
【0082】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は、基材を熱するが燃やさずに1つ以上の化合物を放出する加熱製品である。基材は、エアロゾル化可能な材料であり、例えばタバコまたはニコチンを含むまたは含まない他の非タバコ製品であってもよい。一つの実施態様では加熱装置製品はタバコ加熱製品である。
【0083】
1つの実施態様では加熱製品は電子デバイスである。
【0084】
1つの実施態様ではタバコ加熱製品は、ヒーターと、ヒーターに電力を供給することができる動力源と、固体またはゲル材料などのエアロゾル化可能な基材とを含む。
【0085】
1つの実施態様では加熱製品は非電子物品である。
【0086】
1つの実施態様では加熱製品は、固体またはゲル材料などのエアロゾル化可能な基材と、電子手段無しにエアロゾル化可能な基材に熱エネルギーをチャコールなどの燃焼材を燃やすことによって供給できる熱源とを含む。
【0087】
1つの実施態様ではまた加熱製品は、エアロゾル化可能な基材を熱することによって発生するエアロゾルをろ過できるフィルターも含む。
【0088】
一部の実施態様ではエアロゾル化可能な基材は、エアロゾルまたはエアロゾル発生剤またはグリセロール、プロピレングリコール、トリアセチンまたはジエチレングリコールなどの湿潤剤を含んでもよい。
【0089】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は基材を組あわせたものを燃やさずに加熱することによってエアロゾル発生させるハイブリッドシステムである。基材は、例えば固体、液体またはゲルを含んでもよく、これらはニコチンを含んでも含まなくてもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材と固体基材とを含んでもよい。固体基材は、例えばタバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材とタバコを含んでもよい。
【0090】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れた電子エアロゾル供給システムを提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
図2
図3A
図3B
図4