(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】コンタクトイメージセンサ
(51)【国際特許分類】
H04N 1/031 20060101AFI20240229BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
H04N1/031
H04N1/04 101
(21)【出願番号】P 2022562356
(86)(22)【出願日】2021-07-27
(86)【国際出願番号】 CN2021108711
(87)【国際公開番号】W WO2022057448
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2022-10-11
(31)【優先権主張番号】202010966228.1
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522397949
【氏名又は名称】威▲海▼▲華▼菱光▲電▼股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】WEIHAI HUALING OPTO‐ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO. 179, KEJI ROAD, HI‐TECH. IDZ WEIHAI, SHANDONG 264209, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】姜 利
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼ ▲暁▼▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】林 永▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】戴 朋▲飛▼
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-246724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/024- 1/207
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の走査される表面に対応するように使用される、予め設けられた走査面を有するコンタクトイメージセンサであって、
光源制御信号LRDT及びラインスキャン制御信号TRIG1を自己発生するためのタイミング発生回路と、
前記原稿を照射するための光源と、
前記光源から発した光が前記原稿で反射した反射光を集光し、前記反射光を光電変換チップに発射させるためのレンズと、
受信した光信号を電気信号に変換するための
前記光電変換チップと、
被検出物を搬送するエンコーダが発するトリガーパルスTRIGに応じて、前記光電変換チップから出力される電気信号を受信して処理するデータ処理ユニットと、を含む、コンタクトイメージセンサ。
【請求項2】
前記データ処理ユニットは、
前記光電変換チップから出力される電気信号をその都度記憶するためのメモリと、
前記光電変換チップから出力される電気信号を増幅するための増幅器と、
前記増幅器によって増幅された電気信号を受信して処理
することによって生成された画像情報を外部に出力するための処理センターと、
処理センターから出力される画像情報を受信して表示するディスプレイと、を含む、請求項1に記載のコンタクトイメージセンサ。
【請求項3】
前記イメージセンサ
によって走査される対象物である外部の被検出物の移動速度に合わせて、トリガーパルスTRIGに応じてデータ処理ユニットによってデータを処理して出力する、請求項1に記載のコンタクトイメージセンサ。
【請求項4】
前記イメージセンサは、タイミング発生回路によって、固定のライン周期を有するラインスキャン制御信号と固定の点灯時間を有する光源の点灯制御信号とを自己生成する、請求項1に記載のコンタクトイメージセンサ。
【請求項5】
前記タイミング発生回路が自己生成した固定のライン周期を有するラインスキャン制御信号は、プロダクトスキャンのタイミングの需要を満たす必要がある、請求項1に記載のコンタクトイメージセンサ。
【請求項6】
前記データ処理ユニットは、被検出物を搬送するエンコーダが発するトリガーパルスTRIGに応じて、TRIG信号における各ライン周期に対応する、タイミング発生回路の自己生成したラインスキャン制御信号におけるそのラインの光電変換チップがデータ処理ユニットに伝送されたデータを処理して出力し、
前記イメージセンサによって走査される対象物である外部の被検出物の移動速度に合わせる、請求項1に記載のコンタクトイメージセンサ。
【請求項7】
前記タイミング発生回路は、光源の点灯制御信号を制御しなくてもよく、すなわち、光源は点灯のオン・オフの調節を行わず、常に点灯したままであるようにする、請求項1に記載のコンタクトイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサの技術分野に属し、特にコンタクトイメージセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
先行技術において、既存のコンタクトイメージセンサの構成ブロック図は、
図1に示すように、光源と、レンズと、光電変換チップと、データ処理ユニットと、データ出力部とから構成されている。イメージセンサは、外部の被検出物の移動速度に合わせるために被検出物を搬送するモータやエンコーダ等によって発信されるトリガーパルスTRIGを走査し、光源から発した光が原稿に照射され、原稿における画像や文字などによって反射光や透過光が生成され、これらの反射光や透過光はまたレンズを通過して光電変換チップに照射され、光電変換チップは受信した光信号を電気信号に変換し、データ処理ユニットで処理されてデータ出力部によってデータが出力される。
【0003】
光電変換チップから出力される電気信号の大きさSIGは、主に光電変換チップの感光出力SIG_ledと、光電変換チップの暗電流出力SIG_darkとの2つの部分から構成されており、ただし、SIG=led+SIG_darkになり、
図2に示すように、時間の長さを量る時間軸TIMEが追加され、例えば、n-1行目のライン周期の長さはT
n-1であり、n行目のライン周期の長さはT
nであり、n+1行目のライン周期の長さはT
n+1であり、n+2行目のライン周期の長さはT
n+2であり、光電変換チップの出力はインターレース出力であり、つまり前の行の走査が次の行に出力される。
【0004】
光電変換チップの感光出力SIG_ledのn-1行目の感光出力はVsn-1としてn行目において出力され、n行目の光電変換チップの感光出力はVsnとしてn+1行目において出力され、n+1行目の光電変換チップの感光出力はVsn+1としてn+2行目において出力され、Vsn-1、Vsn、Vsn+1の値の大きさは主に光源の発光時間に関係するものであり、その1ラインあたりの光照射時間はそれぞれラインスキャン周期Tn-1、Tn、Tn+1であり、ラインスキャン周期Tn-1、Tn、Tn+1は被検出物を搬送する速度の変化によって変化するため、Vsn-1、Vsn、Vsn+1がそれぞれ異なる。
【0005】
光電変換チップの暗電流出力SIG_darkのn-1行目の暗電流出力はVdn-1としてn行目において出力され、n行目の光電変換チップの暗電流出力はVdnとしてn+1行目において出力され、n+1行目の光電変換チップの暗電流出力はVdn+1としてn+2行目において出力され、暗電流の大きさはライン周期の時間の長さに関係するものであり、ライン周期の時間が長いほど暗電流は大きくなり、よって、形成される暗電圧が高くなり、その1ラインあたりのラインスキャン周期はそれぞれTn-1、Tn、Tn+1であり、ラインスキャン周期Tn-1、Tn、Tn+1は被検出物を搬送する速度の変化によって変化するため、Vdn-1、Vdn、Vdn+1がそれぞれ異なる。
【0006】
以上のように、各行の感光出力と暗電圧が異なり、且つランダムであることにより、イメージセンサに対する補正が不可能になり、光電変換チップの感度、ダイナミックレンジ、1ラインあたりの出力変動に深刻な影響を与え、画像認識に影響を与える。極端な場合、被検出物を搬送する速度が遅すぎてライン周期が長すぎになれば、暗電圧が高すぎになり、暗電圧が限界値に達して光電変換チップが飽和状態になり、光信号を全く受信できなくなるので、新しいコンタクトイメージセンサの開発が急務となっていたのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術課題は、先行技術の欠点を克服するために、被検出物の速度変化による感度、ダイナミックレンジ、ライン出力の変化が生じて画像認識に影響を与えることがないコンタクトイメージセンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術課題を解決するために、本発明が採用する技術案は、原稿の走査される表面に対応するように使用される、予め設けられた走査面を有するコンタクトイメージセンサであって、光源制御信号LRDT及びラインスキャン制御信号TRIG1を自己発生するためのタイミング発生回路と、前記原稿を照射するための光源と、前記光源から発した光が前記原稿で反射した反射光を集光し、前記反射光を光電変換チップに発射させるためのレンズと、受信した光信号を電気信号に変換するための光電変換チップと、被検出物を搬送するエンコーダが発するトリガーパルスTRIGに応じて、前記光電変換チップから出力される電気信号を受信して処理するデータ処理ユニットと、を含むコンタクトイメージセンサである。
【0009】
好ましくは、前記データ処理ユニットは、前記光電変換チップから出力される電気信号をその都度記憶するためのメモリと、前記光電変換チップから出力される電気信号を増幅するための増幅器と、前記増幅器によって増幅された電気信号を受信して処理し、画像情報を外部に出力するための処理センターと、処理センターから出力される画像情報を受信して表示するディスプレイと、を含む。
【0010】
好ましくは、前記イメージセンサは、外部の被検出物の移動速度に合わせて、トリガーパルスTRIGに応じてデータ処理ユニットによってデータを処理して出力する。
【0011】
好ましくは、前記イメージセンサは、タイミング発生回路によって、固定のライン周期を有するラインスキャン制御信号と固定の点灯時間を有する光源の点灯制御信号とを自己生成する。
【0012】
好ましくは、前記タイミング発生回路が自己生成した固定のライン周期を有するラインスキャン制御信号は、プロダクトスキャンのタイミングの需要を満たす必要がある。
【0013】
好ましくは、前記データ処理ユニットは、被検出物を搬送するエンコーダが発するトリガーパルスTRIGに応じて、TRIG信号における各ライン周期に対応する、タイミング発生回路の自己生成したラインスキャン制御信号におけるそのラインの光電変換チップがデータ処理ユニットに伝送されたデータを処理して出力し、外部の被検出物の移動速度に合わせる。
【0014】
好ましくは、前記タイミング発生回路は、光源の点灯制御信号を制御しなくてもよく、すなわち、光源は点灯のオン・オフの調節を行わず、常に点灯したままであるようにする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、先行技術と比較して、以下のような有益な効果を奏する。
【0016】
本発明に係るコンタクトイメージセンサは、タイミング発生回路と、光源と、レンズと、光電変換チップと、データ処理ユニットとを含み、光源から発した光が原稿に照射され、原稿における画像や文字などによって反射光や透過光が生成され、反射光や透過光はまたレンズを通過して光電変換チップに照射され、光電変換チップは受信した光信号を電気信号に変換し、データ処理ユニットで処理されてデータが出力され、イメージセンサは、外部の被検出物の移動速度に合わせるために被検出物を搬送するモータやエンコーダ等によって発信されるトリガーパルスTRIGを走査し、本発明に係る光電変換チップから出力される電気信号SIGは、外部の被検出物の移動速度の変化によって変化せず、前記コンタクトイメージセンサは、外部の被検出物の移動速度に合わせたのみならず、コンタクトイメージセンサの出力も外部の被検出物の移動速度の変化によって変化することなく、それに、コンタクトイメージセンサの暗電流を仕様範囲内に制御することができ、イメージセンサの出力安定性とダイナミックレンジと感度とを確保している。以下に、添付図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】先行技術におけるコンタクトイメージセンサの構造模式図である。
【
図2】先行技術におけるコンタクトイメージセンサの出力タイミング図である。
【
図3】本発明の実施例1に係るコンタクトイメージセンサの構造模式図である。
【
図4】本発明の実施例1に係るコンタクトイメージセンサの出力タイミング図である。
【
図5】本発明の実施例2に係るコンタクトイメージセンサの構造模式図である。
【
図6】本発明の実施例2に係るコンタクトイメージセンサの出力タイミング図である。
【
図7】本発明の実施例3に係るコンタクトイメージセンサの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下では本発明の実施例における図面を結合して、本発明の実施例における技術案を明瞭で、完全に説明する。説明する実施例が本発明の一部の実施例に過ぎなく、全ての実施例ではないことは明らかであり、本発明における実施例に基づいて、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに得られる全ての他の実施例は、全て本発明の保護範囲に属する。
【0019】
図3は本発明の実施例1に係るコンタクトイメージセンサの構造模式図である。
図3に示すように、原稿の走査される表面に対応するように使用される、予め設けられた走査面を有するコンタクトイメージセンサであって、前記コンタクトイメージセンサは、
光源制御信号LRDTとラインスキャン制御信号TRIG1を自己発生するためのタイミング発生回路1と、
前記原稿を照射するための光源2と、
前記光源から発した光が前記原稿で反射した反射光を集光し、前記反射光を光電変換チップに発射させるためのレンズ3と、
受信した光信号を電気信号に変換するための光電変換チップ4と、
被検出物を搬送するエンコーダが発するトリガーパルスTRIGに応じて、前記光電変換チップから出力される電気信号を受信して処理するデータ処理ユニット5と、を含む。
【0020】
さらに、前記イメージセンサは、外部の被検出物の移動速度に合わせ、タイミング発生回路1によってトリガーパルスTRIGに合わせるのではなく、トリガーパルスTRIGに応じてデータ処理ユニットによってデータを処理して出力する。
【0021】
さらに、イメージセンサの走査はトリガーパルスTRIGに同期しておらず、即ち、タイミング発生回路1は、トリガーパルスTRIGに応じて光源制御モデルや光電変換チップのラインスキャン制御信号を生成するのではなく、タイミング発生回路1によって固定のライン周期を有するラインスキャン制御信号TRIG1と固定の点灯時間を有する光源2の点灯制御信号LEDTとを自己生成する。
【0022】
さらに、前記タイミング発生回路1が自己生成した固定のライン周期を有するラインスキャン制御信号は、プロダクトスキャンのタイミングの需要を満たす必要がある。
【0023】
さらに、前記データ処理ユニット5は、被検出物を搬送するエンコーダが発するトリガーパルスTRIGに応じて、TRIG信号における各ライン周期に対応する、タイミング発生回路1の自己生成したラインスキャン制御信号におけるそのラインの光電変換チップがデータ処理ユニット5に伝送されたデータを処理して出力し、外部の被検出物の移動速度に合わせる。
【0024】
具体的には、光源2から発した光が原稿に照射され、原稿における画像や文字などによって反射光や透過光が生成され、反射光や透過光はまたレンズ3を通過して光電変換チップ4に照射され、光電変換チップ4は受信した光信号を電気信号に変換し、データ処理ユニット5で処理されてデータが出力され、イメージセンサは、外部の被検出物の移動速度に合わせるために被検出物を搬送するモータやエンコーダ等によって発信されるトリガーパルスTRIGを走査する。
【0025】
図4は本実施例の出力タイミング図である。
図4に示すように、光電変換チップ4のラインスキャン制御信号TRIG1は、1ライン周期あたりの時間の長さが同じであり、トリガーパルスはn-1行目、n行目、n+1行目、n+2を生成し、タイミング発生回路1はラインスキャン制御信号TRIG1を自己生成し、TRIG1においてはa行目、a+1行目、a+2行目、a+3行目、a+4行目、a+5行目があり、両者のライン周期の時間の長さが同じくTとなり、タイミング発生回路1は光源制御信号LRDTを自己生成し、光源がa行目、a+1行目、a+2行目、a+3行目、a+4行目、a+5行目のライン周期内において光源の点灯時間がすべてT
onとなるように制御する。
【0026】
光電変換チップ4から出力される電気信号の大きさSIGは、主に光電変換チップ4の感光出力SIG_ledと、光電変換チップ4の暗電流出力SIG_darkとの2つの部分から構成されており、即ちSIG=SIG_led+SIG_darkになる。
【0027】
具体的には、前記光電変換チップ4の感光出力SIG_ledについて、a-1行目において採集した信号はa行目においてVsa-1として出力され、a行目において採集した信号はa+1行目においてVsaとして出力され、a+1行目において採集した信号はa+2行目においてVsa+1として出力され、a+2行目において採集した信号はa+3行目においてVsa+2として出力され、a+3行目において採集した信号はa+4行目においてVsa+3として出力され、a+4行目において採集した信号はa+5行目においてVsa+4として出力され、a行目、a+1行目、a+2行目、a+3行目、a+4行目、a+5行目の周期内において光源の点灯時間はいずれもTonであるため、Vsa-1=Vsa=Vsa+1=Vsa+2=Vsa+3=Vsa+4=Vsa+5=VsaTonになる。
【0028】
具体的には、前記光電変換チップ4の暗電流出力SIG_darkについて、a-1行目における暗電流はa行目においてVda-1として出力され、a行目における暗電流はa+1行目においてVdaとして出力され、a+1行目における暗電流はa+2行目においてVda+1として出力され、a+2行目における暗電流はa+3行目においてVda+2として出力され、a+3行目における暗電流はa+4行目においてVda+3として出力され、a+4行目における暗電流はa+5行目においてVda+4として出力され、a行目、a+1行目、a+2行目、a+3行目、a+4行目、a+5行目のライン周期の時間は固定であるため、Vda-1=Vda=Vda+1=Vda+2=Vda+3=Vda+4=VdTになり、また、タイミング発生回路1は、光電変換チップ1の暗電流出力SIG_darkが製品仕様内において制御可能となるようにライン周期の時間Tを制御することができ、光電変換チップ4が飽和することなく、良好な感度を有するようにする。
【0029】
以上により、光電変換チップ4から出力される電気信号の大きさはSIG=SIG_led+SIG_darkとなり、外部の被検出物の移動速度の変化により変化しない。
【0030】
前記データ処理ユニット5は、外部のトリガーパルスTRIGに応じて、TRIG信号における各ライン周期に対応する、タイミング発生回路1の自己生成したラインスキャン制御信号TRIG1におけるそのラインの光電変換チップ4がデータ処理ユニット5に伝送されたデータを処理して出力し、外部の被検出物の移動速度に合わせる。例えば、TRIGにおいては、n-1行目、n行目、n+1行目、n+2行目に分かれ、それぞれタイミング発生回路1の自己生成したTRIG1におけるa行目、a+2行目、a+3行目、a+5行目に対応し、a行目、a+2行目、a+3行目、a+5行目の光電変換チップ4から出力される電気信号の大きさSIGはいずれも同じであるため、本実施例におけるコンタクトイメージセンサは、外部の被検出物の移動速度に合わせたのみならず、コンタクトイメージセンサの出力も外部の被検出物の移動速度の変化によって変化しない。それに、コンタクトイメージセンサの暗電流を仕様範囲内に制御することができる。
【0031】
要約すると、外部の被検出物の移動速度の変化により、n-1行目、n行目、n+1行目、n+2行目のライン周期の時間の長さTn-1、Tn、Tn+1、Tn+2がそれぞれ異なるが、本実施例によれば、n-1行目、n行目、n+1行目、n+2行目のコンタクトイメージセンサの出力が同じとなり、それに、コンタクトイメージセンサの暗電流を仕様範囲内に制御することができ、メージセンサーの出力安定性とダイナミックレンジと感度とを確保している。
【0032】
図5は本発明の実施例2に係るコンタクトイメージセンサの構造模式図である。
図5に示すように、イメージセンサは、外部の被検出物の移動速度に合わせ、タイミング発生回路1によってトリガーパルスTRIGに合わせるのではなく、トリガーパルスTRIGに応じてデータ処理ユニットによってデータを処理して出力する。イメージセンサの走査はトリガーパルスTRIGに同期しておらず、即ち、タイミング発生回路1は、トリガーパルスTRIGに応じて光電変換チップ4のラインスキャン制御信号を生成するのではなく、タイミング発生回路1によって固定のライン周期を有するラインスキャン制御信号TRIG1を自己生成するとともに、タイミング発生回路1は、光源制御信号LEDTを生成せず、即ち光源2は点灯のオン・オフの調節を行わず、常に点灯したままである。
【0033】
図6は本実施例の出力タイミング図である。
図6に示すように、光電変換チップ4のラインスキャン制御信号TRIG1は、1ライン周期あたりの時間の長さが同じであり、トリガーパルスはn-1行目、n行目、n+1行目、n+2行目を生成し、タイミング発生回路1はラインスキャン制御信号TRIG1を自己生成し、TRIG1においてはa行目、a+1行目、a+2行目、a+3行目、a+4行目、a+5行目があり、両者のライン周期の時間の長さが同じくTとなり、光電変換チップ4から出力される電気信号の大きさSIGは、主に光電変換チップ4の感光出力SIG_ledと、光電変換チップ4の暗電流出力SIG_darkとの2つの部分から構成されており、即ちSIG=SIG_led+SIG_darkになる。
【0034】
具体的には、前記光電変換チップ4の感光出力SIG_ledについて、a-1行目において採集した信号はa行目においてVsa-1として出力され、a行目において採集した信号はa+1行目においてVsaとして出力され、a+1行目において採集した信号はa+2行目においてVsa+1として出力され、a+2行目において採集した信号はa+3行目においてVsa+2として出力され、a+3行目において採集した信号はa+4行目においてVsa+3として出力され、a+4行目において採集した信号はa+5行目においてVsa+4として出力され、a行目、a+1行目、a+2行目、a+3行目、a+4行目、a+5行目の周期内において光源は常に点灯したままであるため、このように、1ラインあたりの光源の点灯時間はいずれもライン周期Tであり、そのため、Vsa-1=Vsa=Vsa+1=Vsa+2=Vsa+3=Vsa+4=Vsa+5=VsTになる。
【0035】
具体的には、前記光電変換チップ4の暗電流出力SIG_darkについて、a-1行目における暗電流はa行目においてVda-1として出力され、a行目における暗電流はa+1行目においてVdaとして出力され、a+1行目における暗電流はa+2行目においてVda+1として出力され、a+2行目における暗電流はa+3行目においてVda+2として出力され、a+3行目における暗電流はa+4行目においてVda+3として出力され、a+4行目における暗電流はa+5行目においてVda+4として出力され、a-1行目、a行目、a+1行目、a+2行目、a+3行目、a+4行目、a+5行目のライン周期の時間はいずれもTとして固定されるため、Vda-1=Vda=Vda+1=Vda+2=Vda+3=Vda+4=VdTになり、また、タイミング発生回路1は、光電変換チップ1の暗電流出力SIG_darkが製品仕様内において制御可能となるようにライン周期の時間Tを制御することができ、光電変換チップ4が飽和することなく、良好な感度を有するようにする。
【0036】
以上により、光電変換チップ4から出力される電気信号の大きさはSIG=SIG_led+SIG_darkとなり、外部の被検出物の移動速度の変化により変化しない。
【0037】
前記データ処理ユニット5は、外部のトリガーパルスTRIGに応じて、TRIG信号における各ライン周期に対応する、タイミング発生回路1の自己生成したラインスキャン制御信号TRIG1におけるそのラインの光電変換チップ4がデータ処理ユニット5に伝送されたデータを処理して出力し、外部の被検出物の移動速度に合わせる。例えば、TRIGにおいては、n-1行目、n行目、n+1行目、n+2行目に分かれ、それぞれタイミング発生回路1の自己生成したTRIG1におけるa行目、a+2行目、a+3行目、a+5行目に対応し、a行目、a+2行目、a+3行目、a+5行目の光電変換チップ4から出力される電気信号の大きさSIGはいずれも同じであるため、本実施例におけるコンタクトイメージセンサは、外部の被検出物の移動速度に合わせたのみならず、コンタクトイメージセンサの出力も外部の被検出物の移動速度の変化によって変化することなく、それに、コンタクトイメージセンサの暗電流を仕様範囲内に制御することができる。
【0038】
要約すると、外部の被検出物の移動速度の変化により、n-1行目、n行目、n+1行目、n+2行目のライン周期の時間の長さTn-1、Tn、Tn+1、Tn+2がそれぞれ異なるが、本実施例によれば、n-1行目、n行目、n+1行目、n+2行目のコンタクトイメージセンサの出力が同じとなり、それに、コンタクトイメージセンサの暗電流を仕様範囲内に制御することができ、メージセンサーの出力安定性とダイナミックレンジと感度とを確保している。
【0039】
図7は本発明の実施例3に係るコンタクトイメージセンサの構造模式図である。
図7に示すように、前記データ処理ユニット5は、
前記光電変換チップから出力される電気信号をその都度記憶するためのメモリ51と、
前記光電変換チップから出力される電気信号を増幅するための増幅器52と、
前記増幅器によって増幅された電気信号を受信して処理し、画像情報を外部に出力するための処理センター53と、
処理センターから出力される画像情報を受信して表示するディスプレイ54と、を含む。
【0040】
上記実施例においては、各実施例に対する説明について、着目点がそれぞれであり、ある実施例で詳述していない部分は、他の実施例の関連する説明を参照することが可能である。
【0041】
上記の方法、装置およびシステムにおける関連する特徴は、相互参照できることが理解されるであろう。また、上記実施例における「第1」、「第2」等の用語は、各実施例を区別するためのものであり、各実施例の優劣を意味するものではない。
【0042】
当業者には、説明の便宜および簡潔さのために、上述説明したシステム及びモジュールの具体的な作業プロセスは、前述の方法の実施例における対応するプロセスを参照することができ、ここでは繰り返さないことは明らかであろう。
【0043】
ここで提供されるアルゴリズムや表示は、特定のコンピュータ、仮想システム、その他のデバイスと本質的に関連するものではない。また、ここをベースとしたティーチインと合わせて、様々なユニバーサルシステムを利用することも可能である。このような装置を構成するために必要な構造は、上記の説明から明らかである。さらに、本発明は特定のプログラミング言語に特化したものではない。ここで説明された本発明の内容は、様々なプログラミング言語を利用することで実現でき、且つ特定の言語に対する上記の説明は、本発明の最良の実施形態を開示することを意図していることを理解されたい。
【0044】
本願で提供される実施例において、開示されるシステムおよび方法は、他の方法で実現することができることを理解されたい。上述したシステムの実施形態は、単に例示的なものであり、例えば、前記モジュールの区画は、論理的な機能区画に過ぎず、実際の実現では別の区画方式があり、また、例えば、いくつかのモジュールまたはコンポーネントを組み合わせることができ、または別のシステムに統合でき、あるいは一部の特徴を無視し、または実行しないことが可能である。別の点では、表示または議論された相互結合または直接結合または通信接続は、何らかの通信インタフェース、装置又はユニットを介した間接結合又は通信接続であってよく、電気的、機械的又はその他の形式であってよい。
【0045】
別個の部品として説明された前記モジュールは、物理的に別個であってもなくてもよく、モジュールとして表示される部品は、物理的なユニットであってもなくてもよく、すなわち、一箇所に配置されていてもよいし、複数のネットワークユニットに分散して配置されていてもよい。これらのユニットの一部または全部は、本実施例のソリューションの目的を達成するために実用上の必要性に応じて選択することができる。
【0046】
最後に説明すべきことは、上記の各実施例は本発明の技術案を説明するためのものに過ぎなく、それらを限定するものではない。前記した各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、前記した各実施例に記載された技術案を変更するか、またはそのうちの一部またはすべての技術特徴を同等に置き換えることが可能であることを理解されたい。それに、これらの変更または置き換えは、対応する技術案の本質を本発明の各実施例の技術案の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0047】
1 タイミング発生回路
2 光源
3 レンズ
4 光電変換チップ
5 データ処理ユニット
51 メモリ
52 増幅器
53 処理センター
54 ディスプレイ