(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】航空機防除雪氷を自動化及び構成するための方法、プロセス及びシステム
(51)【国際特許分類】
B64D 15/20 20060101AFI20240229BHJP
B64F 5/20 20170101ALI20240229BHJP
【FI】
B64D15/20
B64F5/20
(21)【出願番号】P 2022574696
(86)(22)【出願日】2021-06-04
(86)【国際出願番号】 CA2021050768
(87)【国際公開番号】W WO2021243466
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-02-15
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】323004385
【氏名又は名称】ジェイカイ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル、ジェフリー ポール
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0081141(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0075436(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0082435(US,A1)
【文献】米国特許第05318254(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0166752(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0183105(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 15/20
B64F 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機防除雪氷を自動化する方法であって、
航空機防除雪氷のための処置計画を生成することと、
前記航空機に関連付けられたパイロットからの前記処置計画に関する入力のために、前記処置計画を前記航空機に関連付けられたパイロット・モジュールに通信することと、
前記パイロットからの前記入力に基づいて前記処置計画をアップデートすることと、
前記アップデートされた処置計画を、前記アップデートされた処置計画の実行のために少なくとも1つの防除雪氷車両に送信することと、
を含み、
前記航空機防除雪氷のための処置計画を生成することは、
未来の天候パターンを決定するために天候情報を受信又は索出することを含
み、
前記処理計画は、前記未来の天候パターンに基づいて生成される、方法。
【請求項2】
前記航空機防除雪氷のための処置計画を生成する前に航空機防除雪氷の要求を受信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記航空機防除雪氷のための処置計画を生成した後に航空機防除雪氷の要求を受信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記処置計画を生成することは、
METAR又はナウキャストから天候情報を受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記処置計画をアップデートすることは、
前記航空機防除雪氷を実行するための物理的位置を決定することであって、前記物理的位置は、ゲート位置、エプロン位置又は指定除雪氷施設(DDF)であることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記物理的位置がゲート位置である場合、前記アップデートされた処置計画を、前記アップデートされた処置計画の実行のために少なくとも1つの防除雪氷車両に送信することは、前記ゲート位置を前記少なくとも1つの防除雪氷車両に送信することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記物理的位置がDDFである場合、前記方法は、
前記航空機を前記航空機の現在の位置から前記DDFまで誘導することを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記航空機を前記航空機の現在の位置から前記DDFまで誘導することは、
誘導路インセット誘導灯を制御することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記航空機を前記航空機の現在の位置から前記DDFまで誘導することは、
電光掲示板(EMB)を介して前記パイロットにメッセージを送信することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記航空機除雪氷プロセスが開始した後、
前記少なくとも1つの防除雪氷車両から防除雪氷プロセス・アップデートを受信し、
前記防除雪氷プロセス・アップデートをパイロット・アプリケーションに送信することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
除雪氷プロセス・アップデートを受信することは、
前記少なくとも1つの防除雪氷車両からリアルタイム・ビデオを受信することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記防除雪氷プロセス・アップデートを送信することは、
前記リアルタイム・ビデオを前記パイロット・アプリケーションに送信することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記防除雪氷プロセス・アップデートを電光掲示板に送信することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
航空機がいつブレーキをかけたかを特定することと、
前記少なくとも防除雪氷車両に、前記車両の進行が安全であるというメッセージを送信することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの防除雪氷車両から、前記防除雪氷処置が完了したこと、及び前記少なくとも1つの防除雪氷車両が安全ゾーン内にいることの確認を受信することと、
前記パイロット・モジュールを介して、前記航空機が離陸に進んでよいという信号をパイロットに送信することとを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも防除雪氷車両に、前記車両の進行が安全であるというメッセージを送信した後、前記除雪氷モジュールに前記システムの制御を送信することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの防除雪氷車両から、前記防除雪氷処置が完了したこと、及び前記少なくとも1つの防除雪氷車両が安全ゾーン内にいることの確認を受信した後、前記システムの制御を受信することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
航空機防除雪氷のための処置計画を生成させ、
前記航空機に関連付けられたパイロットからの前記処置計画に関する入力のために、前記処置計画を前記航空機に関連付けられたパイロット・モジュールに通信させ、
前記パイロットからの前記入力に基づいて前記処置計画をアップデートさせ、
前記アップデートされた処置計画を、前記アップデートされた処置計画の実行のために少なくとも1つの防除雪氷車両に送信させる、ソフトウェア命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記航空機防除雪氷のための処置計画を生成することは、
未来の天候パターンを決定するために天候情報を受信又は索出することを含
み、
前記処理計画は、前記未来の天候パターンに基づいて生成される、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年6月4日に出願された米国仮特許出願第63/034,680号、2020年6月23日に出願された同第63/042,720号、及び2021年4月8日に出願された同第63/172,396号の優先権を主張するものである。また、これらは参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、包括的には、航空産業を対象とし、より詳細には、航空機除雪氷を自動化し、構成するための方法及びシステムを対象とする。
【背景技術】
【0003】
航空産業において、航空機を定刻通りに保つ能力は重要なタスクである。これは、天候が良い間はより容易であり得るが、冬季には、天候が通常、出発予定時間に影響を及ぼす。この理由のうちの1つは、航空機が、航空機の羽根及び胴体に積もった氷を除去するために防除雪氷プロセスを受ける必要があることである。しかしながら、空港内等の単数又は複数の除雪氷施設内の除雪氷ベイの数は、通常、任意の或る時点に離陸の準備をしている航空機の数よりもはるかに少ない。したがって、空港内の航空機のための防除雪氷プロセスを容易にするために、これらの航空機を管理する必要がある。
【0004】
したがって、航空機防除雪氷を自動化及び構成するための方法及びシステムが提供される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、航空機防除雪氷を自動化及び構成するための方法及びシステムを対象とする。1つの実施例において、システムは、航空機のための(自動化されたリモートの)除雪氷サービスを容易にし、協調させるために、上表視野からの環境を表すグラフィックを用いる。別の実施例では、システムは、空港における防除雪氷プロセスを通じて航空機(又はパイロット)に指示する複数の分散処理ユニットを備える。
【0006】
本開示の1つの態様において、航空機防除雪氷を自動化する方法が提供され、本方法は、航空機防除雪氷のための処置計画を生成することと、航空機に関連付けられたパイロットからの処置計画に関する入力のために、処置計画を航空機に関連付けられたパイロット・モジュールに通信することと、パイロットからの入力に基づいて処置計画をアップデートすることと、アップデートされた処置計画を、アップデートされた処置計画の実行のために少なくとも1つの防除雪氷車両に送信することとを含み、航空機防除雪氷のための処置計画を生成することは、天候情報を受信又は索出することを含む。
【0007】
別の態様では、本方法は、航空機防除雪氷のための処置計画を生成する前に航空機防除雪氷の要求を受信することを更に含む。また更なる態様では、本方法は、航空機防除雪氷のための処置計画を生成した後に航空機防除雪氷の要求を受信することを含む。更に別の態様では、処置計画を生成することは、METAR又はナウキャストから天候情報を受信することを含む。別の態様では、治療計画をアップデートすることは、航空機防除雪氷を実行するための物理的位置を決定することを含み、物理的位置は、ゲート位置、エプロン位置又は指定除雪氷施設(DDF:de-icing facility)である。更なる態様では、物理的位置がゲート位置である場合、アップデートされた処置計画を、アップデートされた処置計画の実行のために少なくとも1つの防除雪氷車両に送信することは、ゲート位置を少なくとも1つの防除雪氷車両に送信することを含む。また更なる態様では、物理的位置がDDFである場合、本方法は、航空機を、航空機の現在の位置からDDFまで誘導することを更に含む。一態様では、航空機を、航空機の現在の位置からDDFまで誘導することは、誘導路インセット誘導灯を制御することを含む。別の態様では、航空機を、航空機の現在の位置からDDFまで誘導することは、電光掲示板(EMB:electronic message board)を介してメッセージをパイロットに送信することを含む。更なる態様では、航空機除雪氷プロセスが開始した後、少なくとも1つの防除雪氷車両から防除雪氷プロセス・アップデートを受信すること及び防除雪氷プロセス・アップデートをパイロット・アプリケーションに送信すること。
【0008】
別の態様では、除雪氷プロセス・アップデートを受信することは、少なくとも1つの防除雪氷車両からリアルタイム・ビデオを受信することを含む。更なる態様では、防除雪氷プロセス・アップデートを送信することは、リアルタイム・ビデオをパイロット・アプリケーションに送信することを含む。別の態様では、防除雪氷プロセス・アップデートを電光掲示板に送信することを更に含む。更に別の態様では、本方法は、航空機がいつブレーキをかけたかを特定することと、少なくとも防除雪氷車両に、車両の進行が安全であるというメッセージを送信することとを含む。また更なる態様では、本方法は、少なくとも1つの防除雪氷車両から、防除雪氷処置が完了したこと、及び少なくとも1つの防除雪氷車両が安全ゾーン内にいることの確認を受信することと、パイロット・モジュールを介して、航空機が離陸に進んでよいという信号をパイロットに送信することとを更に含む。別の態様では、本方法は、少なくとも防除雪氷車両に、車両の進行が安全であるというメッセージを送信した後、除雪氷モジュールにシステムの制御を送信することを更に含む。別の態様では、本方法は、少なくとも1つの防除雪氷車両から、防除雪氷処置が完了したこと、及び少なくとも1つの防除雪氷車両が安全ゾーン内にいることの確認を受信した後、システムの制御を受信することを更に含む。
【0009】
本開示の別の態様では、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、航空機防除雪氷のための処置計画を生成させ、航空機に関連付けられたパイロットからの処置計画に関する入力のために、処置計画を航空機に関連付けられたパイロット・モジュールに通信させ、パイロットからの入力に基づいて処置計画をアップデートさせ、アップデートされた処置計画を、アップデートされた処置計画の実行のために少なくとも1つの防除雪氷車両に送信させる、ソフトウェア命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体が提供され、航空機防除雪氷のための処置計画を生成することは、天候情報を受信又は索出することを含む。
【0010】
ここで、本開示の実施例が、添付の図面を参照して、単なる実例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2a】防除雪氷プロセスを制御する方法の概要を示すフローチャートである。
【
図2b】処置プラント・テンプレートを生成する方法のフローチャート方法である。
【
図3a】
図2aの方法に関連付けられた例示的なスクリーンショットである。
【
図3b】
図2aの方法に関連付けられた例示的なスクリーンショットである。
【
図3c】
図2aの方法に関連付けられた例示的なスクリーンショットである。
【
図3d】
図2aの方法に関連付けられた例示的なスクリーンショットである。
【
図3e】
図2aの方法に関連付けられた例示的なスクリーンショットである。
【
図3f】
図2aの方法に関連付けられた例示的なスクリーンショットである。
【
図3g】
図2aの方法に関連付けられた例示的なスクリーンショットである。
【
図3h】
図2aの方法に関連付けられた例示的なスクリーンショットである。
【
図3i】
図2aの方法に関連付けられた例示的なスクリーンショットである。
【
図3j】
図2aの方法に関連付けられた例示的なスクリーンショットである。
【
図3k】
図2aの方法に関連付けられた例示的なスクリーンショットである。
【
図3l】
図2aの方法に関連付けられた例示的なスクリーンショットである。
【
図5】処置計画を確立し、防除雪氷プロセスを制御する方法の別の実施例の概要を示すフローチャートである。
【
図9a】例示的な写真及びスクリーンショットである。
【
図9b】例示的な写真及びスクリーンショットである。
【
図9c】例示的な写真及びスクリーンショットである。
【
図9d】例示的な写真及びスクリーンショットである。
【
図9e】例示的な写真及びスクリーンショットである。
【
図9f】例示的な写真及びスクリーンショットである。
【
図9g】例示的な写真及びスクリーンショットである。
【
図9h】例示的な写真及びスクリーンショットである。
【
図9i】例示的な写真及びスクリーンショットである。
【
図9j】例示的な写真及びスクリーンショットである。
【
図9k】例示的な写真及びスクリーンショットである。
【
図10】セーフティゾーンを示すスクリーンショットの概略図である。
【
図13】防除雪氷プロセスを制御するためのシステムの別の実施例の概略図である。
【
図15】検出システムのデータフローの概略図である。
【
図17】検出システム・ディスプレイのスクリーンショットである。
【
図18】デジタル化された航空機モデルのスクリーンショットである。
【
図22】検出システムのための妨げられた視野の写真である。
【
図23】除雪氷車両カメラシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
航空機のための防除雪氷プロセスを容易にするために、本開示は、制御の中心点から防除雪氷プロセスを管理し、それによって、人物及び/又は電動機器が航空機をマーシャリングする必要性を低減し、場合によってはなくすためのシステム及び方法を提供する。以下の開示において、除雪氷という用語の使用は、防雪氷も含むことができる。
【0013】
図1を参照すると、航空機のための防除雪氷プロセスの自動制御のためのシステムの概略図が示されている。
【0014】
システム100は、航空機のための防除雪氷プロセスを制御し、協調させるためのシステムの除雪氷機能プラットフォーム、ICELINK(商標)プラットフォーム又は中心ハブとみなすことができる中央処理ユニット(CPU:central processing unit)102を含む。プラットフォーム102は、システム100の様々なモジュール又はアプリケーションと、他の外部アプリケーション、モジュール又はデバイスとの間の通信を協調させるためのアプリケーション又はモジュールとみなすこともできる。プラットフォーム102は、限定ではないが、パイロット、除雪氷オペレータ及び除雪氷コーディネータ等のシステムに関与する主な利害関係者間でアクション又は処置計画を協調させ、スケジューリングするためのシステムとみなすこともできる。CPU102内には、処置計画テンプレート及び/又は処置計画を開発又は生成するのを支援することができる処置計画エンジン104が存在することができる。
【0015】
1つの実施例において、システム100は、防除雪氷を要求している航空機108に関連付けられたパイロット・アプリケーション又はモジュール106を含むことができる。パイロットは、パイロット・アプリケーション106を介してプラットフォーム102と通信することができる。
【0016】
1つのみが示されているが、システムと通信している複数の航空機(又はパイロット)が存在する場合があり、各航空機がパイロット・アプリケーション106を備えることができることが理解される。1つの実施例において、パイロット・アプリケーション106は、航空機内に位置するスマートフォン、タブレット等のモバイル通信デバイスとみなすことができるパイロット・デバイス上に記憶することができるか、又は航空機の搭載プロセッサ上に記憶することができる。
【0017】
パイロット・モジュール106は、限定ではないが、防除雪氷の要求、防除雪氷の要求に関する処置計画の受信、及び防除雪氷プロセスが実行されている際に、航空機上で実行されている防除雪氷に関してCPU102からアップデートを受信すること等による、防除雪氷プロセスのアップデートの監視又は表示のために用いることができる。防除雪氷の要求の生成は、パイロット等のユーザからの入力を要求する場合があり、ユーザは、防除雪氷処置を要求する航空機のエリアを選択することができる。防除雪氷の要求は、航空機タイプ、航空機会社の名称及び/又は出発予定時間等の、航空機に関連付けられた他の情報も含むことができる。他の実施例では、システム102によってパイロットにデフォルト処置計画テンプレートを提供することができ、ここで、パイロットは、パイロットが防除雪氷処置を受けること、又は他の質問に応答すること、又は要求された情報を埋めることを望む航空機のエリアを選択することによって処置計画テンプレートをアップデートすることができる。パイロット・モジュールは、パイロットが、自身の航空機がゲート又は他の位置にある間、航空機コックピットから航空機の防除雪氷アクティビティを計画及び指定することを可能にする。
【0018】
他の実施例では、システムからの入力に基づいて、パイロット・モジュールは、限定ではないが、待ち行列内の時間、離陸までの時間、除雪氷車両の到着までの時間、及びホールドオーバータイム(HOT:Holdover Time)等のスケジュール情報を表示することができる。
【0019】
いくつかの実施例では、パイロット・アプリケーションは、パイロットEFB(電子フライトバッグ)の一部としてインストールされるソフトウェア、ファームウェア又はハードウェアを介して実施することができる。プロセッサ上で実施されるとき、モジュールは、パイロットが防除雪氷を要求及び計画することを可能にする。1つの実施例では、パイロットは(パイロット・アプリケーションを介して)システムにログインし、次に、CPUと通信して除雪氷及び/又は防雪氷サービスを要求する。
【0020】
システム100は、除雪氷コーディネータに関連付けられた除雪氷コーディネータ・アプリケーション又はモジュール110を更に含むことができる。プラットフォーム102とは別個に示されているが、コーディネータ・モジュール108は、プラットフォーム102内に一体化することもできる。除雪氷コーディネータは、モバイル通信デバイス上に記憶することができるアプリケーションを用いて、処置計画を監督し、必要に応じて、要求側の航空機の防除雪氷の協調を支援することができる。この監督は、除雪氷協調アプリケーション110内で、又はこれによって実行することもできる。
【0021】
1つの実施例において、除雪氷コーディネータ・モジュール110を用いて、パイロット・モジュール106によって要求されたとき、処置計画を生成又はアップデートすることができる。処置計画は、限定ではないが、処置が行われることになる空港内の物理的位置、コンタミネーション処置のタイプ(1ステップ(除雪氷)若しくは2ステップ(除雪氷及び防雪氷))及び/又は処置が必要とされる航空機の位置等の情報を含むことができる。Metar/TAF、天候レーダ及びナウキャスト等の他の情報もインタフェース(又はコーディネータ・モジュール)上に提供することができる。
【0022】
別の実施例では、コーディネータ・モジュールによって行われる処置計画は、限定ではないが、ディスパッチ・ユーザインタフェース上のコーディネータ/コーディネータ・モジュールに利用可能なMETAR、TAF、及びナウキャストを含む全ての利用可能な天候情報又は入力を用いる。コーディネータ又はコーディネータ・モジュールは天候にアクセスし、次に、1ステップ除雪氷プロセス(タイプ1流体のみ)、又はタイプ1の除雪氷流体を第1に用いて、次にタイプIVの流体を第2に用いる、雪又は他の着氷性の降水等における2ステップ・プロセス等の処置計画を決定することができる。
【0023】
除雪氷コーディネータ・モジュールアプリケーション110の1つの実施例において、アプリケーション110は、除雪氷される航空機の計画及びスケジューリング、航空機の交通管制、並びに単数又は複数のパイロットへの通知の送信の機能を提供する。通知は、電光掲示板(EMB)を介して、又はDDF施設における空港を通じた照明制御により送信することができる。除雪氷コーディネータ・アプリケーション110は、防除雪氷のための処置計画を実行するためにどれだけ多くの除雪氷車両が必要とされるかに応じて、パイロット・アプリケーション106及び単数又は複数の除雪氷オペレータ・アプリケーション112と協働して機能する。より詳細には、除雪氷コーディネータ・モジュール110は航空機に固有の防除雪氷処置計画を準備し、DDF内に、及びゲート除雪氷のために航空機をスケジューリングし、且つ/又は航空機除雪氷スケジュールに対し除雪氷車両及び人的資源をスケジューリングすることができる。
【0024】
システム100は、個々の除雪氷車両114及び/又は除雪氷車両のオペレーションを行う個人に関連付けられた除雪氷オペレータ・アプリケーション又はモジュール112のセットを更に含む。各除雪氷オペレータ・モジュール112を用いて、システム100によって生成された処置計画を実施又は実行するために除雪氷オペレータ又は除雪氷マシンによって行われる必要がある特定のアクション(プラットフォーム102からの命令又は信号に基づく)を生成することができる。1つの実施例において、除雪氷処置計画は、システムが複数の除雪氷オペレータ・モジュール及び車両を含むことができるように、実行のための2つ以上の除雪氷オペレータ又は車両を含むことができる。
【0025】
これらのモジュールは共に、システム100のユーザが、航空機の除雪氷の詳細の指定、航空機交通管制の提供、航空機ごとの除雪氷プロセスの追跡、報告及び/又は表示等、航空機防除雪氷のための処置計画を生成及び実行することを可能にする。
【0026】
システムは、集中型除雪氷施設(DDF)位置に関連付けられたDDFコーディネータ・アプリケーション又はモジュール116を更に含むことができる。
【0027】
システム100は、処置計画の生成等を支援するための情報又はデータを受信するために様々な外部情報源118に接続することもできる。外部情報源118は、限定ではないが、航空会社データベース又はサーバ118a、空港データベース又はサーバ118b、サービスプロバイダ・データベース又はサーバ118c、天候データベース又はサーバ118d、ホールド・オーバータイム・データベース又はサーバ118e及び/又はフロー制御データベース又はサーバ118fを含むことができる。
【0028】
航空会社データベース118aは、限定ではないが、フライトスケジュール、ディスパッチ需要、オペレーション問題及び/又は規制等の情報を提供することができる。空港データベース118bは、限定ではないが、出発滑走路情報、地上走行ルート、出発遅延プログラム及び/又は空港の冬季計画等の情報を提供することができる。空港SWIMデータ又はEFB(電子フライトバッグ(Electronic Flight Bag))内の他の視覚的地上走行支援等の新たな技術の使用をIceLinkプラットフォームに組み込むことができる。フロー制御データベース118fは、CDM情報、SWIM情報及び/又は地上/空中の航空交通管制を提供することができる。サービスプロバイダ・データベース118cは、限定ではないが、防除雪氷に利用可能な流体のレベル若しくはタイプ、機器メンテナンス情報、個人情報及び/又はトレーニング情報等の情報を提供することができる。天候データベース118dは、限定ではないが、(METARからの)実際の天候情報、予報された天候情報(TAF)、ナウキャスト情報及び/又は公開予報等の情報を提供することができる。ホールド・オーバータイム・データベース118eは、限定ではないが、TC/FAA規制、SAEガイダンス、ホールドオーバーチャート情報、レギュレータ情報、APS航空情報及び/又は外部データソース等の情報を提供することができる。1つの実施例において、パイロット・モジュールに提供されるHOTは、入手可能な場合、温度固有のHOT時間を含む。
【0029】
CPU102は、空港KPI報告、グローバル性能概観及び/又はモジュールユーザ・リアルタイムKPIを実行又は提供することもできる。更に、システム100は、管理ユーザサービスを提供する機能も含むことができる。
【0030】
図2aを参照すると、航空機のための防除雪氷を提供する方法の概要を示すフローチャートが示されている。
図3a~
図3lは、モジュールによってユーザに示すことができる例示的なスクリーンショットを提供する。
【0031】
最初に、システムはデフォルト処置計画又は処置計画テンプレート(200)を生成する。これは、コーディネータ・モジュール110若しくはCPU102又は双方の組合せによって生成することができる。
【0032】
処置計画テンプレートを生成する1つの実施例が
図2bに概略的に示されている。テンプレートは、限定ではないが、METARからの入力等外部情報源からの入力に基づくことができる。例えば、METARは、処置計画に関連付けられた何らかの情報を、現在の天候又は天候予報に基づいて予め埋めることを可能にすることができる天候予報情報(システムによって受信される(250))を提供することができる。
【0033】
コーディネータ・モジュールは、又はコーディネータ・モジュールを介してコーディネータ(ユーザ)は、ターミナル飛行場予報(TAF:aerodrome forecast)、及び局地的に提供される場合にはナウキャスト天候報告を参照することによって、METARによって提供される天候情報を検証することができる(252)。概略的なスクリーンショットが
図3aに示されている。したがって、デフォルト処置計画は、METARから受信した入力に基づいて継続的にアップデートすることができる。ここで、テンプレート上のいくらかの情報がシステムによって予め入力されていてもよい。また、システムは、天候情報に基づいて、警報又は警告を発行する(254)ことが可能であり得る。例えば、除雪氷車両のうちの1つが10℃のOATの屋外で航空機への噴霧を試行する場合、警告を生成することができる。
【0034】
図2aに戻ると、同時に、フライト前調査に続いて、パイロットは、防除雪氷が必要とされていると判断することができ、その場合、パイロット・アプリケーションモジュールを介して防除雪氷の要求を行うことができる(これはコンタミネーション除去要求とみなすこともできる)。これについては、
図3bに概略的に示されている。次に、パイロットは、パイロット・デバイス又は航空機デバイスに記憶されたパイロット・アプリケーション又はモジュール等を介して、要求をCPU102に通信することができる(これがCPUによって受信される)(202)。
【0035】
1つの実施例において、パイロットからの要求は、パイロットが欠落情報を入力するために、システム(又はCPU102)に、処置計画テンプレートをパイロット・アプリケーション106に送信させることができる。別の実施例では、パイロットからの要求は、処置計画が生成されるために必要とされる全ての情報を含むことができる。
【0036】
コンタミネーション除去要求は、限定ではないが、防除雪氷を必要とする航空機のエリア、航空機の識別情報、航空機のサイズ、スケジューリングされた出発時間、スケジューリングされた出発ゲート及び/又は現在のゲート位置等の情報を含むことができる。防除雪氷を必要とする航空機のエリアの決定は、除雪氷トラック、航空機本体上に位置するか、又はゲート位置若しくはDDFの周りの所定の位置に搭載することができるカメラのセットにより支援することができる。
【0037】
要求がコーディネータ・モジュール等により受信された後、要求に関連付けられた情報が防除雪氷待ち行列リストに入力される(204)。これについては、
図3cに概略的に示されている。1つの実施例において、コーディネータ・デバイス上のコーディネータ・モジュールは、要求を受信することができ、フライト情報が防除雪氷待ち行列リストに自動的に追加される。
【0038】
次に、システムは、防除雪氷を実行するために航空機を受け入れるために利用可能な物理的位置(例えば、空港内の防除雪氷ステーション(DDF等))を決定する(206)。別の実施例では、システムは、航空機が現在の位置に留まるべきであると判断することができ、除雪氷機器(1つ以上の除雪氷トラック又は車両等)が、防除雪氷処置を送達するために航空機の位置まで進行することになる。この位置は、空港エプロン、タールマック又はゲート位置にあり得る。次に、システムは、コーディネータに、物理的位置を選択し、選択された物理的位置に応じて、航空機及び/又は1つ若しくは複数の除雪氷車両に選択された物理的位置を送信する(208)オプションのセットを表示することができる。
【0039】
1つの実施例において、航空機が、限定ではないが、DDFの入口等の防除雪氷位置まで進行する場合、システムは、DDFコーディネータに、(DDFコーディネータ・モジュール等を介して)除雪氷ベイ割当て命令の要求を送信することができる。次に、除雪氷コーディネータは、除雪氷コーディネータ・モジュールを介して、待ち行列リストからフライトを選択し、これを、DDFコーディネータ・モジュールからの入力に基づいて空き除雪氷ベイに割り当てることができる。次に、物理的位置が航空機に送信され、それによって、これを、システムが、航空機に、指定された除雪氷ステージ又は除雪氷ベイに進むように命令することとみなすことができる。いくつかの実施例では、システムは、航空機が除雪氷ベイ内で駐機するのを支援するために、地表灯を自動的に照明するように制御することができる。1つの例では、コーディネータは、コーディネータ・モジュールを介して、スクリーン上のアイコンを単にクリックすることによって、指定されたベイ内のフライトストリップ・マーカを点灯させることができる。これについては、
図3d及び
図3eに概略的に示されている。
【0040】
少なくとも1つの除雪氷車両が航空機位置に進行している実施例において、コーディネータ・モジュールは、命令又は信号を少なくとも1つの選択された除雪氷車両に送信し、この少なくとも1つの除雪氷車両に、防除雪氷処置が行われることになる物理的位置まで進行するように命令する。いくつかの実施例では、命令は、除雪氷オペレータのモジュールに送信することができ、除雪氷オペレータによってレビューされ、除雪氷オペレータが次に除雪氷車両を物理的位置まで運転する。別の実施例では、コーディネータ・モジュールは、命令を除雪氷車両の搭載プロセッサに直接送信し、除雪氷車両は次に、物理的位置まで自律的に進行することができる。
【0041】
1つの実施例において、各実施例に必須ではないが、システムは、空港の至る場所に位置する自動標識板に信号を送信し、パイロット又は空港人員又は除雪氷車両オペレータが防除雪氷位置に進行する際に、それらにメッセージを送信することができる。これについては、
図3gに概略的に示されている。システムは、航空機又は除雪氷車両が辿るように命令された経路及びアクションを示すように地表灯を設定することもできる。
【0042】
図3gに示すように、システムは、処置が開始するのが安全であるときを決定するためのインジケータを含むことができる。例えば、システムは、航空機上のブレーキが設定されているときを判断し、物理的位置に到達したときに停止するべき場所をパイロットに示す地表灯を提供するためのセンサを含むことができる。
図3hは、除雪氷車両が航空機に接近し、防除雪氷処置を開始することが安全であることを示す、除雪氷アプリケーションモジュール上に表示することができるスクリーンショットを提供する。
【0043】
航空機及び少なくとも1つの除雪氷車両が適所にあることが確認されると、コーディネータ・モジュールは、防除雪氷命令又は防除雪氷処置計画を少なくとも1つの除雪氷車両に送信することができる(210)。システムの制御は、システムによって除雪氷オペレータ・モジュールに転送することもできる。
【0044】
1つの実施例において、防除雪氷処置は、(割り当てられた除雪氷車両に関連付けられた)除雪氷オペレータ・アプリケーションの各々が、関連付けられた航空機のブレーキが設定されたことの確認(除雪氷車両が航空機に接近することが安全であることを示す)を航空機の構成と共に受信するまで開始しない。これについては、
図3fに概略的に示されている。
【0045】
防除雪氷プロセスが実行されている際、除雪氷オペレータ・アプリケーションへの除雪氷車両の除雪氷オペレータからの入力に基づいて、又は除雪氷車両自体からの入力に基づいて、処置のステータスを(パイロット・モジュールを介して)パイロットに表示することができる。例えば、除雪氷車両がカメラを含むことができるか、又はシステムがカメラを含むことができ、カメラは、処置が行われている間、航空機に向けられ、それによって、パイロットはリアルタイムで実行中の処置を観察することができる。カメラ及びそれらのオペレーションに関する更なる詳細が以下に開示される。
【0046】
1つの実施例において、除雪氷車両は、カメラ若しくは検出システムと一体化することができるか、又はそれらをインストールすることができる。1つの実施例において、カメラシステムは、人間の主観性なしで、より高い精度、分解能及び再現性で氷検出を行う。制御された照明及び電気光学(EO:electro-optical)データ取得により、客観的評価が達成される。取得データは、本質的に、空間的(イメージング)及びスペクトル的である。更に、データの解釈は人工知能(AI:artificial intelligence)によって達成され、取得データの人間による解釈ではなく、学習されたニューラルネットワークが用いられることを意味する。
【0047】
このカメラシステムの利点は、EOセンサ及び関連条件がより一貫した測定値をもたらし、人間の視覚よりも、検出される光信号に対し、より高い感度を提供するため、改善された感度を含む。提供される別の利点は、航空機における氷の検出時の改善された分解能である。なぜなら、特定のEOセンサのための光システム設計は、人間の視覚よって達成可能であるよりも高い空間分解能を達成する能力を提供するためである。また、AIアルゴリズムの使用は、データ評価における再現性及び客観性と同時に汎用性を可能にする。
【0048】
1つの実施例において、除雪氷車両上にインストールされたカメラシステムは、別様ではカメラフレームによってトリガされる情報の取得を可能にする、可視(VIS:visible)イメージングカメラ及び短波赤外(SWIR:short-wave infrared)イメージングカメラの双方を含む。取得データのセットは、感度及び波長範囲の双方において人間の知覚の能力を超えて拡大する。
【0049】
(
図23に概略的に示されているような)カメラシステムの別の実施例では、カメラシステムは、VISカメラ、SWIRカメラ、AI解釈エンジン、及び処理、記憶、表示等のための中央コンピュータを含む。
【0050】
1つの構成において、VIS及びSWIRカメラは、センサユニットとみなすことができる。カメラは、所望のターゲットにおける共通視野(FOV:field of view)を達成するために光学的にコアラインされる(co-aligned)。センサユニットは、除雪氷車両上、又は評価される航空機表面がはっきり見えるような別のポジションに搭載される。センサユニットのVISカメラ及びSWIRカメラは、それらの視野が重複し、VISカメラのピクセルに対する全てのSWIRカメラのピクセルの関係が既知であるように事前較正されている。評価実行中、VISカメラ及びSWIRカメラの双方が画像データを取得する。必要な場合(例えば、夜間)、カメラの取得システムは、外部照明源を用いて強化することができる。AI解釈エンジンは、表面条件を評価するとき、双方のカメラからの空間情報を利用する。
【0051】
AI解釈の場合、AIのアプリケーションの使用により、大きく変動する条件下で電気光学的データの高度に客観的で再現性があり正確な解釈が可能になる。これを達成するために、取得された経験的データのデータベースが組み立てられ、データの主成分分析が実行される。この手法は、異なるコンタミネーション物質のタイプ及び深度について、ピクセル値がSWIRカメラ画像及び視覚カメラ画像の双方において分散するという点でピクセル値を評価して傾向/パターンを識別するために数学的厳密性を有してデータを評価するシステムを提供した。
【0052】
実験データに対するこれらの数学的試験の結果を用いて、次に、その推論能力が要求通りに機能することを検証するために、畳み込みニューラルネットワークが展開され、学習された。畳み込みニューラルネットワークを中央解釈エンジンとして用いることにより、データを解釈するための汎用的で、拡張可能で、客観的な方法が提供される。数学的厳密性の使用を通じて、信頼性がないか又は統計的に重要でないか又は再現不能なデータベクトルの除外を系統的に無視することができる。
【0053】
図4を参照すると、処置計画エンジンの1つの実施例及びそれがどのように動作するかの概略図が示されている。
【0054】
この実施例では、処置計画エンジン104は、天候情報入力400、流体選択入力402、地上走行/離陸までの時間の入力404、及び/又は防除雪氷までの時間の入力406等の、異なる情報源からの入力を受信する。
【0055】
天候情報入力402は、実際の報告された天候(METAR)、ターミナルエリア予報(TAF:Terminal Area Forecast)及びナウキャスト天候イラストレータ(NWI:Nowcasting Weather Illustrator)のうちの少なくとも1つを含むことができる。天候情報入力と共に、処置計画エンジンへの更なる天候入力は、ナウキャストによって提供される天候予測を含むことができる。流体選択入力402は、ADF流体性能情報とみなすことができ、税/離陸までの時間の入力404は、SWIM情報(離陸までの時間)とみなすことができる。防除雪氷までの時間の入力406は、システム又はシステムによってアクセス可能なデータベース内に記憶された以前の防除雪氷処置に関する以前に記憶された履歴データに基づくことができる。
【0056】
受信した入力に基づいて、処置計画エンジンは、航空機固有の処置計画(スクリーンショット410において概略的に示される)を決定又は生成する。
【0057】
1つの実施例において、処置計画エンジン104は、他の入力402、404及び406に関する天候入力400を分析して、航空機の除雪氷に関する判定に影響を及ぼす場合がある任意の未来の天候パターンを決定する。例えば、航空機が次の30分以内に離陸時間を有するが、次の20分において更なる雪の予報が存在する場合、処置計画エンジン104は、タイプ1除雪氷流体ではなく、タイプ4防雪氷流体等の特定の除雪氷流体が必要とされると判断することができる。別の実施例では、処置計画エンジン104は、現在の天候予報を受信し、僅かな雪又は降水しか存在しないため、タイプ1除雪氷流体が必要とされると判断することができる。別の実施例では、処置計画エンジンは、処置計画(又は処置計画テンプレート)を決定する際、航空機が地上走行及び離陸時間中にその表面上に氷を有しないように、地上走行及び離陸までの時間を考慮に入れることができる。別の実施例では、処置計画エンジンは、類似の履歴天候パターンを、この航空機又は類似の大きさの航空機に固有の現在の条件及び/又は過去の処置に関係付ける履歴情報を考慮に入れる。処置計画エンジンは、入力を処理した後、処置計画又は処置計画テンプレートを決定する。処置計画又は処置計画テンプレートの出力は、処置される航空機表面に対する流体タイプ、及びHOTの時間予測、航空機が除雪氷前に待ち行列内で費やすことになる時間(待ち時間)、DDFにおける処理時間等の予測除雪氷時間、及び離陸までの時間を含むことができる。
【0058】
作成後、処置計画エンジンは、計画又はテンプレートを、除雪氷コーディネータ・モジュール上に表示することによって除雪氷コーディネータによりレビューするように送信する。1つの実施例において、除雪氷コーディネータは、処置計画をレビューし、必要に応じて任意の変更を行うことが可能なユーザとすることができる。別の実施例では、除雪氷コーディネータは、処置計画又はテンプレートをレビューするための自動システムである。次に、必要な変更が存在する場合、アップデートされた計画、又は変更が必要とされない場合、受容された元の処置計画が、除雪氷コーディネータから処置計画エンジンによって受信され、(必要な場合)処置計画がアップデートされる。次に、パイロットが防除雪氷の要求を行った後、アップデートされた処置計画が、パイロットにレビューのために送信され(スクリーンショット412に示すもの等)、これは、パイロット・アプリケーションにおいてパイロットに対し提示される処置計画の例示的なスクリーンショットを示す。パイロットは、処置計画を受容するか、又は計画に更なる修正を加えることができる。次に、受容又は修正された処置計画が処置計画エンジンによって受信され(そして必要なアップデートが行われ)、処置計画を実行するために少なくとも1つの除雪氷オペレータ又は車両に配信される。
【0059】
本開示の1つの利点は、パイロット、除雪氷コーディネータ及び少なくとも1つの除雪氷オペレータが、システムを介してリアルタイムで通信して処置計画を生成し、次に処置計画を実行することである。システムは、パイロットが処置が完了するのにあとどのくらいかかるかを理解することができるように、処置プロセスに対するリアルタイム・アップデートも可能にする。1つの実施例において、システムは、パイロット・デバイス上に、少なくとも1つの除雪氷車両によって処置されている表面、又は処置プロセスに関するリアルタイム・ビデオの視覚インジケーションを表示することができる。除雪氷の完了時、様々な要求された要素が利用可能である場合、防除雪氷後報告に、ホールドオーバー情報を設けることができる。別の実施例では、報告は、経過時間及び適用量、流体のタイプ並びにHOTを要約することができる。パイロットは、航空機の除雪氷履歴を見る能力も有する。これは、パイロットが、航空機に到達する前に完了した事前噴霧処置を(パイロット・アプリケーションにおいて)レビューすることも可能にすることができる。
【0060】
別の実施例では、処置計画に関する判定又はその態様は、天候、航空交通、航空機機械ステータス及び利用可能な除雪氷リソースの変更等の要素として変更することができる。
【0061】
図5を参照すると、航空機のためのコンタミネーション・プロセスを制御する別の実施例のフローチャートが示されている。
図6a~
図6f及び
図7a~
図7fは、
図5のフローチャートをサポートする例示的なスクリーンショットを提供する。1つの実施例において、方法は、プロセッサ又はCPU102等によってコンピュータ可読媒体上に記憶された命令を介して実行することができる。本開示は、防除雪氷プロセスを通じて航空機をスケジューリング及び誘導するためのシステム及び方法とみなすこともできる。
【0062】
最初に、航空機インバウンド待ち行列が作成又は生成される(500)。インバウンド待ち行列は、空港内で防除雪氷のために待機している全ての航空機を含むか又は表し、通常、空港協調意思決定(ACDM:Airport Collaborative Decision Making)システム、パイロット・モジュールから受信されるか又はシステムに手動で入力された入力の組合せにより作成される。手動入力の実例は、除雪氷コーディネータが、除雪氷を要求した航空機、又は航空交通管制(ATC:Air Traffic Control)若しくは空港塔が航空機に防除雪氷処置が適用されることを要求した航空機に関する航空機情報を(除雪氷コーディネータ・モジュールを介して)入力することを含むことができる。
【0063】
代替的に、航空機がATCによってゲートからプッシュバックを指示されるとき、防除雪氷が必要とされる場合には、パイロットは、パイロット・アプリケーションを通じて防除雪氷を要求することができ、次に航空機は、パイロットによって入力された情報に基づいて航空機インバウンド待ち行列内に配置される。代替的に、ATCは、航空機が防除雪氷プロセスを受けることを要求する場合があり、次に、航空機情報をシステムに入力し、それによって次に航空機はインバウンド待ち行列内に配置される。この情報に基づいて、航空機は航空機インバウンド待ち行列に入れられ、次にシステムは、以下で説明するように、航空機の特性、現在の位置及びアウトバウンド滑走路要件に基づいて、航空機を除雪氷施設にルーティング又は誘導する。
【0064】
同時に、インバウンド待ち行列が作成又はアップデートされている間、システム102は、除雪氷コーディネータ・モジュールに、METARからの実際の現在の天候、ターミナルエリア予報ソースからの予報された天候、及び/若しくはナウキャストからのマイクロ位置天候;SWIMからの航空機状況認識情報;(パイロット・アプリケーションを介した)パイロットからの電子防除雪氷要求;並びに/又は除雪氷車両に関する状況認識情報を提供する。代替的に、又は上記で特定した情報と共に、次にシステムは(処置計画エンジン等を介して)、上記の情報を用いて、航空機固有の、コスト効率の良い、安全で時間効率の良い除雪氷処置計画又は処置計画テンプレートを生成することができ、これが除雪氷コーディネータ・モジュールに提供される。次に、コーディネータは、計画を調整及び/又は承認することができる。システム102が、計画が除雪氷コーディネータによって承認されたことの確認を受信すると、計画はパイロットに電子的に送信され、パイロット・アプリケーションを介して表示される。
【0065】
別の実例では、システムがパイロットから除雪氷要求を受信すると、システムは、パイロットが航空機情報をシステム(又は処置計画)に入力し、航空機が航空機インバウンド待ち行列に入ることができるようにするためにパイロットが要求を行った航空機に関連付けられた情報を受信又は索出する。エンジンがオフにされ、航空機がゲートにおける駐機位置を出る前に処置されることになるゲートオペレーションにおいて、パイロットは、パイロット・モジュールを介して除雪氷要求を行うこともできる。
【0066】
別の実施例では、システムは、中央リポジトリ等を介して航空機情報を受信又は索出し、それによって、航空機インバウンド待ち行列を作成又は変更することが可能になる。これは、除雪氷要求がシステムによって受信されると自動的に実行することができる。代替的に、航空機情報は、除雪氷サービスを要求した航空機制御システムから情報を直接索出することによって、航空機インバウンド待ち行列に自動的に入力することができる。
【0067】
待ち行列に入ると、次にシステムは、航空機が防除雪氷のために向かうべき空港内の物理的位置、単数又は複数の除雪氷施設内のベイ又は除雪氷マシンの利用可能性に基づいた、航空機が処置されるべき順序及びシーケンスを決定する(502)。物理的位置は、(航空機が現在駐機している)ゲート位置、空港エプロン若しくはタールマックにおける位置、又はDDFとすることができる。
【0068】
ゲートオペレーションは、除雪氷マシン又は車両が防除雪氷手順を実行するために航空機位置まで進行したときである。この判断を行う際、限定ではないが、単数若しくは複数のベイのサイズに対する航空機のサイズ、及び/又は出発滑走路に対する除雪氷施設の近接性を含む様々な基準を用いることができる。他の基準は、限定ではないが、最も早いスケジューリングされた出発、幹線又は国際フライトの優先順位、及び最近傍の除雪氷トラックの近接性によってより高い優先度を与えることを含むことができる。
【0069】
判断を行った後、次にシステムは、パイロットに、除雪氷サービスを受けるために向かう場所、又は除雪氷がゲートオペレーションとして実行され得るため、パイロットが適所に留まるべきか否かを命令することができる。航空機が別の位置に進行することが必要とされる場合、1つの実施例において、システムは、パイロット・モジュールを介してパイロットに直接信号又はメッセージを送信する。代替的に、システムは、信号又はメッセージを少なくとも1つの電光掲示板(EMB)ディスプレイに送信することができる。信号は、防除雪氷サービスを受けるために向かう位置に関するパイロットに対する命令を表すメッセージとすることができるか、又は
図6a及び
図6bの場合のように、パイロットに対する、航空機を動かす先の場所の情報とすることができる。これらの待ち行列標識は、適用されている又は適用されることになる防除雪氷処置のタイプ、及び現在の外気温度も表示することができる。システムは、好ましくは、空港の単数又は複数の除雪氷施設を含む空港に同化し、これをグラフィック表現するように設計及び調整される。実例が
図6c及び
図6dに概略的に示されている。これらは、ゲートオペレーション除雪氷ビュー及びパッド、又は除雪氷施設、除雪氷ビューのスクリーンショットである。
【0070】
1つの実施例において、情報が1つ又は複数のEMBを介してパイロットに送信される場合、パイロットは、航空機インバウンド待ち行列内の位置(又はポジション)及び/又は必要な場合、除雪氷コーディネータに連絡する無線周波数を通知され得る。代替的に、パイロットと除雪氷コーディネータとの間の通信は、本開示のシステムによって、パイロット・モジュール、プラットフォーム及びコーディネータ・モジュールを介して完全に扱うことができる。
【0071】
メッセージを通じて、パイロットは、防除雪氷のために向かう場所を通知され得る。1つの実施例において、システムは、誘導路等における方向指示灯を照明し(506)、パイロットを除雪氷パッド若しくは施設への又はその中の割り当てられた除雪氷ベイに方向付けることもできる。システムは、正しいライトをオンにし、次にオフにするポジショニング技術を用いてもよい。方向指示灯及びEMBの状態も、レビュー及び制御のためにシステムの除雪氷コーディネータ又はオペレータに表示することができる。除雪氷コーディネータが見ることができるもののスクリーンショットが
図7a~
図7gに示されている。このオペレーション・ポイントにおいて、プロセスの制御は、除雪氷オペレータ・モジュール又は除雪氷車両モジュールに移すことができる。しかしながら、
図8e~
図8nに見ることができるように、プロセスの可視性は、CPU102において継続する。
【0072】
1つの実施例において、(502)における決定は、防除雪氷のために航空機を準備するために実行される。代替的に、別の実施例では、決定は、航空機が航空機インバウンド待ち行列の先頭にあるときに実行される。この実施例では、航空機が待ち行列の最前にあるとき、パイロットは、パイロット・モジュール又はEMBを介して、処置が行われている物理的位置を通知される。
【0073】
理解されるように、ポジショニング技術及びEMBを用いて、パイロットは、安全で効率的な除雪氷のために指定される正確なポジションにおいて航空機を減速させ、次に停止する命令を提供され得る。停止バーは緑色、黄色及び赤色に着色され、パイロットが航空機を安全ゾーン内にポジショニングすることを支援することができる。ブレーキゾーン又はブレーキラインも用いることができ、ここで航空機は駐機し、次にブレーキをセットして、航空機が駐機し、動かないことを示すように要求される。
【0074】
別の実施例では、システムは、除雪氷人員又は任意の他の個人が除雪氷ベイ内の航空機を見ることを可能にするスマートタワー技術の機能も提供することができる。
【0075】
システムの1つの実施例において、パイロットにアップデートを継続的に提供するために、システムは、METAR、TAF、ナウキャスト、SWIM及び/又は内部リソース割当てからの情報を用いてリアルタイムでHOT及び他の時間推定値を再計算及びアップデートすることができる。時間推定値は、ゲート除雪氷のためのパイロットタイマー、パッドまでの準備時間及び/又は離陸までの時間を含むことができる。これらは、標準からの推定遅延分として提示され得る。パイロットタイマー、パッドまでの準備時間は、計算された除雪氷までの時間の変形である。ゲート除雪氷の場合、パイロットタイマーは、パイロットが除雪氷機器を航空機に到達させ、除雪氷を開始させるのに予期することができる推定時間である。DDF等の物理的位置まで進行する航空機の場合、パッドまでの準備時間は、パイロットが、航空機が除雪氷を開始するためにDDF内に受け入れられることを予期することができる時間である。これらの時間は、履歴情報、変化する天候、除雪氷機器及び利用可能なオペレータ、トランジット時間、航空機遅延、この航空機の前に除雪氷をスケジューリングされている航空機の数、除雪氷に現在かかっている時間の長さ、並びに利用可能なSWIM及びACDM情報のうちの少なくとも1つに基づいて計算される。
【0076】
計算される除雪氷時間は、航空機が停止し、除雪氷のために構成されたときに航空機を除雪氷するのにかかることになる推定時間量である。これらの時間は、除雪氷流体及び防雪氷流体のための噴霧時間等の除雪氷トラック・オペレーションからの履歴情報及びタイムスタンプ情報のうちの少なくとも1つに基づいて計算される。離陸までの時間は、航空機が離陸する推定時間である。これは、SWIM及びACDM情報並びに計算された除雪氷時間に基づく。計算は、特定の滑走路についての以前の出発時間も考慮する。
【0077】
オペレーションが、複数の航空機の制御をDDFに、その後正しいベイにマーシャリングすることから、単一の航空機を除雪氷する詳細な作業に進む際、CPUは、プロセスの制御を、除雪氷車両内の複数のプロセッサに常駐する除雪氷器モジュールに移す。各除雪氷器オペレータ・モジュールは、複数の除雪氷車両が単一の航空機を除雪氷するように作業する際、それらの除雪氷車両のオペレーションを協調させる。このモジュールは、オペレータに、用いられる流体のタイプ、及び除雪氷される航空機表面を通知する。除雪氷が進む際、システムは、処置された表面、並びに用いられた流体の量及びタイプを記録する。各ステップの経過時間も記録することができる。この情報は、リアルタイムでCPU102に通信され、パイロット・モジュールを介してパイロットに中継される。加えて、この情報は、未来の報告及び分析のためにデータベースに記憶される。パイロット・モジュール上で見るために除雪氷車両によってビデオを提供することもできる。
【0078】
別の実施例では、視覚システム(EMB及び誘導路照明)は、航空機対除雪氷器の侵入ゾーンが観察され、対応されていることを確認することによって、リアルタイム安全性基準を提供する。そうでない場合、除雪氷オペレータ、除雪氷車両及び中央オペレーション施設に通知するためのアラームを鳴らすことができる。
【0079】
除雪氷オペレーションが完了したとき、除雪氷器オペレータ・モジュールは、完了を示す信号をCPU102又はコーディネータ・モジュールに提供する。これは、除雪氷車両又は除雪氷オペレータから除雪氷オペレータ・モジュールへの入力により行うことができ、これは次にコーディネータ・モジュールに送信される。代替的に、手動で、又はジオポジショニングを通じて、システムが、車両が安全な駐機目的地に到達したことを通知されると、次にCPU102は、航空機の移動の制御を物理的位置からその滑走路に引き継ぎ、航空機が施設の外で安全にマーシャリングされるようにする。
【0080】
1つの実施例において、防除雪氷プロセスの最終段階中、モジュールは、協力して機能し、パイロット・モジュール、少なくとも1つの除雪氷車両モジュールを介した全ての電子通信を確実にし、コーディネータ・モジュールは、各利害関係者が電子通信プロセスの各段階において合意していることを確実にする。これによって、パイロットEMB退出命令についてEMBメッセージへの安全な移管が可能になる。これらのEMBメッセージは、監視のためにコーディネータが視覚的に利用可能である。
【0081】
別の実施例では、除雪氷器オペレータ・モジュールを自動(無人)除雪氷車両上にインストールすることができる。航空機仕様、侵入ゾーン、移動パターン、除雪氷表面要件、流体要件、除雪氷後検査要件及び近傍の車両に関する仕様が、自動除雪氷車両を制御することになる除雪氷器オペレータ・モジュールにダウンロードされることになる。
【0082】
防除雪氷が完了すると、除雪氷機器及び人員は、安全なポジションに入り、次にシステムはパイロットに進むように通知することができる。パイロットが通知されると、システムは、パイロットが除雪氷ベイを離れることを支援するためにTIGLを照明するように信号を送信することができる。1つの実施例において、システムは、正しいライトをオンにし、次にオフにするポジショニング技術を用いてもよい。緑色のライトは、パイロットに前進するように示すのに対し、赤色のライトは、他の航空機に、ベイ内に前進しないように示す。航空機のブレーキステータス等の他の航空機情報をオペレータに表示してもよい。
【0083】
プロセスの全ての部分に関連付けられた情報を、未来の索出及び参照のためにデータベースに記憶することができる。このデータの分析を用いて、除雪氷オペレーション性能を改善し、除雪氷流体の使用を低減し、航空機エンジンオン時間を低減し、及び/又はオペレーションの安全性を高める。
【0084】
図9aに示すように、ATC塔内の除雪氷コーディネータは、空港の概観を提供する様々なスクリーンショット(この図では、ゲート除雪氷オペレーションに関係する)、並びに航空機及び除雪氷ベイが位置し得る場所をレビューすることが可能であり得る。EMBが位置する場所のインジケーションも表示することができる。除雪氷コーディネータが見ているものの例示的なスクリーンショットが
図9bに示されている。したがって、除雪氷コーディネータは、ゲートオペレーション、若しくはパッド若しくはDDFオペレーション等の防除雪氷プロセス及び/又は任意の機械を、それぞれ、タブレット若しくはコンピュータシステム上にインストールされた除雪氷コーディネータを直接介して独立して管理することができるか、或いはシステムはこれを自律的に行うことができる。除雪氷コーディネータは、コーディネータ・モジュールを介して、任意のサイズスケール及び範囲、いずれかのエンジンがオンであるか、又はゲート、スタンド、エリア、DDF等の全ての防除雪氷オペレーションをリモートで管理、指令及び制御することができる。全ての管理、指示、コマンド、状況認識、航空機及び除雪氷フリートのステータス、エアライン・フライトスケジュール、天候システム(ホールドオーバータイム等)、フライトストリップ、除雪氷に関連する他のソフトウェア・モジュールを、任意の位置からリモートでリアルタイムに収容し、解釈し及び受け入れ、並びに/又はオペレーション/空港に送り込むことができる。1つの中心点位置から複数のオペレーションを実行することができる。
図9cは、パッド除雪氷オペレーションを示すディスプレイを見ている除雪氷コーディネータの写真を提供し、
図9dは、除雪氷コーディネータが見ている場合がある概略的なスクリーンショットである。
【0085】
更なる概略的なスクリーンショットが
図9e~
図9kに示されている。
図9eは、除雪氷流体流のスクリーンショットであり、
図9fは除雪氷性能ダッシュボード・スクリーンショットであり、
図9gは平均処置時間及び流体使用量スクリーンショットであり、
図9hは他の空港との測定値比較のスクリーンショット(グローバル性能報告)であり、
図9iはトレンド及び全体条件のスクリーンショットであり、
図9jはトレンドKPIのスタッフスクリーンショットであり、
図9kはKPIの全体性能スクリーンショットである。スクリーンショットの各々が、防除雪氷機器に関する更なる情報を防除雪氷オペレータに提供することができる。
【0086】
本開示のいくつかの実施例の利点は、限定ではないが、DDFにおける航空機スループットの増大、化学物質の使用の低減、航空機及び除雪氷オペレーション人員に対する安全性の増大、測定可能及び管理可能な防除雪氷プロセス、並びに防除雪氷プロセス全体を通じて航空機スループットを測定して、全体防除雪氷プロセス時間を決定し、全体空港性能を評価することである。
【0087】
別の実施例では、システムは、
図10に概略的に示されているように、スクリーン又はディスプレイ等を介して、航空機の周りのセーフティゾーンを提供することができる。この図面において、2つのセーフティゾーンが示され、除雪氷ベイの中心が円によって示されている。この実例では、1つのEMBは、セーフティゾーンのうちの1つの角部にある。好ましい実施例では、EMBの面の角度付けは、パイロットによるレビューを容易にするために、ベイの中心に対し概ね直交する。この実施例の場合、この位置は、EMBが航空機の先端部分に近い中心線に対し直角をなすことが好ましいため、パイロットがベイ内に停止バーまで入る際にパイロットがEMBを見ることができる(120°の可視性)ように選択され、このポジションは、除雪氷リグセーフティゾーン内に駐車するためのより大きな又は最大エリアを提供し、このポジションは、航空機のポジション検出及び距離検出に用いられるカメラのための良好な視野を提供する。これについては以下でより詳細に開示される。
【0088】
1つの実施例において、カメラは、EMB上に、又は別個の専用マスト上に搭載することができる。好ましいた実施例では、カメラの高さは、約2m~約7mの範囲をとることができる。各カメラは、好ましくは、ベイに入り、トランジットし、ベイを出る際に航空機のノーズを検出するために約70°の視野(FOV:field of view)を有する。カメラFOVは、緑色の線によって示される。1つの実施例において、検出オペレーション中にFOV内に物体が存在しないべきであるが、これを認識していない車両オペレータが存在する場合、これらの車両オペレータはEMBの前に運転及び/又は駐車する場合がある。これらの実施例において、システムは、これらの車両、及び限定ではないが、降水又は降水を除去するのに用いられるワイパーブレード等の他の遮蔽物の後ろの航空機を検出するための装置を含むことができる。本開示のシステムは、以前に遮蔽されていない航空機が、遮蔽されている間にある可能性がある場所を予測するために、フィルタ及びプロジェクション・トラッキングモジュール及び/又はアルゴリズムも実施することができる。
【0089】
セーフティゾーン内の黄色のバーは、除雪氷車両及びそのブームが航空機によって損傷を受けず、又は航空機への損傷を引き起こさないように駐車され得る1つの可能性のある限界である。
【0090】
別の実施例では、システムは、限定ではないが、DDFを出入りする航空機のフローを構造化すること;個人が防除雪氷オペレーション全体を見る機能を提供すること;複数のオペレータに、全ての防除雪氷機器及びそれらの目録ステータス/位置及び機内人員を、タスク完了間隔におけるタイムスタンプ、及び全ての必要なガイド機器の活性/非活性/表示/ステータスと共に提供すること;TIGL機器を用いて、オペレータによって対処される特定の航空機の経路を照明し示すこと;EMBを用いて、除雪氷施設及び除雪氷施設内のベイへの、この周りの、及びこれを出る航空機の移動の標準化された方向と共にメッセージを表示すること;専門技術(限定ではないが、除雪氷施設内及びその周りでの航空機の移動を追跡、誘導、ポジショニング及び停止するためのカメラ機器及び衛星ベースの航空機追跡ソフトウェア)を用いること;好ましくは、オペレーション要件及び条件における特定の航空機の移動及び処置に専用の専門照明技術及び技法を用いて、航空機を除雪氷施設内に、これを出るように、及びこの周りで方向付けること;航空機の移動を自動化すること;EMBを用いて、航空機に及び航空機の周りで生じている除雪氷活動に関する標準化されたメッセージを表示すること;データベース内に、航空機除雪氷効率の改善のための重要な情報を記憶すること;長期安全性を監査すること;除雪氷化学薬品の適用、貯蔵及び再利用;KPI及びベンチマーク;(オンザフライでオペレーションを調整するための)ライブオペレーションにおけるリアルタイム解析及び達成可能なスケジュール・コミットメントにおけるアクション可能な解析及び可視性;処置推薦において用いるために、カメラシステムを用いて、航空機表面におけるコンタミネーションの存在を検出すること;流体が自動又は手動プロセスにおいて適用される際にオペレーションを連続的に監視すること;残りのコンタミネーション、又は人間の目に見えないコンタミネーションについての、航空機表面の防除雪氷後調査;偶発的航空機接触についての例外監視;流体を適用されるべきでない航空機のエンジン入口、APU又は他の敏感エリアに噴射された流体等の不適切な処置を検出すること;オペレーションの安全性が重要な期間中にセーフティゾーン外に不適切に配置された地上機器又は人員の安全性を監視すること;システムの他の部分を通じてオペレータによって記録されているものが物理的に生じていることを確実にする、噴射開始及び終了時間の外部的な無作為の自動化された確認、を含む1つ又は複数の機能(又は方法)を実行することができる。
【0091】
更なる実施例では、システムは航空機ポジション検出機器を含むことができる。誘導路、除雪氷パッド及びベイ上の航空機ポジションは、システムにポジショニングデータを提供するために、航空機衛星追跡システムからシステムに送信することができる。加えて、本開示のシステムのアーキテクチャは、外部システムから航空機ポジションを受信してもよい。
【0092】
1つの実施例において、航空機位置検出機器は、スマートタワーを含む。この実施例において、システムは、個人がリモートの又は現場から離れた位置から除雪氷施設を見ることを可能にする。本開示のシステムと併せて、DDFは、リモートの又は現場から離れた位置から見て制御することができる。
【0093】
図12に概略的に示されているように、カメラからの情報又はデータは、施設のパノラマビューを作成するように繋ぎ合わされる。別の実施例において、カメラフィードを繋ぎ合わせることは、複数のEMBから行うことができ、それによって、オペレータ又はシステムのユーザに、多視点ビュー又はベイ単位のオペレーションが提供される。
【0094】
1つの実施例において、スマートタワーからの情報は、システムによって、航空機及び除雪氷車両のジオタグ及び/又は情報タグを含むように処理することができる。除雪氷車両は、除雪氷を実行するために航空機が位置するポジションまで進行することができる車両、又は航空機を除雪氷するために除雪氷施設の周りを移動する車両とみなすことができる。ジオタグ及び/又は他のタグ情報を含むようにタワー情報を処理することは、現行の人間の視覚系を上回る改善である。システムは、このジオタグ情報を用いて除雪氷プロセス中の安全性基準を提供することもできる。例えば、ジオタグ情報を用いることによって、航空機侵入ゾーンを生成することができ、それによって、航空機が侵入ゾーンに入った場合、停止させるための、又は可能性のある危険性について航空機に警告するためのメッセージが航空機に送信される。
【0095】
本システムの更なる利点は、システムが、全ての航空機及び除雪氷機器又は車両に識別子がタグ付けされるように航空機及び除雪氷車両を処理することが可能となることである。好ましい実施例において、除雪氷機器は、限定ではないが、流体レベル及び他の除雪氷情報の表示等の追加の情報を提供することができる。本開示のシステムの別の利点は、車両又は静止した機器が航空機表面に接触する場合があるゾーンを示す(アラームを発する、告知する)、航空機の周りに表示される航空機侵入セーフティゾーンの提供である。システムの別の利点は、航空機が侵入ゾーンに入ったことが検知される場合、システムが、EMB上に警報メッセージを生成し、及び/又はシステムのオペレータが航空機を更に移動させることを一切可能にしないことができることである。1つの実施例において、システムが既に以前に入力された情報から航空機サイズを認識しているため、システムは、航空機に、そのサイズに適した除雪氷ベイ内に入るように指示することができる。しかしながら、入力情報が誤ってラベル付けされるか又は不正確に入力された場合があり、予測航空機サイズと実際の航空機サイズとが異なる場合があることが起こり得る。このとき、システムはそれに応じて情報及び命令をアップデートすることができる。また、システムは、除雪氷ベイへの到着時に登録番号及び航空機の型/モデルを検証するか、又は追加の安全性/正確性チェックの代価を払うことができる。
【0096】
システムは、地上の除雪氷車両及び航空機を識別するビデオタグ付け;アラーム及び流体レベル等の除雪氷車両情報のビュー;オペレータディスプレイ上への航空機侵入ゾーンのオーバーレイ;除雪氷車両をリモートで制御しているオペレータ等のオペレータに、それらの除雪氷車両が航空機付近にあることを通知する安全システム;及び/又は侵入が検出されるときの航空機移動の危険性を低減する安全システムも含むことができる。
【0097】
防除雪氷手順を制御するためのシステムの別の実施例の概略図が
図13に示されている。
【0098】
システムは、セーフティゾーン照明を更に含むことができる。各除雪氷ベイは、大型除雪氷トラックの安全な駐車に専用のゾーンを有する。これらの安全ゾーンは、航空機及び除雪氷トラックが互いに損傷を与える尤度を低減する。トラックは、航空機が動いているか、又は動き出すときにこれらのポジションをとる。これは、ポジション最適化とみなすこともできる。
【0099】
安全ゾーン又はセーフティゾーンは、好ましくは、特定のライト又はペイント方式によって指定される。システムは、ベイ安全ゾーンのライトをオン及びオフにし、除雪氷オペレータ又は除雪氷車両に、航空機が移動しているか動き出すこと、及び除雪氷トラック又は車両を駐車するべき場所を告知することができる。
【0100】
安全ゾーンを明確に指定する能力は、除雪氷施設が複合ベイを有しないときに特に重要である。複合ベイは、単一の大型航空機の除雪氷、又はより小型の航空機の同時除雪氷に用いられる。
【0101】
航空機クラス(サイズ)、及び複合ベイの構成を利用して、システムは、誘導路灯のリードイン及びリードアウト、並びに/又はセーフティゾーン照明を自動的に構成することができる。
【0102】
1つの実施例において、安全ゾーンの外周の周りの照明は、全ての天候において安全ゾーンの位置を明確に識別する。別の実施例では、安全ゾーン照明は、DDFの様々な要件のコンフィギュレータ(configurator)の一部である。
【0103】
1つの実施例において、構成可能な照明の向きにより、除雪氷パッドが、特定のグラフィック表現アイコンによって制御される要件並びにアクティブ及び非アクティブ機器(クライアントデバイス上の照明、トラック、及び航空機)の表示の方に向けられることを可能にする。また、(パッド内の除雪氷ベイごとの)各照明ストランドの専用制御は、オペレータが航空機の特別管制を行うことを可能にする。また、システムは、地上ベース又は衛星ベースのマルチラテレーション機器を通じて機能を自動的にトリガする方式を含むことができる。この機器は、航空機ポジションの近接性を識別し、DDF又はスタンド、エリア、ベイ等における除雪氷プロセスの進入及び進出における安全なポジションへの照明又は掲示板(EMB)を通じて航空機に指令する。更なる実施例において、システムは、リアルタイム情報を用いて性能報告を生成し自動化する管理ユーザサービス、及びこれをリモートで管理する能力のプラットフォームを提供する任意のオペレーションの管理を含む。
【0104】
1つの実施例において、システムは、除雪氷コーディネータ(又は除雪氷コーディネータ・モジュール)が、EMB上に表示されるパイロット命令を用いて航空機を(DDF等の)物理的位置までマーシャリングすることを可能にすることができ、DDFに入ると、制御は除雪氷オペレータのアプリケーションに渡される。
【0105】
いくつかの実施例では、CPUは、正常オペレーションからの遅延及び外部情報源によって供給される情報に基づいて、推定される待機時間、除雪氷までの時間、離陸までの時間をアップデートすることができる。いくつかの実施例では、処置が進むにつれ、パイロット・アプリケーション又はモジュールは、処置されているか又は処置された表面、流体タイプ及び流体量に関するアップデートを表示することができる。
【0106】
別の実施例では、航空機が除雪氷施設内に受け入れられているとき、パイロットは、パイロット・モジュールを介して、又は無線を介して、いずれの除雪氷ベイに進行すべきかを通知される。システムは、ベイ内への航空機を追跡し、パイロットに視覚インジケータを提供すること等によって、航空機が停止すべきときを表示する。次に、システムは、手動でオペレーションするか又は自動的に、除雪氷オペレータ(又は車両)に、除雪氷を開始するのが安全であることを通知することができる。除雪氷モジュールは、除雪氷車両が配置されるべき場所、及び処置されるべき表面を表示又は制御する。除雪氷車両にインストールされたセンサを用いて、このモジュールは、処置されている表面、適用されている流体量及び流体タイプ、並びに持続時間を追跡する。除雪氷オペレータ・モジュールは、EMB又はパイロット・モジュールを通じてパイロットに通知又は処置アップデートも提供する。この情報は、報告され、CPU102に記憶される。
【0107】
必要な場合、CPU102は、グローバル航空交通管理イニシアティブ(SWIM)と通信し、状況認識情報を索出又は共有することができる。CPUは、CPU102又はシステム100にスケジューリング情報を提供する空港協調意思決定システム(ACDM)にアクセスすることもできる。本開示のいくつかの実施例に存在し得るいくつかの更なる構成要素は、限定ではないが、飛行場における航空機ポジションを提供する地上レーダ(MLAT);ソフトウェア、カメラ技術、GPS技術及び表示技術とみなすことができるタワー構成要素;システムによって制御されるソフトウェア及び誘導路インセット灯システムの組合せとみなすことができる誘導路地上インセット灯;パイロットに情報を表示するEMB;好ましい停止点からの航空機の距離を検出する航空機誘導ソフトウェア及びハードウェア(カメラ及びインフラストラクチャ);他のシステム又はデータベースと通信するための外部システム機能へのインタフェース;並びに空港主要業績評価指標、複数のグローバル除雪氷設備のグローバル性能概観の履歴の及びリアルタイムの報告を提供する報告プラットフォームの機能を提供する管理ユーザサービスを含むことができる。
【0108】
システムの1つの利点は、精密でなく、多くの場合に誤って解釈されるVHF無線通信が低減されるか又はなくなることである。本開示のシステム及び方法の別の利点は、航空機のための除雪氷サービスのオートメーション並びに/又はリモートコマンド及び制御の、効率性が高く協調された管理及びオペレーション・プラットフォームの提供である。
【0109】
別の実施例では、本開示は、タールマックをナビゲートする際にパイロットを支援するためのEMBを介したメッセージの協調を含む。別の実施例では、本開示は、誘導路インセット誘導灯(TIGL)の制御も含み、これらの誘導灯を提供して、ゲートから除雪氷施設、そして滑走路へ等、位置間で航空機を誘導することによって、タールマックをナビゲートする際にパイロットを支援する。1つの実施例において、誘導機器の全てのアクティブな構成要素が、リアルタイムでユーザインタフェース上に表示され、パイロットに、除雪氷オペレーションの状態のグラフィックでシミュレートされたライブビューを提供する。
【0110】
1つの実施例において、本開示は、ターミナルゲートのグラフィック表現を提供する少なくとも1つのソフトウェア・モジュールと、精密で効率の良い航空機のリアルタイム協調除雪氷を容易にする航空除雪氷産業のための電光掲示板、誘導路照明及びポジショニング技術のセットとを含むシステムとみなすことができる。
【0111】
別の実施例では、本開示は、実行された場合、複数の分散プロセッサに、EMB、TIGL及びポジショニング/軽量及びドッキング技術、並びにDDF(中央除雪氷施設)における航空機の自動化されたリモート管理オペレーション及び/又は航空機の除雪氷のためのゲートオペレーションを容易にする航空除雪氷産業のための視覚監視技術を制御させる命令が記憶されたコンピュータ可読媒体を対象とする。
【0112】
1つの態様において、航空機をインバウンド待ち行列内に配置し;航空機の除雪氷の位置を決定し;航空機をこの位置まで誘導することを含む、航空機の除雪氷を容易にする方法が提供される。
【0113】
上記で論じられたように、本開示のシステムは、ソフトウェア、ハードウェア及び/又はファームウェアの組合せを用いて実施することができる。1つの実施例において、システムは、実行されると、航空機のための防除雪氷プロセスを構成することを制御する方法を提供するコンピュータ実行可能コードを含むコンピュータ可読媒体を含む。
【0114】
上記の記述では、説明を目的として、実施例についての完全な理解をもたらすように多数の詳細が示されている。しかしながら、当業者には、他の構成及び実施例が達成可能であることが明らかとなろう。
【0115】
上記で説明した実施例は、単なる実例であることが意図される。添付の特許請求の範囲によってのみ定義される本出願の範囲から逸脱することなく、当業者によって実施例に対し、改変、変更及び変形を行うことができる。