(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】サンプル分析装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20240229BHJP
G01N 35/04 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G01N35/02 D
G01N35/04 G
(21)【出願番号】P 2023036189
(22)【出願日】2023-03-09
【審査請求日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202210243007.0
(32)【優先日】2022-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518344542
【氏名又は名称】シェンチェン・ニュー・インダストリーズ・バイオメディカル・エンジニアリング・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】饒微
(72)【発明者】
【氏名】尹力
(72)【発明者】
【氏名】湯俊輝
(72)【発明者】
【氏名】朱亮
(72)【発明者】
【氏名】胡毅
(72)【発明者】
【氏名】易万貫
(72)【発明者】
【氏名】童帥
(72)【発明者】
【氏名】李江
【審査官】瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第113466477(CN,A)
【文献】国際公開第2021/147187(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第109061210(CN,A)
【文献】特開2002-286726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応容器内の液体をインキュベートするために用いられる、インキュベーション機構と、
前記インキュベーション機構に対して独立して設置され且つ搬送作業位置及び均一混合作業位置を有
する均一混合機構であって、前記均一混合機構は反応容器を載置するための載置部材を含み、前記載置部材は、反応容器を動かして前記搬送作業位置と前記均一混合作業位置との間で繰り返し移動させ、前記載置部材は前記搬送作業位置から搬入された反応容器を前記均一混合作業位置に移動させて液体を均一に混合し、且つ反応容器を前記均一混合作業位置から前記搬送作業位置に移動させて前記インキュベーション機構に搬出する、均一混合機構と、を含
み、
前記インキュベーション機構は固定して設置され、前記インキュベーション機構は第1領域及び第2領域を有し、前記第1領域の幅は前記第2領域の幅より小さいことにより、前記第1領域及び前記第2領域は共に取り付け切欠きを囲み、前記載置部材の少なくとも一部は前記取り付け切欠き内に収容されることを特徴とする、サンプル分析装置。
【請求項2】
前記載置部材は回転可能に設置されて反応容器を動かして円周運動させることを特徴とする、請求項1に記載のサンプル分析装置。
【請求項3】
前記載置部材は180°回転して、反応容器を前記搬送作業位置から前記均一混合作業位置に到達させることを特徴とする、請求項2に記載のサンプル分析装置。
【請求項4】
前記均一混合機構はさらに第1中継作業位置及び第2中継作業位置を有し、前記第1中継作業位置及び前記第2中継作業位置の位置は前記搬送作業位置及び前記均一混合作業位置と異なり、反応容器は前記第1中継作業位置で前記載置部材に搬入され、且つ前記載置部材は180°回転して、反応容器を前記第1中継作業位置から前記第2中継作業位置に到達させて搬出することを特徴とする、請求項2に記載のサンプル分析装置。
【請求項5】
前記第1中継作業位置と前記第2中継作業位置との間の接続線は、前記搬送作業位置と均一混合作業位置との間の接続線と交差し、且つ前記搬送作業位置と前記均一混合作業位置との両者は、前記載置部材の回転方向に沿って180°隔てられることを特徴とする、請求項4に記載のサンプル分析装置。
【請求項6】
第1グリッパ及び第2グリッパをさらに含み、前記インキュベーション機構及び前記搬送作業位置はいずれも前記第1グリッパの運動範囲内に位置し
、前記第1領域は前記第2グリッパの運動範囲外に位置し、且つ前記第1中継作業位置は前記第2グリッパの運動範囲内に位置し、前記搬送作業位置は前記第2グリッパの運動範囲外に位置することを特徴とする、請求項4に記載のサンプル分析装置。
【請求項7】
前記第2中継作業位置は第1グリッパの運動範囲内にあり、且つ前記第2グリッパの運動範囲外にあることを特徴とする、請求項6に記載のサンプル分析装置。
【請求項8】
前記搬送作業位置と前記均一混合作業位置との両者の中心を接続する直線は第1直線であり、前記第1中継作業位置と前記第2中継作業位置との両者の中心を接続する直線は第2直線であり、前記第1直線と前記第2直線との両者はいずれも前記インキュベーション機構を通過し、
前記インキュベーション機構は、前記取り付け切欠きで第1エッジ及び第2エッジを有し、前記第1直線は前記第2エッジと重ならず交差することもないことにより、前記第1直線は前記第2エッジと間隔をあけて設けられ、前記第2直線は前記第1エッジと重ならず交差することもないことにより、前記第2直線は前記第1エッジと間隔をあけて設けられることを特徴とする、請求項6に記載のサンプル分析装置。
【請求項9】
前記第2領域は第2グリッパの運動範囲内に位置し、前記第1領域は前記第2領域よりも前記搬送作業位置に近く、前記第2領域は前記第1領域よりも前記第1中継作業位置に近いことを特徴とする、請求項6に記載のサンプル分析装置。
【請求項10】
独立して設置され且つ前記第1グリッパの運動範囲外に位置する洗浄機構及び測定機構をさらに含み、前記第2グリッパは反応容器を前記インキュベーション機構から前記洗浄機構に搬入し、且つ前記洗浄機構から前記測定機構に搬入することができ、前記第2グリッパはさらに前記洗浄機構上の反応容器を前記第1中継作業位置で前記載置部材に搬入することができることを特徴とする、請求項6に記載のサンプル分析装置。
【請求項11】
第1作業位置、第2作業位置及び試薬作業位置を有する搬送機構をさらに含み、前記第2作業位置は前記第1グリッパの運動範囲内に位置し、前記第2グリッパの運動範囲外であり、且つ前記均一混合作業位置の上に位置し、前記搬送機構は前記第1作業位置から搬入された反応容器を前記試薬作業位置に移動させて試薬を添加し、且つ反応容器を前記試薬作業位置から前記第2作業位置に移動させて前記載置部材に搬出し、且つ前記インキュベーション機構上の反応容器は前記第2作業位置において前記搬送機構に搬入することができることを特徴とする、請求項6に記載のサンプル分析装置。
【請求項12】
前記均一混合機構上の反応容器は、前記第2作業位置において前記搬送機構に搬入することができることを特徴とする、請求項1
1に記載のサンプル分析装置。
【請求項13】
前記搬送機構は主動輪、従動輪及び搬送ベルトを含み、前記搬送ベルトは前記主動輪及び前記従動輪に嵌設され、前記搬送ベルトは直線状を呈する第1縁部及び第2縁部を含み、前記第1縁部は前記第2縁部よりも前記載置部材から離れており、反応容器は前記第1作業位置から前記第1縁部に搬入され、前記第2縁部は、反応容器を動かして前記第2作業位置と前記試薬作業位置との間で移動させることを特徴とする、請求項1
1に記載のサンプル分析装置。
【請求項14】
前記第1縁部及び前記第2縁部は相互に平行であることを特徴とする、請求項1
3に記載のサンプル分析装置。
【請求項15】
アクセス作業位置及びサンプル作業位置を有する移送機構をさらに含み、前記移送機構は、前記アクセス作業位置から搬入された反応容器を前記サンプル作業位置に移動させてサンプルを装填し、且つ反応容器を前記サンプル作業位置から前記アクセス作業位置に戻して前記搬送機構に搬出することを特徴とする、請求項1
1に記載のサンプル分析装置。
【請求項16】
前記均一混合機構及び前記インキュベーション機構は前記搬送機構の一方の側に位置し、前記移送機構は前記搬送機構のもう一方の側に位置することを特徴とする、請求項1
5に記載のサンプル分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療機器技術分野に関し、特にサンプル分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サンプル分析装置は血液等のサンプルに含まれる抗体及び抗原等の物質に対してテストを行うことができ、一般的に空の反応容器をサンプル分析装置に入れ、次に反応容器にサンプル及び目標試薬を加え且つ均一に混合し、インキュベーション及び洗浄分離等のステップを経て、最後に反応容器にシグナリング試薬を加えて光信号又は電気信号を測定し、それによりサンプル中の抗体及び抗原に対する測定分析を実現する。
【0003】
測定スループットはサンプル分析装置の動作効率を評価する重要なパラメータであり、測定スループットは、単位時間内にサンプル分析装置がテストを完了した反応容器の数として定義することができ、測定スループットはテストを完了した反応容器の数に正比例する。従来のサンプル分析装置には、高いスループットを保証するために一般的に体積が大きいという欠陥が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、如何にしてサンプル分析装置の体積を減少させ、測定スループットを向上させるかである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
サンプル分析装置であって、
反応容器内の液体をインキュベートするために用いられるインキュベーション機構と、
前記インキュベーション機構に対して独立して設置され且つ搬送作業位置及び均一混合作業位置を有し、前記均一混合機構は反応容器を載置するための載置部材を含み、前記載置部材は、反応容器を動かして前記搬送作業位置と前記均一混合作業位置との間で繰り返し移動させ、前記載置部材は前記搬送作業位置から搬入された反応容器を前記均一混合作業位置に移動させて液体を均一に混合し、且つ反応容器を前記均一混合作業位置から前記搬送作業位置に移動させて前記インキュベーション機構に搬出する、均一混合機構と、を含む、サンプル分析装置。
【0006】
一実施例において、前記インキュベーション機構は固定して設置され、前記載置部材は回転可能に設置されて反応容器を動かして円周運動させる。
【0007】
一実施例において、前記載置部材は180°回転して、反応容器を前記搬送作業位置から前記均一混合作業位置に到達させる。
【0008】
一実施例において、前記均一混合機構はさらに第1中継作業位置及び第2中継作業位置を有し、前記第1中継作業位置及び前記第2中継作業位置の位置は前記搬送作業位置及び前記均一混合作業位置と異なり、反応容器は前記第1中継作業位置で前記載置部材に搬入され、且つ前記載置部材は180°回転して、反応容器を前記第1中継作業位置から前記第2中継作業位置に到達させて搬出する。
【0009】
一実施例において、前記第1中継作業位置と前記第2中継作業位置との間の接続線は、前記搬送作業位置と均一混合作業位置との間の接続線と交差し、且つ前記搬送作業位置と前記均一混合作業位置との両者は、前記載置部材の回転方向に沿って180°隔てられる。
【0010】
一実施例において、第1グリッパ及び第2グリッパをさらに含み、前記インキュベーション機構及び前記搬送作業位置はいずれも前記第1グリッパの運動範囲内に位置し、前記インキュベーション機構は第1領域を有し、前記第1領域は前記第2グリッパの運動範囲外に位置し、且つ前記第1中継作業位置は前記第2グリッパの運動範囲内に位置し、前記搬送作業位置は前記第2グリッパの運動範囲外に位置する。
【0011】
一実施例において、前記第2中継作業位置は第1グリッパの運動範囲内にあり、且つ前記第2グリッパの運動範囲外にある。
【0012】
一実施例において、前記搬送作業位置と前記均一混合作業位置との両者の中心を接続する直線は第1直線であり、前記第1中継作業位置と前記第2中継作業位置との両者の中心を接続する直線は第2直線であり、前記第1直線と前記第2直線との両者はいずれも前記インキュベーション機構を通過し、前記第1直線は、前記インキュベーション機構の前記第2直線の延伸方向において間隔をあけて設置されたエッジとの間隔を保持し、前記第2直線は、前記インキュベーション機構の前記第1直線の延伸方向において間隔をあけて設置されたエッジとの間隔を保持する。
【0013】
一実施例において、前記インキュベーション機構はさらに、前記第2グリッパの運動範囲内に位置する第2領域を有し、前記第2領域は第2グリッパの運動範囲内に位置し、前記第1領域は前記第2領域よりも前記搬送作業位置に近く、前記第2領域は前記第1領域よりも前記第1中継作業位置に近い。
【0014】
一実施例において、前記インキュベーション機構及び前記均一混合機構に異なる工程を完了させるための作業面を基準として、前記作業面は相互に垂直な第3直線及び第4直線によって確定され、前記第3直線は前記第1領域及び前記第2領域の配列方向に沿って延伸し、前記均一混合作業位置は、前記第4直線の延伸方向に沿って前記第1領域及び前記第2領域のいずれとも設定された間隔を保持する。
【0015】
一実施例において、独立して設置され且つ前記第1グリッパの運動範囲外に位置する洗浄機構及び測定機構をさらに含み、前記第2グリッパは反応容器を前記インキュベーション機構から前記洗浄機構に搬入し、且つ前記洗浄機構から前記測定機構に搬入することができ、前記第2グリッパはさらに前記洗浄機構上の反応容器を前記第1中継作業位置で前記載置部材に搬入することができる。
【0016】
一実施例において、第1作業位置、第2作業位置及び試薬作業位置を有する搬送機構をさらに含み、前記第2作業位置は前記第1グリッパの運動範囲内に位置し、前記第2グリッパの運動範囲外であり、且つ前記均一混合作業位置の上に位置し、前記搬送機構は前記第1作業位置から搬入された反応容器を前記試薬作業位置に移動させて試薬を添加し、且つ反応容器を前記試薬作業位置から前記第2作業位置に移動させて前記載置部材に搬出し、且つ前記インキュベーション機構上の反応容器は前記第2作業位置において前記搬送機構に搬入することができる。
【0017】
一実施例において、前記均一混合機構上の反応容器は、前記第2作業位置において前記搬送機構に搬入することができる。
【0018】
一実施例において、前記搬送機構は主動輪、従動輪及び搬送ベルトを含み、前記搬送ベルトは前記主動輪及び前記従動輪に嵌設され、前記搬送ベルトは直線状を呈する第1縁部及び第2縁部を含み、前記第1縁部は前記第2縁部よりも前記載置部材から離れており、反応容器は前記第1作業位置から前記第1縁部に搬入され、前記第2縁部は、反応容器を動かして前記第2作業位置と前記試薬作業位置との間で移動させる。
【0019】
一実施例において、前記第1縁部及び前記第2縁部は相互に平行である。
【0020】
一実施例において、アクセス作業位置及びサンプル作業位置を有する移送機構をさらに含み、前記移送機構は、前記アクセス作業位置から搬入された反応容器を前記サンプル作業位置に移動させてサンプルを装填し、且つ反応容器を前記サンプル作業位置から前記アクセス作業位置に戻して前記搬送機構に搬出する。
【0021】
一実施例において、前記均一混合機構及び前記インキュベーション機構は前記搬送機構の一方の側に位置し、前記移送機構は前記搬送機構のもう一方の側に位置する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一実施例における技術的効果の1つは、インキュベーション機構と均一混合機構を独立させることにより、両者間の直接的、物理的な接続関係を解消することである。これにより、一方では、2つのグリッパが載置部材上で反応容器を搬入又は搬出する時に、干渉を解消することができ、干渉が存在するために2つのグリッパを相次いで移動させる形式しか採用できないことを回避して、「待ち行列」時間を解消し、2つのグリッパの同時移動を保証してグリッパの作業効率を向上させ、それにより載置部材に搬出入される単位当たりの反応容器の数を増加して、最終的に測定スループットを向上させる。また、独立して設置されたインキュベーション機構及び均一混合機構の体積が相対的に小さくなり、サンプル分析装置全体の体積が小さくなる。搬送作業位置及び均一混合作業位置を設置することにより、異なる反応容器の載置部材上での搬入及び均一混合を同時に独立して行うことができ、また異なる反応容器の載置部材上での搬出及び均一混合を同時に独立して行うこともでき、これにより隣接する2つの反応容器の間の「待ち行列」時間を削減し、隣接する2つの反応容器が均一混合作業位置に到着する時間間隔を圧縮して、隣接する2つの反応容器を載置部材に搬入又は搬出する時間を短縮し、最終的にサンプル分析装置の測定スループットを向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施例に係るサンプル分析装置の平面構造概略図である。
【
図2】
図1に示すサンプル分析装置の一部分の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明を理解しやすくするために、以下に関連する図面を参照して本発明をより全面的に説明する。図面は、本発明の好ましい実施形態を示す。しかしながら、本発明は多くの異なる形態で実現させることができ、本明細書に記載の実施形態に限定されない。むしろ、これらの実施形態を提供する目的は、本発明の開示内容を詳細且つ全面的に理解させることにある。
【0025】
なお、要素が別の要素に「固定されている」と言及される場合、その要素は別の要素上に直接存在していてもよく、又は介在する要素が存在してもよい。ある要素が別の要素に「接続されている」と言及される場合、その要素は別の要素に直接接続されていてもよく、又は介在する要素が同時に存在してもよい。本明細書で使用される「中」、「外」、「左」、「右」という用語及び類似の表現は、説明のためのものに過ぎず、唯一の実施形態を示すものではない。
【0026】
図1及び
図2を参照し、本発明の一実施例に係るサンプル分析装置10は貯蔵機構110、移送機構120、収納機構130、サンプルタンク140、搬送機構200、試薬タンク150、均一混合機構300、インキュベーション機構400、洗浄機構160、測定機構170、第1グリッパ、第2グリッパ及び移動グリッパを含む。搬送機構200を基準として、貯蔵機構110、移送機構120、収納機構130及びサンプルタンク140の4つは搬送機構200の右側に位置してもよく、試薬タンク150、均一混合機構300、インキュベーション機構400、洗浄機構160及び測定機構170の5つは搬送機構200の左側に位置してもよく、このような機構配置は全体としてパイプラインレイアウトを呈し、作動効率が高い。
【0027】
いくつかの実施例において、貯蔵機構110は空の反応容器を貯蔵するために用いられ、サンプルタンク140はサンプルを貯蔵するために用いられ、収納機構130は使い捨て吸引ノズルを収納するために使用され、貯蔵機構110は移送機構120の前側に位置し、サンプルタンク140及び収納機構130の両者は移送機構120の後側に位置してもよい。移送機構120は相互に接続されたベルト駆動アセンブリ及び移送ディスク124を含み、移送ディスク124は円盤状構造であってもよく、移送ディスク124のエッジに複数の収容孔が開設され、該収容孔は同一の円周に沿って均一に間隔をあけて配列されてもよく、空の反応容器は該収容孔に置かれて、移送ディスク124が反応容器を載置する役割を果たすようになる。ベルト駆動アセンブリは移送ディスク124を駆動して回転させるために用いられ、移送機構120はアクセス作業位置121及びサンプル作業位置122を備え、アクセス作業位置121及びサンプル作業位置122の両者は、移送ディスク124の回転方向に沿って間隔をあけて設置することができ、アクセス作業位置121の数は1つであり、これにより反応容器が出入りする時間はサンプル添加時間に等しく、待ち時間を回避して、速度を向上させ、サンプル作業位置122の数は複数であってもよく、例えばサンプル作業位置122の数は5つ等であってもよい。移送ディスク124が回転すると、移送ディスク124は反応容器を動かしてアクセス作業位置121とサンプル作業位置122との間で移動させることができる。
【0028】
動作時に、移送ディスク124は時計回りに移動させることができ、まず移動グリッパは貯蔵機構110内の反応容器を取り出し且つアクセス作業位置121から移送ディスク124に搬入する。次に移送ディスク124は180°回転して反応容器をアクセス作業位置121からサンプル作業位置122に移動させ、使い捨て吸引ノズルを介してサンプルタンク140内のサンプルをサンプル作業位置122において反応容器に加える。即ち反応容器はサンプル作業位置122においてサンプル添加が完了し、使い捨て吸引ノズルはサンプル添加が完了した後に廃棄することができ、収納機構130から新しい使い捨て吸引ノズルを取って次の反応容器にサンプル添加を行い、サンプルの交差汚染を防止することができる。最後に、移送ディスク124を180°回転させて、反応容器をサンプル作業位置122からアクセス作業位置121に戻し、移動グリッパは、サンプル添加が完了した反応容器を該アクセス作業位置121で移送ディスク124から搬送機構200に移動させる。
【0029】
反応容器の搬入、サンプル添加、搬出が同じ作業位置で完了する場合、前の反応容器が移送ディスク124を離れるのを待ってから次の反応容器を移送ディスク124に進ませる必要があり、隣接する2つの反応容器の間に長い「待ち行列」時間が存在し、隣接する2つの反応容器にサンプル添加を開始する時間間隔が長くなり、これにより隣接する2つの反応容器を移送ディスク124に搬入又は搬出する時間が長くなることで、サンプル分析装置10の測定スループットに影響を及ぼす。実際に、該「待ち行列」時間は、反応容器の搬入時間、搬出時間、サンプル添加時間の3つの和とほぼ等しい。それに対して上記実施例はアクセス作業位置121及びサンプル作業位置122を設けることにより、サンプル作業位置122で前の反応容器にサンプルを添加すると同時に、次の反応容器をアクセス作業位置121から移送ディスク124に進ませることができ、それにより異なる反応容器の搬入とサンプル添加を同時に行うことができ、隣接する2つの反応容器の間の「待ち行列」時間を削減することができ、「待ち行列」時間は反応容器の搬出時間とサンプル添加時間の和以下となり、隣接する2つの反応容器がサンプル作業位置122に到着する時間間隔を圧縮し、隣接する2つの反応容器を移送ディスク124に搬入又は搬出する時間を短縮して、最終的にサンプル分析装置10の測定スループットを向上させる。
【0030】
いくつかの実施例において、搬送機構200は主動輪、従動輪及び搬送ベルト210を含み、搬送ベルト210は主動輪及び従動輪に嵌設され、反応容器は搬送ベルト210に載置されてもよく、搬送ベルト210は反応容器を動かして競技場トラック形の軌跡に沿って時計回りに移動させることができる。搬送ベルト210は占有空間が小さく、搬送機構200の構造のコンパクトな設計に有利である。搬送ベルト210は直線状を呈する第1縁部211及び第2縁部212を含み、第1縁部211及び第2縁部212は相互に平行であってもよく、第1縁部211は第2縁部212よりも均一混合機構300から離れており、楕円形の搬送範囲を形成し、占有空間が小さい。搬送機構200は第1作業位置221、第2作業位置222及び試薬作業位置223を備え、第1作業位置221は第1縁部211に対応し且つアクセス作業位置121に近接して設置され、移動グリッパは移送ディスク124上の反応容器をアクセス作業位置121から取り出し且つ第1作業位置221から第1縁部211に搬入することができる。第2作業位置222及び試薬作業位置223の両者は第2縁部212に対応し、第2縁部212は反応容器を動かして試薬作業位置223と第2作業位置222との間で直線運動させる。試薬タンク150は試薬を貯蔵するために用いられ、且つ試薬作業位置223に近接して設置され、第2作業位置222は均一混合機構300に近接して設けられる。第1作業位置221と第2作業位置222との間の接続線は、試薬作業位置223と第2作業位置222との間の接続線と垂直に交差していてもよく、言い換えれば、第1作業位置221と第2作業位置222は左右方向に沿って間隔をあけて設けられ、試薬作業位置223と第2作業位置222は前後方向に沿って間隔をあけて設けられる。
【0031】
動作時に、まず搬送ベルト210は反応容器を第1作業位置221から試薬作業位置223に移動させる。次に試薬針を介して試薬タンク150内の試薬を該試薬作業位置223で反応容器に加えることができ、第1作業位置221にある反応容器にはすでにサンプルが添加されていることから、この時、反応容器にはサンプルと試薬が同時に収容される。最後に搬送ベルト210はサンプルと試薬が収容された反応容器を試薬作業位置223から第2作業位置222に移動させ、第1グリッパは反応容器を第2作業位置222で搬送ベルト210から搬出し、均一混合機構300に搬入する。
【0032】
いくつかの実施例において、均一混合機構300は載置部材310、均一混合アセンブリ及びベルト駆動アセンブリを含み、ベルト駆動アセンブリは載置部材310を駆動して反時計回り又は時計回りに回転させるために用いられ、載置部材310は移送ディスク124の構造と類似し、即ち載置部材310も円盤状構造であってもよく、載置部材310は反応容器を載置して反応容器が回転するように動かすことができる。均一混合機構300は搬送作業位置321、均一混合作業位置322、第1中継作業位置331、第2中継作業位置332を有する。搬送作業位置321と混合作業位置322との両者は載置部材310の回転方向に沿って180°隔てられ、第1中継作業位置331と第2中継作業位置332との両者は載置部材310の回転方向に沿って180°隔てられ、それにより第1中継作業位置331と第2中継作業位置332との間の接続線は、搬送作業位置321と均一混合作業位置322との間の接続線と垂直に交差し、2本の接続線の交点は載置部材310の回転中心に位置する。均一混合アセンブリは均一混合作業位置322に対応し、反応容器が均一混合作業位置322に移動すると、均一混合アセンブリは反応容器を駆動して偏心振動を発生させ、それにより反応容器内のサンプルと試薬を十分に均一混合することができる。その他の実施例において、反応容器は、搬送作業位置321と均一混合作業位置322との間で直線的に移動させることができ、第1中継作業位置331と第2中継作業位置332との間でも直線的に移動させることができる。
【0033】
動作時に、まず第1グリッパは搬送ベルト210上の反応容器を第2作業位置222から取り出し且つ搬送作業位置321で載置部材310に搬入することができる。次に載置部材310を180°回転させて反応容器を搬送作業位置321から均一混合作業位置322に移動させ、均一混合アセンブリは反応容器に対して偏心振動を発生させてサンプルと試薬の均一混合処理を実現し、均一混合の効果を向上させる。最後に載置部材310を180°回転させて反応容器を均一混合作業位置322から搬送作業位置321に戻し、第1グリッパは反応容器を搬送作業位置321で載置部材310から移しインキュベーション機構400に搬入する。
【0034】
移送ディスク124の動作原理と同様に、反応容器の搬入、均一混合、搬出が同じ作業位置で完了する場合、前の反応容器が載置部材310を離れるのを待ってから次の反応容器を載置部材310に進ませる必要があり、隣接する2つの反応容器の間に長い「待ち行列」時間が存在し、該「待ち行列」時間は、反応容器の搬入時間と搬出時間と均一混合時間の和に等しく、隣接する2つの反応容器の均一混合を開始する時間間隔が長くなり、これにより隣接する2つの反応容器を載置部材310に搬入又は搬出する時間が長くなることで、サンプル分析装置10の測定スループットに影響を及ぼす。それに対して上記実施例は搬送作業位置321及び均一混合作業位置322を設けることにより、例えば前の反応容器を均一混合作業位置322で振動させ均一混合すると同時に、次の反応容器を搬送作業位置321から載置部材310に進ませることができ、又は前の反応容器を搬送作業位置321で載置部材310に搬出すると同時に、次の反応容器を均一混合作業位置322で振動させ均一混合することができる。異なる反応容器の載置部材310上での搬入及び均一混合を同時に行うことができ、また異なる反応容器の載置部材310上での搬出及び混合を同時に行うこともできる。これにより隣接する2つの反応容器の間の「待ち行列」時間を削減し、該「待ち行列」時間を反応容器の均一混合時間とほぼ等しくすることができ、隣接する2つの反応容器が均一混合作業位置322に到着する時間間隔を圧縮して、隣接する2つの反応容器を載置部材310に搬入又は搬出する時間を短縮して、最終的にサンプル分析装置10の測定スループットを向上させ、均一混合効果を向上させることもできる。同時に、反応容器が搬送作業位置321に搬出入される時間は均一混合に必要な時間より短く、効率を最大限に向上させることができ、且つ、同一の駆動ユニットが載置部材310を駆動して搬送作業位置321、均一混合作業位置322、第1中継作業位置331及び第2中継作業位置332の間で移動させるだけでよく、これにより均一混合機構300の構造を簡略化することもでき、占有空間が小さく、且つ4つの作業位置で同時に作動させることができ、速度が速い。
【0035】
いくつかの実施例において、インキュベーション機構400と均一混合機構300は独立して設置され、インキュベーション機構400は反応容器内のサンプル及び試薬を加熱してインキュベーションするために用いられる。インキュベーション機構400は固定して設置することができ、すなわちインキュベーション機構400は動かさず、これにより移動による流動空気のインキュベーション機構400に対する放熱作用を解消して、インキュベーション効果を向上させる。第1グリッパ及び第2グリッパの運動範囲に応じて、インキュベーション機構400を第1領域410及び第2領域420に分割することができ、第1グリッパの運動範囲は破線長方形Aであり、第1グリッパの運動範囲はインキュベーション機構400の全体をカバーし、それにより第1グリッパの運動範囲は第1領域410及び第2領域420を同時にカバーすることができる。第2グリッパの運動範囲は破線長方形Bであり、第2グリッパの運動範囲は第2領域420のみをカバーし第1領域410をカバーせず、即ち第2領域420は第2グリッパの運動範囲内に位置し、第1領域410は第2グリッパの運動範囲外に位置する。同時に、搬送作業位置321、第2中継作業位置332及び第2作業位置222は第1グリッパの運動範囲内に位置し、且つ第2グリッパの運動範囲外に位置し、第1中継作業位置331は第2グリッパの運動範囲内に位置し、当然ながら、第1中継作業位置331は第1グリッパの運動範囲内に位置してもよく、これにより第1グリッパと第2グリッパとの間に生じる干渉を効果的に防ぐことができ、両者が異なる位置で同時に動作することを保証する。
【0036】
第1領域410の幅hは第2領域420の幅Hより小さく、それにより第1領域410及び第2領域420は共に取り付け切欠き430を囲み、載置部材310の少なくとも一部は該取り付け切欠き430内に収容される。これにより載置部材310は該取り付け切欠き430の空間を十分に利用することができ、インキュベーション機構400及び載置部材310の両者が水平面内で占有する面積を小さくすることを保証して、サンプル分析装置10の構造がよりコンパクトになり、空間利用率を向上させる。第2領域420は第1領域410よりも第1中継作業位置331に近く、第1中継作業位置331の中心は、第1領域410及び第2領域420に垂直な配列方向において、インキュベーション機構400の最下端の反応容器列の中心との距離が0以上であり、第1中継作業位置331と第2中継作業位置332との間の接続線は、搬送作業位置321と均一混合作業位置322との間の接続線と交差し、好ましくは第1中継作業位置331と第2中継作業位置332との間の接続線は、搬送作業位置321と均一混合作業位置322との間の接続線と垂直に交差し、これにより第1グリッパと第2グリッパとの両者の運動範囲を可能な限り小さくし、及び2つのグリッパ自体の干渉問題を解決して、両者の運動速度及び作業効率を向上させる。第1領域410は第2領域420よりも移送作業位置321及び第2作業位置222に近い。
【0037】
搬送作業位置321と均一混合作業位置322との両者の中心を結ぶ直線を第1直線と記し、第1中継作業位置331と第2中継作業位置332との両者の中心を結ぶ直線を第2直線と記す。第1直線の延伸方向はインキュベーション機構400の幅方向と理解することができ、第2直線の延伸方向はインキュベーション機構400の長さ方向と理解することができる。インキュベーション機構400は、第1直線の延伸方向に間隔をあけて設置された第1エッジを有し、さらに第2直線の延伸方向に間隔をあけて設置された第2エッジを有し、明らかに、該第1エッジは概ねインキュベーション機構400の長さ方向に延伸し、該第2縁部は概ねインキュベーション機構400の幅方向に延伸する。載置部材310の少なくとも一部が該取り付け切欠き430内に収容されることからすると、第1直線はインキュベーション機構400を通過し且つ第2エッジと重ならず交差することもなく、第1直線は第2エッジと間隔をあけて設けられる。第2直線も同様にインキュベーション機構400を通過し第1エッジと重ならず交差することもなく、第2直線は第1エッジと間隔をあけて設けられる。
【0038】
均一混合機構300及びインキュベーション機構400に異なる工程を完了させるために使用される作業面を基準として、該作業面は相互に垂直な第3直線及び第4直線によって確定することができ、第3直線は第1領域及び第2領域の配列方向に沿って延伸する。実際には、第3直線と第2直線との両者の延伸方向は同じであり、第4直線と第1直線との両者の延伸方向は同じである。第4直線の延伸方向に沿って、均一混合作業位置322は第1領域410及び第2領域420のいずれとも設定された間隔を保持し、これにより第1グリッパ及び第2グリッパの運動範囲をさらに小さくして、両者の作業効率を向上させることができる。
【0039】
動作時に、第1グリッパは載置部材310上の反応容器を搬送作業位置321から取り出し且つインキュベーション機構400の第1領域410又は第2領域420に搬入するだけでなく、インキュベーション機構400の第1領域410又は第2領域420内の反応容器を取り出し且つ第2作業位置222において搬送ベルト210上に搬入することができ、さらには載置部材310上の反応容器を第2中継作業位置332から取り出し且つ第2作業位置222において搬送ベルト210上に搬入することができる。このように、第1グリッパはインキュベーション機構400、均一混合機構300、搬送機構200の3つの機構上の反応容器の搬送を実現でき、干渉が発生せず、効率が高い。
【0040】
いくつかの実施例において、洗浄機構160及び測定機構170は独立して設置され且つインキュベーション機構400のそばに位置し、第2グリッパはインキュベーション機構400内の反応容器を洗浄機構160に搬送することができ、洗浄機構160内の反応容器を測定機構170に搬送することもできる。洗浄機構160上にある反応容器について、該反応容器内の測定対象物質は磁気ビーズに吸着し、それにより洗浄機構160は測定対象物質を洗浄して干渉不純物を除去し、測定対象物質の洗浄を実現することができる。洗浄が完了した後、第2グリッパは反応容器を洗浄機構160から取り出し且つ測定装置に搬入し、次いで反応容器にシグナリング試薬を加えて、シグナリング試薬を磁気ビーズ上の測定対象物質と反応させ、それにより測定装置はシグナリング試薬と測定対象物質が反応して生成した発光量を測定することができる。且つ、第2グリッパは洗浄機構上の反応容器を第1中継作業位置で載置部材に搬入することもでき、このように第2グリッパを用いて洗浄機構160、測定機構170、インキュベーション機構400、均一混合機構300の4つの機構上の反応容器の搬送を実現でき、干渉が発生せず、効率が高い。
【0041】
該サンプル分析装置10はサンプルに対して3種類の検出項目を実施することができ、該3種類の検出項目のプロセスフローはそれぞれワンステップ法、ワンステップ再添加法及びツーステップ法に対応する。テスト前半において、ワンステップ法、ワンステップ再添加法及びツーステップ法の三者はいずれも同じ作業ステップを有し、テスト後半において、三者の作業ステップに相違が存在する。ワンステップ法、ワンステップ再添加法及びツーステップ法の三者のテスト前半における同一の作業ステップを汎用ステップとして、該汎用ステップは以下のとおりである。
【0042】
まず、移動グリッパは反応容器を貯蔵機構110から取り出し且つアクセス作業位置121において移送ディスク124に搬入し、次に移送ディスク124を回転させて反応容器をアクセス作業位置121からサンプル作業位置122に移動させ、使い捨て吸引ノズルはサンプルタンク140内のサンプルを反応容器に加え、サンプルを加えた後、移送ディスク124を回転させて反応容器をサンプル作業位置122から移動させてアクセス作業位置121に戻し、最後に移動グリッパは反応容器をアクセス作業位置121で移送ディスク124から移し且つ第1作業位置221で搬送ベルト210に搬入する。
【0043】
次に、搬送ベルト210はサンプルが添加された反応容器を第1作業位置221から試薬作業位置223に移動させ、試薬針が試薬タンク150内の試薬を反応容器に加えてサンプルと試薬を混合した後、搬送ベルト210は反応容器を試薬作業位置223から第2作業位置222に移動させ、最後に第1グリッパは反応容器を第2作業位置222で搬送ベルト210から移し且つ搬送作業位置321で載置部材310に搬入する。
【0044】
ワンステップ法によるテスト前半の作業ステップが終了した後、試薬及びサンプルが添加された反応容器は、搬送作業位置321で載置部材310に搬入されている。ワンステップ法によるテスト後半の作業ステップは以下のとおりである。
【0045】
第1ステップにおいて、載置部材310を180°回転させて反応容器を搬送作業位置321から均一混合作業位置322に移動させ、均一混合アセンブリは反応容器を駆動して偏心振動を発生させてサンプルと試薬を十分に均一混合し、次いで載置部材310をもう一度180°回転させて反応容器を均一混合作業位置322から搬送作業位置321に移動させ、最後に第1グリッパは反応容器を搬送作業位置321で載置部材310から移し且つインキュベーション機構400の第2領域420に搬入する。
【0046】
第2ステップにおいて、第2グリッパはインキュベーションが完了した反応容器をインキュベーション機構400の第2領域420から洗浄機構160に搬送し、反応容器の洗浄が完了した後、第2グリッパは反応容器を洗浄機構160から測定機構170に搬入し、反応容器の測定が完了した後、第2グリッパは反応容器を測定機構170から取り出し且つ廃棄する。
【0047】
ワンステップ再添加法によるテスト前半の作業ステップが終了した後、試薬及びサンプルが添加された反応容器は、搬送作業位置321で載置部材310に搬入されており、テスト前半に反応容器に添加された試薬を第1試薬として記す。ワンステップ再添加法によるテスト後半の作業ステップは以下のとおりである。
【0048】
第1ステップにおいて、載置部材310を180°回転させて反応容器を搬送作業位置321から均一混合作業位置322に移動させ、均一混合アセンブリは反応容器を駆動して偏心振動を発生させてサンプルと試薬を十分に均一混合し、次いで載置部材310をもう一度180°回転させて反応容器を均一混合作業位置322から搬送作業位置321に移動させ、最後に第1グリッパは反応容器を搬送作業位置321で載置部材310から移し且つインキュベーション機構400の第1領域410に搬入する。当然ながら、第1領域410が飽和して反応容器を受け入れ続けることができない場合、第1グリッパは反応容器を搬送作業位置321で載置部材310から移し且つインキュベーション機構400の第2領域420に搬入してもよい。
【0049】
第2ステップにおいて、反応容器をインキュベーション機構400で設定した時間インキュベーションした後、第1グリッパは反応容器をインキュベーション機構400の第1領域410から取り出し且つ第2作業位置222で搬送ベルト210に搬入し、次に搬送ベルト210は反応容器を第2作業位置222から試薬作業位置223に移動させ、試薬針で反応容器にもう一度試薬を加え、該試薬を第2試薬と記し、第2試薬の成分は第1試薬と異なっていてもよく、この時に、反応容器内にはサンプル、第1試薬及び第2試薬が同時に存在し、次いで搬送ベルト210はサンプル、第1試薬及び第2試薬が収容された反応容器をもう一度第2作業位置222に移動させ、最後に第1グリッパは反応容器を第2作業位置222で搬送ベルト210から移し且つ搬送作業位置321で載置部材310に搬入する。
【0050】
第3ステップにおいて、載置部材310を180°回転させて反応容器を搬送作業位置321から均一混合作業位置322に移動させ、均一混合アセンブリは反応容器を駆動して偏心振動を発生させてサンプル、第1試薬及び第2試薬を十分に均一混合し、次いで載置部材310をもう一度180°回転させて反応容器を均一混合作業位置322から搬送作業位置321に移動させ、最後に第1グリッパは反応容器を搬送作業位置321から載置部材310から移し且つインキュベーション機構400の第2領域420に搬入する。
【0051】
第4ステップにおいて、第2グリッパはインキュベーションが完了した反応容器をインキュベーション機構400の第2領域420から洗浄機構160に搬送し、反応容器の洗浄が完了した後、第2グリッパは反応容器を洗浄機構160から測定機構170に搬入し、反応容器の測定が完了した後、第2グリッパは反応容器を測定機構170から取り出し且つ廃棄する。
【0052】
ツーステップ法によるテスト前半の作業ステップが終了した後、試薬及びサンプルが添加された反応容器は、搬送作業位置321で載置部材310に搬入されており、テスト前半に反応容器に添加された試薬を第1試薬として記す。ツーステップ法によるテスト後半の作業ステップは以下のとおりである。
【0053】
第1ステップにおいて、載置部材310を180°回転させて反応容器を搬送作業位置321から均一混合作業位置322に移動させ、均一混合アセンブリは反応容器を駆動して偏心振動を発生させてサンプルと試薬を十分に均一混合し、次いで載置部材310をもう一度180°回転させて反応容器を均一混合作業位置322から搬送作業位置321に移動させ、最後に第1グリッパは反応容器を搬送作業位置321で載置部材310から移し且つインキュベーション機構400の第2領域420に搬入する。
【0054】
第2ステップにおいて、第2グリッパはインキュベーションが完了した反応容器をインキュベーション機構400の第2領域420から洗浄機構160に搬送し、反応容器の洗浄が完了した後、第2グリッパは反応容器を洗浄機構160から取り出し且つ第1中継作業位置331で載置部材310に搬入し、次いで載置部材310は反応容器を第1中継作業位置331から第2中継作業位置332に移動させ、最後に第1グリッパは反応容器を第2中継作業位置332で載置部材310から取り出し且つ第2作業位置222で搬送ベルト210に搬入する。
【0055】
第3ステップ、搬送ベルト210は反応容器を第2作業位置222から試薬作業位置223に移動させ、試薬針で反応容器にもう一度試薬を加え、該試薬を第2試薬と記し、第2試薬の成分は第1試薬と異なっていてもよく、この時に、反応容器内にはサンプル、第1試薬及び第2試薬が同時に存在し、次いで搬送ベルト210はサンプル、第1試薬及び第2試薬が収容された反応容器をもう一度第2作業位置222に移動させ、最後に第1グリッパは反応容器を第2作業位置222で搬送ベルト210から移し且つ搬送作業位置321で載置部材310に搬入する。
【0056】
第4ステップにおいて、載置部材310を180°回転させて反応容器を搬送作業位置321から均一混合作業位置322に移動させ、均一混合アセンブリは反応容器を駆動して偏心振動を発生させてサンプル、第1試薬及び第2試薬を十分に均一混合し、次いで載置部材310をもう一度180°回転させて反応容器を均一混合作業位置322から搬送作業位置321に移動させ、最後に第1グリッパは反応容器を搬送作業位置321で載置部材310から移し且つインキュベーション機構400の第2領域420に搬入する。
【0057】
第5ステップにおいて、第2グリッパはインキュベーションが完了した反応容器をインキュベーション機構400の第2領域420から洗浄機構160に搬送し、反応容器の洗浄が完了した後、第2グリッパは反応容器を洗浄機構160から測定機構170に搬入し、反応容器の測定が完了した後、第2グリッパは反応容器を測定機構170から取り出し且つ廃棄する。
【0058】
従って、該サンプル分析装置10において、それぞれワンステップ法、ワンステップ再添加法及びツーステップ法を実施する異なる反応容器を同時に存在させ、言い換えれば、一部の反応容器にワンステップ法の検出項目を実施すると同時に、他の2つの部分の反応容器にワンステップ再添加法及びツーステップ法の検出項目を実施することができ、即ちそれぞれワンステップ法、ワンステップ再添加法及びツーステップ法を実施する異なる反応容器の、同一のサンプル分析装置10における順序よく且つ迅速なテストの完了を保証することができる。
【0059】
均一混合機構300とインキュベーション機構400に一体式の回転ディスク構造を採用した場合、一方では、2つのグリッパによって回転ディスク上で反応容器を同時に搬入又は搬出する時に、2つのグリッパは回転ディスクの限られた空間内で動作して干渉が存在し、2つのグリッパを同時に移動させることができない。この場合、干渉を解消するために、2つのグリッパを相次いで移動させる方式を採用し、即ち1つのグリッパが干渉領域から離れるのを待ってから他のグリッパの移動を開始しなければならず、これによりグリッパに「待ち行列」時間が存在するようになり、グリッパの作業効率を低下させ、回転ディスクに搬出入される単位当たりの反応容器の数が減少して、最終的に測定スループットを低下させる。他方では、該回転ディスクの重量が大きく且つ体積が大きくなり、重量が大きい回転ディスクは慣性が大きく、回転ディスクの運動制御の難易度が明らかに増大して、回転ディスクの速度を向上させにくい。回転ディスクの速度が低い場合も、回転ディスクに搬出入される単位当たりの反応容器の数が減少し、測定スループットに影響を及ぼす。さらに、回転ディスクにおける均一混合機構は接続線を介して外部制御機構等の他の機構に接続されるが、接続線は回転ディスク内の熱量を伝達する役割を果たし、回転ディスクに対して熱損失を構成し、回転ディスクのインキュベーション効果を低下させる。
【0060】
それに対して上記実施例におけるサンプル分析装置10においては、インキュベーション機構400及び均一混合機構300の両者を独立させることにより、両者間の直接的、物理的な接続関係を解消し、且つインキュベーション機構400が固定して設置され、これは構造がシンプルで、インキュベーション効果が高い。一方では、第1グリッパ及び第2グリッパが載置部材310上で反応容器を搬入又は搬出する時に、干渉を解消することができ、干渉が存在するために第1グリッパ及び第2グリッパを相次いで移動させる形式しか採用できないことを回避して、「待ち行列」時間を解消し、第1グリッパ及び第2グリッパの同時移動を保証してグリッパの作業効率を向上させ、それにより載置部材310に搬出入される単位当たりの反応容器の数を増加して、最終的に測定スループットを向上させる。他方では、載置部材310の重量の体積を小さくして、載置部材310の運動制御の難易度を低下させ、載置部材310の回転速度を合理的に向上させることができる。回転速度を増加させると、回転ディスクに搬出入される単位当たりの反応容器の数が増加し、測定スループットがさらに向上する。さらに、インキュベーション機構400と均一混合機構300との間に物理的な接続関係が存在しないことから、インキュベーション機構400の熱量が熱伝導の方式によって均一混合機構300に送り込まれることを効果的に防止でき、インキュベーション機構400の熱損失の発生を防止し、インキュベーション機構400のインキュベーション効果を向上させる。
【0061】
例えば、ツーステップ法を実施する反応容器に対して、第2グリッパは洗浄機構160から第1中継作業位置331に移動し、それにより第2グリッパは洗浄機構160上の反応容器を第1中継作業位置331で載置部材310に搬入することができる。ワンステップ再添加法を実施する反応容器に対して、第1グリッパは搬送作業位置321から第1領域410に移動し、それにより第1グリッパは載置部材310上の反応容器を搬送作業位置321でインキュベーション機構400の第1領域410に移送することができ、第1グリッパはさらに第1領域410から第2作業位置222に移動し、それにより第1グリッパはインキュベーション機構400の第1領域410内の反応容器を第2作業位置222で搬送ベルト210に搬入することができる。
【0062】
第1領域410が第2グリッパの運動範囲外に位置するだけでなく、搬送作業位置321、第2中継作業位置332、及び第2作業位置222の三者がいずれも第2グリッパの運動範囲外に位置することに留意されたい。従って、第2グリッパが洗浄機構160から第1中継作業位置331に移動するのと同時に、第1グリッパを搬送作業位置321から第1領域410に移動させることができ、又は第1グリッパはさらに第1領域410から第2作業位置222に移動させることができる。これにより第1グリッパと第2グリッパとの両者の運動過程において干渉が発生することを効果的に防止し、第1グリッパと第2グリッパの干渉を回避するために生じる「待ち行列」時間を解消して、第1グリッパと第2グリッパの作業効率を向上させ、ツーステップ法とワンステップ再添加法を実施する作業ステップの同時実施を保証することができ、洗浄機構160、載置部材310及びインキュベーション機構400に搬出入される単位時間当たりの反応容器の数を増加して、サンプル分析装置10の測定スループットを向上させる。
【0063】
別の例として、ツーステップ法を実施する反応容器に対して、第2グリッパは洗浄機構160から第1中継作業位置331に移動し、それにより第2グリッパは洗浄機構160上の反応容器を第1中継作業位置331で載置部材310に搬入することができる。ワンステップ法を実施する反応容器に対して、第1グリッパは搬送作業位置321からインキュベーション機構400の第2領域420に移動し、それにより第1グリッパは載置部材310上の反応容器を搬送作業位置321で第2領域420に搬入することができる。搬送作業位置321が第2グリッパの運動範囲外にあることから、第2グリッパが洗浄機構160から第1中継作業位置331に移動するのと同時に、第1グリッパを搬送作業位置321から第2領域420に移動させることができ、干渉を効果的に回避して「待ち行列」時間を解消し、測定スループットを向上させることができる。
【0064】
別の例として、ツーステップ法を実施する反応容器に対して、第1グリッパは第2中継作業位置332から第2作業位置222に移動し、それにより第1グリッパは載置部材310上の反応容器を第2中継作業位置332から取り出し且つ第2作業位置222で搬送ベルト210に搬入することができる。第2グリッパは洗浄機構160から第1中継作業位置331に移動し、それにより第2グリッパは載置部材310上の反応容器を取り出し且つ第1中継作業位置331で載置部材310に搬入することができる。第2中継作業位置332及び第2作業位置222が第2グリッパの運動範囲内に位置し、且つ第1中継作業位置331及び第2中継作業位置332は載置部材310の回転方向において180°隔てられた2つの異なる作業位置であることから、第1グリッパを第2中継作業位置332から第2作業位置222に移動させるのと同時に、第2グリッパを洗浄機構160から第1中継作業位置331に移動させることができ、両者は互いに干渉せず、載置部材310に搬出入されツーステップ法を実施する単位時間当たりの反応容器の数を増加して、サンプル分析装置10の測定スループットを向上させる。
【0065】
さらに、移動グリッパが移送ディスク124上の反応容器をアクセス作業位置121から取り出し且つ第1作業位置221で搬送ベルト210に搬入すると同時に、第1グリッパは搬送ベルト210上の反応容器を第2作業位置222から取り出し且つ搬送作業位置321で載置部材310に搬入することができ、これによっても搬送ベルト210上に搬出入される単位時間当たりの反応容器の数を増加し、測定スループットを向上させることができる。
【0066】
インキュベーション機構400に取り付け切欠き430が存在することから、一方ではインキュベーション機構400の占有面積を合理的に減少させることができ、それにより第1グリッパ及び第2グリッパの両者の運動範囲のカバー面積を合理的に減少させ、即ち第1グリッパ及び第2グリッパの運動ストロークを減少させる。また、載置部材310の少なくとも一部を該取り付け切欠き430内に収容することによっても、第1領域410及び第2領域420の各部分から載置部材310までの距離が短縮され、例えば搬送作業位置321から第1領域410内の各部分までの距離が大幅に減少し、それにより第1グリッパがインキュベーション機構400から載置部材310まで移動する運動ストロークを短縮することができる。第1グリッパ及び第2グリッパの運動ストロークが合理的に短縮された場合、第1グリッパ及び第2グリッパの運動過程で消費される時間を削減して、第1グリッパ及び第2グリッパの作業効率を向上させ、載置部材310及びインキュベーション機構400に搬出入される単位時間当たりの反応容器の数を増加して、サンプル分析装置10の測定スループットを向上させることができる。さらに、第1グリッパ及び第2グリッパの動作の安定性及び信頼性を向上させ、長距離の運動過程で振動により両者の運動精度が低下し、ひいては破損することを防止する。
【0067】
従って、上記実施例におけるサンプル分析装置10において、ワンステップ法、ワンステップ再添加法及びツーステップ法のうちのいずれか1つに対応する測定項目のみが存在する場合、「待ち行列」時間を解消して測定スループットを向上させることができる。ワンステップ法、ワンステップ再添加法及びツーステップ法のうちの少なくとも2つに対応する測定項目が存在する場合、複数の測定項目を重要なノードの箇所で同時に移動させることができ、同様に「待ち行列」時間を解消して測定スループットを向上させることができる。
【0068】
上記実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴のすべての可能な組み合わせを説明しないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載された範囲とみなされるべきである。
【0069】
上記実施例は本発明のいくつかの実施形態を示すものに過ぎず、その説明は具体的かつ詳細であるが、これにより発明の特許請求の範囲を限定するものと理解すべきではない。指摘すべきこととして、当業者であれば、本発明の概念から逸脱しない前提で、さらにいくつかの変更及び改良を行うことができ、それらもすべて本発明の保護範囲とみなされるべきである。従って、本発明の特許の保護範囲は添付の特許請求の範囲を基準とすべきである。