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特許7445896映像表示装置、映像表示装置の制御方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】映像表示装置、映像表示装置の制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/436 20110101AFI20240301BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20240301BHJP
【FI】
H04N21/436
H04N21/442
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020524426
(86)(22)【出願日】2019-10-18
(86)【国際出願番号】 JP2019041158
(87)【国際公開番号】W WO2020090527
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】P 2018205441
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】細井 修
(72)【発明者】
【氏名】山本 紘平
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0295600(US,A1)
【文献】特開2016-163238(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0172049(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0036158(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューナ機器から無線通信によって映像ストリームを受信する無線通信部と、
前記映像ストリームに基づく映像を表示する表示部と、
HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルを介してソース機器と接続されるHDMI(登録商標)コネクタと、
前記HDMI(登録商標)ケーブルを介して前記ソース機器と通信するための接続信号を受信した場合に、前記HDMI(登録商標)コネクタが有するHPD(Hot Plug Detect)端子から前記ソース機器に出力させる信号をHiレベルにし、前記HPD端子から出力させる信号をHiレベルにしている場合に、前記映像ストリームに基づく映像を前記表示部が表示するとき、前記HPD端子から前記ソース機器に出力させる信号をLoレベルに変更する変更部と、
前記HDMI(登録商標)ケーブルを介した前記ソース機器との通信の通信帯域の高調波の少なくとも一部が、前記チューナ機器から受信する前記映像ストリームの通信帯域と重なるか否かを判定する判定部と、を備え、
前記変更部は、
前記HPD端子から出力させる信号をHiレベルにしている場合に、前記HDMI(登録商標)ケーブルを介した前記ソース機器との通信の通信帯域の高調波の少なくとも一部が前記映像ストリームの通信帯域と重なると前記判定部が判定したとき、前記HPD端子に出力させる信号をLoレベルに変更し、
前記表示部が映像を表示していない場合には、前記HPD端子から前記ソース機器に出力させる信号のレベルをHighにする
映像表示装置。
【請求項2】
HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルを介してソース機器と接続される映像表示装置の制御方法であって、
チューナ機器から無線通信によって映像ストリームを受信する無線通信ステップと、
前記映像ストリームに基づく映像を表示部に表示する表示ステップと、
前記HDMI(登録商標)ケーブルを介して前記ソース機器と通信するための接続信号を受信した場合に、HDMI(登録商標)コネクタが有するHPD(Hot Plug Detect)端子から前記ソース機器に出力させる信号をHiレベルにし、前記HPD端子から出力させる信号をHiレベルにしている場合に、前記映像ストリームに基づく映像を前記表示部が表示するとき、前記HPD端子から前記ソース機器に出力させる信号をLoレベルに変更する変更ステップと、
前記HDMI(登録商標)ケーブルを介した前記ソース機器との通信の通信帯域の高調波の少なくとも一部が、前記チューナ機器から受信する前記映像ストリームの通信帯域と重なるか否かを判定する判定ステップと、を含み、
前記変更ステップでは、
前記HPD端子から出力させる信号をHiレベルにしている場合に、前記HDMI(登録商標)ケーブルを介した前記ソース機器との通信の通信帯域の高調波の少なくとも一部が前記映像ストリームの通信帯域と重なると前記判定ステップで判定したとき、前記HPD端子に出力させる信号をLoレベルに変更し、
前記表示部が映像を表示していない場合には、前記HPD端子から前記ソース機器に出力させる信号のレベルをHighにする
映像表示装置の制御方法。
【請求項3】
請求項2に記載の映像表示装置の制御方法をコンピュータに実行させるための
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像表示装置、映像表示装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、チューナ機器と、チューナ機器から無線通信によって映像データを受信するディスプレイ機器と、を備えるシステムを開示する。ディスプレイ機器は、映像データを蓄積するバッファの使用状況を監視し、チューナ機器に送信する。チューナ機器は、受信したバッファの使用状況に基づき、バッファの映像データの残時間を推定する。また、チューナ機器は、ディスプレイ機器と通信する無線帯域を推定し、推定した映像データの残時間と無線帯域とに基づき、映像データのコンテンツビットレートを変換して、映像データをディスプレイ機器に送信する。こうすることで、特許文献1に開示されているシステムは、映像データに基づく映像の画質の劣化を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-9904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、無線通信を介して受信した映像ストリームに基づく映像の画質の劣化を抑制できる映像表示システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における映像表示装置は、チューナ機器から無線通信によって映像ストリームを受信する無線通信部と、前記映像ストリームに基づく映像を表示する表示部と、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルを介してソース機器と接続されるHDMI(登録商標)コネクタと、前記HDMI(登録商標)ケーブルを介して前記ソース機器と通信するための接続信号を受信した場合に、前記HDMI(登録商標)コネクタが有するHPD(Hot Plug Detect)端子から前記ソース機器に出力させる信号をHiレベルにし、前記HPD端子から出力させる信号をHiレベルにしている場合に、前記映像ストリームに基づく映像を前記表示部が表示するとき、前記HPD端子から前記ソース機器に出力させる信号をLoレベルに変更する変更部と、を備える。
【0006】
また、本開示における映像表示装置の制御方法は、HDMI(登録商標)ケーブルを介してソース機器と接続される映像表示装置の制御方法であって、チューナ機器から無線通信によって映像ストリームを受信する無線通信ステップと、前記映像ストリームに基づく映像を表示する表示ステップと、前記HDMI(登録商標)ケーブルを介して前記ソース機器と通信するための接続信号を受信した場合に、HDMI(登録商標)コネクタが有するHPD(Hot Plug Detect)端子から前記ソース機器に出力させる信号をHiレベルにし、前記HPD端子から出力させる信号をHiレベルにしている場合に、前記映像ストリームに基づく映像を表示するとき、前記HPD端子から前記ソース機器に出力させる信号をLoレベルに変更する変更ステップと、を含む。
【0007】
また、本開示におけるプログラムは、本開示における映像表示装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本開示における映像表示装置等によれば、無線通信を介して受信した映像ストリームに基づく映像の画質の劣化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1における映像表示装置を含むシステムの構成を示す概略図である。
図2図2は、実施の形態1における映像表示装置を含むシステムの構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態1における映像表示装置がHPD端子から出力させる信号を制御する動作手順の一具体例を示すフローチャートである。
図4図4は、実施の形態1における映像表示装置が実行するソース機器との認証処理の一具体例を示すシーケンス図である。
図5図5は、実施の形態1における映像表示装置が実行する処理に対するHPD端子から出力させる信号のレベルの一具体例を示す表である。
図6図6は、実施の形態2における映像表示装置を含むシステムの構成を示すブロック図である。
図7図7は、実施の形態2における映像表示装置がHPD端子から出力させる信号を制御する動作手順の一具体例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施の形態2における映像表示装置が実行する処理に対するHPD端子から出力させる信号のレベルの一具体例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見)
まず、発明者らの着眼点が、下記に説明される。
【0011】
従来、テレビジョン放送等で送信された映像ストリーム(つまり、映像データ)を受信するチューナ機器と、チューナ機器で受信した映像ストリームに基づく映像を表示する映像表示装置とが、別々の筐体に配置される等して分離されている映像表示システムがある。また、このような映像表示システムにおいて、チューナ機器で受信した映像ストリームが、有線通信ではなく無線通信によって映像表示装置に送信される場合がある。
【0012】
また、上記の映像表示システムが備える映像表示装置が、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)入力端子(言い換えると、HDMI(登録商標)コネクタ)を備えている場合がある。
【0013】
映像表示装置がHDMI(登録商標)コネクタを備える場合、チューナ機器と映像表示装置との無線通信が、HDMI(登録商標)コネクタに接続されているHDMI(登録商標)ケーブルを介した通信(HDMI(登録商標)通信)により干渉される場合がある。
【0014】
HDMI(登録商標)ケーブルを介した映像データ、音声データ等のデータ伝送には、高速の差動信号であるTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)信号が用いられる。このTMDS信号の高調波成分は、HDMI(登録商標)規格に従う送信フォーマット(言い換えると、TMDS信号を用いた通信の通信帯域)によっては、チューナ機器と映像表示装置との無線通信の通信帯域と重なる(つまり、通信帯域に干渉する)場合がある。
【0015】
例えば、5GHzの通信帯域を利用したWi-Fi(登録商標)通信によって、チューナ機器から映像表示装置に映像ストリームが送信された場合、Wi-Fi(登録商標)通信に36Ch(5.18GHz)、又は、40Ch(5.20GHz)が用いられているときに、例えば、TMDS信号が1080iの規格に従うとき、TMDS信号の通信帯域の高調波(7倍)の周波数は、5.192GHzとなる。そのため、このような場合においては、TMDS信号の高調波成分が、チューナ機器と映像表示装置との無線通信に干渉する場合がある。
【0016】
また、例えば、5GHzの通信帯域を利用したWi-Fi(登録商標)通信によって、チューナ機器から映像表示装置に映像ストリームが送信された場合、Wi-Fi(登録商標)通信に112Ch(5.56GHz)、又は、116Ch(5.58GHz)が用いられているときに、例えば、TMDS信号が1080pの規格に従うとき、TMDS信号の通信帯域の高調波(3倍)の周波数は、5.563GHzとなる。そのため、このような場合においてもまた、TMDS信号の高調波成分が、チューナ機器と映像表示装置との無線通信に干渉する場合がある。
【0017】
これらのように、HDMI(登録商標)通信の通信帯域が、無線通信の通信帯域と干渉していると、無線通信による伝送可能な伝送レート(言い換えると、ビットレート)が低くなるため、映像表示装置に表示される、映像ストリームに基づく映像の画質が劣化してしまう。
【0018】
以上の観点から、チューナ機器と映像表示機器とが無線通信している場合には、映像表示装置におけるHDMI(登録商標)通信を停止することで、映像表示装置に表示される映像の画質の劣化を抑制できると考えられる。
【0019】
ここで、BD(Blu-ray(登録商標) Disk)プレーヤ等のソース機器と映像表示装置(つまり、シンク機器)とがHDMI(登録商標)ケーブルで接続された場合、まず、ソース機器は、映像表示装置と通信するための接続信号を、HDMI(登録商標)ケーブルを介して映像表示装置に送信する。具体的には、ソース機器は、映像表示装置と通信するために、+5V端子(より具体的には、18pin)から出力させる信号をHiレベルにすることで、接続信号を送信する。つまり、ソース機器は、18pinから+5Vを接続信号として出力させる。次に、映像表示装置は、HDMI(登録商標)コネクタが有する+5V端子のHiレベルを検出した場合、HPD(Hot Plug Detect)端子(より具体的には、19pin)の出力をHiレベルにする。より具体的には、映像表示装置は、+5V端子でHiレベルの信号を検出した場合に、HPD端子に出力させる電位を基準電位(例えば、0V等のグランド電位)であるLoレベルの電位から+5V、つまり、Hiレベルの電位に変更する。ソース機器は、HPD端子でHiレベルの信号を検出することで、HDMI(登録商標)ケーブルが映像表示装置と通信可能に接続されたことを認識する。さらに、ソース機器は、HDMI(登録商標)ケーブルにおけるDDC(Display Data Channel)ラインを通じて、映像表示装置からEDID(Extended Display Identification Data)を取得して、HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)の認証を実行する。こうすることで、映像表示装置とソース機器とは、互いにHDMI(登録商標)の認証を行う。ソース機器は、このような認証を行った後で、TMDS信号を映像表示装置へ送信する。映像表示装置は、ソース機器から受信したTMDS信号に基づく動作(例えば、映像の表示、音声の出力等)を実行する。
【0020】
ここで、例えば、映像表示装置とソース機器との間で認証がなされた後で、HPD端子の出力をHiレベルに維持したまま、つまり、映像表示装置とソース機器との間でTMDS信号の通信を可能な状態に維持したまま、映像表示装置においてチューナ機器から受信している映像ストリームに基づく映像の表示をしているとする。こうしておけば、例えば、映像表示装置の表示を映像ストリームに基づく映像からTMDS信号に基づく映像に切り替える場合に、認証を再度行うことなく、ソース機器と映像表示装置とは、HDMI(登録商標)ケーブルを介して通信できる。一方、例えば、映像表示装置とソース機器との間で認証がなされた後で、HPD端子の出力をLoレベルに変更する、つまり、映像表示装置とソース機器との間で通信を一度遮断するとする。このような場合に、映像表示装置とソース機器とで通信を再度行う際には、HDCPの認証を再度行う必要がある。そのため、映像表示装置とソース機器との間でTMDS信号の通信を可能な状態に維持しておくことで、映像表示装置は、TMDS信号に基づく映像を表示するまでの時間(出画時間)を、認証に係る時間の分だけ短くすることができる。
【0021】
以上のように、映像ストリームの画質の観点からは、映像表示装置とソース機器との間の通信を遮断した方がよいが、映像表示装置がTMDS信号に基づく処理を実行するまでの時間の観点からは、映像表示装置とソース機器との間の通信を維持していた方がよい。
【0022】
以上を鑑み、発明者らは本開示を創作するに至った。
【0023】
以下、適宜図面を参照しながら、各実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0024】
なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0025】
(実施の形態1)
以下、図1図5を用いて、実施の形態1を説明する。
【0026】
[1-1.構成]
<概要>
図1は、実施の形態1における映像表示装置100を含む映像表示システム400の構成を示す概略図である。
【0027】
図1に示すように、映像表示システム400は、映像表示装置100と、映像表示装置100と無線通信可能なチューナ機器200と、映像表示装置100とHDMI(登録商標)ケーブル330を介して通信可能なソース機器300と、を備える。
【0028】
映像表示装置100は、無線通信及び有線通信によって他の機器と通信し、受信した信号に基づく映像を表示する装置である。映像表示装置100は、例えば、映像を表示するモニタ装置、テレビジョン等である。また、映像表示装置100は、例えば、チューナ機器200と無線通信可能に接続されており、且つ、ソース機器300と有線通信可能に、より具体的には、HDMI(登録商標)ケーブル330を介して通信可能に接続されている。なお、映像表示装置100が、無線通信、及び、有線通信によって他の機器と通信可能に接続されていればよく、通信可能に接続される他の機器の台数は、特に限定されない。図1には、映像表示装置100が有線通信可能に1台のソース機器300と接続され、且つ、無線通信可能に1台のチューナ機器200と接続されている場合について例示している。
【0029】
例えば、映像表示装置100は、図示しない基地局等から放送された番組等の映像ストリームを受信したチューナ機器200から当該映像ストリームを受信して、受信した映像ストリームに基づく映像を表示する。
【0030】
チューナ機器200は、図示しない基地局等と通信(遠距離無線通信)することで、当該基地局等から放送された番組等の映像ストリームを受信するためのアンテナ等と接続された受信機である。チューナ機器200は、例えば、テレビジョン受信機である。チューナ機器200は、受信した映像ストリームを、無線通信(近距離無線通信)によって映像表示装置100へ送信する。チューナ機器200と映像表示装置100との無線通信方法は、特に限定されない。チューナ機器200と映像表示装置100との無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、又は、ZigBee(登録商標)等の所定の無線通信規格に基づいて行われる。なお、以下では、チューナ機器200と映像表示装置100とは、Wi-Fi(登録商標)の規格に沿った無線通信を行うとして説明する。
【0031】
また、例えば、映像表示装置100は、ソース機器300から送信されたHDMI(登録商標)規格に基づくTMDS信号を、HDMI(登録商標)ケーブル330を介して受信して、受信したTMDS信号に基づく動作を実行する。具体的に例えば、映像表示装置100は、ソース機器300から送信されたTMDS信号の一例である映像データを、HDMI(登録商標)ケーブル330を介して受信して、受信した映像データに基づいた映像を表示させる。
【0032】
ソース機器300は、映像表示装置100とHDMI(登録商標)ケーブル330を介して通信可能に接続されており、映像表示装置100に映像データ等のTMDS信号を送信する機器である。ソース機器300としては、BDプレーヤ、レコーダ、ゲーム機器、パーソナルコンピュータ等が例示される。なお、以下では、ソース機器300は、TMDS信号として映像データを映像表示装置100に送信するBDプレーヤであるとして説明する。
【0033】
図2は、実施の形態1における映像表示装置100を含む映像表示システム400の構成を示すブロック図である。
【0034】
<映像表示装置>
映像表示装置100は、無線通信部110と、HDMI(登録商標)コネクタ120と、制御部130と、切替部140と、映像処理部150と、表示部160と、電源ボタン170と、切替ボタン171と、を備える。
【0035】
無線通信部110は、チューナ機器200と無線通信する無線通信インターフェースである。無線通信部110は、例えば、無線通信モジュールを有し、チューナ機器200が送信した通信ストリームを受信する。
【0036】
HDMI(登録商標)コネクタ120は、ソース機器300とHDMI(登録商標)ケーブル330を介して通信するための通信インターフェースである。具体的には、HDMI(登録商標)コネクタ120は、HDMI(登録商標)ケーブル330を介してソース機器300と接続されるコネクタであり、ソース機器300が送信したTMDS信号等の信号を受信する。HDMI(登録商標)コネクタ120は、HDMI(登録商標)の規格に従ってHPD端子121等を含む複数の端子(pin)を備える。
【0037】
制御部130は、映像表示装置100が実行する各種処理を実行させる処理部である。制御部130は、例えば、ユーザによって電源ボタン170が操作された場合、映像表示装置100と電気的に接続された図示しない外部商用電源等の電源から表示部160に電力を供給して表示部160に映像ストリーム又はTMDS信号に基づく映像を表示させる。また、例えば、制御部130は、ユーザによって切替ボタン171が操作された場合、切替部140を制御することで、表示部160に表示させる映像を、チューナ機器200から受信した映像ストリームに基づく映像と、ソース機器300から受信したTMDS信号に基づく映像とで選択的に切り替える。
【0038】
制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の映像表示装置100が備える図示しないメモリに記憶された制御プログラムとによって実現される。
【0039】
また、制御部130は、機能的には、変更部131を備える。
【0040】
変更部131は、HDMI(登録商標)ケーブル330を介してソース機器300と通信するための接続信号を受信した場合に、HDMI(登録商標)コネクタ120が有するHPD端子121からソース機器300に出力させる信号をHiレベルにする。また、変更部131は、HPD端子121から出力させる信号をHiレベルにしている場合に、映像ストリームに基づく映像を表示部160が表示するとき、HPD端子121からソース機器300に出力させる信号をLoレベルに変更する。例えば、Loレベルの信号は、グランド電位(より具体的には、0V)であり、Hiレベルの信号は、+5Vである。HPD端子121からソース機器300に出力させる信号をLoレベルに変更することで、ソース機器300は、映像表示装置100と通信可能に接続されていないと判定する。そのため、HPD端子121からソース機器300に出力させる信号をLoレベルに変更することで、ソース機器300は、映像表示装置100にTMDS信号の送信を停止する。言い換えると、変更部131は、HPD端子121からソース機器300に出力させる信号をLoレベルに変更することで、ソース機器300がTMDS信号を送信することを停止させることができる。
【0041】
切替部140は、表示部160に表示させる映像を、チューナ機器200から受信した映像ストリームに基づく映像と、ソース機器300から受信したTMDS信号に基づく映像とで選択的に切り替えるためのスイッチである。切替部140は、表示部160に表示させる映像を、映像ストリームに基づく映像と、TMDS信号に基づく映像とで選択的に切り替えることができればよく、回路等によりハードウェア的に実現されてもよいし、ソフトウェア的に実現されてもよい。
【0042】
映像処理部150は、チューナ機器200から受信した映像ストリーム、及び、ソース機器300から受信したTMDS信号を処理することで、表示部160に映像ストリーム、及び、TMDS信号に基づく映像を表示させる処理部である。映像ストリーム及びTMDS信号は、所定の規格に基づいて符号化されている。そのため、映像処理部150は、符号化された映像ストリーム及びTMDS信号を復号し、復号した情報に基づく映像を表示部160に表示させる。
【0043】
映像処理部150は、例えば、CPUと、ROM、RAM、HDD、SSD等の映像表示装置100が備える図示しないメモリに記憶された制御プログラムとによって実現される。
【0044】
なお、制御部130及び映像処理部150は、1つのCPU及び1つのメモリで実現されてもよいし、それぞれ異なるCPU及びメモリで実現されてもよい。
【0045】
表示部160は、映像ストリーム、及び、TMDS信号に基づく映像を表示するディスプレイである。表示部160は、映像を表示できればよく、液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等、任意に選択されてよい。
【0046】
電源ボタン170は、ユーザに操作されることで、制御部130が映像表示装置100の電源のオンオフ、待機状態等を切り替えるためのボタンである。例えば、制御部130は、映像表示装置100の電源がオンの状態で電源ボタン170が操作されたことを示す信号を電源ボタン170から取得した場合、表示部160への電力の供給を取り止め、映像表示装置100が備える一部の機器のみに電力を供給する状態である待機状態に映像表示装置100が備える各機器への電力の供給状態を変更する。
【0047】
切替ボタン171は、ユーザに操作されることで、表示部160に表示させる映像を、制御部130が、チューナ機器200から受信した映像ストリームに基づく映像と、ソース機器300から受信したTMDS信号に基づく映像とで選択的に切替部140に切り替えさせるためのボタンである。
【0048】
なお、電源ボタン170及び切替ボタン171は、ユーザが押下等の操作可能なボタンで実現されてもよいし、ユーザが操作する操作卓からの、電源のオンオフ、上述した待機状態への変更処理、表示部160に表示させる映像の切り替え等の操作を示す操作信号を受信するためのセンサで実現されてもよい。また、例えば、映像表示装置100は、ユーザの音声を検出するマイク等を有するスマートスピーカをさらに備え、当該スマートスピーカから操作信号を取得してもよい。
【0049】
<チューナ機器>
チューナ機器200は、チューナ部210と、ストリーム処理部220と、無線通信部230と、を備える。
【0050】
チューナ部210は、映像ストリームを外部から受信するためのアンテナと接続されたチューナである。
【0051】
ストリーム処理部220は、チューナ部210で受信した映像ストリームを、予め定められたビットレートに変換する処理部である。
【0052】
チューナ機器200と映像表示装置100とが無線通信する際の通信帯域のビットレートが足りない場合には、映像表示装置100で表示している映像がフリーズする場合がある。そこで、映像表示装置100における映像のフリーズを防ぐために、ストリーム処理部220は、無線通信の通信帯域のビットレートが低い場合には、チューナ機器200で受信した映像ストリームをデコードし、通信帯域に対応したビットレートで再エンコードし、映像ストリームを送信する。
【0053】
無線通信部230は、ストリーム処理部220でビットレートが変換された映像ストリームを映像表示装置100へ無線通信によって送信する無線通信インターフェースである。
【0054】
なお、チューナ機器200は、検出部240をさらに備えてもよい。
【0055】
検出部240は、チューナ機器200と映像表示装置100との間で無線通信されている信号の無線通信帯域を検出する検出器である。チューナ機器200が検出部240を備える場合、ストリーム処理部220は、予め定められたビットレートではなく、検出部240で検出されたチューナ機器200と映像表示装置100との間の無線通信帯域から、映像ストリームを変換するビットレートを決定し、決定したビットレートに映像ストリームのビットレートを変換してもよい。
【0056】
<ソース機器>
ソース機器300は、信号処理部310と、HDMI(登録商標)コネクタ320と、を備える。
【0057】
信号処理部310は、映像表示装置100に送信するTMDS信号を処理する処理部である。信号処理部310は、例えば、BDディスク等の映像データを記録する図示しない記憶部から図示しないセンサ等によって映像データを読み込み、HDMI(登録商標)の規格に基づいて当該映像データを符号化してTMDS信号を生成する。
【0058】
HDMI(登録商標)コネクタ320は、HDMI(登録商標)ケーブル330と接続されており、信号処理部310で生成されたTMDS信号を映像表示装置100にHDMI(登録商標)ケーブル330を介して送信するための通信インターフェースである。HDMI(登録商標)コネクタ320は、HDMI(登録商標)の規格に従ってHPD端子321を含む複数の端子を備える。
【0059】
[1-2.動作]
以上のように構成された映像表示装置100について、その動作を以下説明する。
【0060】
図3は、実施の形態1における映像表示装置100がHPD端子121から出力させる電圧を制御する動作手順の一具体例を示すフローチャートである。
【0061】
まず、制御部130は、電源ボタン170から電源をオンにする旨を示す信号を取得して映像表示装置100の電源をオンにしたとする(ステップS101)。なお、ステップS101の前に、映像表示装置100は、チューナ機器200と予め無線通信可能に接続されており、且つ、ソース機器300とHDMI(登録商標)ケーブル330を介して接続されているとする。
【0062】
次に、制御部130は、映像表示装置100の電源がオンになってからHDMI(登録商標)ケーブル330を介して接続信号を初めて受信した場合、HDMI(登録商標)コネクタ120が有するHPD端子121に出力させる信号をHiレベルにする(ステップS102)。
【0063】
次に、映像表示装置100とソース機器300とは、HDMI(登録商標)ケーブル330を介して通信して認証処理を実行する(ステップS103)。
【0064】
図4は、実施の形態1における映像表示装置100が実行するソース機器300との認証処理の一具体例を示すシーケンス図である。具体的には、図4は、図3のステップS102及びステップS103の一具体例を示すシーケンス図である。
【0065】
まず、ソース機器300は、HDMI(登録商標)コネクタ320が有する+5V端子(より具体的には、18pin)に出力させる信号をHiレベルにすることで、映像表示装置100に+5Vの信号を接続信号として送信する(ステップS201)。
【0066】
次に、映像表示装置100は、ソース機器300から送信された+5Vの信号を、HDMI(登録商標)コネクタ120が有する+5V端子で検出した場合、HPD端子121(より具体的には、19pin)に出力させる信号をHiレベルにすることで、ソース機器300に+5Vの信号を送信する(ステップS202)。より具体的には、映像表示装置100は、+5V端子においてHiレベルの信号を検出した場合に、HPD端子121に出力させる電圧をLoレベルからHiレベルに変更する。
【0067】
次に、ソース機器300は、HPD端子321においてHiレベルの信号を検出した場合、HDMI(登録商標)ケーブル330がソース機器300に接続されたことを認識する。
【0068】
次に、ソース機器300は、HDMI(登録商標)ケーブル330におけるDDCラインを通じて、映像表示装置100からEDIDを取得して、HDCPの認証を実行する(ステップS203)。こうすることで、映像表示装置100とソース機器300とは、互いにHDMI(登録商標)の認証を行う。
【0069】
これにより、次に、例えば、ソース機器300がTMDS信号を映像表示装置100へ送信する(ステップS204)ことで、映像表示装置100は、ソース機器300から受信したTMDS信号に基づく動作(例えば、映像の表示、音声の出力等)を実行できるようになる。
【0070】
なお、ステップS101の処理が待機状態からの変更であって、待機状態に変更する前に、映像表示装置100とソース機器300とで認証処理がすでに行われて、待機状態においてHDMI(登録商標)コネクタ120が有するHPD端子121からHiレベルの信号が出力されている状態である場合、ステップS101を実行した際には、すでにステップS102及びステップS103の処理が完了している状態であるため、ステップS102及びステップS103を実行しなくてもよい。
【0071】
再び図3を参照し、ステップS103の次に、制御部130は、映像ストリームに基づく映像を表示部160に表示させる指示を切替ボタン171から取得したか否かを判定する(ステップS104)。
【0072】
制御部130が映像ストリームに基づく映像を表示部160に表示させる指示を切替ボタン171から取得したと判定した場合(ステップS104でYes)、変更部131は、HPD端子121に出力させる信号をHiレベルからLoレベルに変更させる(ステップS105)。
【0073】
次に、制御部130は、映像ストリームに基づく映像を表示部160に表示させる(ステップS106)。
【0074】
次に、制御部130は、表示部160に表示させる映像を、映像ストリームに基づく映像からTMDS信号に基づく映像に変更させる指示を切替ボタン171から取得したか否かを判定する(ステップS107)。
【0075】
制御部130は、表示部160に表示させる映像を、映像ストリームに基づく映像からTMDS信号に基づく映像に変更させる指示を切替ボタン171から取得しない場合(ステップS107でNo)、ステップS106に処理を戻し、映像ストリームに基づく映像を表示部160に表示させ続ける。
【0076】
一方、制御部130が表示部160に表示させる映像を、映像ストリームに基づく映像からTMDS信号に基づく映像に変更させる指示を切替ボタン171から取得した場合(ステップS107でYes)、変更部131は、HDMI(登録商標)コネクタ120が有するHPD端子121に出力させる信号をHiレベルにし(ステップS108)、ステップS103と同様に映像表示装置100とソース機器300とは、HDMI(登録商標)ケーブル330を介して通信して認証処理を実行する(ステップS109)。
【0077】
また、制御部130は、映像ストリームに基づく映像を表示部160に表示させる指示を切替ボタン171から取得したと判定しない場合(ステップS104でNo)、TMDS信号に基づく映像を表示部160に表示させる指示を切替ボタン171から取得したか否かを判定する(ステップS110)。
【0078】
制御部130は、TMDS信号に基づく映像を表示部160に表示させる指示を切替ボタン171から取得しない場合(ステップS110でNo)、例えば、処理をステップS104に戻す。
【0079】
一方、制御部130は、TMDS信号に基づく映像を表示部160に表示させる指示を切替ボタン171から取得したと判定した場合(ステップS110でYes)、又は、ステップS109の次に、TMDS信号に基づく映像を表示部160に表示させる(ステップS111)。
【0080】
次に、制御部130は、表示部160に表示させる映像を、TMDS信号に基づく映像から映像ストリームに基づく映像に変更させる指示を切替ボタン171から取得したか否かを判定する(ステップS112)。
【0081】
制御部130は、表示部160に表示させる映像を、TMDS信号に基づく映像から映像ストリームに基づく映像に変更させる指示を切替ボタン171から取得しない場合(ステップS112でNo)、ステップS111に処理を戻し、TMDS信号に基づく映像を表示部160に表示させ続ける。
【0082】
一方、制御部130が表示部160に表示させる映像を、TMDS信号に基づく映像から映像ストリームに基づく映像に変更させる指示を切替ボタン171から取得した場合(ステップS112でYes)、処理をステップS105に移行する。
【0083】
図5は、実施の形態1における映像表示装置100が実行する処理に対するHPD端子121に出力させる信号のレベルの一具体例を示す表である。
【0084】
例えば、変更部131は、映像表示装置100の電源がオンである場合に、切替部140の入力が映像ストリーム入力であるとき、つまり、表示部160に映像ストリームに基づく映像を表示させているとき、HPD端子121からLoレベルの信号を出力させる。
【0085】
また、例えば、変更部131は、映像表示装置100の電源がオンである場合に、切替部140の入力がTMDS信号入力であるとき、つまり、表示部160にTMDS信号に基づく映像を表示させているとき、HPD端子121からはHiレベルの信号を出力させる。
【0086】
また、例えば、変更部131は、映像表示装置100の電源が待機状態である場合に、つまり、表示部160に映像を表示させていない状態である場合には、HPD端子121からHiレベルの信号を出力させる。
【0087】
[1-3.効果等]
以上のように、実施の形態1において、映像表示装置100は、チューナ機器200から無線通信によって映像ストリームを受信する無線通信部110と、映像ストリームに基づく映像を表示する表示部160と、HDMI(登録商標)ケーブル330を介してソース機器300と接続されるHDMI(登録商標)コネクタ120と、HDMI(登録商標)ケーブル330を介してソース機器300と通信するための接続信号を受信した場合に、HDMI(登録商標)コネクタ120が有するHPD端子121からソース機器300に出力させる信号をHiレベルにし、HPD端子121から出力させる信号をHiレベルにしている場合に、映像ストリームに基づく映像を表示部160が表示するとき、HPD端子121からソース機器300に出力させる信号をLoレベルに変更する変更部131と、を備える。
【0088】
このような構成によれば、変更部131は、映像ストリームに基づく映像を表示部160が表示している場合には、TMDS信号を受信できない状態、つまり、疑似的にソース機器300と映像表示装置100とが接続されていない状態とする。これにより、映像ストリームを受信している無線通信に、HDMI(登録商標)通信によるノイズが干渉することを抑制することができる。そのため、映像ストリームに基づく映像の劣化は、抑制され得る。
【0089】
(実施の形態2)
以下、図6図8を用いて、実施の形態2を説明する。なお、実施の形態1と実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する場合がある。
【0090】
[2-1.構成]
図6は、実施の形態2における映像表示装置100aを含む映像表示システム400aの構成を示すブロック図である。
【0091】
映像表示システム400aは、映像表示装置100aと、チューナ機器200と、ソース機器300と、を備える。
【0092】
映像表示装置100aは、無線通信部110と、HDMI(登録商標)コネクタ120と、制御部130aと、切替部140と、映像処理部150と、表示部160と、電源ボタン170と、切替ボタン171と、を備える。
【0093】
制御部130aは、映像表示装置100aが実行する各種処理を実行させる処理部である。制御部130aは、例えば、ユーザによって電源ボタン170が操作された場合、映像表示装置100と電気的に接続された図示しない外部商用電源等の電源から表示部160に電力を供給して表示部160に映像ストリーム又はTMDS信号に基づく映像を表示させる。また、例えば、制御部130aは、ユーザによって切替ボタン171が操作された場合、切替部140を制御することで、表示部160に表示させる映像を、チューナ機器200から受信した映像ストリームに基づく映像と、ソース機器300から受信したTMDS信号に基づく映像とで選択的に切り替える。
【0094】
制御部130aは、例えば、CPUと、ROM、RAM、HDD、SSD等の映像表示装置100aが備える図示しないメモリに記憶された制御プログラムとによって実現される。
【0095】
また、制御部130aは、機能的には、変更部131aと、判定部132と、を備える。
【0096】
判定部132は、HDMI(登録商標)ケーブル330を介したソース機器300との通信の通信帯域の少なくとも一部が、チューナ機器200から受信する映像ストリームの通信帯域と重なるか否かを判定する。具体的には、判定部132は、ソース機器300から受信するTMDS信号の通信帯域(より具体的には、高調波成分を含む通信帯域)の少なくとも一部が、チューナ機器200から受信する映像ストリームの通信帯域と重なるか否かを判定する。
【0097】
判定部132は、TMDS信号の通信帯域を、例えば、受信したTMDS信号から取得する。TMDS信号に用いられる通信帯域は、HDMI(登録商標)の規格により定められるため、映像表示装置100aは、予めTMDS信号の通信帯域を図示しないメモリ等の記憶部に記憶していてもよい。また、判定部132は、通信ストリームの通信帯域を、例えば、受信した通信ストリームから取得する。映像表示装置100aは、予め通信ストリームの通信帯域を図示しないメモリ等の記憶部に記憶していてもよい。
【0098】
変更部131aは、HDMI(登録商標)ケーブル330を介してソース機器300と通信するための接続信号を受信した場合に、HDMI(登録商標)コネクタ120が有するHPD端子121からソース機器300に出力させる信号をHiレベルにする。また、変更部131aは、HPD端子121から出力させる信号をHiレベルにしている場合に、HDMI(登録商標)ケーブル330を介したソース機器300との通信の通信帯域の少なくとも一部が前記映像ストリームの通信帯域と重なると判定部132が判定したとき、HPD端子121に出力させる信号をLoレベルに変更する。具体的には、変更部131aは、HPD端子121から出力させる信号をHiレベルにしている場合に、映像ストリームに基づく映像を表示部160が表示するとき、TMDS信号の通信帯域の少なくとも一部が映像ストリームの通信帯域と重なると判定部132が判定したとき、HPD端子121に出力させる信号をLoレベルに変更する。
【0099】
なお、変更部131aと判定部132とは、1つのCPU及び1つのメモリで実現されてもよいし、それぞれ異なるCPU及びメモリで実現されてもよい。
【0100】
[2-2.動作]
以上のように構成された映像表示装置100aについて、その動作を以下説明する。なお、実施の形態1と同様のステップについては、同様の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0101】
図7は、実施の形態2における映像表示装置100aがHPD端子121から出力させる信号を制御する動作手順の一具体例を示すフローチャートである。なお、図7には、実施の形態2における映像表示装置100aが実行する、実施の形態1における映像表示装置100の動作の一具体例を示した図3に示すフローチャートとの差異点を記載している。つまり、実施の形態2における映像表示装置100aは、図7に示すフローチャートの動作と、図3に示すフローチャートの動作とを実行する。
【0102】
まず、映像表示装置100aが、図3に示すステップS101~ステップS104までの動作を実行したとする。
【0103】
次に、制御部130aが映像ストリームに基づく映像を表示部160に表示させる指示を切替ボタン171から取得したと判定した場合(ステップS104でYes)、判定部132は、ソース機器300から受信するTMDS信号の通信帯域の少なくとも一部が、チューナ機器200から受信する映像ストリームの通信帯域と重なるか否かを判定する(ステップS301)。
【0104】
判定部132がソース機器300から受信するTMDS信号の通信帯域の少なくとも一部が、チューナ機器200から受信する映像ストリームの通信帯域と重なると判定した場合(ステップS301でYes)、変更部131aは、図3に示すステップS105と同様に、HPD端子121に出力させる信号をHiレベルからLoレベルに変更させ、処理を図3に示すステップS106に移行させる。
【0105】
一方、判定部132がソース機器300から受信するTMDS信号の通信帯域が、チューナ機器200から受信する映像ストリームの通信帯域と重ならないと判定した場合(ステップS301でNo)、変更部131aはHPD端子121に出力させる信号をHiレベルからLoレベルに変更させずに、Hiレベルの信号をHPD端子121に出力させたまま、処理を図3に示すステップS106に移行させる。
【0106】
図8は、実施の形態2における映像表示装置100aが実行する処理に対するHPD端子121から出力させる信号のレベルの一具体例を示す表である。
【0107】
例えば、変更部131aは、映像表示装置100aの電源がオンである場合に、切替部140の入力が映像ストリーム入力であるとき、つまり、表示部160に映像ストリームに基づく映像を表示させているとき、且つ、無線通信とHDMI(登録商標)との通信帯域、より具体的には、無線通信の通信帯域とHDMI(登録商標)の通信帯域の高調波成分とが重ならないとき、HPD端子121からはHiレベルの信号を出力させる。
【0108】
また、例えば、変更部131aは、映像表示装置100aの電源がオンである場合に、切替部140の入力が映像ストリーム入力であるとき、且つ、無線通信とHDMI(登録商標)との通信帯域、より具体的には、無線通信の通信帯域とHDMI(登録商標)の通信帯域の高調波成分との少なくとも一部が重なるとき、HPD端子121からはLoレベルの信号を出力させる。
【0109】
なお、例えば、変更部131aは、映像表示装置100aの電源がオンである場合に、切替部140の入力が映像ストリーム入力であるときにおいても、TMDS信号の入力を受け付けていないときにおいては、HPD端子121にLoレベルの信号を出力させる。
【0110】
このように、例えば、変更部131aは、映像表示装置100aの電源がオンである場合に、切替部140の入力が映像ストリーム入力であるとき、且つ、無線通信とHDMI(登録商標)との通信帯域が干渉しないときにおいては、HPD端子121からはLoレベルの信号を出力させる。
【0111】
また、例えば、変更部131aは、映像表示装置100aの電源がオンである場合に、切替部140の入力がTMDS信号入力であるとき、つまり、表示部160にTMDS信号に基づく映像を表示させているとき、HPD端子121からはHiレベルの信号を出力させる。
【0112】
また、例えば、変更部131aは、映像表示装置100aの電源が待機状態である場合に、つまり、表示部160に映像を表示させていない状態である場合には、HPD端子121からはHiレベルの信号を出力させる。
【0113】
なお、例えば、変更部131aは、映像表示装置100aの電源が待機状態である場合には、HPD端子121からはHiレベルの信号を出力させてもよいし、Loレベルの信号を出力させてもよい。例えば、映像表示装置100aは、ユーザの操作を受け付けるボタン等の受付ボタンをさらに備え、変更部131aは、当該受付ボタンがユーザから受け付けた指示に基づいて、HPD端子121から出力させる信号のレベルを変更してもよい。
【0114】
[2-3.効果等]
以上のように、実施の形態2において、映像表示装置100aは、映像表示装置100の構成に、さらに、判定部132を備える。判定部132は、HDMI(登録商標)ケーブル330を介したソース機器300との通信の通信帯域の少なくとも一部が、チューナ機器200から受信する映像ストリームの通信帯域と重なるか否かを判定する。この場合、変更部131aは、HPD端子121から出力させる信号をHiレベルにしている場合に、HDMI(登録商標)ケーブル330を介したソース機器300との通信の通信帯域の少なくとも一部が映像ストリームの通信帯域と重なると判定部132が判定したとき、HPD端子121に出力させる信号をLoレベルに変更する。
【0115】
このような構成によれば、変更部131aは、実施の形態1における変更部131と同様に、映像ストリームを受信している無線通信に、HDMI(登録商標)通信によるノイズが干渉することを抑制することができる。そのため、映像ストリームに基づく映像の劣化は、抑制され得る。また、変更部131aは、判定部132による無線通信にHDMI(登録商標)通信が干渉するか否かの判定結果に基づいて、HPD端子121に出力させる信号のレベルを変更する。例えば、変更部131aは、判定部132が干渉しないと判定した場合には、HPD端子121に出力させる信号のレベルをHiレベルのままとする。そのため、このような構成によれば、映像ストリームの画質の劣化を抑制しつつ、且つ、HPD端子121に出力させる信号のレベルがHiレベルの場合にはソース機器300と映像表示装置100aとの認証処理を発生させる回数をさらに低減することができる。
【0116】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1及び実施の形態2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0117】
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0118】
例えば、上記実施の形態において、本開示に係る映像表示装置が備える制御部130、130a、映像処理部150等の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0119】
また、本開示に係る映像表示装置が備える制御部130、130a等の処理部の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0120】
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0121】
また、本開示の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。或いは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。
【0122】
例えば、本開示は、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルを介してソース機器と接続される映像表示装置の制御方法であって、チューナ機器200から無線通信によって映像ストリームを受信する無線通信ステップと、映像ストリームに基づく映像を表示する表示ステップと、HDMI(登録商標)ケーブル330を介してソース機器300と通信するための接続信号を受信した場合に、HDMI(登録商標)コネクタ120が有するHPD端子121からソース機器300に出力させる信号をHiレベルにし、HPD端子121から出力させる信号をHiレベルにしている場合に、映像ストリームに基づく映像を表示するとき、HPD端子121からソース機器300に出力させる信号をLoレベルに変更する変更ステップと、を含む映像表示装置100、100aの制御方法として実現されてもよい。
【0123】
また、例えば、本開示は、上記実施の形態1及び上記実施の形態2における映像表示装置100、100aの制御方法をコンピュータによって実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体に記録されてもよいし、インターネット等の通信路で配信されてもよい。
【0124】
また、例えば、本開示に係る映像表示装置100、100aは、アンプ、スピーカ等の音発生器を備えてもよい。また、TMDS信号には、映像データ以外のデータが含まれていてもよい。TMDS信号には、例えば、映像データだけでなく、音データも含まれていてもよい。制御部130、130aは、TMDS信号に映像データ以外のデータ、例えば、音データ等が含まれている場合には、当該データに基づいた処理、例えば、音データに基づいて音を出力させる等の処理を実行すればよい。また、HDMI(登録商標)ケーブル330を介した通信に用いられる信号は、TMDS信号でなくてもよい。
【0125】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
【0126】
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0127】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本開示は、チューナ機器と無線通信し、且つ、HDMI(登録商標)ケーブルを介してソース機器と通信可能なテレビジョン等の映像表示装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0129】
100、100a 映像表示装置
110、230 無線通信部
120、320 HDMI(登録商標)コネクタ
121、321 HPD端子
130、130a 制御部
131、131a 変更部
132 判定部
140 切替部
150 映像処理部
160 表示部
170 電源ボタン
171 切替ボタン
200 チューナ機器
210 チューナ部
220 ストリーム処理部
240 検出部
300 ソース機器
310 信号処理部
330 HDMI(登録商標)ケーブル
400、400a 映像表示システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8