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  • 特許-照明装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 33/00 20060101AFI20240301BHJP
   F21V 9/00 20180101ALI20240301BHJP
   F21V 9/06 20180101ALI20240301BHJP
   F24F 8/40 20210101ALI20240301BHJP
【FI】
F21V33/00 470
F21V9/00 400
F21V9/06
F24F8/40
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022124442
(22)【出願日】2022-08-04
(65)【公開番号】P2024021549
(43)【公開日】2024-02-16
【審査請求日】2022-12-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000221432
【氏名又は名称】東西電工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 和広
(72)【発明者】
【氏名】黒田 智士
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3160820(JP,U)
【文献】特開2018-113116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 33/00
F21V 9/00
F21V 9/06
F24F 8/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾン発生部と照明部を有し、前記オゾン発生部は紫外線発生源と循環口とオゾン通路で構成され、該紫外線発生源で発生した紫外線により前記オゾン通路においてオゾンを発生させ前記循環口から外部にオゾンを排出するように構成され、前記オゾン通路に前記紫外線発生源から照射された紫外線を減衰させる紫外線減衰板が設けられる、照明装置。
【請求項2】
紫外線発生源は紫外線ランプケ-スを有し、該紫外線ランプケ-スに紫外線照射口として複数のスリットが設けられる、請求項1に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
健康志向の高まりは照明器具へも広がっており、様々な効能を付加された照明装置の研究が進んでいる。その一つとして空間除菌能力を有する照明装置がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
空間除菌は除菌装置を室内に設置して行うことが一般的である。除菌能力を維持するために清掃や材料補充などの定期メンテナンスが必要なものも多く維持費用が掛かる。また床面や卓上に設置されるため室内の障害物の状況により十分な効果が得られない場合がある。室内全体において効果を得るためにファンモ-タ-等の攪拌機能を有する場合、騒音や信頼性の問題がある。
【0004】
オゾンや次亜塩素酸を利用する場合、装置近傍における各濃度値が高くなる。また、オゾン発生に紫外線を利用する場合もある。これらにより、ペットや幼児への影響が危惧される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記問題点を解決するため、オゾン発生部と照明部5を有し、オゾン発生部はオゾン発生源と循環口7、8とオゾン通路11を有する照明装置を提案する。また、オゾン発生源として紫外線ランプを用いる場合はオゾン発生部に紫外線減衰板4を設けることが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、安全かつ効率的に室内全体の空間除菌が可能となる照明装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施例を示す照明装置の構成図
図2】本発明の一実施例を示す照明装置の断面図
図3】本発明の一実施例を示す紫外線ランプケ-スの構成図
図4】本発明の一本発明の実施例におけるオゾン生成と紫外線経路図
図5】本発明の一実施例におけるオゾン性能評価結果
図6】本発明の一実施例におけるオゾン性能評価条件
図7】一般的な人体に影響を与えないとされる紫外線被ばく量と被ばく時間の関係
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施例を示すオゾン発生機能を付加した照明装置であり、図2図1に示す照明装置の断面図である。
【0010】
紫外線ランプ2はオゾンを発生させる波長を有するものであり照明装置1の内部において紫外線ランプ2より発生する紫外線12によりオゾンを発生させる。なお、紫外線ランプ2は185nmと253.7nmの波長もしくは185nmの波長のみを有するものが好ましい。
【0011】
図3は本発明の一実施例を示す紫外線ランプケ-スの構成図である。また図4は本発明の実施例におけるオゾン生成と紫外線経路図である。紫外線ラ
ンプ2で発生した紫外線12は紫外線ランプケ-ス9に設けられた紫外線照
射口10を通りオゾン通路11内部に照射され、オゾン通路11内部において底面循環口7及び側面循環口8の一部より供給された酸素13からオゾン14を生成する。生成されたオゾンは底面循環口7及び側面循環口8の一部より照明装置1の外部へ放出される。室内の酸素13と照明装置1の内部で発生したオゾン14の循環量は底面循環口7及び側面循環口8の位置及び開口面積、オゾン通路11の断面積により決定される。
【0012】
図4に示すように紫外線12も循環口から室内に照射される可能性があることから循環口7、8の開口面積は小さい方が好ましい。図1の照明装置を45mの室内の天井面に設置し、底面循環口7及び側面循環口8の開口面積を変化させ室内の平均オゾン濃度を測定した結果、図5に示すように照明装置1における底面循環口7及び側面循環口8の開口面積の違いにより室内のオゾン濃度に大きな差が確認された。オゾン濃度は図6に示す(1)から(4)の測定点において株式会社ガステック製の気体採取器GV-100と検知管オゾン18Lを使用して測定を行った。
【0013】
これより側面循環口8の開口面積を増加させても照明装置1から排出されるオゾン量の増加は限定的であり、底面循環口7だけでは照明装置1から室内空間にオゾンを排出させることができなかった。しかし、底面循環口7と側面循環口8を併設することで効率良く室内にオゾンが排出されることが確認された。これより、循環口の面積を小さくするためには、底面循環口7と側面循環口8の併設が効果的であると言える。なお、本実施例において、側面循環口32個の場合よりも側面循環口10個、底面循環口2個の場合の方が室内の平均オゾン濃度を約1.4倍以上にすることができ、側面循環口と底面循環口の併設によって循環口の開口面積を小さくすることが可能となった。
【0014】
医学関係の報告書などによればウイルスを不活化させるためには0.02
5から0.05ppmのオゾン濃度であれば良いとされている。本実施例で
は底面循環口7は5mm×42mmの長孔を45mm間隔で2個、側面循環
口8は5mm×30mmの長孔を10mm間隔で10個を器具の4か所に設けることで0.05ppmのオゾン濃度を達成できた。なお底面循環口7と側面循環口8の形状、位置、個数の組み合わせは照明装置の形態により異なる。
【0015】
照明装置1から室内に照射される紫外線12は人体に無害なレベルに抑える必要がある。人体への影響としては米国労働衛生専門官会議で定められた安全規格値を基準として考えることとし、これによる紫外線被ばく量と被ばく時間の関係を図7に示す。図1及び図4における紫外線減衰板4が無い場合の循環口における紫外線強度は1.4μW/cmであり30分の使用で人体への影響があると判断される。効率良く紫外線強度を人体に無害なレベルに抑えるために紫外線減衰板4が必要となる。十分な減衰率を得るためには黒色材料を用いることが望ましいが、連続してオゾン14と紫外線12に暴露されるため使用に適した材料の選定には注意が必要である。本実施例では黒アルマイト処理を施したアルミ材料を用いた。その結果、黒アルマイト処理を施したアルミ板の紫外線減衰板4を使用した場合の循環口における紫外線強度は0.003μW/cmとなり人体への影響は無いといえる。
【0016】
本実施例の構成により照明装置1から照射される紫外線強度を人体に無害なレベルに抑え、且つ空間除菌に必要なオゾン濃度を確保することが実現できることが実現できる。
【符号の説明】
【0017】
1・・・照明装置
2・・・紫外線ランプ
3・・・紫外線ランプ制御装置
4・・・紫外線減衰板
5・・・照明部
6・・・照明制御装置
7・・・底面循環口
8・・・側面循環口
9・・・紫外線ランプケース
10・・・紫外線照射口
11・・・オゾン通路
12・・・紫外線
13・・・酸素
14・・・オゾン
15・・・測定空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7