(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】設置支援装置、設置支援方法、及び、設置支援プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240301BHJP
H04N 23/90 20230101ALI20240301BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 G
H04N23/90
(21)【出願番号】P 2022193764
(22)【出願日】2022-12-02
【審査請求日】2023-12-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 明夫
(72)【発明者】
【氏名】酒田 善史
(72)【発明者】
【氏名】松本 博志
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/219932(WO,A1)
【文献】国際公開第2022/219933(WO,A1)
【文献】国際公開第2022/124089(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/047060(WO,A1)
【文献】特開2021-60866(JP,A)
【文献】国際公開第2021/166915(WO,A1)
【文献】特開2022-136702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 23/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物が通る第1端と第2端とを結ぶ通路における、前記第1端から前記第2端の方向を撮影する第1撮影装置の設置と、前記第2端から前記第1端の方向を撮影する第2撮影装置の設置とを支援する設置支援装置であって、
前記通路の地面からの高さが入力される入力部と、
入力された前記高さでの前記地面に水平な断面である水平断面における、前記第1撮影装置の撮影範囲である第1撮影範囲と、前記水平断面における、前記第2撮影装置の撮影範囲である第2撮影範囲と、前記第1撮影範囲及び前記第2撮影範囲が重複する範囲である重複撮影範囲と、を算出する制御部と、
前記通路内の所定の領域と前記第1撮影範囲と前記第2撮影範囲と前記重複撮影範囲とを表示する表示部と、を備える、
設置支援装置。
【請求項2】
前記第1撮影範囲は、複数の前記第1撮影装置のそれぞれの撮影範囲を合成した撮影範囲であり、
前記第2撮影範囲は、複数の前記第2撮影装置のそれぞれの撮影範囲を合成した撮影範囲である、
請求項1に記載の設置支援装置。
【請求項3】
前記入力部は、
前記複数の第1撮影装置のそれぞれについて、設置位置及び撮影方向と、ランドスケープモード又はポートレートモードの何れかの撮影モードと、が入力され、
前記複数の第2撮影装置のそれぞれについて、設置位置及び撮影方向と、ランドスケープモード又はポートレートモードの何れかの撮影モードと、が入力され、
前記制御部は、
入力された前記複数の第1撮影装置のそれぞれの設置位置、撮影方向及び撮影モードに基づいて、前記第1撮影範囲を算出し、
入力された前記複数の第2撮影装置のそれぞれの設置位置、撮影方向及び撮影モードに基づいて、前記第2撮影範囲を算出する、
請求項2に記載の設置支援装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記重複撮影範囲における最短部分の距離を算出し、
前記最短部分の距離が所定の閾値未満であるか否かを判定する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の設置支援装置。
【請求項5】
前記最短部分の距離は、前記重複撮影範囲を形成する前記第1端側の辺である第1辺から、前記重複撮影範囲を形成する前記第2端側の辺である第2辺までの距離のうちの最短の距離である、
請求項4に記載の設置支援装置。
【請求項6】
前記重複撮影範囲内に抜けの範囲である中間範囲が存在する場合、前記最短部分の距離は、前記第1辺から前記中間範囲の辺までの距離と、前記中間範囲の辺から前記第2辺までの距離と、前記第1辺から前記第2辺までの距離とのうち、最短の距離である、
請求項5に記載の設置支援装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記最短部分の距離が前記所定の閾値未満であると判定した場合、所定の通知を行う、
請求項4に記載の設置支援装置。
【請求項8】
前記閾値は、前記人物の移動速度と、前記第1撮影装置又は前記第2撮影装置の撮影時間間隔とに基づいて定まる値である、
請求項4に記載の設置支援装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記重複撮影範囲における前記最短部分の距離が得られる線分を特定し、
前記線分を前記重複撮影範囲に重畳して表示させる、
請求項4に記載の設置支援装置。
【請求項10】
前記入力部は、前記第1端と前記第2端との間の位置が入力され、
前記制御部は、入力された前記位置での前記地面に垂直な断面である垂直断面における、前記第1撮影装置の撮影範囲である第3撮影範囲、及び/又は、前記第2撮影装置の撮影範囲である第4撮影範囲を算出し、
前記表示部は、前記第3撮影範囲及び/又は前記第4撮影範囲を表示する、
請求項1に記載の設置支援装置。
【請求項11】
前記第3撮影範囲は、複数の前記第1撮影装置のそれぞれの撮影範囲を合成した撮影範囲であり、
前記第4撮影範囲は、複数の前記第2撮影装置のそれぞれの撮影範囲を合成した撮影範囲である、
請求項10に記載の設置支援装置。
【請求項12】
前記入力部は、
前記複数の第1撮影装置のそれぞれについて、設置位置及び撮影方向と、ランドスケープモード又はポートレートモードの何れかの撮影モードと、が入力され、
前記複数の第2撮影装置のそれぞれについて、設置位置及び撮影方向と、ランドスケープモード又はポートレートモードの何れかの撮影モードと、が入力され、
前記制御部は、
入力された前記複数の第1撮影装置のそれぞれの設置位置、撮影方向及び撮影モードに基づいて、前記第3撮影範囲を算出し、
入力された前記複数の第2撮影装置のそれぞれの設置位置、撮影方向及び撮影モードに基づいて、前記第4撮影範囲を算出する、
請求項11に記載の設置支援装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記地面から、前記第3撮影範囲及び/又は前記第4撮影範囲の地面から遠い側の辺までの高さのうち最短部分の高さを算出し、
前記最短部分の高さが所定の閾値以上であるか否かを判定する、
請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の設置支援装置。
【請求項14】
前記制御部は、
前記最短部分の高さが前記所定の閾値未満であると判定した場合、所定の通知を行う、
請求項13に記載の設置支援装置。
【請求項15】
人物が通る第1端と第2端とを結ぶ通路における、前記第1端から前記第2端の方向を撮影する第1撮影装置の設置と、前記第2端から前記第1端の方向を撮影する第2撮影装置の設置とを支援する設置支援方法であって、
前記通路の地面からの高さが入力され、
入力された前記高さでの前記地面に水平な断面である水平断面における、前記第1撮影装置の撮影範囲である第1撮影範囲と、前記水平断面における、前記第2撮影装置の撮影範囲である第2撮影範囲と、前記第1撮影範囲及び前記第2撮影範囲が重複する範囲である重複撮影範囲と、を算出し、
前記通路内の所定の領域と前記第1撮影範囲と前記第2撮影範囲と前記重複撮影範囲とを表示する、
設置支援方法。
【請求項16】
請求項15に記載の設置支援方法をコンピュータに実行させる、
設置支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、設置支援装置、設置支援方法、及び、設置支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の監視カメラを撮影範囲の一部が重複するように配置することが行われている。特許文献1には、撮像装置各々から取得した映像データのうち、同時刻に撮像された映像データに同じ特定対象物が検出されるか否かによって、撮影装置各々の撮像範囲の重複度を算出し、撮像装置各々の撮像範囲の重複度を文字または映像で表示することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6705102号公報
【文献】特許第6235777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の撮影装置を用いて通路を移動する人物の顔を撮影し、その撮影した顔画像を予め登録されている顔画像と照合し、その照合結果に基づいて通路を移動する人物の認証を行う顔認証システムが検討されている。このような顔認証システムを実現するためには、通路における人物の検出領域において、複数の撮影装置が連携して人物の移動を追跡できるように各撮影装置を適切な台数、位置及び角度等で設置することが求められる。
【0005】
本開示の目的は、複数の撮影装置の適切な設置を支援する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る設置支援装置は、人物が通る第1端と第2端とを結ぶ通路における、前記第1端から前記第2端の方向を撮影する第1撮影装置の設置と、前記第2端から前記第1端の方向を撮影する第2撮影装置の設置とを支援する設置支援装置であって、前記通路の地面からの高さが入力される入力部と、入力された前記高さでの前記地面に水平な断面である水平断面における、前記第1撮影装置の撮影範囲である第1撮影範囲と、前記水平断面における、前記第2撮影装置の撮影範囲である第2撮影範囲と、前記第1撮影範囲及び前記第2撮影範囲が重複する範囲である重複撮影範囲と、を算出する制御部と、前記通路内の所定の領域と前記第1撮影範囲と前記第2撮影範囲と前記重複撮影範囲とを表示する表示部と、を備える。
【0007】
本開示の一態様に係る設置支援方法は、人物が通る第1端と第2端とを結ぶ通路における、前記第1端から前記第2端の方向を撮影する第1撮影装置の設置と、前記第2端から前記第1端の方向を撮影する第2撮影装置の設置とを支援する設置支援方法であって、前記通路の地面からの高さが入力され、入力された前記高さでの前記地面に水平な断面である水平断面における、前記第1撮影装置の撮影範囲である第1撮影範囲と、前記水平断面における、前記第2撮影装置の撮影範囲である第2撮影範囲と、前記第1撮影範囲及び前記第2撮影範囲が重複する範囲である重複撮影範囲と、を算出し、前記通路内の所定の領域と前記第1撮影範囲と前記第2撮影範囲と前記重複撮影範囲とを表示する。
【0008】
本開示の一態様に係る設置支援プログラムは、上記の設置支援方法をコンピュータに実行させる。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、複数の撮影装置の適切な設置を支援する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1に係るゲートシステムの概要を説明するための図
【
図2】実施の形態1に係る第1表示装置又は第2表示装置における照合結果の表示例を示す図
【
図3】実施の形態1に係る設置支援装置の構成例を示すブロック図
【
図4】実施の形態1に係る設置支援装置が行う設置支援処理の一例を示すフローチャート
【
図5】実施の形態1に係る3台の第1撮影装置と3台の第2撮影装置とをいずれもランドスケープモードで設置した場合の確認画像の一例を示す図
【
図6】実施の形態1に係る3台の第2撮影装置をティルト角が大きいものとティルト角が小さいものとで交互に設置し、3台の第1撮影装置をティルト角が小さいものとティルト角が大きいものとで交互に設置した場合の確認画像の一例を示す図
【
図7】実施の形態1に係る3台の第2撮影装置をポートレートモードとランドスケープモードで交互に設置し、3台の第1撮影装置をランドスケープモードとポートレートモードで交互に設置した場合の確認画像の一例を示す図
【
図8】実施の形態1に係る重複最短距離算出処理の一例を示すフローチャート
【
図9】実施の形態1に係る中間範囲なしの重複撮影範囲の一例を示す図
【
図10】実施の形態1に係る中間範囲なしの重複最短距離算出処理の一例を示すフローチャート
【
図11】実施の形態1に係る中間範囲ありの重複撮影範囲の一例を示す図
【
図12】実施の形態1に係る中間範囲ありの重複最短距離算出処理の一例を示すフローチャート
【
図13】実施の形態1に係る3台の第1撮影装置又は3台の第2撮影装置をいずれもランドスケープモードで設置した場合の垂直断面の確認画像の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0013】
(実施の形態1)
<ゲートシステムの概要>
図1は、実施の形態1に係るゲートシステム9の概要を説明するための図である。
図2は、実施の形態1に係る第1表示装置31又は第2表示装置32における照合結果の表示例を示す図である。
【0014】
ゲートシステム9は、人物1の顔画像を照合し、当該人物1がゲートを通過する権利を有するか否かを判定するシステムである。ゲートシステム9は、第1ゲート11と第2ゲート12とを含む。第1ゲート11及び第2ゲート12は、所定の距離だけ離れて、人物1が移動する通路2に設置される。本実施の形態では、第1ゲート11から第2ゲート12に向かう方向を第1方向とし、第2ゲート12から第1ゲート11に向かう方向を第2方向とする。また、本実施の形態では、通路2における第1ゲート11と第2ゲート12との間の領域を、人物の検出領域3と称する。
【0015】
なお、ゲートシステム9は、
図1に示すような人物1が下をくぐる第1ゲート11及び第2ゲート12を有しない構成であってもよい。第1ゲート11及び第2ゲート12を有しない構成である場合、ゲートシステム9は、第1ゲート11に代えて仮想的な第1ラインを設定し、第2ゲート12に代えて仮想的な第2ラインを設定し、第1ラインと第2ラインとの間の領域を、検出領域3としてよい。そして、第1ラインから第2ラインに向かう方向を第1方向とし、第2ラインから第1ラインに向かう方向を第2方向としてよい。したがって、以下の説明において、第1ゲート11は第1ラインと読み替えられ、第2ゲート12は第2ラインと読み替えられてもよい。また、第1ゲート11又は第1ラインは、通路2の第1端と読み替えられ、第2ゲート12又は第2ラインは、通路2の第2端と読み替えられてもよい。
【0016】
本実施の形態では、説明の便宜上、第1方向又は第2方向に沿った軸をY軸、Y軸に直交し高さ方向に延びる軸をZ軸、Y軸及びZ軸に直交する軸をX軸として説明する。本実施の形態では、X軸の正方向を「右」と称し、X軸の負方向を「左」と称する場合がある。本実施の形態では、Z軸の正方向を「上」と称し、Z軸の負方向を「下」と称する場合がある。本実施の形態では、検出領域3のX軸方向の長さを検出領域幅と称し、検出領域3のY軸方向の長さを検出領域長と称する場合がある。
【0017】
第1ゲート11は、検出領域3を撮影可能な第1撮影装置21と、第2ゲート12の方向に画面を有する第1表示装置31とを備える。
図1では、第1ゲート11が3つの第1撮影装置21を備えているが、第1ゲート11に備えられる第1撮影装置21の数は幾つであってもよい。また、
図1では、第1ゲート11が1つの第1表示装置31を備えているが、第1ゲート11に備えられる第1表示装置31の数は幾つであってもよい。
【0018】
第2ゲート12は、検出領域3を撮影可能な第2撮影装置22と、第1ゲート11の方向に画面を有する第2表示装置32とを備える。
図1では、第2ゲート12が3つの第2撮影装置22を備えているが、第2ゲート12に備えられる第2撮影装置22の数は幾つであってもよい。また、
図1では、第2ゲート12が1つの第2表示装置32を備えているが、第2ゲート12に備えられる第2表示装置32の数は幾つであってもよい。
【0019】
本実施の形態では、第1方向が入退場の権利を有する施設等への入場方向であり、第2方向が当該施設等からの出場方向であるとして説明する。ただし、第1方向が施設等からの出場方向であり、第2方向が施設等への入場方向であってもよい。
【0020】
ゲートシステム9は、第2ゲート12の第2撮影装置22が撮影した第1方向に移動する人物1の顔画像を、予め登録済みの各照合用顔画像と照合し、照合結果を、
図2に例示するように、第2表示装置32に表示する。
【0021】
ゲートシステム9は、第1ゲート11の第1撮影装置21が撮影した第2方向に移動する人物1の顔画像を、予め登録済みの各照合用顔画像と照合し、照合結果を、
図2に例示するように、第1表示装置31に表示する。
【0022】
検出領域幅は、複数の人物1が並んで通過可能な幅であってよい。これにより、本実施の形態に係るゲートシステム9は、一人分のゲート幅を有するゲートシステムと比較して、多くの人物1をスムーズに入場及び退場させることができる。例えば、一人分のゲート幅を有するゲートシステムの場合、前方の人物1の照合が失敗すると、後続する多数の人物1が足止めされてしまう。しかし、本実施の形態のように、複数の人物1が並んで通過可能な検出領域幅を有するゲートシステム9の場合、前方の人物1の照合が失敗したとしても、後続する多数の人物1は、照合に失敗した前方の人物1を避けて移動すればよいため、足止めされずにスムーズにゲートを通過できる。すなわち、本実施の形態に係るゲートシステム9は、施設等への入退場の際の混雑の発生を抑制できる。
【0023】
このようなゲートシステム9を実現するためには、第1撮影装置21及び第2撮影装置22が検出領域3を移動する人物1の顔を撮影できると共に、その移動する人物1を見失うことなく追跡できるように、第1撮影装置21及び第2撮影装置22を設置することが求められる。しかしながら、人物1の顔の高さは人物1の身長によって異なっているため、第1撮影装置21及び第2撮影装置22を適切に設置しないと、特定の身長の人物1の顔が撮影できない可能性がある。また、第1撮影装置21の撮影範囲と第2撮影装置22の撮影範囲との少なくとも一部が重複するように第1撮影装置21及び第2撮影装置22を設置しないと、第2撮影装置22の撮影範囲を通過して第1撮影装置21の撮影範囲に入るように移動する人物1の追跡を見失う可能性がある。そこで、以下では、
図1に示すようなゲートシステム9を実現するためには、1又は複数の第1撮影装置21及び1又は複数の第2撮影装置22をどのように設置すればよいかを分析するための設置支援装置100、設置支援方法、及び、設置支援プログラム等について説明する。
【0024】
<装置の構成>
図3は、実施の形態1に係る設置支援装置100の構成例を示すブロック図である。
【0025】
設置支援装置100は、制御部101、メモリ102、ストレージ103、入力部104、表示部105、通信部106、GPU(Graphics Processing Unit)107、読取部108、及び、バス109を備える。
【0026】
制御部101、メモリ102、ストレージ103、入力部104、表示部105、通信部106、GPU107、及び、読取部108は、バス109に接続され、バス109を介して双方向にデータを送受信できる。
【0027】
制御部101は、メモリ102に記憶されたコンピュータプログラム(例えば設置支援プログラム)を実行し、本実施の形態にて説明する機能及び方法(例えば設置支援方法)を実現する装置である。制御部101は、プロセッサ、CPU(Central Processing Unit)、コントローラ、又は、LSI(Large Scale Integration)等と読み替えられてもよい。
【0028】
メモリ102は、設置支援装置100が取り扱うコンピュータプログラム及びデータを記憶する装置である。メモリ102は、ROM(Read-Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含んでよい。
【0029】
ストレージ103は、不揮発性記憶媒体で構成され、設置支援装置100が取り扱うコンピュータプログラム及びデータを記憶する装置である。ストレージ103の例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)が挙げられる。
【0030】
入力部104は、ユーザからの入力を受け付け、入力された情報を制御部101に送信する装置である。入力部104の例として、キーボード、マウス、タッチパッド、マイクが挙げられる。
【0031】
表示部105は、制御部101が生成した情報を表示する装置である。表示部105は、ディスプレイ又はモニタ等と読み替えられてもよい。
【0032】
通信部106は、他の装置と、通信ネットワーク(図示しない)を介して、情報を送受信する装置である。通信部106は、有線通信及び無線通信の何れに対応してもよい。有線通信の例として、Ethernet(登録商標)が挙げられる。無線通信の例として、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、LTE、4G、5G等が挙げられる。
【0033】
GPU107は、画像描写を高速に処理する装置である。なお、GPU107は、AI(artificial intelligence)の処理(例えばディープラーニング等)に利用されてもよい。
【0034】
読取部108は、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)又はUSB(Universal Serial Bus)メモリといった記録媒体からデータを読み取る装置である。
【0035】
<設置支援処理>
図4は、実施の形態1に係る設置支援装置100が行う設置支援処理の一例を示すフローチャートである。
【0036】
設置支援装置100の制御部101は、設置支援処理の初期化を行う(S101)。
【0037】
入力部104は、ユーザから設定パラメータの入力を受け付ける(S102)。ユーザは、設定パラメータとして、例えば以下を入力する。
・1又は複数の第1撮影装置21のそれぞれの設置位置(x1,y1,z1)
・1又は複数の第1撮影装置21のそれぞれの設置モード(ポートレートモード又はランドスケープモード)
・1又は複数の第1撮影装置21のそれぞれの垂直画角
・1又は複数の第1撮影装置21のそれぞれの水平画角
・1又は複数の第1撮影装置21のそれぞれのパン角、ティルト角、ロール角
・1又は複数の第2撮影装置22のそれぞれの設置位置(x2,y2,z2)
・1又は複数の第2撮影装置22のそれぞれの設置モード(ポートレートモード又はランドスケープモード)
・1又は複数の第2撮影装置22のそれぞれの垂直画角
・1又は複数の第2撮影装置22のそれぞれの水平画角
・1又は複数の第2撮影装置22のそれぞれのパン角、ティルト角、ロール角
・検出領域幅(検出領域3のX方向の長さ)
・検出領域長(検出領域3のY方向の長さ)
・水平断面高
【0038】
設置位置は3次元空間の座標点(X座標,Y座標,Z座標)である。
ポートレートモードで設置された場合、撮影範囲は、Z方向の長さがX方向の長さよりも、長くなる。
ランドスケープモードで設置された場合、撮影範囲は、X方向の長さがZ方向の長さよりも、長くなる。
垂直画角は、撮影装置のZ方向の画角を示す角度である。
水平画角は、撮影装置のX方向の画角を示す角度である。
パン角、ティルト角、ロール角は、撮影装置の向き及び傾き(つまり光軸の方向)を示す角度である。具体的には、パン角は、撮影装置の光軸を、Z軸を中心に左右方向に回転させた角度である。ティルト角は、撮影装置の光軸を、XY平面に平行な軸を中心に上下方向に回転させた角度である。ロール角は、光軸を中心に撮影装置自体を回転させた角度である。
水平断面高は、Z軸の座標であり、水平断面は、そのZ軸の座標におけるXY平面に相当する。
【0039】
制御部101は、ステップS102で入力された設定パラメータに基づいて、水平断面高における、各第1撮影装置21の第1撮影範囲201と、各第2撮影装置22の第2撮影範囲202とを算出する(S103)。第1撮影範囲201は、各第1撮影装置21の撮影範囲を合成した撮影範囲である。第2撮影範囲202は、各第2撮影装置22の撮影範囲を合成した撮影範囲である。
【0040】
制御部101は、検出領域3と第1撮影範囲201と第2撮影範囲202とが重複する重複撮影範囲203を算出する(S104)。すなわち、重複撮影範囲203は、第1撮影範囲201と第2撮影範囲202とが重複する撮影範囲のうち、検出領域3に含まれる撮影範囲である。
【0041】
制御部101は、重複最短距離算出処理を実行する(S105)。重複最短距離算出処理では、重複撮影範囲203内の最短部分の距離(以下、重複最短距離204と称する)と、重複最短距離の線分(以下、重複最短線分205と称する)とを算出する(
図5(a)、
図9、
図11参照)。具体的には、重複最短距離204は、重複撮影範囲203を形成する第1ゲート11側(第1撮影装置21側)の辺(以下、第1辺と称する)から第2ゲート12側(第2撮影装置22側)の辺(以下、第2辺と称する)までの距離のうちの最短の距離である。ただし、後述するように、重複撮影範囲203内に抜けの範囲(中間範囲)が存在する場合、重複最短距離204は、第1辺から中間範囲の辺までの距離と、中間範囲の辺から第2辺までの距離と、第1辺から第2辺までの距離とのうちの最短の距離であってよい。なお、重複最短距離算出処理の詳細については後述する(
図8参照)。
【0042】
制御部101は、水平断面高での水平断面(XY平面)における、検出領域3と、第1撮影範囲201と、第2撮影範囲202と、重複撮影範囲203と、重複最短距離204と、重複最短線分205とを含む画像(以下、確認画像200と称する)を生成し、表示部105に表示する(S106)。なお、確認画像200の詳細については後述する(
図5、
図6、
図7参照)。また、
図5(a)に記載されている重複最短距離204及び重複最短線分205は、
図5(b)、
図5(c)、
図6(a)、
図6(b)、
図6(c)、
図7(a)、
図7(b)、
図7(c)にも記載されてよい。
【0043】
ユーザから入力部104に本処理の終了指示が入力された場合(S107:YES)、本処理は終了し、本処理の終了指示が入力されない場合(S107:NO)、処理はステップS102に戻る。
【0044】
<確認画像>
次に、
図4のステップS106にて表示される確認画像200について説明する。
【0045】
図5は、実施の形態1に係る、3台の第1撮影装置21と3台の第2撮影装置22とをいずれもランドスケープモードで設置した場合の確認画像200の一例を示す図である。
図5(a)は、水平断面高1880mmの確認画像200の一例を示す。
図5(b)は、水平断面高1416mmの確認画像200の一例を示す。
図5(c)は、水平断面高920mmの確認画像200の一例を示す。
【0046】
図5(a)に示す確認画像200において、第1撮影範囲201における3つの点線の台形は、3台の第1撮影装置21のそれぞれの水平断面高における撮影範囲を示す。各台形の点線の色は、対応する第1撮影装置21毎に異なる色であってもよい。第1撮影範囲201は、薄い網掛けの範囲である。第2撮影範囲202における3つの実線の台形は、3台の第2撮影装置22のそれぞれの水平断面高における撮影範囲を示す。各台形の実線の色は、対応する第2撮影装置22毎に異なる色であってもよい。第2撮影範囲202は、薄い網掛けの範囲である。重複撮影範囲203は、濃い網掛けの範囲である。これは、他の図面においても同様である。
【0047】
図5(c)に示すように、水平断面高920mmの確認画像200では、重複撮影範囲203の重複最短距離が非常に短い。そのため、人物1がこの重複最短距離を通過する時間が、第2撮影装置22又は第1撮影装置21による撮影時間間隔(フレームレート)よりも短い場合、第2撮影装置22又は第1撮影装置21が重複撮影範囲203においてこの人物1を撮影できない可能性がある。この場合、人物1の追跡を第2撮影装置22から第1撮影装置21に引き継ぐことができない可能性がある。
【0048】
そこで、制御部101は、(撮影時間間隔×人物の移動速度)によって撮影時間間隔の時間に人物が移動する距離を算出し、その算出した距離に所定の係数(係数は1以上)を掛けた値を距離閾値とする。撮影時間間隔は、撮影装置のスペックによって定まる値である。人物の移動速度は、一般的な人物の歩行速度に基づいて定まる値である。係数は、重複撮影範囲203にどのくらいの余裕を持たせるかによって定まる値である。重複最短距離が距離閾値未満である場合、入力された設定パラメータに基づく撮影装置の設置では、入力された水平断面高において、人物の追跡を第2撮影装置22から第1撮影装置21に引き継ぐことができない可能性がある。その場合、制御部101は、
図5(c)に示すように、NGマーク302を確認画像200と共に表示してよい。
【0049】
一方、重複最短距離が距離閾値以上である場合、入力された設定パラメータに基づく撮影装置の設置により、入力された水平断面高において、人物1の追跡を第2撮影装置22から第1撮影装置21に引き継ぐことができる。そこで、制御部101は、他の問題がなければ、
図5(a)又は
図5(b)に示すように、OKマーク301を確認画像200と共に表示してよい。
【0050】
これにより、ユーザは、確認画像200を見て、入力した設定パラメータに対応する重複撮影範囲203を視覚的に確認できる。さらに、ユーザは、重複撮影範囲203における重複最短距離204及び重複最短線分205を視覚的に確認できる。さらに、ユーザは、NGマーク302又はOKマーク301を見て、入力した設定パラメータに基づいて撮影装置を設置した場合、入力した水平断面高において、問題があるか否かを一目で確認できる。
【0051】
図1におけるゲートシステム9は、人物1を追跡するにあたって、人物1の顔を追跡してもよいし、人物1の身体を追跡してもよい。例えば、
図5において顎の高さが1416mmくらいの人物1を追跡する場合、水平断面高920mmでは重複最短距離204が距離閾値未満のため重複撮影範囲203において追跡が途絶えてしまう可能性があるとしても、水平断面高1416mmでは重複最短距離204が距離閾値以上であるため重複撮影範囲203で追跡が途絶えない。しかし、顎の高さが920mmくらいの人物1を追跡する場合、水平断面高1416mmや1880mmでは頭頂部が水平断面高1416mmや1880mmを超えないため撮影装置に撮影されない可能性がある。加えて、顎の高さが920mmくらいの人物1を追跡する場合、水平断面高920mmでは重複最短距離204が距離閾値未満のため重複撮影範囲203において追跡が途絶えてしまう可能性がある。すなわち、
図5(a)、
図5(b)、及び、
図5(c)のいずれにおいても、顎の高さ920mmくらいの人物1を追跡できなくなる可能性がある。よって、ユーザは、
図5(c)の確認画像200を見て、入力した設定パラメータに基づいて撮影装置を設置することは、顎の高さの比較的低い人物(例えば子供又は車椅子に座っている人物等)の追跡が途絶える可能性があるため、適切でないことがわかる。
【0052】
図6は、実施の形態1に係る、3台の第2撮影装置22をティルト角が大きいものとティルト角が小さいものとで交互に設置し、3台の第1撮影装置21をティルト角が小さいものとティルト角が大きいものとで交互に設置した場合の確認画像200の一例を示す図である。
図6(a)は、水平断面高1880mmの確認画像200の一例を示す。
図6(b)は、水平断面高1416mmの確認画像200の一例を示す。
図6(c)は、水平断面高920mmの確認画像200の一例を示す。
【0053】
図6(a)に示すように、水平断面高1880mmの確認画像200では、重複撮影範囲203の中に、重複撮影されない抜けの範囲が存在する。上述したように、人物の追跡は顔に限らず、身体を追跡してもよく、
図6(b)及び
図6(c)に示す重複撮影範囲203は重複最短距離204が距離閾値以上であるので、入力した設定パラメータに基づいて撮影装置を設置することにより、人物を追跡できる。しかし、
図6(a)に示すような重複撮影範囲203では、顎の高さが1880mmくらいの人物1の顔の撮影が途絶えがちになる。制御部101は、重複撮影範囲203の中に抜けの範囲が存在する場合、
図6(a)に示すように、要確認マーク303を確認画像200と共に表示してよい。これにより、ユーザは、
図6(a)の確認画像200を見て、入力した設定パラメータに基づいて撮影装置を設置することはあまり適切でないことがわかる。
【0054】
図7は、実施の形態1に係る、3台の第2撮影装置22をポートレートモードとランドスケープモードで交互に設置し、3台の第1撮影装置21をランドスケープモードとポートレートモードで交互に設置した場合の確認画像200の一例を示す図である。
図7(a)は、水平断面高1880mmの確認画像200の一例を示す。
図7(b)は、水平断面高1416mmの確認画像200の一例を示す。
図7(c)は、水平断面高920mmの確認画像200の一例を示す。
【0055】
図7(a)、
図7(b)、
図7(c)に示す確認画像200では、いずれの水平断面高でも、重複最短距離204が距離閾値以上であり、重複撮影範囲203の中に、抜けの範囲も存在しない。したがって、ユーザは、
図7(a)、
図7(b)、
図7(c)の確認画像200を見て、入力した設定パラメータに基づいて撮影装置を設置することは適切であることがわかる。
【0056】
このように、ユーザは、設置支援装置100に設定パラメータを入力することにより、第1撮影範囲201、第2撮影範囲202、重複撮影範囲203、重複最短距離204、及び、重複最短線分205等を視覚的に確認することができる。
【0057】
<重複最短距離算出処理>
図8は、実施の形態1に係る、重複最短距離算出処理の一例を示すフローチャートである。次に、
図8を参照して、
図4のステップS105の処理について詳細に説明する。
【0058】
制御部101は、重複撮影範囲203が検出領域3の左右の境界(つまり検出領域のY軸方向の境界)の両方に接しているか否かを判定する(S201)。
【0059】
重複撮影範囲203が検出領域3の左右の境界の少なくとも一方に接していない場合(S201:NO)、確認画像200と共にNGマーク302を表示し(S206)、本処理を終了する。重複撮影範囲203が検出領域3の左右の境界の少なくとも一方に接していない場合、その接していない境界と重複撮影範囲203との隙間を通過する人物1を追跡できない可能性があるためである。
【0060】
制御部101は、中間範囲210が存在するか否かを判定する(S202)。中間範囲210は、検出領域3の左右の境界と重複撮影範囲203とに囲まれた範囲、及び/又は、重複撮影範囲203の中に存在する重複撮影されない範囲(つまり抜けの範囲)である。
【0061】
中間範囲210が存在しない場合(S202:NO)、制御部101は、中間範囲なしの重複最短距離算出処理を実行し(S203)、本処理を終了する。中間範囲なしの重複最短距離算出処理の詳細については後述する(
図10参照)。
【0062】
中間範囲が存在する場合(S202:YES)、制御部101は、中間範囲210が第1撮影範囲201又は第2撮影範囲202のいずれかに含まれているか否かを判定する(S204)。
【0063】
中間範囲210が第1撮影範囲201又は第2撮影範囲202のいずれかに含まれている場合(S204:YES)、制御部101は、中間範囲ありの重複最短距離算出処理を実行し(S205)、本処理を終了する。中間範囲ありの重複最短距離算出処理の詳細については後述する(
図12参照)。
【0064】
中間範囲210が第1撮影範囲201及び第2撮影範囲202のいずれにも含まれていない場合(S204:NO)、制御部101は、確認画像200と共にNGマーク302を表示し(S206)、本処理を終了する。第1撮影範囲201及び第2撮影範囲202のいずれにも含まれていない中間範囲210が存在する場合、その中間範囲210を通過する人物1の追跡が途絶えてしまう可能性があるためである。
【0065】
図9は、実施の形態1に係る、中間範囲なしの重複撮影範囲203の一例を示す図である。
図10は、実施の形態1に係る、中間範囲なしの重複最短距離算出処理の一例を示すフローチャートである。次に、
図9及び
図10を参照して、
図8のステップ203の処理について詳細に説明する。
【0066】
制御部101は、重複撮影範囲203の第1ゲート11側の辺(第1辺)に存在する全頂点を頂点Pとして特定する(S301)。なお、
図9では、図面を見やすくするために、第1辺に存在する一部の頂点Pについては、引き出し線及び参照符号を省略している。
【0067】
制御部101は、ステップS301で特定した各頂点Pについて、ステップS302~S305の処理を実行する(S302)。すなわち、ステップS301で特定した頂点Pの数だけステップS302~S305の処理が繰り返される。以下、ステップS302~S305で説明する頂点Pは、ステップS302で選択した頂点Pである。
【0068】
制御部101は、頂点Pから重複撮影範囲203の第2ゲート12側の辺(以下、第2辺と称する)までの最短距離を算出し、最短距離候補Lとする。加えて、制御部101は、最短距離候補Lが得られるときの第2辺における点Qを特定する(S303)。例えば、制御部101は、次の処理により、最短距離候補Lを算出し、点Qを特定する。なお、
図9に示す点Qは、処理のある時点における点Qの位置を示すものであり、点Qの位置は図面に記載されている位置に限らない。
(ステップA1)制御部101は、頂点Pを中心とする初期値の半径rの円を設定する。初期値の半径rは十分に小さい値とする。
(ステップA2)制御部101は、半径rを所定の増加値だけ大きくし、円の円周が第2辺と交差する場合、その交差する点とこのときの半径rとをセットとして記憶する。
(ステップA3)制御部101は、ステップA2を繰り返し実行することにより、第2辺の交差する点と半径rとのセットを複数記憶する。
(ステップA4)制御部101は、記憶した複数の第2辺の交差する点と半径rとのセットから、半径rが最も小さいセットを抽出し、その抽出したセットの半径rを最短距離候補Lとし、その抽出したセットの交差する点を点Qとする。
【0069】
制御部101は、ステップS303にて特定した頂点P、点Q、及び、最短距離候補Lをセットとしてメモリ102に記憶する(S304)。
【0070】
制御部101は、第1辺に存在する各頂点Pについて、ステップS302~S305を実行した後、処理をステップS306に進める(S305)。
【0071】
制御部101は、メモリ102に記憶されている最短距離候補Lのうち、最も短い距離のものを重複最短距離204の値Lminとして抽出し、その抽出したLminとセットである頂点P及び点Qをそれぞれ始点D及び終点Eとして抽出する(S306)。
【0072】
制御部101は、始点Dと終点Eを結ぶ重複最短線分205と、重複最短距離204の値Limとを、確認画像200と共に表示部105に表示する(S307)。
【0073】
制御部101は、重複最短距離204の値Lminが距離閾値未満であるか否かを判定する(S308)。距離閾値は、上述した通り、人物の移動速度と撮影装置の撮影時間間隔とに基づいて定まる値である。すなわち、重複最短距離204の値Lminが得られる重複最短線分205を通過する人物1を撮影装置が撮影できるか否かを判定する。
【0074】
制御部101は、重複最短距離204の値Lminが距離閾値以上である場合(S309:NO)、本処理を終了する。
【0075】
制御部101は、重複最短距離204の値Lminが距離閾値未満である場合(S309:YES)、所定の通知の一例としてNGマーク302を表示部105に表示し(S309)、本処理を終了する。なお、所定の通知は、NGマーク302の表示に限られず、所定のコメントの表示、又は、所定の音声の出力等であってもよい。
【0076】
以上の処理により、設置支援装置100は、重複撮影範囲203の重複最短距離204の値Lminを算出すると共に、設定パラメータに基づいて撮影装置を設置した場合に重複最短線分205を通過する人物1を撮影装置が撮影できるか否かを判定することができる。加えて、設置支援装置100は、撮影装置が重複最短線分205を通過する人物1を撮影できない可能性がある場合にNGマーク302を表示することができる。
【0077】
図11は、実施の形態1に係る、中間範囲ありの重複撮影範囲203の一例を示す図である。
図12は、実施の形態1に係る、中間範囲ありの重複最短距離算出処理の一例を示すフローチャートである。次に、
図11及び
図12を参照して、
図8のステップ205の処理について詳細に説明する。
【0078】
制御部101は、重複撮影範囲203の第1ゲート11側の辺(第1辺)に存在する各頂点Pを特定する(S401)。なお、
図11では、図面を見やすくするために、第1辺に存在する一部の頂点Pについては、引き出し線及び参照符号を省略している。
【0079】
制御部101は、検出領域3から中間範囲210を検出する(S402)。
【0080】
制御部101は、ステップS402で検出した各中間範囲210の各頂点Cを特定する(S403)。なお、
図11では、図面を見やすくするために、中間範囲210に存在する一部の頂点Cについては、引き出し線及び参照符号を省略している。
【0081】
制御部101は、ステップS401で特定した各頂点Pについて、ステップS404~S409を実行する(S404)。すなわち、ステップS401で特定した頂点Pの数だけステップS404~S409の処理が繰り返される。以下、ステップS404~S409で説明する頂点Pは、ステップS404で選択した頂点Pである。
【0082】
制御部101は、ステップS402で検出した各中間範囲210について、ステップS405~S408を実行する(S405)。すなわち、ステップS402で検出した中間範囲210の数だけステップS405~S408の処理が繰り返される。以下、ステップS405~S408で説明する中間範囲210は、ステップS404で選択した中間範囲210である。
【0083】
制御部101は、頂点Pから中間範囲210までの最短距離を算出し、最短距離候補Lとする。加えて、制御部101は、最短距離候補Lが得られるときの中間範囲210の辺における点Mを特定する(S406)。最短距離候補L及び点Mは、例えば上述したステップA1からステップA4の処理によって算出及び特定されてよい。なお、
図11に示す点Mは、処理のある時点における点Mの位置を示すものであり、点Mの位置は図面に記載されている位置に限らない。
【0084】
制御部101は、ステップS406にて特定した頂点P、点M、及び、最短距離候補Lをセットとしてメモリ102に記憶する(S407)。
【0085】
制御部101は、検出した各中間範囲210について、ステップS405~S408を実行した後、処理をステップS409に進める(S408)。
【0086】
制御部101は、第1辺に存在する各頂点Pについて、ステップS404~S409を実行した後、処理をステップS410に進める(S409)。
【0087】
制御部101は、ステップS402で検出した各中間範囲210について、ステップS410~S415を実行する(S410)。すなわち、ステップS402で検出した中間範囲210の数だけステップS410~S415の処理が繰り返される。以下、ステップS410~S415で説明する中間範囲210は、ステップS410で選択した中間範囲210である。
【0088】
制御部101は、ステップS410で選択した中間範囲210の各頂点Cについて、ステップS411~S414を実行する(S411)。すなわち、ステップS410で選択した中間範囲210に存在する頂点Cの数だけステップS411~S414の処理が繰り返される。以下、ステップS411~S414で説明する頂点Cは、ステップS411で選択した頂点Cである。
【0089】
制御部101は、頂点Cから重複撮影範囲203の第2ゲート12側の辺(第2辺)までの最短距離を算出し、最短距離候補Lとする。加えて、制御部101は、最短距離候補Lが得られるときの第2辺における点Qを特定する(S412)。
【0090】
制御部101は、ステップS412にて特定した頂点C、点Q、及び、最短距離候補Lをセットとしてメモリ102に記憶する(S413)。
【0091】
制御部101は、特定した各頂点Cについて、ステップS411~S414を実行した後、処理をステップS415に進める(S414)。
【0092】
制御部101は、検出した各中間範囲210について、ステップS410~S415を実行した後、処理をステップS416に進める(S415)。
【0093】
制御部101は、ステップS401にて特定した各頂点Pについて、ステップS416~S419を実行する(S416)。すなわち、ステップS401で特定した頂点Pの数だけステップS416~S419の処理が繰り返される。以下、ステップS416~S419で説明する頂点Pは、ステップS416で選択した頂点Pである。
【0094】
制御部101は、頂点Pから重複撮影範囲203の第2ゲート12側の辺(第2辺)までの最短距離を算出し、最短距離候補Lとする。加えて、制御部101は、最短距離候補Lが得られるときの第2辺における点Qを特定する(S417)。
【0095】
制御部101は、ステップS417にて得られた頂点P、点Q、及び、最短距離候補Lをセットとしメモリ102に記憶する(S418)。
【0096】
制御部101は、特定した各頂点Pについて、ステップS416~S419を実行した後、処理をステップS420に進める(S419)。
【0097】
制御部101は、メモリ102に記憶されている最短距離候補Lのうち、最短のものを重複最短距離Lminとして抽出し、そのLminにとセットである頂点(P又はC)及び点(M又はQ)をそれぞれ始点D及び終点Eとして抽出する(S420)。
【0098】
制御部101は、始点Dと終点Eを結ぶ重複最短線分205と、重複最短距離204の値Lminとを、確認画像200と共に表示部105に表示する(S421)。
【0099】
制御部101は、重複最短距離204の値Lminが距離閾値未満であるか否かを判定する(S422)。
【0100】
制御部101は、重複最短距離204の値Lminが距離閾値以上である場合(S422:NO)、本処理を終了する。
【0101】
制御部101は、重複最短距離204の値Lminが距離閾値未満である場合(S422:YES)、NGマーク302を表示部105に表示し(S423)、本処理を終了する。
【0102】
以上の処理により、設置支援装置100は、検出領域3に中間範囲210が存在する場合であっても、重複撮影範囲203の重複最短距離204の値Lminを算出すると共に、設定パラメータに基づいて撮影装置を設置した場合に重複最短線分205を通過する人物1を撮影装置が撮影できるか否かを判定することができる。加えて、設置支援装置100は、撮影装置が重複最短線分205を通過する人物1を撮影できない可能性がある場合にNGマーク302を表示することができる。
【0103】
<垂直断面の表示例>
図13は、実施の形態1に係る、3台の第1撮影装置21又は3台の第2撮影装置22をいずれもランドスケープモードで設置した場合の垂直断面の確認画像200の一例を示す図である。
【0104】
ユーザは、
図4のステップS102にて設定パラメータを入力する際に、水平断面高に代えて、垂直断面位置を入力することができる。垂直断面位置は、Y軸の座標であり、垂直断面は、Y軸の座標におけるZX平面に相当する。例えば、ユーザは、設定パラメータとして、例えば以下を入力部104に入力する。
・1又は複数の第1撮影装置21のそれぞれの設置位置(x1,y1,z1)
・1又は複数の第1撮影装置21のそれぞれの設置モード(ポートレートモード又はランドスケープモード)
・1又は複数の第1撮影装置21のそれぞれの垂直画角
・1又は複数の第1撮影装置21のそれぞれの水平画角
・1又は複数の第1撮影装置21のそれぞれのパン角、ティルト角、ロール角
・1又は複数の第2撮影装置22のそれぞれの設置位置(x2,y2,z2)
・1又は複数の第2撮影装置22のそれぞれの設置モード(ポートレートモード又はランドスケープモード)
・1又は複数の第2撮影装置22のそれぞれの垂直画角
・1又は複数の第2撮影装置22のそれぞれの水平画角
・1又は複数の第2撮影装置22のそれぞれのパン角、ティルト角、ロール角
・検出領域幅(検出領域3のX方向の長さ)
・検出領域長(検出領域3のY方向の長さ)
・垂直断面位置(第1ゲート11と第2ゲート12との間の任意の位置)
【0105】
垂直断面位置が入力された場合、制御部101は、入力された設定パラメータに基づいて、垂直断面位置における、各第1撮影装置21の撮影範囲を合成した第3撮影範囲221と、各第2撮影装置22の撮影範囲を合成した第4撮影範囲222とを算出する。なお、垂直断面位置は、第1ゲート11の位置又は第2ゲート12の位置のいずれかであってもよい。そして、制御部101は、
図13に示すように、垂直断面位置での垂直断面(ZX平面)における、第3撮影範囲221及び/又は第4撮影範囲222を描画した確認画像200を生成し、表示部105に表示する。なお、制御部101は、
図13に示すように、第1ゲート11又は第2ゲート12の垂直断面方向の枠の領域(ゲート領域230)を、確認画像200に描画してもよい。
【0106】
これにより、ユーザは、確認画像200から、入力した垂直断面位置における第3撮影範囲221及び/又は第4撮影範囲222を視覚的に確認することができる。例えば、ユーザは、確認画像200を見て、入力した垂直断面位置において、ある身長の人物1の顔が撮影範囲に含まれているかを簡単に確認することができる。
【0107】
また、制御部101は、入力された垂直断面位置における、地面から第3撮影範囲221及び/又は第4撮影範囲222の地面から遠い辺である第3辺403までの高さのうち最短部分の高さ(以下、最短部分高223と称する)を算出する。そして、制御部101は、最短部分高223が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ここで、所定の閾値は、人間の身長の統計に基づいて定められる値であり、例えば、1880mm以上である。制御部101は、最短部分高223が所定の閾値未満であると判定した場合、所定の通知(例えば所定のアラートの表示)を行ってよい。
【0108】
これにより、入力された設定パラメータでは比較的身長の高い人物1の顔が撮影範囲に含まれない場合、その旨をユーザに知らせることができる。
【0109】
(本開示のまとめ)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0110】
<技術1>
人物1が通る第1端(例えば第1ゲート11)と第2端(例えば第2ゲート12)とを結ぶ通路2における、第1端から第2端の方向を撮影する第1撮影装置21の設置と、第2端から第1端の方向を撮影する第2撮影装置22の設置とを支援する設置支援装置100は、通路2の地面からの高さが入力される入力部104と、入力された高さでの地面に水平な断面である水平断面における、第1撮影装置21の撮影範囲である第1撮影範囲201と、水平断面における、第2撮影装置22の撮影範囲である第2撮影範囲202と、第1撮影範囲201及び第2撮影範囲202が重複する範囲である重複撮影範囲203と、を算出する制御部101と、通路2内の所定の領域と第1撮影範囲201と第2撮影範囲202と重複撮影範囲203とを表示する表示部105と、を備える。
これにより、ユーザは、入力された高さでの水平断面における、第1撮影装置21及び第2撮影装置22の撮影範囲と、第1撮影装置21及び第2撮影装置22の重複撮影範囲203とを視覚的に確認することができる。
【0111】
<技術2>
技術1に記載の設置支援装置100において、第1撮影範囲201は、複数の第1撮影装置21のそれぞれの撮影範囲を合成した撮影範囲であり、第2撮影範囲202は、複数の第2撮影装置22のそれぞれの撮影範囲を合成した撮影範囲である。
これにより、ユーザは、入力された高さでの推定断面における、複数の第1撮影装置21によってカバーされる撮影範囲と、複数の第2撮影装置22によってカバーされる撮影範囲とを視覚的に確認することができる。
【0112】
<技術3>
技術2に記載の設置支援装置100において、入力部104は、複数の第1撮影装置21のそれぞれについて、設置位置及び撮影方向と、ランドスケープモード又はポートレートモードの何れかの撮影モードと、が入力され、複数の第2撮影装置22のそれぞれについて、設置位置及び撮影方向と、ランドスケープモード又はポートレートモードの何れかの撮影モードと、が入力され、制御部101は、入力された複数の第1撮影装置21のそれぞれの設置位置、撮影方向及び撮影モードに基づいて、第1撮影範囲201を算出し、入力された複数の第2撮影装置22のそれぞれの設置位置、撮影方向及び撮影モードに基づいて、第2撮影範囲202を算出する。
これにより、ユーザは、複数の第1撮影装置21及び複数の第2撮影装置22の撮影位置及び撮影方向と、撮影モードとをどのように変更すると、第1撮影範囲201及び第2撮影範囲202がどのように変化するかを視覚的に確認することができる。
【0113】
<技術4>
技術1から3のいずれか1項に記載の設置支援装置100において、制御部101は、重複撮影範囲203における最短部分の距離(例えば重複最短距離204)を算出し、最短部分の距離が所定の閾値未満であるか否かを判定する。
これにより、ユーザは、重複撮影範囲203における最短部分の距離が所定の閾値未満であるか否かを容易に知ることができる。
【0114】
<技術5>
技術4に記載の設置支援装置100において、最短部分の距離は、重複撮影範囲203を形成する第1端側の辺である第1辺401から、重複撮影範囲203を形成する第2端側の辺である第2辺402までの距離のうちの最短の距離である。
これにより、設置支援装置100は、重複撮影範囲203における最短部分の距離を算出できる。
【0115】
<技術6>
技術5に記載の設置支援装置100において、重複撮影範囲203内に抜けの範囲である中間範囲210が存在する場合、最短部分の距離は、第1辺401から中間範囲210の辺までの距離と、中間範囲210の辺から第2辺402までの距離と、第1辺401から第2辺402までの距離とのうち、最短の距離である。
これにより、設置支援装置100は、中間範囲210が存在する重複撮影範囲203における最短部分の距離を算出できる。
【0116】
<技術7>
技術4から6のいずれか1項に記載の設置支援装置100において、制御部101は、最短部分の距離が所定の閾値未満であると判定した場合、所定の通知を行う。
これにより、設置支援装置100は、重複撮影範囲203における最短部分の距離が所定の閾値未満である場合、そのことをユーザに認識させることができる。
【0117】
<技術8>
技術4から7のいずれか1項に記載の設置支援装置100において、上記閾値は、人物1の移動速度と、第1撮影装置21又は第2撮影装置22の撮影時間間隔とに基づいて定まる値である。
これにより、設置支援装置100は、重複撮影範囲203の最短部分の距離が、人物1が重複撮影範囲203を通過する際に人物1の追跡を見失わない距離であるか否かを判定することができる。
【0118】
<技術9>
技術4から8のいずれか1項に記載の設置支援装置100において、制御部101は、重複撮影範囲203における最短部分の距離が得られる線分(例えば重複最短線分205)を特定し、線分を重複撮影範囲203に重畳して表示させる。
これにより、ユーザは、重複撮影範囲203の最短部分の距離が得られる線分を視覚的に確認することができる。
【0119】
<技術10>
技術1から9のいずれか1項に記載の設置支援装置100において、入力部104は、第1端と第2端との間の位置が入力され、制御部は、入力されたその位置での地面に垂直な断面である垂直断面における、第1撮影装置21の撮影範囲である第3撮影範囲221、及び/又は、第2撮影装置22の撮影範囲である第4撮影範囲222を算出し、表示部105は、第3撮影範囲221及び/又は第4撮影範囲222を表示する。
これにより、ユーザは、入力された位置での垂直断面における、第1撮影装置21及び/又は第2撮影装置22の撮影範囲を視覚的に確認することができる。
【0120】
<技術11>
技術10に記載の設置支援装置100において、第3撮影範囲221は、複数の第1撮影装置21のそれぞれの撮影範囲を合成した撮影範囲であり、第4撮影範囲222は、複数の第2撮影装置22のそれぞれの撮影範囲を合成した撮影範囲である。
これにより、ユーザは、入力された位置での垂直断面における、複数の第1撮影装置21によってカバーされる撮影範囲と、複数の第2撮影装置22によってカバーされる撮影範囲とを視覚的に確認することができる。
【0121】
<技術12>
技術11に記載の設置支援装置100において、入力部104は、複数の第1撮影装置21のそれぞれについて、設置位置及び撮影方向と、ランドスケープモード又はポートレートモードの何れかの撮影モードと、が入力され、複数の第2撮影装置22のそれぞれについて、設置位置及び撮影方向と、ランドスケープモード又はポートレートモードの何れかの撮影モードと、が入力され、制御部101は、入力された複数の第1撮影装置21のそれぞれの設置位置、撮影方向及び撮影モードに基づいて、第3撮影範囲221を算出し、入力された複数の第2撮影装置22のそれぞれの設置位置、撮影方向及び撮影モードに基づいて、第4撮影範囲222を算出する。
これにより、ユーザは、複数の第1撮影装置21及び複数の第2撮影装置22の撮影位置及び撮影方向と、撮影モードとをどのように変更すると、第3撮影範囲221及び第4撮影範囲222がどのように変化するかを視覚的に確認することができる。
【0122】
<技術13>
技術10から13のいずれか1項に記載の設置支援装置100において、制御部101は、地面から、第3撮影範囲221及び/又は第4撮影範囲222の地面から遠い側の辺までの高さのうち最短部分の高さを算出し、最短部分の高さが所定の閾値以上であるか否かを判定する。
これにより、ユーザは、重複撮影範囲203における最短部分の高さが所定の閾値以上であるか否かを容易に知ることができる。
【0123】
<技術14>
技術13に記載の設置支援装置100において、制御部101は、最短部分の高さが所定の閾値未満であると判定した場合、所定の通知を行う。
これにより、設置支援装置100は、重複撮影範囲203における最短部分の高さが所定の閾値未満である場合、そのことをユーザに認識させることができる。
【0124】
<技術15>
人物1が通る第1端(例えば第1ゲート11)と第2端(例えば第2ゲート12)とを結ぶ通路2における、第1端から第2端の方向を撮影する第1撮影装置21の設置と、第2端から第1端の方向を撮影する第2撮影装置22の設置とを支援する設置支援方法は、通路2の地面からの高さが入力され、入力された高さでの地面に水平な断面である水平断面における、第1撮影装置21の撮影範囲である第1撮影範囲201と、水平断面における、第2撮影装置22の撮影範囲である第2撮影範囲202と、第1撮影範囲201及び第2撮影範囲202が重複する範囲である重複撮影範囲203と、を算出し、通路2内の所定の領域と第1撮影範囲201と第2撮影範囲202と重複撮影範囲203とを表示する。
これにより、ユーザは、入力された高さでの水平断面における、第1撮影装置21及び第2撮影装置22の撮影範囲と、第1撮影装置21及び第2撮影装置22の重複撮影範囲203とを視覚的に確認することができる。
【0125】
<技術16>
技術15に記載の設置支援方法をコンピュータに実行させる、設置支援プログラム。
これにより、ユーザは、入力された高さでの水平断面における、第1撮影装置21及び第2撮影装置22の撮影範囲と、第1撮影装置21及び第2撮影装置22の重複撮影範囲203とを視覚的に確認することができる。
【0126】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本開示の技術は、撮影装置を実際に設置する前に、当該撮影装置の撮影範囲を確認する際に有用である。
【符号の説明】
【0128】
1 人物
2 通路
3 検出領域
9 ゲートシステム
11 第1ゲート
12 第2ゲート
21 第1撮影装置
22 第2撮影装置
31 第1表示装置
32 第2表示装置
100 設置支援装置
101 制御部
102 メモリ
103 ストレージ
104 入力部
105 表示部
106 通信部
107 GPU
108 読取部
109 バス
200 確認画像
201 第1撮影範囲
202 第2撮影範囲
203 重複撮影範囲
204 重複最短距離
205 重複最短線分
210 中間範囲
221 第3撮影範囲
222 第4撮影範囲
223 最短部分高
230 ゲート領域
301 OKマーク
302 NGマーク
303 要確認マーク
401 第1辺
402 第2辺
403 第3辺
【要約】
【課題】複数の撮影装置を適切に設置できるように支援する。
【解決手段】人物が通る第1端と第2端とを結ぶ通路における、第1端から第2端の方向を撮影する第1撮影装置の設置と、第2端から第1端の方向を撮影する第2撮影装置の設置とを支援する設置支援方法は、通路の地面からの高さが入力され、入力された高さでの地面に水平な断面である水平断面における、第1撮影装置の撮影範囲である第1撮影範囲と、その水平断面における、第2撮影装置の撮影範囲である第2撮影範囲と、第1撮影範囲及び第2撮影範囲が重複する範囲である重複撮影範囲と、を算出し、通路内の所定の領域と第1撮影範囲と第2撮影範囲と重複撮影範囲とを表示する。
【選択図】
図4