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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】コイル装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/12 20060101AFI20240301BHJP
   H02K 3/28 20060101ALI20240301BHJP
   H01F 5/00 20060101ALI20240301BHJP
   H01F 5/04 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
H02K3/12
H02K3/28 M
H01F5/00 D
H01F5/04 R
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020553302
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 JP2019040947
(87)【国際公開番号】W WO2020080479
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-08-02
(31)【優先権主張番号】P 2018196585
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇賀治 元
(72)【発明者】
【氏名】菱田 光起
(72)【発明者】
【氏名】河村 清美
(72)【発明者】
【氏名】玉村 俊幸
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-254001(JP,A)
【文献】特開平11-027886(JP,A)
【文献】特開平10-201187(JP,A)
【文献】特開2008-092654(JP,A)
【文献】特開2013-165566(JP,A)
【文献】特開2013-102680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/12
H02K 3/28
H01F 5/00
H01F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の延在方向に延びる柱状部を有するコアと、
第1の端部及び第2の端部を有し、該第1の端部よりも第2の端部が前記延在方向一方に位置するように前記延在方向に沿って螺旋状に前記コアの柱状部に巻回された板状の第1のコイル本体を有する第1のコイルと、
第3の端部及び第4の端部を有し、第3の端部が前記第1のコイルの第2の端部よりも前記延在方向一方に位置し、かつ第4の端部が該第3の端部よりも前記延在方向一方に位置するように前記延在方向に沿って螺旋状に前記コアの柱状部に巻回された板状の第2のコイル本体を有し、前記第1のコイルに対して電気的に並列に接続された第2のコイルと、
前記第1のコイル本体の第1の端部と、前記第2のコイル本体の第4の端部とを電気的に接続する第1の導電体と、
前記第1のコイル本体の第2の端部と、前記第2のコイル本体の第3の端部とを電気的に接続する第2の導電体とを備え、
前記第2の導電体は、前記延在方向に対して直交するように延びていることを特徴とするコイル装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコイル装置において
記第2のコイル本体の巻き方向は、前記第1のコイル本体の巻き方向に対して逆向きであることを特徴とするコイル装置。
【請求項3】
請求項に記載のコイル装置において、
前記第1のコイル本体の第2の端部と前記第2のコイル本体の第3の端部とは、互いに対向して接することで電気的に接続されていることを特徴とするコイル装置。
【請求項4】
請求項に記載のコイル装置において、
前記第1のコイル本体の第2の端部と前記第2のコイル本体の第3の端部と前記第2の導電体とは、一体化していることを特徴とするコイル装置。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載のコイル装置であって、
前記コアは、モータのステータのヨーク部を構成する分割ヨーク部と、該分割ヨーク部の内周面にモータの回転中心に向けて突設されたティース部とを有し、前記モータの回転軸周りに複数並べられ、前記分割ヨーク部の外周側にリング状の保持部材を嵌合させて互いに連結されることでステータコアを構成する分割コアであり、
前記ティース部の先端部を除く部分が前記コアの柱状部を構成し、
前記延在方向一方は、前記ティース部の突出方向であり、
前記第2のコイルの抵抗値は、前記第1のコイルの抵抗値よりも大きいことを特徴とするコイル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱状部を有するコアと、当該コアの柱状部に螺旋状に巻回された板状のコイル本体を有するコイルとを備えたコイル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、柱状部を有するコアと、当該コアの柱状部に螺旋状に巻回された板状のコイルとを備えたコイル装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許出願公開第102012212637号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1などの従来のコイル装置において、コイルに流れる電流の許容量(すなわちコイル装置の許容電流量)を大きくするためには、限られたスペースの中でコイルを構成する板材を厚くすることを要する。そのため、従来のコイル装置において、許容電流量を大きくすることは困難であった。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コイル装置の許容電流量を増大させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、ここに開示する技術では、コイル装置が、所定の延在方向に延びる柱状部を有するコアと、第1の端部及び第2の端部を有し、該第1の端部よりも第2の端部が前記延在方向一方に位置するように前記延在方向に沿って螺旋状に前記コアの柱状部に巻回された板状の第1のコイル本体を有する第1のコイルと、第3の端部及び第4の端部を有し、第3の端部が前記第1のコイルの第2の端部よりも前記延在方向一方に位置し、かつ第4の端部が該第3の端部よりも前記延在方向一方に位置するように前記延在方向に沿って螺旋状に前記コアの柱状部に巻回された板状の第2のコイル本体を有し、前記第1のコイルに対して電気的に並列に接続された第2のコイルとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電気的に並列に接続された第1及び第2のコイルに電流を分けて流すことができるので、コアにコイルを1つだけ巻回した場合に比べ、コイル装置の許容電流量を増大させることができる。つまり、本発明は、コイル装置の許容電流量を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは、実施形態1に係るコイル装置としてのモータの平面図である。
図1B図1Bは、実施形態1に係るコイル装置としてのモータの側面図である。
図1C図1Cは、図1BのIC-IC線における断面図である。
図2図2は、分割コアにコイル組を装着した状態を示す斜視図である。
図3図3は、コイル組の斜視図である。
図4図4は、図2のIV-IV線における断面図である。
図5図5は、実施形態1の変形例1の図4相当図である。
図6図6は、実施形態1の変形例2の図4相当図である。
図7図7は、実施形態2の図3相当図である。
図8図8は、図7のVIII-VIII線に対応する断面図である。
図9図9は、実施形態3の図4相当図である。
図10図10は、実施形態4の図8相当図である。
図11図11は、実施形態5の図9相当図である。
図12図12は、実施形態6の図10相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0010】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0011】
図1A図1Cはそれぞれ、本発明の実施形態1に係るコイル装置としてのモータ1を示す上面図、側面図、断面図である。ただし、いずれにおいても、カバーケース等は図示していない。このモータ1は、カバーケース(図示せず)の内部に、シャフト2と、ロータ3と、ステータ4と、コイルU11~W41と、第1及び第2の導電体としてのバスバー51~54と、を備えている。なお、図1A及び図1Cでは、紙面に対して垂直な方向がモータ回転軸方向となっている。
【0012】
シャフト2は、モータ回転軸方向に延びる中空部2aを内部に有しており、側面には複数の貫通孔2bが設けられている。中空部2aはモータ1の内部を冷却するための冷媒Cの通路であり、冷媒Cは中空部2a内をモータ回転軸方向(シャフト2の長手方向)に沿って流れており、モータ1の内部で循環して流れている。また、中空部2aを流れる冷媒Cの一部は複数の貫通孔2bから流れ出て、モータ1の中心側から外側、つまりロータ3からステータ4のある方向に向けても流れ、ロータ3やステータ4を冷却する。
【0013】
ロータ3は、シャフト2の外周に接して設けられており、ステータ4に対向してN極、S極がシャフト2の外周方向に沿って交互に配置された磁石31,31…を含んでいる。なお、本実施形態1では、ロータ3に用いられる磁石31としてネオジム磁石を使用しているが、その材料や形状や材質については、モータ1の出力等に応じて適宜変更しうる。
【0014】
ステータ4は、12個の図2及び図4にも示す分割コア40aで構成されたステータコア40を備えている。分割コア40aは、モータ1の回転軸周りに12個並べられることで、ステータコア40を構成している。分割コア40aは、略円環状のヨーク部41を構成する略板状の分割ヨーク部40bを備えている。分割ヨーク部40bの外周面は、モータ1の回転軸を中心とする円弧状に湾曲している一方、分割ヨーク部40bの内周面は、分割ヨーク部40bのモータ回転周方向中央が最も分厚くなるように平坦に形成されている。分割ヨーク部40bの内周面におけるモータ回転周方向中央には、ティース部42がモータ回転軸方向全体に亘ってモータ1の回転中心に向けて突設されている。ティース部42は、分割ヨーク部40bの内周面から断面四角形状で突出する柱状部42aと、該柱状部42aの先端側で柱状部42aよりもモータ回転周方向両外側に張り出す張出部42bとを備えている。つまり、ティース部42の先端部を除く部分が、所定の延在方向に延在する柱状部42aを構成している。そして、これら分割コア40aは、分割ヨーク部40bの外周側に、リング状の保持部材44を嵌合させることにより、互いに連結されている。したがって、ヨーク部41の内周面には、ティース部42が等間隔に配設されている。ティース部42の柱状部42aは、その外周面を構成する1対の面をモータ回転軸方向に向けるとともに、残りの1対の面をモータ回転周方向に向けている。ティース部42,42…間には、スロット43,43…がそれぞれ設けられている。ステータ4は、モータ
回転軸方向から見て、ロータ3の外側に、ロータ3と一定の間隔を持って離間して配置されている。ステータコア40は、ケイ素等を含有した電磁鋼板からなる複数のコアシートをモータ回転軸方向に積層してなる積層体で構成されている。
【0015】
なお、本実施形態において、ロータ3の磁極数は、ステータ4に対向するN極が5個、S極が5個の計10極であり、スロット43の数は12個であるが、特にこれに限定されるものではなく、その他の磁極数とスロット数との組合せについても適用できる。
【0016】
また、ステータ4は12組のコイル組U11~W41を有しており、これらのコイル組U11~W41は各ティース部42,42…に装着されて、モータ回転軸方向から見て、各スロット43,43…内に配置されている。さらに、コイル組U11~U41がバスバー51と、コイル組V12~V42はバスバー52と、コイル組W11~W41はバスバー53とそれぞれ溶着されることで一体化している。
【0017】
ここで、コイル組を表わす符号UXY、VXY、WXYのうち、最初の文字はモータ1の各相(本実施形態1の場合は、U相、V相、W相)を表わし、2番目の文字は同相内のコイル組の配列順を表わす。3番目の文字は、磁界の向きを示す。3番目の文字が1のコイル組は、3番目の文字が2のコイル組と発生する磁界の向きが逆になっている。以下、3番目の文字が1のコイル組U11,U41,V21,V41,W11,W41をそれぞれ、コイル組5と示す。
【0018】
コイル組5は、図3にも示すように、第1のコイル6と第2のコイル7とを備えている。第1のコイル6は、第1のコイル本体6aを有している。この第1のコイル本体6aは、第1の端部6b及び第2の端部6cを有し、断面四角形状で帯状に延びる板状部材を幅方向に長方形状に屈曲させた形状をなしている。第1のコイル本体6aの第1の端部6b側の端面には、第1のコイル本体6aよりも幅狭な第1接続部6dが突設されている一方、第1のコイル本体6aの第2の端部6c側の端面には、第1のコイル本体6aよりも幅狭な第2接続部6eが突設されている。第1のコイル本体6aは、第1の端部6bよりも第2の端部6cがティース部42の突出方向(柱状部42aの延在方向一方)に位置するように柱状部42aの延在方向に沿って螺旋状に柱状部42aに巻回されている。第1のコイル本体6aの巻き方向は、モータ1の中心から見て左回り(反時計回り)になっている。図4中、図2中下方から見て手前側を流れる電流の向きを実線の矢印X、図2中下方から見て手前側を流れる電流を破線の矢印X、磁束の向きを矢印Yで示している。第1のコイル本体6aの線幅W1(図4参照)は、ティース部42の突出方向に向かって徐々に短くなっている。
【0019】
一方、第2のコイル7は、第2のコイル本体7aを有している。この第2のコイル本体7aは、第3の端部7b及び第4の端部7cを有し、断面四角形状で帯状に延びる板状部材を幅方向に長方形状に屈曲させた形状をなしている。第2のコイル本体7aの第3の端部7b側の端面には、第2のコイル本体7aよりも幅狭な第3接続部7dが突設されている一方、第2のコイル本体7aの第4の端部7c側の端面には、第2のコイル本体7aよりも幅狭な第4接続部7eが突設されている。第2のコイル本体7aは、第3の端部7bが前記第1のコイル本体6aの第2の端部6cよりもティース部42の突出方向に位置し、かつ第4の端部7cが第3の端部7bよりもティース部42の突出方向に位置するように柱状部42aの延在方向に沿って柱状部42aに螺旋状に巻回されている。第2のコイル本体7aの巻き方向は、モータ1の中心から見て右回り(時計回り)であり、第1のコイル本体6aの巻き方向に対して逆向きになっている。また、第2のコイル本体7aを構成する板状部材の厚さT2は、第1のコイル本体6aを構成する板状部材の厚さT1よりも大きく設定されている。また、第2のコイル本体7aの線幅W2は、第1のコイル本体6aの線幅W1よりも短く、かつティース部42の突出方向に向かって徐々に短くなっている。また、第2のコイル本体7aの巻数は、第1のコイル本体6aの巻数と等しくなっている。第2のコイル7の抵抗値は、第1のコイル6の抵抗値よりも大きくなっている。
【0020】
第1のコイル6の第1接続部6dと第2のコイル7の第4接続部7eとは、バスバー51~53のうち、いずれか1つの共通のバスバー(第1の導電体)55に溶着されることにより一体化している。これにより、第1のコイル本体6aの第1の端部6bと、第2のコイル本体7aの第4の端部7cとが、前記バスバー55によって電気的に接続されている。一方、第1のコイル6の第2接続部6e及び第1のコイル本体6aの第2の端部6cと、第2のコイル7の第3接続部7d及び第2のコイル本体7aの第3の端部7bとは、互いに対向した状態で溶着されることにより一体化している。第1のコイル本体6aの第2の端部6cと第2のコイル本体7aの第3の端部7bとは、両コイル本体6a,7aの4辺のうち、モータ回転軸方向に延びる1辺(図3中左側の辺)で一体化されている。また、第1のコイル6の第2接続部6eと、第2のコイル7の第3接続部7dとは、バスバー54(第2の導電体)に溶着されることにより一体化されている。したがって、第1のコイル本体6aの第2の端部6cと第2のコイル本体7aの第3の端部7bとバスバー54とは、一体に形成されている。これにより、第1のコイル本体6aの第2の端部6cと第2のコイル本体7aの第3の端部7bとが、バスバー54によって電気的に接続されている。このように、第2のコイル7は、第1のコイル6に対して電気的に並列に接続されている。
【0021】
なお、第1及び第2のコイル7,9は、銅、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、真鍮、鉄、SUSからなる導線と、該導線の両端部を除く表面全体に設けられた絶縁皮膜とで構成されている。導線は、例えば、導線を半ターン分毎に板金から打ち抜いて溶接等により互いに接合することにより製造できる。第1及び第2のコイル7,9のターン間は、絶縁皮膜によって絶縁されている。絶縁皮膜は、例えば、ポリイミド、ナイロン、PEEK、アクリル、アミドイミド、エステルイミド、エナメル、耐熱樹脂等によって形成されている。絶縁皮膜の厚みは、数十μm程度、例えば、10μmから50μmの間である。また、第1及び第2のコイル7,9とステータコア40との間は、絶縁皮膜と図示しない絶縁部材、例えば樹脂、絶縁紙等によって絶縁されている。
【0022】
したがって、本実施形態1によれば、電気的に並列に接続された第1及び第2のコイル6,7に電流を分けて流すことができるので、板材を特注しなくても、分割コア40aのティース部42にコイルを1つだけ巻回した場合に比べ、バスバー55とバスバー54との間に流れる電流の許容量を増大させることができる。
【0023】
また、バスバー54によって第1のコイル本体6aの第2の端部6cに接続される第2のコイル本体7aの第3の端部7bが、第4の端部7cよりも延在方向に第2の端部6cに近い位置にあるので、バスバー54によって第1のコイル本体6aの第2の端部6cと第2のコイル本体7aの第4の端部7cとを接続した場合に比べ、バスバー54を小型化できる。
【0024】
また、バスバー54によって第2のコイル本体7aの第3の端部7bに接続される第1のコイル本体6aの第2の端部6cが、第1の端部6bよりも延在方向に第3の端部7bに近い位置にあるので、バスバー54によって第2のコイル本体7aの第3の端部7bと第1のコイル本体6aの第1の端部6bとを接続した場合に比べ、バスバー54を小型化できる。
【0025】
また、第1のコイル本体6aの第2の端部6cと第2のコイル本体7aの第3の端部7bとが一体化しているので、第1のコイル本体6aの第2の端部6cと第2のコイル本体7aの第3の端部7bとを離間させた場合に比べ、バスバー54を小型化できる。
【0026】
また、第1のコイル本体6aの第2の端部6cと第2のコイル本体7aの第3の端部7bとバスバー54とが一体化しているので、第1のコイル本体6aの第2の端部6cと第2のコイル本体7aの第3の端部7bとバスバー54との電気的な接続が振動等により切れるのを防止できる。
【0027】
また、第2のコイル7の抵抗値を、第1のコイル6の抵抗値よりも大きく設定しているので、第2のコイル7の抵抗値を第1のコイル6の抵抗値と等しく設定した場合に比べ、ロータ3の回転に起因して第2のコイル7に流れる渦電流を減らすことができる。
【0028】
(実施形態1の変形例1)
図5は、実施形態1の変形例1の図4相当図である。本変形例1では、第1のコイル本体6aの第2の端部6cと第2のコイル本体7aの第3の端部7bとは、両コイル本体7a,7bの4辺のうち、モータ回転周方向に延びる1辺(図3中上側の辺)を除く3辺で一体化されている。
【0029】
その他の構成は、実施形態1と同じであるので、同一の構成箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0030】
(実施形態1の変形例2)
図6は、実施形態1の変形例2の図4相当図である。本変形例2では、第1のコイル本体6aの第2の端部6cと第2のコイル本体7aの第3の端部7bとが、一体化されておらず、互いに接することで電気的に接続されている。
【0031】
その他の構成は、実施形態1と同じであるので、同一の構成箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0032】
本変形例2によれば、第1のコイル本体6aの第2の端部6cと第2のコイル本体7aの第3の端部7bとを一体化させる場合に比べ、溶着作業等、これら両端部を一体化させるための作業が不要となるので、モータ1の組立作業が容易になる。
【0033】
(実施形態2)
図7は、実施形態2の図3相当図である。本実施形態2では、図8にも示すように、第2のコイル本体7aの巻き方向が、モータ1の中心から見て左回り(反時計回り)であり、第1のコイル本体6aの巻き方向と同一になっている。そして、第1のコイル6の第1接続部6dと第2のコイル7の第3接続部7dとが、前記バスバー(第1の導電体)55に溶着されることで一体化され、これにより、第1のコイル本体6aの第1の端部6bと、第2のコイル本体7aの第3の端部7bとが、前記バスバー55によって電気的に接続されている。また、そして、第1のコイル6の第2接続部6eと第2のコイル7の第4接続部7eとが、バスバー54に溶着されることで一体化され、これにより、第1のコイル本体6aの第2の端部6cと、第2のコイル本体7aの第4の端部7cとが、バスバー54によって電気的に接続されている。
【0034】
その他の構成は、実施形態1と同じであるので、同一の構成箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0035】
(実施形態3)
図9は、実施形態3の図4相当図である。本実施形態3では、第1及び第2のコイル本体6a,7aの巻数が、実施形態1に比べて少なくなっている。また、コイル組5が、第3のコイル8をさらに備えている。第3のコイル8は、第3のコイル本体8aを有している。この第3のコイル本体8aは、第5の端部8b及び第6の端部8cを有し、断面四角形状で帯状に延びる板状部材を幅方向に長方形状に屈曲させた形状をなしている。第3のコイル本体8aの第5の端部8b側の端面には、第3のコイル本体8aよりも幅狭な第5接続部8dが突設されている一方、第3のコイル本体8aの第6の端部8c側の端面には、第3のコイル本体8aよりも幅狭な第6接続部8eが突設されている。第3のコイル本体8aは、第5の端部8bよりも第6の端部8cがティース部42の突出方向(柱状部42aの延在方向一方)に位置するように柱状部42aの延在方向に沿って螺旋状に柱状部42aに巻回されている。第3のコイル本体8aの巻き方向は、モータ1の中心から見て左回り(反時計回り)になっている。
【0036】
そして、第5接続部8d及び第3のコイル本体8aの第5の端部8bと、第2のコイル7の第4接続部7e及び第2のコイル本体7aの第4の端部7cとが、互いに対向した状態で溶着されることにより一体化している。また、第5接続部8dと、第2のコイル7の第4接続部7eとは、前記バスバー55に溶着されることにより一体化されている。また、第6接続部8eは、バスバー54に溶着されることにより一体化されている。このように、第3のコイル8は、第1及び第2のコイル6,7に対して電気的に並列に接続されている。
【0037】
その他の構成は、実施形態1と同じであるので、同一の構成箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0038】
(実施形態4)
図10は、実施形態4の図8相当図である。本実施形態4では、第1及び第2のコイル本体6a,7aの巻数が、実施形態2に比べて少なくなっている。また、コイル組5が、実施形態3の第3のコイル8をさらに備えている。本実施形態4では、第5接続部8dが、前記バスバー55に溶着されることにより一体化されている。また、第6接続部8eは、バスバー54に溶着されることにより一体化されている。
【0039】
その他の構成は、実施形態2と同じであるので、同一の構成箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0040】
(実施形態5)
図11は、実施形態5の図9相当図である。本実施形態5では、コイル組5が、第4のコイル9をさらに備えている。第4のコイル9は、第4のコイル本体9aを有している。この第4のコイル本体9aは、第7の端部9b及び第8の端部9cを有し、断面四角形状で帯状に延びる板状部材を幅方向に長方形状に屈曲させた形状をなしている。第4のコイル本体9aの第7の端部9b側の端面には、第4のコイル本体9aよりも幅狭な第7接続部9dが突設されている一方、第4のコイル本体9aの第8の端部9c側の端面には、第4のコイル本体9aよりも幅狭な第8接続部9eが突設されている。第4のコイル本体9aは、第7の端部9bよりも第8の端部9cがティース部42の突出方向(柱状部42aの延在方向一方)に位置するように柱状部42aの延在方向に沿って螺旋状に柱状部42aに巻回されている。第4のコイル本体9aの巻き方向は、モータ1の中心から見て右回り(時計回り)になっている。
【0041】
そして、第7接続部9d及び第4のコイル本体9aの第7の端部9bと、第3のコイル8の第6接続部8e及び第3のコイル本体8aの第6の端部8cとが、互いに対向した状態で溶着されることにより一体化されている。また、第7接続部9dと、第3のコイル8の第6接続部8eとは、バスバー54に溶着されることにより一体化されている。また、第8接続部9eは、前記バスバー55に溶着されることにより一体化されている。このように、第4のコイル9は、第1~第3のコイル6~8に対して電気的に並列に接続されている。
【0042】
その他の構成は、実施形態3と同じであるので、同一の構成箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0043】
(実施形態6)
図12は、実施形態6の図10相当図である。本実施形態6では、コイル組5が、実施形態5の第4のコイル9をさらに備えている。本実施形態6では、第4のコイル9の巻き方向が、モータ1の中心から見て左回り(反時計回り)になっており、第7接続部9dが、前記バスバー55に溶着されることにより一体化されている。また、第8接続部9eは、バスバー54に溶着されることにより一体化されている。
【0044】
その他の構成は、実施形態4と同じであるので、同一の構成箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0045】
本開示に係るコイル装置は、コイル装置の許容電流量を増大させることができ、モータや電力機器に適用する上で有用である。
【符号の説明】
【0046】
1 モータ(コイル装置)
6 第1のコイル
6a 第1のコイル本体
6b 第1の端部
6c 第2の端部
7 第2のコイル
7a 第2のコイル本体
7b 第3の端部
7c 第4の端部
40a 分割コア
40b 分割ヨーク部
41 ヨーク部
42 ティース部
42a 柱状部
44 保持部材
54 バスバー(第2の導電体)
55(51~53) バスバー(第1の導電体)
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12