(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】アラビノースイソメラーゼ変異体
(51)【国際特許分類】
C12N 15/61 20060101AFI20240301BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240301BHJP
C12N 9/90 20060101ALI20240301BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20240301BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20240301BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240301BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240301BHJP
C12P 19/02 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
C12N15/61
C12N15/63 Z
C12N9/90 ZNA
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P19/02
(21)【出願番号】P 2019128161
(22)【出願日】2019-07-10
【審査請求日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】P 2018162327
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋 松二郎
(72)【発明者】
【氏名】ヴィナ アムレタ ラクスミ
(72)【発明者】
【氏名】鶴丸 博人
【審査官】牧野 晃久
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/023071(WO,A1)
【文献】特表2010-510776(JP,A)
【文献】Biotechnol. Prog.,Vol.23,2007年,pp. 824-828
【文献】Biotechnology Letters,2006年,Vol. 28,pp.145-149
【文献】Journal of Applied Microbiology,2006年,Vol. 101,pp. 213-221
【文献】Journal of Molecular Catalysis B:Enzymatic,2006年,Vol. 43,pp. 108-112
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00- 15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)配列番号1のアミノ酸配列において、18位に対応する位置にトレオニン、又はセリンのアミノ酸変異のみが導入されたアミノ酸配列からなるアラビノースイソメラーゼの変異体、
(ii)配列番号1のアミノ酸配列において、18位に対応する位置にトレオニン、又はセリンのアミノ酸変異を含み、かつ、18位以外の位置において1又は数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列からなる、ガラクトースに対するイソメラーゼ活性を有するアラビノースイソメラーゼの変異体、又は、
(iii)配列番号1のアミノ酸配列における18位に対応する位置にトレオニン、又はセリンのアミノ酸変異を含み、かつ、配列番号1のアミノ酸配列に対して90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる、ガラクトースに対するイソメラーゼ活性を有するアラビノースイソメラーゼの変異体。
【請求項2】
配列番号1の234位に対応する位置にシステインをさらに含む、請求項1に記載の変異体。
【請求項3】
配列番号1の280位に対応する位置にアスパラギン、
配列番号1の450位に対応する位置にセリン、及び
配列番号1の475位に対応する位置にリシン、
の少なくとも一つ以上をさらに含む、請求項1または2に記載の変異体。
【請求項4】
野生型アラビノースイソメラーゼに比べて、ガラクトースに対するイソメラーゼ活性が増加した、請求項1~3のいずれか一項に記載の変異体。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の変異体をコードするポリヌクレオチド。
【請求項6】
請求項5に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項7】
請求項5に記載のポリヌクレオチド又は請求項6に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項8】
請求項7に記載の宿主細胞を培養する工程を含む、アラビノースイソメラーゼの変異体を生産する方法。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか一項に記載のアラビノースイソメラーゼの変異体をガラクトースに接触させ、ガラクトースをタガトースに異性化する工程を含む、タガトースを生産する方法。
【請求項10】
異性化工程が、ホウ酸の存在下で行われる、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細菌アラビノースイソメラーゼの変異体、該変異体をコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドを含むベクター、該ポリヌクレオチド又は該ベクターを含む宿主細胞、アラビノースイソメラーゼの変異体の生産方法、及びタガトースを生産する方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
タガトースは、砂糖の92%の甘味を持ち、砂糖と同様の風味を有するが、砂糖の38%のカロリーしか有さず、また血糖の上昇や虫歯の原因とならないことから、代替甘味料として用いられる。さらに、タガトースは、2001年にFAO及びWHOから安全性が宣言され、2003年には日本でも食品添加物として認められたことから、医療食やダイエット食、健康食等様々な食品への応用が期待されている。
【0003】
タガトースは、工業的には主にガラクトースを原料とする化学的又は酵素的異性化によって生産される。化学的異性化に対して、酵素的異性化には副産物が少ないなどの利点が有り、様々な微生物由来のアラビノースイソメラーゼが酵素として使われてきた。しかしながら、微生物由来のアラビノースイソメラーゼは反応速度が非常に遅いという問題がある。これは、タガトースの原料となるガラクトースがアラビノースイソメラーゼの本来の基質ではないため、基質利用率が低いことに一因がある。ガラクトースに対する反応性を改善するための試みとして、例えば非特許文献1は、Geobacillus thermodenitrificans由来のアラビノースイソメラーゼの280位のフェニルアラニンをアスパラギンに、450位のシステインをセリンに、475位のアスパラギンをリシンに置換することで、ガラクトースに対するイソメラーゼ活性が改善することを報告している。しかしながら、当該変異を有するアラビノースイソメラーゼについても、ガラクトースに対するイソメラーゼ活性は必ずしも満足できるものではなかった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】Kim B.J. et al., Applied Microbiology and Biotechnology, 2014, vol. 98, issue 22, pp.9271-81.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ガラクトースからタガトースへのイソメラーゼ活性が高められたアラビノースイソメラーゼの変異体を提供すること等を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、配列番号1の18位に対応する位置のアミノ酸を、トレオニン、セリン、アスパラギン、及びグルタミンからなる群より選択されるアミノ酸に置換することで、ガラクトースからタガトースへのイソメラーゼ活性が高められることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
本発明は、以下の態様を包含する。
(1)配列番号1の18位に対応する位置にトレオニン、セリン、アスパラギン、及びグルタミンからなる群より選択されるアミノ酸を含む、細菌アラビノースイソメラーゼの変異体。
(2)配列番号1の18位に対応する位置にトレオニン又はセリンを含む、(1)に記載の変異体。
(3)配列番号1の234位に対応する位置にシステインをさらに含む、(1)又は(2)に記載の変異体。
(4)配列番号1の280位に対応する位置にアスパラギン、
配列番号1の450位に対応する位置にセリン、及び
配列番号1の475位に対応する位置にリシン、
の少なくとも一つ以上をさらに含む、(1)~(3)のいずれかに記載の変異体。
(5)細菌が、Bacillaceae科細菌である、(1)~(4)のいずれかに記載の変異体。
(6)変異体が、以下の(i)~(iii)からなる群より選択されるアミノ酸配列:
(i)配列番号1のアミノ酸配列、
(ii)配列番号1のアミノ酸配列において、18位以外の位置において1又は数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列、及び
(iii)配列番号1のアミノ酸配列に対して90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列、
を含む、(1)~(5)のいずれかに記載の変異体。
(7)野生型アラビノースイソメラーゼに比べて、ガラクトースに対するイソメラーゼ活性が増加した、(1)~(6)のいずれかに記載の変異体。
(8)(1)~(7)のいずれかに記載の変異体をコードするポリヌクレオチド。
(9)(8)に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
(10)(8)に記載のポリヌクレオチド又は(9)に記載のベクターを含む、宿主細胞。
(11)(10)に記載の宿主細胞を培養する工程を含む、アラビノースイソメラーゼの変異体を生産する方法。
(12)(1)~(7)のいずれかに記載のアラビノースイソメラーゼの変異体をガラクトースに接触させ、ガラクトースをタガトースに異性化する工程を含む、タガトースを生産する方法。
(13)異性化工程が、ホウ酸の存在下で行われる、(12)に記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明のアラビノースイソメラーゼ変異体は、野生型アラビノースイソメラーゼに比べて、ガラクトースに対するイソメラーゼ活性が増加したものであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1-1】
図1-1は、Geobacillus stearothermophilusの2菌株(Geobacillus stearothermophilus-1、Geobacillus stearothermophilus-2)Geobacillus kaustophilus、Geobacillus sp. ZGt-1、及びAnoxybacillus flavithermusのアラビノースイソメラーゼのアミノ酸配列(それぞれ、配列番号1、3、5、7、9)のアラインメントを示す。図中、5つのアミノ酸配列において同一のアミノ酸残基に*を付した。
【
図2】
図2は、配列番号1のアミノ酸配列の18位のHisをThrに置換したH18T変異体、及び18位のHisをSerに置換したH18S変異体の、L-アラビノース及びD-ガラクトースに対する相対活性を示す。
【
図3】
図3は、H18T変異体及びH18S変異体の各温度におけるD-ガラクトースに対する比活性(A)及び相対活性(B)を示す。
【
図4】
図4は、D-ガラクトースを基質として用いた際の、野生型酵素及びH18T変異体のホウ酸の存在下又は非存在下での反応速度を示したものである。
【
図5】
図5は、pH6.0での野生型、及び各変異体の比活性を示す。50mM McIlvaine buffer(pH6.0)存在下、60℃で反応させ比活性を測定した。
【
図6】
図6は、野生型、H18TY234C変異体、及びH18T変異体の様々なpH下での比活性を示す。反応温度60℃での比活性を、pH5.0~6.5では50 mM McIlvaineバッファー存在下、pH6.5~8.0では50 mM Tris-HClバッファー存在下で測定した。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(アラビノースイソメラーゼの変異体)
L-アラビノースイソメラーゼ(EC 5.3.1.4)(以下、本明細書では単に「アラビノースイソメラーゼ」とも記載する)は、以下の反応を触媒する異性化酵素である:L-アラビノース←→L-リブロース
アラビノースイソメラーゼは、さらにガラクトースを基質として以下の反応を触媒することが知られている:D-ガラクトース←→D-タガトース
一態様において、本発明は、配列番号1の18位に対応する位置にトレオニン、セリン、アスパラギン、及びグルタミンからなる群より選択されるアミノ酸を含む、細菌アラビノースイソメラーゼの変異体に関する。
【0011】
本発明の変異体を作製するための基準となる細菌アラビノースイソメラーゼとしては、任意の細菌由来のものを用いることができる。例えば、Bacillaceae科細菌(例えばGeobacillus属、Anoxybacillus属、Bacillus属細菌等)、Alicyclobacillaceae科細菌(例えばAlicyclobacillus属細菌等)、又はMicrobacteriaceae科細菌(例えばMicrobacterium属細菌等)由来のアラビノースイソメラーゼを用いることができる。例えば、Geobacillus stearothermophilus、Geobacillus kaustophilus、Geobacillus sp.、Anoxybacillus flavithermus、Bacillus sp.、Alicyclobacillus kakegawensis、Microbacterium esteraromaticum由来のアラビノースイソメラーゼを用いることができる。あるいは、各種の細菌アラビノースイソメラーゼ遺伝子をもとに作製されたキメラタンパク質を用いることもできる。
【0012】
本明細書において、アミノ酸位置の対応関係は、例えば、既成のアミノ酸の相同性解析用ソフト、例えば、GENETYX(GENETYX社製)等を用いて、各種アラビノースイソメラーゼのアミノ酸配列を比較することにより、容易に特定することができる。例えば、配列番号1のアミノ酸配列の位置Xに対応するアラビノースイソメラーゼのアミノ酸位置は、該アラビノースイソメラーゼのアミノ酸配列を配列番号1のアミノ酸配列とアラインメントすることによって特定することができる。例えば、「配列番号1の18位に対応する位置」は、配列番号3のアミノ酸配列の18位、配列番号5、7又は9のアミノ酸配列の17位であってよい。
図1に、Geobacillus stearothermophilusの2菌株(Geobacillus stearothermophilus-1、Geobacillus stearothermophilus-2)、Geobacillus stearothermophilus、Geobacillus kaustophilus、Geobacillus sp. ZGt-1、及びAnoxybacillus flavithermusのアラビノースイソメラーゼのアラインメント結果を示す。このように配列番号1のアミノ酸配列とのアラインメント結果を参照して各アミノ酸配列における対応する位置を定めることができる。
【0013】
一実施形態において、アラビノースイソメラーゼ変異体における配列番号1の18位に対応する位置のアミノ酸は、トレオニン、セリン、アスパラギン、及びグルタミンからなる群より選択される中性アミノ酸であり、好ましくはトレオニン又はセリンである。
【0014】
一実施形態において、本発明のアラビノースイソメラーゼ変異体は、配列番号1の18位に対応する位置の変異以外の変異をさらに含んでもよい。前記変異は、何らかの特定の効果を意図して人為的に導入されたものでもよく、ランダムに、又は非人為的に導入されたものでもよい。本発明の変異体は、例えば、Kim B.J. et al., Applied Microbiology and Biotechnology, 2014, vol. 98, issue 22, pp.9271-81に記載の変異を含むことができる。本発明の変異体は、例えば、配列番号1の280位に対応する位置にアスパラギン、配列番号1の450位に対応する位置にセリン、及び配列番号1の475位に対応する位置にリシンの少なくとも一つ以上、例えば二つ又は三つ全てをさらに含んでよい。これらの変異に加えて、又はこれらの変異に代えて、本発明の変異体は、例えば、配列番号1の234位に対応する位置にシステイン又はメチオニン、例えばシステインを含んでよい。これらの変異に加えて、又はこれらの変異に代えて、本発明の変異体は、配列番号1の386位に対応する位置にリシン、アルギニン、又はヒスチジン、例えばリシン、及び/又は配列番号1の320位に対応する位置にトレオニン、セリン、アスパラギン、及びグルタミン、例えばトレオニンを含んでもよい。
【0015】
一実施形態において、本発明の変異体は、配列番号1の234位に対応する位置にシステイン、配列番号1の386位に対応する位置にリシン、及び配列番号1の320位に対応する位置にトレオニンの少なくとも一つ以上、並びに/又は
配列番号1の280位に対応する位置にアスパラギン、配列番号1の450位に対応する位置にセリン、及び配列番号1の475位に対応する位置にリシンの少なくとも一つ以上を含む。
【0016】
一実施形態において、本発明の変異体は、配列番号1の18位に対応する位置におけるアミノ酸変異(及び任意に本明細書に記載の他のアミノ酸変異)を含み、かつ以下の(i)~(iii)からなる群より選択されるアミノ酸配列:
(i)配列番号1のアミノ酸配列、
(ii)配列番号1のアミノ酸配列において、18位(さらに、上記の変異を含む場合には、これらの変異の位置)以外の位置において1又は数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列、及び
(iii)配列番号1のアミノ酸配列に対して例えば80%以上、85%以上、又は90%以上、好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0017】
本明細書において、「1又は数個」の範囲は、1から10個、好ましくは1から7個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個、あるいは1個又は2個である。
【0018】
本明細書において、本明細書において、アミノ酸配列及び塩基配列に関する同一性の値は、複数の配列間の同一性を演算するソフトウェア(例えば、FASTA、DANASYS、BLAST、及びGENETYX)を用いてデフォルトの設定で算出した値を示す。同一性の決定方法の詳細については、例えばAltschul et al, Nuc. Acids. Res. 25, 3389-3402, 1977及びAltschul et al, J. Mol. Biol. 215, 403-410, 1990を参照されたい。
【0019】
一実施形態において、本発明のアラビノースイソメラーゼ変異体は、野生型アラビノースイソメラーゼに比べて、ガラクトースをタガトースに変換するイソメラーゼ活性が増加している。ガラクトースに対するイソメラーゼ活性の増加の程度は限定しないが、本明細書に記載の変異を導入しないアラビノースイソメラーゼ(例えば変異体に対応する野生型アラビノースイソメラーゼ)の活性を100%としたときの、本発明のアラビノースイソメラーゼ変異体の相対活性は105%以上、110%以上、115%以上、好ましくは120%&以上、130%&以上、135%以上、又は140%以上であってよい。ガラクトースに対するイソメラーゼ活性の程度は、公知の方法に従って行うことができ、例えばZ. Dische and E. Borenfreund, J. Biol. Chem., 192 (2), 1951, 583-587に記載の方法に従って、実施例の記載に従って測定することができる。
【0020】
アラビノースイソメラーゼ変異体のアラビノースに対するイソメラーゼ活性は、限定しないが、野生型アラビノースイソメラーゼの活性と同等以下であってよい。
【0021】
本発明のアラビノースイソメラーゼ変異体は、野生型アラビノースイソメラーゼに比べて、高温(例えば、50℃以上、60℃以上、又は70℃以上)で高い活性を有し得る。
【0022】
(ポリヌクレオチド)
一態様において、本発明は、本発明のアラビノースイソメラーゼ変異体をコードするポリヌクレオチド(以下、「アラビノースイソメラーゼ遺伝子」とも記載する)に関する。ポリヌクレオチドの配列は、アラビノースイソメラーゼ変異体のアミノ酸配列に基づいて容易に定めることができる。例えば、配列番号1、3、5、7、及び9のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドとして、それぞれ配列番号2、4、6、8、及び10のポリヌクレオチドが挙げられる。本発明のポリヌクレオチドは、例えば、以下の(i)~(iii)からなる群より選択されるヌクレオチド配列:
(i)配列番号2、4、6、8、及び10からなる群から選択されるヌクレオチド配列、
(ii)前記(i)のいずれかのヌクレオチド配列において、1又は数個のヌクレオチドが置換、欠失又は付加されたヌクレオチド配列、及び
(iii)前記(i)のいずれかのヌクレオチド配列に対して80%以上、85%以上、又は90%以上、好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列
を含んでよい。
【0023】
これらのアラビノースイソメラーゼをコードするヌクレオチドは、公知の遺伝子のクローニング方法により得ることができる。例えば、アラビノースイソメラーゼ生産能を有する細菌の細胞から常法に従って、ゲノムDNA又はmRNAを抽出し、ゲノムDNA又はmRNA由来のcDNAを鋳型としたPCRによりアラビノースイソメラーゼをコードするヌクレオチドを得ることができる。プライマーは、各ヌクレオチドの配列に基づいて設計することができる。
【0024】
また、アラビノースイソメラーゼをコードするヌクレオチドは、常法に従って化学合成により調製することもできる。
【0025】
(アラビノースイソメラーゼ遺伝子の変異処理)
アラビノースイソメラーゼ遺伝子の変異処理は、公知の方法で行うことができる。例えば、アラビノースイソメラーゼ遺伝子を変異原と接触させる方法;放射線照射法;遺伝子工学的手法を用いる方法等を用いることができる。
【0026】
変異原となる薬剤としては、例えば、エチルメタンスルホネート、N-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン、亜硝酸、亜硫酸、ヒドラジン、又は5-ブロモウラシル等を挙げることができる。
【0027】
放射線照射の例としては、例えばUV照射、ガンマ線照射、X線照射、重イオンビーム照射が挙げられる。
【0028】
遺伝子工学的手法の一つである部位特異的変異誘発法は特定の位置に特定の変異を導入できる手法であることから有用であり、例えばMolecular Cloning: A laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY.,1989、Current Protocols in Molecular Biology, Supplement 1-8,John Wiley & Sons (1987-1997)等に記載の方法に準じて行うことができる。
【0029】
(ベクター、宿主細胞)
一態様において、本発明は、上記ポリヌクレオチドを含むベクターに関する。ベクターの例としては、バクテリオファージ、コスミド、又は原核細胞の形質転換に用いられるプラスミド等が挙げられる。本発明のベクターには、当分野で通常使用されるプロモーター、エンハンサー等の発現制御配列、選択マーカー遺伝子等を適宜含めることができる。ベクターは、本発明のポリヌクレオチドの細胞への導入及び発現のために好適な市販のものを利用することもできる。ベクターの細胞への導入は、特に限定するものではないが、塩化カルシウム、ポリエチレングリコール、DEAE-デキストラン、両親媒性ペプチド、塩基性リン脂質、ポリリシン等を用いる法、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション等を適宜使用することができる。
【0030】
一態様において、本発明は、上記ポリヌクレオチド又はベクターを含む宿主細胞に関する。宿主細胞は、限定されないが、大腸菌や枯草菌等の細菌、酵母細胞、昆虫細胞、動物細胞(例えば、哺乳動物細胞)、及び植物細胞等であり、好ましくは大腸菌等の細菌細胞である。
【0031】
(アラビノースイソメラーゼ変異体の生産方法)
一態様において、本発明は、上記宿主細胞を培養する工程を含む、アラビノースイソメラーゼ変異体の生産方法に関する。培養は各種公知の方法で行うことができ、固体培養法でもよいが、好ましくは液体培養法により培養する。
【0032】
本発明の方法は、上記宿主細胞を、アラビノースイソメラーゼタンパク質を発現し得る条件下で培養する工程、及び任意に培養物又は培養液からアラビノースイソメラーゼを単離する工程を含んでよい。ここでアラビノースイソメラーゼを発現しうる条件とは、アラビノースイソメラーゼ遺伝子が転写、翻訳され、当該遺伝子によりコードされるポリペプチドが産生されることをいう。
【0033】
また、上記宿主細胞を培養する培地及び培養条件は、宿主細胞に応じて公知の条件に従って設定することができる。
【0034】
培養終了後、培養物又は培養液からのアラビノースイソメラーゼの単離は、通常の方法を用いて行うことができ、粗精製であっても、精製であってもよい。例えば、培養物を用いる場合、常法により菌体を、超音波破壊処理、磨砕処理等して、又はリゾチーム等の溶菌酵素を用いて本酵素を得ることができる。そして、得られた溶液を濾過、遠心分離等して固形部分を除去し、上清に硫安、アルコール、又はアセトン等を添加して分画し、沈澱物を採取し、アラビノースイソメラーゼの粗酵素を得ることができる。
【0035】
上記アラビノースイソメラーゼの粗酵素よりさらに精製を行ってもよい。精製は、当分野で通常使用されている方法、例えば遠心分離、各種クロマトグラフィー、ウエスタンブロッティング等によって行うことができる。
【0036】
(タガトースを生産する方法)
一態様において、本発明は、本明細書に記載のアラビノースイソメラーゼの変異体をガラクトースに接触させ、ガラクトースをタガトースに変換する工程を含む、タガトースを生産する方法に関する。
【0037】
ガラクトースは、以下の反応に従って、アラビノースイソメラーゼによりタガトースに異性化される。:D-ガラクトース←→D-タガトース
変換する工程の条件は限定しないが、例えば40℃以上、50℃以上、又は55℃以上の温度で、また80℃以下、70℃以下、又は65℃以下の温度で、例えば約60℃の温度で行うことができる。また、変換工程は、例えば6以上、7以上、又は7.5以上のpHで、また9以下、8以下、又は8.5以下のpHで、例えば約8のpHで行うことができる。また、変換工程は、例えば10分以上、20分以上、又は25分以上の時間、また2時間以下、1時間以下、又は40分以下の時間、例えば約30分の時間行うことができる。
【0038】
変換工程は、ホウ酸の存在下で行うことができる。これにより、ガラクトースからタガトースへの変換速度を高めることができる。ホウ酸の濃度は限定しないが、例えば20mM以上、50mM以上、100mM以上、又は150mM以上の濃度で、また1000mM以下、400mM以下、300mM以下、又は250mM以下の濃度で、例えば約200mMの濃度で用いることができる。
【0039】
本発明の方法は、上記変換工程に加えて、タガトースを精製する工程を含んでもよい。精製工程は、公知の方法を用いて行うことができ、例えばイオン交換体を用いる液体クロマトグラフィー等を用いてタガトースを精製することができる。精製工程で分離されたガラクトースは、リサイクルして再度上記反応の基質としてもよい。
【0040】
また、精製又は未精製タガトースに対し、任意に活性炭処理法による脱色してもよいし、さらに濃縮及び/又は結晶化してもよい。
【0041】
生産されたタガトースの用途は限定しないが、例えば食品組成物(飲料、動物用飼餌料を含み、例えばヒトの医療食やダイエット食、健康食等が挙げられる)及び医薬品組成物の原料とすることができる。
【0042】
以下、実施例を参照して本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、それらの例により何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0043】
(材料と方法)
変異導入箇所と候補アミノ酸の検索
既にX 線結晶構造解析が終了したGeobacillus kaustophilus由来アラビノースイソメラーゼ(PDB ID: 4R1Q)(以下、GKAIとも記載する。アミノ酸配列:配列番号5)の情報を基に、molecular operating environment (MOE) software (Chemical Computing Group)を用いて、基質結合部位付近のアミノ酸で、基質との結合に直接関与しないアミノ酸の部位をアラニンスキャニングにより検索した。なお、GKAIはGeobacillus stearothermophilusアラビノースイソメラーゼ(以下GSAIとも記載する。アミノ酸配列:配列番号1)と97%の相同性を有する。
【0044】
一般的には、基質と結合するアミノ酸を検索するが、本実施例では変異後のアラビノースイソメラーゼ(以下AIとも記載する)安定性を考慮し、基質結合に関与しないアミノ酸に変異を導入した。置換するアミノ酸の候補は、MOE を用いて検索し、変異導入後のGSAI安定性を計算して選別した。
【0045】
アラビノースイソメラーゼの発現と精製
アラビノースイソメラーゼをコードするaraA遺伝子を、pGEM-T Easy-GSAI(D. Fitriani and B. Saksono, Hayati J. Biosci., 17 (2), 2010, 58-62)を鋳型として用いるPCRにより増幅した。増幅した断片をNdeI/BamHIで消化したpET15bに導入した。構築したベクターであるpET15b-GSAIの配列は、シークエンスによりaraA遺伝子を含んでいることを確認した。pET15b-GSAIを有する大腸菌BL21 Star (DE3)を0.4%グルコースを含むLB-アンピシリン培地にて160 rpmで撹拌しながら37℃で一晩前培養し、1%の前培養物を100 mL LB-アンピシリン培地に加え、130rpmで撹拌しながら18℃でインキュベートした。600 nmの光学密度が1.0に達した後に、0.2 mM イソプロピル-β-Dチオガラクトシド(IPTG)を添加してGSAIの合成を誘導した。130rpmで撹拌しながら18℃で一晩インキュベートした後、細胞を遠心分離で回収し、50 mM Tris-HClバッファー(pH8.0)で再懸濁した。細胞を超音波で破砕し、サンプルの上清をHisTrap HP(1 mL; GE Healthcare)カラムに供し、20~500 mMイミダゾールのグラジエントで溶出することで精製を行った。基質特異性とキネティックパラメーターの実験では、さらにHiTrap Q HP(1 mL; GE Healthcare)カラムを用い、0~1 M NaClのグラジエントで溶出した酵素を用いた。得られた画分は、50 mM Tris-HClバッファー(pH7.5)で透析し、イミダゾールを除いた。GSAIの純度はSDS-PAGEで確認し、タンパク質濃度はBCA法を用いて常法に従って測定した。
【0046】
候補アミノ酸の変異導入と発現
選別した候補アミノ酸をQuikChange(登録商標) II XL Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene)を用い、変異を導入した。変異体を得るためのテンプレートとしては、上記pET15b-GSAIを用いた。変異を導入したGSAI遺伝子を含むプラスミドをカルシウム法により常法に従って大腸菌(E. coli BL21 Star (DE3))に導入した。この大腸菌を、96穴タイタープレートで、200 μL LB-アンピシリン培地において、1000 × 10 r/min (Mix-EVR, TAITEC)で撹拌しながら一晩培養した。培地を除いた後で、菌体を21.1 μLの50 mM Tris-HClバッファー(pH8.0)で再懸濁し、-80℃で1時間冷凍した。その後、60℃で30分間保温することによって、タンパク質を溶出させた。この粗酵素液3 μLの活性を以下の様にプレートリーダーで測定することで、優良変異体の選別を行った。3 μLの上記粗酵素溶液を含む26.4 μLの反応溶液(50 mM D-ガラクトース、1 mM MnCl2、及び50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0))を、60℃で30分間反応させた。生成したL-リブロース(D-タガトース)量を、Z. Dische and E. Borenfreund, J. Biol. Chem., 192 (2), 1951, 583-587に記載の方法に従って、cysteine-carbazole-sulfuric acid法を用いてプレートリーダーにより測定した。具体的には、反応溶液をシステイン-カルバゾール硫酸溶液(3mM L-cystein、8.4 M H2SO4, 0.3 mM carbazole)に加え(通常の測定では、反応液100μlをシステイン-カルバゾール硫酸溶液960μlに加え、変異体のスクリーニングでは反応液26.4 μLにシステイン-カルバゾール硫酸溶液を254μl加えた)、60℃で30分間反応させた後、Benchmark PlusTM Microplate Spectrophotometer (Bio-Rad Laboratories)を用いて560 nmで発色を測定し、標準曲線により生成したL-リブロース(D-タガトース)を算出した。
【0047】
優良変異体について、上記「アラビノースイソメラーゼの発現と精製」に従って、発現精製を行った。また、酵素(0.01 μg/μL)を30~80℃で1時間保温し、そのL-アラビノースをL-リブロースに変換する残存活性を上記の通りcysteine-carbazole-sulfuric acid法により測定し変異による熱安定性の変化がないかを確認した。
【0048】
GSAI変異体の性質検討
作製したGSAI 変異体の詳細な基質特異性、熱安定性などの諸性質の検討を行った。また、以下の通りキネティックパラメーターを測定した。まず、10~200 mM D-ガラクトース及び5~100 mM L-アラビノースを含む反応溶液(1 mM MnCl2を含む50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0)又は200 mMホウ酸バッファー(ホウ酸を水で溶解し、NaOHでpH 8.0に調整))を、酵素と60℃で30分間保温した。生成したL-リブロース(D-タガトース)量を、上記の通り、cysteine-carbazole-sulfuric acid法を用いてプレートリーダーにより560 nmで測定した。L-アラビノースを基質とするときは酵素を1μg用い、D-ガラクトースの時は酵素を5 μg用いた。キネティックパラメーター(Km (mM), kcat (min-1), Vmax (U mg-1))は、GraphPad Prism 7 (GraphPad software)を用いて算出した。酵素反応速度論により、変異体の基質に対する反応速度の変化を考察した。
【0049】
GSAI変異体の作製
活性中心付近の塩基配列にランダムに変異を導入するため、Diversify(登録商標) PCR Random Mutagenesis Kit(Clontech Laboratories, Inc.)を用いたエラープローンPCRを行い、変異を導入した。
【0050】
エラープローンPCRは活性中心付近の領域を2つ、すなわち残基17~129と残基186~448に分けて行った。プライマーセットは、残基17~129には、F: TTTGGTTTGTAACGGGAAGC(配列番号11)及びR: AATCCGTATTCCCGGTCACC(配列番号12)を用い、残基186~448には、F: TGGCTCGTTTTGGCGACAAC(配列番号13)及びR: ACCGCAAATGAGAAGCACGT(配列番号14)を用いた。得られたPCR断片はメガプライマーとして用い、GSAIの変異体H18Tが組み込まれたpET15b-H18Tプラスミドを鋳型にしてPCRを行うことにより、ランダムに変異が導入されたPCR断片をGSAI発現ベクターに組み込んだ。
【0051】
変異を導入したGSAI発現ベクターを、上記「候補アミノ酸の変異導入と発現」において記載したのと同様の方法で大腸菌に導入し、優良変異体を選抜した。ただし、反応溶液中のバッファーとしては50 mM Tris-HClバッファー(pH 8.0)ではなく50 mM McIlvaineバッファー(pH 6.0)を用い、生成したD-タガトース量を算出した。また、残存活性は、D-ガラクトースをD-タガトースに変換する活性を測定した。
【0052】
作製した変異体の至適pHの測定
様々なpH下での活性を測定するために、pH5.0から8.0で野生型、H18TY234C変異体、及びH18T変異体の活性を測定した。pH5.0からpH6.5では50mM McIlvaine bufferを用い、pH6.5からpH8.0では50mM Tris-HCl bufferを用いた。活性測定には上記アラビノースイソメラーゼ5μgと基質D-ガラクトースを用い、60℃で上記方法を用い測定した。
【0053】
(結果)
配列番号1のアミノ酸配列の18位のHisがThrに変異したH18T変異体、及び18位のHisがSerに変異したH18S変異体を獲得した。
図2に、配列番号1のアミノ酸配列の18位のHisをThrに置換したH18T変異体、及び18位のHisをSerに置換したH18S変異体の、L-アラビノース及びD-ガラクトースに対する相対活性を示す。
図2に示される通り、H18T及びH18S変異体は、野生型酵素(WT)と比較して、アラビノースに対する比活性は同様であったが、ガラクトースに対する比活性が約1.4倍上昇していた。
【0054】
図3に、H18T変異体及びH18S変異体の各温度におけるD-ガラクトースに対する比活性(A)及び相対活性(B)を示す。
図3に示される通り、H18T及びH18S変異体の熱安定性については、野生型酵素とほぼ同様であった。
【0055】
表1に、ホウ酸の存在下又は非存在下でのガラクトースを基質として用いた際の比活性等の値を示す。また、
図4に、ガラクトースを基質として用いた際の、野生型酵素及びH18T変異体のホウ酸の存在下又は非存在下での反応速度を示す。
【0056】
【0057】
表1及び
図4に示される通り、H18T変異体では、ホウ酸の添加により反応速度が野生型酵素と比べて顕著に上昇していた。これは、H18T変異体がホウ酸の存在下で野生型酵素より反応速度が特に優れていることを示している。
【0058】
続いて、配列番号1のアミノ酸配列の18位のHisがThrに変異したH18T変異体に基づいて、さらに234位のTyrがCysに変異したH18TY234C変異体、386位のGluがLysに変異したH18TE386K変異体、及び320位のLysがThrに変異したH18TK320T変異体を作製し、比活性を測定した。
図5に、H18TY234C、H18TE386K、及びH18TK320T変異体の、pH6.0における比活性を示す。
図5に示される通り、H18TY234C、H18TE386K、及びH18TK320T変異体は、pH6.0中において、野生型酵素と比較して、比活性がそれぞれ約2.9、1.6、1.3倍上昇していた。また、pH6.0、70℃で1時間処理後の残存活性はそれぞれ約81%、60%、及び30%であり(データ示さず)、特にH18TY234Cは変異導入後でも熱安定性を維持していた。
【0059】
次にさらに広い範囲のpH中での比活性を測定した。
図6に、H18TY234C変異体、H18T変異体、及び野生型の様々なpHにおける比活性を示す。
図6に示す通り、H18TY234C変異体の至適pHの範囲域は野生型やH18Tと比べ広くなり、pH7.5での比活性が野生型と比較して約2倍であるのに対し、pH6.0での比活性は約3倍に上昇した。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明により、野生型アラビノースイソメラーゼに比べて、ガラクトースに対するイソメラーゼ活性が増加したアラビノースイソメラーゼ変異体が提供される。当該変異体により、効率的にタガトースを生産することが可能となる。タガトースは、医療食やダイエット食、健康食等様々な食品への応用が期待されていることから、本発明の産業上の利用可能性は高い。
【配列表】