(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】コンロシステム
(51)【国際特許分類】
F24C 3/12 20060101AFI20240301BHJP
【FI】
F24C3/12 K
(21)【出願番号】P 2019179084
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-08-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100166017
【氏名又は名称】鈴木 和政
(72)【発明者】
【氏名】小原 直人
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-133722(JP,A)
【文献】特開2019-078515(JP,A)
【文献】特開2009-216307(JP,A)
【文献】実開平03-013015(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12、15/18
F24F 7/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トッププレート上に露出した複数のコンロ部を有するガスコンロを備えたコンロシステムであって、
前記ガスコンロを含む所定範囲を撮像する撮像部と、
少なくとも前記所定範囲が照射範囲に含まれるように照明光を照射する照明部と、
前記撮像部及び前記照明部を制御する制御部と、
を備え、
複数の前記コンロ部のそれぞれに照明光を照射する複数の前記照明部を備え、
前記所定範囲は、複数の前記コンロ部を含む範囲であり、
前記撮像部及び前記照明部は、撮像ユニットを構成し、前記ガスコンロの上方に設けられるレンジフードに組み付けられ、連携して動作し、
前記制御部は、
予め定められた開始条件が成立した場合に、前記所定範囲を撮像する撮像指示を前記撮像部に与えるように前記撮像部を制御し、且つ、
前記撮像指示とともにいずれの前記コンロ部が点火状態であるかを示す情報を前記撮像ユニットに無線送信することにより点火状態の前記コンロ部に対応する前記照明部に照明光を照射させ、前記照明部によって照明光が照射された状態で前記所定範囲を前記撮像部に撮像させ、
前記撮像部が撮像した画像のデータが火力制限条件を満たす場合に火力制限処理を行う
コンロシステム。
【請求項2】
所定位置の輝度を測定する輝度センサを備え、
前記制御部は、前記輝度センサによって測定される前記所定位置における輝度が所定値以下である場合に、前記照明部から照明光を照射し、前記輝度センサによって測定される前記所定位置における輝度が所定値より大きい場合に、前記照明部から照明光を照射しない
請求項1に記載のコンロシステム。
【請求項3】
前記照明部から照射される照明光の前記照射範囲における明度を調整する明度調整部と、
所定位置の輝度を測定する輝度センサと、
を備え、
前記明度調整部は、前記輝度センサによって測定される前記所定位置における輝度が所定の輝度となるように前記照明部から照射される照明光の前記照射範囲における明度を調整する
請求項1に記載のコンロシステム。
【請求項4】
複数の前記照明部を備え、
いずれか一の照明部は、前記レンジフードの所定方向における一端側に組み付けられ、いずれか他の照明部は、前記レンジフードの前記所定方向における他端側に組み付けられている
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコンロシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンロシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ガスコンロの上方にカメラを設け、カメラによって撮像されたガスコンロの画像を処理することで、ガスコンロの状況(調理容器の載置状況、沸騰状況など)を判定するシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1の加熱調理器は、ガスを利用して加熱対象物を加熱するバーナと、ガス供給量を調整してバーナの火力を制御する制御手段と、レンジフードに設けられたカメラと、を備えている。カメラは、加熱対象物の上方から加熱対象物の輪郭を検出し、加熱対象物の上方から加熱対象物の輪郭より外側に炎がはみ出ているか否かを検出する。制御手段は、カメラが加熱対象物の輪郭より外側にはみ出している炎を検出したときに、炎の外縁が加熱対象物の輪郭から所定距離離れた内側に位置するように、ガス供給量を低下させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で加熱調理器は、カメラによって撮像された画像に基づいて、撮像画像に含まれる加熱対象物などの撮像物の位置関係を特定している。しかしながら、特許文献1の加熱調理器は、単に所定領域をカメラで撮像するだけであるため、撮像時の加熱調理器付近の環境に応じて、得られる画像の内容が大きく変わりうるという問題がある。
【0006】
例えば、ガスコンロにおける各部位の輝度は、ガスコンロが配置される空間での内部照明や外から窓などを介して入り込む外部光などの外乱の影響を受けやすい。このため、ガスコンロを撮像部で撮像して得られる撮像画像では、各部位の輝度や色などが撮像時における上記外乱によって大きく変化してしまうことになる。このよう変化が大きいと、撮像画像を正確に解析する上で悪影響を及ぼす懸念がある。
【0007】
そこで、上述した課題の少なくとも1つを解決するために、ガスコンロを撮像して得られる撮像画像が、撮像時のガスコンロ周辺の明るさや光の状態に依存しすぎることを抑え得るコンロシステムを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一つであるコンロシステムは、
トッププレート上に露出したコンロ部を1以上有するガスコンロを備えたコンロシステムであって、
前記ガスコンロを含む所定範囲を撮像する撮像部と、
少なくとも前記所定範囲が照射範囲に含まれるように照明光を照射する照明部と、
前記撮像部及び前記照明部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記撮像部を制御するときに前記照明部を制御し、前記照明部によって照明光が照射された状態で前記所定範囲を前記撮像部に撮像させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様のコンロシステムによれば、ガスコンロを撮像して得られる撮像画像が、撮像時のガスコンロ周辺の明るさや光の状態に依存しすぎることを抑え得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態のガスコンロシステムを概略的に例示する説明図である。
【
図2】第1実施形態のガスコンロシステムの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【
図3】第1実施形態のガスコンロを概略的に例示する斜視図である。
【
図4】第1実施形態のガスコンロの各ガスバーナへのガス供給路等を概念的に示す説明図である。
【
図5】第1実施形態のガスコンロの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【
図6】第1実施形態のガスコンロにおいて撮像部の撮像範囲および照明部の照明範囲を説明する説明図である。
【
図7】第1実施形態のガスコンロにおける画像取得制御の流れを例示するフローチャートである。
【
図8】第2実施形態のガスコンロを概略的に例示する斜視図である。
【
図9】第3実施形態のガスコンロシステムを概略的に例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態を列記して例示する。
【0012】
本開示のコンロシステムは、照明部によって少なくとも所定範囲が照射範囲に含まれるように照明光が照射された状態で、ガスコンロを含む所定範囲を撮像部によって撮像する。つまり、上記コンロシステムは、周囲環境に応じてガスコンロの輝度状態が大きく変化しても、撮像時には、照明光の照射によって輝度状態の安定化を図りながらガスコンロを撮像することができる。よって、上記コンロシステムは、ガスコンロを撮像して得られる撮像画像が、撮像時のガスコンロ周辺の明るさや光の状態に依存しすぎることを抑え得る。
【0013】
本開示のコンロシステムにおいて、照明部は、ガスコンロの上方に配置されていてもよい。このコンロシステムは、照明部によって上方からガスコンロに照明光を照射することができるため、上側から見た場合に物体がより明瞭に見えやすくなる。よって、撮像時の輝度状態の安定化を図りつつ、ユーザが上側からガスコンロを見るときの視認性についても、より一層高めることができる。
【0014】
照明部がガスコンロの上方に配置されるコンロシステムにおいて、更に、撮像部がガスコンロの上方に配置されていてもよい。このコンロシステムでは、撮像部は、照明部が照明光を照射する側と同じ側に向いた状態でガスコンロを含む所定範囲を撮像することができる。よって、撮像部側から見たときのガスコンロの輝度状態をより一層安定化させながら、ガスコンロの撮像画像を生成することができる。
【0015】
本開示のコンロシステムにおいて、撮像部及び照明部は、ガスコンロの上方に設けられるレンジフードに組み付けられ、連携して動作してもよい。このようにすれば、ガスコンロから離れた上方位置に撮像部及び照明部を効率的に配置しつつ、撮像部及び照明部の制御についても関連させて効率的に行うことができる。
【0016】
上記コンロシステムのように撮像部及び照明部を連携させて動作させ得る構成では、撮像部による撮像のタイミングに合わせて、照明部から照明光を照射するような制御を行ってもよい。このような制御を行えば、撮像部による撮像のタイミングに絞って照明部から照明光を照射することができ、撮像部で撮像しないタイミングでは照明部から照明光が照射されることを抑えることができる。よって、照明光に起因する電力消費が増大することや照明部の駆動時間が増大する抑えることができる。
【0017】
本開示のコンロシステムにおいて、照明部は、ガスコンロに組付けられていてもよい。このコンロシステムは、照明部がガスコンロと離れた位置に設けられる構成に比べて、システムの構成をコンパクト化、簡略化することができる。
【0018】
本開示のコンロシステムにおいて、撮像部は、ガスコンロに組付けられていてもよい。このコンロシステムは、撮像部がガスコンロと離れた位置に設けられる構成に比べて、システムの構成をコンパクト化、簡略化することができる。
【0019】
本開示のコンロシステムにおいて、所定位置の輝度を測定する輝度センサを備えていてもよい。制御部は、輝度センサによって測定される所定位置における輝度が所定値以下である場合に、照明部から照明光を照射し、輝度センサによって測定される所定位置における輝度が所定値より大きい場合に、照明部から照明光を照射しない構成としてもよい。このコンロシステムは、所定位置の輝度が所定値以下である場合には、照明光の照射によって光を補いつつ輝度の安定化を図りながらガスコンロを撮像することができる。一方、上記コンロシステムは、所定位置の輝度が所定値より大きい場合には、照明光を照射せずに撮像することができる。よって、ガスコンロの輝度が相対的に大きく確保されているときには、照明部の駆動を抑えて電力消費の抑制等を図りながらガスコンロを撮像することができる。
【0020】
本開示のコンロシステムにおいて、照明部から照射される照明光の照射範囲における明度を調整する明度調整部と、所定位置の輝度を測定する輝度センサと、を備えていてもよい。明度調整部は、輝度センサによって測定される所定位置における輝度が所定の輝度となるように照明部から照射される照明光の照射範囲における明度を調整してもよい。このコンロシステムは、明度調整部が、所定の輝度となるように照明光の照射範囲における明度を調整することで、所定範囲を所望の明るさに容易に調整することができる。
【0021】
本開示のコンロシステムにおいて、複数の照明部を備えていてもよい。いずれか一の照明部は、ガスコンロの上方に設けられるレンジフードの所定方向における一端側に組み付けられ、いずれか他の照明部は、レンジフードの所定方向における他端側に組み付けられていてもよい。このコンロシステムは、少なくとも2つの照明部がレンジフードの所定方向における一端側および他端側に組み付けられているため、複数方向からガスコンロに照明光を照射することができる。そのため、ガスコンロ上に影が生じ難く、影が生じることにより輝度が低下することを防ぐことができる。
【0022】
本開示のコンロシステムにおいて、ガスコンロは、複数のコンロ部を有していてもよい。複数のコンロ部のそれぞれに照明光を照射する複数の照明部を備えていてもよい。制御部は、点火状態のコンロ部に対応する照明部に照明光を照射させる構成としてもよい。このコンロシステムは、撮像対象のコンロ部(点火状態のコンロ部)を撮像する際に、当該コンロ部に照明光を照射する特定の照明部から照明光を照射させることができる。そのため、特定のコンロ部に照明光を良好に照射可能な照明部のみを動作させることができる。
【0023】
<第1実施形態>
1-1.ガスコンロシステムの概要
図1のように、ガスコンロシステムSy(以下、システムSyともいう)は、ガスコンロ1と撮像部90とを備えたシステムとして構成されている。
【0024】
システムSyでは、撮像部90がガスコンロ1の上方側からガスコンロ1を撮像するように配置されている。ガスコンロ1は、撮像部90がガスコンロ1付近を撮像して得られた画像データ又は当該画像データを加工した加工データなどを取得し、上記画像データに基づく制御などを行い得る。なお、ガスコンロ1の構成は後に詳述する。
【0025】
撮像部90は、CCDカメラ、CMOSカメラ、赤外線カメラなど、撮像範囲からの可視光又は赤外線を受光して撮像範囲の画像を生成し得る公知構成の撮像装置によって構成されている。撮像部90は、ガスコンロ1から離れた所定位置(例えば、排出装置100の所定位置)において所定の取付構造(例えば、排出装置100に取り付けられる取付構造)で設けられている。
図1の例では、撮像部90は、排出装置100近傍からガスコンロ1を撮像し得るように配置されている。
【0026】
排出装置100は、ガスコンロ1での加熱動作によって生じる排気ガスを排出する装置であり、例えば換気扇を備えた公知のレンジフードとして構成され、ガスコンロ1から発せられた信号を無線通信(例えば赤外線通信等)によって受信する機能を有する。排出装置100は、無線信号(例えば赤外線信号)を受信する受信部102と、受信部102で受信した信号を処理する図示しない制御装置と、制御装置によって駆動される駆動負荷106(換気扇を構成するモータ等)と、を備える。
【0027】
図2のように、システムSyでは、ガスコンロ1と排出装置100との間で公知の無線通信方式による無線通信が行われる。具体的には、ガスコンロ1は、排出装置100に対して赤外線信号を送信し得る構成をなし、排出装置100は、ガスコンロ1から送信された赤外線信号を受信し得る構成をなす。一方で、システムSyでは、ガスコンロ1と撮像部90との間で情報の送受信が行われる。ガスコンロ1と撮像部90との間の通信は、通信線を介した有線通信であってもよく、公知方式の無線通信であってもよい。
【0028】
1-2.ガスコンロの構成
図3のように、ガスコンロ1は、ビルトインコンロとして構成され、上端部が開放した箱状の筐体部2と、筐体部2の上端部に固定される天板5(トッププレート)とを備え、天板5から露出するように、右こんろ部4A、左こんろ部4B、小こんろ部4Cが設けられている。右こんろ部4A、左こんろ部4B、小こんろ部4C、グリル庫3のそれぞれには、ガスバーナ51,52,53,54が設けられ、ガスバーナ51,52,53,54の各々は、一部又は全部が筐体部2内に収容された形態でそれぞれ設けられている。天板5上において、各ガスバーナ51,52,53の周囲には、五徳9A、9B、9Cがそれぞれ設けられている。五徳9A、9B、9Cは、ガスバーナ51,52,53の上方側に調理器具を載置するために用いられる。
【0029】
図3のように、ガスコンロ1の前面部付近には、右こんろ部4A、左こんろ部4B、小こんろ部4C、グリル庫3にそれぞれ対応するように4つの回転操作部6A,6B,6C,6Dがそれぞれ設けられている。第1の回転操作部6Aは、右こんろ部4Aを構成するガスバーナ51の点火、消火、火力調整を行うものである。第2の回転操作部6Bは、左こんろ部4Bを構成するガスバーナ52の点火、消火、火力調整を行うものである。第3の回転操作部6Cは、小こんろ部4Cを構成するガスバーナ53の点火、消火、火力調整を行うものである。第4の回転操作部6Dは、ガスバーナ54(グリルバーナ)の点火、消火、火力調整を行うものである。
図3の例では、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれも、使用者が押す毎に退避位置と突出位置とに切り替わるようになっている。
図3では、退避位置にあるときの回転操作部6Aを実線で示し、突出位置にあるときの回転操作部6Aを二点鎖線6A’で例示している。
【0030】
筐体部2内には、
図4のように、ガス配管として、共通のガス流路である共通供給路60と、共通供給路60から分岐したガス流路である複数の分岐供給路61,62,63,64とが設けられている。そして、共通供給路60を通って流れたガスが、各分岐供給路61,62,63,64を通って各ガスバーナ51,52,53,54に導かれるようになっている。共通供給路60には、共通供給路60を開閉する元電磁弁N1が設けられている。分岐供給路61には、分岐供給路61を開閉可能な電磁弁(安全弁)51G及び閉止弁51Fと、ガスバーナ51へのガス供給量を調整可能な火力調整弁51Eとが設けられている。分岐供給路62には、分岐供給路62を開閉可能な電磁弁(安全弁)52G及び閉止弁52Fと、ガスバーナ52へのガス供給量を調整可能な火力調整弁52Eとが設けられている。分岐供給路63には、分岐供給路63を開閉可能な電磁弁(安全弁)53G及び閉止弁53Fと、ガスバーナ53へのガス供給量を調整可能な火力調整弁53Eとが設けられている。ガスバーナ54は、グリル庫3内において上側の所定位置に配置される上グリルバーナ54Aと、グリル庫3内において上グリルバーナ54Aよりも下側に配置される下グリルバーナ54Bとを備える。共通供給路60から分岐したガス流路である分岐供給路64には、分岐供給路64から分岐して上グリルバーナ54Aにガスを導くガス流路である第1供給路65Aと、分岐供給路64から分岐して下グリルバーナ54Bにガスを導くガス流路である第2供給路65Bとが接続されている。分岐供給路64には、分岐供給路64を開閉可能な電磁弁(安全弁)54G及び閉止弁54Fが設けられ、第1供給路65Aには第1供給路65Aを開閉可能な複数の電磁弁54H,54Jが設けられ、第2供給路65Bには第2供給路65Bを開閉可能な電磁弁54Kが設けられている。第1供給路65Aには、電磁弁54Jと並列にバイパス路66Aが設けられ、第2供給路65Bには、電磁弁54Kと並列にバイパス路66Bが設けられている。
【0031】
次に、
図5等を参照してガスコンロ1の電気的構成について説明する。
図5において制御回路10は、例えばマイクロコンピュータとして構成されており、CPU10A、ROM10B、RAM10Cなどを備え、更に、図示しないタイマ、I/Oインタフェイスなどを備える。なお、制御回路10の内部又は外部に不揮発性メモリを設けてもよい。電源部56は、例えば一次電池又は二次電池(具体的には複数の乾電池など)である。電源回路57は電源部56からの電力供給を受け、所定の電源電圧を生成する機能を有し、電源回路57で生成された電源電圧は、図示しない経路を介して様々な電気部品に供給される。
【0032】
図5で示されるスイッチ30A,30B,30C,30Dの各々は、回転操作部6A,6B,6C,6D(
図3)にそれぞれ対応するように設けられ、
図5のように、スイッチ30A,30B,30C,30Dにそれぞれ対応するように点火信号入力回路40A,40B,40C,40Dがそれぞれ設けられている。スイッチ30A,30B,30C,30Dは、いずれも点火スイッチとして機能し、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、回転操作部が退避位置(消火位置)のときには対応するスイッチがオフ状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオフ信号が与えられる。また、回転操作部が突出位置(点火位置)のときには対応するスイッチがオン状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオン信号が与えられる。例えば、回転操作部6A(
図3)が退避位置(
図3において実線で示す回転操作部6Aの位置)にあるときには、
図5で示すスイッチ30Aがオフ状態となり、このとき点火信号入力回路40Aは制御回路10に対してオフ状態を示す信号(オフ信号)を入力する。また、回転操作部6A(
図3)が突出位置(
図3において二点鎖線6A’で示す位置)にあるときには、
図5で示すスイッチ30Aがオン状態となり、このとき点火信号入力回路40Aは、制御回路10にオン状態を示す信号(オン信号)を入力する。なお、回転操作部6B,6C,6D(
図3)によって点火操作がなされる場合もそれぞれに対応する回路が同様に動作する。
【0033】
図5で示される変位検出部32A,32B,32C,32Dの各々は、回転操作部6A,6B,6C,6D(
図3)のそれぞれに対応するように設けられている。そして、変位検出部32A,32B,32C,32Dにそれぞれ対応するように火力信号入力回路41A,41B,41C,41Dがそれぞれ設けられている。回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、回転操作部の変位(回転位置)を当該回転操作部に対応する変位検出部(エンコーダ等の回転角度センサなど)が検出するようになっている。そして、その変位検出部に対応する火力信号入力回路が、その変位検出部が検出した変位(回転位置)を示す信号を制御回路10に与えるようになっている。例えば、回転操作部6Aに対応して設けられた変位検出部32Aは、回転操作部6Aの変位(回転位置)を検出するようになっている。そして、変位検出部32Aに対応する火力信号入力回路41Aは、制御回路10に対して変位検出部32Aが検出した変位(即ち、回転操作部6Aの回転位置)を示す信号を制御回路10に与えるようになっている。なお、回転操作部6B,6C,6D(
図3)によって火力調停操作(回転操作)がなされる場合もそれぞれに対応する回路が同様に動作する。
【0034】
図5で示される熱電対51C,52C,53C,54C、54Dの各々は、ガスバーナ51,52,53,54A,54B(
図4)のそれぞれに隣接して設けられている。そして、熱電対51C,52C,53C,54C、54Dの各々に対応して温度信号入力回路(熱電対信号入力回路)43A,43B,43C,43D,43Eがそれぞれ設けられている。温度信号入力回路43A,43B,43C,43D,43Eの各々は、対応する熱電対が検出した温度を示す信号を制御回路10に入力する。更に、サーミスタ34A,34B,34Cの各々が、ガスバーナ51,52,53(
図4)のそれぞれの近傍に隣接して設けられている。そして、サーミスタ34A,34B,34Cの各々に対応して温度信号入力回路(サーミスタ信号入力回路)44A,44B,44Cがそれぞれ設けられている。
【0035】
図5で示されるイグナイタ28A,28B,28C,28Dの各々は、ガスバーナ51,52,53,54(
図2、
図4)のそれぞれに対応して設けられている。イグナイタ28A,28B,28C,28Dには、ガスバーナ51,52,53,54(
図2、
図4)のそれぞれに隣接して図示しないイグナイタ端子が設けられている。そして、イグナイタ28A,28B,28C,28Dの各々に対応して、イグナイタ回路46A,46B,46C,46Dがそれぞれ設けられている。
【0036】
駆動回路47Aは、制御回路10からの指示に応じて火力調整弁51Eをその指示に応じた開度に駆動する。駆動回路47Bは、制御回路10からの指示に応じて火力調整弁52Eをその指示に応じた開度に駆動する。駆動回路47Cは、制御回路10からの指示に応じて火力調整弁53Eをその指示に応じた開度に駆動する。駆動回路48Aは、電磁弁51F,51Gを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路48Bは、電磁弁52F,52Gを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路48Cは、電磁弁53F,53Gを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路48Dは、電磁弁54F,54G,54H,54J,54Kを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路49は、元電磁弁N1を制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。なお、駆動回路47A,47B,47Cのそれぞれは、駆動回路48A,48B,48Cのそれぞれと共通の回路によって構成されていてもよい。
【0037】
音声装置81は、ブザーやスピーカなどの発音装置を1以上備えてなる装置であり、制御回路10によって発音タイミングや発する音声の内容が制御される装置である。表示部82は、発光部(LEDやその他の発光素子等)や画像表示装置(液晶表示器、有機ELディスプレイ等)などの表示媒体を1以上備えてなる装置であり、制御回路10によって表示のオンオフタイミングや表示内容が制御される装置である。操作部83は、使用者によって操作がなされる装置であり、1以上の公知の入力インターフェース(操作ボタン、タッチパネル等)によって構成され、使用者からの操作に応じた情報を制御回路10に入力するように機能する。通信部84は、制御回路10と協働し、公知の通信方式(例えば、赤外線通信方式、bluetooth(登録商標)通信方式などの公知の無線通信方式)で外部装置と通信を行う装置である。
【0038】
1-3.特徴的構成
システムSyは、
図2に示すように、撮像ユニット110を備えている。撮像ユニット110は、制御回路120と、撮像部90と、照明部92と、を備えている。制御回路120は、例えばマイクロコンピュータとして構成されており、CPU、ROM、RAMなどを備え、更に、図示しない通信部などを備えている。通信部は、公知の通信方式(例えば、有線通信方式、無線通信方式(赤外線通信方式、bluetooth(登録商標)通信方式、WiFi(登録商標)通信方式など))でガスコンロ1と通信を行う装置である。制御回路120は、撮像部90および照明部92に対して指示(命令信号)を送り動作させるように制御する。
【0039】
撮像部90は、
図1に示すように、ガスコンロ1の上方に配置されている。撮像部90は、ガスコンロ1の上方に設けられるレンジフード(排出装置100)に組み付けられている。撮像部90は、排出装置100の所定位置(排出装置100の下面側且つ前端)に配置されている。具体的には、撮像部90は、受信部102と駆動負荷106との間であって、排出装置100の左右方向の中心より僅かに右側に配置されている。
【0040】
撮像部90は、ガスコンロ1を含む所定範囲を撮像する。所定範囲は、撮像部90の撮像範囲である。撮像範囲は、CCDカメラ、CMOSカメラ、赤外線カメラなどの撮像素子によって撮像可能な範囲であり、その範囲に含まれる撮像結果が制御回路10に記憶される。所定範囲は、例えば、
図6に示すように、上側から見てガスコンロ1の大部分(右こんろ部4A、左こんろ部4B、小こんろ部4C)を囲む範囲であり、長方形状の撮像範囲AR1である。
【0041】
照明部92は、
図1に示すように、ガスコンロ1の上方に配置されている。照明部92は、ガスコンロ1の上方に設けられるレンジフード(排出装置100)に組み付けられている。照明部92は、排出装置100の所定位置(排出装置100の下面側且つ前端)に配置されている。具体的には、照明部92は、受信部102と駆動負荷106との間であって、撮像部90の左隣の位置に配置されている。
【0042】
照明部92は、例えば一般的に排出装置100(レンジフード)に設けられている照明装置であって、ガスコンロ1を使用する調理時に、排出装置100に設けられた電源ボタンの操作に応じて照射状態のオンオフが切り替える。照明部92は、例えばLEDなどの照明光源によって構成されている。照明部92は、少なくとも所定範囲(撮像範囲AR1)が照射範囲に含まれるように照明光を照射する。照射範囲は、照明部92によって照射される照明光が一定以上の明るさでの届く範囲であり、例えば、
図6に示すように、上側から見て撮像範囲AR1を囲む範囲であり、ガスコンロ1の全体を囲む長方形状の範囲AR2である。
【0043】
制御回路120は、撮像部90と照明部92とを連携して動作させる。すなわち、制御回路120は、撮像部90及び照明部92に対してそれぞれ関連したタイミングで指示(命令信号)を送り動作させる。例えば、制御回路120は、撮像部90によって撮像処理(所定範囲を撮像する処理)を行わせる際に、照明部92に対して後述する照明指示(照明光を照射する処理のトリガとなる信号)を送信し、予め照明部92に照明光を照射する処理を行わせる。これにより、撮像部90による撮像処理と、照明部92による照射処理が同時期に行われ、照明部92によって照明光が照射された状態で所定範囲が撮像部90によって撮像される。
【0044】
制御回路10は、「制御部」の一例に相当し、撮像部90及び照明部92を制御するように機能する。制御回路10は、撮像部90を制御するときに照明部92を制御し、照明部92によって照明光が照射された状態で所定範囲AR1を撮像部90によって撮像させる。
【0045】
1-4.画像取得制御
次に、画像取得制御について説明する。
図7に示す画像取得制御は、制御回路10によって実行される制御であり、例えば制御回路10が、予め定められた開始条件の成立に応じて記憶部に記憶されたプログラムに従って実行するものである。開始条件は、例えば、制御回路10がガスバーナ51,52,53のうち少なくともいずれか1つの点火操作が行われたことを検出したことである。すなわち、開始条件は、制御回路10が回転操作部6A,6B,6Cのいずれか1つが退避位置から突出位置に切り替わるように押す操作が行われたことを検出することである。なお、開始条件は、ガスコンロ1が電源オン状態となったことであってもよく、所定の操作ボタン(例えば、画像取得制御を行うように設定する設定ボタン)が押圧操作されることであってもよい。
【0046】
まず、制御回路10は、
図7に示すように、ステップS11で、撮像指示を通信部84を介して撮像ユニット110に送信する。撮像指示は、撮像部90が撮像処理を実行するためのトリガとなる情報であり、予め定められた情報である。撮像指示は、例えば、制御回路10による点火操作の検出後、一定時間毎に定期的にガスコンロ1の通信部84から送信されるようになっている。
【0047】
撮像ユニット110の制御回路120は、ガスコンロ1から撮像指示を受信した場合に、照明部92に照射指示を送信しつつ、撮像部90に撮像指示(所定範囲AR1の撮像指示)を送信する。照射指示は、照明部92が照射処理(照明光を照射する処理)を実行するためのトリガとなる情報であり、予め定められた情報である。制御回路120は、制御回路120から撮像指示を受信した場合に、照明部92に照射指示を送信させた後、撮像部90に撮像指示を送信する。これにより、制御回路120は、撮像部90による撮像処理の前に、照明部92に照明光の照射を開始させる。例えば、制御回路120は、照明部92に最大レベルの強度の照明光を照射させる。そして、制御回路120は、所定の期間(撮像部90による撮像処理が終了するまでの期間、又は撮像部90による撮像処理が終了してから所定時間(例えば5秒)が経過するまでの期間)の経過後まで照明部92による照明光の照射を継続させる。なお、制御回路120は、照明部92に照明光の照射を開始させた後、照射を継続させ、所定タイミングで照射を終了させてもよい。所定タイミングは、例えば、ガスバーナ51,52,53の消火操作を検出したタイミングや、別途ガスコンロ1に設けられる公知の人感センサによって人体が検出されたタイミングなどである。なお、制御回路120は、予め照明部92から照明光が照射されている状態である場合(予めユーザ自身の操作で照明部92の照射が行われている状態の場合)、照射状態を継続させ、照明光が最大レベルの強度でない場合に最大レベルの強度に変更させる。このようにして、撮像部90は、照明部92によって照明光が照射された状態で、所定範囲AR1を撮像する。特に、照明部92からの照明光の照射によって所定範囲AR1を所望の明るさに維持することができ、撮像画像に対する画像処理の精度に変化が生じ難くなる。
【0048】
制御回路10は、続くステップS12で、画像データ(所定範囲AR1を撮像して得られたデータ)を受信したか否か判断する。制御回路120は、撮像部90が撮像処理で生成した画像データを、ガスコンロ1に送信する。制御回路10は、画像データを受信していないと判断する場合、Noに進み、画像データを受信したと判断するまでステップS12の処理を繰り返し行う。
【0049】
一方で、制御回路10は、ステップS12で画像データを受信したと判断する場合、Yesに進み、ステップS13で、火力制限条件が成立したか否か判断する。火力制限条件は、ステップS12で受信した画像データに基づいて、点火状態のガスバーナ51,52,53において火力を制限すべき状態となったと判断される場合に成立する。火力を制限すべき状態は、例えば、ガスバーナ51,52,53の火炎、又は調理器具Ta(
図6参照)に手などが近づいた状態である。制御回路10は、公知の画像判定処理に基づいて、ステップS12で受信した画像データに、ガスバーナ51,52,53の火炎、又は調理器具Taに近づく手などが撮像されたデータが含まれるか否か判断する。制御回路10は、画像データにガスバーナ51,52,53の火炎に近づく手などが撮像されたデータが含まれると判断する場合、火力制限条件が成立したと判断する。これにより、制御回路10は、ステップS13でYesに進み、ステップS14を行う。
【0050】
制御回路10は、ステップS14で、火力制限処理を行う。火力制限処理は、例えば、ガスバーナ51,52,53の火力を最小の大きさに制御する処理である。なお、火力制限処理は、ガスバーナ51,52,53を消火する処理などであってもよい。火力制限処理がガスバーナ51,52,53の消火を行う処理である場合、制御回路10は、ステップS14の処理の後、
図7に示す画像取得制御を終了する。一方で、制御回路10は、ステップS14で、画像データにガスバーナ51,52,53の火炎に近づく手などが撮像されたデータが含まれないと判断する場合、ステップS14でYesに進み、ステップS16を行う。
【0051】
制御回路10は、ステップS15で、撮像指示の送信処理(ステップS11)から所定時間(例えば5秒)が経過したか否か判断する。制御回路10は、撮像指示の送信処理から所定時間が経過していないと判断する場合、Noに進み、撮像指示の送信処理から所定時間が経過したと判断するまでステップS15の処理を繰り返し行う。一方で、制御回路10は、撮像指示の送信処理から所定時間が経過したと判断する場合、Yesに進み、再びS11の処理を行う。
【0052】
制御回路10は、ガスバーナ51,52,53の消火操作が行われた場合、
図7に示す画像取得制御を終了する。また、制御回路10は、ガスコンロ1が電源オフ状態となった場合に、
図7に示す画像取得制御を終了する。
【0053】
なお、撮像ユニット110は、所定位置の輝度を測定する輝度センサ(図示略)を備えていてもよい。所定位置は、例えば天板5の上面における調理器具Ta(
図6参照)の近傍の位置である。制御回路120は、輝度センサによって測定される所定位置における輝度が所定値以下である場合に、照明部92から照明光を照射し、輝度が所定値より大きい場合に、照明部92から照明光を照射しないように制御してもよい。所定値は、物体面(物体色)の明るさを表す予め定めた数値であり、例えば、色の三要素(RGB)の各数値である。なお、輝度として、色の三要素(RGB)以外の明るさの基準を用いてもよい。これにより、ガスコンロ1の周囲の照明が比較的暗いような場合に、所定範囲AR1を所望の明るさに維持した上での撮像が可能になる。そして、ガスコンロ1の周囲の照明が比較的明るいような場合に、照明部92から照明光が照射されることを防ぎ、エネルギーの浪費を抑えることができる。
【0054】
また、制御回路120は、照明部92から照射される照明光の照射範囲AR2における明度(照明光の強度(光量))を調整してもよい。この場合、「明度調整部」の一例に相当する。そして、制御回路120は、輝度センサによって測定される所定位置における輝度が所定の輝度(予め定められた色の三要素(RGB)の各数値)となるように、照明部92から照射される照明光の照射範囲AR2における明度を調整してもよい。
【0055】
本構成の効果を例示する。
上記のシステムSyは、照明部92によって少なくとも所定範囲AR1が照射範囲AR2に含まれるように照明光が照射された状態で、ガスコンロ1を含む所定範囲AR1を撮像部90によって撮像する。そのため、ガスコンロ1の周囲の状況に応じて明るさが変化する場合でも、撮像部90によって撮像される所定範囲AR1を所望の明るさに維持した上での撮像が可能になる。したがって、元々のガスコンロ1の周囲の明るさの状態に依存することなく、撮像部90によって撮像された画像に基づいてガスコンロの状況を正確に把握することができる。特に、照明部92からの照明光の照射によって所定範囲AR1を所望の明るさに維持することができるため、常に同程度の明るさに保つことができ、撮像画像に対する画像処理の精度に変化が生じ難くなる。
【0056】
上記のシステムSyにおいて、照明部92は、ガスコンロ1の上方に配置されている。
このため、照明部92によって上方からガスコンロ1に照明光を照射することができる。そのため、上方とは異なる方向(水平方向など)からガスコンロ1に照明光を照射する場合に比べて、ガスコンロ1上で物体の影が生じ難くなる。
【0057】
上記のシステムSyにおいて、撮像部90は、ガスコンロ1の上方に配置されている。
このため、撮像部90によってガスコンロ1を上方から撮像することができる。そのため、撮像部90は、照明部92の照明光の照射方向と同じ方向に向かって、ガスコンロ1を含む所定範囲AR1を撮像することができる。これにより、撮像部90によって撮像される所定範囲AR1と照明部92の照射範囲AR2とが重なり易く、所定範囲AR1を所望の明るさにし易くなる。
【0058】
上記のシステムSyにおいて、撮像部90及び照明部92は、ガスコンロ1の上方に設けられる排出装置100(レンジフード)に組み付けられ、連携して動作する。
これにより、撮像部90及び照明部92が連携して動作するため、撮像部90による撮像のタイミングに合わせて、照明部92から照明光を照射することができる。そのため、撮像部90による撮像のタイミングに絞って照明部92から照明光を照射することができ、撮像部90で撮像しないタイミングで照明部92から照明光が照射されることを防ぐことができ、エネルギーの浪費を抑えることができる。
【0059】
上記のシステムSyにおいて、所定位置の輝度を測定する輝度センサを備えている。制御回路10は、輝度センサによって測定される所定位置における輝度が所定値以下である場合に、照明部92から照明光を照射し、輝度センサによって測定される所定位置における輝度が所定値より大きい場合に、照明部92から照明光を照射しない構成である。
このため、輝度センサによって所定位置の輝度を測定することができる。そして、制御回路10は、輝度センサによって測定される所定位置における輝度が所定値以下である場合に、照明部92から照明光を照射することができる。そのため、照明部92によって照明光が照射された状態で、所定範囲AR1を所望の明るさに維持した上での撮像が可能になる。一方で、制御回路10は、輝度センサによって測定される所定位置における輝度が所定値より大きい場合に、照明部92から照明光を照射しないようにできる。そのため、輝度が所定値より大きく、所定範囲AR1を所望の明るさに維持可能な場合には、照明部92から照明光が照射されることを防ぎ、エネルギーの浪費を抑えることができる。
【0060】
上記のシステムSyにおいて、所定位置の輝度を測定する輝度センサと、を備えている。制御回路10は、照明部92から照射される照明光の照射範囲AR2における明度を調整する。制御回路10は、輝度センサによって測定される所定位置における輝度が所定の輝度となるように照明部92から照射される照明光の照射範囲AR2における明度を調整する。
このため、制御回路10が、所定の輝度となるように照明光の照射範囲AR2における明度を調整することで、所定範囲AR1を所望の明るさに容易に調整することができる。
【0061】
<第2実施形態>
2-1.ガスコンロシステムの概要
第2実施形態のシステムSyについて、
図8を参照して説明する。第2実施形態のシステムSyは、撮像部および照明部をガスコンロ1に設けた点が第1実施形態と異なり、それ以外の構成等は、第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態の同様の構成については、同一の符号を用いて説明しつつ詳しい説明を省略する。
【0062】
第2実施形態のガスコンロ1は、
図8に示すように、撮像部290および照明部292が組み付けられている。撮像部290および照明部292は、それぞれ第1実施形態の撮像部90および照明部92と同様の構成である。撮像部290および照明部292は、天板5の上面における前側の縁において、左右方向の中央位置に隣り合うように配置されている。撮像部290は、ガスコンロ1を含む所定範囲を撮像する。所定範囲は、例えば、
図6に示す撮像範囲AR1と同様の範囲であり、上側から見てガスコンロ1の大部分(右こんろ部4A、左こんろ部4B、小こんろ部4C)を囲む範囲である。照明部292は、少なくとも所定範囲が照射範囲に含まれるように照明光を照射する。照射範囲は、例えば、
図6の照射範囲AR2と同様の範囲であり、上側から見て撮像範囲AR1を囲む範囲であり、ガスコンロ1の全体を囲む長方形状の範囲である。
【0063】
このように、撮像部90および照明部92がガスコンロ1に組付けられているため、撮像部90および照明部92がガスコンロ1と離れた位置に設けられる構成に比べて、システムSyの構成を簡略化することができる。さらに、撮像部90は、照明部92の照明光の照射方向と同じ方向に向かって、ガスコンロ1を含む所定範囲を撮像することができる。これにより、撮像部90によって撮像される所定範囲と照明部92の照射範囲とが重なり易く、所定範囲を所望の明るさにし易くなる。
【0064】
<第3実施形態>
3-1.ガスコンロシステムの概要
第3実施形態のシステムSyについて、
図9を参照して説明する。第3実施形態のシステムSyは、複数の照明部が設けられる点が第1実施形態と異なり、それ以外の構成等は、第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態の同様の構成については、同一の符号を用いて説明しつつ詳しい説明を省略する。
【0065】
第3実施形態の撮像ユニットは、3つの照明部392A,392B,392Cを備えている。照明部392A,392B,392Cは、制御回路120(
図2参照)と通信可能になっている。照明部392A,392B,392Cは、
図9に示すように、ガスコンロ1の上方に配置されている。照明部392A,392B,392Cは、ガスコンロ1の上方に設けられるレンジフード(排出装置100)に組み付けられている。照明部392Aは、排出装置100の下面側において、右端且つ前後方向の中心の位置に配置されている。照明部392Bは、排出装置100の下面側において、左端且つ前後方向の中心の位置に配置されている。照明部392Cは、排出装置100の下面側において、後端且つ左右方向の中心の位置に配置されている。
【0066】
照明部392Aは、右こんろ部4Aに照明光を照射する。具体的には、照明部392Aは、天板5上で右こんろ部4Aを囲む照射範囲AR3に照明光を照射する。照明部392Bは、左こんろ部4Bに照明光を照射する。具体的には、照明部392Bは、天板5上で左こんろ部4Bを囲む照射範囲AR4に照明光を照射する。照明部392Cは、小こんろ部4Cに照明光を照射する。具体的には、照明部392Cは、天板5上で小こんろ部4Cを囲む照射範囲AR5に照明光を照射する。そして、制御回路10は、点火状態の右こんろ部4A、左こんろ部4B、小こんろ部4Cに対応する照明部392A,392B,392Cに照明光を照射させる。すなわち、制御回路10は、
図7の画像取得制御におけるステップS11で、撮像ユニット110に対して、撮像指示とともに、コンロ状態を示す情報(いずれのコンロ部が点火状態であるかを示す情報)を通信部84を介して送信する。制御回路120は、撮像指示とともに、コンロ状態を示す情報を受信した場合に、点火状態のコンロ部に対応する照明部に照明光を照射させる。
【0067】
以上のように、システムSyは、右こんろ部4A、左こんろ部4B、小こんろ部4Cのそれぞれに照明光を照射する照明部392A,392B,392Cを備えている。制御回路10は、点火状態のコンロ部に対応する照明部に照明光を照射させる構成である。
このシステムSyは、撮像対象のコンロ部(点火状態のコンロ部)を撮像する際に、当該コンロ部に照明光を照射する特定の照明部から照明光を照射させることができる。そのため、特定のコンロ部に照明光を良好に照射可能な照明部のみを動作させることができる。したがって、システムSyは、エネルギーの浪費を抑えながら、特定のコンロ部を所望の明るさの状態で撮像することができる。
【0068】
<他の実施形態>
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態を、次のように変更してもよい。
【0069】
上記第1実施形態では、排出装置100に1つの照明部92が設けられていたが、2つの照明部が設けられていてもよい。一方の照明部は、ガスコンロ1の上方に設けられる排出装置100(レンジフード)の所定方向(左右方向)における一端側(右端)に組み付けられ、他方の照明部は、排出装置100(レンジフード)の所定方向(左右方向)における他端側(左端)に組み付けられていてもよい。このような構成では、一対の照明部によって、複数方向からガスコンロ1に照明光を照射することができる。そのため、ガスコンロ1上に影が生じ難く、影が生じることにより輝度が低下することを防ぐことができる。
【0070】
上記第1実施形態では、制御回路120は、所定の期間の経過後まで照明部92による照明光の照射を継続させる例を示したが、照明部92による照明光の照射を停止させることなく継続させてもよい。すなわち、一旦、制御回路10から撮像指示を受信した場合に、制御回路120は、照明部92から照明光を照射させ続ける制御を行ってもよい。その後、制御回路120は、制御回路10から停止指示(例えば、コンロ部の消火操作や、電源のオフ操作の検出に応じた信号)を受信した場合に、照明部92からの照明光の照射を停止させてもよい。
【0071】
上記第1実施形態では、制御回路120は、撮像指示を受信した場合に、照明部92からの照明光を最大レベルの強度に変更させる例を示したが、強度レベルが多段階で変更可能な構成である場合、所望の強度レベルに変更してもよい。
【0072】
上記第1実施形態では、撮像部90は、排出装置100の下面側且つ前端に配置されていたが、その他の箇所に配置されていてもよい。例えば、撮像部90は、排出装置100の下面の中央側、右端付近、左端付近、後端付近などに配置されていてもよい。
【0073】
上記第1実施形態では、ガスコンロとしてビルトインコンロを例示したが、ガスコンロはテーブルコンロであってもよい。
【0074】
上記第1実施形態では、撮像部90が1つのカメラによって構成された例を示したが、2以上のカメラによって構成されていてもよい。
【0075】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0076】
1…ガスコンロ
4A…右こんろ部(コンロ部)
4B…左こんろ部(コンロ部)
4C…小こんろ部(コンロ部)
5…天板(トッププレート)
10…制御回路(制御部、明度調整部)
90,290…撮像部
92,292,392A,392B,392C…照明部
100…排出装置
AR1…所定範囲(撮像範囲)
AR2,AR3,AR4,AR5…照射範囲
Sy…ガスコンロシステム