(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】動画表示システム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/431 20110101AFI20240301BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20240301BHJP
【FI】
H04N21/431
G06F3/04842
(21)【出願番号】P 2020199986
(22)【出願日】2020-12-02
(62)【分割の表示】P 2020067996の分割
【原出願日】2019-11-06
【審査請求日】2022-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】518136084
【氏名又は名称】MIL株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】光岡 敦
(72)【発明者】
【氏名】大城 真吾
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-012973(JP,A)
【文献】特開2018-022426(JP,A)
【文献】特開2009-049467(JP,A)
【文献】特開2013-183209(JP,A)
【文献】特開2012-004991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
G06F 3/048 - 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバからストリーミング方式で送信される第1の映像及び
第1の音声を含む第1の動画データならびに第2の映像を含む第2の動画データを受信する受信部と、
前記第1および第2の動画データのデコード処理を行うデコード処理部と、
第1及び第2の動画データを同期しながら、前記第1の動画データの前記第1の映像を表示する表示部と、
前記第1の動画データの前記第1の音声を出力する音声出力部と、
ユーザが前記表示部を押下したことに応じて、予め設定されたインタラクティブ領域が所定時間以上押下された場合には予め設定されたアクションを行い、前記インタラクティブ領域以外が前記所定時間以上押下された場合には、前記表示部に前記第2の動画データの前記第2の映像を表示させ、
前記表示部が前記所定時間未満押下された場合には、設定画面を前記表示部に表示させる切替部と、
を備える動画表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の動画表示システムであって、
前記切替部は、
前記インタラクティブ領域以外が押下されている間、前記第2の動画データの映像を表示させ、
前記表示部が押下されていない間は前記第1の動画データの映像を表示させること、
を特徴とする動画表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、解像度の異なる動画を同期させながら切替表示を行うことが提案され
ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では全く異なる複数の動画を切り替えることは想定されてい
ない。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、異なる複数の動画を切り替えな
がら閲覧することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、動画表示システムであって、サーバ
からストリーミング方式で送信される第1および第2の動画データを受信する受信部と、
前記第1および第2の動画データのデコード処理を行うデコード処理部と、前記第1の動
画データの映像を表示する表示部と、ユーザから指示に応じて、前記表示部に前記第2の
動画データの映像を表示させる切替部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、異なる複数の動画を切り替えながら閲覧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る動画配信システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】動画サーバ1、コンテンツ作成者端末2、およびユーザ端末3を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】動画サーバ1のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】コンテンツ作成者端末2のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図5】ユーザ端末3のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図7】スイッチ動画の配信処理の流れを示す図である。
【
図8】スイッチ動画の登録に用いられる画面51の一例を示す図である。
【
図9】スイッチ種別の設定画面52の一例を示す図である。
【
図10】ワイプ表示に関する設定を行う画面53の一例を示す図である。
【
図11】アイコンに関する設定を行う画面54の一例を示す図である。
【
図12】スイッチ動画にインタラクティブ領域を設定する画面55の一例を示す図である。
【
図13】ユーザ端末3におけるスイッチ動画の表示を説明する図である。
【
図14】ユーザ端末3におけるスイッチ動画の表示を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成
を備える。
[項目1]
サーバからストリーミング方式で送信される第1および第2の動画データを受信する受
信部と、
前記第1および第2の動画データのデコード処理を行うデコード処理部と、
前記第1の動画データの映像を表示する表示部と、
ユーザから指示に応じて、前記表示部に前記第2の動画データの映像を表示させる切替
部と、
を備える動画表示システム。
[項目2]
項目1に記載の動画表示システムであって、
前記第1の動画データの音声を出力する音声出力部をさらに備え、
前記切替部は、前記指示に応じて、前記表示部には前記第2の動画データの映像を表示
させ、前記音声出力部には前記第1の動画データの音声の出力を継続させること、
を特徴とする動画表示システム。
[項目3]
項目1に記載の動画表示システムであって、
前記指示は画面の押下であり、
前記切替部は、前記画面が押下されている間、前記第2の動画データの映像を表示させ
、前記画面が押下されていない間は前記第1の動画データの映像を表示させること、
を特徴とする動画表示システム。
[項目4]
項目1に記載の動画表示システムであって、
第1の画面および前記第1の画面よりも小さい表示領域の第2の画面を備え、
前記表示部は、前記第1の動画データの映像を前記第1の画面に表示するとともに、前
記第2の動画データの映像を前記第2の画面に表示し、
前記切替部は、前記指示に応じて、前記第1の画面に前記第2の動画データの映像を表
示させ、前記第2の画面に前記第1の動画データの映像を表示させること、
を特徴とする動画表示システム。
[項目5]
項目1に記載の動画表示システムであって、
第1の画面と、
前記第1の画面よりも小さい表示領域の第2の画面と、
前記第1の動画データを示す第1のアイコンと、前記第2の動画データを示す第2のア
イコンを記憶するアイコン記憶部と、
を備え、
前記表示部は、前記第1の動画データの映像を前記第1の画面に表示するとともに、前
記第2のアイコンを前記第2の画面に表示し、
前記切替部は、前記第2のアイコンの押下に応じて、前記第2の動画データの映像を前
記第1の画面に表示させ、前記第1のアイコンを前記第2の画面に表示させること、
を特徴とする動画表示システム。
【0010】
<システム概要>
以下、本願発明の一実施形態に係る動画配信システムについて説明する。本実施形態の
動画配信システムは、2つの動画を同時に配信し、視聴者側で2つの動画を適宜スイッチ
しながら閲覧ができるようにストリーム配信するものである。以下、2つの動画を切り替
えながら閲覧可能に配信される動画のことをスイッチ動画と称する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る動画配信システムの全体構成例を示す図である。本実施形態
の動画配信システムは、情報処理装置としての動画サーバ1、コンテンツ作成者端末2、
およびユーザ端末3を含んで構成される。動画サーバ1は、通信ネットワーク4を介して
、コンテンツ作成者端末2およびユーザ端末3と通信可能に接続される。通信ネットワー
ク4は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路
、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0012】
動画サーバ1は、コンテンツ作成者によって作成されたコンテンツをユーザに提供する
情報処理装置(コンピュータ)である。本実施形態では、コンテンツは動画データを想定
するが、動画データに限らず、静止画像やHTMLデータなどであってもよい。動画デー
タにはタグ情報を付加することができる。タグ情報は、動画の特定領域(インタラクティ
ブ領域)に紐付けられており、タグがユーザから選択された場合のアクションの種類が関
連付けられうる。アクションとしては、たとえば、外部リンク、動画像内リンク、電話リ
ンク、ポップアップ、クーポン表示などが挙げられる。動画サーバ1は、たとえば、パー
ソナルコンピュータやワークステーション、クラウドコンピューティングによる仮想的な
コンピュータである。動画サーバ1は、プログラムを実行して、その結果をコンテンツ作
成者端末2に送信し、出力させることでコンテンツ作成者端末2にコンテンツを作成させ
る。このプログラムは、コンテンツ作成者端末2と動画サーバ1が協働して実行されても
よい。
【0013】
動画サーバ1は、たとえばコンテンツ作成者によって作成されたコンテンツをコンテン
ツ利用者端末2から受信した後、当該コンテンツを記憶部に格納する。続いて、動画サー
バ1は、ユーザからコンテンツの配信要求を受信すると、記憶部に格納されたコンテンツ
をユーザ端末3に送信する。動画サーバ1は、いわゆるWebアプリケーションとしてこ
れらの機能を実行することを想定する。動画データは、いわゆるストリーミング方式でユ
ーザ端末3に配信される。ユーザ端末3では、ストリーミング方式により順次受信する動
画データをデコードし、デコードした映像および音声を出力することができる。
【0014】
コンテンツ作成者端末2は、コンテンツ作成者が操作する、たとえば携帯電話、スマー
トフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置(コンピュータ)で
ある。コンテンツ作成者端末2は、スイッチ動画の配信に係る2つの動画データを動画サ
ーバ1にアップロードして登録するとともに、スイッチ動画の配信設定を行うことができ
る。また、コンテンツ作成者端末2は、スイッチ配信に係る動画像の領域(以下、特定領
域という。)の特定を受け付けることができる。特定領域は、たとえば、画面上において
開始点と終了点を選択することにより設定することができる。また、コンテンツ作成者端
末2は、当該特定領域に対応するアクションを設定することができる。コンテンツ作成者
端末2は、特定領域およびアクションを含むタグ情報を動画サーバ1に送信して、スイッ
チ動画の配信に係るタグ情報を登録することができる。コンテンツ作成者端末2には、た
とえば、本実施形態に係るコンテンツ提供システムに対応する専用アプリケーションソフ
トがインストールされていてもよい。なお、コンテンツ作成者端末2は、動画サーバ1か
らプログラムをダウンロードして自ら実行することで、コンテンツ作成者にコンテンツを
作成させてもよい。
【0015】
ユーザ端末3は、コンテンツを視聴するユーザが操作する、たとえば携帯電話、スマー
トフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置(コンピュータ)で
ある。ユーザ端末3は、コンテンツ作成者によって作成されたコンテンツ(たとえばタグ
情報が付加された動画データ)を動画サーバ1から受信し、画面に表示させる。本実施形
態では、動画サーバ1から2つの動画ストリームを同時に受信し、2つの動画ストリーム
をデコードし、一方の動画ストリームについての映像および一方の動画ストリームについ
ての音声を出力し、ユーザの操作に応じて出力する動画ストリームを切り替える。また、
ユーザは、たとえばユーザ端末3の画面に表示された動画内の特定領域に設定されたタグ
を選択すると、外部リンク(ウェブサイト)や動画内リンク、電話リンクなどに遷移した
り、ポップアップ(たとえば広告や商品の詳細説明)やクーポンが表示されたりする。ユ
ーザ端末3には、たとえば、本実施形態に係るコンテンツ提供システムに対応する専用ア
プリケーションソフトがインストールされていてもよい。なお、ユーザ端末3は、動画サ
ーバ1およびコンテンツ作成者端末2によって作成されたコンテンツを、動画サーバ1で
はなく、別のサーバ(例えば広告を提供する企業が管理するサーバ)から受信してもよい
。
【0016】
<ハードウェア>
図2は、動画サーバ1、コンテンツ作成者端末2、およびユーザ端末3を実現するコン
ピュータのハードウェア構成例を示す図である。コンピュータは、CPU101、メモリ
102、記憶装置103、通信インタフェース104、入力装置105、出力装置106
を備える。記憶装置103は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディ
スクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフ
ェース104は、通信ネットワーク4に接続するためのインタフェースであり、例えばイ
ーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモ
デム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Seri
al Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置105は、データを入力
する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。
出力装置106は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどで
ある。
【0017】
<動画サーバ1>
図3は、動画サーバ1のソフトウェア構成例を示す図である。動画サーバ1は、配信設
定部111、動画登録部112、動画配信部113、設定情報記憶部131、および動画
記憶部132を備える。
【0018】
なお、配信設定部111、動画登録部112、および動画配信部113は、動画サーバ
1が備えるCPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に
読み出して実行することにより実現され、設定情報記憶部131および動画記憶部132
は、動画サーバ1が備えるメモリおよび記憶装置103が提供する記憶領域の一部として
実現される。
【0019】
設定情報記憶部131は、スイッチ動画の配信に係る設定情報を記憶する。設定情報に
は、配信ID、スイッチ種別、音声切替種別、タグ情報、ワイプ種別、ワイプサイズ、ワ
イプ表示位置、アイコン画像、アイコン画像表示方法が含まれる。配信IDは、1回のリ
クエストに応じて行われるスイッチング動画の配信を特定する識別情報である。スイッチ
種別は、動画の切り替えを行う方式を示す情報である。本実施形態では、スイッチ種別に
は、動画の表示画面に切替用の指示画像(ワイプ画像)を表示する「ワイプ」、または動
画の押下を切替指示に用いる「タップ」のいずれかが設定される。音声切替種別は、動画
の切替時における音声の切替を設定する情報である。本実施形態では、音声切替種別には
、動画の切り替えに合わせて音声も切り替える「切替」、ならびに、常に一方の動画の音
声のみを出力する「第1動画」および「第2動画」のいずれかが設定される。タグ情報は
、動画に設定するインタラクティブ領域と、タグが選択された場合のアクションとが設定
される。
【0020】
ワイプ種別、ワイプサイズ、ワイプ表示位置、アイコン画像、アイコン画像表示方法は
、スイッチングタイプが「ワイプ」である場合に設定される。スイッチ種別が「ワイプ」
である場合、ユーザ端末3の画面には、メイン表示領域と、メイン表示領域よりも小さい
サブ表示領域とが設けられる。ユーザはメイン表示領域に表示された画像を主に閲覧し、
サブ表示領域は切替を行うためのボタンとしての機能を有する。すなわち、サブ表示領域
が押下(たとえば、マウスによるクリックやタッチパネルにおけるタップなど)された場
合に、動画の切り替え指示が行われる。ワイプ種別には、「動画」または「アイコン」が
設定される。ワイプ種別が「動画」である場合には、サブ表示領域には、2つの動画のう
ちメイン表示領域に表示されていない方が縮小表示される。ワイプ種別が「アイコン」で
ある場合には、サブ表示領域には、動画を示すアイコン画像が表示される。ワイプサイズ
は、サブ表示領域の大きさを設定する情報である。ワイプ表示位置は、サブ表示領域の表
示位置を示す情報である。アイコン画像は、ワイプ種別が「アイコン」である場合にサブ
表示領域に表示するアイコン画像が登録される。アイコン画像表示方法は、アイコン画像
の表示比率を設定する情報であり、動画の表示比率に合わせる「比率」または所定の固定
比率で表示する「固定」のいずれかが設定される。
【0021】
配信設定部111は、設定情報を設定情報記憶部131に登録する。本実施形態では、
配信設定部111は、コンテンツ作成者端末2から送信される設定情報を設定情報記憶部
131に登録するものとするが、たとえば、入力装置105などから設定情報の入力を受
け付けるようにしてもよいし、コンテンツ作成者端末2以外のコンピュータから受信する
ようにしてもよい。
【0022】
動画記憶部132は、スイッチ動画を記憶する。動画記憶部132は、配信IDに対応
付けて、当該配信で送出される複数の動画データが記憶される。本実施形態では、1回の
配信において2つの動画像が送出されるものとする。動画NOには2つの動画データを特
定する、たとえば「1」または「2」が設定される。動画データは、動画ファイルのファ
イル名やURLなどとしてもよい。
【0023】
動画登録部112は、スイッチ動画の登録を行う。動画登録部112は、コンテンツ作
成者端末2からアップロードされる動画を動画記憶部132に登録する。本実施形態では
、コンテンツ作成者端末2からは2つの動画データ(動画ファイル)がアップロードされ
、動画登録部112は、配信IDを生成し、一方の動画データに「1」の動画NOを設定
し、他方の動画データに「2」の動画NOを設定して、動画記憶部132に動画データを
登録することができる。
【0024】
動画配信部113は、スイッチ動画の配信を行う.動画配信部113は、ユーザ端末3
から送信されるリクエストに応じて2つの動画データをストリーミング配信する。リクエ
ストには、配信IDが設定されているものとする。動画配信部113は、リクエストに設
定されている配信IDに対応する複数(2つ)の動画データを動画記憶部132から読み
出して、読み出した動画データのそれぞれをストリーミング配信することができる。また
、動画配信部113は、配信IDに対応する設定情報を設定情報記憶部131から読み出
してユーザ端末3に応答することができる。ユーザ端末3は、設定情報に基づいてスイッ
チ動画の表示および制御を行う。
【0025】
<コンテンツ作成者端末2>
図4は、コンテンツ作成者端末2のソフトウェア構成例を示す図である。コンテンツ作
成者端末2は、配信設定部211、動画アップロード部212、タグ設定部213を備え
る。なお、配信設定部211、動画アップロード部212、タグ設定部213は、コンテ
ンツ作成者端末2が備えるCPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムを
メモリ102に読み出して実行することにより実現される。
【0026】
配信設定部111は、スイッチ動画の配信に係る設定を行う。配信設定部111は、コ
ンテンツ作成者から上述した配信情報の入力を受け付けて、受け付けた配信情報を動画サ
ーバ1に送信することができる。また、配信設定部111は、動画サーバ1に既に登録さ
れている設定情報を取得して、更新することもできる。
【0027】
動画アップロード部112は、複数(2つ)の動画データを動画サーバ1にアップロー
ドすることができる。動画アップロード部112は、たとえば、コンテンツ作成者に対し
て、コンテンツ作成者端末2の記憶装置103に記憶されている動画ファイルを2つ選択
させ、選択された2つの動画ファイルを動画サーバ1にアップロードすることができる。
【0028】
タグ設定部113は、タグ情報を設定する。タグ設定部113は、たとえば、コンテン
ツ作成者に選択させた動画データを表示しながら、その表示画面において特定領域の指定
を受け付けることができる。特定領域の指定は、たとえば、中心点を選択させてその点を
中心とする図形(円や四角形など)を特定領域としてもよいし、左上隅の開始点と、右下
隅の終了点を指定させてその矩形を特定領域とすることもできる。また、タグ設定部11
3は、当該特定領域が選択された場合のアクションについての入力も受け付けることがで
きる。タグ設定部113は、受け付けた特定領域およびアクションを含むタグ情報を動画
サーバ1に送信する。
【0029】
<ユーザ端末3>
図5は、ユーザ端末3のソフトウェア構成例を示す図である。ユーザ端末3は、閲覧要
求送信部311、動画受信部312、デコード処理部313、表示部314、音声出力部
315、切替部316、を備える。なお、閲覧要求送信部311、動画受信部312、デ
コード処理部313、表示部314、音声出力部315、切替部316は、ユーザ端末3
が備えるCPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読
み出して実行することにより実現される。
【0030】
閲覧要求送信部311は、スイッチ動画配信のリクエストを動画サーバ1に送信する。
【0031】
動画受信部312は、リクエストに応じて動画サーバ1から配信されるスイッチ動画を
受信する。上述したように、動画受信部312は、2つの動画ストリームを受信すること
になる。また、動画受信部312は、リクエストに対して動画サーバ1から応答される設
定情報も受信する。
【0032】
デコード処理部313は、スイッチ動画のデコード処理を行う。デコード処理部313
は、2つの動画ストリームのそれぞれについてデコード処理を行い、映像および音声を生
成する。
【0033】
表示部314は、設定情報に応じて動画を表示する。表示部314は、スイッチ種別が
「ワイプ」である場合には、画面にメイン表示領域とサブ表示領域とを設け、「タップ」
である場合には、画面にメイン表示領域のみを設け、2つの動画のうちの第1動画(動画
NOが「1」の動画)をメイン表示領域に表示する。表示部314は、スイッチ種別が「
ワイプ」でありワイプ種別が「動画」の場合、第2動画(動画NOが「2」の動画)をサ
ブ表示領域に表示する。
【0034】
音声出力部315は、スイッチ動画の音声を出力する。音声出力部315は、音声切替
種別が「第2動画」である場合には、第2動画の音声を出力し、音声切替種別が「切替」
または「第1動画」である場合には、第1動画の音声を出力する。
【0035】
切替部316は、ユーザからの指示に応じて動画の切り替えを行う。切替部316は、
スイッチ種別が「ワイプ」である場合には、サブ表示領域の押下(クリックまたはタップ
)に応じて、スイッチ種別が「タップ」である場合には、メイン表示領域の押下に応じて
、メイン表示領域に表示する動画を切り替える。切替部316は、メイン表示領域に第1
動画の映像が表示されている場合には、第2動画の映像を表示させ、メイン表示領域に第
2動画の映像が表示されている場合には、第1動画の映像を表示させるように制御する。
切替部316は、音声切替種別が「切替」である場合には、音声の切替も行う。すなわち
、切替部316は、音声切替種別が「切替」である場合、メイン表示領域に表示されてい
る動画の音声を出力するように制御する。一方、切替部316は、音声切替種別が「切替
」でない場合には、音声の切替は行わない。
【0036】
<設定処理>
図6は、配信の設定処理の流れを説明する図である。
【0037】
コンテンツ作成者端末2の配信設定部211は、2つの動画データ(動画ファイル)の
指定を受け付けて、指定された動画データを動画サーバ1に送信する(S401)。動画
サーバ1の動画登録部112は、動画データを受信すると、配信IDを生成し、受信した
動画データにそれぞれ「1」および「2」の動画NOを設定して動画記憶部132に登録
する(S402)。動画登録部112は、配信IDを応答することができる。
【0038】
コンテンツ作成者端末2の配信設定部211は、スイッチ種別および音声切替種別の指
定を受け付けて、配信IDと、入力されたスイッチ種別および音声切替種別とを設定した
設定情報を作成する(S403)。
【0039】
スイッチ種別が「ワイプ」である場合には(S404:YES)、配信設定部211は
、ワイプに関する設定を行う(S405)。すなわち、配信設定部211は、ワイプ種別
、ワイプサイズ、ワイプ表示位置の入力を受け付けて設定情報に設定する。また、ワイプ
種別が「アイコン」である場合には(S406:YES)、アイコン画像およびアイコン
画像表示方法の設定を受け付けて設定情報に設定する(S407)。
【0040】
また、コンテンツ作成者端末2のタグ設定部213は、動画の特定領域の指定を受け付
ける(S408)。タグ設定部213は、たとえば、画面上で矩形や円形などの領域の指
定を受け付けることができる。タグ設定部213はまた、特定領域が選択された場合のア
クションの入力も受け付け(S409)、特定領域およびアクションを設定したタグ情報
を設定情報に設定する。配信設定部211は、設定情報を動画サーバ1に送信し(S41
0)、動画サーバ1の配信設定部111は、受信した設定情報を設定情報記憶部131に
登録する(S411)。
【0041】
以上のようにして、配信のための複数の動画データと設定情報とがコンテンツ作成者端
末2から動画サーバ1に設定される。
【0042】
<配信処理>
図7は、スイッチ動画の配信処理の流れを示す図である。
【0043】
ユーザ端末3の閲覧要求送信部311が配信IDを設定したリクエストを動画サーバ1
に送信すると、動画サーバ1の動画配信部113によるスイッチ動画の配信が開始される
(S421)。なお、閲覧要求送信部311は、動画サーバ1の動画記憶部113に登録
されている配信IDと対応するスイッチ動画のサムネイル画像などの一覧を表示して、配
信IDをユーザに選択させることができる。
【0044】
動画サーバ1の動画配信部113は、指定された配信IDに対応する複数(2つ)の動
画データを動画記憶部132から読み出して、それぞれのストリーミング配信を行う(S
422)。ユーザ端末3では、動画受信部312が複数(2つ)のストリーミング動画デ
ータを受信し、デコード処理部313がそれぞれのストリーミング動画データをデコード
して映像と音声とを抽出することができる。表示部314は、第1動画(動画NOが「1
」の動画データに係るストリーミング動画データ)の映像をメイン表示領域に表示する(
S423)。表示部314は、定期的に第1動画と他の動画(第2動画、すなわち動画N
Oが「2」の動画データ)とを同期する(S424)。表示部314は、メイン表示領域
に表示されているストリーミング動画データのフレームに他のストリーミング動画データ
のフレームを合わせるように同期を行うことができる。
【0045】
ユーザ端末3の音声出力部315は、設定情報の音声切替種別が「切替」または「第1
動画」である場合には(S425:切替又は第1動画)、第1動画の音声を出力し(S4
26)、そうでない場合には(S425:第2動画)、第2動画の音声を出力する(S4
27)。
【0046】
切替部316は、ユーザから切替の指示(スイッチ種別が「ワイプ」の場合には、サブ
表示領域がクリックまたはタップされたこと、スイッチ種別が「タップ」の場合には、メ
イン表示領域の特定領域以外の部分がクリックまたはタップされたこと)があった場合に
は(S428:YES)、表示部314がメイン表示領域に表示する映像の抽出元となる
動画を切り替え(S429)、音声切替種別が「切替」の場合には(S430:YES)
、音声出力部315が出力する音声の抽出元となる動画を上記映像の抽出元の動画に切り
替える(S431)。
【0047】
以上のようにして、ユーザ端末3では、ユーザは複数のストリーミング動画を切り替え
ながら閲覧することができる。
【0048】
<画面>
以下、本実施形態の動画配信システムにおいて表示される画面例について説明する。
【0049】
図8は、スイッチ動画の登録に用いられる画面51の一例を示す図である。画面51は
、コンテンツ作成者端末2において表示される。コンテンツ作成者端末2は、動画サーバ
1から画面51を表示するための画面データ(たとば、HTMLなどにより記述すること
ができる。)を受信し、受信した画面データに基づいて画面51を表示することができる
。画面51は、2つの動画アップロード部511および512を備える。コンテンツ作成
者は、コンテンツ作成者端末2に記憶されている2つの動画を、それぞれ動画アップロー
ド部511および512を用いて動画サーバ1にアップロードすることができる。動画ア
ップロード部511は、たとえば、コンテンツ作成者端末2が管理している動画ファイル
がドロップされた場合には、ドロップされたファイルを動画サーバ1にアップロードする
ことができる。また、コンテンツ作成者は、コンテンツ作成者端末2以外のコンピュータ
に管理されている動画にアクセスするためのURLを入力し、URLが示す動画データを
動画サーバ1が取得するようにすることもできる。
【0050】
図9は、スイッチ種別の設定画面52の一例を示す図である。画面52は、画面51と
同様に、コンテンツ作成者端末2において表示される。画面52は、スイッチ種別の「ワ
イプ」を選択する選択欄521、および「タップ」を選択する選択欄522とを備える。
コンテンツ作成者は、画面52において、選択欄521または選択欄522が選択(タッ
プまたはクリック)することにより、スイッチ種別を設定することができる。
【0051】
図10は、ワイプ表示に関する設定を行う画面53の一例を示す図である。画面53は
、画面51と同様に、コンテンツ作成者端末2において表示される。画面53は、画面5
2においてスイッチ種別として「ワイプ」が選択された場合にのみ表示される。画面53
は、ワイプ種別の設定欄531、表示位置の設定欄532、共通化の設定欄533、音声
の切り替え種別の設定欄534、およびワイプサイズの設定欄535を備える。
図10の
例では、ワイプ種別の設定欄531ではラジオボタンにより、「動画」または「アイコン
」のワイプ種別が選択可能となっている。表示位置の設定欄532では、サブ表示領域の
位置として、「左上」、「右上」、「左下」、「右下」のいずれかが選択可能となってい
る。なお、表示位置の設定欄532では、サブ表示領域の位置を座標などで指定するよう
にしてもよい。共通化設置欄533では、第1動画および第2動画の両方に同一の目次を
設定するか否か、また、第1動画および第2動画の両方に同じ終了画面を表示するか否か
の設定を行うことができる。本実施形態では詳細の説明を省略するが、スイッチ動画には
目次(動画の時間位置とその名称の一覧)を設置することができ、これを第1動画および
第2動画のそれぞれに別の目次を設定する場合には、メイン表示領域に表示されている動
画の目次をユーザ端末3に表示可能とすることができる。設定欄534では、音声切替種
別を選択できる。
図10の例では、ラジオボタンにより「切替」「第1動画」「第2動画
」のいずれかを選択することが可能となっている。設定欄535では、サブ表示領域のサ
イズを設定することができる。
図10の例では、「大」または「小」のいずれかを設定す
ることができ、この設定内容に応じて、ユーザ端末3は、どのようなサイズのサブ表示領
域を表示するのかを判断することができる。
【0052】
図11は、アイコンに関する設定を行う画面54の一例を示す図である。画面54は、
画面51と同様に、コンテンツ作成者端末2において表示される。画面54は、画面52
においてスイッチ種別として「ワイプ」が選択され、画面53においてワイプ種別(表示
設定)として「アイコン」が選択された場合にのみ表示される。画面54は、アイコンの
画像登録部541、アイコン画像の表示方法の設定欄542、およびアイコンのアニメー
ション制御の設定欄543を備える。画像登録部541は、コンテンツ作成者から、サブ
表示領域にアイコンとして表示する画像の選択を受け付け、受け付けた画像を動画サーバ
1にアップロードすることができる。設定欄542では、アイコン画像の表示方法の設定
を受け付けることができいる。
図11の例では、設定欄542では、固定サイズまたは比
率サイズのいずれかが選択可能であり、表示方法として「固定サイズ」が選択された場合
には、アイコン画像のアスペクト比に依らず、固定サイズのサブ表示領域にアイコン画像
を表示し、表示方法として「比率サイズ」が選択された場合には、サブ表示領域のアスペ
クト比をアイコン画像のアスペクト比に合わせることができる。設定欄543では、アイ
コン画像のアニメーションについての設定を行うことができる。
【0053】
図12は、スイッチ動画にインタラクティブ領域を設定する画面55の一例を示す図で
ある。画面55は、画面51と同様に、コンテンツ作成者端末2において表示される。画
面55は、メイン表示領域551およびサブ表示領域552を備える。サブ表示領域55
2には、2つの動画のサムネイルが表示されており、サムネイルが選択されると、選択さ
れたサムネイルに対応する動画がメイン表示領域551に表示される。コンテンツ作成者
は、メイン表示領域551においてインタラクティブ領域553を設定することができる
。インタラクティブ領域553の設定は、たとえば、メイン表示領域551上でマウスを
ドラッグするなどにより矩形または円形の領域を選択することが可能である。なお、矩形
または円形に限らず、任意の形状のインタティブ領域553を設定するようにしてもよい
。また、インタラクティブ領域には、タグ情報を設置することができる。画面55におい
て、タグ情報として設定するアクションなどの入力欄を設けるようにしてもよいl
【0054】
図13は、ユーザ端末3におけるスイッチ動画の表示を説明する図である。
図13は、
スイッチ動画の種別が「ワイプ」であり、ワイプ種別が「動画」である場合を説明してい
る。ユーザ端末3では、スイッチ動画の受信を開始すると、メイン表示領域561に第1
動画(A)が表示され、サブ表示領域562に第2動画(B)が表示される。なお、メイ
ン表示領域561に第2動画(B)を表示し、サブ表示領域562に第1動画(A)を表
示するようにしてもよい。メイン表示領域561に第1動画(A)が表示されているとこ
ろで、第2動画(B)を表示しているサブ領域562がタップ(あるいはクリック)され
ると、メイン表示領域561には第2動画(B)が表示され、サブ領域562には第1動
画(A)が表示される。メイン表示領域561に第2動画(B)が表示されているところ
で、第1動画(A)が表示されているサブ表示領域562がタップ(クリック)されると
、メイン表示領域561には第1動画(A)が表示され、サブ表示領域562には第2動
画(B)が表示される。このようにして2つの動画がメイン表示領域561とサブ表示領
域562との間でスイッチ表示することができる。
【0055】
図14は、ユーザ端末3におけるスイッチ動画の表示を説明する図である。
図14は、
スイッチ動画の種別が「タップ」である場合を説明している。ユーザ端末3えは、メイン
表示領域571に第1動画(A)を表示している間にメイン表示領域571が長押し(所
定の時間以上のタッチパネルのタッチまたはマウスのボタンダウンが継続されること。)
されると、第2動画(B)がメイン表示領域572に表示される。一方、メイン表示領域
571に第1動画(A)を表示している間にメイン表示領域571が短くタップ(所定の
時間未満のタッチパネルのタッチまたはマウスのボタンダウンの継続)されると、音声設
定などの設定画面573を表示することができる。
【0056】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするため
のものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸
脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0057】
たとえば、本実施形態では、動画サーバ1、コンテンツ作成者端末2、およびユーザ端
末3はそれぞれ1台のコンピュータであるものとしたが、それぞれ複数台のコンピュータ
により実現することができる。たとえば、機能部および記憶部を複数のコンピュータに分
散させて備えるようにすることができる。
【0058】
また、本実施形態では、スイッチ種別が「タップ」である場合に、メイン表示領域を押
下(クリックやタップなどによる選択)される度に切替が行われるものとしたが、マウス
のボタン押下(マウスダウン)またはタッチパネルのタッチがなされている間のみ第2動
画に切り替え、マウスのボタンが離されたとき(マウスアップ)またはタッチパネルのタ
ッチが離れたときには、第1動画に切り替えるようにしてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、2つの動画を切り替えるものとしたが、これに限らず、3つ以
上の動画を切り替えるようにしてもよい。この場合、スイッチ種別が「ワイプ」であると
きには、動画の数マイナス1個のサブ表示領域を設けるようにし、スイッチ種別が「タッ
プ」であるときには、タップする度に複数の動画を順次切り替えていくようにする。
【符号の説明】
【0060】
1 動画サーバ
2 コンテンツ作成者端末
3 ユーザ端末
4 通信ネットワーク
111 配信設定部
112 動画登録部
113 動画配信部
131 設定情報記憶部
132 動画記憶部
211 配信設定部
212 動画アップロード部
213 タグ設定部
311 閲覧要求送信部
312 動画受信部
313 デコード処理部
314 表示部
315 音声出力部
316 切替部