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特許7445994液体充填中空透明物品を検査するための方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】液体充填中空透明物品を検査するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/90 20060101AFI20240301BHJP
   G01N 21/958 20060101ALI20240301BHJP
   G01B 11/06 20060101ALI20240301BHJP
   B29C 49/80 20060101ALI20240301BHJP
   B29C 49/46 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
G01N21/90 Z
G01N21/958
G01B11/06 Z
B29C49/80
B29C49/46
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021540548
(86)(22)【出願日】2020-01-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-08
(86)【国際出願番号】 US2020012462
(87)【国際公開番号】W WO2020150035
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】62/792,132
(32)【優先日】2019-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503110990
【氏名又は名称】エイジーアール インターナショナル,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AGR INTERNATIONAL,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザネッラ,マーク エフ.,シニア
【審査官】三宅 克馬
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-502952(JP,A)
【文献】特開平09-053920(JP,A)
【文献】特開平11-132727(JP,A)
【文献】特表2007-534945(JP,A)
【文献】特開2018-069621(JP,A)
【文献】特開2015-175815(JP,A)
【文献】特開2015-169510(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0299523(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/958
G01B 11/00 - G01B 11/30
B29C 49/46
B29C 49/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な中空の物品を検査するための装置であって、前記装置が、
前記透明な中空の物品が少なくとも1つの光源を越えて第1の方向に移動経路に沿って移動するときに前記透明な中空の物品の一部分で光エネルギーを放出するための前記少なくとも1つの光源であって、前記透明な中空の物品の前記一部分は前記透明な中空の物品の側壁を構成しており、前記少なくとも1つの光源によって放出される前記光エネルギーが、
前記透明な中空の物品の前記一部分によって主に吸収される第1の吸収波長の光エネルギー、および
前記透明な中空の物品の前記一部分によって主に吸収されない第2の参照波長の光エネルギー、を含む、少なくとも1つの光源と、
前記透明な中空の物品の前記一部分によって光センサアセンブリに反射される前記少なくとも1つの光源によって放出される光エネルギーを感知するための少なくとも1つの光センサであって、前記少なくとも1つの光センサが、前記少なくとも1つの光源と、前記透明な中空の物品の前記移動経路の同じ側にあり、前記少なくとも1つの光源と前記少なくとも1つの光センサとは前記第1の方向に沿って離れている、少なくとも1つの光センサと、
前記少なくとも1つの光センサと通信するプロセッサであって、前記プロセッサが、前記少なくとも1つの光センサによって感知された光エネルギーの強度に基づいて、前記透明な中空の物品の前記一部分の壁厚を計算するようにプログラムされている、プロセッサと、を備える、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの光源が、第1および第2の別個の光源を備え、前記第1および第2の光源の各々が、前記透明な中空の物品が前記第1および第2の光源を越えて前記移動経路に沿って移動するときに前記透明な中空の物品の前記一部分で光エネルギーを放出するためのものであり、
前記第1の光源が、前記第1の吸収波長の光エネルギーを放出し、
前記第2の光源が、前記第2の参照波長の光エネルギーを放出し、
前記少なくとも1つの光センサが、単一の光センサを備え、
前記装置が、前記第1および第2の光源を順次動作させるためのコントローラを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの光センサが、第1および第2の離間した光センサを備え、
前記第1の光センサが、前記第1の光センサおよび第1のフィルタを備える第1の光センササブアセンブリの一部であり、
前記第2の光センサが、前記第2の光センサおよび第2のフィルタを備える第2の光センササブアセンブリの一部であり、
前記第1および第2の隣接する光センササブアセンブリが、前記少なくとも1つの光源と、前記透明な中空の物品の前記移動経路の同じ側にあり、
前記第1の光センササブアセンブリの前記第1のフィルタが、前記吸収波長の外側の光エネルギーをフィルタリングするためのものであり、
前記第2の光センササブアセンブリの前記第2のフィルタが、前記参照波長の外側の光エネルギーをフィルタリングするためのものであり、
前記プロセッサが、前記第1および第2の光センサと通信しており、前記プロセッサが、前記第1および第2の光センサによって感知された光エネルギーの前記強度に基づいて、前記透明な中空の物品の前記一部分の壁厚を計算するようにプログラムされている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1および第2の光センササブアセンブリが、前記第1および第2の光センササブアセンブリの前記第1および第2のフィルタが非平行となるように、組み合わされたセンサアセンブリに統合され、
前記組み合わされたセンサアセンブリが、前記透明な中空の物品の前記一部分によって前記第1の光センササブアセンブリに反射される前記光エネルギーの第1の部分と、前記透明な中空の物品の前記一部分によって前記第2の光センササブアセンブリに反射される前記光エネルギーの第2の部分とを反射するための反射器を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記反射器が、二色反射器を備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光源が、第1および第2の光源を備え、
前記第1の光源が、前記吸収波長の光エネルギーを放出し、前記第2の光源が、前記参照波長の光エネルギーを放出する、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記第1および第2の光源が共通のエミッタアセンブリに組み合わされ、
前記共通のエミッタアセンブリが、前記第1および第2の光源の両方からの光エネルギーを前記エミッタアセンブリの共通の開口部に反射するための反射器を備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の光源および前記第2の光センササブアセンブリを備える第1の光学アセンブリと、
前記第2の光源および前記第1の光センササブアセンブリを含む第2の光学アセンブリと、をさらに備え、
前記第1および第2の光学アセンブリが、
前記第1の光学アセンブリの前記第1の光源からの光エネルギーが、前記透明な中空の物品によって前記第2の光学アセンブリに向かって反射され、
前記第2の光学アセンブリの前記第2の光源からの光エネルギーが、前記透明な中空の物品によって前記第1の光学アセンブリに向かって反射されるように、前記透明な中空の物品の前記移動経路に対して配向されている、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記透明な中空の物品が、空気で充填されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記透明な中空の物品が、少なくとも部分的に、液体で充填されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
透明な中空の物品を検査するための方法であって、前記方法が、
前記透明な中空の物品が少なくとも1つの光源を越えて第1の方向に移動経路に沿って移動するときに、前記透明な中空の物品の一部分に前記少なくとも1つの光源によって光エネルギーを放出することであって、前記透明な中空の物品の前記一部分は前記透明な中空の物品の側壁を構成しており、前記少なくとも1つの光源によって放出される前記光エネルギーが、
前記透明な中空の物品の前記一部分によって主に吸収される第1の吸収波長の光エネルギー、および
前記透明な中空の物品の前記一部分によって主に吸収されない第2の参照波長の光エネルギー、を含む、光エネルギーを放出することと、
少なくとも1つの光センサによって、前記透明な中空の物品の前記一部分によって光センサアセンブリに反射される前記少なくとも1つの光源によって放出される光エネルギーを感知することであって、前記少なくとも1つの光センサが、前記少なくとも1つの光源と、前記透明な中空の物品の前記移動経路の同じ側にあり、前記少なくとも1つの光源と前記少なくとも1つの光センサとは前記第1の方向に沿って離れている、感知することと、
前記少なくとも1つのセンサと通信するプロセッサによって、前記少なくとも1つのセンサによって感知された光エネルギーの強度に基づいて、前記透明な中空の物品の前記一部分の壁厚を計算することと、を含む、方法。
【請求項12】
光エネルギーを放出することが、
前記透明な中空の物品が第1の光源を越えて前記移動経路に沿って移動するときに、前記透明な中空の物品の前記一部分で、前記第1の光源によって前記第1の吸収波長で光エネルギーを放出することと、
前記透明な中空の物品が前記第1の光源を越えて前記移動経路に沿って移動するときに、前記透明な中空の物品の前記一部分で、第2の光源によって前記第2の参照波長で光エネルギーを放出することと、を含み、
前記方法が、前記第1および第2の光源を順次動作させるステップをさらに含み、
前記光エネルギーを感知することが、単一の光エネルギーセンサによって感知することを含み、
前記プロセッサが前記単一の光エネルギーセンサと通信しており、
前記壁厚を計算することが、前記プロセッサによって、前記単一の光エネルギーセンサによって感知される光エネルギーの前記強度に基づいて、前記透明な中空の物品の前記一部分の前記壁厚を計算することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの光センサが、第1および第2の離間した光センサを備え、
前記第1の光センサが、前記第1の光センサおよび第1のフィルタを備える第1の光センササブアセンブリの一部であり、
前記第2の光センサが、前記第2の光センサおよび第2のフィルタを備える第2の光センササブアセンブリの一部であり、
前記第1および第2の隣接する光センササブアセンブリが、前記少なくとも1つの光源と、前記透明な中空の物品の前記移動経路の同じ側にあり、
前記光エネルギーを感知することが、
前記第1の光センササブアセンブリの前記第1のフィルタによって、前記吸収波長の外側の光エネルギーをフィルタリングすることと、
前記第2の光センササブアセンブリの前記第2のフィルタによって、前記参照波長の外側の光エネルギーをフィルタリングすることと、を含み、
前記壁厚を計算することが、前記プロセッサによって、前記第1および第2の光センサによって感知された光エネルギーの前記強度に基づいて、前記透明な中空の物品の前記一部分の前記壁厚を計算することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1および第2の光センササブアセンブリが、前記第1および第2の光センササブアセンブリの前記フィルタが非平行となるように、組み合わされたセンサアセンブリに統合され、
前記方法が、前記組み合わされたセンサアセンブリの反射器によって、前記透明な中空の物品の前記一部分によって反射された前記光エネルギーの第1の部分を前記第1の光センササブアセンブリに反射させることと、前記透明な中空の物品の前記一部分によって反射された前記光エネルギーの第2の部分を前記第2の光センササブアセンブリに反射させることと、をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの光源が、第1および第2の光源を備え、
前記光エネルギーを放出することが、
前記第1の光源によって、前記吸収波長の光エネルギーを放出することと、
前記第2の光源によって、前記参照波長の光エネルギーを放出することと、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1および第2の光源が共通のエミッタアセンブリに組み合わされ、
前記方法が、前記共通のエミッタアセンブリの反射器によって、前記第1および第2の光源の両方からの光エネルギーを前記エミッタアセンブリの共通の開口部に反射することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
第1の光学アセンブリが、前記第1の光源および前記第2の光センササブアセンブリを含み、
第2の光学アセンブリが、前記第2の光源および前記第1の光センササブアセンブリを含み、
前記第1および第2の光学アセンブリが、
前記第1の光学アセンブリの前記第1の光源からの光エネルギーが、前記透明な中空の物品によって前記第2の光学アセンブリに向かって反射され、
前記第2の光学アセンブリの前記第2の光源からの光エネルギーが、前記透明な中空の物品によって前記第1の光学アセンブリに向かって反射されるように、前記透明な中空の物品の前記移動経路に対して配向されている、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記透明な中空の物品が前記移動経路に沿って移動するにつれて、前記透明な中空の物品が空気で充填される、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記透明な中空の物品が、前記透明な中空の物品が前記移動経路に沿って移動するにつれて、少なくとも部分的に、液体で充填される、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
透明な中空の物品を製造する方法であって、前記方法が、
物品形成装置で前記透明な中空の物品を形成することと、
前記透明な中空の物品を形成した後、前記透明な中空の物品を検査システムで検査することと、を含み、前記透明な中空の物品を検査することが、
前記透明な中空の物品が前記少なくとも1つの光源を越えて第1の方向に移動経路に沿って移動するときに、前記検査システムの少なくとも1つの光源によって前記透明な中空の物品の一部分に光エネルギーを放出することであって、前記透明な中空の物品の前記一部分は前記透明な中空の物品の側壁を構成しており、前記少なくとも1つの光源によって放出される前記光エネルギーが、
前記透明な中空の物品の前記一部分によって主に吸収される第1の吸収波長の光エネルギー、および
前記透明な中空の物品の前記一部分によって主に吸収されない第2の参照波長の光エネルギー、を含む、光エネルギーを放出すること、
前記検査システムの光センサアセンブリの第1および第2の離間した光センササブアセンブリの両方によって、前記透明な中空の物品の前記一部分によって前記光センサアセンブリに反射される前記少なくとも1つの光源によって放出される光エネルギーを感知することであって、
前記第1および第2の隣接する光センササブアセンブリが、前記少なくとも1つの光源と、前記透明な中空の物品の前記移動経路の同じ側にあり、
前記少なくとも1つの光源と前記光センサアセンブリとは前記第1の方向に沿って離れており、
各光センササブアセンブリが、
前記透明な中空の物品の前記一部分によって前記光センサアセンブリおよびフィルタに反射される前記少なくとも1つの光源によって放出される前記光エネルギーを感知するための光センサを備え、前記光エネルギーを感知することが、
前記第1の光センササブアセンブリの前記フィルタによって、前記吸収波長の外側の光エネルギーをフィルタリングすること、および
前記第2の光センササブアセンブリによって、前記参照波長の外側の光エネルギーをフィルタリングすること、を含む、感知すること、ならびに
前記第1および第2の隣接する光センサアセンブリと通信する前記検査システムのプロセッサによって、前記第1および第2の隣接する光センササブアセンブリの両方によって感知される光エネルギーの強度に基づいて、前記透明な中空の物品の前記一部分の壁厚を計算すること、を含む、方法。
【請求項21】
透明な中空の物品を製造する方法であって、前記方法が、
物品形成装置で前記透明な中空の物品を形成することと、
前記透明な中空の物品を形成した後、前記透明な中空の物品を検査システムで検査することと、を含み、前記透明な中空の物品を検査することが、
前記検査システムの光源アセンブリの第1および第2の光源によって順次、前記透明な中空の物品が前記第1の光源を越えて第1の方向に移動経路に沿って移動するときに、前記透明な中空の物品一部分で光エネルギーを放出することであって、
前記透明な中空の物品の前記一部分は前記透明な中空の物品の側壁を構成しており、
前記第1の光源が、前記透明な中空の物品の前記一部分によって主に吸収される第1の吸収波長で光エネルギーを放出し、
前記第2の光源が、前記透明な中空の物品の前記一部分によって主に吸収されない第2の参照波長で光エネルギーを放出する、放出することと、
光センサによって、前記透明な中空の物品の前記一部分によって前記光センサアセンブリに反射される前記第1および第2の光源によって放出される光エネルギーを感知することであって、前記光センサが、前記第1および第2の光源と、前記透明な中空の物品の前記移動経路の同じ側にあり、前記光源アセンブリと前記光センサとは前記第1の方向に沿って離れている、感知することと、
前記光センサと通信する前記検査システムのプロセッサによって、光センサによって感知された光エネルギーの強度に基づいて、前記透明な中空の物品の前記一部分の壁厚を計算することと、を含む、方法。
【請求項22】
前記透明な中空の物品を形成することが、流体でプレフォームを延伸して前記透明な中空の物品を形成することを含む、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記流体が、液体を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記透明な中空の物品の前記一部分の前記計算された壁厚に基づいて、前記物品形成装置のパラメータを制御することをさらに含む、請求項20または21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<優先権の主張>
本出願は、同じ名称を有し、同じ発明者である、2019年1月14日に出願された米国仮特許出願第62/792,132号に対する優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、中空透明物品の物理的特性を判定するための光学的方法および関連する装置に関するものであり、より具体的には、1つ以上の検出器によって受信され、所望の情報を確認するために処理される、複数の検査光ビーム波長によって壁厚などの特性を判定するための方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
ポリエチレンテレフタレート(PET)および他のタイプのプラスチック容器は、一般に、再加熱延伸ブロー成形機と称される機械を利用して生成される。ブロー成形機は、プラスチックのプレフォームを受容し、プラスチック容器を出力する。プレフォームがブロー成形機の中へ受容されるときは、最初に加熱され、モールドの中へ載置される。プレフォームの中へ空気を吹き込みながらロッドがプレフォームを延伸させて、プレフォームを軸方向および円周方向に延伸させ、モールドの形状をとらせる。形成されたプラスチック容器は、壁厚が所望の目的に適切であり、過剰な材料の使用が最小限に抑えられることを確認するように検査する必要がある。
【0004】
容器を検査する1つの方法は、オフラインサンプリング検査技術を採用することであり、これにより、容器がブロー成形機から出た後に、毎時1回程度の周期的な間隔で、容器が搬送システムから取り出され、容器を複数の水平断面に切断することによって破壊的に試験され、その後、重量が壁厚と相関するように計量される。別の方法は、光学的非接触手段であり、例えば、吸収される光の量が壁厚を表すようにして、光が容器を通して方向付けられる。
【0005】
最近では、プレフォームを延伸させるために空気の代わりに液体を使用するブロー成形機が提案されている。すなわち、最終製品の液体で容器の形状にプレフォームを延伸させる。容器を通して光を導く光学的壁厚感知手段は、すでに液体内容物が充填されているプラスチック容器では適切に機能しない。
【発明の概要】
【0006】
1つの一般的な態様によれば、本発明の方法および装置は、物品の関心領域を光で照射し、内側および外側の壁の界面からの反射を収集し、2つ以上の波長または波長の範囲について収集された光の相対量を比較し、光の差と壁厚との間の関係を導出することによって、透明な物品(例えば、プラスチック容器)の物理的特性、例えば、壁厚を判定する。一般的に水に近く、透明な物品のものとは異なる屈折率を有する形成された容器の内部の液体は、依然として内部反射を可能にするため、この技術は、液体形成容器で機能する。
【0007】
様々な実装形態では、本発明の装置は、マルチスペクトル光線を放出するための白熱光源、複数のレーザー、または発光ダイオードであり得る複数の波長の光源を含む。複数のセンサが、物品の壁の外面および内面から反射された光を受信し、それらを電気信号に変換するために採用され、プログラムされたプロセッサは、そこから物理的特性、例えば壁厚を計算する。光源波長を選択的に伝送することができる場合、単一の光感知センサを使用することができる。
【0008】
様々な実装形態では、方法/装置は、(液体で)充填されている、または充填されていない透明なプラスチック容器を検査するために使用される。このように、方法/装置は、プラスチックの吸収特性を使用して透明なプラスチック容器の壁厚を判定することができる。方法/装置はまた、透明なプラスチック容器の壁厚を、それらの内壁および外壁が非平行に成形された特徴または装飾を有する場合でも、判定することができる。また、方法/装置は、位置制限撮像レンズの使用を必要としない場合がある。
【0009】
本発明のこれらおよび他の利点および特徴が、以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の様々な実施形態を、以下の図面と併せて、一例として本明細書で説明する。
【0011】
図1】光学サブシステムの例を概略的に示す。
【0012】
図2】測定システムの簡略化された例を概略的に示す。
【0013】
図3】組み合わされた光学サブシステムの例を概略的に示す。
【0014】
図4】測定システムの好ましい実施形態の簡略化された例を概略的に示す。
【0015】
図4A】測定システムの好ましい実施形態の簡略化された例を概略的に示す。
【0016】
図5a】好ましい実施形態のシステムの光学的性質を表す。
図5b】代替の好ましい実施形態のシステムの光学的性質を表す。
【0017】
図6a】滑らかな表面および平行な壁を有する容器からの信号を表す。
【0018】
図6b】滑らかな表面および平行な壁を有する容器からの信号を表す。
【0019】
図6c】滑らかな表面および平行な壁を有する容器からの信号を表す。
【0020】
図7a】粗い表面および平行な壁を有する容器からの信号を表す。
図7b】粗い表面および平行な壁を有する容器からの信号を表す。
図7c】粗い表面および平行な壁を有する容器からの信号を表す。
【0021】
図8a】粗い表面および非平行な壁を有する容器からの信号を表す。
図8b】粗い表面および非平行な壁を有する容器からの信号を表す。
図8c】粗い表面および非平行な壁を有する容器からの信号を表す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書で採用される場合、「透明な中空の物品」への言及は、本明細書に記載の検査システムが機能するために必要な光透過を可能にするのに適切な透明性を有する容器およびチューブを含む中空の物品を指し、これらの特性を満たす着色物品を明示的に含むものとする。この用語には、既知の吸収帯だけでなく、可視スペクトルまたは赤外線スペクトルのいずれかに対して十分に透明な物品も含むものとする。この用語はまた、ガラスおよび/またはプラスチックで作製された物品を包含するものとする。この用語はまた、物品の材料とは異なる内容物で充填される物品を包含し、すなわち、プラスチックまたはガラス容器は、それが気体(空気など)または液体などの流体で充填されていても、依然として「中空」である。「壁厚」という用語は、首、側壁、かかと、基部、または足など、形成された透明な中空の物品の任意の部分を指すものとする。
【0023】
図1は、本発明の様々な実施形態による透明な中空の物品検査システムで使用可能な光学サブシステムの例の断面図を示す。光学サブシステム100は、レンズ110、光学部品ホルダ120、光学部品130、および光学フィルタ140で構成される。光学部品130は、光学サブシステムが検出器またはエミッタであるかどうかに応じて、光検出器または光源であってもよい。いずれの場合も、光学部品130は、光学部品の距離がレンズ110の有効な焦点距離にあるように、光学部品ホルダ120によって位置決めされ、所定の位置に保持されてもよい。このようにして、光学部品130が光源であり、光学部品130が光検出器であるときに、入射したコリメートされた光が光学部品130によって受信されると、コリメートされた光は光学サブシステムから出る。光学サブシステム100は、透明な中空の物品のためのより大きな検査システムの一部として使用してもよい。
【0024】
例えば、図2は、容器の壁厚などの容器205の特性を測定するための容器測定システムの態様を示す。図示される測定システムは、3つの光学サブシステム100A~100Cを備える。第1の光学サブシステム100Aは、コリメートされた光源として構成される。このように、光学サブシステム100Aは、参照波長および吸収波長を含む、その光学素子130Aとして複数の波長で光エネルギーを放出する白熱光源または多要素LEDを備えることができる。光学フィルタ140Aは、波長の選択を制限する必要がある場合、白熱光源の場合に使用することができる。光学フィルタ140Aはまた、ピンホールを使用することによって光の選択を制限するためにエッチングされ得る。代替的に、出口レンズ110Aは、光学サブシステム100Aから出る光線240の選択をさらに洗練させるために、精密光学スリットまたは他のアパーチャを備えることができる。追加的に、出口レンズ110Aは、容器曲率の発散効果に対抗し、受信機によって収集される光の量を増加させるために、出口光を収束させるように選択することができる。例には、より分かりやすくするためにコリメートされた光が提供されているが、コリメーションは必要ではない。
【0025】
図2は、光源として作用する第1のサブアセンブリ100Aを越えて(左から右に)移動する容器205を描写し、検査システムが、2つの隣接する光検出器アセンブリ100B~100Cを備え得る検出器光学サブアセンブリ250をさらに備えることを示す。ソース100Aによって放出される光線のいくつかは、光検出器光学系250に向かって通過する容器205によって反射される。容器205の外面から反射するように描写されるが、明確にするために図2に示されていない容器205の内壁からの反射線も存在する。受信機光学サブアセンブリ100B~100Cは、光源とは対照的に光検出器130B、130Cを備えることを除いて、光学光源サブアセンブリ100Aと同様の構造のものであり得る。光検出器アセンブリ100B~100Cのレンズ110B、110Cは、光源サブアセンブリ100Aからコリメートされた光線を集束し、容器205によって光検出器130B~130C上に反射させるように配置しなおしてもよい。光学フィルタ140B~140Cは、それぞれの受光素子130B~130Cへの参照波長および吸収波長を可能にする。すなわち、第1の光検出器アセンブリ100Bの光学フィルタ140Bは、第1の光検出器アセンブリ100Bの光検出器130Bが参照波長の周りの光エネルギーのみを受信するように、参照波長以外の波長をフィルタリングしてもよい。一方、第2の光検出器アセンブリ100Cの光学フィルタ140Cは、第2の光検出器アセンブリ100Cの光検出器130Cが吸収波長(または狭い吸収波長帯)の周りの光エネルギーのみを受信するように、吸収波長以外の波長をフィルタリングしてもよい。ここで「吸収」とは、主に容器の材料によって吸収される波長を指す。「参照」波長は、光エネルギーが容器の材料によって主に吸収されない波長(または狭波長帯域)であり、例えば、吸収波長に対する基準を提供するために、容器の材料の透過帯域に対応する光エネルギーである。本明細書で使用される場合、波長「帯域」は、200nm以下の半値全幅(FWHM)である波長帯域を意味する。
【0026】
光検出器光学系250に接続されたコンピュータシステムまたはプロセッサは、反射光の吸収特性の間の関係を評価することによって、容器の壁厚を計算することができる。すなわち、容器壁の外面から反射する光は、容器壁によって吸収されず、入射光エネルギーの一部分が容器壁によって吸収されるため、外面よりも容器壁の内面から反射される光が少なくなる。
【0027】
光学サブシステム100Aから伝送される光の波長は、同じ原点から入射し、容器205上に、例えば、任意の容器装飾に対して直径5mm~10mmの程度の十分に大きな点を生成するので、厚さに対する光吸収の比率は、容器の装飾または非平行な壁(もしあれば)によって妨げられないままである。光学サブシステムをさらに細かく図3に示す。図3は、図1に関連して先に説明されたのと同じ光学素子を含むが、共通の構造301において組み合わされる二重光学サブシステム300を示す。構造内には、光送信機または検出器のいずれかとして構成され得る2つの光学サブアセンブリ310、320でもよい。図1に関連して説明される光学サブアセンブリと同様に、これらの光学サブアセンブリ310、320は、光学部品(例えば、エミッタまたは検出器)、部品ホルダ、レンズ、およびフィルタを備えていてもよい。また、構造301内に収容されるのは、光学サブアセンブリ320に、またはそこから代替の波長を反射しながら、光学サブアセンブリ310に所望の波長を通過させる、または受信する二色反射器330であってもよい。このようにして、開口部340を介して構造301に出る、または入る光は、共通の起点から機能するように見えるであろう。例えば、二色反射器330は、入射した光の一部分を第1のサブアセンブリ310に反射し、そのフィルタは、参照波長を除くすべての波長をフィルタリングしてもよい。同様に、二色反射器330は、入射した光の一部分を第2のサブアセンブリ320に反射し、そのフィルタは、吸収波長を除くすべての波長をフィルタリングしてもよい。逆に、エミッタとして動作する場合、二色反射器330は、第1の波長で第1のソース310から開口部340に向かって光エネルギーを反射し、第2の波長で第2のソース320から開口部340に向かって光エネルギーを反射してもよい。
【0028】
開口部340は、サブアセンブリ300の特定の用途に応じて、保護カバー、選択的光学フィルタ、または精密光学スリットを備えてもよい。様々な実施形態では、3つ以上の選択的波長が所望される場合、より多くの二色反射器および3つ以上の光学サブシステム(例えば、検出器またはエミッタ)をサブアセンブリに含んでもよい。例えば、測定における誤差の潜在的なソースをさらに排除するために、吸収性を選択する第3の波長を水または霧に追加することが望ましい場合がある。内部バリア層を有するプラスチック容器は、第3の選択的波長の必要性の別の例となり得る。この構成では、各プラスチックタイプの吸収波長の反射成分を参照波長に対して比率を求めて、両方のタイプのプラスチックの厚さを報告することができる。
【0029】
組み合わされた光学サブアセンブリ300A~300Bのうちの2つを含む測定システムが図4に描写されている。描写される実施形態では、光学アセンブリ300A~300Bは、通過する容器405の特性(例えば、壁厚)を測定するように位置決めされる。第1の光学アセンブリ300Aは、光源を備えてもよく、それに対応して、第2の光学アセンブリ300Bは、光受容器を有することになるが、逆の設定を使用してもよい。容器405が通過する(左から右に移動する)ことで、信号を受信するための反射が確実に作成される。すなわち、光源サブアセンブリ300Aから放出される光は、容器405によって検出器サブアセンブリ300Bに向かって反射される。光源サブアセンブリ300Aは、それぞれ、光源310A、320Aから、2つの波長帯域(例えば、吸収波長および参照波長)を同時にまたは順次放出し得る。それに対応して、検出器サブアセンブリ300Bの二色反射器330Bは、反射光の一部を各検出器サブアセンブリ310B、320Bに向けてもよい。これらの波長の各々における反射光に基づいて、プロセッサは、容器405の壁厚を判定することができる。
【0030】
別の実施形態では、光源310A、320Aが順次動作するとき、単一の検出器100Bを図4Aに示すように使用して、コストを削減することができる。そのような検出器100Bは、光源310a、320aが順次動作するときには、二色反射器330を必要としない。したがって、電子コントローラは、例えば、図4の実施形態のように光源310A、320Aを同期して動作させる(すなわち、光源をオンにする)か、または図4Aの実施形態のようにそれらを順次動作させることができる。
【0031】
図5aは、容器壁507の内壁505および外壁506からの反射の作成を描写する。図6a~図6cに描写されるように、容器が通過すると、光学系内に一連のパルスが作成される。参考のために、図面はすべて、容器がL-Rとラベル付けされる左から右に通過するとき、R-Lとラベル付けされる、右から左に通過するときの信号を示す。容器の移動の方向、およびエミッタおよび検出器の相対位置は、パルスの配置に影響する。
【0032】
ここで、図5aの光学反射図および図6aの光強度信号を参照すると、これらの図は、容器が厚く、表面が滑らかかつ平行である場合の簡略化された状況のためのものである。図5aの近位壁または外壁505からの反射501は、参照波長フォトダイオード信号603の図6aの成分601として見ることができる。容器が左から右に移動すると、内壁または遠位壁506からの反射502は、参照波長フォトダイオード信号603の図6aの成分602として見ることができる。第1の反射501に起因して、いくつかの光が方向転換されたため、信号成分602(内壁または遠位壁506からの感知光の強度について)は、信号成分601(外壁505側からの感知光の強度について)よりも小さい。これらの信号成分601、601の差および時間間隔を使用して、容器壁厚を判定することができる。また、信号成分602は、流体で充填された容器の存在下で作成され得ることも認識されるべきである。
【0033】
図5aの入射光500は、参照波長成分および吸収波長成分の両方を含み得るため、図6bは、そのようなシナリオのための図6aと同様の図を示す。近位壁または外壁505からの反射501は、吸収波長フォトダイオード信号613の成分611として示される。容器が左から右に移動すると、内壁または遠位壁506からの反射502は、吸収波長フォトダイオード信号613の成分612として示される。信号成分612は、一部の光が第1の反射501の一部として反射され、一部の光が容器壁によって吸収された(吸収される光の量は壁厚に依存する)ため、信号成分611よりも小さい。信号成分612はまた、容器壁による吸収のために信号成分602よりも小さく、差は、光が容器内を移動する経路長に関連する。容器の厚さを判定するのは、この反射吸収測定の原理である。
【0034】
図6cは、容器の厚さに関する図である。この図では、吸収波長チャネルのフォトダイオード信号613が、参照波長のフォトダイオード信号603から電気的に減算されている。したがって、この差分信号615の振幅は、容器の厚さに関する。任意の好適な方法を使用して、この差分信号を導出することができる。例えば、参照信号および吸収信号がアナログである場合、それらは増幅回路によって減算されることができる。参照信号および吸収信号がアナログデジタル変換器によってデジタル化される場合は、それらを分割して合計し、差し引くことができる。追加的に、デジタル化された信号は、デジタルでフィルタリングするか、または積分して、曲線下の領域を比較することができる。多くの比較方法が可能である。
【0035】
滑らかで良好に形成された容器設計があるが、特に関心の、排除され報告されるべき欠陥のある容器設計は、滑らかではなくて良好に形成されたものである。加えて、他の容器では、設計上、滑らかでないか、または平行な壁が存在する可能性がある。したがって、本発明のさらなる目的は、それらの検査のための新規の手段を提供することである。
【0036】
容器の表面が粗い場合、または装飾が施されている場合、反射信号501、502は表面が滑らかな場合に比べて明確にならない。図7a~図7cは、この状態を表しており、以下にさらに説明する。前述したように、参照波長信号701および702は、図7aに示すフォトダイオード信号703を生成する。加えて、吸収波長信号711および712は、図7bのフォトダイオード信号713を生成する。参照波長フォトダイオード信号703と図6aの信号603との比較は、表面粗さに起因する信号の忠実度の損失を示す。これは、図7bの吸収波長フォトダイオード信号713を図6bの対応する信号613と比較して検討するとさらに顕著である。鮮明さおよび忠実度が損失しているにもかかわらず、吸収波長フォトダイオード信号713を参照波長フォトダイオード信号703から差し引くと、図7cに示すように、鮮明で明確な信号715が得られる。この信号の大きさは、依然として容器の厚さに関連しており、前述と同じ方法で処理することができる。
【0037】
さらなる複雑さは、粗い表面が追加的に非平行な壁を含む場合があることである。本発明の実施形態では、そのような非平行条件の壁厚測定値は、判定することもできる。図8a~図8cは、この状態を表し、以下にさらに説明する。前述のように、図8aの参照波長信号801および802は、フォトダイオード信号803を生成する。加えて、図8bの吸収波長信号811および812は、フォトダイオード信号813を生成する。ここでも、参照波長フォトダイオード信号803と、図6aの対応する信号603との比較は、表面粗さに起因する信号の忠実度が明らかな損失を示す。加えて、壁が平行でないとき、近位壁または外壁505(図5aを参照)からの反射501の位置は、内壁または遠位壁506からの反射502と一致することができる。この状態では、参照波長信号801および802、ならびに吸収波長信号811および812は、図8a~図8bに示されるように、整列および組み合わせて、一見単一のフォトダイオード信号803、813を作製してもよい。この同時信号の振幅は、先行条件よりも高くてもよいことも留意されたい。ログ増幅器または自動利得制御トポロジ増幅器などの圧縮技術を使用して、信号条件を管理することができる。
【0038】
忠実度の損失は、図8aの吸収波長フォトダイオード信号813を図6aの対応する信号613と比較して検討すると、さらに顕著である。この鮮明さおよび忠実度の低下にもかかわらず、吸収波長フォトダイオード信号813を参照波長フォトダイオード信号803から差し引くと、図8cに示すように、鮮明で明確な信号815が得られる。この信号の大きさは、依然として容器の厚さに関連しており、前述と同じ方法で処理することができる。
【0039】
図6A図6BCの垂直(y-)軸に示される「信号」は、それぞれの光センサによって感知される光の強度に対応する。
【0040】
1つの最後の例示的な実施形態が、図4を参照すると、さらに明確である。図4に関連して上述した例では、サブアセンブリ300A~300Bの両方の光学部品は同じであった。すなわち、サブアセンブリ300Aの光学部品310A、320Aは両方とも光エミッタであり、サブアセンブリ300Bの光学部品310B、320Bは両方とも光検出器であった。別の実施形態では、サブアセンブリ300A~300Bの各々は、光源/エミッタおよび光検出器を備えてもよい。例えば、光学サブシステム310Aがエミッタである場合、光学サブシステム310Bは対応する受信機であり得る。それに対応して、光学サブシステム320bは、光学サブシステム320aが対応する受信機であるエミッタであり得る。このように、サブアセンブリ300Aは、1つのエミッタ310Aおよび1つの受信機320Aを1つのサブアセンブリに統合し、同様に、サブアセンブリ300Bは、1つのエミッタ320Bおよび1つの受信機310Bを1つのサブアセンブリに統合している。
【0041】
図5bを参照すると、入射ビーム510は、光学アセンブリ300B(図4を参照)から発生し、反射511、512を生成する。加えて、入射ビーム520は、光学アセンブリ300Aから発生し、反射521、522を生成する。容器が通過すると、図5bに描写されているように、両方の入射ビームが重なる時点がある。様々な実施形態では、一方の光学アセンブリは参照波長を放出し、他方は吸収波長を放出するため、本発明の前述の条件および態様はすべて実行可能である。
【0042】
反射511、512と反射521、522との間の間隔が同じであるとき、外壁505、および内壁506は平行である。そうでない場合は、単純な平均を使用して容器の厚さを計算することができる。ブロー成形容器の既知の反射ベースの先行技術の検査システムのこの態様および他の態様は、反射吸収測定主体と組み合わせて使用可能であるが、本発明の新規性を実践するために必要ではない場合もある。
【0043】
一般に、本明細書に記載される実施形態の少なくとも一部が、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェアの多くの異なる実施形態を利用して実装され得ることは、当業者には明らかであろう。ソフトウェアおよびファームウェアコードは、プロセッサ(例えば、DSPまたは任意の他の同様の処理回路)を備えるコンピュータまたはコンピューティングデバイスによって実行されてもよい。プロセッサは、メモリまたはソフトウェアコードを含む別のコンピュータ可読媒体と通信することができる。実施形態を実装するために使用され得るソフトウェアコードまたは専門の制御ハードウェアは、限定されない。例えば、本明細書に記載の実施形態は、例えば、従来のまたはオブジェクト指向の技術を使用して、任意の好適なコンピュータソフトウェア言語タイプを使用してコンピュータソフトウェアで実装することができる。そのようなソフトウェアは、例えば、磁気または光学記憶媒体などの任意のタイプの好適なコンピュータ可読媒体または媒体に記憶されてもよい。様々な実施形態によれば、ソフトウェアは、EEPROMおよび/またはDSPもしくは他の同様の処理回路に関連付けられた他の不揮発性メモリに記憶されたファームウェアでもよい。実施形態の動作および挙動は、特定のソフトウェアコードまたは専門のハードウェア部品への具体的な参照なしに説明することができる。このような具体的な参照がなくても、通常の技術を持つ当業者であれば、合理的な努力以上のことはせず、過度な実験もせずに、本明細書に基づく実施形態を実装するために、ソフトウェアおよび制御ハードウェアを設計できることが明確に理解できていることから、実現可能である。
【0044】
加えて、検査される容器(例えば、図2の容器205、図4の容器405)は、例えば、再加熱延伸ブロー成形機(単に「ブロー成形機」と呼ばれることもある)を使用して形成されてもよい。ブロー成形機は、プラスチックプレフォームを受容し、プラスチック容器を出力することができる。プレフォームがブロー成形機の中へ受容されるときに、プレフォームは最初に加熱されてから、モールドの中に載置してもよい。空気などの流体がプレフォームの中へ吹き込まれている間、ロッドがプレフォームを延伸させ、プレフォームを軸方向および円周方向に延伸させ、モールドの形状をとらせる。他の実施形態では、プレフォームを延伸するために使用される流体は、空気ではなく、液体である。すなわち、最終製品の液体で容器の形状にプレフォームを延伸させる。形成後、容器は、光学サブアセンブリ100A~100C、300A~Bを越えて経時的に容器を移動または搬送するための、例えば、コンベヤベルト、搬送アーム(例えば、米国特許第6,863,860号を参照)、または任意の他の好適な手段を使用して、光学サブアセンブリ100A~100C、300A~300Bを越えて搬送(例えば、図2および図4では左から右に)されてもよい。
【0045】
プロセッサ/コンピュータによって判定された壁厚は、1つ以上の目的のために使用することができる。例えば、拒否機構が、壁厚が事前に確立された制限内にない容器を拒否する可能性がある。また、測定された容器の壁厚は、オーブン温度、総オーブン電力、個々のオーブンランプ電力、プレフォーム温度設定点、プレブロー開始、プレブロー期間、延伸ロッドタイミング、ブロー圧力、プレブロータイミング、プレブロー圧力、複数のモールドの個々の加熱要素の電力レベル、プレフォーム温度設定点、延伸ロッドタイミング、延伸ロッド温度、ブロー圧力などのような、ブロー成形機のパラメータを制御するためにフィードバックループで使用され得る。
【0046】
したがって、1つの一般的な態様では、本発明は、図2および図4に示される容器205、405などの、透明な中空の物品を検査するための装置に関する。「検査」装置は、透明な中空の物品が少なくとも1つの光源を越えて移動経路に沿って移動するときに、透明な中空の物品の一部分で光エネルギーを放出するための少なくとも1つの光源を備える。少なくとも1つの光源によって放出される光エネルギーは、(1)透明な中空の物品の部分によって主に吸収される第1の吸収波長の光エネルギーと、(2)透明な中空の物品の一部分によって主に吸収されない第2の参照波長の光エネルギーと、を含む。検査装置はまた、第1および第2の離間した光センササブアセンブリを含む。第1および第2の隣接する光センササブアセンブリは、少なくとも1つの光源と、透明な中空の物品の移動経路の同じ側にある。各光センササブアセンブリは、(a)透明な中空の物品の一部分によって光センサアセンブリに反射される少なくとも1つの光源によって放出される光エネルギーを感知するための光センサと、(b)フィルタと、を備え、(i)第1の光センササブアセンブリのフィルタは、吸収波長の外側の光エネルギーをフィルタリングし、(ii)第2の光センササブアセンブリのフィルタは、参照波長の外側の光エネルギーをフィルタリングする。検査装置は、第1および第2の隣接する光センサアセンブリと通信するプロセッサをさらに備える。プロセッサは、第1および第2の隣接する光センササブアセンブリの両方によって感知される光エネルギーの強度に基づいて、透明な中空の物品の一部分の壁厚を計算するようにプログラムされている。厚さを判定するためにタイムドメイン情報は必要ではない。
【0047】
別の一般的な態様では、検査装置は、図4Aの例に示すように、第1の光源310Aおよび第2の光源320Aを備え、別個の光源は順次動作し、第1の光源は物品の吸収波長の光エネルギーを放出し、第2の光源は参照波長の光エネルギーを放出する。単一の光センサ100Bは、透明な中空の物品の一部分によって反射される第1および第2の光源によって放出される光エネルギーを感知する。検査装置は、光センサによって感知された光エネルギーの強度に基づいて物品の壁厚を計算するために、光センサと通信するプロセッサをさらに備える。
【0048】
別の一般的な態様では、本発明は、透明な中空の物品を検査するための方法に関する。本方法は、透明な中空の物品が少なくとも1つの光源を越えて移動経路に沿って移動するときに、少なくとも1つの光源によって、透明な中空の物品の一部分に光を放出するステップを含む。少なくとも1つの光源によって放出される光エネルギーが、(1)透明な中空の物品の一部分によって主に吸収される第1の吸収波長、および(2)透明な中空の物品の一部分によって主に吸収されない第2の参照波長の光エネルギーを含む。本方法はまた、第1および第2の離間した光センササブアセンブリの両方によって、透明な中空の物品の一部分によって光センサアセンブリに反射された少なくとも1つの光源によって放出された光エネルギーを感知するステップを含む。第1および第2の隣接する光センササブアセンブリは、少なくとも1つの光源と、透明な中空の物品の移動経路の同じ側にある。各光センササブアセンブリは、透明な中空の物品の当該一部分によって光センサアセンブリに反射される少なくとも1つの光源によって放出される光エネルギーを感知するための光センサと、フィルタと、を備える。光エネルギーを感知するステップは、(i)第1の光センササブアセンブリのフィルタによって、吸収波長の外側の光エネルギーをフィルタリングすることと、(ii)第2の光センササブアセンブリによって、参照波長の外側の光エネルギーをフィルタリングすることと、を含む。本方法は、第1および第2の隣接する光センサアセンブリと通信するプロセッサによって、第1および第2の隣接する光センササブアセンブリの両方によって感知される光エネルギーの強度に基づいて、透明な中空の物品の一部分の壁厚を計算するステップをさらに含む。
【0049】
様々な実装形態では、第1および第2の光センササブアセンブリは、第1および第2の光センササブアセンブリのフィルタが非平行であるように、組み合わされたセンサアセンブリに統合される。このような場合、組み合わされたセンサアセンブリは、透明な中空の物品の一部分によって反射された光エネルギーの第1の部分を第1の光センササブアセンブリに反射させるための反射器、例えば二色反射器、および透明な中空の物品の一部分によって反射された光エネルギーの第2の部分を第2の光センササブアセンブリに反射させるための反射器を備え得る。
【0050】
また、少なくとも1つの光源は、第1および第2の光源を備え、第1の光源は、吸収波長の光エネルギーを放出し、第2の光源は、参照波長の光エネルギーを放出する。そのような状況では、第1および第2の光源は、共通のエミッタアセンブリに組み合わされてもよく、共通のエミッタアセンブリは、第1および第2の光源の両方からの光エネルギーをエミッタアセンブリの共通の開口部に反射するための反射器を備えていてもよい。
【0051】
さらに他の実装形態では、(a)第1の光学アセンブリは、第1の光源および第2の光センササブアセンブリを備え、および(b)第2の光学アセンブリは、第2の光源および第1の光センササブアセンブリを備える。そのような実装形態では、第1および第2の光学アセンブリは、図4に示されるように、(i)第1の光学アセンブリの第1の光源からの光エネルギーが、透明な中空の物品によって第2の光学サブアセンブリに向かって反射され、および(ii)第2の光学アセンブリの第2の光源からの光エネルギーが、透明な中空の物品によって第1の光学サブアセンブリに向かって反射されるように、透明な中空の物品の移動経路に対して配向されてもよい。
【0052】
様々な実装形態では、透明な中空の物品は、空気および/または液体などの流体で充填され、一方、透明な中空の物品は、移動経路に沿って移動し、検査装置によって検査されている。
【0053】
さらに別の一般的な態様では、本発明は、透明な中空の物品を製造するための方法に関する。本方法は、ブロー成形機などの物品形成装置を用いて透明な中空の物品を形成することを含む。本方法はまた、透明な中空の物品を形成した後、上述の検査システムのいずれかで透明な中空の物品を検査することも含む。様々な実装形態では、透明な中空の物品を形成するステップは、空気および/または液体などの流体でパフォームを延伸して、透明な中空の物品を形成することを含んでもよい。本方法は、透明な中空の物品の一部分の計算された壁厚に基づいて物品形成装置のパラメータを制御するステップをさらに含んでもよい。
【0054】
本明細書で開示される様々な実施形態では、単一の部品は、複数の部品によって交換されることができ、複数の部品は、所与の機能を実施するために単一の部品によって交換されてもよい。そのような置き換えが動作可能ではない場合を除き、そのような置き換えは、実施形態の意図される範囲内である。
【0055】
様々な実施形態が本明細書に記載されているが、それらの実施形態に対する様々な修正、変更、および適合が、少なくともいくつかの利点の達成によって当業者に生じ得ることは明らかである。したがって、開示される実施形態は、本明細書に記載される実施形態の範囲から逸脱することなく、すべてのそのような修正、変更、および適合を含むことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図4A
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C