(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】新規化合物及び甲状腺ホルモン受容体アゴニストとしてのそれらの使用
(51)【国際特許分類】
C07D 253/075 20060101AFI20240301BHJP
C07D 261/12 20060101ALI20240301BHJP
A61K 31/42 20060101ALI20240301BHJP
C07D 401/10 20060101ALI20240301BHJP
A61K 31/444 20060101ALI20240301BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20240301BHJP
A61K 31/53 20060101ALI20240301BHJP
C07D 403/12 20060101ALI20240301BHJP
A61K 31/18 20060101ALI20240301BHJP
C07D 413/12 20060101ALI20240301BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20240301BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240301BHJP
A61P 5/18 20060101ALI20240301BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20240301BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20240301BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240301BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20240301BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240301BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240301BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240301BHJP
C07F 9/6558 20060101ALI20240301BHJP
C07C 311/53 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
C07D253/075 CSP
C07D261/12
A61K31/42
C07D401/10
A61K31/444
C07D471/04 104Z
A61K31/53
C07D403/12
A61K31/18
C07D413/12
A61K31/675
A61P43/00 111
A61P5/18
A61P3/04
A61P3/06
A61P3/10
A61P9/10
A61P9/00
A61P35/00
A61P1/16
C07F9/6558
C07C311/53
(21)【出願番号】P 2021549443
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 CN2020076038
(87)【国際公開番号】W WO2020169069
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-10-19
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/075692
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521371005
【氏名又は名称】ナンジン・ルイジェ・ファーマ・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NANJING RUIJIE PHARMA CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジュンボ
(72)【発明者】
【氏名】チー,シャオシン
【審査官】小森 潔
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-106996(JP,A)
【文献】特表2009-501759(JP,A)
【文献】特表2010-539209(JP,A)
【文献】国際公開第2018/075650(WO,A1)
【文献】特開2001-114768(JP,A)
【文献】特表2009-500305(JP,A)
【文献】国際公開第2007/128492(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/134864(WO,A1)
【文献】特表2022-504706(JP,A)
【文献】Hormone and Metabolic Research ,2011年,Vol.43, No.11,p737-742,doi:10.1055/s-0031-1291177
【文献】Journal of Medicinal Chemistry,2014年,Vol.57, No.10,p3912-3923,doi:10.1021/jm4019299
【文献】長瀬 博,最新創薬化学 上巻 ,株式会社テクノミック,1998年08月15日,p248-253,ISBN 4-924746-59-2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I3又は式I4で示される構造を有する化合物又はその互変異性体若しくは薬学的に許容し得る塩。
【化1】
【化2】
【請求項2】
請求項
1に記載の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項3】
治療活性物質として使用するための、請求項
1に記載の化合物。
【請求項4】
甲状腺ホルモン類似体によって調節される疾患の処置及び/又は予防のための治療活性物質として使用するための、請求項
1に記載の化合物。
【請求項5】
甲状腺ホルモン類似体によって調節される疾患の治療的及び/又は予防的処置のための、請求項
2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
代謝性疾患、肥満、高脂血症、高コレステロール血症、糖尿病
、非アルコール性脂肪性肝
炎、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、甲状腺機能低下症、甲状腺癌並びに関連する障害及び疾患の治療的及び/又は予防的処置のための、請求項
2に記載の医薬組成物。
【請求項7】
甲状腺ホルモン類似体によって調節される疾患の治療的及び/又は予防的処置用の医薬品の調製のための、請求項
1に記載の化合物の使用。
【請求項8】
代謝性疾患、肥満、高脂血症、高コレステロール血症、糖尿病
、非アルコール性脂肪性肝
炎、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、甲状腺機能低下症、甲状腺癌並びに関連する障害及び疾患の治療的及び/又は予防的処置用の医薬品の調製のための、請求項
1に記載の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な甲状腺ホルモン受容体アゴニストに関する。本発明はまた、肥満、高脂血症、高コレステロール血症、糖尿病などの代謝性疾患、並びにNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)、脂肪肝、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、甲状腺機能低下症、甲状腺癌のような他の障害及び疾患、並びに関連する障害及び疾患を処置するためのこのような化合物の使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
甲状腺ホルモンは、甲状腺によって産生及び放出されるホルモンである。それらは主に代謝の調節に関与し、そして正常な成長及び発達に、並びに代謝恒常性の維持に極めて重要である。甲状腺ホルモンの循環レベルは、視床下部/下垂体/甲状腺(HPT)軸のフィードバック機構によって厳密に調節されている。それらはまた、心機能、体重、代謝、代謝率、体温、コレステロール、骨、筋肉及び行動に重大な影響を及ぼす。
【0003】
甲状腺ホルモンの生物活性には、甲状腺ホルモン受容体(TR)が介在する。TRは、核内受容体として知られるスーパーファミリーに属する。TRは、リガンド誘導性転写因子として作用するレチノイド受容体とヘテロ二量体を形成する。TRには、リガンド結合ドメイン、DNA結合ドメイン、及びアミノ末端ドメインがある。TRは、DNA応答エレメントとの、並びに種々の核内コアクチベーター及びコリプレッサーとの相互作用を通じて遺伝子発現を調節する。TRは、α及びβという2個の別々の遺伝子に由来し、そしてこれらは、TRα1、TRα2、TRβ1及びTRβ2として更に分類できる。その中で、甲状腺ホルモン受容体α1、β1及びβ2は、甲状腺ホルモンに結合することができる。TRの異なるサブタイプは、特定の生物学的反応への寄与が異なる可能性がある。例えば、TRβ1は、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)の調節及び肝臓での甲状腺ホルモン作用の調節に重要な役割を果たし;TRβ2は、TSH(甲状腺刺激ホルモン)の調節に重要な役割を果たす(Abel et. al. J. Clin. Invest.,Vol 104: pp. 291-300 (1999))。
【0004】
最近の研究は、甲状腺ホルモンの合理的な使用によって幾つかの有益な治療効果を生み出せることを明らかにした。例えば、甲状腺ホルモンは、代謝率、酸素消費量及び熱産生を増加させ、それによって体重を減少させる。体重の減少は、肥満患者に有益な効果をもたらし、また2型糖尿病の肥満患者の血糖コントロールにも有益な効果をもたらす可能性がある。
【0005】
甲状腺ホルモンの他の治療的有用性は、低密度リポタンパク質(LDL)の低下、肝臓のLDL受容体発現の増加、コレステロールの胆汁酸への代謝の刺激、HDLコレステロールの増加及びLDL対HDL比の改善を包含する。甲状腺ホルモンはまた、アテローム性動脈硬化症や他の心血管疾患のリスクを低下させる可能性がある。
【0006】
肥満及びその併存疾患、糖尿病、メタボリック症候群、及びアテローム硬化性血管疾患の発生が流行病の速度で上昇するにつれ、これらの疾患を処置することができる化合物の実用化が極めて望まれよう。今まで、天然に存在する甲状腺ホルモンの治療的使用は、甲状腺機能亢進症に関連する有害な副作用、特に心血管系毒性によって制限されてきた。
【0007】
したがって、TRβ選択性及び/又は組織選択的作用の増加を示す甲状腺ホルモン類似体を合成するために努力されてきた。このような甲状腺ホルモン模倣物質は、視床下部/下垂体/甲状腺軸の心血管機能又は正常機能への影響を減らしながら、体重、脂質、コレステロール、及びリポタンパク質の望ましい減少をもたらす可能性がある。
【0008】
例えば、WO2001060784A1は、下記式:
【0009】
【化1】
[式中、Xは、-O-、-S-、-CH
2-、-CO-、又は-NH-であり;Yは、-(CH
2)
n-(ここで、nは、1~5の整数である)、又はcis-若しくはtrans-エチレンであり;R
1は、ハロゲン、トリフルオロメチル、又は1~6個の炭素のアルキル、又は3~7個の炭素のシクロアルキルであり;R
2及びR
3は、同一であるか又は異なって、水素、ハロゲン、1~4個の炭素のアルキル、又は3~6個の炭素のシクロアルキルであって、R
2及びR
3の少なくとも一方は、水素以外であり;R
4は、水素又は低級アルキルであり;R
5は、水素又は低級アルキルであり;R
6は、カルボン酸又はエステル又はプロドラッグであり;R
7は、水素又はアルカノイル又はアロイルである]で示される、甲状腺受容体のアニリン由来のリガンドを開示した。
【0010】
WO2007009913A1は、甲状腺ホルモン受容体アゴニストとして、下記式:
【0011】
【化2】
[式中、Aは、O、CH
2、S、SO又はSO
2であり;X及びYは、Br、Cl及び-CH
3からなる群よりそれぞれ独立して選択され;R
1は、-(CH
2)
nCOOH;-OCH
2COOH;-NHC(=O)COOH;-NHCH
2COOH;下記式:
【0012】
【化3】
で示される基からなる群より選択され;Zは、H、又はC≡Nであり;R
2は、低級アルキルであり;R
3は、H又は低級アルキルであり;nは、1、2又は3であり;pは、1又は2である]で示されるピリダジノン誘導体、又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを開示した。
【0013】
WO2009037172A1は、甲状腺ホルモン類似体のプロドラッグとして、下記式:
【0014】
【化4】
[式中、R
1は、-OH、O-結合アミノ酸、-OP(O)(OH)
2又は-OC(O)-R
2であり;R
2は、低級アルキル、アルコキシ、アルキル酸、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、-(CH
2)
n-ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又は-(CH
2)
n-ヘテロアリールであり;そしてnは、0又は1である]で示されるピリダジノン誘導体又はその薬学的に許容し得る塩及びエステルを開示した。
【0015】
WO2010122980A1は、甲状腺ホルモン受容体アゴニストとして、下記式:
【0016】
【化5】
[式中、Aは、場合により置換されたアルキル、場合により置換された炭素環基、場合により置換されたアリール、場合により置換された複素環基、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアミノ、又は場合により置換されたカルバモイルであり、Xは、場合により置換されたメチレン、-O-又は-S-であり、Qは、N又はC-R
4であり、L
1は、単結合、メチレン、-CH=CH-、-O-、-CO-、-NR
11-、-NR
11CO-、-CONR
11-、-CH
2NR
11-又は-S-であり、L
2は、単結合、-CR
6R
7-、又は二価複素環基であり、R
1及びR
2は、同一であるか又は異なって、それぞれは、水素、アルキル、アルケニル又はハロゲンであり、R
3及びR
4は、同一であるか又は異なって、それぞれは、水素、アルキル、アルコキシ、シアノ又はハロゲンであり、R
1及びR
3は、場合により結合して炭素環又は複素環を形成し、R
5は、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基又はカルボキシル基の生物学的等価性基であり、R
6及びR
7は、同一であるか又は異なって、それぞれは、水素、場合により置換されたアルキル又はハロゲンであるか、あるいはR
6及びR
7は、結合してシクロアルカン又は複素環を形成し、R
8は、ヒドロキシ、アルカノイルアミノ又はアルキルスルホニルアミノであり、R
9及びR
10は、同一であるか又は異なって、それぞれは、水素、アルキル又はハロゲンであり、そしてR
10は、水素又はアルキルである]又はその薬学的に許容し得る塩を開示した。
【0017】
甲状腺ホルモンの有益な効果を維持しながら、甲状腺機能亢進症及び甲状腺機能低下症という望ましくない効果を回避する甲状腺ホルモン類似体の開発は、肥満、高脂血症、高コレステロール血症、糖尿病などの代謝性疾患、並びに脂肪肝及びNASH、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、甲状腺機能低下症、甲状腺癌、甲状腺疾患などの他の障害及び疾患、並びに関連する障害及び疾患を有する患者の処置の新しい道を開くであろう。
【0018】
代謝性疾患の継続的かつ増大する問題、及びそれらを処置するための安全で有効な薬物が現在欠けていることは、それらの処置用の望ましくない作用のない新しいTHRアゴニスト薬の圧倒的な必要性を強調する。
【0019】
発明の要約
本発明によって解決されるべき技術的問題は、肥満、高脂血症、高コレステロール血症及び糖尿病などの代謝性疾患の処置に有用であり、そしてNASH、脂肪肝、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、甲状腺機能低下症、甲状腺癌などの他の障害及び疾患、並びに関連する障害及び疾患に有用である可能性がある、新規な甲状腺受容体アゴニストを提供することである。
【0020】
上記の技術的問題を解決するために、本発明では以下の技術的解決策が採用される。
【0021】
1つの態様において、本明細書で提供されるのは、式(I)又は(Ia):
【0022】
【化6】
[式中、
Aは、O又はCH
2であり;
Bは、N又はCHであり;
Xは、O又はNR
1又はCHR
1であり;
R
1は、結合又はH又は低級アルキルから選択され;
R
2は、H又は低級アルキルであるか;あるいは
R
1及びR
2は、これらが結合しているX-C=Cと一緒に5~9員の炭素又は複素環を形成し、複素環は、非置換であるか又はR
6及びR
7で置換されており、R
6及びR
7は、H又は低級アルキルの群から独立して選択され;
R
3及びR
4は、H、F、Cl、Br及びCH
3からなる群より独立して選択され;
R
5は、下記式:
【0023】
【化7】
からなる群より選択される]で示される化合物、又はその互変異性体若しくは薬学的に許容し得る塩である。
【0024】
BがCHである、式(I)又は(Ia)の化合物。
【0025】
更に好ましくは、AがCH2である場合。
【0026】
更に好ましくは、XがOであり、R2が低級アルキルである場合。
【0027】
更に好ましくは、R2がi-Prである場合。
【0028】
更に好ましくは、R3及びR4が、F、H、Cl又はCH3からなる群より独立して選択される場合。
【0029】
更に好ましくは、R5が下記式:
【0030】
【0031】
BがCHであり、AがOである、式(I)又は(Ia)の化合物。
【0032】
更に好ましくは、R5が下記式:
【0033】
【0034】
更に好ましくは、Xが、NR1又はCHR1であり、R1及びR2が、これらが結合しているX-C=Cと一緒に下記式:
【0035】
【化10】
で示される5員複素環を形成し;
R
6及びR
7が、H又はMeの群から独立して選択される場合。
【0036】
更に好ましくは、R3及びR4が、F、H、Cl、CH3からなる群より独立して選択される場合。
【0037】
BがNである、式(I)又は(Ia)の化合物。
【0038】
更に好ましくは、R5が下記式:
【0039】
【0040】
更に好ましくは、R3及びR4が、F、H、Cl又はCH3からなる群より独立して選択される場合。
【0041】
幾つかの実施態様において、AがCH2である場合。
【0042】
更に好ましくは、XがOである場合。
【0043】
幾つかの実施態様において、AがOである場合。
【0044】
更に好ましくは、XがOである場合。
【0045】
更に好ましくは、R2が、i-Pr、Me又はシクロプロピルである場合。
【0046】
幾つかの実施態様において、AがOであり、XがNR1である場合。
【0047】
更に好ましくは、R1及びR2が、これらが結合しているX-C=Cと一緒に下記式:
【0048】
【化12】
で示される、R
6により置換された5員複素環を形成する場合。
【0049】
更に好ましくは、R6が、H、Me、Et、Pr、i-Pr又はシクロプロピルである場合。
【0050】
上記と同義の式(I)又は(Ia)の特に好ましい化合物は、式(I1):
【0051】
【0052】
上記と同義の式(I)又は(Ia)の別の特に好ましい化合物は、式(I2):
【0053】
【0054】
上記と同義の式(I)又は(Ia)の別の特に好ましい化合物は、式(I3):
【0055】
【0056】
上記と同義の式(I)又は(Ia)の特に好ましい化合物は、下記式(I4)~(I12):
【0057】
【化16】
で示される構造の1つ、又はその互変異性体若しくは薬学的に許容し得る塩から選択されるものである。
【0058】
上記と同義の式(I)又は(Ia)の特に好ましい化合物は、下記式(I13)~(I21):
【0059】
【化17】
で示される構造の1つ、又はその互変異性体若しくは薬学的に許容し得る塩から選択されるものである。
【0060】
別の態様において、本明細書で提供されるのは、式(II):
【0061】
【化18】
[式中、
R
1は、OH、O-結合アミノ酸、OC(O)R
9又はOP(O)(OH)
2であり、R
9は、H、アルコキシ又は低級アルキルであり;
R
2は、H又は低級アルキルであり;
R
3及びR
4は、H、F、Cl、Br又はCH
3からなる群より独立して選択される]で示される化合物、又はその互変異性体若しくは薬学的に許容し得る塩である。
【0062】
上記と同義の式(II)の特に好ましい化合物は、下記式(I22)~(I24):
【0063】
【化19】
で示される構造の1つ、又はその互変異性体若しくは薬学的に許容し得る塩から選択されるものである。
【0064】
別の態様において、本明細書で提供されるのは、式(III):
【0065】
【化20】
[式中、
R
1は、H、CH
2OH、CH
2O-結合アミノ酸、CH
2OC(O)R
9又はCH
2OP(O)(OH)
2であり、R
9は、H、アルコキシ又は低級アルキルであり;
R
2は、H又は低級アルキルであり;
R
3及びR
4は、H、F、Cl、Br又はCH
3からなる群より独立して選択される]で示される化合物、又はその互変異性体若しくは薬学的に許容し得る塩である。
【0066】
上記と同義の式(III)の特に好ましい化合物は、下記式(I25)~(I26):
【0067】
【化21】
で示される構造の1つ、又はその互変異性体若しくは薬学的に許容し得る塩から選択されるものである。
【0068】
別の態様において、本明細書で提供されるのは、式(IV):
【0069】
【化22】
[式中、
R
1は、H、CH
2OH、CH
2O-結合アミノ酸、CH
2OC(O)R
9又はCH
2OP(O)(OH)
2であり、R
9は、H、アルコキシ又は低級アルキルであり;
R
2は、H又は低級アルキルであり;
R
3及びR
4は、H、F、Cl、Br又はCH
3からなる群より独立して選択される]で示される化合物、又はその互変異性体若しくは薬学的に許容し得る塩である。
【0070】
上記と同義の式(IV)の特に好ましい化合物は、式(I27):
【0071】
【化23】
又はその互変異性体若しくは薬学的に許容し得る塩である。
【0072】
別の態様において、本明細書で提供されるのは、式(V):
【0073】
【化24】
[式中、
Aは、O、S、S(O)
2、C(O)又はCH
2であり;
Bは、1個又は2個のヘテロ原子を環上に有する置換又は非置換の単環式4~7員環又は二環式6~11員環であり、置換基は、それぞれ場合により1個以上のアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、=O、-OR
1、-C(O)R
1又は-C(O)OR
1から独立して選択され;
R
1は、水素原子、C
1-6アルキル又はC
3-10シクロアルキルから選択され;
R
2及びR
3は、H、F、Cl、Br又はCH
3からなる群より独立して選択される]で示される化合物、又はその互変異性体若しくは薬学的に許容し得る塩である。
【0074】
Aが、O又はCH2である、式(V)の化合物。
【0075】
Bが、下記式:
【0076】
【化25】
から選択され;
R
4が、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル又はシクロアルキルから選択され;
R
5が、H、C
1-6アルキル又はC
3-10シクロアルキルから選択され;
R
6が、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル又はシクロアルキルから選択される、式(V)の化合物。
【0077】
更に好ましくは、R4が、H、CH2OH、Me、Et、Pr、i-Pr、ブチル、t-ブチル、i-ブチル、シクロプロピル又はシクロブチルである場合。
【0078】
上記と同義の式(V)の特に好ましい化合物は、下記式(I28)~(I38):
【0079】
【化26】
で示される構造の1つから選択されるものである。
【0080】
本発明の一般式(I)若しくは(Ia)の化合物又は一般式(II)~(V)の化合物は、官能基で誘導体化されて、インビボで親化合物に変換して戻すことが可能な誘導体を提供し得ることが理解されよう。
【0081】
上記のとおり、本発明の新規化合物は、甲状腺ホルモン類似体であることが見い出された。したがって、本発明の化合物は、甲状腺ホルモン類似体によって調節される疾患、特に肥満、高脂血症、高コレステロール血症及び糖尿病などの代謝性疾患の処置及び/又は予防に使用することができ、そしてNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、甲状腺機能低下症、甲状腺癌などの他の疾患、並びに関連する障害及び疾患に有用な可能性がある。肥満患者とは、BMI値(body mass index)が25以上のヒトである。
【0082】
したがって、本発明はまた、上記と同義の化合物並びに薬学的に許容し得る担体及び/又は補助剤を含む医薬組成物に関する。
【0083】
本発明は同様に、治療活性物質として、特に甲状腺ホルモン類似体によって調節される疾患、特に肥満、高脂血症、高コレステロール血症及び糖尿病などの代謝性疾患、並びにNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、甲状腺機能低下症、甲状腺癌並びに関連する障害及び疾患の処置及び/又は予防のための治療活性物質として使用するための上記の化合物を包含する。
【0084】
別の好ましい例において、本発明は、甲状腺ホルモン類似体によって調節される疾患、特に肥満、高脂血症、高コレステロール血症及び糖尿病などの代謝性疾患、並びにNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、甲状腺機能低下症、甲状腺癌並びに関連する障害及び疾患の治療的及び/又は予防的処置のための方法であって、上記と同義の化合物をヒト又は動物に投与することを含む方法に関する。好ましくは、投与される化合物の量は、1日に約0.01mg/kg~約50mg/kg、更に好ましくは1日に約0.3mg/kg~約10mg/kg、更により好ましくは1日に約0.70mg/kg~約3.5mg/kgである。
【0085】
本発明はまた、甲状腺ホルモン類似体によって調節される疾患、特に肥満、高脂血症、高コレステロール血症及び糖尿病などの代謝性疾患、並びにNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、甲状腺機能低下症、甲状腺癌並びに関連する障害及び疾患の治療的及び/又は予防的処置のための上記と同義の化合物の使用を包含する。
【0086】
本発明はまた、甲状腺ホルモン類似体によって調節される疾患、特に肥満、高脂血症、高コレステロール血症及び糖尿病などの代謝性疾患、並びにNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、甲状腺機能低下症、甲状腺癌並びに関連する障害及び疾患の治療的及び/又は予防的処置用の医薬品の調製のための上記と同義の化合物の使用に関する。このような医薬品は、上記の化合物を含む。
【0087】
代謝性疾患の予防及び/又は処置は、好ましい適応症である。糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病(2型)は更に好ましい。肥満もまた更に好ましい。高脂血症、特に高コレステロール血症もまた更に好ましい。
【0088】
本発明の化合物は、市販の出発材料から始めて、当業者に公知の一般的な合成技術及び手順を利用して調製することができる。以下に概説するのは、そのような化合物を調製するのに適した反応スキームである。更なる例証は、以下に詳述する特定の実施例に見い出される。
【0089】
BがCであり、AがCH2であり、XがOであり、R2が低級アルキルであり、R3及びR4が、F、H、Cl、CH3からなる群より独立して選択され、R5が下記式:
【0090】
【化27】
で示される場合、式(I)又は式(Ia)の化合物は、スキーム1に略述される一連の反応である、方法Aによって合成される。
【0091】
【0092】
BがCであり、AがCH
2であり、XがOであり、R
2が低級アルキルであり、R
3及びR
4が、F、H、Cl、CH
3からなる群より独立して選択され、R
5が下記式:
【化29】
で示される場合、式(I)又は式(Ia)の化合物は、スキーム2に略述される一連の反応である、方法Bによって合成される。
【0093】
方法B
【0094】
【0095】
BがNであり、AがCH
2であり、XがOであり、R
2が低級アルキルであり、R
3及びR
4が、F、H、Cl又はCH
3からなる群より独立して選択され、R
5が下記式:
【化31】
で示される場合、式(I)又は式(Ia)の化合物は、スキーム3に略述される一連の反応である、方法Cによって合成される。
【0096】
【0097】
BがNであり、AがOであり、XがOであり、R
2が低級アルキルであり、R
3及びR
4が、F、H、Cl、CH
3からなる群より独立して選択され、R
5が下記式:
【化33】
で示される場合、式(I)又は式(Ia)の化合物は、スキーム4に略述される一連の反応である、方法Dによって合成される。
【0098】
【0099】
Bが、N又はCであり、AがOであり、XがNR
1であり、R
5が下記式:
【化35】
で示され、R
1及びR
2が、これらが結合しているX-C=Cと一緒にR
6により置換された5員複素環を形成し、R
6が、H、Me、Et、Pr、i-Pr又はシクロ-Prから選択され、R
3及びR
4が、F、H、Cl又はCH
3からなる群より独立して選択される場合、式(I)又は式(Ia)の化合物は、スキーム5に略述される一連の反応である、方法Eによって合成される。
【0100】
【0101】
定義
本発明の化合物は、一般に上記のものを包含し、そして本明細書に開示される分類、サブ分類、及び種類によって更に詳しく説明される。本明細書に使用されるとき、特に断りない限り、以下の定義が適用される。本発明の目的には、化学元素は、元素の周期表(CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics, 75thEd.)により識別される。更に、有機化学の一般原則は、"Organic Chemistry", Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 1999及び "March's Advanced Organic Chemistry", 5th Ed., Ed.: Smith, M. B. and March, J., John Wiley &Sons, New York: 2001に記載されており、その全内容が引用例として本明細書に取り込まれる。
【0102】
本明細書に使用される用語は、特定の実施例を説明することを目的とするものであり、限定することを意図するものではないことを理解されたい。更には、本明細書に記載されたものと類似又は同等の任意の方法、装置及び材料を、本発明の実施又は試験に使用することができるが、好ましい方法、装置及び材料を次に説明する。
【0103】
本明細書に使用されるとき、「アルキル」という用語は、例えば、置換されていても又は非置換であってもよい、分岐又は非分岐の、環状又は非環状の、飽和又は不飽和(例えば、アルケニル又はアルキニル)のヒドロカルビル基を意味する。環状の場合、アルキル基は、好ましくはC3~C12、更に好ましくはC4~C10、更に好ましくはC4~C7である。非環状の場合、アルキル基は、好ましくはC1~C10、更に好ましくはC1~C6、更に好ましくはメチル、エチル、プロピル(n-プロピル又はイソプロピル)、ブチル(n-ブチル、イソブチル又は第3級ブチル)又はペンチル(n-ペンチル及びイソペンチルを含む)であり、更に好ましくはメチルである。したがって、本明細書に使用されるとき「アルキル」という用語は、アルキル(分岐又は非分岐)、置換アルキル(分岐又は非分岐)、アルケニル(分岐又は非分岐)、置換アルケニル(分岐又は非分岐)、アルキニル(分岐又は非分岐)、置換アルキニル(分岐又は非分岐)、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルキニル及び置換シクロアルキニルを包含することが理解されよう。
【0104】
本明細書に使用されるとき、「低級アルキル」という用語は、例えば、分岐又は非分岐の、環状又は非環状の、飽和又は不飽和(例えば、アルケニル又はアルキニル)のヒドロカルビル基を意味し、ここで、前記環状低級アルキル基は、C5、C6又はC7であり、そして、前記非環状低級アルキル基は、C1、C2、C3、C4、C5又はC6、好ましくは1~4個の炭素原子である。典型的な低級アルキル基は、メチル、エチル、プロピル(n-プロピル又はイソプロピル)、ブチル(n-ブチル、イソブチル又は第3級ブチル)、ペンチル及びヘキシルを包含する。したがって、本明細書に使用されるとき「低級アルキル」という用語は、例えば、低級アルキル(分岐又は非分岐)、低級アルケニル(分岐又は非分岐)、低級アルキニル(分岐又は非分岐)、シクロ低級アルキル、シクロ低級アルケニル及びシクロ低級アルキニルを包含することが理解されよう。別の官能基に結合している場合、本明細書に使用される低級アルキルは、二価、例えば、-低級アルキル-COOHであってよい。非環状の、分岐又は非分岐の低級アルキル基が好ましい。
【0105】
薬学的に許容し得る担体、賦形剤などの「薬学的に許容し得る」とは、特定の化合物が投与される対象に対して薬理学的に許容し得、実質的に無毒であることを意味する。「薬学的に許容し得る塩」とは、式(I)の化合物の生物学的有効性及び特性を保持し、適切な有機若しくは無機酸又は有機若しくは無機塩基から形成される、従来の酸付加塩又は塩基付加塩のことをいう。見本となる酸付加塩は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸及び硝酸などの無機酸に由来するもの、並びにp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸などの有機酸に由来するものを包含する。見本となる塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、及び水酸化第4級アンモニウム(例えば、水酸化テトラメチルアンモニウムなど)に由来するものを包含する。医薬化合物(即ち、薬物)の塩への化学修飾は、化合物の物理的又は化学的安定性、例えば、吸湿性、流動性又は溶解性に関する性質を改善することを試みる際に使用される周知の技術である。例えば、H. Ansel et. al., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (6th Ed. 1995) at pp. 196 and 1456-1457を参照のこと。
【0106】
発明の詳細な説明
略語:以下の略語は本明細書に使用され得る。
【0107】
【0108】
本発明は、以下の実施例により更に理解され得る。しかしながら、当業者であれば、実施例に記載されている内容が、特許請求の範囲に詳細に記載されている本発明を限定するのではなく、単に本発明を説明することを意図していることを理解するのは容易であろう。
【0109】
特に断りない限り、本発明の化合物は、市販の出発材料から始めて、当業者に公知の一般的な合成技術及び手順を利用して調製することができる。クロマトグラフィー用品及び機器は、例えば、AnaLogix, Inc, Burlington, WI;Analytical Sales and Services, Inc., Pompton Plains, NJ;Teledyne Isco, Lincoln, NE;VWR International, Bridgeport, NJ;及びRainin Instrument Company, Woburn, MAなどの企業から購入することができる。化学物質は、例えば、Aldrich、Argonaut Technologies、VWR及びLancasterなどの企業から購入できる。
【0110】
基質の調製
1. 5-イソプロピル-6-メトキシピリジン-3-オールの合成
基質の5-イソプロピル-6-メトキシピリジン-3-オールを、スキーム6に従って市販の試薬2-メトキシピリジンから調製した。
【化37】
スキーム6
【0111】
工程1 2-メトキシ-3-(プロパ-1-エン-2-イル)ピリジンの合成
【化38】
DMEと40mLのH
2Oとの混合物(200mL)中の2-メトキシピリジン(20g、0.11mmol、1.0当量)、カリウム プロペン-2-トリフルオロボラート(23.61g、0.16mmol、1.5当量)及びK
2CO
3(73.51g、0.53mmol、5.0当量)の混合物に、Pd(dppf)Cl
2-CH
2Cl
2(8.68g、0.01mmol、0.1当量)を加え、混合物を窒素下、90℃で2時間撹拌した。出発物質が消失したことをTLCが示した後に、混合物を室温に冷やし、そして水(100ml)を加えた。混合物をEA(4×100mL)で抽出し、有機層を合わせ、そして濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:EA=10:1)により精製して、所望の生成物12.5gを褐色の油状物として与えた、収率:78.77%。
【0112】
工程2 3-イソプロピル-2-メトキシピリジンの合成
【化39】
MeOH(160mL)中の2-メトキシ-3-(プロパ-1-エン-2-イル)ピリジン(12.5g、83.79mmol、1.0当量)の溶液に、Pd/C(1.25g、10w/w)を加え、混合物を水素下、室温で一晩撹拌した。出発物質が消失したことをHPLCが示した後に、沈殿物を濾過により除去し、濾液を濃縮して、所望の生成物を褐色の油状物として与えた、収率:76.56%。
1HNMR (400 MHz, CDCl
3-d
3) δ ppm: 7.94-7.93 (m, 1H), 7.37 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.78-6.73 (m, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.15-3.07 (m, 1H), 1.14 (d, J = 6.8 Hz, 6H)。
【0113】
工程3 5-ブロモ-3-イソプロピル-2-メトキシピリジンの合成
【化40】
MeCN(200mL)中の3-イソプロピル-2-メトキシピリジン(9.6g、63.49mmol、1.0当量)の合成に、NBS(14.69g、82.53mmol、1.3当量)を室温で加え、混合物を3時間還流した。HPLCが出発物質を示さなかった後に、MeCNを真空下で除去し、そして残留物を水(100mL)で希釈し、EA(4×100mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:EA=10:1)で精製して、所望の生成物10.2gを褐色の油状物として与えた、収率:69.82%。
1HNMR (400 MHz, CDCl
3-d
3) δ ppm: 7.955 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.433 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.07-3.02 (m, 1H), 1.12 (d, J = 6.8 Hz, 6H)。
【0114】
工程4 (5-イソプロピル-6-メトキシピリジン-3-イル)ボロン酸の合成
【化41】
乾燥THF(30mL)中の5-ブロモ-3-イソプロピル-2-メトキシピリジン(5g、21.73mmol、1.0当量)の溶液に、n-BuLi(9.05mL、21.73mmol、2.4mol/L、1.0当量)を-70℃で加え、出発物質が存在しないことをHPLCが示したとき、B(i-PrO)
3(6.13g、32.59mmol、1.5当量)を加え、-70℃で1時間撹拌し、次に反応混合物を室温で撹拌した。次に、水(50mL)を加え、反応混合物のpH値を2N HClで3に調整した。EA(3×80mL)で抽出した後、有機層を合わせ、そして濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM:MeOH=10:1)で精製して、所望の生成物1.05gを白色の固体として与えた、収率:24.78%。LCMS: [M+1] = 89.2
【0115】
工程5 5-イソプロピル-6-メトキシピリジン-3-オールの合成
【化42】
THF(30mL)中の(5-イソプロピル-6-メトキシピリジン-3-イル)ボロン酸(4.1g、20mmol、1.0当量)の溶液に、H
2O
2(11.9g、105mmol、5.0当量)を0℃で加えた。次に、反応混合物を10分間撹拌し、次にAcOH(2.52g、42mmol、2.0当量)を滴下し、混合物を室温まで温め、数分間撹拌した。次に、Na
2S
2O
3とNaHCO
3との混合物の水溶液(30mL)を加えて反応物をクエンチした。混合物をEA(4×20mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、逆相クロマトグラフィー(水:MeOH=1:1)で精製して、所望の生成物1.1gを褐色の油状物として与えた、収率:31.43%。LCMS: [M+1] = 168.1
【0116】
2. 基質の4-(4-ヒドロキシ-3-イソプロピルベンジル)-3,5-ジメチルフェノールを、スキーム7に従って市販の試薬2-メトキシピリジンから調製した。
【化43】
スキーム7
【0117】
工程1 化合物2の合成
【化44】
窒素雰囲気下、0℃で、DMF(200mL)中の化合物1(20g、133.2mmol、1.0当量)及びイミダゾール(18.1g、266.4mmol、2.0当量)の溶液に、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(24.1g、159.8mmol、1.2当量)を数回に分けて加え、混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、次に水を加えた。混合物を塩化メチレンで抽出し、有機相を水及びブラインで洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を、移動相としてヘプタン/酢酸エチル(100:1)を用いるクロマトグラフィーにより精製した。減圧下で溶媒を除去して、化合物2を与えた(23g、淡赤色の液体、収率65%)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 265.2;
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ ppm: 10.50 (s, 1H), 6.55 (s, 2H), 2.59 (s, 6H), 0.98 (s, 9H), 0.26 (s, 6H)。
【0118】
工程2 化合物4の合成
【化45】
0℃で、MeCN(200mL)中の化合物3(20g、146.8mmol、1.0当量)の溶液に、NBS(28.8g、161.6mmol、1.1当量)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を濾過し、フィルターケーキをヘキサンで洗浄し、乾燥して粗生成物の化合物4(25g)を与え、これをさらに精製することなく次の工程でそのまま使用した。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 215.0, 217.0。
【0119】
工程3 化合物5の合成
【化46】
水素化ナトリウム(60%、7g、174.4mmol、1.5当量)を、アルゴン雰囲気下、0℃で無水THF(200mL)に数回に分けて加え、次にTHF(100mL)中の化合物4(25g、116.2mmol、1.0当量)の溶液を滴下した。添加後、反応混合物を室温まで温め、30分間撹拌した。次に、MOMCl(18.7g、232.4mmol、2.0当量)を0℃で滴下した。混合物を室温に温め、15分間撹拌し、次に水により0℃で希釈した。水層をヘキサンで3回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次に溶媒を留去した。得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:100)により精製した。所望の無色透明な油性の化合物5(20g、66%)を得た。
【0120】
工程4 化合物6の合成
【化47】
アルゴン雰囲気下、-78℃で、THF(120mL)中の化合物5(13g、50mmol、1.2当量)の溶液に、n-BuLi(2.4M、20.8ml、50mmol、1.2当量)を滴下した。溶液を-78℃で30分間撹拌した。THF(30mL)中の化合物2(11.1g、42mmol、1.0当量)の溶液を、上記の混合物に30分かけて滴下した。1時間撹拌した後、反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液(100ml)でクエンチした。層を分離した後、水相を酢酸エチル(200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、MgSO
4により乾燥した。得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:100)により精製した。所望の無色透明な油性の化合物6(11.1g、無色の液体、収率50%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ ppm: 7.00 (s, 1H), 6.75-6.70 (m, 2H), 6.31 (s, 2H), 6.02 (s, 1H), 4.96 (s, 2H), 3.27 (s, 3H), 3.11-3.09 (m, 1H), 2.00 (s, 6H), 0.99-0.95 (m, 6H), 0.78 (s, 9H), 0.00 (s, 6H)。
【0121】
工程5 化合物7の合成
【化48】
EtOH/AcOH=100(15mL)中の化合物6(11.1g、24.9mmol、1.0当量)の溶液に、10% Pd/C(6g)を加え、次に水素で処理した。反応混合物を50℃で5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して粗生成物の化合物7(7.5g、無色の油状物、収率67%)を与え、これをさらに精製することなく次の工程でそのまま使用した。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ ppm: 6.93-6.88 (m, 2H), 6.68-6.66 (m, 1H), 6.56 (s, 2H), 5.15 (s, 2H), 3.91 (s, 2H), 3.48 (s, 3H), 3.30-3.27 (m, 1H), 2.18 (s, 6H), 1.18-1.16 (m, 6H), 1.00 (s, 9H), 0.21 (s, 6H)。
【0122】
工程6 化合物8の合成
【化49】
0℃で、THF(100mL)中の化合物7(7.5g、17.5mmol、1.0当量)の撹拌した溶液に、TBAF(6.9g、26.2mmol、1.5当量)を加えた。反応混合物を室温で20分間撹拌し、EAで希釈し、そして水(100mL×2)及びブライン(100mL×2)で洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をEA/PE(1:4)で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物8(7.5g、収率75%)を油状物として与えた。LCMS: (ESI-MS): [M-H]
+ = 313.2。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ ppm: 6.83 (s, 1H), 6.79-6.77 (m, 1H), 6.55-6.53 (m, 1H), 6.44 (s, 1H), 5.06-5.01 (m, 2H), 3.79 (s, 2H), 3.37 (s, 3H), 3.20-3.16 (m, 1H), 2.08 (s, 6H), 1.10-1.06 (m, 6H)。
【0123】
実施例1
2-(4-(4-ヒドロキシ-3-イソプロピルベンジル)-3,5-ジメチルフェノキシ)-N-(メチルスルホニル)アセトアミド(I1)
工程1 化合物9の合成
【化50】
0℃で、DMF(7mL)中の化合物8(630mg、2mmol、1.0当量)及びK
2CO
3(552mg、4mmol、2.0当量)の溶液に、臭化エチル(368mg、2.2mmol、1.1当量)を加え、混合物を室温で12時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を濃縮し、次に水(10mL)で希釈し、EA(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥し、濃縮し、そしてヘキサン/EA(3:1)を用いたシリカカラムにより精製して、化合物9を与えた(700mg、油性の液体、収率87%)。
1H NMR (300MHz, CDCl
3) δ ppm: 6.93-6.87 (m, 2H), 6.64-6.62 (m, 3H), 5.14 (s, 2H), 4.60 (s, 2H), 4.29-4.25 (m, 2H), 3.90 (s, 2H), 3.47 (s, 3H), 3.30-3.26 (m, 1H), 2.21 (s, 6H), 1.33-1.28 (m, 3H), 1.21-1.16 (m, 6H)。
【0124】
工程2 化合物10の合成
【化51】
MeOH/THF/H
2O=1:1:1(12mL)中の化合物9(700mg、1.75mmol、1.0当量)の溶液に、NaOH(210mg、5.25mmol、3.0当量)を室温で加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。反応の完了後、反応物を2N HClで酸性化し、溶液として形成された沈殿物を室温に冷やした。次に、反応物を水(5mL)で希釈し、EA(15mL×2)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、濃縮して、所望の生成物の化合物10を与えた(500mg、白色の固体、収率77%)。LCMS: (ESI-MS): [M+Na]
+= 395.1;
1H NMR (300MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 6.96 (s, 1H), 6.89-6.86 (m, 1H), 6.60 (s, 3H), 5.14 (s, 2H), 4.51 (s, 2H), 3.84 (s, 2H), 3.37 (s, 3H), 3.24-3.20 (m, 1H), 2.15 (s, 6H), 1.16-1.12 (m, 6H)。
【0125】
工程3 化合物11の合成
【化52】
DCM(20mL)中の化合物10(500mg、1.34mmol、1.0当量)の溶液に、EDCI(384mg、2.0mmol、1.5当量)、メタンスルホンアミド(140mg、1.47mmol、1.1当量)及びDMAP(244mg、2mmol、1.5当量)を0℃で加え、得られた溶液を室温で更に4時間撹拌した。反応の完了後、次に10%クエン酸水溶液(20mL)で希釈し、DCM(20mL×2)で抽出し、そして合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥し、濃縮して、化合物11を与えた(390mg、油性の液体、収率65%)。LCMS: (ESI-MS): [M+Na]
+ = 472.1;
1H NMR (300MHz, CDCl
3) δ ppm: 6.85-6.81 (m, 2H), 6.56-6.54 (m, 2H), 5.08 (s, 2H), 4.51 (s, 2H), 3.85 (s, 2H), 3.40 (s, 3H), 3.28 (s, 2H), 3.24-3.20 (m, 1H), 2.16 (s, 6H), 1.15-1.10 (m, 6H)。
【0126】
工程4 化合物I1の合成:
【化53】
メタノール(20ml)中の化合物11(390mg、0.87mmol、1.0当量)の溶液に、6N HCl(20ml)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、水(10ml)で希釈し、そして酢酸エチル(2×20ml)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(20ml)で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濃縮し、pre-HPLCにより精製して、化合物I1を与えた(80mg、白色の固体、収率23%)。LCMS: (ESI-MS): [M-H]
+= 404.0;
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 11.97 (s, 1H), 8.97 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 6.62-6.60 (m, 3H), 6.47-6.45 (m, 1H), 4.64 (s, 2H), 3.80 (s, 2H), 3.28 (s, 3H), 3.15-3.11 (m, 1H), 2.17 (s, 6H), 1.11-1.10 (m, 6H)。
【0127】
実施例2
5-((4-(4-ヒドロキシ-3-イソプロピルベンジル)-3,5-ジメチルフェノキシ)メチル)イソオキサゾール-3-オール(I2)
工程1 化合物14の合成
【化54】
0℃で、MeOH(75mL)中の化合物12(3.8g、49.3mmol、1.0当量)及びDBU(9g、59.1mmol、1.2当量)の溶液に、化合物13(7g、49.3mmol、1.0当量)を加え、混合物を0℃で30分間撹拌した。次に、反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を水(50mL)で希釈し、EA(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、乾燥し、濃縮し、そしてヘプタン/EA(3:1)を用いたシリカカラムにより精製して、化合物14を与えた(3g、白色の固体、収率42%)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 144.1;
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 11.92 (s, 1H), 6.76 (s, 1H), 3.87 (s, 3H)。
【0128】
工程2 化合物15の合成
【化55】
THF(25mL)中の化合物14(1g、6.99mmol、1.0当量)の溶液に、TEA(2.91ml、14mmol、2.0当量)、MOMCl(0.69ml、14mmol、2.0当量)を℃で加え、得られた溶液を室温で更に2時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EA(50mL×2)で抽出し、そして合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し、濃縮し、そしてヘプタン/EA(10:1)を用いたシリカカラムにより精製して、化合物15を与えた(1g、油性の液体、収率76%)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 188.1;
1H NMR (300MHz, CDCl
3) δ ppm: 6.57 (s, 1H), 5.29 (s, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.49 (s, 3H)。
【0129】
工程3 化合物16の合成
【化56】
THF(15mL)中の化合物15(1.0g、5.34mmol、1.0当量)の溶液に、LiAlH
4(305mg、8.01mmol、1.5当量)を0℃でゆっくりと加え、得られた溶液を室温で更に1時間攪拌した。反応混合物を水(40mL)で注意深くクエンチし、EA(30mL×2)で抽出し、そして合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し、濃縮し、そしてヘプタン/EA(5:1)を用いたシリカカラムにより精製して、化合物16を与えた(380mg、油性の液体、収率45%)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+= 160.1;
1HNMR (300MHz, CDCl
3) δppm: 5.97 (s, 1H), 5.29 (s, 2H), 4.65 (s, 2H), 3.53 (s, 3H)。
【0130】
工程4 化合物17の合成
【化57】
0℃で、DCM(10mL)中の化合物16(380mg、2.4mmol、1.0当量)及びPPh
3(940mg、3.6mmol、1.5当量)の溶液に、CBr
4(1.2g、3.6mmol、1.5当量)を加え、次に反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を濃縮し、そしてヘプタン/EA(3:1)を用いたシリカカラムにより精製して、化合物17を与えた(120mg 粗)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 222.0, 224.0;
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ ppm: 5.76 (s, 1H), 5.11 (s, 2H), 4.13 (s, 2H), 3.36 (s, 3H)。
【0131】
工程5 化合物18の合成
【化58】
トルエン(3mL)中の化合物17(120mg、0.54mmol、1.5当量)及び化合物8(114mg、0.36mmol、1.0当量)の溶液に、K
2CO
3(110mg、0.79mmol、2.2当量)及びTBAI(8mg、0.02mmol、0.06当量)を加えた。次に、反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EA(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(15mL)で洗浄し、乾燥し、濃縮し、そしてヘキサン/EA(1:1)を用いたシリカカラムにより精製して、化合物18を与えた(80mg、油性の液体、収率32%)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+= 456.2;
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δppm: 6.86-6.81 (m, 2H), 6.58-6.52 (m, 3H), 5.77 (s, 1H), 5.12-5.08 (m, 4H), 4.85 (s, 2H), 3.85 (s, 2H), 3.42-3.35 (m, 6H), 3.23-3.20 (m, 1H), 2.15 (s, 6H), 1.52 (s, 6H), 1.12-1.10 (m, 6H)。
【0132】
工程6 化合物I2の合成
【化59】
メタノール(2mL)中の化合物18(80mg、0.17mmol、1.0当量)の溶液に、6N HCl(2mL)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、水(2mL)で希釈し、そして酢酸エチル(2×5mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(5mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濃縮し、そしてpre-HPLCにより精製して、化合物I
2を与えた(24mg、白色の固体、収率40%)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 368.2;
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 11.31 (s, 1H), 8.97 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.72 (s, 1H), 6.61 (d, J =8.0 Hz, 1H), 6.45 (d, J =8.4 Hz, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.07 (s, 2H), 3.80 (s, 2H), 3.14-3.11 (m, 1H), 2.16 (s, 6H), 1.10-1.09 (m, 6H)。
【0133】
実施例3
2-(3,5-ジクロロ-4-((5-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I3)
工程1 4-ブロモ-3,5-ジクロロアニリンの合成(20):
【化60】
MeCN(100mL)中のN-ブロモスクシンイミド(14g、247mmol)の溶液を、0℃で、MeCN(300mL)中の3,5-ジクロロアニリン(40g、247mmol)の溶液に滴下した。次に、混合物を室温に温め、3時間撹拌した。反応の完了後、NaHCO
3水溶液(100mL)を加え、15分間撹拌し、次に濃縮した。残留物をEA(3×100mL)で抽出し、有機層を合わせ、そして濃縮した。残留物を、PEを用いたシリカゲルカラムにより精製して、所望の生成物の化合物20を与えた(45g、白色の固体、収率76%)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 239.9。
【0134】
工程2 化合物21の合成
【化61】
LiHMDS(55mL、134mmol、2.4M)を、-78℃で、THF(300mL)中の4-ブロモ-3,5-ジクロロアニリン(29g、87mmol)の溶液に滴下し、0.5時間撹拌した。次に、BnBr(30g、175mmol)を上記の溶液に滴下した。混合物を室温に温め、2時間撹拌した。反応の完了後、NH
4Cl水溶液(100mL)を加え、15分間撹拌した。次に、EA(3×100mL)で抽出し、有機層を合わせ、そして濃縮した。残留物を、PE/EA=30/1を用いたシリカカラムにより精製して、所望の生成物21を与えた(25.7g、白色の固体、収率51%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 10.13 (s, 1H), 7.38 (t, J = 7.3 Hz, 4H), 7.28 (dd, J = 15.0, 7.3 Hz, 6H), 6.79 (s, 2H), 4.88 (s, 4H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 420.0。
【0135】
工程3 化合物22の合成
【化62】
乾燥THF(200mL)中の21(20g、47mmol、1.0当量)の溶液に、n-BuLi(30mL、70mmol、2.4mol/L、1.5当量)を-78℃で加え、0.5時間撹拌した。次に、THF(30mL)中のN-ホルミルモルホリン(10.9g、95mmol、2.0当量)を-78℃で加え、1時間撹拌した。次に、混合物を室温に温め、一晩撹拌した。反応の完了後、水(100mL)を加えた。混合物をEA(3×100mL)で抽出し、有機層を合わせ、そして濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:EA=10:1)で精製して、所望の生成物22を与えた(10.2g、白色の固体、収率51%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 10.25 (s, 1H), 7.27 (dq, J = 14.3, 7.1 Hz, 6H), 7.11 (d, J = 7.2 Hz, 4H), 6.62 (s, 2H), 4.60 (s, 4H)。
【0136】
工程4 化合物23の合成
【化63】
乾燥THF(95mL)中の5-ブロモ-3-イソプロピル-2-メトキシピリジン(6.2g、25mmol、1.0当量)の溶液に、n-BuLi(12.8mL、30mmol、2.4mol/L、1.2当量)を-78℃で加え、0.5時間撹拌した。次に、THF(20mL)中の化合物22(9.5g、25mmol、1.0当量)を加え、-78℃で1時間撹拌した。次に、混合物を室温に温め、一晩撹拌した。反応の完了後、水(100mL)を加え、EA(3×100mL)で抽出し、有機層を合わせ、そして濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE/EA=5/1)で精製して、所望の生成物を与えた(5g、白色の固体、収率35%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.63 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.29 (t, J = 7.3 Hz, 4H), 7.22 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 7.3 Hz, 4H), 6.61 (s, 2H), 6.34 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 4.54 (s, 4H), 3.86 (s, 3H), 3.10 - 3.02 (m, 1H), 1.13 (dd, J = 6.8, 4.3 Hz, 6H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 523.1。
【0137】
工程5 化合物24の合成
【化64】
乾燥THF(10mL)中の化合物23(1g、1.92mmol、1.0当量)の溶液に、TFA(1.1g、9.6mmol、5当量)及びトリエチルシラン(1.1g、9.6mmol、5当量)を0℃で加え、0.5時間撹拌した。次に、混合物を室温に温め、一晩撹拌した。反応の完了後、反応混合物を濃縮した。得られた残留物をEA(3×50mL)で抽出し、有機層を合わせ、そして濃縮した。残留物を、PE/EA=1/5を用いたシリカカラムにより精製して、所望の生成物24を与えた(720mg、白色の固体、収率74%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.83 (s, 1H), 7.41-7.27 (m, 7H), 7.19 (d, J = 6.9 Hz, 4H), 6.70 (s, 2H), 4.59 (s, 4H), 4.12 (s, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.14-3.09 (m, 1H), 1.19 (d, J = 6.9, 6H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 507.1。
【0138】
工程6 化合物25の合成
【化65】
EtOAc(10mL)中の化合物24(1.0g、1.98mmol、1当量)の溶液に、Pd/C(0.2g、20% w/w)を加え、そして混合物を水素下、室温で撹拌した。出発物質が消失したことをHPLCが示した後に、固体を濾過により除去し、そして濾液を濃縮した。残留物を、PE/EA=1/1を用いたシリカカラムにより精製して、所望の生成物25を与えた(350mg、白色の固体、収率:54.3%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.11 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 6.65 (s, 2H), 4.07 (s, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.15-3.06 (m, 1H), 1.24 (d, J = 9.3, 6H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+= 327.0。
【0139】
工程7 化合物26の合成
【化66】
4N HCl(5mL)中の化合物25(350mg、1.07mmol、1.0当量)の溶液に、水(1.0mL)中のNaNO
2(104mg、1.5mmol、1.4当量)の溶液を0℃で滴下した。混合物を30分間撹拌し、EtOH(3mL)中のエチル (2-シアノアセチル)カルバマート(210mg 1.34mmol、1.125当量)とNaOAc(298mg、3.63mmol、3.375当量)との混合物を加えた。40分間撹拌した後、EtOHを真空下で除去し、水(10mL)及びDCM(20mL)を加え、有機層を濃縮して、所望の生成物を与えた(190mg、黄色の固体、収率:35.8%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 13.80 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.29 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.19 (s, 1H), 4.19 (dd, J = 14.3, 7.2 Hz, 2H), 4.09 (d, J = 11.7 Hz, 2H), 3.84 (d, J = 2.2 Hz, 3H), 3.02 (dd, J = 13.7, 6.9 Hz, 1H), 1.28 - 1.16 (m, 3H), 1.16 - 1.02 (m, 6H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 492.1。
【0140】
工程8 化合物27の合成
【化67】
AcOH(2mL)中の化合物26(190mg、0.386mmol、1.0当量)の溶液に、AcONa(158mg、1.93mmol、5.0当量)を加え、混合物を120℃に加熱した。1.5時間後、混合物を0℃に冷却し、そして水(10mL)で希釈した。沈殿物を濾過により収集し、所望の生成物27を与えた(160mg、白色の固体、収率92.9%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.77 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.70 (s, 2H), 7.47 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 4.24 (s, 2H), 3.84 (s, 4H), 3.06 (dp, J = 13.7, 6.6 Hz, 1H), 1.14 (d, J = 6.9 Hz, 6H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 446.3。
【0141】
工程9 化合物I3の合成
【化68】
ジオキサン(2mL)中の27(160mg、0.36mmol、1.0当量)の溶液に、HBr(319mg、1.79mmol、5.0当量、48%水溶液)を加え、60℃に加熱し、そして3時間撹拌した。HPLCが出発物質を示さなかったとき、水(10mL)を加え、そして混合物をDCM(3×10mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、分取HPLC(添加剤として水-0.1% TFA中の60% ACN)により精製して、所望の生成物I3を与えた(44mg、白色の固体、収率:28.4%)。
1H NMR (400 MHz, MeOD): δ ppm 7.72 (s, 2H), 7.44 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 4.17 (s, 3H), 3.16 - 3.02 (m, 1H), 1.16 (d, J = 6.9 Hz, 6H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 432.1。
【0142】
実施例4
2-(3,5-ジクロロ-4-((5-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I4)
工程1 化合物29の合成
【化69】
THF(20mL)中の5-イソプロピル-6-メトキシピリジン-3-オール(1.0g、5.98mmol、1.0当量)と28(1.35g、5.98mmol、1.0当量)との混合物に、t-BuOK(1.34g、11.96mmol、2.0当量)を加えた。混合物を窒素下、50℃で一晩撹拌した。HPLCが出発物質を示さなかったとき、水(50mL)を加え、そしてEA(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、MeOHでスラリー化することにより精製して、1.5gの所望の生成物29を黄色の固体として与えた、収率:70%。
1HNMR (300 MHz, CDCl
3-d
3) δ ppm: (s, 2H), 7.46 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.20-3.15 (m, 1H), 1.12 (d, J = 6.8 Hz, 6H)。
【0143】
工程2 化合物30の合成
【化70】
MeOH(15mL)中の29(1.5g、4.2mmol、1当量)の溶液に、Pd/C(0.3g、20% w/w)を加え、混合物を水素下、室温で撹拌した。出発物質が消失したことをHPLCが示した後に、固体を濾過により除去し、そして濾液を濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(PE:EA=1:1)で精製して、500mgの所望の生成物30を白色の固体として与えた、収率:36.3%。
【0144】
工程3 化合物31の合成
【化71】
濃HCl(0.84mL)及び水(2.16mL)中の30(480mg、1.47mmol、1.0当量)の溶液に、水(1.08mL)中のNaNO
2(141.45mg、2.02mmol、1.4当量)の溶液を0℃で滴下した。混合物を30分間撹拌し、EtOH(7.2mL)中のエチル (2-シアノアセチル)カルバマート(257.63mg 1.65mmol、1.125当量)とNaOAc(405.99mg、4.95mmol、3.375当量)との混合物を加えた。40分間撹拌した後、EtOHを真空下で除去し、水(10mL)及びDCM(40mL)を加え、有機層を濃縮して、600mgの粗生成物31を与え、これを精製することなく次の工程で使用することができる。
1HNMR (400 MHz, CDCl
3-d
3) δ ppm: (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.38-7.33 (m, 1H), 7.14 (s, 2H), 7.08 (s, 1H), 4.28 (q, J = 6.8 Hz,2H), 3.85 (s, 3H), 3.08 (s, 1H), 1.29 (t, J = 6.8 Hz,3H), 1.12 (d, J = 6.8 Hz, 6H)。
【0145】
工程4 化合物32の合成
【化72】
AcOH(12mL)中の31(600mg、1.2mmol、1.0当量)の溶液に、AcONa(497.76mg、6.07mmol、5.0当量)を加え、混合物を120℃に加熱した。1.5時間後、混合物を0℃に冷却し、そして水(36mL)で希釈した。沈殿物を濾過により収集し、430mgの所望の生成物32を、白色の固体として、30から2工程の収率:65.3%を与えた。LCMS: [M-1] = 448.0。
1HNMR (400 MHz, CDCl3-d
3) δ ppm: 7.58 (s, 2H), 7.39 (s, 1H), 7.20 (s, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.10-3.07 (m, 1H), 1.13 (d, J = 6.8 Hz, 6H)。
【0146】
工程5 化合物I4の合成
【化73】
ジオキサン(6mL)中の32(170mg、0.38mmol、1.0当量)の溶液に、HBr(319mg、1.89mmol、5.0当量、60%水溶液)を加え、60℃に加熱し、そして3時間撹拌した。HPLCが出発物質を示さなかったとき、水(10mL)を加え、そしてDCM(3×10mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、分取HPLC(溶離剤として0.1% TFA及びMeCN)により精製して、62mgの所望の生成物I4を白色の固体として与えた、収率:37.6%。LCMS: [M-1] = 434.0。
1HNMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: (br, 1H), 7.78 (s, 2H), 7.71 (s, 1H), 7.27 (d, J = 3 Hz, 1 H), 6.70 (d, J = 3 Hz, 1 H), 3.02-2.97 (m, 1H), 1.13 (d, J = 6.9 Hz, 6H)。
【0147】
実施例5
2-(3-クロロ-4-((5-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I5)
工程1 化合物33の合成
【化74】
THF(20mL)中の5-イソプロピル-6-メトキシピリジン-3-オール(1.0g、5.95mmol、1.0当量)と2-クロロ-1-フルオロ-4-ニトロベンゼン(1.05g、5.95mmol、1.0当量)との混合物に、t-BuOK(1.33g、11.90mmol、2.0当量)を室温で加えた。混合物を50℃で一晩撹拌した。出発物質が存在しないことをHPLCが示したとき、混合物を室温に冷やし、水(50mL)を加え、そしてEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、PE/EA=100/1を用いたシリカカラムにより精製して、所望の生成物33を与えた(890mg、黄色の固体、収率:47%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.31 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.98 (dd, J = 9.1, 2.7 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.14-3.11 (m, 1H), 1.14 (d, J = 6.9 Hz, 6H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+= 322.8。
【0148】
工程2 化合物34の合成
【化75】
EtOAc(10mL)中の33(890mg、2.81mmol、1当量)の溶液に、Pd/C(0.2g、20% w/w)を加え、混合物を水素下、室温で撹拌した。出発物質が消失したことをHPLCが示した後に、固体を濾過により除去し、濾液を濃縮して、所望の生成物34を与えた(745mg、黒色の油状物、収率:86%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.53 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.74-6.64 (m, 2H), 6.46 (dd, J = 8.7, 2.7 Hz, 1H), 3.84 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 3.11-3.01 (m, 1H), 1.11 (d, J = 6.9 Hz, 6H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 292.9。
【0149】
工程3 化合物35の合成
【化76】
4N HCl(10mL)中の34(745mg、2.55mmol、1.0当量)の溶液に、水(2.0mL)中のNaNO
2(246.5mg、3.57mmol、1.4当量)の溶液を0℃で滴下した。混合物を30分間撹拌し、ピリジン(5mL)中のエチル (2-シアノアセチル)カルバマート(448.5mg,2.87mmol、1.125当量)の混合物を加えた。40分間撹拌した後、水(10mL)及びEtOAc(20mL)を加えた。有機層を乾燥し、濃縮して、所望の生成物35(780mg、粗)を与え、次の工程にそのまま使用した。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 459.8。
【0150】
工程4 化合物36の合成
【化77】
AcOH(10mL)中の35(780mg、1.7mmol、1.0当量)の溶液に、AcONa(697mg、8.49mmol、5.0当量)を加え、混合物を120℃に加熱した。1.5時間後、混合物を0℃に冷却し、水(10mL)で希釈し、沈殿物を濾過により収集し、所望の生成物36(530mg、粗)を与え、精製することなく次の工程にそのまま使用した。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 413.8。
【0151】
工程5 化合物I5の合成
【化78】
ジオキサン(8mL)中の36(530mg、1.28mmol、1.0当量)の溶液に、HBr(2ml、48%水溶液)を加え、60℃に加熱し、そして3時間撹拌した。HPLCが出発物質を示さなかったとき、水(10mL)を混合物に加え、そして混合物をEA(3×10mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、分取HPLC(添加剤として水-0.1% TFA中の40% ACN)により精製して、所望の生成物I5を与えた(23.8mg、赤色の固体、3工程の収率:2.3%)。
1H NMR (400 MHz, MeOD
4) δ ppm 7.74 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.47 (dd, J = 8.9, 2.5 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 3.15 (dt, J = 13.7, 6.8 Hz, 1H), 1.20 (t, J = 8.2 Hz, 6H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 399.8
【0152】
実施例6
2-(4-((5-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)オキシ)-3,5-ジメチルフェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I6)
工程1 化合物37の合成
【化79】
THF(20mL)中の5-イソプロピル-6-メトキシピリジン-3-オール(1.0g、5.98mmol、1.0当量)と2-フルオロ-1,3-ジメチル-5-ニトロベンゼン(1.0g、5.98mmol、1.0当量)との混合物に、t-BuOK(1.33g、11.90mmol、2.0当量)を加えた。混合物を窒素下、50℃で一晩撹拌した。HPLCが出発物質を示さなかったとき、水(50mL)を混合物に加え、そして混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、シリカカラム(PE/EA=100/1)により精製して、所望の生成物37(670mg、収率:36%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.94 (s, 2H), 7.25 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 3.87 (d, J = 4.2 Hz, 3H), 3.18 - 2.97 (m, 1H), 2.16 (d, J = 4.0 Hz, 6H), 1.13 (dd, J = 6.8, 4.2 Hz, 6H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 316.9。
【0153】
工程2 化合物38の合成
【化80】
EtOAc(10mL)中の37(890mg、2.81mmol、1当量)の溶液に、Pd/C(0.2g、20% w/w)を加え、混合物を水素下、室温で撹拌した。出発物質が消失したことをHPLCが示した後に、固体を濾過により除去し、濾液を濃縮して、所望の生成物38(560mg、収率:69.5%)を白色の固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.31 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.57 (s, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.04 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 2.02 (d, J = 10.0 Hz, 6H), 1.11 (dd, J = 6.8, 2.3 Hz, 6H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 287.0。
【0154】
工程3 化合物39の合成
【化81】
4N HCl(5mL)中の38(550mg、1.92mmol、1.0当量)の溶液に、水(1mL)中のNaNO
2(185mg、2.69mmol、1.4当量)の溶液を0℃で滴下した。混合物を30分間撹拌し、ピリジン(3mL)中のエチル (2-シアノアセチル)カルバマート(338mg,2.16mmol、1.125当量)の混合物を加えた。40分間撹拌した後、水(10mL)及びEtOAc(20mL)を加えた。有機層を乾燥し、濃縮して、所望の生成物39(810mg、粗)を与え、これを精製することなく次の工程にそのまま使用した。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 453.9。
【0155】
工程4 化合物40の合成
【化82】
AcOH(10mL)中の39(810mg、1.79mmol、1.0当量)の溶液に、AcONa(733mg、8.93mmol、5.0当量)を加え、混合物を120℃に加熱した。1.5時間後、混合物を0℃に冷却し、そして水(10mL)で希釈した。沈殿物を濾過により収集して、所望の生成物40(610mg、粗)を与え、精製することなく次の工程にそのまま使用した。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 408.0。
【0156】
工程5 化合物I6の合成
【化83】
ジオキサン(8mL)中の40(610mg、1.49mmol、1.0当量)の溶液に、HBr(48%水溶液、2mL)を加え、60℃に加熱し、そして3時間撹拌した。HPLCが出発物質を示さなかったとき、水(10mL)を加え、そしてEA(3×10mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、分取HPLC(添加剤として水-0.1% TFA中の40% ACN)により精製して、所望の生成物I6(62mg、3工程で8.2%)を白色の固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ ppm 13.03 (s, 1H), 11.10 (brs, 1H), 7.40-7.12 (m, 3H), 6.30 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 3.08-2.89 (m, 1H), 2.16 (s, 6H), 1.13 (d, J = 6.9 Hz, 6H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 393.8
【0157】
実施例7
2-(3,5-ジフルオロ-4-((5-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I7).
工程1 化合物41の合成
【化84】
THF(20mL)中の5-イソプロピル-6-メトキシピリジン-3-オール(500mg、2.99mmol、1.0当量)と1,2,3-トリフルオロ-5-ニトロベンゼン(529mg、2.99mmol、1.0当量)との混合物に、t-BuOK(0.77g、5.98mmol、2.0当量)を加え、混合物を窒素下、50℃で一晩撹拌した。HPLCが出発物質を示さなかったとき、水(50mL)を加え、そしてEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、MeOHでスラリー化することにより精製して、所望の生成物41(350mg、収率:36%)を黄色の固体として与えた。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+= 324.8。
【0158】
工程2 化合物42の合成
【化85】
EtOAc(10mL)中の41(200mg、0.617mmol、1当量)の溶液に、Pd/C(30mg、20% w/w)を加え、そして混合物を水素下、室温で撹拌した。出発物質が消失したことをHPLCが示した後に、固体を濾過により除去し、そして濾液を濃縮した。残留物を、PE/EA=1/1を用いたシリカカラムにより精製して、所望の生成物42を与えた(130mg、白色の固体、収率:71%)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+= 294.9。
【0159】
工程3 化合物43の合成
【化86】
4N HCl(3mL)中の42(70mg、0.238mmol、1.0当量)の溶液に、水(1.0mL)中のNaNO
2(23mg、0.333mmol、1.4当量)の溶液を0℃で滴下した。混合物を30分間撹拌し、EtOH(2mL)中のエチル (2-シアノアセチル)カルバマート(41.8mg 0.268mmol、1.125当量)とNaOAc(65.88mg、0.80mmol、3.375当量)との混合物を加えた。40分間撹拌した後、EtOHを真空下で除去し、水(10mL)及びDCM(20mL)を加え、有機層を濃縮して、所望の生成物43を与えた(39mg、黄色の固体、収率:35.8%)。
【0160】
工程4 化合物44の合成
【化87】
AcOH(2mL)中の43(70mg、0.152mmol、1.0当量)の溶液に、AcONa(62.32mg、0.76mmol、5.0当量)を加え、混合物を120℃に加熱した。1.5時間後、混合物を0℃に冷却し、そして水(10mL)で希釈し、沈殿物を濾過により収集して、所望の生成物44を与えた(60mg、白色の固体、収率95%)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+= 415.8。
【0161】
工程5 化合物I7の合成
【化88】
ジオキサン(2mL)中の44(60mg、0.144mmol、1.0当量)の溶液に、HBr(1.2ml、0.72mmol、5.0当量、48%水溶液)を加え、60℃に加熱し、そして3時間撹拌した。HPLCが出発物質を示さなかったとき、水(10mL)を加え、そしてDCM(3×10mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、分取HPLC(添加剤として水-0.1% TFA中の40% ACN)により精製して、所望の生成物I7を与えた(3.3mg、白色の固体、収率:6.5%)。
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 7.45 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.42 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 3.12 (dt, J = 13.7, 6.8 Hz, 1H), 1.20 (d, J = 6.9 Hz, 6H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 402.1。
【0162】
実施例8
2-(3,5-ジクロロ-4-((3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I8)
工程1 化合物46の合成
【化89】
THF(400mL)中の45(40g、160mmol、1当量)とt-BuOK(26.88g、240mmol、1.5当量)との懸濁液を、室温で1時間撹拌し、次に臭化アリル(21.13g、174.67mmol、1.1当量)を滴下した。混合物を室温で一晩撹拌した。LCMSが出発物質を示さなかったとき、水(500mL)を加え、そしてEtOAc(3×500mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(PE/EA=20/1)に付して、化合物46(24g、52%)を無色の液体として与えた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.00 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 5.89 (m, 1H), 5.11 (m, 2H), 5.04 (s, 1H), 4.02-3.97 (m, 2H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 292.7。
【0163】
工程2 化合物47の合成
【化90】
MeCN(200ml)中の46(13g、44.8mmol、1当量)の混合物に、Pd(OAc)
2(542mg、2.24mmol、0.05当量)、トリス(2-メチルフェニル)ホスフィン(1.64g、5.38mmol、0.12当量)及びTEA(13.6g、134.4mmol、3当量)を加え、次に混合物を加熱還流し、そして5時間攪拌した。LCMSが出発物質を示さなかったとき、混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を濃縮して、粗生成物を与え、これをシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=15/1)により精製して、47(4g、42%)を白色の固体として与えた。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 212.8;
【0164】
工程3 化合物48の合成
【化91】
ジクロロメタン(20mL)中の47(1.4g、6.67mmol、1当量)、DMAP(81.4mg、0.67mmol、0.1当量)及びTEA(1.35g、13.34mmol、2当量)の溶液に、(Boc)
2O(1.74g、8mmol、1.2当量)を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、DCM(50mL)と水(50mL)で分配した。有機層をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、蒸発乾固して、48(1.2g、58%)を白色の固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.44 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 2.16 (d, J = 1.2 Hz, 3H), 1.58 (s, 9H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 313.0。
【0165】
工程4 化合物49の合成
【化92】
ジオキサン(40mL)中の48(3.5g、11.3mmol、1当量)の溶液に、KOAc(3.32mg、33.8mmol、3当量)、ビス(ピナコラト)ジボロン(8.6g、33.8mmol、3当量)及びPd(dppf)Cl
2(461mg、5.65mmol、0.05当量)を加えた。混合物にN
2を3回入れ、80℃で一晩撹拌した。次に、反応物を室温まで冷やし、セライトパッドで濾過し、濾液を濃縮して、さらに精製することなく粗生成物49(5.5g、粗)を得た。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 276.1。
【0166】
工程5 化合物50の合成
【化93】
H
2O(100mL)中の過ホウ酸ナトリウム四水和物(8.33g、54.2mmol、3当量)の懸濁液を0℃に冷却し、THF(10mL)中の49の溶液に滴下した。2時間後、反応を完了し、セライトパッドで濾過した。濾液をEtOAc(3×100mL)で抽出した。有機相を濃縮して、粗生成物50を与えた。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 248.9。
【0167】
工程6 化合物51の合成
【化94】
アセトン(20mL)中の50(1.7g、6.88mmol、1.0当量)と1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-ニトロベンゼン(1.45g、6.88mmol、1.0当量)との混合物に、K
2CO
3(1.89g、13.76mmol、2.0当量)を加えた。混合物を窒素下、50℃で4時間撹拌した。HPLCが出発物質を示さなかったとき、水(50mL)を反応物に加え、そして混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(PE/EA=3/1)に付して、所望の生成物51(2.2g、収率:73%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.26 (s, 2H), 8.15 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.11 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 2.12 (s, 3H), 1.58 (s, 9H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 439.7。
【0168】
工程7 化合物52の合成
【化95】
EtOAc(15mL)中の51(1g、2.29mmol、1当量)の溶液に、PtO
2(0.1g)を加え、混合物を水素下、室温で撹拌した。出発物質が消失したことをHPLCが示した後に、固体を濾過により除去し、濾液を濃縮して、所望の生成物52(900mg、収率:95%)を白色の固体として与えた。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+= 409.8;
【0169】
工程8 化合物53の合成
【化96】
4N HCl(10mL)中の52(400mg、0.98mmol、1.0当量)の溶液に、0℃で、水(1.0mL)中のNaNO
2(94.7mg、1.37mmol、1.4当量)の溶液を滴下した。混合物を30分間撹拌し、ピリジン(2.0mL)中のエチル (2-シアノアセチル)カルバマート(172mg,1.103mmol、1.125当量)の混合物を加えた。一晩撹拌した後、水(10mL)及びEtOAc(20mL)を加えた。有機層を乾燥し、濃縮して、所望の生成物53(400mg、粗)を与え、これを次の工程にそのまま使用した。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 476.7;
【0170】
工程9 化合物I8の合成
【化97】
AcOH(10mL)中の53(400mg、0.842mmol、1.0当量)の溶液に、NaOAc(345mg、4.20mmol、5.0当量)を加え、混合物を120℃に加熱した。1.5時間後、混合物を0℃に冷却し、水(10mL)で希釈し、沈殿物を濾過により収集して、粗生成物(380mg、粗)を与え、これを分取HPLC(添加剤として水-0.1% TFA中の35% ACN)により精製して、所望の生成物I8(91mg、収率:25%)を白色の固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ ppm 13.30 (s, 1H), 11.38 (s, 1H), 8.02 (t, J = 12.3 Hz, 1H), 7.82 (s, 2H), 7.41-7.21 (m, 2H), 2.17 (s, 3H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 428.9。
【0171】
実施例9
2-(4-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)オキシ)-3,5-ジクロロフェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I9).
工程1 化合物55の合成
【化98】
DCM(50.0mL)中の54(4.8g、35.5mmol、1当量)及びDMAP(433mg、3.55mmol、0.1当量)の溶液に、(Boc)
2O(23.25g、106.7mmol、3当量)を加え、続いてこれを室温で4時間撹拌した。次に、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物をメタノール(150mL)に溶解し、炭酸カリウム(24.5g、177.5mmol、5当量)を加え、続いて室温で4時間撹拌した。混合物に酢酸(9.0mL)を加えて中和し、次に水を加え、続いて酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和ブラインで洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA=1/1)により精製して、55(4g、47%)を与えた。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ ppm 11.29 (s, 1H), 7.83 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.34 (t, J = 2.9 Hz, 1H), 6.26 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 1.89 (s, 9H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 235.1。
【0172】
工程2 化合物56の合成
【化99】
THF(40mL)中の55(2.0g、8.5mmol、1.0当量)と1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-ニトロベンゼン(1.79g、8.5mmol、1.0当量)との混合物に、t-BuOK(1.91g、17mmol、2.0当量)を加えた。混合物を窒素下、50℃で一晩撹拌した。HPLCが出発物質を示さなかったとき、混合物に水(50mL)を加え、次にEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、シリカカラム(PE/EA=100/1)により精製して、所望の生成物56を与えた(1.3g、黄色の固体、収率:36%)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 425.6。
【0173】
工程3 化合物57の合成
【化100】
EtOAc(25mL)中の56(1.2g、2.83mmol、1当量)の溶液に、Pd/C(0.2g、20% w/w)を加え、混合物を水素下、室温で撹拌した。出発物質が消失したことをHPLCが示した後に、沈殿物を濾過により除去し、そして濾液を濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物57を与えた(180mg、白色の固体、収率:16%)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+= 395.8。
【0174】
工程4 化合物58の合成
【化101】
4N HCl(5mL)中の57(180mg、0.456mmol、1.0当量)の溶液に、水(1.0mL)中のNaNO
2(46mg、0.667mmol、1.4当量)の溶液を0℃で滴下した。混合物を30分間撹拌し、ピリジン(1.5mL)中のエチル (2-シアノアセチル)カルバマート(83.67mg,0.536mmol、1.125当量)の混合物を加えた。40分間撹拌した後、水(10mL)及びEtOAc(20mL)を加えた。有機層を乾燥し、濃縮して、所望の生成物(100mg、粗)58を与え、これを次の工程にそのまま使用した。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 462.9。
【0175】
工程5 化合物I9の合成
【化102】
AcOH(10mL)中の58(100mg、0.218mmol、1.0当量)の溶液に、NaOAc(89.13mg、1.08mmol、5.0当量)を加え、混合物を120℃に加熱した。1.5時間後、反応混合物を0℃に冷却し、水(30mL)で希釈し、そしてEtOAc(3×30mL)で抽出した。有機層を乾燥し、濃縮して、粗生成物(30mg)を与え、これを分取HPLC(添加剤として水-0.1% TFA中の35% ACN)により精製して、所望の生成物I9を与えた(1.9mg、白色の固体、収率:2.1%)。
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 8.03 (s, 1H), 7.80 (s, 2H), 7.43-7.40 (m, 2H), 6.43 (d, J= 3.4 Hz, 1H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 414.7。
【0176】
実施例10
2-(3-クロロ-5-フルオロ-4-((5-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I10)
工程1 化合物59の合成
【化103】
アセトン(10mL)中の5-イソプロピル-6-メトキシピリジン-3-オール(500mg、2.97mmol、1.0当量)と1-クロロ-2,3-ジフルオロ-5-ニトロベンゼン(574mg、2.97mmol、1.0当量)との混合物に、K
2CO
3(821mg、5.95mmol、2.0当量)を室温で加えた。混合物を50℃で2時間撹拌した。LCMSが出発物質を示さなかったとき、水(50mL)を加え、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、PE/EA=100/1を用いたシリカカラムにより精製して、所望の生成物59を与えた(830mg、黄色の固体、収率:82%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.22-8.11 (m, 1H), 7.93 (dd, J = 9.6, 2.6 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 7.13 (d, J= 2.8 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.09 (dt, J= 13.8, 6.9 Hz, 1H), 1.13 (d, J= 6.9 Hz, 6H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 340.8。
【0177】
工程2 化合物60の合成
【化104】
EtOAc(10mL)中の59(830mg、2.44mmol、1当量)の溶液に、PtO
2(0.16g、20% w/w)を加え、混合物を水素下、室温で撹拌した。出発物質が消失したことをLCMSが示した後に、固体を濾過により除去し、濾液を濃縮して、所望の生成物60を与えた(640mg、黒色の油状物、収率:84%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.47 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 6.52-6.43 (m, 1H), 6.33 (dd, J = 11.4, 2.6 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.13-2.98 (m, 1H), 1.12 (d, J = 6.9 Hz, 6H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+= 311.0。
【0178】
工程3 化合物61の合成
【化105】
4N HCl(5mL)中の60(350mg、1.13mmol、1.0当量)の溶液に、水(2.0mL)中のNaNO
2(109mg,1.58mmol、1.4当量)の溶液を0℃で滴下した。混合物を30分間撹拌し、ピリジン(2mL)中のエチル (2-シアノアセチル)カルバマート(198.4mg,1.27mmol、1.125当量)の混合物を加えた。40分間撹拌した後、LCMSは出発物質が消失したことを示した。混合物を水(10mL)及びEtOAc(20mL)で希釈した。有機層を乾燥し、濃縮して、所望の生成物61(430mg、粗)を与え、次の工程にそのまま使用した。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+= 478.0。
【0179】
工程4 化合物62の合成
【化106】
AcOH(5mL)中の61(430mg、0.9mmol、1.0当量)の溶液に、AcONa(369.6mg、4.5mmol、5.0当量)を加え、そして混合物を120℃に加熱した。1.5時間後、LCMSは出発物質が消失したことを示した。混合物を0℃に冷却し、水(10mL)で希釈し、沈殿物を濾過により収集して、所望の生成物62(460mg、粗)を与え、これを精製することなく次の工程にそのまま使用した。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 431.8
【0180】
工程5 化合物I10の合成
【化107】
ジオキサン(8mL)中の62(460mg、1.06mmol、1.0当量)の溶液に、HBr(2mL、48%水溶液)を加えた。反応混合物を60℃に加熱し、5時間撹拌した。HPLCが出発物質の存在を示さなかったとき、混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、分取HPLC(添加剤として水-0.1% TFA中の40% ACN)により精製して、所望の生成物I10を与えた(81mg、赤色の固体、3工程で17%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ ppm 13.24 (s, 1H), 7.64-7.60 (m, 2H), 7.29 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 3.04-2.94 (m, 1H), 1.12 (d, J = 6.9 Hz, 6H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 417.9。
【0181】
実施例11
2-(3,5-ジクロロ-4-((5-シクロプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I11)
工程1 化合物63の合成
【化108】
DME(200mL)及びH
2O(40mL)中の3-ブロモ-2-メトキシピリジン(20g、0.11mmol、1.0当量)、シクロプロピルボロン酸(13.7g、0.16mmol、1.5当量)及びK
2CO
3(73.4g、0.53mmol、5.0当量)の混合物に、Pd(dppf)Cl
2-CH
2Cl
2(8.68g、0.01mmol、0.1当量)を加え、そして混合物にN
2を3回入れ、窒素下、80℃で一晩攪拌した。出発物質が消失したことをTLCが示した後に、混合物を室温に冷やし、そして水(100ml)を加えた。混合物をEtOAc(4×100mL)で抽出し、有機層を合わせ、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE)により精製して、所望の生成物63(11.8g、収率:74%)を褐色の油状物として与えた。
1HNMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.89 (dd, J = 4.9, 1.4 Hz, 1H), 7.03 (dd, J = 7.3, 1.1 Hz, 1H), 6.71 (dd, J = 7.2, 5.0 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H), 1.99 (ddd, J = 8.4, 5.1, 3.2 Hz, 1H), 0.92-0.82 (m, 2H), 0.63-0.48 (m, 2H)。LCMS: [M+1] = 149.9。
【0182】
工程2 化合物64の合成
【化109】
AcOH(70mL、2.2当量)中の63(6.5g、43.6mmol、1.0当量)及びNaOAc(7.87g、95.97mmol)の溶液に、Br
2(6.28g,39.26mmol、0.9当量)を室温で加え、混合物を30分間撹拌した。HPLCが出発物質を示さなかった後に、水(300mL)を加え、混合物をEtOAc(4×100mL)で抽出し、重炭酸ナトリウム溶液により洗浄した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE)により精製してpurificated、3.9gの所望の生成物64を油状物として与えた、収率:39%。
1HNMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.00 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H), 2.08-2.01 (m, 1H), 1.09 - 0.90 (m, 2H), 0.75 - 0.59 (m, 2H)。LCMS: [M+1] = 227.8。
【0183】
工程3 化合物65の合成
【化110】
乾燥ジオキサン(20mL)中の64(2g、8.7mmol、1.0当量)、KOAc(2.58mL、26.3mmol、3.0当量)及びビス(ピナコラト)ジボロン(6.68g、26.3mmol、3.0当量)の溶液に、Pd(dppf)Cl
2-CH
2Cl
2(358mg、0.44mmol、0.05当量)を加えた。混合物をN
2下、80℃で一晩撹拌した。LCMSが出発物質を示さなかった後に、固体を濾過により除去し、そしてEtOAc(3×20mL)で洗浄し、有機層を合わせ、濃縮して、所望の生成物65(2.4g、粗)を与え、これを次の工程にそのまま使用した。LCMS: [M+1] = 276.1。
【0184】
工程4 化合物66の合成
【化111】
水(40mL)中の過ホウ酸ナトリウム四水和物(4.1g、26.64mmol、3.0当量)の溶液に、0℃で、THF(30mL)中の65(2.4g、粗)の溶液を滴下した。次に、混合物を室温で3時間撹拌した。LCMSが出発物質を示さなかった後に、固体を濾過により除去し、そして濾液をEtOAc(4×30mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(C18カラム、水中5%~90% ACN)により精製して、所望の生成物66を与えた(1.0g、褐色のガム状物、2工程で収率69%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.52 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 3.88 (s, 3H), 2.06-1.87 (m, 1H), 0.96-0.81 (m, 2H), 0.64-0.48 (m, 2H)。LCMS: [M+1] = 165.9。
【0185】
工程5 化合物67の合成
【化112】
アセトン(20mL)中の66(1.0g、6.06mmol、1.0当量)と1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-ニトロベンゼン(1.27g、6.06mmol、1.0当量)との混合物に、K
2CO
3(1.67g、12.12mmol、2.0当量)を室温で加えた。混合物を窒素下、50℃で一晩撹拌した。LCMSが出発物質を示さなかったとき、水(50mL)加え、そしてEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、シリカカラム(PE/EA=50/1)により精製して、所望の生成物67を与えた(1.3g、黄色の固体、収率:61%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ ppm 8.52 (s, 2H), 7.51 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H), 2.12-1.90 (m, 1H), 1.08-0.85 (m, 2H), 0.79-0.58 (m, 2H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 356.7。
【0186】
工程6 化合物68の合成
【化113】
EtOAc(10mL)中の67(620mg、1.75mmol、1当量)の溶液に、PtO
2(0.12g、20% w/w)を加え、混合物を水素下、室温で撹拌した。出発物質が消失したことをLCMSが示した後に、固体を濾過により除去し、濾液を濃縮して、所望の生成物68を与えた(530mg 粗、黄色の固体)。
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ ppm 7.37 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.75 (s, 2H), 5.71 (s, 2H), 3.89 (s, 3H), 2.04 (dd, J= 9.4, 4.0 Hz, 1H), 1.05-0.88 (m, 2H), 0.78-0.61 (m, 2H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 327.0。
【0187】
工程7 化合物69の合成
【化114】
0℃で、4N HCl(10mL)中の68(530mg、1.63mmol、1.0当量)の溶液に、水(1.0mL)中のNaNO
2(158mg、2.29mmol、1.4当量)の溶液を滴下した。混合物を30分間撹拌し、ピリジン(3mL)中のエチル (2-シアノアセチル)カルバマート(287.5mg,1.84mmol、1.125当量)の溶液を滴下した。40分間撹拌した後、LCMSは出発物質が消失したことを示した;混合物を水(10mL)及びEtOAc(20mL)で希釈した。有機層を乾燥し、濃縮して、所望の生成物69(340mg、粗)を与え、これを精製することなく次の工程にそのまま使用した。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 493.7。
【0188】
工程8 化合物70の合成
【化115】
AcOH(5mL)中の69(340mg、0.691mmol、1.0当量)の溶液に、AcONa(283mg、3.45mmol、5.0当量)を加えた。混合物を120℃に加熱した。1.5時間後、LCMSは出発物質が消失したことを示し、混合物を0℃に冷却し、そして水(10mL)で希釈し、沈殿物を濾過により収集して、所望の生成物70(400mg、粗)を与え、精製することなく次の工程にそのまま使用した。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 447.7
【0189】
工程9 化合物I11の合成
【化116】
ジオキサン(8mL)中の70(400mg、0.928mmol、1.0当量)の溶液に、HBr(2mL、48%水溶液)を加え、60℃に加熱し、そして3時間撹拌した。HPLCが出発物質を示さなかったとき、水(10mL)を加え、そしてEtOAc(3×10mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、分取HPLC(添加剤として水-0.1% TFA中の60% ACN)により精製して、所望の生成物I11を与えた(47mg、黄白色の固体、3工程で6.6%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 13.26 (s, 1H), 11.27 (s, 1H), 7.77 (s, 2H), 7.02 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.64 (s, 1H), 1.99 (dd, J = 9.4, 4.2 Hz, 1H), 0.96-0.78 (m, 2H), 0.72 (q, J = 6.0 Hz, 2H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 433.7
【0190】
実施例12
2-(3,5-ジクロロ-4-((3-メチル-1H-インドール-5-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I12)
工程1 化合物72の合成
【化117】
塩化オキサリル(12.12g、95.5mmol、0.71当量)を、0℃で撹拌しながらDMF(200mL)に滴下法で加えた。混合物を室温まで放温し、1時間撹拌した。0℃まで冷却した後、DMF(150mL)中の71(30g、134.5mmol、1当量)の溶液を滴下した。得られた反応混合物を室温で5時間撹拌し、次に水酸化ナトリウム溶液(25mL)を加えた。反応混合物を100℃で10分間撹拌した。室温に冷やした後、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。残留物を、再結晶化(抽出剤として石油エーテル及び酢酸エチルを用いる)により精製して、アルデヒド生成物(12g、粗)を与えた。THF(60mL)中の得られたアルデヒド生成物(12g、粗)の溶液を、乾燥した丸底フラスコ中で、再蒸留した乾燥THF(150mL)中のLiAlH
4(3.8g、10mmol)の混合物に滴下した。混合物を室温で一晩撹拌した後、水(3.8mL)を注意深く加え、そして反応混合物を5分間撹拌した。得られた固体を濾過により除去し、酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(PE:EA=3:1)により精製して、72(5.2g、16.3%)を与えた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.71 (s, 1H), 7.42 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.32 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.25 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.18 (s, 1H), 7.04 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.86 (dd, J = 10.2, 3.7 Hz, 2H), 5.04 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 2.22 (s, 3H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 238.2。
【0191】
工程2 化合物73の合成
【化118】
ジクロロメタン(50ml)中の72(5.2g、21.9mmol、1当量)、DMAP(267mg、2.19mmol、0.1当量)及びTEA(4.43g、43.88mmol、2当量)の溶液に、(Boc)
2O(5.73g、26.28mmol、1.2当量)を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。反応溶液を水に注ぎ、DCM(100ml)と水(50ml)で分配した。有機層をブライン(50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、そして蒸発させた。残留物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(PE:EA=5:1)により精製して、73(5.6g、75.7%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.92 (s, 1H), 7.39 (d, J= 7.3 Hz, 2H), 7.31 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.24 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 6.98 - 6.81 (m, 2H), 5.04 (d, J= 5.9 Hz, 2H), 2.14 (s, 3H), 1.57 (s, 9H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 338.1。
【0192】
工程3 化合物74の合成
【化119】
MeOH(50mL)中の73(5g、14.8mmol、1.0当量)の溶液に、Pd/C(0.5g)を加え、混合物を水素下、室温で一晩撹拌した。出発物質が存在しないことをHPLCが示した後に、固体を濾過により除去し、濾液を濃縮し、そして残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(PE:EA=1:1)により精製して、所望の生成物74(2g、54.5%)を灰色の固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.88 (s, 1H), 7.25 (s, 1H), 6.83 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.75 (dd, J = 8.8, 2.5 Hz, 1H), 2.12 (d, J = 1.2 Hz, 3H), 1.57 (s, 9H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 248.1。
【0193】
工程4 化合物75の合成
【化120】
アセトン(20mL)中の74(1.0g、4mmol、1.0当量)と1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-ニトロベンゼン(850mg、4.04mmol、1.0当量)との混合物に、K
2CO
3(1.12g、8.1mmol、2.0当量)を加えた。混合物を窒素下、50℃で4時間撹拌した。HPLCが出発物質を示さなかったとき、水(50mL)を加え、そして混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(PE:EA=10:1)により精製して、所望の生成物75(1.4g、収率:79.1%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.25 (s, 2H), 8.05-7.89 (m, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.77 (dt, J = 8.8, 2.2 Hz, 2H), 2.11 (d, J = 1.1 Hz, 3H), 1.58 (d, J = 6.7 Hz, 9H)。
【0194】
工程5 化合物76の合成
【化121】
EtOAc(10mL)中の75(700mg、1.6mmol、1当量)の溶液に、PtO
2(70mg)を加え、混合物を水素下、室温で撹拌した。出発物質が消失したことをHPLCが示した後に、固体を濾過により除去し、濾液を濃縮して、所望の生成物76を与えた(550mg、白色の固体、収率:84%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.93 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 7.26 (s, 1H), 6.86 - 6.73 (m, 2H), 6.70 (s, 2H), 2.12 (t, J = 4.5 Hz, 3H), 1.57 (d, J= 7.1 Hz, 9H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 407.0。
【0195】
工程6 化合物77の合成
【化122】
4N HCl(10mL)中の76(670mg、1.64mmol、1.0当量)の溶液に、水(1.0mL)中のNaNO
2(159mg、2.3mmol、1.4当量)の溶液を0℃で滴下した。混合物を30分間撹拌し、ピリジン(2mL)中のエチル (エチル(2-シアノアセチル)カルバマート(289.3mg,1.85mmol、1.125当量)の混合物を加えた。一晩撹拌した後、水(10mL)及びEtOAc(20mL)を加えた。有機層を乾燥し、濃縮して、所望の生成物77(550mg、粗)を与え、これをさらに精製することなく次の工程にそのまま使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.93 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 7.26 (s, 1H), 6.86 - 6.73 (m, 2H), 6.70 (s, 2H), 2.12 (t, J = 4.5 Hz, 3H), 1.57 (d, J= 7.1 Hz, 9H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 571.7。
【0196】
工程7 化合物I12の合成
【化123】
AcOH(10mL)中の77(550mg、0.96mmol、1.0当量)の溶液に、NaOAc(394mg、4.8mmol、5.0当量)を加え、混合物を120℃に加熱した。1.5時間後、混合物を0℃に冷却し、水(10mL)で希釈し、沈殿物を濾過により収集して、粗生成物(780mg)を与え、これを分取HPLC(添加剤として水-0.1% TFA中の30% ACN)により精製して、所望の生成物I12を与えた(35mg、赤色の固体、収率:5%)。
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 7.78 (s, 2H), 7.28 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.02 (s, 1H), 6.83 - 6.73 (m, 2H), 2.21 (s, 3H)。LCMS: (ESI-MS): [M+H]
+ = 427.7。
【0197】
実施例13
2-(4-((1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)オキシ)-3,5-ジクロロフェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I13)
化合物I13は、化合物I12のそれと同様の方法で合成した。
【0198】
実施例14
2-(3,5-ジクロロ-4-((3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I14)
化合物I14は、化合物I12のそれと同様の方法で合成した。
【0199】
実施例15
2-(3,5-ジクロロ-4-((2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I15)
工程1: I15-2の合成:
【化124】
DCM(30mL)中の化合物(3g、21.74mmol)及びEt
3N(3.3g、32.67mmol)の溶液に、BTC(6.5g、21.90mmol)を0℃で加えた。得られた混合物を室温で6時間撹拌し、次に水で希釈し、Na
2CO
3でpHを8に調整し、EA(30mL×2)で抽出し、濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10/1)により精製して、化合物I15-2(2g、収率56%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 164; MS 実測値: 165 [M+H]
+。
【0200】
工程2: I15-3の合成:
【化125】
DCM(40mL)中の化合物I15-2(2g、12.20mmol)の溶液に、BBr
3(15g、59.88mmol)を0℃で滴下した。反応混合物を40℃で8時間撹拌し、Na
2CO
3でpHを8に調整し、そして濃縮した。生成物をTHFにより溶解し、濾過し、濃縮して、化合物I15-3(1.7g、収率94%)を褐色の固体として与えた。MS 計算値: 150; MS 実測値: 151 [M+H]
+。
【0201】
工程3: I15-4の合成:
【化126】
DMF(20mL)中の化合物I15-3(1.8g、12mmol)の溶液に、1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-ニトロベンゼン(2.5g、11.90mmol)及びK
2CO
3(2.5mg、18.12mmol)を加えた。得られた混合物を50℃で1時間撹拌した。反応物をH
2O(20mL)で希釈し、EA(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10/1)により精製して、化合物I15-4(2.1g、収率52%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 339; MS 実測値: 340 [M+H]
+。
【0202】
工程4: I15-5の合成:
【化127】
MeOH(40mL)及び水(5mL)中の化合物I15-4(1.8g,5.3mmol)の溶液に、Zn(3.5g、53.85mmol)及びNH
4Cl(2.8g、52.83mmol)を加えた。反応混合物を80℃で3時間撹拌し、次に濾過し、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH=15/1)により精製して、化合物I15-5(1.5g、収率91%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 309; MS 実測値: 310 [M+H]
+。
【0203】
工程5: I15-6の合成:
【化128】
HOAc/HCl=18mL/3mL中の化合物I15-5(500mg、1.62mmol)の溶液に、NaNO
2(167mg、2.42mmol)を5~10℃で加えた。反応混合物を5~10℃で30分間撹拌した。次に、エチル (2-シアノアセチル)カルバマート(379mg、2.42mmol)を加え、続いてH
2O中のNaOAc(398mg、4.85mmol)の溶液を加えた。反応混合物を5~10℃で3時間撹拌した。反応物をH
2O(20mL)で希釈し、2日間放置し、固体を沈殿させ、濾過し、濃縮して、化合物I15-6(380mg、収率49%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 476; MS 実測値: 477 [M+H]
+。
【0204】
工程6: I15の合成:
【化129】
DMF(15mL)中の化合物I15-6(300mg、0.63mmol)の溶液に、KOAc(185mg、1.89mmol)を加えた。反応混合物を120℃で3時間撹拌し、次に濾過し、そして濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製して、I15(59.9mg、収率22%)を白色の固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 13.27 (s, 1H), 10.56 (s, 1H), 10.50 (s, 1H), 7.81 (s, 2H), 6.88 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.47-6.45 (m, 1H), 6.42 (d, J = 2.0 Hz, 1H), MS 計算値: 430; MS 実測値: 431 [M+H]
+。
【0205】
実施例16
2-(4-((1H-インドール-5-イル)オキシ)-3,5-ジクロロフェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I16)
化合物I16は、化合物I12のそれと同様の方法で合成した。
【0206】
実施例17
2-(4-((1H-インドール-6-イル)オキシ)-3,5-ジクロロフェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I17)
化合物I17は、化合物I12のそれと同様の方法で合成した。
【0207】
実施例18
2-(3,5-ジクロロ-4-((2-オキソインドリン-5-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I18)
化合物I18は、化合物I12のそれと同様の方法で合成した。
【0208】
実施例19
2-(3,5-ジクロロ-4-((3,3-ジメチル-2-オキソインドリン-5-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I19)
化合物I19は、化合物I12のそれと同様の方法で合成した。
【0209】
実施例20
2-(3,5-ジクロロ-4-((2-オキソ-2,3-ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール-6-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I20)
工程1: I20-2の合成:
【化130】
THF(10mL)中の化合物I20-1(0.50g、3.10mmol)の溶液に、CDI(0.993g、6.2mmol)及びEt
3N(0.626g、6.2mmol)を加えた。得られた混合物を室温で5時間撹拌した。反応物を濃縮し、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(PE/EA=1/2)により精製して、化合物I20-2(350mg、収率76%)を白色の固体として与えた。LC-MS (ESI-MS): [M-H]+ = 149.9。
【0210】
工程2: I20-3の合成:
【化131】
DMF(10mL)中の化合物I20-2(0.50g、3.31mmol)の溶液に、1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-ニトロベンゼン(0.695g、3.31mmol)及びK
2CO
3(0.913g、6.62mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応物をH
2O(200mL)で希釈し、EA(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(PE/EA=1/1)により精製して、化合物I20-3(700mg、収率62%)を白色の固体として与えた。LC-MS (ESI-MS): [M-H]
+= 339.0。
【0211】
工程3: I20-4の合成:
【化132】
EtOH(2mL)及び水(1mL)中の化合物I20-3(100mg、0.29mmol)の溶液に、Fe(164mg、2.9mmol)及びNH
4Cl(160mg、2.9mmol)を加えた。反応混合物を還流で1.5時間撹拌した。反応物を室温に冷やし、H
2O(100mL)で希釈し、そしてEA(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(PE/EA=1/1)により精製して、化合物I20-4(70mg、収率78%)を白色の固体として与えた。LC-MS (ESI-MS): [M-H]
+= 309。
【0212】
工程4: I20の合成:
【化133】
水(5mL)中の化合物I20-4(40mg、0.129mmol)の溶液に、HCl(0.3mL、5%)及びNaNO
2(27mg、0.387mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、エチル (2-シアノアセチル)カルバマート(50mg)を加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応物をH
2O(100mL)で希釈し、EA(130mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物をCH
3COOH(2mL)に溶解し、CH
3COONa(100mg)を加えた。得られた混合物を還流で2時間撹拌した。反応物を室温に冷やし、H
2O(50mL)で希釈し、そしてEA(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、pre-HPLCにより精製して、化合物I20(7.0mg、収率12.7%)を白色の固体として与えた。LC-MS (ESI-MS): [M-H]+ = 429.9。
1H NMR (400MHz, MeOH-d
4) δ ppm: 7.87 (s, 1H), 7.12 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.96 (d, J=2.0 Hz, 2H), 6.77-6.74 (m, 1H)。
【0213】
実施例21
2-(3,5-ジクロロ-4-((3-メチル-1H-インドール-5-イル)メチル)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I21)
工程1: I21-2の合成:
【化134】
乾燥ジクロロメタン(20mL)中のI21-1(1.00g、4.79mmol)の溶液に、硫黄水素テトラブチルアンモニウム(163.8g、0.479mmol)及び新たに微粉砕した水酸化ナトリウム(0.96g、23.95mmol)を連続して加えた。得られた溶液を15分間撹拌し、塩化アセチル(1.6ml、23.95mmol)を15分間かけて滴下した。得られたスラリーを2時間激しく撹拌し、水の添加によりクエンチした。有機層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(PE/EA:95/5)が、1-アセチル-3-メチルインドールを白色の固体としてもたらした(0.81g、67.5%)。
【0214】
工程2: I21-3の合成:
【化135】
1,4-ジオキサン(10mL)中の化合物I21-2(0.50g、1.99mmol)の溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(758mg、2.98mmol)、CH
3COOK(0.390g、3.98mmol)、Pd(PPh
3)
4(150mg)を加えた。反応混合物をN
2下、100℃に10時間加熱した。反応物を室温に冷やし、H
2O(100mL)で希釈し、そしてEA(200mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(PE/EA=100/1)により精製して、化合物I21-3(400mg、収率67%)を白色の固体として与えた。
【0215】
工程3: I21-4の合成:
【化136】
t-BuOH(1mL)及び1,4-ジオキサン(5mL)中の化合物I21-0(500mg、2.43mmol)の溶液に、DPPA(1.98g、7.3mmol)を加えた。反応混合物を還流で12時間撹拌した。次に、反応物を室温に冷やし、H
2O(50mL)で希釈し、そしてEA(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(PE/EA=1/1)により精製して、化合物I21-4(410mg、収率61%)を暗色の油状物として与えた。LC-MS (ESI-MS): [M-55]+ = 219.7。
【0216】
工程4: I21-5の合成:
【化137】
CCl
4(6mL)中の化合物I21-4(500mg、1.818mmol)の溶液に、NBS(490mg、2.72mmol)及びBPO(100mg)を加えた。反応混合物を還流で3時間撹拌した。反応物をH
2O(100mL)で希釈し、EA(200mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(PE/EA=10/1)により精製して、化合物I21-5(300mg、収率47%)を白色の固体として与えた。
【0217】
工程5: I21-6の合成:
【化138】
Tol(20mL)及びEtOH(4mL)中の化合物I21-3(0.70g、2.34mmol)の溶液に、I21-5(828mg、2.34mmol)、Na
2CO
3(0.496g、4.68mmol)、Pd(PPh
3)
4(100mg)を加えた。反応混合物をN
2下、100℃に5時間加熱した。反応物を室温に冷やし、H
2O(100mL)で希釈し、そしてEA(200mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(PE/EA=5/1)により精製して、化合物I21-6(400mg、収率38%)を白色の固体として与えた。LC-MS (ESI-MS): [M-55]+ = 390.7。
【0218】
工程6: I21-7の合成:
【化139】
DCM(2mL)中の化合物I21-6(100mg、0.224mmol)の溶液に、TFA(2mL)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、化合物I21-7(70mg、収率90%)を暗色の固体として与えた。
【0219】
工程7: I21-8の合成:
【化140】
水(3mL)中の化合物I21-7(200mg、0.578mmol)の溶液に、HCl(0.5mL、5%)及びNaNO
2(80mg、1.156mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、エチル (2-シアノアセチル)カルバマート(270mg、1.73mmol)を加え、そして得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応物をH
2O(50mL)で希釈し、EA(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物をCH
3COOH(2mL)に溶解し、CH
3COONa(30mg)を加え、得られた混合物を還流で3時間撹拌した。反応物を室温に冷やし、H
2O(50mL)で希釈し、そしてEA(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(PE/EA=1/1)により精製して、化合物I21-8(160mg、収率59%)を白色の固体として与えた。MS 計算値: 467; MS 実測値: 468 [M+H]
+。
【0220】
工程8: I21の合成:
【化141】
MeOH(2mL)中の化合物I21-8(80mg、0.17mmol)の溶液に、DBU(51.7mg、0.34mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、H
2O(50mL)で希釈し、そしてEA(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物をpre-HPLCにより精製して、化合物I21(31mg、収率64%)を黄色の固体として与えた。LC-MS (ESI-MS): [M+H]+ = 426.0。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm: 13.2 (br, 1H), 10.67 (s, 1H), 7.67 (s, 2H), 7.24 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.07 (s, 1H), 6.89-6.86 (m, 1H), 4.38 (s, 2H), 2.18 (s, 3H)。
【0221】
実施例22
(5-(2,6-ジクロロ-4-(6-シアノ-3,5-ジオキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-2(3H)-イル)フェノキシ)-3-イソプロピル-2-オキソピリジン-1(2H)-イル)メチル バリナート(I22)
化合物I22は、化合物I12のそれと同様の方法で合成した。
【0222】
実施例23
ナトリウム (5-(2,6-ジクロロ-4-(6-シアノ-3,5-ジオキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-2(3H)-イル)フェノキシ)-3-イソプロピル-2-オキソピリジン-1(2H)-イル)メチル ホスファート(I23)
化合物I23は、化合物I12のそれと同様の方法で合成した。
【0223】
実施例24
(5-(2,6-ジクロロ-4-(6-シアノ-3,5-ジオキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-2(3H)-イル)フェノキシ)-3-イソプロピル-2-オキソピリジン-1(2H)-イル)メチル アセタート(I24)
化合物I24は、化合物I12のそれと同様の方法で合成した。
【0224】
実施例25
2-(3,5-ジクロロ-4-((2-イソプロピル-5-オキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-3-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I25)
化合物I25は、化合物I12のそれと同様の方法で合成した。
【0225】
実施例26
2-(3,5-ジクロロ-4-((2-メチル-5-オキソ-2,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-3-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I26)
化合物I26は、化合物I12のそれと同様の方法で合成した。
【0226】
実施例27
2-(3,5-ジクロロ-4-((6-イソプロピル-5-オキソ-4,5-ジヒドロピラジン-2-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I27)
化合物I27は、化合物I12のそれと同様の方法で合成した。
【0227】
実施例28
2-(3,5-ジクロロ-4-((1-イソプロピル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I28)
工程1: I28-2の合成:
【化142】
DMF(40mL)中の化合物I28-1(2g、14.08mmol)の溶液に、2-ヨードプロパン(4.8g、28.23mmol)及びK
2CO
3(3.9g、28.23mmol)を加えた。得られた混合物を90℃で24時間撹拌した。次に、濾過し、DMFで洗浄し、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1)により精製して、化合物I28-2(300mg、収率12%)を白色の固体として与えた。MS 計算値: 184; MS 実測値: 185 [M+H]
+。
【0228】
工程2: I28-3の合成:
【化143】
DCM(8mL)中の化合物I28-2(300mg、1.63mmol)の溶液に、BBr
3(2g、7.98mmol)を0℃で滴下し、40℃で10時間撹拌した。反応混合物をNa
2CO
3でpHを8に調整し、濃縮した。生成物をTHFにより溶解し、濾過し、濃縮して、化合物I28-3(270mg、収率97%)を白色の固体として与えた。MS 計算値: 170; MS 実測値: 171 [M+H]
+。
【0229】
工程3: I28-4の合成:
【化144】
DMF(40mL)中の化合物I28-3(320mg、1.88mmol)の溶液に、1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-ニトロベンゼン(593mg、2.82mmol)及びK
2CO
3(520mg、3.77mmol)を加えた。得られた混合物を100℃で2時間撹拌した。反応物をH
2O(20mL)で希釈し、EA(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH=40/1)により精製して、化合物I28-4(290mg、収率43%)を白色の固体として与えた。MS 計算値: 359; MS 実測値: 360 [M+H]
+。
【0230】
工程4: I28-5の合成:
【化145】
MeOH(10mL)及び水(1mL)中の化合物I28-5(300mg、0.84mmol)の溶液に、Zn(543mg、8.4mmol)及びNH
4Cl(443mg、8.4mmol)を加えた。反応混合物を80℃で3時間撹拌した。次に、濾過し、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH=40/1)により精製して、化合物I28-5(270mg、収率98%)を白色の固体として与えた。MS 計算値: 329; MS 実測値: 330 [M+H]
+。
【0231】
工程5: I28-6の合成:
【化146】
HOAc/HCl=6mL/1mL中の化合物I28-5(300mg、0.91mmol)の溶液に、NaNO
2(94mg、1.36mmol)を5~10℃で加えた。反応混合物を5~10℃で30分間撹拌した。次に、エチル (2-シアノアセチル)カルバマート(213mg、1.36mmol)を加え、続いてH
2O中のNaOAc(224mg、2.73mmol)の溶液を加えた。反応混合物を5~10℃で8時間撹拌した。反応物をH
2O(20mL)で希釈し、DCM(30mL×2)で抽出し、濃縮して、化合物I28-6(300mg、収率66%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 496; MS 実測値: 497 [M+H]
+。
【0232】
工程6: I28の合成:
【化147】
DMF(15mL)中の化合物I28-6(300mg、0.60mmol)の溶液に、KOAc(178mg、1.80mmol)を加えた。反応混合物を120℃で3時間撹拌した。次に、濾過し、そして濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製して、I28(31.2mg、収率11%)を白色の固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 13.25 (s, 1H), 11.64 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.65 (s, 2H), 4.69-4.62 (m, 1H), 1.25 (d, J = 6.8 Hz, 6H)。MS 計算値: 450; MS 実測値: 451 [M+H]
+。
【0233】
実施例29及び30
2-(3,5-ジクロロ-4-((5-イソプロピル-6-オキソピリミジン-1(6H)-イル)メチル)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I29)
2-(3,5-ジクロロ-4-((5-イソプロピル-4-オキソピリミジン-1(4H)-イル)メチル)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I30)
工程1: I30-2の合成:
【化148】
THF(50mL)中のI30-1(10g、76.82mmol)の溶液に、LDA(50mL、99.87mmol、2M/THF)を-50℃で2分間加えた。20分後、ギ酸エチル(8.53g、115.2mmol)をこの温度で加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をH
2O(50mL)で希釈し、EA(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物をMeOH(30mL)に溶解し、チオ尿素(4.55g、59.74mmol)を加えた。反応混合物を70℃で4時間撹拌した。反応物を濃縮し、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(PE/EA=5/1)により精製して、化合物I30-2(6.0g、収率46%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 170; MS 実測値: 171 [M+H]
+。
【0234】
工程2: I30-3の合成:
【化149】
MeOH(30mL)中の化合物I30-2(3.0g、17.6mmol)の溶液に、ラネーNi(2mL、10%)を加え、反応混合物をH
2のバルーン下、70℃で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、MeOH(20mL)で洗浄した。残留物を濃縮して、化合物I30-3(1.4g、収率58%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 138; MS 実測値: 139 [M+H]
+。
【0235】
工程3: I30-4及びI30-4aの合成:
【化150】
DMF(20mL)中の化合物I30-3(0.4g、2.9mmol)の溶液に、4-(ブロモメチル)-3,5-ジクロロアニリン(1.03g、2.9mmol)及びK
2CO
3(1.2g、8.7mmol)を加えた。得られた混合物をN
2下、100℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷やし、H
2O(20mL)で希釈し、そしてEA(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、逆相シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ACN/H
2O=5%~95%、254nm、30分)により精製して、化合物I30-4(450mg、収率38%)及び化合物I30-4a(350mg、収率29%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 412; MS 実測値: 413 [M+H]
+。
1H NMR (I30-4,400 MHz, DMSO-d
6) δ: 9.92 (s, 1H), 8.25 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.66 (s, 2H), 7.32 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 5.25 (s, 2H), 2.78-2.72 (m, 1H), 1.48 (s, 9H), 1.06-1.03 (m, 6H)。
1H NMR (I30-4a, 400 MHz, DMSO-d
6) δ: 9.83 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.60 (s, 2H), 5.21 (s, 2H), 2.95-2.84 (m, 1H), 1.48 (s, 9H), 1.12 (d, J = 6.8 Hz, 6H)。
【0236】
工程4: I30-5の合成:
【化151】
EA(20mL)中の化合物I30-4(450mg、1.1mmol)の溶液に、HCl/EA(2mL)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、Et
2O(10mL)で洗浄した。残留物を濃縮して、化合物I30-5(340mg、収率100%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 312; MS 実測値: 313 [M+H]
+。
【0237】
工程5: I30の合成:
【化152】
HOAc/HCl(6mL/1mL)中の化合物I30-5(300mg、0.96mmol)の溶液に、NaNO
2(99.4mg、1.44mmol)を5~10℃で加えた。反応混合物を5~10℃で30分間撹拌した。次に、エチル (2-シアノアセチル)カルバマート(225mg、1.44mmol)を加え、続いてH
2O(2mL)中のNaOAc(236.2mg、2.88mmol)の溶液を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応物をH
2O(20mL)で希釈し、EA(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物をDMF(15mL)に溶解し、KOAc(282.2mg、2.88mmol)を加えた。反応混合物を120℃で2時間撹拌した。反応物をH
2O(20mL)で希釈し、EA(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製して、I30(37mg、収率9%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 433; MS 実測値: 434 [M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 8.31 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.79 (s, 2H), 7.39-7.37 (m, 1H), 5.37 (s, 2H), 2.79-2.71 (m, 1H), 1.05 (d, J = 6.8 Hz, 6H)。
【0238】
工程6: I30-5aの合成:
【化153】
EA(20mL)中の化合物I30-4a(264mg、1.1mmol)の溶液に、HCl/EA(2mL)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、Et
2O(10mL)で洗浄した。残留物を濃縮して、化合物I30-5a(200mg、収率100%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 312; MS 実測値: 313 [M+H]
+。
【0239】
工程5: I29の合成:
【化154】
HOAc/HCl(6mL/1mL)中の化合物I30-5a(200mg、0.96mmol)の溶液に、NaNO
2(66.2mg、0.96mmol)を5~10℃で加えた。反応混合物を5~10℃で30分間撹拌した。次に、エチル (2-シアノアセチル)カルバマート(150mg、0.96mmol)を加え、続いてH
2O(2mL)中のNaOAc(157.44mg、1.92mmol)の溶液を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応物をH
2O(20mL)で希釈し、EA(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物をDMF(15mL)に溶解し、KOAc(188.16mg、1.92mmol)を加えた。反応混合物を120℃で2時間撹拌した。反応物をH
2O(20mL)で希釈し、EA(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製して、I29(14mg、収率5%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 433; MS 実測値: 434 [M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 8.26 (s, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.69 (s, 2H), 7.08 (brs, 1H), 5.31 (s, 2H), 2.92-2.85 (m, 1H), 1.11 (d, J = 6.8 Hz, 6H)。
【0240】
実施例31:
2-(3,5-ジクロロ-4-((5-イソプロピル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)メチル)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I31)
工程1: I31-02の合成:
【化155】
HOAc(100mL)中の化合物I31-01(10.0g、78.06mmol)の溶液に、アセトン(50mL)及びPt/C(5.0g)を加えた。反応混合物をH
2下、室温で2日間撹拌した。反応混合物をLCMSにより検出して完成させた。固体を減圧下で濾過により除去し、濾液を濃縮して、化合物I31-02(15.0g、粗)を灰色の固体として与えた。粗生成物を、更に精製することなく続く反応に使用した。MS 計算値: 170.2; MS 実測値: 171.2 [M+H]+。
【0241】
工程2: I31-03の合成:
【化156】
POCl
3(13.7mL、147.00mmol)中の化合物I31-02(1.0g、5.88mmol)の溶液に、N-ベンジル-N,N,N-トリエチルアンモニウムクロリド(2.7g、11.76mmol)を加えた。反応混合物を50℃に加熱し、7時間撹拌した。反応物を室温に冷やし、真空下で蒸発乾固した。残留物を、氷水(30mL)を用いて0℃で注意深くクエンチし、スラリーを冷蔵庫中で7時間保持した。得られた白色の沈殿物を収集し、ヘキサン(30mL×2)で十分に洗浄して、化合物I31-03(770.0mg、粗)を白色の固体として与えた。粗生成物を、更に精製することなく続く反応に使用した。MS 計算値: 188.6; MS 実測値: 189.6 [M+H]+。
【0242】
工程3: I31-04の合成:
【化157】
NaOH(100mL、2N水溶液)中の化合物I31-03(770.0mg、4.09mmol)の溶液に、Pd/C(500mg)を加えた。反応混合物を、水素雰囲気中で3時間、40psiの初期圧力で振とうした。触媒を濾過により除去し、濾液を濃HC1でpH=2に酸性化した。得られた沈殿物を収集し、洗浄し、乾燥して、化合物I31-04(418.0mg、収率66.5%)を与えた。MS 計算値: 154.2; MS 実測値: 155.2 [M+H]+。
【0243】
工程4: I31-06の合成:
【化158】
化合物I31-05(8.2g、59.85mmol)、トリクロロイソシアヌル酸(15.9g、65.84mmol)及び濃硫酸(50mL)の溶液を、60℃で20時間撹拌した。溶液を25℃に冷却し、次に氷水(100mL)に注いだ。得られた混合物をセライトパッド(20g)で濾過し、その後、このパッドをジエチルエーテル(50mL)で洗浄した。濾液の有機層を分離し、水層をジエチルエーテル(30mL×2)で抽出した。収集した有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、真空下で濃縮して、粗生成物を微黄色の固体として与えた。粗生成物、銅(12.0g)及びクロロベンゼン(15mL)の混合物を、25℃で5分間撹拌し、次に酢酸(10mL)をそれに加え、そして得られた溶液を20時間還流した。25℃に冷却した後、混合物をセライトパッドで濾過し、その後、このパッドをトルエン(50mL)で洗浄した。濾液をブライン(20mL×3)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、そして真空下で濃縮した。粗残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー(PE)により精製して、化合物I31-06(9.0g、収率73.0%)を黄色の固体として与えた。
【0244】
工程5: I31-07の合成:
【化159】
CCl
4(50mL)中の化合物I31-06(8.0g、38.83mmol)の溶液に、NBS(10.4g、58.25mmol)及びBPO(932.0mg、0.39mmol)を加えた。反応混合物を90℃で16時間撹拌した。反応混合物をTLC(PE)により検出して完成させた。混合物を水(10mL)に注ぎ、生成物をEA(100mL×3)で抽出した。有機層を水(100mL×2)及びブライン(50mL)で洗浄し、次にNa
2SO
4で乾燥した。濾過後、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(PE)により精製して、化合物I31-07(9.4g、収率84.9%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ: 8.37 (s, 2H), 4.83 (s, 2H)。
【0245】
工程6: I31-08の合成:
【化160】
DMF(20mL)中の化合物I31-07(722.0mg、2.53mmol)の溶液に、化合物I31-04(390.0mg、2.53mmol)及びK
2CO
3(1.05g、7.60mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をLCMSにより検出して完成させた。混合物を水(50mL)に注ぎ、生成物をEA(50mL×3)で抽出した。有機層を水(50mL×2)及びブライン(50mL)で洗浄し、次にNa
2SO
4で乾燥した。濾過後、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、シリカゲルのクロマトグラフィー(PE:EA=5:1)により精製して、化合物I31-08(550.0mg、収率60.6%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ: 11.26 (s, 1H), 8.32 (s, 2H), 7.42 (s, 1H), 5.18 (s, 2H), 2.77-2.68 (m, 1H), 1.08-1.03 (m, 6H)。MS 計算値: 358.2; MS 実測値: 360.2 [M+H]+。
【0246】
工程7: I31-09の合成:
【化161】
MeOH/H
2O(30/5mL)中の化合物I31-08(520.0mg、1.46mmol)の溶液に、亜鉛粉末(947.0mg、14.57mmol)及びNH
4Cl(386.0mg、7.28mmol)を加えた。反応混合物を80℃で3時間撹拌した。反応混合物をLCMSにより検出して完成させた。固体を減圧下で濾過により除去し、濾液を濃縮して、化合物I31-09(430.0mg、収率90.3%)を黄色の固体として与えた。粗生成物を、更に精製することなく続く反応に使用した。MS 計算値: 328.2; MS 実測値: 330.3 [M+H]
+
【0247】
工程8: I31-11の合成:
【化162】
HOAc/HCl(6/1mL)中の化合物I31-09(380.0mg、1.16mmol)の溶液に、NaNO
2水溶液(120.0mg、1.74mmol、1mL)を0℃で加えた。反応混合物を5~10℃で30分間撹拌した。次に、化合物I31-10(272.0mg、1.74mmol)を加え、続いてH
2O中のNaOAc(286.0mg、3.49mmol、1mL)の溶液を加えた。反応混合物を5~10℃で2時間撹拌した。反応物をH
2O(20mL)で希釈し、DCM(30mL×2)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮して、化合物I31-11(320.0mg、収率55.7%)を黄色の固体として与えた。粗生成物を、さらに精製することなく続く反応に使用した。MS 計算値: 495.3; MS 実測値: 496.8 [M+H]
+。
【0248】
工程9: I31の合成:
【化163】
DMF(15mL)中の化合物I31-11(320.0mg、0.65mmol)の溶液に、KOAc(191.1mg、1.95mmol)を加えた。反応混合物を120℃で3時間撹拌した。反応物を水(20mL)でクエンチした。得られた混合物をEA(20mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、水(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、次にNa
2SO
4で乾燥した。濾過後、溶媒を減圧下で除去した。残留物を分取HPLCにより精製して、化合物I31(45.0mg、収率15.4%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 7.71 (s, 2H), 7.23 (s, 1H), 7.09 (brs, 2H), 5.11 (s, 2H), 2.74-2.67 (m, 1H), 1.04 (d, J = 6.8 Hz, 6H)。MS 計算値: 449.3; MS 実測値: 451.0 [M+H]
+。
【0249】
実施例32
2-(3,5-ジクロロ-4-((1-イソプロピル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリミジン-5-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I32)
工程1: I32-2の合成:
【化164】
ACN(50mL)中の化合物I32-1(7g、0.04mol)の溶液に、DBU(7.3g、0.048mol)及び2-ヨードプロパン(8.16g、0.048mol)を加えた。混合物を70℃で8時間撹拌した。次に、反応混合物を水で希釈し、EA(100mL×5)で抽出した。合わせた有機相を濃縮した。残留物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(PE/EA=1/10)により精製して、化合物I32-2(4.5g、収率51.8%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 217; MS 実測値: 218 [M+H]
+。
【0250】
工程2: I32-3の合成:
【化165】
DMF(20mL)中の化合物I32-2(1.5g、6.9mmol)の溶液に、フェニルメタノール(1.5g、13.8mmol)、Cs
2CO
3(2.86g、20.7mmol)及びKI(0.57g、3.5mmol)を加えた。混合物を100℃で3時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EA(50mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、濃縮した。残留物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)により精製して、化合物I32-3(0.38g、収率22.5%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 244; MS 実測値: 245 [M+H]
+。
【0251】
工程3: I32-4の合成:
【化166】
MeOH(10mL)中の化合物I32-3(380mg、1.56mmol)の溶液に、Pd/C(60%湿潤、10重量%、50mg)を加えた。混合物をH
2下、室温で2時間撹拌した。反応物を濾過し、濃縮して、化合物I32-4(250mg、収率>100%)を黄色の油状物として与えた。MS 計算値: 154; MS 実測値: 155 [M+H]
+。
【0252】
工程4: I32-5の合成:
【化167】
DMF(5mL)中の化合物I32-4(220mg、1.43mmol)の溶液に、化合物I32-A(300mg、1.43mmol)及びK
2CO
3(591.4mg、4.29mmol)を加えた。反応混合物を100℃で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EA(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、濃縮した。残留物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)により精製して、化合物I32-5(250mg、収率51.0%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 344; MS 実測値: 345 [M+H]
+。
【0253】
工程5: I32-6の合成:
【化168】
EtOH(10mL)及び水(1mL)中の化合物I32-5(250mg、0.73mmol)の溶液に、Zn(237mg、3.64mmol)及びNH
4Cl(195mg、3.64mmol)を加えた。反応混合物を80℃で5時間撹拌した。次に、濾過し、濃縮した。残留物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=20/1)により精製して、化合物I32-6(200mg、収率87.7%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 314; MS 実測値: 315 [M+H]
+。
【0254】
工程6: I32の合成:
【化169】
HOAc(6mL)及びHCl(1mL)中の化合物I32-6(200mg、0.64mmol)の溶液に、NaNO
2(66.1mg、0.96mmol)を5~10℃で加えた。反応混合物を5~10℃で30分間撹拌した。次に、エチル (2-シアノアセチル)カルバマート(149.5mg、0.96mmol)を加え、続いてH
2O中のNaOAc(157.2mg、1.92mmol)の溶液を加えた。反応混合物を5~10℃で5時間撹拌した。反応物を水で希釈し、DCM(20mL)で抽出した。合わせた有機相を濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をDMF(5mL)に溶解し、KOAc(128.6mg、1.31mmol)を加えた。混合物を120℃で4時間撹拌した。次に、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製して、I32(14.5mg、収率7.6%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 7.79 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.77 (s, 2H), 5.83 (d, J = 8 Hz, 1H), 4.72-4.68 (m, 1H), 1.31 (d, J = 6.8 Hz, 6H), MS 計算値: 434; MS 実測値: 435 [M+H]
+。
【0255】
実施例33
2-(3,5-ジクロロ-4-((3-イソプロピル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I33)
【0256】
工程1: I33-2の合成:
【化170】
DMF(100mL)中の化合物I33-1(20g、141mmol)及びK
2CO
3(39g、283mmol)の溶液に、PMBCl(26g、167mmol)を0℃で加えた。得られた混合物を70℃で一晩撹拌し、次に濾過し、DMFで洗浄し、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH=40/1)により精製して、化合物I33-2(4.6g、収率12%)を白色の固体として与えた。MS 計算値: 262; MS 実測値: 263 [M+H]
+。
【0257】
工程2: I33-3の合成:
【化171】
DMF(50mL)中の化合物I33-2(4.6g、17.56mmol)の溶液に、2-ヨードプロパン(7.5g、44.12mmol)及びK
2CO
3(6g、43.48mmol)を加えた。得られた混合物を90℃で一晩撹拌し、次に濾過し、DMFで洗浄し、そして濃縮した。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1)により精製して、化合物I33-3(300mg、収率12%)を白色の固体として与えた。MS 計算値: 304; MS 実測値: 305 [M+H]
+。
【0258】
工程3: I33-4の合成:
【化172】
DCM(50mL)中の化合物I33-3(4.2g、13.81mmol)の溶液に、TFA(20mL)及びTfOH(2mL)を0℃で加えた。得られた混合物を室温で4時間撹拌した。次に、濃縮し、Na
2CO
3でpHを8に調整し、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH=60/1)により精製して、化合物I33-4(2g、収率79%)を白色の固体として与えた。MS 計算値: 184; MS 実測値: 185 [M+H]
+。
【0259】
工程4: I33-5の合成:
【化173】
DCM(8mL)中の化合物I33-4(2.6g、14.13mmol)の溶液に、BBr
3(17.6g、17.70mmol)を0℃で滴下し、室温で6時間撹拌した。反応混合物をNa
2CO
3でpHを8に調整し、濃縮した。生成物をTHFにより溶解し、濾過し、濃縮して、化合物I33-5(2g、収率83%)を白色の固体として与えた。MS 計算値: 170; MS 実測値: 171 [M+H]
+。
【0260】
工程5: I33-6の合成:
【化174】
DMF(20mL)中の化合物I33-5(1.6mg、9.41mmol)の溶液に、1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-ニトロベンゼン(2mg、9.52mmol)及びK
2CO
3(2.6mg、18.84mmol)を加えた。得られた混合物を50℃で2時間撹拌した。反応物をH
2O(20mL)で希釈し、EA(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH=60/1)により精製して、化合物I33-6(1.5g、収率44%)を白色の固体として与えた。MS 計算値: 359; MS 実測値: 360 [M+H]
+。
【0261】
工程6: I33-7の合成:
【化175】
MeOH(10mL)及び水(1mL)中の化合物I33-6(1.1mg、3.06mmol)の溶液に、Zn(2g、30.70mmol)及びNH
4Cl(1.6g、30.19mmol)を加えた。反応混合物を80℃で3時間撹拌し、次に濾過し、そして濃縮した。残留物を、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH=30/1)により精製して、化合物I33-7(0.9g、収率90%)を白色の固体として与えた。MS 計算値: 329; MS 実測値: 330 [M+H]
+。
【0262】
工程7: I33-8の合成:
【化176】
HOAc/HCl=12mL/2mL中の化合物I33-7(500mg、1.52mmol)の溶液に、NaNO
2(157mg、2.28mmol)を5~10℃で加えた。反応混合物を5~10℃で30分間撹拌した。次に、エチル (2-シアノアセチル)カルバマート(356mg、2.28mmol)を加え、続いてH
2O中のNaOAc(374mg、4.56mmol)の溶液を加えた。反応混合物を5~10℃で8時間撹拌した。反応物をH
2O(20mL)で希釈し、DCM(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層を濃縮して、化合物I33-8(700mg、収率93%)を黄色の固体として与えた。MS 計算値: 496; MS 実測値: 497 [M+H]
+。
【0263】
工程8: I33の合成:
【化177】
DMF(15mL)中の化合物I33-8(700mg、1.41mmol)の溶液に、KOAc(415mg、4.23mmol)を加えた。反応混合物を120℃で3時間撹拌した。次に、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製して、I33(75.6mg、収率12%)を白色の固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 13.24 (s, 1H), 10.98 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.67 (s, 2H), 7.39 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 5.00-4.97 (m, 1H), 1.37 (d, J = 7.2 Hz, 6H)。MS 計算値: 450; MS 実測値: 451 [M+H]
+。
【0264】
実施例34
2-(3,5-ジクロロ-4-((1-(ヒドロキシメチル)-5-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I34)
【0265】
実施例35
2-(3,5-ジブロモ-4-((5-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I35)
【0266】
実施例36
2-(3,5-ジクロロ-4-((5-シクロブチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I36)
【0267】
実施例37
2-(3,5-ジクロロ-4-((3-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I37)
【0268】
実施例38
2-(3,5-ジクロロ-4-((5-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-3-イル)メチル)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(I38)
【0269】
実施例39
実施例の生物学的特性は、以下のアッセイ方法に基づいて調査された。
【0270】
インビトロ甲状腺ホルモン受容体結合アッセイ
本発明の化合物とヒト甲状腺受容体(TR)との相互作用は、時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR-FRET)競合アッセイによって評価される。FRETは、2つの発色団間の無放射エネルギー移動を表す:励起状態のドナーフルオロフォアは、近接した(典型的には<10nm)アクセプターフルオロフォアにエネルギーを移動させることができる。標準のFRETとは対照的に、TR-FRETは時間分解蛍光(TRF)とFRETの原理とを合体させる。TRFは、ドナー種として長寿命のランタニドキレートを使用するが、ランタニドキレートは、励起状態の寿命が1ミリ秒以上ほどになり得るという点で独特である。FRETに適した隣接物は当技術分野で公知であり、入手することができる。このアッセイは、InvitrogenのLanthaScreen(商標)TR-FRET甲状腺受容体βコアクチベーターアッセイキットのマニュアルから採用された。
【0271】
アッセイは次の工程で実行される:最初に、100mM NaCl、1mM EDTA、50mM KF、1mM DTT、1mM MgCl2、10%グリセロール、0.01% NP-40、0.1% BSAを含む50mM Tris-HCl(pH7.4)を含有する反応緩衝液を調製する。2番目に、この緩衝液を使用して、試験化合物及び対照化合物の適切な希釈系列を調製する。3,3’,5-トリヨードチロニン(T3)を陽性対照アゴニストとして使用した。3番目に、4×化合物の連続希釈液5μl及びTRα LBD(4×、4nM)5μl(又はTRβ LBD、4×、2nM 5μl)を384ウェルプレート(784075、Greiner)に加える。次に、1×反応緩衝液中の400nMビオチン-SRC2-2(2×)及び抗GST Eu(1:200、2×)並びに50nM抗ビオチン-d2(2×)からなる溶液10μlを加えて反応を開始する。プレートを1000gで1分間遠心分離し、次に遮光して室温で1時間インキュベートする。最後に、665nm及び615nmの波長でEnvision2104プレートリーダーでプレートを読み取る。
【0272】
各ウェルの比率(比率665nm/615nm-比率バックグラウンド)を計算する。活性の割合、更にはEC50を計算した。用量作用曲線をプロットした。相対選択性を、EC50TRα/EC50TRβの比率として計算した。
【0273】
【0274】
インビトロ甲状腺ホルモントランス活性化アッセイ
TRα-LBD(又はTRβ-LBD)及びRXRα-LBDのコード配列をそれぞれpBIND発現ベクター(Promega、E1581)に挿入して、TRα-GAL4(又はTRβ-GAL4)及びRXRα-GAL4キメラ受容体を発現させた。2つの発現ベクター及びレポーターベクター(安定に組み込まれたGAL4プロモーター駆動ルシフェラーゼレポーター遺伝子を有するpGL4.35)をHEK293T宿主細胞にコトランスフェクトした。対応するTRα-GAL4(又はTRβ-GAL4)キメラ受容体にアゴニストが結合すると、キメラ受容体はGAL4結合部位に結合し、レポーター遺伝子を刺激する。TRα(又はTRβ)トランス活性化活性を刺激する試験化合物の能力を、それぞれ決定した。
【0275】
アッセイは次の工程で実行される:最初に、化合物のストック溶液を調製してDMSOで連続希釈する。2番目に、2.5×106個HEK293T細胞を60mmディッシュに播種し、37℃、5% CO2で16時間インキュベートする。3番目に、Opti-MEM(商標)培地でDNA及びLipo LTX試薬、並びに2.5μg TRβ(又は2.5μg TRα)プラスミド/2.5μg RXRαプラスミド/1μg pGL4.35ルシフェラーゼプラスミドを混合し、37℃、5% CO2で4~7時間インキュベートすることによって細胞トランスフェクションを実施した。4番目に、調製した細胞を17,000細胞/ウェルで播種して、希釈した化合物溶液を加えた。細胞を37℃、5% CO2で16~20時間インキュベートした。最後に、ルシフェラーゼ検出試薬(LDT)25μlを室温でアッセイプレートに加える。プレートを室温で少なくとも5分間振盪して、次にEvision2104プレートリーダーで発光の値を読み取る。Graphpad 5.0を使用して、%阻害値及び化合物濃度の対数を非線形回帰(用量反応-可変勾配)にフィッティングすることによりEC50を計算する。本発明の試験では、Z’値は>0.5を示す。
【0276】
【0277】
特定の実施態様の変形がなされても、添付の特許請求の範囲内にあるため、本発明は、上記の本発明の特定の実施態様に限定されないことを理解すべきである。