(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】リアクトル
(51)【国際特許分類】
H01F 37/00 20060101AFI20240301BHJP
【FI】
H01F37/00 F
H01F37/00 S
H01F37/00 M
(21)【出願番号】P 2019110533
(22)【出願日】2019-06-13
【審査請求日】2022-06-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000134257
【氏名又は名称】株式会社トーキン
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】玉城 克彰
(72)【発明者】
【氏名】星 則光
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 徹
(72)【発明者】
【氏名】大槻 隆
(72)【発明者】
【氏名】草野 邦宏
【審査官】井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-116522(JP,U)
【文献】特開2005-347481(JP,A)
【文献】特開2014-027247(JP,A)
【文献】特開昭57-118613(JP,A)
【文献】特開2003-007524(JP,A)
【文献】実開昭58-124907(JP,U)
【文献】特開2009-049082(JP,A)
【文献】実開平02-013712(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給口及び回収口を有し且つ冷媒を循環させる冷却システムに接続されるリアクトルであって、
前記リアクトルは、コイルと、第1接続部材と、第2接続部材とを備えており、
前記コイルは、ホローコンダクターを巻回してなるものであり、第1端部及び第2端部を有しており、
前記第1接続部材は、前記第1端部に取り付けられる第1被取付け部と、前記冷却システムの前記供給口に接続される円筒形状の第1パイプであって前記第1被取付け部と連通した第1パイプとを有しており、
前記第2接続部材は、前記第2端部に取り付けられる第2被取付け部と、前記冷却システムの前記回収口に接続される円筒形状の第2パイプであって前記第2被取付け部と連通した第2パイプとを有しており、
前記第1接続部材は、第1ブスバーを有しており、
前記第1ブスバーは、前記第1被取付け部と一体に形成されており、
前記第1被取付け部が上下方向に沿って配置された状態で、前記第1ブスバーは、前記第1被取付け部から前記上下方向と直交する水平方向へ延びており、
前記コイルの第1端部は、前記第1被取付け部に圧入されており、
前記第2接続部材は、第2ブスバーを有しており、
前記第2ブスバーは、前記第2被取付け部と一体に形成されており、
前記第2被取付け部が上下方向に沿って配置された状態で、前記第2ブスバーは、前記第1被取付け部から前記水平方向へ延びており、
前記コイルの第2端部は、前記第2被取付け部に圧入されている
リアクトル。
【請求項2】
請求項1記載のリアクトルであって、
前記第1端部及び前記第2端部の夫々は、外周が円形である断面を有している
リアクトル。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のリアクトルであって、
前記第1被取付け部、前記第2被取付け部、第1端部及び第2端部は、いずれも銅からなる
リアクトル。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載のリアクトルであって、
内部に収容部を有する磁気コアを更に備えており、
前記コイルは、主部と、主部から延びる第1延長部及び第2延長部とを有しており、
前記第1端部及び前記第2端部は、夫々、前記第1延長部及び前記第2延長部に設けられており、
少なくとも前記コイルの前記主部は、前記磁気コアの前記収容部に収容されている
リアクトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアクトルに関し、特に冷却システムに接続されるリアクトルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、リアクトルの動作時の発熱対策として、ホローコンダクターでリアクトルのコイルを構成するとともに、ホローコンダクターの内部に冷媒を流して冷却を行う技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、ホローコンダクターを利用したリアクトルに関して概念のみが開示されており、具体的な構成は開示されていない。
【0005】
そこで、本発明は、ホローコンダクターからなるコイルを有するリアクトルであって、冷媒による冷却を可能とするために必要な具体的構造を備えるリアクトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施するにあたっては、水などの冷媒の漏れが問題となる。特に、ハイブリッドカーや電気自動車に搭載するリアクトルにおいて冷媒が漏れ出てしまうことは絶対に避けなければならない。
【0007】
一方、コスト面を考慮すると、冷却システムから冷媒を供給するための供給口及びリアクトル内を流れた冷媒を回収するための回収口には、汎用品の継手が使用されるものと想定される。
【0008】
汎用品の継手と円筒形状のパイプとの接続技術は、水などの流体に対して既に確立されており信頼性も高い。したがって、冷却システムの供給口及び回収口に接続されるリアクトルの端部を円筒形状のパイプとすれば信頼性の高い接続を得ることができる。本発明は、具体的には、上述した課題の解決手段として、以下に掲げるリアクトルを提供する。
【0009】
本発明は、第1のリアクトルとして、
供給口及び回収口を有し且つ冷媒を循環させる冷却システムに接続されるリアクトルであって、
前記リアクトルは、コイルと、第1接続部材と、第2接続部材とを備えており、
前記コイルは、ホローコンダクターを巻回してなるものであり、第1端部及び第2端部を有しており、
前記第1接続部材は、前記第1端部に取り付けられる第1被取付け部と、前記冷却システムの前記供給口に接続される円筒形状の第1パイプであって前記第1被取付け部と連通した第1パイプとを有しており、
前記第2接続部材は、前記第2端部に取り付けられる第2被取付け部と、前記冷却システムの前記回収口に接続される円筒形状の第2パイプであって前記第2被取付け部と連通した第2パイプとを有している
リアクトルを提供する。
【0010】
また、本発明は、第2のリアクトルとして、第1のリアクトルであって、
前記第1接続部材は、第1ブスバーを有しており、
前記コイルの第1端部は、前記第1被取付け部に圧入されており、
前記第2接続部材は、第2ブスバーを有しており、
前記コイルの第2端部は、前記第2被取付け部に圧入されている
リアクトルを提供する。
【0011】
また、本発明は、第3のリアクトルとして、第2のリアクトルであって、
前記第1端部及び前記第2端部の夫々は、外周が円形である断面を有している
リアクトルを提供する。
【0012】
また、本発明は、第4のリアクトルとして、第2又は第3のリアクトルであって、
前記第1被取付け部、前記第2被取付け部、第1端部及び第2端部は、いずれも銅からなる
リアクトルを提供する。
【0013】
更に、本発明は、第5のリアクトルとして、第1から第4までのいずれかのリアクトルであって、
内部に収容部を有する磁気コアを更に備えており、
前記コイルは、主部と、主部から延びる第1延長部及び第2延長部とを有しており、
前記第1端部及び前記第2端部は、夫々、前記第1延長部及び前記第2延長部に設けられており、
少なくとも前記コイルの前記主部は、前記磁気コアの前記収容部に収容されている
リアクトルを提供する。
【0014】
加えて、本発明は、第6のリアクトルとして、
供給口及び回収口を有し且つ冷媒を循環させる冷却システムに接続されるリアクトルであって、
前記リアクトルは、コイルと、第1接続部材と、第2接続部材とを備えており、
前記コイルは、ホローコンダクターを巻回してなるものであり、第1端部及び第2端部を有しており、
前記第1接続部材は、第1ブスバーを有するとともに、前記冷却システムの前記供給口に接続されるものであり、
前記コイルの第1端部は、前記第1接続部材に圧入されており、
前記第2接続部材は、第2ブスバーを有するとともに、前記冷却システムの前記回収口に接続されるものであり、
前記コイルの第2端部は、前記第2接続部材に圧入されている
リアクトルを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、冷却システムの供給口及び回収口と接続されるリアクトルの端部は、円筒形状の第1パイプ及び円筒形状の第2パイプである。汎用品の継手とパイプとの接続技術は確立していることから、冷却システムの供給口及び回収口が汎用品の継手からなる場合、冷却システムに対して高い信頼性でリアクトルを接続できる。
【0016】
粒子加速器などに用いられる比較的大型のコイルの場合、ブスバーは巻線に対してろう付けされている。この場合、ろう付け部分からコイルの主部までの距離は比較的長く、したがって、ろう付けの際に発生する熱はあまり問題とはならない。一方、例えば車載用のリアクトルのように相対的に小型のリアクトルにおいてブスバーを巻線に対してろう付けすると、ろう付け部分からリアクトルのコイルの主部までの距離が短いことから、ろう付けの際に発生する熱より、コイルの主部を構成する巻線の被覆が劣化して問題が生じる可能性がある。
【0017】
この点について、例えば、第1ブスバー及び第2ブスバーを第1接続部材及び第2接続部材と夫々一体形成し、コイルの第1端部及び第2端部を第1接続部材及び第2接続部材に夫々圧入することとすると、部品点数を増やすことなく、且つ、ろう付け用の熱を加えることなく、ブスバーとコイルを接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施の形態によるリアクトルと、リアクトルに接続された冷却システムとを示す斜視図である。冷却システムは、継手と冷媒管の一部とを除いて簡略化されて描かれている。
【
図2】
図1リアクトルと、冷却システムの継手及び冷媒管の一部とを示す正面図である。内部構造が破線で示されている。
【
図3】
図2のリアクトルと、冷却システムの継手及び冷媒管の一部とを示す分解斜視図である。
【
図4】
図3のリアクトルに含まれる第1接続部材とコイルの第1端部とを示す斜視図である。
【
図5】
図4の第1接続部材とコイルの第1端部とを示す正面図である。内部構造が破線で示されている。
【
図6】
図4の第1接続部材及びコイルの第1端部の変形例を示す斜視図である。
【
図7】
図6の第1接続部材及びコイルの第1端部の変形例を示す正面図である。内部構造が破線で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1を参照すると、本発明の一実施の形態によるリアクトル10は、冷却システム60に接続されている。冷却システム60は、リアクトル10に接続されることにより、冷媒(図示せず)を循環させる冷媒循環システムを構成する。
【0020】
図1に示されるように、冷却システム60は、冷却装置70、第1冷媒管72、第2冷媒管74、第1継手76及び第2継手78を備えている。詳しくは、冷却装置70は、第1冷媒管72の一端と第2冷媒管74の一端に接続されている。第1冷媒管72の他端及び第2冷媒管74の他端には、第1継手76及び第2継手78が夫々接続されている。第1継手76及び第2継手78は、リアクトル10に接続されている。冷却システム60は、公知の構成を採用することができる。特に、第1継手76及び第2継手78は、汎用品を用いることができる。本実施の形態において、第1継手76及び第2継手78の夫々は、L字形の形状を有している。但し、本発明はこれに限られない。第1継手76及び第2継手78の夫々は、L字以外の形状、例えばI字形の形状を有してもよい。また、第1継手76と第2継手78とは、互いに異なる形状を有してもよい。
【0021】
図1及び
図2から理解されるように、冷却装置70は、第1冷媒管72及び第1継手76を介してリアクトル10に比較的低温の冷媒(図示せず)を供給する。このとき、第1継手76は、冷媒をリアクトル10に供給する供給口761として機能する。即ち、冷却システム60は、冷媒を供給する供給口761を有している。本実施の形態において、冷媒は、純水である。但し、本発明はこれに限られない。冷媒として、水以外の液体や、気体を用いてもよい。リアクトル10に供給された冷媒は、リアクトル10の内部においてリアクトル10の熱を奪い、比較的高温の冷媒へと変化する。リアクトル10を通過した比較的高温の冷媒は、第2継手78及び第2冷媒管74を介して冷却装置70に回収される。このとき、第2継手78は、冷媒を回収する回収口781として機能する。即ち、冷却システム60、冷媒を回収する回収口781を有している。冷却装置70は、熱交換機(図示せず)を備えており、比較的高温の冷媒を比較的低温の冷媒に変換して再びリアクトル10に供給する。こうして、冷却システム60は、冷媒を循環させてリアクトル10を冷却する。
【0022】
図3を参照すると、リアクトル10は、コイル20と、第1接続部材30と、第2接続部材40と、磁気コア50(
図1参照)と、ケース52とを備えている。
図1から理解されるように、磁気コア50は、ケース52内に収容されており、コイル20は部分的に磁気コア50内に収容されている。本実施の形態において、ケース52は樹脂製である。樹脂製のケース52を用いることで軽量化を図ることができる。また、本実施の形態において、磁気コア50は、注型コアである。注型コアは、磁性粉末とバインダとを混合して得られたスラリーをケース52内に充填して硬化させたものである。但し、本発明はこれに限られない。磁気コア50は、圧粉コアであってもよいし、圧粉コアと注型コアとの組み合わせであってもよい。磁気コア50は、少なくともコイルの内周側に配置される中央部と、外周側に配置される外周部と、両端面に沿って夫々配置される端面部とを有し、かつコイル20を収容する収容部501(
図2参照)を有していればよい。
【0023】
図3に示されるように、コイル20は、銅線を角丸四角形状に巻回した主部22と、主部22の両端から所定方向へ延びる第1延長部24及び第2延長部26を有している。コイル20を構成する銅線の表面は絶縁膜(図示せず)で覆われている。本実施の形態において所定方向は上方又は+Z方向である。但し、本発明はこれに限定されない。コイル20の主部22は、銅線を円環状に巻回されたものであってもよい。
【0024】
図1から
図3までの図から理解されるように、コイル20のうち少なくとも主部22は、ケース52内において磁気コア50内に収容されている。磁気コア50は、その内部に収容部501を有しており、コイル20の主部22はこの収容部501に収容される。また、第1延長部24及び第2延長部26の夫々は、ケース52内において磁気コア50の収容部501に部分的に収容されている。第1延長部24及び第2延長部26には、ケース52及び磁気コア50の外側に位置する第1端部241及び第2端部261が夫々設けられている。
【0025】
図2及び
図3から理解されるように、コイル20を構成する銅線は、全長に渡って形成された孔201を有している。換言すると、銅線は、ホローコンダクターである。冷却システム60(
図1参照)の冷媒(図示せず)は、第1端部241と第2端部261との間において、コイル20の孔201内を通過する。本実施の形態において、コイル20の断面の外形は角丸四角形である。また、第1端部241及び第2端部261の夫々は、外周が円形である断面を有している。本実施の形態において、第1端部241及び第2端部261の夫々の外形は、円筒形状である。第1端部241及び第2端部261の夫々を上方から見たとき、第1端部241及び第2端部261の寸法は、他の部分の寸法よりも小さい。これは、第1端部241及び第2端部261が、コイル20を構成する銅線の一部を切削して形成されているからである。したがって、第1端部241及び第2端部261は銅から成り、その表面に絶縁膜は設けられていない。
【0026】
図4に示されるように、第1接続部材30は、第1被取付け部32と、第1ブスバー34と、第1パイプ36とを有している。第1被取付け部32は、略直方体の形状を有している。第1ブスバー34は、板状の形状を有している。第1パイプ36は、円筒形状を有している。本実施の形態において、第1被取付け部32、第1ブスバー34及び第1パイプ36は、いずれも銅からなる。第1被取付け部32と第1ブスバー34とは、互いに一体に形成されている。第1パイプ36は、第1被取付け部32に取り付けられている。第1ブスバー34は、第1被取付け部32から上下方向と直交する水平方向へ延びている。本実施の形態において、水平方向はX方向である。第1ブスバー34には、第1被取付け部32から離れた位置に取付け穴341が形成されている。取付け穴341は、上下方向及び水平方向の双方と直交する直交方向において、第1ブスバー34を貫通している。本実施の形態において、直交方向はY方向である。
【0027】
図5に示されるように、第1被取付け部32は、第1パイプ36を部分的に受容するパイプ受容部321と、第1端部241を受容するコイル受容部323とを有している。パイプ受容部321とコイル受容部323とは連結部325を介して互いに連通している。パイプ受容部321の内径は、第1パイプ36の外径と等しいか僅かに大きい。第1パイプ36は、パイプ受容部321に部分的に挿入され、ろう付けされる。第1パイプ36は、第1接続部材30に取り付けられることにより、第1被取付け部32と連通する。コイル受容部323の内径は、第1端部241の外径に等しいか僅かに小さい。第1端部241は、コイル受容部323に圧入される。第1端部241は、第1接続部材30に取り付けられることにより、第1パイプ36と連通する。
【0028】
図3から理解されるように、第2接続部材40の形状と第1接続部材30の形状とは、互いに鏡像の関係にある。詳しくは、第2接続部材40は、第2被取付け部42と、第2ブスバー44と、第2パイプ46とを有している。また、第2ブスバー44には、取付け穴441が設けられている。但し、本発明はこれに限られない。第2接続部材40の形状は、第1接続部材30の形状と鏡像関係になくてもよい。
【0029】
図1及び
図3から理解されるように、第2接続部材40の第2パイプ46は、円筒形状を有しており、第2被取付け部42に取り付けられて、第2被取付け部42と連通する。第2被取付け部42は、コイル20の第2端部261に取り付けられる。換言すると、コイル20の第2端部261は、第2被取付け部42に圧入されている。
【0030】
図1から
図3までの図から理解されるように、コイル20には、第1ブスバー34と第2ブスバー44とを用いて電流が供給される。詳しくは、第1ブスバー34及び第2ブスバー44は、取付け穴341及び441を用いて固定板(図示せず)に固定されるとともに電源に接続される。その結果、コイル20は、磁気コア50とともにリアクトル10として機能する。コイル20は、電流の通過に伴い発熱する。一方、第1パイプ36及び第2パイプ46には、冷却システム60の供給口761及び回収口781が夫々接続されており、コイル20の孔201内には冷媒が流れる。コイル20の孔201内を流れる冷媒は、コイル20に発生する熱を奪い、コイル20を冷却する。
【0031】
本実施の形態によれば、第1ブスバー34及び第2ブスバー44のコイル20への取付けを、第1端部241及び第2端部261の第1接続部材30及び第2接続部材40への圧入により実現できる。これにより溶接やろう付けによる熱をコイル20に与えることなく、第1ブスバー34及び第2ブスバー44をコイル20に取り付けることができる。その結果、コイル20に設けられている絶縁膜への熱による影響を防止することができる。換言すると、溶接やろう付けによる熱を原因とするコイル20の短絡を防止することができる。
【0032】
また、本実施の形態によれば、第1接続部材30の第1パイプ36及び第2接続部材40の第2パイプ46の形状は円筒形状である。それゆえ、冷却システム60の供給口761及び回収口781を構成する第1継手76及び第2継手78として汎用品を用いることができ、高い接続信頼性を確保することができる。
【0033】
以上、本発明について実施の形態を掲げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の変形・変更が可能である。例えば、
図6及び
図7に示されるように、コイル20の第1延長部24には、先細の外形を持つ第1端部241Aが設けられてもよい。この場合、第1接続部材30Aの第1被取付け部32Aは、内側へ向かって突出する円環状の突出部327が形成されたコイル受容部323Aを有することが好ましい。第2延長部26及び第2接続部材40についても、同様である。
【符号の説明】
【0034】
10 リアクトル
20 コイル
201 孔
22 主部
24 第1延長部
241 第1端部
26 第2延長部
261 第2端部
30 第1接続部材
32 第1被取付け部
321 パイプ受容部
323 コイル受容部
325 連結部
327 突出部
34 第1ブスバー
341 取付け穴
36 第1パイプ
40 第2接続部材
42 第2被取付け部
44 第2ブスバー
441 取付け穴
46 第2パイプ
50 磁気コア
501 収容部
52 ケース
60 冷却システム
70 冷却装置
72 第1冷媒管
74 第2冷媒管
76 第1継手
761 供給口
78 第2継手
781 回収口