(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】タイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 11/13 20060101AFI20240301BHJP
B60C 5/00 20060101ALI20240301BHJP
B60C 11/03 20060101ALI20240301BHJP
B60C 11/01 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
B60C11/13 C
B60C5/00 H
B60C11/03 B
B60C11/01 B
(21)【出願番号】P 2020009406
(22)【出願日】2020-01-23
【審査請求日】2022-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒川 幸司
【審査官】松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-134996(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0023077(US,A1)
【文献】特開2018-161998(JP,A)
【文献】特開2019-116114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 5/00
B60C 11/00-11/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部に設けられたタイヤ周方向に延びる周方向溝に面する側壁を持つ陸部と、前記陸部に設けられてタイヤ幅方向に延びかつタイヤ周方向における少なくとも一方のエッジに面取り部が設けられた横溝と、を備え、前記面取り部よりも底部側での前記横溝の溝幅が、前記横溝の延在方向中央部よりも
少なくとも一方の前記周方向溝に面する前記側壁側の端部において小さい、タイヤ
であって、
前記タイヤは車両への装着向きが指定され、
前記トレッド部には複数の周方向溝が設けられ、
前記トレッド部は、前記陸部として、タイヤ赤道面よりも車両装着外側において接地端に最も近い周方向溝により区画された当該接地端を含む外側ショルダー陸部と、タイヤ赤道面よりも車両装着内側において接地端に最も近い周方向溝により区画された当該接地端を含む内側ショルダー陸部と、を備え、
前記外側ショルダー陸部と前記内側ショルダー陸部にそれぞれ前記横溝が設けられ、
前記外側ショルダー陸部に設けられた横溝の接地面における平均面取り幅が前記内側ショルダー陸部に設けられた横溝の接地面における平均面取り幅よりも大きく、かつ、前記内側ショルダー陸部に設けられた横溝
における前記面取り部よりも底部側での溝幅を延在方向において平均した平均溝幅が前記外側ショルダー陸部に設けられた横溝
における前記面取り部よりも底部側での溝幅を延在方向において平均した平均溝幅よりも大きい、タイヤ。
【請求項2】
トレッド部に設けられたタイヤ周方向に延びる周方向溝に面する側壁を持つ陸部と、前記陸部に設けられてタイヤ幅方向に延びかつタイヤ周方向における少なくとも一方のエッジに面取り部が設けられた横溝と、を備え、前記面取り部よりも底部側での前記横溝の溝幅が、前記横溝の延在方向中央部よりも
少なくとも一方の前記周方向溝に面する前記側壁側の端部において小さい、タイヤ
であって、
前記トレッド部には複数の周方向溝が設けられ、当該複数の周方向溝により複数の陸部が前記陸部として区画形成され、前記複数の陸部にそれぞれ前記横溝が設けられ、タイヤ赤道面に近い陸部に存在する横溝ほど接地面における平均面取り幅が小さくかつ
前記面取り部よりも底部側での溝幅を延在方向において平均した平均溝幅が大きい、タイヤ。
【請求項3】
前記トレッド部には複数の周方向溝が設けられ、当該複数の周方向溝により複数の陸部が前記陸部として区画形成され、前記複数の陸部にそれぞれ前記横溝が設けられ、タイヤ赤道面に近い陸部に存在する横溝ほど接地面における平均面取り幅が小さくかつ
前記面取り部よりも底部側での溝幅を延在方向において平均した平均溝幅が大きい、請求項
1に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記横溝の前記面取り部の面取り幅が、前記延在方向中央部よりも
少なくとも一方の前記周方向溝に面する前記側壁側の端部において大きい、請求項1
~3のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項5】
前記横溝の
少なくとも一方の前記周方向溝に面する前記側壁側の端部での前記面取り部の面取り幅が当該側壁側の端部での
前記面取り部よりも底部側での溝幅よりも大きく、かつ、前記延在方向中央部での
前記面取り部よりも底部側での溝幅が当該延在方向中央部での前記面取り部の面取り幅よりも大きい、請求項1~
4のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項6】
前記横溝のトレッド面での開口幅が前記横溝の延在方向全体において最小開口幅の2倍以下である、請求項1~
5のいずれか1項に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
トレッド部にタイヤ周方向に延びる周方向溝と該周方向溝により区画される陸部を設け、該陸部にタイヤ幅方向に延びる横溝を設けたタイヤが知られている。かかる横溝のエッジが直角に近い角度であると、制動時や旋回時に当該エッジ付近での圧力が上昇し、接地性が悪くなることで制動性能や旋回性能等が悪化する要因となる。
【0003】
横溝のエッジに面取り部を設けて斜面を形成することが知られており、これにより、制動時や旋回時におけるエッジ付近での圧力上昇を抑制することができる。横溝のエッジに面取り部を設けることを開示した文献として例えば特許文献1~4がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-161998号公報
【文献】EP1580032A1
【文献】EP3181378A1
【文献】WO2013/092206A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように面取り部により横溝のエッジ近傍の圧力上昇を抑制することはできるが、周方向溝に面する側壁近傍では陸部の剛性が低いため、制動時や旋回時において横溝の上記側壁側の端部近傍での圧力上昇が大きくなり、制動性能や旋回性能等が損なわれる要因となる。
【0006】
本発明の実施形態は、制動時や旋回時における横溝近傍での圧力上昇を抑制することができるタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係るタイヤは、トレッド部に設けられたタイヤ周方向に延びる周方向溝に面する側壁を持つ陸部と、前記陸部に設けられてタイヤ幅方向に延びかつタイヤ周方向における少なくとも一方のエッジに面取り部が設けられた横溝と、を備え、前記面取り部よりも底部側での前記横溝の溝幅が、前記横溝の延在方向中央部よりも少なくとも一方の前記周方向溝に面する前記側壁側の端部において小さい、タイヤであって、前記タイヤは車両への装着向きが指定され、前記トレッド部には複数の周方向溝が設けられ、前記トレッド部は、前記陸部として、タイヤ赤道面よりも車両装着外側において接地端に最も近い周方向溝により区画された当該接地端を含む外側ショルダー陸部と、タイヤ赤道面よりも車両装着内側において接地端に最も近い周方向溝により区画された当該接地端を含む内側ショルダー陸部と、を備え、前記外側ショルダー陸部と前記内側ショルダー陸部にそれぞれ前記横溝が設けられ、前記外側ショルダー陸部に設けられた横溝の接地面における平均面取り幅が前記内側ショルダー陸部に設けられた横溝の接地面における平均面取り幅よりも大きく、かつ、前記内側ショルダー陸部に設けられた横溝における前記面取り部よりも底部側での溝幅を延在方向において平均した平均溝幅が前記外側ショルダー陸部に設けられた横溝における前記面取り部よりも底部側での溝幅を延在方向において平均した平均溝幅よりも大きいものである。
【0008】
本発明の他の実施形態に係るタイヤは、トレッド部に設けられたタイヤ周方向に延びる周方向溝に面する側壁を持つ陸部と、前記陸部に設けられてタイヤ幅方向に延びかつタイヤ周方向における少なくとも一方のエッジに面取り部が設けられた横溝と、を備え、前記面取り部よりも底部側での前記横溝の溝幅が、前記横溝の延在方向中央部よりも少なくとも一方の前記周方向溝に面する前記側壁側の端部において小さい、タイヤであって、前記トレッド部には複数の周方向溝が設けられ、当該複数の周方向溝により複数の陸部が前記陸部として区画形成され、前記複数の陸部にそれぞれ前記横溝が設けられ、タイヤ赤道面に近い陸部に存在する横溝ほど接地面における平均面取り幅が小さくかつ前記面取り部よりも底部側での溝幅を延在方向において平均した平均溝幅が大きいものである。
【0009】
上記実施形態に係るタイヤは、前記トレッド部には複数の周方向溝が設けられ、当該複数の周方向溝により複数の陸部が前記陸部として区画形成され、前記複数の陸部にそれぞれ前記横溝が設けられ、タイヤ赤道面に近い陸部に存在する横溝ほど接地面における平均面取り幅が小さくかつ前記面取り部よりも底部側での溝幅を延在方向において平均した平均溝幅が大きいものである。
【0010】
上記実施形態に係るタイヤは、前記横溝の前記面取り部の面取り幅が、前記延在方向中央部よりも少なくとも一方の前記周方向溝に面する前記側壁側の端部において大きいものである。
【0011】
上記実施形態に係るタイヤは、前記横溝の少なくとも一方の前記周方向溝に面する前記側壁側の端部での前記面取り部の面取り幅が当該側壁側の端部での前記面取り部よりも底部側での溝幅よりも大きく、かつ、前記延在方向中央部での前記面取り部よりも底部側での溝幅が当該延在方向中央部での前記面取り部の面取り幅よりも大きいものである。
【0012】
上記実施形態に係るタイヤは、前記横溝のトレッド面での開口幅が前記横溝の延在方向全体において最小開口幅の2倍以下であるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態によれば、タイヤ幅方向に延びる横溝において、剛性の低い側壁側の端部での溝幅を延在方向中央部での溝幅よりも小さくしたことにより、制動時や旋回時における当該側壁側の端部近傍での圧力上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】第1実施形態に係るタイヤのトレッドパターンを示す展開図
【
図3】
図2のトレッドパターンにおける外側ショルダー陸部の平面図
【
図4】
図2のトレッドパターンにおける外側中間陸部の平面図
【
図7】第2実施形態に係るタイヤのトレッドパターンを示す展開図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書における各形状及び寸法等は、特に断らない限り、タイヤを正規リムに装着して正規内圧を充填した無負荷の正規状態でのものである。正規リムとは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、又はETRTO規格における「Measuring Rim」である。正規内圧とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、例えばJATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の「最大値」、又はETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」である。
【0016】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
第1実施形態に係るタイヤ10は、空気入りタイヤであり、
図1にその断面形状を、
図2にそのトレッドパターンをそれぞれ示す。
図1に示すように、タイヤ10は、接地面を形成するトレッド部12と、左右一対のビード部14,14と、トレッド部12とビード部14との間に介在する左右一対のサイドウォール部16,16とを備える。
【0018】
ビード部14には環状のビードコア18が埋設されている。左右のビード部14,14間にはトロイダル状に延びるラジアル構造のカーカスプライ20が設けられている。トレッド部12においてカーカスプライ20の外周側には複数枚のベルトプライからなるベルト22が設けられ、該ベルト22の外周側にベルト補強層24を介してタイヤ周方向に延在するトレッドゴム26が設けられている。これらのタイヤの内部構成は、特に限定されず、一般的なタイヤ構造を採用してもよい。
【0019】
図中、符号CLは、タイヤ幅方向中心に相当するタイヤ赤道面を示す。符号WDは、タイヤ幅方向(タイヤ軸方向とも称される。)を示し、タイヤ幅方向WD内側とはタイヤ赤道面CLに近づく方向をいい、タイヤ幅方向WD外側とはタイヤ赤道面CLから離れる方向をいう。符号CDは、タイヤ回転軸を中心とした円周上の方向であるタイヤ周方向を示す。符号RDは、タイヤ径方向(タイヤ回転軸に垂直な方向)を示す。
【0020】
符号TEは、トレッド部12の接地端を示す。接地端TEは、タイヤを正規リムにリム組みし、正規内圧を充填した状態でタイヤを平坦な路面に垂直に置き、正規荷重を加えたときの路面に接地するトレッド面のタイヤ幅方向WDの最外位置を指す。正規荷重は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、例えばJATMA規格における最大負荷能力、TRA規格における上記の表に記載の最大値、ETRTO規格における「LOAD CAPACITY」であるが、タイヤが乗用車用である場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。
【0021】
第1実施形態に係るタイヤ10は、車両への装着向きが指定されたタイヤであり、車両に装着する際に外側に装着される面と内側に装着される面とが指定されている。そのため、タイヤの例えばサイド部には、車両への装着向きを指定するための表示が設けられている。図中、符号OUTで示す側が車両装着姿勢において外側(車両装着外側)に向き、符号INで示す側が車両装着姿勢において内側(車両装着内側)に向くように、車両に装着される。
【0022】
トレッド部12には、タイヤ周方向CDに延びる主溝として複数の周方向溝30がタイヤ幅方向WDに間隔をおいて設けられている。この例では、周方向溝30は、タイヤ赤道面CLを挟んで位置する一対のセンター主溝30A,30Aと、そのタイヤ幅方向WD外側に位置する一対のショルダー主溝30B,30Bとの4本が設けられており、いずれもタイヤ周方向CDに平行に延びるストレート状である。なお、主溝としての周方向溝30は、一般に5mm以上の溝幅(開口幅)を持つ。
【0023】
トレッド部12には、タイヤ周方向CDに延びる複数の陸部が周方向溝30により区画形成されている。詳細には、トレッド部12には、車両装着外側OUTから車両装着内側INに向かって、外側ショルダー陸部32,外側中間陸部34,センター陸部36,内側中間陸部38,内側ショルダー陸部40が順次区画されている。
【0024】
外側ショルダー陸部32は、タイヤ赤道面CLよりも車両装着外側OUTにおいて接地端TEに最も近い周方向溝30であるショルダー主溝30Bにより区画された当該接地端TEを含む陸部であり、ショルダー主溝30Bに面する側壁(即ち、ショルダー主溝30Bの溝壁面をなす側壁)32Aを有する。
【0025】
外側中間陸部34は、タイヤ赤道面CLよりも車両装着外側OUTにおいてセンター主溝30Aとショルダー主溝30Bとに挟まれた陸部であり、そのタイヤ幅方向WDの両側にそれぞれセンター主溝30Aに面する側壁34Aとショルダー主溝30Bに面する側壁34Bを有する。
【0026】
センター陸部36は、一対のセンター主溝30A,30A間に挟まれたタイヤ赤道面CLを含む陸部であり、そのタイヤ幅方向WDの両側にそれぞれセンター主溝30A,30Aに面する側壁36A,36Bを有する。
【0027】
内側中間陸部38は、タイヤ赤道面CLよりも車両装着内側INにおいてセンター主溝30Aとショルダー主溝30Bとに挟まれた陸部であり、そのタイヤ幅方向WDの両側にそれぞれセンター主溝30Aに面する側壁38Aとショルダー主溝30Bに面する側壁38Bを有する。
【0028】
内側ショルダー陸部40は、タイヤ赤道面CLよりも車両装着内側INにおいて接地端TEに最も近い周方向溝30であるショルダー主溝30Bにより区画された当該接地端TEを含む陸部であり、ショルダー主溝30Bに面する側壁40Aを有する。
【0029】
これらの陸部32,34,36,38,40にはタイヤ幅方向WDに延在する横溝41~45が設けられている。横溝41~45は、タイヤ幅方向WDに延びる溝であれば、必ずしもタイヤ幅方向WDに平行でなくてもよく、傾斜しつつタイヤ幅方向WDに延びる溝でもよい。横溝41~45は、主溝としての周方向溝30よりも溝幅が狭い溝であり、例えば、その延在方向における平均の溝幅で1~6mmの溝幅を有するものでもよく、1.5~4mmの溝幅を持つものでもよい。横溝41~45は、各陸部32,34,36,38,40においてタイヤ周方向CDに間隔をおいて複数設けられている。
【0030】
横溝41~45は、その延在方向における端部が周方向溝30に開口するものでもよく、各陸部内で終端したものであってもよく、開口するものと終端したものを1つのタイヤ又は1つの陸部で併存させてもよい。
【0031】
例えば、周方向溝30,30間に挟まれた陸部に設ける横溝については、両端が周方向溝30に開口してもよく、一端が周方向溝30に開口し他端が当該陸部内で終端してもよく、両端が当該陸部内で終端してもよい。陸部内で終端する場合、当該陸部のタイヤ幅方向中心位置と側壁との間を二等分する線よりも該側壁に近い位置で終端することが好ましい。
【0032】
また、接地端TEを含む陸部に設ける横溝については、周方向溝30側の端部が当該周方向溝30に開口してもよく、陸部内で終端してもよい。陸部内で終端する場合、接地端TEと上記側壁との間を二等分する線よりも該側壁に近い位置で終端することが好ましい。
【0033】
この例では、外側ショルダー陸部32に設けられた横溝41は、一端が接地端TEを越えてタイヤ幅方向WD外側に延在し、他端がショルダー主溝30Bに開口している。一方、内側ショルダー陸部40に設けられた横溝45は、一端が接地端TEを越えてタイヤ幅方向WD外側に延在し、他端が内側ショルダー陸部40内で終端している。外側中間陸部34とセンター陸部36と内側中間陸部38にそれぞれ設けられた横溝42,43,44は、両端が周方向溝30に開口している。詳細には、横溝42と横溝44は、一端がセンター主溝30Aに開口し、他端がショルダー主溝30Bに開口しており、横溝43は、一端が一方のセンター主溝30Aに開口し、他端がもう一方のセンター主溝30Aに開口している。
【0034】
横溝41~45のタイヤ周方向CDにおける両エッジ(即ち、踏み込み側のエッジと蹴り出し側のエッジ)の少なくとも一方にはそれぞれ面取り部46~50が設けられている。この例では、面取り部46~50は横溝41~45の両エッジに設けられている。面取り部46~50を設けることで、横溝41~45の開口部には、
図5及び
図6に示すようにトレッド面に対して傾斜した斜面52が形成されている。タイヤ径方向RDに対する斜面52の傾斜角度θは特に限定されず、例えば20°~70°でもよく、30°~60°でもよく、この例では45°に設定している。このように横溝41~45に面取り部46~50を設けることにより、制動時や旋回時におけるエッジ近傍での圧力上昇を抑制することができる。
【0035】
本実施形態において、横溝41~45は、面取り部46~50よりも底部側での溝幅が、横溝41~45の延在方向中央部よりも側壁側の端部において小さく設定されている。すなわち、各横溝41~45は、その側壁側の端部での溝幅Aeが狭く、延在方向中央部での溝幅Acが広くなるように形成されている(Ae<Ac)。このように剛性の低い側壁側の端部で溝幅を狭くすることにより、制動時や旋回時における当該端部近傍での圧力上昇を抑制することができる。また、延在方向中央部において溝容積を確保して排水性を向上することができる。
【0036】
横溝41~45は、また、面取り部46~50の面取り幅が、横溝41~45の延在方向中央部よりも側壁側の端部において大きく設定されている。すなわち、各横溝41~45は、その側壁側の端部での面取り幅Beが大きく、延在方向中央部での面取り幅Bcが小さくなるように形成されている(Be>Bc)。このように剛性の低い側壁側の端部で面取り幅Beを大きくすることにより、制動時や旋回時における当該端部近傍での圧力上昇を抑えることができる。また、延在方向中央部において面取り幅Bcを小さくすることで路面との接触面積の低減を抑えることができ、制動性能を向上することができる。
【0037】
横溝41~45は、また、その側壁側の端部での面取り部46~50の面取り幅Beが当該側壁側の端部での溝幅Aeよりも大きいことが好ましい(Be>Ae)。また、横溝41~45は、その延在方向中央部での溝幅Acが当該延在方向中央部での面取り部46~50の面取り幅Bcよりも大きいことが好ましい(Ac>Bc)。これにより、剛性の低い側壁側の端部近傍での制動時や旋回時における圧力上昇を更に抑えることができる。また、延在方向中央部において路面との接触面積の低減を抑えつつ溝容積の低減を効果的に抑制して排水性を向上することができる。
【0038】
ここで、横溝41~45の溝幅とは、面取り部46~50よりも下側における横溝本来の幅である(
図5及び
図6参照)。面取り部46~50の面取り幅とは、トレッド面と平行に測定される面取り部46~50の幅である(
図5及び
図6参照)。両側のエッジに面取り部46~50が設けられている場合、それぞれの面取り幅が上記各関係を満たすことが好ましい。
【0039】
側壁側の端部での溝幅Ae及び面取り幅Beとは、横溝41~45の延在方向における一方又は両方の端部での溝幅及び面取り幅である。好ましくは、横溝41~45の延在方向において最も溝壁32A,34B,34A,36A,36B,38A,38B,40Aに近い位置での溝幅及び面取り幅であり、すなわち、周方向溝30に開口する横溝41~44については当該開口端位置での溝幅及び面取り幅、陸部内で終端する横溝45についてはその終端位置での溝幅及び面取り幅である。
【0040】
延在方向中央部での溝幅Ac及び面取り幅Bcとは、周方向溝30,30間に挟まれた陸部(即ち、外側中間陸部32,センター陸部34,内側中間陸部36)については、当該陸部のタイヤ幅方向中心位置での横溝42~44の溝幅及び面取り幅である。また、接地端TEを含む陸部(即ち、外側ショルダー陸部32,内側ショルダー陸部40)について、延在方向中央部での溝幅Ac及び面取り幅Bcとは、当該接地端TEの位置での横溝41,45の溝幅及び面取り幅である。
【0041】
なお、接地端TEを含む陸部32,40に設けられた横溝41,45について、接地端TEよりもタイヤ幅方向WD外側における溝幅及び面取り幅については特に限定されない。
【0042】
横溝41~45の各構成についてより詳細に説明する。
【0043】
外側ショルダー陸部32の横溝41は、
図3に示すように、両側のエッジにそれぞれ面取り部46,46を備える。面取り部46は、横溝41の延在方向の全体にわたって設けられている。横溝41は、側壁32A側の端部41A(詳細には周方向溝30への開口端)での溝幅Ae1が、横溝41の延在方向中央部41B(詳細には接地端TE)での溝幅Ac1よりも小さく設定されている(Ae1<Ac1)。横溝41の溝幅は延在方向中央部41Bから側壁32A側の端部41Aに向かってなだらかに変化するように漸次小さく設定されている。
【0044】
また、横溝41は、両側のエッジに設けられた面取り部46,46において、側壁32A側の端部41A(詳細には周方向溝30への開口端)での面取り幅Be1,Be1が、それぞれ延在方向中央部41B(詳細には接地端TE)での面取り幅Bc1,Bc1よりも大きく設定されている(Be1>Bc1)。面取り部46の面取り幅は延在方向中央部41Bから側壁32A側の端部41Aに向かってなだらかに変化するように漸次大きく設定されている。
【0045】
また、横溝41は、
図3及び
図5に示すように、側壁32A側の端部41A(詳細には周方向溝30への開口端)での面取り幅Be1が当該側壁32A側の端部41Aでの溝幅Ae1よりも大きく(Be1>Ae1)、かつ、
図3及び
図6に示すように、延在方向中央部41Bでの溝幅Ac1が当該延在方向中央部41Bでの面取り幅Bc1よりも大きく(Ac1>Bc1)、設定されている。
【0046】
外側中間陸部34の横溝42は、
図4に示すように、両側のエッジにそれぞれ面取り部47,47を備え、面取り部47は横溝42の延在方向の全体にわたって設けられている。横溝42は、その延在方向の両端、即ち側壁34A,34B側の端部42A,42A(詳細には周方向溝30への開口端)での溝幅Ae2,Ae2が、横溝42の延在方向中央部42Bでの溝幅Ac2よりも小さく設定されている(Ae2<Ac2)。横溝42の溝幅は延在方向中央部42Bからその両側の側壁34A,34B側の端部42A,42Aに向かってなだらかに変化するように漸次小さく設定されている。
【0047】
また、横溝42は、両側のエッジに設けられた各面取り部47において、側壁34A,34B側の端部42A,42A(詳細には周方向溝30への開口端)での面取り幅Be2,Be2が、延在方向中央部42Bでの面取り幅Bc2よりも大きく設定されている(Be2>Bc2)。各面取り部47の面取り幅は延在方向中央部42Bから側壁34A,34B側の端部42A,42Aに向かってそれぞれなだらかに変化するように漸次大きく設定されている。
【0048】
また、横溝42は、側壁34A,34B側の端部42A,42Aでの面取り幅Be2,Be2が当該側壁34A,34B側の端部42A,42Aでの溝幅Ae2,Ae2よりも大きく(Be2>Ae2)、かつ、延在方向中央部42Bでの溝幅Ac2が当該延在方向中央部42Bでの面取り幅Bc2よりも大きく(Ac2>Bc2)、設定されている。
【0049】
センター陸部36の横溝43と内側中間陸部38の横溝44の構成については、この例では、外側中間陸部34の横溝42と同様である。
【0050】
すなわち、センター陸部36の横溝43は、両側のエッジにそれぞれ面取り部48,48を備え、横溝43は、その側壁36A,36B側の端部での溝幅Ae3が、横溝43の延在方向中央部での溝幅Ac3よりも小さく設定されている(Ae3<Ac3)。横溝43は、両側のエッジに設けられた各面取り部48において、側壁36A,36B側の端部での面取り幅Be3が、延在方向中央部での面取り幅Bc3よりも大きく設定されている(Be3>Bc3)。横溝43は、その側壁36A,36B側の端部での面取り幅Be3が当該側壁36A,36B側の端部での溝幅Ae3よりも大きく(Be3>Ae3)、かつ、延在方向中央部での溝幅Ac3が当該延在方向中央部での面取り幅Bc3よりも大きく(Ac3>Bc3)、設定されている。
【0051】
また、内側中間陸部38の横溝44は、両側のエッジにそれぞれ面取り部49,49を備え、横溝44は、その側壁38A,38B側の端部での溝幅Ae4が、横溝44の延在方向中央部での溝幅Ac4よりも小さく設定されている(Ae4<Ac4)。横溝44は、両側のエッジに設けられた各面取り部49において、側壁38A,38B側の端部での面取り幅Be4が、延在方向中央部での面取り幅Bc4よりも大きく設定されている(Be4>Bc4)。横溝44は、その側壁38A,38B側の端部での面取り幅Be4が当該側壁38A,38B側の端部での溝幅Ae4よりも大きく(Be4>Ae4)、かつ、延在方向中央部での溝幅Ac4が当該延在方向中央部での面取り幅Bc4よりも大きく(Ac4>Bc4)、設定されている。
【0052】
内側ショルダー陸部40の横溝45は、内側ショルダー陸部40内で終端しており、この点で外側ショルダー陸部32の横溝41と異なるが、基本的には外側ショルダー陸部32の横溝41と同様の構成を有する。そのため、横溝45は、両側のエッジに面取り部50,50を備えるとともに、側壁40A側の端部での溝幅Ae5が、横溝45の延在方向中央部での溝幅Ac5よりも小さく設定されている(Ae5<Ac5)。また、横溝45は、上記各面取り部50において、側壁40A側の端部での面取り幅Be5が延在方向中央部での面取り幅Bc5よりも大きく設定されている(Be5>Bc5)。また、横溝45は、側壁40A側の端部での面取り幅Be5が当該側壁40A側の端部での溝幅Ae5よりも大きく(Be5>Ae5)、かつ、延在方向中央部での溝幅Ac5が当該延在方向中央部での面取り幅Bc5よりも大きく(Ac5>Bc5)、設定されている。
【0053】
この実施形態において、横溝41~45のトレッド面での開口幅C(
図5及び
図6参照)は、その延在方向全体において最小開口幅の2倍以下に設定されている。すなわち、各横溝41~45の延在方向全体における開口幅Cの変化は、それぞれの最小開口幅(最も開口幅が狭い部位における当該開口幅)を基準としてその2倍以下に設定されている。このように面取り部46~50を含めた横溝全体の開口幅Cについて、その変化を小さく設定することにより、各陸部32,34,36,38,40の幅方向における圧力変化を抑制することができる。
【0054】
この実施形態では、また、外側ショルダー陸部32に設けられた横溝41の接地面における平均面取り幅HB1が、内側ショルダー陸部40に設けられた横溝45の接地面における平均面取り幅HB5よりも大きく(HB1>HB5)、かつ、内側ショルダー陸部40に設けられた横溝45の接地面における平均溝幅HA5が、外側ショルダー陸部32に設けられた横溝41の接地面における平均溝幅HA1よりも大きく(HA5>HA1)、設定されている。
【0055】
ここで、接地面における平均面取り幅HB1,HB5とは、接地端TEよりもタイヤ幅方向WD内側の領域における各面取り部46,50の面取り幅を延在方向において平均した値である。接地面における平均溝幅HA1,HA5とは、接地端TEよりもタイヤ幅方向WD内側の領域における各横溝41,45の溝幅を延在方向において平均した値である。
【0056】
このように車両装着外側OUTに位置する外側ショルダー陸部32の横溝41において平均面取り幅HB1を大きく設定することにより、旋回時に高荷重がかかる車両装着外側OUTにおける圧力上昇を効果的に抑制することができる。また、車両装着内側INにおいて内側ショルダー陸部40の横溝45の平均溝幅HA5を大きくしたことにより、排水性を効果的に確保することができる。
【0057】
以上よりなる本実施形態であると、各陸部32,34,36,38,40に面取り部46~50を備える横溝41~45を設けた上で、該横溝41~45の溝幅と面取り部46~50の面取り幅を上記のように設定したことにより、制動時や旋回時における剛性の低い部分での圧力上昇を効果的に抑制することができ、制動性能や旋回性能を向上することができる。また、路面との接触面積の低減を抑えつつ、溝容積の低減を効果的に抑制することができ、制動性能と排水性を両立することができる。
【0058】
図7は、第2実施形態に係るタイヤのトレッド部12Aのトレッドパターンを示した図である。第2実施形態では、タイヤ赤道面CLに近い陸部に存在する横溝ほど接地面における平均面取り幅を小さくかつ平均溝幅を大きく設定した点で、上記第1実施形態とは異なる。
【0059】
すなわち、第2実施形態では、外側ショルダー陸部32にある横溝41の接地面における平均面取り幅HB1及び平均溝幅HA1、外側中間陸部34にある横溝42の平均面取り幅HB2及び平均溝幅HA2、並びに、センター陸部36にある横溝43の平均面取り幅HB3及び平均溝幅HA3が次の関係を満たす。
HB1>HB2>HB3、かつ、HA1<HA2<HA3
【0060】
また、内側ショルダー陸部40にある横溝45の接地面における平均面取り幅HB5及び平均溝幅HA5、内側中間陸部38にある横溝44の平均面取り幅HB4及び平均溝幅HA4、並びに、センター陸部36にある横溝43の平均面取り幅HB3及び平均溝幅HA3が次の関係を満たす。
HB5>HB4>HB3、かつ、HA5<HA4<HA3
【0061】
このように制動時に圧力上昇が顕著な外側ショルダー陸部32及び内側ショルダー陸部40において面取り幅を大きくとることで、当該圧力上昇を抑制することができる。また、これらの陸部よりもタイヤ赤道面CLに近い陸部であるセンター陸部36、外側中間陸部34及び内側中間陸部38で溝幅を大きくすることで排水性を向上することができる。そのため、排水性と制動性能を効果的に両立することができる。
【0062】
ここで、接地面における平均面取り幅HB1~5とは、接地端TEよりもタイヤ幅方向WD内側の領域における各面取り部46~50の面取り幅をそれぞれ延在方向において平均した値である。接地面における平均溝幅HA1~5とは、接地端TEよりもタイヤ幅方向WD内側の領域における各横溝41~45の溝幅をそれぞれ延在方向において平均した値である。
【0063】
なお、
図7では、第1実施形態と同様、車両への装着向きが指定されたタイヤに適用した例としたが、第2実施形態の構成は車両への装着向きが指定されていないタイヤに適用してもよい。その場合、トレッド部には、複数の周方向溝により区画される複数の陸部として、タイヤ赤道面を含むセンター陸部と、左右の接地端を各別に含む一対のショルダー陸部と、センター陸部とショルダー陸部との間に位置する一対の中間陸部とを備えてもよい。そして、一対のショルダー陸部にある横溝の接地面における平均面取り幅を、一対の中間陸部にある横溝の平均面取り幅よりも大きくし、一対のショルダー陸部にある横溝の接地面における平均溝幅を、一対の中間陸部にある横溝の平均溝幅よりも小さく設定する。また、一対の中間陸部にある横溝の平均面取り幅を、センター陸部にある横溝の平均面取り幅よりも大きくし、一対の中間陸部にある横溝の平均溝幅を、センター陸部にある横溝の平均溝幅よりも小さく設定する。
【0064】
第2実施形態においても、横溝41~45は、Ae<Ac、Be>Bc、Be>Ae、Ac>Bcの各構成を具備しており、また開口幅Cの変化も2倍以下に設定されている。第2実施形態において、その他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様であり、説明は省略する。
【0065】
以上の実施形態における横溝の各特徴構成、例えば溝幅の変化に関するAe<Ac、面取り幅の変化に関するBe>Bc、溝幅と面取り幅の大小関係に関するBe>Ae及びAc>Bcなどの構成は、タイヤに設けられた面取り部を持つ全ての横溝が具備する必要はない。一部の横溝のみがこれらの構成を持つ実施形態も本発明に包含される。また、好ましい態様に係るBe>Bc、Be>Ae及びAc>Bcなどの追加の特徴構成については、これらを具備する横溝と具備しない横溝とを、1つのタイヤ又は1つの陸部において併存させてもよい。すなわち、Ae<Acを具備する横溝を複数有する場合、上記追加の特徴構成を具備しない横溝とともに、いずれか1以上の追加の特徴構成を具備する横溝を含んでもよい。
【0066】
以上の実施形態では、横溝の両エッジに面取り部を設けたが、面取り部は横溝の片側のエッジのみに設けてよく、両エッジに面取り部を持つ横溝と、片エッジに面取り部を持つ横溝とを併存させてもよい。また、両エッジに面取り部を持つ場合、一方の面取り部のみで上記Be>Bc、Be>Ae及びAc>Bcなどの特徴構成を採用してもよく、例えばもう一方の面取り部ではその延在方向の全体において面取り幅を一定に設定してもよい。
【0067】
以上の実施形態では、トレッド部の全ての陸部に面取り部を備えた横溝を設けたが、一部の陸部のみに当該横溝を設けてもよい。また、面取り部を具備しない横溝を併存させてもよい。
【0068】
以上の実施形態では、タイヤ周方向CDに延びる陸部32,34,36,38,40に面取り部46~50を持つ横溝41~45をタイヤ周方向CDに間隔をおいて複数配置した構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、面取り部を持たない幅広の横溝をタイヤ周方向に間隔をおいて設けることにより、陸部をブロック状に形成したものにおいて、これら各ブロック状の陸部に上記の面取り部を持つ横溝をスリット状に設けてもよい。
【0069】
以上の実施形態では、主溝としての周方向溝30が4本の場合について説明したが、周方向溝の本数は特に限定されず、例えば3本の周方向溝を持つトレッドパターンに適用してもよい。すなわち、タイヤ赤道面上に位置するセンター主溝と、その両側に配された一対のショルダー主溝とを備え、センター主溝とショルダー主溝との間に挟まれた左右一対のセンター陸部と、ショルダー主溝のタイヤ幅方向外側に位置して接地端を含む左右一対のショルダー陸部とを備えるトレッドパターンにおいて、上記の面取り部を備える横溝の構成を適用してもよい。
【0070】
本実施形態に係るタイヤとしては、乗用車用タイヤ、トラックやバスなどの重荷重用タイヤ、ライトトラック用タイヤなど、各種車両用の空気入りタイヤが挙げられ、好ましくは乗用車用空気入りタイヤに適用することである。
【0071】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0072】
10…タイヤ、12…トレッド部、30…周方向溝、32…外側ショルダー陸部、34…外側中間陸部、36…センター陸部、38…内側中間陸部、40…内側ショルダー陸部、32A,34A,34B,36A,36B,38A,38B,40A…側壁、41~45…横溝、46~50…面取り部、CL…タイヤ赤道面、CD…タイヤ周方向、WD…タイヤ幅方向、TE…接地端、OUT…車両装着外側、IN…車両装着内側、Ac,Ac1~5…延在方向中央部での溝幅、Ae,Ae1~5…側壁側の端部での溝幅、Bc,Bc1~5…延在方向中央部での面取り幅、Be,Be1~5…側壁側の端部での面取り幅