(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20240301BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240301BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240301BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20240301BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240301BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240301BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20240301BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240301BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21S2/00 230
F21V23/00 170
F21V23/00 160
F21Y103:10
F21Y115:30
F21Y115:15
F21Y115:20
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020016942
(22)【出願日】2020-02-04
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 康平
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-166559(JP,A)
【文献】特開2016-139486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21S 2/00
F21V 23/00
F21Y 103/10
F21Y 115/30
F21Y 115/15
F21Y 115/20
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部に取り付けられるものであって、外郭を構成する器具本体と、
前記器具本体に対向するように取り付けられ、照射対象空間に光を照射する光源ユニットと、を備え、
前記器具本体は、
凹状に形成された本体部と、
前記本体部の内部において回転自在に収容され、前記光源ユニットに電源を供給する電源線が接続される端子台ユニットと、を有
し、
前記端子台ユニットは、
前記本体部の内部に載置される土台部と、
前記土台部に対し傾斜する方向に回転自在に取り付けられる台座部と、
前記台座部に設けられ、前記電源線が接続される入力口部が形成された端子台と、を有する
照明器具。
【請求項2】
前記入力口部が前記土台部に対し平行の方向に向くように前記台座部が回転する通常モードと、
前記入力口部が前記光源ユニット側に向くように前記台座部が回転する配線モードと、を有する
請求項
1記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子台ユニットを備える照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具には、光源ユニットに電源を供給する電源線が接続される端子台ユニットが設けられている。特許文献1には、凹状に形成された器具本体に表示板が取り付けられた照明器具が開示されている。特許文献1の器具本体の内部には、電線差込孔が形成された端子台が設けられている。特許文献1において、端子台の電線差込孔は、斜面上に形成されている。即ち、電線差込孔は、器具本体側の反対側を向いている。特許文献1は、これにより、作業者によって電源線が電線差込孔に差し込まれる際、器具本体側の反対側から差し込み易くしようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された照明器具は、電線差込孔が器具本体側の反対側を向いているため、電源線が差し込まれたのち、差し込まれた電源線が器具本体側の反対側に張り出す。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、端子台ユニットに電源線を差し込み易くしつつ、電源線が器具本体側の反対側に張り出すことを抑制する照明器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明器具は、被取付部に取り付けられるものであって、外郭を構成する器具本体と、器具本体に対向するように取り付けられ、照射対象空間に光を照射する光源ユニットと、を備え、器具本体は、凹状に形成された本体部と、本体部の内部において回転自在に収容され、光源ユニットに電源を供給する電源線が接続される端子台ユニットと、を有し、端子台ユニットは、本体部の内部に載置される土台部と、土台部に対し傾斜する方向に回転自在に取り付けられる台座部と、台座部に設けられ、電源線が接続される入力口部が形成された端子台と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、端子台ユニットが本体部の内部において回転自在に収容されている。このため、電源線が接続される際、端子台ユニットを回転して接続し易い状態にし、光源ユニットが取り付けられる際、端子台ユニットを逆回転して電源線が張り出さない状態にすることができる。従って、端子台ユニットに電源線を差し込み易くしつつ、電源線が器具本体側の反対側に張り出すことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具の組立斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具の分解斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る光源ユニットの分解斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る器具本体の組立斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る器具本体の分解斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る端子台ユニットの入力口側からみた組立斜視図である。
【
図7】実施の形態1に係る端子台ユニットの出力口側からみた組立斜視図である。
【
図8】実施の形態1に係る端子台ユニットの
図6に対応した分解斜視図である。
【
図9】実施の形態1に係る端子台ユニットの
図7に対応した分解斜視図である。
【
図10】実施の形態1に係る照明器具の通常モードを示す模式図である。
【
図11】実施の形態1に係る照明器具の配線モードを示す模式図である。
【
図12】実施の形態1に係る照明器具の側面図である。
【
図13】実施の形態1に係る照明器具の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る照明器具の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。また、
図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本開示を限定するものではない。方向を表す用語としては、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等が挙げられる。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1の組立斜視図であり、
図2は、実施の形態1に係る照明器具1の分解斜視図である。以下の説明において、照明器具1の長手方向に沿った方向を長手方向(X軸方向)とする。また、長手方向(X軸方向)に直交し、長手方向(X軸方向)に対する短手方向を短手方向(Y軸方向)とする。そして、長手方向(X軸方向)及び短手方向(Y軸方向)のいずれとも直交する方向を上下方向(Z軸方向)とする。
【0011】
図1及び
図2に示すように、本実施の形態における照明器具1は、天井又は壁等の被取付部10に取り付けられる器具本体100と、器具本体100に取り付けられる光源ユニット200と、を備える。実施の形態では、照明器具1は、いわゆるトラフタイプの照明器具を例として示す。なお、実施の形態における照明器具1は、いわゆるトラフタイプの照明器具を例示して説明するが、照明器具1はトラフタイプの照明器具に限定されるものではない。照明器具1は、光源ユニット200が装着されるものとして、例えば、いわゆる笠付タイプ、片側反射笠付タイプ又はV形タイプ等、他の形状のものを採用することができる。照明器具1は、光源ユニット200の一部が本体部110に収容されるように取り付けられている。
【0012】
(光源ユニット200)
図3は、実施の形態1に係る光源ユニット200の分解斜視図である。
図3に示すように、光源ユニット200は、本体部110に対向するように取り付けられ、照射対象空間に光を照射するものであり、器具本体100に取り付けられることによって照明器具1を構成する。光源ユニット200は、長尺状に形成されており、器具本体100に装着されて使用される。光源ユニット200は、本体部110に一部が収容され、本体部110に着脱自在に取り付けられる(
図2参照)。光源ユニット200は、発光モジュール210と、フレーム220と、カバー230と、端部カバー240と、連結部250とを有している。
【0013】
(発光モジュール210)
発光モジュール210は、光源となり長尺状に形成されている。発光モジュール210は、フレーム220よりも長尺状に形成されている。発光モジュール210は、複数の発光素子212と、この複数の発光素子212が直線状に実装される矩形状をした基板211とを有している。発光モジュール210の基板211は、長手方向(X軸方向)の長さがフレーム220よりも長く、カバー230と略同等の長さに形成されている。従って、発光モジュール210がフレーム220上に取り付けられると、基板211は、両方の端部211tがフレーム220から突出した状態となる。
【0014】
発光素子212は、光源ユニット200の光源であり、電力が供給されると発光する。発光モジュール210は、発光素子212として、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode;以下、LEDと称す)素子を用いる。発光素子212は、基板211に直線状に実装される構成に限定されるものではなく、例えば、基板211の実装面に、基板211の長手方向(X軸方向)に沿って、列状、千鳥状等に実装されてもよい。発光素子212は、例えば、波長が440~480〔nm〕の青色光を出射するLEDチップ上に、青色光を黄色光に波長変換する蛍光体を配してパッケージ化された面実装部品である疑似白色LED素子である。
【0015】
なお、発光素子212は、発光ダイオード素子に限定されるものではない。発光素子212として、例えば、固体レーザ(Solid State Laser)、半導体レーザ(Semiconductor Laser)、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等が用いられてもよい。基板211には、例えば、ガラス-エポキシ基板(FR-4)、ガラス-コンポジット基板(CEM-3)、紙エポキシ基板(FR-3)、紙フェノール基板(XPC)又は金属ベース基板等が用いられる。
【0016】
(フレーム220)
フレーム220は、発光素子212を有する発光モジュール210が取り付けられるものである。フレーム220は、長尺状に形成されており、断面が略H字状に形成されている。フレーム220は、例えば、アルミ材を押出成型して形成してもよく、板金を折り曲げて一体的に形成しても良い。フレーム220は、発光モジュール210が取り付けられる基板取付面221aを形成する第一板部221を有する。また、フレーム220は、第一板部221の基板取付面221aと反対側の面から突出する柱部222と、柱部222を挟むように第一板部221と対向するよう設けられた第二板部223とを有している。
【0017】
第一板部221は、発光モジュール210が取り付けられる基板取付面221aと、カバー230を保持するカバー保持部221bと、を有している。基板取付面221aは、カバー230がフレーム220に取り付けられた状態において、カバー230と対向する面である。カバー保持部221bは、フレーム220の短手方向(Y軸方向)の端部において、フレーム220の長手方向(X軸方向)に沿って形成されている。カバー保持部221bは、鉤状に形成されており、断面L字形状に形成されている。カバー保持部221bが形成する溝部は、フレーム220の内側となる発光素子212側に開口している。
【0018】
発光モジュール210及びカバー230は、フレーム220の長手方向(X軸方向)の端部221tから挿し込まれてフレーム220に取り付けられる。また、フレーム220は、短手方向(Y軸方向)において、カバー保持部221bの内側に第二カバー保持部221cが設けられている。この第二カバー保持部221cは、カバー230の内側にレンズ等の配光制御部材(図示せず)等が取り付けられる部分である。第二カバー保持部221cは、カバー保持部221bの内側において、フレーム220の長手方向(X軸方向)に沿って形成されている。第二カバー保持部221cは、鉤状に形成されており、断面L字形状に形成されている。第二カバー保持部221cが形成する溝部は、フレーム220の内側となる発光素子212側に開口している。
【0019】
柱部222は、第一板部221の短手方向(Y軸方向)の中央部から、第二板部223の短手方向(Y軸方向)の中央部に向かって突出し、第一板部221と第二板部223とを連結している。柱部222は、基板211の背面と第一板部221を介して対向しており、柱部222があることで基板211から発せられる熱の放熱性を向上させることができる。
【0020】
第二板部223は、第一板部221と対向するように設けられている。第二板部223は、短手方向(Y軸方向)における長さが第一板部221の短手方向の長さより短く形成されている。また、第二板部223にはスリット部(図示せず)が設けられている。このスリット部は、第二板部223の長手方向(X軸方向)に沿って形成され、端部にはネジ等の固定具が取り付けられるフレーム固定孔223bが設けられている。
【0021】
フレーム220は、強度の特徴として下記(1)~(3)の特徴を有する。(1)フレーム220の第一板部221及び第二板部223はH鋼のフランジの役割を果たし、柱部222はH鋼のウェブの役割を果たす。(2)第一板部221及び第二板部223は、長手方向(X軸方向)に曲げようとする力がかかったときに、それぞれで負荷を分担することができる。例えば、一方が引張の力に対抗し、他方が圧縮の力に対抗する。なお、曲げようとする力とは、荷重による撓み、あるいは、バネ等による引っ張る負荷も含まれる。(3)柱部222は、短手方向(Y軸方向)へねじろうとする力に対抗するものであり、上下方向(Z軸方向)への長さを長くするよりも、短手方向(Y軸方向)の幅寸法を長くすることによって、ねじれ難くできる。例えば、柱部222の短手方向(Y軸方向)の幅寸法を、第一板部221の板厚、あるいは、第二板部223の板厚より厚くするとよい。このように、柱部222を上下方向(Z軸方向)に長く形成しなくても、フレーム220の剛性を得ることができる。よって、フレーム220を薄型にすることができる。
【0022】
照明器具1は、フレーム220及び本体部110が、フレーム220と本体部110の本体開口部113(
図4参照)との短手方向(Y軸方向)における長さに関して、次のような関係となる。ここで、本体開口部113の外寸を距離LS1と定義する。距離LS1は、対になる側面部112の外側から外側の寸法である。本体開口部113の内寸を距離LS2と定義する。距離LS2は、対向する係合片114同士の最短寸法である。フレーム220の短手方向(Y軸方向)において、第一板部221の短手方向(Y軸方向)の寸法を長さLS3と定義する。フレーム220の短手方向(Y軸方向)において、第二板部223の短手方向(Y軸方向)の寸法を長さLS4と定義する。ここで、第一板部221の長さLS3は、第二板部223の長さLS4よりも大きい。また、第一板部221の長さLS3は、本体開口部113の外寸である距離LS1よりも大きい。更に、第二板部223の長さLS4は、本体開口部113の内寸である距離LS2よりも小さい。
【0023】
(カバー230)
カバー230は、発光モジュール210を覆うと共に、フレーム220に取り付けられた状態において長手方向(X軸方向)における端部230tに開口部230cが形成される。カバー230は、発光素子212からの光を拡散して透過させるものであり、透過性の材料から形成されている。カバー230は、例えば、ポリカーボネート等の樹脂材料を押し出し成型して形成している。また、カバー230は、アクリル又はガラス等の他の材料により形成されてもよい。カバー230の長手方向(X軸方向)の長さは、後述するフレーム220の両端に配置された対向する2つの端部カバー240の間の距離よりも短く形成されている。
【0024】
カバー230は、発光モジュール210を覆うように対向する主カバー部231と、主カバー部231の短手方向(Y軸方向)の両端側よりフレーム220側へ突出するように設けられ、カバー230の側壁を構成するカバー側面部232と、を有する。また、カバー230は、カバー側面部232の端部230tに設けられフレーム220のカバー保持部221bと係合するカバー爪部233を有している。なお、対になるカバー側面部232の外側の距離は、本体部110の対になる側面部112の外寸と略同一であり、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態でカバー側面部232と側面部112とは連続的な意匠を形成することができる。主カバー部231は、カバー230の長手方向(X軸方向)の垂直断面において、直線状に形成されている。なお、主カバー部231の形状は当該形状に限定されるものではなく、例えば、カバー230の長手方向(X軸方向)の垂直断面において、円弧状に形成されてもよく、他の多角形状に形成されてもよい。
【0025】
(端部カバー240)
端部カバー240は、フレーム220に固定されてカバー230により形成される開口部230cを塞ぐように配置される。
【0026】
(連結部250)
連結部250は、
図3に示すように、光源ユニット200の長手方向(X軸方向)における両方の端部200aのそれぞれに設けられており、本体部110の係合部(
図4及び
図5参照)と係合して光源ユニット200を器具本体100に固定するものである。連結部250は、フレーム220に引っ掛かるバネ引掛け部251と、本体部110の係合部と係合する連結片252と、を有する。
【0027】
(器具本体100)
図4は、実施の形態1に係る器具本体100の組立斜視図であり、
図5は、実施の形態1に係る器具本体100の分解斜視図である。
図4及び
図5に示すように、器具本体100は、本体部110と、蓋部120と、電源装置130と、端子台ユニット140と、を有している。器具本体100は、本体部110の長手方向(X軸方向)端部110aに蓋部120が取り付けられていると共に、電源装置130及び端子台ユニット140が本体部110の内側に配設されている。また、器具本体100は、器具側バネ(図示せず)を有してもよい。更に、器具本体100は、調光端子台(図示せず)を本体部110の内部に収容してもよい。
【0028】
(本体部110)
器具本体100の外郭を構成する本体部110は、凹状に形成されており、装着された光源ユニット200の一部を内部に収容する。本体部110は、器具本体100の外郭を構成し、例えば、金属製の板材を折り曲げて形成される。ただし、本体部110は、金属製の板材を折り曲げることによって形成されるものに限定されるものではなく、例えば、樹脂又はセラミック等、他の材料を用いて形成されてもよく、また、本体部110は、押出成形又は積層造形等、他の方法で形成されてもよい。本体部110は、箱状に形成されており、光源ユニット200の一部が収容される内部空間を形成し、また、長尺状に形成されており、両方の端部110aに端部開口部110bが形成されている。
【0029】
本体部110は、長方形の板状に形成された底面部111と、底面部111の短手方向(Y軸方向)の両側辺からそれぞれ立ち上がり突出して設けられている側面部112とを有する。本体部110は、底面部111と、互いに対向する2つの側面部112とによって凹形状に形成される。このため本体部110は、底面部111と、互いに対向する2つの側面部112とによって囲まれる内部空間を形成している。本体部110は、互いに対向する2つの側面部112と、互いに対向する2つの蓋部120とによって、本体開口部113を形成している。この本体開口部113は、光源ユニット200の着脱を行う際の装着口となり、本体部110の長手方向(X軸方向)において、両方の端部110aの間に形成されている。
【0030】
底面部111には、電源装置130及び端子台ユニット140が取り付けられるものであり、被取付部10に取り付けられる矩形状をなす部材である。また、底面部111には、調光端子台(図示せず)が取り付けられてもよい。また、底面部111には、電源穴111aと、固定穴111bとが形成されている。電源穴111aは、商用電力の供給を受けるための電源線を引き込むために底面部111に形成された貫通孔であり、この電源線は、器具本体100の外部から電源穴111aを介して端子台ユニット140に接続される。固定穴111bは、本体部110をビスあるいはボルト等の固定具で天井又は壁等の被取付部10に固定するために、底面部111に形成された貫通孔である。電源穴111a及び固定穴111bは、器具本体100の長手方向(X軸方向)において、電源装置130及び端子台ユニット140の設置位置よりも外側に形成されている。
【0031】
なお、電源穴111aは、本体部110に調光端子台(図示せず)が取り付けられる場合には、調光端子台(図示せず)の設置位置よりも外側に形成されている。そして、本体部110に調光端子台(図示せず)が取り付けられる場合には、底面部111には、調光端子台(図示せず)に接続される信号線を引き込むための信号線穴が形成されてもよい。
【0032】
側面部112は、器具本体100の上下方向(Z軸方向)において、一方の端部は底面部111と連続して形成されており、他方の端部は本体部110の本体開口部113を形成する。2つの側面部112は、それぞれ側面部112の本体開口部113側の端部に、光源ユニット200を保持する係合片114を有している。係合片114は、例えば板金の端部をR状に曲げたものである。
【0033】
(蓋部120)
蓋部120は、本体部110の長手方向(X軸方向)の端部110aを塞ぐように配置される。蓋部120は、本体部110の底面部111及び側面部112とそれぞれ係合して固定されており、本体部110の変形を抑制するものである。
【0034】
蓋部120は、本体部110の長手方向(X軸方向)の端部110aに形成された端部開口部110bに配置されており、本体部110の長手方向(X軸方向)の端部110aの端部開口部110bを塞ぐ蓋本体部121を有している。蓋本体部121は、矩形の板状に形成されており、蓋本体部121の板面は、底面部111及び側面部112の板面に対して略直角に配置されている。蓋本体部121は、ノックアウト加工が施されており、取り外されることで蓋本体部121に略U字状の開口を形成する電線蓋部122を有している。略U字状の開口は、器具本体100の長手方向の端部110aから電源線を引き込むために用いられる。なお、複数の照明器具1が連結される際、略U字状の開口は、隣接する照明器具1から電源線を引き込むために用いられる。
【0035】
(電源装置130)
電源装置130は、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、光源ユニット200を点灯させるものであり、本体部110の内部に収容されている。電源装置130と光源ユニット200とは、電線(図示せず)によって接続されている。電源装置130の短手方向(Y軸方向)の長さは、本体部110の短手方向(Y軸方向)の長さと略同等である。電源装置130は、電源ベース部132と、点灯回路基板131と、電源入力用端子台131aと、電源出力用端子台131bと、電源カバー部133とを有している。
【0036】
電源ベース部132は、長手方向に延びる長尺の板状部材であり、底面部111に載置されている。電源ベース部132は、上面において点灯回路基板131を保持する。点灯回路基板131は、長手方向に延びる長尺の板状部材であり、電源ベース部132の上面に保持されている。点灯回路基板131には、商用電源から供給された電力を光源ユニット200に適合する電力に変換する電力変換部品(図示せず)が実装されている。電源入力用端子台131aは、点灯回路基板131の一端部に設けられており、電線(図示せず)によって端子台ユニット140に接続されている。これにより、端子台ユニット140から供給される電源を点灯回路基板131に供給する。
【0037】
電源出力用端子台131bは、点灯回路基板131の他端部に設けられており、電線(図示せず)によって光源ユニット200に接続されている。これにより、点灯回路基板131によって変換された電力を光源ユニット200に供給する。電源カバー部133は、略直方体形状をなしており、点灯回路基板131の中央部を覆うように設けられている。これにより、点灯回路基板131に実装された電力変換部品(図示せず)は外部に露出しない。なお、電源入力用端子台131a及び電源出力用端子台131bは、外部に露出している。
【0038】
(端子台ユニット140)
図6は、実施の形態1に係る端子台ユニット140の入力口部141a側からみた組立斜視図であり、
図7は、実施の形態1に係る端子台ユニット140の出力口部141b側からみた組立斜視図である。
図8は、実施の形態1に係る端子台ユニット140の
図6に対応した分解斜視図であり、
図9は、実施の形態1に係る端子台ユニット140の
図7に対応した分解斜視図である。端子台ユニット140は、商用電源から供給される電力を、電源装置130の点灯回路基板131の電力変換部品(図示せず)へ供給するものであり、本体部110の内部に収容されている。端子台ユニット140は、本体部110の内部において、電源装置130に隣接して配置されている。
【0039】
端子台ユニット140には、外部から引き込まれた電源線(図示せず)及び電線(図示せず)が接続される。このように、器具本体100は、端子台ユニット140が内部に配設されることによって、本体部110の内側において電線が無秩序に配置されずに済む。このため、無秩序に配置された電線を保有するスペースを設ける必要がなく、本体部110の内部空間を有効活用することができる。また、器具本体100は、端子台ユニット140が内部に配設されることによって、本体部110の内側に外部から引き込まれる電線を配置するスペースを設ける必要がなく、本体部110の大型化を抑制することができる。
【0040】
図6~
図9に示すように、端子台ユニット140は、土台部143と、台座部142と、端子台141と、接地部144とを有している。土台部143は、板金を折り曲げた板状の部材であり、基部143aと、本体取付部143bと、電源取付部143cとを有している。基部143aは、矩形状の部材であり、幅方向(Y軸方向)の両端部から上方に延びる軸部143fが設けられている。軸部143fには、台座部142が回転する回転軸となる回転穴143gが形成されている。本体取付部143bは、基部143aの一端側から側方に延びる部材であり、本体部110に取り付けるための本体取付穴143dが形成されている。本体取付穴143dにネジが挿入されることにより、土台部143が本体部110の底部に取り付けられる。電源取付部143cは、基部143aの他端側から側方に延びる部材であり、電源装置130に取り付けるための電源取付穴143eが形成されている。電源取付穴143eにネジが挿入されることにより、土台部143が電源装置130に取り付けられる。
【0041】
台座部142は、板金を折り曲げた板状の部材であり、載置部142aと、側部142bとを有している。載置部142aは、矩形状の部材であり、端子台141が載置される。載置部142aには、端子台141を固定するための台固定穴142eが形成されている。側部142bは、載置部142aの幅方向(Y軸方向)の両端部から土台部143側に延びる部材であり、回転軸となる軸穴142dが形成されている。軸穴142d及び回転穴143gに軸ネジ145が挿入されて螺合されることにより、台座部142が土台部143に固定される。なお、軸ネジ145の螺合が緩められると、台座部142は土台部143に対し傾斜する方向に回転することが可能となる。即ち、台座部142は、土台部143に対し傾斜する方向に回転自在に取り付けられている。なお、台座部142には、載置部142aから側部142bにかけて切り欠かれた接地用切り欠き142cが形成されている。
【0042】
端子台141は、商用電源に接続される電源線(図示せず)と、電源装置130に接続される電線(図示せず)とが接続されるものであり、略直方体形状をなしている。端子台141は、台座部142の載置部142aに載置されている。端子台141の一面には、商用電源に接続される電源線が挿入される入力口部141aが形成されている。また、端子台141の他面には、電源装置130に接続される電線が挿入される出力口部141bが形成されている。商用電源から電源線を介して供給される電源は、端子台141の入力口部141aに入力され、端子台141の出力口部141bから出力されて、電線を介して電源装置130に至る。入力口部141aは、台座部142が土台部143と平行な位置から回転する際、光源ユニット200側を向く位置に形成されている。出力口部141bは、台座部142が土台部143と平行な位置から回転する際、本体部110側を向く位置に形成されている。
【0043】
接地部144は、金属からなり、弧状に形成された部材である。接地部144は、端子台141と本体部110とを導通させて端子台141を接地させるものである。接地部144は、端子台141に接続されており、台座部142の接地用切り欠き142cから露出している。接地部144は、台座部142が土台部143に近づくように回転したときに、土台部143に接触する。ここで、土台部143と本体部110とは接触しているため、端子台141は、接地部144及び土台部143を介して本体部110に接地される。
【0044】
図10は、実施の形態1に係る照明器具1の通常モードを示す模式図である。次に、端子台141の位置について説明する。端子台141の位置を示すモードは、通常モードと配線モードとからなる。通常モードは、照明器具1が使用される際の位置を示すモードであり、配線モードは、端子台141に電源線が配線される際の位置を示すモードである。
図10に示すように、配線モードでは、入力口部141aが土台部143に対し平行の方向に向くように台座部142が回転する。即ち、台座部142の載置部142aは底面部111と略平行の状態であり、端子台141の入力口部141aが器具本体100の蓋部120側を向いている。
【0045】
図11は、実施の形態1に係る照明器具1の配線モードを示す模式図である。配線モードでは、入力口部141aが光源ユニット200側に向くように台座部142が回転する。即ち、台座部142の載置部142aは底面部111に対し傾斜している状態であり、端子台141の入力口部141aが本体部110の本体開口部113側を向いている。作業者は、端子台ユニット140の端子台141の入力口部141aに電源線を差し込む際、端子台141を配線モードの位置に回転する。入力口部141aが本体部110の本体開口部113側を向くため、本体開口部113側から斜めに手を入れて作業する作業者は、入力口部141aに電源線を挿入し易い。このように、作業者は、本体部110の内部の奥にまで手を入れずとも配線作業を行うことができるため、配線作業が容易である。なお、作業者は、電源線の配線作業が完了したのち、端子台141の位置を通常モードに戻す。
【0046】
図12は、実施の形態1に係る照明器具1の側面図であり、
図13は、実施の形態1に係る照明器具1の側面図である。次に、器具本体100に光源ユニット200が取り付けられる態様について説明する。
図12及び
図13に示すように、光源ユニット200は、器具本体100の本体開口部113を塞ぐように器具本体100の内部に挿入される。その際、連結部250の連結片252が側面部112の係合片114と係合することによって、光源ユニット200が器具本体100に固定される。前述の如く、配線作業が終了した後、端子台141は通常モードの位置に戻される。このように、端子台141は通常モードの位置にあるため、端子台141に電源線が差し込まれていても、光源ユニット200と電源線とが干渉することを抑制することができる。従って、光源ユニット200を器具本体100に容易に取り付けることができる。
【0047】
本実施の形態1によれば、端子台ユニット140が本体部110の内部において回転自在に収容されている。このため、電源線が接続される際、端子台ユニット140を回転して接続し易い状態にし、光源ユニット200が取り付けられる際、端子台ユニット140を逆回転して電源線が張り出さない状態にすることができる。従って、端子台ユニット140に電源線を差し込み易くしつつ、電源線が器具本体100側の反対側に張り出すことを抑制することができる。
【0048】
前述の如く、作業者は、端子台ユニット140の端子台141の入力口部141aに電源線を差し込む際、端子台141を配線モードの位置に回転する。入力口部141aが本体部110の本体開口部113側を向くため、本体開口部113側から斜めに手を入れて作業する作業者は、入力口部141aに電源線を挿入し易い。このように、作業者は、本体部110の内部の奥にまで手を入れずとも配線作業を行うことができるため、配線作業が容易である。また、本体部110の内部の奥にまで手を入れずに配線作業を行うことができるため、本体部110自体を大型化する必要がない。このため、照明器具1の大型化を抑制することができる。
【0049】
更に、配線作業によって端子台141に電源線が差し込まれた後、端子台141の位置は通常モードに戻される。このため、電源線が光源ユニット200側に張り出さない。従って、器具本体100に電源線の張り出しスペースを設けるために、器具本体100の高さを高くする必要がない。なお、電源線の張り出しスペースは、端子台141に差し込まれた電源線が重力で曲がったときの曲がり半径分の高さと等しい。
【符号の説明】
【0050】
1 照明器具、10 被取付部、100 器具本体、110 本体部、110a 端部、110b 端部開口部、111 底面部、111a 電源穴、111b 固定穴、112 側面部、113 本体開口部、114 係合片、120 蓋部、121 蓋本体部、122 電線蓋部、130 電源装置、131 点灯回路基板、131a 電源入力用端子台、131b 電源出力用端子台、132 電源ベース部、133 電源カバー部、140 端子台ユニット、141 端子台、141a 入力口部、141b 出力口部、142 台座部、142a 載置部、142b 側部、142c 接地用切り欠き、142d 軸穴、142e 台固定穴、143 土台部、143a 基部、143b 本体取付部、143c 電源取付部、143d 本体取付穴、143e 電源取付穴、143f 軸部、143g 回転穴、144 接地部、145 軸ネジ、200 光源ユニット、200a 端部、210 発光モジュール、211 基板、211t 端部、212 発光素子、220 フレーム、221 第一板部、221a 基板取付面、221b カバー保持部、221c 第二カバー保持部、221t 端部、222 柱部、223 第二板部、223b フレーム固定孔、230 カバー、230c 開口部、230t 端部、231 主カバー部、232 カバー側面部、233 カバー爪部、240 端部カバー、250 連結部、251 バネ引掛け部、252 連結片。