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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】コンテナ及び乾燥コンテナ
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/12 20060101AFI20240301BHJP
   F26B 3/06 20060101ALI20240301BHJP
   B65D 90/02 20190101ALI20240301BHJP
【FI】
B65D88/12 D
F26B3/06
B65D90/02 P
B65D88/12 W
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020028065
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2021130502
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】前川 亘
(72)【発明者】
【氏名】宮内 真紀
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-073782(JP,A)
【文献】特開平01-139387(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0080269(KR,A)
【文献】特開2017-132146(JP,A)
【文献】中国実用新案第209834270(CN,U)
【文献】中国実用新案第202429578(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/12
F26B 3/06
B65D 90/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容物を収容するためのコンテナ本体を備えるコンテナにおいて、
前記コンテナ本体は、平面視で四角形の底壁と、該底壁の周縁から起立する前側壁、後側壁、左側壁、右側壁の4つの側壁を備えるとともに4つのコーナー部を有する箱状に構成され、
前記4つの側壁のうちの少なくとも1つの側壁が、上下方向中間部で折り曲げにより形成された少なくとも1箇所の折り目を備え、該折り目の上側に位置する上側部及び前記折り目の下側に位置し前記上側部よりも板厚方向外側に突出する下側部を有する板状部材と、上下方向に直線状に延び、該板状部材に固定される支柱と、を備え、
前記下側部は、下端側ほど板厚方向外側に位置する傾斜板部を備え、
前記板状部材の傾斜板部の少なくとも一部が、前記支柱の延びる方向と交差するように該支柱に重なり合っていることを特徴とするコンテナ。
【請求項2】
収容物を収容するためのコンテナ本体を備えるコンテナにおいて、
前記コンテナ本体は、平面視で四角形の底壁と、該底壁の周縁から起立する前側壁、後側壁、左側壁、右側壁の4つの側壁を備えるとともに4つのコーナー部を有する箱状に構成され、
前記4つの側壁のうちの少なくとも1つの側壁は、折り曲げられることで上端から板厚方向外側に突出する下側部を有する板状部材と、上下方向に直線状に延び、該板状部材に固定される支柱と、を備え、
前記下側部は、下端側ほど板厚方向外側に位置する傾斜板部を備え、
前記板状部材の傾斜板部の少なくとも一部が、前記支柱の延びる方向と交差するように該支柱に重なり合っていることを特徴とするコンテナ。
【請求項3】
前記コンテナ本体に収容された収容物を外部へ排出するための排出口が、前記後側壁に設けられ、前記左側壁及び前記右側壁のそれぞれが、前記板状部材と、前記4つのコーナー部のうちの少なくとも後側に位置する2つのコーナー部にそれぞれ設けられた前記支柱と、を備え、前記左側壁の下側部の内面及び前記右側壁の下側部の内面から2つの前記支柱の内面にそれぞれ向かうように斜めに延びる面を備える傾斜部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテナ。
【請求項4】
前記4つのコーナー部のうちの前記支柱を設けていないコーナー部に、2つの板部からなる平面視略L字状の補強フレームが上下方向に延びるように設けられ、該補強フレームの一方の板部の平面形状での先端部が前記1つの側壁の内面に固定され、該補強フレームの他方の板部の平面形状での先端部が前記1つの側壁と周方向で隣り合う他の側壁の内面に固定されていることを特徴とする請求項1~3のうちのいずれか1項に記載のコンテナ。
【請求項5】
前記後側壁が、前記コンテナ本体において開閉可能に取り付けられ、前記コンテナ本体は、枠部材を備え、前記板状部材の下側部の一部が、該板状部材の板厚方向において前記枠部材に重なり合っていることを特徴とする請求項1~請求項4のうちのいずれか1項に記載のコンテナ。
【請求項6】
請求項1~5のうちのいずれか1項に記載のコンテナが、送風により乾燥させるための多数の被乾燥物を収容する乾燥コンテナであって、
複数の貫通孔を有する板状に構成され、前記底壁の上面から一定高さを空けて設けられたデッキと、前記4つの側壁のうちの1つの側壁に、前記底壁の上面と前記デッキとの間へ送風するように、前記コンテナ本体の外部へと連通するように設けられた送風口と、を備え、
前記デッキが、前記板状部材の折り目よりも下側部に配置されていることを特徴とする乾燥コンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水や石油等の液体、食品や化学薬品等の粉流体、土砂やごみ等の固体等の収容物を収容するコンテナ、及び、木材チップ等の多数の被乾燥物を収容して送風により乾燥させるために用いる乾燥コンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、木材チップ用の乾燥コンテナとして、例えば特許文献1に従来例として開示された構造が存在している(特許文献1の図4)。この乾燥コンテナは、底壁の周縁から起立した4つの側壁を有する箱状に構成され、各側壁の外面に水平方向に延びる補強部材としてのスチフナを設けて、収容物の自重で内側から外側へ荷重が加わった時に側壁が撓むことを抑制している。また、コンテナの4つのコーナー部の側壁の外面に上下方向に延びる断面形状矩形状の支柱を設けて、収容物の投入時に側壁の上縁に当たった時に側壁が上下方向に撓むことを抑制している。
【0003】
上記構成の乾燥コンテナでは、収容物の容量を増やすために側壁の左右幅の寸法を広げてコンテナの外縁を拡大すると、拡大した分だけ、スチフナや支柱が側壁の外面から外側へ張り出してしまい、コンテナ全体が大型化してしまう不都合があり、改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-132146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、コンテナ全体の大型化を抑制しながら、収容物の容量を増大できるコンテナ及び乾燥コンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコンテナは、収容物を収容するためのコンテナ本体を備えるコンテナにおいて、前記コンテナ本体は、平面視で四角形の底壁と、該底壁の周縁から起立する前側壁、後側壁、左側壁、右側壁の4つの側壁を備えるとともに4つのコーナー部を有する箱状に構成され、前記4つの側壁のうちの少なくとも1つの側壁が、上下方向中間部で折り曲げにより形成された少なくとも1箇所の折り目を備え、該折り目の上側に位置する上側部及び前記折り目の下側に位置し前記上側部よりも板厚方向外側に突出する下側部を有する板状部材と、上下方向に延び、該板状部材に固定される支柱と、を備え、前記板状部材の下側部の少なくとも一部が、該板状部材の板厚方向において前記支柱に重なり合っていることを特徴としている。
【0007】
上記構成によれば、側壁が上下方向中間部の少なくとも1箇所の折り目を備えることによって、側壁の強度を高めることができるので、収容物の自重で内側から外側へ荷重が加わった時に側壁が撓むことを抑制することができ、スチフナ等の、専ら補強を行うために別に設けられる補強部材を不要にすることができる。これにより、支柱の外面まで側壁の外面を突出させることができ、その分収容物の収容量を増大させることができる。しかも、板状部材の下側部の少なくとも一部が、板状部材の板厚方向において支柱に重なり合っていることで、収容量増大にもかかわらず、板状部材の下側部の外面からの支柱の外側への出っ張り量を抑えることができる。
【0008】
また、本発明のコンテナは、収容物を収容するためのコンテナ本体を備えるコンテナにおいて、前記コンテナ本体は、平面視で四角形の底壁と、該底壁の周縁から起立する前側壁、後側壁、左側壁、右側壁の4つの側壁を備えるとともに4つのコーナー部を有する箱状に構成され、前記4つの側壁のうちの少なくとも1つの側壁は、折り曲げられることで上端から板厚方向外側に突出する下側部を有する板状部材と、上下方向に延び、該板状部材に固定される支柱と、を備え、前記板状部材の少なくとも一部が、該板状部材の板厚方向において前記支柱に重なり合っていることを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、側壁が折り曲げられることによって、側壁の強度を高めることができるので、収容物の自重で内側から外側へ荷重が加わった時に側壁が撓むことを抑制することができ、スチフナ等の、専ら補強を行うために別に設けられる補強部材を不要にすることができる。これにより、支柱の外面まで側壁の外面を突出させることができ、その分収容物の収容量を増大させることができる。しかも、下側部の少なくとも一部が、板状部材の板厚方向において支柱に重なり合っていることで、収容量増大にもかかわらず、板状部材の下側部の外面からの支柱の外側への出っ張り量を抑えることができる。
【0010】
また、本発明のコンテナは、前記コンテナ本体に収容された収容物を外部へ排出するための排出口が、前記後側壁に設けられ、前記左側壁及び前記右側壁のそれぞれが、前記板状部材と、前記4つのコーナー部のうちの少なくとも後側に位置する2つのコーナー部にそれぞれ設けられた前記支柱と、を備え、前記左側壁の下側部の内面及び前記右側壁の下側部の内面から2つの前記支柱の内面にそれぞれ向かうように斜めに延びる面を備える傾斜部を備えていてもよい。
【0011】
上記のように、コンテナ本体に収容された収容物を後側壁に設けられた排出口から取り出す際に、左右の側壁の下側部の内面から2つの支柱の内面にそれぞれ向かうように斜めに延びる面を有する傾斜部によって収容物が後方へ案内されるので、収容物が支柱の前面に引っ掛かって滞留することを防止できる。
【0012】
また、本発明のコンテナは、前記4つのコーナー部のうちの前記支柱を設けていないコーナー部に、2つの板部からなる平面視略L字状の補強フレームが上下方向に延びるように設けられ、該補強フレームの一方の板部の平面形状での先端部が前記1つの側壁の内面に固定され、該補強フレームの他方の板部の平面形状での先端部が前記1つの側壁と周方向で隣り合う他の側壁の内面に固定されていてもよい。
【0013】
上記のように、補強フレームを1つの側壁の内面と1つの側壁と周方向で隣り合う他の側壁の内面とに固定して側壁の補強を行うことができながらも、補強フレームを側壁の外面に設ける場合に比べて、コンテナ本体の外側への出っ張り量を抑制しながら、収容物の収容量を増大させることができる。しかも、補強フレームをL字状にしているので、例えばコの字状や矩形状に比べて軽量化を図れる。
【0014】
また、本発明のコンテナは、前記後側壁が、前記コンテナ本体において開閉可能に取り付けられ、前記コンテナ本体は、枠部材を備え、前記板状部材の下側部の一部が、該板状部材の板厚方向において前記枠部材に重なり合っていてもよい。
【0015】
上記のように、支柱とは別に枠部材を設けることによって、後側壁の補強を行うことができる。また、後側壁の板状部材の下側部の一部が、板状部材の板厚方向において枠部材に重なり合っていることで、収容量増大にもかかわらず、後側壁の板状部材の下側部の外面からの枠部材の外側への出っ張り量を抑えることができる。
【0016】
また、本発明は、前記コンテナが、送風により乾燥させるための多数の被乾燥物を収容する乾燥コンテナであって、複数の貫通孔を有する板状に構成され、前記底壁の上面から一定高さを空けて設けられたデッキと、前記4つの側壁のうちの1つの側壁に、前記底壁の上面と前記デッキとの間へ送風するように、前記コンテナ本体の外部へと連通するように設けられた送風口と、を備え、前記デッキが、前記板状部材の折り目よりも下側部に配置されていることを特徴とする乾燥コンテナであってもよい。
【0017】
上記のように、デッキが、板状部材の折り目よりも下側部に配置されているので、下側部が板厚方向外側に突出した分、デッキの面積を増大できるため、被乾燥物に対してデッキを通して熱風を当てる面積を増大させて乾燥効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、側壁を折り曲げることにより補強部材を不要にするとともに、側壁の下側部の少なくとも一部が、板状部材の板厚方向において支柱に重なり合うことにより、コンテナ全体の大型化を抑制しながら、収容物の容量を増大できるコンテナ及び乾燥コンテナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る乾燥コンテナを含む乾燥コンテナシステムを示す側面図である。
図2】同乾燥コンテナシステムを示す平面図である。
図3】乾燥コンテナの後面図である。
図4】乾燥コンテナの平面図である。
図5図1におけるV-V線断面図である。
図6】左側壁を内側から見た側面図である。
図7】左側壁を前後方向から見た正面図である。
図8】左側壁を外側から見た一部省略した側面図である。
図9】左側壁を内側から見た斜視図である。
図10図1におけるX-X線断面図であり、右側を省略している。
図11】左側壁と前側壁とのコーナー部を内側から見た斜視図である。
図12】左側壁と前側壁とのコーナー部を上から見た平面図である。
図13】後側壁の左半分を示す背面図である。
図14図13におけるXIV-XIV線断面図である。
図15】後側壁の左半分を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態に係る乾燥コンテナについて説明する。なお、説明の都合上、以下の方向の表現は、上下方向については図1に示す方向を基準とする。また、前後方向については、図1及び図2に示す状態における左方が車載時に車両前方に位置することから前方とし、同右方が車載時に車両後方に位置することから後方とする。また、幅方向とは車載時の車幅方向(左右方向)に一致する方向である。この実施形態では、多数の被乾燥物を収容する乾燥コンテナについて説明するが、水や石油のような液体、食品や化学薬品のような粉流体、土砂やごみ等の固体などの収容物を収容するコンテナにも、本発明は適用可能である。
【0021】
多数の被乾燥物(粒状体)である木材チップ(以下「チップ」)を収容する乾燥コンテナ1は、図1及び図2に示すような乾燥コンテナシステムSの一構成要素である。ここで、乾燥コンテナシステムSについて説明する。乾燥コンテナシステムSは主に、乾燥コンテナ1、気流供給機構2、連結管3から構成されている。乾燥コンテナ1は、図示していない車両に搭載可能に構成されている。具体的には、図示していない車両に設けたフックアームのフックを、乾燥コンテナ1に備えるフック係合部4(図1図2参照)に係止した状態で持ち上げて車両側に移動させることで乾燥コンテナ1を車両に搭載させることができる。乾燥コンテナ1内に収容された多数のチップは送風により、外面に付着した水分及び木材組織内に含まれた水分が蒸発することで乾燥させられる。乾燥したチップは、例えば木質バイオマス発電に用いられる。乾燥により、発電時の燃焼がしやすくなり、かつ、水分が抜けた分軽量化されるため、例えば運搬時において有利である。
【0022】
気流供給機構2は、例えば熱風を発生できる機構であって、図示していないが、送風機とヒーターとを備えている。なお、気流を加熱するための熱源は、例えば、他の装置の排熱を利用して加熱を行う場合、気流供給機構2の外部に設けることもできる。気流の加熱温度及び加熱時間は、乾燥コンテナ1に収容されたチップの乾燥度合や収容量に応じて適宜設定することになる。また、状況によっては加熱を行わず、送風だけを行うこともできる。連結管3は、気流供給機構2で生じた気流(熱風)を乾燥コンテナ1に送るため、乾燥コンテナ1と気流供給機構2とを連結する管であって、パイプやホースを用いることができる。本実施形態では、断面形状が円形のホース(ダクトホース)が用いられている。
【0023】
乾燥コンテナ1は、一般的な車載コンテナと同様の略直方体形状であって、図1図3に示す乾燥コンテナシステムSとしての使用状態において上面が開口した箱状に構成され、外部からの送風を内部に供給する送風口5Kを有するコンテナ本体5と、コンテナ本体5の底壁8(図5参照)の上面から一定高さを空けて設けられるデッキ6(図4図5参照)と、を備えている。チップは、乾燥コンテナ1の上面から内部に投入される。
【0024】
乾燥コンテナ1は、気流供給機構2から連結管3を経由して送られた気流(熱風)が送風口5Kを介して底壁8の上面とデッキ6の下面との間に形成される気流滞留空間7(図5参照)に供給される。前記供給された気流は、デッキ6に形成されている多数の貫通孔6A(図4参照)からデッキ6上に収容された多数のチップに気流を当てることでチップを乾燥させる。
【0025】
コンテナ本体5は、図1及び図4に示すように、前後方向に長い長方形状(四角形)の底壁8と、底壁8の周縁から起立した側壁9と、底壁8の後方に取り付けられた左右一対のローラ10,10と、底壁8の前方に取り付けられた左右一対の脚部11,11と、を備えている。
【0026】
側壁9は、前側に位置する前側壁91と、後側に位置する後側壁92と、左側に位置する左側壁93と、右側に位置する右側壁94と、を備えている。後側壁92は、後述する2つの支柱932,942の上下方向3か所にそれぞれ支持されたヒンジ12により上下軸心X回りに開閉自在な左右一対の扉921,921から構成されている(図3参照)。それら扉921,921における下部で幅方向中央の位置には、図2及び図3に示すように、コンテナ本体5の内外を連通するものであって、連結管3を接続できる送風口5Kが設けられている。扉921,921を送風口5Kの周囲部分を除いて開放することによって、排出口92Hが形成され、排出口92Hを通して例えばチップの取り出しを行う、または、コンテナ本体5の内部を清掃することができる。
【0027】
前側壁91以外の側壁である左側壁93、右側壁94、後側壁92の左右一対の扉921,921のそれぞれが、板状部材と、板状部材の上下方向に延びる支柱と、を備えており、各側壁の具体的構成について説明する。尚、左側壁93、右側壁94、後側壁92の左右一対の扉921,921が、請求項に記載している1つの側壁に相当する。
【0028】
図1図2及び図5に示すように、左側壁93は、横方向に長い長方形状の金属製の板状部材931と、板状部材931の後端部に溶接により固定された支柱932と、を備えている。支柱932は、コンテナ本体5の内側から外側への方向、すなわち、側壁(この場合、左側壁93)の板厚方向に延びる所定の寸法を有し、本実施形態では、断面形状が四角形である。板状部材931は、上下方向略中央部の上下2箇所で折り曲げられて水平方向に沿う2つの折り目931a,931b間に形成される段差部931Bと、段差部931Bの上側に位置する上側部931Aと、上側部931Aの下側に位置し上側部931Aよりも板厚方向(左右方向)外側に突出する下側部と、を備えている。板厚方向とは、最上位の折り目931aより上側における板厚方向であり、言い換えると、コンテナ本体5の左右方向である。また、最上位の折り目931aより上側が幅狭であり、最上位の折り目931aより下側が幅広となっており、折り目931aの上側が上側部931Aであり、折り目931aの下側が下側部である。この下側部は、段差部931Bと、ストレート部931Cと、を備えている。段差部931Bは、左右方向内側で上側に位置する上側の折り目931aと左右方向外側で下側に位置する下側の折り目931bとを平面状に結ぶ傾斜平面部に構成されている。また、上側部931A及びストレート部931Cのそれぞれは、上下方向に沿う垂直板部に構成されている。上側部931Aの上端には、略コの字状の金属製の補強枠13が溶接されている。この補強枠13の外面13Aは、前後方向視においてストレート部931Cの外面931cと略面一になっている。また、ストレート部931Cの下端部が左右方向内側に弧状に折り曲げられ、その折り曲げ部に、それの上側と内側とを覆って断面形状扇状の空間を形成するように金属製でL字状の枠部材14(図5参照)が溶接により取り付けられている。コンテナ本体5の前後方向から見て、下側部の一部が、板厚方向(左右方向)で支柱932と重なり合う。言い換えると、左側壁93の段差部931Bが支柱932に重なり合う。
【0029】
右側壁94は、図2及び図5に示すように、左側壁93と同様に、横方向に長い長方形状の金属製の板状部材941と、板状部材941の後端部に溶接により固定された支柱942と、を備えている。支柱942は、コンテナ本体5の内側から外側への方向、すなわち、側壁(この場合、右側壁94)の板厚方向に延びる所定の寸法を有し、本実施形態では、断面形状が四角形である。板状部材941は、上下方向略中央部の上下2箇所で折り曲げられて水平方向に沿う2つの折り目941a,941b間に形成される段差部941Bと、段差部941Bの上側に位置する上側部941Aと、上側部941Aの下側に位置し上側部941Aよりも板厚方向(左右方向)外側に突出する下側部と、を備えている。板厚方向とは、最上位の折り目941aより上側における板厚方向であり、言い換えると、コンテナ本体5の左右方向である。また、最上位の折り目941aより上側が幅狭であり、最上位の折り目941aより下側が幅広となっており、折り目941aの上側が上側部941Aであり、折り目941aの下側が下側部である。この下側部は、段差部941Bと、ストレート部941Cと、を備えている。段差部941Bは、左右方向内側で上側に位置する上側の折り目941aと左右方向外側で下側に位置する下側の折り目941bとを平面状に結ぶ傾斜平面部に構成されている。また、上側部941A及びストレート部941Cのそれぞれは、上下方向に沿う垂直板部に構成されている。上側部941Aの上端には、略コの字状の金属製の補強枠13が溶接されている。この補強枠13の外面13Aは、前後方向視においてストレート部941Cの外面941cと略面一になっている。また、ストレート部931Cの下端部が左右方向内側に弧状に折り曲げられ、その折り曲げ部に、それの上側と内側とを覆って断面形状扇状の空間を形成するように金属製でL字状の枠部材14が溶接により取り付けられている。コンテナ本体5の前後方向から見て、下側部の一部が、板厚方向(左右方向)で支柱942と重なり合う。言い換えると、右側壁94の段差部941Bが支柱942に重なり合う。
【0030】
後側壁92の左右一対の扉921,921は、いずれも左右が反対になっているだけで、構成が同一であるため、左側の扉921についてのみ説明する。左側の扉921は、図13図15に示すように、上下方向に長い縦長の長方形状で、かつ、左右方向内側の下側部分が角型に切り欠かれた形状の板状の金属製の板状部材9211と、板状部材9211の高さ方向に延びる枠部材9212と、を備えている。板状部材9211は、上端部を折り曲げて外側に張り出した張出部9211Tと、上下方向略中央部の2箇所で折り曲げられて水平方向に沿う2つの折り目9211a,9211b間に形成される第1段差部9211Bと、第1段差部9211Bの上側に位置する上側部9211Aと、上側部9211Aの下側に位置する下側部9211Cと、を備えている。下側部9211Cは、第1段差部9211Bと、第1段差部9211Bの直下方に位置し上側部9211Aよりも板厚方向(左右方向)外側に突出する第1下側部9211Dと、第1下側部9211Dの下端部で折り曲げられて内側に向かう第2段差部9211E(図14参照)と、第2段差部9211Eの下端で折り曲げられて下方に向かう第2下側部9211F(図14参照)と、を更に備えている。第2段差部9211Eの前方及び第2下側部9211Fの前方が、第1下側部9211Dの下端から下方に延びる垂直の板部15により覆われている。板厚方向とは、最上位の折り目9211aより上側における板厚方向であり、言い換えると、コンテナ本体5の前後方向である。また、最上位の折り目9211aより上側が幅狭であり、最上位の折り目9211aより下側の上側部分が幅広でかつ下側の下側部分が幅狭となっており、折り目9211aの上側が上側部9211Aであり、折り目9211aの下側が下側部9211Cである。この下側部9211Cは、第1段差部9211Bと、第1下側部9211Dと、第2段差部9211Eとからなる幅広の上側部分と、第2下側部9211Fからなる幅狭の下側部分と、を備えている。第1段差部9211Bは、左右方向内側で上側に位置する上側の折り目9211aと左右方向外側で下側に位置する下側の折り目9211bとを平面状に結ぶ傾斜平面部に構成されている。また、上側部9211A及び第1下側部9211D並びに第2下側部9211Fのそれぞれは、上下方向に沿う垂直板部に構成されている。そして、上側部9211Aと第2下側部9211Fとが上下方向において略面一になっている。枠部材9212は、板状部材9211の左右方向外側端(左端)に溶接により固定される第1枠部材9212Aと、板状部材9211の左右方向内側端(右端)に溶接により固定される第2枠部材9212Bと、を備えている。第1枠部材9212A及び第2枠部材9212Bは、図15に示すように、コンテナ本体5の内側から外側への方向、すなわち後側壁92の板厚方向に延びる所定の寸法を有し、本実施形態では平面視コの字形状の金属製の部材からなり、第1枠部材9212Aが第2枠部材9212Bよりも上下方向の寸法が長くなっている(図13参照)。なお、左側壁93を補強する支柱932及び右側壁94を補強する支柱942が、後側壁92を開閉可能に支持する支柱を兼用している(図3参照)。コンテナ本体5の左右方向から見て、下側部の一部が、板厚方向(前後方向)で枠部材9212と重なり合う。言い換えると、後側壁92の第1段差部9211Bと第2段差部9211Eとが枠部材9212に重なり合う。
【0031】
上述したように、3つの側壁である左側壁93,右側壁94,後側壁92が上下方向中間部の2箇所で折り曲げられた折り目931a,931b、941a,941b、9211a,9211bを備えることによって、側壁93,94,92の強度を高めることができるので、収容物の自重で内側から外側へ荷重が加わった時に左側壁93,右側壁94,後側壁92が撓むことを抑制することができ、スチフナ等の、専ら補強を行うために別に設けられる補強部材を不要にすることができる。これにより、補強部材の外面まで左側壁93,右側壁94,後側壁92の外面を突出させることができ、その分被乾燥物の収容量を増大させることができる。しかも、左側壁93,右側壁94,後側壁92の突出部である下側部931C,941C、9211Cの全部(一部でもよい)が、左側壁93,右側壁94,後側壁92の板厚方向において支柱932,942や枠部材9212に重なり合っていることによって、左側壁93,右側壁94,後側壁92の外面からの支柱932,942や枠部材9212の外側への出っ張り量を抑えることができる。
【0032】
また、図4図6図9に示すように、左側壁93の内面93A及び右側壁94の内面94Aのそれぞれから前記2つの支柱932,942の内面932A,942Aに向かって斜めに延びる傾斜部17,17を備えている。左側の傾斜部17は、金属製で縦長の板状に構成され、左側壁93の段差部931Bの内面931hに斜めに当接する上側部17Aと、枠部材14の上面14Aに斜めに当接する下側部17Bと、左側壁93の下側部931Cの内面931dに当接する前側部17Cと、支柱932の前面の内側端部に当接する後側部17Dと、を備えている。各傾斜部17には、上側部17A、下側部17B、前側部17C、後側部17Dに囲まれた傾斜面17E(図9参照)が形成されている。したがって、コンテナ本体5に収容された被乾燥物を後側壁92を開放したときの排出口92H(図4参照)から取り出す際に、左右の側壁93,94の内面93A,94Aのそれぞれから2つの支柱932,942の内面に向かって斜めに延びる傾斜面17Eを有する傾斜部17,17によって被乾燥物が後方へ案内されるので、被乾燥物が支柱932,942の前面932F,942F(図4参照)に引っ掛かって滞留することを防止できる。
【0033】
図10図12に示すように、4つのコーナー部のうちの支柱を設けていないコーナー部、つまり前側の左右両側に位置し、前側壁91と左右の側壁93,94(右側壁94は図示せず)との2つのコーナー部の内側に、上方に延びるとともに略90度に折れ曲がった2つの板部18A,18Bからなる平面視略L字状の補強フレーム18が上下方向に延びるように設けられている。左側の補強フレーム18の一方の板部18Aにおける折れ曲がり部18Cから離間する側の先端部18aが左側壁93の内面93Aに溶接等により固定され、かつ、左側の補強フレーム18の他方の板部18Bの折れ曲がり部18Cから離間する側の先端部18bが左側壁93と周方向で隣り合う側壁である前側壁91の内面91Aに溶接等により固定されている。したがって、補強フレーム18を左側壁93の内面93Aと左側壁93と周方向で隣り合う側壁である前側壁91の内面91Aとに固定して左側壁93及び前側壁91の補強を行うことによって、補強フレーム18を左側壁93の外面に設ける場合に比べて、補強フレーム18の外側への出っ張り量を抑制しながら、被乾燥物の収容量を増大することができる。しかも、補強フレーム18をL字状にしているので、例えばコの字状や矩形状に比べて軽量化を図れる。
【0034】
図11に示すように、前側壁91の内面のうちの上下方向3か所に、断面形状コの字状(断面形状角筒状でもよい)の3本の左右方向に延びる横支柱20,21,22が配置されている。また、前側壁91の内面のうちの左右方向中央に、上下方向に延びる断面形状コの字状(断面形状角筒状でもよい)の1本の縦支柱23が配置されている。
【0035】
次に、デッキ6は、図2及び図4に示すように、厚さ方向(上下方向)に貫通した複数の円形状(楕円形状や多角形状等、どのような形状であってもよい)の貫通孔6A…を有する板状に構成され、コンテナ本体5の底壁8の上面から一定高さを空けて、底壁8の上面と平行に配置されている。貫通孔6A…は、デッキ6の前後端部及び左右方向外側部を除く略全域に形成され、前後方向及び左右方向に間隔(ここでは等間隔)を置いて多数形成され、左右方向において隣り合う孔の位置が異なる千鳥状(格子状でもよい)に形成されている。コンテナ本体5の底壁8の上面とデッキ6の下面との間に前記気流滞留空間7が形成される(図5参照)。送風口5Kは、コンテナ本体5の底壁8の上面とデッキ6の下面との間へ送風するように、コンテナ本体5の外部へと連通するように設けられている。なお、大風量の気流を導入するために、コンテナ本体5の底壁8の上面とデッキ6の下面との高さ方向の距離に比べ、送風口5Kの高さ寸法が大きく設定されている。このため、コンテナ本体5の内部に、高さ寸法を調整するための送風ガイド部19が設けられている。したがって、送風口5Kから導入された気流(熱風)は、送風ガイド部19を介して気流滞留空間7に流れ、デッキ6の複数の貫通孔6A…を通して多数のチップに供給される。
【0036】
デッキ6は、図2に示すように、複数のデッキ単板6a…が並べられて構成されている。本実施形態では、前後方向に2枚並べられ、左右方向に2枚並べられた合計4枚のデッキ単板6a…からデッキ6が構成されている。各デッキ単板6aとして、本実施形態では、パンチングプレートが用いられている。ただしこれに限らず、例えば、金網と開口率を調整するための部材(スリットを設けた板状体等)との組み合わせを用いてもよく、構成は種々に選択できる。
【0037】
図5に示すように、デッキ6は、左側壁93の折り目931a,931b及び右側壁94の折り目941a,941bよりも下側部941Cに配置されている。具体的には、左側壁93の下側部931C及び右側壁94の下端部にデッキ6が水平に配置されている。デッキ6の左右端が、左側壁93の上側部931Aの内面と略同一の位置に位置している。したがって、デッキ6を、左側壁93の折り目931a,931b及び右側壁94の折り目941a,941bよりも下側部931Cに配置することによって、下側部931C,941Cに収容されている被乾燥物に対してデッキ6を通して熱風を当てる面積を増大して乾燥効率を高めることができる。尚、デッキ6の左右両側に形成の貫通孔6Aからの熱風が、下側部931C,941Cの内面931d,941dまで回り込んで下側部931C,941Cの内面931d,941d付近の被乾燥物を満遍なく乾燥させることができる。
【0038】
以上、本発明につき一実施形態を取り上げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されない。例えば、前記実施形態の乾燥コンテナ1は車載が可能に構成されていたが、これに限られず、車載しないものであってもよい。この場合、フック係合部4及びローラ10を省略して、乾燥コンテナ1を一定位置で動かさない固定式としてもよいし、適宜移動できる可搬式としてもよい。
【0039】
また、前記実施形態では、デッキ6の左右端を、左右の側壁93,94の上側部931A(右側壁は図示せず)の内面と略同一の位置に位置させたが、デッキ6の左右端を、左右の側壁93,94の下側部931Cの内面931dに当接するように位置させる、又は左右の側壁93,94の下側部931Cの内面931dに接近した位置に位置させるようにしてもよい。このようにデッキ6の左右端を位置させることによって、左右の側壁93,94の下側部931Cの内面931d付近のチップに対して下方に備える貫通孔6A…を通して当てることができる。
【0040】
また、前記実施形態では、コンテナ本体5を、平面視において長方形状の箱型に構成したが、平面視において正方形状の箱型に構成してもよいし、場合によっては、平面視において台形状の箱型に構成してもよい。
【0041】
また、前記実施形態では、2つの支柱932,942をコンテナ本体5のコーナー部に配置したが、左側壁93の前後方向中央部や右側壁94の前後方向中央部等のコンテナ本体5のコーナー部以外に設けてもよい。
【0042】
また、乾燥コンテナシステムSの被乾燥物は、前記実施形態では木材チップであったが、これに限定されず、例えば鉱石、石材、樹脂、金属、木材以外の動植物由来の素材、食品材料、燃料等、種々の粒状体であってもよい。また、水分が外面にのみ存在するものであってもよいし、外面及び内部に存在するものであってもよい。
【0043】
また、前記実施形態では、板状部材931に上下方向に2つの折り目931a,931bを形成したが、1つの折り目を形成してもよいし、3つ以上の折り目を形成してもよい。1つの折り目を形成する場合には、折り目の上側に位置する垂直板部と、折り目の下側に位置し下端側ほど板厚方向外側に位置する傾斜板部と、を有する板状部材から構成してもよい。この場合、傾斜板部の一部のみが板状部材の板厚方向において支柱に重なり合っていてもよい。また、3つ以上の折り目を形成する場合には、複数段階に板厚方向外側に突出する複数の下側部を備えていてもよい。
【0044】
また、前記実施形態では、左側壁の下側部の内面及び右側壁の下側部の内面から2つの支柱の内面にそれぞれ向かうように斜めに延びる別体の傾斜部を備えたが、支柱に傾斜部を一体形成してもよい。
【0045】
また、前記実施形態では、コンテナ(乾燥コンテナ1)を車両に搭載し、車両によりコンテナをダンプさせることでコンテナ内の収容物を排出させるが、コンテナ内部にコンベア等の排出機構を設けて、コンテナ内の収容物を排出機構により排出させてもよい。
【0046】
また、前記実施形態では、折り目を左側壁、右側壁、後側壁に形成したが、4つの側壁のうちの少なくとも1つの側壁に折り目を形成してもよく、1つの側壁のみに折り目を形成する、または、2つの側壁、又は3つの側壁、あるいは4つ側壁に折り目を形成してもよい。
【0047】
また、前記実施形態では、支柱を断面形状四角形としたが、三角形、コの字形、丸形などであってもよい。
【0048】
また、前記実施形態では、枠部材を断面形状コの字形としたが、三角形、四角形、丸形などであってもよい。
【0049】
また、前記実施形態では、側壁に幅狭な部分と幅広な部分とを備えたものを示したが、側壁に幅狭な部分(具体的には、図5の上側部931A)が無く、幅広な部分のみを備えたものから構成してもよい。つまり、少なくとも1つの側壁が、上下(縦)方向1箇所で折り曲げられることで上端から板厚方向外側に突出する下側部(突出部)を有する板状部材と、上下方向に延び、該板状部材に固定される支柱と、を備えていてもよい。具体的には、前記下側部(突出部)が、上端から下方に向かうほど板厚方向外側に位置する段差部(具体的には、図5の段差部931B)と、段差部の下端から下方に向かうように折り曲げられた垂直部(具体的には、図5の下側部931C)と、を備えている。前記のように、側壁が折り曲げられることによって、側壁の強度を高めることができるので、収容物の自重で内側から外側へ荷重が加わった時に側壁が撓むことを抑制することができ、スチフナ等の、専ら補強を行うために別に設けられる補強部材を不要にすることができる。これにより、支柱の外面まで側壁の外面を突出させることができ、その分収容物の収容量を増大させることができる。しかも、下側部の少なくとも一部(ここでは、段差部の一部又は全部)が、板厚方向において支柱に重なり合っていることで、収容量増大にもかかわらず、板状部材の下側部の外面からの支柱の外側への出っ張り量を抑えることができる。尚、前記垂直部は、必ずしも上下方向に沿っていなくてもよく、下側ほど外側に位置する傾斜部であってもよい。また、前記段差部を前記垂直部に対して略90度内側へ折り曲げて左右方向又は前後方向に略平行な面を有する水平部に構成してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…乾燥コンテナ、2…気流供給機構、3…連結管、4…フック係合部、5…コンテナ本体、5K…送風口、6…デッキ、6A…貫通孔、6a…デッキ単板、7…気流滞留空間、8…底壁、9…側壁、10…ローラ、11…脚部、12…ヒンジ、13…補強枠、13A…外面、14…枠部材、14A…上面、15…板部、17…傾斜部、17A…上側部、17B…下側部、17C…前側部、17D…後側部、18…補強フレーム、18A,18B…板部、18C…折れ曲がり部、18a,18b…先端部、19…送風ガイド部、20,21,22…横支柱、23…縦支柱、91…前側壁、91A…内面、92…後側壁、92H…排出口、93…左側壁、94…右側壁、93A,94A…内面、931C…下側部、931d,931h,941d…内面、931c…外面、932…支柱、921…扉、931,941…板状部材、931A,941A…上側部、931B,941B…段差部、931C,941C…ストレート部、9211C…下側部、931a,931b、941a,941b、9211a,9211b…折り目、932,942…支柱、932A,942A…内面、932F,942F…前面、9211…板状部材、9211E…第2段差部、9211A…上側部、9211B…第1段差部、9211C…下側部、9211T…張出部、9211a,9211b…折り目、9212…枠部材、S…乾燥コンテナシステム、X…上下軸心
図1
図2
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図10
図11
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図15