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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】灯具ユニット及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20240301BHJP
   F21V 11/02 20060101ALI20240301BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20240301BHJP
   F21V 7/09 20060101ALI20240301BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240301BHJP
【FI】
F21S8/04 100
F21V11/02
F21V17/00 502
F21V7/09 510
F21Y115:10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020074218
(22)【出願日】2020-04-17
(65)【公開番号】P2021174569
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 哲志
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-249219(JP,A)
【文献】実開昭61-016806(JP,U)
【文献】特開2015-002044(JP,A)
【文献】特開2012-243661(JP,A)
【文献】実開昭59-004106(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 11/02
F21V 17/00
F21V 7/09
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源が取り付けられる四角形状の光源取付部を有するユニットケースと、
前記ユニットケースに取り付けられ、前記光源が発した光を透過させ拡散させる透光性カバーと、
前記ユニットケースに取り付けられ、前記光源取付部と前記透光性カバーとの間に設けられたルーバー片と、を備え、
前記ユニットケースは、
前記光源が発した光を反射するものであって、前記光源取付部の対向する二辺から正面側に延び、前記光源取付部から離れるにしたがって互いに離れるように傾斜した2つの傾斜部を有し、
2つの前記傾斜部のそれぞれには、スリットが形成されており、
前記ルーバー片は、横長の長方形状の板状部材で構成され、後端側の2つの角部が前記傾斜部の前記スリットに挿入され、
前記透光性カバーは、前記ルーバー片の前端と接触するように配置されている
具ユニット。
【請求項2】
前記ユニットケースは、
2つの前記傾斜部の先端部側に設けられ、前記透光性カバーを支持する支持部を有する
請求項に記載の灯具ユニット。
【請求項3】
前記支持部は、前記傾斜部と一体的に形成され、前記傾斜部の前記先端部に対して折り曲げて形成されている
請求項に記載の灯具ユニット。
【請求項4】
前記傾斜部は、前記光源取付部と一体的に形成され、前記光源取付部に対して弾性変形する
請求項1~3のいずれか一項に記載の灯具ユニット。
【請求項5】
前記ルーバー片には、前記傾斜部の前記スリットの縁部に引っ掛かる切り欠きが形成されている
請求項1~4のいずれか一項に記載の灯具ユニット。
【請求項6】
前記ルーバー片は、前記傾斜部の前記スリットに挿入されて外部に露出する前記角部である挿入部と、前記光源取付部と前記傾斜部により囲われる空間に配置されるルーバー部と、を有し、
前記切り欠きは、前記挿入部と前記ルーバー部との境界部に形成されている
請求項に記載の灯具ユニット。
【請求項7】
請求項1~のいずれか一項に記載の灯具ユニットと、
前記灯具ユニットを収納する筐体と、
を備えた照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユニットケースを有する灯具ユニット及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置は、光源を搭載した灯具ユニットを備え、例えば天井等に取り付けられて室内を照明する。一般に、照明装置の灯具ユニットにおいて、均一な光を照射するために、光源の光の出射側には光を拡散させ透過させる透光性カバーが配置される。このような照明装置において、透光性カバーの光の出射側にルーバーを設け、灯具ユニット(灯具部とも称す)から照射される光を和らげるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の照明装置において、灯具部は長方形状をしており、長手方向に複数のルーバーが配列されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-125113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、照明装置が使用されるシーンによっては、発光面による照明演出が必要される。特許文献1の照明装置においては、ルーバーにより発光面を仕切る照明演出がされる。しかしながら、特許文献1のように透光性カバーの光の出射側、すなわち照明装置の発光面の外にルーバーが配置される場合、ルーバーにより発光面の光が遮られてしまう。よって、利用者の位置によっては、発光面の見え方が制限され、利用者は発光面を直接見ることができず、演出効果が低下する。また仮に、ルーバーを設けずに複数の照明装置を並べて配置することにより特許文献1と同様の演出効果を得るためには、複数の照明装置が必要とされ、構造が複雑化する。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、簡易な構成で、演出効果の低下を抑制した灯具ユニット及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る灯具ユニットは、光源と、前記光源が取り付けられる四角形状の光源取付部を有するユニットケースと、前記ユニットケースに取り付けられ、前記光源が発した光を透過させ拡散させる透光性カバーと、前記ユニットケースに取り付けられ、前記光源取付部と前記透光性カバーとの間に設けられたルーバー片と、を備え、前記ユニットケースは、前記光源が発した光を反射するものであって、前記光源取付部の対向する二辺から正面側に延び、前記光源取付部から離れるにしたがって互いに離れるように傾斜した2つの傾斜部を有し、2つの前記傾斜部のそれぞれには、スリットが形成されており、前記ルーバー片は、横長の長方形状の板状部材で構成され、後端側の2つの角部が前記傾斜部の前記スリットに挿入され、前記透光性カバーは、前記ルーバー片の前端と接触するように配置されている
また、本開示に係る照明装置は、上記の灯具ユニットと、前記灯具ユニットを収納する筐体と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示の灯具ユニット及び照明装置によれば、光源取付部と透光性カバーとの間にルーバー片が設けられているので、利用者の位置による透光性カバーの見え方の制限が軽減され、演出効果の低下が抑制される。また、一台で発光面を仕切る照明演出ができ、簡易な構成で、演出効果の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態1に係る照明装置の正面図である。
図2図1の照明装置の背面図である。
図3図1の照明装置の右側面図である。
図4図1の照明装置の左側面図である。
図5図1の照明装置の上面図である。
図6図1の照明装置の下面図である。
図7図1の照明装置における灯具ユニットの内部を示す構成図である。
図8図1の照明装置における灯具ユニットの外郭の構成を示す正面図である。
図9図8の灯具ユニットの外郭の背面図である。
図10図8の灯具ユニットの外郭の右側面図である。
図11図8の灯具ユニットの外郭の左側面図である。
図12図8の灯具ユニットの外郭の上面図である。
図13図8の灯具ユニットの外郭の下面図である。
図14図1の照明装置における灯具ユニットの上面図である。
図15図14の灯具ユニットにおいて端部カバーを外した状態を示す上面図である。
図16図14の灯具ユニットにおいてユニットケースとルーバー片と透光性カバーを分解した状態を示す上面図である。
図17図14の灯具ユニットの組み立て工程においてルーバー片がユニットケースに組み付けられる前の状態を示す正面図である。
図18図14の灯具ユニットの組み立て工程においてルーバー片の組み付け工程を説明する側面図である。
図19図14の灯具ユニットの組み立て工程において透光性カバーの組み付け工程を説明する側面図である。
図20図14の灯具ユニットにおける光の経路を説明する模式図である。
図21図1の照明装置の発光面と影になる面とを説明する説明図である。
図22図1の照明装置の斜視図である。
図23】実施の形態2に係る照明装置における灯具からユニットケースの端部カバーを外した状態を示す上面図である。
図24図23の灯具ユニットにおいてユニットケースとルーバー片と透光性カバーを分解した状態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る照明装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す図面の形態によって本開示が限定されるものではない。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」及び「後」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本開示を限定するものではない。これらの方向を示す用語は、特に明示しない限り、照明装置を正面側(光の出射側)から見た場合の方向を意味している。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本開示の実施の形態1に係る照明装置の正面図である。照明装置100は、例えば、天井又は部屋の壁といった取付壁に設置される。以下、照明装置100の光の出射側を正面とし、照明装置100の背面が天井又は壁に取り付けられるものとして説明する。
【0011】
図2は、図1の照明装置の背面図である。図3は、図1の照明装置の右側面図である。図4は、図1の照明装置の左側面図である。図5は、図1の照明装置の上面図である。図6は、図1の照明装置の下面図である。以下、図1~6を参照して照明装置100の構成について説明する。
【0012】
照明装置100は、筐体10と、筐体10に取り付けられる灯具ユニット20と、筐体10を取付壁に取り付ける取付具30と、を備える。筐体10は、例えば、一面が開口した箱形状を有している。筐体10は、例えば板金等で構成されている。筐体10の正面には開口10aが形成され、筐体10は、右側面を構成する右側面部12と、左側面を構成する左側面部13と、上面を構成する上面部14と、下面を構成する下面部15と、背面を構成する背面部11と、を有している。図1では、照明装置100の筐体10は、左右方向(矢印X方向)の長さよりも上下方向(矢印Z方向)の長さが長い、縦長の形状とされている。以降の説明において、照明装置100の正面視において上下方向を長手方向といい、左右方向を短手方向という場合がある。また、照明装置100の奥行方向を矢印Y方向で表す。
【0013】
筐体10内には、灯具ユニット20が収納され、図示しない金具により筐体に取り付けられている。灯具ユニット20の正面側には発光面が設けられており、灯具ユニット20の発光面から出射した光は、筐体10の開口10aを介して室内に放出される。筐体10において、開口10aが形成されている面と対向する背面部11には、室内と取付壁の裏側の空間との間を空気が対流できるように、いわゆる空調リターン穴11hが形成されている。灯具ユニット20は、ユニットケース22と、ユニットケース22に取り付けられる透光性カバー21等とを有している。
【0014】
取付具30は、例えば金属等で構成され、照明装置100を天井等の取付壁に取り付けるものである。取付具30は、筐体10の長手方向(矢印Z方向)の両側の端部、すなわち上面部14及び下面部15にそれぞれ固定されており、突出した引っ掛け部を有する。例えば、照明装置100がシステム天井に設置される場合、天井に施工されたTバーに、取付具30の引っ掛け部が引っ掛けられ固定される。
【0015】
図7は、図1の照明装置における灯具ユニットの内部を示す構成図である。図7に示されるように、灯具ユニット20は、ユニットケース22に設置される光源モジュール24と、ユニットケース22に取り付けられるルーバー片23等と、を有する。
【0016】
光源モジュール24は、例えばLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)モジュール等の光源で構成される。光源モジュール24は、複数の発光ダイオード24aと、長手方向(矢印Z方向)に延びる基板24bと、を有し、基板24bに複数の発光ダイオード24aが実装されている。以下、光源モジュール24を単に光源という場合がある。
【0017】
ルーバー片23は、遮光する板状の部材で構成され、光を反射する機能を有している。具体的には、遮光する板状の部材の表面全体又は両面に、反射材が設けられるか、あるいは鏡面加工が施されている。例えばルーバー片23は、金属製の長方形の板で構成することができる。ルーバー片23は、光源モジュール24が発した光を遮り反射する。ルーバー片23は、ユニットケース22から外部に露出する挿入部23bと、ユニットケース22内に位置するルーバー部23aと、を有している(後述する図15参照)。具体的には、挿入部23bはルーバー片23における後端側の2つの角部である。
【0018】
図8は、図1の照明装置における灯具ユニットの外郭の構成を示す正面図である。図9は、図8の灯具ユニットの外郭の背面図である。図10は、図8の灯具ユニットの外郭の右側面図である。図11は、図8の灯具ユニットの外郭の左側面図である。図12は、図8の灯具ユニットの外郭の上面図である。図13は、図8の灯具ユニットの外郭の下面図である。以下、図7~13を参照してユニットケース22の詳細について説明する。
【0019】
灯具ユニット20は、端部カバー25a、25bを有し、灯具ユニット20の外郭は、ユニットケース22と、2つの端部カバー25a、25bと、透光性カバー21(図1参照)と、により構成されている。
【0020】
透光性カバー21は、例えば樹脂等の透光性及び光拡散性を有する素材で構成されている。透光性カバー21は、ユニットケース22に設置された光源モジュール24を覆うようにユニットケース22に取り付けられる。透光性カバー21は、光源モジュール24が発した光を透過し、灯具ユニット20の外へ放出する。すなわち、透光性カバー21は、灯具ユニット20の発光面として機能する。
【0021】
ユニットケース22は、板金等で構成されている。ユニットケース22は、光源が取り付けられる四角形状の光源取付部22cと、光源取付部22cの対向する二辺から正面側に延びる傾斜した2つの傾斜部22aと、を有する。図7~13に示される例では、光源取付部22cは照明装置100の長手方向(矢印Z方向)に延びる長方形状を有している。2つの傾斜部22aは、光源取付部22cから離れるにしたがって互いに離れるように傾斜している。傾斜部22aは、光源からの光を反射する機能を有する。
【0022】
またユニットケース22は、各傾斜部22aの先端部側に設けられ、透光性カバー21を支持する支持部22dを有する。支持部22dは、例えば、傾斜部22aの先端部とつながる板金部分を折り曲げて形成されている。図12に示されるように、支持部22dは、光源取付部22cと略平行な面を有する。
【0023】
各傾斜部22aが光源取付部22cに対して弾性変形するように、2つの傾斜部22aは、光源取付部22cと一体的に形成されている。具体的には、一枚の板金が折り曲げられてユニットケース22の光源取付部22cと2つの傾斜部22aとが形成される。光源取付部22cと傾斜部22aと支持部22dとは、一枚の板金により形成することができる。なお、支持部22dは、例えば、光源取付部22c及び傾斜部22aとは別体の、平面視して断面逆L字状の部材を各傾斜部22aと結合させ構成してもよい。
【0024】
図7に示されるように、端部カバー25a、25bは、正面開口部22oを除き光源取付部22cと傾斜部22aとにより囲まれる空間Sの長手方向(矢印Z方向)の両端を閉塞するように、光源取付部22c及び傾斜部22aに取り付けられている。図7の正面視において、端部カバー25aは、灯具ユニット20の上端面を構成し、端部カバー25bは、灯具ユニット20の下端面を構成する。ユニットケース22内の空間Sに、光源モジュール24が収納される。
【0025】
傾斜部22aには、ルーバー片23の挿入部23bが挿入されるスリット22bが複数形成されている。複数のスリット22bは、傾斜部22aの長手方向(矢印Z方向)に予め決められた間隔で形成されている。図10~11に示されるように、各スリット22bは、傾斜部22aにおいて、光源取付部22c側の端部から支持部22d側の先端部に向かって延びた横長の形状を有している。スリット22bは、例えば長方形の開口形状を有する。
【0026】
図7に示されるように、傾斜部22aの長手方向(矢印Z方向)におけるスリット22bの開口幅すなわちスリット22bの短辺の長さと、ルーバー片23の厚みとは同程度の長さとされている。ルーバー片23の挿入が容易なように、スリット22bの短辺の長さは、ルーバー片23の厚みよりも若干大きく形成されてもよい。
【0027】
図14は、図1の照明装置における灯具ユニットの上面図である。図15は、図14の灯具ユニットにおいて端部カバーを外した状態を示す上面図である。図15に示されるように、灯具ユニット20の奥行方向(矢印Y方向)において、スリット22bの開口幅L1がルーバー片23の幅L2よりも短くなるように形成され、ルーバー片23の前端23e側の2つの角部はユニットケース22の空間Sに収納されている。
【0028】
図14~15を参照して灯具ユニット20におけるユニットケース22とルーバー片23と透光性カバー21との位置関係について説明する。光源取付部22cに設置された光源モジュール24を覆うように、ユニットケース22の正面開口部22oに、透光性カバー21が配置されている。透光性カバー21は支持部22dにより支持されることで、透光性カバー21の前側の位置が規制されている。ルーバー片23は、ユニットケース22の光源取付部22cと透光性カバー21との間に配置されている。ルーバー片23の後端は、挿入部23bとルーバー部23aとの境界において、スリット22bの後ろ側の短辺に接触しており、傾斜部22aによって、ルーバー部23aとユニットケース22の光源取付部22cとの間の距離が一定以上に確保されている。そして、透光性カバー21の背面側にルーバー部23aの前端23eが接触することにより、透光性カバー21の後ろ側の位置が規制されている。
【0029】
図16は、図14の灯具ユニットにおいてユニットケースとルーバー片と透光性カバーを分解した状態を示す上面図である。図17は、図14の灯具ユニットの組み立て工程においてルーバー片23がユニットケースに組み付けられる前の状態を示す正面図である。図18は、図14の灯具ユニットの組み立て工程においてルーバー片23の組み付け工程を説明する側面図である。図19は、図14の灯具ユニットの組み立て工程において透光性カバーの組み付け工程を説明する側面図である。
【0030】
次に、図16~19及び図7を参照して灯具ユニット20の組み立て工程について説明する。まず、図17に示されるように、接着剤、ネジ、又は係止爪等の固定部材により、光源取付部22cに光源モジュール24が取り付けられる。次に、図16、18及び図7に示されるように、ルーバー片23の挿入部23bが、傾斜部22aのスリット22bに挿入される。そして、図18~19に示されるように、傾斜部22aの先端部側に透光性カバー21が取り付けられる。このとき、透光性カバー21は、ユニットケース22の長手方向(矢印Z方向)の下端側から挿入され、支持部22dに当接させながらスライドされる。ユニットケース22に透光性カバー21が取り付けられた状態において、ルーバー片23の前端23eが透光性カバー21と接触するので、ルーバー片23がスリット22bに挿入された状態が維持される。
【0031】
図20は、図14の灯具ユニットにおける光の経路を説明する模式図である。図20に示されるように、ルーバー片23の前端23eは、透光性カバー21の背面に当接している。よって、光源モジュール24から発した光は、直接、又はルーバー片23のルーバー部23aによって反射されて、透光性カバー21を透過し、灯具ユニット20の外に出射される。
【0032】
図20において、一点鎖線は、光源モジュール24から出射して、直接、透光性カバー21に到達する光の経路k1を表している。また、二点鎖線は、光源モジュール24から出射し、ルーバー部23aで反射されて透光性カバー21に到達する光の経路k2を表している。光源モジュール24からルーバー部23aに向かって出射された、経路k2で表される光は、ルーバー部23aに反射されることにより、その進行方向が変えられて透光性カバー21に到達する。透光性カバー21に到達した光は、透光性カバー21を透過して外部に出射される。
【0033】
図21は、図1の照明装置の発光面と影になる面とを説明する説明図である。図22は、図1の照明装置の斜視図である。図21には、照明装置100の透光性カバー21において、ルーバー片23と接触する部分が領域R1で表され、ルーバー片23と接触しない部分が領域R2で表されている。
【0034】
ここで、ルーバー部23aは光を遮る部材で構成されているので、図21に示されるように、透光性カバー21の領域R1からは光が出射されず、領域R1は影となる。よって、ルーバー片23が透光性カバー21に投影されることで、透光性カバー21の領域R1が疑似的な仕切部のように利用者に認識され、1台の照明装置100において、発光面が仕切られた照明演出ができる。
【0035】
以上のように、実施の形態1において灯具ユニット20は、光源モジュール24と、光源モジュール24が取り付けられる四角形状の光源取付部22cを有するユニットケース22を備える。また灯具ユニット20は、ユニットケース22に取り付けられ、光源モジュール24が発した光を透過させ拡散させる透光性カバー21と、ユニットケース22に取り付けられ、光源取付部22cと透光性カバー21との間に設けられたルーバー片23と、を備える。これにより、利用者の位置による透光性カバーの見え方の制限が軽減され、発光面を仕切る演出効果の低下が抑制される。また、一台で発光面を仕切る照明演出ができ、簡易な構成で、演出効果の低下を抑制できる。
【0036】
また透光性カバー21は、ルーバー片23と接触するように配置されている。これにより、発光面として機能する透光性カバー21により、ルーバー片23の位置を規制することができ、構造が簡易化できる。
【0037】
また、ユニットケース22は、光源取付部22cの対向する二辺から正面側に延び、光源取付部22cから離れるにしたがって互いに離れるように傾斜した2つの傾斜部22aを有する。2つの傾斜部22aは、光源モジュール24が発した光を反射するものであって、2つの傾斜部22aのそれぞれにはスリット22bが形成されている。ルーバー片23は、傾斜部22aのスリット22bに挿入される。これにより、上記の演出効果の低下を抑制する構成を、簡易な構造で実現できる。
【0038】
またユニットケース22は、2つの傾斜部22aの先端部側に設けられ、透光性カバー21を支持する支持部22dを有する。これにより、簡易な構造で、ユニットケース22に対して透光性カバー21を取り付ける構成とできる。
【0039】
また、傾斜部22aは、光源取付部22cと一体的に形成され、光源取付部22cに対して弾性変形する。これにより、灯具ユニット20の外郭の構成を簡易化することができる。
【0040】
また、支持部22dは、傾斜部22aと一体的に形成され、傾斜部22aの先端部に対して折り曲げて形成されている。これにより、ユニットケース22の製造が容易となる。
【0041】
実施の形態2.
図23は、実施の形態2に係る照明装置における灯具ユニットからユニットケースの端部カバーを外した状態を示す上面図である。図24は、図23の灯具においてユニットケースとルーバー片と透光性カバーを分解した状態を示す上面図である。図24には、ルーバー部23aと挿入部23bとの境界部が破線で示されている。以下、図23~24を参照して実施の形態2の照明装置100の構成について説明する。
【0042】
図23に示されるように、実施の形態2においても、実施の形態1の場合と同様に、ユニットケース22には複数のスリット22bが形成されている。実施の形態2のルーバー片23は、実施の形態1のルーバー片23にさらに切り欠き23cを設けたものである。切り欠き23cは、ルーバー片23の外周部の一部に形成された窪みであり、ルーバー片23の外周部において、ルーバー部23aと挿入部23bとの境界に形成されている。
【0043】
次に、図24に基づき、ルーバー片23をユニットケース22に取り付ける工程について説明する。まず、ユニットケース22の正面開口部22oを介して、ユニットケース22内の空間Sに、ルーバー片23が挿入される。ルーバー片23は、さらに奥へ挿入されて、ルーバー片23の後端の左右それぞれに形成された挿入部23bがスリット22bに挿入され、ユニットケース22から露出する。スリット22bを介して、ルーバー片23の挿入部23bの全体がユニットケース22の外に露出した後、さらにルーバー片23が後方へ押し込まれると、傾斜部22aが押し広げられるように弾性変形する。具体的には、ユニットケース22におけるスリット22bの開口縁部に挿入部23bが押しあてられることにより傾斜部22aが外側へ倒され、光源取付部22cに対する角度θが大きくなる。ルーバー片23によって、傾斜部22aが光源取付部22cに対して弾性変形しながらルーバー片23がさらに押し込まれ、ルーバー片23の前端23eが予め決められた位置まで移動すると、開口縁部がルーバー片23の切り欠き23cに入り込む。スリット縁部がルーバー片23の切り欠き23cに入り込むと、傾斜部22aの弾性変形が解除される。
【0044】
実施の形態2の灯具ユニット20において、ルーバー片23には、傾斜部22aのスリット22bの縁部に引っ掛かる切り欠き23cが形成されている。これにより、ルーバー片23は、傾斜部22aから外れ難くなり、ユニットケース22からルーバー片23が外れてしまうことを防止できる。
【0045】
また、ルーバー片23は、傾斜部22aのスリット22bに挿入されて外部に露出する挿入部23bと、光源取付部22cと傾斜部22aにより囲われる空間Sに配置されるルーバー部23aと、を有する。切り欠き23cは、挿入部23bとルーバー部23aとの境界部に形成されている。これにより、簡単な構造で、ルーバー片23の脱落を防止できる。
【0046】
なお、本開示の実施の形態は上記実施の形態に限定されず、種々の変更を行うことができる。筐体10、ユニットケース22、及び光源モジュール24等の形状は、どのようなものであってもよく、例えば、筐体10の形状は正方形状であってもよい。また例えば、光源モジュール24が1つの光源モジュール24で構成される場合について記載したが、光源取付部22cに複数の光源モジュール24が配置されてもよい。
【0047】
また、上記の実施の形態では、ルーバー片23が取り付けられる傾斜部22aが、長方形状の光源取付部22cの平行な長辺に沿って設けられる場合について説明したが、2つの傾斜部22aは対向していればよい。例えば、ユニットケース22において、光源取付部22cは上辺と下辺が平行な台形形状とされ、その光源取付部22cの左右の各辺に沿って傾斜部22aが設けられる構成でもよい。この場合においてユニットケース22にルーバー片23が上下方向(矢印Z方向)に複数取り付けられる場合には、ルーバー片23ごとに、2つの傾斜部22aの距離に応じて、ルーバー片23の横幅(矢印X方向の長さ)を互いに異ならせる。
【符号の説明】
【0048】
10 筐体、10a 開口、11 背面部、11h 空調リターン穴、12 右側面部、13 左側面部、14 上面部、15 下面部、20 灯具ユニット、21 透光性カバー、22 ユニットケース、22a 傾斜部、22b スリット、22c 光源取付部、22d 支持部、22o 正面開口部、23 ルーバー片、23a ルーバー部、23b 挿入部、23c 切り欠き、23e 前端、24 光源モジュール、24a 発光ダイオード、24b 基板、25a 端部カバー、25b 端部カバー、30 取付具、100 照明装置、200 照明装置、L1 スリットの開口幅、L2 ルーバー片の幅、R1、R2 領域、S 空間、k1、k2 経路。
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