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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】脱臭装置および便器装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/00 20060101AFI20240301BHJP
【FI】
E03D9/00 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020076721
(22)【出願日】2020-04-23
(65)【公開番号】P2021173036
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】村田 謙豪
(72)【発明者】
【氏名】平澤 勇人
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-115302(JP,A)
【文献】特開平05-346033(JP,A)
【文献】中国実用新案第205994439(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2003/0145369(US,A1)
【文献】特開平01-210533(JP,A)
【文献】特開2003-213762(JP,A)
【文献】特開2006-138201(JP,A)
【文献】特開平10-219788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/00 - 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器本体に取り付けられて、前記便器本体の便鉢の内部の空気を吸い込むための脱臭ダクトと、
前記脱臭ダクトの前端部に取り付けられ、板状の面が前記便鉢の内部を向くとともに、前記脱臭ダクトの軸線方向を向くように配置されている脱臭フィルタと、を備え、
前記脱臭ダクトは、前記脱臭フィルタが取り付けられる脱臭フィルタ取付部を有し、
前記脱臭フィルタ取付部は、前記便器本体への設置位置よりも前記便鉢側に移動すると前記脱臭フィルタを下方から着脱可能である脱臭装置。
【請求項2】
前記脱臭フィルタ取付部には、前記脱臭フィルタを取り付けるための脱臭フィルタ取付溝部が形成されている請求項1に記載の脱臭装置。
【請求項3】
前記脱臭フィルタは、前記便鉢のリムよりも前記便鉢の内側に配置されている請求項1または2に記載の脱臭装置。
【請求項4】
前記脱臭ダクトは、前記脱臭フィルタ取付部の後方に位置する脱臭ダクト本体を有し、
前記脱臭フィルタ取付部は、前記脱臭ダクト本体に着脱可能に構成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の脱臭装置。
【請求項5】
便器本体と、
前記便器本体に取り付けられた請求項1から4のいずれか一項に記載の脱臭装置と、
を備える便器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、脱臭装置および便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便器本体に脱臭装置が設置された便器装置が知られている。脱臭装置は、便器本体の便鉢内の空気を吸い込み、脱臭カートリッジが設けられた脱臭ダクトを通過させて脱臭している(例えば、特許文献1参照)。脱臭装置の脱臭ダクト内には、脱臭フィルタが設けられ、脱臭ダクトに埃などの異物が入り込むことを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-125380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
脱臭フィルタが脱臭ダクト内に設けられていると、脱臭フィルタによって脱臭ダクト内のノイズが生じることがある。脱臭ダクトにおける脱臭フィルタまでの領域には、埃などが入り込みメンテナンスに手間がかかることがある。
【0005】
本開示は、脱臭ダクト内のノイズの発生を抑えることができるとともに、メンテナンスを容易にすることができる脱臭装置および便器装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る脱臭装置は、便器本体に取り付けられて、前記便器本体の便鉢の内部の空気を吸い込むための脱臭ダクトと、前記脱臭ダクトの前端部に取り付けられ、板状の面が前記便鉢の内部を向くとともに、前記脱臭ダクトの軸線方向を向くように配置されている脱臭フィルタと、を備え、前記脱臭ダクトは、前記脱臭フィルタが取り付けられる脱臭フィルタ取付部を有し、前記脱臭フィルタ取付部は、前記便器本体への設置位置よりも前記便鉢側に移動すると前記脱臭フィルタを下方から着脱可能である。
【0007】
本開示に係る便器装置は、便器本体と、前記便器本体に取り付けられた上記の脱臭装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の便器装置の斜視図である。
図2】便器装置の前後方向に沿った鉛直断面図で図5のA-A線断面図である。
図3】便蓋および便座を省略した便器装置の斜視図である。
図4】便器本体を示す斜視図である。
図5図2のB-B線断面図である。
図6】便器本体に配置された第1機能部および第1ベースプレートの斜視図である。
図7】第1機能部と第2機能部とを分解した斜視図である。
図8】第1機能部の斜視図である。
図9】シャッタユニットの斜視図である。
図10】シャッタユニットの分解斜視図である。
図11】第1脱臭ダクトから脱臭フィルタ斜視図である。
図12】温風吹出ノズルカバーを後方から見た斜視図である。
図13図2のC-C線断面図である。
図14】第1ベースプレートの斜視図である。
図15】第1ベースプレートの下面を示す斜視図である。
図16】脱臭装置の断面図である。
図17】第2機能部と便器本体との配置を示す斜視図である。
図18】第2機能部、第2ベースプレートを分解した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1および図2に示すように、本実施形態による便器装置1は、便器本体2と、機能部3と、便座41と、便蓋42と、を有している。機能部3は、洗浄装置5、温風乾燥装置6、脱臭装置7、給湯装置331、湯沸かしユニット332、ディスクバルブ333(流路切替弁)、ポンプ装置34、電力供給装置35などの各種機能を備える装置を有している。機能部3の詳細については後述する。
【0010】
図2図3および図4に示すように、便器本体2は、便鉢形成部21と、機能部配置部22と、を有している。便鉢形成部21には、便鉢211が形成されている。機能部配置部22には、機能部3が設置される機能部配置空部221が形成されている。本実施形態では、便器本体2は、壁に設置されている。便器本体2は、床に設置されていてもよい。便器本体2には、給水配管および排水配管(不図示)が接続されている。便器本体2は、便器装置1を使用する使用者から見た手前側に便鉢形成部21が配置され、奥側に機能部配置部22が配置される。便鉢形成部21と、機能部配置部22を結ぶ水平方向を前後方向(図の矢印Aの方向)とする。機能部配置部22に対する便鉢形成部21が配置される側を前側とし、その反対側を後側とする。前後方向に直交する水平方向を幅方向(図の矢印Bの方向)とする。
【0011】
便器本体2は、陶器で製造されている。便鉢形成部21と機能部配置部22とは、一体に形成されている。便器本体2は、前部に形成され前方を向く前壁部23と、後部に形成され後側を向く後壁部24と、両側部(幅方向の両端部)それぞれに形成され幅方向を向く第1側壁部25および第2側壁部26と、を有している。第1側壁部25および第2側壁部26は、第1側壁部25が幅方向の一方側に配置され、第2側壁部26が幅方向の他方側に配置されている。第1側壁部25および第2側壁部26は、前端部が前壁部23と接続され、後端部が後壁部24と接続されている。便器本体2は、前壁部23、後壁部24、第1側壁部25および第2側壁部26の内側における前側部分に便鉢211が設けられ、後側部分に機能部配置空部221が設けられている。本実施形態では、便鉢形成部21と機能部配置部22とは、陶器で一体に形成されている。便鉢形成部21と機能部配置部22とは、別体で隣接して設けられていてもよい。
【0012】
機能部配置部22の機能部配置空部221は、後壁部24と、第1側壁部25および第2側壁部26の後側部分と、便鉢211とに囲まれ、上方に開口している。本実施形態では、便鉢211の排水は、機能部配置部22の後方の壁から引き出された排水配管に接続される。便器本体2には、便鉢211の下部と排水配管とを接続する排水部28が設けられている(図2および図5参照)。排水部28は、機能部配置部22の下部側にかつ幅方向の中間部に配置されている。機能部配置空部221は、排水部28が設けられている高さでは、排水部28の幅方向の一方側と他方側との2つに分割されている。本実施形態では、機能部配置部22は、後壁部24と、第1側壁部25および第2側壁部26の後側部分と、便鉢211とに囲まれている。後壁部24が設けられておらず、平面視で後方に開口するC字形状であってもよい。
【0013】
便器本体2には、便鉢形成部21と機能部配置部22との間には、前後方向に貫通する便器本体開口部29(開口部)が形成されている。便器本体開口部29は、便鉢211の後側部分の上方に位置している。便器本体開口部29は、便鉢211の内部と、機能部配置空部221とを連続させている。機能部3のシャッタユニット8は、便器本体開口部29を臨むように配置される。
【0014】
図2および図7に示すように、機能部3は、上側に配置される第1機能部31と、下側に配置される第2機能部32と、を有している。図7に示すように、第1機能部31には、洗浄装置5、温風乾燥装置6、脱臭装置7などが含まれている。洗浄装置5は、ユーザの肛門を洗浄する。第1機能部31には、洗浄装置5、温風乾燥装置6、脱臭装置7の前端部分に配置される部分が一体に設けられたシャッタユニット8(前側機能部)を有している。第1機能部31におけるシャッタユニット8よりも後側の部分が後側機能部に相当している。第2機能部32には、給湯装置331、湯沸かしユニット332、ディスクバルブ333(流路切替弁)、ポンプ装置34、電力供給装置35などが含まれている。
【0015】
便器装置1は、第1機能部31を便器本体2に固定する第1ベースプレート9と、第2機能部32を便器本体2に固定する第2ベースプレート36(図7参照)と、機能部3の上方を覆う機能部カバー37(図5参照)と、を有している。第1機能部31は、第1ベースプレート9の下に配置され、第1ベースプレート9が上方から固定される。第1ベースプレート9は、第1機能部31が固定された状態で便器本体2に固定される。第2機能部32の装置は、第2ベースプレート36の上下に配置され、第2ベースプレート36に固定される。第2ベースプレート36は、第2機能部32が固定された状態で便器本体2に固定される。第2ベースプレート36の上に固定された第2機能部32の装置の上には、ベースカバー中蓋391およびベースカバー39が設置される。
【0016】
図3および図5に示すように、本実施形態では、第2機能部32の電力供給装置35の一部の基盤が、便鉢形成部21の便鉢211の下側に配置されている。図1に示す便座41および便蓋42は、それぞれ幅方向に延びる軸線回りに回転可能に構成されている。便座41および便蓋42の回転軸部は、機能部3の上に設置され、機能部カバー37に覆われている。便座41および便蓋42は、回転して横臥状態となると便鉢形成部21の上に配置される。
【0017】
図2に示すように、第1機能部31は、機能部配置空部221の上部側で排水部28よりも上側の領域に配置されている。図5に示すように、第2機能部32は、機能部配置空部221の下部側で、排水部28の幅方向の両側の領域、および排水部28よりも下側の領域に配置されている。図7に示すように、第1機能部31は、幅方向の一方側から他方側に向かって、温風乾燥装置6、洗浄装置5、脱臭装置7が配置され、これらの前側にシャッタユニット8が配置されている。上述しているように、シャッタユニット8には、洗浄装置5、温風乾燥装置6、脱臭装置7の前端部分に配置される部分が一体に設けられている。
【0018】
図8に示すように、洗浄装置5は、第1ノズルユニット51と、第2ノズルユニット52と、ノズルユニット固定部材53と、シャッタ54(図9参照)と、を有している。洗浄装置5は、前側から後側に向かって漸次上側に向かうように斜めに配置されている。第1ノズルユニット51は、温水を吐出する第1ノズル511と、第1ノズル511を進退させる第1ノズル駆動部512と、を有している。第2ノズルユニット52は、温水を吐出する第2ノズル521と、第2ノズル521を進退させる第2ノズル駆動部522と、を有している。第1ノズル511および第2ノズル521には、給湯管が接続されている。
【0019】
第1ノズル511および第2ノズル521は、局部洗浄を行う使用時には前側に向かって漸次下側に向かうように進出して便鉢211(図2参照)の内部に配置され、不使用時には後側に向かって漸次上側に向かうように後退して機能部配置部22(図2参照)に戻るように構成されている。図7に示すように、シャッタ54は、洗浄装置5の前端部分に配置され、シャッタユニット8に設けられている。シャッタ54は、第1ノズルユニット51および第2ノズルユニット52の前側に配置されている。シャッタ54の詳細については後述する。
【0020】
図8に示すように、ノズルユニット固定部材53は、第1ノズルユニット51および第2ノズルユニット52の上に配置され、第1ノズルユニット51および第2ノズルユニット52に固定されている。ノズルユニット固定部材53は、第1ノズルユニット51および第2ノズルユニット52が固定される本体部531と、本体部から上側に突出する突出部532と、を有している。突出部532は、上下方向に延びる円筒状に形成され、内部に上下方向に延びて上側に開口する突出部ネジ孔533が形成されている。本実施形態では、ノズルユニット固定部材53には、4つの突出部532が前後方向および幅方向に間隔をあけて設けられている。
【0021】
温風乾燥装置6は、温風乾燥ファン61と、ヒータ62と、温風吹出ノズル63と、温風乾燥ケース64と、温風吹出ノズルカバー65(図9参照)と、を有している。温風乾燥ケース64は、温風吹出ノズル63と一体に形成され温風乾燥ファン61およびヒータ62を収容している。温風吹出ノズルカバー65は、温風乾燥装置6の前端部分に配置され、シャッタユニット8に設けられている。温風吹出ノズル63は、前端部から前方に温風を吹き出すように構成されている。図7に示すように、温風吹出ノズルカバー65は、温風吹出ノズル63の前側に配置されている。温風吹出ノズルカバー65の詳細については後述する。
【0022】
図8に示すように、温風乾燥ケース64は、上側に配置される上ケース641と、下側に配置される下ケース642と、上ケース641から上側に突出する突出部643と、を有している。突出部643は、上下方向に延びる円筒状に形成され、内部に上下方向に延びて上側に開口する突出部ネジ孔644が形成されている。本実施形態では、温風乾燥ケース64には、3つの突出部643が前後方向および幅方向に間隔をあけて設けられている。
【0023】
図8および図9に示すように、脱臭装置7は、第1脱臭ダクト71(図9参照)および第2脱臭ダクト72(図8参照)と、脱臭フィルタ73(図9参照)と、脱臭カートリッジ74(図9参照)と、脱臭ファン75(図8参照)と、プラズマクラスターイオン(登録商標)発生装置76(図8参照)と脱臭ダクト前カバー77(図9参照)と、を有している。第1脱臭ダクト71と第2脱臭ダクト72とは、着脱可能に接続されている。第1脱臭ダクト71と第2脱臭ダクト72とは、第1脱臭ダクト71が第2脱臭ダクト72の前側に配置されている。第1脱臭ダクト71の前端部には、便鉢211の内部の空気を吸いこむ吸込口716が設けられている。第2脱臭ダクト72には、脱臭された空気を便器本体2の機能部配置空部221へ吐き出す吐き出し口(不図示)が設けられている。プラズマクラスターイオン(登録商標)発生装置76は、プラズマ放電によってプラズマクラスターイオン(登録商標)を発生させる。プラズマクラスターイオン(登録商標)は、第1脱臭ダクト71を介して第2脱臭ダクト72の内部に取り込まれ、空気中の不純物(ウィルスやカビ、臭気原因物質)等を除去して脱臭や空気清浄を行うように構成されている。
【0024】
脱臭フィルタ73および脱臭カートリッジ74は、第1脱臭ダクト71に着脱可能に設けられている。脱臭ファン75は、第2脱臭ダクト72に設けられている。第1脱臭ダクト71と第2脱臭ダクト72とが接続されると、第1脱臭ダクト71と第2脱臭ダクト72との接続部分に脱臭カートリッジ74が配置される(図7参照)。脱臭ダクト前カバー77は、第1脱臭ダクトの前側に配置される。第1脱臭ダクト71、脱臭フィルタ73、脱臭カートリッジ74および脱臭ダクト前カバー77は、脱臭装置7の前端部分に配置され、シャッタユニット8に設けられている。第1脱臭ダクト71、脱臭フィルタ73、脱臭カートリッジ74および脱臭ダクト前カバー77は、シャッタユニット8のシャッタフレーム81に着脱可能に構成されている。第1脱臭ダクト71、脱臭フィルタ73、脱臭カートリッジ74および脱臭ダクト前カバー77を合わせて脱臭装置着脱部78とする。脱臭装置着脱部78の詳細については後述する。
【0025】
図8に示すように、第2脱臭ダクト72には、幅方向の他方側の側部に設けられて上方に突出する突出部721が設けられている。突出部721は、上下方向に延びる円筒状に形成され、内部に上下方向に延びて上側に開口する突出部ネジ孔722が形成されている。本実施形態では、第2脱臭ダクト72には、1つの突出部721が設けられている。第2脱臭ダクト72には、突出部ネジ孔722とは別の上下方向に延びて上側に開口するネジ孔723が形成されている。ネジ孔723は、第2脱臭ダクト72の内部とは接続されていない。
【0026】
第1機能部31は、温風乾燥装置6の温風吹き出しノズル44の前端部、洗浄装置5の第1ノズルユニット51および第2ノズルユニット52の前端部、第2脱臭ダクト72の前端部が幅方向に並んで配置されている。
【0027】
図9に示すように、シャッタユニット8は、シャッタフレーム81と、温風乾燥装置6の温風吹出ノズルカバー65と、洗浄装置5のシャッタ54と、脱臭装置7の脱臭装置着脱部78と、を有している。温風吹出ノズルカバー65、シャッタ54、脱臭装置着脱部78は、シャッタフレーム81に取り付けられている。
【0028】
シャッタフレーム81は、フレーム本体82と、第1ベースプレート固定部83と、を有している。フレーム本体82は、四角枠状に形成されている。フレーム本体82には、それぞれ区画された第1開口部84、第2開口部85および第3開口部86が形成されている。シャッタフレーム81は、第1開口部84、第2開口部85および第3開口部86が、この順に幅方向の一方側から他方側に向かって並び、それぞれが前後方向に貫通する向きに配置される。
【0029】
図9および図10に示すように、温風吹出ノズルカバー65は、シャッタフレーム81に着脱可能に取り付けられ、シャッタフレーム81に取り付けられると、第1開口部84を閉塞する。シャッタ54は、第2開口部85を開閉可能にシャッタフレーム81に取り付けられる。上述しているように脱臭装置着脱部78は、シャッタフレーム81に着脱可能に設けられている。脱臭装置着脱部78がシャッタフレーム81に取り付けられると、脱臭ダクト前カバー77が第3開口部86を閉塞する。
【0030】
第1ベースプレート固定部83は、フレーム本体82の幅方向の中間部分の上縁部から後側に延びる固定板部831と、固定板部831から上側に突出する突出部832と、を有している。突出部832は、上下方向に延びる円筒状に形成され、内部に上下方向に延びて上側に開口する突出部ネジ孔833が形成されている。
【0031】
シャッタ54は、シャッタフレーム81の上枠部に取り付けられた軸部541と、軸部541に回転可能に支持されたシャッタ板部542と、を有している。軸部541は、第2開口部85の上に位置し、軸線が幅方向に延びている。シャッタ板部542は、板面が前後方向を向く向きで第2開口部85を閉鎖し、この状態から下縁部が前側かつ上側に向かうように回転することで第2開口部85を開口する。シャッタ板部542は、洗浄装置5の第1ノズルユニット51および第2ノズルユニット52の前側に位置している。
【0032】
シャッタ板部542は、第1ノズル511および第2ノズル521の何れかが前側かつ下側に向かって進出すると、後側から押されて下縁部が前側かつ上側に向かうように回転して第2開口部85を開口する。第2開口部85が開口されることにより、進出する第1ノズル511および第2ノズル521の何れかの先端部がシャッタ54よりも前側に進出できるように構成されている。
【0033】
脱臭装置着脱部78の第1脱臭ダクト71、脱臭フィルタ73、脱臭カートリッジ74および脱臭ダクト前カバー77は、それぞれ分解可能に連結されている。第1脱臭ダクト71の前端部に脱臭ダクト前カバー77が着脱可能に取り付けられ、第1脱臭ダクト71の前端部近傍に脱臭フィルタ73が着脱可能に構成されている。脱臭装置着脱部78は、フレーム本体82に対して前側から着脱可能に構成されている。第1脱臭ダクト71の後部側に脱臭カートリッジ74が着脱可能に取り付けられている。
【0034】
第1脱臭ダクト71は、断面形状が矩形となる筒状に形成されている。第1脱臭ダクト71は、軸線が直線状に延び、軸線が前後方向に延びる向きに配置される。第1脱臭ダクト71は、上記向きに配置された際に、上側に配置される上板部712と、下側に配置される下板部713と、幅方向の両側に配置される一対の側板部714,714と、を有している。第1脱臭ダクト71は、前端部に脱臭ダクト前カバー77が接続されている。脱臭ダクト前カバー77は、板状に形成され、板面が前後方向を向く向きに配置される。脱臭ダクト前カバー77は、第3開口部86を閉鎖可能に構成されている。
【0035】
上板部712には、前端部近傍に上下方向に貫通するプラズマクラスターイオン(登録商標)取込口715が形成されている。このプラズマクラスターイオン(登録商標)取込口715は、プラズマクラスターイオン(登録商標)発生装置76で発生したプラズマクラスターイオン(登録商標)を取り込むための開口部となっている。プラズマクラスターイオン(登録商標)取込口715から取り込まれたプラズマクラスターイオン(登録商標)は、第1脱臭ダクト71を介して第2脱臭ダクト72(図8参照)に流入する。
【0036】
図11に示すように、下板部713の前縁部713aは、上板部712および一対の側板部714,714の前端部よりも後側に位置している。下板部713の前縁部713aは、脱臭ダクト前カバー77の後面77aよりも後側に位置し、脱臭ダクト前カバー77の後面77aとの間に間隔が設けられている。下板部713の前縁部713aと脱臭ダクト前カバー77の後面77aとの間に間隔が、便鉢211(図3参照)の内部の空気を吸い込むための吸込口716となっている。吸込口716は、下方に開口していて便鉢211の内部の空気を吸い込むために設けられている。第1脱臭ダクト71に吸い込まれる空気は、吸込口716の下方から第1脱臭ダクト71に流入し、第1脱臭ダクト71の内部で後方に向かって第2脱臭ダクト72に流入する。第1脱臭ダクト71には、吸込口716から流入した空気を後方に向かうようにする整流板719が設けられている。
【0037】
第1脱臭ダクト71の下板部713には、吸込口716の後方に脱臭装置7の脱臭フィルタ73を取り付けるための脱臭フィルタ取付溝部717が形成されている。脱臭フィルタ取付溝部717は、幅方向に延びる溝状に形成され、下板部713を上下方向に貫通している。脱臭フィルタ73は、脱臭フィルタ本体731と、把持部732と、を有している。脱臭フィルタ本体731は、フィルタ部733と、枠部734とを有している。フィルタ部733は、板状に形成され、空気中の埃を収集可能に構成されている。フィルタ部733は、平板状に形成されていてもよいし、湾曲した板状に形成されていてもよい。枠部734は、前後方向に貫通する開口部735を有する四角枠状に形成されている。枠部734の開口部735にフィルタ部733が取り付けられる。把持部732は、枠部734に連続して取り付けられて、使用者が指で摘まんで脱臭フィルタ73を移動させることができるように構成されている。把持部732は、平板状に形成され、枠部734と直交する向きで枠部734の縁部に接続されている。
【0038】
図10に示すように、脱臭フィルタ73は、脱臭フィルタ本体731におけるフィルタ部733が取り付けられるフィルタ部取付面736が前後方向を向く姿勢で第1脱臭ダクト71の内部に配置され、把持部732が脱臭フィルタ本体731の下側で第1脱臭ダクト71の下側に位置するように第1脱臭ダクト71に取り付けられる。脱臭フィルタ73は、第1脱臭ダクト71に取り付けられると、脱臭フィルタ本体731のフィルタ部取付面736が第1脱臭ダクト71の軸線方向を向いている。本実施形態では、図7に示すように、第1脱臭ダクト71と第2脱臭ダクト72とは同軸に接続される。このため、脱臭フィルタ本体731のフィルタ部取付面736は、第1脱臭ダクト71および第2脱臭ダクト72の軸線方向、すなわち前後方向を向いている。図16に示すように、脱臭装置7は、機能部配置部22に設置されると、前面となる脱臭ダクト前カバー77の前面が便鉢211のリム212よりも前側に位置し、便鉢211の内部に配置される。第1脱臭ダクト71は、リム212の上部に配置され、リム212と上下方向に重なっている。脱臭フィルタ本体731のフィルタ部取付面736は、便鉢211の内側を向き、便鉢211のリム212よりも前側に配置される。脱臭フィルタ73は、脱臭フィルタ本体731が脱臭フィルタ取付溝部717に下側から挿し込まれることで第1脱臭ダクト71に取り付けられ、下側に引き出されることで第1脱臭ダクト71から取り外される。
【0039】
第1脱臭ダクト71は、後部側に脱臭カートリッジ74を着脱可能な脱臭カートリッジ取付部718を有している。第1脱臭ダクト71は、後方から脱臭カートリッジ74が挿し込まれることで、脱臭カートリッジ取付部718に脱臭カートリッジ74が取り付けられるように構成されている。脱臭カートリッジ取付部718に取り付けられた脱臭カートリッジ74は、後方に引き抜かれることで第1脱臭ダクト71から取り外すことができる。
【0040】
図10に示すように、温風吹出ノズルカバー65は、フレーム本体82に対して前側から着脱可能に構成されている。図10および図12に示すように、温風吹出ノズルカバー65は、前板部651と、上板部652と、開閉板部653と、固定爪部654と、を有している。前板部651は、平板状に形成され、板面が前後方向を向く向きで第1開口部84(図10参照)の前側に配置される。前板部651には、上部側に切欠部655が形成されている。上板部652は、前板部651の上縁部から後側に延びている。開閉板部653は、前板部651に取り付けられ、切欠部655を開閉可能に構成されている。開閉板部653は、前板部651の上縁部の高さにおいて幅方向に延びる軸部に回転可能に支持されている。
【0041】
温風吹出ノズルカバー65は、固定爪部654がフレーム本体82の第1開口部84に前側から挿し込まれて、フレーム本体82に固定される。温風吹出ノズルカバー65は、フレーム本体82に固定されると、前板部651、上板部652および開閉板部653が第1開口部84の前側に配置され、第1開口部84を閉塞する。この状態で、後側の温風乾燥装置6の温風吹出ノズル63の前端部から温風が吹き出されると、前板部651は、軸線回りに回転し切欠部655を開口する。
【0042】
図9に示すように、脱臭装置着脱部78は、シャッタフレーム81に取り付けられると、脱臭ダクト前カバー77の後面77aとシャッタフレーム81の下側部分とが前後方向に離れて配置される。脱臭ダクト前カバー77の後面77aとシャッタフレーム81の下側部分との間隔の上方には吸込口716が配置される。第1脱臭ダクト71に吸い込まれる空気は、脱臭ダクト前カバー77の後面77aとシャッタフレーム81との間隔を通り、第1脱臭ダクト71に流入する。シャッタフレーム81に、脱臭装置着脱部78が取り付けられると、第1脱臭ダクト71の脱臭フィルタ取付溝部717および脱臭フィルタ73は、シャッタフレーム81の第3開口部86の内側に配置される。このため、脱臭フィルタ取付溝部717および脱臭フィルタ73の下端部(把持部732)は、露出しない。
【0043】
上述しているように、シャッタユニット8は第1機能部31に組み込まれると、シャッタ54が第1ノズルユニット51および第2ノズルユニット52の前に配置される。シャッタユニット8は、第1機能部31に組み込まれると、温風吹出ノズルカバー65が温風吹出ノズル63の前に配置される。シャッタユニット8は、第1機能部31に組み込まれると、脱臭装置着脱部78が第2脱臭ダクト72の前に配置される。脱臭カートリッジ74および第1脱臭ダクト71の後部側は第2脱臭ダクト72に挿入される。
【0044】
図6および図13に示すように、第1ベースプレート9は、便器本体2の第1側壁部25と第2側壁部26と、にわたるように設置される。第1ベースプレート9は、第1機能部固定部91と、第1便器本体固定部92と、第2便器本体固定部93と、を有している。第1便器本体固定部92は、第1機能部固定部91の幅方向の一方側に接続されている。第2便器本体固定部93は、第1機能部固定部91の幅方向の他方側に接続されている。図6および図7に示すように、第1機能部固定部91は、第1機能部31の洗浄装置5、温風乾燥装置6および脱臭装置7の上に配置され、洗浄装置5、温風乾燥装置6および脱臭装置7が固定される。第1便器本体固定部92は、第1側壁部25の上に配置され、第1側壁部25にネジ921で固定される。第2便器本体固定部93は、第2側壁部26の上に配置され、第2側壁部26にネジ931で固定される。第1便器本体固定部92および第2便器本体固定部93の便器本体2への固定は、ネジ固定以外であってもよい。
【0045】
図14および図15に示すように、第1機能部固定部91は、板状に形成されて板面が水平面となるように配置される固定板部94と、固定板部94から下側に突出する複数の筒状部95と、を有している。固定板部94は、1つの部材で洗浄装置5、温風乾燥装置6および脱臭装置7の上にわたるように配置されている。固定板部94には、洗浄装置5、温風乾燥装置6および脱臭装置7の形状に合わせて、切り欠きや凹凸が形成されている。固定板部94には、複数の筒状部95の上側となる位置それぞれに上下方向に貫通する孔部941が形成されている。
【0046】
図15に示すように、筒状部95は、軸線方向に延びる貫通孔951を有する筒状に形成されている。筒状部95は、軸線方向が上下方向となる向きで固定板部94の下側に接続されている。筒状部95は、固定板部94の孔部941の下側に配置されている。筒状部の貫通孔951と固定板部94の孔部941とは連続して設けられている。複数の筒状部95は、図7に示すように第1ベースプレート9が第1機能部31の上に配置されると、温風乾燥装置6の突出部643、洗浄装置5の突出部532、脱臭装置7の突出部721それぞれの上に配置される第1筒状部952と、第2脱臭ダクト72に形成されたネジ孔723の上に配置される第2筒状部953と、シャッタユニット8の第1ベースプレート固定部83の突出部832の上に配置される第3筒状部954とから構成されている。
【0047】
図7に示すように、第1筒状部952は、内部に下側から温風乾燥装置6の突出部643、洗浄装置5の突出部532、脱臭装置7の突出部721が挿入される。第1ベースプレート9は、固定板部94の第1筒状部952の上に連続する孔部941に上方から挿し込まれたネジが温風乾燥装置6の突出部643の突出部ネジ孔644(図8参照)、洗浄装置5の突出部532の突出部ネジ孔533(図8参照)、脱臭装置7の突出部721の突出部ネジ孔722(図8参照)に締結されることで、温風乾燥装置6、洗浄装置5および脱臭装置7が固定される。第1ベースプレート9は、固定板部94の第2筒状部953の上に連続する孔部941に上方から挿し込まれたネジが第2脱臭ダクト72に形成されたネジ孔723(図8参照)に締結されることで、脱臭装置7が固定される。第1ベースプレート9は、固定板部94の第3筒状部954の上に連続する孔部941に上方から挿し込まれたネジがシャッタユニット8の突出部832の突出部ネジ孔833(図9参照)に締結されることでシャッタユニット8が固定される。
【0048】
図7および図16に示すように、第2ベースプレート36および第2機能部32は、第1ベースプレート9および第1機能部31の下側に配置される。第1ベースプレート9と第2ベースプレート36とは、それぞれの少なくとも一部が上下方向に重なって配置されている。図16および図17に示すように、第2ベースプレート36は、便器本体2の後壁部24に固定された板金部材38を介して便器本体2に固定されている。本実施形態では、板金部材38の上に第2ベースプレート36を載せている。板金部材38に第2ベースプレート36をねじ止めしてもよい。図7および図18に示すように、第2ベースプレート36の下側には、給湯装置331、ポンプ装置34などが配置されている。第2ベースプレート36の上側には、湯沸かしユニット332、ディスクバルブ333などが設けられている。第2ベースプレート36の下側の第2機能部32の装置は、第2ベースプレート36の上側の第2機能部32の装置と接続されていてもよい。図7および図18では、給湯装置331の第2ベースプレート36近傍の配管のみを表記している。第2ベースプレート36の上側に設けられた湯沸かしユニット332、ディスクバルブ333の上には、ベースカバー中蓋391およびベースカバー39が設けられている。ポンプ装置34は、ポンプケース341に収容されている。ポンプケース341は、機能部配置空部221の底部222(図2参照)の上に設置されている。
【0049】
第2ベースプレート36は、底板部361と前板部362と、後板部363と、給湯設備取付部364と、ポンプ装置取付部365と、を有している。底板部361は、平板状に形成され、板面が水平面となる向きに配置される。前板部362は、平板状に形成され板面が前後方向を向く姿勢で底板部361の前縁部から上側に延びている。後板部363は、平板状に形成され板面が前後方向を向く姿勢で底板部361の後縁部から上側に延びている。底板部361、前板部362および後板部363に囲まれた凹部に湯沸かしユニット332、ディスクバルブ333が設置されている。給湯設備取付部364は、底板部361から下側に突出している。給湯設備取付部364には、給湯設備331の配管が配置される。ポンプ装置取付部365は、ポンプケース341が取り付けられる。
【0050】
機能部3を便器本体2に設置する方法について説明する。第1機能部31の洗浄装置5、温風乾燥装置6および脱臭装置7を、便器本体2を離れた場所において幅方向に並べて配置し、洗浄装置5、温風乾燥装置6および脱臭装置7の上に第1ベースプレート9を配置する。第1ベースプレート9を洗浄装置5、温風乾燥装置6および脱臭装置7に上方からネジで固定する。このようにして、第1ベースプレート9に第1機能部31を固定する(第1機能部設置工程)。便器本体2を離れた場所において第2機能部32の給湯装置331、ポンプ装置34、電力供給装置35を第2ベースプレート36の下側に固定する。第2機能部32の湯沸かしユニット332、ディスクバルブ333を第2ベースプレート36の上側に固定する。湯沸かしユニット332、ディスクバルブ333の上側にベースカバー39を取り付ける。このようにして第2ベースプレート36に第2機能部32を固定する(第2機能部設置工程)。第2ベースプレート36を便器本体2に固定するための板金部材38を便器本体2の後壁部24に固定する(板金部材設置工程)。上記の第1機能部設置工程、第2機能部設置工程、板金部材設置工程は、どの工程から行ってもよく、順不同である。
【0051】
続いて、互いに固定された第2機能部32、第2ベースプレート36およびベースカバー39を機能部配置空部221に配置し、板金部材38に第2ベースプレート36を設置する(第2ベースプレート設置工程)。ベースカバー39の上方に互いに固定された第1機能部31および第1ベースプレート9を配置し、第1ベースプレート9の第1便器本体固定部92および第2便器本体固定部93を第1側壁部25および第2側壁部26に固定する。第1機能部31の洗浄装置5、温風乾燥装置6および脱臭装置7は、第1ベースプレート9の下側に位置するため、機能部配置空部221に配置される。
【0052】
シャッタユニット8を便鉢211側(前側)から便器本体2の便器本体開口部29に挿し込み、シャッタフレーム81の第1ベースプレート固定部83を洗浄装置5の第1ノズルユニット51および第2ノズルユニット52の前端部分の上に配置する。シャッタフレーム81の突出部832を第1ベースプレート9の第3筒状部954に下側から挿入し、シャッタフレーム81の突出部832と第1ベースプレート9とをネジで固定する。これにより、シャッタユニット8が、機能部配置空部221における便器本体開口部29を臨む位置に配置される。このようにすることで、機能部3が便器本体2に設置される。
【0053】
第2機能部32に組み付けるハーネスは、便器本体2の下側のアンダープレートから取り出されている。このため、第2機能部32へのハーネスの組付けは、便器本体2を離れた場所ではできないとともに、第2機能部32の上方に第1機能部31が設置されてしまうとできない。本実施形態では、便器本体2に第2機能部32を固定する第2ベースプレート設置工程の後に、第1機能部31を固定する第1ベースプレート設置工程を行うため、第2ベースプレート設置工程と第1ベースプレート設置工程との間に第2機能部32へのハーネスの組付けを行うことができる。
【0054】
第1機能部31の部品を交換する際には、第1ベースプレート9を便器本体2からはずして第1機能部31を外せば、第2機能部32を便器本体2から外す必要が無いため、便器本体2から外す部品や装置が少なく、第1機能部31の部品の交換を容易に行うことができる。
第1機能部31が第1ベースプレート9を介して便器本体2に設置され、第2機能部32が第2ベースプレート36を介して便器本体2に設置されている。これにより、上下に配置される第1機能部31および第2機能部32の両方が便器本体2に対して安定的に設置される。第1ベースプレート9が便器本体2に設置される位置と、第2ベースプレート36が便器本体2に設置され位置とは上下方向にずれている。
【0055】
脱臭フィルタ73の清掃や点検を行う場合には、脱臭装置着脱部78をシャッタフレーム81から前側に引き出し、第1脱臭ダクト71から脱臭フィルタ73を抜き出して清掃や点検を行う。脱臭装置着脱部78をシャッタフレーム81から外して第1脱臭ダクト71から脱臭フィルタ73を抜き出すようにしてもよいし、第1脱臭ダクト71の脱臭フィルタ取付溝部717が露出する位置まで脱臭装置着脱部78を引き出して第1脱臭ダクト71から脱臭フィルタ73を抜き出すようにしてもよい。
【0056】
上記の実施形態による脱臭装置7および便器装置1は、脱臭フィルタ73が脱臭ダクト79の前端部に取り付けられ、フィルタ部取付面736が便鉢211の内部を向くとともに、脱臭ダクト79の軸線方向を向くように配置されている。脱臭フィルタ73が脱臭ダクト79の内部に配置されていないとともに、フィルタ部取付面736が空気の流れる方向を向くため、脱臭ダクト79内のノイズの発生を抑えることができる。脱臭フィルタ73によって脱臭ダクト79の前端部において埃などを収集できるため、脱臭ダクト79に埃が入り込むことを抑えることができ、メンテナンスを容易にすることができる。
【0057】
上記の実施形態による脱臭装置7および便器装置1は、脱臭フィルタ73が便鉢211のリム212よりも便鉢211の内側に配置されている。脱臭フィルタ73が、脱臭ダクト79の前端部に配置されるため、脱臭ダクト79内のノイズの発生を抑えることができるとともにメンテナンスを容易にすることができる。
【0058】
上記の実施形態による脱臭装置7および便器装置1は、第1脱臭ダクト71(脱臭フィルタ取付部)が設置位置から便鉢211側に移動すると脱臭フィルタ73を脱臭フィルタ取付溝部717から着脱可能に構成されている。清掃時など脱臭フィルタ73を着脱する際には、第1脱臭ダクト71のみを便鉢211側に移動させれば脱臭フィルタ73を着脱することができため、脱臭フィルタ73の着脱作業を容易に行うことができる。
【0059】
上記の実施形態による脱臭装置7および便器装置1は、第1脱臭ダクト71が第2脱臭ダクト72(脱臭ダクト本体)の便鉢211側に着脱可能に構成されている。これにより、第1脱臭ダクト71を便鉢211側に引き出して取り外すことで第1脱臭ダクト71に対して脱臭フィルタ73を容易に着脱することができる。第1脱臭ダクト71および脱臭フィルタ73の清掃を容易に行うことができる。本実施形態では、第1脱臭ダクト71に脱臭カートリッジ74を取り付けられているため、脱臭カートリッジ74の交換を容易に行うことができる。
【0060】
本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態では、脱臭フィルタ73は、便鉢211のリム212よりも便鉢211の内側に配置されている。脱臭フィルタ73と便鉢211のリム212との位置関係は上記以外であってもよい。上記の実施形態では、第1脱臭ダクト71は、便鉢211側に移動すると脱臭フィルタ73を脱臭フィルタ取付溝部717から着脱可能に構成されている。脱臭フィルタ73を第1脱臭ダクト71に着脱する機構は上記以外であってもよい。上記の実施形態では、第1脱臭ダクト71は、脱臭ダクト79の便鉢211側に着脱可能に構成されている。第1脱臭ダクト71は、脱臭ダクト79と一体に設けられていて、脱臭フィルタ73および脱臭カートリッジ74が着脱可能に構成されていてもよい。
【0061】
上記の実施形態では、脱臭フィルタ73は、脱臭フィルタ本体731が脱臭フィルタ取付溝部717に下側から挿し込まれることで第1脱臭ダクト71に取り付けられ、下側に引き出されることで第1脱臭ダクト71から取り外される。脱臭フィルタ73は、第1脱臭ダクト71に対して、上側から挿し込まれて取り付けられ、上側に引き抜かれて取り外されてもよい。脱臭フィルタ73は、第1脱臭ダクト71に対して、側方から挿し込まれて取り付けられ、側方に引き抜かれて取り外されてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 便器装置、2 便器本体、7 脱臭装置、 71 第1脱臭ダクト(脱臭フィルタ取付部)、72 第2脱臭ダクト(脱臭ダクト本体)、73 脱臭フィルタ、79 脱臭ダクト、211 便鉢、212 リム、736 フィルタ部取付面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図16
図17
図18