(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】テレフタル酸エステル類の形成
(51)【国際特許分類】
C07C 67/03 20060101AFI20240301BHJP
C07C 69/82 20060101ALI20240301BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20240301BHJP
【FI】
C07C67/03
C07C69/82 A
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2020571628
(86)(22)【出願日】2019-06-24
(86)【国際出願番号】 IB2019000816
(87)【国際公開番号】W WO2020002999
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-06-21
(32)【優先日】2018-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520085648
【氏名又は名称】9449710 カナダ インク.
(74)【復代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】エッサダッム,フェアーズ
(72)【発明者】
【氏名】エッサダッム,アデル
【審査官】吉森 晃
(56)【参考文献】
【文献】特開昭48-008745(JP,A)
【文献】国際公開第2001/030729(WO,A1)
【文献】BAE, J et al.,The Characteristics of PET Micro Fiber Fabrics Decomposed dy Sodium Ethylene glycol Solution,Journal of the Korean Home Economics Association,1998年,Vol.36, No.8,pp.95-104
【文献】CHO, H et al.,Hydrophilic treatment of PET [poly(ethylene terephthalate)] fabric with monosodium ethylene glycolate,Journal of the Korean Fiber Society,1986年,Vol.23, No.2,pp.79-87
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のプロセスであって、該プロセスはポリエチレンテレフタレート(PET)を、ナトリウムグリコキシド
およびメタノールを含む混合物に混ぜ合わせるステップを含む、プロセス。
【請求項2】
メタノールは、ナトリウムグリコキシドの添加に先立ってポリエチレンテレフタレート(PET)に添加されることを特徴とする、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項3】
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、ナトリウムグリコキシドの添加に先立っ
て15分間か
ら120分間
メタノールと混合されることを特徴とする、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項4】
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、ナトリウムグリコキシドの添加に先立っ
て50℃か
ら100
℃の温度で
メタノールと混合されることを特徴とする、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項5】
テレフタレートはジメチルテレフタレート(DMT)であることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
ナトリウムグリコキシドはモノナトリウムグリコキシドであり、モノナトリウムグリコキシドは懸濁液として提供されることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
モノナトリウムグリコキシド懸濁液は、
(a) モノエチレングリコールを加熱するステップと、
(b) 水酸化ナトリウムを添加し、それによってモノナトリウムグリコキシドを形成するステップと、
(c) モノナトリウムグリコキシドを乾燥させるステップと、
(d) 懸濁溶媒中へ乾いたモノナトリウムグリコキシドを懸濁させるステップと、
(e) 懸濁液をエイジングするステップと、を含むプロセスによって調製されることを特徴とする、請求項
6に記載のプロセス。
【請求項8】
ステップ(a)
は70℃か
ら100
℃の温度で行なわれることを特徴とする、請求項
7に記載のプロセス。
【請求項9】
モノナトリウムグリコキシドと懸濁溶媒との比
は0.05:1か
ら0.5:1(mol/mol
)であることを特徴とする、請求項
7に記載のプロセス。
【請求項10】
懸濁溶媒はメタノールであることを特徴とする、請求項
7に記載のプロセス。
【請求項11】
懸濁液
は1~14日間エイジングされることを特徴とする、請求項
7に記載のプロセス。
【請求項12】
ナトリウムグリコキシドとポリエチレンテレフタレート(PET)
におけるエチレンテレフタレートのユニットとの比
は1:2か
ら1:20(mol/mol
)であることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
テレフタレートは少なくと
も90mol%の収率で得られることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項14】
モノエチレングリコールをさらに産出することを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項15】
モノエチレングリコールは少なくと
も80mol%の収率で得られることを特徴とする、請求項
14に記載のプロセス。
【請求項16】
テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のプロセスであって、該プロセスは、
(i) 第1の混合物を産出するためにポリエチレンテレフタレート(PET)を第1の溶媒と混ぜ合わせるステップと、
(ii) グリコキシドを第1の混合物に添加するステップと、
(iii) 第2の溶媒を添加するステップと、
(iv) 混ぜ合わせるステップと、を含み、
それによってテレフタレートを形成
し、前記テレフタレートはジメチルテレフタレート(DMT)である、プロセス。
【請求項17】
第1の溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、フェノール、ベンジルアルコール、および、それらの任意の組み合わせから選択されることを特徴とする、請求項
16に記載のプロセス。
【請求項18】
第1の溶媒はメタノールであることを特徴とする、請求項
16に記載のプロセス。
【請求項19】
ステップ(i)
は15分間か
ら120分間行なわれることを特徴とする、請求項
16に記載のプロセス。
【請求項20】
ステップ(i)
は50℃か
ら100℃
の温度で行なわれることを特徴とする、請求項
16に記載のプロセス。
【請求項21】
第1の溶媒の一部は第2の混合物を産出するためにステップ(ii)に先立って除去されることを特徴とする、請求項
16に記載のプロセス。
【請求項22】
第2の混合物
は70℃か
ら100℃
の温度で加熱されることを特徴とする、請求項
21に記載のプロセス。
【請求項23】
第2の溶媒はメタノールであることを特徴とする、請求項
16に記載のプロセス。
【請求項24】
モノエチレングリコールをさらに産出することを特徴とする、請求項
16に記載のプロセス。
【請求項25】
テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のプロセスであって、該プロセスはポリエチレンテレフタレート(PET)を、ナトリウムグリコキシドを含む混合物に混ぜ合わせるステップを含み、前記テレフタレートは、ジメチルテレフタレート(DMT)である、プロセス。
【請求項26】
テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のプロセスであって、該プロセスはポリエチレンテレフタレート(PET)を、モノナトリウムグリコキシドを含む混合物に混ぜ合わせるステップを含み、前記モノナトリウムグリコキシドは懸濁液として提供され、前記モノナトリウムグリコキシドの懸濁液は、
(a) モノエチレングリコールを加熱するステップと、
(b) 水酸化ナトリウムを添加し、それによってモノナトリウムグリコキシドを形成するステップと、
(c) モノナトリウムグリコキシドを乾燥させるステップと、
(d) 懸濁溶媒中へ乾いたモノナトリウムグリコキシドを懸濁させるステップと、
(e) 懸濁液をエイジングするステップと、を含むプロセスによって調製されることを特徴とする、プロセス。
【請求項27】
テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のプロセスであって、該プロセスは、
(i) 第1の混合物を産出するためにポリエチレンテレフタレート(PET)を第1の溶媒と混ぜ合わせるステップであって、前記第1の溶媒がメタノールである、ステップと、
(ii) グリコキシドを第1の混合物に添加するステップと、
(iii) 第2の溶媒を添加するステップと、
(iv) 混ぜ合わせるステップと、を含み、
それによってテレフタレートを形成する、プロセス。
【請求項28】
第2の溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、フェノール、ベンジルアルコール、および、それらの任意の組み合わせから選択されることを特徴とする、請求項27に記載のプロセス。
【請求項29】
テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のプロセスであって、該プロセスは、
(i) 第1の混合物を産出するためにポリエチレンテレフタレート(PET)を第1の溶媒と混ぜ合わせるステップと、
(ii) グリコキシドを第1の混合物に添加するステップと、
(iii) 第2の溶媒を添加するステップであって、前記第2の溶媒はメタノールである、ステップと、
(iv) 混ぜ合わせるステップと、を含み、
それによってテレフタレートを形成する、プロセス。
【請求項30】
第1の溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、フェノール、ベンジルアルコール、および、それらの任意の組み合わせから選択されることを特徴とする、請求項29に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2018年6月25日出願の米国仮特許出願第62/689,597号の利益を主張し、その全体は引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ポリエステルからのエステル誘導体の形成、および、より具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)からのテレフタル酸エステル類の形成に関する。本開示は、またジメチルテレフタレート(DMT)の形成に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリエチレンテレフタレート(PET)ボトル樹脂市場は、PET樹脂が、炭酸清涼飲料、ボトル入りの水および食品容器におけるガラスに取って代わるように、力強く成長してきた。
【0004】
ジメチルテレフタレート(DMT)は第1に、繊維、フィルム、容器プラスチックおよび特殊プラスチックに利用されるポリエチレンテレフタレート(PET)の製造において使用される。
【0005】
最大のポリエステル・セクターは繊維市場であり、そこでは衣服、シーツおよびカーテン、カーペットおよび敷物などの家庭用繊維製品、および、タイヤコード、シート・ベルト、ホースおよびロープなどの工業製品を製造するために使用されている。PETフィルムは、誘電性の金属ホイル・キャパシタなどの電気に関する応用において、および、食品包装のために利用される。
【0006】
ポリエステルにおける成長はDMTの需要に転化されていない。繊維製品、および、食品と飲料の容器において使用される大半のグレードのポリエステルに関しては、DMTではなく精製されたテレフタル酸を使用するほうが経済的である。
【発明の概要】
【0007】
本明細書において、テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のためのプロセスが開示され、該プロセスはポリエチレンテレフタレート(PET)を、グリコキシド(glycoxide)を含む混合物に混ぜ合わせるステップを含む。
【0008】
プロセスのいくつかの実施形態では、混合物は溶媒をさらに含む。
【0009】
本プロセスの実施形態では、溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール(cyclohexane-1,4-dimethanol)、フェノール、ベンジルアルコール、およびそれらの任意の組み合わせから選択される。プロセスのいくつかの実施形態では、溶媒はメタノールである。
【0010】
プロセスのいくつかの実施形態では、溶媒はグリコキシドの添加に先立ってポリエチレンテレフタレート(PET)に添加される。
【0011】
プロセスのいくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)はグリコキシドの添加に先立って、約15分間から約120分間、溶媒と混合される。プロセスのいくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、グリコキシドの添加に先立って、約60分間溶媒と混合される。
【0012】
プロセスのいくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、グリコキシドの添加に先立って、約50℃から約100℃の間の温度で溶媒と混合される。プロセスのいくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、グリコキシドの添加に先立って、約60℃の温度で溶媒と混合される。
【0013】
プロセスのいくつかの実施形態では、テレフタレートはジメチルテレフタレート(DMT)である。
【0014】
プロセスのいくつかの実施形態では、グリコキシドはナトリウムグリコキシド(sodium glycoxide)である。プロセスのいくつかの実施形態では、グリコキシドはモノナトリウムグリコキシド(mono sodium glycoxide)である。プロセスのいくつかの実施形態では、ナトリウムグリコキシド(sodium glycoxide)は懸濁液として提供される。
【0015】
プロセスのいくつかの実施形態では、モノナトリウムグリコキシド懸濁液は、
(a) モノエチレングリコールを加熱するステップと、
(b) 水酸化ナトリウムを添加し、それによってモノナトリウムグリコキシドを形成するステップと、
(c) モノナトリウムグリコキシドを乾燥させるステップと、
(d) 懸濁溶媒中へ乾いたモノナトリウムグリコキシドを懸濁させるステップと、
(e) 懸濁液をエイジングするステップと、を含む。
【0016】
プロセスのいくつかの実施形態では、ステップ(a)は、約70℃から約100℃の間の温度で行なわれる。プロセスのいくつかの実施形態では、ステップ(a)は約90℃の温度で行なわれる。
【0017】
プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁溶媒に対するモノナトリウムグリコキシドの比は、約0.05:1から約0.51の間である。
【0018】
プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁溶媒に対するモノナトリウムグリコキシドの比は約0.2:1(mol/mol)である。
【0019】
プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁溶媒はメタノールである。
【0020】
プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁液は約1~14日間エイジングされる。プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁液は約1~7日間エイジングされる。プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁液は約7日間エイジングされる。
【0021】
プロセスのいくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)に対するグリコキシドの比は約1:2から約1:20(mol/mol)までの間である。
【0022】
プロセスのいくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)に対するグリコキシドの比は約1:5から約1:20(mol/mol)までの間である。
【0023】
プロセスのいくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)に対するグリコキシドの比は約1:10から約1:20(mol/mol)までの間である。
【0024】
プロセスのいくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)に対するグリコキシドの比は約1:10から約1:15(mol/mol)までの間である。
【0025】
プロセスのいくつかの実施形態では、テレフタレートは少なくとも約90mol%の収率で得られる。プロセスのいくつかの実施形態では、テレフタレートは少なくとも約95mol%の収率で得られる。プロセスのいくつかの実施形態では、テレフタレートは少なくとも約99mol%の収率で得られる。
【0026】
プロセスのいくつかの実施形態では、プロセスはモノエチレングリコールをさらに産出する。プロセスのいくつかの実施形態では、モノエチレングリコールは少なくとも約80mol%の収率で得られる。プロセスのいくつかの実施形態では、モノエチレングリコールは少なくとも約85mol%の収率で得られる。
【0027】
本明細書において、テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のためのプロセスであって;該プロセスは、
(i)第1の混合物を産出するためにポリエチレンテレフタレート(PET)を第1の溶媒と混ぜ合わせるステップと、
(ii)グリコキシドを第1の混合物に添加するステップと、
(iii)第2の溶媒を添加するステップと、
(iv)混ぜ合わせるステップと、
を含み、それによってテレフタレートを形成する、プロセスが開示される。
【0028】
プロセスのいくつかの実施形態では、テレフタレートはジメチルテレフタレート(DMT)である。
【0029】
プロセスのいくつかの実施形態では、第1の溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、フェノール、ベンジルアルコール、およびそれらの任意の組み合わせから選択される。プロセスのいくつかの実施形態では、第1の溶媒はメタノールである。
【0030】
プロセスのいくつかの実施形態では、ステップ(i)は約15分間から約120分間行なわれる。プロセスのいくつかの実施形態では、ステップ(i)は約60分間行なわれる。
【0031】
プロセスのいくつかの実施形態では、ステップ(i)は約50℃から約100℃の間の温度で行なわれる。プロセスのいくつかの実施形態では、ステップ(i)は約60℃の温度で行なわれる。
【0032】
プロセスのいくつかの実施形態では、第1の溶媒の一部は第2の混合物を産出するためにステップ(ii)に先立って取り出される。
【0033】
プロセスのいくつかの実施形態では、第2の混合物は、約70℃から約100℃の間の温度で加熱される。
【0034】
プロセスのいくつかの実施形態では、第2の混合物は約85℃の温度で加熱される。
【0035】
プロセスのいくつかの実施形態では、グリコキシドはナトリウムグリコキシドである。プロセスのいくつかの実施形態では、グリコキシドはモノナトリウムグリコキシドである。プロセスのいくつかの実施形態では、モノナトリウムグリコキシドは懸濁溶媒中の懸濁液として提供される。
【0036】
プロセスのいくつかの実施形態では、モノナトリウムグリコキシド懸濁液は、
(a)モノエチレングリコールを加熱するステップと、
(b)水酸化ナトリウムを添加し、それによってモノナトリウムグリコキシドを形成するステップと、
(c)モノナトリウムグリコキシドを乾燥させるステップと、
(d)懸濁溶媒中に乾いたモノナトリウムグリコキシドを懸濁させるステップと、
(e)懸濁液をエイジングするステップと、
を含む。
【0037】
プロセスのいくつかの実施形態では、ステップ(a)は、約70℃から約100℃の間の温度で行なわれる。プロセスのいくつかの実施形態では、ステップ(a)は約90℃の温度で行なわれる。
【0038】
プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁溶媒に対するモノナトリウムグリコキシドの比は、約0.05:1から約0.5:1の間である。
【0039】
プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁溶媒に対するモノナトリウムグリコキシドの比は約0.2:1(mol/mol)である。
【0040】
プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁溶媒はメタノールである。
【0041】
プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁液は約1~14日間エイジングされる。プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁液は約1~7日間エイジングされる。プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁液は約7日間エイジングされる。
【0042】
プロセスのいくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)に対するグリコキシドの比は約1:2から約1:20(mol/mol)までの間である。プロセスのいくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)に対するグリコキシドの比は約1:5から約1:20(mol/mol)までの間である。プロセスのいくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)に対するグリコキシドの比は約1:10から約1:20(mol/mol)までの間である。プロセスのいくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)に対するグリコキシドの比は約1:10から約1:15(mol/mol)までの間である。
【0043】
プロセスのいくつかの実施形態では、第2の溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、フェノール、ベンジルアルコール、および、それらの任意の組み合わせから選択される。プロセスのいくつかの実施形態では、第2の溶媒はメタノールである。
【0044】
プロセスのいくつかの実施形態では、ステップ(iv)は約60分間から約600分間行なわれる。プロセスのいくつかの実施形態では、ステップ(iv)は約360分間行なわれる。
【0045】
プロセスのいくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、約70℃から約100℃の間の温度で行なわれる。プロセスのいくつかの実施形態では、ステップ(iv)は約85℃の温度で行なわれる。
【0046】
プロセスのいくつかの実施形態では、プロセスは、テレフタレートを濾過するステップ(v)をさらに含む。
【0047】
プロセスのいくつかの実施形態では、テレフタレートは少なくとも約90mol%の収率で得られる。プロセスのいくつかの実施形態では、テレフタレートは少なくとも約95mol%の収率で得られる。プロセスのいくつかの実施形態では、テレフタレートは少なくとも約99mol%の収率で得られる。
【0048】
プロセスのいくつかの実施形態では、プロセスはモノエチレングリコールをさらに産出する。プロセスのいくつかの実施形態では、モノエチレングリコールは少なくとも約80mol%の収率で得られる。プロセスのいくつかの実施形態では、モノエチレングリコールは少なくとも約85mol%の収率で得られる。
【0049】
モノナトリウムグリコキシド懸濁液を調製するプロセスもまた本明細書に開示され;該プロセスは、
(a) モノエチレングリコールを加熱するステップと、
(b) 水酸化ナトリウムを添加し、それによってモノナトリウムグリコキシドを形成するステップと、
(c) モノナトリウムグリコキシドを乾燥させるステップと、
(d) 懸濁溶媒中へ乾いたモノナトリウムグリコキシドを懸濁させるステップと、
(e) 懸濁液をエイジングするステップと、を含む。
【0050】
プロセスのいくつかの実施形態では、ステップ(a)は、約70℃から約100℃の間の温度で行なわれる。プロセスのいくつかの実施形態では、ステップ(a)は約90℃の温度で行なわれる。
【0051】
プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁溶媒に対するモノナトリウムグリコキシドの比は、約0.05:1から約0.5:1の間である。プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁溶媒に対するモノナトリウムグリコキシドの比は約0.2:1(mol/mol)である。
【0052】
プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁溶媒はメタノールである。
【0053】
プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁液は約1~14日間エイジングされる。プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁液は約1~7日間エイジングされる。プロセスのいくつかの実施形態では、懸濁液は約7日間エイジングされる。
【発明を実施するための形態】
【0054】
ジメチルテレフタレート(DMT)は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、およびポリブチレンテレフタレート(PBT)を含むポリエステルの生産において使用される。DMTは不安定であるため、それは例えば、プラスチックボトルからのPETのリサイクルのためのいくつかのスキームにおける中間生成物である。DMTの水素添加は、ポリエステル樹脂の形成における有益なモノマーであるジオール1,4-シクロヘキサンジメタノールを与える。
【0055】
DMTは多くの方法において生成されてきた。慣例通りで、かつ今でも商品価値があるのは、テレフタル酸の直接のエステル化である。あるいは、それはパラトルイル酸メチルを介してパラキシレンから酸化とメチルエステル化のステップを交互にすることにより調製される。パラキシレンおよびメタノールからのDMTの生産の方法は、主な4ステップ:酸化、エステル化、蒸留、および、結晶化、から成る。パラキシレンおよびパラトルイル酸エステルの混合物は、遷移金属触媒(Co/Mn)の存在下において空気で酸化する。酸化によってもたらされる酸の混合物は、エステルの混合物を生成するためにメタノールでエステル化される。粗製エステル混合物は生成された重いボイラーおよび残留物をすべて取り除くために蒸留され、より軽いエステルは酸化部にリサイクルされる。その後、生のDMTはDMT異性体、残留する酸および芳香族アルデヒドを取り除くために結晶化される。
【0056】
PETリサイクルからのDMT生産における改善:パッケージングおよび繊維(カーペットおよび他の織物)産業におけるPETとPETGの使用の成長のため、PETまたはPETGからDMTを形成する方法について、効率的、低エネルギー、高収量、かつ、費用効率の方法への高いニーズがある。
【0057】
ポリエステル
本明細書において、ポリエステルをエステル誘導体に変換するためのプロセスが記載され;該プロセスはポリエステルを、グリコキシドを含む混合物に混ぜ合わせるステップを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(エチレングリコール-co-1,4-シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)(poly(ethylene glycol-co-1,4-cyclohexanedimethanol terephthalate) )(PETG)ポリグリコリドまたはポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート(PHBV)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ベクトラン(登録商標)、クチン、および、それらの任意の組み合わせから選択される。
【0059】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリエチレンテレフタレート(PET)である:
【0060】
【0061】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはテレフタル酸/エチレングリコールオリゴマーである。
【0062】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはポリ(エチレングリコール-co-1,4-シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)(PETG)である:
【0063】
【0064】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリグリコリド、またはポリグリコール酸(PGA)である。
【0065】
【0066】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリ乳酸(PLA)である。
【0067】
【0068】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリカプロラクトン(PCL)である。
【0069】
【0070】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリヒドロキシブチレート(PHB)である。
【0071】
【0072】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリエチレンアジペート(PEA)である。
【0073】
【0074】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリブチレンサクシネート(PBS)である。
【0075】
【0076】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)である。
【0077】
【0078】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリブチレンテレフタレート(PBT)である。
【0079】
【0080】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリトリメチレンテレフタレート(PTT)である。
【0081】
【0082】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリエチレンナフタレート(PEN)である。
【0083】
【0084】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはベクトラン(登録商標)である:
【0085】
【0086】
いくつかの実施形態において、ポリエステルはクチンである。クチンは、植物クチクラの主要構成要素である2つの蝋質ポリマーのうちの1つであり、植物の空気に触れる面全体を覆っている。クチンはオメガヒドロキシ酸およびそれらの誘導体から成り、それはエステル結合を介して連結され、ポリエステルポリマーを形成する。クチン、C16およびC18ファミリーの2つの主なモノマー・ファミリーが存在する。C16ファミリーは主に16-ヒドロキシパルミチン酸および9,16-または10,16-ジヒドロキシパルミチン酸である。C18ファミリーは主に18-ヒドロキシオレイン酸、9,10-エポキシ-18-ヒドロキシステアリン酸、および、9,10,18-トリヒドロキシステアレート(trihydroxystearate)から成る。トマト・クチンは16-ヒドロキシパルミチン酸および10,16-ジヒドロキシパルミチン酸から成り、ここでは10-異性体が大部分を占める。トマト・クチンはエステル交換されたポリエステルバイオポリマーである。第二級エステル類(C-10第二級水酸基におけるエステル化)の著しい割合は、ポリエステル構造が著しく分岐されることを示す。
【0087】
エステル誘導体
本明細書において、ポリエステルをエステル誘導体に変換するためのプロセスが記載され;該プロセスはポリエステルを、グリコキシドを含む混合物に混ぜ合わせるステップを含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリグリコリドまたはポリグリコール酸(PGA)であり、および、エステル誘導体は2-ヒドロキシアセテート誘導体である。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は、メチル2-ヒドロキシアセテートである。
【0089】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリ乳酸(PLA)であり、および、エステル誘導体は2-ヒドロキシプロパノエート誘導体である。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は、2-ヒドロキシプロパン酸メチルである。
【0090】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリカプロラクトン(PCL)であり、および、エステル誘導体は6-ヒドロキシヘキサノエート誘導体である。いくつかの実施形態では、エステル誘導体はメチル6-ヒドロキシヘキサノエートである。
【0091】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリヒドロキシブチレート(PHB)であり、および、エステル誘導体はヒドロキシブチレート誘導体である。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は、メチルヒドロキシブチレートである。
【0092】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリエチレンアジペート(PEA)であり、および、エステル誘導体はアジペート誘導体である。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は、アジピン酸ジメチルである。
【0093】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリブチレンサクシネート(PBS)であり、および、エステル誘導体はサクシネート誘導体である。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は、コハク酸ジメチルである。
【0094】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)であり、および、エステル誘導体は、ヒドロキシブチレート誘導体、ヒドロキシバレレート誘導体、またはその組み合わせである。いくつかの実施形態では、エステル誘導体はメチルヒドロキシブチレート、メチルヒドロキシバレレートまたはその組み合わせである。
【0095】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはポリエチレンナフタレート(PEN)であり、および、エステル誘導体はナフタレート誘導体である。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は、ジメチルナフタレート(dimethyl naphthalate)である。
【0096】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはベクトランであり、および、エステル誘導体は、ナフトエート(naphthoate)誘導体、ベンゾエート(benzoate)誘導体またはその組み合わせである。いくつかの実施形態では、エステル誘導体はメチルヒドロキシナフトエート(methyl hydroxynaphthoate)またはメチルヒドロキシベンゾエート(methyl hydroxybenzoate)である。
【0097】
いくつかの実施形態では、ポリエステルはクチンであり、および、エステル誘導体はヒドロキシパルミテート(hydroxypalmitate)またはジヒドロキシパルミテート(dihydroxypalmitate)誘導体である。いくつかの実施形態では、エステル誘導体はメチルヒドロキシパルミテート(methyl hydroxypalmitate)またはメチルジヒドロキシパルミテート(methyl dihydroxypalmitate)である。
【0098】
いくつかの実施形態では、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(エチレングリコール-co-1,4-シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)(PETG)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)またはポリブチレンテレフタレート(PBT)、および、エステル誘導体はテレフタレートである。いくつかの実施形態では、テレフタレートはジメチルテレフタレートである。いくつかの実施形態では、テレフタレートはテレフタル酸ジエチルである。
【0099】
いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約10%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約9%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約8%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約7%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約6%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約5%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約4%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約3%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約2%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約1%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約0.5%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約0.4%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約0.3%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約0.2%未満の不純物(w/w)を含む。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約0.1%未満の不純物(w/w)を含む。
【0100】
いくつかの実施形態において、エステル誘導体は、約250ppm未満の何らかの金属、約240ppm未満の何らかの金属、約230ppm未満の何らかの金属、約220ppm未満の何らかの金属、約210ppm未満の何らかの金属、約200ppm未満の何らかの金属、約190ppm未満の何らかの金属、約180ppm未満の何らかの金属、約170ppm未満の何らかの金属、約160ppm未満の何らかの金属、約150ppm未満の何らかの金属、約140ppm未満の何らかの金属、約130ppm未満の何らかの金属、約120ppm未満の何らかの金属、約110ppm未満の何らかの金属、約100ppm未満の何らかの金属、約90ppm未満の何らかの金属、約80ppm未満の何らかの金属、約70ppm未満の何らかの金属、約60ppm未満の何らかの金属、約50ppm未満の何らかの金属、約40ppm未満の何らかの金属、約30ppm未満の何らかの金属、約20ppm未満の何らかの金属、約10ppm未満の何らかの金属、約5ppm未満の何らかの金属、約4ppm未満の何らかの金属、約3ppm未満の何らかの金属、約2ppm未満の何らかの金属、約1ppm未満の何らかの金属、約0.9ppm未満の何らかの金属、約0.8ppm未満の何らかの金属、約0.7ppm未満の何らかの金属、約0.6ppm未満の何らかの金属、約0.5ppm未満の何らかの金属、約0.4ppm未満の何らかの金属、約0.3ppm未満の何らかの金属、約0.2ppm未満の何らかの金属、約0.1ppm未満の何らかの金属、約0.09ppm未満の何らかの金属、約0.08ppm未満の何らかの金属、約0.07ppm未満の何らかの金属、約0.06ppm未満の何らかの金属、約0.05ppm未満の何らかの金属、約0.04ppm未満の何らかの金属、約0.03ppm未満の何らかの金属、約0.02ppm未満の何らかの金属、または、約0.01ppm未満の何らかの金属、を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、エステル誘導体は、約10ppm未満のグリコキシド、約5ppm未満のグリコキシド、約4ppm未満のグリコキシド、約3ppm未満のグリコキシド、約2ppm未満のグリコキシド、約1ppm未満のグリコキシド、約0.9ppm未満のグリコキシド、約0.8ppm未満のグリコキシド、約0.7ppm未満のグリコキシド、約0.6ppm未満のグリコキシド、約0.5ppm未満のグリコキシド、約0.4ppm未満のグリコキシド、約0.3ppm未満のグリコキシド、約0.2ppm未満のグリコキシド、約0.1ppm未満のグリコキシド、約0.09ppm未満のグリコキシド、約0.08ppm未満のグリコキシド、約0.07ppm未満のグリコキシド、約0.06ppm未満のグリコキシド、約0.05ppm未満のグリコキシド、約0.04ppm未満のグリコキシド、約0.03ppm未満のグリコキシド、約0.02ppm未満のグリコキシド、または、約0.01ppm未満のグリコキシド、を含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約80から約99mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約85から約99mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は約90から約99mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は少なくとも約90mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は少なくとも約95mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、エステル誘導体は少なくとも約99mol%の収率で得られる。
【0103】
いくつかの実施形態では、テレフタレートは約80から約99mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、テレフタレートは約85から約99mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、テレフタレートは約90から約99mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、テレフタレートは少なくとも約80mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、テレフタレートは少なくとも約85mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、テレフタレートは少なくとも約90mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、テレフタレートは少なくとも約95mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、テレフタレートは少なくとも約99mol%の収率で得られる。
【0104】
グリコール
本明細書において、ポリエステルをエステル誘導体とグリコールに変換するためのプロセスが記載され;該プロセスはポリエステルを、グリコキシドを含む混合物に混ぜ合わせる工程を含む。いくつかの実施形態では、グリコールはモノエチレングリコール(MEG)(またはエチレングリコール)である。いくつかの実施形態では、グリコールはプロピレングリコールである。いくつかの実施形態では、グリコールはブチレングリコールである。
【0105】
いくつかの実施形態において、グリコールは約80から約99mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、グリコールは約85から約99mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、グリコールは約90から約99mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、グリコールは少なくとも約80mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、グリコールは少なくとも約85mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、グリコールは少なくとも約90mol%の収率で得られる。いくつかの実施形態では、グリコールは少なくとも約95mol%の収率で得られる。
【0106】
グリコキシド
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたプロセスは、沸点が水より高いアルコールに由来するアルコキシドを含む。いくつかの実施形態では、アルコールは、モノエチレングリコール(MEG)、グリセロール、ソルビトール、1,3-プロパンジオール、またはシクロヘキサン-1,4-ジメタノールである。いくつかの実施形態では、アルコールはモノエチレングリコール(MEG)である。
【0107】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたプロセスは、コスト効率の良いアルコキシドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたプロセスは、重量比としてナトリウムメトキシドなどの他の触媒と比較した場合にコストの削減をもたらす量のアルコキシドの使用を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたプロセスは、重量比としてナトリウムメトキシドなどの他の触媒と比較した場合にコストの削減をもたらす量のナトリウムグリコキシドの使用を含む。いくつかの実施形態では、ここに記載されたプロセスは、メタノールとの交換を行い、結果としてナトリウムメトキシドをもたらすことができるアルコキシドを含む。
【0108】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されたプロセスはグリコキシドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたプロセスは、触媒量のグリコキシドを含む。いくつかの実施形態では、ここに記載されたプロセスは、亜化学量論量のグリコキシドを含む。
【0109】
本明細書において使用される「亜化学量論量」とは、使用される材料の量が化学量論量より小さいことを示すために使用される。その用語は本明細書において「触媒量」と交換可能に使用される。いくつかの実施形態において、亜化学量論量は、化学量論量の約95%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約90%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約85%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約80%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約75%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約70%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約65%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約60%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約55%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約50%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約45%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約40%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約35%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約30%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約25%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約20%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約15%以下である。いくつかの実施形態では、亜化学量論量は、化学量論量の約10%以下である。
【0110】
「化学量論量」は、本明細書において使用されるとき、使用される材料の量がポリエステルの中にあるエステル結合の数と同等であることを示すために使用される。
【0111】
いくつかの実施形態において、グリコキシドアニオンとカチオンを含むグリコキシドは、アルカリ金属グリコキシド、アルカリ土類金属グリコキシド、金属グリコキシド、アンモニウムグリコキシド(ammonium glycoxide)、および、それらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、カチオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、またはアンモニウムである。いくつかの実施形態では、グリコキシドはナトリウムグリコキシドである。いくつかの実施形態では、グリコキシドはモノナトリウムグリコキシドである。
【0112】
いくつかの実施形態において、グリコキシドは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または金属をモノエチレングリコール(MEG)に添加することによって生成される。いくつかの実施形態では、グリコキシドは水酸化ナトリウムをモノエチレングリコール(MEG)に添加することによって生成される。
【0113】
いくつかの実施形態では、グリコキシドは懸濁液として提供される。
【0114】
本明細書において、モノナトリウムグリコキシド懸濁液を調製するためのプロセスが開示され、該プロセスは:
(a) モノエチレングリコールを熱するステップと、
(b) 水酸化ナトリウムを添加してモノナトリウムグリコキシドを形成するステップと、
(c) モノナトリウムグリコキシドを乾燥させるステップと、
(d) 懸濁溶媒中へ乾いたモノナトリウムグリコキシドを懸濁させるステップと、
(e) 懸濁液をエイジングするステップと、を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、懸濁溶媒はアルコールである。いくつかの実施形態では、懸濁溶媒はメタノールである。
【0116】
いくつかの実施形態では、ステップ(a)は、約70℃から約100℃の間の温度で行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(a)は、約70℃から約90℃の間の温度で行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(a)は、約80℃から約100℃の間の温度で行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(a)は、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、または約100℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ(a)は約90℃の温度で行なわれる。
【0117】
いくつかの実施形態では、懸濁溶媒に対するモノナトリウムグリコキシドの比は約0.05:1から約0.5:1(mol/mol)までの間にある。いくつかの実施形態では、懸濁溶媒に対するモノナトリウムグリコキシドの比は約0.1:1から約0.5:1(mol/mol)までの間にある。いくつかの実施形態では、懸濁溶媒に対するモノナトリウムグリコキシドの比は約0.1:1から約0.3:1(mol/mol)までの間にある。いくつかの実施形態では、懸濁溶媒に対するモノナトリウムグリコキシドの比は約0.05:1(mol/mol)、約0.06:1(mol/mol)、約0.07:1(mol/mol)、約0.08:1(mol/mol)、約0.09:1(mol/mol)、約0.1:1(mol/mol)、約0.11:1(mol/mol)、約0.12:1(mol/mol)、約0.13:1(mol/mol)、約0.14:1(mol/mol)、約0.15:1(mol/mol)、約0.16:1(mol/mol)、約0.17:1(mol/mol)、約0.18:1(mol/mol)、約0.19:1(mol/mol)、約0.2:1(mol/mol)、約0.21:1(mol/mol)、約0.22:1(mol/mol)、約0.23:1(mol/mol)、約0.24:1(mol/mol)、約0.25:1(mol/mol)、約0.26:1(mol/mol)、約0.27:1(mol/mol)、約0.28:1(mol/mol)、約0.29:1(mol/mol)、約0.30:1(mol/mol)、約0.35:1(mol/mol)、約0.40:1(mol/mol)、約0.45:1(mol/mol)、または、約0.5:1(mol/mol)、である。いくつかの実施形態では、懸濁溶媒に対するモノナトリウムグリコキシドの比は約0.2:1(mol/mol)である。
【0118】
いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)に対するグリコキシドの比は約1:2から約1:20(mol/mol)までの間である。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)に対するグリコキシドの比は約1:2から約1:10(mol/mol)までの間である。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)に対するグリコキシドの比は約1:2から約1:6(mol/mol)までの間である。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)に対するグリコキシドの比は約1:5から約1:20(mol/mol)までの間である。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)に対するグリコキシドの比は約1:10から約1:20(mol/mol)までの間である。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)に対するグリコキシドの比は約1:10から約1:15(mol/mol)までの間である。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)に対するグリコキシドの比は、約1:2(mol/mol)、約1:3(mol/mol)、約1:4(mol/mol)、約1:5(mol/mol)、約1:6(mol/mol)、約1:7(mol/mol)、約1:8(mol/mol)、約1:9(mol/mol)、約1:10(mol/mol)、約1:11(mol/mol)、約1:12(mol/mol)、約1:13(mol/mol)、約1:14(mol/mol)、約1:15(mol/mol)、約1:16(mol/mol)、約1:17(mol/mol)、約1:18(mol/mol)、約1:19(mol/mol)、または、約1:2(mol/mol)、である。
【0119】
いくつかの実施形態では、モノナトリウムグリコキシドは反応の間に形成された水を取り除くために乾燥される。いくつかの実施形態では、モノナトリウムグリコキシドは水の沸点より高い温度で乾燥される。いくつかの実施形態では、モノナトリウムグリコキシドは、約100℃から約150℃の間の温度で乾燥される。いくつかの実施形態では、モノナトリウムグリコキシドは、約110℃から約140℃の間の温度で乾燥される。いくつかの実施形態では、モノナトリウムグリコキシドは、約120℃から約130℃の間の温度で乾燥される。いくつかの実施形態では、モノナトリウムグリコキシドは、約100℃、105℃、約110℃、約115℃、約120℃、約125℃、約130℃、約135℃、約140℃、約145℃、または約150℃の温度で乾燥される。いくつかの実施形態では、モノナトリウムグリコキシドは約130℃で乾燥される。
【0120】
いくつかの実施形態では、懸濁液は約1日から約2か月間エイジングされる。いくつかの実施形態では、懸濁液は約1~14日間エイジングされる。いくつかの実施形態では、懸濁液は約7~14日間エイジングされる。いくつかの実施形態では、懸濁液は約5~8日間エイジングされる。いくつかの実施形態では、懸濁液は約1~7日間エイジングされる。いくつかの実施形態では、懸濁液は、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、または、約14日の間、エイジングされる。いくつかの実施形態では、懸濁液は約7日間エイジングされる。いくつかの実施形態において、本明細書に使用される「エイジングされる」は、周囲温度および大気圧で保管されるという意味である。いくつかの実施形態では、エイジングのステップは、ナトリウムグリコキシドの分画がナトリウムメトキシドに変換することを可能にする。いくつかの実施形態では、エイジングされたグリコキシド懸濁液は、ナトリウムメトキシドを最大約85%まで含む。いくつかの実施形態では、エイジングされたグリコキシド懸濁液はナトリウムメトキシドを最大約85%まで、約80%まで、約75%まで、約70%まで、約65%まで、約60%まで、約55%まで、約50%まで、約45%まで、約40%まで、約45%まで、約40%まで、約35%まで、約30%まで、約25%まで、約20%まで、約15%まで、約10%まで、または約5%まで含む。
【0121】
解重合
本明細書において、ポリエステルをエステル誘導体に変換するためのプロセスが記載され;該プロセスはポリエステルを、グリコキシドを含む混合物に混ぜ合わせるステップを含む。本明細書において、テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のプロセスが記載され、該プロセスはポリエチレンテレフタレート(PET)を、グリコキシドを含む混合物に混ぜ合わせるステップを含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、混合物は溶媒をさらに含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、溶媒は直鎖アルコール、分岐アルコール、環状アルコール、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、フェノール、ベンジルアルコール、および、それらの任意の組み合わせから選択される。
【0124】
いくつかの実施形態では、溶媒は直鎖C1-C4アルコールである。いくつかの実施形態では、溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、溶媒はメタノールである。いくつかの実施形態では、アルコールはエタノールである。いくつかの実施形態では、溶媒は分岐C3-C4アルコールである。いくつかの実施形態では、溶媒はt-ブタノール、s-ブタノール、i-ブタノール、i-プロパノール、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、溶媒は環状C3-C8アルコールである。いくつかの実施形態では、溶媒は、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、溶媒はシクロヘキサン-1,4-ジメタノールである。
【0125】
いくつかの実施形態では、溶媒はポリオールである。いくつかの実施形態では、溶媒は、エチレングリコール、グリセロール、および、それらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、溶媒は、フェノール、ベンジルアルコール、および、それらの任意の組み合わせから選択される。
【0126】
いくつかの実施形態では、溶媒はグリコキシドの添加に先立ってポリエチレンテレフタレート(PET)に添加される。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、グリコキシドの添加に先立って、約15分間から約120分間、溶媒と混合される。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、グリコキシドの添加に先立って、約15分間から約90分間、溶媒と混合される。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、グリコキシドの添加に先立って、約30分間から約90分間、溶媒と混合される。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、グリコキシドの添加に先立って、約45分間から約90分間、溶媒と混合される。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、グリコキシドの添加に先立って、約15分間、約20分間、約25分間、約30分間、約35分間、約40分間、約45分間、約50分間、約55分間、約60分間、約65分間、約70分間、約75分間、約80分間、約85分間、約90分間、約95分間、約100分間、約105分間、約110分間、約115分間、または、約120分間、溶媒と混合される。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、グリコキシドの添加に先立って、約60分間溶媒と混合される。
【0127】
いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、グリコキシドの添加に先立って、約50℃から約100℃の間の温度で溶媒と混合され、および加熱される。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、グリコキシドの添加に先立って、約50℃から約90℃の間の温度で溶媒と混合され、および加熱される。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、グリコキシドの添加に先立って、約50℃から約80℃の間の温度で溶媒と混合され、および加熱される。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、グリコキシドの添加に先立って、約50℃から約70℃の間の温度で溶媒と混合され、および加熱される。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)はグリコキシドの追加に先立って溶媒と混合され、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、または約100℃の温度まで加熱される。いくつかの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、グリコキシドの添加に先立って、溶媒と混合され、約60℃の温度まで加熱される。
【0128】
本明細書において、ポリエステルをエステル誘導体に変換するためのプロセスであって;該プロセスは、
(i) 第1の混合物を産出するためにポリエチレンテレフタレート(PET)を第1の溶媒と混ぜ合わせるステップと、
(ii) グリコキシドを第1の混合物に添加するステップと、
(iii) 第2の溶媒を添加するステップと、
(iv) 混ぜ合わせるステップと、
を含み、それによってエステル誘導体を形成する、プロセスが記載される。
【0129】
また本明細書において、テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のためのプロセスであって;該プロセスは、
(i) 第1の混合物を産出するためにポリエチレンテレフタレート(PET)を第1の溶媒と混ぜ合わせるステップと、
(ii) グリコキシドを第1の混合物に添加するステップと、
(iii) 第2の溶媒を添加するステップと、
(iv) 混ぜ合わせるステップと、
を含み、それによってテレフタレートを形成する、プロセスも記載される。
【0130】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒は直鎖アルコール、分岐アルコール、環状アルコール、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、第1の溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、フェノール、ベンジルアルコール、および、それらの任意の組み合わせから選択される。
【0131】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒は直鎖C1-C4アルコールである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒はメタノールである。いくつかの実施形態では、アルコールはエタノールである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒は分岐C3-C4アルコールである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒は、t-ブタノール、s-ブタノール、i-ブタノール、i-プロパノール、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒は環状C3-C8アルコールである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒は、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒はシクロヘキサン-1,4-ジメタノールである。
【0132】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒はポリオールである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒は、エチレングリコール、グリセロール、および、それらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、第1の溶媒は、フェノール、ベンジルアルコール、および、それらの任意の組み合わせから選択される。
【0133】
いくつかの実施形態では、ステップ(i)は約15分間から約120分間行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(i)は約15分間から約90分間行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(i)は約30分間から約90分間行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(i)は約45分間から約90分間行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(i)は、約15分間、約20分間、約25分間、約30分間、約35分間、約40分間、約45分間、約50分間、約55分間、約60分間、約65分間、約70分間、約75分間、約80分間、約85分間、約90分間、約95分間、約100分間、約105分間、約110分間、約115分間、または約120分間、行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(i)は約60分間行なわれる。
【0134】
いくつかの実施形態では、ステップ(i)は、約50℃から約100℃の間の温度で行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(i)は、約50℃から約90℃の間の温度で行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(i)は、約50℃から約80℃の間の温度で行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(i)は、約50℃から約70℃の間の温度で行なわれる。いくつかの実施形態では、約50℃、55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、または約100℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、工程(i)は約60℃の温度で行なわれる。
【0135】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒の一部は第2の混合物を産出するために工程(ii)に先立って取り除かれる。いくつかの実施形態では、第1の溶媒の一部の除去は、ポリエチレンテレフタレート(PET)のフィードストック中に取り込まれた水を除去させる。いくつかの実施形態では、PET1mol当たり、約1molから約5molの間の第1の溶媒が除去される。いくつかの実施形態では、PET1mol当たり、約1molから約3molの間の第1の溶媒が除去される。いくつかの実施形態では、PET1mol当たり、約2molから約4molの間の第1の溶媒が除去される。いくつかの実施形態において、PET1mol当たり、約1mol、約1.1mol、約1.2mol、約1.3mol、約1.4mol、約1.5mol、約1.6mol、約1.7mol、約1.8mol、約1.9mol、約2mol、約2.1mol、約2.2mol、約2.3mol、約2.4mol、約2.5mol、約2.6mol、約2.7mol、約2.8mol、約2.9mol、約3mol、約3.1mol、約3.2mol、約3.3mol、約3.4mol、約3.5mol、約3.6mol、約3.7mol、約3.8mol、約3.9mol、約4mol、約4.1mol、約4.2mol、約4.3mol、約4.4mol、約4.5mol、約4.6mol、約4.7mol、約4.8mol、約4.9mol、または約5molの第1の溶媒が除去される。
【0136】
いくつかの実施形態では、第2の混合物は、約70℃と約100℃の間の温度で加熱される。いくつかの実施形態では、第2の混合物は、約80℃から約100℃の間の温度で加熱される。いくつかの実施形態では、第2の混合物は、約70℃から約90℃の間の温度で加熱される。いくつかの実施形態では、第2の混合物は、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、または約100℃の温度で加熱される。いくつかの実施形態では、第2の混合物は約85℃の温度で加熱される。
【0137】
いくつかの実施形態では、第2の溶媒は、直鎖アルコール、分岐アルコール、環状アルコール、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、第2の溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、エチレングリコール、グリセロール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、フェノール、ベンジルアルコール、および、それらの任意の組み合わせから選択される。
【0138】
いくつかの実施形態では、第2の溶媒は直鎖C1-C4アルコールである。いくつかの実施形態では、第2の溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、第2の溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、第2の溶媒はメタノールである。いくつかの実施形態では、アルコールはエタノールである。いくつかの実施形態では、第2の溶媒は分岐C3-C4アルコールである。いくつかの実施形態では、第2の溶媒は、t-ブタノール、s-ブタノール、i-ブタノール、i-プロパノール、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、第2の溶媒は環状C3-C8アルコールである。いくつかの実施形態では、第2の溶媒は、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、第2の溶媒はシクロヘキサン-1,4-ジメタノールである。いくつかの実施形態では、第2の溶媒はポリオールである。いくつかの実施形態では、第2の溶媒は、エチレングリコール、グリセロール、および、それらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、第2の溶媒は、フェノール、ベンジルアルコール、および、それらの任意の組み合わせから選択される。
【0139】
いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は約60分間から約600分間行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は約120分間から約600分間行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は約180分間から約600分間行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は約60分間から約480分間行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は約180分間から約480分間行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、約60分間、90分間、120分間、180分間、240分間、300分間、360分間、420分間、480分間、540分間、または600分間、行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は約360分間行なわれる。
【0140】
いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、約70℃から約100℃の間の温度で行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、約70℃から約90℃の間の温度で行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、約80℃から約100℃の間の温度で行なわれる。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、または約100℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、ステップ(iv)は約85℃の温度で行なわれる。
【0141】
いくつかの実施形態では、プロセスは、テレフタレートを濾過するステップ(v)をさらに含む。
【0142】
いくつかの実施形態では、プロセスは、テレフタレートを蒸留するステップ(vi)をさらに含む。あるいは、いくつかの実施形態では、プロセスは、テレフタレートを昇華させるステップ(vi)をさらに含む。
【0143】
また本明細書において、テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のためのプロセスであって;該プロセスは、
(i) 第1の混合物を産出するためにポリエチレンテレフタレート(PET)を第1の溶媒と混ぜ合わせるステップと、
(ii) グリコキシドを第1の混合物に添加するステップと、
(iii) 第2の溶媒を添加するステップと、
(iv) 混ぜ合わせるステップと、
(v) テレフタレートを濾過するステップと、
を含み、それによってテレフタレートを単離させる、プロセスも記載される。
【0144】
また本明細書において、テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のためのプロセスであって;該プロセスは、
(i) 第1の混合物を産出するためにポリエチレンテレフタレート(PET)を第1の溶媒と混ぜ合わせるステップと、
(ii) グリコキシドを第1の混合物に添加するステップと、
(iii) 第2の溶媒を添加するステップと、
(iv) 混ぜ合わせるステップと、
(v) テレフタレートを濾過するステップと、
(vi) テレフタレートを蒸留するステップと、
を含み、それによって純粋なテレフタレートを単離させる、プロセスも記載される。
【0145】
また本明細書において、テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のためのプロセスであって;該プロセスは、
(i) 第1の混合物を産出するためにポリエチレンテレフタレート(PET)を第1の溶媒と混ぜ合わせるステップと;
(ii) グリコキシドを第1の混合物に添加するステップと、
(iii) 第2の溶媒を添加するステップと、
(iv) 混ぜ合わせるステップと、
(v) テレフタレートを濾過するステップと、
(vi) テレフタレートを昇華させるステップと、
を含み、それによって純粋なテレフタレートを単離させる、プロセスも記載される。
【0146】
また本明細書において、テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のためのプロセスであって;該プロセスは、
(i) 第1の混合物を産出するためにポリエチレンテレフタレート(PET)を第1の溶媒と混ぜ合わせるステップと、
(ii) 第1の混合物から第2の混合物を産出するために第1の溶媒の一部を除去するステップと、
(iii) グリコキシドを第2の混合物に添加するステップと、
(iv) 第2の溶媒を添加するステップと、
(v) 混ぜ合わせるステップと、
を含み、それによってテレフタレートを形成する、プロセスも記載される。
【0147】
また本明細書において、テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のためのプロセスであって;該プロセスは、
(i) 第1の混合物を産出するためにポリエチレンテレフタレート(PET)を第1の溶媒と混ぜ合わせるステップと、
(ii) 第1の混合物から第2の混合物を産出するために第2の溶媒の一部を除去するステップと、
(iii) グリコキシドを第2の混合物に添加するステップと、
(iv) 第2の溶媒を添加するステップと、
(v) 混ぜ合わせるステップと、
(vi) テレフタレートを濾過するステップと、
を含み、それによってテレフタレートを単離させる、プロセスも記載される。
【0148】
また本明細書において、テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のためのプロセスであって;該プロセスは、
(i) 第1の混合物を産出するためにポリエチレンテレフタレート(PET)を第1の溶媒と混ぜ合わせるステップと、
(ii) 第1の混合物から第2の混合物を産出するために第2の溶媒の一部を除去するステップと、
(iii) グリコキシドを第2の混合物に添加するステップと、
(iv) 第2の溶媒を添加するステップと、
(v) 混ぜ合わせるステップと、
(vi) テレフタレートを濾過するステップと、
(vii) テレフタレートを蒸留するステップと、
を含み、それによって純粋なテレフタレートを単離させる、プロセスも記載される。
【0149】
また本明細書において、テレフタレートを形成するための、ポリエチレンテレフタレート(PET)の解重合のためのプロセスであって;該プロセスは、
(i) 第1の混合物を産出するためにポリエチレンテレフタレート(PET)を第1の溶媒と混ぜ合わせるステップと、
(ii) 第1の混合物から第2の混合物を産出するために第2の溶媒の一部を除去するステップと、
(iii) グリコキシドを第2の混合物に添加するステップと、
(iv) 第2の溶媒を添加するステップと、
(v) 混ぜ合わせるステップと、
(vi)テレフタレートを濾過するステップと、
(vii)テレフタレートを昇華させるステップと、
を含み、それによって純粋なテレフタレートを単離させる、プロセスも記載される。
【0150】
特定の用語
本明細書で使用されるセクションの見出しは、組織的な目的のみのためであり、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0151】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、請求の範囲の主題が属すると一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書の用語に関して複数の定義がある場合、このセクションの定義が優先される。
【0152】
前述の一般的な説明およびの詳細な説明は、ただ例示的および説明的なものにすぎず、請求される任意の主題を限定するものではないことを理解されたい。本出願では、単数形の使用は、特に別記されない限り、複数形を含む。明細書および添付の請求項に使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がはっきりと特に指示していない限り、複数の指示対象を含む。本出願では、「または」の使用は、特に別記されない限り、「および/または」を意味する。さらに、用語「含むこと(including)」と同様に、「含む(include)」、「含む(includes)、」および「含まれる(included)」などの他の形態の使用は、限定するものではない。
【0153】
文脈が別段必要としない限り、明細書および続く請求項の全体にわたって、用語「含む(comprise)」、および「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」などのその変形は、開いた、包括的な意味、即ち、「限定されないが...を含む」として解釈されるべきである。さらに、本明細書で提供される見出しは、利便性の目的のみであり、請求される本発明の範囲または意味を解釈するものではない。
【0154】
本明細書および添付の請求項で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、内容が明確に別段指示していない限り、複数の指示対象を含む。用語「または(or)」は、内容が明確に別段指示していない限り、「および/または」を含むその意味で一般に使用されることにも留意されたい。
【0155】
本明細書で使用されるように、用語「約」または「およそ」は、与えられた値または範囲の10%以内、好ましくは10%以内、およびより好ましくは5%以内を意味する。
【0156】
本明細書に使用されるように、周囲温度は、典型的な、または好まれる室内(空調された)温度のための口語的表現であり、人々が一般的に慣れている温度である。その温度は、暑く感じず、冷たくも感じない大気の温度であるおよそ21℃の小さな範囲を表す。いくつかの実施形態では、周囲温度は25±5℃である。いくつかの実施形態では、周囲温度は18℃である。いくつかの実施形態では、周囲温度は19℃である。いくつかの実施形態では、周囲温度は20℃である。いくつかの実施形態では、周囲温度は21℃である。いくつかの実施形態では、周囲温度は22℃である。いくつかの実施形態では、周囲温度は23℃である。いくつかの実施形態では、周囲温度は24℃である。いくつかの実施形態では、周囲温度は25℃である。いくつかの実施形態では、周囲温度は26℃である。いくつかの実施形態では、周囲温度は27℃である。いくつかの実施形態では、周囲温度は28℃である。いくつかの実施形態では、周囲温度は29℃である。いくつかの実施形態では、周囲温度は30℃である。
【0157】
本明細書および添付された請求項において使用されるように、解重合は、ポリマーをその出発物質へ分解する方法を指す。解重合は、本質的には重合の反対である。いくつかの実施形態では、グリコール、メタノール、または水などの使用される解重合の反応物によりそれぞれ分類される、解糖、加メタノール分解、または加水分解によって、解重合が達成される。
【0158】
ここに使用されるように、PETに言及する時、用語「mol」はモル数で、192.17g/molである「PET」単位の分子量を使用して計算される。
【0159】
標準化学用語の定義は、 Carey and Sundberg“ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4TH ED”Vols. A (2000) and B (2001), Plenum Press, New Yorkを含み、これらに限定されない参考資料において見出され得る。
【0160】
実施例
以下の実施例は、開示された実施形態を例証するが、限定しないように意図される。
【0161】
実施例1:モノナトリウムグリコキシドの形成
溶解のステップ:
モノエチレングリコール(MEG、2447.7g)を6Lのガラス反応器に加え、そして230RPMで撹拌しながら90℃まで加熱した。水酸化ナトリウムを(NaOH、1770.6g、微粒剤として)ゆっくりと添加した(非常に発熱を伴う)。MEG/NaOH(mol/mol)は、1~1.2:1であった。水酸化ナトリウムの添加の後、混合物の温度をモニターし、および記録した。(水酸化ナトリウムがすべて溶けることを確実にするために)約10分間、150℃に温度を維持しながらその混合物を撹拌した(280RPM)。得られた液体をパイレックス(登録商標)のプレートに広げ、60分間真空オーブン(130℃および-30インチHg圧力にある)の中に置いた。真空オーブンのチャンバを窒素でパージし、真空下に戻した。プレートを約12時間乾燥した。触媒が乾燥すると直ちに、それを真空オーブンから取り出し、細かく砕き、再び真空オーブン(130℃および-30インチHg圧力にある)の中に置いた。真空オーブンのチャンバを窒素でパージし、真空下に戻した。触媒を12時間乾燥させた。触媒が乾燥すると直ちに、それを真空オーブンから取り出し、パイレックス(登録商標)のボトルに加えた。メタノールを添加し(触媒/MeOH(mol/mol)比は 0.18:1)、および30分間撹拌した。その懸濁液を最大1週間、可燃物用キャビネット中に維持した。
【0162】
実施例2:ポリエチレンテレフタレートの解重合
膨潤、および、すすぎ:
ポリエチレンテレフタレートのフィードストック(10Kg)をスクレーパのあるデュアルモーション撹拌を伴うジャケット付き(密閉)反応器に加えた。反応器を3分間窒素でパージした。メタノール(6kg)を添加し、そして、結果として生じた混合物を約60℃で加熱し、および60rpmで約60分間撹拌した。圧力と温度を記録した。液体(3.5kg)の一部を排出した。
【0163】
反応:
反応器の中央の撹拌を始動させた(155RPM)。スクレーパを始動させた(70RPM)。熱を約85℃まで上昇させた。グリコキシド懸濁液(973.5g、31.5重量%のグリコキシド)を添加し、そして、その混合物を5分間加熱および撹拌した。圧力と温度を記録した。さらにメタノール(3.83kg)を添加し、結果として生じた混合物を約360分間(温度に達した後)反応させた。その後、混合物を25℃まで冷却した。
【0164】
濾過:
固体を濾過し、メタノール(4.8kg)で洗浄した。濾過ケーク(ジメチルテレフタレート)の重量を測った。
【0165】
蒸留:
DMTの回収:DMTと未反応物を含んでいるケークを150℃で溶かした。その後、混合物を、薄膜、蒸留塔、または、任意の蒸発または蒸留システムにおいて、2torrの真空下160℃で、または50torrの真空下180℃で、蒸発させるか、または蒸留した。受けるシステムが150℃で加熱される場合、DMTは固体または液体として回収された。
【0166】
MEGの回収:MEGとメタノールを含んでいる母液を薄膜、蒸留塔、蒸発装置などの蒸発または蒸留システムに通し、メタノールの約70%を(高真空下30℃で)取り除いた。その後、回収したスラリーを3~-6℃で冷まし、そして濾過した。液体を回収し、および、メタノールの残留する30%を蒸発または蒸留によって除去した。その後、残されたMEGを高真空下100℃で蒸留するか、または蒸発させた。
【0167】
異なる量の触媒を使用してDMTを産出したが、様々な触媒は下記の表に示される。例えば、
・ PETモル量(192.17g/molの「PET」ユニット分子量を使用して計算された)は、52molであった;
・ メタノールのモル量は218molであった;
・ 温度は70℃であった;
・ 反応時間は480分間であった。
【0168】
【0169】
様々な触媒を使用するMEGの収率は、下記のテーブルにおいて示される:
【0170】