(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】合成開口ソナーのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01S 15/89 20060101AFI20240301BHJP
【FI】
G01S15/89 B
(21)【出願番号】P 2021125265
(22)【出願日】2021-07-30
(62)【分割の表示】P 2019072819の分割
【原出願日】2012-05-07
【審査請求日】2021-07-30
(32)【優先日】2011-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513278585
【氏名又は名称】ハダル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ジェイ. リコスキー
【審査官】安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101825709(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0191115(US,A1)
【文献】特開平10-142333(JP,A)
【文献】特開2002-214341(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0164785(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0239119(US,A1)
【文献】米国特許第05886950(US,A)
【文献】米国特許第04987563(US,A)
【文献】中国特許出願公開第1808175(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/52- 7/64,
G01S 15/00-15/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピングを伝送することによって、合成開口ソナー(SAS)信号を生成する方法であって、前記方法は、
第1の速度でソナーアレイを移動させることであって、前記ソナーアレイは、少なくとも3つの伝送機および複数の受信機を有し、前記ソナーアレイは、第1の長さを有し、前記少なくとも3つの伝送機のうちの第1の伝送機は、前記第1の長さに沿って第1の場所に配置され、前記少なくとも3つの伝送機のうちの第2の伝送機は、前記第1の長さに沿って第2の場所に配置され、前記少なくとも3つの伝送機のうちの第3の伝送機は、前記第1の長さに沿って第3の場所に配置され、前記移動の方向は、前記第3の伝送機から前記第1の伝送機に向かう方向に沿っている、ことと、
前記第1の伝送機および前記第2の伝送機を使用して、第1のピングを生成することであって、前記第1のピングを生成することは、
前記第1の伝送機を使用して、第1の位置において第1の音響信号を生成することであって、前記第1の位置は、前記第1の長さの整数倍に前記第1の長さの第1の小部分が加算されたものである、ことと、
前記第2の伝送機を使用して、第2の位置において第2の音響信号を生成することであって、前記第2の位置は、前記第1の長さの整数倍に前記第1の長さの第2の小部分が加算されたものである、ことと
を含む、ことと、
前記第1の伝送機および前記第3の伝送機を使用して、第2のピングを生成することであって、前記第2のピングを生成することは、
前記第1の伝送機を使用して、第3の位置において第3の音響信号を生成することであって、前記第3の位置は、前記第1の長さの整数倍に前記第1の長さの前記第1の小部分が加算されたものである、ことと、
前記第3の伝送機を使用して、第4の位置において第4の音響信号を生成することであって、前記第4の位置は、前記第1の長さの整数倍に前記第1の長さの第3の小部分が加算されたものである、ことと
を含む、ことと、
前記第2の伝送機および前記第3の伝送機を使用して、第3のピングを生成することであって、前記第3のピングを生成することは、
前記第2の伝送機を使用して、第5の位置において第5の音響信号を生成することであって、前記第5の位置は、前記第1の長さの整数倍に前記第1の長さの前記第2の小部分が加算されたものである、ことと、
前記第3の伝送機を使用して、第6の位置において第6の音響信号を生成することであって、前記第6の位置は、前記第1の長さの整数倍に前記第1の長さの前記第3の小部分が加算されたものである、ことと
を含む、ことと
を含み、
前記第1のピングが伝送され、それに続いて前記第2のピングが伝送され、それに続いて前記第1のピングおよび前記第2のピングの伝送後に、前記第3のピングが伝送され、
前記複数の受信機は、第1の軸に沿って配列されており、
前記第1の位置および前記第2の位置および前記第3の位置および前記第4の位置および前記第5の位置および前記第6の位置は、前記第1の軸に平行な第2の軸に沿ってこの順番で配列されており、
前記ソナーアレイが前記第1のピングと前記
第2のピングとの間を移動するためにかかる時間および前記ソナーアレイが前記第2のピングと前記第3のピングとの間を移動するためにかかる時間および前記ソナーアレイが前記第3のピングと前記第1のピングとの間を移動するためにかかる時間は、前記第1の長さが前記第1の速度によって除算されたものの半分に等しい、方法。
【請求項2】
前記少なくとも3つの伝送機は、4つ以上の伝送機である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のピングおよび前記第2のピングおよび前記第3のピングのうちの少なくとも1つは、1kHzから100kHzまでの範囲における周波数を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のピングおよび前記第2のピングおよび前記第3のピングのうちの少なくとも1つは、100kHzよりも大きい範囲における周波数を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ソナーアレイは、水中地形を撮像するための水中車両または水面車両のうちの少なくとも1つに設置される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ソナーアレイは、陸上地形を撮像するための空中車両または陸上車両のうちの少なくとも1つに設置される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ピングを伝送することによって、合成開口ソナー(SAS)信号を生成するシステムであって、
前記システムは、水中車両に取り付けられているソナーアレイを備え、前記水中車両および前記ソナーアレイは、第1の速度で移動するように構成されており、前記ソナーアレイは、少なくとも3つの伝送機および複数の受信機を有し、前記ソナーアレイは、第1の長さを有し、前記少なくとも3つの伝送機のうちの第1の伝送機は、前記第1の長さに沿って第1の場所に配置され、前記少なくとも3つの伝送機のうちの第2の伝送機は、前記第1の長さに沿って第2の場所に配置され、前記少なくとも3つの伝送機のうちの第3の伝送機は、前記第1の長さに沿って第3の場所に配置され、前記移動の方向は、前記第3の伝送機から前記第1の伝送機に向かう方向に沿っており、
前記システムは、
前記第1の伝送機および前記第2の伝送機を使用して、第1のピングを生成することであって、前記第1のピングを生成することは、
前記第1の伝送機を使用して、第1の位置において第1の音響信号を生成することであって、前記第1の位置は、前記第1の長さの整数倍に前記第1の長さの第1の小部分が加算されたものである、ことと、
前記第2の伝送機を使用して、第2の位置において第2の音響信号を生成することであって、前記第2の位置は、前記第1の長さの整数倍に前記第1の長さの第2の小部分が加算されたものである、ことと
を含む、ことと、
前記第1の伝送機および前記第3の伝送機を使用して、第2のピングを生成することであって、前記第2のピングを生成することは、
前記第1の伝送機を使用して、第3の位置において第3の音響信号を生成することであって、前記第3の位置は、前記第1の長さの整数倍に前記第1の長さの前記第1の小部分が加算されたものである、ことと、
前記第3の伝送機を使用して、第4の位置において第4の音響信号を生成することであって、前記第4の位置は、前記第1の長さの整数倍に前記第1の長さの第3の小部分が加算されたものである、ことと
を含む、ことと、
前記第2の伝送機および前記第3の伝送機を使用して、第3のピングを生成することであって、前記第3のピングを生成することは、
前記第2の伝送機を使用して、第5の位置において第5の音響信号を生成することであって、前記第5の位置は、前記第1の長さの整数倍に前記第1の長さの前記第2の小部分が加算されたものである、ことと、
前記第3の伝送機を使用して、第6の位置において第6の音響信号を生成することであって、前記第6の位置は、前記第1の長さの整数倍に前記第1の長さの前記第3の小部分が加算されたものである、ことと
を含む、ことと
を行うようにさらに構成されており、
前記第1のピングが伝送され、それに続いて前記第2のピングが伝送され、それに続いて前記第1のピングおよび前記第2のピングの伝送後に、前記第3のピングが伝送され、
前記複数の受信機は、第1の軸に沿って配列されており、
前記第1の位置および前記第2の位置および前記第3の位置および前記第4の位置および前記第5の位置および前記第6の位置は、前記第1の軸に平行な第2の軸に沿ってこの順番で配列されており、
前記ソナーアレイが前記第1のピングと前記
第2のピングとの間を移動するためにかかる時間および前記ソナーアレイが前記第2のピングと前記第3のピングとの間を移動するためにかかる時間および前記ソナーアレイが前記第3のピングと前記第1のピングとの間を移動するためにかかる時間は、前記第1の長さが前記第1の速度によって除算されたものの半分に等しい、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/483,549号(2011年5月6日出願、名称「Systems and Methods for Synthetic Aperture Sonar」)の優先権および利益を主張し、その内容全体が参照することにより本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、合成開口ソナー(SAS)技術に関するシステムおよび方法に関する。より具体的には、種々の実施形態では、本開示は、高周波数ホログラフィックナビゲーションと、SASのための直交信号の使用と、複数の伝送機を用いた過剰ピング発射と、ホログラフィック同時局所化およびマッピング(SLAM)とを含む、合成開口ソナーまたはレーダのためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
ほとんどの陸上ベースのアプリケーションにおいて、ナビゲーンションはしばしば、GPS、無線標識、または先験的地図等の適所インフラストラクチャによって補助される。水中でのナビゲーションおよびマッピングは、とりわけ、広範囲水中GPの同等物が存在しないことと、海底の大部分が依然として未開であることとのために困難である。
【0004】
水中ナビゲーションのための現在の技法は、公的に入手可能な海底地形図を使用する。しかしながら、これらの地図は、比較的粗く、正確なナビゲーションには不適切である。他のソナーベースのナビゲーションシステムは、ソナーデータ自体を使用する配置スキームに依存する。例えば、オンザフライの音響特徴ベースのシステムは、自然発生的な目印を検出するためにソナーを使用しようとする。ナビゲーション問題の他の解決法は、未知の場所において低費用のトランスポンダを配備し、それにより、車両とトランスポンダ標識との間の範囲ベースの測定を可能にすることを含む。しかしながら、これらのトランスポンダはしばしば、相互から遠い距離にある場所において配備され、しばしば、範囲のみの情報により、部分的にのみ観察可能である。したがって、これらの技術は、小型車両経路を横断するナビゲーションには不適切である。
【0005】
近年の技術は、地形の事前地図に対する水中地形のナビゲーションを可能にする。そのような技術は、地形の画像を生成するために合成開口ソナーシステムを使用し、次いで、画像は、地形と関連付けられる事前画像に対して比較される。次いで、水中車両は、地図上のそれらの場所に対して地形上でナビゲートすることが可能であり得る。しかしながら、これらの技術は、消費される電力の量、システムのサイズおよび形状を含む、複数の欠陥に悩まされている。加えて、そのようなナビゲーションシステムの性能は、伝送機の周波数が増加し、波長が減少するにつれて劇的に減少する。
【0006】
したがって、特に水中用途のための改良型地図ベースのナビゲーションシステムの必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書において説明される本発明のデバイス、システム、および方法は、既存のナビゲーションシステムのこれらおよび他の欠陥に対処する。ソナー信号を生成し、以下で説明されるシステムおよび方法を使用する合成開口ソナーアレイを設計することによって、少なくとも画像生成およびナビゲーション能力において、有意な向上が達成され得る。
【0008】
上述のように、車両が地形の事前地図に対して地形をナビゲートすることを可能にするセンサを適切に装備した車両において、(陸上であろうと水中であろうと)地形をナビゲートできることが望ましくあり得る。とりわけ、サイドスキャンソナーおよび合成開口ソナー(SAS)を含む、いくつかのソナーベースの撮像およびマッピング技術が存在する。これらの技術では、地図または画像の質は、その角分解能に関係する。2つの標的をソナー画像内で分離することができる最小角度である、角分解能は、波長で測定されるアレイ長に比例する。より長いアレイまたは高い周波数(より小さい波長)が、より良い角周波数を与える。サイドスキャンソナーは、海底の異なる部分を網羅するために、受信機の固定長移動アレイを使用する。典型的なサイドスキャンソナーが、1つまたはいくつかのビームを生成し、ソナーを移動させ、反復パルスを使用することによって、画像が生成される。より長いアレイが、典型的には、車両上でより多くの電子機器、ハードウェア、および空間を必要とするので、サイドスキャンソナーシステムは、高周波数(必ずではないが、典型的には、100kHzよりも大きい)で動作する小型アレイを含む。しかしながら、海中の音の周波数依存性吸収は、高周波数サイドスキャンソナーの範囲に制限を加える。
【0009】
合成開口ソナー(SAS)撮像システムは、サイドスキャンソナーシステムの欠陥のうちのいくつかを克服することに成功した。SAS技術は、はるかに長いアレイを合成するために、小型の物理的アレイの前進移動を使用し、したがって、実際の物理的アレイよりもはるかに微細な進路に沿った分解能および高い信号対雑音比(SNR)をもたらす。したがって、SASは、サイドスキャンソナーシステムよりも低い周波数において、はるかに高い分解能を可能にする。実際に、サイドスキャンソナーよりも高い範囲を提供するために、ほとんどの現在のSAS技術は、低い周波数(100kHz未満)で動作する。増加した範囲に加えて、低い周波数がより高い相対帯域幅を可能にする。
【0010】
サイドスキャンおよびSAS技術の両方が、地図ベースのナビゲーションシステムに使用されてきた。サイドスキャンソナー画像は、ナビゲーション情報を提供し、機雷様物体を認識するために、テンプレート照合および空間制約を使用して、インコヒーレントに処理されてきた。近年、低周波数SAS画像のホログラフィック特性、すなわち、低周波数SAS画像が異なる見晴らしの利く地点から同一の標的を捕捉するという観察が、コヒーレント地形認識およびナビゲーションに活用されてきた。したがって、低周波数SASは、概して、高周波数サイドスキャンソナーよりも地図ベースのナビゲーションに良く適している。
【0011】
それにもかかわらず、低周波数SASのいくつかの不利点がある。より低い周波数は、移動SASプラットフォームの場合、誤差および角度変動を導入し得る、より長い開口を要求する。さらに、低周波数システムは、より大型の電子機器およびより多くの電力、より小型の自律水中車両(AUV)または無人空中車両(UAV)上で利用可能ではない場合がある高級品を必要とする。同様に、低周波数プロジェクタはしばしば、それらの高周波数の同等物よりも重く、小型軽量システム上でのそれらの使用を妨げる。
【0012】
現在の地図ベースのナビゲーション技術は、減衰増加および性能不良により、ナビゲーションのための高周波数SAS(約100kHzより大きい)の使用を阻止し、ひいては、陰影、閉塞、および複雑な3D緩和変化の影響に起因すると考えられた。これらの影響は、音声信号のシグネチャを変化させ、したがって、垂直方位の変化がピッチの変化にマップするという仮定を無効にすると考えられた。
【0013】
しかしながら、出願者らは近年、この仮定が完全に正しいわけではなく、従来のホログラフィックナビゲーション技法が、空間的に変動する位相誤差(例えば、範囲変動位相誤差)により、より高い周波数において機能しなくなり得ることを認識している。出願者らはまた、従来のホログラフィックナビゲーション技法が、荒海または空間的に変動する音速等の困難な海洋条件で起こるこれらの種類の誤差により、より低い周波数において機能しなくなり得ることも認識している。本明細書において説明されるシステムおよび方法は、上記で説明される制限を克服し、高周波数(約100kHz以上)ソナー撮像ならびにコヒーレント地形認識およびナビゲーションを提供する。本明細書において説明されるシステムおよび方法はまた、低周波数(約100kHz未満)ソナー撮像ならびにコヒーレント地形認識およびナビゲーションも提供する。
【0014】
特に、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、実開口ソナー画像またはSAS画像を、少なくとも部分的に重複する周波数を有する事前SAS地図とコヒーレントに相関させるための技法を含む。本システムおよび方法はまた、SAS画像を、少なくとも部分的に重複する周波数を有する事前実開口地図とコヒーレントに相関させるための技法も含む。概して、これらの技法は、画像と事前地図との間の垂直方位の差異を補償し、それにより、コヒーレント相関を可能にする。また、これらの技法は、範囲変動位相誤差を補正し、したがって、はるかに高い周波数において動作を可能にすることができる。これらのシステムおよび方法は、地形認識、ナビゲーション、および位置推定に使用されてもよい。さらに、高い精度で地図上の位置の場所を特定する本明細書において説明されるシステムおよび方法の能力を考慮すると、岩等の障害物を回避するように、標識およびセンサが慎重に設置されてもよく、または科学計器が海底に正確に設置されてもよい。
【0015】
本明細書において説明されるシステムおよび方法はまた、種々の側面で、SASのための直交信号の使用、複数の伝送機を用いた過剰ピング発射、ならびにホログラフィック同時局所化およびマッピング(SLAM)も含む。
【0016】
より具体的には、一側面では、上記で説明されるシステムおよび方法は、水中地形を横断する水中車両のナビゲーション位置を決定するための方法を含む。本方法は、水中車両によって横断されている水中地形の一部分の高周波数合成開口画像を含む、地図であって、水中地形の一部分の合成開口ソナー(SAS)撮像から取得される、第1の高周波数範囲内の音響データを含む地図を受信するステップを含んでもよい。本方法はさらに、第1の位置値を予測するステップであって、第1の位置値は、水中地形の地図上で水中車両の場所を表す、ステップと、第2の高周波数範囲内の音響信号を用いて水中地形の一部分に高周波の音波を当てることによって、水中地形の一部分の実開口画像を生成するステップとを含んでもよい。第2の高周波数範囲は、第1の高周波数範囲と少なくとも部分的に重複してもよい。本方法は、グレージング角不変の実開口画像を生成するようにグレージング角誤差を補償し、グレージング角不変の実開口画像内の位相誤差を補正することによって、実開口画像を修正するステップを含んでもよい。本方法は、修正された実開口画像を地図とコヒーレントに相関させるステップと、コヒーレント相関に基づいて第1の位置値を更新するステップとをさらに含んでもよい。ある実施形態では、地図は、グレージング角不変地図を生成するようにグレージング角誤差を補償することによって修正される。
【0017】
ある実施形態では、第1および第2の高周波数範囲は、100kHzよりも大きい最小周波数を含む。第2の高周波数範囲は、第1の高周波数範囲のサブセットであってもよい。第1の高周波数範囲と第2の高周波数範囲との間の重複は、グレージング角補償実像の周波数範囲が、グレージング角誤差を補償するように修正されたとき、地図の周波数範囲と少なくとも部分的に重複し得るように、潜在し得る。
【0018】
ある実施形態では、実開口画像を生成するステップは、複数の実開口画像を含み、複数
の実開口画像の各々は、水中地形の一部分のサブセットを表す。そのような実施形態では、複数の実開口画像の各々の中の位相誤差は、実質的に一定である。位相誤差を補正するステップは、画像を複数の下位領域に分割するステップであって、各下位領域は、実質的に一定の範囲変動位相誤差を有する、ステップと、各下位領域の範囲変動位相誤差を推定するステップと、対応する位相誤差について画像の各下位領域を補正することによって、画像を修正するステップとを含んでもよい。
【0019】
ある実施形態では、実開口画像を修正するステップは、範囲変動位相誤差を推定し、推定された範囲変動位相誤差に基づいて第1の補正を適用するステップを含む。そのような実施形態では、範囲変動位相誤差を推定するステップは、位相値をアンラップするステップ、最小二乗適合を適用するステップ、および高速フーリエ変換を適用するステップのうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
本方法はさらに、第1の位置を予測するステップ、実開口画像を生成するステップ、実開口画像を修正するステップ、実開口画像をコヒーレントに相関させるステップ、および第1の位置を更新するステップを繰り返すステップを含んでもよく、第1の位置は、以前の繰り返しからの更新された第1の位置を含む。
【0021】
本方法は、更新された第1の位置に基づいて、水中車両の航行方向を決定するステップをさらに含んでもよい。概して、第1の位置値は、全地球測位システム(GPS)推定、慣性誘導システム、コンパス、および加速度計のうちの少なくとも1つを使用して計算されてもよい。水中車両は、自律水中車両(AUV)を含んでもよく、水中地形は、海底の少なくとも一部分を含んでもよい。
【0022】
別の側面では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、水中地形においてナビゲートするためのシステムを含んでもよい。本システムは、水中車両によって横断されている水中地形の一部分の高周波数合成開口画像を含む、地図であって、水中地形の一部分の合成開口ソナー(SAS)撮像から取得される、第1の高周波数範囲内の音響データを含む地図を受信するための地図記憶装置を含んでもよい。本システムはまた、第2の高周波数範囲内の音響信号を用いて水中地形の一部分に高周波の音波を当てることによって、水中地形の一部分の実開口画像を生成するためのトランスデューサアレイを含んでもよく、第2の高周波数範囲は、第1の高周波数範囲と少なくとも部分的に重複する。ある実施形態では、本システムは、グレージング角誤差を補償し、グレージング角不変画像を生成することによって、実開口画像を修正するためのグレージング角補償器と、位相誤差を補正するようにグレージング角不変画像を修正するための位相誤差補正器と、修正された実開口画像を地図とコヒーレントに相関させるための信号相関器とを含んでもよい。本システムはまた、第1の位置値を予測するステップであって、第1の位置値は、水中地形の地図上で水中車両の場所を表す、ステップと、コヒーレント相関に基づいて第1の位置値を更新するステップとのための中央制御ユニットを含んでもよい。
【0023】
別の側面では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、水中地形を横断する水中車両のナビゲーション位置を決定するための方法を含む。本方法は、水中車両によって横断されている水中地形の一部分の合成開口画像を含む、地図を受信するステップを含んでもよい。地図は、水中地形の一部分の合成開口ソナー(SAS)撮像から取得される、第1の周波数範囲内の音響データを含む。本方法は、第1の位置値を予測するステップをさらに含んでもよい。第1の位置値は、水中地形の地図上で水中車両の場所を表してもよい。本方法は、第2の周波数範囲内の音響信号を用いて水中地形の一部分に高周波の音波を当てることによって、水中地形の一部分の合成開口画像を生成するステップを含んでもよい。第2の周波数範囲は、第1の周波数範囲と少なくとも部分的に重複してもよい。ある実施形態では、本方法は、グレージング角不変の合成開口画像を生成するようにグレージング角誤差を補償し、グレージング角不変の合成開口画像内の位相誤差を補正することによって、合成開口画像を修正するステップと、修正された合成開口画像を地図とコヒーレントに相関させるステップと、コヒーレント相関に基づいて第1の位置値を更新するステップとを含む。
【0024】
さらに別の側面では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、水中地形を横断する水中車両のナビゲーション位置を決定するための方法を含む。本方法は、水中車両によって横断されている水中地形の一部分の合成開口画像を含む、地図を受信するステップを含んでもよい。地図は、水中地形の一部分の合成開口ソナー(SAS)撮像から取得される、第1の周波数範囲内の音響データを含んでもよい。本方法は、第1の位置値を予測するステップであって、第1の位置値は、水中地形の地図上で水中車両の場所を表す、ステップと、第2の周波数範囲内の音響信号を用いて水中地形の一部分に高周波の音波を当てることによって、水中地形の一部分の実開口画像を生成するステップであって、第2の周波数範囲は、第1の周波数範囲と少なくとも部分的に重複する、ステップとを含む。ある実施形態では、本方法は、グレージング角不変の実開口画像を生成するようにグレージング角誤差を補償し、グレージング角不変の実開口画像内の位相誤差を補正することによって、実開口画像を修正するステップと、修正された実開口画像を地図とコヒーレントに相関させるステップと、コヒーレント相関に基づいて第1の位置値を更新するステップとを含む。ある実施形態では、第1の周波数範囲および第2の周波数範囲の少なくとも1つは、約1kHz~100kHzである。第1の周波数範囲および第2の周波数範囲は、約80kHz未満であり得る。
【0025】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、ソナーおよびレーダシステムの両方のために所望に応じて適合されてもよい。例えば、ソナートランスデューサが、好適なレーダトランスデューサと置換されてもよく、1つ以上の構成要素が、ソナーおよびレーダ体制で動作するように、修正され、本明細書において説明されるシステムに追加され、またはそこから除去されてもよい。いくつかの実施形態では、本システムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、ソナーおよびレーダデバイスの両方として動作するように構成されてもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がソナー撮像のために構成されるとき、周波数は、100kHzから約200kHzの範囲内であってもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がレーダ撮像のために構成されるとき、周波数は、1GHzから約30GHzの範囲内であってもよい。概して、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の周波数範囲に適用されてもよい。
【0026】
ある側面では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、合成開口ソナー画像を生成するための方法を含む。本方法は、第1の軸に沿って配列される、少なくとも1つの伝送機要素および複数の受信機要素を有する合成開口ソナー(SAS)アレイを提供するステップを含んでもよい。伝送機要素および受信機要素の各々は、第1の幅を有してもよく、伝送機要素は、複数の直交音響信号を有する第1の組の信号を生成するように構成されてもよい。本方法は、移動中の伝送機要素と受信機要素との間の有効距離を表す、SASアレイの有効間隔を計算するステップと、同時に、第1の軸に沿ってSASアレイを移動させ、伝送機要素を使用して、第1の組の信号から第1の音響信号を生成するステップと、有効間隔が第1の組の信号の中の音響信号の数によって除算されたものとして閾値距離を計算するステップとを含んでもよい。ある実施形態では、SASアレイが閾値距離を移動したという決定に応答して、本方法は、伝送機要素を使用して、第1の組の信号から第2の音響信号を生成するステップを含んでもよく、第2の音響信号は、第1の音響信号に直交している。有効間隔は、第1の幅の約半分であってもよい。
【0027】
ある実施形態では、第1の組の信号の中の1つ以上の音響信号は、100kHzよりも大きい周波数を有する。第1の組の信号の中の1つ以上の音響信号は、約100Hzから約100kHzの範囲における周波数を有してもよい。
【0028】
SASアレイは、固定速度で移動させられてもよく、SASアレイが閾値距離を移動したか否かの決定は、時間遅延に基づく。ある実施形態では、第1の期間中に、SASアレイは、第1の音響信号のみを伝送し、第2の期間中に、SASアレイは、第1の音響信号および第2の音響信号の両方を伝送し、第3の期間中に、SASアレイは、第2の音響信号のみを伝送する。
【0029】
ある実施形態では、第1の音響信号の持続時間は、第2の音響信号の持続時間に実質的に類似する。第1の組の信号の中の1つ以上の信号は、海中測定のために生成される短パルス音を含んでもよい。
【0030】
SASアレイは、水中地形を撮像するための水中車両または水面車両のうちの少なくとも1つに設置されてもよい。SASアレイは、陸上地形を撮像するための空中車両または陸上車両のうちの少なくとも1つに設置されてもよい。
【0031】
別の側面では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、合成開口ソナー(SAS)画像を生成するための方法を含む。本方法は、第1の軸に沿って配列される、少なくとも1つの伝送機要素および複数の受信機要素を有する、合成開口ソナー(SAS)アレイを提供するステップを含んでもよく、伝送機要素および受信機要素の各々は、第1の幅を有する。本方法は、同時に、第1の軸に沿ってソナーアレイを移動させ、伝送機要素を使用して、第1の持続時間を有する間隔で第1の組の音響信号、および第2の持続時間を有する間隔で第2の組の音響信号を生成するステップをさらに含んでもよい。ある実施形態では、ソナーアレイは、移動中の伝送機要素と受信機要素との間の有効距離を表す、第1の有効間隔を含む。第1の組の音響信号は、第2の組の音響信号に対して直角であり得、第1の持続時間および第2の持続時間は、第1の有効間隔が第1の幅の2分の1未満であるように選択されてもよい。
【0032】
ある実施形態では、第1の持続時間および第2の持続時間は、第1の有効間隔が第1の幅の約4分の1であるように選択される。本方法は、第1の数の音響信号を生成するステップをさらに含んでもよく、第1の持続時間および第2の持続時間は、第1の幅が、第1の有効間隔が第1の数の音響信号によって除算されたものの約2分の1であるように、選択される。
【0033】
さらに別の側面では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、合成開口ソナー(SAS)画像を生成するためのシステムを含む。本システムは、第1の軸に沿って配列される、少なくとも1つの伝送機要素および複数の受信機要素を有する、合成開口ソナー(SAS)を含んでもよく、伝送機要素および受信機要素の各々は、第1の幅を有し、伝送機要素は、複数の直交音響信号を有する第1の組の信号を生成するように構成される。本システムはまた、移動中の伝送機要素と受信機要素との間の有効距離を表す、SASアレイの有効間隔を計算するステップと、同時に、第1の軸に沿ってSASアレイを移動させ、伝送機要素を使用して、第1の組の信号から第1の音響信号を生成するステップと、有効間隔が第1の組の信号の中の音響信号の数によって除算されたものとして、閾値距離を計算するステップとのために構成される、プロセッサを含んでもよい。ある実施形態では、SASアレイが閾値距離を移動したという決定に応答して、プロセッサは、伝送機要素を使用して、第1の組の信号から第2の音響信号を生成するために構成されてもよく、第2の音響信号は、第1の音響信号に直交している。
【0034】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、ソナーおよびレーダシステムの両方のために所望に応じて適合されてもよい。例えば、ソナートランスデューサが、好適なレーダトランスデューサと置換されてもよく、1つ以上の構成要素が、ソナーおよびレーダ体制で動作するように、修正され、本明細書において説明されるシステムに追加され、またはそこから除去されてもよい。いくつかの実施形態では、本システムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、ソナーおよびレーダデバイスの両方として動作するように構成されてもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がソナー撮像のために構成されるとき、周波数は、10kHzから約200kHzの範囲内の高周波数および低周波数両方の範囲内であってもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がレーダ撮像のために構成されるとき、周波数は、100MHzから約30GHzの範囲内であってもよい。概して、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の周波数範囲に適用されてもよい。
【0035】
ある側面では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、合成開口ソナー(SAS)信号を生成するための方法を含む。本方法は、第1の軸に沿って配列される複数の受信機要素を備え、第1の端部および第2の端部を含む、受信機アレイを有する、ソナーアレイを提供するステップを含んでもよい。ソナーアレイは、第1の伝送機要素と、第2の伝送機要素とを含んでもよい。第1の伝送機要素、第2の伝送機要素、および複数の受信機要素は各々、第1の幅を有してもよい。本方法は、第2の伝送機要素を使用して、第1の位置で第1の音響信号を生成するステップと、受信機アレイの第1の端部から第2の端部までの方向で、第1の軸に沿ってソナーアレイを第2の位置まで移動させるステップとを含んでもよい。第2の位置は、第1の位置から第1の幅の約2分の1の距離にあってもよい。本方法は、第2の音響信号が第1の音響信号に直交しているように、第1の伝送機要素を使用して、第2の位置で第2の音響信号を生成するステップを含んでもよい。
【0036】
ある実施形態では、ソナーアレイは、ソナーアレイの長さが、車両の長さよりも小さいように車両に搭載され、第2の位置は、車両の長さ未満だけ第1の位置からの第1の幅の2分の1からオフセットされる。他の実施形態では、ソナーアレイは、ソナーアレイの長さが車両の長さよりも大きいように、車両によってけん引され、第2の位置は、ソナーアレイの長さ未満だけ、第1の位置からの第1の幅の2分の1からオフセットされる。概して、第2の位置は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の好適な場所に位置してもよい。
【0037】
ソナーアレイはさらに、付加的な伝送機を備えてもよく、本方法は、第3の位置で第3の音響信号を生成するステップをさらに含んでもよい。ある実施形態では、第1の伝送機要素は、受信機アレイの第1の端部に近接して設置され、第2の伝送機要素は、受信機アレイの第2の端部に近接して設置される。
【0038】
ある実施形態では、第1および第2の音響信号のうちの少なくとも1つは、約100Hzから約100kHzの範囲における周波数を有する。第1および第2の音響信号のうちの少なくとも1つは、約100kHzよりも大きい範囲における周波数を有してもよい。
【0039】
ソナーアレイは、水中地形を撮像するための水中車両または水面車両のうちの少なくとも1つに設置されてもよい。ある実施形態では、ソナーアレイは、陸上地形を撮像するための空中車両または陸上車両のうちの少なくとも1つに設置されてもよい。
【0040】
別の側面では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、合成開口ソナー(SAS)信号を生成するためのシステムを含む。本システムは、第1の軸に沿って配列される複数の受信機要素を備え、第1の端部および第2の端部を含む、受信機アレイと、受信機アレイの第1の端部に近接して設置される、第1の伝送機要素と、受信機アレイの第2の端部に近接して設置される、第2の伝送機要素とを有する、ソナーアレイを含んでもよい。第1の伝送機要素、第2の伝送機要素、および複数の受信機要素は各々、第1の幅を有してもよい。本システムは、第2の伝送機要素を使用して、第1の位置で第1の音響信号を生成するステップと、受信機アレイの第1の端部から第2の端部までの方向で、第1の軸に沿ってソナーアレイを第2の位置まで移動させるステップであって、第2の位置は、第1の位置から第1の幅の約2分の1の距離にある、ステップと、第1の伝送機要素を使用して、第2の位置で第2の音響信号を生成するステップとのためのプロセッサを含んでもよい。第2の音響信号は、第1の音響信号に対して直角であり得る。ある実施形態では、1つ以上の伝送機は、1つ以上の付加的な音響信号を生成するためのものである。
【0041】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、ソナーおよびレーダシステムの両方のために、したがって、合成開口ソナー(SAS)および合成開口レーダ(SAR)システムの両方のために、所望に応じて適合されてもよい。例えば、ソナートランスデューサが、好適なレーダトランスデューサと置換されてもよく、1つ以上の構成要素が、ソナーおよびレーダ体制で動作するように、修正され、本明細書において説明されるシステムに追加され、またはそこから除去されてもよい。いくつかの実施形態では、本システムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、ソナーおよびレーダデバイスの両方として動作するように構成されてもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がソナー撮像のために構成されるとき、周波数は、10kHzから約200kHzの範囲内の高周波数および低周波数両方の範囲内であってもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がレーダ撮像のために構成されるとき、周波数は、100MHzから約30GHzの範囲内であってもよい。概して、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の周波数範囲に適用されてもよい。
【0042】
ある側面では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、地形を横断する車両のナビゲーション位置を決定するための方法を含む。本方法は、車両によって横断されている地形の一部分の第1の実開口画像を受信するステップを含んでもよい。実開口画像は、地形の一部分の事前撮像から取得される、第1の周波数範囲内の音響データを含んでもよい。本方法は、第1の実開口画像が取得された位置を表す、第1の位置推定値を受信するステップと、車両の現在の位置の予備推定値を表す、第2の位置推定値を受信するステップと、第1の位置推定値および第2の位置推定値を接続する、相関軸を決定するステップとを含む。本方法は、第2の実開口画像を第1の実開口画像とコヒーレントに相関させるステップと、コヒーレント相関に基づいて第2の位置推定値を更新するステップとをさらに含んでもよい。第2の実開口画像を生成するステップは、反射音響信号を受信し、相関軸に沿って反射音響信号を進めるステップを含んでもよい。
【0043】
ある実施形態では、第1の位置推定値は、全地球測位システム(GPS)推定、慣性誘導システム、コンパス、および加速度計のうちの少なくとも1つを使用して計算される。第1の実開口画像は、第1の位置で第1の車両によって生成されてもよく、第2の実開口画像は、第2の位置で第1の車両によって生成されてもよい。代替として、第1の実開口画像は、第1の位置で第1の車両によって生成されてもよく、第2の実開口画像は、第2の位置で第2の車両によって生成されてもよい。
【0044】
ある実施形態では、第1および第2の周波数範囲は、100kHzよりも大きい最小周波数を含む。概して、第1および第2の周波数範囲は、約100Hzから約100kHzであってもよい。
【0045】
ある実施形態では、地形は、水中地形を含んでもよい。車両は、水中地形を横断するための水中車両または水面車両のうちの少なくとも1つを含んでもよい。車両は、陸上または地球外地形を横断するための空中車両または陸上車両のうちの少なくとも1つを含む。代替として、車両は、屋内地形を横断するためのロボット車両を含んでもよい。
【0046】
別の側面では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、地形を横断する車両のナビゲーション位置を決定するためのシステムを含む。本システムは、車両によって横断されている地形の一部分の第1の実開口画像であって、地形の一部分の事前撮像から取得される、第1の周波数範囲内の音響データを含む実開口画像を受信するための地図記憶装置を含んでもよい。本システムは、相関軸に沿って方向付けられる第2の周波数範囲内の音響信号を用いて地形の一部分に高周波の音波を当てることによって、地形の一部分の第2の実開口画像を生成するためのトランスデューサアレイを含んでもよい。第2の周波数範囲は、第1の周波数範囲と少なくとも部分的に重複してもよい。本システムは、第2の実開口画像を第1の実開口画像とコヒーレントに相関させるための信号相関器と、第1の実開口画像が取得された位置を表す第1の位置推定値を受信し、車両の現在の位置の予備推定値を表す第2の位置推定値を受信するための中央制御ユニットをさらに含んでもよい。中央制御ユニットは、第1の位置推定値と第2の位置推定値とを接続する相関軸を決定し、コヒーレント相関に基づいて第2の位置推定値を更新するために構成されてもよい。
【0047】
別の側面では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、地形を横断する車両のナビゲーション位置を決定するための方法を含む。本方法は、車両によって横断されている地形の一部分のソナー画像であって、地形の一部分の事前撮像から取得される、第1の周波数範囲内の音響データを含むソナー画像を受信するステップを含んでもよい。本方法は、第1のソナー画像が取得された位置を表す第1の位置推定値を受信するステップと、車両の現在の位置の予備推定値を表す第2の位置推定値を受信するステップと、第1の位置推定値と第2の位置推定値とを接続する相関軸を決定するステップとをさらに含んでもよい。本方法は、相関軸に沿って方向付けられる第2の周波数範囲内の音響信号を用いて地形の一部分に高周波の音波を当てることによって、地形の一部分の合成開口画像を生成するステップを含んでもよく、第2の周波数範囲は、第1の周波数範囲と少なくとも部分的に重複する。本方法は、合成開口画像をソナー画像とコヒーレントに相関させるステップと、コヒーレント相関に基づいて第2の位置推定値を更新するステップとを含んでもよい。ある実施形態では、方法は、第2の位置に対応する第2の音速推定値を受信し、コヒーレント相関に基づいて第2の音速推定値を更新するステップを含む。
【0048】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、ソナーおよびレーダシステムの両方のために、したがって、合成開口ソナー(SAS)および合成開口レーダ(SAR)システムの両方のために、所望に応じて適合されてもよい。例えば、ソナートランスデューサが、好適なレーダトランスデューサと置換されてもよく、1つ以上の構成要素が、ソナーおよびレーダ体制で動作するように、修正され、本明細書において説明されるシステムに追加され、またはそこから除去されてもよい。いくつかの実施形態では、本システムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、ソナーおよびレーダデバイスの両方として動作するように構成されてもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がソナー撮像のために構成されるとき、周波数は、10kHzから約200kHzの範囲内の高周波数および低周波数両方の範囲内であってもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がレーダ撮像のために構成されるとき、周波数は、100MHzから約30GHzの範囲内であってもよい。概して、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の周波数範囲に適用されてもよい。
【0049】
ある側面では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、水中地形を調査するためのシステムを含む。本システムは、1つ以上の車両に搭載された第1の数の複数の音響伝送機要素と、1つ以上の車両に搭載された第2の数の複数の音響受信機要素とを含んでもよい。車両の各々は、水中地形の一部分の合成開口画像を有する、プロセッサを含んでもよい。合成開口画像は、水中地形の一部分の事前合成開口ソナー撮像から取得される音響データを含んでもよい。ある実施形態では、複数の車両は、第3の数の位相中心を有する、平面合成開口ソナーアレイを形成するように配列される。そのような実施形態では、第3の数の位相中心は、第2の数を乗算した第1の数に等しい。そのようなシステムの中の伝送機は、直交音響信号を生成するように構成されてもよい。
【0050】
ある実施形態では、車両は、水中車両および/または水面車両を含む。1つ以上の車両は、水中地形の一部分の事前合成開口画像に対するマッピングに基づいて配置されてもよい。
【0051】
伝送機要素および受信機要素は、約1Hzから約10kHzの範囲における周波数において動作してもよい。ある実施形態では、伝送機要素および受信機要素は、約10kHzよりも大きい範囲における周波数において動作する。ある実施形態では、伝送機要素および受信機要素は、約10Hzから約1kHzの範囲における周波数において動作する。
【0052】
プロセッサは、水中表面の性質のうちの少なくとも1つを決定するためにさらに構成されてもよい。水中表面は、海底、水面下炭化水素鉱床、および水面下マグマ溜りのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0053】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、ソナーおよびレーダシステムの両方のために、したがって、合成開口ソナー(SAS)および合成開口レーダ(SAR)システムの両方のために、所望に応じて適合されてもよい。例えば、ソナートランスデューサが、好適なレーダトランスデューサと置換されてもよく、1つ以上の構成要素が、ソナーおよびレーダ体制で動作するように修正され、本明細書において説明されるシステムに追加され、またはそこから除去されてもよい。いくつかの実施形態では、本システムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、ソナーおよびレーダデバイスの両方として動作するように構成されてもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がソナー撮像のために構成されるとき、周波数は、10Hzから約1kHzまでの範囲内の高周波数および低周波数両方の範囲内であってもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がレーダ撮像のために構成されるとき、周波数は、1MHzから約100MHzまでの範囲内であってもよい。概して、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の周波数範囲に適用されてもよい。
【0054】
ある側面では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、合成開口ソナー(SAS)信号を生成するための方法を含む。本方法は、第1の速度でソナーアレイを移動させるステップを含んでもよく、ソナーアレイは、少なくとも3つの伝送機および複数の受信機を有し、アレイは、第1の長さを有し、第1の伝送機は、第1の長さに沿って長さの第1の小部分に配置され、第2の伝送機は、第1の長さに沿って長さの第2の小部分に配置され、第3の伝送機は、第1の長さに沿って長さの第3の小部分に配置され、移動の方向は、第3の伝送機から第1の伝送機に向かった方向に沿っている。本方法は、第1および第2の伝送機を使用して、第1のピングを生成するステップと、第1および第3の伝送機を使用して、第2のピングを生成するステップと、第2および第3の伝送機を使用して、第3のピングを生成するステップとをさらに含んでもよい。ある実施形態では、ソナーアレイが、第1および第2のピングの間、および第2および第3のピングの間、および第3および第1のピングの間で移動するためにかかる時間は、第1の長さが第1の速度によって除算されたものの半分に等しい。ある実施形態では、複数の伝送機は、4つ以上の伝送機を含む。
【0055】
ある実施形態では、第1のピングを生成するステップは、第1の伝送機を使用して、第1の位置であって、第1の長さに第1の小部分が加算されたものの整数倍数である第1の位置で、第1の音響信号を生成するステップと、第2の伝送機を使用して、第2の位置で第2の音響信号を生成するステップであって、第2の位置は、第1の長さに第2の小部分が加算されたものの整数倍数である、ステップとを含む。ある実施形態では、第2のピングを生成するステップは、第1の伝送機を使用して、第3の位置であって、第1の長さに第1の小部分が加算されたものの整数倍数である、第3の位置で、第3の音響信号を生成するステップと、第3の伝送機を使用して、第4の位置で第4の音響信号を生成するステップであって、第4の位置は、第1の長さに第3の小部分が加算されたものの整数倍数である、ステップとを含む。ある実施形態では、第3のピングを生成するステップは、第2の伝送機を使用して、第5の位置で第5の音響信号を生成するステップであって、第5の位置は、第1の長さに第2の小部分が加算されたものの整数倍数である、ステップと、第3の伝送機を使用して、第6の位置で第6の音響信号を生成するステップであって、第6の位置は、第1の長さに第3の小部分が加算されたものの整数倍数である、ステップとを含む。
【0056】
第1、第2、および第3のピングのうちの少なくとも1つは、約1kHzから約100kHzの範囲における周波数を有してもよい。ある実施形態では、第1、第2、および第3のピングのうちの少なくとも1つは、約100kHzよりも大きい範囲における周波数を有する。概して、ソナーアレイは、水中地形を撮像するための水中車両または水面車両のうちの少なくとも1つに設置されてもよい。ソナーアレイはまた、陸上地形を撮像するための空中車両または陸上車両のうちの少なくとも1つに設置されてもよい。
【0057】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、ソナーおよびレーダシステムの両方のために、したがって、合成開口ソナー(SAS)および合成開口レーダ(SAR)システムの両方のために、所望に応じて適合されてもよい。例えば、ソナートランスデューサが、好適なレーダトランスデューサと置換されてもよく、1つ以上の構成要素が、ソナーおよびレーダ体制で動作するように、修正され、本明細書において説明されるシステムに追加され、またはそこから除去されてもよい。いくつかの実施形態では、本システムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、ソナーおよびレーダデバイスの両方として動作するように構成されてもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がソナー撮像のために構成されるとき、周波数は、10kHzから約200kHzの範囲内の高周波数および低周波数両方の範囲内であってもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がレーダ撮像のために構成されるとき、周波数は、100MHzから約30GHzの範囲内であってもよい。概して、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の周波数範囲に適用されてもよい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
水中地形を横断する水中車両のナビゲーション位置を決定するための方法であって、該方法は、
水中車両によって横断されている水中地形の一部分についての高周波数合成開口画像を含む地図を受信することであって、該地図は、第1の高周波数範囲内の音響データを含み、該音響データは、該水中地形の一部分についての合成開口ソナー(SAS)撮像から取得される、受信することと、
第1の位置値を予測することであって、該第1の位置値は、該水中地形についての該地図における該水中車両の場所を表す、予測することと、
第2の高周波数範囲内の音響信号を用いて該水中地形の一部分に高周波の音波を当てることによって、該水中地形の一部分についての実開口画像を生成することであって、該第2の高周波数範囲は、該第1の高周波数範囲と少なくとも部分的に重複する、生成することと、
グレージング角不変の実開口画像を生成するようにグレージング角誤差を補償すること、および該グレージング角不変の実開口画像の中の位相誤差を補正することによって、該実開口画像を修正することと、
該修正された実開口画像を該地図とコヒーレントに相関させることと、
該コヒーレント相関に基づいて該第1の位置値を更新することと
を含む、方法。
(項目2)
上記第1および第2の高周波数範囲は、100kHzよりも大きい最小周波数を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記第2の高周波数範囲は、上記第1の高周波数範囲のサブセットである、項目1に記載の方法。
(項目4)
上記第1の高周波数範囲と上記第2の高周波数範囲との間の上記重複は、上記グレージング角補償実画像の周波数範囲がグレージング角誤差を補償するように修正されたときに、該地図の周波数範囲と少なくとも部分的に重複するように潜在している、項目1に記載の方法。
(項目5)
実開口画像を生成することは、複数の実開口画像を含み、該複数の実開口画像の各々は、上記水中地形の一部分のサブセットを表す、項目1に記載の方法。
(項目6)
上記複数の実開口画像の各々の中の上記位相誤差は、実質的に一定である、項目5に記載の方法。
(項目7)
位相誤差を補正することは、
上記画像を複数の下位領域に分割することであって、各下位領域は、実質的に一定の範囲変動位相誤差を有する、分割することと、
各下位領域に対する該範囲変動位相誤差を推定することと、
該画像の各下位領域を該対応する位相誤差に対して補正することによって、該画像を修正することと
を含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
上記実開口画像を修正することは、範囲変動位相誤差を推定することと、該推定された範囲変動位相誤差に基づいて第1の補正を適用することとを含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
上記範囲変動位相誤差を推定することは、位相値をアンラップすること、最小二乗適合を適用すること、および高速フーリエ変換を適用することのうちの少なくとも1つを含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
上記更新された第1の位置に基づいて、上記水中車両の航行方向を決定することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
上記第1の位置を予測するステップ、上記実開口画像を生成するステップ、該実開口画像を修正するステップ、該実開口画像をコヒーレントに相関させるステップ、および該第1の位置を更新するステップを繰り返すことをさらに含み、該第1の位置は、以前の繰り返しからの該更新された第1の位置を含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
上記第1の位置値は、全地球測位システム(GPS)推定、慣性誘導システム、コンパス、および加速度計のうちの少なくとも1つを使用して計算される、項目1に記載の方法。
(項目13)
上記地図は、グレージング角不変の地図を生成するようにグレージング角誤差を補償することによって修正される、項目1に記載の方法。
(項目14)
上記水中車両は、自律水中車両(AUV)を含む、項目1に記載の方法。
(項目15)
上記水中地形は、海底の少なくとも一部分を含む、項目1に記載の方法。
(項目16)
水中地形においてナビゲートするためのシステムであって、該システムは、
水中車両によって横断されている水中地形の一部分についての高周波数合成開口画像を含む地図を受信するための地図記憶装置であって、該地図は、第1の高周波数範囲内の音響データを含み、該音響データは、該水中地形の一部分の合成開口ソナー(SAS)撮像から取得される、地図記憶装置と、
該水中地形の一部分についての実開口画像を生成するためのトランスデューサアレイであって、該生成することは、第2の高周波数範囲内の音響信号を用いて該水中地形の一部分に高周波の音波を当てることによって行われ、該第2の高周波数範囲は、該第1の高周波数範囲と少なくとも部分的に重複する、トランスデューサアレイと、
グレージング角誤差を補償すること、およびグレージング角不変の画像を生成することによって該実開口画像を修正するためのグレージング角補償器と、
位相誤差を補正するように該グレージング角不変の画像を修正するための位相誤差補正器と、
該修正された実開口画像を該地図とコヒーレントに相関させるための信号相関器と、
中央制御ユニットであって、該中央制御ユニットは、
第1の位置値を予測することであって、該第1の位置値は、該水中地形の該地図における該水中車両の場所を表す、ことと、
該コヒーレント相関に基づいて該第1の位置値を更新することと
を行うためのものである、中央制御ユニットと
を備える、システム。
(項目17)
水中地形を横断する水中車両のナビゲーション位置を決定するための方法であって、該方法は、
水中車両によって横断されている水中地形の一部分の合成開口画像を含む地図を受信することであって、該地図は、第1の高周波数範囲内の音響データを含み、該音響データは、該水中地形の一部分の合成開口ソナー(SAS)撮像から取得される、ことと、
第1の位置値を予測することであって、該第1の位置値は、該水中地形の該地図における該水中車両の場所を表す、ことと、
該水中地形の一部分の合成開口画像を生成することであって、該生成することは、第2の周波数範囲内の音響信号を用いて高周波の音波を該水中地形の一部分に当てることによって行われ、該第2の周波数範囲は、該第1の周波数範囲と少なくとも部分的に重複する、生成することと、
グレージング角不変の合成開口画像を生成するようにグレージング角誤差を補償すること、および該グレージング角不変の合成開口画像の中の位相誤差を補正することとによって、該合成開口画像を修正することと、
該修正された合成開口画像を該地図とコヒーレントに相関させることと、
該コヒーレント相関に基づいて該第1の位置値を更新することと
を含む、方法。
(項目18)
水中地形を横断する水中車両のナビゲーション位置を決定するための方法であって、該方法は、
水中車両によって横断されている水中地形の一部分についての合成開口画像を含む地図を受信することであって、該地図は、第1の高周波数範囲内の音響データを含み、該音響データは、該水中地形の一部分の合成開口ソナー(SAS)撮像から取得される、ことと、
第1の位置値を予測することであって、該第1の位置値は、該水中地形の該地図における該水中車両の場所を表す、受信することと、
該水中地形の一部分についての実開口画像を生成することであって、該生成することは、第2の周波数範囲内の音響信号を用いて高周波の音波を該水中地形の一部分に当てることによって行われ、該第2の周波数範囲は、該第1の周波数範囲と少なくとも部分的に重複する、生成することと、
グレージング角不変の実開口画像を生成するようにグレージング角誤差を補償すること、および該グレージング角不変の実開口画像内の位相誤差を補正することとによって、該実開口画像を修正することと、
該修正された実開口画像を該地図とコヒーレントに相関させることと、
該コヒーレント相関に基づいて該第1の位置値を更新することと
を含む、方法。
(項目19)
上記第1の周波数範囲および上記第2の周波数範囲のうちの少なくとも1つは、約1kHz~100kHzである、項目18に記載の方法。
(項目20)
上記第1の周波数範囲および上記第2の周波数範囲のうちの少なくとも1つは、約80kHz未満である、項目18に記載の方法。
(項目21)
合成開口ソナー画像を生成する方法であって、該方法は、
合成開口ソナー(SAS)アレイを提供することであって、該合成開口ソナー(SAS)アレイは、第1の軸に沿って配列される少なくとも1つの伝送機要素および複数の受信機要素を有し、該伝送機要素および該受信機要素の各々は、第1の幅を有し、該伝送機要素は、複数の直交音響信号を有する第1の組の信号を生成するように構成されている、提供することと、
該SASアレイの有効間隔を計算することであって、該SASアレイの有効間隔は、移動中の該伝送機要素と該受信機要素との間の有効距離を表す、計算することと、
同時に、該第1の軸に沿って該SASアレイを移動させ、該伝送機要素を使用して該第1の組の信号から第1の音響信号を生成することと、
該有効間隔が該第1の組の信号の中の音響信号の数によって除算されたものとして、閾値距離を計算することと、
該SASアレイが該閾値距離を移動したという決定に応答して、該伝送機要素を使用して、第2の音響信号を該第1の組の信号から生成することであって、該第2の音響信号は、該第1の音響信号に直交している、生成することと
を含む、方法。
(項目22)
上記有効間隔は、上記第1の幅の約半分である、項目21に記載の方法。
(項目23)
第1の組の信号の中の1つ以上の音響信号は、100kHzよりも大きい周波数を有する、項目1に記載の方法。
(項目24)
第1の組の信号の中の1つ以上の音響信号は、約100Hzから約100kHzまでの範囲における周波数を有する、項目1に記載の方法。
(項目25)
上記SASアレイは、固定速度で移動させられ、該SASアレイが閾値距離を移動したか否かの決定は、時間遅延に基づく、項目1に記載の方法。
(項目26)
第1の期間中に、SASアレイは、第1の音響信号のみを伝送し、第2の期間中に、該SASアレイは、該第1の音響信号および第2の音響信号の両方を伝送し、第3の期間中に、該SASアレイは、該第2の音響信号のみを伝送する、項目1に記載の方法。
(項目27)
第1の音響信号の持続時間は、第2の音響信号の持続時間と実質的に同様である、項目1に記載の方法。
(項目28)
第1の組の信号の中の1つ以上の信号は、海中測定のために生成される短パルス音を含む、項目1に記載の方法。
(項目29)
SASアレイは、水中地形を撮像するための水中車両または水面車両のうちの少なくとも1つに設置される、項目1に記載の方法。
(項目30)
SASアレイは、陸上地形を撮像するための空中車両または陸上車両のうちの少なくとも1つに設置される、項目1に記載の方法。
(項目31)
合成開口ソナー(SAS)画像を生成する方法であって、該方法は、
合成開口ソナー(SAS)アレイを提供することであって、該ソナーアレイは、第1の軸に沿って配列される少なくとも1つの伝送機要素および複数の受信機要素を有し、該伝送機要素および該受信機要素の各々は、第1の幅を有する、提供することと、
該第1の軸に沿って該ソナーアレイを移動させ、同時に、該伝送機要素を使用して、第1の持続時間を有する間隔で第1の組の音響信号、および第2の持続時間を有する間隔で第2の組の音響信号を生成することと
を含み、
該ソナーアレイは、移動中の該伝送機要素と該受信機要素との間の有効距離を表す第1の有効間隔を含み、
該第1の組の音響信号は、該第2の組の音響信号に直角であり、
該第1の持続時間および該第2の持続時間は、該第1の有効間隔が該第1の幅の2分の1未満であるように選択される、方法。
(項目32)
上記第1の持続時間および上記第2の持続時間は、上記第1の有効間隔が上記第1の幅の約4分の1であるように選択される、項目31に記載の方法。
(項目33)
第1の数の音響信号を生成することをさらに含み、上記第1の持続時間および上記第2の持続時間は、上記第1の有効間隔が、上記第1の幅が該音響信号の第1の数によって除算されたものの約2分の1であるように選択される、項目31に記載の方法。
(項目34)
合成開口ソナー(SAS)画像を生成するためのシステムであって、該システムは、
第1の軸に沿って配列される少なくとも1つの伝送機要素および複数の受信機要素を有する合成開口ソナー(SAS)であって、該伝送機要素および該受信機要素の各々は、第1の幅を有し、該伝送機要素は、複数の直交音響信号を有する第1の組の信号を生成するように構成されている、合成開口ソナー(SAS)と、
プロセッサであって、該プロセッサは、
移動中の該伝送機要素と該受信機要素との間の有効距離を表す該SASアレイの有効間隔を計算することと、
該第1の軸に沿って該SASアレイを移動させ、同時に、該伝送機要素を使用して、該第1の組の信号から第1の音響信号を生成することと、
該有効間隔が該第1の組の信号の中の音響信号の数によって除算されたものとして、閾値距離を計算することと、
該SASアレイが該閾値距離を移動したという決定に応答して、該伝送機要素を使用して、該第1の組の信号から第2の音響信号を生成することであって、該第2の音響信号は、該第1の音響信号に直交している、ことと
を行うように構成されている、プロセッサと
を備える、システム。
(項目35)
合成開口ソナー(SAS)信号を生成する方法であって、該方法は、
ソナーアレイを提供することであって、該ソナーアレイは、
第1の軸に沿って配列された複数の受信機要素を備える受信機アレイであって、該受信機アレイは、第1の端部および第2の端部を含む、受信機アレイと、
第1の伝送機要素と、
第2の伝送機要素と
を有し、
該第1の伝送機要素、該第2の伝送機要素、および該複数の受信機要素は各々、第1の幅を有する、ことと、
該第2の伝送機要素を使用して、第1の位置において第1の音響信号を生成することと、
該受信機アレイの該第1の端部から該第2の端部までの方向に、該ソナーアレイを該第1の軸に沿って第2の位置まで移動させることであって、該第2の位置は、該第1の位置から該第1の幅の約2分の1の距離にある、ことと、
該第1の伝送機要素を使用して、第2の位置において第2の音響信号を生成することと
を含み、
該第2の音響信号は、該第1の音響信号に直交している、方法。
(項目36)
上記第2の位置は、上記第1の幅の約2分の1の距離である、項目35に記載の方法。
(項目37)
上記ソナーアレイは、付加的な伝送機と、第3の位置において第3の音響信号を生成することとをさらに含む、項目35に記載の方法。
(項目38)
上記第1の伝送機要素は、上記受信機アレイの上記第1の端部に近接して設置され、上記第2の伝送機要素は、該受信機アレイの上記第2の端部に近接して設置される、項目35に記載の方法。
(項目39)
上記ソナーアレイは、該ソナーアレイの長さが、車両の長さよりも小さいように、該車両に搭載され、上記第2の位置は、該車両の長さ未満だけ、上記第1の位置からの上記第1の幅の2分の1からオフセットされる、項目35に記載の方法。
(項目40)
上記ソナーアレイは、該ソナーアレイの長さが車両の長さよりも大きいように、該車両によってけん引され、上記第2の位置は、該ソナーアレイの長さ未満だけ、上記第1の位置からの上記第1の幅の2分の1からオフセットされる、項目35に記載の方法。
(項目41)
上記第1および第2の音響信号のうちの少なくとも1つは、約100Hzから約100kHzの範囲における周波数を有する、項目35に記載の方法。
(項目42)
上記第1および第2の音響信号のうちの少なくとも1つは、約100kHzよりも大きい範囲における周波数を有する、項目35に記載の方法。
(項目43)
上記ソナーアレイは、水中地形を撮像するための水中車両または水面車両のうちの少なくとも1つに設置される、項目35に記載の方法。
(項目44)
上記ソナーアレイは、陸上地形を撮像するための空中車両または陸上車両のうちの少なくとも1つに設置される、項目35に記載の方法。
(項目45)
合成開口ソナー(SAS)信号を生成するためのシステムであって、該システムは、
ソナーアレイであって、該ソナーアレイは、
第1の軸に沿って配列された複数の受信機要素を備える受信機アレイであって、該受信機アレイは、第1の端部および第2の端部を含む、受信機アレイと、
該受信機アレイの該第1の端部に近接して設置される第1の伝送機要素と、
該受信機アレイの該第2の端部に近接して設置される第2の伝送機要素と
を有し、
該第1の伝送機要素、該第2の伝送機要素、および該複数の受信機要素は各々、第1の幅を有する、ソナーアレイと、
プロセッサであって、該プロセッサは、
該第2の伝送機要素を使用して、第1の位置において第1の音響信号を生成することと、
該受信機アレイの該第1の端部から該第2の端部までの方向に、該第1の軸に沿って該ソナーアレイを第2の位置まで移動させることであって、該第2の位置は、該第1の位置から該第1の幅の約2分の1の距離にある、ことと、
該第1の伝送機要素を使用して、第2の位置において第2の音響信号を生成することと
を行うためのものであり、該第2の音響信号は、該第1の音響信号に直交している、プロセッサと
を備える、システム。
(項目46)
1つ以上の付加的な音響信号を生成するための1つ以上の伝送機をさらに備える、項目45に記載のシステム。
(項目47)
地形を横断する車両のナビゲーション位置を決定するための方法であって、該方法は、
該車両によって横断されている該地形の一部分の第1の実開口画像を受信することであって、該実開口画像は、該地形の一部分の事前撮像から取得される第1の周波数範囲内の音響データを含む、ことと、
該第1の実開口画像が取得された位置を表す第1の位置推定値を受信することと、
該車両の現在の位置についての予備推定値を表す第2の位置推定値を受信することと、
該第1の位置推定値と該第2の位置推定値とを接続する相関軸を決定することと、
該地形の一部分についての第2の実開口画像を生成することであって、該生成することは、該相関軸に沿って方向付けられる第2の周波数範囲内の音響信号を用いて該地形の一部分に高周波の音波を当てることによって行われ、該第2の周波数範囲は、該第1の周波数範囲と少なくとも部分的に重複する、ことと、
該第2の実開口画像を該第1の実開口画像とコヒーレントに相関させることと、
該コヒーレント相関に基づいて該第2の位置推定値を更新することと
を含む、方法。
(項目48)
上記地形は、水中地形を含む、項目47に記載の方法。
(項目49)
上記第2の実開口画像を生成することは、反射音響信号を受信することと、上記相関軸に沿って該反射音響信号を進めることとを含む、項目47に記載の方法。
(項目50)
上記第1の位置推定値は、全地球測位システム(GPS)推定、慣性誘導システム、コンパス、および加速度計のうちの少なくとも1つを使用して計算される、項目47に記載の方法。
(項目51)
上記第1の実開口画像は、第1の位置において第1の車両によって生成され、上記第2の実開口画像は、第2の位置において該第1の車両によって生成される、項目47に記載の方法。
(項目52)
上記第1の実開口画像は、第1の位置において第1の車両によって生成され、上記第2の実開口画像は、第2の位置において第2の車両によって生成される、項目47に記載の方法。
(項目53)
上記第1および第2の周波数範囲は、100kHzよりも大きい最小周波数を含む、項目47に記載の方法。
(項目54)
上記第1および第2の周波数範囲は、約100Hzから約100kHzまでである、項目47に記載の方法。
(項目55)
上記車両は、水中地形を横断するための水中車両または水面車両のうちの少なくとも1つを含む、項目47に記載の方法。
(項目56)
上記車両は、陸上地形を横断するための空中車両または陸上車両のうちの少なくとも1つを含む、項目47に記載の方法。
(項目57)
上記車両は、屋内地形を横断するためのロボット車両を含む、項目47に記載の方法。
(項目58)
地形を横断する車両のナビゲーション位置を決定するためのシステムであって、該システムは、
該車両によって横断されている該地形の一部分についての第1の実開口画像を受信するための地図記憶装置であって、該実開口画像は、該地形の一部分についての事前撮像から取得される第1の周波数範囲内の音響データを含む、地図記憶装置と、
該地形の一部分の第2の実開口画像を生成するためのトランスデューサアレイであって、該生成することは、相関軸に沿って方向付けられる第2の周波数範囲内の音響信号を用いて該地形の一部分に高周波の音波を当てることによって行われ、該第2の周波数範囲は、該第1の周波数範囲と少なくとも部分的に重複する、トランスデューサアレイと、
該第2の実開口画像を該第1の実開口画像とコヒーレントに相関させるための信号相関器と、
中央制御ユニットであって、該中央制御ユニットは、
該第1の実開口画像が取得された位置を表す第1の位置推定値を受信することと、
該車両の現在位置の予備推定値を表す第2の位置推定値を受信することと、
該第1の位置推定値と該第2の位置推定値とを接続する相関軸を決定することと、
該コヒーレント相関に基づいて該第2の位置推定値を更新することと
を行うためのものである、中央制御ユニットと
を備える、システム。
(項目59)
地形を横断する車両のナビゲーション位置を決定するための方法であって、該方法は、
該車両によって横断されている該地形の一部分についてのソナー画像を受信することであって、該ソナー画像は、該地形の一部分の事前撮像から取得される第1の周波数範囲内の音響データを含む、受信することと、
第1のソナー画像が取得された位置を表す第1の位置推定値を受信することと、
該車両の現在位置の予備推定値を表す第2の位置推定値を受信することと、
該第1の位置推定値と該第2の位置推定値とを接続する相関軸を決定することと、
該地形の一部分の合成開口画像を生成することであって、該生成することは、該相関軸に沿って方向付けられる第2の周波数範囲内の音響信号を用いて該地形の一部分に高周波の音波を当てることによって行われ、該第2の周波数範囲は、該第1の周波数範囲と少なくとも部分的に重複する、生成することと、
該合成開口画像を該ソナー画像とコヒーレントに相関させることと、
該コヒーレント相関に基づいて該第2の位置推定値を更新することと
を含む、方法。
(項目60)
上記第2の位置に対応する第2の音速推定値を受信することと、上記コヒーレント相関に基づいて該第2の音速推定値を更新することとをさらに含む、項目59に記載の方法。
(項目61)
水中地形を調査するためのシステムであって、該システムは、
1つ以上の車両に搭載された第1の数の複数の音響伝送機要素と、
1つ以上の車両に搭載された第2の数の複数の音響受信機要素と
を備え、
該車両の各々は、該水中地形の一部分の合成開口画像を有するプロセッサを含み、該合成開口画像は、該水中地形の一部分の事前合成開口ソナー撮像から取得される音響データを含み、
該複数の車両は、第3の数の位相中心を有する平面合成開口ソナーアレイを形成するように配列され、
該位相中心の第3の数は、該第1の数に該第2の数を乗算したものに等しい、システム。
(項目62)
上記伝送機は、直交音響信号を生成するように構成される、項目61に記載のシステム。
(項目63)
上記車両は、水中車両を含む、項目61に記載のシステム。
(項目64)
上記車両は、水面車両を含む、項目61に記載のシステム。
(項目65)
上記1つ以上の車両は、上記水中地形の一部分についての上記事前合成開口画像に対するマッピングに基づいて配置される、項目61に記載のシステム。
(項目66)
上記伝送機要素および受信機要素は、約1Hzから約10kHzまでの範囲における周波数において動作する、項目61に記載のシステム。
(項目67)
上記伝送機要素および受信機要素は、約10kHzよりも大きい範囲における周波数において動作する、項目61に記載のシステム。
(項目68)
上記伝送機要素および受信機要素は、約10Hzから約1kHzの範囲における周波数において動作する、項目61に記載のシステム。
(項目69)
上記プロセッサは、水中表面の性質のうちの少なくとも1つを決定するために構成される、項目61に記載のシステム。
(項目70)
上記水中表面は、海底、水面下炭化水素鉱床、および水面下マグマ溜りのうちの少なくとも1つを含む、項目9に記載のシステム。
(項目71)
合成開口ソナー(SAS)信号を生成する方法であって、該方法は、
第1の速度でソナーアレイを移動させることであって、該ソナーアレイは、少なくとも3つの伝送機および複数の受信機を有し、該アレイは、第1の長さを有し、該第1の伝送機は、該第1の長さに沿って該長さの第1の小部分に配置され、該第2の伝送機は、該第1の長さに沿って該長さの第2の小部分に配置され、該第3の伝送機は、該第1の長さに沿って該長さの第3の小部分に配置され、該移動の方向は、該第3の伝送機から該第1の伝送機に向かう方向に沿っている、移動させることと、
該第1および第2の伝送機を使用して、第1のピングを生成することであって、該生成することは、
該第1の伝送機を使用して、第1の位置において第1の音響信号を生成することであって、該第1の位置は、該第1の長さが該第1の小部分に加算されたものの整数倍数である、生成することと、
該第2の伝送機を使用して、第2の位置において第2の音響信号を生成することであって、該第2の位置は、該第1の長さが該第2の小部分に加算されたものの整数倍数である、生成することと
を含む、ことと、
該第1および該第3の伝送機を使用して、第2のピングを生成することであって、該生成することは、
該第1の伝送機を使用して、第3の位置において第3の音響信号を生成することであって、該第3の位置は、該第1の長さが該第1の小部分に加算されたものの整数倍数である、ことと、
該第3の伝送機を使用して、第4の位置において第4の音響信号を生成することであって、該第4の位置は、該第1の長さが該第3の小部分に加算されたものの整数倍数である、生成することと
を含む、ことと、
該第2および該第3の伝送機を使用して、第3のピングを生成することであって、該生成することは、
該第2の伝送機を使用して、第5の位置において第5の音響信号を生成することであって、該第5の位置は、該第1の長さが該第2の小部分に加算されたものの整数倍数である、生成することと、
該第3の伝送機を使用して、第6の位置において第6の音響信号を生成することであって、該第6の位置は、該第1の長さが該第3の小部分に加算されたものの整数倍数である、生成することと
を含む、生成することと
を含み、
該ソナーアレイは、該第1のピングと第2のピングとの間に、および該第2のピングと第3のピングとの間に、および該第3のピングと第1のピングとの間を移動するためにかかる時間は、該第1の長さが該第1の速度によって除算されたものの半分に等しい、方法。
(項目72)
上記複数の伝送機は、4つ以上の伝送機を含む、項目71に記載の方法。
(項目73)
上記第1、第2、および第3のピングのうちの少なくとも1つは、約1kHzから約100kHzまでの範囲における周波数を有する、項目71に記載の方法。
(項目74)
上記第1、第2、および第3のピングのうちの少なくとも1つは、約100kHzよりも大きい範囲における周波数を有する、項目71に記載の方法。
(項目75)
上記ソナーアレイは、水中地形を撮像するための水中車両または水面車両のうちの少なくとも1つに設置される、項目71に記載の方法。
(項目76)
上記ソナーアレイは、陸上地形を撮像するための空中車両または陸上車両のうちの少なくとも1つに設置される、項目71に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0058】
ここで、類似参照指定が、異なる図の全体を通して同一の部品を指す、本発明の先述および他の目的、特徴、利点、および例示的実施形態を説明する。これらの図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに、実施形態の原理を例示することが重視される。
【
図1】
図1は、本開示の例示的実施形態による、ソナーマッピングおよびナビゲーションシステムを描写するブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示で説明されるシステムおよび方法の少なくとも一部分を実装するための例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【
図3】
図3は、本開示の例示的実施形態による、ソナーシステムの中のトランスデューサアレイを描写する。
【
図4】
図4は、本開示の例示的実施形態による、合成開口ソナー(SAS)システムの中のトランスデューサアレイを描写する。
【
図5A】
図5A-5Bは、本開示の例示的実施形態による、例示的な高周波数ソナーナビゲーションシステムを使用して地形をナビゲートするためのプロセスを描写する。
【
図5B】
図5A-5Bは、本開示の例示的実施形態による、例示的な高周波数ソナーナビゲーションシステムを使用して地形をナビゲートするためのプロセスを描写する。
【
図6A】
図6A-6Bは、本開示の別の例示的実施形態による、例示的な高周波数ソナーナビゲーションシステムを使用して地形をナビゲートするためのプロセスを描写する。
【
図6B】
図6A-6Bは、本開示の別の例示的実施形態による、例示的な高周波数ソナーナビゲーションシステムを使用して地形をナビゲートするためのプロセスを描写する。
【
図7】
図7は、本開示の別の例示的実施形態による、高周波数ソナーシステムにおける範囲変動位相誤差を補正するためのプロセスを描写する。
【
図8】
図8は、本開示の例示的実施形態による、画像を生成するように合成開口ソナー(SAS)システムで複数の直交信号を使用するためのプロセスを描写する。
【
図9】
図9Aおよび9Bは、本開示の例示的実施形態による、
図8で描写されるプロセスの実施形態と関連して使用されるトランスデューサアレイを描写する。
【
図10】
図10は、本開示の例示的実施形態による、複数の伝送機を有する合成開口ソナー(SAS)システムからパルスを伝送するためのプロセスを描写する。
【
図11】
図11A-Cは、本開示の例示的実施形態による、
図10で描写されるプロセスの実施形態と関連して使用されるトランスデューサアレイを描写する。
【
図12】
図12は、本開示の例示的実施形態による、実開口ソナー画像を使用した同時局所化およびマッピング(SLAM)のためのプロセスを描写する。
【
図13】
図13は、本開示の例示的実施形態による、圧力および物質補償のためのデバイスを描写する。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本明細書において説明されるシステムおよび方法の全体的な理解を提供するために、ここで、地形の地図を描き、ナビゲートするためのシステムおよび方法を含む、ある例示的実施形態を説明する。しかしながら、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、他の好適な用途のために適合および修正されてもよく、そのような他の追加および修正は、その範囲から逸脱しないであろうことが、当業者によって理解されるであろう。
【0060】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、高周波数(「HF」)ホログラフィックナビゲーション、すなわち、約100kHz以上の周波数において捕捉される合成開口ソナー(SAS)画像の多面ホログラフィック特性を使用する、地図ベースのナビゲーションを含む。本明細書において説明されるシステムおよび方法はまた、約100kHz未満の周波数における低周波数(「LF」)ホログラフィックナビゲーションをも含む。特に、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、周波数および方位に重複があるとき、現在捕捉されている画像と事前地図との間のコヒーレント相関を可能にする。そのようなコヒーレント相関は、位置および/または航行方向ベースのナビゲーションを可能にする。高周波数において、発明者らは、画像が画像および/または相関ゆがみを引き起こす空間的に変動する位相誤差(例えば、範囲変動位相誤差)を被ることを認識している。そのような位相誤差は、高度変動があるときに、低い周波数においてさえも存在し得る。ある実施形態では、位相誤差が帯域幅よりもはるかに小さい場合、画像は歪められ得ないが、相関させること(したがってナビゲーション)は困難であり得る。本明細書において説明されるシステムおよび方法は、画像を、位相が比較的一定であるより小さい領域に切り分け、画像の複数部分を補正するためにこれらの位相測定値を使用するように構成される位相誤差補正器を導入することによって、従来技術の欠陥を克服する。
【0061】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、発明者らが認識している、合成開口画像のホログラフィック特性の種々の他の側面を利用する。例えば、音響信号のその2次元シェーディングおよびシャドウイングに基づいて、形状の3次元モデルを決定するためのシステムおよび方法が、本明細書において説明される。本明細書において説明されるシステムおよび方法は、HFホログラフィックナビゲーションを使用して、(津波センサ等の)センサおよびナビゲーション標識を高精度に配置するための方法を含む。本明細書において説明されるシステムおよび方法は、HFホログラフィックナビゲーションを使用して取得される高精度位置測定に基づいて、自律水中車両(AUV)を使用して水柱を監視およびモデル化するための方法を含む。ある実施形態では、本システムおよび方法は、より高い分解能で全平面合成開口ソナーを形成するための、直交伝送機と複数の受信機との組み合わせを有する地震探査システムを含む。
【0062】
他の側面では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、複数の伝送機をアレイに追加し、直交ピング発射シーケンスを生成することを含む。特に、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、低格子サイドローブを有するSAS、複数の伝送機を使用する高い被覆率を有するSAS、およびSASシステムの範囲を増加させるための過剰ピング発射シーケンスを含む。本明細書において説明されるシステムおよび方法は、地形に対してエミッタまたは受信機を高精度に局所化するためのバイスタティックおよびモノスタティックホログラフィックギャップ充填技法をさらに含む。なおも他の側面では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、重複周波数の事前実開口画像とコヒーレントに相関させせることができるように、実開口画像をビーム形成することを伴う同時局所化およびマッピング(SLAM)技法を含む。本明細書において説明される、これらおよび他のシステムおよび方法の各々は、相互から独立して、または1つ以上の任意の他のシステムおよび方法の任意の好適な組み合わせにおいて使用されてもよい。本明細書において説明されるシステムおよび方法を参照して説明される修正および変形例は、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書において説明される任意の他のシステムおよび方法に適用されてもよい。
【0063】
以下の節では、例示的なマッピングおよびナビゲーションシステム、ならびにホログラフィックナビゲーションおよびマッピングを実行するための例示的なコンピュータシステムがそれぞれ、
図1-4を参照して説明される。ホログラフィックナビゲーションおよびマッピングシステムの構成要素およびプロセスのさらなる例示的実施形態は、地図を使用して、地形、例えば、水中地形をナビゲートするためのプロセスを含み、
図5および6を参照して説明される。高周波数ホログラフィックナビゲーションを可能にするために、
図7は、より高い周波数における従来のホログラフィックナビゲーション、コヒーレント相関、および変化検出システムの故障の理由であると発明者らによって認識された範囲変動位相誤差を補正するためのプロセスを説明する。
図8-9Bは、低格子サイドグローブを有するSAS画像を生成するためのプロセスおよび構成要素を描写し、
図10-11Bは、高被覆率SAS信号を生成するためのプロセスおよび構成要素を描写する。最終的に、
図12は、地形をナビゲートするためのホログラフィックSLAMプロセスを説明する。
【0064】
より具体的には、
図1は、本開示の例示的実施形態による、ソナーマッピングおよびナビゲーションシステム100を描写するブロック図である。システム100は、ソナー信号を送信および受信するためのソナーユニット110と、受信(または反射)信号を調節するためのプリプロセッサ120と、パルス圧縮およびビーム形成を行うための照合フィルタ130とを含む。システム100は、高周波数(約100kHzよりも大きい)ソナー信号を使用してナビゲートすることを可能にするように構成される。そのようなHFナビゲーションを可能にするために、システム100は、グレージング角誤差を補償するため、および位相誤差を補正するための信号補正器140を含む。システム100はまた、受信された画像を地図とコヒーレントに相関させるための信号検出器150も含む。ある実施形態では、本システムは、自律水中車両(AUV)または無人空中車両(UAV)等の地形上をナビゲートする車両に搭載されてもよい。そのような実施形態では、システム100は、機内ナビゲーションコントローラ170と、モータコントローラ180と、センサコントローラ190とを含む。ナビゲーションコントローラ170は、GPS/RFリンク172(利用可能であるとき)、加速度計174、ジャイロスコープ、およびコンパス176からナビゲーションパラメータを受信するように構成されてもよい。モータコントローラ180は、車両を操縦するための複数のモータ182、184、および186を制御するように構成されてもよい。センサコントローラ190は、バッテリモニタ172、温度センサ194、および圧力センサ196から測定値を受信してもよい。システム100は、ソナー測定に基づくナビゲーションパラメータならびに他のナビゲーションおよびセンサパラメータを決定するため、および車両の移動を制御するためにハブとしての機能を果たし得る中央制御ユニット(CCU)160をさらに含む。
【0065】
水面または水中車両との関連で、CCU160は、位置(緯度および経度)、(任意の方向への)速度、方角、航行方向、加速度、および高度等のナビゲーションパラメータを決定してもよい。CCU160は、進路に沿った方向(前方および後方)、進路を横断する方向(左舷および右舷)、および垂直方向(上および下)に沿った移動を制御するために、これらのナビゲーションパラメータを使用してもよい。CCU160は、車両の向きを変える、車両を転がす、または別様に回転させるように移動を制御するために、これらのナビゲーションパラメータを使用してもよい。水中動作中に、AUV等の車両は、ソナーユニット110において高周波数実開口ソナー画像または信号を受信してもよく、次いで、画像または信号は、地形の合成開口ソナー(SAS)地図に対して処理され、フィルタにかけられ、補正され、かつ相関させられてもよい。相関を使用して、次いで、CCUは、地形をナビゲートすることを支援するように、高精度および他のナビゲーションパラメータを用いて、AUVの位置を決定してもよい。精度は、SAS地図および/または獲得されたソナー画像の信号および空間帯域幅によって決定されてもよい。ある実施形態では、少なくとも、正方画素を伴う事前SAS地図とのソナー画像のほぼ完璧な重複があると仮定し、かつ類似要素サイズおよび帯域幅を有する単一のチャネルを用いて再取得が行われたと仮定し、かつグレージング角補償の損失がほとんどまたは全くないと仮定すると、エンベロープは、要素サイズの約2分の1になるであろう。その結果として、ある実施形態では、エンベロープのピークは、波長の約1/100までを含んで、高精度で識別されてもよい。例えば、分解能は、範囲方向において、2.5cm未満、または1cm未満、あるいは約0.1mm未満および約0.1mmであってもよい。
【0066】
概して、長波長(低周波数)センサを使用する地形認識は、物体シグネチャの方位依存性により困難であり得る。ソナーまたはレーダ画像は、ソナーおよび物体の方位の両方によってに変化し、インコヒーレント画像相関を極端に困難にするスペックルによって支配され得る。コヒーレントに、非重複周波数帯がある信号を有する任意の相関演算は、ゼロという解答をもたらすであろう(相関が周波数ドメイン内の乗算であるため)。2つのソナー画像が相関するために、それらの空間周波数が重複することは十分ではなく、2つの画像内の同一の点が重複周波数において表されなければならない。一般的な実開口ソナーについては、元の観察位置および配向を再訪し、同一の周波数を使用することによって、典型的には、複雑な場面に対する同一のシグネチャのみを再観察することができる。その結果として、一般に、2つの複雑なソナーまたはレーダ画像をコヒーレントに相関させることは、測度ゼロ発生であり、予期される相互相関がゼロに接近していることを証明することができる。したがって、
図12を参照して以下で説明される場合を除いて、本システムが実開口画像を事前実開口画像と比較する場合、地形に対してコヒーレントにナビゲートすることは、一般に不可能である。インコヒーレントナビゲーションは、独特の地形がある場合に(すなわち、エンベロープのみを使用して)可能であるが、均一な底面(干潟、砂利場、海底等)に対して、これは通常可能ではない。
【0067】
例えば、AUV上で実装されるシステムを使用する地形のホログラフィックナビゲーションは、実開口画像のうちの少なくとも1つを合成開口画像と置換することによって、この問題を解決する。合成開口画像は、一種のホログラム(または準ホログラム)であるため、周波数および角度の何らかの範囲にわたって、全ての可能な実開口画像を含有する。その結果として、合成開口画像に対して実開口画像を相関させ、ゼロではない予期される相互相関を有することが可能であり得る。しかしながら、閉鎖/開放開口の定理によれば、合成開口が平面合成開口であることが要求されてもよく、それが2次元で完全にデータ投入され、ナイキストサンプリングされていることを意味する。この種類の集団およびサンプリング周波数は、一般に非実用的である。
【0068】
地形が表面上に埋め込み散乱体を伴う多様体であると仮定し、臨界角を上回るサブボトムプロファイル/動作、またはSNRが低い臨界角を下回る動作を回避することによって、周波数の大きさを変更することができるならば、平面開口を輪郭開口と置換できることを示すことが可能である。例えば、アクティブソナーまたはレーダ、および平底上の範囲内で5センチメートル離間した2つの散乱体を考慮されたい。地面から散乱体を見るソナーまたなレーダの視点から、2つのエコーの進行方向は、10cm異なる(外および後)。代わりに、観察者が、水平より上側の45度の角度で見下ろしている場合、差異は、45度(半分)の余弦によって7.07cmに短縮される。よって、水平で、10cm波長は、正確に1サイクル位相がずれ(建設的に(constructively)干渉する)、20センチメートル波長は、正確に半サイクル位相がずれるであろう(破壊的に(deconstructively)干渉する)。45度で、同じことが7.07cm波長および14.14cm波長に当てはまるであろう。両方の波長は、同一量だけ拡大縮小される(同様に、反比例を除いて、周波数も拡大縮小される)。より一般的に、対頂角の変化が、全ての周波数を偏移させ、角度の余弦によって信号長を変化させる。これは、周波数の倍増が1オクターブのピッチの変化に対応するピッチの変化ほど大きい周波数の偏移ではない。よって、水平から60度で見下ろすことへ観察角を変化させることによって、予期される帰還は、半分短縮され、ピッチを1オクターブ増加させる。これが機能するために、第1の観察に対して適切に拡大縮小された周波数において第2の観察が行われることが必要であり、非常に狭い帯域のシステムについて、グレージング角の過剰な変化は、単純に、既知のシグネチャを帯域外にさせる。
【0069】
本明細書において説明されるシステムおよび方法のグレージング角補償および事前合成開口画像を使用する、いくつかの実施形態では、単一要素ソナーまたはレーダを使用して、地形に対してナビゲートすることが可能である。合成開口システムは極めて高価であるが、単一要素システムは、概して、非常に安価である。これは、非常に高価なマッピングシステムが、最小の慣性ナビゲーションとともに、安価な自律システムの広範な使用を可能にできることを意味する。しかしながら、現在までの成功したホログラフィックナビゲーション実装が全て、低周波数ソナー(すなわち、50kHz未満)を使用している一方で、より高い周波数のシステムは機能していない。これは、より低い周波数の伝送機が、一般に、より大型、より高電力、およびより高価であるため不利である。したがって、高周波数単一要素ホログラフィックナビゲーションシステムを有することが望ましい。ホログラフィックナビゲーションシステムおよび方法のさらなる例示的実施形態が、米国特許出願第12/802,453号、第12/454,486号、第12/454,484号、および第12/454,885号で開示され、その各々の内容は、それらの全体で参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0070】
一側面では、本発明は、ホログラフィックナビゲーションを介した、地形の相対的局所化の方法に関する。ホログラフィックナビゲーションおよびホログラフィック地図は、米国特許出願第12/798,169号および第12/802,455号でさらに説明され、その各々の内容は、それらの全体で参照することにより本明細書に組み込まれる。いくつかの点において、ホログラフィックナビゲーションは、ソナーおよびレーダ画像のホログラフィック特性を利用する、地形の相対的局所化の方法である。頻繁に、そのような地形の相対的局所化は、自律水中車両(AUV)上で実装されたシステムによって行われる。しかしながら、そのようなシステム上で実装されたホログラフィックナビゲーションアルゴリズムの性能は、周波数が増加し、波長が減少するにつれて、大幅に劣化し得る。従来、概して、そのような劣化は、グレージング角補償の仮定のうちのいくつかが崩れるためであると仮定される。言い換えれば、陰影、閉塞、および複雑な3D緩和が、シグネチャを根本的に変化させるため、垂直方位の変化は、もはやピッチの純粋な変化にマップしないと仮定される。しかしながら、発明者らは、近年、この仮定が完全に正しいわけではなく、ホログラフィックナビゲーションが、空間的に変動する位相誤差により、より高い周波数において機能しなくなり得ることを認識している。いくつかの実施形態では、本発明は、より低い電力消費およびより小型サイズのハードウェアを用いて、より高い周波数におけるホログラフィックナビゲーションを可能にすることによって、これらの範囲変動位相誤差を補正する。
【0071】
上述のように、システム100は、音響信号を伝送および受信するためのソナーユニット110を含む。ソナーユニットは、一列に配列された1つ以上の伝送要素またはプロジェクタおよび複数の受信要素を有するトランスデューサアレイ112を含む。ある実施形態では、トランスデューサアレイ112は、別個のプロジェクタおよび受信機を含む。トランスデューサアレイ112は、SASモード(進路要図またはスポットライトモードのいずれか)で、または実開口モードで動作するように構成されてもよい。ある実施形態では、トランスデューサアレイ112は、マルチビーム音響測深器、サイドスキャンソナー、またはセクタスキャンソナーとして動作するように構成される。1つの伝送要素および6つの受信要素を有するトランスデューサアレイの一実施例が、
図3に示されている。伝送要素および受信要素は、所望に応じてサイズ決定および成形されてもよく、本開示の範囲から逸脱することなく、所望に応じて、任意の構成で、および任意の間隔を用いて配列されてもよい。本開示で後述されるように、トランスデューサアレイ112の数、サイズ、配列、および動作は、地形に高周波の音波を当て、地形または物体の高分解能画像を生成するように選択および制御されてもよい。アレイ112の一実施例は、12と3/4インチの車両に搭載された5cm要素を有する16チャネルアレイを含む。
【0072】
ソナーユニット110は、トランスデューサから受信される電気信号を受信および処理するための受信機114と、電気信号をトランスデューサに送信するための伝送機116とをさらに含む。ソナーユニット110は、開始および終了を含む伝送機の動作、およびピングの周波数を制御するための伝送機コントローラ118をさらに含む。
【0073】
受信機114によって受信される信号は、調節および補償のためにプリプロセッサに送信される。特に、プリプロセッサ120は、異常値を排除するため、およびハイドロホン変動を推定して補償するためのフィルタ調節器122を含む。プリプロセッサは、車両の移動を推定して補償するためのドップラ補償器124をさらに含む。前処理された信号は、照合フィルタ130に送信される。
【0074】
照合フィルタ130は、範囲内で照合フィルタリングを行うためのパルス圧縮器132と、方位角において照合フィルタリングを行い、それにより、方向推定を行うためのビームフォーマ134とを含む。
【0075】
信号補正器140は、グレージング角の差異を補償するようソナー画像を調整するためのグレージング角補償器142を含む。典型的には、ソナーが点散乱体の集合を撮像する場合、画像は観察角とともに変化する。例えば、固定された高度および航行方向で動作し、海底経路を観察するSASシステムは、異なる範囲で異なる画像を生成するであろう。同様に、固定された水平範囲において作製されるSAS画像は、高度が変化させられた場合に変化するであろう。そのような場合において、画像の変化は、グレージング角の変化によるものであろう。グレージング角補償器142は、グレージング角不変の画像を生成するように構成される。1つのそのようなグレージング角補償器が、「Apparatus and Method for Grazing Angle Independent Signal Detection」と題された米国特許出願第12/802,454号で説明され、その内容は、それらの全体で参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0076】
信号補正器140は、範囲変動位相誤差を補正するための位相誤差補正器144を含む。位相誤差補正器144は、
図7を参照して説明される技法を使用して、位相誤差を補正してもよい。概して、位相誤差補正器144は、画像をより小さい断片に分け、各断片は、実質的に一定の位相誤差を有する。次いで、位相誤差が、より小さい断片の各々について推定および補正されてもよい。
【0077】
システム100はさらに、信号相関器152および記憶装置154を有する、信号検出器150を含む。信号検出器150は、潜在的な標的を検出し、検出された物体の位置および速度を推定し、標的またはパターン認識を行うように構成されてもよい。一実施形態では、記憶装置154は、1つ以上の以前に取得されたSAS画像、実開口画像、または任意の他の好適なソナー画像を含有し得る地図記憶装置を含んでもよい。信号相関器152は、信号補正器140から取得された受信および処理された画像を、地図記憶装置154からの1つ以上の事前画像と比較するように構成されてもよい。
【0078】
システム100は、本開示から逸脱することなく、図示されていない他の構成要素を含んでもよい。例えば、システム100は、データロギングおよび記憶エンジンを含んでもよい。ある実施形態では、データロギングおよび記憶エンジンは、科学的データを記憶するために使用されてもよく、次いで、データは、ナビゲーションシステムを支援するための後処理で使用されてもよい。システム100は、システム100の1つ以上の特徴へのアクセスを制御するため、および1つ以上の特徴の使用を認可するためのセキュリティエンジンを含んでもよい。セキュリティエンジンは、アクセスを制御するための好適な暗号化プロトコルおよび/またはセキュリティキーおよび/またはドングルを伴って構成されてもよい。例えば、セキュリティエンジンは、地図記憶装置154に記憶された1つ以上の地図を保護するために使用されてもよい。地図記憶装置154の中の1つ以上の地図へのアクセスは、適切なライセンス、権限、または許可を有するある個人または実体に限定されてもよい。セキュリティエンジンは、いったんこれらの個人または実体が権限を与えられたことを確認すると、これらの個人または実体に1つ以上の地図へのアクセスを選択的に許可してもよい。セキュリティエンジンは、限定されないが、ナビゲーションコントローラ170、モータコントローラ180、センサコントローラ190、伝送機コントローラ118、およびCCU160を含む、システム100の他の構成要素へのアクセスを制御するように構成されてもよい。
【0079】
概して、トランスデューサ112を除いて、システム100の種々の構成要素が、
図2のコンピュータシステム200等のコンピュータシステムで実装されてもよい。より具体的には、
図2は、本開示の例示的実施形態による、ネットワークにアクセスする汎用コンピュータの機能ブロック図である。本願で説明されるホログラフィックナビゲーションシステムおよび方法は、
図2のシステム200を使用して実装されてもよい。
【0080】
例示的なシステム200は、プロセッサ202と、メモリ208と、相互接続バス218とを含む。プロセッサ202は、マルチプロセッサシステムとしてコンピュータシステム200を構成するための単一のマイクロプロセッサまたは複数のマイクロプロセッサを含んでもよい。メモリ208は、例示的に、メインメモリおよび読取専用メモリを含む。システム200はまた、例えば、種々のディスクドライブ、テープドライブ等を有する大容量記憶デバイス210も含む。メインメモリ208はまた、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)および高速キャッシュメモリも含む。動作および使用中、メインメモリ208は、メインメモリ208に記憶されたデータ(例えば、地形のモデル)を処理するときにプロセッサ202による実行のための命令の少なくとも複数部分を記憶する。
【0081】
いくつかの実施形態では、システム200はまた、ネットワーク216を介したデータ通信のためのインターフェース212として、一例として示される、通信のための1つ以上の入出力インターフェースを含んでもよい。データインターフェース212は、モデム、イーサネット(登録商標)カード、または任意の他の好適なデータ通信デバイスであってもよい。データインターフェース212は、直接的に、または別の外部インターフェースを通してのいずれかで、イントラネット、インターネット、またはInternet等のネットワーク216への比較的高速のリンクを提供してもよい。ネットワーク216への通信リンクは、例えば、光学、有線、または無線(例えば、衛星または802.11 Wi-Fiまたはセルラーネットワークを介した)リンク等の任意の好適なリンクであってもよい。いくつかの実施形態では、通信は、音響モデム上で起こってもよい。例えば、AUVについては、通信は、そのようなモデム上で起こってもよい。代替として、システム200は、ネットワーク216を介したウェブベースの通信が可能なメインフレームまたは他の種類のホストコンピュータシステムを含んでもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、システム200はまた、好適な入出力ポートをも含み、または、プログラミングおよび/またはデータ入力、読み出し、または操作目的でローカルユーザインターフェースとしての機能を果たすローカルディスプレイ204およびユーザインターフェース206(例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン)等と相互接続するための相互接続バス218を使用してもよい。代替として、サーバ運営人員が、ネットワーク216を介して、遠隔端末デバイス(図に示されていない)からシステム200を制御および/またはプログラムするために本システムと相互作用してもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、高周波数ホログラフィックナビゲーションを実装するシステムは、1つ以上のコヒーレントセンサ(例えば、ソナー、レーダ、光学アンテナ等)214に連結されるナビゲーションコントローラ170等のプロセッサを必要とする。地形のモデルに対応するデータおよび/またはモデルと関連付けられるホログラフィック地図に対応するデータは、メモリ208または大容量記憶装置210に記憶されてもよく、およびプロセッサ202によって読み出されてもよい。プロセッサ202は、本願で説明される方法のうちのいずれか、例えば、グレージング角補償または高周波数ホログラフィックナビゲーションを行うために、これらのメモリデバイスに記憶された命令を実行してもよい。
【0084】
本システムは、情報を表示するためのディスプレイ204と、前述のデータの少なくとも一部分を記憶するためのメモリ208(例えば、ROM、RAM、フラッシュ等)と、前述のデータの少なくとも一部分を記憶するための大容量記憶デバイス210(例えば、ソリッドステートドライブ)とを含んでもよい。任意の一式の前述の構成要素が、入出力(I/O)インターフェース212を介してネットワーク216に連結されてもよい。前述の構成要素の各々は、相互接続バス218を介して通信してもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、高周波数ホログラフィックナビゲーションを実装するシステムは、1つ以上のコヒーレントセンサ(例えば、ソナー、レーダ、光学アンテナ等)214に連結されるプロセッサを必要とする。好適なセンサアレイの実施例が、
図3および4に概略的に図示されている。例示的なソナーアレイが、
図3に示されている。このアレイは、伝送機と、受信アレイと、受信要素とを含む。例示的な合成開口ソナーアレイが、
図4に示されている。このアレイは、伝送機と、受信アレイと、受信要素と、関連位相中心/仮想要素を有する仮想アレイとを含む。
【0086】
地形のモデルに対応するデータ、モデルと関連付けられるホログラフィック地図に対応するデータ、およびグレージング角補償のためのプロセスは、
図2に示されたように、データに作用するプロセッサ202によって行われてもよい。本システムは、情報を表示するためのディスプレイ204と、前述のデータの少なくとも一部分を記憶するためのメモリ208(例えば、ROM、RAM、フラッシュ等)と、前述のデータの少なくとも一部分を記憶するための大容量記憶デバイス210(例えば、ソリッドステートドライブ)とを含んでもよい。任意の一式の前述の構成要素が、入出力(I/O)インターフェース212を介してネットワーク216に連結されてもよい。前述の構成要素の各々は、相互接続バス218を介して通信してもよい。
【0087】
動作中、プロセッサ202は、センサ214の位置推定値、センサ214からの波形または画像、および地形、例えば、海底のモデルに対応するデータを受信する。いくつかの実施形態では、そのような位置推定値は、受信されなくてもよく、プロセッサ202によって行われるプロセスは、この情報なしで継続する。随意に、プロセッサ202は、ナビゲーション情報および/または高度情報を受信してもよく、プロセッサ202は、コヒーレント画像回転アルゴリズムを行ってもよい。システムプロセッサ202からの出力は、車両が移動する必要がある位置を含む。
【0088】
システム200に含有される構成要素は、典型的には、サーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、ネットワーク端末、携帯用デバイス等の汎用コンピュータシステムに見出される。実際、これらの構成要素は、当技術分野で周知であるそのようなコンピュータ構成要素の広いカテゴリを表すことを目的としている。
【0089】
本発明のシステムおよび方法に関与する方法は、不揮発性コンピュータ使用可能および/または可読媒体を含むコンピュータプログラム製品において具現化されてもよいことが、当業者に明白となるであろう。例えば、そのようなコンピュータ使用可能媒体は、その上に記憶されたコンピュータ可読プログラムコードを有するCD ROMディスク、従来のROMデバイス、またはランダムアクセスメモリ、ハードドライブデバイスまたはコンピュータディスケット、フラッシュメモリ、DVD、または任意の類似デジタルメモリ媒体等の読取専用メモリデバイスから構成されてもよい。
【0090】
随意に、本システムは、慣性ナビゲーションシステム、ドップラセンサ、高度計、ホログラフィック地図のデータ投入部分上にセンサを固定するギンブリングシステム、全地球測位システム(GPS)、長基線(LBL)ナビゲーションシステム、超短基線(USBL)ナビゲーション、または任意の他の好適なナビゲーションシステムを含んでもよい。
【0091】
(高周波数ホログラフィックナビゲーション)
図5A-5Bは、本開示の例示的実施形態による、システム100等の例示的な高周波数ソナーナビゲーションシステムを使用して地形をナビゲートするためのプロセス500および550を描写する。特に、プロセス500および550は、
図1のシステム100のいくつかの構成要素にわたって実装されてもよい。システム100は、ワイヤを介して、または無線で、地図記憶装置154においてナビゲートされている地形の一部分の事前高周波数SAS画像を受信してもよい(ステップ502)。事前画像は、100kHzよりも大きい周波数範囲を使用して取得されていてもよい。例えば、事前SAS画像の周波数は、100kHz~110kHzまたは110kHz~120kHzの間の周波数範囲内の十分に形成された画像を形成してもよい。事前SAS画像の周波数は、100kHz~150kHzおよび/または125kHz~175kHzおよび/または175kHz~225kHzの間であってもよい。事前SAS画像の周波数は、500kHzより大きくてもよく、ある実施形態では、周波数は、1MHzより大きくてもよい。ある実施形態では、周波数範囲は、用途に基づいて選択されてもよい。例えば、ある海洋システムについて、周波数は、最大で約500kHzであってもよく、ある医療超音波システムでは、周波数は、約15MHzであってもよい。ある実施形態では、周波数範囲は、100kHz未満であるように選択されてもよい。そのような実施形態では、プロセス500は、波長に対する誤差のサイズの比に応じて、特に有益であり得る。一実施例では、波を受けて跳ねる船について、プロセス500は、10kHzを下回る周波数に対して有益であり得る。事前SAS画像は、グレージング角補償および/または位相誤差補正されてもよく、画像の周波数は、グレージング角補正後のものであり得る。ある代替実施形態では、事前画像は、数10kHzおよび100kHz未満の低周波数画像を含んでもよい。
【0092】
プロセス500は、CCU160によって、以前の位置に基づいて地形を横断する車両の初期位置値を予測することを含む(ステップ504)。位置値は、任意の好適な座標系で表されてもよい。CCU160は、ナビゲーションコントローラ170からの情報および以前の移動に基づいて、この初期位置値を生成してもよい。CCU160はまた、この初期位置値と関連付けられる誤差推定値またはナビゲーション不確実性を決定してもよい(ステップ506)。
【0093】
システム100は、高周波数信号でナビゲートされている地形の一部分に高周波の音波を当て、現在のソナー画像を生成してもよい(
図5Aのステップ508、
図5Bのステップ558)。ある実施形態では、伝送機コントローラ118と接続しているCCU160が、伝送命令を伝送機116およびトランスデューサアレイ112に送信してもよい。コヒーレント相関を可能にするために、撮像の周波数は、ステップ502において得られる受信された事前地図の周波数範囲と重複するように選択されてもよい。周波数の重複は、完全重複、部分重複、または潜在的重複であってもよい。完全重複においては、現在のソナー画像の周波数範囲は、完全に事前地図の周波数範囲内に位置してもよい。部分重複では、現在のソナー画像の周波数範囲は、事前地図の周波数範囲と部分的に重複してもよい。現在の未加工撮像プロセスおよび事前マッピングプロセスの周波数範囲が重複しないときでさえも、2つの画像の方位または視角が適正に異なる場合に、依然として潜在的重複があってもよい。そのような内示的重複シナリオにおいては、現在の画像および事前地図のグレージング角補正周波数は、少なくとも部分的に重複する。例えば、45度グレージング角における100kHz信号は、ゼロのグレージング角における70.7kHz信号と同一の投影波長を有し、その結果として、潜在的重複を構成するであろう。別の実施例として、比較的平坦なグレージング角における100kHz~110kHz画像は、比較的急なグレージング角における110kHz~120kHz地図とコヒーレントに相関してもよい。概して、システム100は、SASとして動作し、高周波数SAS画像を取得してもよい。SAS画像を取得するために、システム100は、セクタスキャンモード、サイドスキャンモード、進路要図モード、および/またはスポットライトモードで動作してもよい。システム100は、さらに位相アレイとして動作し、地形の実開口画像を取得してもよい。
【0094】
図5Aのステップ508において実開口画像、または
図5Bのステップ558において合成開口画像を含み得る取得された現在の画像は、プリプロセッサ120、照合フィルタ130を通過させられ、信号補正器140において受信されてもよい。取得された現在の画像は、グレージング角補償器142によってグレージング角を補償するように修正される(
図5Aのステップ509、
図5Bのステップ559)。概して、取得された現在の画像は、グレージング角不変の画像に変換される。グレージング角補償器142は、埋め込み点散乱体を有する滑らかに起伏する多様体として地形(例えば、海底)を概算し、点散乱体エコー間の干渉としてソナー信号をモデル化する。陰影および閉塞は、概して、無視され、グレージング角の変化は、エコーのピッチを変化させると仮定される。ピッチの変化は、概して、全ての周波数を、グレージング角の割線である乗数だけ拡大縮小させる。プロセスを逆転させる(すなわち、エコーを海底上に発射させる)ことによって、グレージング角と無関係である散乱体間隔と画像周波数との間の関係が確立される。典型的には、グレージング角補償は、伝送機設計によって限定され、角度の適用可能な範囲は、信号帯域幅および伝送機性質によって決定される。
【0095】
次いで、実開口画像または合成開口画像または任意の好適なソナー画像であり得る、補償された、取得された現在の画像は、位相誤差補正器144によって範囲変動位相誤差を補正するように修正される(
図5Aのステップ510、
図5Bのステップ560)。高周波数撮像およびナビゲーションを可能にする、範囲変動位相誤差を補正するプロセスが、
図7を参照してさらに詳細に説明される。
【0096】
補償および誤差補正された、地形の取得された現在の画像は、信号相関器152において、ステップ502において受信される事前SAS地図とコヒーレントに相関させられる(
図5Aのステップ511、
図5Bのステップ561)。概して、画像強度が空間的に変動し得るので、信号検出器150は、正規化相関を行うように構成されてもよい。ある実施形態では、正規化相関は、相関係数を計算することによって行われてもよい。概して、ソナー画像については、相関係数は、しばしば低く(0.1未満)、値は、利用可能な構造に依存する。地形についての演繹的知識がないと、検出器閾値を定義することが困難である。しかしながら、信号対雑音比(SNR)が高くあり得るので、検出は依然として可能であり得る。信号検出器150は、信号(振幅および位相)および/または雑音の統計的分布を含む、正規化相関の付加的な統計を計算してもよい。統計的分布は、レーリーおよび/またはガウス分布を含んでもよい。検出器閾値は、分布に基づいて選択されてもよい。信号検出器150の技法に含まれる、好適な相関技法の実施例は、その各々の内容全体が、参照することにより本明細書に組み込まれる、“On Correlating Sonar Images,”Richard J.Rikoski and J.Tory Cobb and Daniel C.Brown,Robotics:Science and Systems’05,2005、および“Holographic navigation,”Richard J.Rikoski and Daniel
C.Brown,ICRA’08,2008で説明される。
【0097】
地図との画像のコヒーレント相関を使用して、CCU160は、測定された位置値(ステップ512)および位置の関連誤差推定値(ステップ513)を決定してもよい。測定された位置を決定する、ある例示的な技法は、その内容全体が参照することにより本明細書に組み込まれる、“Holographic navigation,”Richard J.Rikoski and Daniel C.Brown,ICRA’08,2008で説明される。
【0098】
新しい位置推定値に基づいて、CCU160は、制御信号を更新し、それに従って車両を移動させるようにモータコントローラ180に命令してもよい。新しい場所へのナビゲーションが完了した場合(ステップ515)、以前の地図ベースの計算された位置は、以前の位置として設定され(ステップ516)、プロセス500は、新しい位置で繰り返される。
【0099】
いくつかの実施形態では、従来のSASナビゲーションは、ロバストかつ容易に位置の値を求め得るが、例えば、無人自律車両の航行方向の値を低い効率でしか求め得ない。航行方向を推定するために、種々の角度において実開口または合成開口画像のいずれかに対して合成開口画像を相関させることが可能であり得るが、これは計算集約的であり得る。提案されたシステムは、航行方向推定問題を2つのステッププロセスに分解することによって、この問題を解決してもよい。第1に、ホログラフィックナビゲーションは、位置を推定するために使用される。次いで、推定された位置を中心とする角座標系を使用して相関が行われる。範囲がrであり、角度がθであると仮定して、rおよびθの関数である座標系が相関に使用される。最も単純なインスタンス化では、(f(r),g(θ))=(r,θ)であるが、f(r)=底面に沿った水平距離、またはg(θ)=sin(θ)のような代替案もまた、適切であり得る。相関は、範囲および角度または角度のみのいずれかにあってもよいが、航行方向を検出するために、角度において相関する必要があり得る。最大相関を有する角度は、再取得ソナーが対面している方向に対応する。航行方向の値を求めるための2つの例示的なプロセスは、各々、
図6Aおよび
図6bに図示されるプロセス600および650である。プロセス600および650は、
図6Aのステップ602および
図6Bのステップ652に示されるように、測定された位置値に基づいて航行方向を決定するステップを除いて、各々、プロセス500および550に類似してもよい。
【0100】
上述のように、システム100は、範囲変動位相誤差を補正するための位相誤差補正器144を含む。範囲変動位相誤差は、2つの高周波数画像(例えば、画像と地図と)の間で相関させるときに、低い相関値につながり得る。例示的実施例として、高周波数ソナーを有するロボットが、その画像を事前地図と相関させようとするが、1cmの高度誤差および1cmの波長を有すると仮定されたい。車両の真下では、これが2cmの経路長誤差、または2サイクルとなる。広い範囲では、これは、ゼロサイクル遅延につながる。その結果として、事前ソナー画像および新しいソナーの共役が一緒に乗算されるが、合計されない場合(image1*conj(image2))、観察されるであろうものは、高度誤差に起因する範囲変動位相である。乗算された画像が一緒に合計されたとき、この範囲変動位相誤差は、相殺的な干渉を引き起こし、非常に低い相関値につながるであろう。
【0101】
同様に、第2の例示的実施例として、0.01%音速誤差、1cmソナー、および5メートルの動作高度を仮定する。車両直下の進行経路は、10メートル、または1000サイクルであり、1/10のサイクル誤差につながる。50メートル(または10,000サイクル)の範囲において、これは、完全サイクル誤差につながる。500メートルの範囲において、これは、10サイクルの誤差につながる。よって、再度、乗算されたソナー画像が合計されたとき、相殺的な干渉が相互相関を引き下げるであろう。高周波数ホログラフィックナビゲーションは、これらの影響を受けないほど十分小さい画像断片を使用すること、またはこれらのバイアスパラメータを推定して補正することのいずれかによって、これらの問題を解決しようとする。
【0102】
位相誤差を補正する1つの方法は、画像を、位相誤差が一定である小さい領域に切り分け、これらを独立測定値として使用することである。非常に高い信号対雑音比(SNR)を有する領域中において、これは、非常に効率的であり得る。
図7は、本開示の別の例示的実施形態による、高周波数ソナーシステムにおける範囲変動位相誤差を補正するためのプロセス700を描写する。プロセス700は、
図1のシステム100の中の信号補正器140の位相誤差補正器144に実装されてもよい。プロセス700は、実開口画像または合成開口画像を受信することから始まる(ステップ702)。ある実施形態では、実開口画像は、グレージング角補償を用いて修正されてもよい。位相誤差補正器144は、受信された実開口画像全体の範囲変動位相誤差を推定してもよい(ステップ704)。次いで、位相誤差補正器144は、画像にわたる位相誤差の変動が、誤差閾値未満であるか否かを決定してもよい(ステップ706)。誤差閾値は、所望に応じて設定されてもよい。ある実施形態では、誤差閾値は、実開口画像の最大範囲に応じて設定されてもよい。画像にわたる位相誤差の変動が、誤差閾値よりも大きい場合には、画像は、下位領域に分割されてもよい(ステップ708)。位相誤差補正器144は、所望に応じて、画像を下位領域に分割してもよい。下位領域は、等しいサイズまたは異なるサイズであってもよい。下位領域は、サイズ変動が範囲に基づき得るように様々なサイズであってもよい。位相誤差補正器144は、各下位領域の位相誤差を推定し(ステップ712)、各下位領域にわたる位相誤差の変動が位相誤差閾値未満であるか否かを決定してもよい(ステップ714)。下位領域の誤差閾値は、ステップ706と関連付けられる誤差閾値と同一であり、またはそれとは異なり得る(それよりも大きい、または小さい)。各下位領域の誤差閾値は、異なり、または同一であり得る。特定の下位領域中の位相誤差が誤差閾値未満である場合、その特定の下位領域は、特定の下位領域の全体にわたって実質的に一定である対応する位相誤差について補正されてもよい(ステップ715)。位相誤差が閾値よりも大きい場合には、下位領域は、より小さい下位領域に分割されてもよく、ステップ708、712、714が繰り返されてもよい。ある実施形態では、下位領域は、一定の高度位相誤差または一定の音速誤差を有するように選択されてもよい。1つ以上の高感度マッピング領域中の1つ以上の選択された下位領域が、可能な限り最大のサイズを有するように選択されてもよい。
【0103】
ある実施形態では、システム100が小型パッチ(例えば、50ピクセル×50ピクセル)を相関させることができると仮定されたい。そのような実施例では、画像が1000×1000ピクセルである場合には、システム100は、画像を、最大で各々50×50ピクセルの20×20領域に切り分けてもよい。システム100は、400回の別個の相関を行ってもよい。各相関は、未知の誤差関数により、わずかな偏移およびわずかに異なる位相値を有するピークを有してもよい。システム100は、各相関の絶対値を取り、それらを一緒に合計して、位相差による相殺的な干渉を排除してもよい。そのようなアプローチは、少なくとも誤差関数が未知であるときに有利であり得る。また、単一画像相関の絶対値の分布が認められるときに、雑音はレーリー分布であり得るが、システム100が大数を合計するとき、大数の法則が適用され、雑音はガウス分布となる。
【0104】
システム100は、位相誤差を補償するための他の方法を含んでもよい。ある実施形態では、実像が得られ、ほぼ静止した位相との小画像相関領域のエンベロープの合計が、その合計に基づいて確率密度関数を計算する前に計算される。これは、撮像方法において使用されるスペックル低減技法に類似し得る。合計は、単一の高度解に対するもの、または複数の高度解に対するもののいずれかであり得る。複数の高度解が使用される場合には、技法が高度バイアスを測定する。ある実施形態では、エンベロープのみ(相関結果の絶対値)を使用することにより、相関結果の間の相対位相差を除去する。多数の相関画像を一緒に合計することにより、レーリー分布からガウス分布へのスペックル強度の移行をもたらすことに留意することが重要であり、この差異は、相関結果を確率密度関数に変換するときに重要であり得る。レーリー分布を使用する以前のホログラフィックナビゲーション技法は、典型的には、サブ画像合計に基づく相関結果を提示されたときに機能しなくなり、より代表的な分布に切り替えることが重要である。少数の画像が一緒に合計されたとき、分布は、まだ完全にはガウスではない場合があり、K分布等の何らかの他の分布によってより良好に表されてもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、範囲変動位相誤差を推定し、次いで、完全波形相関を可能にするよう適切な補正を適用するために、パッチが、ほぼ静止した位相とともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、範囲変動位相誤差を推定することは、とりわけ、位相値をアンラップして曲線を適合させること、未加工角度への最小二乗適合を行うこと、または座標系を変更すること、および遅延を見出すために高速フーリエ変換(FFT)もしくは離散型フーリエ変換(DFT)等の任意の種類のフーリエ変換またはまたはウェーブレット変換を使用することを含むいくつかの方法で行われてもよい。この実施形態(座標系変更およびFFTを組み合わせること)は、ホログラフィックナビゲーションを超えた時間遅延推定に(例えば、特に上下動推定のために変位位相中心ナビゲーションを使用する合成開口システムの移動推定に)適用可能である。
【0106】
上下動推定法の一実施例においては、以下を含む:
【0107】
【数1】
式中、t=時間、r=範囲、c=音速、x=水平範囲、およびz=高度であり、
【0108】
【数2】
式中、e
x=x誤差、e
z=z誤差、s~=包絡関数、k
x0=搬送波周波数の波数であり、
【0109】
【数3】
ここで、誤差(e
x,e
z)のためにs1(x1)!=s2(x2)である。よって、s1(x1)にs2(x2)の共役を乗算すると、信号は、オフセットだけ異なり:
【0110】
【数4】
ここで、e
xは通常、非常に容易に観察可能かつ除去可能であり、範囲変動誤差が得られ:
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【数8】
ここから、e
zを推定するためにフーリエ変換することができる。
【0116】
ある実施形態では、信号補正器140またはシステム100の任意の他の構成要素によって採用される1つ以上の技法は、限定されないが、変化検出および2パス干渉法を含む特定の適用において使用されてもよい。変化検出は、典型的には、場面毎に2回の通過を行い、次いで、2つの画像を正確に整列させ、それらをコヒーレントに比較するプロセスである。「変化」があった領域中において、それらは有意に相関を失い得る。2パス干渉法は、典型的には、場面上を2回だけ通過すること、2つの画像を整列させること、これら2つの画像の位相を比較することを行うプロセスである。2つの画像の位相の比較は、地形の変化および変形を明らかにしてもよい。ある実施形態では、そのような変形は、数日から数年の期間にわたってもよい。そのような適用は、地震、火山、および地滑り等の自然災害の地球物理学的監視に対して、また、沈下および構造安定性の監視を含む構造工学において有用であり得る。システム100、とりわけ、信号補正器140の他の用途は、偵察、査察、および標的を含む。これらの用途は、高分解能画像を生成するため、および地形特徴(水面および/または水中)を区別するため、ならびに選択された人工標的を認識および識別するために、システム100を使用してもよい。なおも他の用途は、干渉法、ナビゲーション、誘導、茎葉および地下または水面下標的を撮像すること、標的を検出して移動させること、石油流出を監視すること等の環境監視用途を含む。
【0117】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、ソナーおよびレーダシステムの両方のために所望に応じて適合されてもよい。例えば、ソナートランスデューサが、好適なレーダトランスデューサと置換されてもよく、1つ以上の構成要素が、ソナーおよびレーダ体制で動作するよう修正され、本明細書において説明されるシステムに追加され、またはそこから除去されてもよい。いくつかの実施形態では、本システムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、ソナーおよびレーダデバイスの両方として動作するように構成されてもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がソナー撮像のために構成されるとき、周波数は、100kHzから約200kHzの範囲内であってもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がレーダ撮像のために構成されるとき、周波数は、1GHzから約30GHzの範囲内であってもよい。概して、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の周波数範囲に適用されてもよい。
【0118】
(高周波数ホログラフィックマッピングおよびナビゲーションシステムのある用途)
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、発明者らが認識している合成開口画像のホログラフィック特性および高周波数の種々の他の側面を利用する。例えば、音響信号のその2次元シェーディングおよびシャドウイングに基づいて、形状の3次元モデルを決定するためのシステムおよび方法が、本明細書において説明される。いくつかの実施形態では、シェーディングからの従来の形状は、解が不足した1つのパラメータであってもよく、純粋な画像から3次元モデルを導出するために、近似が必要とされてもよい。しかしながら、合成開口画像は、準ホログラムであり、一連の角度の連続した画像を含有するため、シェーディング問題から形状を過度に制約するのに十分な情報を含有し得る。上記で説明されるシステムおよび方法は、SAS画像をより低い分解能のサブパッチに分解し、次いで、複数の見晴らしの利く地点から観察されるシェーディングから、それらの配向を導出することによって、シェーディング問題から形状を解決する。
【0119】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、HFホログラフィックナビゲーションを使用して、高精度で(津波センサ等の)センサおよびナビゲーション標識を配置するための方法を含む。ある実施形態では、津波ブイが、水圧のわずかな変動に対して海底上のセンサを使用する。正確な測定を行うために、センサが海底上に適正に配置されることが必要である。センサが岩の後ろに隠されている、または海底上に水平に/うまく設置されてない場合、それらの測定の精度に影響を及ぼし得る。本明細書において説明されるシステムおよび方法は、事前地図を使用して、津波センサを非常に正確に配置することができるように、ホログラフィックナビゲーションシステム、および操縦システム、および津波センサを組み合わせる。
【0120】
いくつかの実施形態では、ホログラフィックナビゲーションは、海底に対して非常に高精度のナビゲーションを可能にするが、海底を周期的に観察する必要性によって制限され得る。海底を観察するようにかなりの高度にあり得る中深海システムは、ホログラフィックナビゲーションまたはその精度を利用することができない。本明細書において説明されるシステムおよび方法は、標識システム、および操縦システム、およびホログラフィックナビゲーションシステムを組み合わせることによって、この制限に対処する。標識は、非常に正確にそれ自体を配置することができ、船を使用して標識システムを較正する必要なく、長基線ナビゲーションまたは超短基線ナビゲーションを含むシステムを有効にする。
【0121】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、HFホログラフィックナビゲーションを使用して取得される高精度位置測定に基づいて、自律水中車両(AUV)を使用して水柱を監視およびモデル化するための方法を含む。いくつかの実施形態では、AUVは、ブイを囲むか、または単純に荷馬車の車輪を形成するかのいずれかである。相互に直交信号を伝送することによって、それらは、位置間の飛行時間を測定し、また、飛行時間差を測定することもできる。飛行時間から、水の音速を決定することが可能であり得、飛行時間差から、接続ベクトルに沿ったドップラ偏移を決定する/水の速度を推定することが可能であり得る。車両位置が、ホログラフィックナビゲーションを使用して決定され、それにより、後処理において水柱の高精度モデルを可能にする。車両は、再充電のために中央ブイにドッキングしてもよい。
【0122】
いくつかの実施形態では、AUV車両回収および車両ドッキングは、車両および目的地の両方の動的性質により、困難な問題であり得る。それを純粋に相対的な問題に分解することができる場合、車両は、ドックに対するその位置ならびにその配向を必要とする。本明細書において説明されるシステムおよび方法は、車両が、受動的にドッキングシステムに対するその非範囲位置を受動的に推定することを可能にし、かつ能動的にドッキングシステムまでのその範囲を推定することを可能にする。
【0123】
いくつかの実施形態では、本システムは、ブレーズドアレイが異なる角度で異なる周波数を伝送するという事実を利用する。直角に配向された異なる周波数とともに2つのブレーズドアレイを使用して、周波数の2次元グリッドを作成する。例えば、周波数が水平変位とともに変化するように300~600kHzブレーズドアレイが配向され、その周波数が垂直方向に変化するように600~1200kHzブレーズドアレイが配向されたと仮定されたい。450kHzおよび900kHzを観察する車両は、ドックに向かって真っ直ぐ突進しているであろう。500kHzおよび900kHzを観察するシステムは、正しい高度を有するであろうが、水平に変位させられるであろう。450kHzおよび950kHzを観察するシステムは、垂直に変位させられるであろう。いくつかの実施形態では、ドッキングステーションに対する車両の配向を測定するために、車両は、ブレーズドアレイからの入力信号の方向を測定するように小型受動アレイを有するであろう。
【0124】
いくつかの実施形態では、範囲は、超短基線標識等の小型標識システムを使用して測定されてもよい。いくつかの実施形態では、範囲は、短距離のみで観察可能である高い周波数を使用して測定されてもよく、または完全に無視されてもよい(純粋に滑走路ベースのドッキング方法)。
【0125】
(平面SASおよびホログラフィックナビゲーションを使用する地震探査システム)
地震探査は、概して、音響または電磁気を用いて、陸上または地球外特性を測定するために使用される2Dまたは3D地球物理探査の形態である。地震探査システムは、海底石油探索のために必要であるが、大型、船舶集中的、高価、および高電力である。従来の地震探査システムは、海底に高周波の音波を当てるために非常に高出力の伝送機を使用し、大型船で引かれる、けん引アレイのネットワーク上で信号を受信する。
【0126】
ある実施形態では、本システムおよび方法は、従来の地震探査システムよりも高い分解能、低い電力、および少ない大型船を用いて、全平面合成開口ソナーを形成するための、直交伝送機と複数の受信機との組み合わせを有する地震探査システムを含む。
【0127】
出願者らのシステムは、合成開口ソナー(SAS)の位相中心近似を利用する。位相中心は、伝送機と受信機の真ん中に位置する。(ナイキスト視点から)アレイが完全にデータ投入されるために、適切な数の適切に離間した位相中心を有する必要がある。
【0128】
ある実施形態では、システム100は、複数の伝送機を含む。直交信号とともに複数の伝送機を使用して、異なる伝送機によって作成される位相を区別することが可能であり得る。したがって、M個の伝送機およびN個の受信機を使用することによって、MN個の位相中心を作成することが可能である。これはしばしば、1つの伝送機およびMN個の受信機を使用するよりも安価である。ある実施形態では、システム100は、MおよびNという任意の実用的な値に一般化する。
【0129】
本システムの伝送機は、任意の種類の船舶またはロボット(船、自律水中車両(AUV)、無人水面車両(USV)、原子力潜水艦等)上に搭載することができる。ある実施形態では、本明細書において説明されるシステムの伝送機は、比較的高い電力を必要としてもよい。そのような実施形態では、船舶は、必要電力を伝送機に供給するように、好適な電力送達システムを装備してもよい。自律システムが編隊で操縦するために理想的であり、水上艇がGPSの使用を可能にするため、船舶の一実施例は、10mのRHIB(複合艇)等の中型サイズのUSVを含む。
【0130】
ある実施形態では、システム100は、複数の受信機を含む。本システムの受信機は、種々の車両に搭載され、(可能ではあるが)アレイを船で引くことなく、種々のアレイ種類を使用することができる。いくつかの実施形態では、AUVは、海底の近くに編隊で放たれる。これは、帰還路上の損失を低減させ、必要な伝送電力を低減させ、受信機がホログラフィックナビゲーションを使用して正確に配置されることを可能にする。ホログラフィックナビゲーションは、このようにして、領域の事前海底探査を必要とするが、これは比較的安価である。
【0131】
いくつかの実施形態では、伝送機および受信機の組み合わせは、位相中心のラインアレイを形成する。次いで、そのラインアレイは、データが蓄積されたときに、ナイキストサンプリングされた平面アレイがあるように、主に水平な方向に、その軸に対して直角に平行移動させられる。平面アレイを使用して、海底に深く浸透する高分解能ボクセルから成る3D画像を形成するように、信号をビーム形成することが可能であり得る。
【0132】
概して、地震探査用途について、システム100は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の好適な周波数において操作されてもよい。例えば、システム100は、1Hzから約10kHzの範囲における周波数のために構成されてもよい。システム100は、概して、100Hzから約10kHzの範囲における周波数を含む、10kHz未満の周波数のために構成されてもよい。ある実施形態では、システム100は、レーダベースの地震用途のために、電磁トランスデューサおよび好適な構成要素を伴って適合されてもよい。そのような用途では、周波数は、約300MHzから約30GHzに及んでもよい。レーダまたはソナーベースのアプリケーションのために動作するように構成されるか否かにかかわらず、システム100は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の好適な範囲における周波数を使用してもよい。
【0133】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、ソナーおよびレーダシステムの両方のために、したがって、合成開口ソナー(SAS)および合成開口レーダ(SAR)システムの両方のために、所望に応じて、適合されてもよい。例えば、ソナートランスデューサが、好適なレーダトランスデューサと置換されてもよく、1つ以上の構成要素が、ソナーおよびレーダ体制で動作するように、修正され、本明細書において説明されるシステムに追加され、またはそこから除去されてもよい。いくつかの実施形態では、本システムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、ソナーおよびレーダデバイスの両方として動作するように構成されてもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がソナー撮像のために構成されるとき、周波数は、10Hzから約1kHzの範囲内の高周波数および低周波数両方の範囲内であってもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がレーダ撮像のために構成されるとき、周波数は、1MHzから約100MHzの範囲内であってもよい。概して、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の周波数範囲に適用されてもよい。
【0134】
(低格子サイドローブSAS)
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、複数の伝送機を追加することと、SASシステムの性能を強化するように構成される、直交ピング発射シーケンスを生成することとを含む。特に、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、(
図8-9Bを参照して説明されるような)低格子サイドローブを有するSAS、(
図10-11Cを参照して説明されるような)複数の伝送機を使用する、高被覆率を有するSAS、およびSASシステムの範囲を増加させるための過剰ピング発射シーケンスを含む。
【0135】
一般に、格子サイドローブは、アクティブソナー要素が1つ以上の波長で離れているときに起こる。格子サイドローブは、要素が半波長以上で離れているときには、完全に抑制されない場合がある。ほとんどのアクティブソナーシステムについては、この間隔は、極めて高いチャネル数および全方向要素を必要とするであろうため、非実用的である。代わりに、ほとんどのシステムは、限定されたビームパターンとともに、より大型のトランスデューサ要素を使用する。ソナーシステムの結果として生じるビームパターンは、アレイビームパターン(格子ローブを含む)および個々の要素のビームパターンの生成物である。これらの要素が、格子ローブの方向に比較的わずかに出力するため、この間隔は、部分的にローブを抑制する。1つの例示的実施形態によれば、伝送機および受信機要素は、関連次元(例えば、幅)dを有し、位相中心近似(伝送機と受信機との間の楕円進行経路が、伝送機と受信機の真ん中で中心に置かれた範囲円としてモデル化される)を仮定すると、古典的なSASアレイは、
図9Aに示されるように、「d/2」間隔を有する。
【0136】
図9Bの例示的実施形態によれば、示されるように、アレイサンプリングを、d/2から、より高いもの(例えば、d/4)に恣意的に増加させてもよい。この空間は、非常に高い分解能の画像を作成するよう、合成開口ソナーシステムが、多くのピング/位相中心を蓄積することができるように、常に移動しているという事実を利用する。次いで、N>1である、d/2Nサンプリングを用いてアレイを作成するよう、処理において追加することができるように、本システムは、元の位相中心の間に付加的な位相中心を作成するように非常に短い遅延後に、直交信号を伝送することによって動作する。事実上、SNRは、もはや格子ローブ制限されなくなる。
【0137】
図8は、本開示の例示的実施形態による、画像を生成するようにシステム100等の合成開口ソナー(SAS)システムで複数の直交信号を使用するためのプロセス800を描写する。特に、プロセス800は、抑制された格子ローブを有するSASビームを生成するために直交信号を使用するように構成されてもよい。プロセス800は、伝送要素および複数の受信要素を有する、(
図1のアレイ112等の)SASアレイを提供することから始まる(ステップ802)。そのようなアレイは、
図9Aおよび9Bで描写されている。ある実施形態では、伝送および受信要素の各々は、第1の寸法dを有してもよい。寸法は、長さ、幅、および直径を含む、任意の好適な寸法を含んでもよい。ユーザまたはCCU160は、直交ピングの数Nを決定してもよい(ステップ804)。上述のように、概して、N>1である。ある実施形態では、サンプリングが約d/4であるように、N=2である。各ピングp(i)={p1,p2...,pn}は、Tpの持続時間を有する。ある実施形態では、時間が重複するピングが相互に対して直角であり、非直交ピングが相互と重複しないように、各ピングは、1つ以上の以前のピングに対して直角であり得る。CCU160または伝送機コントローラ118は、移動中の伝送機と受信機要素との間の有効距離を表す、第1の有効間隔D=d/2を計算してもよい。
【0138】
プロセス800によれば、伝送機コントローラ118は、時間をt0に設定し、i=1である、ピングp(i)を伝送し始めるように伝送機116に命令する(ステップ808)。トランスデューサアレイ112は、受信要素を接続する軸に平行な軸に沿って移動させられる(ステップ810)。ある実施形態では、伝送要素またはプロジェクタの面が受信機の面と同一平面にないことが容認可能であり得る。例えば、流線形車両は、本体形態と連続したポリウレタンコーティングを含むが、実際の伝送要素は、そのポリウレタンウィンドウの1~2インチ後ろに埋め込まれてもよい。CCU160は、トランスデューサアレイ112がD/Nの距離を移動したか否かを決定する(ステップ812)。トランスデューサアレイ112がD/Nの距離を移動した場合には、CCU160は、全てのピングが現在の反復で伝送されたか否かを決定する(ステップ814)。全てのピングが伝送されなかった場合には、次のピング(以前のピングに直交している)が伝送され、プロセスがステップ810から繰り返される。例えば、N=2であり、伝送機幅がd=0.1mであり、ロボットが毎秒1メートルで平行移動しており、各サイクル内の第1のピングの間の期間が1sであり、パルス長が0.2sである場合、プロセス800の1つの実装は、時間t=0で第1のピングを発射することを含む。時間t=0.025sで、トランスデューサ112は、d/4の距離を平行移動している。時間t=0.025sで、トランスデューサ112は、第2の直交ピングを発射するように構成されてもよい。0.025sから0.2sの間では、第1のピングおよび直交第2のピングの両方が伝送されている。0sから0.025sの間では、第1のピングのみが伝送されており、0.2sから0.225sの間では、第2の直交ピングのみが伝送されている。
【0139】
概して、理論によって拘束されるわけではないが、本プロセスは、車両が第2の仮想アレイを作成するほど十分に平行移動するまで、第2の信号の伝送を遅延させることを可能にする。プロセス800に示されたように、遅延は、車両速度に関係してもよく、発射は、車両速度を一定に保ちながら、測定された移動に基づいて調整されてもよい(「速度従属」構成)。ある他の実施形態では、遅延は、固定されてもよく、車両速度は、進路に沿った補償を行うことを含んで調整されてもよい。別の構成では、照合フィルタ長が、位相中心を画定するときに進路に沿った移動の不完全を補償するように、わずかに調整されてもよい(例えば、上記の実施例では、雑音シーケンスを伝送するが、次いで、有効車両ピング開始位置を正しく設置するように、照合フィルタテンプレートの最初の0.001sから0.00001sを飛ばす)。
【0140】
10センチメートル要素および10cm伝送機から成る、長さ1メートルの舷側アレイを伴う例示的なシステムを考慮されたい。次いで、位相中心の仮想アレイは、5cm離間した位相中心を伴って長さ50cmである。典型的なSASでは、車両は、伝送し、50cm移動し、再度伝送するであろう。d/4間隔で動作する本開示の変形例については、車両は、伝送し、2.5cm移動し、(元の信号を妨害しないよう)直交信号を伝送し、さらに47.5cm移動し、次いで、繰り返すであろう。車両が1m/sで移動していた場合、信号間の遅延は、1秒の1/40、または25msとなるであろう。伝送信号が25msよりも長い場合には、2つの直交信号が重複するであろう。この場合、信号は、一緒に合計されたときに伝送機を飽和させないように設計される必要がある。目標が、d/4である、より高いサンプリングである場合、複数の信号を一緒に合計する必要があり得る。
【0141】
この方法は、舷側合成開口ソナーのみに制限されない。舷側アクティブ位相アレイが、サイドローブを低減させるように非常に短い開口合成を形成するために、この技法を使用してもよい(すなわち、サイドスキャンソナーが2つのピングを融合するであろう)。実開口および合成開口前向きおよび/または斜視ソナーが、それらの要素数を増加させるために、同一の技法を使用してもよい。本技法は、円形SASアレイと非常に良好に連動するであろう。
【0142】
次いで、開口合成後にサイドローブをさらに低減させるように、および直交信号からの雑音を抑制するように、信号をピングによって変化させることができる。これは、以下を含む、いくつかの方法で明らかにされる。ピングを変化させることにより、開口合成中にその自己相関関数を変化させ、異なるサイドローブ構造を伴う異なる自己相関関数を一緒に合計することにより、これらのサイドローブの相対振幅を低減させるであろう。ピングを変化させることにより、開口合成中に、雑音が局所的に定在波ではなく、代わりに破壊的に干渉するように、2つの下位構成要素ピング間の相互相関関数を変化させる。
【0143】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、ソナーおよびレーダシステムの両方のために所望に応じて適合されてもよい。例えば、ソナートランスデューサが、好適なレーダトランスデューサと置換されてもよく、1つ以上の構成要素が、ソナーおよびレーダ体制で動作するように、修正され、本明細書において説明されるシステムに追加され、またはそこから除去されてもよい。いくつかの実施形態では、本システムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、ソナーおよびレーダデバイスの両方として動作するように構成されてもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がソナー撮像のために構成されるとき、周波数は、10kHzから約200kHzの範囲内の高周波数および低周波数両方の範囲内であってもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がレーダ撮像のために構成されるとき、周波数は、100MHzから約30GHzの範囲内であってもよい。概して、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の周波数範囲に適用されてもよい。
【0144】
(高被覆率SAS)
ある実施形態では、本開示は、長さLの実アレイを作成するように合体する、サイズdのN個の要素を伴う実アレイを用いた合成開口ソナー用のデバイスに関する。位相中心近似により、要素の有効位置は、伝送機と受信機の真ん中にあり、有効アレイ長をL/2にする。この有効アレイは、
図11A-Cに示されるように、仮想アレイと呼ばれるであろう。いくつかの実施形態では、直交信号を伝送する、2つの垂直に変位された伝送機が使用される場合、2つの垂直に変位された仮想アレイを作成し、干渉法を行うことが可能であり得る。垂直に変位された伝送機の一実施例は、その内容がそれらの全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、「Multi-transmitter Interferometry」と題された、米国特許第8,159,387号で説明される。
【0145】
いくつかの実施形態では、M個の垂直に変位された伝送機が使用される場合、M個の仮想アレイを作成することが可能である。いくつかの実施形態では、Lで離間した、2つの水平に分離された伝送機が使用される場合、Lの有効アレイ長を車両に与える、2つの隣接した仮想アレイを作成することが可能である。多重伝送機アレイの一実施例は、その内容がそれらの全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、「Synthetic
Aperture Side-Looking Sonar Apparatus」と題された、米国特許第5,295,188号で説明される。場合によっては、SASは、この有効アレイ長を達成するために、受信アレイから離れて設置された2つの伝送機を使用してもよい。アレイ長を倍増させることが、概して、SASの面積被覆率を倍増させるため望ましい。(車両がピング間の1つの有効アレイ長を移動するため、アレイ長が倍増する場合、ソナーの範囲が倍増する。ロボットがそのピング速度を維持する場合、後続のピングのための適所にあるために、その速度を倍増させなければならない。いずれの場合も、被覆率が倍増する。)
発明者らは、Lで離間したアレイから離れて一対の伝送機を設置することにより、Lの有効ソナーアレイ長(L/2の有効アレイ長を有する従来技術のシステムよりも大きい)をもたらすことを認識している。伝送機は、典型的には、受信アレイ上のいずれかの側に設置された場合、LではなくL+Dで離れるため、アレイから離れて設置される。この間隔は、欠落した要素を有し得る、仮想アレイをもたらし、格子サイドローブをもたらす。
【0146】
発明者らの方法は、伝送機のより融通の利く設置を可能にし、より小さいパッケージで、より大きい面積被覆率を可能にする。本方法は、非同期的に発射される直交信号とともに複数の伝送機を使用することと、隣接する仮想アレイを形成するように遅延および車両平行移動を使用することとを含む。サイズdのN個の要素の単純アレイについては、アレイのいずれかの側にサイズdの伝送機を伴って、
図11A-Cに示されるように、前方伝送機が最初に伝送し始め、その後に、車両がd/2を前方移動するにつれて遅延が続き、次いで、後方伝送機が発射し始める。技術的な理由で、伝送機が異なる間隔を有する場合、それに従ってタイミングが調整されてもよい。
【0147】
いくつかの実施形態では、本方法は、車両に沿って設置された多数の伝送機を可能にする。例えば、(3Lの全長について)Lで離間した4つの伝送機が使用された場合、有効アレイ長は、2Lであり、本システムの面積被覆率は、基準SASの4倍になる。いくつかの実施形態では、アレイを延長するために、M個の伝送機が使用される場合、面積被覆率は、基準被覆率のM倍まで増加する。同様に、複数対(より大型の複数組)の垂直に変位された伝送機が、より長い干渉アレイを作成するように追加されてもよい。分離された進路に沿った伝送機を同一の垂直位置に設置することができず、平行であるが同一線上にない仮想アレイをもたらす場合、垂直変位を補正するために、グレージング角補償を使用することができる。伝送機によって使用される直交信号をピングによって変化させることにより、望ましくあり得る雑音抑制をさらに低減させ得る。ある実施形態では、アレイを延長するように、ほぼ同時にチャネルを発射することが望ましくあり得る。そのような実施形態では、プロジェクタが、0(例えば、受信機アレイの先端部)およびL+w(例えば、受信機アレイの後端部)に、ならびにkが整数であり、deltaが何らかの許容変動である約(k+/-delta)*Lにおいて他の場所に配置されてもよい。デルタは、底部跳ね返りの前の時間よりも少ない遅延に対応する。
【0148】
図10は、本開示の例示的実施形態による、そのような多重伝送機配列を有するSASシステムからパルスを伝送するためのプロセス1000を描写する。プロセス1000は、各々幅wを有する、複数の受信機要素および2つの伝送機要素を伴う受信機アレイを有する、トランスデューサアレイを提供することから始まる(ステップ1002)。ある実施形態では、伝送要素は、
図11A-Cで描写されるアレイ等の受信機アレイのいずれかの側に、かつ受信機アレイの軸に沿って配置される。車両が前方方向に移動するように、伝送機T1が、後方位置に配置されてもよく、伝送機T2が、前方位置に配置されてもよい。伝送機T2が、最初にピング発射してもよく(ステップ1004)、その後、車両が、進路に沿って、かつT1およびT2を接続するアレイ軸に沿って移動してもよい(ステップ1006)。ソナーシステム100は、ソナーアレイが距離w/2を移動したか否かを決定してもよい(ステップ1008)。いったんソナーシステム100がそのような距離を移動すると、T1のピングがT2の以前のピングに直交しているように、伝送機T1がピング発射してもよい(ステップ1010)。次いで、車両は、進路に沿って移動してもよく(ステップ1012)、ソナーシステム100は、進んだ距離がw/2に等しいか否かをもう一度問い合わせてもよい(ステップ1014)。そのような距離が横断された場合、プロセス1000がステップ1004から繰り返されてもよく、T2が再度ピング発射してもよい。幅wの伝送機がアレイからさらに離間された場合には、遅延はわずかに大きくなる必要があるであろう。
【0149】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、ソナーおよびレーダシステムの両方のために、したがって、合成開口ソナー(SAS)および合成開口レーダ(SAR)システムの両方のために、所望に応じて適合されてもよい。例えば、ソナートランスデューサが、好適なレーダトランスデューサと置換されてもよく、1つ以上の構成要素が、ソナーおよびレーダ体制で動作するように、修正され、本明細書において説明されるシステムに追加され、またはそこから除去されてもよい。いくつかの実施形態では、本システムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、ソナーおよびレーダデバイスの両方として動作するように構成されてもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がソナー撮像のために構成されるとき、周波数は、10kHzから約200kHzの範囲内の高周波数および低周波数両方の範囲内であってもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がレーダ撮像のために構成されるとき、周波数は、100MHzから約30GHzの範囲内であってもよい。概して、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の周波数範囲に適用されてもよい。
【0150】
(複数のSAS伝送機との重複)
水中でのソナーの最大範囲は、典型的には、音が標的まで進行し、次の伝送前に戻ることができる距離として定義される。しかしながら、次の伝送後、事前ピングが水を通って伝搬し続ける。事前ピングを使用することが可能である場合には、ソナーの範囲および/またはソナーの面積被覆率が増加させられてもよい。合計N個のピング(N-1個の事前ピング)が完全に使用される場合には、面積被覆率は、Nという因数だけ増加させられてもよい。
【0151】
残念ながら、(一定の標的強度を仮定すると)遠隔エコーは、より近いエコーよりも弱い。直交信号を使用することによって、信号対雑音比(SNR)を向上させることが可能であり得るが、伝送機が伝送している間に受信することは、依然としてほぼ不可能となるであろう。Rの古典的範囲を伴うシステムについては、これは、Rをちょうど越えた範囲でエコーを観察することが(ほとんど)常に不可能であり得ることを意味する。
【0152】
したがって、さらに別の側面では、本開示は、同一の範囲および位相中心位置からデータを回収する複数の機会を提供し、これらの観察のうちの少なくとも1つが妨害されないことを確実にするよう、離間され、新規の順序で発射される、複数の伝送機を追加することによる、このSNR問題の解決法に関する。いくつかの実施形態では、N個の分離された伝送機が、仮想アレイの範囲をNだけ増加させるために使用されてもよい。
【0153】
一実施例では、dt=L/2Vのピング間遅延を伴う速度V(V*dt=L/2、R=c/2*dt=cL/4V)において、長さLおよび最大古典的SAS範囲Rを伴うアレイを考慮されたい。伝送機は、x=0、x=0.25L、x=0.6Lにあると仮定されたい(ゼロが船首上であり、後方に移動して距離が増加する)。第2の伝送機が第1の伝送機と同一の仮想アレイを形成するために、車両がそれを配置するように十分に移動する(約0.25dtに対応する)まで、発射を遅延させなければならない。同様に、第3の伝送機が使用される場合、0.6dtで遅延させられなければならない。伝送機1および2を使用してピング1が形成され、伝送機1および3を使用してピング2が形成され、伝送機2および3を使用してピング3が形成され、次いで、シーケンスが繰り返されると仮定されたい。次いで、発射シーケンスタイミングは、以下のように、
伝送機1:[0,1,off,3,4,off,....]*dt
伝送機2:[0.25,off,2.25,3.25,off,5.25,....]*dt
伝送機3:[off,1.6,2.6,off,4.6,5.6,....]*dt
であってもよい。
【0154】
したがって、全てのピング時間の組み合わせは、[0,0.25,1,1.6,2.25,2.6,3,3.25,4,4.6,5.25,5.6,etc]*dtである。伝送機1および2は各々、ピング位置1のための仮想アレイを形成する。妨害が将来のピングによって引き起こされるため、仮想アレイ1ピング1が、[0.25,1,1.6,2.25,2.6,3,3.25,4,4.6,5.25,5.6,etc]*Rといった範囲で妨害される。仮想アレイ2ピング1が、([1,1.6,2.25,2.6,3,3.25,4,4.6,5.25,5.6,etc]-.25)*dt=[.75,1.35,2,2.35,2.75,3,3.75,4.35,5,5.35,etc]*Rといった範囲で妨害される。
【0155】
仮想アレイ1が0.25Rで妨害されるが、仮想アレイ2が妨害されないため、仮想アレイ2の信号が、これらの中間範囲に使用される。仮想アレイ2が0.75Rで妨害されるが、仮想アレイ1が妨害されないため、仮想アレイ1の信号がそこで使用される。両方のアレイが2Rで妨害されるため、したがって、最大非妨害範囲である、2Rの妨害されていない観察を得ることは可能ではない。両方のアレイが妨害される範囲(融合信号が妨害される範囲)は、[3,6,9,12 etc]*Rである。同様に、第2のピングは、伝送機1および3によって形成される仮想アレイを使用し、第3のピングは、アレイ2および3を使用する、等である。信号は、以降のピングについても同様に組み合わせられる。信号をピングによって変化させることにより、雑音抑制をさらに低減させる。
【0156】
トランスデューサ/プロジェクタ間隔は、0、0.25*L、および0.6*Lであるものとして上記で説明されたが、システム100は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の好適な発射シーケンスを有し、任意の好適な間隔で配置された任意の数のプロジェクタを含んでもよい。概して、システム100は、パターンを繰り返すことによって、またはランダムであり得る新しいシーケンスを生成することによってのいずれかで、重複を複数の進路に沿ったプロジェクタと組み合わせてもよい。別の実施例として、システム100は、0、0.25*L、0.4142*L、0.6*L、および0.7321*Lに配置された5つのプロジェクタのアレイを含んでもよい。位置0.4142*Lは、[sqrt(2)-1]*Lに対応し、位置0.732*Lは、[sqrt(3)-1]*Lに対応する。そのような実施例では、発射シーケンスは、以下のように、
伝送機1:[0,1,2,3,off,5 etc.]*dt
伝送機2:[0.25,1.25,2.25,off,4.25,5.25,etc.]*dt
伝送機3:[0.4142,1.4142,off,3.4142,4.4142,5.4142,etc.]*dt
伝送機4:[0.6,off,2.6,3.6,4.6,5.6,etc.]*dt
伝送機5:[off,1.7321,2.7321,3.7321,4.7321,off,etc.]*dt
であってもよい。
【0157】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、ソナーおよびレーダシステムの両方のために、したがって、合成開口ソナー(SAS)および合成開口レーダ(SAR)システムの両方のために、所望に応じて適合されてもよい。例えば、ソナートランスデューサが、好適なレーダトランスデューサと置換されてもよく、1つ以上の構成要素が、ソナーおよびレーダ体制で動作するように、修正され、本明細書において説明されるシステムに追加され、またはそこから除去されてもよい。いくつかの実施形態では、本システムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、ソナーおよびレーダデバイスの両方として動作するように構成されてもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がソナー撮像のために構成されるとき、周波数は、10kHzから約200kHzの範囲内の高周波数および低周波数両方の範囲内であってもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がレーダ撮像のために構成されるとき、周波数は、100MHzから約30GHzの範囲内であってもよい。概して、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の周波数範囲に適用されてもよい。
【0158】
(ホログラフィック同時局所化およびマッピング(SLAM))
少なくとも1つの画像が合成開口に由来することを要求することによる、AUV用の古典的なホログラフィックナビゲーションは、真のSLAM(同時局所化およびマッピング)解決法を可能にしない。これは、実開口画像が合成開口画像と相関させられたときに、位置推定値更新が平均の1であり、推定値を個々の状態に単離できないためである。
【0159】
一側面では、本開示は、ホログラフィックナビゲーションのために少なくとも1つの合成開口画像または準ホログラムを必要とするという上記の要件を除去する方法に関する。いくつかの実施形態では、観察位置を接続する領域が画定され、例えば、「相関チューブ」を形成することによって、実開口相関を可能にするような方法で使用される。理想ソナーが導入され、チューブの内側で相関性能を向上させる。いくつかの実施形態では、新しい操作方法が、典型的な調査ソナーがそのナビゲーションを向上させるために相関チューブを使用することを可能にする。
【0160】
前述のように、概して、一連の角度にわたって画定されるホログラムが、(周波数制限、閉塞等のいくつかの制約を受けて)その一式の角度内の全ての可能な画像を含有するため、ホログラフィックナビゲーションが機能する。実開口画像が合成開口画像に対して相関させられたとき、相関プロセスは、実開口画像が発生した準ホログラム内の位置を透過的に識別する。実開口ソナーは、1つの見晴らしの利く地点から各物体を見て、かつ一式の異なる見晴らしの利く地点から一式の物体を見るが、準ホログラムは多面記録であるため、相関が機能する。2つの実開口画像が比較されたとき、以前は不可能であると仮定されたが、2つのソナーを接続する線に沿った標的のみを相関させることができる。2つのソナーと同一線上にある特徴の割合が例外的に小さいため、およびその線を外れた領域からの相関結果が雑音であるため、相関の結果として生じる信号対雑音比は、ゼロに近い。
【0161】
いくつかの実施形態では、上記の方法は、予備ナビゲーション推定値と、実開口アレイと、「相関チューブ」とを組み合わせることによって、この問題を解決する。いくつかの実施形態では、AUVが、事前観察を行ったときのその位置の合理的に正確な推定値を有する場合、2つの位置を接続する合理的に正確なベクトルを画定することができる。実開口アレイを使用して、ソナーは、そのベクトルの方向に沿って、いずれかの位置において受信される信号を操縦することができる。正しい相関方向に両方のビームを形成することによって、信号対雑音比が相当に向上する。
【0162】
いくつかの実施形態では、実開口ソナーは、近接場にあるとともに、誤った情報を用いることなくビームを形成することが可能であるほど十分に長い(「雑音がない」と呼ぶ衝動があるが、当然ながら、依然として環境雑音源にさらされるであろう)。例えば、アレイの舷側ベクトルに沿った距離Dによって分離される、長さLの2つの平行アレイを考慮されたい。分離距離におけるアレイの分解能が、アレイの長さより小さい場合には、アレイは、非重複方位を伴う領域からエネルギーを「遮断」するのに十分な分解能を有する(数学的には、これは近接場制約に非常に類似する)。波長λを仮定し、小角度仮定を立てると、アレイの角分解能は、ΔΘ=λ/Lであり、範囲を横断した分可能は、Δx=rΔΘ=rλ/Lである。Δx<Lまたはrλ/L<Lを所望するため、本技法は、r<L2/λであるときに、最も良好に機能する。rとLとの間の非線形関係は、アレイ長が増大するにつれて、最大範囲が急速に増加することを意味する。L≒0.50mおよびλ≒0.01mである、ほとんどの既存の合成開口ソナーについては、最大範囲は、約25mである。L=2.5mおよびλ=0.0083mである、いくつかの実施形態では、最大範囲は、約753m、または250mという意図された調査範囲の3倍である。より一般的には、ビーム幅φを考慮すると、範囲制約は、r<cos2φL2/λとなる。例示的実施形態によれば、ビーム幅制約に従って設計されたシステムは、性能劣化を伴わずに、舷側からの相関チューブを使用することができる。
【0163】
図12は、本開示の例示的実施形態による、実開口ソナー画像を使用した同時局所化およびマッピング(SLAM)のためのプロセスを描写する。車両上のソナーシステム100は、車両によって横断されている地形の一部分の第一の実開口音響データを受信してもよい(ステップ1202)。ソナーシステム100(例えば、CCU160)は、第1の実開口画像が取得された位置を表す、第1の位置推定値を受信してもよい(ステップ1204)。場合によっては、位置推定値および第1のデータ(または画像)が、地形を横断するのと同一の車両によって、(同一の使命または前の使命のいずれかで)先験的に取得されていてもよい。他の場合において、位置推定値および第1のデータ(または画像)は、地形を横断する別の車両によって(同一の時間または異なる時間に)取得されていてもよい。両方の車両が、同時に地形を横断し、相互と通信していてもよい。画像を受信する車両が、現在の位置まで移動されてもよい(ステップ1206)。現在の位置で、車両は、現在の位置を表す第2の位置推定値を受信してもよい(ステップ1208)。次いで、ソナーシステム100は、第1の位置推定値および第2の位置推定値を接続する相関軸(または相関チューブ)を決定してもよい(ステップ1210)。相関は、現在の位置で車両のビーム形成の方向を決定してもよい。ソナーシステム100は、地形に高周波の音波を当て、現在の位置から地形の第2の実開口画像を生成してもよい(ステップ1212)。ソナーシステム100のビームフォーマ134は、受信された音響信号が、地形に向かって、かつ相関軸またはチューブに沿って方向付けられるように、受信信号を操縦してもよく(ステップ1212)、それにより、現在の位置における車両が、第1の実開口画像が取得された方向と同一の軸に沿って、地形を視認することを可能にする。
【0164】
ほとんどの合成開口ソナーが、調査を行うために使用される。ほとんどの調査は、芝刈り機パターンを辿る。芝刈り機パターンを使用して調査するとき、(完全被覆率を確保するように)隣接通過を重複させることは典型的であるが、その重複は、(間違ったスペクトル配向を有するため)ホログラフィックナビゲーションには好適ではない。ソナーが最大有効範囲Rを有すると仮定すると、帯状の部分は、典型的には、2Rで離間させられ、ホログラフィックナビゲーションのために正しく配向される隣接調査区間からの画像の一部分は、2Rから3Rの間の範囲に存在する。本明細書のシステムのソナー設計は、基準動作範囲の3倍で正しい相関を可能にするため有利である。
【0165】
いくつかの実施形態では、(画像を見るように巡回することなく)遠隔ソナー画像に対してナビゲートする複数の方法があってもよい。1つのそのような方法は、ソナーシステム100等のSASと、車両を1/3速度まで減速することとを含んでもよく、次いで、範囲を3倍にし、ホログラフィックナビゲーション固定を可能にするであろう。概して、車両は、所望量だけ範囲を増加させるように好適な任意の量で減速させられてもよい。別の方法は、二重周波数システムを含むことであり、1つの周波数が、継続的に地図を描く一方で、別の周波数は、(地図を描くための)通常ピング速度と(遠隔領域を観察するための)1/3ピング速度とを交互に繰り返す。第3の方法は、直交信号のシーケンスを使用することであってもよい。遠隔エコーが、より近いエコーに対して十分に直交している場合、それらを相関およびナビゲーション更新に使用することができる。長距離での撮像と違って、全ての範囲(他の伝送によりSNRが不良である部分を含む)で得られた信号を使用することは必要ではない。概して、「十分に良好な」SNRを伴う範囲領域のみを使用することが十分である。事前通過に対して相関させるとき、多くの異なる事前ロボット位置を通してビームを操縦し、多くの異なる測定値を生じさせることが可能である。後処理で使用されると、これは、正確な地図をもたらすことができるが、いくつかの実施形態では、限定された一式のビームがリアルタイムで処理されてもよい。
【0166】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、ソナーおよびレーダシステムの両方のために、したがって、合成開口ソナー(SAS)および合成開口レーダ(SAR)システムの両方のために、所望に応じて適合されてもよい。例えば、ソナートランスデューサが、好適なレーダトランスデューサと置換されてもよく、1つ以上の構成要素が、ソナーおよびレーダ体制で動作するように、修正され、本明細書において説明されるシステムに追加され、またはそこから除去されてもよい。いくつかの実施形態では、本システムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、ソナーおよびレーダデバイスの両方として動作するように構成されてもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がソナー撮像のために構成されるとき、周波数は、10kHzから約200kHzの範囲内の高周波数および低周波数両方の範囲内であってもよい。ある実施形態では、本システムおよび方法がレーダ撮像のために構成されるとき、周波数は、100MHzから約30GHzの範囲内であってもよい。概して、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の周波数範囲に適用されてもよい。
【0167】
(SASのバイスタティックおよびモノスタティックギャップ充填)
合成開口ソナーは、近「最下点」体制で(車両の真下で)うまく機能しない。これは、水平距離に対する範囲の偏導関数が、ソナーの真下で約ゼロであり得るためである。
【0168】
前述の問題に対する2つの従来の解決法がある。第1は、車両の真下で撮像するために実開口ソナーを使用することである。しかしながら、調査ソナー範囲が増加するにつれて、概して、より高い高度から調査する必要があり、実開口ギャップ充填機の分解能を、概して、所与の開口について劣化させる。これは、増加した範囲による減少した空間分解能、ならびに範囲および吸収により、より低い周波数/より長い波長を使用する必要があるといった、2つの効果によるものである。たとえ開口を増加させることができても、長距離調査ソナーのための現実的な高度で、SAS分解能に近づく分解能を得ることは不可能である。
【0169】
出願者らは、バイスタティックに相互の伝送を聞き、撮像することができるよう配置される、複数のソナー車両を使用することによって、この問題を解決する。バイスタティック画像は、いずれかの車両の下でSASレベル分解能、および車両間のギャップにおいて不良な分解能を有する。SAS画像およびバイスタティックSAS画像を融合することによって、非常に高い分解能の地図を有することが可能である。
【0170】
ある実施形態では、長距離車両が、より小型の車両と併せて使用されてもよい。そのような実施形態では、撮像に使用される長距離車両は、その下に非常に大きいギャップを含んでもよい。次いで、第2のより小型の車両は、大型車両のギャップを撮像するために特異的に使用されてもよい。第2の車両は、同じ進路線だが、大型車両の下を飛行してもよい。
【0171】
ある他の実施形態では、車両が、より高い高度で使用され、ソナーの範囲に相当するギャップを車両の下に作成してもよい。そのような実施形態では、後続区間が、最小の無駄を伴って、前の区間のギャップを充填するように、次いで、1つ以上の隣接使命区間が飛行される。この設計は、従来のSASよりも急なグレージング角を仮定するが、合成開口レーダ(SAR)にとって、より典型的と見なされるであろう。上記で説明される、グレージング角補償/ホログラフィックナビゲーションの視点から、グレージング角の低減した範囲が有益であり得る。
【0172】
(受動相対的局所化)
複数の車両が調査を行うとき、使命にわたって生じる慣性ナビゲーション誤差に対処するよう、それらの調査領域を重複させることが必要である。(これは、長基線または超短基線等の事前配備された標識ネットワークがない未知の領域を仮定する。)慣性ナビゲーション誤差が時間とともに増大するため、長い使命にわたって大幅なドリフトがあり得る。この大きなドリフトは、大きな重複を必要とし、ソナーの正味面積被覆率を大幅に減少させる。代わりに、車両が、緊密な編隊で飛行することができる場合には、その重複を低減させることができ、大きな誤差は、編隊によって撮像される領域の縁のみで発生する。
【0173】
車両がそれらの編隊を維持するための1つの方法は、標識システムを使用することによるものである。機内超短基線ナビゲーションシステムを使用して、別の車両までの範囲および方角を測定することが可能である。しかしながら、これは、付加的なシステムを必要とする。
【0174】
代わりに、発明者らは、車両(合成開口ソナーアレイおよびシステム100を有すると仮定される)が、その実開口ソナーを使用して、他の車両からの伝送を受動的に聞く、低減を提案する。受信された信号を使用して、それは、(範囲ではなく)他の車両までの方角を測定してもよい。ほとんどのSASは、ピングが車両の知覚された位置に基づいて時期を合わせられることを意味して、「速度に従属する」ため、範囲を受動的に測定することは困難である。到着時間に基づいて範囲を受動的に推定するために、スキームが使用されてもよいが、SASピングタイミングのランダムな構成要素により、これが望ましくなくなる。
【0175】
本明細書において説明される方法およびシステムは、相互に対して車両を受動的にディザリングし、ナビゲーションフィルタにおいてデータを融合することによって、範囲を測定する。例えば、ゆっくりドリフトする慣性ナビゲーションシステムと並行して飛行する2つの車両を考慮されたい。それらが、各々2m/sの基礎調査速度を有すると仮定されたい。5分間にわたって、車両#1が2.05m/sで飛行し、車両#2が1.95m/sで飛行し、位置の30mの変化をもたらすと仮定されたい。車両が300m離れている場合、これは、位置の5.6度の変化に対応し、それらが310mだけ離れている場合、これは、5.8度の変化に対応し得る。0.008mの波長を有する2.5mアレイは、0.18度の角分解能を有し、10mの範囲変動を観察可能にする。
【0176】
本明細書において説明される方法およびシステムの代替的なインスタンス化では、車両は、範囲を推定するように、他の車両上の時限ピンガを受動的に聞く。車両に内蔵したフィルタが、クロックドリフトを推定する。ディザリングは必要ではないが、受動ピンガを聞く場合、ディザリングがクロックドリフトをより観察可能にする。
【0177】
(圧力および物質補償)
別の側面では、本明細書において説明されるシステムおよび方法は、外圧、または物質、例えば、石油補償バッテリへの暴露から、電気または電子構成要素を保護する、デバイスに関する。いくつかの実施形態では、本デバイスは、1つ以上の電気構成要素を包囲する、導電体および1つ以上の電気絶縁体の両方でできた筐体を含む。この構造は、格納された電気構成要素の完全性または動作に悪影響を別様に及ぼすであろう、外部静水圧または他の力を支持するように設計されてもよい。いくつかの実施形態では、本デバイスは、限定されないが、Oリング、ガスケット、接着剤、または部品間の機械的干渉圧入を含む、従来の方法によって、液体またはガスの侵入に対して密閉されてもよい(例えば、以下の
図13Aおよび13Bの詳細を参照)。また、バネまたはワイヤ等の別個の構成要素であろうと、筐体構成要素自体の一体機械的特徴であろうと、格納された電気構成要素の端子と筐体の導電性部分との間で電気接触を行う、電気接触構造があってもよい。
【0178】
図13Aおよび13Bは、そのようなデバイス1300の例示的実施形態を示す。このデバイスの実施形態は、円筒形の電気ヒューズまたは任意の他の電気構成要素1302に印加される外部静水圧に抵抗するように、筐体を形成する。筐体は、剛性絶縁材料でできている中央セクション1304、導電性金属でできている2つの端部キャップ1306aおよび1306b(集合的に「1306」)、2つのOリングシール1310、および1つ以上の導電性バネ1308で構築される。筐体は、端部キャップ1306およびバネ1308が、格納されたヒューズまたは他の電気構成要素の各端子までの伝導性経路を形成するように、
図13に示されるように組み立てられる。任意の他の伝導性材料が、本開示の範囲から逸脱することなく、バネ1308に加えて、または代替として、バネ1308とともに使用されてもよい。例えば、そのような伝導性材料は、金網、伝導性液体、または伝導性発泡体を含んでもよい。筐体の幾何学形状は、筐体の外部寸法が、格納されたヒューズまたは他の電気構成要素よりも大きい円筒形ヒューズまたは他の電気構成要素の標準寸法と同等であるように構築される。本デバイス/筐体は、1つまたは1つよりも多くの電気構成要素を収納するように構成されてもよい。ある実施形態では、複数の電気構成要素が、筐体内で並列または直列に設置されてもよい。
【0179】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、Unix(登録商標)システム等の従来のデータ処理システム上で動作するソフトウェア構成要素として実現されてもよい。その実施形態では、これらの機構は、C言語コンピュータプログラム、あるいはMatlab、C++、Fortran、Java(登録商標)、またはBASICを含む、任意の高水準言語で書かれたコンピュータプログラムとして実装することができる。加えて、マイクロコントローラまたはDSPが採用される実施形態では、マッピング機構は、マイクロコードで書かれ、または高水準言語で書かれ、採用されるプラットフォーム上で実行することができるマイクロコードにコンパイルされるコンピュータプログラムとして実現することができる。そのようなデータ処理システムの開発は、当業者に公知であり、そのような技法は、Digital Signal Processing Applications with the TMS320 Family,Volumes I,II,and III,Texas Instruments(1990)に記載されている。加えて、高水準プログラミングのための一般的技法が公知であり、例えば、Stephen G.Kochan,Programming in C,Hayden Publishing (1983)に記載されている。DSPは、コントラスト、エッジ解像力、および輝度の調整を通した画像処理等の前処理機能を含む、信号処理機能を実装するために特に適していることに留意されたい。DSPおよびマイクロコントローラシステムのためのコードを開発することが、当技術分野で周知である原理から得られる。本システムはまた、当業者に公知であるように、一群の関連問題に対する解決法のための設計を具現化する、一式の部類として概して理解される、オブジェクト指向フレームワークを提供し、かつそれを可能にする。The C++ Programming Language,2nd Ed.,Stroustrup Addision-Wesleyを参照されたい。したがって、作業マッピングおよびフィルタリングプログラムのプレハブ構造またはテンプレートを提供する、マッピングおよびフィルタリングのためのフレームワークが作成されてもよい。
【0180】
説明されるものの変形例、修正、および実装が、本明細書において説明されるシステムおよび方法の精神および範囲から逸脱することなく、採用されてもよい。例えば、本システムおよび方法は、ソナー信号を使用する水中マッピングおよびナビゲーションとの関連で説明されるが、本システムおよび方法は、空中あるいは他の陸上または宇宙ベースの地形で地図を描き、ナビゲートするために等しく適用可能であり得、他の撮像技法を使用することは、レーダ、光信号、および任意の音響または電磁信号を含む。また、上記で説明される、または参照することにより組み込まれる、方法およびシステム特徴のうちのいずれかは、本明細書で開示される、または参照することにより組み込まれる、任意の他の好適な方法またはシステム特徴と組み合わせられてもよく、考慮されるシステムおよび方法の範囲内である。本システムおよび方法は、その精神または本質的な特性から逸脱することなく、他の具体的形態で具現化されてもよい。したがって、先述の実施形態は、本明細書において説明されるシステムおよび方法を限定するよりもむしろ、あらゆる点で例示的と見なされるものである。