(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20240301BHJP
G06Q 20/38 20120101ALI20240301BHJP
【FI】
G06Q20/40
G06Q20/38 310
(21)【出願番号】P 2021205814
(22)【出願日】2021-12-20
(62)【分割の表示】P 2020003813の分割
【原出願日】2020-01-14
【審査請求日】2022-01-28
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】金森 研太
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-114179(JP,A)
【文献】特開2011-191857(JP,A)
【文献】特開2009-289063(JP,A)
【文献】特開2021-111208(JP,A)
【文献】特開2006-215779(JP,A)
【文献】特開2010-250471(JP,A)
【文献】特表2015-531905(JP,A)
【文献】特開2010-211412(JP,A)
【文献】特開2008-134849(JP,A)
【文献】特開2014-127139(JP,A)
【文献】特開2014-127138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済時以外の利用者の位置情報を取得する位置取得部と、
前記利用者に対する決済を行った決済場所の所在情報を取得する所在取得部と、
決済時以外の前記利用者の位置情報
と前記利用者の
状況に基づいて、決済したときに取得した前記決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する推定部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記決済場所の所在情報が正しくないと推定
された場合、前記決済場所の所在情報を
含むデータを蓄積し、蓄積されたデータが一定件数に達した場合、正しくないと推定した前記決済場所の所在情報
を含むデータの精査、無効化、あるいは修正の要求、又は前記決済場所の所在地の確認の提案を行う制御部と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記位置取得部は、決済時以外の前記利用者の複数の位置情報を取得し、
前記推定部は、決済時以外の前記利用者の複数の位置情報
と前記利用者の
状況に基づいて、決済したときに取得した前記決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記位置取得部は、決済前の前記利用者の第1位置情報と、決済後の前記利用者の第2位置情報とを取得し、
前記推定部は、前記利用者の第1位置情報および第2位置情報
と前記利用者の
状況に基づいて、決済したときに取得した前記決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する
ことを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記位置取得部は、前記利用者の位置情報の履歴を取得し、
前記推定部は、前記利用者の位置情報の履歴
と前記利用者の
状況に基づいて、決済したときに取得した前記決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する
ことを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記推定部は、決済時以外の前記利用者の位置情報に基づいて前記利用者の行動パターンを取得し、前記利用者の行動パターンから、前記決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する
ことを特徴とする請求項1~5のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記位置取得部は、決済時以外の複数の前記利用者のそれぞれの位置情報を取得し、
前記推定部は、決済時以外の複数の前記利用者のそれぞれの位置情報
とそれぞれの
状況に基づいて、決済したときに取得した前記決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する
ことを特徴とする請求項1~6のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記所在取得部は、さらに前記利用者に対する決済を行った他の決済場所の所在情報を取得し、
前記推定部は、前記他の決済場所の所在情報から、前記決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する
ことを特徴とする請求項1~7のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記推定部は、前記利用者の位置情報と前記利用者の属性情報とから、前記決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する
ことを特徴とする請求項1~8のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記位置取得部は、歩行者自律航法の技術を利用して、屋内の前記利用者の位置情報を取得する
ことを特徴とする請求項1~9のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記決済は、電子決済である
ことを特徴とする請求項1~10のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記決済は、二次元コード決済である
ことを特徴とする請求項1~11のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
決済時以外の利用者の位置情報を取得する位置取得工程と、
前記利用者に対する決済を行った決済場所の所在情報を取得する所在取得工程と、
決済時以外の前記利用者の位置情報
と前記利用者の
状況に基づいて、決済したときに取得した前記決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する推定工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
決済時以外の利用者の位置情報を取得する位置取得手順と、
前記利用者に対する決済を行った決済場所の所在情報を取得する所在取得手順と、
決済時以外の前記利用者の位置情報
と前記利用者の
状況に基づいて、決済したときに取得した前記決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する推定手順と
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クレジット決済したタイミングで加盟店の所在情報を取得して近隣で使えるクーポンを配信する技術が開示されている。この技術では、キャッシュレス決済における決済タイミングで加盟店の住所を取得して加盟店の地域を特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、取得した加盟店の所在情報(住所等)が正しいことを前提としている。したがって、上記の従来技術では、もし取得した加盟店の所在情報の中に、明らかにおかしい不自然な情報が含まれていたとしても、それが正しいか否かを判別する手段がない。
【0005】
例えば、決済したときに取得した加盟店の住所がその加盟店の本社所在地となっている場合や、店舗が移転したにもかかわらず決済サービスの登録情報が更新されていない場合、あるいは新規出店(開店)と撤退(閉店)とを繰り返している場合等には、店舗の実態と異なる住所となることがある。
【0006】
不正確な情報が数十件のデータ中に数件程度であれば、人の目で判別することも可能であるが、膨大な件数の購買履歴等のビッグデータ中に不正確な情報が紛れ込んでいると、それに気づくことも困難である。不正確な情報が紛れ込んでいることに気づかないまま放置すれば、情報を訂正する機会を逃してしまう。そのため、決済したときに取得した店舗の所在情報が正しいか否かを推定する手段が求められている。
【0007】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、決済したときに取得した決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に係る情報処理装置は、決済時以外の利用者の位置情報を取得する位置取得部と、前記利用者に対する決済を行った決済場所の所在情報を取得する所在取得部と、決済時以外の前記利用者の位置情報と前記利用者の状況に基づいて、決済したときに取得した前記決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する推定部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、決済したときに取得した決済場所の所在情報が正しいか否かを推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、ユーザ情報記憶部の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、ユーザ位置情報記憶部の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、決済情報記憶部の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
〔1.情報処理方法の概要〕
まず、
図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法の概要について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。なお、
図1では、実施形態に係る情報処理端末が、決済したときに取得した決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する場合を例に挙げて説明する。
【0013】
図1に示す情報処理装置100は、決済したときに取得した決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0014】
端末装置10は、利用者Uにより利用されるPC(Personal Computer)やスマートフォン等の情報処理装置であり、店舗等の施設での決済の際に、後述する決済装置200に対して決済処理を依頼(要求)する。なお、利用者Uは、情報処理装置100が提供するWebサービスの利用者(会員等)であって、自身に関するユーザ情報を情報処理装置100に登録した利用者である。
【0015】
決済装置200は、決済場所において決済のために利用されるPC(Personal Computer)やタブレット端末等の情報処理装置であり、利用者Uの端末装置10からの依頼(要求)に応じて決済処理を行う。
【0016】
決済場所は、小売業やサービス業の店舗等である。例えば、コンビニエンスストア、コーヒーチェーン店、ハンバーガーチェーン店、ファミリーレストラン、喫茶店、飲食店、美容理容店、旅行代理店、大型商業施設(ショッピングセンター/ホームセンター/アウトレットモール/地下街)のテナント、生活協同組合(生協)の店舗等である。なお、店舗は、移動販売車や、屋内外のイベント会場において物販を行うテントや屋台、テーブル等であってもよい。すなわち、決済装置200を使用可能であれば、店舗は建物でなくてもよい。また、店舗は、常設の店舗に限らず、仮設店舗や臨時店舗等であってもよい。
【0017】
また、決済場所は、例えば、レジャー施設(テーマパーク/遊園地/遊戯場/動物園/水族館/プール/入浴施設/公園/庭園/名所)、宿泊施設、スポーツ施設、寺社仏閣、公共機関、金融機関、医療機関、教育機関、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)、又は鉄道駅や道の駅、空港、港湾(乗船場)等の施設や、これらの施設内のテナント等であってもよい。また、決済場所は、鉄道やバス、タクシー等の交通機関内でもよい。
【0018】
本実施形態では、一例として、決済場所が店舗である場合について説明する。
【0019】
〔1-1.端末装置を用いた決済の一例について〕
ここで、端末装置10を用いた決済の一例について説明する。なお、以下の説明では、店舗に配置されたQRコード(登録商標)等の二次元コードであって、店舗を識別する識別情報QRを用いて、利用者Uが端末装置10を用いた決済を行う例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下に説明する決済の一例は、任意の利用者Uが任意の端末装置10を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、識別情報QRは、QRコード(登録商標)のみならず、バーコードや所定のマーク、番号等であってもよい。
【0020】
例えば、利用者Uが店舗にて各種の商品やサービスといった決済対象の購入や利用に伴う決済を行う場合、利用者Uは、端末装置10に予めインストールされた決済用のアプリケーションソフトウェア(アプリ)を起動する。そして、利用者Uは、アプリケーションを介して、店舗に設置された識別情報QRを撮影する。このような場合、端末装置10は、決済対象の価格を入力するための画面を表示し、利用者U又は店舗の店員から決済額の入力を受付ける。そして、端末装置10は、利用者Uを識別する利用者情報と、識別情報QR(若しくは、識別情報QRが示す情報、すなわち、店舗を示す情報)と、決済額とを示す決済情報を決済サーバ(図示省略)へと送信する。
【0021】
このような場合、決済サーバは、利用者情報が示す利用者Uの口座から、識別情報QRが示す店舗の口座へと、決済額が示す額の電子マネーを移行させる。そして、決済サーバは、決済が完了した旨の通知を端末装置10へと送信する。このような場合、端末装置10は、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる決済が行われた旨を通知する。
【0022】
なお、端末装置10を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。例えば、端末装置10を用いた決済は、店舗に設置された決済装置200を用いたものであってもよい。例えば、端末装置10は、利用者Uを識別するための識別情報QRを画面上に表示させる。このような場合、店舗に設置された決済装置200は、端末装置10に表示された識別情報QRを読み取り、識別情報QRと、決済額と、店舗を識別する情報とを示す決済情報を決済サーバへと送信する。このような場合、決済サーバは、識別情報QRが示す利用者Uの口座から、店舗の口座へと、決済額が示す額の電子マネーを移行させ、決済装置200あるいは端末装置10に対し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知してもよい。
【0023】
また、端末装置10を用いた決済は、利用者Uが予め電子マネーをチャージした口座から店舗の口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、利用者Uが予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、例えば、決済サーバは、店舗の口座に対して決済額の電子マネーを送金するとともに、利用者Uのクレジットカードの運用会社に対し、決済額を請求してもよい。
【0024】
〔1-2.情報処理方法の一例について〕
情報処理装置100は、自身が提供するWebサービス等を介して/バックグラウンドで、利用者Uの端末装置10から、定期的(例えば10分おき)に、利用者Uの現在位置を示すユーザ位置情報を取得する。すなわち、端末装置10の位置が、利用者Uの位置を示す。Webサービスは、例えば地図サービスや、ナビゲーションサービス、その他の位置情報を利用するWebサービス等である。端末装置10には、これらのWebサービスに対応したアプリがインストールされている。
【0025】
例えば、
図1に示すように、情報処理装置100は、利用者UがA地点にいるときに、利用者Uの端末装置10から、利用者Uの現在位置を示す第1のユーザ位置情報を取得する(ステップS1)。このとき、情報処理装置100は、第1のユーザ位置情報とともに、その取得日時を記憶する。
【0026】
また、利用者Uは、店舗等のB地点において、端末装置10を用いて、店舗に設置された決済装置200との間で電子決済を行う(ステップS2)。
【0027】
なお、実際には、店舗の店員によって使用される決済装置200が、利用者Uの端末装置10に表示された二次元コード等を読み取ることで、電子決済を行ってもよい。例えば、決済装置200は、利用者Uが購入する商品の合計金額を算出した後、利用者Uの端末装置10に表示された二次元コード等を読み取ることで、算出した合計金額について電子決済を行う。
【0028】
情報処理装置100は、端末装置10と決済装置200との間で電子決済が行われた時に、端末装置10又は決済装置200から、決済情報に含まれる利用者Uの識別情報とともに、店舗の所在情報(住所等)を取得する(ステップS3)。このとき、情報処理装置100は、利用者Uの識別情報および店舗の所在情報とともに、その取得日時を記憶する。
【0029】
例えば、決済装置200は、電子決済を行った際に、情報処理装置100に対して、直接又は間接的に、利用者Uの識別情報および店舗の所在情報を通知する。情報処理装置100は、端末装置10又は決済装置200から通知された利用者Uの識別情報および店舗の所在情報を取得する。
【0030】
また、情報処理装置100は、利用者UがA地点にいるときに、利用者Uの端末装置10から、利用者Uの現在位置を示す第2のユーザ位置情報を取得する(ステップS4)。このとき、情報処理装置100は、第2のユーザ位置情報とともに、その取得日時を記憶する。
【0031】
情報処理装置100は、利用者Uの第1のユーザ位置情報および第2のユーザ位置情報と、それらの取得日時とに基づいて、店舗の所在情報を検証する(ステップS5)。例えば、情報処理装置100は、店舗の所在情報の取得日時の前後の所定時間内(例えば30分以内)に取得された第1および第2のユーザ位置情報に基づいて、店舗の所在情報が正しいか否かを推定する。
【0032】
例えば、情報処理装置100は、第1および第2のユーザ位置情報のそれぞれと、店舗の所在情報との間の取得時間の差分が、2点間の移動に要する推定所要時間よりも短い場合、店舗の所在情報が正しくないと推定する。このとき、情報処理装置100は、例えばナビゲーションサービスや地図サービス、又は乗換案内(路線情報)等から、2点間の移動に要する推定所要時間を取得してもよい。
【0033】
あるいは、情報処理装置100は、第1および第2のユーザ位置情報から判断して、利用者Uが店舗の所在情報が示す場所へ行くことが物理的に不可能である場合や論理的にあり得ない場合にも、店舗の所在情報が正しくないと推定する。
【0034】
例えば、第1のユーザ位置情報が示す場所と第2のユーザ位置情報が示す場所が同じレジャー施設内を示しており、その間、利用者Uがそのレジャー施設内から一歩も外に出ていないにもかかわらず、店舗の所在情報がそのレジャー施設から離れた場所にある店舗を示している場合には、物理的に不可能であると判断し、店舗の所在情報が正しくないと推定する。
【0035】
また、第1および第2のユーザ位置情報が示す場所から時間的にその店舗に行くことは可能であっても、近くにある同じ系列の店舗でも入手可能な飲食物等をわざわざ別の地域にあるその店舗まで行って購入して戻ってくることが不合理である場合には、論理的にあり得ないと判断し、店舗の所在情報が正しくないと推定する。
【0036】
情報処理装置100は、店舗の所在情報が正しくないと推定した場合、この店舗の所在情報を使用している購買履歴等のデータを蓄積する(ステップS6)。すなわち、情報処理装置100は、正しくないと推定した店舗の所在情報(疑わしい所在情報)をブラックリスト化する。
【0037】
情報処理装置100は、蓄積されたデータが一定件数(例えば10件)に達した場合、正しくないと推定した店舗の所在情報に対処する(ステップS7)。例えば、情報処理装置100は、蓄積されたデータ又は全データを精査してもよいし、実際に人がこの店舗の所在地に確認しに行くように提案してもよいし、この店舗の所在情報を使用している購買履歴等のデータを全て無効としてもよい。また、情報処理装置100は、決済装置200に対して、店舗の所在情報を修正するように要求又は提案するようにしてもよい。
【0038】
図1に示す例では、A地点で取得した第1のユーザ位置情報は「東京都○○区」を示している。しかし、その30分後にB地点にある店舗等の決済場所で電子決済した際に取得した店舗の所在情報は「宮城県△△市」を示している。さらに、その30分後にC地点で取得した第2のユーザ位置情報は「東京都○○区」を示している。この場合、B地点で取得した店舗の所在情報である「宮城県△△市」は、正しくないと推定される。
【0039】
なお、
図1に示す例では、情報処理装置100は、店舗の所在情報の取得日時の前後のユーザ位置情報を各1件ずつ(第1および第2のユーザ位置情報)しか使用していないが、実際には、もっと多くのユーザ位置情報を使用してもよい。例えば、店舗の所在情報の取得日時の前後のユーザ位置情報を各5件ずつ使用するようにしてもよい。これにより、利用者Uの移動経路(軌跡)がより明確になるとともに、その移動経路の中で店舗の所在情報が正しいか否かを高精度に推定することができる。
【0040】
また、
図1に示す例では、情報処理装置100は、ユーザ位置情報として第1および第2のユーザ位置情報の両方を使用しているが、実際には、第1および第2のユーザ位置情報のいずれか一方のみでもよい。この場合、第1および第2のユーザ位置情報のいずれを使用するかは任意である。情報処理装置100は、第1および第2のユーザ位置情報の少なくとも一方を無作為(ランダム)に用いて、決済したときに取得した決済場所の所在情報が正しいか否かを推定してもよい。
【0041】
また、ユーザ位置情報(第1および第2のユーザ位置情報)は、他の店舗での電子決済時に取得した他の店舗の所在情報であってもよい。
【0042】
さらに、利用者Uが車両を運転している場合には、ユーザ位置情報は車両の位置情報であってもよい。このとき、決済場所は、ハンバーガーチェーン店等のドライブスルーであってもよいし、高速道路や有料道路の出口料金所(精算料金所)であってもよい。
【0043】
本実施形態によれば、電子決済を行う利用者Uのコンテキスト(文脈、前後関係、事情、背景、状況等)に基づいて、決済したときに取得した店舗等の決済場所の所在情報が正しいか否かを推定することができる。
【0044】
〔2.情報処理システムの構成例〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が含まれる情報処理システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10と情報処理装置100とを含む。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネット等のWAN(Wide Area Network)である。
【0045】
また、
図2に示す情報処理システム1に含まれる各装置の数は図示したものに限られない。例えば、
図2では、図示の簡略化のため、端末装置10を1台のみ示したが、これはあくまでも例示であって限定されるものではなく、2台以上であってもよい。
【0046】
端末装置10は、利用者Uによって使用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、スマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイス、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートウォッチ、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)、PC(Personal Computer)等である。
【0047】
また、かかる端末装置10は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)等の無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等の近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報処理装置100と通信することができる。
【0048】
情報処理装置100は、例えばPCやサーバ、あるいはメインフレーム又はワークステーション等である。なお、情報処理装置100は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0049】
〔3.端末装置の構成例〕
次に、
図3を用いて、端末装置10の構成について説明する。
図3は、端末装置10の構成例を示す図である。
図3に示すように、端末装置10は、通信部11と、表示部12と、入力部13と、測位部14と、センサ部20と、制御部30(コントローラ)と、記憶部40とを備える。
【0050】
なお、決済装置200としてスマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイスを使用している場合には、決済装置200の構成例も、当該端末装置10の構成例と同様である。
【0051】
(通信部11)
通信部11は、ネットワークN(
図2参照)と有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)やアンテナ等によって実現される。
【0052】
(表示部12)
表示部12は、位置情報等の各種情報を表示する表示デバイスである。例えば、表示部12は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescent Display)である。また、表示部12は、タッチパネル式のディスプレイであるが、これに限定されるものではない。
【0053】
(入力部13)
入力部13は、利用者Uから各種操作を受け付ける入力デバイスである。入力部13は、例えば、文字や数字等を入力するためのボタン等を有する。また、表示部12がタッチパネル式のディスプレイである場合、表示部12の一部が入力部13として機能する。
【0054】
(測位部14)
測位部14は、GPS(Global Positioning System)の衛星から送出される信号(電波)を受信し、受信した信号に基づいて、自装置である端末装置10の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度および経度)を取得する。すなわち、測位部14は、端末装置10の位置を測位する。
【0055】
また、例えば端末装置10が利用者Uとともに車両の内部(車内)に存在する場合、測位部14は、車両の位置を測位するともいえる。車両は、例えば四輪車、二輪車、鉄道車両等である。なお、車両は、利用者Uが搭乗可能な移動体の一例に過ぎない。移動体は、航空機や船舶等でもよい。
【0056】
また、測位部14は、GPS以外にも、種々の手法により位置を測位することができる。例えば、測位部14は、位置補正等のための補助的な測位手段として、下記のように、端末装置10の様々な通信機能を利用して位置を測位してもよい。
【0057】
(Wi-Fi測位)
例えば、測位部14は、端末装置10のWi-Fi(登録商標)通信機能や、各通信会社が備える通信網を利用して、端末装置10の位置を測位する。具体的には、測位部14は、Wi-Fi通信等を行い、付近の基地局やアクセスポイントとの距離を測位することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0058】
(ビーコン測位)
また、測位部14は、端末装置10のBluetooth(登録商標)機能を利用して位置を測位してもよい。例えば、測位部14は、Bluetooth機能によって接続されるビーコン(beacon)発信機と接続することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0059】
(地磁気測位)
また、測位部14は、予め測定された構造物の地磁気のパターンと、端末装置10が備える地磁気センサとに基づいて、端末装置10の位置を測位する。
【0060】
(RFID測位)
また、例えば、端末装置10が駅改札や商店等で使用される非接触型ICカードと同等のRFID(Radio Frequency Identification)タグの機能を備えている場合、もしくはRFIDタグを読み取る機能を備えている場合、端末装置10によって決済等が行われた情報とともに、使用された位置が記録される。測位部14は、かかる情報を取得することで、端末装置10の位置を測位してもよい。また、位置は、端末装置10が備える光学式センサや、赤外線センサ等によって測位されてもよい。
【0061】
測位部14は、必要に応じて、上述した測位手段の一つ又は組合せを用いて、端末装置10の位置を測位してもよい。
【0062】
(センサ部20)
センサ部20は、端末装置10に搭載される各種のセンサを含む。
図3に示す例では、センサ部20は、加速度センサ21と、ジャイロセンサ22と、気圧センサ23と、気温センサ24と、音センサ25と、光センサ26と、歩数センサ27と、画像センサ(カメラ)28とを備える。
【0063】
なお、上記した各センサ21~28は、あくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、センサ部20は、各センサ21~28のうちの一部を備える構成であってもよいし、各センサ21~28に加えてあるいは代えて、湿度センサ等その他のセンサを備えてもよい。また、端末装置10が車両と連携している場合には、端末装置10に搭載された各センサ21~28の代わりに、車両に搭載された各センサを利用してもよい。
【0064】
加速度センサ21は、例えば、3軸加速度センサであり、端末装置10の移動方向、速度、および、加速度等の端末装置10の物理的な動きを検知する。ジャイロセンサ22は、端末装置10の角速度等に基づいて3軸方向の傾き等の端末装置10の物理的な動きを検知する。気圧センサ23は、例えば端末装置10の周囲の気圧を検知する。
【0065】
端末装置10は、上記した加速度センサ21やジャイロセンサ22、気圧センサ23等を備えることから、これらの各センサ21~23等を利用した歩行者自律航法(PDR:Pedestrian Dead-Reckoning)等の技術を用いて端末装置10の位置を測位することが可能になる。これにより、GPS等の測位システムでは取得することが困難な屋内での位置情報を取得することが可能になる。
【0066】
気温センサ24は、例えば端末装置10の周囲の気温を検知する。音センサ25は、例えば端末装置10の周囲の音を検知する。光センサ26は、端末装置10の周囲の照度を検知する。歩数センサ27は、利用者Uの歩数を検知する。画像センサ28は、端末装置10の周囲の画像を撮像する。
【0067】
上記した気圧センサ23、気温センサ24、音センサ25、光センサ26および画像センサ28は、それぞれ気圧、気温、音、照度を検知したり、周囲の画像を撮像したりすることで、端末装置10の周囲の状況等を検知することができる。これにより、端末装置10の周囲の状況等から、端末装置10の位置情報の精度を向上させることが可能になる。
【0068】
(記憶部40)
記憶部40は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部40には、各種プログラムや設定データ等が記憶される。
【0069】
(制御部30)
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポート等を有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。また、制御部30は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等のハードウェアで構成されてもよい。制御部30は、送信部31と、受信部32と、処理部33とを備える。
【0070】
(送信部31)
送信部31は、例えば端末装置10に搭載された各センサ21~28によって検知された各種の情報や、測位部14によって測位された端末装置10の位置情報を、通信部11を介して情報処理装置100へ送信することができる。
【0071】
(受信部32)
受信部32は、通信部11を介して、情報処理装置100から提供されるWebサービスに関連する各種情報や、情報処理装置100からの位置情報の要求を受信することができる。
【0072】
(処理部33)
処理部33は、表示部12等を含め、端末装置10全体を制御する。例えば、処理部33は、受信部32によって受信されたWebサービスに関連する各種情報を表示部12へ出力して表示させることができる。
【0073】
〔4.情報処理装置の構成例〕
次に、
図4を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。
図4に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0074】
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。また、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続される。
【0075】
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図4に示すように、記憶部120は、ユーザ情報記憶部121と、ユーザ位置情報記憶部122と、決済情報記憶部123とを有する。
【0076】
(ユーザ情報記憶部121)
ユーザ情報記憶部121は、利用者Uに関する各種情報を記憶する。例えば、ユーザ情報記憶部121は、利用者Uの属性等の種々の情報を記憶する。
図5は、ユーザ情報記憶部121の一例を示す図である。
図5に示した例では、ユーザ情報記憶部121は、「ユーザID(Identifier)」、「年齢」、「性別」、「自宅」、「勤務地」、「興味」といった項目を有する。
【0077】
「ユーザID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。また、「年齢」は、ユーザIDにより識別される利用者Uの年齢を示す。なお、「年齢」は、例えば35歳など、ユーザIDにより識別される利用者Uの具体的な年齢であってもよい。また、「性別」は、ユーザIDにより識別される利用者Uの性別を示す。
【0078】
また、「自宅」は、ユーザIDにより識別される利用者Uの自宅の位置情報を示す。なお、
図5に示す例では、「自宅」は、「LC11」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「自宅」は、地域名や住所であってもよい。
【0079】
また、「勤務地」は、ユーザIDにより識別される利用者Uの勤務地の位置情報を示す。なお、
図5に示す例では、「勤務地」は、「LC12」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「勤務地」は、地域名や住所であってもよい。
【0080】
また、「興味」は、ユーザIDにより識別される利用者Uの興味を示す。すなわち、「興味」は、ユーザIDにより識別される利用者Uが関心の高い対象を示す。なお、
図5に示す例では、「興味」は、各利用者Uに1つずつ図示するが、複数であってもよい。
【0081】
例えば、
図5に示す例において、ユーザID「U1」により識別される利用者Uの年齢は、「20代」であり、性別は、「男性」であることを示す。また、例えば、ユーザID「U1」により識別される利用者Uは、自宅が「LC11」であることを示す。また、例えば、ユーザID「U1」により識別される利用者Uは、勤務地が「LC12」であることを示す。また、例えば、ユーザID「U1」により識別される利用者Uは、「スポーツ」に興味があることを示す。
【0082】
図5に示す例では、理解の便宜のため、「U1」、「LC11」および「LC12」といった抽象的な符号を用いて図示するが、「U1」、「LC11」および「LC12」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報に関する図においても、抽象的な符号を図示する場合がある。
【0083】
なお、ユーザ情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部121は、利用者Uのデモグラフィック属性に関する情報やサイコグラフィック属性に関する情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部121は、氏名、家族構成、職業、職位、収入、資格、居住形態、車の有無、通学・通勤時間、趣味、ライフスタイル、飲酒量、アレルギーの有無、食べ物の好き嫌い等の情報を記憶してもよい。
【0084】
(ユーザ位置情報記憶部122)
ユーザ位置情報記憶部122は、利用者Uの現在位置を示す位置情報に関する各種情報を記憶する。
図6は、ユーザ位置情報記憶部122の一例を示す図である。
図6に示した例では、ユーザ位置情報記憶部122は、「ユーザID」、「ユーザ位置」、「取得日時」といった項目を有する。
【0085】
「ユーザID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。また、「ユーザ位置」は、後述する「取得日時」における利用者Uが所持する端末装置10の現在位置を示すユーザ位置情報を示す。また、「取得日時」は、上記「ユーザ位置」を取得した日時を示す日時情報を示す。
【0086】
例えば、
図6に示す例において、ユーザID「U1」により識別される利用者Uの第1のユーザ位置情報はユーザ位置「東京都○○区」であり、その情報を取得したのは取得日時「2019/12/15 9:00」であることを示す。また、ユーザID「U1」により識別される利用者Uの第2のユーザ位置情報はユーザ位置「東京都○○区」であり、その情報を取得したのは取得日時「2019/12/15 10:00」であることを示す。
【0087】
なお、ユーザ位置情報記憶部122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ位置情報記憶部122は、取得日時における利用者Uの移動手段や滞在場所に関する情報を記憶してもよい。例えば、車両を運転中である旨や、鉄道やバス等の交通機関を利用中である旨、有料のレジャー施設内にいる旨に関する情報を記憶してもよい。また、ユーザ位置情報記憶部122は、取得日時に対応する利用者Uのスケジュール情報やSNS(social networking service)の情報を記憶してもよい。
【0088】
(決済情報記憶部123)
決済情報記憶部123は、利用者Uが店舗等の施設で行った電子決済に関する各種情報を記憶する。
図7は、決済情報記憶部123の一例を示す図である。
図7に示した例では、決済情報記憶部123は、「決済ID」、「ユーザID」、「決済場所」、「所在地」、「取得日時」といった項目を有する。
【0089】
「決済ID」は、利用者Uが行った個々の電子決済を識別するための決済番号を示す。「ユーザID」は、電子決済を行った利用者Uを識別するための識別情報を示す。「決済場所」は、利用者Uが電子決済を行った決済場所の名称等を示す。決済場所は、例えば店舗等である。「所在地」は、利用者Uが電子決済を行った決済場所の住所情報を示す。「取得日時」は、上記「所在地」を取得した日時を示す日時情報を示す。
【0090】
例えば、
図7に示す例において、決済ID「PV1」により識別される決済情報は、ユーザID「U1」により識別される利用者Uが決済場所「コンビニ××店」で電子決済を行ったことを示す。また、決済場所「コンビニ××店」は、所在地「宮城県△△市」にあり、その所在地「宮城県△△市」を示す所在情報は、取得日時「2019/12/15 9:30」に取得されたことを示す。
【0091】
なお、決済情報記憶部123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、決済情報記憶部123は、利用者Uが購入した商品や、購入金額等の情報を記憶してもよい。
【0092】
図4に戻り、説明を続ける。制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。
図4に示す例では、制御部130は、受付部131と、取得部132と、推定部133と、提供部134と、学習部135とを有する。
【0093】
(受付部131)
受付部131は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10から、利用者Uに関する各種情報の登録を受付け、ユーザ情報記憶部121に記憶する。
【0094】
また、受付部131は、通信部110を介して、店舗から、店舗や商品に関する各種情報の登録を受付けてもよい。本実施形態では、店舗情報や商品情報の登録に関する詳細な説明を割愛する。
【0095】
(取得部132)
取得部132は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10から、利用者Uの端末装置10の現在位置を示すユーザ位置情報を取得する。例えば、取得部132は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10から、定期的(例えば10分おき)に、利用者Uの現在位置を示すユーザ位置情報を取得する。すなわち、取得部132は、利用者Uの位置情報を取得する位置取得部である。
【0096】
また、取得部132は、利用者Uの端末装置10と店舗等の決済場所に設置された決済装置200との間で電子決済が行われた時に、通信部110を介して、端末装置10又は決済装置200から、決済情報に含まれる利用者Uの識別情報とともに、店舗の所在情報(住所等)を取得する。すなわち、取得部132は、利用者Uに対する決済を行った決済場所の所在情報を取得する所在取得部である。
【0097】
(推定部133)
推定部133は、ユーザ位置情報を用いて、決済したときに取得した店舗の所在情報が正しいか否かを推定する。すなわち、推定部133は、ユーザ位置情報を用いて、店舗の所在情報が正しいか否かを判断する判断部である。また、推定部133は、ユーザ位置情報を用いて、店舗の所在情報を検証する検証部である。
【0098】
ここでは、推定部133は、店舗の所在情報の取得日時の前後の所定時間内(例えば30分以内)に取得されたユーザ位置情報に基づいて、店舗の所在情報が正しいか否かを推定する。
【0099】
例えば、推定部133は、ユーザ位置情報と店舗の所在情報との間の取得時間の差分が、2点間の移動に要する推定所要時間よりも短い場合、店舗の所在情報が正しくないと推定する。このとき、推定部133は、例えばナビゲーションサービスや地図サービス、又は乗換案内(路線情報)等から、2点間の移動に要する推定所要時間を取得してもよい。
【0100】
あるいは、推定部133は、ユーザ位置情報から判断して、利用者Uが店舗の所在情報が示す場所へ行くことが物理的に不可能である場合や論理的にあり得ない場合にも、店舗の所在情報が正しくないと推定する。
【0101】
なお、推定部133は、ユーザ位置情報の代わりに、決済の前後に取得した他の店舗の所在情報を用いて、店舗の所在情報が正しいか否かを推定してもよい。
【0102】
(提供部134)
提供部134は、通信部110を介して、利用者Uに対してWebサービスを提供する。
【0103】
また、提供部134は、通信部110を介して、決済装置200に対して、店舗の所在情報が正しくないという推定結果を提供し、店舗の所在情報を修正するように要求又は提案する。
【0104】
また、提供部134は、Webサービスの運営者や店舗情報等のデータ管理者に対して、店舗の所在情報が正しくないという推定結果を提供し、実際に人がこの店舗の所在地に確認しに行くように提案してもよい。
【0105】
(学習部135)
学習部135は、利用者Uのユーザ位置情報と、利用者Uが決済を行った店舗の所在情報との関係について機械学習を行い、学習モデルを作成する。例えば、学習部135は、利用者Uの移動経路と、店舗の所在地との関係について機械学習を行い、学習モデルを作成する。推定部133は、この学習モデルに基づいて、決済したときに取得した店舗の所在情報が正しいか否かを推定する。
【0106】
このとき、学習部135は、利用者Uの属性情報と、利用者Uのユーザ位置情報と、店舗の所在情報との関係について機械学習を行い、学習モデルを作成してもよい。推定部133は、この学習モデルに基づいて、決済したときに取得した店舗の所在情報が正しいか否かを推定してもよい。
【0107】
さらに、学習部135は、利用者Uが決済を行った店舗の所在情報と、同じ利用者Uが決済を行った他の店舗の所在情報との関係について機械学習を行い、学習モデルを作成してもよい。推定部133は、この学習モデルに基づいて、決済したときに取得した店舗の所在情報が正しいか否かを推定してもよい。
【0108】
機械学習は、例えばディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)を利用したディープラーニング(深層学習)等である。また、データマイニングやその他の機械学習アルゴリズムを利用してもよい。
【0109】
〔5.処理手順〕
次に、
図8を用いて実施形態に係る情報処理装置100による処理手順について説明する。
図8は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、情報処理装置100の制御部130によって繰り返し実行される。
【0110】
情報処理装置100の制御部130は、通信部110を介して、A地点にいる利用者Uの端末装置10から、第1のユーザ位置情報を取得する(ステップS101)。
【0111】
B地点において利用者Uの端末装置10と店舗の決済装置200との間で電子決済が行われた際、制御部130は、通信部110を介して、端末装置10又は決済装置200から、利用者Uの識別情報および店舗の所在情報を取得する(ステップS102)。
【0112】
制御部130は、通信部110を介して、C地点にいる利用者Uの端末装置10から、第2のユーザ位置情報を取得する(ステップS103)。
【0113】
制御部130は、利用者Uの第1のユーザ位置情報および第2のユーザ位置情報に基づいて、店舗の所在情報を検証する(ステップS104)。
【0114】
制御部130は、店舗の所在情報の取得日時の前後の所定時間内(例えば30分以内)に取得された第1および第2のユーザ位置情報に基づいて、店舗の所在情報が正しいか否かを推定する(ステップS105)。
【0115】
例えば、制御部130は、第1および第2のユーザ位置情報のそれぞれと、店舗の所在情報との間の取得時間の差分が、2点間の移動に要する推定所要時間よりも短い場合、店舗の所在情報が正しくないと推定する。
【0116】
あるいは、制御部130は、第1および第2のユーザ位置情報から判断して、利用者Uが店舗の所在情報が示す場所へ行くことが物理的に不可能である場合や論理的にあり得ない場合にも、店舗の所在情報が正しくないと推定する。
【0117】
制御部130は、店舗の所在情報が正しいと推定した場合には(ステップS105;Yes)、そのまま現在の処理を継続する。すなわち、一連の処理を終了する。
【0118】
制御部130は、店舗の所在情報が正しくないと推定した場合には(ステップS105;No)、この店舗の所在情報を使用している購買履歴等のデータを蓄積する(ステップS106)。
【0119】
制御部130は、蓄積されたデータが所定の件数に達したか否かを判断する(ステップS107)。
【0120】
制御部130は、蓄積されたデータが所定の件数に達していないと判断した場合(ステップS107;No)、蓄積されたデータが所定の件数に達するまで、現在の処理を継続する(ステップS101に戻る)。
【0121】
制御部130は、蓄積されたデータが所定の件数に達していると判断した場合(ステップS107;Yes)、正しくないと推定した店舗の所在情報に対処する(ステップS108)。
【0122】
例えば、制御部130は、蓄積されたデータ又は全データを精査してもよいし、実際に人がこの店舗の所在地に確認しに行くように提案してもよいし、この店舗の所在情報を使用している購買履歴等のデータを全て無効としてもよい。また、制御部130は、通信部110を介して、決済装置200に対して、店舗の所在情報を修正するように要求又は提案するようにしてもよい。
【0123】
〔6.変形例〕
上述した端末装置10および情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、実施形態の変形例について説明する。
【0124】
上記の実施形態において、情報処理装置100は、利用者Uの普段のユーザ位置情報を履歴として蓄積し、利用者Uのユーザ位置情報の履歴に基づいて、店舗の所在情報が正しいか否かを推定するようにしてもよい。例えば、店舗で電子決済を行った日にたまたま利用者Uが節電等のため端末装置10の測位機能(GPS等)をオフにしている場合(ユーザ位置情報を取得できない場合)でも、利用者Uが普段から日常的/頻繁に当該店舗を利用している場合には、店舗の所在情報と一致する位置情報が利用者Uのユーザ位置情報の履歴に含まれているため、店舗の所在情報が正しいと推定することができる。また、利用者Uが普段常駐しているオフィス(会社/職場)等の位置情報も利用者Uのユーザ位置情報の履歴に含まれることになるため、店舗の所在情報がこのオフィス等の位置情報と同一(同じ建物内)又はその近隣である場合にも、店舗の所在情報が正しいと推定することができる。反対に、店舗の所在情報が、利用者Uのユーザ位置情報の履歴からかけ離れた位置を示している場合には、店舗の所在情報が正しくないのではないかと疑うことができる。すなわち、情報処理装置100は、利用者Uのユーザ位置情報に基づいて利用者Uの普段の行動パターンを取得し、利用者Uの普段の行動パターンから、店舗の所在情報が正しいか否かを推定する。例えば、特開2014-63408号公報にはユーザの生活圏を位置情報から判定する技術が開示されているので、このような技術を用いて利用者Uの普段の行動パターンを取得してもよい。
【0125】
また、上記の実施形態において、一人の利用者Uのユーザ位置情報を用いている例について説明しているが、実際には、複数の利用者Uのそれぞれのユーザ位置情報を用いてもよい。例えば、情報処理装置100は、店舗で電子決済を行った複数の利用者Uの決済前後のユーザ位置情報を用いて、その店舗の所在情報が正しいか否かを推定する。複数の利用者Uのユーザ位置情報を用いることで、店舗の所在情報が正しいか否かをより高精度に推定できる。また、ある利用者Uのユーザ位置情報が正しくなかったとしても、複数の利用者Uのユーザ位置情報を突き合せて、店舗の所在情報が正しいか否かを高精度に推定できる。
【0126】
また、上記の実施形態において、情報処理装置100は、同一地域内(東京都○○区)におけるユーザ位置情報を用いているが、実際には、利用者Uの長距離移動中におけるユーザ位置情報を用いてもよい。例えば、利用者Uが東京から名古屋へ移動している場合、
図1に示す例において、A地点で取得した第1のユーザ位置情報が「東京」を示し、C地点で取得した第2のユーザ位置情報が「名古屋」を示しているのに、B地点で取得した店舗の所在情報が「仙台」を示している場合には、移動経路および取得日時から判断して明らかにおかしいため、店舗の所在情報が正しくないと推定できる。
【0127】
また、上記の実施形態において、情報処理装置100は、利用者Uが街中を移動可能である状態を前提にしているが、実際には、利用者Uが特定の交通機関や特定の施設の中にいる状態であってもよい。例えば、利用者Uが鉄道を利用中である場合、
図1に示す例において、A地点で取得した第1のユーザ位置情報、およびC地点で取得した第2のユーザ位置情報がいずれも鉄道の路線上(駅を含む)の位置を示しているのに、利用者Uが改札を出た記録もなく、B地点で取得した店舗の所在情報が鉄道の沿線から遠く離れた街中の位置を示している場合には、移動経路および取得日時から判断して明らかにおかしいため、店舗の所在情報が正しくないと推定できる。
【0128】
また、上記の実施形態において、情報処理装置100は、ユーザ位置情報に加えて、利用者Uの属性等を考慮することで、店舗の所在情報の推定精度をさらに向上させることができる。具体的には、情報処理装置100は、店舗の所在情報が前後に取得されたユーザ位置情報から判断して移動可能な場所にあったとしても、利用者Uの属性や普段の行動から判断して立ち寄らないと思われる店舗の所在情報である場合には、不合理であり、店舗の所在情報が正しくないと推定できる。例えば、情報処理装置100は、決済前後で街中を徒歩移動中の運転免許証を所有していない利用者Uが、ガソリンスタンド(給油所)で決済している場合や、高速道路のサービスエリア(SA)内の店舗で決済している場合等には、不合理であり、店舗の所在情報が正しくないと推定できる。
【0129】
また、上記の実施形態において、情報処理装置100は、店舗の所在情報が正しいか否かを推定するだけでなく、利用者Uの意図しない不正な決済を見抜くこともできる。例えば、情報処理装置100は、決済前後の利用者Uの位置情報から判断して、明らかに利用者Uが立ち寄ることができない店舗で決済が行われている場合であって、店舗の所在情報が正しいことが過去の検証により明らかになっている場合には、不正を疑うことができる。
【0130】
また、上記の実施形態において、個人と店舗との間の電子決済を例に説明しているが、実際には、個人間の電子決済であってもよい。すなわち、利用者Uが電子決済を行う相手は、店舗ではなく、他の利用者Uでもよい。この場合、店舗の決済装置200は、ある利用者Uと電子決済を行う他の利用者Uの端末装置10となる。例えば、個人が自身の専門知識やスキル(技能)、労働力等を提供した見返りとして、電子決済により対価(報酬)を受け取ることが考えられる。
【0131】
〔7.効果〕
上述してきたように、本願に係る情報処理装置100は、位置取得部(取得部132)と、所在取得部(取得部132)と、推定部133とを備える。位置取得部(取得部132)は、利用者Uの位置情報を取得する。所在取得部(取得部132)は、利用者Uに対する決済を行った決済場所の所在情報を取得する。推定部133は、利用者Uの位置情報から、決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する。これにより、決済したときに取得した決済場所の所在情報が正しいか否かを推定することができる。
【0132】
位置取得部(取得部132)は、決済時以外の時に利用者Uの位置情報を取得する。所在取得部(取得部132)は、決済時に決済場所の所在情報を取得する。推定部133は、利用者Uの位置情報から、決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する。これにより、決済前後の位置情報を無作為(ランダム)に用いて、決済したときに取得した決済場所の所在情報が正しいか否かを推定することができる。
【0133】
位置取得部(取得部132)は、利用者Uの複数の位置情報を取得する。推定部133は、利用者Uの複数の位置情報から、決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する。これにより、複数の位置情報を用いて、決済したときに取得した決済場所の所在情報が正しいか否かを推定することができる。
【0134】
位置取得部(取得部132)は、決済前の利用者Uの第1位置情報と、決済後の利用者Uの第2位置情報とを取得する。推定部133は、利用者Uの第1位置情報および第2位置情報から、決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する。これにより、決済前の位置情報と決済後の位置情報とを用いて、決済したときに取得した決済場所の所在情報が正しいか否かを推定することができる。
【0135】
位置取得部(取得部132)は、利用者Uの位置情報の履歴を取得する。推定部133は、利用者Uの位置情報の履歴から、決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する。これにより、利用者Uの位置情報の履歴を用いて、決済したときに取得した決済場所の所在情報が正しいか否かを推定することができる。
【0136】
推定部133は、利用者Uの位置情報に基づいて利用者Uの行動パターンを取得し、利用者Uの行動パターンから、決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する。これにより、利用者Uの行動パターンを用いて、決済したときに取得した決済場所の所在情報が正しいか否かを推定することができる。
【0137】
位置取得部(取得部132)は、複数の利用者Uのそれぞれの位置情報を取得する。推定部133は、複数の利用者Uのそれぞれの位置情報から、決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する。これにより、複数の利用者Uの位置情報を用いて、決済したときに取得した決済場所の所在情報が正しいか否かを推定することができる。
【0138】
所在取得部(取得部132)は、さらに利用者Uに対する決済を行った他の決済場所の所在情報を取得する。推定部133は、他の決済場所の所在情報から、決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する。これにより、他の決済場所の所在情報を用いて、決済したときに取得した決済場所の所在情報が正しいか否かを推定することができる。
【0139】
推定部133は、利用者Uの位置情報と利用者Uの属性情報とから、決済場所の所在情報が正しいか否かを推定する。これにより、利用者Uの位置情報に加えて、利用者Uの属性情報を用いて、決済したときに取得した決済場所の所在情報が正しいか否かを推定することができる。
【0140】
位置取得部(取得部132)は、歩行者自律航法(PDR)の技術を利用して、屋内の利用者Uの位置情報を取得する。これにより、GPS等の測位システムでは取得することが困難な屋内での位置情報を取得することが可能になる。また、屋内の利用者Uの位置情報を用いて、決済したときに取得した決済場所の所在情報が正しいか否かを推定することができる。
【0141】
決済は、電子決済である。これにより、電子決済の際に決済場所の所在情報を取得することができる。
【0142】
決済は、二次元コード決済である。これにより、二次元コード決済の際に決済場所の所在情報を取得することができる。
【0143】
〔8.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置100および端末装置10は、例えば
図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報処理装置100を例に挙げて説明する。
図9は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、およびメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0144】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
【0145】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(
図2に示したネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網500を介して他の機器へ送信する。
【0146】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0147】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等である。
【0148】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0149】
〔9.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0150】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0151】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0152】
例えば、上述した情報処理装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0153】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0154】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0155】
1 情報処理システム
10 端末装置
14 測位部
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 ユーザ情報記憶部
122 ユーザ位置情報記憶部
123 決済情報記憶部
130 制御部
131 受付部
132 取得部
133 推定部
134 提供部
135 学習部