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特許7446288分散剤ポリマーを含む自動食器洗浄用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】分散剤ポリマーを含む自動食器洗浄用組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/37 20060101AFI20240301BHJP
   C11D 3/36 20060101ALI20240301BHJP
   C11D 1/66 20060101ALI20240301BHJP
   C11D 3/10 20060101ALI20240301BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20240301BHJP
   C11D 3/08 20060101ALI20240301BHJP
   C11D 3/395 20060101ALI20240301BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
C11D3/37
C11D3/36
C11D1/66
C11D3/10
C11D3/20
C11D3/08
C11D3/395
C11D3/386
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021517451
(86)(22)【出願日】2019-10-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 US2019055134
(87)【国際公開番号】W WO2020086257
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-09-28
(31)【優先権主張番号】18290123.1
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー、スコット
(72)【発明者】
【氏名】クレーマー、マリアンヌ
(72)【発明者】
【氏名】プルッコディ、ランダーラ
(72)【発明者】
【氏名】フェリュー、セヴラン
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第95/000623(WO,A1)
【文献】特開平09-279191(JP,A)
【文献】特表平09-507871(JP,A)
【文献】特表2003-521553(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0120650(US,A1)
【文献】特開平04-311706(JP,A)
【文献】国際公開第2018/111521(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動食器洗浄用組成物であって、
ビルダーと、
ホスホネートと、
非イオン性界面活性剤と、
分散剤ポリマーと、を含み、前記分散剤ポリマーが、
(a)4~16重量%の式Iの構造単位であって、
【化1】
式中、各Rは、独立して、水素および-C(O)CH基から選択される、構造単位、ならびに
(b)84~96重量%の式IIの構造単位であって、
【化2】
式中、各Rは、独立して、水素および-CH基から選択される、構造単位を含み、
前記自動食器洗浄用組成物が、ホスフェート不含であり、かつ、≦0.1重量%のラクトン末端基を有する分散剤ポリマーを含有し、前記分散剤ポリマーが、1,500~10,000ダルトンの重量平均分子量を有する、自動食器洗浄用組成物。
【請求項2】
前記自動食器洗浄用組成物が、≦0.01重量%のラクトン末端基を有する分散剤ポリマーを含有する、請求項1に記載の自動食器洗浄用組成物。
【請求項3】
前記ビルダーが、炭酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の自動食器洗浄用組成物。
【請求項4】
前記分散剤ポリマーにおいて、前記式IIの構造単位のうちの、75~100モル%は、各Rが水素である、請求項3に記載の自動食器洗浄用組成物。
【請求項5】
前記自動食器洗浄用組成物が、0重量%の、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリシン-N,N-二酢酸、メチルグリシン-N,N-二酢酸、2-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、グルタミン酸-N,N-二酢酸、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジスクシネート、S,S-エチレンジアミンジコハク酸アスパラギン酸-二酢酸、N,N’-エチレンジアミンジコハク酸、イミノジコハク酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸-N,N-二酢酸、ベータ-アラニン二酢酸、ポリアスパラギン酸、これらの塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される、ビルダーを含有する、請求項に記載の自動食器洗浄用組成物。
【請求項6】
添加剤をさらに含む、請求項に記載の自動食器洗浄用組成物。
【請求項7】
前記添加剤が、漂白剤、漂白活性化剤、酵素、充填剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項に記載の自動食器洗浄用組成物。
【請求項8】
添加剤をさらに含み、前記添加剤が、漂白剤、漂白活性化剤、および酵素の混合物を含む、請求項に記載の自動食器洗浄用組成物。
【請求項9】
自動食器洗浄機内で物品を洗浄する方法であって、
少なくとも1つの物品を提供することと、
請求項1に記載の自動食器洗浄用組成物を提供することと、
前記自動食器洗浄用組成物を、前記少なくとも1つの物品に適用することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動食器洗浄用配合物に使用するための分散剤ポリマーに関する。具体的には、本発明は、良好な斑点形成(spotting)および/または膜張り(filming)性能を有する新しい分散剤ポリマーを組み込んだ自動食器洗浄用組成物に関する。
【0002】
自動食器洗浄用組成物は、概して、布洗浄または水処理のために使用されるものとは異なる洗剤組成物の分類として認識されている。洗浄サイクルの完了後、自動食器洗浄用組成物が、洗浄された物品上に斑点および膜がない外観を生じさせることを、使用者は期待している。
【0003】
ホスフェート不含自動食器洗浄用組成物がますます望ましい。ホスフェート不含自動食器洗浄用組成物は、典型的に、非ホスフェートビルダー、例えば、クエン酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、二ケイ酸塩、重炭酸塩、アミノカルボン酸塩、および他の塩に依存して、硬水からカルシウムおよびマグネシウムを捕捉し、乾燥すると不溶性の目に見える堆積物を残す。
【0004】
ポリカルボキシレートコポリマーのファミリー、および洗剤組成物およびすすぎ助剤組成物におけるビルダーとしてのそれらの使用は、皿または食器洗浄機の最終すすぎ工程で使用するためのChristopherらによる米国特許第5,431,846号によって開示されている。Christopherらは、イタコン酸またはその同族体に由来するモノマー単位20~95モル%と、ビニルアルコールまたは低級ビニルエステルに由来するモノマー単位5~80モル%と、を含むブロックコポリマーが、二価または多価金属の優れたバインダーであり、洗剤組成物における、ならびに機械式食器洗浄用組成物およびスケーリング防止すすぎ組成物における、潜在的に生分解性のビルダーとして有用であることを開示している。
【0005】
ターポリマーのファミリーおよび、とりわけ分散剤としてのそれらの使用は、米国特許第5,191,048号においてSwiftらによって開示されている。Swiftらは、重合単位として、約15~55モルパーセントの、酢酸ビニル、ビニルエーテル、および炭酸ビニルからなる群から選択される、少なくとも1つの第1のモノマーと、約10~70モルパーセントの、エチレン性不飽和モノカルボン酸の少なくとも1つの第2のモノマーと、約15~55モルパーセントの、ジカルボン酸無水物の少なくとも1つの第3のモノマーと、を含むターポリマーを教示しており、当該ターポリマーは、非水系で形成されて約1超パーセント未満のモノマーが、当該重合中に加水分解される。
【0006】
それにもかかわらず、自動食器洗浄用配合物で使用するための新しい分散剤ポリマーが依然として必要とされている。具体的には、分散剤ポリマーが改善された斑点形成および/または膜張り性能を提供する、自動食器洗浄用配合物に使用するための新しい分散剤ポリマーが依然として必要とされている。
【0007】
本発明は、自動食器洗浄用組成物であって、ビルダーと、ホスホネートと、非イオン性界面活性剤と、分散剤ポリマーと、を含み、分散剤ポリマーが、(a)1~25重量%の式Iの構造単位であって、
【化1】
式中、各Rは、独立して、水素および-C(O)CH基から選択される、構造単位、ならびに(b)75~99重量%の式IIの構造単位であって、
【化2】
式中、各Rは、独立して、水素および-CH基から選択される、構造単位を含み、自動食器洗浄用組成物が、≦0.1重量%のラクトン末端基を有する分散剤ポリマーを含有し、分散剤ポリマーが、1,500~10,000ダルトンの重量平均分子量を有する、自動食器洗浄用組成物を提供する。
【0008】
本発明は、自動食器洗浄機内で物品を洗浄する方法であって、少なくとも1つの物品を提供することと、本発明による自動食器洗浄用組成物を提供することと、自動食器洗浄用組成物を少なくとも1つの物品に適用することと、を含む、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
自動食器洗浄用組成物(具体的には、ホスフェート不含自動食器洗浄用組成物)中に組み込まれる場合、本明細書に具体的に記載されている本発明の分散剤ポリマーは、自動食器洗浄用組成物の斑点防止性能および膜張り防止性能を大幅に改善させる。
【0010】
別途示されない限り、比、百分率、部などは、重量によるものである。組成物中の重量百分率(または重量%)は、乾燥重量の百分率であり、すなわち、組成物中に存在し得る一切の水を排除した百分率である。ポリマー中のモノマー単位の百分率は、固形重量、すなわち、ポリマー乳剤中に存在する一切の水を排除した百分率である。
【0011】
本明細書で使用される場合、別途示されない限り、「重量平均分子量」および「Mw」という用語は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)およびポリスチレン標準物などの従来の標準物を用いる従来の様式で測定された場合の重量平均分子量を指すのに互換的に使用される。GPC技法は、Modem Size Exclusion Chromatography,W.W.Yau,J.J.Kirkland,D.D.Bly;Wiley-Interscience,1979、およびA Guide to Materials Characterization and Chemical Analysis,J.P.Sibilia;VCH,1988,p.81-84に詳細に考察されている。重量平均分子量は、本明細書においてダルトンの単位で報告される。
【0012】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「エチレン性不飽和」という用語は、それを重合可能にする炭素-炭素二重結合を有する分子を説明する。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「多エチレン性不飽和」という用語は、少なくとも2つの炭素-炭素二重結合を有する分子を説明する。
【0013】
本明細書で使用される場合、「(メタ)アクリル」という用語は、アクリルまたはメタクリルのいずれかを指す。
【0014】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「エチレンオキシ」および「EO」という用語は、-CH-CH-O-基を指す。
【0015】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「ホスフェート不含」という用語は、≦1重量%(好ましくは≦0.5重量%、より好ましくは≦0.2重量%、なおより好ましくは≦0.01重量%、さらになおより好ましくは≦0.001重量%、最も好ましくは検出限界値未満)のホスフェート(リン元素として測定される)を含有する組成物を意味する。
【0016】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「ラクトン末端基分散剤ポリマー不含」という用語は、≦1重量%(好ましくは≦0.5重量%、より好ましくは≦0.2重量%、なおより好ましくは≦0.01重量%、さらになおより好ましくは≦0.001重量%、最も好ましくは検出限界値未満)のラクトン末端基を有する分散剤ポリマーを含有する自動食器洗浄用組成物を意味する。
【0017】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「構造単位」という用語は、示されたモノマーの残部(remnant)を指し、したがって、(メタ)アクリル酸の構造単位は、以下で示され、
【化3】
式中、点線はポリマー骨格への結合点を表し、Rはアクリル酸の構造単位については水素であり、メタクリル酸の構造単位については-CHである。
【0018】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、ビルダー(自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは1~97重量%(より好ましくは≧1重量%、なおより好ましくは≧10重量%、さらになおより好ましくは≧25重量%、最も好ましくは≧50重量%、好ましくは≦95重量%、より好ましくは≦90重量%、なおより好ましくは≦85重量%、最も好ましくは≦80重量%)のビルダー)(好ましくは、ビルダーは、炭酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される)と、ホスホネート(自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは0.1~15重量%(より好ましくは0.5~10重量%、なおより好ましくは0.75~7.5重量%、最も好ましくは1~5重量%)のホスホネート)(好ましくは、ホスホネートは、≦1,000ダルトンの重量平均分子量を有する)と、非イオン性界面活性剤(自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは0.2~15重量%(より好ましくは0.5~10重量%、最も好ましくは1.5~7.5重量%)の非イオン性界面活性剤)(好ましくは、非イオン性界面活性剤は、脂肪アルコールアルコキシレートである)と、分散剤ポリマー(自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは0.5~15重量%(より好ましくは0.5~10重量%、なおより好ましくは1~8重量%、最も好ましくは2~6重量%)の分散剤ポリマー)と、を含み、分散剤ポリマーが、(a)1~25重量%(好ましくは2~20重量%、より好ましくは2.5~18重量%、最も好ましくは4~16重量%)(好ましくは≧2重量%、より好ましくは≧2.5重量%、好ましくは≦25重量%、より好ましくは≦20重量%、なおより好ましくは≦18重量%、最も好ましくは≦16重量%)の式Iの構造単位であって、
【化4】
式中、各Rは、独立して、水素および-C(O)CH基から選択される、構造単位、ならびに(b)75~99重量%(好ましくは80~98重量%、より好ましくは82~97.5重量%、最も好ましくは84~96重量%)(好ましくは≧75重量%、より好ましくは≧80重量%、好ましくは≦99重量%、より好ましくは≦98重量%、なおより好ましくは≦97.5重量%、最も好ましくは≦96重量%)の式IIの構造単位であって、
【化5】
式中、各Rは、独立して、水素および-CH基から選択される、構造単位を含み、自動食器洗浄用組成物は、≦0.1重量%のラクトン末端基を有する分散剤ポリマーを含有し、分散剤ポリマーは、1,500~10,000ダルトン(好ましくは2,500~8,000ダルトン、より好ましくは4,000~7,500ダルトン、最も好ましくは4,500~6,000ダルトン)の重量平均分子量を有する。
【0019】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、ビルダーを含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダーは、炭酸塩、クエン酸塩、およびケイ酸塩のうちの少なくとも1つを含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダーは、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、およびクエン酸ナトリウムのうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、1~97重量%のビルダーを含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、≦1重量%(好ましくは≦10重量%、より好ましくは≦25重量%、最も好ましくは≦50重量%)のビルダーを含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、≦95重量%(好ましくは≦90重量%、より好ましくは≦85重量%、最も好ましくは≦80重量%)のビルダーを含む。炭酸塩、クエン酸、およびケイ酸塩の重量百分率は、金属イオンを含む塩の実重量に基づく。
【0021】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「炭酸塩(複数可)」という用語は、炭酸塩、重炭酸塩、過炭酸塩、および/またはセスキ炭酸塩のアルカリ金属またはアンモニウム塩を指す。好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用される炭酸塩(もしあれば)は、ナトリウム、カリウム、およびリチウムの炭酸塩(より好ましくは、ナトリウムまたはカリウムの塩、最も好ましくは、ナトリウムの塩)からなる群から選択される。自動食器洗浄用組成物に使用される過炭酸塩(もしあれば)は、ナトリウム、カリウム、リチウム、およびアンモニウムの塩(より好ましくは、ナトリウムまたはカリウムの塩、最も好ましくは、ナトリウムの塩)からなる群から選択される。より好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用される炭酸塩(もしあれば)は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、および過炭酸ナトリウムのうちの少なくとも1つを含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダーが炭酸塩を含む場合、自動食器洗浄用組成物は好ましくは、0~97重量%(好ましくは5~75重量%、より好ましくは10~60重量%、最も好ましくは20~50重量%)の炭酸塩を含む。
【0022】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「クエン酸塩(複数可)」という用語は、アルカリ金属クエン酸塩を指す。好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用されるクエン酸塩(もしあれば)は、ナトリウム、カリウム、およびリチウムのクエン酸塩(より好ましくはナトリウムまたはカリウムの塩、最も好ましくはナトリウムの塩)からなる群から選択される。より好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用されるクエン酸塩(もしあれば)は、クエン酸ナトリウムである。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダーがクエン酸塩を含む場合、自動食器洗浄用組成物は好ましくは、0~97重量%(好ましくは5~75重量%、より好ましくは10~60重量%、最も好ましくは20~40重量%)のクエン酸塩を含む。
【0023】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される「ケイ酸塩(複数可)」という用語は、アルカリ金属ケイ酸塩を指す。好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用されるケイ酸塩(もしあれば)は、ナトリウム、カリウム、およびリチウムのケイ酸塩(より好ましくはナトリウムまたはカリウムの塩、最も好ましくはナトリウムの塩)からなる群から選択される。より好ましくは、自動食器洗浄用組成物に使用されるケイ酸塩(もしあれば)は、二ケイ酸ナトリウムである。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダーとしては、ケイ酸塩が挙げられる。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用されるビルダーがケイ酸塩を含む場合、自動食器洗浄用組成物は好ましくは、0~97重量%(好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.5~7.5重量%、最も好ましくは0.75~3重量%)のケイ酸塩(複数可)を含む。
【0024】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、0.1~15重量%(より好ましくは0.5~10重量%、なおより好ましくは0.75~7.5重量%、最も好ましくは1~5重量%)のホスホネートを含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、0.1~15重量%(より好ましくは0.5~10重量%、なおより好ましくは0.75~7.5重量%、最も好ましくは1~5重量%)のホスホネートを含み、このホスホネートは、≦1,000ダルトンの重量平均分子量を有する低分子量である。なおより好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、0.1~15重量%(より好ましくは0.5~10重量%、なおより好ましくは0.75~7.5重量%、最も好ましくは1~5重量%)のホスホネートを含み、このホスホネートは、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)および1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸の塩のうちの少なくとも1つを含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、0.1~15重量%(より好ましくは0.5~10重量%、なおより好ましくは0.75~7.5重量%、最も好ましくは1~5重量%)のホスホネートを含み、このホスホネートは、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)およびその塩からなる群から選択される。
【0025】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、0.2~15重量%(好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1.5~7.5重量%)の非イオン性界面活性剤を含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、0.2~15重量%(好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1.5~7.5重量%)の非イオン性界面活性剤を含み、この界面活性剤は、脂肪アルコールアルコキシレートを含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、0.2~15重量%(好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1.5~7.5重量%)の非イオン性界面活性剤を含み、この界面活性剤は、脂肪アルコールアルコキシレートである。
【0026】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される非イオン性界面活性剤は、以下から選択される式を有し、
RO-(M)-(N)-OH、および
RO-(M)-(N)-(P)-OH
式中、Mはエチレンオキシドの構造単位を表し、NはC3~181,2-エポキシアルカンの構造単位を表し、PはC6~18のアルキルグリシジルエーテルの構造単位を表し、xは5~40であり、yは0~20であり、zは0~3であり、RはC6~22直鎖または分岐鎖アルキル基を表す。
【0027】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される非イオン性界面活性剤は、以下から選択される式を有し、
RO-(M)-(N)-OH、および
RO-(M)-(N)-O-R’
式中、MおよびNは、アルキレンオキシド(そのうちの1つは、エチレンオキシドである)から誘導される構造単位であり、xは5~40であり、yは0~20であり、Rは、C6~22直鎖または分岐鎖アルキル基を表し、R’は、アルコール前駆体と、C6~22直鎖もしくは分岐鎖ハロゲン化アルキル、エポキシアルカン、またはグリシジルエーテルの反応から誘導される基を表す。
【0028】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される非イオン性界面活性剤は、以下の式を有し、
RO-(M)-OH
式中、Mはエチレンオキシドの構造単位を表し、xは少なくとも3(好ましくは少なくとも5、好ましくは10以下、より好ましくは8以下)である。好ましくは、式中、RおよびR’は各々少なくとも8個(より好ましくは少なくとも10個)の炭素原子を有する。
【0029】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、分散剤ポリマーを含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて0.5~15重量%の分散剤ポリマーを含む。なおより好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて0.5~10重量%の分散剤ポリマーを含む。さらにより好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて1~8重量%の分散剤ポリマーを含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて2~6重量%の分散剤ポリマーを含む。
【0030】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、1~25重量%(好ましくは2~20重量%、より好ましくは2.5~18重量%、最も好ましくは4~16重量%)(好ましくは≧2重量%、より好ましくは≧2.5重量%、好ましくは≦25重量%、より好ましくは≦20重量%、なおより好ましくは≦18重量%、最も好ましくは≦16重量%)の式Iの構造単位であって、
【化6】
式中、各Rは、独立して、水素および-C(O)CH基から選択される、構造単位を含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、1~25重量%(好ましくは2~20重量%、より好ましくは2.5~18重量%、最も好ましくは4~16重量%)(好ましくは≧2重量%、より好ましくは≧2.5重量%、好ましくは≦25重量%、より好ましくは≦20重量%、なおより好ましくは≦18重量%、最も好ましくは≦16重量%)の式Iの構造単位を含み、分散剤ポリマー中の0~50モル%の式Iの構造単位において、Rは水素である。
【0031】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、75~99重量%(好ましくは80~98重量%、より好ましくは82~97.5重量%、最も好ましくは84~96重量%)(好ましくは≧75重量%、より好ましくは≧80重量%、好ましくは≦99重量%、より好ましくは≦98重量%、なおより好ましくは≦97.5重量%、最も好ましくは≦96重量%)の式IIの構造単位であって、
【化7】
式中、各Rは、独立して、水素および-CH基から選択される、構造単位を含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、75~99重量%(好ましくは80~98重量%、より好ましくは82~97.5重量%、最も好ましくは84~96重量%)(好ましくは≧75重量%、より好ましくは≧80重量%、好ましくは≦99重量%、より好ましくは≦98重量%、なおより好ましくは≦97.5重量%、最も好ましくは≦96重量%)の式IIの構造単位を含み、分散剤ポリマー中の75~100モル%(好ましくは85~100モル%、より好ましくは95~100モル%、なおより好ましくは≧99モル%、最も好ましくは100モル%)の式IIの構造単位において、各Rは水素である。
【0032】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、≦1重量%(好ましくは≦0.5重量%、より好ましくは≦0.2重量%、なおより好ましくは≦0.01重量%、さらになおより好ましくは≦0.001重量%、最も好ましくは検出限界値未満)のラクトン末端基を有する分散剤ポリマーを含有する。ラクトン末端基は、式IIの構造単位上のカルボン酸基と特定の連鎖移動剤(例えば、イソプロパノール)に由来する末端ヒドロキシ基との間の内部エステル化反応を介して形成することができる。そのようなラクトン末端基のほとんどは、γ-ラクトンである。
【0033】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、1,500~10,000ダルトンの重量平均分子量を有する。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、2,500~8,000ダルトンの重量平均分子量を有する。なおより好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、4,000~7,500ダルトンの重量平均分子量を有する。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、4,500~6,000ダルトンの重量平均分子量を有する。
【0034】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、≦8重量%(好ましくは≦5重量%、より好ましくは≦3重量%、最も好ましくは≦1重量%)の(メタ)アクリル酸のエステルの構造単位を含む。
【0035】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、≦0.3重量%(より好ましくは≦0.1重量%、なおより好ましくは≦0.05重量%、さらになおより好ましくは≦0.03重量%、最も好ましくは、≦0.01重量%)の多エチレン性不飽和架橋モノマーの構造単位を含む。
【0036】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、≦1重量%(好ましくは≦0.5重量%、より好ましくは≦0.001重量%、なおより好ましくは≦0.0001重量%、最も好ましくは<検出限界値)のスルホン化モノマーの構造単位を含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、≦1重量%(好ましくは≦0.5重量%、より好ましくは≦0.001重量%、なおより好ましくは≦0.0001重量%、最も好ましくは<検出限界値)の、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、4-スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3-アリルオキシスルホン酸、2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸(HAPS)、2-スルホエチル(メタ)アクリル酸、2-スルホプロピル(メタ)アクリル酸、3-スルホプロピル(メタ)アクリル酸、4-スルホブチル(メタ)アクリル酸、およびこれらの塩からなる群から選択される、スルホン化モノマーの構造単位を含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、≦1重量%(好ましくは≦0.5重量%、より好ましくは≦0.001重量%、なおより好ましくは≦0.0001重量%、最も好ましくは<検出限界値)の2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)モノマーの構造単位を含む。
【0037】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、水中重合により生成されるものである。好ましくは、分散剤ポリマーは、ランダムコポリマーである。
【0038】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物に使用される分散剤ポリマーは、水溶性溶液ポリマー、スラリー、乾燥粉末、顆粒の形態、または別の固体形態で提供される。
【0039】
本発明の自動食器洗浄用組成物は、任意選択的に添加剤をさらに含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、アルカリ源、漂白剤(例えば、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム)、漂白活性化剤(例えば、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED))、漂白触媒(例えば、酢酸マンガン(II)、塩化コバルト(II)、ビス(TACN)マグネシウムトリオキシドジアセテート)、酵素(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、またはセルラーゼ)、発泡抑制剤、着色剤、芳香剤、ケイ酸塩、追加のビルダー、抗菌剤、充填剤、堆積物制御(deposit control)ポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される添加剤をさらに含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、漂白剤、漂白活性化剤、酵素、充填剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される添加剤をさらに含む。なおより好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、添加剤をさらに含み、この添加剤は、漂白剤(例えば、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム)、漂白活性化剤(例えば、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED))、および酵素(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、またはセルラーゼ)を含む。最も好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、添加剤をさらに含み、添加剤は、漂白剤(漂白剤は過炭酸ナトリウムを含む)、漂白活性化剤(漂白活性化剤はテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)を含む)、および酵素(酵素は、プロテアーゼとアミラーゼとを含む)を含む。
【0040】
錠剤または粉末に含まれる充填剤は、不活性な水溶性物質であり、典型的にはナトリウム塩またはカリウム塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム)である。錠剤および粉末では、充填剤は典型的に、0重量%~75重量%の範囲の量で存在する。ゲル製剤に含まれる充填剤には、典型的に、錠剤および粉末、さらには水で使用するために言及されたものが含まれる。芳香剤、染料、発泡抑制剤、酵素、および抗菌剤は通常、合計で自動食器洗浄用組成物の10重量%以下、代替的に5重量%以下である。
【0041】
本発明の自動食器洗浄用組成物は、任意選択的にアルカリ源をさらに含む。好適なアルカリ源は、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属水酸化物、例えば炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムまたは水酸化カリウム、または上記の混合物を含むが、これらに限定されない。水酸化ナトリウムが好ましい。本発明の自動食器洗浄用組成物中のアルカリ源の量(もしあれば)は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、少なくとも1重量%(好ましくは少なくとも20重量%)および最大80重量%(好ましくは最大60重量%)である。
【0042】
本発明の自動食器洗浄用組成物は任意選択的に、漂白剤(例えば、過炭酸ナトリウム)をさらに含む。本発明の自動食器洗浄用組成物中の漂白剤の量(もしあれば)は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは1~25重量%(より好ましくは、5~20重量%)の濃度である。
【0043】
本発明の自動食器洗浄用組成物は任意選択的に、漂白活性化剤(例えばテトラアセチルエチレンジアミン(TAED))をさらに含む。本発明の自動食器洗浄用組成物中の漂白活性化剤の量(もしあれば)は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは1~10重量%(より好ましくは、2.5~7.5重量%)の濃度である。
【0044】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、≦1重量%(好ましくは≦0.5重量%、より好ましくは≦0.2重量%、なおより好ましくは≦0.1重量%、さらになおより好ましくは≦0.01重量%、最も好ましくは<検出限界値)のホスフェート(リン元素として測定される)を含む。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、ホスフェート不含である。
【0045】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、自動食器洗浄用組成物の乾燥重量に基づいて、≦1重量%(好ましくは≦0.5重量%、より好ましくは≦0.2重量%、なおより好ましくは≦0.1重量%、さらになおより好ましくは≦0.01重量%、最も好ましくは<検出限界値)の、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリシン-N,N-二酢酸、メチルグリシン-N,N-二酢酸、2-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、グルタミン酸-N,N-二酢酸、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジスクシネート、S,S-エチレンジアミンジコハク酸アスパラギン酸-二酢酸、N,N’-エチレンジアミンジコハク酸、イミノジコハク酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸-N,N-二酢酸、ベータ-アラニン二酢酸、ポリアスパラギン酸、これらの塩、およびこれらの混合物からなる群から選択されるビルダーを含む。より好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリシン-N,N-二酢酸、メチルグリシン-N,N-二酢酸、2-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、グルタミン酸-N,N-二酢酸、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジスクシネート、S,S-エチレンジアミンジコハク酸アスパラギン酸-二酢酸、N,N’-エチレンジアミンジコハク酸、イミノジコハク酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸-N,N-二酢酸、ベータアラニン二酢酸、ポリアスパラギン酸、これらの塩、およびこれらの混合物からなる群から選択されるビルダーを0重量%含有する。
【0046】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、少なくとも9(好ましくは≧10、より好ましくは≧11.5)のpH値(水中で1重量%)を有する。好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、13以下のpH値(水中で1重量%)を有する。
【0047】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、任意の典型的な形態、例えば、錠剤、粉末、塊、一回量、小袋、ペースト、液体、またはゲルで配合されることができる。本発明の自動食器洗浄用組成物は、食器および調理器具、皿などの用品を自動食器洗浄機内で洗浄するのに有用である。
【0048】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄用組成物は、典型的な操作条件下で使用するのに好適である。例えば、自動食器洗浄機内で使用されるとき、洗浄プロセス中の典型的な水温は、好ましくは20℃~85℃、好ましくは30℃~70℃である。自動食器洗浄用組成物の通常の濃度は、食器洗浄機内の液体を占める合計百分率として、好ましくは0.1~1重量%、好ましくは0.2~0.7重量%である。適切な製品形態および添加時間の選択により、本発明の自動食器洗浄用組成物は、予備洗浄、主洗浄、最後から2番目のすすぎ、最終的なすすぎ、またはこれらのサイクルの任意の組み合わせにおいて存在し得る。
【0049】
好ましくは、本発明の自動食器洗浄機で物品を洗浄する方法は、少なくとも1つの物品(例えば、調理器具、耐熱皿、食卓用食器(tableware)、食器類(dishware)、平皿、および/またはガラス食器)を提供することと、本発明の自動食器洗浄用組成物を提供することと、自動食器洗浄用組成物を少なくとも1つの物品に(好ましくは、自動食器洗浄機(automatic dishwasher)で)適用することと、を含む。
【0050】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を以下の実施例において詳細に説明する。
【0051】
重量平均分子量、M、数平均分子量、M、および実施例で報告される多分散性(PDI)値は、Agilent1100シリーズ屈折率を備えるAgilent1100シリーズLCシステムでのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定された。試料をHPCLグレードのTHF/FA混合物(100:5体積/体積比)に約9mg/mLの濃度で溶解し、0.45μmシリンジフィルターでろ過してから、4.6×10mmのShodex KFガードカラム、8.0×300mmのShodex KF 803カラム、8.0x300mmのShodex KF 802カラム、および8.0×100mmのShodex KF-Dカラムに注入した。1mL/分の流量および40℃の温度を維持した。狭分子量PS標準(EasiCal PS-2,Polymer Laboratories,Inc.)によって、カラムを較正した。
【0052】
実施例1~4:分散剤ポリマーの合成
実施例1では、オーバーヘッドスターラー、窒素バブラー、圧力コントローラ、還流冷却器、および温度コントローラを備えたガラス反応器に、脱イオン水(250g)および硫酸鉄(II)溶液(2.5g、0.15%)を加えた。温度コントローラの設定値は73℃に設定した。オーバーヘッドスターラーを173rpmに設定した。次に、脱イオン水(10g)中のメタ重亜硫酸ナトリウム(SMBS)(1.35g)を反応器の内容物に加えた。次に、コフィードの反応器の内容物への添加を、(a)脱イオン水(50g)中に3.8g/分(90分以上)の流速で氷河アクリル酸(255g)および酢酸ビニル(45g)を含有するモノマーコフィード、(b)脱イオン水(50g)中に0.55g/分(95分以上)の流速で過硫酸ナトリウム(NaPS)(2g)を含有する開始剤コフィード、ならびに(c)脱イオン水(60g)中に1.11g/分(80分以上)の流速でSMBS(28.68)を含有する連鎖移動剤コフィードで開始した。すべてのコフィードが完了した後、反応器の内容物を15分間保持し、脱イオン水(20g)中にNaPS(0.42g)を含有するチェイス(chase)を、10分かけて反応器の内容物に加えた。チェイスが完了した後、反応器の内容物を20分間保持した後、脱イオン水(20g)中にNaPS(0.42g)を含有する第2のチェイスを10分間にわたって加え、さらに20分間保持した。次に、反応器を加熱源から取り外し、冷却させた。次に、得られたポリマー生成物を固形分41.6重量%で測定した。50%のNaOH溶液を加えて、5.56の最終pH値を達成した。次に、実施例2~4についてこのプロセスを繰り返し、モノマーフィードを変更して、表1に報告されているものを反映させた。次に、実施例1~4の各々で生成されたポリマーのpH値、%固形分、重量平均分子量、Mを測定し、表1に提供される結果を得た。
【表1】
【0053】
食品汚れを調製するための手順
表2に記載されるSTIWA食品汚れは、以下の手順により調製した。
a)水を沸騰させる。
b)紙コップでインスタントグレービー、安息香酸、およびデンプンを混ぜ、次いで混合物を沸騰水に追加する。
c)(b)の生成物に牛乳とマーガリンを加える。
d)(c)の生成物を約40℃に冷却させ、次いで混合物をキッチンミキサー(Polytron)に加える。
e)別の紙コップで、卵黄、ケチャップ、およびマスタードを混ぜ合わせ、スプーンで混ぜる。
f)(e)の生成物をブレンダー内の(d)の混合物に連続的に撹拌しながら加える。
g)(f)の生成物をブレンダーで5分間撹拌する。
h)(g)からの生成物食品汚れ混合物を凍結する。
i)主洗浄の開始時に、50gの冷凍スラッシュを食器洗浄機に入れる。
【表2】
【0054】
比較例DC1~DC2および実施例D1~D4:食器洗浄用組成物
表3に特定された成分配合物を有する比較例DC1~DC2および実施例D1の各々において食器洗浄用組成物を調製した。成分配合物の各々に使用されたプロテアーゼは、Novozymesから入手可能なSavinase(登録商標)12Tプロテアーゼであった。成分配合物の各々に使用されたアミラーゼは、Novozymesから入手可能なStainzyme(登録商標)12Tアミラーゼであった。
【表3】
【0055】
食器洗浄試験条件
機械:Miele SS-ADW、モデルG1222SC Labor。65℃で洗浄-30分、予備洗浄。水:硬度37°fH、Ca:Mg=3:1。食品汚れ:表2に記述された50gの組成物を、カップで凍結した状態で洗浄液に導入した。比較例DC1~DC2および実施例D1~D4からの各食器洗浄用組成物を試験し、1回の洗浄につき20gを添加した。
【0056】
ガラスタンブラーの膜張りおよび斑点形成の評価
上記の食器洗浄試験条件下で10回の洗浄サイクル、20回の洗浄サイクル、および30回の洗浄サイクルの各々の後、ガラスタンブラーを外気で乾燥させた。外気で乾燥させた後、訓練を受けた評価者によって、下からの制御された照明を有する発光ボックス内でガラスタンブラーを観察することにより、膜張りおよび斑点形成の評価を判定した。ガラスタンブラーを、ASTM法に従って、1(膜張り/斑点なし)~5(重度の膜張り/斑点形成)の範囲で、膜張りおよび斑点形成を評価した。表4に報告するように、膜張りおよび斑点形成についての平均値1~5を判定した。
【表4】
【0057】
ステンレス鋼の膜張りおよび斑点形成の評価
上記の食器洗浄試験条件下で30回の洗浄サイクルの後、ステンレス鋼板を外気で乾燥させた。外気で乾燥させた後、訓練を受けた評価者によって、制御された照明を有する発光ボックス内でステンレス鋼板を観察することにより、膜張りおよび斑点形成の評価を判定した。ステンレス鋼板を、ASTM法に従って、1(膜張り/斑点なし)~5(重度の膜張り/斑点形成)の範囲で、膜張りおよび斑点形成を評価した。表5に報告するように、膜張りおよび斑点形成についての平均値1~5を判定した。
【表5】