(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】エリアにロケーションベースのサービスを提供するためのコントローラ、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H05B 47/13 20200101AFI20240301BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20240301BHJP
H05B 47/195 20200101ALI20240301BHJP
H05B 47/125 20200101ALI20240301BHJP
【FI】
H05B47/13
H05B47/16
H05B47/195
H05B47/125
(21)【出願番号】P 2021539440
(86)(22)【出願日】2020-01-03
(86)【国際出願番号】 EP2020050068
(87)【国際公開番号】W WO2020144108
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-12-28
(32)【優先日】2019-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】アリアクセイエウ ディミトリ ヴィクトロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ スルイス バルテル マリヌス
(72)【発明者】
【氏名】エレン ムスターファ トルガ
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-126912(JP,A)
【文献】特開2013-171475(JP,A)
【文献】特開2017-191495(JP,A)
【文献】特開2016-058346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エリア及び前記エリア内の人に関連するモバイルデバイスにロケーションベースのサービスを提供するためのコントローラであって、当該コントローラは、メモリ及びトランシーバを含み、当該コントローラは、
前記人に関連する前記モバイルデバイスのロケーションを得る、
前記モバイルデバイスの前記得られたロケーションが前記エリア内にある場合、前記エリア内の人を監視するように構成される少なくとも1つのセンサからのセンサデータを得る、
前記センサデータを前記メモリに格納する、及び
前記モバイルデバイスの前記得られたロケーションがもはや前記エリア内にない場合、前記トランシーバを介して、前記格納されたセンサデータを前記モバイルデバイスに転送し、その後、前記センサデータを前記メモリから削除する、
ように構成され
、
前記少なくとも1つのセンサは、カメラ、マイク、無線周波数アンテナ、サーモパイルセンサ、PIRセンサ、モーションセンサ、光センサのうちの少なくとも1つである、コントローラ。
【請求項2】
当該コントローラは、
前記センサデータをロケーションベースのサービスで使用するのに適したデータセットに処理する、及び
前記モバイルデバイスの前記得られたロケーションがもはや前記エリア内にない場合、前記トランシーバを介して、前記データセットを前記モバイルデバイスに転送し、その後、前記データセットを前記メモリから削除する、
ように構成される、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
当該コントローラは、前記データセットを前記モバイルデバイスに転送するために前記モバイルデバイスからプリファレンスを得る、及び前記プリファレンスに基づいて前記データセットを転送するように構成される、請求項2に記載のコントローラ。
【請求項4】
当該コントローラは、照明デバイスに含まれる、請求項1又は2に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記データセットは、前記人に関連するパーソナルプロファイルである、請求項2又は3に記載のコントローラ。
【請求項6】
当該コントローラは、前記モバイルデバイスから前記ロケーション及び/又は前記センサデータを受信するように構成される、請求項1乃至
5のいずれか一項に記載のコントローラ。
【請求項7】
当該コントローラは、期間のインディケーション及び/又は期間を含むユーザ入力を受ける、及び、前記モバイルデバイスの前記得られたロケーションがもはや前記エリア内にない場合、前記格納されたセンサデータを前記モバイルデバイスに転送する前に前記期間待機するように構成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のコントローラ。
【請求項8】
当該コントローラは、前記モバイルデバイスの前記得られたロケーションがもはや前記エリア内にない場合、前記格納されたセンサデータを前記モバイルデバイスに転送し、その後、前記センサデータを前記メモリから削除する前にある期間待機するように構成され、前記ある期間は、最大で2分である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコントローラ。
【請求項9】
エリア及び前記エリア内の人に関連するモバイルデバイスにロケーションベースのサービスを提供するためのロケーションベースのサービスシステムであって、当該ロケーションベースのサービスシステムは、
請求項1乃至
8のいずれか一項に記載のコントローラと、
人に関連するモバイルデバイスと、
前記エリア内の人を監視する及びセンサデータを提供するように構成される少なくとも1つのセンサと、
を含む、ロケーションベースのサービスシステム。
【請求項10】
前記モバイルデバイスは、前記少なくとも1つのセンサを含み、前記少なくとも1つのセンサは、カメラ、マイク、及び/又はモーションセンサのうちの1つであり、前記モバイルデバイスは、前記少なくとも1つのセンサのそれぞれのセンサデータを前記コントローラに送信するように構成される、請求項
9に記載のロケーションベースのサービスシステム。
【請求項11】
当該システムは、前記モバイルデバイスのロケーションを決定するための測位システムを含み、前記測位システムは、前記ロケーションを前記コントローラに送信するように構成され、前記コントローラは、前記測位システムから前記ロケーションを受信するように構成される、請求項
9又は10に記載のロケーションベースのサービスシステム。
【請求項12】
エリア及び前記エリア内の人に関連するモバイルデバイスにロケーションベースのサービスを提供する方法であって、当該方法は、メモリ及びトランシーバを含むコントローラによって実行され、当該方法は、
前記人に関連する前記モバイルデバイスのロケーションを得ることと、
前記モバイルデバイスの前記得られたロケーションが前記エリア内にある場合、前記エリア内の人を監視するように構成される少なくとも1つのセンサからのセンサデータを得ること
であって、前記少なくとも1つのセンサは、カメラ、マイク、無線周波数アンテナ、サーモパイルセンサ、PIRセンサ、モーションセンサ、光センサのうちの少なくとも1つである、ことと、
前記センサデータを前記メモリに格納することと、
前記モバイルデバイスの前記得られたロケーションがもはや前記エリア内にない場合、前記トランシーバを介して、前記格納されたセンサデータを前記モバイルデバイスに転送し、その後、前記センサデータを前記メモリから削除することと、
を含む、方法。
【請求項13】
当該方法は、
前記センサデータをロケーションベースのサービスで使用するのに適したデータセットに処理することと、
前記モバイルデバイスの前記得られたロケーションがもはや前記エリア内にない場合、前記トランシーバを介して、前記データセットを前記モバイルデバイスに転送し、その後、前記データセットを前記メモリから削除することと、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
当該方法は、
前記センサデータ及び/又は前記データセットを使用して、前記モバイルデバイスにロケーションベースのサービスを提供すること、
を含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
コンピューティングデバイスのためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムが前記コンピューティングデバイスの処理ユニットで実行された場合、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の方法を実行するためのコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エリアにロケーションベースのサービス(location-based service)等のパーソナライズされたサービス(personalized service)を提供するためのコントローラに関する。本発明はさらに、エリアにロケーションベースのサービス等のパーソナライズされたサービスを提供する方法、及び対応するコンピュータプログラムプロダクトに関する。本発明はさらに、エリアにロケーションベースのサービスを提供するためのロケーションベースのサービスシステムに関する。本発明はさらに、前記コントローラ及び光源を含む照明装置、及び照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
混雑したエリアへのセンサネットワークの導入が進むにつれ、ロケーションベースのサービス(LBS:Location-Based Services)等、パーソナライズされたサービスの適用を可能にしている。例えば、以下のようなものがある。例えば、屋内測位システム(IPS:Indoor Positioning System)により、小売環境内の人を追跡することはよく知られている。さらに、例えば、カメラ及び画像解析により、又は、例えば、人に関連するウェアラブル及び/若しくはポータブルデバイスからセンサデータを受信することにより、小売環境内の人を特定し、小売環境内の当該人の行動(behavior)を評価することが知られている。このような技術は、例えば、当該人のアイデンティティに基づいてソーシャルネットワークデータベースから情報を追加的に取得することにより、パーソナライズされたサービスに使用するための当該人のパーソナルプロファイルを作成することも可能にし得る。このような技術は、例えば、チェックアウトなしのショッピング(checkout-less shopping)に使用されてもよく、又は、小売環境内のロケーションに基づくパーソナライズされた/ターゲットを絞った広告に使用されてもよい。このような技術については、例えば、US2002/174073A1及びEP2827252A1を参照されたい。
【0003】
その結果として、パーソナライズされたサービスを提供することは、人のプロファイル情報、デモグラフィック情報(demographic information)、行動データ(behavioral data)、リアルタイム及び履歴アクティビティデータ、地理的な居場所に関するデータ、ソーシャルインタラクションデータ等、機密性の高い個人情報(personal sensitive data)の使用を必要とする。それゆえ、LBS等、パーソナライズされたサービスを提供することは、人のプライバシを保護する上で不利になる可能性がある。
【0004】
人のプライバシに対処しながら、パーソナライズされたサービスを提供することを可能にするために、パーソナライズされたサービスに使用されたデータが削除されるソリューションが提供される。このようなソリューションの不利な点は、パーソナライズされたサービスを可能にするために作成されたデータが、当該パーソナライズされたサービスが同じ人に再び提供される際にもはや利用できないことである。これは、小売環境にとって特に不利である。なぜなら、小売では、パーソナライズされたサービスのためにパーソナルプロファイルが時間をかけた学習(over-time learning)によって確立されることが多く、斯くして、当該パーソナライズされたサービスを提供するシステムは、特定の人に当該パーソナライズされたサービスを提供するために、ゼロからパーソナルプロファイルを作成し、何度も繰り返して学習する必要があるからである。したがって、パーソナライズされたサービスに使用されたデータが(パーソナライズされたサービスを提供した後に)削除される、このようなシステムは、例えば、ロケーションベースのサービス等、パーソナライズされたサービスを提供する上で効果的ではなく、効率的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、少なくとも上記の課題及び不利な点を緩和する、エリアにロケーションベースのサービス等のパーソナライズされたサービスを提供するための改善されたコントローラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明は、エリアにロケーションベースのサービス(location-based service)を提供するためのコントローラであって、コントローラは、メモリ及びトランシーバを含み、コントローラは、人に関連するモバイルデバイスのロケーションを得る、モバイルデバイスの得られたロケーションがエリア内にある場合、エリア内の人を監視するように構成される少なくとも1つのセンサからのセンサデータを得る、センサデータをメモリに格納する、及び、モバイルデバイスの得られたロケーションがもはやエリア内にない場合、トランシーバを介して、格納されたセンサデータをモバイルデバイスに転送し、その後、センサデータをメモリから削除するように構成される、コントローラを提供する。
【0007】
したがって、エリアにロケーションベースのサービスを提供するためのコントローラが提供される。コントローラは、メモリ及びトランシーバを含む。コントローラは、人に関連するモバイルデバイスのロケーションを得るように構成される。コントローラはまた、モバイルデバイスの得られたロケーションがエリア内にある場合、エリア内の人を監視するように構成される少なくとも1つのセンサからのセンサデータを得るように構成される。結果として、モバイルデバイス、したがって、モバイルデバイスに関連する人のロケーションを知ることにより、及び少なくとも1つのセンサがエリアを監視していることを知ることにより、コントローラは、少なくとも1つのセンサから得られたセンサデータをモバイルデバイスと一意にマッチングする(match)ことができる。
【0008】
それゆえ、得られたセンサデータは、モバイルデバイス及び人に関連する。これは、センサデータをプライバシセンシティブ(privacy sensitive)にする。コントローラは、センサデータをメモリに格納するように構成され、メモリからのセンサデータは、例えば、ロケーションベースのサービスを処理する及び/又は提供するために用いられてもよい。斯くして、メモリに格納されたセンサデータは、プライバシセンシティブであり得る。
【0009】
それゆえ、センサデータを削除することなくプライバシを保護しながら、ロケーションベースのサービスを提供するために、コントローラは、モバイルデバイスの得られたロケーションがもはやエリア内にない場合、トランシーバを介して、格納されたセンサデータをモバイルデバイスに転送するように構成される。斯くして、人に関連するモバイルデバイス(すなわち、人自身)がエリアを離れる場合、データは直ちに削除されず、まずモバイルデバイスに転送される。前記転送の後、コントローラは、メモリからセンサデータを削除するように構成される。前記転送は、代替的に、送信、伝達、伝送又は移送と表現されてもよい。
【0010】
その結果、本発明によるコントローラは、モバイルデバイス(したがって、人自身)がエリアを離れる場合にプライバシセンシティブなデータがコントローラのメモリから削除されるため、(当該エリアにおける)人のプライバシが保護されるという明確な利点を提供する。さらに、センサデータはモバイルデバイス(したがって、人自身)に転送されるので、(ロケーションベースのサービスを提供するための)価値のあるセンサデータは、モバイルデバイスが人自身に関連しているので、プライバシセキュアなデバイスに依然として存在し、利用可能であり得る。価値のあるセンサデータを失わずに、プライバシを侵害しないことは、明らかなメリットである。
【0011】
本願では、本発明の利点が両方の種類のサービスに当てはまるので、ロケーションベースのサービスの言及は、パーソナライズされたサービスに準用的に(mutatis mutandis)置き換えられてもよい。コントローラは、例えば、照明器具等の照明デバイスに組み込まれてもよく、又は、例えば、照明器具等の照明デバイスの一部であってもよい。斯くして、一実施形態では、コントローラは照明デバイスであってもよい。
【0012】
例として、モバイルデバイスは、例えば、スマートフォン、スマートウェアラブル、スマートゴーグル、スマートウォッチ、フィットネストラッカ(fitness tracker)、スマートガーメント(smart garment)、タブレット、又はショッピング用のスキャニングデバイスであってもよい。例として、トランシーバは、Wi-Fi、Bluetooth、ZigBee、LoRa等、ワイヤレス通信を可能にする無線周波数(Radiofrequency)トランシーバであってもよい。前記トランシーバは、代替的に、可視光通信及び/又はLiFiを介したワイヤレス通信のために構成されてもよい。前記メモリは、当該技術分野で既知のローカルメモリであってもよい。さらに、例として、コントローラは、トランシーバを介してモバイルデバイスのロケーションを受信してもよい。トランシーバは、ワイヤレストランシーバであってもよい。
【0013】
例として、ロケーションベースのサービスは、例えば、パーソナライズされた広告、チェックアウトなしの支払い(checkout-less paying)、人の特性(characteristic )を監視すること、人のモバイルデバイスにセンサデータを転送すること、屋内測位及び/又は屋内ナビゲーション、存在検出、クラウド制御(crowd control)、ターゲットを絞ったメッセージング(targeted messaging)、ゲーム、拡張現実アプリケーション、セキュリティ、ソーシャルインタラクション(social interaction)、人々の調査(people survey)等に関連してもよい。
【0014】
例として、エリアは、小売エリアであってもよい。例えば、エリアは、フィッティングルームであってもよい。また、エリアは、オフィスフロアであってもよい。また、エリアは、マーケット又はマーケットスクエアであってもよい。エリアは、代替的に、スタジアム若しくはホール等、スポーツエリア、コンサートエリア、又はフェスティバルエリアであってもよい。さらに、エリアは、例えば、自治体のホール(municipality hall)又は公園等、公共エリアであってもよい。
【0015】
一実施形態では、コントローラは、センサデータをロケーションベースのサービスで使用するのに適したデータセットに処理する、及び、モバイルデバイスの得られたロケーションがもはやエリア内にない場合、トランシーバを介して、前記データセットをモバイルデバイスに転送し、その後、データセットをメモリから削除するように構成されてもよい。このような実施形態は、センサデータが、ロケーションベースのサービスで使用するのに適したデータセットである、処理されたフォーマットで本発明に従って転送され得るので、有利であり得る。例として、前記処理は、センサデータをより小さいサイズに圧縮することを含み得るので、前記データセットの(メモリ)サイズは、センサデータのサイズよりも小さくてもよい。これは、データセットをモバイルデバイスに転送する際にも有利であり得る。
【0016】
さらなる実施形態では、コントローラは、センサデータ及び/又はデータセットを使用して、モバイルデバイスにロケーションベースのサービスを提供するように構成されてもよい。斯くして、コントローラは、(必ずしもロケーションベースのサービスを提供する必要はない)前述のように前記センサデータ及び/又はデータセットを格納するだけでなく、センサデータ及び/又はデータセットを使用することによりモバイルデバイスに関連するロケーションベースのサービスを可能にしてもよい。
【0017】
さらなる実施形態では、データセットは、人に関連するパーソナルプロファイル(personal profile)であってもよい。このようなパーソナルプロファイルは、例えば、年齢及び性別等、人のデモグラフィクス(demographics)、又はサイズ、体重、髪の色、声、目の色、虹彩、顔の特徴、身長等、人の身体的特徴、又は友人の指標(indicator)、メンバーシップ、ソーシャルメディアプロファイル等、人のソーシャルインタラクション、又はあるロケーションにおける滞在時間、製品への関心、ルーチン、歩行経路等、人の行動特性、等を含んでもよい。
【0018】
一実施形態では、コントローラは、モバイルデバイスから人に関連する初期データセットを受信する、並びに、センサデータ及び初期データセットの両方をデータセットに処理するように構成されてもよい。このような実施形態は、コントローラがモバイルデバイスから初期データセットを受信し得、初期データセットは、ロケーションベースのサービスを提供するための貴重なデータを既に提供し得るため、コントローラがロケーションベースのサービスを処理及び提供する際により効率的になり得るので、さらに有利であり得る。これは、コントローラが、本発明に従ってセンサデータ及び初期データセットの両方をデータセットに処理するように構成されることによって行われる。例えば、人は、最初の訪問時に本発明に従ってエリアに入り、出ることにより、コントローラは、最初の訪問時にエリアを出る場合に、得られたセンサデータを人のモバイルデバイスに転送している。ここで、転送されたセンサデータは、初期データセットとなり得、ここで、初期データセットは、人に関連するモバイルデバイスにセキュアに格納される。斯くして、前記人がさらなる訪問時に前記エリアに入り、出る場合、初期データセット(すなわち、以前の訪問のセンサデータ)は、それぞれのさらなる訪問時に得られたセンサデータとともにそれぞれのさらなる訪問の結果としてのデータセットに処理され得る。それゆえ、データが累積的に扱われるので、複数の訪問にわたって得られたセンサデータにロスは生じない。これにより、コントローラは、処理中により大きなデータセットを学習し利用し得るので、コントローラは、ロケーションベースのサービスを提供する上でより効率的且つ効果的である。コントローラは、ロケーションベースのサービス等、よりパーソナライズされ、より正確なパーソナライズされたサービスを提供することができる。
【0019】
例として、コントローラは、代替的に、外部サーバから人に関連する前記初期データセットを受信する、及び、センサデータ及び初期データセットの両方をデータセットに処理するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、前記モバイルデバイスがエリア内で検出される場合、又は、例えば、コントローラがこのような外部サーバから前記初期データセットを取得及び/若しくは入手するためにモバイルデバイスから信号を受信する場合、前記初期データセットを取得及び/又は入手してもよい。
【0020】
一実施形態では、コントローラは、モバイルデバイスから前記ロケーション及び/又は前記センサデータを受信するように構成されてもよい。例えば、モバイルデバイスは、屋内測位システム又はGPS等、測位システムを介して自身のロケーションを決定し、その後、該位置が、前記ロケーションを得る/受信するようにコントローラに送信されてもよい。例えば、モバイルデバイスは、人、人の行動、又は人の特徴に関連するセンサデータを収集するのによく適し、その後、該センサデータが、前記ロケーションを得る/受信するようにコントローラに送信されてもよい。
【0021】
一実施形態では、コントローラは、モバイルデバイスの得られたロケーションがもはやエリア内にない場合、格納されたセンサデータをモバイルデバイスに転送し、その後、センサデータをメモリから削除する前にある期間待機するように構成される。このような実施形態は、すべての得られたセンサデータが失われるという結果を招くことなく、人が一時的にエリアを離れ戻ってくることを可能にし得るため、有利である。例えば、パーキングメータを満たす又はタバコを吸うためにレストランエリアの外に出た人が、その後、レストランエリアに戻ってくることがある。この場合、コントローラは、人がもはやエリア内にいない場合に直ちにメモリからセンサデータを削除するのではなく、そうする前に前記期間を待つであろう。なぜなら、人がレストランエリアに再度入りアクティビティを続ける可能性が依然として残っているからである。したがって、このような実施形態は、センサデータの偶発的な削除を防ぐため、有利である。一実施形態では、前記期間は最大で2分であってもよい。このような2分という時間は、人がエリアにおける存在又はアクティビティを止める意思がなく、当該エリアを離れるために取る短い出来事とよくマッチする。代替的に、前記期間は、最大で4分、最大で5分、最大で1分、最大で10分のいずれかであってもよい。
【0022】
また、前記期間は、モバイルデバイスに関連する人によって設定されてもよい。例えば、前記モバイルデバイスは、前記期間を示すユーザ入力を受けるためのユーザインターフェースを含んでもよい。前記モバイルデバイスは、前記期間のインディケーション(indication)及び/又は前記期間を含む、前記ユーザ入力をコントローラに伝達してもよい。コントローラは、このユーザ入力を受信し、前記期間を決定してもよい。斯くして、一実施形態では、コントローラは、前記期間のインディケーション及び/又は前記期間を含むユーザ入力を受信する、及び、モバイルデバイスの得られたロケーションがもはやエリア内にない場合、格納されたセンサデータをモバイルデバイスに転送する前に前記期間待機するように構成されてもよい。例えば、人は、レストラン環境では2分の期間、小売店環境では5分の期間、病院環境では10分の期間を持ちたいことをこのようなユーザ入力を介して指定してもよい。したがって、人は、異なる環境及び/又はエリアに対して、前記期間の値がどうあるべきかを指示してもよい。
【0023】
さらに、代替的な例では、本発明によるコントローラは、前記データセットをモバイルデバイスに転送するためにモバイルデバイスからプリファレンス(preference)を得るように構成されてもよい。このようなプリファレンスは、モバイルデバイスによって受けられ、モバイルデバイスによってコントローラに送られるユーザ入力であってもよい。モバイルデバイスは、例えば、前記転送に関するプリファレンスを提出するために携帯電話に関連する人によって使用され得る、ユーザインターフェースを介してこのようなユーザ入力を受けてもよい。
【0024】
さらに、一実施形態では、本発明によるコントローラは、センサデータがメモリから削除される場合、トランシーバを介して、モバイルデバイスに通知メッセージ(notification message)を伝えるように構成されてもよい。これは、人のプライバシセンシティブなデータが削除されることを、例えばプッシュメッセージを用いて、人に通知し得るので、有利である。
【0025】
本発明のさらなる目的は、少なくとも上記の課題及び不利な点を緩和する、改善されたロケーションベースのサービスシステムを提供することである。そのために、本発明はさらに、エリアにロケーションベースのサービスを提供するためのロケーションベースのサービスシステム(location-based service system)であって、当該ロケーションベースのサービスシステムは、本発明によるコントローラと、人に関連するモバイルデバイスと、前記エリア内の人を監視する及びセンサデータを提供するように構成される少なくとも1つのセンサとを含む、ロケーションベースのサービスシステムを提供する。本発明によるコントローラに当てはまる利点及び/又は実施形態は、本発明による前記システムにも準用的に当てはまり得る。
【0026】
すなわち、センサデータを削除することなくプライバシを保護しながら、ロケーションベースのサービスを提供するために、このようなロケーションベースのサービスシステムは、モバイルデバイスの得られたロケーションがもはやエリア内にない場合、トランシーバを介して、格納されたセンサデータをモバイルデバイスに転送するように構成されるコントローラを含む。斯くして、人に関連するモバイルデバイス(すなわち、人自身)がエリアを離れる場合、データは直ちに削除されず、まずモバイルデバイスに転送される。前記転送の後、コントローラは、メモリからセンサデータを削除するように構成される。前記転送は、代替的に、送信、伝達、伝送又は移送と表現されてもよい。その結果、ロケーションベースのサービスシステムは、モバイルデバイス(したがって、人自身)がエリアを離れる場合にプライバシセンシティブなデータがコントローラのメモリから削除されるため、(当該エリアにおける)人のプライバシが保護されるという明確な利点を提供する。さらに、センサデータはモバイルデバイス(したがって、人自身)に転送されるので、(ロケーションベースのサービスを提供するための)価値のあるセンサデータは、モバイルデバイスが人自身に関連しているので、プライバシセキュアなデバイスに依然として存在し、利用可能であり得る。価値のあるセンサデータを失わずに、プライバシを侵害しないことは、明らかなメリットである。
【0027】
一実施形態では、少なくとも1つのセンサは、カメラ、マイク、無線周波数(radiofrequency)アンテナ、サーモパイルセンサ、PIRセンサ、モーションセンサ、光センサのうちの少なくとも1つであってもよい。このようなセンサは、とりわけ、エリア内の人を監視するのに適し得る。例えば、カメラは、人に関連する特性を推定するために画像分析及び/又は機械学習と組み合わせて使用されてもよい。このような特性は、人のアクティビティ、気分、健康、関心等を含んでもよい。例えば、マイクは、人の声、コマンド、気分、又は人が存在するコンテキスト(context)を監視するために使用されてもよい。同様に、無線周波数アンテナは、人と他のデバイスとのインタラクションを監視してもよく、及び/又は、人の接続性(connectivity)を検出してもよく、及び/又は、人の姿勢、動き、アクティビティ、ジェスチャ等を検出するために人のRFベースのセンシングを行ってもよい。同様に、例えば、PIRセンサ、モーションセンサ、光センサは、人の存在、人の歩行パターン等、エリア内の人を監視するために使用されてもよい。さらに、前記少なくとも1つのセンサは、サーモパイルアレイ、単一ピクセルサーモパイル、マイクロ波センサ、RADAR、Time-of-Flightセンサ、占有検出器のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0028】
さらに、前記少なくとも1つのセンサは、例として、モバイルデバイス又は人の外部にあるセンサであってもよい。前記少なくとも1つのセンサは、例えば、エリア内の照明器具内に存在する高度なセンサバンドル(advanced sensor bundle)であってもよい。
【0029】
上述したように、少なくとも1つのセンサは、モバイルデバイスの得られたロケーションがエリア内にある場合にエリア内の人を監視するように構成される。このような少なくとも1つのセンサは、例として、少なくともモバイルデバイスに組み込まれてもよい。なぜなら、人に関連するモバイルデバイスは、人を監視するためのセンサを組み込むのに適した場所であり得るからである。したがって、一実施形態では、モバイルデバイスは、少なくとも1つのセンサを含み、少なくとも1つのセンサは、カメラ、マイク、及び/又はモーションセンサのうちの1つであり、モバイルデバイスは、少なくとも1つのセンサのそれぞれのセンサデータをコントローラに送信するように構成される。斯くして、モバイルデバイスは、例えば、モーションセンサで人の動き及び/又はアクティビティを測定してもよく、カメラで人のロケーションを測定してもよく、カメラで人の気分、行動及び/又は健康を測定してもよく、マイクで人の気分、コマンド、アクティビティを測定してもよい。
【0030】
上述したように、コントローラは、モバイルデバイスのロケーションを得るように構成される。一実施形態では、モバイルデバイスは、測位システムを介して自身のロケーションを決定し、モバイルデバイスは、前記ロケーションをコントローラに送信するように構成され、コントローラは、モバイルデバイスから前記ロケーションを受信するように構成されてもよい。さらなる実施形態では、測位システムは、可視光通信屋内測位システム又はRFベースの測位システムであってもよい。
【0031】
代替的に、ロケーションベースのサービスシステムは、モバイルデバイスのロケーションを決定するための測位システムを含み、測位システムは、前記ロケーションをコントローラに送信するように構成され、コントローラは、測位システムから前記ロケーションを受信するように構成されてもよい。したがって、ここでは、測位システムは、ロケーションベースのサービスシステムの一部である。
【0032】
一実施形態では、ロケーションベースのサービスシステムはさらに、照明デバイスのネットワークを含み、少なくとも1つのセンサは、照明デバイスのネットワークの少なくとも1つの照明デバイスに組み込まれてもよい。したがって、例えば、天井の照明器具等、前記照明デバイスのネットワークは、有利には、エリア内の人を監視するために使用されてもよい。このような照明デバイスのネットワークは、同時に可視光通信屋内測位システムとして機能してもよい。
【0033】
本発明のさらなる目的は、少なくとも上記の課題及び不利な点を緩和する、改善された方法を提供することである。そのために、本発明はさらに、エリアにロケーションベースのサービスを提供する方法であって、当該方法は、メモリ及びトランシーバを含むコントローラによって実行され、当該方法は、人に関連するモバイルデバイスのロケーションを得ることと、モバイルデバイスの得られたロケーションがエリア内にある場合、エリア内の人を監視するように構成される少なくとも1つのセンサからのセンサデータを得ることと、センサデータをメモリに格納することと、モバイルデバイスの得られたロケーションがもはやエリア内にない場合、トランシーバを介して、格納されたセンサデータをモバイルデバイスに転送し、その後、センサデータをメモリから削除することとを含む、方法を提供する。本発明によるコントローラ及び/又はシステムに当てはまる利点及び/又は実施形態は、本発明による前記方法にも準用的に当てはまり得る。
【0034】
一実施形態では、方法はさらに、センサデータをロケーションベースのサービスで使用するのに適したデータセットに処理することと、モバイルデバイスの得られたロケーションがもはやエリア内にない場合、トランシーバを介して、前記データセットをモバイルデバイスに転送し、その後、データセットをメモリから削除することとを含む。
【0035】
一実施形態では、方法はさらに、センサデータ及び/又はデータセットを使用して、モバイルデバイスにロケーションベースのサービスを提供することを含む。
【0036】
一実施形態では、方法はさらに、センサデータがメモリから削除される場合、トランシーバを介して、モバイルデバイスに通知メッセージを伝える及び/又は送ることを含む。
【0037】
代替的に、本発明による方法は、本発明によるコントローラを含む本発明によるシステムによって実行される。
【0038】
本発明はさらに、コンピュータプログラムプロダクトに関する。したがって、本発明は、コンピューティングデバイスのためのコンピュータプログラムプロダクトであって、当該コンピュータプログラムプロダクトがコンピューティングデバイスの処理ユニットで実行された場合、本発明による方法を実行するためのコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラムプロダクトを提供する。
【0039】
斯くして、本発明の態様は、コンピュータにより実行され得るコンピュータ可読記憶デバイスに記憶されたコンピュータプログラム命令の集合体であってもよいコンピュータプログラムプロダクトにおいて、実施されてもよい。本発明の命令は、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)又はJavaクラスを含むが、これらに限定されない任意の解釈可能又は実行可能コードメカニズムであってもよい。命令は、完全な実行可能プログラム、部分実行可能プログラム、既存のプログラムに対する修正(例えば更新)、又は既存のプログラムに対する拡張(例えば、プラグイン)として提供され得る。さらに、本発明の処理の一部は、複数のコンピュータ又はプロセッサにわたって分散されてもよい。
【0040】
本発明のさらなる目的は、少なくとも上記の課題及び不利な点を緩和する、改善された照明デバイスを提供することである。そのために、本発明はさらに、本発明によるコントローラと、光源とを含む照明デバイスであって、当該照明デバイスは、光源を介して、前記エリアを照明する、及び、コントローラを介して、前記エリアにロケーションベースのサービスを提供するように構成される、照明デバイスを提供する。このような照明デバイスは、光源を含む当該照明デバイスによって可能とされ得る、照明が、例えば、人がエリア内で監視されることを可能にするために必要とされ得るので、有利である。本発明によるコントローラに当てはまる利点及び/又は実施形態は、本発明による前記照明デバイスにも準用的に当てはまり得る。また、照明デバイスは、可視光通信(VLC:Visible Light Communication)に基づく屋内測位を可能にするための可視光通信信号を発してもよい。したがって、コントローラは、VLCに基づく屋内測位システム又はモバイルデバイスのいずれかを介して人に関連するモバイルデバイスのロケーションを受信してもよい。
【0041】
本発明の代替的な態様では、本発明の目的は、少なくとも上記の課題及び不利な点を緩和する、エリアにロケーションベースのサービスを提供するための改善されたコントローラを提供することである。そのために、本発明はさらに、エリアにロケーションベースのサービスを提供するためのコントローラであって、コントローラは、メモリ及びトランシーバを含み、コントローラは、人に関連するモバイルデバイスのロケーションを得る、モバイルデバイスの得られたロケーションがエリア内にある場合、エリア内の人を監視するように構成される少なくとも1つのセンサからのセンサデータを得る、センサデータをメモリに格納する、センサデータにアクセスするための認証キーでセンサデータをロックする、及び、モバイルデバイスの得られたロケーションがもはやエリア内にない場合、トランシーバを介して、(i)格納されたセンサデータをサーバに及び(ii)前記認証キーをモバイルデバイスに転送し、その後、センサデータをメモリから削除するように構成される、コントローラを提供する。前記サーバは、セキュアなサーバ、例えば、第三者サーバ(third-party server)であってもよい。前記認証キーは、代替的に、所有権(ownership)又はアクセスキーと表現されてもよい。同様に、上述したように、本発明のさらなる態様によるコントローラは、モバイルデバイス(したがって、人自身)がエリアを離れる場合にプライバシセンシティブなデータがコントローラのメモリから削除されるため、(当該エリアにおける)人のプライバシが保護されるという明確な利点を提供する。さらに、センサデータはサーバに転送され、認証キーでしかアクセスできないので、及び、認証キーはモバイルデバイス(したがって、人自身)に転送されるので、(ロケーションベースのサービスを提供するための)価値のあるセンサデータは、モバイルデバイスが人自身に関連しているので、正当な所有者(人自身)しかアクセスできないプライバシセキュアなサーバに依然として存在し、利用可能であり得る。価値のあるセンサデータを失わずに、プライバシを侵害しないことは、明らかなメリットである。
【0042】
このさらなる例として、コントローラは、モバイルデバイスから認証キーを受信し(戻し)、サーバから前記センサデータを取得するように構成されてもよい。例えば、前記エリアを離れた後の、前記エリアへの人のさらなる訪問時になされてもよい。コントローラはさらに、取得されたセンサデータ及びセンサデータの両方をロケーションベースのサービスで使用するのに適したデータセットに処理するように構成されてもよい。このようなデータセットは、パーソナルプロファイルであってもよい。例えば、前記さらなる訪問時になされてもよい。同様に、前記さらなる訪問時に、コントローラは、前記データセットをメモリに格納する、データセットにアクセスするためのさらなる認証キーでデータセットをロックする、及び、モバイルデバイスの得られたロケーションがもはやエリア内にない場合、トランシーバを介して、(i)格納されたデータセットをサーバに及び(ii)前記さらなる認証キーをモバイルデバイスに転送し、その後、データセットをメモリから削除するように構成されてもよい。
【0043】
本発明の第1の態様によるコントローラ及び/又はシステムに当てはまる利点及び/又は実施形態は、本発明の目下のさらなる態様によるコントローラ及び/又はシステムにも準用的に当てはまり得る。
【0044】
本発明のさらに代替的な態様では、本発明の目的は、少なくとも上記の課題及び不利な点を緩和する、エリアにロケーションベースのサービスを提供するための改善されたコントローラを提供することである。ここでは、データは、リモートメモリにセキュアに格納されてもよく、したがって、プライバシセンシティブなデータを保護しながら、認証が提供される場合にロケーションベースのサービスを提供するために前記データを依然として使用することができる。そのために、本発明はさらに、エリアにロケーションベースのサービスを提供するためのコントローラであって、コントローラは、トランシーバを含み、コントローラは、人に関連するモバイルデバイスのロケーションを得る、モバイルデバイスの得られたロケーションがエリア内にある場合、エリア内の人を監視するように構成される少なくとも1つのセンサからのセンサデータを得る、センサデータをリモートメモリに格納する、センサデータにアクセスするための認証キーでセンサデータをロックする、及び、モバイルデバイスの得られたロケーションがもはやエリア内にない場合、トランシーバを介して、前記認証キーをモバイルデバイスに転送するように構成される、コントローラを提供する。センサデータはリモートメモリに安全に格納され、当該人のみが認証キーを有するので、本発明の第1の態様によって述べられた利点が準用的に当てはまる。同様に、前記コントローラ及び前記リモートメモリを含むシステムが提供されてもよい。
【0045】
さらに、さらに別の例として、コントローラは、センサデータをロケーションベースのサービスで使用するのに適したデータセットに処理するように構成されてもよい。同様に、コントローラは、データセットをリモートメモリに格納する、及び、データセットにアクセスするための認証キーでデータセットをロックするように構成されてもよい。このようなデータセットは、パーソナルプロファイルであってもよい。さらに、コントローラは、モバイルデバイスから認証キーを受信する、リモートメモリから人に関連する前記データセットを取得する、及び、取得されたセンサデータ及びセンサデータの両方をデータセットに処理するように構成されてもよい。斯くして、コントローラは、(人がエリアを離れた後)エリアへの人のさらなる訪問時にリモートメモリに格納されたデータセットを取得してもよい。このようにして、(例えば、人に関連するモバイルデバイスによって検出される)人がエリア内に位置していない間にプライバシセンシティブなデータを保護しながら、人にロケーションベースのサービスを提供するためにより多くのデータが存在し、より多くの履歴データが存在する。
【0046】
本発明の第1の態様によるコントローラ及び/又はシステムに当てはまる利点及び/又は実施形態は、本発明の目下のさらに別の態様によるコントローラ及び/又はシステムにも準用的に当てはまり得る。
【図面の簡単な説明】
【0047】
ここで、本発明が、概略的で非限定的な図によってさらに述べられる。
【
図1】本発明によるコントローラと、人に関連するモバイルデバイスと、人を監視するように構成される少なくとも1つのセンサとを含む本発明によるロケーションベースのサービスシステムの一実施形態を概略的に示す。
【
図2】本発明によるコントローラと、人に関連するモバイルデバイスと、人を監視するように構成される少なくとも1つのセンサとを含む本発明によるロケーションベースのサービスシステムの他の実施形態を概略的に示す。
【
図3】本発明による方法の一実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
上述したように、パーソナライズされたサービスを提供することは、機密性の高い個人情報(personal sensitive data)の使用を必要とする。それゆえ、パーソナライズされたサービスを提供する場合、プライバシを保護することが課題となり得る。パーソナライズされたサービスに使用されたデータを削除することはソリューションであり得るが、累積的に収集されたデータはより効果的且つより効率的なパーソナライズされたサービスを可能にし得、ただ単に前記データを削除することにより、パーソナライズされたサービスの品質が不可逆的に失われ得るので、不利になる可能性がある。このような状況では、データを収集し、そこから学習することが(何度も)再開されなければならない。
【0049】
それゆえ、本発明は、少なくとも上記の課題及び不利な点を緩和する、エリアにロケーションベースのサービスを提供するための改善されたコントローラを提供する。同様に、改善されたロケーションベースのサービスシステム、改善された照明デバイス、及び改善された方法が提供される。これにより、ロケーションベースのサービスシステムは、パーソナライズされたサービスシステムの一例である。前記ロケーションベースのサービスシステムは、エリアにパーソナライズされたサービスを提供するためのパーソナライズされたサービスシステムに類似的に及び/又は代替的に当てはまり得る。
【0050】
図1は、本発明によるロケーションベースのサービスシステム100の一実施形態を概略的に示している。ロケーションベースのサービスシステム100は、エリア40にロケーションベースのサービス16を提供するように構成される。ここで、エリア40は、製品のクラスに特化した様々なサブエリアを含むショッピングエリアである。より具体的には、エリア40は、(いずれも概略的に描かれている)肉41、スイーツ42、衣類43、医薬品及び/又は薬44、並びに、アルコール45に特化したそれぞれのサブエリアを含む。このようなサブエリアは、例えば、スタンド、ディスプレイ、通路等を含んでもよい。このようなショッピングエリアは、例えば、ショッピングモール又は空港内に存在してもよい。
【0051】
ロケーションベースのサービスシステム100は、コントローラ10と、モバイルデバイス20と、少なくとも1つのセンサ31、32、33とを含む。コントローラ10は、ロケーションベースのサービス等、分析及びパーソナライズされたサービスを実行するためのコンピューティングインテリジェンス及び十分な処理能力を備える。コントローラ10は、トランシーバ12と、メモリ11とを含む。トランシーバ12は、ワイヤレス通信を可能にするためのWi-Fiトランシーバであるが、代替的に、Bluetooth、ZigBee、Lo-Ra、他のRFモダリティ(Rf Modalities)、又は光通信及び/若しくはLi-Fiのためのトランシーバであってもよい。
【0052】
モバイルデバイス20は、人21に関連するスマートフォンである。代替的に、前記スマートフォンは、例えば、スマートウォッチ、スマートゴーグル、スマートガーメント若しくはフィットネストラッカ等のスマートウェアラブルデバイス、又はタブレット、小売用のスキャニングデバイスであってもよい。斯くして、人21は、ショッピングエリア40内に存在するか、ショッピングエリア40の外に存在する(ショッピングエリア40を離れている)かのいずれかであってもよい。
【0053】
モバイルデバイス20のロケーションが決定されてもよい。
図1を参照すると、図示されていないが、ロケーションベースのサービスシステム100は、測位システムと協働する、又は、測位システムをさらに含む。前記測位システムは、可視光通信(VLC)に基づく屋内測位システム(IPS:indoor positioning system)である。それゆえ、エリア40は、予め定義された既知のロケーションにおける光源を含んでもよく、光源は、各光源に関連する識別子を含む可視光通信信号を発している。したがって、モバイルデバイス20は、前記識別子を受信することによってそのロケーションを決定し、例えば三角測量等の位置特定(localization)を実行することができる。また、このようなロケーションの決定は、VLCに基づくIPSにおいて集中的に実行され、その後、例えばワイヤレスインターネット接続を介して及び/又は専用アプリを介してモバイルデバイス20に通信されてもよい。このようなVLCに基づくIPSは当該技術分野でよく知られており、モバイルデバイス20のロケーションは代替手段によって決定されてもよいため、本発明の必須要素ではない。したがって、代替的に、モバイルデバイスのロケーションは、GPS、Wi-Fiベースの測位システム、Bluetoothベースの測位システム、ローカル占有検出器、NFC又はRFID等のデータタグベースのロケーション検出、SLAMベースの測位アプローチ等を介して決定されてもよい。
【0054】
引き続き
図1を参照すると、少なくとも1つのセンサ31、32、33は、前記エリア40内の人21を監視する、及び、(結果としての/それぞれの)センサデータ14を提供するように構成される。すなわち、少なくとも1つのセンサ31、32、33は、エリア40を監視するためのカメラ31、Bluetooth受信機32、及びマイクロ波センサ33を含む。例として、前記少なくとも1つのセンサは、任意に、照明器具等の照明デバイスに組み込まれてもよい。
【0055】
カメラ31は、人21を監視する、及び、データ(画像データ)を提供するように構成される。ここで、カメラ31は、少なくとも、人21の注視(gaze)及びそれぞれのサブエリア41、42、43、44、45の製品への人21の関心を検出する。カメラによって提供されるデータは、さらに、画像分析及び/又は機械学習を実行するための基礎となってもよい。例えば、カメラ画像によって、人のアクティビティ、ロケーション、行動、気分、及び/又は動きが、監視、追跡、及び/又は評価されることができる。ここで、Bluetooth受信機32は、少なくとも、モバイルデバイス20のアイデンティティを検出する。人21に関連する、モバイルデバイス20のアイデンティティは、人21に関するソーシャルメディアデータを取得するために使用されてもよい。代替的に、Bluetooth受信機32は、モバイルデバイス20がBluetooth受信機32と接続している場合にモバイルデバイス20のロケーションを検出するように構成されてもよい。ここで、マイクロ波センサ33は、少なくとも、人21のジェスチャ及び/又は姿勢を検出する。人21のジェスチャ及び/又は姿勢は、例えば、人21が製品を持っているかどうか、製品を戻しているかどうか、製品をカゴに入れているかどうか等、人21のアクションに関する追加情報を提供してもよい。全体として、少なくとも1つのセンサ31、32、33は、前記エリア40内で正確に人21を監視し、それぞれのセンサデータ14を提供している。代替的に、少なくとも1つのセンサは、部分的に上述したように、エリア内の人を監視するための任意の他の適切な感知手段のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0056】
引き続き
図1を参照すると、コントローラ10は、エリア40内のモバイルデバイス20のロケーションを得るように構成される。前述のように、ここでは、モバイルデバイス20のロケーションは、VLCに基づく屋内測位システム(図示せず)を介して決定される。これにより、モバイルデバイス20は、自身のロケーションをコントローラ10に送信し、コントローラ10は、自身のトランシーバ12を介してモバイルデバイス20から前記ロケーションを受信する。代替的に、モバイルデバイスのロケーションがVLCに基づいてIPSによって集中的に決定される場合には、IPS自身が、本発明に従ってコントローラにロケーションを転送してもよい。コントローラ10はまた、モバイルデバイス20がもはやエリア40内にないと判断するように、モバイルデバイス20がエリア40の外にある場合にモバイルデバイス20のロケーションを得ることができる。コントローラ10はまた、モバイルデバイス20の得られたロケーションがエリア40内にある場合、エリア40内の人21を監視するように構成される少なくとも1つのセンサ31、32、33からのセンサデータを得るように構成される。結果として、モバイルデバイス20、したがって、モバイルデバイス20に関連する人21のロケーションを知ることにより、及び少なくとも1つのセンサ31、32、33がエリア40を監視していることを知ることにより、コントローラ10は、(例えば、当該技術分野で知られているように)少なくとも1つのセンサから得られたセンサデータ14をモバイルデバイス20と一意にマッチングすることができる。
【0057】
それゆえ、得られたセンサデータ14は、モバイルデバイス20及び人21に関連する。これは、センサデータ14をプライバシセンシティブにする。コントローラ10は、センサデータ14をメモリ11に格納するように構成され、メモリからのセンサデータ14は、ロケーションベースのサービス16を処理する及び/又は提供するために用いられてもよい。ここで、ロケーションベースのサービス16は、得られたセンサデータ14から導出される肉41、スイーツ42、衣類43、医薬品及び/又は薬44、並びに、アルコール45に特化したそれぞれのサブエリアの製品への人21の関心に基づいたパーソナライズされた広告16である。さらに、人21はショッピングエリア40を繰り返し訪れ得るので、データの累積的な収集は、都度より効果的なパーソナライズされた広告を提供させ得る。
【0058】
すなわち、少なくとも1つのセンサ31、32、33は、センサデータ14を提供し、コントローラ10は、前記センサデータを受信する。センサデータ14は、部分的に上述したように、少なくとも人21のアイデンティティ、注視、及びジェスチャに関する価値のある情報を含み、これに基づいて、前記サブエリアの製品への人21の関心が決定されてもよい。
【0059】
引き続き
図1を参照すると、コントローラ10は、センサデータ14をデータセット15に処理する。このデータセット15は、人21のパーソナルプロファイル15である。前記パーソナルプロファイル15は、前記サブエリア41、42、43、44、45の製品への人21の関心に関する情報、並びに、人21の(例えば、Bluetooth受信機32によって検出された)アイデンティティ及び(アイデンティティに基づいてコントローラ10によって取得されてもよい)取得されたアドレスを含む。例えば、ここでは、人21の注視は、医薬品及び/又は薬サブエリア44に向けられることがより多い可能性がある。カメラは、人21が医薬品及び/又は薬サブエリア44でより多くの時間を過ごすことを観察し得る。したがって、医薬品及び/又は薬への人の関心が結論付けられてもよい。その後、人は、アルコールサブエリア45に関心を示す可能性がある。例えば、当該サブエリアに向かう又は当該サブエリア内の人の移動によってである。マイクロ波センサ33は、人21がワインボトルを手に取り、それらを見ていることが検出されるデータを提供してもよい。このような検出は、カメラ31が、人21がアルコールサブエリア45においてワインを見るのにアクティブであることを検出することによって補足されてもよい。したがって、アルコールへの人の関心が結論付けられてもよい。
【0060】
その結果、ロケーションベースのサービス16は、飲料の割引を提供するパーソナライズされた広告16を人21に提供してもよい。ロケーションベースのサービス16はさらに、健康保険及び/又は健康的な生活のライフスタイルに関する情報を提供するパーソナライズされた広告16を人21に提供してもよい。前記パーソナライズドされた広告16は、既知の手段によってコントローラ10によりモバイルデバイス20に伝えられる又は送られる。センサデータ14及びパーソナルプロファイル15は、人21のスイーツ、肉及び/又は衣類への関心を示さないので、コントローラは、このようなエリア内のパーソナライズされた広告の送信を控えてもよく、又はその割合を低くしてもよい。
【0061】
斯くして、コントローラ10は、人21に関連するモバイルデバイス20にロケーションベースのサービスを提供するためにセンサデータ14及び/又はパーソナルプロファイル15を使用している。センサデータ14及び/又はパーソナルプロファイル15は、センサデータ14及び/又はパーソナルプロファイル15が、人21が病気である及び/又はアルコール好きであることを示し得る一方、当該人は、一般的にこの情報をシステム及びサーバに散らばらせたくないので、プライバシセンシティブである。センサデータ14及びパーソナルプロファイル15をただ単に削除することは、ロケーションベースのサービスを提供する有効性及び/又は効率を制限するであろう。なぜなら、データが多ければ多いほど、より多くの分析が可能になり、及び/又は、以前の訪問のデータがすでに存在する場合、人がエリアに繰り返し訪問する際の学習努力が少なくて済むからである。
【0062】
それゆえ、センサデータ14及びパーソナルプロファイル15を削除することなくプライバシを保護しながら、ロケーションベースのサービス16を提供するために、コントローラ10は、モバイルデバイス20の得られたロケーションがもはやエリア40内にない場合(図示せず)、トランシーバ12を介して、格納されたセンサデータ14及びパーソナルプロファイル15をモバイルデバイス20に送る。斯くして、人21に関連するモバイルデバイス20(すなわち、人21自身)がエリア40を離れる場合、センサデータ14及び/又はパーソナルプロファイル15は直ちに削除されず、まずモバイルデバイス20に送られる(すなわち、転送される)。前記送信/転送の後、コントローラ10は、メモリ11からセンサデータ14及びパーソナルプロファイル15を削除するように構成される。
【0063】
その結果、本発明によるコントローラ10は、モバイルデバイス20がエリア40を離れる場合にプライバシセンシティブなデータ14、15がコントローラ10のメモリ11から削除されるため、モバイルデバイス10に関連する人21のプライバシが保護されるという明確な利点を提供する。さらに、センサデータ14及び/又はパーソナルプロファイル15はモバイルデバイス20に転送されるので、ロケーションベースのサービスを提供するための価値のあるデータは、モバイルデバイス20が人21自身に関連しているので、プライバシセキュアなデバイスに依然として存在し、利用可能であり得る。価値のあるセンサデータ14及びパーソナルプロファイル15を失わずに、プライバシを侵害しないことは、明らかなメリットである。
【0064】
図1に示される実施形態と部分的に類似する実施形態(図示せず)では、コントローラは、モバイルデバイスから初期データセットを受信し、初期データセットは、人及び当該人のショッピングエリアへの以前の訪問に関連する。すなわち、この初期データセットは、人がショッピングエリアを訪れるたびに累積的に確立される、初期パーソナルプロファイルである。コントローラは、人の現在の訪問から得られるセンサデータ及び初期パーソナルプロファイルの両方を、現在の訪問の(現在の)パーソナルプロファイルに処理する。同様に、コントローラは、モバイルデバイスの得られたロケーションがもはやエリア内にない場合、トランシーバを介して、(いずれも現在の訪問の)格納されたセンサデータ及び/又は確立されたパーソナルプロファイルをモバイルデバイスに転送し、その後、センサデータ及びパーソナルプロファイルをメモリから削除する。
【0065】
任意で、コントローラ10は、センサデータ14がメモリ11から削除される場合、トランシーバ12を介して、メッセージをモバイルデバイス20に送信してもよい。このようなメッセージは、例えば、プッシュメッセージであってもよい。代替的に、コントローラは、リモートサーバ及び/又はクラウド等、他のデバイスに指示することにより、したがって、自身で直接送信せずに前記メッセージを伝えることにより、このようなメッセージを送信してもよい。
【0066】
これにより、履歴及び/又は累積データが考慮されるため、パーソナライズされた広告を提供するロケーションベースのサービスはより効果的且つ効率的になる。例えば、人が、以前の訪問時には衣料品のサブエリアへの関心を持っていなかったが、現在は関心を持っていることが検出される場合、パーソナライズされた広告は、一般的なルックブック(general look book)及び/又は顧客カードの広告を提供してもよい。例えば、人が、以前の訪問時に衣料品のサブエリアで主にドレスへの関心を持っていたことが検出される場合、パーソナライズされた広告は、現在の訪問時に最新のドレスのコレクションに関してもよい。したがって、初期パーソナルプロファイル(又は代替的に準用的に初期センサデータ)をコントローラに提供する場合、明確な利点が存在する。
【0067】
図2は、
図1に示される実施形態と部分的に類似するが、ロケーションベースのサービス66及び少なくとも1つのセンサ81、82、83が少なくとも異なる、本発明によるロケーションベースのサービスシステム200の一実施形態を概略的に示している。
【0068】
ロケーションベースのサービスシステム200は、エリア90にロケーションベースのサービス66を提供するように構成される。ここで、エリア90は、メインステージ91及びダンスエリア92を有するフェスティバル会場である。ロケーションベースのサービスシステム200は、本発明によるコントローラ60と、モバイルデバイス70と、少なくとも1つのセンサ81、82、83とを含む。コントローラ60は、5Gトランシーバ62と、メモリ61とを含む。トランシーバ12は、代替的に、Wi-Fi、Bluetooth、ZigBee、Lo-Ra、又は光通信及び/若しくはLi-Fiのためのトランシーバであってもよい。モバイルデバイス70は、人71に関連するスマートフォンである。人は、フェスティバル会場のエリア90を訪れており、ダンスエリア92でアクティブである可能性がある。代替的に、前記スマートフォンは、例えば、スマートウォッチ、スマートゴーグル、スマートガーメント若しくはフィットネストラッカ等のスマートウェアラブルデバイス、又はタブレットであってもよい。
【0069】
モバイルデバイス70のロケーションは、GPS(図示せず)によってモバイルデバイス70自身によって決定されてもよい。モバイルデバイス70は、前記ロケーションをコントローラ60に送信し、コントローラ60は、モバイルデバイス70から前記ロケーションを受信するように構成される。コントローラ60はまた、モバイルデバイス70がもはやエリア90内にないと判断するように、モバイルデバイス70がエリア90の外にある場合にモバイルデバイス70の(GPS)ロケーションを得ることができる。代替的に、モバイルデバイスのロケーションは、Wi-Fiベースの測位システム、Bluetoothベースの測位システム、ローカル占有検出器、NFC又はRFID等のデータタグベースのロケーション検出等を介して決定され、その後、このような測位システム及び/又は検出手段を介してコントローラに送信されてもよい。
【0070】
引き続き
図2を参照すると、少なくとも1つのセンサ81、82、83は、前記エリア90内の人71を監視する、及び、(結果としての/それぞれの)センサデータ64を提供するように構成される。すなわち、少なくとも1つのセンサ81、82、83は、(360ビューの)パノラマカメラ81、モバイルデバイス70に組み込まれたモーションディテクタ82、及びモバイルデバイス70に組み込まれたマイク83を含み、いずれもエリア90を監視している。モバイルデバイス70は、モーションディテクタ82及びマイク83のそれぞれのセンサデータをコントローラ60に送信する。
【0071】
カメラ81は、人71を監視する、及び、データ(画像データ)を提供するように構成される。ここで、カメラ81は、少なくとも、人71のアクティビティを検出する。例えば、カメラ81は、人71がダンスエリア92で踊っているのか、立ち止まっているのかを判断してもよい。同様に、モバイルデバイス70に組み込まれたモーションディテクタ82は、人が静止しているのか、踊っているのかを判断する。さらに、マイク83は、人71のソーシャルコンテキスト(social context)及び/若しくはスピーチ、又は人71に関連するスピーチを判断する。例えば、ここでは、マイク83は、人71に関連する会話データ、例えば、人71と友人との間の会話をレンダリングする。前記会話データは、人71が空腹であること、又はメインステージ91上のアクトに関連する商品を購入したいことを示す可能性がある。代替的に、マイクは、ボイスコマンドを受信/検出するように構成されてもよい。それぞれのデータはすべて、センサデータとしてコントローラ60に送られる。
【0072】
コントローラ60は、モバイルデバイス70の得られたロケーションがエリア90内にある場合、エリア90内の人71を監視するように構成される少なくとも1つのセンサ81、82、83からのセンサデータ64を得るように構成される。結果として、モバイルデバイス70、したがって、モバイルデバイス70に関連する人71のロケーションを知ることにより、及び少なくとも1つのセンサ81、82、83がエリア90を監視していることを知ることにより、コントローラ60は、少なくとも1つのセンサから得られたセンサデータ64をモバイルデバイス70と一意にマッチングすることができる。
【0073】
それゆえ、得られたセンサデータ64は、モバイルデバイス70及び人71に関連する。これは、センサデータ64をプライバシセンシティブにする。コントローラ60は、センサデータ64をメモリ61に格納するように構成され、メモリからのセンサデータ64は、ロケーションベースのサービス66を提供するために用いられてもよい。代替的に、ある実施形態において、センサデータは、特定のロケーションベースのサービスを提供することなく単にメモリに格納されてもよい。ここで、ロケーションベースのサービス66は、得られたセンサデータ64から導出されるフェスティバル会場における人71のソーシャルコンテキストに基づくパーソナライズされたナビゲーション推奨(personalized navigation recommendation)である。例えば、コントローラ60は、(カメラ81及びモーションディテクタを介して)人71が踊っていないと判断してもよく、(マイクで検出され、例えばコントローラによって分析される会話を介して)人が空腹であると判断してもよい。コントローラ60が、人が踊っておらず、空腹であると判断する場合、コントローラ60は、最寄りのフードスタンドにナビゲートする道筋を示すメッセージをモバイルデバイス70に伝えてもよい。代替的に、パーソナライズされたナビゲーション推薦は、(向きセンサ及びカメラの両方が、人が周りを見渡して探しているのを検出することを介して、並びに、例えば、マイクが友人の声が存在していないことを示す、及び/又は人が友人を探しているというコマンドを示す人の声を介して)人が友人を探していることを検出することに使用されてもよい。その後、コントローラは、人の友人を見つける及び/又は(例えば、事前に合意された)待ち合わせ場所を見つけるためにナビゲートする経路を示してもよい。
【0074】
斯くして、コントローラ60は、人71に関連するモバイルデバイス70にロケーションベースのサービス66を提供するためにセンサデータ64を使用している。センサデータ64は、プライバシセンシティブである。なぜなら、センサデータ64は、人のアクティビティ、関心、及びソーシャルインタラクション等の表現だからである。センサデータ64をただ単に削除することは、前記ロケーションベースのサービス66を提供する有効性及び/又は効率を制限するであろう。なぜなら、データが多ければ多いほど、以前の訪問のデータがすでに存在する場合、学習努力を少なくできるからである。
【0075】
それゆえ、センサデータ64を削除することなくプライバシを保護しながら、ロケーションベースのサービス66を提供するために、コントローラ60は、モバイルデバイス70の得られたロケーションがもはやエリア90内にない場合(図示せず)、トランシーバ62を介して、格納されたセンサデータ64をモバイルデバイス70に転送する。斯くして、人71に関連するモバイルデバイス70(すなわち、人71自身)がエリア90を離れる場合、センサデータ64は直ちに削除されず、まずモバイルデバイス70に転送される。前記転送の後、コントローラ60は、メモリ61からセンサデータ64を削除するように構成される。
【0076】
その結果、本発明によるコントローラ60は、モバイルデバイス70がエリア90を離れる場合にプライバシセンシティブなデータ64がコントローラ60のメモリ61から削除されるため、モバイルデバイス70に関連する人71のプライバシが保護されるという明確な利点を提供する。さらに、センサデータ64はモバイルデバイス70に転送されるので、ロケーションベースのサービスを提供するための価値のあるデータは、モバイルデバイス70が人71自身に関連しているので、プライバシセキュアなデバイスに依然として存在し、利用可能であり得る。価値のあるセンサデータ64及びパーソナルプロファイル65を失わずに、プライバシを侵害しないことは、明らかなメリットである。
【0077】
図1及び/又は
図2に示される実施形態と部分的に類似する実施形態(図示せず)では、コントローラは、モバイルデバイスの得られたロケーションがもはやエリア内にない場合、格納されたセンサデータをモバイルデバイスに送信/転送し、その後、センサデータをメモリから削除する前にある期間待機する。例えば、
図1に示される実施形態の人は、トイレに行くために短時間小売エリアを離れる可能性がある。このような状況では、人がエリアに戻り、人が去った場所からアクティビティを続ける可能性があり得るため、センサデータは直ちには転送されない。したがって、このようなコンテキストでは、前記期間は5分であってもよい。例えば、
図2に示される実施形態の人は、理由なくフェスティバル会場の周辺を離れる可能性があり、したがって、前記期間は2分であってもよい。人が戻る場合、システムはそのまま動作するが、人がエリア外にとどまる場合、コントローラは、本発明に従って格納されたセンサデータを転送する。代替的に、人は、コントローラにユーザ入力を提供し、ユーザ入力は、前記期間のインディケーション及び/又は前記時間を含んでもよい。
【0078】
図1及び
図2に示される実施形態と部分的に類似する実施形態(図示せず)では、システムは、本発明によるコントローラを含む照明デバイスを含んでもよい。照明デバイスは光源を含み、光源は、コントローラによって提供されるロケーションベースのサービスを可視光通信を介してモバイルデバイスに伝える。
【0079】
図3は、非限定的な例として、エリアにロケーションベースのサービスを提供する方法800を概略的に示している。方法は、本発明によるコントローラによって実行される。代替的に、方法は、このような本発明によるコントローラを含む本発明によるシステムによって実行される。コントローラは、メモリ及びトランシーバを含む。方法は、人に関連するモバイルデバイスのロケーションを得る第1のステップ(801)と、モバイルデバイスの得られたロケーションがエリア内にある場合、エリア内の人を監視するように構成される少なくとも1つのセンサからのセンサデータを得る第2のステップ(802)とを含む。方法はさらに、センサデータをメモリに格納するステップ(803)を含む。方法はさらに、モバイルデバイスの得られたロケーションがもはやエリア内にない場合、トランシーバを介して、格納されたセンサデータをモバイルデバイスに転送し、その後、センサデータをメモリから削除するステップ(804)を含む。
【0080】
任意で、
図3に示されるように、方法はさらに、センサデータをロケーションベースのサービスで使用するのに適したデータセットに処理する、及び、モバイルデバイスの得られたロケーションがもはやエリア内にない場合、トランシーバを介して、前記データセットをモバイルデバイスに転送し、その後、データセットをメモリから削除するステップ(805)を含む。前記データセットは、コントローラによって確立される人のパーソナルプロファイルであってもよい。任意で、図示されないが、方法はさらに、センサデータ及び/又はデータセットを使用して、モバイルデバイスにロケーションベースのサービスを提供するステップを含む。
【0081】
図1及び/又は
図2に示される実施形態と部分的に類似する実施形態(図示せず)では、ロケーションベースのサービスシステムは、コントローラと、人に関連するモバイルデバイスと、リモートメモリと、少なくとも1つのセンサとを含む。コントローラは、エリアにロケーションベースのサービスを提供する。コントローラは、トランシーバを含む。トランシーバは、ワイヤレストランシーバである。人のエリアへの最初の訪問時に、コントローラは、人に関連するモバイルデバイスのロケーションを得る。コントローラはさらに、モバイルデバイスの得られたロケーションがエリア内にある場合、エリア内の人を監視するように構成される少なくとも1つのセンサからのセンサデータを得る。少なくとも1つのセンサ及びロケーションベースのサービスは、例えば、図示された実施形態で上述したのと同様であってもよい。コントローラは、センサデータをリモートメモリに格納する。一部の代替例では、前記リモートメモリは、モバイルデバイス等、人に関連するデバイスであってもよい。さらに、コントローラは、センサデータにアクセスするための認証キーでセンサデータをロックする。センサデータは、前記認証キーなしでは取得又はアクセスされることができない。さらに、コントローラは、モバイルデバイスの得られたロケーションがもはやエリア内にない場合、トランシーバを介して、認証キーを人に関連するモバイルデバイスに転送する。例えば、人がエリアを離れ、ロケーションベースのサービスが提供されることにもはや関心がない場合である。しかしながら、人のエリアへの2回目の訪問時、モバイルデバイスは、コントローラに認証キーを送信してもよい。代替的に、コントローラは、(エリア内でモバイルデバイスの存在を検出する場合)モバイルデバイスから前記認証キーをポーリング又は要求してもよい。斯くして、コントローラは、認証キーを得る及び/又は取得する。その後、コントローラは、人のエリアへの最初の訪問のセンサデータを取得する。その後、コントローラは、(2回目の訪問の)センサデータを得、(最初の訪問の)取得されたセンサデータ及び(2回目の訪問の)センサデータをデータセットに(又は代替的にはさらなる訪問のセンサデータにと表現される)処理する。データセットは再び同様に、リモートメモリに格納され、さらなる認証キーでロックされる。このプロセスは、人のエリアへの訪問の都度継続してもよい。