(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】人工膀胱器具用のバルブ
(51)【国際特許分類】
A61F 5/445 20060101AFI20240301BHJP
【FI】
A61F5/445
(21)【出願番号】P 2021549753
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(86)【国際出願番号】 GB2020050415
(87)【国際公開番号】W WO2020174219
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-11-17
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】510174727
【氏名又は名称】ソルツ ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】アレン、 マーカス
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02322690(GB,A)
【文献】英国特許出願公開第02398111(GB,A)
【文献】特表2010-533560(JP,A)
【文献】特開2008-229312(JP,A)
【文献】特表2013-545544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/44-5/458
A61M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体通路及び前記本体通路の入口部及び出口部から離れて延在するチャネルを含む人工膀胱器具に接続するための本体と、
流路によって接続される入口及び出口
であって、前記入口は、前記本体に画定され、前記本体通路と連通している、入口及び出口と、
前記本体
の前記チャネルによって支持され
、かつ前記出口に接続される通路を有する閉塞部材と
を含む人工膀胱器具用のバルブにおいて、
前記閉塞部材は、
前記閉塞部材を通る前記通路が前記流路を提供するように前記本体通路と連通し、前記閉塞部材は、液体が前記流路を通って前記出口へ流れることができないように前記閉塞部材が前記入口を閉塞する閉鎖位置と、液体が前記流路を通って前記出口へ流れることを許容するように前記入口が開放される開放位置との間で移動可能であり、
前記入口は狭い第1の端部及び反対側の広い第2の端部を備えるように形成され、それによって、前記閉塞部材がさらに外側に移動するときに、前記入口の広い部分が開放され、かつ、流路が最初に開放された位置から完全開放位置に向かって前記閉塞部材が移動されるとき、前記バルブを通る許容流量の変化率が、前記閉塞部材が移動するにつれて非線形比例して増加する
、人工膀胱器具用のバルブ。
【請求項2】
人工膀胱器具に取り付けるための本体と、
流路によって接続される入口及び出口と、
前記本体によって支持される閉塞部材と
を含む人工膀胱器具用のバルブにおいて、
前記閉塞部材は、液体が前記流路を通って前記出口へ流れることができないように前記閉塞部材が前記入口を閉塞する閉鎖位置と、液体が前記流路を通って前記出口へ流れることを許容するように前記入口が開放される開放位置との間で移動可能であり、
液体が流れ得る前記入口の利用可能な断面積は、
前記入口の狭い第1の端部と前記入口の反対側の広い第2の端部との間で、前記閉塞部材の位置に応じて変化し、
前記閉塞部材が、前記流路が最初に開放された位置にあって、その閉鎖位置から距離xに位置するとき、前記利用可能な断面積は、f(x)によって定義され、
前記閉塞部材が距離2xに位置するとき、前記利用可能な断面積は、f(2x)によって定義され、ここでf(2x)>2f(x)である、人工膀胱器具用のバルブ。
【請求項3】
液体が流れ得る前記入口の利用可能な断面積が、前記閉塞部材の位置に応じて変化し、
前記閉塞部材が、前記流路が最初に開放された位置にあって、その閉鎖位置から距離xに位置するとき、前記利用可能な断面積はf(x)によって定義され、
前記閉塞部材が距離2xに位置するとき、前記利用可能な断面積は、f(2x)によって定義され、ここでf(2x)>2f(x)である、請求項1に記載のバルブ。
【請求項4】
流路が最初に開放された位置から完全開放位置に向かって前記閉塞部材が移動するときに、前記バルブを通る許容流量の変化率が、前記閉塞部材が移動するにつれて非線形比例して増加するように、前記入口は形成される、請求項2に記載のバルブ。
【請求項5】
前記流量の変化率は、前記閉塞部材の移動に関して、非線形比例部分と線形比例部分の両方を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のバルブ。
【請求項6】
前記バルブは、2つの前記入口を含み、両方の入口が前記流路を介して前記出口に接続する、請求項1~
5のいずれか1項に記載のバルブ。
【請求項7】
前記閉塞部材は、その閉鎖位置において両方の入口を同期的に閉塞し、前記閉塞部材がその開放位置に移動すると、両方の入口を同期的に開放する、請求項
6に記載のバルブ。
【請求項8】
前記閉塞部材は、その閉鎖位置と開放位置との間で略直線的に移動可能である、請求項1~
7のいずれか1項に記載のバルブ。
【請求項9】
前記本体は、閉鎖位置と開放位置との間の移動中に前記閉塞部材をガイドするガイドチャネルをさらに含む、請求項
8に記載のバルブ。
【請求項10】
前記閉塞部材は、ユーザ制御を支援するための窪みを含む、請求項1~
9のいずれか1項に記載のバルブ。
【請求項11】
前記本体及び/又は前記閉塞部材の少なくとも一部がゴム又はゴム状材料でオーバーモールディングされている、請求項1~
10のいずれか1項に記載のバルブ。
【請求項12】
前記閉塞部材は、その閉鎖位置と開放位置との間で回転可能に移動可能である、請求項9に従属しない場合に、請求項1~
7及び請求項
9~
11のいずれか1項に記載のバルブ。
【請求項13】
人工膀胱器具及びバルブの結合体であって、前記人工膀胱器具は、
内部排泄物収集キャビティを画定するように、互いの周縁に沿って接続された第1の壁及び第2の壁と、
前記第1の壁に配置され、かつ前記排泄物収集キャビティと連通するストーマ受容開口と、
前記第1及び第2の壁のうちの1つに接続される請求項1~
12のいずれか1項に記載のバルブと
を含む、結合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、人工膀胱器具用のバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
人工膀胱器具は当分野において周知である。これらは、典型的には、接着剤を用いて患者のストーマの周囲に延在する接着性ウェハを介して患者に取り付けられ、ストーマから排出される排泄物(大部分は液体排泄物)を収集する収集チャンバを提供する。多くの場合、収集チャンバを排出するための機構が提供され、典型的には、これらは、患者が人工膀胱器具からの出口を開き、例えば、トイレに内容物を排出することを可能にするタップ又は栓の形態である。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様によれば、人工膀胱器具に接続するための本体と、流路によって接続された入口及び出口と、本体によって支持される閉塞部材とを含む人工膀胱器具用のバルブが提供され、閉塞部材は、液体が流路を通って出口へ流れることができないように閉塞部材が入口を閉塞する閉鎖位置と、液体が流路を通って出口へ流れることを許容するように入口が開放される開放位置との間で移動可能であり、流路が最初に開放された位置から完全開放位置へ向かって閉塞部材が移動するように入口は形成されており、閉塞部材が移動するにつれて、バルブを通る許容流量の変化率が非線形比例して増加する。
【0004】
本発明の第2の態様によれば、人工膀胱器具に取り付けるための本体と、流路によって接続された入口及び出口と、本体によって支持される閉塞部材とを含む人工膀胱器具用のバルブが提供され、閉塞部材は、液体が流路を通って出口へ流れることができないように閉塞部材が入口を閉塞する閉鎖位置と、液体が流路を通って出口へ流れることを許容するように入口が開放される開放位置との間で移動可能であり、閉塞部材の位置に応じて、液体が流れ得る入口の利用可能な断面積が変化し、閉塞部材が、流路が最初に開放された位置にあって、その閉鎖位置から距離xに位置するときに、利用可能な断面積はf(x)によって定義され、閉塞部材が距離2xに位置するときに、利用可能な断面積は、f(2x)によって定義され、ここでf(2x)>2f(x)である。
【0005】
本発明の第3の態様によれば、人工膀胱器具及びバルブの結合体が提供され、人工膀胱器具は、内部排泄物収集キャビティを画定するように、それぞれの周縁に沿って接続された第1の壁及び第2の壁と、第1の壁に配置され、かつ排泄物収集キャビティと連通しているストーマ受容開口と、第1の壁及び第2の壁の1つに接続される本発明の任意の他の態様によるバルブとを含む。
【0006】
本発明のさらなる特徴は、添付の特許請求の範囲によって概説される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態による人工膀胱器具を示す。
【
図2】本発明の一実施形態による人工膀胱器具を示す。
【
図4】本発明の一実施形態による開放位置にあるバルブの種々の図である。
【
図5】本発明の一実施形態による開放位置にあるバルブの種々の図である。
【
図6】本発明の一実施形態による開放位置にあるバルブの種々の図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるバルブの分解図である。
【
図11】
図11a、b、cは、異なる入口形状の利用可能な断面積を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1及び2を参照すると、特に、人工膀胱器具1が示されている。人工膀胱器具1は、第1の壁2a及び第2の壁2bを含み、これらは、排泄物収集キャビティ4を形成するように、(例えば、熱溶接によって)互いに接続されている。第1の壁2bは、接着性ウェハ6に取り付けられる。(ストーマ受容開口8として知られている)開口部が、排泄物収集キャビティ4への入口部を提供するように、第1の壁2aと接着性ウェハ6の両方を貫通している。
【0009】
(以下、より詳細に説明する)バルブ10は、人工膀胱器具1の第2の壁2bに取り付けられている。バルブ10は、排泄物収集キャビティ4と連通し、開放位置及び閉鎖位置を有しており、そこではバルブ10を通って排泄物が流れるか(すなわち、排泄物収集キャビティ4から流出する)又は流れることが許容されない。
【0010】
使用に際して、患者は、ストーマの周囲に接着性ウェハ6を取り付ける。排泄液(例えば、尿及び/又は血液及び/又は他の体液)は、ストーマを介して体外に排出され、ストーマ受容開口8を流れて排泄物収集キャビティ4に収集される。バルブ10は、排泄物収集キャビティ4に収集された排泄物がバルブ10を通って器具1から流出するのを許容にするために選択的に使用される(それによって、例えば、器具1の内容物の一部/ほとんど/全てを空にし得る)。
【0011】
バルブ10の特徴は、
図3から
図10に詳細に示されている。バルブ10は、人工膀胱器具1に接続するための本体12、入口14及び出口16を含み、これらは流路によって接続されており、本体12に支持された閉塞部材18をさらに含む。
【0012】
いくつかの実施態様において(特に
図3、4、7、10を参照)、本体12は、丸みを帯びて狭くなった端部11を有する先端部及びより広い基部13を含む。この場合、入口14は、本体12に画定される(例えば、入口14は、本体12の狭くなった端部に隣接して形成され、本体12の一部を通って延びる本体通路20と連通する)。いくつかの実施態様において、本体12は、さらなる入口を含む(すなわち、合計で2つの入口14がある)。さらなる入口は、本体12の対向する「側部」に位置する。換言すれば、さらなる入口は、本体通路20にも連通するように配置される。このような設計では、さらなる入口は、(閉塞部材18の移動により)入口14と同期して開閉される。このような2つの入口12は必ずしも必要ではなく、特定の設計では必要に応じて少なくても多くてもよいことを理解されたい。
【0013】
いくつかの実施態様において、(1つ又は複数の)入口14は、液体が通過する方向から見たときに、涙滴、卵形/楕円形、台形、五角形又はカイト形のいずれかの形状である。
【0014】
図示の実施形態では、本体12は、チャネル22も含む。チャネル22は、本体通路20の入口/出口から離れて延在し、閉塞部材18を支持する(通路22の機能については、以下でより詳細に説明する)。
【0015】
本体12は、本体12の周りに熱溶接(図示せず)によって、人工膀胱器具1に接続され、それによって、入口14が排泄物収集キャビティ4に連通する(例えば、熱溶接は、本体12の基部13に広がってもよく、その結果、狭くなった端部11及び入口14は、人工膀胱器具1/排泄物収集キャビティ4内にある)。なお、本体12は必ずしも熱溶接される必要はない。本体12は、入口14が排泄物収集キャビティ4と連通することを可能にする別の方法で器具1に取り付けられてもよい。
【0016】
図10に示される実施形態は、他の図に関連して説明されるバルブ10の特徴を共有する(しかし、いくつかの特徴のみが明示的にラベル付けされている)。この場合、本体部12の基部13には、基部13の側部から外側に延びる2つの突起13aが設けられている。各突起13aは、上面と下面とを有し、これらは、基部13から最も遠い端部が狭くなるように互いに傾斜している(図示のバージョンでは、上面及び下面は、基部13から最も遠い縁部に点を形成する)。(基部13の全体の周りを封止する)バルブ10の周りの封止を形成するフィルム(又は人工膀胱器具1)が、突起13aの周りに、突起が存在しない場合よりも滑らかで、急でない曲線を形成するので、側部突起13aは、本体12と人工膀胱器具1との間の熱溶接を形成しやすくすることによって、製造プロセスを改善する。任意の実施形態が、必要に応じて、この特徴を含み得ることを理解されたい。
【0017】
いくつかの実施態様において、本体12の主要部分(すなわち、本体通路20及びチャネル22を形成する上部及びより広い基部)は、第1の材料で作られる。本体12はまた、(この場合、チャネル22の基部に沿って)一体的に形成されたガイドチャネル24を含む(
図4及び5を参照)。ガイドチャネル24は、第2の材料から作られる。第2の材料は、第1の材料よりも剛性が高い。
【0018】
第1の材料は、比較的柔軟であってもよく、これは、本体12が変形可能であり、適度に容易に変形できることを意味する。これにより、本体12の人工膀胱器具1への取り付け及び封止は比較的容易になるが、ユーザの不注意な取り扱いによって本体12が損傷しやすくなる(例えば、バルブ10が繰り返し押し潰され/変形される場合)。本体12の他の部分よりも剛性の高いガイドチャネル24を形成するための第2の材料を含むことによって、本体12の歪みを低減することができ、その使用可能な寿命の間にバルブ10に加えられる損傷をより少なくし得る。この構成は、本体12に使用されるそのような第1の材料が柔軟/変形可能である場合にのみ必要であることを理解されたい。いくつかの実施形態では、本体12は、バルブが所望どおりに動作するのに十分な剛性を提供する第1の材料から作られてもよい。第1及び第2の材料は、同じ材料であってもよいが、異なる物理的特性(例えば2種類のPTFE)を提供するために異なるように形成されてもよいことも理解されたい。
【0019】
本体12及び閉塞部材18は、オーバーモールディング工程を用いて製造し得ることを理解されたい。閉塞部材18及び/又は本体12は、ゴム又はゴム状材料でオーバーモールディングされてもよい。
【0020】
閉塞部材18は、本体12に支持され、(
図3及び
図4にそれぞれ示すように)閉鎖位置と開放位置との間で移動可能である。図示の例では、閉塞部材18は、その開閉位置の間で概ね直線的に移動可能であるが(逆も同様である)、必ずしもそうである必要はない。
【0021】
図示の実施形態では、閉塞部材18は、閉塞部30とユーザ操作部32とを含む。通路は、閉塞部材18を通って(この場合、閉塞部30とユーザ操作部32の両方を介して)延び、出口16に接続する。この例では、開口は実質的に中央に延びているが、これは必ずしもそうである必要はない。
【0022】
バルブ10が組み立てられ、閉塞部材18が閉鎖位置にあるとき、閉塞部30は本体通路20に受容され、ユーザ操作部32は通路22に受容される(
図3を参照)。したがって、閉塞部材18を通る通路は、本体12を通る本体通路20と連通し、バルブ10を通る(入口14と出口16との間の)流路を提供する(液体が流れるように流路が開放されているか否かは、本体通路20内の閉塞部材18の位置に依存する)。
【0023】
いくつかの実施形態では、閉塞部材18は、ガイドチャネル24によって受容されかつ支持される。チャネル24は、本体12に対して概ね直線的でない閉塞部材18の移動を防止するか、又は少なくとも阻止する。いくつかの実施形態では、ガイドチャネル24は、閉塞部材18がその閉鎖位置と開放位置との間で移動されるとき、閉塞部材18の非同軸移動を阻止する。
【0024】
いくつかの実施形態では、ガイドチャネル24は、閉塞部材18上の対応する構造と係合する構造26(
図10を参照)を含む。このような構造26及び対応する構造は、閉塞部材がその開放位置と閉鎖位置との間を移動するときに、閉塞部材18に追加のガイドを提供し得る。このような構造及び対応する構造は存在しなくてもよいことを理解されたい。
【0025】
いくつかの実施形態では、ガイドチャネルの構造26は、1つ以上の構造を含み、それらの各々は、ガイドチャネル24に沿って閉塞部材18の移動方向に延びる。閉塞部材18上の対応する構造は、少なくとも1つのさらなる構造を含む。各構造が互いに係合すると(すなわち、閉塞部材18が移動すると)、それらは、閉塞部材18の略直線運動から離れたいかなる運動も阻止する。これらの構造は、軸方向に延在する突起/隆起であってもよく、例えば、ガイドチャネル24の基部又はガイドチャネル24の各側部に配置されてもよい。
【0026】
いくつかの例では、ユーザ操作可能部32は、ユーザ制御を支援するための窪み40を含む。いくつかの例では、窪み40はまた、テクスチャ加工された表面を有する。これらの特徴は、指又は親指を置くための領域を提供し、バルブ10をスライドさせて開くのに必要な力を提供することによって、ユーザの制御を支援する。
【0027】
いくつかの実施形態では、バルブ10は、バルブ10が完全開放位置にあるときにユーザが感じることを可能にする指示部を有する。例えば、チャネル22は、上方への突起を含み得る。閉塞部材18がその開放位置に(すなわち、本体12から外側に直線的に)移動されると、一部が突起を通過して閉塞部材18がその完全開放位置にあることの指示を提供し得る。これにより、ユーザは、バルブ10が完全に開いていることを確信し得る。
【0028】
同様に、バルブ10が閉鎖位置にあるときに、別の指示部を使用してユーザに知らせることができる。これにより、ユーザは、例えば、バルブ10が閉じていて漏れないことを確信し得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、バルブ10はカバー部材50を含む。カバー部材50は、開放位置(
図6を参照)と閉鎖位置(
図3を参照)との間で移動可能である。カバー部材50が開放位置にあるとき、液体は出口16を通って流れることを許容され、カバー部材50が閉鎖位置にあるとき、液体は出口16を通って流れることを防止されるか又は少なくとも阻止される。
【0030】
いくつかの実施形態では、カバー部材50は、カバー部材50がその開放位置に動かされ又は移動すると、人工膀胱器具1を装着するユーザの方へ下方に旋回する。換言すれば、カバー部材50が開放位置にあるとき、それはユーザと閉塞部材18との間に位置してもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、カバー部材50は、保持構造(図示せず)を含み、閉塞部材18は、対応する構造52を含む。保持構造が対応する構造52と係合すると、カバー部材50は、その閉鎖位置に保持される(液体の滴下が出口16から出るのを防止するか又は少なくとも阻止するために、閉塞部材18の端部にわたって出口16を封止する)。
【0032】
いくつかの実施形態では、カバー部材50は、その開放位置に付勢されてもよい。換言すれば、保持構造と対応する構造52との係合が解除されると、カバー部材50は自動的に出口16から離れることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、カバー部材50は、バルブ10の別の部分の移動によって移動される。一例では、閉塞部材18がその開放位置に向かって移動すると、閉塞部材18は、カバー部材50をその開放位置に移動させる。そのような実施形態では、カバー部材50は、付勢を有さなくてもよく、又は(閉塞部材18の開口がカバー部材50の開口を制御するように)閉鎖位置に向かって付勢されてもよい。
【0034】
カバー部材50は、本体12に取り付けられている。いくつかの実施形態では、カバー部材50は、弾性的に付勢された可撓性の接続部分を含み、この接続部分は、本体12への接続/取り付けを形成するように延びる。
【0035】
次に、バルブ10の使用について、上述した特徴を参照して検討する。閉鎖位置では、閉塞部材18は入口14を閉塞し、液体がバルブ10を通って流れることができないようにする。より具体的には、バルブ10が閉鎖位置にあるとき、閉塞部30は、本体通路20内に位置し、入口14を閉塞(すなわち、封止)する(また、液体は入口14を通ってバルブ10内に流れることができない)。
【0036】
開放位置では、入口14は開放され、液体がバルブ10を通過することが許容されるようにする。より具体的には、バルブ10が開放位置にあるとき、閉塞部30は「外側」位置に移動され、入口14は閉塞部材18を介して開口に連通する。この構成では、液体は出口16を介してバルブ10から出ることを許容される。このような「開放」位置とは、入口14が最大限に開放されて(したがって、閉塞部30が可能な限り入口14を閉塞していない)、最大流量の液体がバルブを通って流れることを可能にする完全開放位置をいうことを理解されたい。
【0037】
閉塞部材18を配置し得る部分的に開放された位置の範囲があり、その結果、(部分的に開放されているために)異なる流量の液体が入口14を通って、したがってバルブ10を通って流れることが許容される。換言すれば、入口14は、そのサイズ及び形状によって決まる(合計)断面積を有する。入口14はまた、液体が流れ得る(使用中の)利用可能な面積である「利用可能な断面積」を有する。入口14の合計断面積は実質的に変化しない(バルブ10の使用及び一般的な摩耗によってわずかに変化し得る)が、(閉塞部材18が完全開放位置に到達し、入口14の全体が開放され、液体が通過できるようになるまでの)利用可能な断面積のサイズは、閉塞部材18の位置に依存する。
【0038】
流路が最初に開放される位置と完全に開放される位置との間で閉塞部材が移動されるときに、バルブ10を通って許容される液体の許容流量の変化率が、閉塞部材18が移動されるときに非線形的に比例して増加するように入口14は形成される(ただし、入口14を通る液体の許容流量の変化率は、線形比例部分と非線形比例部分の両方を有し得ることを理解されたい)。換言すれば、閉塞部材18が初期開放状態から完全開放状態に移動するときに入口14の利用可能な断面積が増加することを考慮すると、その増加は非線形的である。
【0039】
例えば、閉塞部材18がその閉鎖位置から距離xに位置する場合、利用可能な断面積は、関数(f(x))によって定義される。閉塞部材18がその閉鎖位置から距離2xに位置する場合、利用可能な断面積は、同じ関数(f(2x))によって定義される。この例では、f(2x)>2f(x)となる(すなわち、閉塞部材18が初期開放位置からその開放位置に向かって移動されるとき、各ユニットの移動は、入口14の利用可能な断面積の小さな変化をもたらし、閉塞部材がさらに移動するとき、利用可能な断面積の変化は、完全開放位置になるまで、ますます大きくなる)。
【0040】
本例示では、入口14は一端で狭く、反対側で広くなっている。入口14は、(閉塞部30がチャネル20に沿って外側に移動すると)狭い部分が最初に開放されるように方向付けられる。閉塞部30がさらに外側に移動すると、入口14の広い部分が開放される。したがって、この例では、バルブ10を通る流量の変化率は、長方形又は正方形の入口の場合よりも速く増加する。いくつかの実施形態では、入口14は湾曲した角部を有し、その結果、異なる非線形変化が流量に生じる。
【0041】
(例えば長方形の入口14に対して)入口14が、バルブ10を通る液体の流量が最初は低く、次いでより速く増加するように形成されていることの利点は、少量の液体だけがバルブ10を出ることが許容されているときに、ユーザが液体の流れの方向をより容易に制御できることである。ユーザは、流れの方向等が許容可能であることを確認すると、閉塞部材18をその完全開放位置に向けて動かし続けることができる(これは入口14の形状のため、より速く到達する)。したがって、最初に低い液体流量を有し(閉塞部材18が距離xに配置される場合)、入口14の広い部分のため、より急速に増加する(閉塞部材がxより大きい距離に配置される場合)バルブ10が有利な構成である。
【0042】
異なる形状の入口の利用可能な断面積を決定する機能は、
図10a、b及びcに示されている。長方形の形状が10aに示されており、見て分かるように、利用可能な断面積の増加は、閉塞部材18が移動した距離xに線形的に比例する。
図10bには台形形状が示されている。見て分かるように、流量/利用可能な断面積は、初めは小さく、ブロック部材18が移動する距離xが増加するにつれて増加は急峻になる。これは、(ユーザに補助を提供するために)最初に低速の流量をもたらし、次に、閉塞部材18がさらに移動するにつれて最大の流量に急速に近づく。したがって、流量の増加は、閉塞部材18が移動した距離xに比例する(ただし、線形比例ではない)。
【0043】
図10cは、円形を示しており、これは、最初に利用可能な断面積の緩やかな増加をもたらし、次に、円形の最も広い部分が利用可能になるにつれて急激な増加をもたらし、続いて、完全開放位置で利用可能な断面積の増加の減速をもたらす。
【0044】
図示の例では、閉塞部材18は、本体12に対する直線運動によって液体のための流路を「開放」する。流量の所望の変更は、閉鎖位置と開放位置との間で回転する部分を含むバルブを使用して達成し得ることを理解されたい(逆の場合も同じである)。入口は、回転部上に配置されてもよく、利用可能な断面積は、回転部が回転するにつれて増加/減少されてもよい。この場合、回転部が通過する「距離」は、直線ではなく円弧である。
【0045】
バルブ10を開いて排泄物を人工膀胱器具1から流出させる前に、ユーザは導管又はチューブ100をバルブ10に接続して、人工膀胱器具1から流出した排泄物を接続された別のレセプタクルに流入させることができる。レセプタクルは、例えば、夜間排出袋であってもよく、これにより、ユーザは、別の(より大きい)容積に接続されているので、人工膀胱器具1を空にするために夜間に起床する必要がなくなる。
【0046】
このように、(上述した)人工膀胱器具1と、バルブ10と、導管100に接続可能なコネクタ102との組み合わせによって、排出システムが提供される。コネクタ102とバルブ10との接続を可能にするバルブ10の特徴を以下に説明する。しかしながら、コネクタ102への接続に関して本明細書で概説する特徴をバルブが備えている限り、別の人工膀胱器具/バルブの組み合わせをコネクタ102に接続できることを理解されたい。
【0047】
バルブ10は、凹部を有する第1の嵌合部を形成する出口16と、内面16aとを含む。いくつかの実施形態では、第1の嵌合部は、中空円筒を含み、これは、バルブ10から出てコネクタ102内への/を通る流路の少なくとも一部を提供する。
【0048】
いくつかの実施態様において、第1の嵌合部は、端面を提供する凹部への入口部において又は入口部付近に円周方向に延びるフランジ部52を有する。フランジ部52は、バルブ10を通って長手方向に延びる軸Aに対して略垂直に延びる。
【0049】
図12にコネクタ102の実施形態を示す。コネクタ102は、一端が導管100に接続されるか又は接続可能である(導管100は、例えば、差し込み式(spigot)又は押し込み式嵌合部108を介して接続されてもよい)。コネクタ102は、第2の端部でバルブ10に接続されるか又は接続可能である。第2の端部は、外面106aを有する突起106を含む第2の嵌合部を提供する。換言すれば、コネクタ102は、第1の端部と第2の端部との間に延びる本体104を有する。
【0050】
いくつかの実施形態では、第2の嵌合部は、中空円筒を含み、これは、使用時に、接続された導管100へのコネクタ102を通る流路の少なくとも一部を提供する。いくつかの実施態様において、第2の嵌合部は、その遠位端106bから間隔を置いて円周方向に延びる肩部116を有する。肩部116は、コネクタ102を通って長手方向に延びる軸Bに対して略垂直に延びる(ただし、肩部は軸Bに対して90度以外に、例えば、略横方向に角度を付けてもよく、依然としてその機能を提供し得るので、そのようにする必要はないことを理解されたい)。
【0051】
いくつかの実施形態では、コネクタ102は、2つの保持構造110を含む(ただし、所望に応じて、より多く又はより少ない保持構造110があることを理解されたい)。保持構造110は、本体104の互いに対向する側に配置される(2つ以上の保持構造の場合には、本体の周囲に間隔をあけて配置してもよく、1つの保持構造の場合には、片側に配置してもよい)。各保持構造110は、延長部110bによって本体104に取り付けられる長尺部110aを含む。長尺部110aは、軸Bに略平行に延び、延長部分110bは、軸Bに略垂直に(本体104から離れて)延びている。延長部分110aは、肩部116よりもコネクタの遠位端106bからさらに離れて本体104に接続されている。長尺部110aは、肩部116を越えて遠位端106bに向かって延び、第2の嵌合部の上にある(また、バルブ10に接続されると、フランジ部52の上にある)。延長部110bは、長尺部110aが本体104/軸Bとの略平行な整列から外れることを可能にする旋回作用を提供するように、ある程度の柔軟性を持って長尺部110aを本体104に接続する。
【0052】
長尺部110aは、カム面110cを含む。図示の場合、カム面110cは、肩部116に最も近い長尺部110aの一端に配置される(同じ機能を提供する他の構成があることを理解されたい)。カム面110cは、本体104/第2の嵌合部に向かって内側に向いている。これにより、カム面110cは、使用中にフランジ部52と係合することが可能になる(以下でより詳細に説明する)。
【0053】
保持構造110又は保持構造110の少なくとも一部は、弾性的に付勢されているので、移動及び/又は偏向され、元の位置に戻ることができる。本実施形態では、延長部110bは、長尺部110aを外側に偏向させる旋回作用を提供する。しかしながら、保持構造110は、一般に、弾性を有するプラスチック材料で作られており、したがって、長尺部110aは、延長部分110bとの組み合わせだけでなく、それ自体でも変形し得ることを理解されたい。したがって、延長部分110bは、保持構造110が機能する(すなわち、コネクタ102をバルブ10に保持する)ために、必ずしもそのような旋回作用を提供する必要はないことを理解されたい。
【0054】
いくつかの実施態様において、第2の嵌合部は、外面106a上に設けられ、そこに接続され又はその一部を形成する封止部112を含む。封止部112は、肩部116と遠位端との間の所定位置に配置されている。この例示では、封止部112は、軸Bに垂直な平面内で環状に及び連続的に延びている(ただし、そうではない場合もある)。いくつかの実施態様において、封止部112は、オーバーモールディング工程を使用して形成される。
【0055】
使用時には、コネクタ102がバルブ10に接続されると、(コネクタ102の)第2の嵌合部が(バルブ10の)第1の嵌合部に受容される。コネクタ10がバルブ10に接続されると、肩部116が雌嵌合部の端面に係合する。保持構造110は、コネクタ102とバルブ10とが一緒に保持され、接続解除が阻止されるか又は実質的に防止されるように、フランジ部52と係合することが有利である。
【0056】
コネクタ102が「接続位置」に向かって移動されると、保持構造110の各カム面110aは、フランジ部52上で外側に(自動的に)偏向される。カム面110aが設けられていない場合には、突起から形成されたラッチが存在していてもよく、ユーザは、保持構造110をフランジ部52上に手動で偏向させることができる。保持構造が弾性的に付勢されている場合、カム面がフランジ部52を越えて移動すると、保持構造110は元の位置に戻ることが有利である。
【0057】
また、コネクタ102がバルブ10に接続されると、封止部112は第1の嵌合部の内面16aに係合する。したがって、第1/第2の嵌合部の周囲の液漏れが最小化/抑制/実質的に防止される。
【0058】
コネクタ102をバルブ10から取り外すには、ラッチ/カム面110cをフランジ部52上で偏向させるように、カム面110cと反対側の長尺部110aの端部を本体104に向けて押圧する(そして、コネクタ102をバルブ10の出口16から取り外すことができる)。
【0059】
導管100は、バルブ10及び夜間排出袋にそれぞれ接続するために一端又は両端に取り付けられたコネクタ102を有することを理解されたい。
【0060】
以下の節は、バルブ10のいくつかの実施形態の特徴を概説する。これらの節に記載された特徴の1つ以上又は任意の組み合わせは、添付の特許請求の範囲に定義された特徴の1つ以上又は任意の組み合わせと組み合わせることができることを理解されたい。
【0061】
(項目1)
人工膀胱器具に接続するための本体と、流路によって接続された入口及び出口と、前記本体によって支持された閉塞部材であって、液体が流路を通って前記出口に流れることができないように前記閉塞部材が前記入口を閉塞する閉鎖位置と、液体が流路を通って前記出口に流れることを許容するように前記入口が開放される開放位置との間で略直線的に移動可能な閉塞部材と、液体が前記出口を通って流れることを許容する開放位置と、液体が前記出口を通って流れることを防止又は阻止する閉鎖位置との間で移動可能なカバー部材とを含み、前記カバー部材は、その開放位置に向けて付勢され、前記カバー部材は、保持構造を含み、前記閉塞部材は、対応する構造を含み、それによって前記保持構造が前記対応する構造と係合したときに、前記カバー部材はその閉鎖位置に保持される、人工膀胱器具用のバルブ。
【0062】
(項目2)
人工膀胱器具に接続するための本体と、流路によって接続された入口及び出口と、前記本体によって支持された閉塞部材であって、液体が流路を通って出口に流れることができないように前記閉塞部材が入口を閉塞する閉鎖位置と、液体が流路を通って出口に流れることを許容するように入口が開放される開放位置との間で略直線的に移動可能な閉塞部材と、液体が出口を通って流れることを許容する開放位置と、液体が出口を通って流れることを防止又は阻止する閉鎖位置との間で移動可能なカバー部材とを含み、前記閉塞部材がその開放位置へ移動すると、前記閉塞部材は、前記カバー部材をその開放位置へと移動させる、人工膀胱器具用のバルブ。
【0063】
(項目3)
前記閉塞部材がその開放位置へ移動すると、前記閉塞部材は、前記カバー部材をその開放位置へと移動させる、項目1に記載のバルブ。
【0064】
(項目4)
前記カバー部材は、その閉鎖位置に向けて付勢される、項目2に記載のバルブ。
【0065】
(項目5)
前記閉塞部材は、その開放位置と閉鎖位置との間で、前記本体に対して略直線的に移動可能である、項目2又は4に記載のバルブ。
【0066】
(項目6)
前記カバー部材は、前記カバー部材を前記本体に接続する弾性的に付勢された可撓性の接続部を含む、項目1~5のいずれか1項に記載のバルブ。
【0067】
(項目7)
前記カバー部材がその開放位置に動かされ又は移動しときに、前記人工膀胱器具を装着しているユーザに向かって前記カバー部材が下方に旋回するように、前記カバー部材は前記本体に接続される、項目1~6のいずれか1項に記載のバルブ。
【0068】
(項目8)
前記カバー部材が前記ユーザと前記閉塞部材との間に配置されるように、前記閉塞部材がその開放位置に移動すると、前記閉塞部材は前記カバー部材の前に移動する、項目6に記載のバルブ。
【0069】
(項目9)
前記本体は、前記流路の一部を形成する本体通路を有し、前記閉塞部材内の通路と連通する、項目1~8のいずれか1項に記載のバルブ。
【0070】
(項目10)
人工膀胱器具に接続するための第1の材料から形成された本体であって、前記第1の材料よりも剛性である第2の材料から形成される一体的に形成されたガイドチャネルを有する本体と、流路によって接続された入口及び出口と、前記本体によって支持され、かつ前記ガイドチャネル内で受容可能である閉塞部材であって、液体が流路を通って前記出口に流れることができないように前記閉塞部材が前記入口を閉塞する閉鎖位置と、液体が流路を通って前記出口に流れることを許容するように前記入口が開放される開放位置との間で略直線的に移動可能な閉塞部材とを含み、前記ガイドチャネルは、前記閉塞部材がその閉鎖位置から開放位置に向かって移動するときに略直線的な方向以外の任意の方向への前記閉塞部材の移動を防止又は阻止するように構成される、人工膀胱器具用のバルブ。
【0071】
(項目11)
前記ガイドチャネルは、その開放位置と閉鎖位置との間を移動するときに、前記閉塞部材をガイドするために前記閉塞部材上の対応する構造と係合する構造を含む、項目10に記載のバルブ。
【0072】
(項目12)
前記ガイドチャネルの前記構造は1つ以上の構造を含み、その各々が前記ガイドチャネルに沿って前記閉塞部材の移動方向に延び、前記閉塞部材上の前記対応する構造は、前記閉塞部材が移動すると係合する1つ以上の対応する構造を含む、項目11に記載のバルブ。
【0073】
(項目13)
項目10~12の特徴のいずれかを含む、項目1~9項のいずれか1項に記載のバルブ。
【0074】
(項目14)
人工膀胱器具及びバルブの結合体であって、前記人工膀胱器具は、
内部排泄物収集キャビティを画定するように、互いの周縁に沿って接続された第1の壁及び第2の壁と、
前記第1の壁に配置され、かつ前記排泄物収集キャビティと連通するストーマ受容開口と、
前記第1の壁及び前記第2の壁の1つに接続される項目1~13のいずれか1項に記載のバルブと
を含む、結合体。
【0075】
(項目15)
人工膀胱器具と、
前記人工膀胱器具の内部容積に流体接続され、凹部及び内面を有する第1の嵌合部を形成する出口を含むバルブと、
第1の端部で導管に接続されるか又は接続可能であり、かつ第2の端部で前記バルブに接続されるか又は接続可能なコネクタと
を含み、前記第2の端部は、外面を有する突起を含む第2の嵌合部を提供し、前記第2の嵌合部は、前記コネクタが前記バルブに接続されるときに前記第1の嵌合部内に受容される、人工膀胱器具用の排出システム。
【0076】
(項目16)
前記第1の嵌合部は、端面を提供するその凹部への入口において又はその付近において円周方向に延びるフランジ部を有する、項目15に記載の排出システム。
【0077】
(項目17)
前記第2の嵌合部は、その遠位端から間隔を置いて円周方向に延びる肩部を有し、前記コネクタと前記バルブとが互いに接続されたときに雌嵌合部の前記端面に係合する、項目16に記載の排出システム。
【0078】
(項目18)
前記コネクタは、前記コネクタと前記バルブとが一緒に保持されるように前記第1及び第2の嵌合部が接続されたときに、前記フランジ部と係合する少なくとも1つの保持構造を含む、項目16又は17に記載の排出システム。
【0079】
(項目19)
前記保持構造は、前記コネクタが接続位置に向かって移動するときに、前記フランジ部上で前記保持構造を外側に撓ませるカム面を含む、項目18に記載の排出システム。
【0080】
(項目20)
前記保持構造は、弾性的に付勢される、項目19に記載の排出システム。
【0081】
(項目21)
前記第2の嵌合部は、前記肩部と前記遠位端との間の位置において、前記外面に設けられ、前記外面に接続され、又は前記外面の一部として設けられた封止を含み、前記封止は、前記コネクタと前記バルブとが接続されたときに前記第1の嵌合部の前記内面に係合する、項目15~20のいずれか1項に記載の排出システム。
【0082】
(項目22)
前記第1及び第2の嵌合部の両方がそれぞれ中空円筒を含む、項目15~21のいずれか1項に記載の排出システム。
【0083】
(項目23)
項目15~22のいずれか1項に記載の特徴も含む、項目1~13のいずれか1項に記載のバルブ。
【0084】
(項目24)
項目15~22のいずれか1項に記載の特徴を含む、バルブ。
【0085】
(項目25)
項目15~22のいずれか1項に記載の特徴を含む、コネクタ。
【0086】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、「含む」及び「備える」及びそれらの変形の用語は、指定された特徴、ステップ又は整数が含まれることを意味する。用語は、他の特徴、ステップ又は構成要素の存在を除外するように解釈されるべきではない。
【0087】
上述の説明、又は以下の特許請求の範囲、又は添付の図面に開示され、それらの特定の形態で、又は開示された機能を実行するための手段として、又は開示された結果を達成するための方法若しくはプロセスとして表された特徴は、適宜、別々に、又はそのような特徴の任意の組み合わせで、その多様な形態で本発明を実現するために利用し得る。