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特許7446349エアロゾル発生システム用の気化器組立品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】エアロゾル発生システム用の気化器組立品
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/44 20200101AFI20240301BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20240301BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20240301BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20240301BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240301BHJP
   A24F 40/70 20200101ALI20240301BHJP
【FI】
A24F40/44
A24F40/10
A24F40/40
A24F40/46
A24F40/42
A24F40/70
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022035328
(22)【出願日】2022-03-08
(62)【分割の表示】P 2018562509の分割
【原出願日】2017-06-08
(65)【公開番号】P2022082573
(43)【公開日】2022-06-02
【審査請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】16175303.3
(32)【優先日】2016-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】デュク ファビアン
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/117705(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2007/0107879(US,A1)
【文献】特表2015-524258(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0277764(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0069424(US,A1)
【文献】特表2014-501107(JP,A)
【文献】特表2015-504653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
ハウジング、電源、電気回路および気化器組立品を備える本体を備え、
前記気化器組立品は、
全体が多孔性ガラスでできている毛細管要素であって、前記毛細管要素が第一の端および第二の端を有するものと、
ヒーター要素と
を備え、
前記毛細管要素の前記第一の端が液体貯蔵部分と流体連通するように構成されており、
前記ヒーター要素が前記毛細管要素の前記第二の端に提供されており、
前記毛細管要素の気孔サイズが、前記液体貯蔵部分からの液体エアロゾル形成基体が、毛細管作用によって、前記毛細管要素の前記第一の端から前記毛細管要素の前記第二の端に運ばれるように構成されており、
前記毛細管要素の平均気孔サイズが、前記毛細管要素の前記第一の端から前記毛細管要素の前記第二の端への気孔サイズの勾配が付けられるように、前記毛細管要素の前記第一の端にある大きい気孔から前記毛細管要素の前記第二の端にある小さい気孔まで様々であり、
前記毛細管要素の前記気孔サイズの勾配が、線形の気孔サイズの勾配であ
前記本体に取り外し可能なように接続された交換可能な液体貯蔵部分をさらに備え、前記毛細管要素が前記液体貯蔵部分内に貯蔵されている前記液体エアロゾル形成基体と流体連通するように、前記液体貯蔵部分が前記本体に取り付けられた時、前記気化器組立品の前記毛細管要素の前記第一の端が前記液体貯蔵部分に挿入される、
エアロゾル発生システム。
【請求項2】
エアロゾル発生システムであって、
ハウジング、電源、電気回路および気化器組立品を備える本体を備え、
前記気化器組立品は、
多孔性ガラスでできている毛細管要素であって、前記毛細管要素が第一の端および第二の端を有するものと、
ヒーター要素と
を備え、
前記毛細管要素の前記第一の端が液体貯蔵部分と流体連通するように構成されており、
前記ヒーター要素が前記毛細管要素の前記第二の端に提供されており、
前記毛細管要素の気孔サイズが、前記液体貯蔵部分からの液体エアロゾル形成基体が、毛細管作用によって、前記毛細管要素の前記第一の端から前記毛細管要素の前記第二の端に運ばれるように構成されており、
前記毛細管要素の平均気孔サイズが、前記毛細管要素の前記第一の端から前記毛細管要素の前記第二の端への気孔サイズの勾配が付けられるように、前記毛細管要素の前記第一の端にある大きい気孔から前記毛細管要素の前記第二の端にある小さい気孔まで様々であり、
前記毛細管要素の長さが1ミリメートル~7.5センチメートルであ
前記本体に取り外し可能なように接続された交換可能な液体貯蔵部分をさらに備え、前記毛細管要素が前記液体貯蔵部分内に貯蔵されている前記液体エアロゾル形成基体と流体連通するように、前記液体貯蔵部分が前記本体に取り付けられた時、前記気化器組立品の前記毛細管要素の前記第一の端が前記液体貯蔵部分に挿入される、
エアロゾル発生システム。
【請求項3】
エアロゾル発生システムであって、
ハウジング、電源、電気回路および気化器組立品を備える本体を備え、
前記気化器組立品は、
多孔性ガラスでできている毛細管要素であって、前記毛細管要素が第一の端および第二の端を有するものと、
ヒーター要素と
を備え、
前記毛細管要素の前記第一の端が液体貯蔵部分と流体連通するように構成されており、
前記ヒーター要素が前記毛細管要素の前記第二の端に提供されており、
前記毛細管要素の気孔サイズが、前記液体貯蔵部分からの液体エアロゾル形成基体が、毛細管作用によって、前記毛細管要素の前記第一の端から前記毛細管要素の前記第二の端に運ばれるように構成されており、
前記毛細管要素の平均気孔サイズが、前記毛細管要素の前記第一の端から前記毛細管要素の前記第二の端への気孔サイズの勾配が付けられるように、前記毛細管要素の前記第一の端にある大きい気孔から前記毛細管要素の前記第二の端にある小さい気孔まで様々であり、
前記毛細管要素が前記第一の端と前記第二の端との間に側部表面をさらに備え、前記毛細管要素が、液体が前記毛細管要素の前記側部表面で前記毛細管要素を通して流れることができないように流体不透過性の外表面を備え、
前記本体に取り外し可能なように接続された交換可能な液体貯蔵部分をさらに備え、前記毛細管要素が前記液体貯蔵部分内に貯蔵されている前記液体エアロゾル形成基体と流体連通するように、前記液体貯蔵部分が前記本体に取り付けられた時、前記気化器組立品の前記毛細管要素の前記第一の端が前記液体貯蔵部分に挿入される、
エアロゾル発生システム。
【請求項4】
エアロゾル発生システムであって、
ハウジング、電源、電気回路および気化器組立品を備える本体を備え、
前記気化器組立品は、
多孔性ガラスでできている毛細管要素であって、前記毛細管要素が第一の端および第二の端を有するものと、
ヒーター要素と
を備え、
前記毛細管要素の前記第一の端が液体貯蔵部分と流体連通するように構成されており、
前記ヒーター要素が前記毛細管要素の前記第二の端に提供されており、
前記毛細管要素の気孔サイズが、前記液体貯蔵部分からの液体エアロゾル形成基体が、毛細管作用によって、前記毛細管要素の前記第一の端から前記毛細管要素の前記第二の端に運ばれるように構成されており、
前記毛細管要素の平均気孔サイズが、前記毛細管要素の前記第一の端から前記毛細管要素の前記第二の端への気孔サイズの勾配が付けられるように、前記毛細管要素の前記第一の端にある大きい気孔から前記毛細管要素の前記第二の端にある小さい気孔まで様々であり、
前記毛細管要素が前記第一の端と前記第二の端との間に側部表面をさらに備え、前記毛細管要素内の前記気孔が、前記毛細管要素の側部表面で、液体が前記毛細管要素の前記側部表面から漏れ出るのを防ぐサイズで提供され、
前記本体に取り外し可能なように接続された交換可能な液体貯蔵部分をさらに備え、前記毛細管要素が前記液体貯蔵部分内に貯蔵されている前記液体エアロゾル形成基体と流体連通するように、前記液体貯蔵部分が前記本体に取り付けられた時、前記気化器組立品の前記毛細管要素の前記第一の端が前記液体貯蔵部分に挿入される、
エアロゾル発生システム。
【請求項5】
エアロゾル発生システムであって、
ハウジング、電源、電気回路および気化器組立品を備える本体を備え、
前記気化器組立品は、
多孔性ガラスでできている毛細管要素であって、前記毛細管要素が第一の端および第二の端を有するものと、
ヒーター要素と
を備え、
前記毛細管要素の前記第一の端が液体貯蔵部分と流体連通するように構成されており、
前記ヒーター要素が前記毛細管要素の前記第二の端に提供されており、
前記毛細管要素の気孔サイズが、前記液体貯蔵部分からの液体エアロゾル形成基体が、毛細管作用によって、前記毛細管要素の前記第一の端から前記毛細管要素の前記第二の端に運ばれるように構成されており、
前記毛細管要素の平均気孔サイズが、前記毛細管要素の前記第一の端から前記毛細管要素の前記第二の端への気孔サイズの勾配が付けられるように、前記毛細管要素の前記第一の端にある大きい気孔から前記毛細管要素の前記第二の端にある小さい気孔まで様々であ
前記本体に取り外し可能なように接続された交換可能な液体貯蔵部分をさらに備え、前記毛細管要素が前記液体貯蔵部分内に貯蔵されている前記液体エアロゾル形成基体と流体連通するように、前記液体貯蔵部分が前記本体に取り付けられた時、前記気化器組立品の前記毛細管要素の前記第一の端が前記液体貯蔵部分に挿入される、
エアロゾル発生システム。
【請求項6】
エアロゾル発生システムであって、
ハウジング、電源、電気回路および気化器組立品を備える本体を備え、
前記気化器組立品は、
多孔性ガラスでできている毛細管要素であって、前記毛細管要素が第一の端および第二の端を有するものと、
ヒーター要素と
を備え、
前記毛細管要素の前記第一の端が液体貯蔵部分と流体連通するように構成されており、
前記ヒーター要素が前記毛細管要素の前記第二の端に提供されており、
前記毛細管要素の気孔サイズが、前記液体貯蔵部分からの液体エアロゾル形成基体が、毛細管作用によって、前記毛細管要素の前記第一の端から前記毛細管要素の前記第二の端に運ばれるように構成されており、
前記毛細管要素の平均気孔サイズが、前記毛細管要素の前記第一の端から前記毛細管要素の前記第二の端への気孔サイズの勾配が付けられるように、前記毛細管要素の前記第一の端にある大きい気孔から前記毛細管要素の前記第二の端にある小さい気孔まで様々であり、
前記毛細管要素の前記第二の端での前記小さい気孔の空隙率が、前記毛細管要素の前記第二の端表面を通した前記液体エアロゾル形成基体の漏れを防止するとともに、前記毛細管要素の前記第二の端表面を通したエアロゾルの通過を可能にするような率であ
前記本体に取り外し可能なように接続された交換可能な液体貯蔵部分をさらに備え、前記毛細管要素が前記液体貯蔵部分内に貯蔵されている前記液体エアロゾル形成基体と流体連通するように、前記液体貯蔵部分が前記本体に取り付けられた時、前記気化器組立品の前記毛細管要素の前記第一の端が前記液体貯蔵部分に挿入される、
エアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記第一の端で第一の表面を備え、前記第二の端で第二の表面を備える概して円筒形の形状を前記毛細管要素が有し、前記毛細管要素の前記第二の端表面上に前記ヒーター要素が提供されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記毛細管要素の前記第二の端に隣接した前記毛細管要素の周辺に前記ヒーター要素が提供されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記ヒーター要素が電気抵抗ヒーターである、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記ヒーター要素が金属被覆、メッシュヒーターまたはコイルとして提供されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記小さい気孔の平均気孔サイズが、2~8ミクロンであり、前記大きい気孔の平均気孔サイズが、5~500ミクロンである、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記毛細管要素の前記第二の端での小さい気孔の空隙率が、前記毛細管要素の前記第二の端表面を通した前記液体エアロゾル形成基体の漏れを防止するとともに、前記毛細管要素の前記第二の端表面を通したエアロゾルの通過を可能にするような率である、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記小さい気孔の気孔サイズが、0.3~250ミクロンである、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記大きい気孔の気孔サイズが、5~500ミクロンである、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記液体貯蔵部分からの前記液体エアロゾル形成基体の望ましくない漏れを防止するために、前記毛細管要素の周辺と交換可能な液体貯蔵部分との間に配置されるシール要素をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生システム用の気化器組立品、および気化器組立品を備えたエアロゾル発生システムに関連する。
【背景技術】
【0002】
電池および制御電子回路を備える装置部分と、液体貯蔵部分に保持された液体エアロゾル形成基体の供給、および電気的に作動する気化器またはヒーター要素を備える別個のカートリッジとから成る、手持ち式の電気的に作動するエアロゾル発生システムが周知である。液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体が吸収される毛細管材料を備えうる。毛細管材料はヒーター要素と接触し、かつ液体がヒーター要素に運ばれて、それによってベイパー(蒸気)の生成を可能にすることを確実にする。その後、蒸気は冷却されてエアロゾルを形成する。毛細管材料は繊維質または海綿状の構造を有しうることが、例えばWO 2015/117702 A1号から周知である。毛細管材料は、液体貯蔵部分からヒーター要素に液体を運ぶ多孔性材料でもよい。毛細管材料およびヒーター要素は、液体貯蔵部分とともにカートリッジ内に提供されている。カートリッジは、液体貯蔵部分内に保持されている液体エアロゾル形成基体が一旦消耗されると廃棄される単回使用カートリッジとして提供されている。よって、毛細管材料およびヒーター要素は、カートリッジと一緒に配置され、かつ新しいカートリッジのそれぞれで新しい毛細管材料および新しいヒーター要素が必要である。その上、不要な燃焼残留物が、使用中に毛細管材料の表面に生じうる。
【0003】
掃除が簡単でかつ再使用可能であり、消費財のコストを低減する気化器組立品を提供することが望ましい。また、向上された耐熱性を有し、かつ高温での操作時に望ましくない生成物を放出するリスクを回避するまたは少なくとも低減する気化器組立品を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第一の態様によると、多孔性ガラスを含む毛細管要素を備えるエアロゾル発生システム用の気化器組立品が提供されている。毛細管要素は第一の端および第二の端を有する。気化器組立品はヒーター要素をさらに備える。毛細管要素の第一の端は液体貯蔵部分と流体連通するように構成されており、またヒーター要素は毛細管要素の第二の端に提供されている。毛細管要素の気孔サイズは、液体貯蔵部分からの液体エアロゾル形成基体が、毛細管作用によって毛細管要素の第一の端から毛細管要素の第二の端に運ばれることを可能にするように構成されている。毛細管要素の平均気孔サイズは、毛細管要素の第一の端から毛細管要素の第二の端へと気孔サイズの勾配が付けられるように、毛細管要素の第一の端にある大きい気孔から毛細管要素の第二の端にある小さい気孔まで様々である。
【0005】
毛細管要素がガラスでできているという事実のため、ヒーター要素は毛細管要素に直接提供されうる。この点で、毛細管要素の多孔性ガラスの利点は、ガラスの耐熱性が向上されていることである。毛細管要素は結果として、ヒーター要素が毛細管要素上に直に、または毛細管要素のすぐ近くに提供されている場合であっても、加熱中の発熱体の温度上昇による損傷や損害を受けない。
【0006】
毛細管要素の耐熱性の向上はまた、ヒーター要素による液体エアロゾル形成基体の加熱中に、望ましくない生成物を放出するリスクが低減されるという効果につながる。
【0007】
また、毛細管要素は多孔性ガラスでできているため、毛細管要素は簡単に掃除されうる。毛細管要素は、ユーザーが交換可能な液体貯蔵部分を交換する時に、ユーザーによって手作業で掃除されうる。また、もしくは追加的に、毛細管要素は新しい液体貯蔵部分に挿入中に掃除されてもよい。
【0008】
毛細管要素に多孔性ガラスを提供することによって、掃除および耐熱性の向上は、気化器組立品の再使用性を相乗的に向上させる。耐熱性が向上されるため、毛細管要素上の不要な残留物、従って望ましくない生成物が加熱中に回避または低減される。ヒーター要素はまた、毛細管要素上に直に、または毛細管要素のすぐ近くに提供されてもよい。同時に、毛細管要素上の不要な残留物は、簡単に掃除されうる。
【0009】
その上、ガラスは非常に安定した材料であり、温度によって劣化しない。よって、毛細管要素が交換されなければならなくなる前に、複数の交換可能な液体貯蔵部分が使用されうる。
【0010】
液体貯蔵部分は、液体貯蔵部分が交換されるたびに新しい毛細管要素および新しいヒーター要素を提供する必要なしに、使用されうる。毛細管要素だけでなくヒーター要素も、複数の交換可能な液体貯蔵部分とともに使用可能である。よって、交換可能な液体貯蔵部分のコストは低減される。
【0011】
毛細管要素は、円筒形、または交換可能な液体貯蔵部分に挿入されるのに適した異なる形体を有しうる。毛細管要素は、第一の表面を第一の端に、および第二の表面を第二の端に有する。ヒーター要素は、毛細管要素の第二の端表面上に提供されている。第一の表面および第二の表面は、円形または楕円形の形状でもよい。また、第一および第二の表面は、長方形の形状または多角形の形状でもよい。その上、第一の表面および第二の表面は、実質的に平面または曲面でもよい。側部表面は、第一の端と第二の端の間で毛細管要素の周りに提供されている。第一および第二の表面は、1ミリメートル~15ミリメートル、好ましくは2ミリメートル~10ミリメートル、より好ましくは3ミリメートル~7ミリメートル、より好ましくは4ミリメートル~6ミリメートル、最も好ましくは約5ミリメートルの直径を有しうる。第一および第二の表面の表面積は、60平方ミリメートル未満、好ましくは50平方ミリメートル未満、好ましくは40平方ミリメートル未満、最も好ましくは約30平方ミリメートルとしうる。毛細管要素の長さは、1ミリメートル~7.5センチメートル、好ましくは5ミリメートル~3センチメートル、より好ましくは約1センチメートルとしうる。毛細管要素の液体容量は、30~40回以上の吸煙、好ましくは約32回の吸煙に十分な液体エアロゾル形成基体を保持できるような容量である。3秒間の吸煙には、1ミリグラム~4ミリグラムの液体、好ましくは3ミリグラム~4ミリグラムの液体が含まれうる。毛細管要素の容量は、30ミリグラム~160ミリグラム、好ましくは60ミリグラム~150ミリグラム、より好ましくは90ミリグラム~140ミリグラム、最も好ましくは約130ミリグラムとしうる。
【0012】
毛細管要素は多孔性ガラスでできている。ガラスは、液体が毛細管要素の第一の端から毛細管要素の第二の端に運ばれることを可能にする内部構造を有する。より詳細には、多孔性ガラスは毛細管要素を通した液体の移動を可能にする気孔を備える。
【0013】
この点で、毛細管要素に提供される気孔は、液体エアロゾル形成基体と毛細管要素の周辺のガラス材料との間の分子間力の効果を有効にする。気孔のサイズおよび好ましくは直径は、液体エアロゾル形成基体と毛細管要素の周辺のガラス材料との間の表面張力と接着力の組み合わせによって毛細管要素を通して液体が運ばれるように構成されている。
【0014】
「多孔性の」という用語は、広い意味で理解されるべきである。毛細管要素の気孔は相互に連結され、繊維質構造を有しうる。毛細管要素は一束の毛細管を含むことが好ましい。例えば毛細管要素は、セラミックの製造と類似するガラス粒子の集合および圧縮によって製造される。このプロセス中に発生する気孔のサイズは、圧縮中にかけられた力に依存する。気孔サイズは円筒に沿って様々である。気孔は一般に、液体エアロゾル形成基体をヒーター要素に運ぶために整列されうる。毛細管要素の構造は複数の小さい気孔を形成し、それを通して液体が毛細管作用によって移動しうる。毛細管要素は異なる液体物理特性で使用されるように、任意の適切な毛細管および空隙率を有する場合がある。液体は粘性、表面張力、密度、熱伝導率、沸点および蒸気圧を含むがこれに限定されない物理的特性を有し、これは液体が毛細管作用によって毛細管要素を通過して移動するのを可能にする。
【0015】
毛細管要素は複数の材料を備えてもよく、ここでこれらの材料の一つは多孔性ガラスである。毛細管要素はまた、全体が多孔性ガラスでできていてもよい。また、複数の毛細管要素は相互に並べて提供されることができ、ここで上記毛細管要素の一つ以上が組み合せられうる。
【0016】
毛細管要素は液体貯蔵部分に挿入された時に、液体貯蔵部分内に存在する液体が毛細管要素の外周を通過して流れることができないような形体を有してもよい。結果として、液体は毛細管要素を通して液体貯蔵部分から出る方向にのみ運ばれることができる。液体貯蔵部分からの液体が毛細管要素を通して液体貯蔵部分からのみ流れ出ることができるように、液体貯蔵部分が毛細管要素に接続されている時、毛細管要素と液体貯蔵部分の間にプレスばめを提供してもよい。液体は液体貯蔵部分によって毛細管要素の側部表面を通して流れることを妨げられる。より詳細には、毛細管要素と液体貯蔵部分の間のプレスばめは、液体が毛細管要素の側部表面を通して流れることを妨げる。
【0017】
別の方法として、毛細管要素内に提供される気孔は、液体が毛細管要素を通して、毛細管要素の第一の端から毛細管要素の第二の端へのみ流れうるように、毛細管要素の第一の端と第二の端の間で長軸方向に提供されている。毛細管要素は、流体不透過性被覆など、流体不透過性の外表面を備えうる。流体不透過性被覆は、漏れを防止するために毛細管要素の外表面に施されうる。別の方法として、毛細管要素は、ガラス管など、流体不透過性の管に挿入されてもよい。液体は、毛細管要素の側部表面に気孔が提供されていないため、毛細管要素の側部表面では毛細管要素を通して流れることができない。
【0018】
さらに代わりの方法として、毛細管要素内の気孔は、毛細管要素の側部表面で、液体が毛細管要素の側部表面から漏れ出るのを防ぐサイズで提供されている。言い換えれば、毛細管要素の側部表面に提供されている気孔の直径またはサイズは小さすぎるため、液体は毛細管要素の側部表面でこれらの気孔を通して流れることができない。
【0019】
それぞれの場合において、液体は、毛細管要素の第一の端で毛細管要素に進入でき、毛細管要素を通して毛細管要素の第二の端の方向に運ばれる。
【0020】
多孔性ガラスに提供された気孔の平均気孔サイズは、毛細管要素の第一の端にある大きい気孔から毛細管要素の第二の端にある小さい気孔まで様々である。そのように、気孔サイズの勾配は、毛細管要素の第一の端から毛細管要素の第二の端へと付けられる。
【0021】
より小さい気孔は、より大きい毛細管力または毛細管作用を作り出す。結果として、毛細管要素の第二の端に、より小さい気孔を提供することで、液体貯蔵部分からの液体エアロゾル形成基体は、毛細管要素の第一の端から第二の端に向けて確実に引き出される。気孔サイズは、流量を最適化するように構成されている。より小さい気孔はまた、液体が毛細管要素から漏れ出るのを防止する。蒸気のみが、その後のエアロゾルの形成を可能にするために、小さい気孔を通して流れうる。小さい気孔の気孔サイズは、0.3~250ミクロンまたは0.5~100ミクロンまたは1~20ミクロンまたは2~8ミクロンまたは約4ミクロンとしうる。
【0022】
毛細管要素の第一の端での気孔の平均気孔サイズは、毛細管要素の第二の端での気孔の平均気孔サイズよりも大きい。平均気孔サイズは、毛細管要素の一領域での平均気孔サイズである。こうすることで、液体エアロゾル形成基体が、ヒーター要素により効率的に運ばれることを確認できる。大きい気孔の気孔サイズは、5~500ミクロンまたは10~250ミクロンまたは15~100ミクロンまたは20~50ミクロンとしうる。
【0023】
気孔サイズの勾配、好ましくは線形の勾配を毛細管要素内に付けることによって、液体の形態のエアロゾル形成基体が効率的に、かつ比較的大量に、毛細管要素の第一の端で液体貯蔵部分から、ヒーター要素に隣接した毛細管要素の第二の端に運ばれうるといった効果が達成される。液体はその後、毛細管要素の第二の端に隣接したヒーター要素によって気化されうる。
【0024】
毛細管要素を通して第一の端から第二の端に運ばれる液体がヒーター要素によって気化されうるように、ヒーター要素は毛細管要素の第二の端に提供されている。ヒーター要素は、ヒーター要素が毛細管要素の第二の端と直に接するように、毛細管要素の第二の端に直に提供されうる。別の方法として、ヒーター要素は毛細管要素の第二の端のすぐ近くに提供されてもよい。後者の場合、ヒーター要素は、毛細管要素の第二の端を加熱するために提供されている。ヒーター要素は、毛細管要素の第二の端に隣接した毛細管要素の周りに提供されてもよい。
【0025】
毛細管要素の第二の端に隣接した毛細管要素の周りにヒーター要素を提供することによって、毛細管要素およびヒーター要素を備えるコンパクトな気化器組立品が提供されうる。また、毛細管要素の第一の端から毛細管要素の第二の端に運ばれる液体の効率的な気化を提供できる。毛細管要素の周辺に隣接した毛細管要素の第二の端にヒーター要素を提供することで、毛細管要素の第二の端表面は発熱体によって塞がれていないため、毛細管要素を簡単に掃除することができる。
【0026】
一部の実施形態において、ヒーター要素は電気抵抗ヒーターである。ヒーター要素は導電性材料を含む。導電性材料は、導電性材料を通して流れる電流によって加熱されうる。導電性材料は、ヒーター要素の電気的に絶縁された基体上に提供されうる。
【0027】
ヒーター要素はまた、毛細管要素およびヒーター要素がそれぞれ、ガラス材料を含むように、ガラス材料を含みうる。ヒーター要素の導電性材料は、ヒーター要素内またはヒーター要素上に提供されうる。
【0028】
ヒーター要素の電気抵抗は、毛細管要素の第二の端表面でのエアロゾル形成基体の十分な加熱がなされるように提供されるべきである。この点で、ヒーター要素の導電性材料の電気抵抗は、2オーム~5オーム、好ましくは3オーム~4オーム、最も好ましくは約3.5オームとしうる。
【0029】
一部の実施形態において、ヒーター要素は、金属被覆または薄膜またはメッシュヒーターまたはコイルとして提供されうる。ヒーター要素が金属被覆として提供される時、ヒーター要素は毛細管要素の第二の端表面上に直に提供されうる。より詳細には、毛細管要素の第二の端表面には、加熱されて毛細管要素の第二の端表面上の液体を気化しうる導電性の被覆が提供されうる。
【0030】
ヒーター要素はまた、複数の導電性フィラメントを備えるメッシュヒーターとして提供されうる。これは、ヒーター要素のより大きい面積が、気化される液体と接触することを可能にする。導電性フィラメントは実質的に平面であってもよい。
【0031】
ヒーター要素は、導電性ワイヤーでできているヒーターコイルとして提供されうる。コイルは毛細管要素のまわりに巻き付けられてもよく、ヒーター要素が毛細管要素の第二の端に隣接した毛細管要素の周辺に提供されている場合に有益である。
【0032】
また、多孔性ガラスを含む毛細管要素を備える、エアロゾル発生システム用の気化器組立品も提供されている。毛細管要素は第一の端および第二の端を有する。気化器組立品はヒーター要素をさらに備える。毛細管要素の第一の端は液体貯蔵部分と流体連通するように構成されており、またヒーター要素は毛細管要素の第二の端に提供されている。毛細管要素の気孔サイズは、液体貯蔵部分からの液体エアロゾル形成基体が、毛細管作用によって毛細管要素の第一の端から毛細管要素の第二の端に運ばれることを可能にするように構成されている。
【0033】
本発明の第二の態様によると、エアロゾル発生システムが提供されており、これは本体を備える。本体は、上記で詳細に説明した通り、ハウジング、電源、電気回路および気化器組立品を備える。
【0034】
エアロゾル発生システムは、交換可能または再充填可能な液体貯蔵部分を含んでもよい。液体貯蔵部分は取り外し可能なように本体に接続可能である。液体貯蔵部分が本体に取り付けられた時、毛細管要素が液体貯蔵部分内に貯蔵されている液体エアロゾル形成基体と流体連通するように、気化器組立品の毛細管要素の第一の端は液体貯蔵部分に挿入される。
【0035】
液体貯蔵部分は、さらなる毛細管要素を備えうる。さらなる毛細管要素は液体貯蔵部分内に提供されうる。この場合、気化器のガラス毛細管要素は、ヒーター要素が液体貯蔵部分内に提供されるさらなる毛細管要素を燃やさないように、薄くしうる。ガラス毛細管要素は、少なくとも1ミリメートル、好ましくは少なくとも2ミリメートル、より好ましくは少なくとも3ミリメートルの厚さを有しうる。液体エアロゾル形成基体が毛細管要素を通して漏れず、しかし蒸気がエアロゾル形成のために毛細管要素を通って流れうるように、気化器組立品のガラス毛細管要素は小さい気孔をなおも備えうる。さらなる毛細管要素は、海綿体または繊維質の構造を有する従来的な多孔性材料から提供されうる。気化器組立品のガラス毛細管要素は再使用可能でもよく、さらなる毛細管要素は液体貯蔵部分とともに配置されてもよい。従って、ガラスの有利な特性を利用できる一方、気化器には薄いガラス毛細管要素のみが必要である。
【0036】
電源は気化器組立品のヒーター要素に電気的に接続されて、ヒーター要素の加熱を可能にしてもよい。電気回路は、電源からヒーター要素への電流の流れを制御する。エアロゾル発生装置がユーザーによって起動される時、電気回路は電流が電源から気化器組立品のヒーター要素に流れることを可能にし、それによって液体貯蔵部分からのエアロゾル形成基体を気化し、エアロゾルを生成する。流れセンサーなどのセンサーは、ユーザーがシステムで吸うのを検出するために提供されうる。
【0037】
一部の実施形態において、シール用箔は液体貯蔵部分の開口部に提供されうる。毛細管要素を液体貯蔵部分に挿入中または挿入前に、シール用箔が除去されることが好ましい。エアロゾル発生システムは、シール用箔の下に配置されるシール用膜をさらに備えることが好ましい。シール用箔が除去され、かつ毛細管要素が液体貯蔵部分に挿入された時、シール用膜は破裂させられ、毛細管要素の外周と交換可能な液体貯蔵部分との間に押し付けられうる。シール用膜は、液体貯蔵部分からの液体エアロゾル形成基体の望ましくない漏れを防止するために提供されている。言い換えれば、毛細管要素が液体貯蔵部分に挿入される時、液体エアロゾル形成基体は毛細管要素を通して流れうるが、毛細管要素の外周を通過して流れない。
【0038】
本発明の第三の態様によると、エアロゾル発生システム用の気化器組立品を製造する方法が提供されている。方法は、多孔性ガラスでできていて第一の端および第二の端を有する毛細管要素を提供する工程と、ヒーター要素を提供する工程とを含む。毛細管要素の第一の端は液体貯蔵部分と流体連通するように構成されており、ここでヒーター要素は毛細管要素の第二の端に提供されている。毛細管要素の気孔サイズは、液体貯蔵部分からの液体エアロゾル形成基体が、毛細管作用によって毛細管要素の第一の端から毛細管要素の第二の端に運ばれることを可能にするように提供されている。毛細管要素の平均気孔サイズは、毛細管要素の第一の端から毛細管要素の第二の端へと気孔サイズの勾配が付けられるように、毛細管要素の第一の端にある大きい気孔から毛細管要素の第二の端にある小さい気孔まで様々である。
【0039】
一部の実施形態において、毛細管要素は、相分離プロセス、焼結プロセスまたはゾルゲルプロセスによって製造される。これらのプロセスは毛細管要素に気孔が提供されることを可能にし、これは次に、液体エアロゾル形成基体が毛細管要素を通して運ばれることを可能にする。その上、これらのプロセスは、毛細管要素が異なるサイズの気孔を有し、かつ毛細管要素の第一の端から毛細管要素の第二の端へと気孔サイズの勾配を付けて作られることを可能にする。
【0040】
一態様に関して説明される特徴は、本発明の他の態様にも等しく適用されてもよい。
【0041】
ここで本発明の実施形態を、以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるが説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1図1は、気化器組立品の実施形態の断面図である。
図2図2は、エアロゾル発生システムの実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、本発明の実施形態による気化器組立品を示す。
【0044】
気化器組立品は、図1の左の部分に図示した通り、多孔性ガラスでできている毛細管要素2を備える。毛細管要素2は様々なサイズの気孔を含むことが好ましい。毛細管要素2は第一の端4および第二の端6を有する。
【0045】
気化器組立品の多孔性ガラスは、ヒーター要素8に隣接して提供されている。図1に図示した通り、ヒーター要素8は、多孔性ガラスの第二の端6に隣接した多孔性ガラスの外周に配置される。毛細管要素2の第一の端4は、液体貯蔵部分10に面する。
【0046】
毛細管要素2の第一の端4には、図1に図示した通り、約25ミクロンの平均気孔サイズを有する大きい気孔12が提供されている。大きい気孔12は、液体エアロゾル形成基体14が毛細管要素2を通して液体貯蔵部分10から毛細管要素2の第二の端6の方向に運ばれることを可能にする。毛細管要素2の第二の端6には、約4ミクロンの平均気孔サイズの小さい気孔16が提供されており、液体が第二の端6から漏れ出るのを防止する一方で、第二の端6を通した蒸気の流れを可能にする。
【0047】
図2は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生システムを示す。図2に図示されているのは、気化器組立品の毛細管要素2と、ヒーター要素8と、電気回路と、電源(図2に図示せず)とを備える本体18である。本体は空気吸込み口20および空気出口22をさらに備える。ユーザーがマウスピース24を吸う時、周囲空気は空気吸込み口20を通して、気化器組立品を通過し、空気出口22に向かって引き出される。電気回路は、ヒーター要素8を加熱するための、電源からヒーター要素8への電流の流れを制御する。気流内は負の圧力であるため、流れセンサーはユーザーがいつマウスピース24を吸ったかを検出しうる。次に、電気回路は、電源からヒーター要素を通る電流の流れを制御する。結果として、液体エアロゾル形成基体14はヒーター要素8によって気化され、それによってエアロゾルを生成し、このエアロゾルはその後、ユーザーによって吸入される。
【0048】
液体貯蔵部分10には、液体貯蔵部分10上に提供されたシール用箔26が提供されている。シール用箔26は、エアロゾル形成基体14が液体貯蔵部分10から漏れ出るのを防止する。シール用箔26は、液体貯蔵部分10が本体18に取り付けられる前に除去される。シール用箔26の下には、シール用膜28が提供され、液体貯蔵部分10を覆う。シール用膜28は、下記に図示する通り、毛細管要素2が液体貯蔵部分10に挿入される時、毛細管要素2の外周をシールするために提供されている。
【0049】
液体貯蔵部分10が本体18に取り付けられる時、気化器組立品の毛細管要素2は液体貯蔵部分10に挿入される。毛細管要素2は、毛細管要素2の第一の端4がまず液体貯蔵部分10に挿入されるように、液体貯蔵部分10に挿入される。毛細管要素2を液体貯蔵部分10に挿入中、シール用膜28は破裂され、液体貯蔵部分10の内側壁に押し付けられる。シール用膜28には、破裂を局所化し促進するために、所定の破断領域または所定の破断点または小さな損傷のある領域が提供されてもよい。従って、液体エアロゾル形成基体14は、毛細管要素2を通してのみ流れることができる一方、毛細管要素2の外周はシール用膜28によってシールされる。
【0050】
その後、液体エアロゾル形成基体14は毛細管作用によって、液体貯蔵部分10の内側から、第一の端4を通って、気化器組立品の毛細管要素2の第二の端6に向けて、気化器組立品のヒーター要素8の方向30に運ばれることができる。
【0051】
上述の例示的な実施形態は例証するが限定はしない。上記で考察した例示的な実施形態に照らすことによって、上記の例示的な実施形態と一貫したその他の実施形態も当業者には明らかとなろう。
【符号の説明】
【0052】
2:毛細管要素
4:毛細管要素の第一の端、毛細管要素の第一の端表面
6:毛細管要素の第二の端、毛細管要素の第二の端表面
8:ヒーター要素
10:液体貯蔵部分
12:大きい気孔
14:液体エアロゾル形成基体
16:小さい気孔
18:本体
20:空気吸込み口
22:空気出口
24:マウスピース
26:シール用箔
28:シール用膜
30:液体エアロゾル形成基体が運ばれる方向
図1
図2