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特許7446391発光表示装置およびこれを用いたマルチスクリーン表示装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】発光表示装置およびこれを用いたマルチスクリーン表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240301BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20240301BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20240301BHJP
【FI】
G09F9/30 309
G09F9/40 301
G09F9/30 365
G09F9/30 330
G09F9/30 338
H10K59/12
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022179761
(22)【出願日】2022-11-09
(65)【公開番号】P2023094548
(43)【公開日】2023-07-05
【審査請求日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】10-2021-0186120
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, スビン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ヨンイン
(72)【発明者】
【氏名】カン, キョンヨン
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-110950(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0194534(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0242283(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0050292(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110518147(CN,A)
【文献】韓国登録特許第10-2211928(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
G09G 3/00-3/08
G09G 3/12-3/16
G09G 3/19-3/26
G09G 3/30-3/34
G09G 3/38
H10K 50/00-99/00
H05B 33/00-33/28
H05B 44/00
H05B 45/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置された複数の画素駆動ラインおよび前記複数の画素駆動ラインに連結された複数の画素を含む表示部と、
前記表示部に配置された自発光素子を含む発光素子層と、
前記基板の縁部分に沿って配置され、金属ラインを含む少なくとも1つのダムを含むダム部と、
前記発光素子層を覆うように配置され、前記ダム部によって少なくとも4つの側面が取り囲まれる有機封止層を含む封止層と、
前記少なくとも1つのダムと重畳されるように配置され、前記複数の画素駆動ラインに連結された複数のスイッチング回路部と、
前記基板の一側縁部分に配置され、前記複数の画素駆動ラインおよび前記少なくとも1つのダムの金属ラインと電気的に結合された複数の前面パッドを含む前面パッド部と、
前記金属ラインにグラウンド電圧を供給する駆動回路部を含み、
前記複数のスイッチング回路部のそれぞれは、前記少なくとも1つのダムの金属ラインと電気的に結合されたゲート電極を含む第1および第2スイッチング回路を含む、発光表示装置。
【請求項2】
前記複数のスイッチング回路部のそれぞれは、前記基板と前記少なくとも1つのダムとの間に配置された、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項3】
前記複数のスイッチング回路部のそれぞれは、前記複数の画素のうち前記基板の第1縁部分に配置された複数の最外郭画素のそれぞれに配置された、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのダムの金属ラインは、前記複数の前面パッドのうちの少なくとも1つと電気的に連結された、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項5】
前記ダム部は、前記表示部を取り囲むように互いに平行に配置され、前記金属ラインをそれぞれ含む第1~第3ダムを含み、
前記複数のスイッチング回路部のそれぞれは、第3スイッチング回路をさらに含み、
前記第1スイッチング回路は、前記第1ダムと重畳されるように配置され、前記第1ダムの金属ラインと連結された前記ゲート電極を含み、
前記第2スイッチング回路は、前記第2ダムと重畳されるように配置され、前記第2ダムの金属ラインと連結された前記ゲート電極を含み、
前記第3スイッチング回路は、前記第3ダムと重畳されるように配置され、前記第3ダムの金属ラインと連結されたゲート電極を含む、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項6】
前記複数のスイッチング回路部のそれぞれは、前記複数の画素駆動ラインのうち互いに隣接して配置された奇数番目データライン、レファレンス電圧ライン、および偶数番目データラインに連結され、
前記第1スイッチング回路は、前記奇数番目データラインと電気的に結合された第1電極、および前記レファレンス電圧ラインと電気的に結合された第2電極をさらに含み、
前記第2スイッチング回路は、前記偶数番目データラインと電気的に結合された第1電極、および前記レファレンス電圧ラインと電気的に結合された第2電極をさらに含み、
前記第3スイッチング回路は、前記奇数番目データラインと電気的に結合された第1電極、および前記偶数番目データラインと電気的に結合された第2電極をさらに含む、請求項5に記載の発光表示装置。
【請求項7】
前記ダム部は、少なくとも4つの側面で前記表示部を取り囲むように互いに平行に配置され、前記金属ラインをそれぞれ有する第1および第2ダムを含み、
前記第1スイッチング回路は、前記第1ダムと重畳されるように配置され、前記第1ダムのそれぞれの金属ラインと連結された前記ゲート電極を含み、
前記第2スイッチング回路は、前記第2ダムと重畳されるように配置され、前記第2ダムの金属ラインと連結された前記ゲート電極を含む、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項8】
前記複数のスイッチング回路部のそれぞれは、前記複数の画素駆動ラインのうち互いに隣接して配置された奇数番目データライン、レファレンス電圧ライン、および偶数番目データラインに連結され、
前記第1スイッチング回路は、前記奇数番目データラインと電気的に結合された第1電極、および前記レファレンス電圧ラインと電気的に結合された第2電極をさらに含み、
前記第2スイッチング回路は、前記偶数番目データラインと電気的に結合された第1電極、および前記レファレンス電圧ラインと電気的に結合された第2電極をさらに含む、請求項7に記載の発光表示装置。
【請求項9】
前記ダム部は、前記表示部を取り囲むように配置され、前記金属ラインを含むダムを含み、
前記第1スイッチング回路は、前記ダムと重畳されるように配置され、前記ダムの金属ラインと連結された前記ゲート電極を含み、
前記第2スイッチング回路は、前記ダムと重畳されるように前記第1スイッチング回路に平行に配置され、前記ダムの金属ラインと連結された前記ゲート電極を含む、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項10】
前記複数のスイッチング回路部のそれぞれは、前記複数の画素駆動ラインのうち互いに隣接して配置された奇数番目データライン、レファレンス電圧ライン、および偶数番目データラインに連結され、
前記第1スイッチング回路は、前記奇数番目データラインと電気的に結合された第1電極、および前記レファレンス電圧ラインと電気的に結合された第2電極をさらに含み、
前記第2スイッチング回路は、前記偶数番目データラインと電気的に結合された第1電極、および前記レファレンス電圧ラインと電気的に結合された第2電極をさらに含む、請求項9に記載の発光表示装置。
【請求項11】
前記駆動回路部は、非検査モードでは前記金属ラインにグラウンド電圧を供給し、検査モードでは前記金属ラインにスイッチング制御信号を供給する、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項12】
前記複数の前面パッドのそれぞれと重畳される複数の背面パッドを含む背面パッド部と、
前記複数の背面パッドと電気的に結合された複数のリンクラインを含むリンクライン部と、
前記複数のリンクラインと電気的に結合された複数の入力パッドを含む入力パッド部と、
記基板の外側面に隣接し、前記複数の前面パッドのそれぞれおよび前記複数の背面パッドのそれぞれに電気的に結合された複数のルーティングラインを含むルーティング部と、をさらに含
前記駆動回路部は、前記入力パッド部に連結されている、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項13】
前記複数のスイッチング回路部のそれぞれは、前記複数の画素駆動ラインのうち互いに隣接して配置された奇数番目データライン、レファレンス電圧ライン、および偶数番目データラインに連結され、
前記駆動回路部は、
前記奇数番目データラインまたは前記偶数番目データラインに検査信号を出力する複数の信号出力回路を有するデータ駆動部、および前記検査信号に応じて前記第1および第2スイッチング回路のうちの少なくとも1つを介して前記レファレンス電圧ラインに流れる電流をセンシングするセンシング部を含む駆動集積回路と、
前記駆動集積回路に検査データを提供し、前記センシング部から提供されるセンシングデータに基づいて前記複数の信号出力回路のそれぞれのバイアス端子に入力されるバイアス電圧レベルを設定するタイミングコントローラと、を含む、請求項12に記載の発光表示装置。
【請求項14】
前記タイミングコントローラは、
前記センシングデータに基づいて前記複数のルーティングラインのうちの2つ以上の間のショート有無を判断するか、または
前記センシングデータに基づいて前記複数のルーティングラインのうちデータラインに連結されたデータルーティングラインのライン抵抗値を生成し、生成されたライン抵抗値に基づいて前記バイアス電圧レベルを設定する、請求項13に記載の発光表示装置。
【請求項15】
前記基板の他側の縁部分に配置され、前記少なくとも1つのダムの金属ラインと電気的に結合された少なくとも1つの前面補助パッドを含む前面補助パッド部と、
前記少なくとも1つの前面補助パッドと重畳される少なくとも1つの背面補助パッドを含む背面補助パッド部と、
前記少なくとも1つの前面補助パッドおよび前記少なくとも1つの背面補助パッドと電気的に結合された少なくとも1つの補助リンクラインを含む補助リンクライン部と、をさらに含み、
前記少なくとも1つの補助リンクラインは、前記複数の入力パッドのうちの少なくとも1つと電気的に結合された、請求項12に記載の発光表示装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つのダムは、
前記基板上に配置された第1ダムパターンと、
前記第1ダムパターン上に配置された第2ダムパターンと、
前記第2ダムパターン上に配置された第3ダムパターンと、を含み、
前記金属ラインは、前記第2ダムパターンと前記第3ダムパターンとの間に配置された、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つのダムは、前記第1ダムパターンの側面と前記第2ダムパターンとの間に実現されたアンダーカット領域をさらに含み、
前記自発光素子は、前記アンダーカット領域で分離された、請求項16に記載の発光表示装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つのダムの周辺に配置された複数の分離構造物を含む分離部をさらに含み、
前記複数の分離構造物のそれぞれは、
下部構造物と、
前記下部構造物に対して軒構造を有するように前記下部構造物上に配置された上部構造物と、を含み、
前記自発光素子は、前記軒構造によって分離された、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つのダムの周辺に配置された複数の分離構造物を含む分離部をさらに含み、
前記複数の分離構造物のそれぞれは、
下部構造物と、
前記下部構造物に対して軒構造を有するように前記下部構造物上に配置された上部構造物と、を含み、
前記複数の分離構造物のうちの少なくとも1つは、前記下部構造物と前記上部構造物との間に配置された金属構造物をさらに含み、
前記金属構造物は、前記下部構造物に対して軒構造を有するように前記下部構造物上に配置され、
前記分離部上に配置される前記自発光素子は、前記金属構造物の軒構造によって分離された、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項20】
前記複数の分離構造物のそれぞれは、前記複数の画素駆動ラインと交差し、
前記金属構造物は、前記複数の画素駆動ラインのうちの少なくとも1つの画素共通電圧ラインと電気的に結合された、請求項19に記載の発光表示装置。
【請求項21】
前記基板と前記発光素子層との間に配置された平坦化層と、
前記基板と前記平坦化層との間に配置されたパッシベーション層と、
前記ダム部の内側領域に配置され、前記ダム部の内側領域で前記平坦化層および前記パッシベーション層を完全に貫通するように構成されたグルーブラインと、
前記グルーブラインに隣接した前記パッシベーション層の側面と前記グルーブラインに隣接した前記平坦化層の側面との間に実現されたアンダーカット領域と、をさらに含み、
前記グルーブラインと前記平坦化層の側面上に配置される前記自発光素子の一部は、前記アンダーカット領域によって互いに分離された、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項22】
第1方向および前記第1方向を横切る第2方向のうちの少なくとも1方向に沿って配置された複数の表示装置を含み、
前記複数の表示装置のそれぞれは、請求項1から21のいずれか一項に記載の発光表示装置を含む、マルチスクリーン表示装置。
【請求項23】
前記複数の表示装置のそれぞれの発光表示装置において、前記複数の画素は、前記基板上に前記第1方向と前記第2方向に沿って配列され、
前記第1方向と前記第2方向のうちの少なくとも1方向に沿って隣接して第1表示装置と第2表示装置において、前記第1表示装置の最外郭画素の中心部と前記第2表示装置の最外郭画素の中心部との間の距離は、画素ピッチ以下であり、
前記画素ピッチは、隣接する2つの画素の中心部の間の距離である、請求項22に記載のマルチスクリーン表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、発光表示装置およびこれを用いたマルチスクリーン表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光表示装置は、自己発光型表示装置であり、液晶表示装置とは異なり、別途の光源を必要としないので軽量薄型に製造可能である。また、発光表示装置は、低電圧駆動により消費電力の面で有利であるだけでなく、色相の実現、応答速度、視野角、コントラスト比にも優れるため、次世代表示装置として脚光を浴びている。
【0003】
発光表示装置は、2つの電極間に介在した発光素子を含む発光素子層の発光を通じて映像を表示する。ここで、発光素子での発光によって発生される光は、電極と基板などを通じて外部に放出され得る。
【0004】
発光表示装置は、映像を表示するように実現された表示パネルを含む。表示パネルは、画像を表示するための複数の画素を有する表示領域、表示領域上に配置された有機封止層を含む封止層、封止層の広がりを防止するダム、および表示領域を囲むベゼル領域を含むことができる。
【0005】
従来の発光表示装置は、表示パネルのわく(または縁部分)に配置されたベゼル領域を遮るためのベゼル(または器具物)を必要とし、ベゼル領域の幅によってベゼル幅(bezel width)が増加することがある。
【0006】
最近では、発光表示装置をブロック状に配列して大画面を実現するマルチスクリーン表示装置が実用化されている。
【0007】
しかし、従来のマルチスクリーン表示装置は、複数の発光表示装置のそれぞれのベゼル領域またはベゼルにより、隣接した発光表示装置の間にシーム(seam)と呼ばれる境界部分が存在することになる。このような境界部分は、マルチスクリーン表示装置の画面全体に1つの映像を表示する際に、画像の断絶感(または不連続性)を与えるので映像の没入度を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本明細書は、背景技術の限界と短所による1つ以上の問題を実質的に解消する発光表示装置およびこれを含むマルチスクリーン表示装置を提供することを技術的課題とする。
【0009】
本明細書は、ゼロベゼル幅を有する発光表示装置およびこれを含むマルチスクリーン表示装置を提供することを技術的課題とする。
【0010】
本明細書は、ゼロベゼル幅を有しながら水分の透湿による自発光素子の信頼性低下を最小化するか、または減少させることができる発光表示装置およびこれを含むマルチスクリーン表示装置を提供することを技術的課題とする。
【0011】
本明細書は、前面パッドと後面パッドとを連結するルーティングラインの間の電気的ショートを検出することができる発光表示装置およびこれを含むマルチスクリーン表示装置を提供することを技術的課題とする。
【0012】
本明細書は、前面パッドと後面パッドとを連結するルーティングラインの抵抗偏差による画質低下を最小化するか、または減少させることができる発光表示装置およびこれを含むマルチスクリーン表示装置を提供することを技術的課題とする。
【0013】
本明細書は、ゼロベゼル幅を有しながら画素回路を静電気から保護することができる発光表示装置およびこれを含むマルチスクリーン表示装置を提供することを技術的課題とする。
【0014】
本明細書の例による解決しようとする課題は、上記の課題に限定されず、言及されていない他の課題は、下記の記載内容から、本明細書の技術思想が属する技術分野において通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【0015】
本明細書の追加的な特徴、利点、および実施例は、以下の説明で部分的に説明され、部分的には本明細書から明確になり、それから提供される発明の概念の実施例によって学習されることができる。発明の概念の他の特徴、利点、および実施例は、本明細書に提供されるか、それから導出され得る説明、請求範囲だけでなく、添付された図面によって実現され達成され、達成され得る。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本明細書の実施例に係る発光表示装置は、基板、基板上に配置された複数の画素駆動ラインおよび複数の画素駆動ラインに連結された複数の画素を含む表示部、表示部に配置された自発光素子を含む発光素子層、基板の縁部分に沿って配置され、金属ラインを含む少なくとも1つのダムを含むダム部、発光素子層を覆うように配置され、ダム部によって少なくとも4つの側面が取り囲まれる有機封止層を含む封止層、少なくとも1つのダムと重畳されるように配置され、複数の画素駆動ラインに連結された複数のスイッチング回路部、および基板の一側縁部分に配置され、複数の画素駆動ラインおよび少なくとも1つのダムの金属ラインと電気的に結合された複数の前面パッドを含む前面パッド部を含み、複数のスイッチング回路のそれぞれは、少なくとも1つのダムの金属ラインと電気的に結合されたゲート電極を含む第1および第2スイッチング回路を含む。
【0017】
本明細書の他の実施例に係るマルチスクリーン表示装置は、第1方向および第1方向を横切る第2方向のうちの少なくとも1方向に沿って配置された複数の表示装置を含み、複数の表示装置のそれぞれは、発光表示装置を含み、発光表示装置は、基板、基板上に配置された複数の画素駆動ラインおよび複数の画素駆動ラインに連結された複数の画素を含む表示部、表示部に配置された自発光素子を含む発光素子層、基板の縁部分に沿って配置され、金属ラインを含む少なくとも1つのダムを含むダム部、発光素子層を覆うように配置され、ダム部によって少なくとも4つの側面が取り囲まれる有機封止層を含む封止層、少なくとも1つのダムと重畳されるように配置され、複数の画素駆動ラインに連結された複数のスイッチング回路部、および基板の一側縁部分に配置され、複数の画素駆動ラインおよび少なくとも1つのダムの金属ラインと電気的に結合された複数の前面パッドを含む前面パッド部を含み、複数のスイッチング回路のそれぞれは、少なくとも1つのダムの金属ラインと電気的に結合されたゲート電極を含む第1および第2スイッチング回路を含む。
【0018】
本発明の他の実施例に係る発光表示装置は、基板上に配置された複数の画素駆動ラインおよび複数の画素駆動ラインに連結された複数の画素を含む表示部、表示部に配置された発光素子層、金属ラインを有する少なくとも1つのダムを含むダム部、少なくとも1つのダムと重畳されるように配置され、複数の画素駆動ラインに連結された複数のスイッチング回路部、複数の画素駆動ラインと少なくとも1つのダムの金属ラインに電気的に連結された複数の前面パッドを含む前面パッド部分を含み、複数のスイッチング回路のそれぞれは、少なくとも1つのダムの金属ラインと電気的に結合されたゲート電極を含む。
【0019】
上で言及した課題の解決手段以外の本明細書の様々な形態に係る具体的な事項は、以下の記載内容および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0020】
本明細書の解決手段によれば、ゼロベゼル幅を有する発光表示装置およびこれを含むマルチスクリーン表示装置を提供することができる。
【0021】
本明細書の解決手段によれば、ゼロベゼル幅を有しながら水分(または湿気)の透湿による自発光素子の信頼性低下を最小化するか、または減少させることができる発光表示装置およびこれを含むマルチスクリーン表示装置を提供することができる。
【0022】
本明細書の解決手段によれば、前面パッドと後面パッドとを連結するルーティングラインの間の電気的ショートを検出することができる発光表示装置およびこれを含むマルチスクリーン表示装置を提供することができる。
【0023】
本明細書の解決手段によれば、前面パッドと後面パッドとを連結するルーティングラインの抵抗偏差による画質低下を最小化するか、または減少させることができる発光表示装置およびこれを含むマルチスクリーン表示装置を提供することができる。
【0024】
本明細書の解決手段によれば、ゼロベゼル幅を有しながら画素回路を静電気から保護することができる発光表示装置およびこれを含むマルチスクリーン表示装置を提供することができる。
【0025】
本明細書の解決手段によれば、映像を断絶感なしに表示することができるマルチスクリーン表示装置を提供することができる。
【0026】
本明細書の前述の説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的で説明的であり、特許請求の範囲に記載された開示のさらなる説明を提供するために理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本明細書の追加理解を提供するために含まれ、本明細書に統合され、その一部を構成する添付図面は、本明細書の態様及び実施態様を例示し、説明と共に本明細書の原理を説明する役割をすることができる。
【0028】
図1】本明細書の一実施例に係る発光表示装置を示す平面図である。
図2】本明細書の一実施例に係る発光表示装置を示す背面斜視図である。
図3A図1に示す一実施例に係る1つの画素を示す図である。
図3B図1に示す他の実施例に係る1つの画素を示す図である。
図3C図1に示すさらに他の実施例に係る1つの画素を示す図である。
図4図1に示す「B1」部の概略拡大図である。
図5図1および図4に示す1つの画素に対する等価回路図である。
図6図1および図4に示すゲート駆動回路を示す図である。
図7】本明細書の一実施例に係る発光表示装置で、複数のスイッチング回路部を説明するための図である。
図8図7に示す第1パッド部、1つのスイッチング回路部およびダム部を示す図である。
図9図2および図8に示す線I-I’についての断面図である。
図10図9に示す「B2」の拡大図である。
図11図9に示す「B3」の拡大図である。
図12図2および図8に示す線II-II’についての断面図である。
図13】本明細書の他の実施例に係る第1および第2パッド部およびルーティング部を説明するための図である。
図14】本明細書の他の実施例に係る発光表示装置を示す平面図である。
図15】本明細書の他の実施例に係る発光表示装置を示す背面図である。
図16】本明細書の一実施例に係るスイッチング回路部、駆動集積回路およびタイミングコントローラを概略的に示す図である。
図17】本明細書の他の実施例に係る複数のスイッチング回路部を説明するための図である。
図18図17に示す線III-III’についての断面図である。
図19】本明細書の他の実施例に係るスイッチング回路部、駆動集積回路およびタイミングコントローラを概略的に示す図である。
図20】本明細書のさらに他の実施例に係る複数のスイッチング回路部を説明するための図である。
図21図20に示す線IV-IV’についての断面図である。
図22図20に示す線V-V’についての断面図である。
図23】本明細書のさらに他の実施例に係るスイッチング回路部、駆動集積回路およびタイミングコントローラを概略的に示す図である。
図24】本明細書の一実施例によるマルチスクリーン表示装置を示す図である。
図25図24に示した線VI―VI’の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書の実施例を詳細に参照し、その例は添付図面に例示できる。以下の説明で、よく知られた機能または構成の具体的な説明が本明細書の要旨を不必要に曇らせる場合、その具体的な説明は、簡潔さのために省略することができる。説明された段階および/または動作の進行は、一例示的なものだが、段階および/または動作の順序は、本明細書に記載されたものに限定されず、特定の順序で必ず発生する段階および/または動作を除いて変更され得る。
【0030】
特に明記しない限り、同一の参照符号は、これらが異なる図面に図示されていても、全体的に類似の構成要素を指すことができる。1つ以上の実施例で、異なる図面で同一の構成要素(または同一の名前を有する構成要素)は、特に明記しない限り、同一または実質的に同一の機能および特性を有することができる。以下の説明で使用される構成要素のそれぞれの名称は、便宜上選択されたもので、実際の製品とは異なり得る。
【0031】
本明細書の利点および特徴とそれらを達成する方法は添付図面に基づいて詳細に後述する多様な例を参照すると明らかになるであろう。しかし、本明細書は以下で開示する一実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に実現可能であり、本明細書の一実施例等はただ本明細書の開示を完全にし、本明細書の技術思想が属する技術分野で通常の知識を有する者に技術思想の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本明細書の技術思想は請求範囲の範疇によって定義されるだけである。
【0032】
本明細書の一実施例を説明するための図面に開示した形状、サイズ、比率、角度、個数などは例示的なものなので、本明細書が図示の事項に限定されるものではない。明細書全般にわたって同じ参照符号は同じ構成要素を示す。また、本明細書の説明において、関連した公知の技術についての具体的な説明が本明細書の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本明細書で言及する「含む」、「有する」、「なる」などを使う場合、「~のみ」を使わない限り、他の部分が付け加わることができる。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0033】
構成要素の解釈において、誤差範囲についての別途の明示的な記載がないと言っても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0034】
位置関係についての説明の場合、例えば「~上に」、「~の上部に」、「~の下部に」、「~のそばに」などのように2つ部分の位置関係を説明する場合、「直ぐ」または「直接」を使わない限り、2つ部分の間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0035】
時間関係についての説明の場合、例えば、「~の後に」、「~に引き続き」、「~の次に」、「~の前に」などのように時間的に先後関係を説明する場合、「直ぐ」または「直接」を使わない限り、連続的ではない場合も含むことができる。
【0036】
第1、第2などを多様な構成要素を敍述するために使うが、これらの構成要素はこれらの用語に制限されない。これらの用語はただ一構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。よって、以下で言及する第1構成要素は本明細書の技術的思想内で第2構成要素でもあり得る。
【0037】
本明細書の構成要素の説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使うことができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけで、その用語によって当該構成要素の本質、順番、順序でまたは個数などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載する場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結されるか、または接続されることができるが、特に明示的な記載事項がない限り、間接的に連結されるか、または接続されることができる各構成要素の間に他の構成要素が「介在」されることもできると理解されなければならないであろう。
【0038】
「少なくとも1つ」の用語は、1つ以上の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むものと理解されなければならない。例えば、「第1項目、第2項目、および第3項目のうちの少なくとも1つ」の意味は、第1項目、第2項目、または第3項目各々だけではなく、第1項目、第2項目、および第3項目のうちから2つ以上で提示され得るすべての項目の組み合わせを含むとすることができる。
【0039】
本明細書で使用される用語「取り囲まれる(サラウンド)」、「囲まれる」、または「囲まむ」は、1つ以上の関連要素を完全に囲むだけでなく、少なくとも部分的に囲むことを含むことができる。同様に、本明細書で使用される用語「覆う(カバー)」は、1つ以上の関連要素を全体的にカバーするだけでなく、少なくとも部分的にカバーすることを含む。例えば、封止層がダムを囲む場合、それは少なくとも部分的にダムを囲む封止層と解釈することができる。しかしながら、一部の実施例では、カプセル化層はダムを完全に取り囲むことができる。本明細書で、「取り囲まれる(サラウンド)」、「囲まれる」、または「囲まむ」という用語が使われる意味は、関連した図面および実施例を基にさらに具体化できる。本明細書において、「取り囲まれる(サラウンド)」、「少なくとも部分的に囲まれる」、または「完全囲まむ」などの用語が使用され得る。上記の「取り囲まれる(サラウンド)」、「囲まれる」、または「囲まむ」の定義に従って、実施例で「取り囲まれる(サラウンド)」、「囲まれる」、または「囲まむ」という用語のみが使用される場合、関連する要素の 1 つまたは複数を少なくとも部分的に取り囲むか、または完全に取り囲むことを意味することができる。「覆う(カバー)」という用語も同様である。
【0040】
本明細書のいくつかの実施例のそれぞれの特徴が部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各実施例が互いに対して独立的に実施可能であり得、連関の関係で一緒に実施することもできる。
【0041】
以下、添付した図および実施例を介して、本明細書の実施例を詳しく見ると、次の通りである。図に示した構成要素のスケールは、説明の便宜上、実際と異なるスケールを有し得るので、図に示したスケールに限定されない。さらに、各図面の構成要素に対する参照番号は、他の図面に同じ構成要素が図示されていることがあるが、同じ参照番号は、類似の構成要素を指すことができる。
【0042】
図1は、本明細書の一実施例に係る発光表示装置を示す平面図であり、図2は、本明細書の一実施例に係る発光表示装置を示す背面斜視図である。
【0043】
図1および図2を参照すると、本明細書の一実施例に係る発光表示装置(または発光表示パネル)10は、基板100、配線基板200、結合部材300、およびルーティング部(routing portion)400を含むことができる。
【0044】
基板100は、第1基板、ベース基板、または画素アレイ基板と表現することができる。例えば、基板100は、ガラス基板、屈曲あるいは撓み得る薄型ガラス基板またはプラスチック基板であり得る。
【0045】
基板100は、表示部(AA)、複数の画素(P)、ダム部104、および複数のスイッチング回路部を含むことができる。
【0046】
表示部(AA)は、映像が表示される領域であり、活性部、活性領域、表示画面または表示領域と表現され得る。表示部(AA)の大きさは、基板(または発光表示装置)100の大きさと同じであり得る。例えば、表示部(AA)の大きさは、基板100の第1面の全体の大きさと同じであり得る。これにより、表示部(AA)は、基板100の前面全体に実現(または配置)されることにより、発光表示装置の前面全体は、表示部(AA)を実現することができる。
【0047】
表示部(AA)の先端(または最外側)は、基板100の外側面(OS)と重畳し、基板100の外側面(OS)に整列(align)され得る。例えば、発光表示装置(または発光表示パネル)10の厚さ方向(Z)に基づいて、表示部(AA)の側面は、基板100の外側面(OS)から垂直に延長された垂直方向の延長線に整列され得る。表示部(AA)の側面は、別の機構物によって囲まれておらず、ただ空気(air)のみに囲まれ得る。つまり、表示部(AA)または基板100のすべての側面は、別の機構物によって囲まれずに、空気(air)と直接接触するように構成され得る。第1面は、基板100の前面であり得る。したがって、表示部(AA)の先端と対応する基板100の外側面(OS)が空気にのみ囲まれることで、本明細書に係る発光表示装置(または発光表示パネル)10は、表示部(AA)の先端(または側面)が空気(air)によって囲まれるエアーベゼル(air-bezel)構造またはベゼルがない(またはゼロ化されたベゼル)構造を有することができる。
【0048】
複数の画素(P)は、基板100の表示部(AA)上に第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って、第1間隔(D1)を有するように配列(または配置)され得る。第1方向(X)は、横方向または水平方向であるか、または基板100または発光表示装置の第1長さ方向(または横の長さ方向)であり得る。第2方向(Y)は、縦方向または垂直方向であるか、または基板100または発光表示装置の第2長さ方向(または縦の長さ方向)であり得る。
【0049】
複数の画素(P)のそれぞれは、基板100の表示部(AA)上に配置された複数の画素領域に実現され得る。複数の画素領域それぞれは、第1方向(X)と平行な第1長さ(L1)、および第2方向(Y)と平行な第2長さ(L2)を有することができる。第1長さ(L1)は、第2長さ(L2)と同一または第1間隔(D1)と同じであり得る。第1長さ(L1)と第2長さ(L2)は、第1間隔(D1)と同じであり得る。これにより、複数の画素(または画素領域)(P)は、すべて同じ大きさを有することができる。
【0050】
第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って隣接する2つの画素(P)は、製造工程上の誤差の範囲内で同じ第1間隔(D1)を有することができる。第1間隔(D1)は、隣接する2つの画素(P)の間のピッチ(pitch)(または画素ピッチ)であり得る。例えば、第1間隔(または画素ピッチ)(D1)は、隣接する2つの画素(P)のそれぞれの中心部の間の距離(または長さ)であり得る。例えば、第1間隔(または画素ピッチ)(D1)は、隣接する2つの画素(P)のそれぞれの中心部の間の最短距離(または最短の長さ)であり得る。
【0051】
複数の画素Pのそれぞれは、基板100の画素領域に実現された画素回路を含む回路層、および回路層上に配置されて画素回路に連結された発光素子層を含むことができる。画素回路は、画素領域に配置されたデータライン、ゲートラインおよびレファレンス電圧ラインを含む画素駆動ラインに連結され、ゲートラインに供給されるスキャン信号に応じてデータラインに供給されるデータ信号とレファレンス電圧ラインに供給されるレファレンス電圧の差電圧に対応するデータ電流を出力する。複数の画素(P)は、複数の画素駆動ラインに選択的に連結され得る。発光素子層は、表示部(AA)の縁部分を除いて残った部分に共通して配置された自発光素子(または自発光層)を含むことができる。自発光素子は画素回路から供給されるデータ電流によって発光するように構成され得る。
【0052】
複数の画素(P)は、最外郭画素(Po)および内部画素(Pi)に区分され得る。
【0053】
最外郭画素(Po)は、複数の画素(P)のうちで基板100の外側面(OS)に最も隣接して配置された画素であり得る。最外郭画素(Po)は、第1水平ライン(または第1画素行)、最後水平ライン(または最後画素行)、第1垂直ライン(または第1画素列)、および最後垂直ライン(または最後画素列)のそれぞれに配置された画素であり得る。
【0054】
最外郭画素(Po)の中心部と基板100の外側面(OS)の間の第2間隔(D2)は、第1間隔(D1)の半分であるか、または半分以下であり得る。例えば、第2間隔(D2)は、最外郭画素(Po)の中心部と基板100の外側面(OS)との間の距離(または長さ)であり得る。
【0055】
第2間隔(D2)が第1間隔(D1)の半分を超えたとき、基板100は、第1間隔(D1)の半分と第2間隔(D2)の差だけ、表示部(AA)より大きな大きさを有しなければならず、これにより、最外郭画素(Po)の先端と基板100の外側面(OS)との間の領域は、表示部(AA)の全体を囲む非表示領域で構成され得る。例えば、第2間隔(D2)が第1間隔(D1)の半分を超えたとき、基板100は、表示部(AA)全体を囲む非表示領域によるベゼル領域を必然的に含むことになる。これとは異なり、第2間隔(D2)が第1間隔(D1)の半分であるか、または半分以下の場合、最外郭画素(Po)の先端が基板100の外側面(OS)に配列されるか、または表示部(AA)の先端が、基板100の外側面(OS)に配置され得、これによって、表示部(AA)は、基板100の前面全体に実現(または配置)され得る。
【0056】
内部画素(Pi)は、複数の画素(P)のうちの最外郭画素(Po)を除いて残った画素であるか、または複数の画素(P)のうちの最外郭画素(Po)によって取り囲まれる画素であり得る。このような内部画素(Pi)は、最外郭画素(Po)と異なる構成または異なる構造で構成され得る。
【0057】
ダム部104は、基板100の縁部分に実現されるか、または表示部(AA)に配置された最外郭画素(Po)の縁部分に実現され得る。例えば、ダム部104は、最外郭画素(Po)の中心部と基板100の外側面(OS)との間の領域に沿って平面上で閉ループライン形状(または連続的なライン形状または閉ループ形状)を有するように表示部(AA)内に配置され得る。例えば、閉ループライン形状は、連続的に連結されるリング形状であり得る。
【0058】
ダム部104は、発光素子層上に配置される封止層(encapsulation layer)のうちの有機封止層の拡散または溢れ(overflow)を最外郭画素(Po)の縁部分で遮断するように構成され得る。また、ダム部104は、最外郭画素(Po)の縁部分で発光素子層の少なくとも一部層を分離(または断絶)させることで、側面透湿経路を遮断し、よって、側面透湿による発光素子層の信頼性低下を防止するか最小化することができる。
【0059】
ダム部104は、発光素子層の少なくとも一部層を分離(または断絶)させるためのアンダーカット(または添窩)構造または軒構造を有することができる。例えば、ダム部104は、アンダーカット構造または軒構造によって実現されたアンダーカット領域を含むことができる。これにより、発光素子層の少なくとも一部層は、ダム部104のアンダーカット領域によって物理的に分離(または断絶)され得る。例えば、ダム部104上に形成(または蒸着)される発光素子層の自発光素子(または自発光層)は、ダム部104のアンダーカット領域で少なくとも1回分離(または断絶)され得る。
【0060】
複数のスイッチング回路部のそれぞれは、ダム部104と重畳するように構成され得る。複数のスイッチング回路部のそれぞれは、複数の画素駆動ラインに選択的に連結され得る。例えば、複数のスイッチング回路部のそれぞれは、ダム部104の下に配置され得る。例えば、ダム部104は、複数のスイッチング回路部上に配置され得る。複数のスイッチング回路部のそれぞれは、基板100の第1縁部分に配置された最外郭画素(Po)内に配置される(または含まれる)ことができる。例えば、1つのスイッチング回路部は、1つの最外郭画素(Po)内に配置され得る。このような複数のスイッチング回路部については後述する。
【0061】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置(または発光表示パネル)10または基板100は、第1パッド部110をさらに含むことができる。
【0062】
第1パッド部110は、前面パッド部または第1ルーティングパッド(routing pad)であり得る。第1パッド部110は、第1方向(X)に平行な基板100の第1面のうち第1縁部分(または一側縁部分)に配置された最外郭画素(Po)内に配置される(または含まれる)ことができる。これにより、基板100は、第1パッド部110による非表示領域(またはベゼル領域)を含まない。
【0063】
第1パッド部110は、画素駆動ラインに連結(または結合)された複数の第1パッド(または前面パッド)を含むことができる。例えば、第1パッド部110は、駆動回路部500からデータ信号、ゲート制御信号、画素駆動電源、レファレンス電圧、および画素共通電圧などを受信するための複数の第1パッド(または前面パッド)を含むことができる。複数の第1パッドは、基板100の一側縁部分に配置され、複数の画素駆動ラインおよびダム部104に含まれる少なくとも1つのダムの金属ラインに電気的に結合され得る。第1パッド部110を含むように基板100の第1縁部分に配置された最外郭画素(Po)のそれぞれは、複数の第1パッドのうちの少なくとも1つを含むことができる。これにより、最外郭画素(Po)は、少なくとも1つの第1パッドを含むことで、第1パッドを含まない内部画素(Pi)と異なる構成または構造を有するように実現され得る。
【0064】
例えば、第1パッド部110が最外郭画素(Po)の内部に配置されず(または含まれず)、最外郭画素(Po)の端部と基板100の外側面OSとの間に配置されるとき、基板100は、最外郭画素(Po)の端部と基板100の外側面OSとの間に第1パッド部110が配置される非表示領域を有することになり、このような非表示領域によって第2間隔(D2)は、第1間隔(D1)の半分を超えるだけでなく、基板100全体が表示部(AA)として実現されることができず、非表示領域を遮るための別途のベゼルが必要となる。これとは違い、本明細書の実施例に係る第1パッド部110は、最外郭画素(Po)の内部に配置される(または含まれる)ことで、最外郭画素(Po)の端部と基板100の外側面(OS)との間に第1パッド部110による非表示領域(またはベゼル領域)が形成されないか存在しなく、これにより第2間隔(D2)が第1間隔(D1)の半分であるか、または半分以下を有することができるので、基板100の全体が表示部(AA)として実現され得る。
【0065】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置(または発光表示パネル)10は、ゲート駆動回路150をさらに含むことができる。
【0066】
ゲート駆動回路150は、基板100上に配置された画素(P)にスキャン信号(またはゲート信号)を供給することができるよう、表示部(AA)内に配置されるか、または内蔵される。ゲート駆動回路150は、第1方向(X)と並んで水平ラインに配置された画素(P)にスキャン信号を同時に供給することができる。例えば、ゲート駆動回路150は、1つの水平ラインに配置された画素(P)に少なくとも1つのスキャン信号を供給することができる。
【0067】
ゲート駆動回路150は、複数のステージ回路を含むシフトレジスタで実現され得る。すなわち、本明細書の実施例に係る発光表示装置(または発光表示パネル)は、基板100の表示部(AA)に内蔵され、画素(P)にスキャン信号を供給するゲートシフトレジスタまたはスキャンシフトレジスタを含むことができる。
【0068】
複数のステージ回路のそれぞれは、第1方向(X)に沿って基板100の各水平ラインに離隔して配置された複数のブランチ回路(branch circuit)151を含むことができる。複数のブランチ回路151のそれぞれは、表示部(AA)の各水平ライン内で複数の画素(P)の間に散らばって(または分散されて)配置され得る。複数のブランチ回路151のそれぞれは、少なくとも1つのTFT(またはブランチTFT)を含むことができる。例えば、複数のブランチ回路151のそれぞれは、一水平ライン内で複数の少なくとも1つの画素(P)(または画素領域(PA)) のうちの少なくとも1対の隣接する画素(または画素領域)の間ごとに1つずつ配置され得る。このような複数のステージ回路のそれぞれは、ゲート制御ラインを介して供給されるゲート制御信号による複数のブランチ回路151の駆動によりスキャン信号を生成し、該当する水平ラインに配置されている画素(P)にスキャン信号を供給することができる。
【0069】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置(または発光表示パネル)10または基板100は、少なくとも1つの分離部105をさらに含むことができる。
【0070】
少なくとも1つの分離部105は、基板100の縁部分に実現されるか、または表示部(AA)に配置された最外郭画素(Po)の縁部分に実現され得る。例えば、少なくとも1つの分離部105は、ダム部104の周辺領域に沿って平面上で閉ループライン形状(または連続的なライン形状または閉ループ形状)を有するように表示部(AA)内に配置され得る。これにより、最外郭画素(Po)は、少なくとも1つの分離部105を含むことで、分離部105を含まない内部画素(Pi)と異なる構成または構造を有するように実現され得る。
【0071】
少なくとも1つの分離部105は、最外郭画素(Po)内で発光素子層の少なくとも一部層を分離(または断絶)させることで、側面透湿経路を遮断し、これにより側面透湿による発光素子層の信頼性低下を防止するか、または最小化することができる。分離部105は、発光素子層の少なくとも一部層を分離(または断絶)させるためのアンダーカット構造または軒構造を含むことができる。例えば、分離部105は、アンダーカット構造または軒構造によって実現されたアンダーカット領域を含むことができる。これにより、発光素子層の少なくとも一部層は、分離部105のアンダーカット領域によって物理的に分離(または断絶)され得る。例えば、分離部105上に形成(または蒸着)される発光素子層の自発光素子(または自発光層)は、分離部105のアンダーカット領域で少なくとも1回分離(または断絶)され得る。
【0072】
配線基板200は、第2基板、リンク基板、下部基板、背面基板、またはリンクガラスと表現することもできる。配線基板200は、ガラス基板、屈曲または撓み得る薄型ガラス基板またはプラスチック基板であり得る。例えば、配線基板200は、基板100と同一の物質からなり得る。配線基板200は、基板100の大きさと同一または実質的に同一の大きさを有することができるが、これに限定されず、基板100の大きさよりも小さい大きさを有することができる。例えば、配線基板200は、基板100の剛性を維持または剛性を確保するために、基板100と同じ大きさを有することが好ましいことがあり得る。
【0073】
配線基板200は、第2パッド部210、少なくとも1つの第3パッド部230、およびリンクライン部250を含むことができる。
【0074】
第2パッド部210は、背面パッド部または第2ルーティングパッド(routing pad)であり得る。第2パッド部210は、基板100の前面に配置された第1パッド部110と重畳される配線基板200の背面200bのうちの一側縁部分(または第1背面縁部分)に配置され得る。
【0075】
第2パッド部210は、第1方向(X)に沿って配線基板200の第1縁部分に互いに平行に配置された複数の第2パッド(または背面パッド)を含むことができる。例えば、第2パッド部210は、駆動回路部500からデータ信号、ゲート制御信号、画素駆動電源、レファレンス電圧、および画素共通電圧などを受信するための複数の第2パッド(または背面パッド)を含むことができる。複数の第2パッドのそれぞれは、第1パッド部110に配置された複数の第1パッドのそれぞれと一対一に重畳することができる。例えば、複数の第2パッドのそれぞれは、複数の第1パッドのそれぞれの1つと重畳することができる。
【0076】
少なくとも1つの第3パッド部230は、入力パッド部、駆動回路連結パッド部、駆動回路ボンディング部、または駆動回路ボンディングパッド部であり得る。少なくとも1つの第3パッド部230は、配線基板200の背面200bに配置され得る。例えば、少なくとも1つの第3パッド部230は、配線基板200の背面200bのうち第1縁部分に隣接した中間部分に配置され得る。例えば、配線基板200は、第2パッド部210に連結された2個以上の第3パッド部230を含むことができる。例えば、第2パッド部210は、第1方向(X)に沿って2個以上の領域に分割されることができ、2個以上の第3パッド部230のそれぞれは、第2パッド部210の各分割領域に連結されるように構成され得る。
【0077】
少なくとも1つの第3パッド部230は、第1方向(X)に沿って一定の間隔で互いに離隔した複数の入力パッド(または第3パッド)を含むことができる。少なくとも1つの第3パッド部230は、駆動回路部500からデータ信号、ゲート制御信号、画素駆動電源、レファレンス電圧、および画素共通電圧などを受信するための複数の入力パッド(または第3パッド)を含むことができる。
【0078】
リンクライン部250は、第2パッド部210と少なくとも1つの第3パッド部230との間に配置され得る。リンクライン部250は、少なくとも1つの第3パッド部230に配置された複数の入力パッドを第2パッド部210に配置された複数の第2パッドと連結するように構成された複数のリンクラインを含むことができる。
【0079】
少なくとも1つの第3パッド部230に配置された複数の入力パッドのうちの一部は、複数のリンクラインのうちの該当リンクラインを介して、第2パッド部210に配置された複数の第2パッドのうちの一部と一対一に結合され得る。例えば、複数の入力パッドのうちの一部は、対応するリンクラインを介して複数の第2パッドのそれぞれの1つと連結され得る。例えば、複数の入力パッドのうち、駆動回路部500からデータ信号、ゲート制御信号、画素駆動電源、およびレファレンス電圧のそれぞれを受信する入力パッドは、該当リンクラインを介して、第2パッド部210に配置された該当第2パッドと一対一に連結され得る。
【0080】
少なくとも1つの第3パッド部230に配置された複数の入力パッドのうちの残りは、複数の第2パッドのうちの残りと共通して結合され得る。例えば、複数の入力パッドのうち、画素共通電圧を受信する1つ以上の画素共通電圧入力パッドは、画素共通電圧リンクライン257を介して、複数の第2パッドのうち画素共通電圧を受信する複数の第2パッドと共通して結合され得る。
【0081】
画素共通電圧リンクライン257は、第1共通リンクライン257aおよび第2共通リンクライン257bを含むことができる。
【0082】
第1共通リンクライン257aは、少なくとも1つの第3パッド部230に配置された1つ以上の画素共通電圧入力パッドと結合され得る。例えば、第1共通リンクライン257aは、配線基板200の背面200bのうち第3パッド部230の一側部分に配置され得る。
【0083】
第1共通リンクライン257aは、印加される画素共通電圧の電圧降下が最小化するように、第2パッド部210と少なくとも1つの第3パッド部230との間の配線基板200の背面200b上に相対的に大きいサイズ(または面積)を有するように配置されるか、または形成され得る。一実施例に係る第1共通リンクライン257aのサイズは、一側から他側に行くほど次第に増加することができる。例えば、第1共通リンクライン257aの大きさは、少なくとも1つの第3パッド部230から配線基板200の外側面OSに行くほど次第に増加することができる。
【0084】
第2共通リンクライン257bは、第2パッド部210に隣接するように配線基板200の背面200bのうちの第1縁部分に配置され得る。一実施例に係る第2共通リンクライン257bは、第1方向(X)に平行に配置されて第2パッド部210に配置された複数の第2パッドの全部と向き合うように配置され得る。例えば、第2共通リンクライン257bは、画素共通電圧リンクライン257に印加される画素共通電圧の電圧降下を最小化するために、相対的に大きいサイズ(または面積)を有するバー(bar)形状を有することができる。
【0085】
第2共通リンクライン257bは、リンクコンタクトホール257hを介して第1共通リンクライン257aの少なくとも一部と電気的に連結され得る。第2共通リンクライン257bは、第2パッド部210に配置された複数の画素共通電圧パッド(または背面共通電圧パッド)側に延長(または突出)され、複数の画素共通電圧パッドのそれぞれと電気的に連結され得る。
【0086】
結合部材300は、基板100と配線基板200との間に介在される。したがって、基板100と配線基板200は、結合部材300を介して互いに対向合着され得る。結合部材300は、OCA(optically clear adhesive)またはOCR(optically clear resin)を含む透明接着部材であるか、または両面テープであり得るが、これに限定されない。結合部材300は、ガラス繊維を含むことができる。
【0087】
代案として、配線基板200は、省略することができる。この場合、第2パッド部210、少なくとも1つの第3パッド部230、およびリンクライン部250は、基板100の背面に配置されるので、これについての重複する説明は、省略することができる。したがって、配線基板200を省略する場合、結合部材300も省略され得る。
【0088】
ルーティング部400は、側面配線部、エッジ配線部、サイドルーティング部、エッジルーティング部、プリンティングライン部、サイドプリンティングライン部、またはサイドワイヤリング部などで表現することができる。ルーティング部400は、基板100の外側面(OS1a)および配線基板200の外側面(OS1b)を取り囲むように配置され得る。一実施例に係るルーティング部400は、基板100の外側面(OS)のうちの第1外側面(または一側面)(OS1a)および配線基板200の外側面(OS)のうちの第1外側面(または一側面)(OS1b)のそれぞれに配置された複数のルーティングライン410を含むことができる。
【0089】
代案として、配線基板200を省略する場合、複数のルーティングライン410のそれぞれは、基板100の外側面(OS)のうちの第1外側面(または一側面)(OS1a)を取り囲むように形成され、第1パッド部110の第1パッドと第2パッド部210の第2パッドとを個別的に(または一対一に)連結することができる。例えば、複数のルーティングライン410のそれぞれは、第1パッドのそれぞれの1つを第2パッドのそれぞれの1つに連結することができる。
【0090】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置10は、駆動回路部500をさらに含むことができる。
【0091】
駆動回路部500は、ディスプレイ駆動システムから供給されるデジタル映像データと同期信号に基づいて、基板100上に配置された画素(P)を駆動(または発光)させることで、映像データに対応する映像を表示部(AA)に表示することができる。駆動回路部500は、配線基板200の背面200bに配置された少なくとも1つの第3パッド部230に連結され、基板100上に配置された画素(P)を駆動(または発光)させるためのデータ信号とゲート制御信号および駆動電源を少なくとも1つの第3パッド部230に出力することができる。
【0092】
一実施例に係る駆動回路部500は、フレキシブル回路フィルム510、駆動集積回路530、プリント回路基板550、タイミングコントローラ570、および電源回路部590を含むことができる。
【0093】
フレキシブル回路フィルム510は、配線基板200の背面200bに配置された少なくとも1つの第3パッド部230と連結され得る。
【0094】
駆動集積回路530は、フレキシブル回路フィルム510に実装される。駆動集積回路530は、タイミングコントローラ570から提供される副画素データとデータ制御信号を受信し、データ制御信号によって副画素データをアナログ形式のデータ信号に変換して出力することができる。
【0095】
駆動集積回路530は、予め設定されるか、または選択された外部センシング区間の間に基板100上に配置された複数のレファレンス電圧ライン(または画素センシングライン)のそれぞれを介して副画素に配置された駆動TFTの特性値をセンシングし、副画素別センシング値に対応する副画素別センシングローデータ(sensing raw data)を生成してタイミングコントローラ570に提供することができる。
【0096】
また、駆動集積回路530は、検査モードで複数のレファレンス電圧ライン(または画素センシングライン)のそれぞれを介して検査信号をセンシング(または受信)し、センシング値(または受信値)に対応するライン別ラインセンシングデータを生成してタイミングコントローラ570に提供することができる。
【0097】
そして、駆動集積回路530は、検査モードの間に複数のスイッチング回路部のそれぞれを介して複数のルーティングライン410のうちの少なくとも一部に対するライン抵抗をセンシングするか、または複数のルーティングライン410のそれぞれのライン抵抗をセンシングし、センシングされたライン抵抗に対応するライン別抵抗センシングデータを生成してタイミングコントローラ570に提供することができる。例えば、駆動集積回路530は、複数のデータラインのそれぞれに連結された複数のデータルーティングラインのそれぞれのライン抵抗を複数のスイッチング回路部のそれぞれを介してセンシングし、センシングされたデータルーティングラインのライン抵抗に対応する抵抗センシングデータを生成してタイミングコントローラ570に提供することができる。
【0098】
本明細書の一実施例によれば、駆動集積回路530は、タイミングコントローラ570から提供されるライン別抵抗補償値が反映されたデータ信号を出力することができ、これにより、複数のデータルーティングラインの間の抵抗偏差による画質不良が防止されるか、または最小化され得る。
【0099】
本明細書の一実施例によれば、駆動集積回路530は、データ信号を出力する複数の信号出力回路を含むことができる。複数の信号出力回路のそれぞれの電流オブション値(または出力電流オブション値)は、タイミングコントローラ570から提供されるライン別抵抗補償値(またはバイアス電圧レベル)によって設定(または可変)され得る。これにより、駆動集積回路530は、タイミングコントローラ570から提供されるライン別抵抗補償値が反映されたデータ信号を出力することができる。
【0100】
プリント回路基板550は、フレキシブル回路フィルム510の他側縁部分に連結され得る。プリント回路基板550は、駆動回路部500の構成間の信号および電源を伝達する役割をすることができる。
【0101】
タイミングコントローラ570は、プリント回路基板550に実装され、プリント回路基板550に配置されたユーザコネクタを介してディスプレイ駆動システムから提供されるデジタル映像データとタイミング同期信号を受信する。代案として、タイミングコントローラ570は、プリント回路基板550に実装せずにディスプレイ駆動システムに実現し、またはプリント回路基板550とディスプレイ駆動システムの間に連結された別途のコントロールボードに実装されることもできる。
【0102】
タイミングコントローラ570は、タイミング同期信号に基づいてデジタル映像データを表示部(AA)に配置された画素配列構造に適合するように整列して画素データを生成し、生成した画素データを駆動集積回路530に提供する。
【0103】
タイミングコントローラ570は、タイミング同期信号に基づいてデータ制御信号とゲート制御信号のそれぞれを生成し、データ制御信号を介して駆動集積回路530の駆動タイミングを制御し、ゲート制御信号を介してゲート駆動回路150の駆動タイミングを制御することができる。
【0104】
タイミングコントローラ570は、予め設定された外部センシング区間の間に駆動集積回路530とゲート駆動回路150のそれぞれを外部センシングモードで駆動させ、駆動集積回路530から提供される副画素別センシングローデータに基づいて副画素別に駆動TFTの特性変化を補償するための副画素別補償データを生成し、生成された副画素別補償データに基づいて副画素別画素データを変調することができる。
【0105】
タイミングコントローラ570は、検査モードで、駆動集積回路530および複数のスイッチング回路部のそれぞれを検査モードで駆動させ、駆動集積回路530から供給されるライン別ラインセンシングデータに基づいてルーティングラインのショート有無およびショート不良の位置を判断し、判断結果を別途のモニターに表示することができる。
【0106】
タイミングコントローラ570は、検査モードで、駆動集積回路530および複数のスイッチング回路部のそれぞれを検査モードで駆動させ、駆動集積回路530から提供されるライン別抵抗センシングデータに基づいて副画素別画素データを変調するか、または駆動集積回路530の電流オブション値(または出力電流オブション値またはスルーレート(slew rate))を設定(変更)することで、複数のデータルーティングラインの間の抵抗偏差による画質不良を防止するか最小化することができる。例えば、タイミングコントローラ570は、駆動集積回路530から提供されるライン別抵抗センシングデータに基づいて複数のデータルーティングラインの間の抵抗偏差を補償するためのライン別抵抗補償値を生成して駆動集積回路530に提供することができる。例えば、ライン別抵抗補償値はルックアップテーブル形態として記憶回路に保存され得る。
【0107】
電源回路部590は、プリント回路基板550に実装され、外部から供給される入力電源を用いて、画素(P)に映像を表示するために必要な各種の電源電圧を生成し、該当する回路に提供することができる。
【0108】
図3Aは、図1に示す一実施例に係る1つの画素を示す図であり、図3Bは、図1に示す他の実施例に係る1つの画素を示す図であり、図3Cは、図1に示すさらに他の実施例に係る1つの画素を示す図である。
【0109】
図1および図3Aを参照すると、本明細書の一実施例に係る1つの画素(または単位画素)Pは、画素領域(PA)に配置された第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)を含むことができる。
【0110】
第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のそれぞれは2×2形状またはクワッド(quad)構造で配置され得る。第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のそれぞれは、発光領域(EA)と回路領域(CA)を含むことができる。例えば、発光領域(EA)は、開口領域、開口部、または発光部と表現することができる。
【0111】
第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のそれぞれの発光領域(EA)は、互いに同じ大きさを有する正方形の形状を有する均等クワッド構造を有することができる。一実施例に係ると、均等クワッド(quad)構造を有する発光領域(EA)は、画素(P)の4等分の大きさより小さい大きさを有しながら副画素領域内で画素(P)の中心部(CP)の方に偏って配置され、または画素(P)の中心部(CP)に集中して配置され得る。他の実施例に係ると、均等クワッド構造を有する発光領域(EA)は、画素(P)の4等分の大きさより小さい大きさを有しながら、対応する副画素領域の中心部に配置され得る。
【0112】
第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のそれぞれの回路領域(CA)は、該当発光領域(EA)の周辺に配置され得る。回路領域(CA)は、該当する副画素を発光させるための画素回路と画素駆動ラインを含むことができる。例えば、回路領域(CA)は、非発光領域、非開口領域、非発光部、非開口部、または周辺部と表現され得る。
【0113】
図1および図3Bを参照すると、本明細書の他の実施例に係る第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のそれぞれの発光領域(EA)は、回路領域(CA)の一部または全部と重畳されるように回路領域(CA)上に拡張され得る。すなわち、発光領域(EA)の大きさに対応する副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)の開口率を増加させるか、または画素(P)の高解像度化によって画素ピッチ(D1)を減少させるために、第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のそれぞれの発光領域(EA)は、回路領域(CA)の一部または全体と重畳されるように回路領域(CA)上に拡張され得る。例えば、第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のそれぞれの発光領域(EA)は、上部発光構造を有するので、該当する回路領域(CA)と重畳されるように配置され得る。これにより、発光領域(EA)は、回路領域(CA)と同じか、または広い大きさを有することができる。
【0114】
図1および図3Cを参照すると、他の実施例に係る第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のそれぞれは、各々異なる大きさを有する非均等クワッド構造を有するように配置され得る。例えば、第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のそれぞれの発光領域(EA)は、各々異なる大きさを有する非均等クワッド構造に配置され得る。
【0115】
非均等クワッド構造を有する第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のそれぞれの大きさは、解像度、発光効率、または画質などによって設定され得る。発光領域(EA)が非均等クワッド構造を有する場合、第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のそれぞれの発光領域(EA)のうち、第4副画素(SP4)の発光領域(EA4)が最も小さい大きさ(または領域)を有することができ、第3副画素(SP3)の発光領域(EA3)が最も大きい大きさを有することができる。第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のそれぞれの発光領域(EA)は、回路領域(CA)の一部または全体と重畳されるように回路領域(CA)上に拡張され得る。例えば、第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のそれぞれの発光領域(EA)は、上部発光構造を有するので、該当する回路領域(CA)と重畳されるように配置され得る。これにより、発光領域(EA)は、回路領域(CA)と同じか、または広い大きさを有することができる。
【0116】
図3A図3Cにおいて、第1副画素(SP1)は、第1色の光、第2副画素(SP2)は、第2色の光、第3副画素(SP3)は、第3色の光、および第4副画素(SP4)は、第4色の光をそれぞれ放出するように実現され得る。第1~第4色それぞれは、各々異なり得る。本明細書の一実施例として、第1色は、赤色、第2色は、青色、第3色は、白色、および第4色は、緑色であり得る。本明細書の他の実施例として、第1~第4色の中の一部は、同じであり得る。例えば、第1色は、赤色、第2色は、第1緑色、第3色は、第2緑色、および第4色は、青色であり得る。
【0117】
代案として、本明細書の実施例に係る第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のそれぞれは、1×4形状、均等ストライプ(stripe)構造、または不均等ストライプ構造を有することができる。例えば、第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のそれぞれの発光領域(EA)は、1×4形状、均等ストライプ構造、または非均等ストライプ構造を有することができる。例えば、第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のそれぞれの発光領域(EA)は、第1方向(X)と平行な短辺および第2方向(Y)と平行な長辺を有する長方形の形状を有することができる。選択的に、1×4形状、均等ストライプ構造、または非均等ストライプ構造を有する第1~第4副画素(SP1、SP2、SP3、SP4)のうちの白色光を放出する白色の副画素は、省略可能である。
【0118】
図4は、図1に示す「B1」部の概略拡大図であり、図5は、図1および図3に示す1つの画素に対する等価回路図である。
【0119】
図1図4、および図5を参照すると、本明細書の一実施例に係る基板100は、画素駆動ライン(DL、GL、PL、CVL、RL、GCL)、複数の画素(P)、共通電極(CE)、複数の共通電極連結部(CECP)、ダム部104、および第1パッド部110を含むことができる。
【0120】
画素駆動ライン(DL、GL、PL、CVL、RL、GCL)は、複数のデータライン(DL)、複数のゲートライン(GL)、複数の画素駆動電源ライン(PL)、複数の画素共通電圧ライン(CVL)、複数のリファレンス電圧ライン(または複数のリファレンスライン)(RL)、および複数のゲート制御ライン(GCL)を含むことができる。
【0121】
複数のデータライン(DL)のそれぞれは、第2方向(Y)に沿って長く延長され、第1方向(X)に沿って予め設定されるか、または選択された間隔を有するように基板100の表示部(AA)上に配置され得る。
【0122】
複数のゲートライン(GL)のそれぞれは、第1方向(X)に沿って長く延長され、第2方向(Y)に沿って予め設定されるか、または選択された間隔を有するように基板100の表示部(AA)上に配置され得る。
【0123】
複数の画素駆動電源ライン(PL)のそれぞれは、第2方向(Y)に沿って長く延長され、第1方向(X)に沿って予め設定されるか、または選択された間隔を有するように基板100の表示部(AA)上に配置され得る。
【0124】
複数の画素駆動電源ライン(PL)のうちの隣接した2つの画素駆動電源ライン(PL)は、第2方向(Y)に沿って配列された各画素領域(PA)に配置された複数の電源共有ライン(PSL)を介して、互いに連結され得る。例えば、複数の画素駆動電源ライン(PL)は、複数の電源共有ライン(PSL)によって互いに電気的に連結(または接触)されることによって、はしご構造を有するか、メッシュ構造を有することができる。複数の画素駆動電源ライン(PL)がはしご構造を有するか、メッシュ構造を有することにより、画素駆動電源ライン(PL)のライン抵抗による画素駆動電源の電圧降下(IR drop)が防止されるか、または最小限に抑えされ得、これにより、本例に係る発光表示装置は、表示部(AA)に配列された各画素(P)に供給される画素駆動電源の偏差に因る画質不良が防止されるか、または最小化され得る。
【0125】
複数の電源共有ライン(PSL)のそれぞれは、第1方向(X)と平行に隣接した画素駆動電源ライン(PL)から分岐されて各画素領域(PA)の中間領域に配置され得るが、これに限定されるものではない。
【0126】
複数の画素共通電圧ライン(CVL)のそれぞれは、第2方向(Y)に沿って長く延長され、第1方向(X)に沿って予め設定されるか、または選択された間隔を有するように基板100の表示部(AA)上に配置され得る。例えば、複数の画素共通電圧ライン(CVL)のそれぞれは、第1方向(X)を基準に、偶数番目の画素領域(PA)の第1縁部分に配置され得るが、これに限定されるものではない。
【0127】
複数のリファレンス電圧ライン(RL)のそれぞれは、第2方向(Y)に沿って長く延長され、第1方向(X)に沿って予め設定されるか、または選択された間隔を有するように基板100の表示部(AA)上に配置され得る。複数のリファレンス電圧ライン(RL)のそれぞれは、第2方向(Y)に沿って配列されている各画素領域(PA)の中心領域に配置され得るが、これに限定されるものではない。
【0128】
複数のリファレンス電圧ライン(RL)のそれぞれは、各画素領域(PA)で第1方向(X)に沿って隣接した2つの副画素(SP1、SP2)(SP3、SP4)に共有され得る。このため、複数のリファレンス電圧ライン(RL)のそれぞれは、リファレンス分岐ライン(RDL)を含むことができる。リファレンス分岐ライン(RDL)は、各画素領域(PA)で第1方向(X)に沿って隣接した2つの副画素(SP1、SP2)(SP3、SP4)の方に分岐(または突出)して、隣接した2つの副画素(SP1、SP2)(SP3、SP4)に電気的に連結され得る。
【0129】
複数のゲート制御ライン(GCL)のそれぞれは、第2方向(Y)に沿って長く延長され、第1方向(X)に沿って予め設定されるか、または選択された間隔を有するように基板100の表示部(AA)上に配置され得る。例えば、複数のゲート制御ライン(GCL)のそれぞれは、第1方向(X)を基準に、複数の画素領域(PA)間、または隣接した2つの画素領域(PA)間の境界部に配置され得る。
【0130】
複数の画素(P)のそれぞれは、少なくとも3つの副画素を含むことができる。例えば、複数の画素(P)のそれぞれは、第1~第4副画素(SP1~SP4)を含むことができる。第1~第4副画素(SP1~SP4)のそれぞれは、画素回路(PC)および発光素子層を含むことができる。
【0131】
一実施例に係る画素回路(PC)は、画素領域(PA)の回路領域に配置され、隣接したゲートライン(GLo、GLe)とデータライン(DLo、DLe)、および画素駆動電源ライン(PL)に連結され得る。例えば、第1副画素(SP1)に配置された画素回路(PC)は、奇数番目のデータライン(DLo)と奇数番目のゲートライン(GLo)に連結され得、第2副画素(SP2)に配置された画素回路(PC)は、偶数番目のデータライン(DLe)と奇数番目のゲートライン(GLo)に連結され得、第3副画素(SP3)に配置された画素回路(PC)は、奇数番目のデータライン(DLo)と偶数番目のゲートライン(GLe)に連結され得、第4副画素(SP4)に配置された画素回路(PC)は、偶数番目のデータライン(DLe)と偶数番目のゲートライン(GLe)に連結され得る。
【0132】
第1~第4副画素(SP1~SP4)のそれぞれの画素回路(PC)は、該当するゲートライン(GLo、GLe)から供給されるスキャン信号に応答して、該当するデータライン(DLo、DLe)から供給されるデータ信号をサンプリングし、サンプリングしたデータ信号に基づいて、画素駆動電源ライン(PL)から発光素子層に流れる電流を制御することができる。
【0133】
一実施例に係る画素回路(PC)は、第1スイッチング薄膜トランジスタ(Tsw1)、第2スイッチング薄膜トランジスタ(Tsw2)、駆動薄膜トランジスタ(Tdr)、およびストレージキャパシタ(Cst)を含むことができ、これに限定されるものではない。以下の説明では、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)を「TFT」と称することにする。
【0134】
第1スイッチングTFT(Tsw1)は、ゲートライン(GLo、GLe)に接続したゲート電極、データライン(DL)に接続した第1電極(または第1ソース/ドレイン電極)、および駆動TFT(Tdr)のゲートノード(n1)に接続した第2電極(または第2ソース/ドレイン電極)を含むことができる。このような第1スイッチングTFT(Tsw1)は、該当するゲートライン(GLo、GLe)に供給されるスキャン信号によってデータライン(DL)から供給されるデータ電圧を駆動TFT(Tdr)のゲートノード(n1)に供給することができる。
【0135】
第2スイッチングTFT(Tsw2)は、ゲートライン(GLo、GLe)に接続したゲートノード、駆動TFT(Tdr)のソースノード(n2)に接続した第1電極(または第1ソース/ドレイン電極)、およびリファレンス電圧ライン(RL)に接続した第2電極(または第2ソース/ドレイン電極)を含むことができる。このような第2スイッチングTFT(Tsw2)は、該当するゲートライン(GLo、GLe)に供給されるスキャン信号によってリファレンス電圧ライン(RL)に供給されるリファレンス電圧を駆動TFT(Tdr)のソースノード(n2)に供給することができる。
【0136】
ストレージキャパシタ(Cst)は、駆動TFT(Tdr)のゲートノード(n1)とソースノード(n2)の間に形成され得る。一実施例に係るストレージキャパシタ(Cst)は、駆動TFT(Tdr)のゲートノード(n1)に連結された第1キャパシタ電極、駆動TFT(Tdr)のソースノード(n2)に連結された第2キャパシタ電極、および第1キャパシタ電極と第2キャパシタ電極の重畳領域に形成された誘電体層を含むことができる。このようなストレージキャパシタ(Cst)は、駆動TFT(Tdr)のゲートノード(n1)とソースノード(n2)の間の差電圧を充電した後、充電した電圧によって駆動TFT(Tdr)をスイッチングさせる。
【0137】
駆動薄膜トランジスタ(Tdr)は、第1スイッチングTFT(Tsw1)の第2電極とストレージキャパシタ(Cst)の第1キャパシタ電極に共通に接続したゲート電極(またはゲートノード)(n1)、第2スイッチングTFT(Tsw2)の第1電極とストレージキャパシタ(Cst)の第2キャパシタ電極および発光素子層の画素電極(PE)に共通して連結された第1電極(または第1ソース/ドレイン電極またはソースノード)(n2)、および画素駆動電源ライン(PL)に連結された第2電極(または第2ソース/ドレイン電極またはドレインノード)を含むことができる。このような駆動TFT(Tdr)は、ストレージキャパシタ(Cst)の電圧によってターンオンすることにより、画素駆動電源ライン(PL)から発光素子層に流れる電流量を制御することができる。
【0138】
発光素子層は、画素領域(PA)の発光領域(EA)に配置されて画素回路(PC)と電気的に連結(または接触)され得る。一実施例に係る発光素子層は、画素回路(PC)と電気的に連結(または接触)された画素電極(PE)、画素共通電圧ライン(CVL)に電気的に連結(または接触)された共通電極(CE)、および画素電極(PE)と共通電極(CE)の間に介在した自発光素子(ED)を含むことができる。
【0139】
複数の共通電極連結部(CECP)のそれぞれは、複数の画素共通電圧ライン(CVL)のそれぞれと重畳される複数の画素(P)の間で、共通電極(CE)を複数の画素共通電圧ライン(CVL)のそれぞれに電気的に連結させる。一実施例に係る複数の共通電極連結部(CECP)のそれぞれは、第2方向(Y)を基準に、複数の画素の間または複数の画素の間の境界部で複数の画素共通電圧ライン(CVL)のそれぞれと電気的に連結(または接触)され、共通電極(CE)の一部と電気的に連結(または接触)されることで、共通電極(CE)を複数の画素共通電圧ライン(CVL)のそれぞれと電気的に連結(または接触)させることができる。
【0140】
複数の共通電極連結部(CECP)のそれぞれは、複数の画素(P)の間ごとに配置されて複数の画素共通電圧ライン(CVL)のそれぞれと共通電極(CE)とを電気的に連結(または接触)することで、共通電極(CE)の面抵抗による画素共通電圧の電圧降下(IR drop)を防止するか、または最小化することができる。本明細書の一実施例によれば、複数の共通電極連結部(CECP)のそれぞれは、複数の画素共通電圧ライン(CVL)のそれぞれと電気的に連結(または接触)されるように、少なくとも2層構造を有する画素電極(PE)と一緒に形成され得る。複数の共通電極連結部(CECP)のそれぞれは、サイドコンタクト構造(または側面露出構造)を介して共通電極(CE)と電気的に連結(または接触)され得る。
【0141】
ダム部104は、閉ループライン形状(または閉ループ形態)を有するように基板100または最外郭画素(Po)の縁部分に配置されるか、または実現されるものであり、これは図1を参照して説明したものと同様であるので、これについての重複する説明は省略することができる。
【0142】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置10または基板100は、分離部105をさらに含むことができる。分離部105は、ダム部104の周辺に閉ループライン形状(または閉ループ形態)を有するように基板100または最外郭画素(Po)の縁部分に配置されるか、または実現されるものであり、これは図1を参照して説明したものと同様であるので、これについての重複する説明は省略することができる。
【0143】
第1パッド部110は、基板100の第1縁部分上に第1方向(X)に沿って互いに平行に配置された複数の第1パッドを含むことができる。複数の第1パッドは、複数の第1データパッド(DP1)、複数の第1ゲートパッド(GP1)、複数の第1画素駆動電源パッド(PPP1)、複数の第1リファレンス電圧パッド(RVP1)、および複数の第1画素共通電圧パッド(CVP1)に区分(または分類)され得る。
【0144】
複数の第1データパッド(DP1)のそれぞれは、基板100上に配置された複数のデータライン(DLo、DLe)のそれぞれの一側端と個別的(または一対一)に連結され得る。例えば、複数の第1データパッド(DP1)のそれぞれは、複数のデータライン(DLo、DLe)のそれぞれの1つの側端に連結され得る。
【0145】
複数の第1ゲートパッド(GP1)のそれぞれは、基板100上に配置されているゲート制御ラインのそれぞれの一側端と個別的(または一対一)に連結され得る。複数の第1ゲートパッド(GP1)は、第1スタート信号パッド、複数の第1シフトクロックパッド、複数の第1キャリークロックパッド、少なくとも1つの第1ゲート駆動電源パッド、および少なくとも1つの第1ゲート共通電圧パッドなどに区分(または分類)され得る。例えば、複数の第1ゲートパッド(GP1)のそれぞれは、ゲート制御ライン(GCL)のそれぞれの1つの側端に連結され得る。
【0146】
複数の第1画素駆動電源パッド(PPP1)のそれぞれは、基板100上に配置された複数の画素駆動電源ライン(PL)のそれぞれの一側端と個別的(または一対一)に連結され得る。例えば、複数の第1画素駆動電源パッド(PPP1)のそれぞれは、複数の画素駆動電源ライン(PL)のそれぞれの1つの側端に連結され得る。複数の第1リファレンス電圧パッド(RVP1)のそれぞれは、基板100上に配置された複数のリファレンス電圧ライン(RL)のそれぞれの一側端と個別的(または一対一)に連結され得る。例えば、複数の第1リファレンス電圧パッド(RVP1)のそれぞれは、複数のリファレンス電圧ライン(RL)のうちのそれぞれ1つの側端に連結され得る。複数の第1画素共通電圧パッド(CVP1)のそれぞれは、基板100上に配置された複数の画素共通電圧ライン(CVL)のそれぞれの一側端と個別的(または一対一)に連結され得る。例えば、第1画素共通電圧パッド(CVP1)のそれぞれは、複数の画素共通電圧ライン(CVL)のうちのそれぞれ1つの側端に連絡され得る。
【0147】
本明細書の一実施例に係る第1パッド部110は、第1方向(X)に沿って配置された複数のパッドグループ(PG)を含むことができる。複数のパッドグループ(PG)のそれぞれは、第1方向(X)に沿って配置された隣接した2個の画素(P)に連結され得る。例えば、複数のパッドグループ(PG)のそれぞれは、第1方向Xに沿って交互に配置された第1パッドグループ(PG1)と第2パッドグループ(PG2)を含むことができる。第1パッドグループ(PG1)は、奇数番目の画素領域(PA)内にて第1方向(X)に沿って連続的に配置された第1画素駆動電源パッド(PPP1)、第1データパッド(DP1)、第1リファレンス電圧パッド(RVP1)、第1データパッド(DP1)、および第1画素共通電圧パッド(CVP1)を含むことができる。第2パッドグループ(PG2)は、偶数番目の画素領域(PA)内にで 第1方向(X)に沿って連続的または順次に配置された第1ゲートパッド(GP1)、第1データパッド(DP1)、第1リファレンス電圧パッド(RVP1)、第1データパッド(DP1)、および第1画素駆動電源パッド(PPP1)を含むことができる。
【0148】
本明細書の一実施例に係る基板100は、複数の補助電圧ライン(SVL)、および複数の補助ライン連結部(SLCP)をさらに含むことができる。
【0149】
複数の補助電圧ライン(SVL)のそれぞれは、第2方向(Y)に沿って長く延長され、複数の画素共通電圧ライン(CVL)のそれぞれに隣接して配置され得る。複数の補助電圧ライン(SVL)のそれぞれは、第1画素共通電圧パッド(CVP)と電気的に連結(または接触)されずに隣接した画素共通電圧ライン(CVL)に電気的に連結(または接触)されることで、隣接した画素共通電圧ライン(CVL)から画素共通電圧を受けることができる。このために、本明細書による基板100は、互いに隣接した画素共通電圧ライン(CVL)と補助電圧ライン(SVL)を電気的に連結(または接触)する複数のライン連結パターン(LCP)をさらに含むことができる。
【0150】
複数のライン連結パターン(LCP)のそれぞれは、互いに隣接した画素共通電圧ライン(CVL)と補助電圧ライン(SVL)を交差または重畳するように、基板100上に配置され、ラインジャンピング構造を介して互いに隣接した画素共通電圧ライン(CVL)と補助電圧ライン(SVL)を電気的に連結(または接触)することができる。例えば、複数のライン連結パターン(LCP)のそれぞれの一側は、補助電圧ライン(SVL)上の絶縁層に形成された第1ラインコンタクトホールを介して補助電圧ライン(SVL)の一部と電気的に連結(または接触)され、複数のライン連結パターン(LCP)のそれぞれの他側は、画素共通電圧ライン(CVL)上の絶縁層に形成された第2ラインコンタクトホールを介して画素共通電圧ライン(CVL)の一部と電気的に連結(または接触)され得る。
【0151】
複数の補助ライン連結部(SLCP)のそれぞれは、複数の補助電圧ライン(SVL)のそれぞれと重畳される複数の画素(P)間で共通電極(CE)を、複数の補助電圧ライン(SVL)のそれぞれに電気的に連結(または接触)させる。例えば、複数の補助ライン連結部(SLCP)のそれぞれは、共通電極(CE)を複数の補助電圧ライン(SVL)のそれぞれの1つに電気的に連絡することができる。一実施例に係る複数の補助ライン連結部(SLCP)のそれぞれは、第2方向(Y)を基準に、複数の画素(P)との間、または複数の画素とも間の境界部で複数の補助電圧ライン(SVL)のそれぞれと電気的(または接触)に連結され、共通電極(CE)の一部と電気的に連結(または接触)されることで、共通電極(CE)を複数の補助電圧ライン(SVL)のそれぞれと電気的に連結(または接触)させることができる。これにより、共通電極(CE)は、複数の補助ライン連結部(SLCP)を介して、複数の補助電圧ライン(SVL)のそれぞれと追加で連結され得る。これにより、本明細書の一実施例に係る発光表示装置は、表示部(AA)に配列された各画素の(P)に供給される画素共通電圧の偏差に因る画質不良がさらに防止されるか、またはさらに最小化され得る。そして、本明細書の一実施例に係る発光表示装置は、複数の補助電圧ライン(SVL)のそれぞれに連結される第1画素共通電圧パターン(CVP1)を追加で配置(または形成)しなくても、画素共通電圧ライン(CVL)と複数のライン連結パターン(LCP)のそれぞれを介して、複数の補助電圧ライン(SVL)のそれぞれに画素共通電圧を供給することができる。
【0152】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置10または基板100は、封止層をさらに含むことができる。
【0153】
封止層は、発光素子層を囲むように実現され得る。封止層は、発光素子層とダム部104および分離部105上に配置された第1無機封止層(または第1封止層)、第1無機封止層上に配置された第2無機封止層(または第3封止層)、およびダム部104によって定義される封止領域上に配置された第1無機封止層と第2無機封止層の間に介在された有機封止層(または第2封止層)を含むことができる。
【0154】
有機封止層は、発光素子層の前面(または上面)を覆って基板100の先端の方に流れることができ、このような有機封止層の拡散(または流れ)は、ダム部104によって遮断され得る。ダム部104は、有機封止層の配置領域(または封止領域)を定義するか、または限定することができ、さらに有機封止層の拡散またはオーバーフロー(over flow)を遮断するか、または防止することができる。
【0155】
図6は、図1および図4に示したゲート駆動回路を示す図である。
【0156】
図1図4、および図6を参照すると、本明細書の一実施例に係るゲート駆動回路150は、基板100の表示部(AA)内に実現(または内蔵)され得る。ゲート駆動回路150は、第1パッド部110とゲート制御ライン(GCL)を介して供給されるゲート制御信号に基づいて、スキャン信号を生成して、複数のゲートライン(GL)に順に供給することができる。
【0157】
ゲート制御ライン(GCL)は、スタート信号ライン、複数のシフトクロックライン、少なくとも1つのゲート駆動電圧ライン、および少なくとも1つのゲート共通電圧ラインを含むことができる。ゲート制御ライン(GCL)は、第2方向(Y)に沿って長く延長され、第1方向(X)に沿って予め設定されるか、または選択された間隔を有するように、基板100の表示部(AA)上に配置され得る。例えば、ゲート制御ライン(GCL)は、第1方向(X)に沿って少なくとも1つの画素(P)との間に配置され得る。例えば、ゲート制御ライン(GCL)は、第1方向(X)に沿って隣接した少なくとも一対の画素(P)との間に配置され得る。
【0158】
ゲート駆動回路150は、複数のステージ回路1501~150mを含むシフトレジスタで実現され得る。
【0159】
複数のステージ回路1501~150mのそれぞれは、第1方向(X)に沿って基板100の第1面上の各水平ラインに個別に配置され、第2方向(Y)に沿って互いに従属的に連結され得る。例えば、複数のステージ回路1501~150mのそれぞれは、基板100の水平ラインのそれぞれの1つに配置され得る。複数のステージ回路1501~150mのそれぞれは、第1パターン部110とゲート制御ライン(GCL)を介して供給されるゲート制御信号に応答して予め設定されるか、または選択された順序に従ってスキャン信号を生成して、該当するゲートライン(GL)に供給することができる。
【0160】
複数のステージ回路1501~150mのそれぞれは、複数のブランチ回路1511~151nおよびブランチネットワーク153を含むことができる。
【0161】
複数のブランチ回路1511~151nのそれぞれは、ブランチネットワーク153を介してゲート制御ライン(GCL)に選択的に連結され、ブランチネットワーク153を介して互いに電気的に連結(または接触)され得る。このような複数のブランチ回路1511~151nのそれぞれは、ゲート制御ライン(GCL)を介して供給されるゲート制御信号とブランチネットワーク153の電圧によってスキャン信号を生成して、該当するゲートライン(GL)に供給ことができる。
【0162】
複数のブランチ回路1511~151nのそれぞれは、1つのステージ回路1501~150mを構成する複数のTFTのうちの少なくとも1つのTFT(またはブランチTFT)を含むことができる。複数のブランチ回路1511~151nのうちのいずれか1つは、ゲートライン(GL)に連結されたプルアップTFTを含むことができる。複数のブランチ回路1511~151nのうちの他の1つは、ゲートライン(GL)に連結されたプルダウンTFTを含むことができる。
【0163】
一実施例に係る複数のブランチ回路1511~151nのそれぞれは、基板100の各水平ラインで、隣接した2つの画素(P)間の回路領域に配置されるか、または隣接した少なくとも2つの画素(P)間の回路領域に配置され得るが、これに限定されない。例えば、複数のブランチ回路1511~151nのそれぞれは、1つのステージ回路1501~150mを構成するTFTの個数と1つの水平ラインに配置された画素(P)の個数によって、隣接した少なくとも1つの画素(P)間の回路領域(または境界部)に配置され得る。例えば、複数のブランチ回路1511~151nのそれぞれは、隣接した少なくとも一対の画素(P)間の回路領域(または境界部)に配置され得る。
【0164】
ブランチネットワーク153は、基板100の各水平ラインに配置され、複数のブランチ回路1511~151nを互いに電気的に連結(または接触)することができる。ブランチネットワーク153は、複数の制御ノードラインと複数のネットワークラインを含むことができる。
【0165】
複数の制御ノードラインは、基板100の各水平ラインに配置され、1つの水平ライン上で複数のブランチ回路1511~151nと選択的に連結され得る。例えば、複数の制御ノードラインは、基板100の各水平ラインに配置されている画素領域のうち、上側の縁領域(または下側の縁領域)に配置され得るが、これに限定されない。
【0166】
複数のネットワークラインは、基板100に配置されたゲート制御ライン(GCL)と選択的に連結され、複数のブランチ回路1511~151nと選択的に連結され得る。例えば、複数のネットワークラインは、ゲート制御ライン(GCL)から供給されるゲート制御信号を、該当するブランチ回路1511~151nに供給し、複数のブランチ回路1511~151n間の信号を伝達することができる。
【0167】
このように、本明細書の実施例に係ると、ゲート駆動回路150が、基板100の表示部(AA)内に配置されるため、最外郭画素領域(PAo)の中心部と基板100の外側面(OS)との間の第2間隔(D2)は、隣接した画素領域(PA)との間の第1間隔(または画素ピッチ)(D1)の半分以下を有することができる。例えば、ゲート駆動回路150が、基板100の表示部(AA)内に配置されずに、基板100の縁部分に配置されるとき、第2間隔(D2)は、第1間隔(D1)の半分以下を有することができない。したがって、本明細書の実施例に係る発光表示装置は、ゲート駆動回路150が、基板100の表示部(AA)内に配置されることにより、第2間隔(D2)が第1間隔(D1)の半分以下で実現され得、さらにベゼル領域がないか、またはゼロ化されたベゼルを有するエアーベゼル(air-bezel)構造を有することができる。
【0168】
図7は、本明細書の一実施例に係る複数のスイッチング回路部を説明するための図であり、図8は、図7に示す第1パッド部、1つのスイッチング回路部およびダム部を示す図である。図7および図8は、本明細書の実施例に係るルーティング部に配置されたルーティングラインの抵抗をセンシングするためのスイッチング回路部およびこれに関連した構成を概略的に示すものである。
【0169】
図1図7、および図8を参照すると、本明細書の一実施例に係る発光表示装置10で、複数のスイッチング回路部170のそれぞれは、ダム部104と重畳されるように配置され、第1パッド部110、ルーティング部400、第2パッド部210、リンクライン部250、および第3パッド部230を介して駆動回路部500と連結され得る。複数のスイッチング回路部170のそれぞれは、駆動回路部500から供給されるスイッチング制御信号に応じて駆動(またはスイッチング)されるように構成され得る。
【0170】
ダム部104は、第1~第3ダム104-1、104-2、104-3を含むことができ、分離部105は、第1~第3ダム104-1、104-2、104-3の間に配置された第1および第2分離構造物105-1、105-2を含むことができる。
【0171】
第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれは、表示部を取り囲むように平面上で閉ループライン形状(または連続的なライン形状または閉ループ形状)を有するように互いに平行に実現され得る。第1ダム104-1は、第2ダム104-2を取り囲むように配置され、第2ダム104-2は、第3ダム104-3を取り囲むように配置され得る。
【0172】
第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれは、金属ライン104mを含むことができる。金属ライン104mは、ダム部104の内部に内装されるか、または実現されることで、平面上でダム部104と同じ閉ループライン形状(または連続的なライン形状または閉ループ形状)を有することができる。
【0173】
第1および第2分離構造物105-1、105-2のそれぞれは、平面上で閉ループライン形状(または連続的なライン形状または閉ループ形状)を有するように互いに平行に実現され得る。第1分離構造物105-1は、第1ダム104-1と第2ダム104-2との間に配置され得る。第2分離構造物105-2は、第2ダム104-2と第3ダム104-3との間に配置され得る。第1分離構造物105-1および第2分離構造物105-2のそれぞれは、複数の画素駆動ラインと交差することができる。
【0174】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置10において、第1パッド部110は、第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112c、および第1~第3パッド連結ライン176、177、178をさらに含むことができる。
【0175】
第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cのそれぞれは複数の第1パッドの間に配置され得る。例えば、第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cのそれぞれは、図4で説明した第1パッドグループ(PG1)と第2パッドグループ(PG2)との間の領域に1つずつ配置され得る。第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cのそれぞれは、検査モードで、フレキシブル回路フィルム510、第3パッド部230、リンクライン部250、第2パッド部210、およびルーティング部400を介して、駆動集積回路530から該当スイッチング制御信号を受信することができる。
【0176】
本明細書の一実施例によれば、第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cのそれぞれは、第1パッド部110に一定の間隔で配置され、画素駆動ラインに連結されていない複数の前面ダミーパッドのうちので選択され得る。例えば、第1パッド部110は、複数の前面パッドを含み、複数の前面パッドは、複数の第1データパッド(DP1)、複数の第1ゲートパッド(GP1)、複数の第1画素駆動電源パッド(PPP1)、複数の第1レファレンス電圧パッド(RVP1)、複数の第1画素共通電圧パッド(CVP1)、および第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cを含むか、または区分(または分類)され得る。
【0177】
第1パッド連結ライン176は、第1前面センシング制御パッド112aおよび第1ダム104-1の金属ライン104mと電気的に結合されるように構成され得る。第1パッド連結ライン176は、第1前面センシング制御パッド112aと重畳し、第1ダム104-1の金属ライン104mと交差または重畳するように第2方向(Y)に沿って長く延びることができる。例えば、第1パッド連結ライン176の一側(または一端)は、パッドコンタクトホールを介して第1前面センシング制御パッド112aと電気的に連結され得る。第1ダム104-1の金属ライン104mは、ビアホール176hを介して第1パッド連結ライン176の他側(または他側の端)と電気的に連結され得る。これにより、検査モードで、駆動集積回路530から第1前面センシング制御パッド112aに供給される第1スイッチング制御信号は、第1パッド連結ライン176を介して第1ダム104-1の金属ライン104mに供給され得る。
【0178】
第2パッド連結ライン177は、第2前面センシング制御パッド112bおよび第2ダム104-2の金属ライン104mと電気的に結合されるように構成され得る。第2パッド連結ライン177は、第2前面センシング制御パッド112bと重畳し、第2ダム104-2の金属ライン104mと交差または重畳するように第2方向(Y)に沿って長く延びることができる。例えば、第2パッド連結ライン177の一側(または一端)は、パッドコンタクトホールを介して第2前面センシング制御パッド112bと電気的に連結され得る。第2ダム104-2の金属ライン104mは、ビアホール177hを介して第2パッド連結ライン177の他側(または他側の端)と電気的に連結され得る。これにより、検査モードで、駆動集積回路530から第2前面センシング制御パッド112bに供給される第2スイッチング制御信号は、第2パッド連結ライン177を介して第2ダム104-2の金属ライン104mに供給され得る。
【0179】
第3パッド連結ライン178は、第3前面センシング制御パッド112cおよび第3ダム104-3の金属ライン104mと電気的に結合されるように構成され得る。第3パッド連結ライン178は、第3前面センシング制御パッド112cと重畳し、第3ダム104-3の金属ライン104mと交差するように第2方向(Y)に沿って長く延びることができる。例えば、第3パッド連結ライン178の一側(または一端)は、パッドコンタクトホールを介して第3前面センシング制御パッド112cと電気的に連結され得る。第3ダム104-3の金属ライン104mは、ビアホール178hを介して第3パッド連結ライン178の他側(または他側の端)と電気的に連結され得る。よって、検査モードで、駆動集積回路530から第3前面センシング制御パッド112cに供給される第3スイッチング制御信号は第3パッド連結ライン178を介して第3ダム104-3の金属ライン104mに供給され得る。
【0180】
複数のスイッチング回路部170のそれぞれは、基板100の第1縁部分または最外郭画素(Po)の第1縁部分に沿って配置され得る。複数のスイッチング回路部170のそれぞれは、複数の最外郭画素(Po)のそれぞれに配置される(または含まれる)ように構成され得る。複数のスイッチング回路部170のそれぞれは、ダム部104と重畳するように配置され得る。複数のスイッチング回路部170のそれぞれは、ダム部104と重畳するようにダム部104と基板100の外側面との間に配置されることができ、これにより複数のスイッチング回路部170によるベゼル幅の増加が防止され得る。
【0181】
本明細書の一実施例に係る複数のスイッチング回路部170のそれぞれは、第1~第3スイッチング回路171、172、173を含むことができる。
【0182】
第1~第3スイッチング回路171、172、173は、第1~第3ダム104-1、104-2、104-3と個別的に重畳されるように配置され得る。例えば、第1スイッチング回路171は、第1ダム104-1と重畳されるか、または第1ダム104-1の下に配置され得る。第2スイッチング回路172は、第2ダム104-2と重畳されるか、または第2ダム104-2の下に配置され得る。第3スイッチング回路173は、第3ダム104-3と重畳されるか、または第3ダム104-3の下に配置され得る。
【0183】
第1~第3スイッチング回路171、172、173のそれぞれは、ゲート電極(Sg)、第1電極(Se1)(または第1ソース/ドレイン電極)、および第2電極(Se2)(または第2ソース/ドレイン電極)を含むTFTであり得る。このような構成を有する第1~第3スイッチング回路171、172、173のそれぞれは、画素回路の駆動TFT(Tdr)とともに形成され得る。
【0184】
第1スイッチング回路171は、検査モードで、1つの画素領域(PA)に配置された2個のデータライン(DLo、DLe)のうちの第1データライン(または奇数番目データライン)(DLo)に連結されたデータルーティングラインのライン抵抗およびレファレンス電圧ライン(RL)に連結されたレファレンスルーティングラインのライン抵抗をセンシングすることができるように構成され得る。第1スイッチング回路171は、1つの画素領域(PA)に配置された第1データライン(DLo)、レファレンス電圧ライン(RL)および第1ダム104-1の金属ライン104mに電気的に連結され得る。第1スイッチング回路171は、検査モードで、第1ダム104-1の金属ライン104mを介して供給される第1スイッチング制御信号に応じてターンオンされることで、第1データライン(DLo)を介して供給される検査信号をレファレンス電圧ライン(RL)に出力することができる。
【0185】
第1スイッチング回路171のゲート電極(Sg)は、第1ダム104-1の金属ライン104mと重畳されるか、または第1ダム104-1の金属ライン104mの下に配置されることができ、第1制御ラインコンタクトホール(CLh1)を介して第1ダム104-1の金属ライン104mと電気的に結合され得る。例えば、第1ダム104-1の金属ライン104mは、第1スイッチング制御ラインであり得る。
【0186】
第1スイッチング回路171の第1電極(Se1)は、1つの画素領域(PA)に配置された2個のデータライン(DLo、DLe)のうちの第1データライン(または奇数番目データライン)(DLo)と電気的に結合され得る。第1スイッチング回路171の第1電極(Se1)は、第1データライン(DLo)と重畳されるか、または交差するように延長され、第1コンタクトホール(CH1)を介して第1データライン(DLo)に電気的に結合され得る。
【0187】
第1スイッチング回路171の第2電極(Se2)は、1つの画素領域(PA)に配置されたレファレンス電圧ライン(RL)と電気的に結合され得る。例えば、第1スイッチング回路171の第2電極(Se2)は、レファレンス電圧ライン(RL)と重畳されるか、または交差するように延長され、第2コンタクトホール(CH2)を介してレファレンス電圧ライン(RL)と電気的に結合され得る。例えば、レファレンス電圧ライン(RL)は、第1スイッチング回路171のターンオンの際、センシングラインとして使用され得る。
【0188】
第2スイッチング回路172は、検査モードで、1つの画素領域(PA)に配置された2個のデータライン(DLo、DLe)のうちの第2データライン(または偶数番目データライン)(DLe)に連結されたデータルーティングラインのライン抵抗およびレファレンス電圧ライン(RL)に連結されたレファレンスルーティングラインのライン抵抗をセンシングすることができるように構成され得る。第2スイッチング回路172は、1つの画素領域(PA)に配置された第2データライン(DLe)、レファレンス電圧ライン(RL)および第2ダム104-2の金属ライン104mに電気的に連結され得る。第2スイッチング回路172は、検査モードで、第2ダム104-2の金属ライン104mを介して供給される第2スイッチング制御信号に応じてターンオンされることで、第2データライン(DLe)を介して供給される検査信号をレファレンス電圧ライン(RL)に出力することができる。
【0189】
第2スイッチング回路172のゲート電極(Sg)は、第2ダム104-2の金属ライン104mと重畳されるか、または第2ダム104-2の金属ライン104mの下に配置されることができ、第2制御ラインコンタクトホール(CLh2)を介して第2ダム104-2の金属ライン104mと電気的に結合され得る。例えば、第2ダム104-2の金属ライン104mは、第2スイッチング制御ラインであり得る。
【0190】
第2スイッチング回路172の第1電極(Se1)は、1つの画素領域(PA)に配置された2個のデータライン(DLo、DLe)のうちの第2データライン(または偶数番目データライン)(DLe)と電気的に結合され得る。例えば、第2スイッチング回路172の第1電極(Se1)は、第2データライン(DLe)と重畳されるか、または交差するように延長され、第1コンタクトホール(CH1)を介して第2データライン(DLe)に電気的に結合され得る。
【0191】
第2スイッチング回路172の第2電極(Se2)は、1つの画素領域(PA)に配置されたレファレンス電圧ライン(RL)と電気的に結合され得る。例えば、第2スイッチング回路172の第2電極(Se2)は、レファレンス電圧ライン(RL)と重畳されるか、または交差するように延長され、第2コンタクトホール(CH2)を介してレファレンス電圧ライン(RL)と電気的に結合され得る。例えば、レファレンス電圧ライン(RL)は、第2スイッチング回路172のターンオンの際、センシングラインとして使用され得る。
【0192】
第3スイッチング回路173は、検査モードで、1つの画素領域(PA)に配置された第1データライン(DLo)および第2データライン(DLe)のそれぞれに連結された2個のデータルーティングラインに対するライン抵抗をセンシングすることができるように構成され得る。第3スイッチング回路173は、1つの画素領域(PA)に配置された第1データライン(DLo)、第2データライン(DLe)および第3ダム104-3の金属ライン(104m)に電気的に連結され得る。第3スイッチング回路173は、検査モードで、第3ダム104-3の金属ライン104mを介して供給される第3スイッチング制御信号に応じてターンオンされることで、第1データライン(DLo)を介して供給される検査信号を第2データライン(DLe)に出力することができる。
【0193】
第3スイッチング回路173のゲート電極(Sg)は、第3ダム104-3の金属ライン104mと重畳されるか、または第3ダム104-3の金属ライン104mの下に配置されることができ、第3制御ラインコンタクトホール(CLh3)を介して第3ダム104-3の金属ライン104mと電気的に結合され得る。例えば、第3ダム104-3の金属ライン104mは、第3スイッチング制御ラインであり得る。
【0194】
第3スイッチング回路173の第1電極(Se1)は、第1データライン(DLo)と電気的に結合され得る。例えば、第3スイッチング回路173の第1電極(Se1)は、第1データライン(DLo)と重畳されするか、または交差するように延長され、第1コンタクトホール(CH1)を介して第1データライン(DLo)に電気的に結合され得る。
【0195】
第3スイッチング回路173の第2電極(Se2)は、第2データライン(DLe)と電気的に結合され得る。例えば、第3スイッチング回路173の第2電極(Se2)は、第2データライン(DLe)と重畳されするか、または交差するように延長され、第2コンタクトホール(CH2)を介して第2データライン(DLe)に電気的に結合され得る。
【0196】
図9は、図2および図8に示す線I-I’についての断面図であり、図10は、図9に示す「B2」の拡大図であり、図11は、図9に示す「B3」の拡大図であり、図12は、図2および図8に示す線II-II’についての断面図である。図9図12は、本明細書の実施例に係るダム部および複数のスイッチング回路部などを含む最外郭画素の断面構造を概略的に示すので、以下の説明では図1図8で説明した構成と同じ構成についての説明は省略するか、または簡略にする。
【0197】
図2、および図8図12を参照すると、本明細書の実施例に係る発光表示装置(または発光表示パネル)10は、基板100、配線基板200、結合部材300、およびルーティング部400をさらに含むことができる。
【0198】
本明細書の実施例に係る基板100は、回路層101、複数のスイッチング回路部170、平坦化層102、発光素子層(EDL)、バンク103、ダム部104、および封止層106を含むことができる。
【0199】
回路層101は、基板100上に配置され得る。回路層101は、画素アレイ層またはTFTアレイ層と表現され得る。
【0200】
一実施例に係る回路層101は、バッファー層101aおよび回路アレイ層101bを含むことができる。
【0201】
バッファ層101aは、TFTの製造工程のうちの高温工程時、基板100に含まれる水素などの物質が回路アレイ層101bに拡散することを遮断する役割をする。また、バッファ層101aは、外部の水分や湿気が発光素子層(EDL)の方に浸透することを防止する役割もすることができる。例えば、バッファ層101aは、無機物質からなることができる。
【0202】
回路アレイ層101bは、バッファ層101a上の各画素領域(PA)に配置された駆動TFT(Tdr)を有する画素回路(PC)、複数のスイッチング回路部170、およびパッシベーション層(PAS)を含むことができる。
【0203】
各画素領域(PA)の回路領域に配置された駆動TFT(Tdr)は、活性層(ACT)、ゲート絶縁膜(GI)、ゲート電極(GE)、第1電極(SD1)、および第2電極(SD2)を含むことができる。
【0204】
活性層(ACT)は、各画素領域(PA)上のバッファ層101a上に配置され得る。活性層(ACT)は、ゲート電極(GE)と重畳されるチャネル領域、およびチャネル領域を挟んで互いに平行な第1電極コンタクト領域と第2電極コンタクト領域を含むことができる。活性層(ACT)は、導体化工程(例えば、活性層(ACT)の物質を導電化する工程)によって導体化されることにより、表示部(AA)内でライン間を直接に連結(または接触)するか、または互いに異なる層に配置されたラインを電気的に連結(または接触)するジャンピング構造物のブリッジラインとして使用され得る。
【0205】
ゲート絶縁膜(GI)は、活性層(ACT)のチャネル領域上に配置され得る。ゲート絶縁膜(GI)は、活性層(ACT)とゲート電極(GE)を絶縁させることができる。
【0206】
ゲート電極(GE)は、ゲート絶縁膜(GI)上に配置され、ゲートライン(GL)と連結され得る。ゲート電極(GE)は、ゲート絶縁膜(GI)を間に置いて、活性層(ACT)のチャネル領域と重畳し得る。ゲート電極(GE)および活性層(ACT)は、層間絶縁層(ILD)によって覆われることができる。
【0207】
層間絶縁層(ILD)は、ゲート電極(GE)と活性層(ACT)を覆うように基板100上に配置され得る。例えば、層間絶縁層(ILD)は、無機物質からなることができる。一実施例に係る層間絶縁層(ILD)は、シリコン酸化膜(SiOx膜)、シリコン窒化膜(SiNx膜)、シリコン酸質化膜(SiONx膜)、チタン酸化膜(TiOx膜)、およびアルミニウム酸化膜(AlOx膜)のいずれかの単層構造またはこれらの積層構造を含むことができるが、これに限定されるものではない。例えば、層間絶縁層(ILD)は、絶縁層または第1絶縁層と表現され得る。
【0208】
第1電極(SD1)は、活性層(ACL)の第1電極コンタクト領域と重畳される層間絶縁層(ILD)上に配置され、層間絶縁層(ILD)に配置された第1ビアホールを介して活性層(ACL)の第1電極コンタクト領域と電気的に連結(または接触)され得る。例えば、第1電極(SD1)は、駆動TFT(Tdr)のソース電極であり、活性層(ACL)の第2電極コンタクト領域は、ソース領域であり得る。
【0209】
第2電極(SD2)は、活性層(ACL)の第2電極コンタクト領域と重畳される層間絶縁層(ILD)上に配置され、層間絶縁層(ILD)に配置された第2ビアホールを介して活性層(ACL)の第2電極コンタクト領域と電気的に連結(または接触)され得る。例えば、第2電極(SD2)は、駆動TFT(Tdr)のドレイン電極であり、活性層(ACL)の第2電極コンタクト領域は、ドレイン領域であり得る。
【0210】
図5に示すように、画素回路(PC)を構成する第1および第2スイッチングTFT(Tsw1、Tsw2)のそれぞれは、駆動TFT(Tdr)とともに形成されるので、これについての説明は省略することができる。
【0211】
複数のスイッチング回路部170は、最外郭画素(Po)の縁部分(MA3)に形成され得る。複数のスイッチング回路部170は、第1~第3スイッチング回路171、172、173を含むことができる。このような構成を有する第1~第3スイッチング回路171、172、173、は駆動TFT(Tdr)とともに形成されるので、これについての説明は省略することができる。
【0212】
一実施例に係る回路層101は、基板100とバッファ層101aとの間に配置された下部金属層(BML)をさらに含むことができる。下部金属層(BML)は、画素回路(PC)を構成するTFT(Tdr、Tsw1、Tsw2)の活性層(ACT)の下に配置された遮光パターン(LSP)を含むことができる。
【0213】
遮光パターン(LSP)は、基板100と活性層(ACT)の間に島形状で配置され得る。遮光パターン(LSP)は、基板100を介して活性層(ACT)の方に入射する光を遮断することにより、外部光によるTFTのしきい値電圧の変化を最小限に抑え、または防止する。選択的に、遮光パターン(LSP)は、TFTの第1電極(SD1)に電気的に連結されることで、該当するTFTの下部ゲート電極の役割をすることもでき、この場合、光による特性変化だけでなく、バイアス電圧によるTFTのしきい値電圧の変化を最小化ないし防止することができる。
【0214】
下部金属層(BML)は、ゲートライン(GL)、データライン(DL)、画素駆動電源ライン(PL)、画素共通電圧ライン(CVL)、およびリファレンス電圧ライン(RL)のうちの互いに並んで配置されるラインとして使用され得る。例えば、下部金属層(BML)は、基板100上に配置される画素駆動ライン(DL、GL、PL、CVL、RL、GCL)のうちの第2方向(Y)と並んで配置されるラインとして使用され得る。
【0215】
パッシベーション層(PAS)は、駆動TFT(Tdr)を含む画素回路(PC)を覆うように基板100上に配置され得る。パッシベーション層(PAS)は、各副画素領域(SPA)に配置された駆動TFT(Tdr)を覆う回路層101の最上層であり得るが、これに限定されるものではない。パッシベーション層(PAS)は、層間絶縁層(ILD)と同じか異なる無機物質からなることができる。例えば、パッシベーション層(PAS)は、シリコン酸化膜(SiOx膜)、シリコン窒化膜(SiNx膜)、シリコン酸質化膜(SiONx膜)、チタン酸化膜(TiOx膜)、およびアルミニウム酸化膜(AlOx膜)のいずれかの単層構造またはこれらの積層構造を含むことができる。例えば、ファシベーション層(PAS)は、保護層、回路保護層、回路絶縁層、無機絶縁層、第1無機絶縁層、または第2絶縁層などの用語で表現され得る。
【0216】
平坦化層102は、パッシベーション層(PAS)が配置されている基板100上に配置され、パッシベーション層(PAS)上に平坦面を提供することができる。例えば、パッシベーション層(PAS)は、層間絶縁層(ILD)と平坦化層102との間に配置され得る。
【0217】
平坦化層102は、基板100の縁部分に配置されたパッシベーション層(PAS)の縁部分を除いて残った回路層101を覆うように形成され得る。例えば、平坦化層102は、基板100と発光素子層(EDL)との間に配置されるか、または発光素子層(EDL)の下に配置され得る。一実施例に係る平坦化層102は、有機物質からなることができるが、これに限定されるものではない。例えば、平坦化層102は、アクリル系樹脂(acrylic-based resin)、エポキシ樹脂(epoxy-based resin)、フェノール樹脂(phenolic-based resin)、ポリアミド系樹脂(polyamide-based resin)、またはポリイミド系樹脂(polyimide-based resin)などの有機物質からなり得るが、これに限定されない。
【0218】
発光素子層(EDL)は、平坦化層102上に配置され得る。一実施例に係る発光素子層(EDL)は、画素電極(PE)、自発光素子(ED)、および共通電極(CE)を含むことができる。「自発光素子」という用語は、電圧が印加されたときに光を出力する層を含んでいることを理解しなければならない。画素電極(PE)および共通電極(CE)と接触する発光層、すなわち自発光層の任意の部分を指すことができる。一般的に、これは、図9に示すように、画素内に3つの層が存在し、バンク103が存在しないすべての領域を含むことができる。
【0219】
画素電極(PE)は、反射電極、下部電極、自発光素子(ED)のアノード電極または第1電極と表現することもできる。画素電極(PE)は、各副画素(SP)の発光領域(EA)と重畳される平坦化層102上に配置され得る。画素電極(PE)は、画素回路(PC)の少なくとも一部または全部と重畳されるように配置され得る。
【0220】
画素電極(PE)は、画素回路(PC)の少なくとも一部または全部と重畳されるように発光領域(EA)に配置された複数の画素分割電極(PEa、PEb)を含むことができるが、これに限定されず、画素回路(PC)の少なくとも一部または全部と重畳されるように発光領域(EA)に単一体で形成された単一電極構造を含むことができる。
【0221】
本明細書の一実施例に係る画素電極(PE)は、発光領域(EA)の一側領域に配置された第1画素分割電極(PEa)および発光領域(EA)の他側領域に配置された第1画素分割電極(PEa)を含むことができる。複数の画素分割電極(PEa、PEb)は、該当発光領域(EA)(または副画素領域(SPA))内で互いに離隔されるように配置され得る。複数の画素分割電極(PEa、PEb)のそれぞれの一側は、駆動TFT(Tdr)の第1電極(SD1)上に延長(または突出)され、電極コンタクトホール(ECH)を介して駆動TFT(Tdr)の第1電極(SD1)に共通して連結され得る。例えば、複数の画素分割電極(PEa、PEb)のそれぞれは、発光領域(EA)(または副画素領域(SPA))内に配置された電極コンタクトホール(ECH)から分岐され得る。
【0222】
複数の画素分割電極(PEa、PEb)は、製造工程中に異物などによる不良発生の際、該当副画素のリペア(または正常化)のために実現され得る。例えば、複数の画素分割電極(PEa、PEb)のうちの第1画素分割電極(PEa)で異物による不良が発生する場合、リペア工程では第1画素分割電極(PEa)の延長部をカットして駆動TFT(Tdr)の第1電極(SD1)と第1画素分割電極(PEa)との電気的に連結(または接触)を分離させることで、第1画素分割電極(PEa)を除いて残った画素分割電極(PE)bを介して該当副画素をリペア(または正常化)することができる。
【0223】
画素電極(PE)は、少なくとも2層以上の画素電極層(PEL1、PEL2)の積層構造を含むことができる。例えば、少なくとも2層以上の画素電極層(PEL1、PEL2)のそれぞれは、ITO、IZO、Al、Ag、Mo、Ti、MoTi、およびCuのうちから選択される少なくとも1種の材料からなることができる。例えば、少なくとも2層以上の画素電極層(PEL1、PEL2)は、平坦化層102上に順次蒸着された後、同時にパターニングされることができるが、これに限定されない。
【0224】
本明細書の一実施例に係る画素電極(PE)は、平坦化層102上に配置された第1画素電極層(PEL1)(または第1金属層)、および第1画素電極層(PEL1)上に配置(または積層)された第2画素電極層(PEL2)(または第2金属層)を含む2層構造を有することができる。第1および2画素電極層(PEL1、PEL2)は、平坦化層102上に順次蒸着された後、同時にパターニングされることができるが、これに限定されない。
【0225】
第1画素電極層(PEL1)は、平坦化層102に対する接着層の役割および自発光素子(ED)の補助電極の役割を果たすことができ、ITO材料またはIZO材料からなることができる。第2画素電極層(PEL2)は、反射板の役割および画素電極(PE)の抵抗を減少させる役割を果たすことができ、Al、Ag、Mo、Ti、MoTi、およびCuのうちのいずれか1種の材料からなることができる。
【0226】
本明細書の他の実施例に係る画素電極(PE)は、IZO/MoTi/ITOまたはITO/MoTi/ITOの3層構造、ITO/Cu/MoTi/ITOの4層構造、またはITO/MoTi/ITO/Ag/ITOの5層構造を有することができるが、これに限定されるものではない。
【0227】
自発光素子(ED)は、基板100上に配置され得る。自発光素子(ED)は、画素電極(PE)上に形成されて画素電極(PE)と直接に接触し得る。画素電極(PE)は、自発光素子(ED)の下に配置され得る。
【0228】
自発光素子(ED)は、副画素(SP)別に区分されないように複数の副画素(SP)のそれぞれに共通的に形成される共通層であり得る。自発光素子(ED)は、画素電極(PE)と共通電極(CE)との間に流れる電流に反応して白色光(または青色光)を放出することができる。自発光素子(ED)は、有機発光素子を含むか、有機発光素子と量子ドット発光素子の積層または混合構造を含むことができる。
【0229】
有機発光素子は、白色光(または青色光)を放出するための2以上の有機発光部を含むことができる。例えば、有機発光素子は、第1光と第2光の混合により白色光を放出するための第1有機発光部と第2有機発光部を含むことができる。ここで、第1有機発光部は、青色発光層、緑色発光層、赤色発光層、黄色発光層、および黄緑色発光層のうちの少なくとも1つを含むことができる。第2有機発光部は、青色発光層、緑色発光層、赤色発光層、黄色発光層、および黄緑色発光層のうち、第1有機発光部から放出される第1光と混合して白色光を作ることができる第2光を放出するための少なくとも1つの発光層を含むことができる。
【0230】
有機発光素子は、発光効率および/または寿命などを向上させるための少なくとも1つ以上の機能層をさらに含むことができる。例えば、機能層は、発光層の上部および/または下部のそれぞれに配置され得る。
【0231】
共通電極(CE)は、基板100上に配置されて複数の副画素(SP)のそれぞれの自発光素子(ED)と直接的に連結され得る。例えば、共通電極(CE)は、カソード電極、透明電極、上部電極、陰極、または第2電極と表現され得る。共通電極(CE)は、自発光素子(ED)上に形成されて自発光素子(ED)と直接に接触されるか、または電気的に直接に接触し得る。共通電極(CE)は、自発光素子(ED)から放出される光が透過することができるように、透明導電性材質を含むことができる。
【0232】
追加的に、発光素子層(EDL)は、共通電極(CE)上に配置されたキャッピング層(capping layer)をさらに含むことができる。キャッピング層は、共通電極(CE)上に配置されて発光素子層(EDL)から発光した光の屈折率を調節して光の出光効率を向上させることができる。
【0233】
バンク103は、平坦化層102上に配置され、副画素領域(SPA)の発光領域(EA)と重畳される開口部を含むように形成され得る。バンク103は、画素電極(PE)の縁部分を覆うように平坦化層102上に配置され得る。バンク(103)は、複数の副画素(SP)のそれぞれの発光領域(または開口部)(EA)を定義し、隣接した副画素(SP)に配置された画素電極(PE)を電気的に分離することができる。バンク(103)は、各画素領域(PA)に配置された電極コンタクトホール(ECH)を覆うように形成され得る。バンク(103)は、発光素子層(EDL)の自発光素子(ED)によって覆われ得る。例えば、自発光素子(ED)は、複数の副画素(SP)のそれぞれの画素電極(PE)だけでなく、バンク(103)上にも配置され得る。
【0234】
ダム部104は、基板100の縁部分または最外郭画素(Po)の縁部分に配置され得る。ダム部104は、最外郭画素(Po)の第3マージン領域(MA3)に沿って平面上で閉ループライン形状(または連続的なライン形状または閉ループ形状)を有するように表示部(AA)の回路層101上に配置され得る。例えば、ダム部104は、形成位置によって回路層101の層間絶縁層(ILD)によって支持されるか、またはスイッチング回路部170上に配置され得る。例えば、第3マージン領域(MA3)は、ダム部104を含む領域であり得る。
【0235】
ダム部104は、基板100または最外郭画素(Po)の縁部分に配置された発光素子層(EDL)の少なくとも一部を分離させるように実現され得る。このようなダム部104は、基板100または最外郭画素(Po)の縁部分で発光素子層(EDL)を物理的に分離する機能、有機封止層の拡散または溢れ(overflow)を遮断する機能、および基板100の側面方向からの水分浸透を防止する機能を含むことができる。発光素子層(EDL)を分離するためのダム部104の構造については後述する。
【0236】
封止層106は、基板100の最外郭の縁部分を除いた残りの部分上に配置されて発光素子層(EDL)を覆うように実現され得る。封止層106は、発光素子層(EDL)の前面(front surface)および側面(lateral surface)のすべてを取り囲むように基板100上に実現され得る。例えば、封止層106は、発光素子層(EDL)の前面(front surface)と側面(lateral surface)のすべてを取り囲むように実現されることで、酸素または水分が発光素子層(EDL)に浸透することを遮断し、これにより、酸素または水分などによる発光素子層(EDL)の信頼性を向上させることができる。
【0237】
封止層106は、第1~第3封止層106a、106b、106cを含むことができる。
【0238】
第1封止層106aは、酸素または水分が発光素子層(EDL)に浸透することを遮断するように実現され得る。第1封止層106aは、共通電極(CE)上に配置され、発光素子層(EDL)を囲むことができる。これにより、発光素子層(EDL)の前面(front surface)と側面(lateral surface)のすべては、第1封止層106aによって囲まれ得る。第1封止層106aは、無機物質を含む第1無機封止層であり得る。例えば、第1封止層106aは、シリコン酸化膜(SiOx膜)、シリコン窒化膜(SiNx膜)、シリコン酸質化膜(SiONx膜)、チタン酸化膜(TiOx膜)、およびアルミニウム酸化膜(AlOx膜)のいずれかの単層構造またはこれらの積層構造を含むことができる。
【0239】
第2封止層106bは、第1封止層106aより相対的に厚い厚さを有するようにダム部104によって定義される封止領域に配置された第1封止層106a上に実現され得る。第2封止層106bは、第1封止層106a上に存在するか、または存在し得る異物(または不必要な材質や不必要な構造体)を十分に覆うことができる厚さを有することができる。第2封止層106bは、相対的に厚い厚さによって、基板100の縁部分に拡散し得るが、第2封止層106bの拡散は、ダム部104によって遮断され得る。第2封止層106bは、有機物質または液状有機物質を含むことができる。例えば、第2封止層106bは、シリコンオキシカーボン(SiOCz)アクリルまたはエポキシ系の樹脂(Resin)などの有機物質からなり得る。例えば、第2封止層106bは、異物カバー層または有機封止層などと表現され得る。
【0240】
第3封止層106cは、酸素または水分が発光素子層(EDL)に浸透することを一次的遮断するように実現され得る。第3封止層106cは、ダム部104の内側に配置された第2封止層106bとダム部104の外側に配置された第1封止層106aのすべてを取り囲むように実現され得る。一実施例に係る第3封止層106cは、第1封止層106aと同一または異なる無機物質を含むことができる。第3封止層106cは、無機物質を含む第2無機封止層であり得る。
【0241】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置10または基板100は、分離部105をさらに含むことができる。
【0242】
分離部105は、基板100の縁部分または最外郭画素(Po)の縁部分に配置されるか、または実現され得る。分離部105は、最外郭画素(Po)の第3マージン領域(MA3)内でダム部104の周辺領域に沿って平面上で閉ループライン形状(または連続的なライン形状または閉ループ形状)を有するように基板100の縁部分に配置されるか、または最外郭画素(Po)の縁部分に配置され得る。例えば、分離部105は、回路層101上に配置され、回路層101の層間絶縁層(ILD)またはバッファ層101aによって支持され得る。
【0243】
最外郭画素(Po)で、第1マージン領域(MA1)は、第3マージン領域(MA3)と発光領域(EA)との間に配置され得る。例えば、第1マージン領域MA1は、水分の側面透湿による発光素子層(EDL)の信頼性マージンに基づいて、最外郭画素(Po)の発光領域(EA)(またはバンク103)の端部とダム部104との間に配置され得る。第2マージン領域(MA2)は、第3マージン領域(MA3)と基板100の外側面(OS1a)との間に配置され得る。例えば、第2マージン領域(MA2)は、水分の側面透湿による発光素子層(EDL)の信頼性マージンに基づいて、基板100の外側面(OS1a)とダム部104との間に配置され得、第1パッド部110を含むことができる。第3マージン領域(MA3)は、第1マージン領域(MA1)と第2マージン領域(MA2)との間に配置され得、ダム部104を含むことができる。
【0244】
分離部105は、最外郭画素(Po)の縁部分に配置された自発光素子(ED)を分離させるように実現され得る。分離部105は、基板100の側面方向からの水分浸透を防止して側面透湿による自発光素子(ED)の劣化を防止するように実現され得る。分離部105は、ダム部104の周辺で発光素子層(EDL)の自発光素子(ED)を少なくとも1回分離(または断絶)させることで、側面透湿を防止することができる。このような分離部105については後述する。
【0245】
図2図4図8、および図10を参照すると、本明細書の一実施例に係る発光表示装置10または基板100は、第1パッド部110をさらに含むことができる。
【0246】
第1パッド部110は、基板100の一側縁部分に配置され、画素駆動ライン(DL、GL、PL、CVL、RL、GCL)と電気的に一対一に連結され得る。
【0247】
一実施例に係る第1パッド部110は、回路層101の内部に配置された複数の第1パッド111を含むことができる。複数の第1パッド111は、第1データパッド(DP1)、第1ゲートパッド(GP1)、第1画素駆動電源パッド(PPP1)、第1レファレンス電圧パッド(RVP1)、および第1画素共通電圧パッド(CVP1)に区分(または分類)され得る。一実施例に係る第1パッド部110は、第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112c、および第1~第3パッド連結ライン176、177、178をさらに含むことができる。
【0248】
複数の第1パッド111および第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cのそれぞれは、層間絶縁層(ILD)上に配置され、層間絶縁層(ILD)およびバッファ層101aを貫通するパッドコンタクトホール(PCH)を介して画素駆動ライン(DL、GL、PL、CVL、RL、GCL)のうちの該当ラインと電気的に連結(または接触)され得る。一実施例に係る複数の第1パッド111および第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cのそれぞれは、画素電極(PE)と同じ物質からなり、画素電極(PE)と一緒に形成され得る。他の実施例に係る複数の第1パッド111および第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cのそれぞれは、TFTのソース/ドレイン電極と同じ物質からなり、TFTのソース/ドレイン電極とともに形成され得る。
【0249】
複数の第1パッド111および第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cのそれぞれの少なくとも一部は、パッシベーション層(PAS)に形成されたパッドオープンホール(POH)を通して基板100上に露出され得る。
【0250】
図9を参照すると、本明細書の実施例に係る発光表示装置または基板100は、封止層106上に配置された波長変換層107をさらに含むことができる。
【0251】
波長変換層107は、各画素領域(PA)の発光領域(EA)から入射する白色光(または青色光)を副画素(SP)に該当するカラー光に変換させ、または副画素(SP)に該当するカラー光のみを通過させることができる。例えば、波長変換層107は、波長変換部材とカラーフィルタ層のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0252】
波長変換層107は、複数の波長変換部材107aおよび保護層107bを含むことができる。
【0253】
複数の波長変換部材107aは、各副画素(SP)の発光領域(EA)上の封止層106上に配置され得る。例えば、複数の波長変換部材107aは、各副画素(SP)の発光領域(EA)と同一または広い大きさを有することができる。複数の波長変換部材107aは、赤色の副画素(SP)の発光領域(EA)上の封止層106上に配置された赤色カラーフィルタ、緑色の副画素(SP)の発光領域(EA)上の封止層106上に配置された緑色カラーフィルタ、および青色の副画素(SP)の発光領域(EA)上の封止層106上に配置された青色カラーフィルタに区分(または分類)され得る。
【0254】
保護層107bは、波長変換部材107aを覆いながら波長変換部材107a上に平坦面を提供するように実現され得る。例えば、保護層107bは、波長変換部材107a、および波長変換部材107aが配置されない封止層106を覆うように配置され得る。一実施例に係る保護層107bは、有機物質を含むことができる。選択的に、保護層107bは、水分および/または酸素を吸着することができるゲッター(getter)材質をさらに含むことができる。
【0255】
代替的に、波長変換層107は、シート形態を有する波長変換シートに変更されて封止層106上に配置されることもできる。この場合、波長変換シート(または量子ドットシート)は、一対のフィルムの間に介在された波長変換部材107aを含むことができる。例えば、波長変換層107が副画素(SP)に設定された色の光を再放出する量子ドットを含む場合、副画素(SP)の発光素子層(EDL)は、白色光または青色光を放出するように実現され得る。
【0256】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置または基板100は、機能性フィルム108をさらに含むことができる。機能性フィルム108は、波長変換層107上に配置され得る。例えば、機能性フィルム108は、透明接着部材を介して波長変換層107上に結合され得る。一実施例に係る機能性フィルム108は、反射防止層(または反射防止フィルム)、バリア層(またはバリアフィルム)、タッチセンシング層、および光経路制御層(または光経路制御フィルム)のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0257】
反射防止層は、基板100上に配置されたTFTおよび/または画素駆動ラインによって反射されて、再び外部に進行する反射光を遮断する円偏光層(または円偏光フィルム)を含むことができる。バリア層は、水分透湿度が低い材質、例えば、ポリマー材質からなることにより、水分または酸素の浸透を1次的に防止することができる。タッチセンシング層は、相互静電容量方式または自己静電容量方式に基づくタッチ電極層を含むことにより、タッチ電極層を介して使用者のタッチに対応するタッチデータを出力することができる。光経路制御層は、高屈折層と低屈折層が交互に積層された構造を含むことにより、各画素(P)から入射する光の経路を変更して、視野角によるカラーシフト現象を最小化するか、または減少させることができる。
【0258】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置または基板100は、側面シール部材109をさらに含むことができる。
【0259】
側面シール部材109は、基板100と機能性フィルム108との間に形成され、回路層101と波長変換層107それぞれの側面すべてを覆うことができる。例えば、側面シール部材109は、機能性フィルム108と基板100との間で表示装置の外部に露出された回路層101と波長変換層107それぞれの側面すべてを覆うことができる。また、側面シール部材109は、基板100の第1パッド部110に連結されたルーティング部400の一部を覆うことができる。このような側面シール部材109は、各副画素(SP)の自発光素子(ED)から放出される光のうち、波長変換層107内で外側面の方に進行する光により側面光漏れを防止する役割をすることができる。特に、基板100の第1パッド部110と重畳される側面シール部材109は、第1パッド部110に配置された第1パッド111による外部光の反射を防止するか、または最小化するか、または減少させる役割をすることができる。選択的に、側面シール部材109は、水分および/または酸素を吸着することができるゲッター(getter)材質をさらに含むことができる。
【0260】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置では、基板100は、第1面100aと外側面(OS1a)の間の角部分に形成された第1面取り部(chamfer)100cをさらに含むことができる。第1面取り部100cは、外部からの物理的な衝撃による基板100の角部分の破損を最小限に抑えながら、基板100の角部分に沿ったルーティング部400の断線を防止する役割を兼ねることができる。例えば、第1面取り部は、45度の角度を有することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。このような第1面取り部100cは、カットホイール、研磨ホイール、またはレーザーを利用した面取り工程によって実現され得る。これにより、第1面取り部100cに接するように配置された第1パッド部110の第1パッド111の外側面は、面取り工程により、基板100の角の部分と一緒に除去され、または研磨されることにより、第1面取り部100cの角度と対応する角度で傾斜した斜面を含むことができる。例えば、第1面取り部100cは、基板100の第1面100aと外側面(OS1a)の間に45度の角度で形成される場合、第1パッド部110の第1パッド111の外側面(または一端)も45度の角度で形成され得る。
【0261】
図2図4図7、および図9を参照すると、本明細書の一実施例に係る配線基板200は、第2パッド部210、少なくとも1つの第3パッド部230、およびリンクライン部250を含むことができる。
【0262】
第2パッド部210は、第1パッド部110に配置されている複数の第1パッドのそれぞれと一対一に重畳されるように配線基板200の背面200bに配置された複数の第2パッド211を含むことができる。複数の第2パッド211は、複数の第2画素駆動電源パッド、複数の第2データパッド、複数の第2レファレンス電圧パッド、複数の第2ゲートパッド、および複数の第2画素共通電圧パッドに区分(または分類)され得る。
【0263】
複数の第2画素駆動電源パッドは、第1パッド部110に配置された複数の第1画素駆動電源パッド(PPP1)のそれぞれと重畳され得る。複数の第2データパッドは、第1パッド部110に配置された複数の第1データパッド(DP1)のそれぞれと重畳され得る。複数の第2レファレンス電圧パッドは、第1パッド部110に配置された複数の第1レファレンス電圧パッド(RVP1)のそれぞれと重畳され得る。複数の第2ゲートパッドは、第1パッド部110に配置された複数の第1ゲートパッド(GP1)のそれぞれと重畳され得る。複数の第2画素共通電圧パッドは、第1パッド部110に配置された複数の第1画素共通電圧パッド(CVP1)のそれぞれと重畳され得る。
【0264】
第2パッド部210は、第1パッド部110に配置された第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cのそれぞれと重畳される第1~第3背面センシング制御パッドをさらに含むことができる。本明細書の一実施例によれば、第1~第3背面センシング制御パッドのそれぞれは、複数の前面ダミーパッドのそれぞれと重畳される複数の背面ダミーパッドのうちから選択され得る。例えば、第2パッド部210は、複数の背面パッドを含み、複数の背面パッドは、複数の第2画素駆動電源パッド、複数の第2データパッド、複数の第2レファレンス電圧パッド、複数の第2ゲートパッド、複数の第2画素共通電圧パッド、および第1~第3背面センシング制御パッドに区分(または分類)され得る。
【0265】
少なくとも1つの第3パッド部230は、一定の間隔で互いに離隔した複数の第3パッド(または入力パッド)231を含むことができる。例えば、複数の第3パッド231は、複数の第3画素駆動電源パッド、複数の第3データパッド、複数の第3レファレンス電圧パッド、複数の第3ゲートパッド、および少なくとも1つの第3画素共通電圧パッドに区分(または分類)され得る。少なくとも1つの第3パッド部230は、駆動回路部500と結合され、駆動回路部500から供給される画素駆動電源、データ信号、レファレンス電圧、ゲート制御信号、および画素共通電圧を受信することができる。駆動回路部500は、金属ライン104mにグラウンド電圧を供給することができる。
【0266】
そして、少なくとも1つの第3パッド部230は、駆動回路部500から第1~第3スイッチング制御信号を受信する第1~第3スイッチング制御信号パッドをさらに含むことができる。
【0267】
リンクライン部250は、配線基板200の背面200bのうちの第2パッド部210と少なくとも1つの第3パッド部230との間に配置された複数のリンクラインを含むことができる。
【0268】
複数のリンクラインは、複数の画素駆動電源リンクライン、複数のデータリンクライン、複数のレファレンス電圧リンクライン、複数のゲートリンクライン、および少なくとも1つの画素共通電圧リンクラインに区分(または分類)され得る。
【0269】
複数の画素駆動電源リンクラインは、複数の第2画素駆動電源パッドのそれぞれと複数の第3画素駆動電源パッドのそれぞれに個別的(または一対一)に連結(または結合)され得る。複数のデータリンクラインは、複数の第2データパッドのそれぞれと複数の第3データパッドのそれぞれとに個別的(または一対一)に連結(または結合)され得る。複数のレファレンス電圧リンクラインは、複数の第2レファレンス電圧パッドのそれぞれと複数の第3レファレンス電圧パッドのそれぞれとに個別的(または一対一)に連結(または結合)され得る。複数のゲートリンクラインは、複数の第2ゲートパッドのそれぞれと複数の第3ゲートパッドのそれぞれとに個別的(または一対一)に連結(または結合)され得る。少なくとも1つの画素共通電圧リンクライン257は、複数の第2画素共通電圧パッドのそれぞれと少なくとも1つの第3画素共通電圧パッドとに共通して連結(または結合)され得る。
【0270】
また、リンクライン部250で、複数のリンクラインは、第1~第3センシング制御リンクラインにさらに区分(または分類)され得る。例えば、リンクライン部250は、第1~第3センシング制御リンクラインをさらに含むことができる。第1~第3センシング制御リンクラインは、第2パッド部210に配置された第1~第3背面センシング制御パッドのそれぞれと少なくとも1つの第3パッド部230に配置された第1~第3スイッチング制御信号パッドのそれぞれとに個別的(または一対一)に連結され得る。
【0271】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置または配線基板200は、金属パターン層および絶縁層を含むことができる。
【0272】
金属パターン層(または導電性パターン層)は、複数の金属層を含むことができる。金属パターン層は、第1金属層201、第2金属層203、および第3金属層205を含むことができる。絶縁層は、複数の絶縁層を含むことができる。例えば、絶縁層は、第1絶縁層202、第2絶縁層204、および第3絶縁層206を含むことができる。絶縁層は、背面絶縁層またはパターン絶縁層と表現することもできる。
【0273】
第1金属層201は、配線基板200の背面200b上に実現され得る。第1金属層201は、第1金属パターンを含むことができる。例えば、第1金属層201は、第1リンク層またはリンクライン層と表現することもできる。このような第1金属パターンは、リンクライン部250のリンクラインとして使用され得る。
【0274】
第1絶縁層202は、第1金属層201を覆うように配線基板200の背面200b上に実現され得る。一実施例に係る第1絶縁層202は、無機物質からなることができる。
【0275】
第2金属層203は、第1絶縁層202上に実現され得る。一実施例に係る第2金属層203は、第2金属パターンを含むことができる。例えば、第2金属層203は、第2リンク層、ジャンピングライン層またはブリッジライン層と表現することもできる。このような第2金属パターンは、リンクライン部のリンクラインのうちのでゲートリンクラインとして使用され得るが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、第2金属層203は、リンクライン部で、互いに異なる層または互いに異なる金属材質からなるリンクラインを電気的に連結(または接触)するためのジャンピングライン(またはブリッジライン)として使用され得る。
【0276】
選択的に、第2金属層203に配置されるリンクライン(例えば、複数の第1リンクライン)は、第1金属層201に配置され、第1金属層201に配置されるリンクライン(例えば、複数の第2リンクライン)は、第2金属層203に配置されるように変更され得る。
【0277】
第2絶縁層204は、第2金属層203を覆うように配線基板200の背面200b上に実現され得る。一実施例に係る第2絶縁層204は、無機物質からなることができる。
【0278】
第3金属層205は、第2絶縁層204上に実現され得る。一実施例に係る第3金属層205は、第3金属パターンを含むことができる。例えば、第3金属層205は、第3リンク層またはパッド電極層と表現することもできる。このような第3金属パターンは、第2パッド部210のパッドとして使用され得る。例えば、第3金属層205からなる第2パッド部210のパッドは、第1および第2絶縁層202,204に形成されたパッドコンタクトホールを通じて第1金属層201と電気的に連結され得る。
【0279】
第3絶縁層206は、第3金属層205を覆うように配線基板200の背面200b上に実現され得る。一実施例に係る第3絶縁層206は、有機物質からなることができる。例えば、第3絶縁層206は、フォトアクリル(photo acrylic)などのような絶縁材質からなることができる。このような第3絶縁層206は、第3金属層205を覆うことにより、第3金属層205の外部露出を防止することができる。第3絶縁層206は、有機絶縁層、保護層、背面保護層、有機保護層、背面コーティング層、または背面カバー層とも表現することもできる。
【0280】
ルーティング部400は、基板100の外側面(OS)のうちの第1外側面(OS1a)および配線基板200の外側面(OS)のうちの第1外側面(OS1b)のそれぞれに配置された複数のルーティングライン410を含むことができる。
【0281】
複数のルーティングライン410のそれぞれは、第1パッド部110の第1パッド111のそれぞれと第2パッド部210の第2パッド211のそれぞれとに電気的に一対一n連結され得る。複数のルーティングライン410のそれぞれは、第1パッド部分110の第1パッド111のそれぞれの1つとおよび第2パッド部210の第2パッド211のそれぞれの1つとに電気的に連絡され得る。複数のルーティングライン410は、複数の画素電源ルーティングライン、複数のデータルーティングライン、複数のレファレンス電圧ルーティングライン、複数のゲートルーティングライン、および複数の画素共通電圧ルーティングラインに分類(または区分)され得る。
【0282】
複数の画素電源ルーティングラインは、第1パッド部110に配置された複数の第1画素駆動電源パッド(PPP1)のそれぞれと第2パッド部210に配置された複数の第2画素駆動電源パッドのそれぞれとに個別的(または一対一)に連結(または結合)され得る。複数のデータルーティングラインは、第1パッド部110に配置された複数の第1データパッド(DP1)のそれぞれと第2パッド部210に配置された複数の第2データパッドのそれぞれとに個別的(または一対一)に連結(または結合)され得る。複数のレファレンス電圧ルーティングラインは、第1パッド部110に配置された第1レファレンス電圧パッド(RVP1)のそれぞれと第2パッド部210に配置された複数の第2レファレンス電圧パッドのそれぞれとに個別的(または一対一)に連結(または結合)され得る。複数のゲートルーティングラインは、第1パッド部110に配置された複数の第1ゲートパッド(GP1)のそれぞれと第2パッド部210に配置された複数の第2ゲートパッドのそれぞれとに個別的(または一対一)に連結(または結合)され得る。複数の画素共通電圧ルーティングラインは、第1パッド部110に配置された複数の第1画素共通電圧パッド(CVP1)のそれぞれと第2パッド部210に配置された複数の第2画素共通電圧パッドのそれぞれとに個別的(または一対一)に連結(または結合)され得る。
【0283】
ルーティング部400で、複数のルーティングライン410は、第1~第3センシング制御ルーティングラインにさらに分類(区分)され得る。例えば、ルーティング部400は、第1~第3センシング制御ルーティングラインをさらに含むことができる。第1~第3センシング制御ルーティングラインは、第1パッド部110に配置された第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cのそれぞれと第2パッド部210に配置された第1~第3背面センシング制御パッドのそれぞれとに個別的(または一対一)に連結(または結合)され得る。
【0284】
複数のルーティングライン410と第1~第3センシング制御ルーティングラインのそれぞれは、基板100の外側面(OS1a)および配線基板200の外側面(OS1b)を取り囲むように形成され得る。本明細書の一実施例によれば、複数のルーティングライン410と第1~第3センシング制御ルーティングラインのそれぞれは、導電性ペーストを用いたプリンティング工程により形成され得る。本明細書の他の実施例に係ると、複数のルーティングライン410と第1~第3センシング制御ルーティングラインのそれぞれは、軟性材質の転写パッドに導電性ペーストのパターンを転写して導電性ペーストのパターンを転写する転写工程によって形成され得る。例えば、導電性ペーストは、銀(Ag)ペーストを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0285】
本明細書の実施例に係る発光表示装置またはルーティング部400は、エッジコーティング層430をさらに含むことができる。
【0286】
エッジコーティング層430は、ルーティング部400を覆うように実現され得る。エッジコーティング層430は、複数のルーティングライン410と第1~第3センシング制御ルーティングラインのそれぞれを覆うように実現され得る。例えば、エッジコーティング層430は、エッジ保護層またはエッジ絶縁層であり得る。
【0287】
一実施例に係るエッジコーティング層430は、複数のルーティングライン410と第1~第3センシング制御ルーティングラインだけでなく、基板100の第1縁部分と第1外側面(OS1a)、および配線基板200の第1縁部分と第1外側面(OS1b)全体を覆うように実現され得る。エッジコーティング層430は、金属材質からなる複数のルーティングライン410と第1~第3センシング制御ルーティングラインのそれぞれの腐食や複数のルーティングライン410と第1~第3センシング制御ルーティングライン間の電気的ショートを防止することができる。また、エッジコーティング層430は、複数のルーティングライン410と第1~第3センシング制御ルーティングラインおよび第1パッド部110の第1パッド111によって外部光の反射を防止するか、または最小限に抑えることができる。エッジコーティング層430は、ブラックインクを含む光遮断物質からなり得る。エッジコーティング層430は、表示装置(または表示パネル)の最外郭側面(または側壁)を実現(または構成)することで、外部からの衝撃による基板100、200の外側面(OS)の損傷を防止するために、衝撃吸収物質(または材質)または軟性物質を含むことができる。エッジコーティング層430は、光遮断物質と衝撃吸収物質の混合物を含むことができる。
【0288】
図9図11、および図12を参照して、本明細書の実施例に係るダム部104、複数のスイッチング回路部170、および分離部105を説明すると次のようである。
【0289】
本明細書の実施例に係るダム部104の第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれは、第1ダムパターン(または下部ダム)104a、第2ダムパターン(または中間ダム)104b、金属ライン104m、および第3ダムパターン(または上部ダム)104cを含むことができる。
【0290】
第1ダムパターン104aは、基板100または最外郭画素(Po)の第3マージン領域(MA3)の回路層101上に配置され得る。第1ダムパターン104aの一部は、スイッチング回路部170上に配置され得る。第1ダムパターン104aは、無機物質からなることができる。
【0291】
本明細書の一実施例によれば、第1ダムパターン104aは、パッシベーション層(PAS)と同じ物質からなることができる。第1ダムパターン104aは、パッシベーション層(PAS)の単一層構造を有するように実現され得る。この場合、第1ダムパターン104aは、第3マージン領域(MA3)の層間絶縁層(ILD)上に配置されたパッシベーション層(PAS)のパターニング工程によってパターニング(または除去)されずにそのまま残っているパッシベーション層(PAS)の一部(または非パターニング領域)によって形成されるか、または実現され得る。
【0292】
本明細書の他の実施例によれば、第1ダムパターン104aは、パッシベーション層(PAS)および層間絶縁層(ILD)の積層構造を有するように実現され得る。この場合、第1ダムパターン104aは、第3マージン領域(MA3)のバッファ層101a上に配置された層間絶縁層(ILD)と、パッシベーション層(PAS)のパターニング工程によってパターニング(または除去)されずにそのまま残っている層間絶縁層(ILD)と、パッシベーション層(PAS)の一部(または非パターニング領域)とによって形成されるか、または実現され得る。
【0293】
第1ダムパターン104aの側面は、傾いた構造または正テーパー構造を有するように実現され得る。例えば、幅方向に沿って切った第1ダムパターン104aの断面は、上辺が下辺より小さい台形状の断面構造を有することができる。
【0294】
第2ダムパターン104bは、第1ダムパターン104a上に配置され得る。一実施例に係る第2ダムパターン104bは、有機物質からなることができる。例えば、第2ダムパターン104bは、平坦化層102と同じ物質からなることができる。例えば、第2ダムパターン104bは、平坦化層102と同じ高さ(または厚さ)を有するか、または平坦化層102よりもさらに高い高さを有することができる。例えば、第2ダムパターン104bの高さ(または厚さ)は、平坦化層102の2回蒸着によって平坦化層102の高さ(または厚さ)の2倍であり得る。このような第2ダムパターン104bは、平坦化層102のパターニング工程によってパターニング(または除去)されずにそのまま残っている平坦化層102の一部(または非パターニング領域)によって形成されるか、または実現され得る。
【0295】
第2ダムパターン104bの側面は、傾いた構造または正テーパー構造を有するように実現され得る。例えば、幅方向に沿って切った第2ダムパターン104bは、第1ダムパターン104aと同じ台形状の断面構造を有することができる。幅方向を基準に、第2ダムパターン104bの一側縁部分および他側縁部分のそれぞれは、第1ダムパターン104aの側面の外部に突出され得る。例えば、第2ダムパターン104bの側面端部と第1ダムパターン104aの側面との間の距離は、自発光素子(ED)の厚さと共通電極(CE)の厚さとを合わせた厚さよりも大きくすることができる。
【0296】
第1ダムパターン104aの側面104asは、第2ダムパターン104bに対してアンダーカット(undercut)構造を有することができる。例えば、ダム部104は、第1ダムパターン104aと第2ダムパターン104bとの間の境界部または第1ダムパターン104aの上部側面に配置されたアンダーカット領域を含むことができる。第1ダムパターン104aの側面と第2ダムパターン104bとの間のアンダーカット領域は、ダム部104上に配置される発光素子層(EDL)の少なくとも一部層を分離(または断絶)させるための構造物であり得る。例えば、第1ダムパターン104aと第2ダムパターン104bとの間のアンダーカット領域は、パッシベーション層(PAS)の過食刻工程によって形成されるか、または実現され得る。このような第2ダムパターン104bは、第1ダムパターン104aのアンダーカット構造によって第1ダムパターン104aの側面の外部に突出されることで、第1ダムパターン104aの側面を覆うことができる。これにより、第2ダムパターン104bは、第1ダムパターン104aに対して軒構造を有することができる。
【0297】
金属ライン104mは、第2ダムパターン104b上に配置され得る。金属ライン104mは、画素電極(PE)と同じ材料または同じ構造から第2ダムパターン104b上に積層され得る。このような金属ライン104mは、画素電極(PE)のパターニング工程によってパターニング(または除去)されず、第2ダムパターン104b上にそのまま残っている画素電極物質の一部(または非パターニング領域)によって形成されるか、または実現され得る。
【0298】
第3ダムパターン104cは、金属ライン104mを取り囲むように第2ダムパターン104b上に配置され得る。第3ダムパターン104cの側面は、傾いた構造または正テーパー構造を有するように実現され得る。例えば、幅方向に沿って切った第3ダムパターン104cは、第2ダムパターン104bと同じ台形状の断面構造を有することができる。
【0299】
第3ダムパターン104cは、有機物質または無機物質を含むことができる。例えば、第3ダムパターン104cは、バンク103と同じ物質から第2ダムパターン104b上に積層され得る。このような第3ダムパターン104cは、バンク103のパターニング工程によってパターニング(または除去)されずに第2ダムパターン104b上にそのまま残っているバンク103の一部(または非パターニング領域)によって形成されるか、または実現され得る。
【0300】
本明細書の一実施例によれば、第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれの上に配置される自発光素子(ED)の物質層は、第1ダムパターン104aと第2ダムパターン104bとの間のアンダーカット領域(または軒構造)によって蒸着工程中に自動的に分離(または断絶)され得る。例えば、自発光素子(ED)の蒸着物質は、直進性を有するので、第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれで、第2ダムパターン104bによって遮られる第1ダムパターン104aの側面104asに蒸着されず、第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれの上面、側面、および回路層101上に蒸着されることで、第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれの第1ダムパターン104aと第2ダムパターン104bとの間のアンダーカット領域で分離(または断絶)され得る。したがって、自発光素子(ED)は、蒸着工程の際に第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれで自動的に分離(または断絶)されることができ、これにより、自発光素子(ED)を分離(または断絶)させるための別途のパターニング工程が省略され得る。よって、基板100上に配置された自発光素子(ED)は、第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれで分離(または断絶)されることで、基板100の側面透湿経路は、第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれによって遮られることができる。
【0301】
追加として、自発光素子(ED)上に配置された共通電極(CE)は、蒸着方式による蒸着工程の際、自発光素子(ED)と同様に第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれのアンダーカット領域によって自動的に分離(または断絶)されるか、または第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれのアンダーカット領域によって分離されず、第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれおよび第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれによって分離された島状の発光素子(EDi)の全部を取り囲むように形成され得る。
【0302】
図8図9、および図11を参照すると、第1ダム104-1の金属ライン104mは、第1パッド連結ライン176および複数のスイッチング回路部170のそれぞれの第1スイッチング回路171のゲート電極(Sg)のそれぞれと重畳されるか、または交差することができる。第1ダム104-1の金属ライン104mは、第1パッド連結ライン176と第1ダム104-1との交差または重畳する領域に形成されたビアホール176hを介して第1パッド連結ライン176と電気的に連結(または接触)され得る。第1ダム104-1の金属ライン104mは、第1スイッチング回路171のゲート電極(Sg)と第1ダム104-1との交差または重畳する領域に形成された第1制御ラインコンタクトホール(CLh1)を介して第1スイッチング回路171のゲート電極(Sg)と電気的に連結(または接触)され得る。これにより、第1ダム104-1に内装された金属ライン104mは、基板100の縁部分に連続的に配置された閉ループラインの形状に配置されることで、第1前面センシング制御パッド112aおよび第1パッド連結ライン176を介して供給される第1スイッチング制御信号を複数のスイッチング回路部170のそれぞれの第1スイッチング回路171のゲート電極(Sg)に供給することができる。例えば、第1ダム104-1に内装された金属ライン104mは、第1スイッチング制御ラインとして使用され得る。
【0303】
第2ダム104-2の金属ライン104mは、第2パッド連結ライン177および複数のスイッチング回路部170のそれぞれの第2スイッチング回路172のゲート電極(Sg)のそれぞれと重畳されるか、または交差することができる。第2ダム104-2の金属ライン104mは、第2パッド連結ライン177と第2ダム104-2との交差または重畳する領域に形成されたビアホール177hを介して第2パッド連結ライン177と電気的に連結(または接触)され得る。第2ダム104-2の金属ライン104mは、第2スイッチング回路172のゲート電極(Sg)と第2ダム104-2との交差または重畳する領域に形成された第2制御ラインコンタクトホール(CLh2)を介して第2スイッチング回路172のゲート電極(Sg)と電気的に連結(または接触)され得る。これにより、第2ダム104-2に内装された金属ライン104mは、基板100の縁部分に連続的に配置された閉ループライン形状に配置されることで、第2前面センシング制御パッド112bおよび第2パッド連結ライン177を介して供給される第2スイッチング制御信号を複数のスイッチング回路部170のそれぞれの第2スイッチング回路172のゲート電極(Sg)に供給することができる。例えば、第2ダム104-2に内装された金属ライン104mは、第2スイッチング制御ラインとして使用され得る。
【0304】
第3ダム104-3の金属ライン104mは、第3パッド連結ライン178および複数のスイッチング回路部170のそれぞれの第3スイッチング回路173のゲート電極(Sg)のそれぞれと重畳されるか、または交差することができる。第3ダム104-3の金属ライン104mは、第3パッド連結ライン178と第3ダム104-3との交差または重畳する領域に形成されたビアホール178hを介して第3パッド連結ライン178と電気的に連結(または接触)され得る。第3ダム104-3の金属ライン104mは、第3スイッチング回路173のゲート電極(Sg)と第3ダム104-3との交差または重畳する領域に形成された第3制御ラインコンタクトホール(CLh3)を介して第3スイッチング回路173のゲート電極(Sg)と電気的に連結(または接触)され得る。これにより、第3ダム104-3に内装された金属ライン104mは、基板100の縁部分に連続的に配置された閉ループライン形状に配置されることで、第3前面センシング制御パッド112cおよび第3パッド連結ライン178を介して供給される第3スイッチング制御信号を複数のスイッチング回路部170のそれぞれの第3スイッチング回路173のゲート電極(Sg)に供給することができる。例えば、第3ダム104-3に内装された金属ライン104mは、第3スイッチング制御ラインとして使用され得る。
【0305】
追加として、第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれに内装された金属ライン104mは、発光表示装置の検査モードで、駆動回路部500から供給されるスイッチング制御信号を複数のスイッチング回路部170に供給するためのスイッチング制御ラインとして使用され得、発光表示装置の正常駆動モードまたは映像表示モードで、静電気保護ラインまたは静電気遮断ラインとして使用され得る。例えば、発光表示装置の正常駆動モードまたは映像表示モードで、駆動回路部500は、第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれに内装された金属ライン104mに静電気保護電源を供給することができる。例えば、静電気保護電源は、グラウンド電圧、接地電圧、または画素共通電圧であり得る。これにより、第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれに内装された金属ライン104mは、外部から表示部(AA)の内部側に流入される静電気を遮断して静電気による不良を防止することができる。
【0306】
追加として、第1~第3ダム104-1、104-2、104-3のそれぞれに内装された金属ライン104mと第1~第3パッド連結ライン176、177、178との交差または重畳する領域で、金属ライン104mとパッド連結ライン176、177、178との間の距離(または高さ)によって、パッド連結ライン176、177、178を露出させるためのビアホール176h、177h、178hを形成するのに難しさがあり得る。よって、金属ライン104mとパッド連結ライン176、177、178との間に中間金属層がさらに配置され得る。中間金属層は、駆動TFT(Tdr)の第1電極(SD1)と一緒に層間絶縁層(ILD)上に実現され得る。例えば、中間金属層は、層間絶縁層(ILD)およびバッファ層101aを貫通して形成された中間ビアホールを介してパッド連結ライン176、177、178と電気的に連結(または接触)され得る。そして、金属ライン104mの一部分は、第2ダムパターン104bを貫通して中間金属層を露出させるビアホール176h、177h、178hを介して中間金属層と電気的に連結(または接触)され得る。したがって、金属ライン104mは、中間金属層を介してパッド連結ライン176、177、178と電気的に連結(または接触)され得る。
【0307】
本明細書の実施例に係る分離部105は、ダム部104の周辺に配置される自発光素子(ED)を分離させるために、ダム部104の周辺に実現され得る。分離部105は、基板100の側面方向からの水分浸透を防止することで、側面透湿による自発光素子(ED)の劣化を防止するように実現され得る。分離部105は、ダム部104の周辺で発光素子層(EDL)の自発光素子(ED)を少なくとも1回分離(または断絶)させることで、側面透湿を防止することができる。例えば、分離部105は、自発光素子(ED)の分離領域、分離ライン、断絶領域、または断線ラインと定義することもできる。
【0308】
分離部105は、ダム部104の周辺の回路層101のバッファ層101aまたは層間絶縁層(ILD)上に実現され得る。分離部105は、ダム部104の周辺に配置された複数の分離構造物105-1、105-2を含むことができる。例えば、分離部105は、第1ダム104-1と第2ダム104-2との間に配置された第1分離構造物105-1、および第2ダム104-2と第3ダム104-3との間に配置された第2分離構造物105-2を含むことができる。
【0309】
第1および第2分離構造物105-1、105-2のそれぞれは、平面上で閉ループライン形状(または連続的なライン形状または閉ループ形状)を有するように、表示部(AA)の回路層101上に配置され得る。第1分離構造物105-1は、第1ダム104-1を取り囲むように配置され得る。第2分離構造物105-2は、第2ダム104-2を取り囲むように配置され得る。
【0310】
第1および第2分離構造物105-1、105-2のそれぞれは、下部構造物105aおよび上部構造物105bを含むことができる。
【0311】
下部構造物105aは、パッシベーション層(PAS)による単一層構造を有するように実現されるか、またはパッシベーション層(PAS)および層間絶縁層(ILD)の積層構造を有するように実現され得る。下部構造物105aの側面は、傾いた構造または正テーパー構造を有するように実現され得る。例えば、下部構造物105aは、ベース分離構造物、下部テーパー構造物、または第1テーパー構造物などの用語で表現することができる。このような下部構造物105aは、第1ダムパターン104aと一緒に第1ダムパターン104aと同じ構造を有するように実現され得る。
【0312】
上部構造物105bは、下部構造物105a上に配置され得る。上部構造物105bは、有機物質を含むことができる。上部構造物105bは、バンク103と同じ物質からなることができるが、これに限定されるものではない。上部構造物105bの側面は、傾いた構造または正テーパー構造を有するように実現され得る。幅方向を基準に、上部構造物105bの一側縁部分および他側縁部分のそれぞれは、下部構造物105aの側面の外部に突出され得る。例えば、上部構造物105bは、上部テーパー構造物または第2テーパー構造物などの用語で表現することができる。
【0313】
下部構造物105aの側面105asは、上部構造物105bに対してアンダーカット(undercut)構造を有することができる。第1および第2分離構造物105-1、105-2のそれぞれは、下部構造物105aと上部構造物105bとの間の境界部または下部構造物105aの上部側面に配置されたアンダーカット領域を含むことができる。下部構造物105aと上部構造物105bとの間のアンダーカット領域は、分離部105上に配置される発光素子層(EDL)の少なくとも一部層を分離(または断絶)させるための構造物であり得る。例えば、下部構造物105aと上部構造物105bとの間のアンダーカット領域は、パッシベーション層(PAS)の過食刻工程によって形成されるか、または実現され得る。このような上部構造物105bは、下部構造物105aのアンダーカット構造によって下部構造物105aの側面の外部に突出されることで、下部構造物105aの側面を覆うことができる。これにより、上部構造物105bは、下部構造物105aに対して軒構造を有するように、下部構造物105a上に配置され得る。
【0314】
第1および第2分離構造物105-1、105-2のうちの少なくとも1つは、下部構造物105aと上部構造物105bとの間に配置された金属構造物105mをさらに含むことができる。
【0315】
金属構造物105mは、下部構造物105a上に配置され得る。金属構造物105mは、画素電極(PE)またはダム部104の金属ライン104mと同じ材質または同じ構造を有するように、下部構造物105a上に積層され得る。金属構造物105mは、ダム部104の金属ライン104mと一緒に形成され得る。金属構造物105mの側面は、傾いた構造または正テーパー構造を有するように実現され得る。幅方向を基準に、金属構造物105mの一側縁部分および他側縁部分のそれぞれは、下部構造物105aの側面の外部に突出され得る。例えば、金属構造物105mは、金属パターン層または中間構造物などの用語で表現することができる。
【0316】
上部構造物105bは、金属構造物105m上に配置され得る。上部構造物105bは、金属構造物105mの上面に積層され得る。図9図11、および図12では上部構造物105bが金属構造物105mの上面にのみ配置されるものとして示したが、これに限定されず、上部構造物105bは、金属構造物105mの側面および上面のすべてを取り囲むか、または覆うように下部構造物105a上に積層され得る。この場合、金属構造物105mは、ダム部104の金属ライン104mと同様に、上部構造物105bの内部に内装され得る。
【0317】
下部構造物105aの側面は、金属構造物105mに対してアンダーカット(undercut)構造を有することができる。例えば、第1および第2分離構造物105-1、105-2のそれぞれは、下部構造物105aと金属構造物105mとの間の境界部または下部構造物105aの上部側面に配置されたアンダーカット領域を含むことができる。下部構造物105aと金属構造物105mとの間のアンダーカット領域は、パッシベーション層(PAS)の過食刻工程によって形成されるか実現され得る。このような金属構造物105mは、下部構造物105aのアンダーカット構造によって下部構造物105aの側面の外部に突出されることで、下部構造物105aの側面を覆うことができる。これにより、金属構造物105mは、下部構造物105aに対して軒構造を有することができる。
【0318】
本明細書の一実施例によれば、分離部105上に配置される自発光素子(ED)の物質層は、下部構造物105aと上部構造物105b(または金属構造物105m)との間のアンダーカット領域(または軒構造)によって蒸着工程中に自動的に分離(または断絶)され得る。例えば、自発光素子(ED)の蒸着物質は、直進性を有するので、上部構造物105b(または金属構造物105m)によって遮られる下部構造物105aの側面105asに蒸着することができず、上部構造物105bの上面、側面、および分離部105の周辺の回路層101上に蒸着されることで、下部構造物105aと上部構造物105b(または金属構造物105m)との間のアンダーカット領域で分離(または断絶)され得る。したがって、自発光素子(ED)は、蒸着工程の際に分離部105の第1および第2分離構造物105-1、105-2によって自動的に分離(または断絶)されることができ、これにより自発光素子(ED)を分離(または断絶)させるための別途のパターニング工程を省略することができる。よって、基板100上に配置された自発光素子(ED)は、分離部105によってダム部104の周辺でさらに分離(または断絶)されることで、基板100の側面透湿経路は、分離部105の第1および第2分離構造物105-1、105-2のそれぞれによってさらに遮られることができる。
【0319】
追加として、自発光素子(ED)上に配置された共通電極(CE)は、蒸着方式による蒸着工程の際、自発光素子(ED)と同様に分離部105のアンダーカット領域によって自動的に分離(または断絶)されるか、または分離部105のアンダーカット領域によって分離されず、第1および第2分離構造物105-1、105-2のそれぞれおよび第1および第2分離構造物105-1、105-2のそれぞれによって分離された島状の発光素子(EDi)の全部を取り囲むように形成され得る。
【0320】
追加として、第1および第2分離構造物105-1、105-2のうちの少なくとも1つの金属構造物105mは、下部構造物105aに対して軒構造を有しながら外部から表示部(AA)の内部側に流入される静電気を遮断するように実現され得る。このために、第1および第2分離構造物105-1、105-2のそれぞれの金属構造物105mは、画素共通電圧ライン(CVL)と電気的に結合されるように実現され得る。例えば、図8および図12に示すように、画素共通電圧ライン(CVL)と重畳される金属構造物105mの一部は、下部構造物105aおよびバッファ層101aを貫通して形成されたビアホール105hを介して画素共通電圧ライン(CVL)と電気的に連結(または接触)され得る。これにより、第1および第2分離構造物105-1、105-2のそれぞれの金属構造物105mは、基板100の縁部分に連続的に配置された閉ループライン形状に配置されることで、外部から表示部(AA)の内部側に流入される静電気を遮断して静電気による不良を防止することができる。例えば、第1および第2分離構造物105-1、105-2のうちの少なくとも1つの金属構造物105mは、外部から流入される静電気を画素共通電圧ライン(CVL)に放電させることで、静電気による不良を防止することができる。
【0321】
図9図11、および図12を参照すると、本明細書の一実施例に係る発光表示装置10または基板100は、グルーブライン(GRV)をさらに含むことができる。
【0322】
グルーブライン(GRV)は、ダム部104と平坦化層102との間に実現され得る。グルーブライン(GRV)は、ダム部104とともに形成されるか実現され得る。
【0323】
グルーブライン(GRV)は、ダム部104の内側領域で、パッシベーション層(PAS)および平坦化層102が全部除去されることによって実現され得る。グルーブライン(GRV)は、ダム部104とバンク103との間のバッファ層101a上に配置された層間絶縁層(ILD)、パッシベーション層(PAS)、平坦化層102、画素電極物質層、およびバンク103のうちの少なくとも1つを含む単一構造物または複層構造物などが全部除去された領域であり得る。例えば、グルーブライン(GRV)は、基板100または最外郭画素(Po)の第1マージン領域(MA1)に配置されるバンク103、平坦化層102、パッシベーション層(PAS)および層間絶縁層(ILD)のそれぞれのパターニング(または除去)によって形成されるか、または実現され得る。これにより、グルーブライン(GRV)は、平坦化層102の側面102sを定義するか、または接触し、平坦化層102の側面102sを取り囲む閉ループライン形状(または連続的なライン形状または閉ループ形状)に実現され得る。
【0324】
グルーブライン(GRV)は、内部画素(Pi)および最外郭画素(Po)に共通して配置される平坦化層102の側面102s、パッシベーション層(PAS)の側面(PASs)および層間絶縁層(ILD)の側面(ILDs)を定義するか、または接触することができる。例えば、グルーブライン(GRV)は、内部画素(Pi)および最外郭画素(Po)に共通して配置される平坦化層102の端部102e、パッシベーション層(PAS)の側面(PASs)および層間絶縁層(ILD)の側面(ILDs)を定義するか、または接触することができる。例えば、平坦化層102の側面102s、パッシベーション層(PAS)の側面(PASs)および層間絶縁層(ILD)の側面(ILDs)のそれぞれは、グルーブライン(GRV)に露出されることで、グルーブライン(GRV)の一側壁を実現することができる。
【0325】
平坦化層102の側面端部102eは、パッシベーション層(PAS)の側面(PASs)からグルーブライン(GRV)の中心部(またはダム部104)側に突出され得る。例えば、平坦化層102の側面端部102eと基板100の外側面(OS)との間の距離は、パッシベーション層(PAS)の側面(PASs)と基板100の外側面(OS)との間の距離よりも小さいことがあり得る。平坦化層102の側面端部102eとパッシベーション層(PAS)の側面(PASs)との間の距離またはパッシベーション層(PAS)の側面(PASs)と平坦化層102の側面端部102eとの間の距離は、自発光素子(ED)の厚さと共通電極(CE)の厚さとを合わせた厚さよりも大きいことがあり得る。これにより、平坦化層102の側面102sおよび側面端部102eを含む平坦化層102の縁部分は、パッシベーション層(PAS)の側面(PASs)を覆い、バッファ層101aの上面と直接的に向き合うことができる。したがって、平坦化層102の縁部分は、パッシベーション層(PAS)の側面(PASs)に対して軒構造を有することができる。
【0326】
パッシベーション層(PAS)の側面(PASs)は、傾いた構造または正テーパー構造を有するように実現され得る。これにより、パッシベーション層(PAS)の側面(PASs)は、平坦化層102の縁部分に対してアンダーカット(undercut)構造を有することができる。例えば、グルーブライン(GRV)の一側に位置する平坦化層102とパッシベーション層(PAS)との間の境界部またはパッシベーション層(PAS)の側面上部は、平坦化層102に対してアンダーカット構造を有することができる。例えば、グルーブライン(GRV)によって、グルーブライン(GRV)に隣接したパッシベーション層(PAS)の側面(PASs)とグルーブライン(GRV)に隣接した平坦化層102の側面102sとの間にアンダーカット領域が実現されることができ、アンダーカット領域は、平坦化層102の縁部分とグルーブライン(GRV)上に配置される発光素子層(EDL)の少なくとも一部層とを分離(または断絶)させるための構造物であり得る。グルーブライン(GRV)および平坦化層102の側面上に配置された自発光素子(ED)は、アンダーカット領域で分離され得る。例えば、パッシベーション層(PAS)の側面(PASs)と平坦化層102の側面102sとの間のアンダーカット領域は、パッシベーション層(PAS)の過食刻工程によって形成されるか、または実現され得る。このような平坦化層102の側面102sは、パッシベーション層(PAS)の側面(PASs)のアンダーカット構造によってパッシベーション層(PAS)の側面(PASs)の外部に突出してパッシベーション層(PAS)の側面(PASs)を覆うことができる。これにより、平坦化層102の側面102sは、パッシベーション層(PAS)の側面(PASs)に対して軒構造を有することができる。
【0327】
本明細書の一実施例によれば、平坦化層102の縁部分およびグルーブライン(GRV)上に配置される自発光素子(ED)の物質層は、平坦化層102の側面102sとパッシベーション層(PAS)の側面(PASs)との間のアンダーカット領域(または軒構造)によって蒸着工程中に自動的に分離(または断絶)され得る。例えば、自発光素子(ED)の蒸着物質は、直進性を有するので、平坦化層102の側面102sによって遮られるパッシベーション層(PAS)の側面(PASs)に蒸着されず、グルーブライン(GRV)で平坦化層102の側面102sおよびバッファ層101a上に蒸着されることで、平坦化層102の側面102sとパッシベーション層(PAS)の側面(PASs)との間のアンダーカット領域でさらに分離(または断絶)され得る。
【0328】
追加として、自発光素子(ED)上に配置された共通電極(CE)は、蒸着方式による蒸着工程の際、自発光素子(ED)と同様に平坦化層102の側面102sとパッシベーション層(PAS)の側面(PASs)との間のアンダーカット領域によって自動的に分離(または断絶)されるか、または平坦化層102の側面102sとパッシベーション層(PAS)の側面(PASs)との間のアンダーカット領域によって分離されず、グルーブライン(GRV)で平坦化層102の側面102s、パッシベーション層(PAS)の側面(PASs)およびバッファ層101aの全部を覆うように形成され得る。
【0329】
このような、本明細書の一実施例によれば、基板100のパッド部110が最外郭画素(Po)の内部に配置され(または含まれ)、基板100の側面にパッド部110と電気的に結合するルーティング部400が形成されることで、ベゼル領域がないかゼロ化したベゼルを有するエアーベゼル構造を有する発光表示装置を実現することができる。本明細書の一実施例によれば、ルーティングラインの間の電気的ショートを容易に検出することができ、ダム部104に内装される金属ライン104mを介してダム部104と重畳されるように配置された複数のスイッチング回路部170のそれぞれのスイッチングを制御し、ルーティングラインの間のライン抵抗をセンシングしてルーティングラインの抵抗偏差を補償することで、ルーティングラインの抵抗偏差による画質不良を防止するか、または最小化することができる。また、本明細書の一実施例によれば、ダム部104のアンダーカット構造によって自発光素子(ED)が分離されることで、側面透湿による自発光素子(ED)の信頼性低下が防止され得る。また、本明細書の一実施例によれば、ダム部104の周辺に配置された分離部105の分離構造物105-1、105-2に実現されたアンダーカット領域とグルーブライン(GRV)によって平坦化層102の側面102sとパッシベーション層(PAS)の側面(PASs)との間に実現されたアンダーカット領域とによって自発光素子(ED)が少なくとも2回以上さらに分離されることで、側面透湿による自発光素子(ED)の信頼性の低下がもっと防止され得る。そして、本明細書の一実施例によれば、分離構造物105-1、105-2に配置された金属構造物および/またはダム部104に内装される金属ライン104mを含むことで、静電気から最外郭画素に配置された画素回路を保護することができる。
【0330】
図13は、本明細書の他の実施例に係る第1および第2パッド部およびルーティング部を説明するための図である。
【0331】
図13を参照すると、本明細書の他の実施例に係る第1パッド部110は、第1パッドグループ(PG1)、第2パッドグループ(PG2)、および複数の第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cを含むことができる。
【0332】
第1パッド部110の第1パッドグループ(PG1)と第2パッドグループ(PG2)は、第1方向(X)に沿って交互に配置され得る。第1パッド部110の第1パッドグループ(PG1)および第2パッドグループ(PG2)は、図4で説明したものと同一であるので、これについての重複する説明は省略することができる。
【0333】
複数の第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cのそれぞれは、少なくとも2個のパッドグループ(PG1、PG2)の間に配置され得る。例えば、複数の第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cのそれぞれは、第1および第2パッドグループ(PG1、PG2)の間ごとに1つずつ配置され得る。
【0334】
第2パッド部210は、第1パッドグループ(PG1)、第2パッドグループ(PG2)、および複数の第1~第3背面センシング制御パッド212a、212b、212cを含むことができる。
【0335】
第2パッド部210の第1パッドグループ(PG1)および第2パッドグループ(PG2)は、第1方向(X)に沿って交互に配置され得る。
【0336】
第2パッド部210の第1パッドグループ(PG1)は、第1パッド部110の第1パッドグループ(PG1)に配置された第1画素駆動電源パッド(PPP1)、第1データパッド(DP1)、第1レファレンス電圧パッド(RVP1)、第1データパッド(DP1)、および第1画素共通電圧パッド(CVP1)のそれぞれと一対一に重畳される第2画素駆動電源パッド(PPP2)、第2データパッド(DP2)、第2レファレンス電圧パッド(RVP2)、第2データパッド(DP2)、および第2画素共通電圧パッド(CVP2)を含むことができる。
【0337】
第2パッド部210の第2パッドグループ(PG2)は、第1パッド部110の第2パッドグループ(PG2)に配置された第1ゲートパッド、第1データパッド(DP1)、第1レファレンス電圧パッド(RVP1)、第1データパッド(DP1)、および第1画素駆動電源パッド(PPP1)のそれぞれと一対一に重畳される第2ゲートパッド、第2データパッド(DP2)、第2レファレンス電圧パッド(RVP2)、第2データパッド(DP2)、および第2画素駆動電源パッド(PPP2)を含むことができる。
【0338】
複数の第1~第3背面センシング制御パッド212a、212b、212cのそれぞれは、少なくとも2個のパッドグループ(PG1、PG2)の間に配置され得る。例えば、複数の第1~第3背面センシング制御パッド212a、212b、212cのそれぞれは、第1および第2パッドグループ(PG1、PG2)の間ごとに1つずつ配置され得る。
【0339】
複数の第1背面センシング制御パッド212aは、リンクライン部250の第1センシング制御リンクライン252aに共通して連結されるか、または並列に連結され得る。複数の第2背面センシング制御パッド212bは、リンクライン部250の第2センシング制御リンクライン252bに共通して連結されるか、または並列に連結され得る。複数の第3背面センシング制御パッド212cは、リンクライン部250の第3センシング制御リンクライン252cに共通して連結されるか、または並列に連結され得る。
【0340】
ルーティング部400は、複数のルーティングライン410、および複数の第1~第3センシング制御ルーティングライン412a、412b、412cを含むことができる。
【0341】
複数のルーティングライン410のそれぞれは、第1パッド部110の第1パッドグループ(PG1)および第2パッドグループ(PG2)に配置されたパッド(PPP1、DP1、RVP1、CVP1)のそれぞれと第2パッド部210の第1パッドグループ(PG1)および第2パッドグループ(PG2)に配置されたパッド(PPP2、DP2、RVP2、CVP2)のそれぞれとに一対一に連結されるように形成され得る。
【0342】
複数の第1センシング制御ルーティングライン412aのそれぞれは、複数の第1前面センシング制御パッド112aのそれぞれと複数の第1背面センシング制御パッド212aのそれぞれとに一対一に連結されるように形成され得る。複数の第2センシング制御ルーティングライン412bのそれぞれは、複数の第2前面センシング制御パッド112bのそれぞれと複数の第2背面センシング制御パッド212bのそれぞれとに一対一に連結されるように形成され得る。複数の第3センシング制御ルーティングライン412cのそれぞれは、複数の第3前面センシング制御パッド112cのそれぞれと複数の第3背面センシング制御パッド212cのそれぞれとに一対一に連結されるように形成され得る。
【0343】
このような、本明細書の他の実施例によれば、第1~第3センシング制御ルーティングライン412a、412b、412cのそれぞれが並列連結構造を有するように複数で構成されることで、並列に連結された複数のセンシング制御ルーティングラインのうちの一部のラインでライン不良が発生しても、残りのラインを介してスイッチング制御信号を供給することができる。
【0344】
図14は、本明細書の他の実施例に係る発光表示装置を示す平面図であり、図15は、本明細書の他の実施例に係る発光表示装置を示す背面図である。図14図15は、図1図13に示す発光表示装置に補助パッド部をさらに構成したものである。したがって、以下の説明では、補助パッド部およびこれに関連した構成を除いて残った構成に対しては、同じ図面符号を付与し、それについての重複する説明は省略することができる。
【0345】
図14および図15を参照すると、本明細書の他の実施例に係る発光表示装置10は、前面補助パッド部1110、背面補助パッド部1210、および補助リンクライン部1250をさらに含むことができる。
【0346】
前面補助パッド部1110(または第4パッド部または第2前面パッド部)は、基板100の第1縁部分に平行な第2縁部分(または他側の縁部分)に配置され得る。前面補助パッド部1110は、少なくとも1つの前面補助パッド(または少なくとも1つ第4パッドまたは第2前面パッド)1112a、1112b、1112cを含むことができる。例えば、前面補助パッド部1110は、第1方向(X)に沿って互いに離隔した複数の第1~第3前面補助パッド1112a、1112b、1112cを含むことができる。
【0347】
複数の第1~第3前面補助パッド1112a、1112b、1112cのそれぞれは、基板100の第2縁部分に配置されたダム部104の金属ライン104mと電気的に連結されるように構成され得る。このような複数の第1~第3前面補助パッド1112a、1112b、1112cのそれぞれは、基板100の第2縁部分に配置されることを除き、第1パッド部110に配置された第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cのそれぞれと実質的に同じ構造を有するように構成されるので、これについての説明は省略することができる。
【0348】
背面補助パッド部1210または第5パッド部または第2背面パッド部)は、前面補助パッド部1110と重畳されるように配線基板200の背面に配置され得る。背面補助パッド部1210は、前面補助パッド部1110に配置された少なくとも1つの前面補助パッド1112a、1112b、1112cと重畳される少なくとも1つの背面補助パッド(または少なくとも1つ第5パッドまたは第2背面パッド)1212a、1212b、1212cを含むことができる。例えば、背面補助パッド部1210は、前面補助パッド部1110に配置された複数の第1~第3前面補助パッド1112a、1112b、1112cのそれぞれと一対一に重畳されるように配線基板200の背面に配置された複数の第1~第3背面補助パッド1212a、1212b、1212cを含むことができる。このような複数の第1~第3背面補助パッド1212a、1212b、1212cのそれぞれは、配線基板200の第2縁部分に配置されることを除き、第2パッド部210に配置された第1~第3背面センシング制御パッド212a、212b、212cのそれぞれと実質的に同じ構造を有するように構成されるので、これについての説明は省略することができる。
【0349】
補助リンクライン部1250は、背面補助パッド部1210と少なくとも1つの第3パッド部230との間に配置され得る。補助リンクライン部1250は、少なくとも1つの背面補助パッド1212a、1212b、1212cと電気的に結合された少なくとも1つの補助リンクライン1252a、1252b、1252cを含むことができる。例えば、補助リンクライン部1250は、第1~第3補助リンクライン1252a、1252b、1252cを含むことができる。
【0350】
第1補助リンクライン1252aは、複数の第1背面補助パッド1212aと共通して連結されるか、または並列に連結され、少なくとも1つの第3パッド部230に配置された第1スイッチング制御信号パッドに連結され得る。
【0351】
第2補助リンクライン1252bは、複数の第2背面補助パッド1212bと共通して連結されるか、または並列に連結され、少なくとも1つの第3パッド部230に配置された第2スイッチング制御信号パッドに連結され得る。
【0352】
第3補助リンクライン1252cは、複数の第3背面補助パッド1212cと共通して連結されるか、または並列に連結され、少なくとも1つの第3パッド部230に配置された第3スイッチング制御信号パッドに連結され得る。
【0353】
本明細書の他の実施例に係る発光表示装置10は補助ルーティング部をさらに含むことができる。
【0354】
補助ルーティング部は、基板100および配線基板200の第2外側面(OS2)を取り囲むように配置された複数の補助ルーティングラインを含むことができる。
【0355】
複数の補助ルーティングラインのそれぞれは、複数の第1~第3前面補助パッド1112a、1112b、1112cのそれぞれと複数の第1~第3背面補助パッド1212a、1212b、1212cのそれぞれとに個別的(または一対一)に連結(または結合)され得る。例えば、複数の補助ルーティングラインのそれぞれは、前面補助パッド部1110の複数の第1~第3前面補助パッド1112、1112b、1112cのそれぞれの1つとおよび背面補助パッド部1210の複数の第1~第3背面補助パッド1212a、1212b、1212cに電気的に連絡され得る。このような複数の補助ルーティングラインのそれぞれは、基板100および配線基板200の第2外側面(OS2)を取り囲むように配置されることを除き、図13を参照して説明した複数のセンシング制御ルーティングライン412a、412b、412cのそれぞれと実質的に同じ構造を有するように構成されるので、これについての説明は省略することができる。
【0356】
このような、本明細書の他の実施例によれば、補助リンクライン部1250、背面補助パッド部1210、補助ルーティング部、および前面補助パッド部1110を介してダム部104に配置された金属ライン104mにスイッチング制御信号がさらに供給され得る。
【0357】
代案として、本明細書の他の実施例に係る発光表示装置によれば、ダム部104に配置された金属ライン104mが平面上で基板100上に途切れなく連続的に連結される閉ループライン形状を有するので、スイッチング制御信号は、前面センシング制御パッド112a、112b、112cなしに前面補助パッド部1110を介してダム部104に配置された金属ライン104mに供給され得る。これにより、本明細書の他の実施例に係る発光表示装置が補助リンクライン部1250、背面補助パッド部1210、補助ルーティング部、および前面補助パッド部1110を含むとき、前面センシング制御パッド112a、112b、112c、背面センシング制御パッド212a、212b、212c、センシング制御ルーティングライン412a、412b、412c、およびセンシング制御リンクライン252a、252b、252cのそれぞれは、省略され得る。この場合、第1パッド部110の個数が減少するので、高解像度化に対する画素設計(またはデザイン)が容易になすことができる。
【0358】
図16は、本明細書の一実施例に係るスイッチング回路部、駆動集積回路およびタイミングコントローラを概略的に示す図である。図16は、スイッチング回路部を介してルーティングラインのショートまたはルーティングラインに対するライン抵抗をセンシングすることを説明するための図である。
【0359】
図16を参照すると、本明細書の一実施例に係る駆動集積回路530は、データ駆動部531、センシング部533、およびライン選択部535を含むことができる。センシング部533は、センシング回路であり得る。
【0360】
データ駆動部531は、タイミングコントローラ570から提供される副画素データおよびデータ制御信号を受信し、データ制御信号に応じて副画素データをアナログ型のデータ信号に変換して出力することができる。例えば、データ駆動部531は、検査モードで、タイミングコントローラ570から提供される検査データをアナログ型の検査データ信号に変換して出力することができる。
【0361】
本明細書の一実施例に係るデータ駆動部531は、データ信号生成部531a、および複数の信号出力回路531o、531eを含むことができる。
【0362】
データ信号生成部531aは、タイミングコントローラ570から提供される画素データまたは検査データをアナログ型のデータ信号に変換して出力するように構成され得る。
【0363】
複数の信号出力回路531o、531eのそれぞれは、データリンクライン、第2パッド部の第2データパッド(DP2)、データルーティングライン、および第1パッド部の第1データパッド(DP1)を介してデータライン(DLo、DLe)に連結され得る。複数の信号出力回路531o、531eのそれぞれは、データ信号生成部531aから出力されるデータ信号をバッファリングして該当データライン(DLo、DLe)に出力することができる。例えば、複数の信号出力回路531o、531eのそれぞれは、出力バッファであり得、差動増幅器などによって実現され得る。例えば、複数の信号出力回路531o、531eのそれぞれは、出力電圧が入力端子にフィードバックされる電圧フォロア(Voltage follower)であり得る。複数の信号出力回路531o、531eのそれぞれの静的電流は、バイアス端子に供給される電流オブション値(またはアンプ電流オブション値またはバイアス電圧レベル)によって可変(または変更)され得る。例えば、複数の信号出力回路531o、531eのそれぞれの静的電流は、バイアス端子に供給されるバイアス電圧レベルによって増加するか、または減少することができる。
【0364】
センシング部533は、データリンクライン、第2パッド部の第2レファレンス電圧パッド(RVP2)、レファレンスルーティングライン、および第1パッド部の第1レファレンス電圧パッド(RVP1)を介してレファレンス電圧ライン(RL)に選択的に連結され得る。センシング部533は、レファレンス電圧ライン(RL)を介して入力される電流(または検査信号)に対応するセンシング値をセンシングデータに変換してタイミングコントローラ570に提供するように構成され得る。例えば、センシング部533は、レファレンス電圧ライン(RL)を介して入力される電流(または検査信号)に対応するセンシング電圧をアナログデジタル変換してセンシングデータを生成し、生成されたセンシングデータをタイミングコントローラ570に提供することができる。
【0365】
センシング部533は、基板100上に配置されたレファレンス電圧ラインの個数と同数からなることができる。本明細書の一実施例に係るセンシング部533は、複数のセンシング回路、および複数のアナログデジタル変換器を含むことができる。
【0366】
複数のセンシング回路のそれぞれは、演算増幅器およびキャパシタを含む積分器からなることができる。例えば、センシング回路の演算増幅器は、レファレンス電圧ライン(RL)と選択的に連結される反転入力端子(-)、基準電圧が供給される非反転入力端子(+)、およびアナログデジタル変換器に連結された出力端子を含むことができる。キャパシタは、演算増幅器の反転入力端子(-)と出力端子との間に連結されるフィードバックキャパシタであり得る。追加として、複数のセンシング回路のそれぞれは、演算増幅器の反転入力端子(-)と出力端子との間に連結されたフィードバックスイッチ(またはリセットスイッチ)をさらに含むことができる。フィードバックキャパシタに流れる電流は、レファレンス電圧ライン(RL)に流れる電流と同一であり得る。
【0367】
複数のアナログデジタル変換器のそれぞれは、複数のセンシング回路のうちの該当センシング回路の出力電圧(またはセンシング電圧)をアナログデジタル変換してセンシングデータを生成し、生成されたセンシングデータをタイミングコントローラ570に提供することができる。例えば、複数のアナログデジタル変換器のそれぞれは、該当センシング回路のフィードバックキャパシタに流れる電流に基づく当該センシング回路の出力電圧(またはセンシング電圧)をアナログデジタル変換してセンシングデータを生成することができる。
【0368】
ライン選択部535は、タイミングコントローラ570から提供されるライン選択信号に応じて偶数番目データライン(DLe)に連結されるデータリンクラインをセンシング部533に連結するか、または信号出力回路531o、531eに連結するように構成され得る。例えば、ライン選択部535は、マルチプレクサーであり得る。
【0369】
タイミングコントローラ570は、検査モードで、第1~第3スイッチング制御信号を生成してスイッチング回路部170の第1~第3スイッチ回路171、172、173のそれぞれのスイッチングを制御し、検査データおよびライン選択信号を生成してデータ駆動部531に提供することができる。タイミングコントローラ570は、駆動集積回路530に検査データを提供し、センシング部533から提供されるセンシングデータに基づいて、複数の信号出力回路531o、531eのそれぞれのバイアス端子に入力されるバイアス電圧レベルを設定することができる。タイミングコントローラ570は、センシングデータに基づいて、複数のルーティングラインのうちのデータラインに連絡されたデータルーティングラインのライン抵抗値を生成し、生成されたライン抵抗値に基づいて、バイアス電圧レベルを設定することができる。タイミングコントローラ570は、検査モードで、駆動集積回路530のセンシング部533から提供されるライン別ラインセンシングデータに基づいて、ルーティングラインのショート有無およびショート不良位置を判断し、判断結果を別途のモニターに表示することができる。また、タイミングコントローラ570は、検査モードで、駆動集積回路530のセンシング部533から提供されるライン別抵抗センシングデータに基づいて、複数のデータルーティングラインの間の抵抗偏差を補償するためのライン別抵抗補償値を生成し、ライン別抵抗補償値に対応するバイアス電圧を生成して駆動集積回路530の該当信号出力回路531o、531eのバイアス端子に供給することができる。これにより、信号出力回路531o、531eは、バイアス電圧レベルによって抵抗補償値が補償されたデータ信号を出力することができる。
【0370】
本明細書の一実施例によれば、ルーティングラインに流れる電流とセンシング回路のフィードバックキャパシタに流れる電流とが同一であるので、タイミングコントローラ570は、下記の式1のように、抵抗センシングデータに対応するセンシング電圧、ルーティングラインに流れる電流式(Current1)、およびセンシング回路のフィードバックキャパシタ(Cf)に流れる電流式(Current2)によってライン抵抗を算出することができる。
【0371】
[式1]
Current1=(Vdata-Vinv)/R
Current2=Cf(Vinv-Vsen)/ΔTsen
Current1=Current2、(Vdata-Vinv)/R=Cf(Vinv-Vsen)/ΔTsen
R=(ΔTsen(Vdata-Vinv)/Cf(Vinv-Vsen)
【0372】
式1で、Vdataは、検査信号の電圧レベルを示し、Cfは、フィードバックキャパシタのキャパシタンスを示し、Vinvは、演算増幅器の反転端子(-)の電圧レベルを示し、Vsenは、抵抗センシングデータに対応するセンシング電圧(またはセンシング回路の出力電圧)を示し、ΔTsenは、電流が流れる時間を示す。Vinvは、センシング回路のフィードバックスイッチがターンオン状態の際、非反転端子(+)に印加される基準電圧と同じ電圧レベルを有する。例えば、センシング回路のフィードバックスイッチがターンオンされて演算増幅器のゲイン値(または利得値)が無限大の場合、Vinvは、非反転端子(+)の電圧レベルと同じ電圧レベルを有する。式1で、検査信号の電圧レベル(Vdata)、フィードバックキャパシタのキャパシタンス(Cf)、電流が流れる時間(ΔTsen)、および演算増幅器の反転端子の電圧レベル(Vinv)のそれぞれは、定数である。よって、タイミングコントローラ570は、抵抗センシングデータに対応するセンシング電圧(Vsen)を算出し、式1の演算によってルーティングラインのライン抵抗(R)を算出することができる。例えば、センシング回路でフィードバックスイッチがターンオンされ、フィードバックキャパシタに電流が流れることで、タイミングコントローラ570は、式1によってルーティングラインのライン抵抗(R)を算出することができる。
【0373】
選択的に、タイミングコントローラ570は、ライン別抵抗補償値に対応するバイアス電圧を生成せず、ライン別抵抗補償値を駆動集積回路530に提供することもできる。この場合、駆動直接回路530は、バイアス電圧生成部537をさらに含むことができる。バイアス電圧生成部537は、タイミングコントローラ570から供給されるライン別抵抗補償値のそれぞれに対応するライン別バイアス電圧を生成し、生成されたライン別バイアス電圧を該当信号出力回路531o、531eのバイアス端子に供給することができる。
【0374】
追加として、本明細書の一実施例に係る駆動集積回路530または駆動回路部500は、電圧選択部539をさらに含むことができる。
【0375】
電圧選択部539は、タイミングコントローラ570の電圧選択信号に応じて、タイミングコントローラ570から供給されるスイッチング制御信号およびグラウンド電圧のうちのいずれか1つを選択して出力することができる。
【0376】
電圧選択部539は、検査モードで、タイミングコントローラ570から供給される第1電圧レベルの電圧選択信号に応じてタイミングコントローラ570から供給される第1~第3スイッチング制御信号のそれぞれを出力することができ、これによりスイッチング回路部170の第1~第3スイッチ回路171、172、173のそれぞれは、電圧選択部539から第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cのそれぞれを介して供給される該当スイッチング制御信号に応じてスイッチングされ得る。
【0377】
電圧選択部539は、非検査モードまたは正常駆動モードで、タイミングコントローラ570から供給される第2電圧レベルの電圧選択信号に応じて、タイミングコントローラ570から供給されるグラウンド電圧(GND)を出力することができ、これによりスイッチング回路部170の第1~第3スイッチ回路171、172、173のそれぞれは、電圧選択部539から第1~第3前面センシング制御パッド112a、112b、112cのそれぞれおよびダム部の金属ライン104mを介して供給されるグラウンド電圧(GND)によってオフ状態に維持され、ダム部の金属ライン104mは、グラウンド電圧(GND)に維持されることで、静電気保護ラインまたは静電気遮断ラインとして使用され得る。
【0378】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置で、ルーティングラインのショートを検査するための駆動方法を説明すると次のようである。
【0379】
まず、タイミングコントローラ570から第1論理レベル(またはゲートオフ電圧レベル)を有する第1~第3スイッチング制御信号のそれぞれが出力され、これにより、スイッチング回路部170の第1~第3スイッチ回路171、172、173のそれぞれがターンオフされる。
【0380】
次いで、駆動集積回路530から検査データ信号がデータライン(DLo、DLe)に供給され、これにより、駆動集積回路530のセンシング部533は、レファレンス電圧ライン(RL)およびライン選択部535を介して入力される電流をセンシングしてラインセンシングデータを出力する。
【0381】
次いで、タイミングコントローラ570で、ラインセンシングデータに基づいてルーティングラインの間のショート有無を判断する。例えば、隣接して配置されたレファレンス電圧ライン(RL)とデータライン(DLo、DLe)との間のショートが発生した場合、データライン(DLo、DLe)に流れる電流がショート部分を介してレファレンス電圧ライン(RL)に流れ、よってレファレンス電圧ライン(RL)に流れる電流をセンシングすることで、ラインの間のショート有無を検出することができる。例えば、タイミングコントローラ570は、ラインセンシングデータが基準閾値電圧値以上の場合、ルーティングラインの間のショートが発生したと判断することができる。検出されるショート(またはショート回路)は、表示部(AA)、前面パッド部、およびルーティング部のうちの1つに物理的に配置することができる。例えば、ショートは、表示領域で奇数番目のデータライン(DLo)とレファレンスライン(RL)との間、第1データパッド(DP1)とレファレンス電圧パッド(RVP1)との間、および/または、第1データパッド(DP1)に連絡されたルーティングライン410とレファレンス電圧パッド(RVP1)に連絡されたルーティングラインとの間に存在することがある。
【0382】
したがって、本明細書の一実施例によれば、複数のスイッチング回路部170のそれぞれの第1~第3スイッチング回路171、172、173をターンオフさせ、複数のデータライン(DLo、DLe)のそれぞれに検査信号を供給しながら、複数のレファレンス電圧ライン(RL)のそれぞれに流れる電流をセンシングすることで、複数のルーティングラインの間のショート不良を検出することができる。
【0383】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置で、ルーティングラインのライン抵抗をセンシングするための駆動方法を説明すると次のようである。
【0384】
まず、検査モードの第1検査期間で、奇数番目データルーティングラインおよびレファレンスルーティングラインのライン抵抗値をセンシングすることができる。本明細書の一実施例によれば、駆動集積回路530から第2論理レベル(またはゲートオン電圧レベル)を有する第1スイッチング制御信号および第1論理レベルの第2および第3スイッチング制御信号が出力され、よってスイッチング回路部170の第1スイッチング回路171がターンオンされ、スイッチング回路部170の第2および第3スイッチング回路172、173のそれぞれがターンオフされる。次いで、駆動集積回路530から検査データ信号が奇数番目データライン(DLo)に供給され、よって駆動集積回路530のセンシング部533は、奇数番目データライン(DLo)、第1スイッチ回路171およびレファレンス電圧ライン(RL)を含む第1電流パス(CP1)およびライン選択部535を介して入力される電流をセンシングして抵抗センシングデータを生成する。次いで、タイミングコントローラ570で、抵抗センシングデータに基づいて奇数番目データルーティングラインおよびレファレンスルーティングラインのライン抵抗値を生成して記憶回路に保存することができる。
【0385】
次いで、検査モードの第2検査期間で、偶数番目データルーティングラインおよびレファレンスルーティングラインのライン抵抗値をセンシングすることができる。本明細書の一実施例によれば、駆動集積回路530から第2論理レベルを有する第2スイッチング制御信号および第1論理レベルの第1および第3スイッチング制御信号が出力され、よってスイッチング回路部170の第2スイッチング回路172がターンオンされ、スイッチング回路部170の第1および第3スイッチ回路171、173のそれぞれがターンオフされる。次いで、駆動集積回路530から検査データ信号が偶数番目データライン(DLe)に供給され、よって駆動集積回路530のセンシング部533は、偶数番目データライン(DLe)、第2スイッチ回路172およびレファレンス電圧ライン(RL)を含む第2電流パス(CP2)およびライン選択部535を介して入力される電流をセンシングして抵抗センシングデータを生成する。次いで、タイミングコントローラ570で、抵抗センシングデータに基づいて偶数番目データルーティングラインおよびレファレンスルーティングラインのライン抵抗値を生成して記憶回路に保存することができる。
【0386】
次いで、検査モードの第3検査期間で、奇数番目データルーティングラインおよび偶数番目データルーティングラインのライン抵抗値をセンシングすることができる。本明細書の一実施例によれば、駆動集積回路530から第2論理レベルを有する第3スイッチング制御信号および第1論理レベルの第1および第2スイッチング制御信号が出力され、よってスイッチング回路部170の第3スイッチ回路173がターンオンされ、スイッチング回路部170の第1および第2スイッチ回路171、172のそれぞれがターンオフされる。次いで、駆動集積回路530から検査データ信号が奇数番目データライン(DLo)と偶数番目データライン(DLe)に供給され、よって駆動集積回路530のセンシング部533は、奇数番目データライン(DLo)、第3スイッチ回路173および偶数番目データライン(DLe)を含む第3電流パス(CP3)およびライン選択部535を介して入力される電流をセンシングして抵抗センシングデータを生成する。次いで、タイミングコントローラ570で、抵抗センシングデータに基づいて奇数番目データルーティングラインおよび偶数番目データルーティングラインのライン抵抗値を生成して記憶回路に保存することができる。
【0387】
次いで、タイミングコントローラ570は、第1~第3検査期間のそれぞれで生成されたライン抵抗値に基づき、下記の式2の演算によって、奇数番目データルーティングラインのライン抵抗値(R1)および偶数番目データルーティングラインのライン抵抗値(R2)を生成し、レファレンスルーティングラインのライン抵抗値(R3)をさらに生成することができる。
【0388】
[式2]
Rl+R3=Rsum1、R2+R3=Rsum2、R1+R2=Rsum3
Rsum1+Rsum2+Rsum3=Rtot、
2(R1+R2+R3)=Rtot、R1+R2+R3=Rtot/2
R1=(Rtot/2)-Rsum2、R2=(Rtot/2)-Rsum1、R3=(Rtot/2)-Rsum3
【0389】
式2で、R1は、奇数番目データルーティングラインのライン抵抗値を示し、R2は、偶数番目データルーティングラインのライン抵抗値を示し、R3は、レファレンスルーティングラインのライン抵抗値を示す。そして、Rsum1は、第1検査期間で生成された奇数番目データルーティングラインおよびレファレンスルーティングラインのライン抵抗値を示し、Rsum2は、第2検査期間で生成された偶数番目データルーティングラインおよびレファレンスルーティングラインのライン抵抗値を示し、Rsum3は、第3検査期間で生成された奇数番目データルーティングラインおよび偶数番目データルーティングラインのライン抵抗値を示す。
【0390】
次いで、タイミングコントローラ570は、ライン別抵抗値に基づいてライン別抵抗偏差を補償するためのライン別抵抗補償値を算出し、ライン別抵抗補償値をルックアップテーブル形態として記憶回路に保存する。本明細書の一実施例として、タイミングコントローラ570は、記憶回路に保存された複数のデータルーティングラインのそれぞれの抵抗補償値によって複数のデータラインのそれぞれに供給される画素データを変調し、変調された画素データを駆動集積回路530に提供することができる。本明細書の他の実施例として、タイミングコントローラ570は、記憶回路に保存された複数のデータルーティングラインのそれぞれの抵抗補償値によって複数のデータラインのそれぞれに対応する複数の信号出力回路531o、531eのそれぞれの電流オブション値(またはバイアス電圧レベル)を設定して記憶回路に保存し、記憶回路に保存された電流オブション値を該当信号出力回路531o、531eにそれぞれ供給することができる。したがって、複数の信号出力回路531o、531eのそれぞれは、タイミングコントローラ570から供給される電流オブション値に対応するバイアス電圧レベルによって該当データルーティングラインの抵抗値が補償されたデータ信号を出力することができ、よって複数のデータルーティングラインのそれぞれのライン抵抗値の間の抵抗偏差が補償され得る。
【0391】
したがって、本明細書の他の実施例によれば、複数のスイッチング回路部170のそれぞれの第1~第3スイッチング回路171、172、173を選択的にターンオンさせ、複数のデータライン(DLo、DLe)のそれぞれに検査信号を選択的に供給しながら、レファレンス電圧ライン(RL)を介して流れる電流をセンシングすることで、複数のデータルーティングラインのそれぞれのライン抵抗を検出することができ、複数のデータルーティングラインのそれぞれのライン抵抗値の間の抵抗偏差を補償することができる。
【0392】
図17は、本明細書の他の実施例に係る複数のスイッチング回路部を説明するための図であり、図18は、図17に示す線III-III’についての断面図である。図17図18は、図1図16で説明した発光表示装置において、ダム部と複数のスイッチング回路部を変更したものである。これにより、以下の説明では、ダム部と複数のスイッチング回路部、およびこれに関連した構成を除いて残った構成に対しては、同じ図面符号を付与し、それについての重複する説明は省略するか、または簡略にすることができる。
【0393】
図17および図18を参照すると、本明細書の他の実施例に係るダム部104は、第1および第2ダム104-1、104-2を含むことができる。
【0394】
第1および第2ダム104-1、104-2のそれぞれは、金属ライン104mを含むことができる。金属ライン104mは、ダム部104の内部に内装されるか、または実現されることで、平面上でダム部104と同じ閉ループライン形状(または連続的なライン形状または閉ループ形状)を有することができる。このようなダム部104は、第1および第2ダム104-1、104-2を有することを除き、図1図12で説明したダム部104と実質的に同じ構造を有するように構成されるので、これについての説明は省略することができる。
【0395】
分離部105は、第1および第2ダム104-1、104-2の間に配置された第1分離構造物105-1、および第2ダム104-2の内側領域に配置された第2および第3分離構造物105-2、105-3を含むことができる。このような分離部105は、第3分離構造物105-3をさらに含むことを除き、図1図13で説明した分離部105と実質的に同じ構造を有するように構成されるので、これについての説明は省略することができる。
【0396】
追加として、第1~第3分離構造物105-1、105-2、105-3のそれぞれの金属構造物は、ビアホール105hを介して画素共通電圧ライン(CVL)と電気的に連結(または接触)され得る。
【0397】
第1パッド部110は、第1および第2前面センシング制御パッド112a、112b、および第1および第2パッド連結ライン176、177を含むことができる。このような第1パッド部110は、図1図13で説明したパッド部110において第3前面センシング制御パッド112cおよび第3パッド連結ラインが省略された構成を有するので、これについての重複する説明は省略することができる。
【0398】
本明細書の一実施例に係る複数のスイッチング回路部170のそれぞれは、第1および第2スイッチング回路171、172を含むことができる。
【0399】
第1および第2スイッチング回路171、172は、第1および第2ダム104-1、104-2と個別的に重畳されるように配置され得る。例えば、第1スイッチング回路171は、第1ダム104-1と重畳されるか、または第1ダム104-1の下に配置され得る。第2スイッチング回路172は、第2ダム104-2と重畳されるか、または第2ダム104-2の下に配置され得る。このような第1および第2スイッチング回路171、172のそれぞれは、図1図13で説明した第1および第2スイッチング回路171、172のそれぞれと実質的に同一であるので、これについての重複する説明は省略することができる。
【0400】
追加として、図14および図15で説明した前面補助パッド部1110、背面補助パッド部1210、補助ルーティング部、および補助リンクライン部1250のそれぞれは、図17および図18に示す実施例に適用され得る。
【0401】
このような、本明細書の他の実施例によれば、図1図16で説明した発光表示装置と同じ効果を有することができ、図1図16で説明した発光表示装置と比較して、ダム部104が占める領域が減少することにより、高解像度化に対する画素設計(またはデザイン)が容易になすことができる。
【0402】
図19は、本明細書の他の実施例に係るスイッチング回路部、駆動集積回路およびタイミングコントローラを概略的に示す図である。図19は、スイッチング回路部を介してルーティングラインのショートまたはルーティングラインに対するライン抵抗をセンシングすることを説明するための図である。
【0403】
図17図19を参照すると、本明細書の他の実施例に係る駆動集積回路530は、データ駆動部531、センシング部533、およびライン選択部535を含むことができる。このような構成を含む駆動集積回路530は、検査モードで、タイミングコントローラ570から供給される第1および第2スイッチング制御信号を出力するように構成されることを除き、図16で説明した駆動集積回路530と実質的に同一であるので、これについての重複する説明は省略することができる。
【0404】
タイミングコントローラ570は、検査モードで、第1および第2スイッチング制御信号を生成してスイッチング回路部170の第1および第2スイッチ回路171、172のそれぞれのスイッチングを制御し、検査データおよびライン選択信号を生成してデータ駆動部531に提供することができる。このようなタイミングコントローラ570は、検査モードで、第1および第2スイッチング制御信号を生成してスイッチング回路部170の第1および第2スイッチ回路171、172のそれぞれのスイッチングを制御することを除き、図16で説明したタイミングコントローラ570と実質的に同一であるので、これについての重複する説明は省略することができる。
【0405】
選択的に、タイミングコントローラ570は、ライン別抵抗補償値に対応するバイアス電圧を生成せず、ライン別抵抗補償値を駆動集積回路530に提供することもできる。この場合、駆動直接回路530は、バイアス電圧生成部537をさらに含むことができる。バイアス電圧生成部537は、タイミングコントローラ570から供給されるライン別抵抗補償値のそれぞれに対応するライン別バイアス電圧を生成し、生成されたライン別バイアス電圧を該当信号出力回路531o、531eのバイアス端子に供給することができる。
【0406】
追加として、本明細書の他の実施例に係る駆動集積回路530または駆動回路部500は、電圧選択部539をさらに含むことができる。
【0407】
電圧選択部539は、タイミングコントローラ570の電圧選択信号に応じて、タイミングコントローラ570から供給されるスイッチング制御信号およびグラウンド電圧のうちのいずれか1つを選択して出力することができる。
【0408】
電圧選択部539は、検査モードで、タイミングコントローラ570から供給される第1電圧レベルの電圧選択信号に応じてタイミングコントローラ570から供給される第1および第2スイッチング制御信号のそれぞれを出力することができ、これによりスイッチング回路部170の第1および第2スイッチ回路171、172のそれぞれは、電圧選択部539から第1および第2前面センシング制御パッド112a、112bのそれぞれを介して供給される該当スイッチング制御信号に応じてスイッチングされ得る。
【0409】
電圧選択部539は、非検査モードまたは正常駆動モードで、タイミングコントローラ570から供給される第2電圧レベルの電圧選択信号に応じて、タイミングコントローラ570から供給されるグラウンド電圧(GND)を出力することができ、これによりスイッチング回路部170の第1および第2スイッチ回路171、172のそれぞれは、電圧選択部539から第1および第2前面センシング制御パッド112a、112bのそれぞれとダム部104の金属ライン104mを介して供給されるグラウンド電圧(GND)によってオフ状態に維持され、ダム部104の金属ライン104mは、グラウンド電圧(GND)に維持されることで、静電気保護ラインまたは静電気遮断ラインとして使用され得る。
【0410】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置で、ルーティングラインのショートを検査するための駆動方法を説明すると次のようである。
【0411】
まず、タイミングコントローラ570から第1論理レベル(またはゲートオフ電圧レベル)を有する第1および第2スイッチング制御信号のそれぞれが出力され、これにより、スイッチング回路部170の第1および第2スイッチ回路171、172のそれぞれがターンオフされる。
【0412】
次いで、駆動集積回路530から検査データ信号がデータライン(DLo、DLe)に供給され、これにより、駆動集積回路530のセンシング部533は、レファレンス電圧ライン(RL)およびライン選択部535を介して入力される電流をセンシングしてラインセンシングデータを出力する。
【0413】
次いで、タイミングコントローラ570で、ラインセンシングデータに基づいてルーティングラインの間のショート有無を判断する。例えば、隣接して配置されたレファレンス電圧ライン(RL)とデータライン(DLo、DLe)との間のショートが発生した場合、データライン(DLo、DLe)に流れる電流がショート部分を介してレファレンス電圧ライン(RL)に流れ、センシング部533は、レファレンス電圧ライン(RL)に流れる電流をセンシングすることで、ラインの間のショート有無を検出することができる。例えば、タイミングコントローラ570は、ラインセンシングデータが基準閾値電圧値以上の場合、ルーティングラインの間のショートが発生したと判断することができる。
【0414】
したがって、本明細書の一実施例によれば、複数のスイッチング回路部170のそれぞれの第1および第2スイッチング回路171、172をターンオフさせ、複数のデータライン(DLo、DLe)のそれぞれに検査信号を供給しながら、複数のレファレンス電圧ライン(RL)のそれぞれに流れる電流をセンシングすることで、複数のルーティングラインの間のショート不良を検出することができる。
【0415】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置で、ルーティングラインのライン抵抗をセンシングするための駆動方法を説明すると次のようである。
【0416】
まず、検査モードの第1検査期間で、奇数番目データルーティングラインおよびレファレンスルーティングラインのライン抵抗値をセンシングすることができる。本明細書の一実施例によれば、駆動集積回路530から第2論理レベル(またはゲートオン電圧レベル)を有する第1スイッチング制御信号と第1論理レベルの第2スイッチング制御信号が出力され、よってスイッチング回路部170の第1スイッチ回路171がターンオンされ、スイッチング回路部170の第2スイッチ回路172がターンオフされる。次いで、駆動集積回路530から検査データ信号が奇数番目データライン(DLo)に供給され、よって駆動集積回路530のセンシング部533は、奇数番目データライン(DLo)、第1スイッチ回路171およびレファレンス電圧ライン(RL)を含む第1電流パス(CP1)およびライン選択部535を介して入力される電流をセンシングして抵抗センシングデータを生成する。次いで、タイミングコントローラ570で、抵抗センシングデータに基づいて奇数番目データルーティングラインおよびレファレンスルーティングラインのライン抵抗値を生成して記憶回路に保存することができる。
【0417】
次いで、検査モードの第2検査期間で、偶数番目データルーティングラインおよびレファレンスルーティングラインのライン抵抗値をセンシングすることができる。本明細書の一実施例によれば、駆動集積回路530から第2論理レベルを有する第2スイッチング制御信号と第1論理レベルの第1スイッチング制御信号が出力され、よってスイッチング回路部170の第2スイッチ回路172がターンオンされ、スイッチング回路部170の第1スイッチ回路171がターンオフされる。次いで、駆動集積回路530から検査データ信号が偶数番目データライン(DLe)に供給され、よって駆動集積回路530のセンシング部533は、偶数番目データライン(DLe)、第2スイッチ回路172およびレファレンス電圧ライン(RL)を含む第2電流パス(CP2)およびライン選択部535を介して入力される電流をセンシングして抵抗センシングデータを生成する。次いで、タイミングコントローラ570で、抵抗センシングデータに基づいて偶数番目データルーティングラインおよびレファレンスルーティングラインのライン抵抗値を生成して記憶回路に保存することができる。
【0418】
次いで、検査モードの第3検査期間で、奇数番目データルーティングラインおよび偶数番目データルーティングラインのライン抵抗値をセンシングすることができる。本明細書の一実施例によれば、駆動集積回路530から第2論理レベルを有する第1および第2スイッチング制御信号が出力され、よってスイッチング回路部170の第1および第2スイッチ回路171、172がターンオンされる。次いで、駆動集積回路530から検査データ信号が奇数番目データライン(DLo)および偶数番目データライン(DLe)に供給され、よって駆動集積回路530のセンシング部533は、奇数番目データライン(DLo)、第1および第2スイッチ回路171、172および偶数番目データライン(DLe)を含む第3電流パス(CP3)およびライン選択部535を介して入力される電流をセンシングして抵抗センシングデータを生成する。次いで、タイミングコントローラ570で、抵抗センシングデータに基づいて奇数番目データルーティングラインおよび偶数番目データルーティングラインのライン抵抗値を生成して記憶回路に保存することができる。
【0419】
次いで、タイミングコントローラ570は、第1~第3検査期間のそれぞれで生成されたライン抵抗値に基づき、前述した式1および式2の演算によって、奇数番目データルーティングラインのライン抵抗値および偶数番目データルーティングラインのライン抵抗値を生成し、レファレンスルーティングラインのライン抵抗値をさらに生成することができる。
【0420】
次いで、タイミングコントローラ570は、ライン別抵抗値に基づいてライン別抵抗偏差を補償するためのライン別抵抗補償値を算出し、ライン別抵抗補償値をルックアップテーブル形態として記憶回路に保存する。本明細書の一実施例として、タイミングコントローラ570は、記憶回路に保存された複数のデータルーティングラインのそれぞれの抵抗補償値によって複数のデータラインのそれぞれに供給される画素データを変調し、変調された画素データを駆動集積回路530に提供することができる。本明細書の他の実施例として、タイミングコントローラ570は、記憶回路に保存された複数のデータルーティングラインのそれぞれの抵抗補償値によって複数のデータラインのそれぞれに対応する複数の信号出力回路531o、531eのそれぞれの電流オブション値(またはバイアス電圧レベル)を設定して記憶回路に保存し、記憶回路に保存された電流オブション値を該当信号出力回路531o、531eにそれぞれ供給することができる。したがって、複数の信号出力回路531o、531eのそれぞれは、タイミングコントローラ570から供給される電流オブション値に対応するバイアス電圧レベルによって該当データルーティングラインの抵抗値が補償されたデータ信号を出力することができ、よって複数のデータルーティングラインのそれぞれのライン抵抗値の間の抵抗偏差が補償され得る。
【0421】
したがって、本明細書の他の実施例によれば、複数のスイッチング回路部170のそれぞれの第1および第2スイッチング回路171、172を選択的にターンオンさせ、複数のデータライン(DLo、DLe)のそれぞれに検査信号を選択的に供給しながら、レファレンス電圧ライン(RL)を介して流れる電流をセンシングすることで、複数のデータルーティングラインのそれぞれのライン抵抗を検出することができ、複数のデータルーティングラインのそれぞれのライン抵抗値の間の抵抗偏差を補償することができる。
【0422】
図20は、本明細書のさらに他の実施例に係る複数のスイッチング回路部を説明するための図であり、図21は、図20に示す線IV-IV’についての断面図であり、図22は、図20に示す線V-V’についての断面図である。図20図22は、図17および図18で説明した発光表示装置において、1つのダム部と重畳されるように複数のスイッチング回路部を配置したものである。したがって、以下の説明では、1つのダム部と複数のスイッチング回路部、およびこれに関連した構成を除いて残った構成に対しては、同じ図面符号を付与し、それについての重複する説明は省略するか、または簡略にすることができる。
【0423】
図20図22を参照すると、本明細書の他の実施例に係るダム部104は、最外郭画素(Po)の縁部分に沿って平面上で閉ループライン形状(または連続的なライン形状または閉ループ形状)を有するように構成され得る。このようなダム部104は、金属ライン104mを有するダム(または1つのダム)からなることを除き、図1図14で説明したダム部104と実質的に同じ構造を有するように構成されるので、これについての説明は省略することができる。
【0424】
分離部105は、ダム部(またはダム)104の外側領域に配置された少なくとも1つの外側分離構造物(または第1および第2分離構造物)105-1、105-2を含むことができる。分離部105は、ダム部104の内側領域に配置された少なくとも1つの内側分離構造物(または第3および第4分離構造物)105-3、105-4をさらに含むことができる。少なくとも1つの外側分離構造物105-1、105-2は、ダム部104を取り囲むように配置され得る。少なくとも1つの内側分離構造物105-3、105-4は、ダム部104によって取り囲まれるように配置され得る。このような分離部105は、少なくとも1つの外側分離構造物105-1、105-2および少なくとも1つの内側分離構造物105-3、105-4を含むことを除き、図1図13で説明した分離部105と実質的に同じ構造を有するように構成されるので、これについての説明は省略することができる。
【0425】
追加として、少なくとも1つの外側分離構造物105-1、105-2および少なくとも1つの内側分離構造物105-3、105-4のそれぞれの金属構造物は、ビアホール105hを介して画素共通電圧ライン(CVL)と電気的に連結(または接触)され得る。
【0426】
第1パッド部110は、第1および第2前面センシング制御パッド112a、112b、および第1および第2パッド連結ライン176、177を含むことができる。第1パッド連結ライン176は、ビアホール176hを介してダム部104の金属ライン104mに電気的に連結され、第2パッド連結ライン177は、ビアホール177hを介してダム部104の金属ライン104mに電気的に連結され得る。したがって、ダム部104の金属ライン104mは、第1および第2パッド連結ライン176、177に共通して連結され得る。追加として、第1パッド部110は、1つの前面センシング制御パッド112aおよび1つのパッド連結ライン176のみからなることができるが、これに限定されず、図13に示す複数の第1前面センシング制御パッド112aを含むこともできる。
【0427】
本明細書の他の実施例に係る複数のスイッチング回路部170のそれぞれは、第1および第2スイッチング回路171、172を含むことができる。互いに並んで第1および第2スイッチング回路171、172は、1つの金属ライン104mに共通して連結されることを除き、図17および図18で説明した第1および第2スイッチング回路171、172のそれぞれと実質的に同一であるので、これについての重複する説明は省略することができる。
【0428】
追加として、図14および図15で説明した前面補助パッド部1110、背面補助パッド部1210、補助ルーティング部、および補助リンクライン部1250のそれぞれは、図20図22に示す実施例に適用され得る。
【0429】
このような、本明細書の他の実施例によれば、図17図18で説明した発光表示装置と同じ効果を有することができ、図17図18で説明した発光表示装置と比較して、ダム部104が占める領域が減少することにより、高解像度化に対する画素設計(またはデザイン)がさらに容易になすことができる。
【0430】
図23は、本明細書のさらに他の実施例に係るスイッチング回路部、駆動集積回路およびタイミングコントローラを概略的に示す図である。図23は、スイッチング回路部を介してルーティングラインのショートまたはルーティングラインに対するライン抵抗をセンシングすることを説明するための図である。
【0431】
図20図23を参照すると、本明細書の他の実施例に係る駆動集積回路530は、データ駆動部531、センシング部533、およびライン選択部535を含むことができる。このような構成を含む駆動集積回路530は、検査モードで、タイミングコントローラ570から供給される単一のスイッチング制御信号を出力するように構成されることを除き、図16で説明した駆動集積回路530と実質的に同一であるので、これについての重複する説明は省略することができる。
【0432】
タイミングコントローラ570は、検査モードで、単一のスイッチング制御信号を生成してスイッチング回路部170の第1および第2スイッチ回路171、172のそれぞれのスイッチングを制御し、検査データおよびライン選択信号を生成してデータ駆動部531に提供することができる。このようなタイミングコントローラ570は、検査モードで、単一のスイッチング制御信号を生成してスイッチング回路部170の第1および第2スイッチ回路171、172のそれぞれのスイッチングを制御することを除き、図16で説明したタイミングコントローラ570と実質的に同一であるので、これについての重複する説明は省略することができる。
【0433】
選択的に、タイミングコントローラ570は、ライン別抵抗補償値に対応するバイアス電圧を生成せず、ライン別抵抗補償値を駆動集積回路530に提供することもできる。この場合、駆動直接回路530は、バイアス電圧生成部537をさらに含むことができる。バイアス電圧生成部537は、タイミングコントローラ570から供給されるライン別抵抗補償値のそれぞれに対応するライン別バイアス電圧を生成し、生成されたライン別バイアス電圧を該当信号出力回路531o、531eのバイアス端子に供給することができる。
【0434】
追加として、本明細書の他の実施例に係る駆動集積回路530または駆動回路部500は、電圧選択部539をさらに含むことができる。
【0435】
電圧選択部539は、タイミングコントローラ570の電圧選択信号に応じて、タイミングコントローラ570から供給されるスイッチング制御信号およびグラウンド電圧のうちのいずれか1つを選択して出力することができる。
【0436】
電圧選択部539は、検査モードで、タイミングコントローラ570から供給される第1電圧レベルの電圧選択信号に応じてタイミングコントローラ570から供給されるスイッチング制御信号を出力することができ、これによりスイッチング回路部170の第1および第2スイッチ回路171、172のそれぞれは、電圧選択部539から第1および第2前面センシング制御パッド112a、112bのそれぞれを介して供給される該当スイッチング制御信号に応じてスイッチングされ得る。
【0437】
電圧選択部539は、非検査モードまたは正常駆動モードで、タイミングコントローラ570から供給される第2電圧レベルの電圧選択信号に応じて、タイミングコントローラ570から供給されるグラウンド電圧(GND)を出力することができ、これによりスイッチング回路部170の第1および第2スイッチ回路171、172のそれぞれは、電圧選択部539から第1および第2前面センシング制御パッド112a、112bのそれぞれとダム部104の金属ライン104mを介して供給されるグラウンド電圧(GND)によってオフ状態に維持され、ダム部104の金属ライン104mは、グラウンド電圧(GND)に維持されることで、静電気保護ラインまたは静電気遮断ラインとして使用され得る。
【0438】
本明細書の一実施例に係る発光表示装置で、ルーティングラインのショートを検査するための駆動方法を説明すると次のようである。
【0439】
まず、タイミングコントローラ570から第1論理レベルを有するスイッチング制御信号が出力され、これにより、スイッチング回路部170の第1および第2スイッチ回路171、172のそれぞれがターンオフされる。
【0440】
次いで、駆動集積回路530から検査データ信号がデータライン(DLo、DLe)に供給され、これにより、駆動集積回路530のセンシング部533は、レファレンス電圧ライン(RL)およびライン選択部535を介して入力される電流をセンシングしてラインセンシングデータを出力する。
【0441】
次いで、タイミングコントローラ570で、ラインセンシングデータに基づいてルーティングラインの間のショート有無を判断する。例えば、隣接して配置されたレファレンス電圧ライン(RL)とデータライン(DLo、DLe)との間のショートが発生した場合、データライン(DLo、DLe)に流れる電流がショート部分を介してレファレンス電圧ライン(RL)に流れ、よってレファレンス電圧ライン(RL)に流れる電流をセンシングすることで、ラインの間のショート有無を検出することができる。例えば、タイミングコントローラ570は、ラインセンシングデータが基準閾値電圧値以上の場合、ルーティングラインの間のショートが発生したと判断することができる。
【0442】
したがって、本明細書の一実施例によれば、複数のスイッチング回路部170のそれぞれの第1および第2スイッチング回路171、172をターンオフさせ、複数のデータライン(DLo、DLe)のそれぞれに検査信号を供給しながら、複数のレファレンス電圧ライン(RL)のそれぞれに流れる電流をセンシングすることで、複数のルーティングラインの間のショート不良を検出することができる。
【0443】
本明細書の他の実施例に係る発光表示装置で、ルーティングラインのライン抵抗をセンシングするための駆動方法を説明すると次のようである。
【0444】
まず、検査モードの第1検査期間で、駆動集積回路530の奇数番目信号出力回路531oがイネーブル(enable)され、偶数番目信号出力回路531eがディセーブル(disenable)され、これにより奇数番目データルーティングラインおよびレファレンスルーティングラインのライン抵抗値をセンシングすることができる。本明細書の一実施例によれば、駆動集積回路530から第2論理レベルを有するスイッチング制御信号が出力され、よってスイッチング回路部170の第1および第2スイッチ回路171、172が同時にターンオンされる。次いで、駆動集積回路530の奇数番目信号出力回路531oから検査データ信号が奇数番目データライン(DLo)に供給され、よって駆動集積回路530のセンシング部533は、奇数番目データライン(DLo)、第1スイッチ回路171およびレファレンス電圧ライン(RL)を含む第1電流パス(CP1)およびライン選択部535を介して入力される電流をセンシングして抵抗センシングデータを生成する。次いで、タイミングコントローラ570で、抵抗センシングデータに基づいて奇数番目データルーティングラインおよびレファレンスルーティングラインのライン抵抗値を生成して記憶回路に保存することができる。
【0445】
次いで、検査モードの第2検査期間で、駆動集積回路530の奇数番目信号出力回路531oがディセーブルされ、偶数番目信号出力回路531eがイネーブルされ、これにより偶数番目データルーティングラインおよびレファレンスルーティングラインのライン抵抗値をセンシングすることができる。本明細書の一実施例によれば、駆動集積回路530から第2論理レベルを有するスイッチング制御信号が出力され、よってスイッチング回路部170の第1および第2スイッチ回路171、172が同時にターンオンされる。次いで、駆動集積回路530の偶数番目信号出力回路531eから検査データ信号が偶数番目データライン(DLe)に供給され、よって駆動集積回路530のセンシング部533は、偶数番目データライン(DLe)、第2スイッチ回路172およびレファレン電圧スライン(RL)を含む第2電流パス(CP2)およびライン選択部535を介して入力される電流をセンシングして抵抗センシングデータを生成する。次いで、タイミングコントローラ570で、抵抗センシングデータに基づいて偶数番目データルーティングラインおよびレファレンスルーティングラインのライン抵抗値を生成して記憶回路に保存することができる。
【0446】
次いで、検査モードの第3検査期間で、駆動集積回路530の奇数番目信号出力回路531oがイネーブルされ、偶数番目信号出力回路531eがディセーブルされ、これにより奇数番目データルーティングラインおよび偶数番目データルーティングラインのライン抵抗値をセンシングすることができる。本明細書の一実施例によれば、駆動集積回路530から第2論理レベルのスイッチング制御信号が出力され、よってスイッチング回路部170の第1および第2スイッチ回路171、172が同時にターンオンされる。次いで、駆動集積回路530の奇数番目信号出力回路531oから検査データ信号が奇数番目データライン(DLo)に供給され、よって駆動集積回路530のセンシング部533は、奇数番目データライン(DLo)、第1および第2スイッチ回路171、172および偶数番目データライン(DLe)を含む第3電流パス(CP3)およびライン選択部535を介して入力される電流をセンシングして抵抗センシングデータを生成する。次いで、タイミングコントローラ570で、抵抗センシングデータに基づいて奇数番目データルーティングラインおよび偶数番目データルーティングラインのライン抵抗値を生成して記憶回路に保存することができる。
【0447】
次いで、タイミングコントローラ570は、第1~第3検査期間のそれぞれで生成されたライン抵抗値に基づき、前述した式1および式2の演算によって、奇数番目データルーティングラインのライン抵抗値および偶数番目データルーティングラインのライン抵抗値を生成し、レファレンスルーティングラインのライン抵抗値をさらに生成することができる。
【0448】
次いで、タイミングコントローラ570は、ライン別抵抗値に基づいてライン別抵抗偏差を補償するためのライン別抵抗補償値を算出し、ライン別抵抗補償値をルックアップテーブル形態として記憶回路に保存する。本明細書の一実施例として、タイミングコントローラ570は、記憶回路に保存された複数のデータルーティングラインのそれぞれの抵抗補償値によって複数のデータラインのそれぞれに供給される画素データを変調し、変調された画素データを駆動集積回路530に提供することができる。本明細書の他の実施例として、タイミングコントローラ570は、記憶回路に保存された複数のデータルーティングラインのそれぞれの抵抗補償値によって複数のデータラインのそれぞれに対応する複数の信号出力回路531o、531eのそれぞれの電流オブション値(またはバイアス電圧レベル)を設定して記憶回路に保存し、記憶回路に保存された電流オブション値を該当信号出力回路531o、531eにそれぞれ供給することができる。したがって、複数の信号出力回路531o、531eのそれぞれは、タイミングコントローラ570から供給される電流オブション値に対応するバイアス電圧レベルによって該当データルーティングラインの抵抗値が補償されたデータ信号を出力することができ、よって複数のデータルーティングラインのそれぞれのライン抵抗値の間の抵抗偏差が補償され得る。
【0449】
したがって、本明細書の他の実施例によれば、複数のスイッチング回路部170のそれぞれの第1および第2スイッチング回路171、172を同時にターンオンさせ、複数のデータライン(DLo、DLe)のそれぞれに検査信号を選択的に供給しながら、レファレンス電圧ライン(RL)を介して流れる電流をセンシングすることで、複数のデータルーティングラインのそれぞれのライン抵抗を検出することができ、複数のデータルーティングラインのそれぞれのライン抵抗値の間の抵抗偏差を補償することができる。
【0450】
図24は、本明細書の一実施例によるマルチスクリーン表示装置を示す図であり、図25は、図24に示した線VI―VI’の断面図である。図24および図25は、図1図23に示した本明細書の実施例に係る発光表示装置をタイリングして実現したマルチスクリーン表示装置を示したものである。
【0451】
図24および図25を参照すると、本明細書の一実施例に係るマルチスクリーン表示装置(またはタイリング表示装置)は、複数の表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)を含むことができる。
【0452】
複数の表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)のそれぞれは、個別の画像を表示、または1つの映像を分割して表示することができる。このような複数の表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)のそれぞれは、図1図23に示した本明細書の実施例に係る発光表示装置を含むもので、これに対する重複する説明は省略することができる。
【0453】
複数の表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)のそれぞれは、側面同士接触するように別途のタイリングフレームにタイリングすることができる。例えば、複数の表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)のそれぞれは、N×Mの形状を有するようにタイリングすることで、大画面のマルチスクリーン表示装置を実現することができる。例えば、Nは、1以上の正の整数であり、Mは、2以上の正の整数であり得る。例えば、Nは、2以上の正の整数であり、Mは、1以上の正の整数であり得る。
【0454】
複数の表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)のそれぞれは、映像が表示される表示部(AA)全体を囲むベゼル領域(または非表示領域)を含まず、表示部(AA)が空気によって囲まれるエアーベゼル構造を有する。つまり、複数の表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)のそれぞれは、基板100の第1面全体が表示部(AA)として実現され得る。
【0455】
本明細書の一実施例によれば、複数の表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)のそれぞれにおいて、最外郭画素(Po)の中心部(CP)と基板100の最外郭外側面(VL)との間の第2間隔(D2)は、隣接した画素間の第1間隔(D1)(または画素ピッチ)の半分以下で実現される。これにより、側面結合方式によって、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って側面同士連結(または接触)した隣接した2つの表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)で、隣接した最外郭画素(Po)間の間隔(D2+D2)は、隣接した2つの画素間の第1間隔(D1)と同一または小さくなる。
【0456】
図24を例にとると、第2方向(Y)に沿って側面同士連結(または接触)した第1表示装置(DA1)と第3表示装置(DA3)において、第1表示装置(DA1)の最外郭画素(Po)の中心部(CP)と第3表示装置(DA3)の最外郭画素(Po)の中心部(CP)との間の間隔(D2+D2)は、第1表示装置(DA1)と第3表示装置(DA3)のそれぞれに配置された隣接した2つの画素間の第1間隔(D1)(または画素ピッチ)と同じか小さくすることができる。
【0457】
したがって、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って側面同士連結(または接触)した隣接した2つの表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)のそれぞれの最外郭画素(Po)の中心部(CP)間の間隔(D2+D2)が、各表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)に配置された隣接した2つの画素間の第1間隔(D1)と同一または小さいので、隣接した2つの表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)との間の境界部分またはシーム(seam)が存在せず、これにより複数の表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)間に設けられる境界部分による暗部領域が存在しない。その結果、複数の表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)がN×Mの形状でタイリングされたマルチスクリーン表示装置に表示される映像は、複数の表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)間の境界部分で断絶感(または不連続性)なしに、連続的に表示され得る。
【0458】
図24および図25では、複数の表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)が2×2の形状でタイリングされたことを示したが、これに限定されず、複数の表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)は、x×1形状、1×y形状、またはx×y形状でタイリングされ得る。例えば、xとyは、互いに同一または異なる2以上の自然数であり得る。例えば、xは、2以上の自然数であるか、またはyと同一の自然数であり得る。yは、2以上の自然数であるか、またはyより大きいか小さい自然数であり得る。例えば、x×1形状で、xは、2以上の自然数であり、1×y形状で、yは、2以上の自然数であり、x×y形状で、xおよびyは、2以上の自然数であり、互いに同一または異なることができる。例えば、x×yの形状で、xは、2以上の自然数であるか、またはyと同一の自然数であり得、またはxおよびyは、xがyより大きいか小さい2以上の自然数であり得る。
【0459】
このように、本明細書に係るマルチスクリーン表示装置は、複数の表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)のそれぞれの表示部(AA)を1つの画面にして、1つの映像を表示するとき、複数の表示装置(DA1、DA2、DA3、DA4)間の境界部分で断絶せず、連続的につながった映像を表示することができ、これによって、マルチスクリーン表示装置に表示される映像を視聴する視聴者の映像没入度を向上させることができる。
【0460】
本明細書の実施例に係る発光表示装置およびこれを用いたマルチスクリーン表示装置は、以下のように説明され得る。
【0461】
本明細書の実施例に係る発光表示装置は、基板、基板上に配置された複数の画素駆動ラインおよび複数の画素駆動ラインに連結された複数の画素を含む表示部、表示部に配置された自発光素子を含む発光素子層、基板の縁部分に沿って配置され、金属ラインを含む少なくとも1つのダムを含むダム部、発光素子層を覆うように配置され、ダム部によって少なくとも4つの側面が取り囲まれる有機封止層を含む封止層、少なくとも1つのダムと重畳されるように配置され、複数の画素駆動ラインに連結された複数のスイッチング回路部、および基板の一側縁部分に配置され、複数の画素駆動ラインおよび少なくとも1つのダムの金属ラインと電気的に結合された複数の前面パッドを含む前面パッド部を含み、複数のスイッチング回路部のそれぞれは、少なくとも1つのダムの金属ラインと電気的に結合されたゲート電極を含む第1および第2スイッチング回路を含むことができる。
【0462】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数のスイッチング回路部のそれぞれは、基板と少なくとも1つのダムとの間に配置され得る。
【0463】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数のスイッチング回路部のそれぞれは、複数の画素のうち基板の第1縁部分に配置された複数の最外郭画素のそれぞれに配置され得る。
【0464】
本明細書のいくつかの実施例によると、少なくとも1つのダムの金属ラインは、複数の前面パッドのうちの少なくとも1つと電気的に連結され得る。
【0465】
本明細書のいくつかの実施例によると、ダム部は、表示部を取り囲むように互いに平行に配置され、金属ラインをそれぞれ含む第1~第3ダムを含み、複数のスイッチング回路部のそれぞれは、第3スイッチング回路をさらに含み、第1スイッチング回路は、第1ダムと重畳されるように配置され、第1ダムの金属ラインと連結されたゲート電極を含み、第2スイッチング回路は、第2ダムと重畳されるように配置され、第2ダムの金属ラインと連結されたゲート電極を含み、第3スイッチング回路は、第3ダムと重畳されるように配置され、第3ダムの金属ラインと連結されたゲート電極を含むことができる。
【0466】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数のスイッチング回路部のそれぞれは、複数の画素駆動ラインのうち互いに隣接して配置された奇数番目データライン、レファレンス電圧ライン、および偶数番目データラインに連結され、第1スイッチング回路は、奇数番目データラインと電気的に結合された第1電極、およびレファレンス電圧ラインと電気的に結合された第2電極をさらに含み、第2スイッチング回路は、偶数番目データラインと電気的に結合された第1電極、およびレファレンス電圧ラインと電気的に結合された第2電極をさらに含み、第3スイッチング回路は、奇数番目データラインと電気的に結合された第1電極、および偶数番目データラインと電気的に結合された第2電極をさらに含むことができる。
【0467】
本明細書のいくつかの実施例によると、ダム部は、表示部を取り囲むように互いに平行に配置され、金属ラインをそれぞれ有する第1および第2ダムを含み、第1スイッチング回路は、第1ダムと重畳されるように配置され、第1ダムの金属ラインと連結されたゲート電極を含み、第2スイッチング回路は、第2ダムと重畳されるように配置され、第2ダムの金属ラインと連結されたゲート電極を含むことができる。
【0468】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数のスイッチング回路部のそれぞれは、複数の画素駆動ラインのうち互いに隣接して配置された奇数番目データライン、レファレンス電圧ライン、および偶数番目データラインに選択的に連結され、第1スイッチング回路は、奇数番目データラインと電気的に結合された第1電極、およびレファレンス電圧ラインと電気的に結合された第2電極をさらに含み、第2スイッチング回路は、偶数番目データラインと電気的に結合された第1電極、およびレファレンス電圧ラインと電気的に結合された第2電極をさらに含むことができる。
【0469】
本明細書のいくつかの実施例によると、ダム部は、表示部を取り囲むように配置され、金属ラインを含むダムを含み、第1スイッチング回路は、ダムと重畳されるように配置され、ダムの金属ラインと連結されたゲート電極を含み、第2スイッチング回路は、ダムと重畳されるように第1スイッチング回路に平行に配置され、ダムの金属ラインと連結されたゲート電極を含むことができる。
【0470】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数のスイッチング回路部のそれぞれは、複数の画素駆動ラインのうち互いに隣接して配置された奇数番目データライン、レファレンス電圧ライン、および偶数番目データラインに連結され、第1スイッチング回路は、奇数番目データラインと電気的に結合された第1電極、およびレファレンス電圧ラインと電気的に結合された第2電極をさらに含み、第2スイッチング回路は、偶数番目データラインと電気的に結合された第1電極、およびレファレンス電圧ラインと電気的に結合された第2電極をさらに含むことができる。
【0471】
本明細書のいくつかの実施例によると、発光表示装置は、金属ラインにグラウンド電圧を供給する駆動回路部をさらに含むことができる。
【0472】
本明細書のいくつかの実施例によると、発光表示装置は、複数の前面パッドのそれぞれと重畳される複数の背面パッドを含む背面パッド部、複数の背面パッドと電気的に結合された複数のリンクラインを含むリンクライン部、複数のリンクラインと電気的に結合された複数の入力パッドを含む入力パッド部、入力パッド部に連結された駆動回路部、および基板の外側面を取り囲み、複数の前面パッドのそれぞれおよび複数の背面パッドのそれぞれに電気的に結合された複数のルーティングラインを含むルーティング部をさらに含むことができる。
【0473】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数のスイッチング回路部のそれぞれは、複数の画素駆動ラインのうち互いに隣接して配置された奇数番目データライン、レファレンス電圧ライン、および偶数番目データラインに連結され、駆動回路部は、奇数番目データラインまたは偶数番目データラインに検査信号を出力する複数の信号出力回路を有するデータ駆動部、および検査信号に応じて第1および第2スイッチング回路のうちの少なくとも1つを介してレファレンス電圧ラインに流れる電流をセンシングするセンシング部を含む駆動集積回路、および駆動集積回路に検査データを提供し、センシング部から提供されるセンシングデータに基づいて複数の信号出力回路のそれぞれのバイアス端子に入力されるバイアス電圧レベルを設定するタイミングコントローラを含むことができる。
【0474】
本明細書のいくつかの実施例によると、タイミングコントローラは、センシングデータに基づいて複数のルーティングラインの間のショート有無を判断するか、またはセンシングデータに基づいて複数のルーティングラインのうちデータラインに連結されたデータルーティングラインのライン抵抗値を生成し、生成されたライン抵抗値によってバイアス電圧レベルを設定することができる。
【0475】
本明細書のいくつかの実施例によると、発光表示装置は、基板の他側縁部分に配置され、少なくとも1つのダムの金属ラインと電気的に結合された少なくとも1つの前面補助パッドを含む前面補助パッド部、少なくとも1つの前面補助パッドと重畳される少なくとも1つの背面補助パッドを含む背面補助パッド部、および少なくとも1つの前面補助パッドおよび少なくとも1つの背面補助パッドと電気的に結合された少なくとも1つの補助リンクラインを含む補助リンクライン部をさらに含み、少なくとも1つの補助リンクラインは、複数の入力パッドのうちの少なくとも1つと電気的に結合され得る。
【0476】
本明細書のいくつかの実施例によると、少なくとも1つのダムは、基板上に配置された第1ダムパターン、第1ダムパターン上に配置された第2ダムパターン、および第2ダムパターン上に配置された第3ダムパターンを含み、金属ラインは、第2ダムパターンと第3ダムパターンとの間に配置され得る。
【0477】
本明細書のいくつかの実施例によると、少なくとも1つのダムは、第1ダムパターンの側面と第2ダムパターンとの間に実現されたアンダーカット領域をさらに含み、ダム部上に配置される自発光素子は、アンダーカット領域で分離され得る。
【0478】
本明細書のいくつかの実施例によると、少なくとも1つのダムの周辺に配置された複数の分離構造物を含む分離部をさらに含み、複数の分離構造物のそれぞれは、下部構造物、および下部構造物に対して軒構造を有するように下部構造物上に配置された上部構造物を含み、分離部上に配置される自発光素子は、複数の分離構造物のそれぞれの軒構造によって分離され得る。
【0479】
本明細書のいくつかの実施例によると、発光表示装置は、少なくとも1つのダムの周辺に配置された複数の分離構造物を含む分離部をさらに含み、複数の分離構造物のそれぞれは、下部構造物、および下部構造物に対して軒構造を有するように下部構造物上に配置された上部構造物を含み、複数の分離構造物のうちの少なくとも1つは、下部構造物と上部構造物との間に配置された金属構造物をさらに含み、金属構造物は、下部構造物に対して軒構造を有するように下部構造物上に配置され、分離部上に配置される自発光素子は、金属構造物の軒構造によって分離され得る。
【0480】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の分離構造物のそれぞれは、複数の画素駆動ラインと交差し、金属構造物は、複数の画素駆動ラインのうちの少なくとも1つの画素共通電圧ラインと電気的に結合され得る。
【0481】
本明細書のいくつかの実施例によると、発光表示装置は、基板と発光素子層との間に配置された平坦化層、基板と平坦化層との間に配置されたパッシベーション層、ダム部の内側領域に配置され、平坦化層およびパッシベーション層が全部除去されることによって実現されたグルーブライン、グルーブラインに隣接したパッシベーション層の側面とグルーブラインに隣接した平坦化層の側面との間に実現されたアンダーカット領域をさらに含み、グルーブラインと平坦化層の側面上に配置される自発光素子とは、アンダーカット領域で分離され得る。
【0482】
本明細書の実施例に係るマルチスクリーン表示装置は、第1方向および第1方向を横切る第2方向のうちの少なくとも1方向に沿って配置された複数の表示装置を含み、複数の表示装置のそれぞれは、発光表示装置を含み、発光表示装置は、基板、基板上に配置された複数の画素駆動ラインおよび複数の画素駆動ラインに連結された複数の画素を含む表示部、表示部に配置された自発光素子を含む発光素子層、基板の縁部分に沿って配置され、金属ラインを含む少なくとも1つのダムを含むダム部、発光素子層を覆うように配置され、ダム部によって少なくとも4つの側面が取り囲まれる有機封止層を含む封止層、少なくとも1つのダムと重畳されるように配置され、複数の画素駆動ラインに連結された複数のスイッチング回路部、および基板の一側縁部分に配置され、複数の画素駆動ラインおよび少なくとも1つのダムの金属ラインと電気的に結合された複数の前面パッドを含む前面パッド部を含み、複数のスイッチング回路のそれぞれは、少なくとも1つのダムの金属ラインと電気的に結合されたゲート電極を含む第1および第2スイッチング回路を含むことができる。
【0483】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の表示装置のそれぞれの発光表示装置において、複数の画素は、基板上に第1方向と第2方向に沿って配列され、第1方向と第2方向のうちの少なくとも1方向に沿って隣接して第1表示装置と第2表示装置において、第1表示装置の最外郭画素の中心部と第2表示装置の最外郭画素の中心部との間の距離は、画素ピッチと同じか小さく、画素ピッチは、隣接する2つの画素の中心部の間の距離であり得る。
【0484】
本明細書の実施例に係る発光表示装置は、表示部を含む基板、表示部に配置され、基板の縁部に配置された最外郭画素を含む複数の画素、最外郭画素に配置され、1つ以上の金属ラインを含むダム部、ダム部と重畳されるように最外郭画素に配置された1つ以上のスイッチング回路部、および1つ以上の金属ラインに電気的に結合され、1つ以上の金属ラインを介して1つ以上のスイッチング制御信号を1つ以上のスイッチング回路部に提供するように構成された駆動回路部を含むことができる。
【0485】
本明細書の例による発光表示装置は、発光表示パネルを含むすべての電子機器に適用することができる。例えば、本明細書に係る発光表示装置は、モバイルデバイス、映像電話、スマートウォッチ(smart watch)、ウォッチフォン(watch phone)、ウェアラブル機器(wearable device)、フォルダブル機器(foldable device)、ローラブル機器(rollable device)、ベンダブル機器(bendable device)、フレキシブルデバイス(flexible device)、カーブド機器(curved device)、電子手帳、電子ブック、PMP(portable multimedia player)、PDA(personal digital assistant)、MP3プレーヤー、モバイル医療機器、デスクトップPC(desktop PC)、ラップトップPC(laptop PC)、ネットブックコンピュータ(netbook computer)、ワークステーション(workstation)、ナビゲーション、車両用ナビゲーション、車両用表示装置、テレビ、ウオールペーパー(wallpaper)表示機器、サイネージ(signage)機器、ゲーム機器、ノートパソコン、モニター、カメラ、ビデオカメラ、および家電機器などに適用され得る。
【0486】
以上で説明した本明細書では、前述した実施例および添付した図に限定されるものではなく、本明細書の技術的思想を逸脱しない範囲内で、複数の置換、変形および変更が可能であることは本明細書が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明らかであろう。したがって、本明細書の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、請求範囲の意味および範囲そしてその等価概念から導き出されるすべての変更または変形された形状が、本明細書の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0487】
10:発光表示装置
100:基板
101:回路層
102:平坦化層
103:バンク
104:ダム
105:分離部
106:封止層
110:第1パッド部
150:ゲート駆動回路
170:スイッチング回路部
171、172、173:スイッチング回路
210:第2パッド部
230:第3パッド部
400:ルーティング部
500:駆動回路部
530:駆動集積回路
531:データ駆動部
533:センシング部
535:ライン選択部
539:電圧選択部
570:タイミングコントローラ
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図20
図21
図22
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図24
図25