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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】コーナーパッド
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20240301BHJP
   B65D 59/00 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
B65D81/05 200
B65D59/00 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022186657
(22)【出願日】2022-11-22
【審査請求日】2022-11-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513133077
【氏名又は名称】大王パッケージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100159581
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 勝誠
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(74)【代理人】
【識別番号】100199808
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 昌代
(74)【代理人】
【識別番号】100139354
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 昌子
(74)【代理人】
【識別番号】100208708
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 健志
(74)【代理人】
【識別番号】100215371
【弁理士】
【氏名又は名称】古茂田 道夫
(74)【代理人】
【識別番号】100187997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 厳輝
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 勝彦
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-005867(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第102616454(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0016519(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0179216(US,A1)
【文献】実公昭42-005597(JP,Y1)
【文献】実公昭37-005795(JP,Y1)
【文献】米国特許第04598825(US,A)
【文献】米国特許第04127192(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 59/00
B65D 81/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状の第1側面パネルと、上記第1側面パネルと短辺同士が接続されている長方形状の第2側面パネルとを備え、
上記第1側面パネルと上記第2側面パネルとが直角に折り曲げられることで、対象物の角部を保護するコーナーパッドであって、
上記第1側面パネルおよび上記第2側面パネルと、
上記第1側面パネルの一対の長辺から延出し、互いに対向するように折り曲げられている一対の内側挟持片と、
上記第2側面パネルの一対の長辺から延出し、上記一対の内側挟持片の外側に折り重ねられている一対の外側挟持片と、
上記一対の外側挟持片から延出し、この外側挟持片の内側に重ねられている上記内側挟持片の内側に折り返されている一対の折り返し片と
からなり、
上記折り返し片が、その基端縁に対向する頂点部分が切り欠かれた三角形状であり、かつその基端縁と平行に延びる折り曲げ容易線を有しており、
上記折り返し片が、上記折り曲げ容易線によって多層に折り重ねられており、
上記一対の折り返し片がそれぞれ、上記第1側面パネルおよび上記第2側面パネルとの間に間隔を有し、上記一対の折り返し片同士が、シートの反力によって上記対象物を対向方向の両側から押圧可能に設けられており、上記一対の折り返し片が、上記一対の内側挟持片と上記対象物との間に介在して上記対象物を両側から押圧することで形状が維持されているコーナーパッド。
【請求項2】
上記一対の内側挟持片が、上記第1側面パネルの長辺に接続されている第1底辺と、上記第1側面パネルと上記第2側面パネルとの境界線から上記第1底辺に対して垂直に延びる第1高さ辺と、上記第1底辺と上記第1高さ辺とを直接又は間接に接続する第1接続辺とを有し、
上記一対の外側挟持片が、上記第2側面パネルの長辺に接続されている第2底辺と、上記境界線から上記第2底辺に対して垂直に延びる第2高さ辺と、上記第2底辺と上記第2高さ辺とを直接又は間接に接続する第2接続辺とを有し、
上記折り返し片が、上記第2接続辺から延出している請求項1に記載のコーナーパッド。
【請求項3】
上記内側挟持片及び上記外側挟持片が、それぞれ略直角三角形状である請求項2に記載のコーナーパッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コーナーパッド用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
板状の物品等の角部を保護するコーナーパッドが知られている。このコーナーパッドとして、段ボールシートを用いたものが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-100061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、L字状のパッドとこのパッドを覆う枠板とを接着してなるコーナーパッドが記載されている。このコーナーパッドは、収納物の四角にあてがって用いられるもので、荷造り用のPPバンドをかけて固定されるものである。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されているコーナーパッドは、L字状のパッドと枠板とをそれぞれ組み立てたうえで両者を接着することを要するため、組立作業が煩雑になる。また、特許文献1に記載されているコーナーパッドは、PPバンドで収納物に固定することを要するため、取付作業に手間がかかる。
【0006】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであり、組み立て及び対象物への取り付けを容易に行うことができるコーナーパッド用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るコーナーパッド用シートは、長方形状の第1側面パネルと、上記第1側面パネルと短辺同士が接続されている長方形状の第2側面パネルとを備え、上記第1側面パネルと上記第2側面パネルとが直角に折り曲げられることで、対象物の角部を保護するコーナーパッド用シートであって、上記第1側面パネルの一対の長辺から延出し、互いに対向するように折り曲げられる一対の内側挟持片と、上記第2側面パネルの一対の長辺から延出し、上記一対の内側挟持片の外側に折り重ねられる一対の外側挟持片と、上記一対の外側挟持片から延出し、この外側挟持片の内側に重ねられている上記内側挟持片の内側に折り返される一対の折り返し片とを備え、上記一対の折り返し片同士が、シートの反力によって上記対象物を対向方向の両側から押圧可能に設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係るコーナーパッド用シートは、組み立て及び対象物への取り付けを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の一実施形態に係るコーナーパッド用シートを示す模式的平面図である。
図2図2は、図1のコーナーパッド用シートを組み立ててなるコーナーパッドを示す模式的斜視図である。
図3図3は、図2のコーナーパッドを対象物に取り付けた状態を示す模式的断面図である。
図4図4は、図2のコーナーパッドの組み立て途中の状態を示す模式的斜視図である。
図5図5は、図2のコーナーパッドの組み立て途中の図4の次の状態を示す模式的斜視図である。
図6図6は、図2のコーナーパッドの組み立て途中の図5の次の状態を示す模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0011】
(1)本開示の一態様に係るコーナーパッド用シートは、長方形状の第1側面パネルと、上記第1側面パネルと短辺同士が接続されている長方形状の第2側面パネルとを備え、上記第1側面パネルと上記第2側面パネルとが直角に折り曲げられることで、対象物の角部を保護するコーナーパッド用シートであって、上記第1側面パネルの一対の長辺から延出し、互いに対向するように折り曲げられる一対の内側挟持片と、上記第2側面パネルの一対の長辺から延出し、上記一対の内側挟持片の外側に折り重ねられる一対の外側挟持片と、上記一対の外側挟持片から延出し、この外側挟持片の内側に重ねられている上記内側挟持片の内側に折り返される一対の折り返し片とを備え、上記一対の折り返し片同士が、シートの反力によって上記対象物を対向方向の両側から押圧可能に設けられている。
【0012】
当該コーナーパッド用シートは、上記一対の外側挟持片から延出する一対の折り返し片を備えており、これらの折り返し片のそれぞれを上記外側挟持片の内側に重ねられている上記内側挟持片の内側に折り返すことで、容易にコーナーパッドに組み立てられる。さらに、当該コーナーパッド用シートは、上記一対の折り返し片同士が、シートの反力によって上記対象物を対向方向の両側から押圧可能に設けられているので、組み立てられたコーナーパッドを上記一対の折り返し片によって上記対象物に容易に固定することができる。したがって、当該コーナーパッド用シートは、組み立て及び対象物への取り付けを容易に行うことができる。
【0013】
(2)上記(1)において、上記一対の内側挟持片が、上記第1側面パネルの長辺に接続されている第1底辺と、上記第1側面パネルと上記第2側面パネルとの境界線から上記第1底辺に対して垂直に延びる第1高さ辺と、上記第1底辺と上記第1高さ辺とを直接又は間接に接続する第1接続辺とを有し、上記一対の外側挟持片が、上記第2側面パネルの長辺に接続されている第2底辺と、上記境界線から上記第2底辺に対して垂直に延びる第2高さ辺と、上記第2底辺と上記第2高さ辺とを直接又は間接に接続する第2接続辺とを有し、上記折り返し片が、上記第2接続辺から延出しているとよい。このように構成されていることで、コーナーパッドへの組み立てをより容易に行うことができるとともに、対象物に容易かつ確実に取り付けることができる。
【0014】
(3)上記(2)において、上記内側挟持片及び上記外側挟持片が、それぞれ略直角三角形状であるとよい。このように、上記内側挟持片及び上記外側挟持片が、それぞれ略直角三角形状であることによって、コーナーパッドへの組み立て及び対象物への取り付けをさらに容易かつ確実に行うことができる。
【0015】
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、上記折り返し片が、その基端縁と平行に延びる折り曲げ容易線を有するとよい。この構成によると、上記折り返し片を上記折り曲げ容易線によって折り曲げて多層に折り重ねることで、対象物への押圧力を大きくすることができる。また、この構成によると、上記折り返し片を上記内側挟持片の内側により容易に折り返すことができる。
【0016】
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、上記折り返し片が、その基端縁に対向する頂点部分が切り欠かれた三角形状であるとよい。このように、上記折り返し片が、その基端縁に対向する頂点部分が切り欠かれた三角形状であることによって、上記折り返し片を上記内側挟持片の内側により容易に折り返すことができる。
【0017】
なお、本開示において、「長方形状」とは完全な長方形に限定されず、例えば角部が切り欠かれている形状や、任意の辺に凹凸や湾曲部分を有する形状を含む。「直角」とは、完全な直角には限定されない。「第1側面パネルと第2側面パネルとの境界線から第1底辺(あるいは第2底辺)に対して垂直に延びる」とは、第1側面パネルと第2側面パネルとの境界線の近傍から第1底辺(あるいは第2底辺)に対して垂直に延びる構成を含む。「近傍」とは、境界線との距離が10mm以下の範囲を意味し、5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。「略直角三角形状」とは、完全な直角三角形に限定されず、例えば頂点部分が切り欠かれた形状を含む。「平行」とは、完全な平行に限定されず、両者のなす角度が5°以下、好ましくは3°以下の構成を含む。
【0018】
以下、適宜図面を参照しつつ、本開示の実施の形態を詳説する。
【0019】
[コーナーパッド用シート]
図1のコーナーパッド用シート10は、1枚のシートから構成されている。当該コーナーパッド用シート10は、長方形状の第1側面パネル1と、第1側面パネル1と短辺同士が接続されている長方形状の第2側面パネル2とを備える。また、当該コーナーパッド用シート10は、第1側面パネル1の一対の長辺から延出し、互いに対向するように折り曲げられる一対の内側挟持片3と、第2側面パネル2の一対の長辺から延出し、一対の内側挟持片3の外側に折り重ねられる一対の外側挟持片4と、一対の外側挟持片4から延出し、この外側挟持片4の内側に重ねられている内側挟持片3の内側に折り返される一対の折り返し片5とを備える。当該コーナーパッド用シート10は、図2のコーナーパッド20に組み立てられる。当該コーナーパッド用シート10は、第1側面パネル1と第2側面パネル2とが直角に折り曲げられることで、対象物の角部を保護可能に設けられている。図3に示すように、当該コーナーパッド用シート10は、一対の折り返し片5同士が、シートの反力によって対象物Pを対向方向の両側から押圧可能に設けられている。
【0020】
当該コーナーパッド用シート10は、一対の外側挟持片4から延出する一対の折り返し片5を備えており、これらの折り返し片5のそれぞれを外側挟持片4の内側に重ねられている内側挟持片3の内側に折り返すことで、容易にコーナーパッド20に組み立てられる。さらに、当該コーナーパッド用シート10は、一対の折り返し片5同士が、シートの反力によって対象物Pを対向方向の両側から押圧可能に設けられているので、組み立てられたコーナーパッド20を一対の折り返し片5によって対象物Pに容易に固定することができる。したがって、当該コーナーパッド用シート10は、組み立て及び対象物Pへの取り付けを容易に行うことができる。
【0021】
当該コーナーパッド用シート10に用いられるシートとしては、例えば段ボールシート、ボール紙等の紙製シート、合成樹脂製シート、紙製シートと合成樹脂製シートとの積層シート等が挙げられる。中でも、加工性、衝撃吸収性、取扱性、リサイクル性、経済性等の点から紙製シートが好ましく、段ボールシートが特に好ましい。当該コーナーパッド用シート10を形成する段ボールシートとしては、原紙を波形状に形成した中芯をライナーに貼り合わせたものであって、例えば波形状に形成された中芯を1枚のライナーに貼り合わせた片面段ボールシート、片面段ボールシートの段頂にさらにライナーを貼り合わせた両面段ボールシート、両面段ボールシートの片側に片面段ボールシートの段頂を貼り合わせた複両面段ボールシート、複両面段ボールシートの片側に片面段ボールシートの段頂をさらに貼り合わせた複々両面段ボールシート等が挙げられる。これらの中でも、加工性、経済性、耐久性等の点から両面段ボールシートが好ましい。当該コーナーパッド用シート10が段ボールシートである場合、この段ボールシートの中芯の稜線の方向としては、第1側面パネル1の長辺又は短辺と平行とすることができ、図1に示すように、第1側面パネル1の短辺と平行であることが好ましい。
【0022】
(第1側面パネル)
第1側面パネル1は、上述のように長方形状である。第1側面パネル1の短辺の長さは、対象物Pの厚さよりも大きい。第1側面パネル1の長辺の長さは、対象物Pのサイズに基づいて設定可能であるが、対象物Pの角部を確実に保護する観点から例えば5cm以上25cm以下とすることができる。
【0023】
(第2側面パネル)
第2側面パネル2は、上述のように長方形状である。第2側面パネル2の短辺の長さは、第1側面パネル1の短辺の長さ以上とすることができる。第2側面パネル2の短辺の長さの下限としては、外側挟持片4を内側挟持片3の外面に容易に重ねることができる観点から、第1側面パネル1の短辺よりもシート厚さ分大きい長さが好ましく、第1側面パネル1の短辺よりもシート厚さの2倍分大きい長さがより好ましい。第2側面パネル2の短辺の長さの上限としては、外側挟持片4を内側挟持片3の外面に容易に重ねることができる観点から、第1側面パネル1の短辺よりもシート厚さの4倍分大きい長さが好ましく、第1側面パネル1の短辺よりもシート厚さの3倍分大きい長さがより好ましい。第2側面パネル2の長辺の長さは、対象物Pのサイズに基づいて設定可能であるが、第1側面パネル1の長辺の長さと同じであってもよい。
【0024】
(内側挟持片)
一対の内側挟持片3は、第1側面パネル1の中心軸(長辺と平行な中心軸)に対して線対称に構成されている。内側挟持片3は、第1側面パネル1の長辺に接続されている第1底辺3aと、第1側面パネル1と第2側面パネル2との境界線から第1底辺3aに対して垂直に延びる第1高さ辺3bと、第1底辺3aと第1高さ辺3bとを間接に接続する第1接続辺3cとを有する。第1底辺3aの長さは第1側面パネル1の長辺の長さと等しい。なお、本明細書において、「線対称」とは略線対称を含む。
【0025】
内側挟持片3は、第1接続辺3cを斜辺とする略直角三角形状であり、より詳しくは略直角二等辺三角形状である。
【0026】
(外側挟持片)
一対の外側挟持片4は、第2側面パネル2の中心軸(長辺と平行な中心軸)に対して線対称に構成されている。外側挟持片4は、第2側面パネル2の長辺に接続されている第2底辺4aと、第1側面パネル1と第2側面パネル2との境界線から第2底辺4aに対して垂直に延びる第2高さ辺4bと、第2底辺4aと第2高さ辺4bとを間接に接続する第2接続辺4cとを有する。第2底辺4aの長さは第2側面パネル2の長辺の長さと等しい。
【0027】
外側挟持片4は、第2接続辺4cを斜辺とする略直角三角形状であり、より詳しくは略直角二等辺三角形状である。内側挟持片3と外側挟持片4(図1において上下方向に対向する内側挟持片3と外側挟持片4)とは、第1側面パネル1と第2側面パネル2との境界線に対して線対称に構成されていることが好ましい。
【0028】
(折り返し片)
折り返し片5は、外側挟持片4の第2接続辺4cから延出している。折り返し片5の基端縁5aには、単一(1本)の折り曲げ容易線(第1折り曲げ容易線)が形成されている。折り返し片5は、第2接続辺4cから延出していることで、基端縁5aと段ボールシートの中芯の稜線とが交差するように設けられている。このように構成されていることで、折り返し片5によって対象物Pを押圧する際のシートの反力が十分に得られる。
【0029】
当該コーナーパッド用シート10は、一対の内側挟持片3がそれぞれ、上述の第1底辺3a、第1高さ辺3b及び第1接続辺3cを有し、かつ一対の外側挟持片4がそれぞれ、上述の第2底辺4a、第2高さ辺4b及び第2接続辺4cを有しており、折り返し片5が第2接続辺4cから延出していることによって、コーナーパッド20への組み立てをより容易に行うことができるとともに、対象物Pに容易かつ確実に取り付けることができる。
【0030】
また特に、上述のように内側挟持片3及び外側挟持片4がそれぞれ略直角三角形状であることで、コーナーパッド20への組み立て及び対象物Pへの取り付けをさらに容易かつ確実に行うことができる。より詳しく説明すると、内側挟持片3及び外側挟持片4がそれぞれ略直角三角形状である場合、折り返し片5の基端縁5aと段ボールシートの中芯の稜線とが45°で交差する。この構成によると、折り返し片5によって対象物Pを押圧する際のシートの反力が十分に得られるとともに、折り返された状態における折り返し片5の対象物Pに対する強度を十分に得やすい。
【0031】
折り返し片5は、基端縁5aと平行に延びる折り曲げ容易線(第2折り曲げ容易線5b)を有する。この構成によると、折り返し片5を第2折り曲げ容易線5bによって折り曲げて多層に折り重ねることで、対象物Pへの押圧力を大きくすることができる。また、折り返し片5を内側挟持片3の内側により容易に折り返すことができる。
【0032】
なお、当該コーナーパッド用シート10は、折り返し片5によって対象物Pを両側から押圧することでコーナーパッド20を対象物Pに固定できるので、第1側面パネル1及び第2側面パネル2の短辺の長さを、対象物Pの厚さと一致させる必要はない。つまり、当該コーナーパッド用シート10は、種々のサイズの対象物Pに対する汎用性が高い。加えて、折り返し片5が第2折り曲げ容易線5bを有することで、対象物Pへの押圧力を調整できるので、当該コーナーパッド用シート10の汎用性をさらに高めることができる。
【0033】
第2折り曲げ容易線5bは、折り返し片5の延出方向における中央に設けられていてもよい。この構成によると、例えば第2折り曲げ容易線5bよりも延出方向における先端側の部分を巻き込むように(上記先端側の部分を折り返し片5の基端側の部分と内側挟持片3との間に挟むように)折り返し片5を折り曲げることで、折り返し片5による対象物Pに対する押圧力を容易に大きくすることができる。また、この構成によると、折り返し時における折り返し片5の長さを容易に小さくすることができ、コーナーパッド20の組み立て容易性を容易に高めることができる。
【0034】
折り返し片5は、基端縁5aに対向する頂点部分が切り欠かれた三角形状であってもよい。このように構成されていることで、折り返し片5を内側挟持片3の内側により容易に折り返しつつ、シートの反力によって対象物Pを十分に押圧することができる。
【0035】
(組立手順)
次に、図4から図6を参照して、当該コーナーパッド用シート10をコーナーパッド20に組み立てる手順について説明する。
【0036】
まず、図4に示すように、第1側面パネル1を第2側面パネル2に対して直角に折り曲げ、続いて一方の内側挟持片3を、第1高さ辺3bが第2側面パネル2の長辺に沿うように折り曲げる。さらに、一方の外側挟持片4を折り曲げた内側挟持片3の外面に折り重ね、この外側挟持片4から延出している折り返し片5を内側挟持片3の内面側に折り返す。
【0037】
次に、図5に示すように、他方の内側挟持片3を、第1高さ辺3bが第2側面パネル2の長辺に沿うように折り曲げる。
【0038】
そして、図6に示すように、他方の外側挟持片4を折り曲げた内側挟持片3の外面に折り重ね、この外側挟持片4から延出している折り返し片5を内側挟持片3の内面側に折り返す。この際に、折り返し片5を第2折り曲げ容易線5bで折り曲げておくことで、折り返し片5の延出長さを小さくすることができるので、折り返し片5を内側挟持片3の内面側に容易に折り返すことができる。
【0039】
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。したがって、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
【0040】
上記内側挟持片及び上記外側挟持片の具体的な形状は、上記実施形態に記載された形状に限定されない。例えば、上記第1接続辺は、上記第1底辺と上記第1高さ辺とに直接接続されていてもよい。また、上記第2接続辺は、上記第2底辺と上記第2高さ辺とに直接接続されていてもよい。さらに、上記実施形態では、第1側面パネル、第2側面パネル、一対の内側挟持片、一対の外側挟持片、及び一対の折り返し片のみから構成される形態について説明した。ただし、当該コーナーパッド用シートは、他のパネル等をさらに備える構成を除外するものではない。
【0041】
上記折り返し片は、上述の第2折り曲げ容易線を有しない構成とすることも可能である。また、上記折り返し片は、複数の上記第2折り曲げ容易線を有する構成とすることも可能である。この構成によると、上記折り返し片を3層以上の多層に折り重ねることができ、対象物への押圧力をより調整しやすくなる。
【0042】
上記折り返し片の具体的な形状は、上記実施形態に記載された形状に限定されない。例えば上記折り返し片は、頂点部分が切り欠かれていない三角形状であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上のように、本開示の一態様に係るコーナーパッド用シートは、対象物の角部を保護するのに適している。
【符号の説明】
【0044】
1 第1側面パネル
2 第2側面パネル
3 内側挟持片
3a 第1底辺
3b 第1高さ辺
3c 第1接続辺
4 外側挟持片
4a 第2底辺
4b 第2高さ辺
4c 第2接続辺
5 折り返し片
5a 基端縁
5b 第2折り曲げ容易線
10 コーナーパッド用シート
20 コーナーパッド
P 対象物
【要約】
【課題】組み立て及び対象物への取り付けを容易に行うことができるコーナーパッド用シートを提供することを目的とする。
【解決手段】本開示の一態様に係るコーナーパッド用シートは、長方形状の第1側面パネルと、第1側面パネルと短辺同士が接続されている長方形状の第2側面パネルとを備え、第1側面パネルと第2側面パネルとが直角に折り曲げられることで、対象物の角部を保護するコーナーパッド用シートであって、第1側面パネルの一対の長辺から延出し、互いに対向するように折り曲げられる一対の内側挟持片と、第2側面パネルの一対の長辺から延出し、一対の内側挟持片の外側に折り重ねられる一対の外側挟持片と、一対の外側挟持片から延出し、この外側挟持片の内側に重ねられている内側挟持片の内側に折り返される一対の折り返し片とを備え、一対の折り返し片同士が、シートの反力によって対象物を対向方向の両側から押圧可能に設けられている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6