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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】アンテナ用クランピング装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/12 20060101AFI20240301BHJP
   H01Q 3/08 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
H01Q1/12 E
H01Q3/08
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2022502393
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 KR2020008893
(87)【国際公開番号】W WO2021010647
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0086928
(32)【優先日】2019-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0164286
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イン ホ キム
(72)【発明者】
【氏名】ソン マン カン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ヘ ハン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョウン ソク ヤン
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-080224(JP,A)
【文献】特開平07-307606(JP,A)
【文献】国際公開第2019/110697(WO,A1)
【文献】米国特許第05416295(US,A)
【文献】特開2006-082141(JP,A)
【文献】特開2014-145707(JP,A)
【文献】特開平11-088018(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0017245(KR,A)
【文献】特開2002-009517(JP,A)
【文献】特開平04-268474(JP,A)
【文献】米国特許第06538613(US,B1)
【文献】韓国公開実用新案第20-2010-0001808(KR,U)
【文献】中国特許出願公開第1337075(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/12
H01Q 3/08
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱ポールに結合され、前記支柱ポールから水平方向の一側に所定距離延長形成されたアームユニットと、
前記アームユニットの先端部に上下方向に長く形成された結合軸の挿脱動作で着脱可能に装着され、前記結合軸を中心として選択的に左右方向にローテーティング可能に備えられた共用結合ユニットと、
前記アームユニットの先端部において、前記結合軸を受け入れるホールを有し、前記結合軸との結合を媒介する固定軸ホールブロックと、
前記共用結合ユニットの先端部に着脱可能に設けられ、左右方向にローテーティング可能に備えられたローテーションユニットと、
前記ローテーションユニットの先端部に設けられ、上下方向にティルティング回動可能なティルティングユニットと、
前記ティルティングユニットの先端部に着脱可能に結合されたアンテナ機器とを備える、アンテナ用クランピング装置。
【請求項2】
前記アームユニットの先端部には、前記固定軸ホールブロックが挿設される設置空間が設けられ、
前記固定軸ホールブロックには、上下方向に長い前記結合軸を受け入れる軸挿入孔が設けられている、請求項1に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項3】
前記アームユニットの先端部には、前記結合軸を貫通させ、前記結合軸が前記固定軸ホールブロックの軸挿入孔に挿入されるように案内する軸貫通孔が形成されている、請求項2に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項4】
前記アームユニットの先端部は、前記共用結合ユニットとの間に予め定められた摩擦力を形成するブレーキ部を備える、請求項1に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項5】
前記ブレーキ部は、
前記アームユニットの先端部のうち上側に備えられ、前記共用結合ユニットの上部接合面と摩擦力を形成する上部ブレーキワッシャパッドと、
前記アームユニットの先端部のうち下側に備えられ、前記共用結合ユニットの下部接合面と摩擦力を形成する下部ブレーキワッシャパッドとを含む、請求項4に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項6】
前記アームユニットの先端部の上側または下側に固定されて摩擦面を提供する固定板部と、
前記共用結合ユニットの上側または下側に固定されて回動しながら前記固定板部と摩擦力を形成する回動板部とを含むブレーキ部をさらに備える、請求項1に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項7】
前記共用結合ユニットには、前記ローテーションユニットの左右方向のローテーティング回動角度を調整するローテーティング角度調整部が備えられ、
前記ローテーションユニットには、前記ティルティングユニットの上下方向のティルティング回動角度を調整するティルティング角度調整部が備えられた、請求項1に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項8】
前記ローテーティング角度調整部は、
前記共用結合ユニットの結合軸と軸結合されて回転し、外周面にウォームホイールギヤ歯が形成されたウォームホイールギヤと、
前記ウォームホイールギヤを回転させるように前記結合軸と直交して結合され、外周面に前記ウォームホイールギヤ歯と噛み合うウォームギヤ歯が形成されたウォームギヤとを含む、請求項7に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項9】
前記ティルティング角度調整部は、
前記ティルティングユニットのティルティング軸と結合されて回転し、外周面にウォームホイールギヤ歯が形成されたウォームホイールギヤと、
前記ウォームホイールギヤを回転させるように前記ティルティング軸と直交して結合され、外周面に前記ウォームホイールギヤ歯と噛み合うウォームギヤ歯が形成されたウォームギヤとを含む、請求項7に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項10】
前記ウォームギヤと軸結合されて電気的に前記ウォームギヤを回転駆動させる回動モータが備えられた、請求項8または9に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項11】
支柱ポールに結合され、前記支柱ポールから水平方向の一側に所定距離延長形成されたアームユニットと、
前記アームユニットの先端部に上下方向に長く形成されたローテーティング軸の挿脱動作で着脱可能に装着され、前記ローテーティング軸を中心として選択的に左右方向にローテーティング可能に備えられたローテーションユニットと、
前記アームユニットの先端部に設けられ、前記ローテーティング軸を受け入れるホールを有し、前記ローテーティング軸との結合を媒介する固定軸ホールブロックと、
前記ローテーションユニットの先端部に設けられ、上下方向にティルティング回動可能なティルティングユニットと、
前記ティルティングユニットの先端部に着脱可能に結合されたアンテナ機器とを備える、アンテナ用クランピング装置。
【請求項12】
前記アームユニットの先端部には、前記固定軸ホールブロックが挿設される設置空間が設けられ、
前記固定軸ホールブロックには、上下方向に長い前記ローテーティング軸を受け入れる軸挿入孔が設けられている、請求項11に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項13】
前記アームユニットの先端部には、前記ローテーティング軸を貫通させ、前記ローテーティング軸が前記固定軸ホールブロックの軸挿入孔に挿入されるように案内する軸貫通孔が形成されている、請求項12に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項14】
前記アームユニットの先端部は、前記ローテーションユニットとの間に予め定められた摩擦力を形成するブレーキ部を備える、請求項12に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項15】
前記ブレーキ部は、
前記アームユニットの先端部のうち上側に備えられて、前記ローテーションユニットの上部接合面と摩擦力を形成する上部ブレーキワッシャパッドと、
前記アームユニットの先端部のうち下側に備えられて、前記ローテーションユニットの下部接合面と摩擦力を形成する下部ブレーキワッシャパッドとを含む、請求項14に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項16】
前記下部ブレーキワッシャパッドは、
前記ローテーションユニットの後端部下面から延びたワッシャ取付ブラケットを介して設けられる、請求項15に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項17】
前記アームユニットの先端部の上側または下側に固定されて摩擦面を提供する固定板部と、
前記ローテーションユニットの上側または下側に固定されて回動しながら前記固定板部と摩擦力を形成する回動板部とを含むブレーキ部をさらに備える、請求項11に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項18】
前記ローテーションユニットには、前記ティルティングユニットの上下方向のティルティング回動角度を調整するティルティング角度調整部が備えられた、請求項11に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項19】
前記ティルティングユニットの前面にはブラケットパネルが付着し、
前記ティルティングユニットに結合される前記アンテナ機器の後面にはフック締結用ブラケットが前記アンテナ機器の後面より後方に離隔して備えられ、
前記フック締結用ブラケットが前記ティルティングユニットと前記ブラケットパネルとの間に形成された締結溝に挿入される動作で前記アンテナ機器が結合される、請求項1または請求項11に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項20】
前記ティルティングユニットと前記アンテナ機器は、
前記ブラケットパネルと前記フック締結用ブラケットとを同時に貫通して前記アンテナ機器に締結されるフック固定用ねじによってねじ固定される、請求項19に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項21】
前記ティルティングユニットのティルティング回動および前記ローテーションユニットのローテーティング回動は、前記ティルティングユニットおよび前記ローテーションユニットと電気的通信可能に連結されたリモートコントローラによって制御される、請求項1または請求項11に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項22】
前記ティルティングユニットのティルティング回動および前記ローテーションユニットのローテーティング回動は、前記ティルティングユニットおよび前記ローテーションユニットと電気的通信可能に連結されたアンテナ機器の制御部に対する分散ユニット(DU、Distribute Unit)を介して、維持管理部(O&M、Operator&Maintenance)が遠隔制御する、請求項1または請求項11に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項23】
前記アームユニットは、1本の前記支柱ポールに対してシングルビーム形態で連結される、請求項1または請求項11に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項24】
前記アームユニットは、端部に分岐フレームをさらに備え、
前記分岐フレームの両端部には、前記ティルティングユニットおよび前記ローテーションユニットを含む少なくとも1つのクランピング部が連結される、請求項23に記載のアンテナ用クランピング装置。
【請求項25】
前記アームユニットは、1本の前記支柱ポールに対して放射状に2個または3個以上がシングルビーム形態で連結される、請求項1または請求項11に記載のアンテナ用クランピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ用クランピング装置(CLAMPING APPARATUS FOR ANTENNA)に関し、より詳しくは、密集した空間で効率的に複数のアンテナ機器を配置できることはもちろん、アンテナ機器それぞれの方向調整が容易なアンテナ用クランピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術、例えば、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術は、複数のアンテナを用いてデータの伝送容量を画期的に増加させる技術であって、送信機ではそれぞれの送信アンテナを介して互いに異なるデータを伝送し、受信機では適切な信号処理により送信データを区分するSpatial multiplexing手法である。
【0003】
したがって、送受信アンテナの個数を同時に増加させることによりチャネル容量が増加してより多くのデータを伝送可能にする。例えば、アンテナ数を10個に増加させると、現在の単一アンテナシステムに比べて同じ周波数帯域を用いて約10倍のチャネル容量を確保する。
【0004】
4G LTE-advancedでは8個のアンテナまで用いており、現在、pre-5G段階で64または128個のアンテナを装着した製品が開発されており、5Gでははるかに多い数のアンテナを有する基地局装備が使用されることが予想され、これをMassive MIMO技術という。現在のCell運営が2-Dimensionであるのに対し、Massive MIMO技術が導入されると3D-Beamformingが可能になるので、FD-MIMO(Full Dimension)とも呼ぶ。
【0005】
Massive MIMO技術では、ANT(アンテナ)の数字が増えるにつれ、これによるtransmitterとFilterの数字も一緒に増加する。にもかかわらず、設置場所のリース費用や空間的な制約によって、RF部品(Antenna/Filter/Power Amplifier/Transceiver etc.)を小さくて軽く、安価に作ることが現実であり、Massive MIMOはCoverage拡張のために高出力が必要になるが、このような高出力による消耗電力と発熱量は重量およびサイズを低減するのに否定的な要因として作用している。
【0006】
特に、RF素子とデジタル素子が実現されたモジュールが積層構造で結合されたMIMOアンテナを限られた空間に設ける時、設置の容易性や空間の活用性を極大化するためにMIMOアンテナを構成する複数のレイヤに対するコンパクト化および小型化設計の必要性が浮上し、1つの支柱ポール(support pole)に設置されたアンテナ装置の自由な方向調整に関する必要性が強く要求されているのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、空間の制約が多い支柱ポールに対する設置自由度を増進させ、作業性を向上させることができるアンテナ用クランピング装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、アームユニットの端部に対する結合構造を定型化または共用化して多様な種類のローテーションユニットまたはティルティングユニットの組立工程を単純化できるアンテナ用クランピング装置を提供することを他の目的とする。
【0009】
本発明の技術的課題は以上に言及した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるアンテナ用クランピング装置の一実施例は、支柱ポールに結合され、前記支柱ポールから水平方向の一側に所定距離延長形成されたアームユニットと、前記アームユニットの先端部に上下方向に長く形成された結合軸の挿脱動作で着脱可能に装着され、前記結合軸を中心として選択的に左右方向にローテーティング可能に備えられた共用結合ユニットと、先端部が前記結合ユニットの先端部に上下方向に長く形成されたローテーティング軸の挿脱動作で着脱可能に装着され、前記ローテーティング軸を中心として左右方向に所定角度ローテーティング可能に結合されたローテーションユニットと、前記ローテーションユニットの先端部に上下方向にティルティング可能に結合され、アンテナ機器の結合を媒介するティルティングユニットとを含み、前記アームユニットの先端部には、前記共用結合ユニットの結合軸の軸結合を媒介する固定軸ホールブロックが介在する。
【0011】
本発明によるアンテナ用クランピング装置の他の実施例は、支柱ポールに結合され、前記支柱ポールから水平方向の一側に所定距離延長形成されたアームユニットと、前記アームユニットの先端部に上下方向に長く形成されたローテーティング軸の挿脱動作で着脱可能に装着され、前記ローテーティング軸を中心として左右方向に所定角度ローテーティング可能に結合されたローテーションユニットと、前記ローテーションユニットの先端部に上下方向にティルティング可能に結合され、アンテナ機器の結合を媒介するティルティングユニットとを含み、前記アームユニットの先端部には、前記ローテーションユニットのローテーティング軸の軸結合を媒介する固定軸ホールブロックが介在する。
【0012】
ここで、前記アームユニットの先端部には、前記固定軸ホールブロックが挿設される設置空間が設けられ、前記固定軸ホールブロックには、前記共用結合ユニットの結合軸または前記ローテーションユニットのローテーティング軸が上部から下部に軸設される軸挿入孔が設けられる。
【0013】
また、前記アームユニットの先端部には、前記共用結合ユニットの結合軸または前記ローテーションユニットのローテーティング軸が上部から下部に移動して、前記固定軸ホールブロックの軸挿入孔に軸設される軸貫通孔が形成される。
【0014】
また、前記アームユニットの先端部には、前記共用結合ユニットまたは前記ローテーションユニットとの間に予め定められた摩擦力を形成するブレーキ部が備えられる。
【0015】
また、前記ブレーキ部は、前記アームユニットの先端部のうち上側に備えられて、前記共用結合ユニットまたは前記ローテーションユニットの上部接合面と摩擦力を形成する上部ブレーキワッシャパッドと、前記アームユニットの先端部のうち下側に備えられて、前記共用結合ユニットまたは前記ローテーションユニットの下部接合面と摩擦力を形成する下部ブレーキワッシャパッドとを含むことができる。
【0016】
また、前記下部ブレーキワッシャパッドは、前記ローテーションユニットの後端部下面から延びたワッシャ取付ブラケットを介して設けられる。
【0017】
また、前記ブレーキ部は、前記アームユニットの先端部の上側または下側に固定されて摩擦面を提供する固定板部と、前記共用結合ユニットまたは前記ローテーションユニットの上側または下側に固定されて回動しながら前記固定板部と摩擦力を形成する回動板部とを含むことができる。
【0018】
また、前記共用結合ユニットには、前記ローテーションユニットの左右方向のローテーティング回動角度を調整するローテーティング角度調整部が備えられ、前記ローテーションユニットには、前記ティルティングユニットの上下方向のティルティング回動角度を調整するティルティング角度調整部が備えられる。
【0019】
また、前記ローテーティング角度調整部は、前記共用結合ユニットの結合軸と軸結合されて回転し、外周面にウォームホイールギヤ歯が形成されたウォームホイールギヤと、前記ウォームホイールギヤを回転させるように前記結合軸と直交して結合され、外周面に前記ウォームホイールギヤ歯と噛み合うウォームギヤ歯が形成されたウォームギヤとを含むことができる。
【0020】
また、前記ティルティング角度調整部は、前記ティルティングユニットのティルティング軸と結合されて回転し、外周面にウォームホイールギヤ歯が形成されたウォームホイールギヤと、前記ウォームホイールギヤを回転させるように前記ティルティング軸と直交して結合され、外周面に前記ウォームホイールギヤ歯と噛み合うウォームギヤ歯が形成されたウォームギヤとを含むことができる。
【0021】
また、前記ウォームギヤと軸結合されて電気的に前記ウォームギヤを回転駆動させる回動モータが備えられる。
【0022】
また、前記ローテーションユニットには、前記ティルティングユニットの上下方向のティルティング回動角度を調整するティルティング角度調整部が備えられる。
【0023】
また、前記ティルティングユニットの前面にはブラケットパネルが付着し、前記ティルティングユニットに結合される前記アンテナ機器の後面にはフック締結用ブラケットが前記アンテナ機器の後面より後方に離隔して備えられ、前記フック締結用ブラケットが前記ティルティングユニットと前記ブラケットパネルとの間に形成された締結溝に挿入される動作で前記アンテナ機器が結合される。
【0024】
また、前記ティルティングユニットと前記アンテナ機器は、前記ブラケットパネルと前記フック締結用ブラケットとを同時に貫通して前記アンテナ機器に締結されるフック固定用ねじによってねじ固定される。
【0025】
また、前記ティルティングユニットのティルティング回動および前記ローテーションユニットのローテーティング回動は、前記ティルティングユニットおよび前記ローテーションユニットと電気的通信可能に連結されたリモートコントローラによって制御される。
【0026】
また、前記ティルティングユニットのティルティング回動および前記ローテーションユニットのローテーティング回動は、前記ティルティングユニットおよび前記ローテーションユニットと電気的通信可能に連結されたアンテナ機器の制御部に対して分散ユニット(DU、Distribute Unit)を介して維持管理部(O&M、Operator&Maintenance)が遠隔制御する。
【0027】
また、前記アームユニットは、1つに備えられた前記単一支柱ポールに対してシングルビーム形態で連結される。
【0028】
また、前記アームユニットは、それぞれの端部に前記ティルティングユニットと前記ローテーションユニットとを含む少なくとも1つのクランピング部が連結されるように分岐される。
【0029】
また、前記アームユニットは、1つに備えられた前記単一支柱ポールに対して放射状に2個または3個以上がシングルビーム形態で連結される。
【発明の効果】
【0030】
本発明によるアンテナ用クランピング装置の一実施例によれば、次のような多様な効果を達成することができる。
【0031】
第一、アームユニットの長さを多様に製造して設置適用することにより、1つの支柱ポールに対して設置される複数のアンテナ機器の空間配置設計が容易な効果を有する。
【0032】
第二、ティルティングユニットおよびローテーションユニットを介してアンテナ機器のティルティング動作およびローテーティング動作が容易なため、作業性およびアンテナ機器の周波数歩留まり性能を向上させることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明によるアンテナ用クランピング装置の設置例を示す斜視図である。
図2】本発明によるアンテナ用クランピング装置の支柱ポールに対する多様な設置例を示す斜視図である。
図3A】本発明によるアンテナ用クランピング装置の構成のうちティルティングユニットに対するアンテナ機器の設置の様子を示す分解斜視図である。
図3B】本発明によるアンテナ用クランピング装置の構成のうちティルティングユニットに対するアンテナ機器の設置の様子を示す分解斜視図である。
図4A】本発明によるアンテナ用クランピング装置の支柱ポールに対する設置の様子を順次に示す分解斜視図である。
図4B】本発明によるアンテナ用クランピング装置の支柱ポールに対する設置の様子を順次に示す分解斜視図である。
図4C】本発明によるアンテナ用クランピング装置の支柱ポールに対する設置の様子を順次に示す分解斜視図である。
図5A】本発明によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち結合ユニットに対するローテーションユニットの結合の様子を示す分解斜視図である。
図5B】本発明によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち結合ユニットに対するローテーションユニットの結合の様子を示す分解斜視図である。
図6A】本発明によるアンテナ用クランピング装置の構成のうちローテーションユニットに対するティルティングユニットの結合の様子を示す斜視図である。
図6B】本発明によるアンテナ用クランピング装置の構成のうちローテーションユニットに対するティルティングユニットの結合の様子を示す斜視図である。
図7】本発明によるアンテナ用クランピング装置の構成のうちクランピング部の分解斜視図である。
図8】本発明によるアンテナ用クランピング装置の他の実施例を示す斜視図である。
図9図8の分解斜視図である。
図10A】本発明によるアンテナ用クランピング装置の実施例に対する遠隔制御システムを示すシステム概要図である。
図10B】本発明によるアンテナ用クランピング装置の実施例に対する遠隔制御システムを示すシステム概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明によるアンテナ用クランピング装置の一実施例を、添付した図面を参照して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付すにあたり、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施例を説明するにあたり、かかる公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施例に対する理解を妨げると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0035】
本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使うことができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または手順などが限定されない。また、他に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含む、ここで使われるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使われる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0036】
図1は、本発明によるアンテナ用クランピング装置の設置例を示す斜視図であり、図2は、本発明によるアンテナ用クランピング装置の支柱ポールに対する多様な設置例を示す斜視図であり、図3Aおよび図3Bは、本発明によるアンテナ用クランピング装置の構成のうちティルティングユニットに対するアンテナ機器の設置の様子を示す分解斜視図であり、図4A図4Cは、本発明によるアンテナ用クランピング装置の支柱ポールに対する設置の様子を順次に示す分解斜視図であり、図5Aおよび図5Bは、本発明によるアンテナ用クランピング装置の構成のうち結合ユニットに対するローテーションユニットの結合の様子を示す分解斜視図であり、図6Aおよび図6Bは、本発明によるアンテナ用クランピング装置の構成のうちローテーションユニットに対するティルティングユニットの結合の様子を示す斜視図である。
【0037】
本発明によるアンテナ用クランピング装置の一実施例は、図1に示すように、支柱ポール1に結合されるアームユニット100と、アームユニット100と結合される共用結合ユニット200と、共用結合ユニット200に対して左右方向にローテーティング回動可能に結合されるローテーションユニット300と、ローテーションユニット300に上下方向にティルティング回動可能に結合され、アンテナ機器Aが結合されるティルティングユニット400とを含む。
【0038】
アームユニット100は、アンテナ機器Aの支柱ポール1に対する結合を媒介する役割を果たす。
【0039】
アームユニット100は、図2(a)および(b)に示すように、1つに備えられた(すなわち、単一)支柱ポール1に対して直交する水平方向に延びるシングルビーム形態で連結される。1つのアームユニット100には、ティルティングユニット400とローテーションユニット300とで備えられた単一のクランピング部60が設けられることが好ましい。
【0040】
しかし、本発明の実施例において、単一のアームユニット100に単一のクランピング部60だけが設けられなければならないわけではない。すなわち、図2(b)に示すように、アームユニット100は、それぞれの端部にティルティングユニット400とローテーションユニット300とを含む1つのクランピング部60a、60bが連結されるように分岐フレーム70を介して分岐される。この場合、アームユニット100と分岐フレーム70とは略「T」字状を有することができる。
【0041】
また、本発明の実施例によるアンテナ用クランピング装置は、図2(c)に示すように、単一支柱ポール1に対して放射状に2個または3個以上のアームユニット100a、100b、100cが設けられ、それぞれのアームユニット100a、100b、100cの端部には単一クランピング部60a、60b、60cが装着される。このために、単一支柱ポール1の中心には、アームユニット100a、100b、100cの設置を媒介する中心ブラケット80がさらに備えられる。ここで、それぞれのアームユニット100a、100b、100cは、単一支柱ポール1に高さを異ならせて設けられてもよいことはもちろん、図2(c)に示すように、同一高さに設けられることも可能である。
【0042】
前記のように構成される本発明の一実施例によるアンテナ用クランピング装置は、図3Aおよび図3Bに示すように、それぞれのアームユニット100の先端部に備えられたクランピング部60のうちティルティングユニット400にアンテナ機器Aが上側から下側に挿入係止される動作で装着される。これは、通常、現場で重量が比較的大きいアンテナ機器Aの設置作業性を向上させるためである。アンテナ機器Aのティルティングユニット400に対する具体的な設置の様子は、後述するクランピング部60の各構成を説明しながら具体的に説明する。
【0043】
このようなアームユニット100は、図4Aに示すように、支柱ポール1から水平方向の一側に所定長さ延びたアーム本体110と、アーム本体110の一端および他端のうち支柱ポール1側に相当する他端に一体に備えられ、支柱ポール1の外周面の一側に密着結合される固定型ブラケット120と、固定型ブラケット120と複数の固定長ボルト140によって相互結合されかつ、支柱ポール1の外周面の他側に密着結合される分離型ブラケット130とを含むことができる。複数の固定長ボルト140は、その端部が分離型ブラケット130に備えられた複数の固定ナット150を介して相互ナット結合される。
【0044】
アーム本体110の他端には、固定型ブラケット120との結合部位の剛性を補強するための複数の補強リブ115が一体に形成される。アーム本体110と固定型ブラケット120は、金属材質として一体に射出成形される。しかし、必ずしも射出成形方式に限定されるものではなく、アーム本体110および固定型ブラケット120は、別途に製造されて溶接方式などによる結合も可能であることは当然であろう。
【0045】
一方、アーム本体110と固定型ブラケット120は、金属材質として一体に金型製造され、分離型ブラケット130も、金属材質としてアーム本体110および固定型ブラケット120と異なる金型によって製造される。
【0046】
アームユニット100は、上述のように、固定型ブラケット120と分離型ブラケット130とが相互ボルティング結合方式で結合されかつ、支柱ポール1の長手方向とは直交する水平方向に所定長さ延びて、支柱ポール1からアンテナ機器Aが所定長さ離隔して設けられるシングルビーム(single beam)形態で形成される。
【0047】
アームユニット100のうちアーム本体110の先端部には、後述のように、共用結合ユニット200が多様な仕様で製造されたクランピング部60の結合を媒介するように優先的に結合される。しかし、実施例によっては、共用結合ユニット200の介在なしにローテーションユニット300が直接アーム本体110の先端部に設けられることも可能である(当該実施例については、図8および図9を参照して後で詳しく説明する)。
【0048】
以下、アームユニット100のアーム本体110の先端部にローテーションユニット300が共用結合ユニット200を介して設けられることを前提に説明する。後述する共用結合ユニット200は、ローテーションユニット300と基本的に類似の形態で備えられるものであるが、アーム本体110の先端部に固定されるか、選択的にアンテナ機器Aの追加的な左右方向のローテーティング回動が必要な場合に、ローテーションユニット300と同じく、回動可能な構造を有することができる。
【0049】
共用結合ユニット200は、図4A図4Cに示すように、一端部にローテーションユニット300が結合される結合部位を提供する共用一端結合部201と、共用一端結合部201の上端部から他側に所定長さ延び、下方に結合要素である軸になる結合軸210が所定長さ延びた共用他端結合部202とを含むことができる。ここで、結合軸210は、後述する固定軸ホールブロック190の軸挿入孔191に挿入されて支持されるボス形態で備えられることも可能であり、固定軸ホールブロック190の軸挿入孔191を通して挿入されてボルティング結合される長ボルト形態で備えられることも可能であり、ボスおよび長ボルトが混合された形態で備えられてもよい。
【0050】
共用結合ユニット200の共用一端結合部201の内部には、後述するローテーティング角度調整部230が内蔵される。これについては、後でより詳しく説明する。
【0051】
アームユニット100のアーム本体110の先端部には、共用結合ユニット200の結合のための固定軸ホールブロック190が備えられる。ここで、固定軸ホールブロック190は、共用結合ユニット200の結合を媒介する機能を行うだけでなく、他の実施例として、ローテーションユニット300の直接結合を媒介することができる。ローテーションユニット300の直接結合を媒介する実施例については、後でより詳しく説明する。
【0052】
より詳しくは、アーム本体110は、内部が空いている四角管状に備えられ、アーム本体110の先端部は、一側方向(すなわち、アンテナ機器Aが位置した方向)に開口するように形成され、上端および下端が半円形に突出形成される。
【0053】
アーム本体110の開口した先端部には、アーム本体110の空いている先端部の内部空間160に対応する形態で備えられた固定軸ホールブロック190が挿入固定される。固定軸ホールブロック190は、アーム本体110の空いている先端部の内部空間160に対応することから、一端側の外形は略半円形の水平断面を有する円形柱に形成され、他端側の外形は四角ブロック形状に形成される。
【0054】
固定軸ホールブロック190には、共用結合ユニット200の結合軸210が上部から下部に軸設される軸挿入孔191が設けられる。これとともに、アーム本体110の先端部の上側には、共用結合ユニット200の結合軸210が貫通して、固定軸ホールブロック190に形成された軸挿入孔191に挿入されるように軸貫通孔165が形成される。
【0055】
軸挿入孔191に対する結合軸210の結合は、締まり嵌めおよびねじ結合またはボルティング結合のいずれか1つの結合で採用されても構わない。
【0056】
一方、アームユニット100のアーム本体110の先端部には、共用結合ユニット200との間に予め定められた摩擦力を形成するブレーキ部170’、170”が備えられる。
【0057】
ブレーキ部170’、170”は、アームユニット100の先端部のうち上側に備えられて、共用結合ユニット200の上部接合面と摩擦力を形成する上部ブレーキワッシャパッド170’、170a、175aと、アームユニット100のアーム本体110の先端部のうち下側に備えられて、共用結合ユニット200の下部接合面と摩擦力を形成する下部ブレーキワッシャパッド170”、170b、175bとを含むことができる。
【0058】
上部ブレーキワッシャパッド170’、170a、175aと下部ブレーキワッシャパッド170”、170b、175bは、図4Bおよび図4Cに示すように、アームユニット100のアーム本体110の先端部の上側および下側に固定されて摩擦面を提供する固定板部170a、170bと、共用結合ユニット200の上側または下側に固定されて回動しながら固定板部170a、170bと摩擦力を形成する回動板部175a、175bとを含むことができる。
【0059】
ここで、図4Bおよび図4Cに示すように、上部ブレーキワッシャパッド170’、170a、175aのうち固定板部170aは、アームユニット100のアーム本体110の先端部の上側に固定され、上部ブレーキワッシャパッド170’、170a、175aのうち回動板部175aは、共用結合ユニット200の後端部の共用他端結合部202の下面であって、結合軸210の周面に固定されて共用結合ユニット200と共に回動するように備えられて、共用結合ユニット200が上述のように追加ローテーティングを必要としてローテーティング回動する時、所定の摩擦力を形成することができる。
【0060】
また、下部ブレーキワッシャパッド170”、170b、175bは、図4Bおよび図4Cに示すように、ローテーションユニット300の後端部下面に連結され、共用結合ユニット200の共用一端結合部201の下端部から他端部側に延びて、アーム本体110の先端部の下側面に延びるように備えられたワッシャ取付ブラケット180を介して設けられる。
【0061】
ここでも、ワッシャ取付ブラケット180の上面には上述した回動板部175bが備えられ、アームユニット100のアーム本体110の先端部の下側には固定板部170bが固定されて、共用結合ユニット200が上述のように追加ローテーティングを必要としてローテーティング回動する時、所定の摩擦力を形成するのである。
【0062】
これまでは、共用結合ユニット200が後述するクランピング部60が多様な仕様で異なる形状に備えられた場合にも、その組立の共用性を図ることができるように、アームユニット100のアーム本体110の先端部に固定されて媒介する場合を説明した。
【0063】
しかし、共用結合ユニット200の代わりに、後述するローテーションユニット300が直接アーム本体110の先端部に固定軸ホールブロック190を介してローテーティング回動可能に設けられることも可能である。この場合には、共用結合ユニット200が削除された結果、共用結合ユニット200の共用一端結合部201に内蔵されるローテーティング角度調整部230も削除されるように設計されることが好ましい。また、ローテーティング角度調整部230を削除せず、上述した固定軸ホールブロック190の内部にローテーティング角度調整部230が直接設けられていても構わない。
【0064】
前記削除構成以外の残りとして、アームユニット100のアーム本体110の先端部に結合されるローテーションユニット300の各構成は、共用結合ユニット200の固定軸ホールブロック190に対する結合方式と同一である。
【0065】
一方、クランピング部60は、図4Bおよび図4Cに示すように、アンテナ機器Aの設置を媒介すると同時に、アンテナ機器Aの方向性を設定できるようにローテーティング回動したり、ティルティング回動するように備えられたものである。
【0066】
より詳しくは、クランピング部60は、アームユニット100のアーム本体110の先端部に結合されるローテーションユニット300と、ローテーションユニット300に結合されるティルティングユニット400とを含むことができる。
【0067】
ティルティングユニット400には、図1図2に示すように、アンテナ機器Aが着脱可能に設けられる。
【0068】
ティルティングユニット400の前面には図1図3Bに示すようにブラケットパネル405が付着し、ティルティングユニット400に結合されるアンテナ機器Aの後面にはフック締結用ブラケット50がアンテナ機器Aの後面より後方に離隔して備えられる。
【0069】
ここで、フック締結用ブラケット50は、上端部に後述するフック固定用ねじ55が貫通する複数のフック側ねじホール57が形成され、略逆三角形状の外形を有することができる。
【0070】
そして、ティルティングユニット400の前面に付着したブラケットパネル405とティルティングユニット400との間には、図4Aに示すように、フック締結用ブラケット50の逆三角形状の下端部が上側から下側に挿入されて載置される締結溝403が形成される。締結溝403は、逆三角形状のフック締結用ブラケット50の下端部が挿入されて載置されるように、フック締結用ブラケット50と対応する形状に形成されることが好ましい。
【0071】
ブラケットパネル405の上端部には、図1に示すように、フック固定用ねじ55がティルティングユニット400側からアンテナ機器A側に貫通してアンテナ機器Aに締結できる複数のティルティング側ねじホール407が形成される。
【0072】
アンテナ機器Aの設置を行う設置者は、ティルティングユニット400に備えられた取付溝に、アンテナ機器Aの後面にフック締結用ブラケット50を仮固定した状態で、簡単にフック締結用ブラケット50を上部から下部に挿入載置した後、フック固定用ねじ55を介して強固に組立てることができるため、多数の設置者を必要とすることなく組立性が向上するという利点を提供することができる。
【0073】
図5Aおよび図5Bを参照すれば、ローテーションユニット300は、一端部にティルティングユニット400が結合される結合部位を提供するローテーション一端結合部301と、ローテーション一端結合部301の上端部から他側に所定長さ延び、下方にローテーションユニット300の回動軸になるローテーティング軸310が所定長さ延びたローテーション他端結合部302とを含むことができる。
【0074】
ローテーティング軸310の共用結合ユニット200の共用一端結合部201に備えられたローテーティングシャフト231の軸ホール(図7の図面符号231’参照)に対する結合方式は、上述した結合軸210の固定軸ホールブロック190の軸挿入孔191に対する結合方式に準ずる。
【0075】
ここで、ローテーティング軸310も、ローテーティングシャフト231の軸ホール231’に挿入されて支持されるボス形態で備えられることも可能であり、ローテーティングシャフト231の軸ホール231’を通して挿入されてボルティング結合される長ボルト形態で備えられることも可能であり、ボスおよび長ボルトが混合された形態で備えられてもよい。
【0076】
一方、ローテーション一端結合部301の内部には後述するティルティング角度調整部330が内蔵される。これについては、後でより詳しく説明する。
【0077】
図6Aおよび図6Bを参照すれば、ティルティングユニット400は、一端部にアンテナ機器Aが着脱可能に結合するティルティング一端結合部401と、ティルティング一端結合部401の左右両端からそれぞれ他端部側に延びて、ローテーションユニット300のローテーション一端結合部301の左右両側壁にティルティング回動可能に結合されるように備えられたティルティング他端結合部402とを含むことができる。
【0078】
左右両側にそれぞれ形成されたティルティング他端結合部402のうちの1つには、ローテーション一端結合部301に備えられたティルティング結合ホール365に挿入されるティルティング軸410が形成される。
【0079】
ティルティング軸410のローテーション一端結合部301に備えられたティルティングシャフト331の軸ホール(図7の図面符号「331」参照)に対する結合方式は、上述した結合軸210の固定軸ホールブロック190の軸挿入孔191に対する結合方式に準ずる。
【0080】
ここで、ティルティング軸410も、ティルティングシャフト331の軸ホール331’に挿入されて支持されるボス形態で備えられることも可能であり、ティルティングシャフト331の軸ホール331’を通して挿入されてボルティング結合される長ボルト形態で備えられることも可能であり、ボスおよび長ボルトが混合された形態で備えられてもよい。
【0081】
ローテーションユニット300に形成されたローテーティング軸310は、共用結合ユニット200またはアームユニット100のアーム本体110に対する左右方向ローテーティング回動の中心になる。これとともに、ティルティングユニット400に形成されたティルティング軸410は、ローテーションユニット300に対する上下方向ティルティング回動の中心になる。
【0082】
このように、本発明によるクランピング部60は、共用結合ユニット200に対してローテーションユニット300がローテーティング軸310を中心として左右方向にローテーティング可能に結合されることにより、アンテナ機器Aの左右ローテーティング回動が可能となるように備えられ、ティルティングユニット400がティルティング軸410を中心として上下方向にティルティング可能に結合されることにより、アンテナ機器Aの上下方向ティルティング回動が可能となるように備えられる。
【0083】
図7は、本発明によるアンテナ用クランピング装置の構成のうちクランピング部の分解斜視図である。
【0084】
本発明によるアンテナ用クランピング装置の一実施例において、クランピング部60は、図7に示すように、共用結合ユニット200の共用一端結合部201の内部に内蔵されたローテーティング角度調整部230と、ローテーションユニット300のローテーション一端結合部301に内蔵されたティルティング角度調整部330とをさらに含むことができる。
【0085】
ローテーティング角度調整部230は、図6に示すように、共用一端結合部201を形成し、内部空間を形成する結合ユニットハウジング220の内部に上下方向に垂直に備えられたローテーティングシャフト231と、ローテーティングシャフト231の外周面に一体に形成され、ウォームホイールギヤ歯232が外周面に形成されたウォームホイールギヤ231と、ウォームホイールギヤ231のウォームホイールギヤ歯232と噛み合うウォームギヤ歯234が形成され、ローテーティングシャフト231に対して直交するように配置されたウォームギヤ233とを含むことができる。
【0086】
ウォームギヤ233は、結合ユニットハウジング220の内部に電気的に駆動されるように備えられた回動モータ235の駆動によって回転作動できる。回動モータ235は、モータブラケット236を介して結合ユニットハウジング220の内部に強固に固定される。
【0087】
ローテーティングシャフト231の端部には軸ホール231’が形成され、軸ホール231’は、結合ユニットハウジング220の上部に上下に貫通して形成されたローテーティング軸貫通孔265を介して外部に露出し、ローテーティング軸貫通孔265を介して露出したローテーティングシャフト231の軸ホール231’にローテーションユニット300のローテーティング軸310が結合される。
【0088】
一方、結合ユニットハウジング220の下側には、結合ユニットハウジング220の内部に内蔵されたローテーティング角度調整部230の各構成の維持/補修の便宜性のための結合ユニットカバー207が備えられる。結合ユニットカバー207は、ローテーティングシャフト231の軸ホール231’が形成された上端に対向する下端の回転を支持するとともに、上述したワッシャ取付ブラケット180が別途に備えられて結合されるか、一体に成形具備されてもよい。
【0089】
ティルティング角度調整部330は、図6に示すように、ローテーション一端結合部301を形成し、内部空間を形成するローテーティングハウジング320の内部に左右方向に水平に備えられたティルティングシャフト331と、ティルティングシャフト331の外周面に一体に形成され、ウォームホイールギヤ歯が外周面に形成されたウォームホイールギヤ332と、ウォームホイールギヤ332のウォームホイールギヤ歯と噛み合うウォームギヤ歯334が形成され、ティルティングシャフト331に対して直交するように配置されたウォームギヤ333とを含むことができる。
【0090】
ウォームギヤ333は、ローテーティングハウジング320の内部に電気的に駆動されるように備えられた回動モータ335の駆動によって回転作動できる。回動モータ335は、モータブラケット336を介してローテーティングハウジング320の内部に強固に固定される。
【0091】
ティルティングシャフト331の端部には軸ホール331’が形成され、軸ホール331’は、ローテーティングハウジング320の一側壁に左右に貫通して形成されたティルティング軸貫通孔365を介して外部に露出し、ティルティング軸貫通孔365を介して露出したティルティングシャフト331の軸ホール331’にティルティングユニット400のティルティング軸410が結合される。
【0092】
一方、ローテーティングハウジング320の一側には、ローテーティングハウジング320の内部に内蔵されたティルティング角度調整部330の各構成の維持/補修の便宜性のためのローテーティングカバー307が備えられる。ローテーティングカバー307は、ティルティングシャフト331の軸ホール331’が形成された一端に対向する他端の回転を支持する役割を果たすことができる。
【0093】
図8は、本発明によるアンテナ用クランピング装置の他の実施例を示す斜視図であり、図9は、図8の分解斜視図である。
【0094】
図1図7を参照して説明した本発明によるアンテナ用クランピング装置の一実施例は、共用結合ユニット200を介してクランピング部60の構成のうちローテーションユニット300が媒介設置されるように実現された実施例である。
【0095】
しかし、図8および図9を参照すれば、本発明によるアンテナ用クランピング装置の他の実施例は、共用結合ユニット200の具備なしにクランピング部60のローテーションユニット300が直接アームユニット100のアーム本体110の先端部に備えられた固定軸ホールブロック190にローテーティング回動可能に備えられるように実現される実施例である。
【0096】
ただし、本発明によるアンテナ用クランピング装置の他の実施例は、共用結合ユニット200が削除されることから、共用結合ユニット200の内部に内蔵されて、ローテーションユニット300を左右方向にローテーティング回動させるように構成されたローテーティング角度調整部230の構成も削除可能である。すなわち、ローテーティング角度調整部230およびティルティング角度調整部330のうち、単にローテーションユニット300に内蔵されたティルティング角度調整部330だけが共通の要素として残る実施例と定義することができる。
【0097】
その他の残りの構成は、すべて予め説明された本発明の一実施例の構成およびその結合関係の説明に代える。
【0098】
図10Aおよび図10Bは、本発明によるアンテナ用クランピング装置の実施例に対する遠隔制御システムを示すシステム概要図である。
【0099】
本発明によるアンテナ用クランピング装置の実施例において、ティルティングユニット400のティルティング回動およびローテーションユニット300のローテーティング回動は、現場設置者が直接駆動させてアンテナ機器Aの方向性を設定することができる。
【0100】
しかし、図10Aに示すように、ティルティングユニット400のティルティング回動およびローテーションユニット300のローテーティング回動は、ティルティングユニット400およびローテーションユニット300と電気的通信可能に連結されたアンテナ機器Aの内部に備えられた不図示の制御部およびその遠隔連結を媒介する分散ユニット(DU、Distribute Unit)30を介して維持管理部(O&M、Operator&Maintenance)40によって遠隔制御される。
【0101】
ここで、アンテナ機器Aの制御部とティルティングユニット400およびローテーションユニット300は、通信ケーブル21を介して相互連結され、アンテナ機器Aの制御部と分散ユニット30は、光ケーブル23を介して通信連結される。
【0102】
また、図10Bに示すように、ティルティングユニット400のティルティング回動およびローテーションユニット300のローテーティング回動は、ティルティングユニット400およびローテーションユニット300の各調整部(すなわち、ティルティングユニット400のティルティング角度調整部330およびローテーションユニット300のローテーティング角度調整部230)と通信連結可能に配線されかつ、クランピング部60の近傍(好ましくは、支柱ポール1)に備えられた通信ケーブル21と着脱可能なリモートコントローラ(Remote controller)35を介して遠隔制御される。
【0103】
ここで、リモートコントローラ35は、現場の設置作業者が携帯可能な大きさに形成されて、アンテナ機器Aのクランピング部60に対する設置を完了した後、設置地域の周波数特性に合うように通信ケーブル21の端子に結合させて、遠隔でアンテナ機器Aの方向性を制御することができる。
【0104】
したがって、図10Aおよび図10Bを参照すれば、現場の設置作業者が直接リモートコントローラ35を用いてアンテナ機器Aの方向性作業を行えることはもちろん、維持管理部40で周波数特性を算出して遠距離制御可能なため、作業性を大きく向上させるという利点を提供する。
【0105】
以上、本発明によるアンテナ用クランピング装置の実施例を、添付した図面を参照して詳細に説明した。しかし、本発明の実施例が必ずしも上述した実施例によって限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者による変形および均等な範囲での実施が可能であることは当然であろう。そのため、本発明の真の権利範囲は後述する特許請求の範囲によって定められる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、空間の制約が多い支柱ポールに対する設置自由度を増進させ、作業性を向上させることができるアンテナ用クランピング装置を提供する。
【符号の説明】
【0107】
1:支柱ポール 60:クランピング部
100:アームユニット 110:アーム本体
115:補強リブ 120:固定型ブラケット
130:分離型ブラケット 140:固定長ボルト
160:内部空間 165:軸貫通孔
170a、175a:上部ブレーキワッシャパッド
170a、170b:固定板部
170b、175b:下部ブレーキワッシャパッド
175a、175b:回動板部
180:ワッシャ取付ブラケット 190:固定軸ホールブロック
191:軸挿入孔 150:固定ナット
200:共用結合ユニット 201:共用一端結合部
202:共用他端結合部 207:結合ユニットカバー
210:結合軸 220:結合ユニットハウジング
230:ローテーティング角度調整部 231:ローテーティングシャフト
231’:軸ホール 232:ウォームホイールギヤ
233:ウォームギヤ 234:ウォームギヤ歯
235:回動モータ 236:モータブラケット
330:ティルティング角度調整部 331:ティルティングシャフト
331’:軸ホール 332:ウォームホイールギヤ
333:ウォームギヤ 334:ウォームギヤ歯
400:ティルティングユニット 401:ティルティング一端結合部
402:ティルティング他端結合部 403:締結溝
405:ブラケットパネル 407:ティルティング側ねじホール
図1
図2(a)】
図2(b)】
図2(c)】
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10a
図10b