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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】半導体静電保護デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20240301BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20240301BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20240301BHJP
   H01L 29/861 20060101ALI20240301BHJP
   H01L 29/868 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
H01L27/04 H
H01L27/06 311B
H01L29/91 D
H01L29/91 F
H01L29/91 K
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022543499
(86)(22)【出願日】2021-02-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-16
(86)【国際出願番号】 CN2021076271
(87)【国際公開番号】W WO2022027952
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】202010780889.5
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】許 杞安
【審査官】鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-166495(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108269800(CN,A)
【文献】国際公開第2020/144180(WO,A2)
【文献】特開2007-214463(JP,A)
【文献】特開2006-269464(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0043489(US,A1)
【文献】国際公開第2019/110016(WO,A1)
【文献】特開2007-149769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01L 21/8232-21/8238
H01L 21/8249
H01L 27/04
H01L 27/06
H01L 27/07
H01L 27/085-27/092
H01L 27/118
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体静電保護デバイスであって、
内に第1導電タイプの深ウェル領域が形成される基板と、
陽極が第1電圧に接続され、陰極が入力/出力端子に接続される第1ダイオードと、
陽極が前記入力/出力端子に接続され、陰極が第2電圧に接続される第2ダイオードと、
ガードリングと、
第1導電タイプのドープウェル領域及び第2導電タイプのドープウェル領域と、を備え、
前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードがいずれも前記第1導電タイプの深ウェル領域内に位置し、
前記深ウェル領域が前記ガードリング内に位置し、前記ガードリングが第2導電タイプを有し、
前記第1導電タイプのドープウェル領域及び第2導電タイプのドープウェル領域がいずれも前記深ウェル領域内に位置し、前記第1ダイオードが前記第1導電タイプのドープ領域に位置し、前記第2ダイオードが前記第2導電タイプのドープ領域に位置し、
前記第1ダイオードは第1導電タイプの第1ドープ領域及び第2導電タイプの第2ドープ領域を備え、前記第1ドープ領域が前記第1ダイオードの陽極であり、前記第2ドープ領域が前記第1ダイオードの陰極であり、
前記第2ダイオードは第2導電タイプの第3ドープ領域及び第1導電タイプの第4ドープ領域を備え、前記第4ドープ領域が前記第2ダイオードの陽極であり、前記第3ドープ領域が前記第2ダイオードの陰極であり、
前記深ウェル領域内に第5ドープ領域が形成され、前記第5ドープ領域は前記第1導電タイプであり、前記第5ドープ領域が前記深ウェル領域の引き出し領域とされ、且つ前記第5ドープ領域は環状を呈し、前記第1ダイオード及び前記第2ドープ領域がいずれも前記第5ドープ領域により形成される環内に位置する、
半導体静電保護デバイス。
【請求項2】
前記第1導電タイプのドープウェル領域と第2導電タイプのドープウェル領域は隣接する請求項に記載の半導体静電保護デバイス。
【請求項3】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域は第1方向に沿って交互に間隔を置いて配列され、前記第3ドープ領域と前記第4ドープ領域は前記第1方向に沿って交互に間隔を置いて配列される請求項に記載の半導体静電保護デバイス。
【請求項4】
前記第1ドープ領域は複数の第1環状に形成され、前記第2ドープ領域が前記第1環状内に位置し、前記第3ドープ領域は複数の第2環状に形成され、前記第4ドープ領域が前記第2環状内に位置する請求項に記載の半導体静電保護デバイス。
【請求項5】
複数の前記第2ドープ領域は第2方向に沿って間隔を置いて配列され、複数の前記第4ドープ領域は前記第2方向に沿って間隔を置いて配列される請求項のいずれか1項に記載の半導体静電保護デバイス。
【請求項6】
前記第1ドープ領域と前記第2ドープ領域との間、前記第1ドープ領域と前記第3ドープ領域との間、前記第3ドープ領域と前記第4ドープ領域との間には、いずれも浅いトレンチ分離構造が配置される請求項に記載の半導体静電保護デバイス。
【請求項7】
前記第1電圧は電源電圧であり、前記第2電圧は接地電圧である請求項1に記載の半導体静電保護デバイス。
【請求項8】
前記第1電圧は接地電圧であり、前記第2電圧は電源電圧である請求項1に記載の半導体静電保護デバイス。
【請求項9】
前記第1ダイオードの数は少なくとも2つであり、且つ順次直列接続され、且つ
前記第2ダイオードの数は少なくとも2つであり、且つ順次直列接続される請求項1に記載の半導体静電保護デバイス。
【請求項10】
前記基板の材料は、シリコン、ゲルマニウム、GaAs(ヒ化ガリウム)、InP(リン化インジウム)又はGaN(窒化ガリウム)である請求項1に記載の半導体静電保護デバイス。
【請求項11】
更にガードリングを備え、前記深ウェル領域は前記ガードリング内に位置し、前記ガードリングは前記第2導電タイプを有し、前記ガードリングは前記深ウェル領域の外周に形成され、前記深ウェル領域を取り囲んでいるとともに、前記第5ドープ領域を取り囲んでいる請求項に記載の半導体静電保護デバイス。
【請求項12】
前記第1電圧は電源電圧であり、前記第2電圧は接地電圧であり、前記第1ダイオードの前記陽極は電源端子に接続され、前記第1ダイオードの前記陰極は入力/出力端子に接続され、前記第2ダイオードの陽極は入力/出力端子に接続され、前記第2ダイオードの前記陰極は接地端子に接続される請求項1に記載の半導体静電保護デバイス。
【請求項13】
前記第1電圧は接地電圧であり、前記第2電圧は電源電圧であり、前記第1ダイオードの前記陽極は接地端子に接続され、前記第1ダイオードの前記陰極は入力/出力端子に接続され、前記第2ダイオードの陽極は入力/出力端子に接続され、前記第2ダイオードの陰極は電源端子に接続される請求項1に記載の半導体静電保護デバイス。
【請求項14】
前記第1ダイオードの前記第1ドープ領域はいずれもリード線により前記第1電圧に外部接続され、前記第1ダイオードの前記第2ドープ領域はいずれもリード線により入力/出力端子に外部接続され、前記第2ダイオードの前記第4ドープ領域はいずれもリード線により前記入力/出力端子に外部接続され、前記第2ダイオードの前記第3ドープ領域はいずれもリード線により前記第2電圧に外部接続され、且つ前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードの外周の前記第5ドープ領域は前記第2電圧に外部接続され、前記第5ドープ領域の外周のガードリングは前記第1電圧に外部接続される請求項11に記載の半導体静電保護デバイス。
【請求項15】
前記第1導電タイプはP型であり、前記ドープウェル領域はP型ドープウェル領域であり、前記第2導電タイプはN型であり、前記第2導電タイプの前記ドープウェル領域はN型ドープウェル領域であり、前記第1ダイオードは前記P型ドープウェル領域内に位置し、前記第2ダイオードは前記N型ドープウェル領域内に位置し、
前記第1ダイオードはP型の前記第1ドープ領域及びN型の前記第2ドープ領域を備え、前記第1ドープ領域及び前記第2ドープ領域はいずれも前記P型ドープウェル領域の内部に位置し、且つ前記第1ドープ領域は前記第1電圧に外部接続され、前記第2ドープ領域は入力/出力電圧に外部接続され、且つ
前記第2ダイオードはN型の前記第3ドープ領域及びP型の前記第4ドープ領域を備え、前記第3ドープ領域及び前記第4ドープ領域は前記N型ドープウェル領域の内部に位置し、且つ前記第3ドープ領域は前記第2電圧に外部接続され、前記第4ドープ領域は前記入力/出力電圧に外部接続される請求項に記載の半導体静電保護デバイス。
【請求項16】
前記第1環状内には1つのみの短冊状の前記第2ドープ領域が存在し、前記第2環状内には1つのみの短冊状の前記第4ドープ領域が存在する請求項に記載の半導体静電保護デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体静電保護デバイスに関する。
【0002】
本願は、2020年8月6日に提出した名称「半導体静電保護デバイス」、出願番号第202010780889.5号の中国出願の優先権を主張し、その全ての開示内容は援用により本願に取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
半導体の製造プロセスがますます進むにつれて、半導体デバイスはより小さくなり、接合深さがより浅くなり、酸化層もより薄くなり、静電保護デバイスの信頼性について直面する課題が次第に大きくなってきている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
複数の実施例に基づいて、本願が提供する半導体静電保護デバイスは、
内部に第1導電タイプの深ウェル領域が形成される基板と、
陽極が第1電圧に接続され、陰極が入力/出力端子に接続される第1ダイオードと、
陽極が前記入力/出力端子に接続され、陰極が第2電圧に接続される第2ダイオードと、を備え、且つ
前記第1ダイオード及び前記第2ダイオードがいずれも前記第1導電タイプの深ウェル領域内に位置する。
【0005】
本願の1つ又は複数の実施例の詳細は以下の図面及び説明において示される。本願の他の特徴及び利点は明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになる。
【0006】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例において使用する必要のある図面を簡単に説明するが、以下に記載する図面は単に本願のいくつかの実施例であって、当業者であれば、創造的な労力なしに、これらの図面に基づいて更に他の図面を取得することができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の1つの実施例における半導体静電保護デバイスを示す平面図である。
図2図1におけるAA′方向に沿う断面構造模式図である。
図3】本発明の他の実施例における半導体静電保護デバイスを示す平面図である。
図4】本発明の他の実施例における半導体静電保護デバイスを示す断面構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
現在、ダイナミックランダムアクセスメモリの速度がますます速くなり、これはI/Oインターフェースが確実な静電放電能力を有するだけでなく、それとともに、比較的小さな寄生容量を有するように求められ、従来技術における静電保護デバイスの寄生容量は、要件を満足することがますます困難になっている。
【0009】
本発明を理解しやすくするために、以下、関連する図面を参照しながら本発明をより包括的に説明する。図面には、本発明の最優先の実施例を示している。しかしながら、本発明は様々な異なる形式で実現されてもよく、本明細書に説明される実施例に限られない。これらの実施例を提供する目的は本発明の開示内容をより明確かつ完全にすることである。
【0010】
特に定義しない限り、本明細書に使用されるすべての技術用語及び科学用語は当業者が一般的に理解する意味と同じである。本明細書において、本発明の明細書に使用される用語はあくまでも具体的な実施例を説明するためのものであって、本発明を制限することを意図していない。本明細書に使用される用語「及び/又は」は1つ又は複数の関連する列挙項目の任意及び全ての組み合わせを含む。
【0011】
本発明の説明において、理解されるべきこととして、用語「上」、「下」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」等で示される方向又は位置関係は図面に示される方向又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明しやすくし且つ説明を簡素化するためのものに過ぎず、示される装置又は素子が必ず特定の方向を有し、特定の方向で構成及び操作しなければならないことを示し又は示唆するのではなく、従って、本発明を制限するものと理解されるべきではない。
【0012】
インターフェース回路が良好な静電放電性能を有する上で、更に比較的小さな寄生容量を有するために、図1及び図2に示すように、本発明は半導体静電保護デバイスを提供し、内部に第1導電タイプの深ウェル領域12が形成される基板10と、陽極が第1電圧に接続され、陰極が入力/出力端子に接続される第1ダイオード20と、陽極が入力/出力端子に接続され、陰極が第2電圧に接続される第2ダイオード21と、を備え、第1ダイオード20及び第2ダイオード21がいずれも第1導電タイプの深ウェル領域12内に位置する。
【0013】
第1ダイオード20は陽極が第1電圧に接続され、陰極が入力/出力端子に接続され、第2ダイオード21は陽極が入力/出力端子に接続され、陰極が第2電圧に接続される。従って、チップが静電環境に位置する場合、瞬時の静電電荷は入力/出力ピンを通過してチップのインターフェース回路に入ることとなり、入力/出力ピンを通過してチップの内部に入った静電電荷に発生した電圧が第1ダイオード20及び第2ダイオード21の逆方向破壊電圧又は順方向導通電圧よりも低い場合、静電保護デバイス及びチップの内部回路を損傷することがなく、静電電荷に発生した電圧が第1ダイオード20及び第2ダイオード21の順方向導通電圧又は逆方向破壊電圧を超える場合、第1ダイオード20を逆方向に破壊させ又は順方向に導通させ、更に静電電荷を放電し、チップ内部の半導体デバイスが静電電荷により損傷されることを回避する。第1ダイオード20及び第2ダイオード21がいずれも深ウェル領域12内に位置し、第1ダイオード20と第2ダイオード21が深ウェル領域12により分離されるため、チップ内部の他の半導体デバイスとの相互干渉を回避することができ、且つ第1ダイオード及び第2ダイオードの容量が比較的小さく、従って、良好な静電放電性能を有する上で、その寄生容量の大きさはダイナミックランダムアクセスメモリのますます高くなる要件を満たすこともできる。
【0014】
1つの選択可能な実施例では、基板10の材料は、シリコン、ゲルマニウム、GaAs(ヒ化ガリウム)、InP(リン化インジウム)又はGaN(窒化ガリウム)等であってもよく、即ち基板10は、シリコン基板、ゲルマニウム基板、GaAs基板、InP基板又はGaN基板であってもよく、本実施例では、基板10はシリコン基板であってもよい。
【0015】
一例では、深ウェル領域12は、N型深ウェル領域12又はP型深ウェル領域12であってもよく、1つの選択可能な実施例では、深ウェル領域12はN型深ウェル領域12である。
【0016】
1つの選択可能な実施例では、深ウェル領域12内に第5ドープ領域22が形成され、第5ドープ領域22は第1導電タイプであり、即ち深ウェル領域と同じ導電タイプであり、P型ハイドープ領域であってもよく、第5ドープ領域22は深ウェル領域12の引き出し領域とされてもよい。第5ドープ領域22は環状を呈し、第1ダイオード20及び第2ドープ領域21はいずれも第5ドープ領域22により形成される環内に位置する。
【0017】
1つの選択可能な実施例では、第1電圧は電源電圧Vddであり、第2電圧は接地電圧Vssである。即ち、第1ダイオード20は陽極が電源端子に接続され、陰極が入力/出力端子に接続され、第2ダイオード21は陽極が入力/出力端子に接続され、陰極が接地端子に接続される。従って、入力/出力端子と電源端子との間に静電が発生し、且つ静電電荷に発生した電圧が第1ダイオード20の逆方向破壊電圧よりも大きい場合、静電電荷は第1ダイオード20から放電され、入力/出力端子と接地端子との間に静電が発生し、且つ静電電荷に発生した電圧が第2ダイオード21の順方向導通電圧よりも大きい場合、静電電荷は第2ダイオード21から放電される。
【0018】
他の選択可能な実施例では、第1電圧は接地電圧Vssであり、第2電圧は電源電圧Vddである。即ち、第1ダイオード20は陽極が接地端子に接続され、陰極が入力/出力端子に接続され、第2ダイオード21は陽極が入力/出力端子に接続され、陰極が電源端子に接続される。従って、入力/出力端子と電源端子との間に静電が発生した場合、且つ静電電荷に発生した電圧が第1ダイオード20の順方向導通電圧よりも大きい場合、静電電荷は第1ダイオード20から放電され、入力/出力端子と接地端子との間に静電が発生し、且つ静電電荷に発生した電圧が第2ダイオード21の逆方向破壊電圧よりも大きい場合、静電電荷は第2ダイオード21から放電される。
【0019】
図2に示すように、1つの選択可能な実施例では、第1ダイオード20の第1ドープ領域201はいずれもリード線により第1電圧に外部接続され、第1電圧が例えば接地電圧Vssであってもよく、第1ダイオード20の第2ドープ領域202はいずれもリード線により入力/出力端子(図中において、I/Oポートである)に外部接続され、第2ダイオード21の第4ドープ領域212はいずれもリード線により入力/出力端子(図中において、I/Oポートである)に外部接続され、第2ダイオード21の第3ドープ領域211はいずれもリード線により第2電圧に外部接続され、第2電圧が例えば電源電圧Vssであってもよい。同時に、第1ダイオード20及び第2ダイオード21の外周の第5ドープ領域22は第2電圧に外部接続され、第5ドープ領域22の外周のガードリング13は第1電圧に外部接続される。
【0020】
1つの選択可能な実施例では、基板10内には第1導電タイプのドープウェル領域14及び第2導電タイプのドープウェル領域15が更に含まれ、第1導電タイプのドープウェル領域14及び第2導電タイプのドープウェル領域15はいずれも深ウェル領域12内に位置し、第1ダイオード20は第1導電タイプのドープ領域に位置し、第2ダイオード21は第2導電タイプのドープウェル領域15に位置する。第1導電タイプのドープウェル領域14及び第2導電タイプのドープウェル領域15はいずれも基板10に対してイオン注入を行う方式で形成されてもよい。第1ダイオード20は、第1導電タイプの第1ドープ領域201及び第2導電タイプの第2ドープ領域202を備え、第1ドープ領域201が第1ダイオード20の陽極であり、第2ドープ領域202が第1ダイオード20の陰極である。第2ダイオード21は、第2導電タイプの第3ドープ領域211及び第1導電タイプの第4ドープ領域212を備え、第4ドープ領域212が第2ダイオード21の陽極であり、第3ドープ領域211が第2ダイオード21の陰極である。
【0021】
1つの選択可能な実施例では、第1導電タイプはP型であり、即ち第1導電タイプのドープウェル領域14はP型ドープウェル領域であり、第2導電タイプはN型であり、即ち第2導電タイプのドープウェル領域15はN型ドープウェル領域であり、第1ダイオード20はP型ドープウェル領域内に位置し、第2ダイオード21はN型ドープウェル領域内に位置する。第1ダイオード20は、P型の第1ドープ領域201及びN型の第2ドープ領域202を備え、第1ドープ領域201及び第2ドープ領域202はいずれもP型ドープウェル領域の内部に位置し、且つ第1ドープ領域201は第1電圧に外部接続され、第2ドープ領域202は入力/出力電圧に外部接続される。第2ダイオード21は、N型の第3ドープ領域211及びP型の第4ドープ領域212を備え、第3ドープ領域211及び第4ドープ領域212はN型ドープウェル領域の内部に位置し、且つ第3ドープ領域211は第2電圧に外部接続され、第4ドープ領域212は入力/出力電圧に外部接続される。
【0022】
一例では、第1ダイオード20に含まれるP型の第1ドープ領域201及びN型の第2ドープ領域202の数は実際のニーズに応じて設定されてもよく、第1ダイオード20に含まれるP型の第1ドープ領域201及びN型の第2ドープ領域202の数はいずれも1つであってもよいし、いずれも複数であってもよい。同様に、第2ダイオード21に含まれるN型の第3ドープ領域211及びP型の第4ドープ領域212の数は1つ又は複数であってもよく、本実施例では、第1ダイオード20に含まれるP型の第1ドープ領域201及びN型の第2ドープ領域202の数はいずれも複数であってもよく、第2ダイオード21に含まれるN型の第3ドープ領域211及びP型の第4ドープ領域212の数はいずれも複数であってもよい。このように、第1ダイオード20及び第2ダイオード21には並列接続される複数のサブダイオードが含まれ、それにより静電保護デバイスの静電放電能力を向上させることができる。
【0023】
1つの選択可能な実施例では、第1ドープ領域201及び第2ドープ領域202は第1方向に沿って間隔を置いて配列され、第3ドープ領域211及び第4ドープ領域212は第1方向に沿って間隔を置いて配列される。即ち、静電保護デバイスが少なくとも1つの第1ダイオード20及び少なくとも1つの第2ダイオード21を備える場合、第1ドープ領域201及び第2ドープ領域202は第1方向に沿って間隔を置いて配列され、第3ドープ領域211及び第4ドープ領域212は第1方向に沿って間隔を置いて配列される。
【0024】
1つの選択可能な実施例では、図1に示すように、1つの第2ドープ領域202の両側に位置する第1ドープ領域201は、両端が接続されて、第2ドープ領域202を取り囲む1つの第1環状を形成する。第2ドープ領域202は、第1環状内に位置するとともに、第1環状の内壁との間に間隔が空けられ、第1環状に接触していない。1つの第4ドープ領域212の両側に位置する第3ドープ領域211は、両端が接続されて、第4ドープ領域212を取り囲む第2環状を形成する。第4ドープ領域212は第2環状内に位置するとともに、第2環状の内壁との間に間隔が空けられ、第2環状に接触しない。
【0025】
1つの選択可能な実施例では、第1ドープ領域201と第2ドープ領域202との間、第1ドープ領域201と第3ドープ領域211との間、第3ドープ領域211と第4ドープ領域212との間には、いずれも浅いトレンチ分離構造16が設けられる。即ち、第2ドープ領域202と第1環状との間には浅いトレンチ分離構造16があり、第2ドープ領域202と第1環状を分離し、第4ドープ領域212と第2環状との間には浅いトレンチ分離構造16が形成され、第4ドープ領域212と第2環状との間を分離する。
【0026】
1つの選択可能な実施例では、第1導電タイプのドープウェル領域14と第2導電タイプのドープウェル領域15は隣接し、即ち図2に示されるP型ドープ領域とN型ドープ領域は隣接する。このとき、第2導電タイプのドープウェル領域15に接近する第1ドープ領域201と第1導電タイプのドープウェル領域14に接近する第3ドープ領域211は互いに接近するが、第1ドープ領域201と第3ドープ領域211との間に間隔が空けられ、両方の間には同様に浅いトレンチ分離構造16が形成され、浅いトレンチ分離構造16は第1ドープ領域201と第3ドープ領域211を分離することができる。
【0027】
1つの選択可能な実施例では、第2方向に沿って複数の第2ドープ領域202を含み、即ち複数の第2ドープ領域202は第2方向に沿って間隔を置いて配列され、第2方向に沿って複数の第4ドープ領域212を含み、即ち複数の第4ドープ領域212は第2方向に沿って間隔を置いて配列される。第2方向は第1方向に垂直であってもよく、第2方向に沿って1行に配列される複数の第2ドープ領域202はいずれも同じ第1環状内に位置し、第2方向に沿って1行に配列される複数の第4ドープ領域212はいずれも同じ第2環状内に位置する。これにより、第1環状内には1行に配列される複数の第2ドープ領域202が存在する場合、静電電荷の放電は比較的均一に第1環状内の各第2ドープ領域202に分散することができ、静電電荷の放電は比較的均一である。同様に、第2環状内には1行に配列される複数の第4ドープ領域212が存在する場合、静電電荷の放電は比較的均一に第2環状内の各第4ドープ領域212に分散することができ、静電電荷の放電は比較的均一である。
【0028】
図3に示すように、他の選択可能な実施例では、第1環状内には1つのみの短冊状の第2ドープ領域202が存在してもよく、第2環状内には1つのみの短冊状の第4ドープ領域212が存在してもよく、この実施例では、静電電荷の放電が比較的集中するが、このような設置は静電保護デバイスの放電能力を向上させる。
【0029】
1つの選択可能な実施例では、半導体静電保護デバイスは更にガードリング13を備え、深ウェル領域12がガードリング13内に位置し、ガードリング13が第2導電タイプを有し、ガードリング13がN型であってもよく、ガードリング13が深ウェル領域12の外周に形成され、深ウェル領域12を取り囲んでいるとともに、第5ドープ領域22を取り囲んでいる。ガードリング13は電荷がガードリング13の内外を移動することを阻止することができ、それによりガードリング13外の半導体デバイスとガードリング13内の静電保護デバイスとの相互影響を軽減する。
【0030】
1つの選択可能な実施例では、第1ドープ領域201と第2ドープ領域202は第1方向に沿って交互に間隔を置いて配列され、第3ドープ領域211と第4ドープ領域212は第1方向に沿って交互に間隔を置いて配列される。即ち、半導体静電保護デバイスが少なくとも2つの第1ダイオード20及び少なくとも2つの第2ダイオード21を備える場合、第1ドープ領域201と第2ドープ領域202は第1方向に沿って交互に間隔を置いて配列され、それにより直列接続される複数の第1ダイオード20を形成し、第3ドープ領域211と第4ドープ領域212は第1方向に沿って交互に間隔を置いて配列され、それにより直列接続される複数の第2ダイオード21を形成する。
【0031】
1つの選択可能な実施例では、第1ドープ領域201は複数の第1環状に形成され、第2ドープ領域202が第1環状内に位置し、第3ドープ領域211は複数の第2環状に形成され、第4ドープ領域212が第2環状内に位置する。
【0032】
図4に示すように、1つの選択可能な実施例では、第1ダイオード20の数は少なくとも2つであり、且つ順次直列接続され、2つ、3つ又はそれ以上であってもよく、第2ダイオード21の数は少なくとも2つであり、且つ順次直列接続され、2つ、3つ又はそれ以上であってもよいが、上記数値は具体的な実施例の例示的なものに過ぎず、第1ダイオード20の数及び第2ダイオード21の数は上記数値に制限されるものではない。第1ダイオード20を例として、半導体静電保護デバイス内に2つの第1ダイオード20が含まれる場合、2つの第1ダイオード20は第1電圧と入力/出力電圧との間に直列接続され、従って、2つの第1ダイオード20を導通又は逆方向に破壊する静電電荷に発生した電圧は2つの第1ダイオード20の導通電圧又は逆方向破壊の和であり、第2ダイオード21も同様である。第1ダイオード20及び第2ダイオード21の数を変化させることにより、第1ダイオード20の陽極及び第2ダイオード21の陰極に接続される電圧は互いに取り替え可能である。このとき、第1ダイオード20及び第2ダイオード21の両方のうちの逆方向接続される一方は正常に動作しているがオンされることがなく、静電電荷に発生した電圧が逆方向接続されるすべてのダイオードの導通電圧の和よりも大きい場合のみにオンされることとなり、これにより、本発明の静電保護デバイスが静電電荷に発生した電圧を複数の第1ダイオード20の導通電圧の和にクランプすることができる。
【0033】
1つの選択可能な実施例では、図4に示すように、第1導電タイプのドープウェル領域14の最左端に位置する第1ダイオード20の第1ドープ領域201はいずれも第1電圧に外部接続され、例えば第1電圧がVssであり、その第2ドープ領域202がいずれもリード線により第1導電タイプのドープウェル領域14の右端の第1ダイオード20内の第1ドープ領域201に電気的に接続され、第1導電タイプのドープウェル領域14の右端の第1ダイオード20内の第2ドープ領域202はリード線により入力/出力端子I/Oに電気的に接続される。第2導電タイプのドープウェル領域15の左端に位置する第2ダイオード21内の第4ドープ領域212はいずれもリード線により入力/出力端子I/Oに電気的に接続され、その第3ドープ領域211がいずれも第2ドープ領域15の右端に位置する第2ダイオード21内の第4ドープ領域212に電気的に接続され、第2ドープ領域15の右端に位置する第2ダイオード21内の第3ドープ領域211はいずれもリード線により第2電圧に外部接続され、例えば第2電圧がVddである。同時に、ガードリング13は第1電圧Vssに外部接続され、第5ドープ領域22は第2電圧Vddに外部接続される。
【0034】
上記技術案によって、チップが静電環境に露出する場合、チップ入力/出力ピンに入った静電電荷に発生した電圧が第1ダイオード20及び/又は第2ダイオード21の逆方向破壊電圧又は順方向導通電圧を超えれば、静電電荷は第1ダイオード20及び/又は第2ダイオード21により放電されることとなり、チップの内部回路が静電電荷により損傷されることを回避するとともに、第1ダイオード20及び第2ダイオード21がいずれも深ウェル領域12の内部に位置するため、第1ダイオード20と第2ダイオード21は深ウェル領域12により分離され、チップ内部回路への干渉を回避することができ、且つ第1ダイオード20及び第2ダイオード21の寄生容量が比較的小さく、ダイナミックランダムアクセスメモリの入力/出力ピンに対するますます高くなる要件を満足することができる。
【0035】
以上に記載する実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、上記実施例の各技術的特徴のすべての可能な組み合わせをひとつひとつ説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせは矛盾しない限り、いずれも本明細書に記載する範囲として見なされるべきである。
【0036】
以上に記載する実施例は本発明のいくつかの実施形態を表すだけのものであり、その説明は比較的具体的且つ詳細なものであるが、発明特許範囲を制限するものと理解されるべきではない。なお、当業者であれば、本発明の構想を逸脱せずに、更に種々の変形及び改良を行うことができ、これらはいずれも本発明の保護範囲に属する。従って、本発明特許の保護範囲は添付の特許請求の範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0037】
10 基板
12 深ウェル領域
13 ガードリング
14 第1導電タイプのドープウェル領域
15 第2導電タイプのドープウェル領域
16 浅いトレンチ分離構造
20 第1ダイオード
201 第1ドープ領域
202 第2ドープ領域
21 第2ダイオード
211 第3ドープ領域
212 第4ドープ領域
22 第5ドープ領域
図1
図2
図3
図4