(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】SMN2を調節するための化合物及び方法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/113 20100101AFI20240301BHJP
A61K 31/712 20060101ALI20240301BHJP
A61K 31/7125 20060101ALI20240301BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
A61K31/712
A61K31/7125
A61P21/00
(21)【出願番号】P 2022544263
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(86)【国際出願番号】 US2021019934
(87)【国際公開番号】W WO2021174019
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-07-21
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595104323
【氏名又は名称】アイオーニス ファーマシューティカルズ, インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Ionis Pharmaceuticals,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163784
【氏名又は名称】武田 健志
(72)【発明者】
【氏名】リゴ,フランク
(72)【発明者】
【氏名】プラカシュ,タジャ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】リング,カー・ユン・カレン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ダブリュー・ブラッド
(72)【発明者】
【氏名】ドゥルーリー,ウィリアム・ジョン,ザ・サード
【審査官】鳥居 敬司
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-525918(JP,A)
【文献】国際公開第2015/161170(WO,A2)
【文献】特表2016-515123(JP,A)
【文献】国際公開第2002/076455(WO,A1)
【文献】特開2003-063992(JP,A)
【文献】国際公開第2010/120820(WO,A1)
【文献】The American Journal of Human Genetics, 2008, Vol.82, pp.834-848
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の化学構造:
【化1】
に基づく、修飾オリゴヌクレオチドまたはその塩。
【請求項2】
ナトリウム塩またはカリウム塩である、請求項1に記載の修飾オリゴヌクレオチド。
【請求項3】
以下の化学構造:
【化2】
に基づく修飾オリゴヌクレオチド。
【請求項4】
以下の化学表記:
mC
nsA
no
mC
nsT
noT
nsT
ns
mC
nsA
nsT
nsA
nsA
nsT
nsG
ns
mC
nsT
nsG
nsG
ns
mC
nによる修飾オリゴヌクレオチド(配列番号21)を含む、オリゴマー化合物であって、ここで
Aは、アデニン核酸塩基であり、
mCは、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gは、グアニン核酸塩基であり、
Tはチミン核酸塩基であり、
nは、2’-NMA糖部分であり、
sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、
oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、
上記オリゴマー化合物。
【請求項5】
修飾オリゴヌクレオチドのホスホロチオエートヌクレオシド間結合のすべてがステレオランダムである、請求項1~3のいずれか1項に記載の修飾オリゴヌクレオチドの集団又は請求項4に記載のオリゴマー化合物の集団。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載の修飾オリゴヌクレオチド、請求項4に記載のオリゴマー化合物、請求項5に記載の修飾オリゴヌクレオチドの集団、又は請求項5に記載のオリゴマー化合物の集団、及び薬学的に許容される希釈剤、を含む、医薬組成物。
【請求項7】
薬学的に許容される希釈剤が人工脳脊髄液(aCSF)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)である、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
医薬組成物が前記修飾オリゴヌクレオチド及びaCSFから本質的になる、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
医薬組成物が前記修飾オリゴヌクレオチド及びPBSから本質的になる、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項10】
医薬組成物が前記オリゴマー化合物及びaCSFから本質的になる、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項11】
医薬組成物が前記オリゴマー化合物及びPBSから本質的になる、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項12】
医薬組成物が前記修飾オリゴヌクレオチドの集団及びaCSFから本質的になる、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項13】
医薬組成物が前記修飾オリゴヌクレオチドの集団及びPBSから本質的になる、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項14】
医薬組成物が前記オリゴマー化合物の集団及びaCSFから本質的になる、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項15】
医薬組成物が前記オリゴマー化合物の集団及びPBSから本質的になる、請求項7に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、配列表とともに電子形式で出願されている。この配列表は、2021年2月26日に作成された44KBのサイズのBIOL0367WOSEQ_ST25.txtと題されたファイルとして提供される。この配列表の電子形式の情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
細胞または対象においてSMN2 RNAを調節するための化合物、方法、及び医薬組成物が提供される。そのような化合物、方法及び医薬組成物は、神経変性疾患の少なくとも1つの症状を寛解させるのに有用である。そのような症状には、筋力の低下;そのような症状には筋力の低下;背筋を伸ばして座ったり、立ったり及び/または歩いたりすることができない、またはその能力の低下;神経筋活動の低下;1つ以上の筋肉の電気的活性の低下;呼吸の低下;補助なしで食べたり、飲んだり及び/または呼吸したりすることができない、またはその能力の低下;体重の減少または体重増加の減少;及び/または生存率の低下があげられる。
【背景技術】
【0003】
近位脊髄性筋萎縮症(SMA)は、脊髄運動神経の喪失を特徴とする遺伝性神経変性疾患である。SMAは、早期発症の常染色体劣性疾患であり、乳児の主要な遺伝的死因である。SMAの重症度は患者によって異なるため、4つのタイプに分類されている。I型SMAは、出生時または6か月以内に発症する最も重症の形態であり、通常2年以内に死亡する。I型SMAの子供は、座ったり歩いたりすることができない。II型SMAは中間形態であり、患者は座ることはできるが、立ったり歩いたりすることはできない。慢性型疾患であるIII型SMAの患者は、通常、生後18か月でSMAを発症する(Lefebvre et al.,Hum.Mol.Genet.,1998,7,1531-1536)。IV型SMAはより穏やかな形態であり、通常18歳以降、場合によっては10歳以降に発症する。IV型SMAの患者は、限定的な軽度の運動障害があり、成人期に歩くことができ、一般に呼吸や栄養の問題はない(Farrar et al.,Ann.Neurol,2017,81,355-368;D’Amico et al.,Orphanet J.of Rare Diseases,2011,6:71)。
【0004】
SMAの分子的機序は、運動神経生存遺伝子1(SMN1)の両方のコピーの喪失であり、これはSMNテロメア型としても知られ、snRNP生合成とリサイクルに関与すると考えられている多タンパク質複合体の一部であるタンパク質をコードする。ほぼ同一の遺伝子であるSMN2は、SMNセントロメア型としても知られている可能性があり、染色体5q13の重複領域に存在し、疾患の重症度を調節する。SMN1とSMN2は同じタンパク質をコードする可能性があるが、通常のSMN1遺伝子の発現は完全長の運動神経生存(SMN)タンパク質の発現のみをもたらし、SMN2遺伝子の発現は2つの異なるタンパク質形態、完全長のSMN2タンパク質、及び切断型SMN2タンパク質、SMNΔ7タンパク質をもたらす。SMN2には、エキソン7の+6の位置に翻訳的非表現突然変異が含まれているため、SMN2転写産物にエキソン7が非効率的に含まれている。したがって、SMN2の主な形態は、不安定で不活性なエキソン7を欠く切断型である(Cartegni and Krainer,Nat.Genet.,2002,30,377-384)。SMN2遺伝子の発現は、完全長SMNタンパク質の約10~20%、不安定/非機能性SMNΔ7タンパク質の80~90%をもたらす。SMNタンパク質は、スプライセオソームの組み立てで確立された役割を果たし、神経軸索及び神経末端でのmRNA輸送を仲介する可能性もある。
【0005】
本発明の目的は、SMAを治療するための化合物、方法及び医薬組成物を提供することである。
【発明の概要】
【0006】
細胞または対象のSMN2 RNAのスプライシングを調節するための化合物、方法及び医薬組成物が提供される。特定の実施形態で、SMN2 RNAのスプライシングを調節するのに有用な化合物は、オリゴマー化合物である。特定の実施形態で、オリゴマー化合物は、エキソン7を含むSMN2 RNAの量を増加させる。特定の実施形態で、オリゴマー化合物は、完全長SMN2タンパク質の発現を増加させる。特定の実施形態で、オリゴマー化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態で、対象は神経変性疾患である。特定の実施形態で、対象は脊髄性筋萎縮症(SMA)である。
【0007】
神経変性疾患の少なくとも1つの症状を寛解させるのに有用な方法も提供される。特定の実施形態で、神経変性疾患はSMAである。特定の実施形態で、症状には、筋力の低下;背筋を伸ばして座ったり、立ったり及び/または歩いたりすることができない、またはその能力の低下;神経筋活動の低下;1つ以上の筋肉の電気的活性の低下;呼吸の低下;補助なしで食べたり、飲んだり及び/または呼吸したりすることができない、またはその能力の低下;体重の減少または体重増加の減少;及び/または生存率の低下があげられる。特定の実施形態で、SMAを治療するための修飾オリゴヌクレオチドが本明細書で提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明はいずれもあくまで例示的かつ説明的なものに過ぎず、限定的なものではない点を理解されたい。本明細書において、単数形の使用は、別途明確に記述されない限り、複数形を含む。本明細書で使用されるとき、「または」の使用は、別途定めのない限り、「及び/または」を意味する。さらに、「including(~を含む)」という用語、ならびに「includes(~を含む)」及び「included(含まれる)」等の他の形態の使用は、限定的なものではない。また、「要素」または「成分」等の用語は、別途明確に記述されない限り、1つのユニットを含む要素及び成分、ならびに2つ以上のサブユニットを含む要素及び成分の両方を包含する。
【0009】
本明細書で使用される条項の見出しは、あくまで構成上の目的のものであって、記載される発明の主題を限定するものとして解釈されるべきではない。これらに限定されないが、特許、特許出願、記事、書籍、論文、ならびにGenBank及びNCBI参照配列レコードを含む、本明細書で引用されるすべての文書、または文書の一部は、本明細書で考察される文書の一部に関して、ならびにそれらの全体が、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0010】
定義
具体的な定義が与えられない限り、本明細書に記載される分析化学、合成有機化学、ならびに医化学及び製薬化学に関連して用いられる命名法、ならびにそれらの手順及び技法は、周知のものであり、当技術分野で一般的に使用されているものである。容認される場合、本開示の全体を通じて参照されるすべての特許、特許出願、特許出願公開、ならびに他の刊行物及び他のデータは、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0011】
特に指示がない限り、以下の用語は、以下の意味を有する。
【0012】
本明細書で使用する場合、「2’-デオキシリボヌクレオシド」とは、2’-H(H)デオキシリボシル糖部分を含むヌクレオシドを意味する。特定の実施形態で、2’-デオキシリボヌクレオシドは、2’-β-D-デオキシリボヌクレオシドであり、天然に存在するデオキシリボ核酸(DNA)にみられるようなβ-D立体配置を有する2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む。特定の実施形態で、2’-デオキシリボヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含んでもよい、またはRNA核酸塩基(ウラシル)を含んでもよい。
【0013】
本明細書で使用する場合、「2’-MOE」とは、リボシル糖部分の2’-OH基の代わりの2’-OCH2CH2OCH3基を意味する。「2’-MOE糖部分」とは、リボシル糖部分の2’-OH基の代わりの2’-OCH2CH2OCH3基を意味する。特に明記しない限り、2’-MOE糖部分はβ-D立体配置である。「MOE」とは、O-メトキシエチルを意味する。
【0014】
本明細書で使用する場合、「2’-MOEヌクレオシド」とは、2’-MOE糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0015】
本明細書で使用する場合、「2’-NMA」とは、リボシル糖部分の2’-OH基の代わりの-O-CH2-C(=O)-NH-CH3基を意味する。「2’-NMA糖部分」とは、リボシル糖部分の2’-OH基の代わりの糖部分を持つ2’-O-CH2-C(=O)-NH-CH3基を意味する。特に明記しない限り、2’-NMA糖部分はβ-D立体配置である。「NMA」はO-N-メチルアセトアミドを意味する。
【0016】
本明細書で使用する場合、「2’-NMAヌクレオシド」とは、2’-NMA糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0017】
本明細書で使用する場合、「2’-OMe」とは、リボシル糖部分の2’-OH基の代わりの2’-OCH3基を意味する。「2’-OMe糖部分」とは、リボシル糖部分の2’-OH基の代わりの2’-OCH3基を意味する。特に明記しない限り、2’-OMe糖部分はβ-D立体配置である。「OMe」はO-メチルを意味する。
【0018】
本明細書で使用する場合、「2’-OMeヌクレオシド」とは、2’-OMe糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0019】
本明細書で使用する場合、「2’-置換ヌクレオシド」とは、2’-置換糖部分を含むヌクレオシドを意味する。糖部分に関して本明細書で使用する場合、「2’-置換」とは、HまたはOH以外の少なくとも1つの2’-置換基を含む糖部分を意味する。
【0020】
本明細書で使用する場合、「5-メチルシトシン」とは、5位に結合したメチル基で修飾されたシトシンを意味する。5-メチルシトシンは修飾された核酸塩基である。
【0021】
本明細書で使用する場合、「投与する」とは、対象に医薬品を与えることを意味する。
【0022】
本明細書で使用する場合、治療に関連する「寛解」とは、少なくとも1つの症状が、その治療を行わない場合の同じ症状と比べて改善することを意味する。特定の実施形態では、寛解は、症状の重症度もしくは頻度の低下、または発症の遅延もしくは症状の重症度もしくは頻度の進行の遅延である。特定の実施形態で、症状は、筋力の低下;背筋を伸ばして座ったり、立ったり及び/または歩いたりすることができない、またはその能力の低下;神経筋活動の低下;1つ以上の筋肉の電気的活性の低下;呼吸の低下;補助なしで食べたり、飲んだり及び/または呼吸したりすることができない、またはその能力の低下;体重の減少または体重増加の減少;及び/または生存率の低下である。
【0023】
本明細書で使用する場合、「アンチセンス活性」とは、アンチセンス化合物のその標的核酸へのハイブリダイゼーションに起因する任意の検出可能及び/または測定可能な変化を意味する。
本明細書で使用する場合、「アンチセンス化合物」とは、少なくとも1つのアンチセンス活性を得ることができるオリゴマー化合物またはオリゴマー二重鎖を意味する。
【0024】
本明細書で使用する場合、「二環式ヌクレオシド」または「BNA」とは、二環式糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0025】
本明細書で使用する場合、「二環式糖」または「二環式糖部分」は、2つの環を含む修飾糖部分を意味し、このとき第2の環は、第1の環内の2つの原子を接続する架橋を介し形成され、これによって2環式構造が形成される。特定の実施形態で、二環式糖部分の第1の環は、フラノシル部分である。特定の実施形態で、フラノシル部分はリボシル部分である。特定の実施形態では、二環式糖部分は、フラノシル部分を含まない。
【0026】
本明細書で使用する場合、「脳脊髄液」または「CSF」とは、脳及び脊髄の周りの空間を満たす液体を意味する。「人工脳脊髄液」または「aCSF」は、脳脊髄液の特定の特性を有する調製または製造された液体を意味する。
【0027】
本明細書で使用する場合、「cEt」は、リボシル糖部分の2’OH基の代わりに4’から2’への架橋を意味し、架橋は4’-CH(CH3)-O-2’の式を有し、架橋メチル基はS配置にある。「cEt糖部分」は、リボシル糖部分の2’OH基の代わりに4’から2’への架橋を持つ二環式糖部分であり、架橋は4’-CH(CH3)-O-2’であり、架橋メチル基はS配置にある。「cEt」は拘束エチルを意味する。
【0028】
本明細書で使用する場合、「cEtヌクレオシド」とは、cEt糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0029】
本明細書で使用する場合、「キラル濃縮集団」とは、同じ分子式の複数の分子であって、特定のキラル中心で特定の立体化学的配置を有する集団内の分子の数または比率が、その特定のキラル中心がステレオランダムである場合に集団内の同じ特定のキラル中心で同じ特定の立体化学的配置を有すると予想される分子の数または比率よりも大きいものを意味する。各分子内に複数のキラル中心を有する分子のキラル濃縮集団は、1つ以上のステレオランダムなキラル中心を含み得る。特定の実施形態では、前記分子は、修飾オリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、前記分子は、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物である。
【0030】
オリゴヌクレオチドに関して本明細書で使用する場合、「相補的な」とは、オリゴヌクレオチドまたはその1つ以上の部分の核酸塩基と、別の核酸またはその1つ以上の部分の核酸塩基の少なくとも70%が、そのオリゴヌクレオチドと他方の核酸の核酸塩基配列が逆方向に整列される場合に、互いに水素結合できることを意味する。相補的な核酸塩基とは、互いに水素結合を形成可能な核酸塩基を意味する。相補的な核酸塩基対は、アデニン(A)とチミン(T)、アデニン(A)とウラシル(U)、シトシン(C)とグアニン(G)、5-メチルシトシン(mC)とグアニン(G)を含む。相補的なオリゴヌクレオチド及び/または標的核酸は、それぞれのヌクレオシドで相補的な核酸塩基を有する必要はない。むしろ、いくつかのミスマッチが許容される。オリゴヌクレオチドまたはその一部に関して本明細書で使用する場合、「完全に相補的」または「100%相補的」とは、オリゴヌクレオチドまたはその一部が、別のオリゴヌクレオチドまたは標的核酸と、2つのオリゴヌクレオチドのうちの短い方のそれぞれの核酸塩基で別のオリゴヌクレオチドまたは標的核酸と相補的であるか、またはオリゴヌクレオチドが同じ長さの場合はそれぞれのヌクレオシドで相補的であることを意味する。
【0031】
オリゴヌクレオチドとの関連で本明細書で使用する場合、「連続した」とは、互いに直接隣接したヌクレオシド、核酸塩基、糖部分、またはヌクレオシド間結合を指す。例えば、「連続した核酸塩基」とは、配列において互いに直接隣接する核酸塩基を意味する。
【0032】
本明細書で使用する場合、「ハイブリダイゼーション」とは、オリゴヌクレオチド及び/または核酸に相補的な対合またはアニーリングを意味する。特定の機構に限定されないが、最も一般的なハイブリダイゼーションの機構には水素結合が関与しており、これは相補的な核酸塩基間のワトソン・クリック型、フーグスティーン型、または逆フーグスティーン型の水素結合であり得る。
【0033】
本明細書で使用する場合、「ヌクレオシド間結合」とは、オリゴヌクレオチド中の連続したヌクレオシド間の共有結合を意味する。本明細書で使用する場合、「修飾ヌクレオシド間結合」とは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合以外の任意のヌクレオシド間結合を意味する。「ホスホロチオエートヌクレオシド間結合」とは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の非架橋酸素原子の1つが硫黄原子で置換された修飾ヌクレオシド間結合である。
【0034】
本明細書で使用する場合、「ミスマッチ」または「非相補性」とは、第1と第2のオリゴマー化合物とが整列される場合に第2のオリゴヌクレオチドまたは標的核酸の対応する核酸塩基と相補的でない第1のオリゴヌクレオチドの核酸塩基を意味する。
【0035】
本明細書で使用する場合、「モチーフ」とは、オリゴヌクレオチド中の非修飾及び/または修飾糖部分、核酸塩基、及び/またはヌクレオシド間結合のパターンを意味する。
【0036】
本明細書で使用する場合、「非二環式修飾糖部分」とは、第2の環を形成するための糖の2個の原子間に架橋を形成しない、置換基などの修飾を有する修飾糖部分を意味する。
本明細書で使用する場合、「核酸塩基」とは、非修飾核酸塩基または修飾核酸塩基を意味する。本明細書において、「非修飾核酸塩基」とは、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、ウラシル(U)、またはグアニン(G)が含まれる。本明細書で使用する場合、「修飾核酸塩基」とは、少なくとも1つの非修飾核酸塩基と対合することができる非修飾A、T、C、U、またはG以外の原子団である。「5-メチルシトシン」とは、修飾核酸塩基の1つである。ユニバーサル塩基とは、5種類の非修飾核酸塩基の任意の1つと対合できる核酸塩基である。本明細書で使用する場合、「核酸塩基配列」とは、いかなる糖またはヌクレオシド間結合修飾とも無関係の標的核酸またはオリゴヌクレオチド中の連続的な核酸塩基の順序を意味する。
【0037】
本明細書で使用する場合、「ヌクレオシド」とは、核酸塩基と糖部分とを含む化合物を意味する。核酸塩基及び糖部分はそれぞれ独立して修飾されないかまたは修飾される。本明細書で使用する場合、「修飾ヌクレオシド」とは、修飾核酸塩基及び/または修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。本明細書で使用する場合、「結合されたヌクレオシド」とは、連続した配列中で連結された(すなわち、結合されたヌクレオシド間に更なるヌクレオシドが存在しない)ヌクレオシドである。
【0038】
本明細書で使用する場合、「オリゴマー化合物」とは、オリゴヌクレオチド、及び場合によりコンジュゲート基または末端基などの1つ以上の追加の特徴を意味する。オリゴマー化合物は、第1のオリゴマー化合物に相補的である第2のオリゴマー化合物と対合してもよく、または対合されなくともよい。「一本鎖オリゴマー化合物」とは、対合していないオリゴマー化合物である。「オリゴマー二本鎖」という用語は、相補的な核酸塩基配列を有する2つのオリゴマー化合物によって形成される二本鎖を意味する。オリゴマー二本鎖の各オリゴマー化合物は、「二本鎖オリゴマー化合物」と呼ぶ場合がある。
【0039】
本明細書で使用する場合、「オリゴヌクレオチド」は、ヌクレオシド間結合を介して結合された結合されたヌクレオシドの鎖を意味し、各ヌクレオシド及びヌクレオシド間結合は修飾されてもまたは修飾されなくてもよい。別途示されない限り、オリゴヌクレオチドは8~50個の結合されたヌクレオシドで構成される。本明細書で使用する場合、「修飾オリゴヌクレオチド」とは、少なくとも1つのヌクレオシドまたはヌクレオシド間結合が修飾されているオリゴヌクレオチドを意味する。本明細書で使用する場合、「非修飾オリゴヌクレオチド」とは、いかなるヌクレオシド修飾もヌクレオシド間修飾も含まないオリゴヌクレオチドを意味する。
【0040】
本明細書で使用する場合、「医薬組成物」とは、対象への投与に適した物質の混合物を意味する。例えば、医薬組成物はオリゴマー化合物及び滅菌水溶液を含むことができる。
【0041】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される担体または希釈剤」とは、対象への投与での使用に適した任意の物質を意味する。特定のそのような担体は、医薬組成物を、例えば、対象による経口摂取のための丸剤、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液、及びトローチ剤として製剤化することを可能にする。特定の実施形態では、薬学的に許容される担体または希釈剤は、滅菌水、滅菌生理食塩水、滅菌緩衝液、または滅菌人工脳脊髄液である。
【0042】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」とは、化合物の生理学的及び薬学的に許容される塩を意味する。薬学的に許容される塩は、親化合物の望ましい生物学的活性を保持し、望ましくない毒物学的影響を親化合物に与えない。
【0043】
本明細書で使用されるとき、「RNA」は、RNA転写物を意味し、特に明記しない限り、mRNA前駆体及び成熟mRNAを含む。
【0044】
同じ分子式の分子集団との関連で本明細書で使用する場合、「ステレオランダムなキラル中心」とは、ランダムな立体化学的配置を有するキラル中心を意味する。例えば、ステレオランダムなキラル中心を含む分子集団において、(S)配置のステレオランダムなキラル中心を有する分子の数は、(R)配置のステレオランダムなキラル中心を有する分子の数と同じである場合もあるが、必ずしも同じではない。キラル中心の立体化学的配置は、立体化学的配置を制御するように設計されていない合成法の結果である場合にはランダムであるとみなされる。特定の実施形態では、ステレオランダムなキラル中心は、ステレオランダムなホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0045】
本明細書で使用する場合、「対象」とは、ヒトまたは非ヒト動物を意味する。
【0046】
本明細書で使用する場合、「糖部分」とは、非修飾糖部分または修飾糖部分を意味する。本明細書で使用する場合、「非修飾糖部分」とは、RNAに見られるような2’-OH(H)β-D-リボシル部分(「非修飾RNA糖部分」)、またはDNAに見られるような2’-H(H)β-D-デオキシリボシル糖部分(「非修飾DNA糖部分」)を意味する。非修飾糖部分は、1’、3’及び4’位の各々に1個の水素、3’位に1個の酸素、5’位に2個の水素を有する。本明細書で使用する場合、「修飾糖部分」または「修飾糖」とは、修飾フラノシル糖部分または糖代替物を意味する。
【0047】
本明細書で使用する場合、「糖代替物」とは、核酸塩基を例えば、オリゴヌクレオチド中のヌクレオシド間結合、コンジュゲート基、または末端基などの別の基に結合することができるフラノシル部分以外を有する修飾糖部分を意味する。糖代替物を含む修飾ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチド内の1つ以上位置に組み込むことができ、そのようなオリゴヌクレオチドは、相補的なオリゴマー化合物または標的核酸にハイブリダイズすることができる。
【0048】
本明細書で使用する場合、「標準in vivoアッセイ」とは、実施例2に記載のアッセイ及びその合理的な変形例を意味する。
【0049】
本明細書で使用する場合、「症状」とは、疾患または障害の存在または程度を示すあらゆる物理的特徴または試験結果を意味する。特定の実施形態では、症状は、対象または前記対象を検査または試験する医療専門家にとって明らかである。
【0050】
本明細書で使用する場合、「標的核酸」とは、これに影響を与えるようにアンチセンス化合物が設計されている核酸を意味する。
【0051】
本明細書で使用する場合、「標的領域」とは、これとハイブリダイズするようにオリゴマー化合物が設計されている標的核酸の一部を意味する。
【0052】
本明細書で使用する場合、「末端基」とは、オリゴヌクレオチドの末端に共有結合する化学基または原子団を意味する。
【0053】
本明細書で使用する「治療上有効な量」とは、対象に治療効果をもたらす薬剤の量を意味する。例えば、治療上有効な量は疾患の症状を改善する。
【0054】
特定の実施形態
本開示は、以下の非限定的な番号付けされた各実施形態を提供する。
【0055】
実施形態1.16、17、18、19または20個の連結したヌクレオシドからなり、及び配列番号20~50の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも15個または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む前記核酸塩基配列を有する、修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖部分及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、前記オリゴマー化合物。
【0056】
実施形態2.17、18、19または20個の連結したヌクレオシドからなり、及び配列番号20~27、29~30または32~50の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも15個、少なくとも16個または少なくとも17個の連続した核酸塩基を含む前記核酸塩基配列を有する、修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖部分及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、前記オリゴマー化合物。
【0057】
実施形態3.18、19または20個の連結したヌクレオシドからなり、及び配列番号20~27、30または33~50の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個または少なくとも18個の連続した核酸塩基を含む前記核酸塩基配列を有する、修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖部分及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、前記オリゴマー化合物。
【0058】
実施形態4.19または20個の連結したヌクレオシドからなり、及び配列番号20、22、24~27、30、33~50の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個または少なくとも19個の連続した核酸塩基を含む前記核酸塩基配列を有する、修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖部分及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、前記オリゴマー化合物。
【0059】
実施形態5.20個の連結したヌクレオシドからなり、及び配列番号20、22、25、27、35、39~46または49の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも15個、少なくとも16個、または少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む前記核酸塩基配列を有する、修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖部分及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、前記オリゴマー化合物。
【0060】
実施形態6.前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列全体にわたって測定した場合、前記修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1の核酸塩基配列に少なくとも80%、85%、87.5%、88.2%、89%、89.4%、90%、93.7%、94%、94.7%、95%または100%相補的である核酸塩基配列を有する、実施形態1~5のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0061】
実施形態7.前記修飾オリゴヌクレオチドが、sososssssssssssss、ssosssssssssssoss、ssosssssosssssoss、ssosssosssosssoss、soossssssssssooss、sooosssssssssooss、sooossssssssoooss、sssssssooosssssss、ssossssssssssssss、ssssossssssssssss、ssssssossssssssss、ssssssssossssssss、ssssssssssossssss、ssssssssssssossss、ssssssssssssssoss、sossssssssssssoss、sosssssssssosssss、sosssssssosssssss、sosssssosssssssss、sosssosssssssssss、ssssosssssssssoss、ssssssosssssssoss、ssssssssosssssoss、ssssssssssosssoss、ssssssssssssososs、soossssssssssssss、sssoossssssssssss、sssssoossssssssss、sssssssoossssssss、sssssssssoossssss、sssssssssssoossss、sssssssssssssooss、sssssssoooossssss、ssoooosssssssssss、ssssoooosssssssss、ssssssssoooosssss、ssssssssssoooosss、sssssssssssooooss、ssssssooooossssss、ssssssoooooosssss、soooosssssssoooss、sssssooooooosssss、ssssssssssssssoss、ssssssssssssosss、sssssssssssssooss、ssssssssssssososs、sssssssssssosssss、sssssssssssososss、ssssssssssossosss、sssssssssosssssss、sssssssssosssosss、ssssssssosssssoss、ssssssssossssosss、sssssssosssssssss、sssssssoossssssss、sssssosssssssssss、sssosssssssssssss、sosssssssssssssss、sossssssossssssss、soossssssssssssss、ossssssssssssssssso、sssssssssssssssssoo、ssssssssssssssssoss、sssssssssssssssooss、ssssssssssssssososs、sssssssssosssssssss、sssssssssossssssoss、ssssssssoosssssssss、sosssssssssssssssss、sossssssssssssssoss、sosssssssosssssssss、sososssssssssssssss、soossssssssssssssss、sssssssssssssssssss、ssssssssssssssssso、ossssssssssssssssss、ssssssssssssososso、sssssssssssssssoss、sssssssssssssososs、ssssssssosssssssss、ssssssssossssssoss、sossssssssssssssss、sosssssssssssssoss、sossssssosssssssss、sosossssssssssssss、ssssssssssooooss、ssssssssoooossss、sssssssooossssss、ssssssoooossssss、ssssssooooosssss、sssssoooooosssss、sssssooooooossss、ssssoooossssssss、ssossssssssssoss、ssosssssossssoss、ssosssosssossoss、ssossossossososs、ssososososososss、ssoooossssssssss、soosssssssssooss、sooossssssssooss、sooosssssssoooss、soooossssssoooss、sssssssssooooss、ssssssssoooosss、ssssssooossssss、ssssssoooosssss、sssssooooosssss、sssssoooooossss、ssssoooosssssss、ssssooooooossss、sssosssosssosss、ssosssssssssoss、ssossossossosss、ssossossosososs、ssososososososs、ssoooosssssssss、soossssssssooss、sooosssssssooss、sooossssssoooss、及びsoooosssssooossから選択される、ヌクレオシド間結合モチーフ(5’から3’)を有し、ここで、「s」がホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、「o」がホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す、実施形態1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0062】
実施形態8.前記修飾オリゴヌクレオチドが、sssssssssssssssxs及びssssssssssssssssxから選択されるヌクレオシド間結合モチーフを有し、ここで、「s」がホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、「o」がホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、「x」がメトキシプロピルホスホネートヌクレオシド間結合を表す、実施形態1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0063】
実施形態9.前記修飾オリゴヌクレオチドが、zzzzzzzzzzzzzzzzz、ssssssssssszzzzzz、ssssszzzzzzssssss、zzooooooooooooozz、zzzzooooooooooozz、zzzzzzooooooooozz、zzzzzzzzooooooozz及びssooooooooooooossから選択されるヌクレオシド間結合モチーフを有し、「s」がホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、「o」がホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、「z」がメシルホスホラミデートヌクレオシド間結合を表す、実施形態1~6のいずれかのオリゴマー化合物。
【0064】
実施形態10.前記修飾オリゴヌクレオチドが、eeeeeeeeeeeeeeeeeeee、eeeeeeeeeeeeeeeeeee、eeeeeeeeeeeeeeeeee、eeeeeeeeeeeeeeeee、eeeeeeeeeeeeeeee、nnnnnnnnnnnnnnnn、nnnnnnnnnnnnnnnnn、nnnnnnnnnnnnnnnnnn、nnnnnnnnnnnnnnnnnnn、nnnnnnnnnnnnnnnnnnnn、nennnnneneennnnnnn、nnnnnnnnnnnnenneen、nennnnneneenenneen、nnnnnnnnnnnnnnnnnne、nnnnnnnnnnnnnnnnnnd、nnnnnnnnnnnnnnnnnny、nnnnnnnnnnnnnnnnnndd、nnnnnnnnnnnnnnnnnned、nnnnnnnnnnnnnnnnnnde、nnnnnnnnnnnnnnnnnnee、eeeeeeeeeeeeeeeeeedd、eeeeeeeeeeeeeeeeeeed、eeeeeeeeeeeeeeeeeede、nnnnnnnnnnnnnnnnnnd、nnnnnnnnnnnnnnnnnne、eeeeeeeeeeeeeeeeeed、keekeekeekeekeeeek、keeekeeekeeekeeeek、keeeeekeeeeekeeeek、keeeeeeekeeeeeeeek、keeeeeeeeeeeeeeeek、eeekeekeekeekeekek、eeekeekeekeekeekee、eeeeeekeekeekeekee、eeeeeekeekeekeeeee、eeeeeekeeeeekeeeee、keekeekeekeeeeeeee、eeeeeeeekeekeekeek、keekeekeeeeeeeeeee、eeeeeeeeeeekeekeek、keekeeeeeeeeeeeeee、eeeeeeeeeeeeeekeek、keekeekeekeekeeek,keeekeeekeeekeeek、keeeekeeeeekeeeek、keeeeeeekeeeeeeek,keeeeeeeeeeeeeeek、eekeekeekeekeekek、eekeekeekeekeekee、eeeeekeekeekeekee、eeeeekeekeekeeeee、eeeeekeeeeekeeeee、keekeekeekeeeeeee、eeeeeeekeekeekeek、keekeekeeeeeeeeee、eeeeeeeeeekeekeek、keekeeeeeeeeeeeee、eeeeeeeeeeeeekeek、keekeekeekeekeek、keeekeeekeeekeek、keeeekeeeekeeeek、keeeeeeekeeeeeek、keeeeeeeeeeeeeek、kekeekeekeekeeke、eekeekeekeekeeke、eeeeekeekeekeeke、eeeeekeekeekeeee、eeeeekeeeeekeeee、keekeekeekeeeeee、eeeeeekeekeekeek、keekeekeeeeeeeee、eeeeeeeeekeekeek、keekeeeeeeeeeeee、eeeeeeeeeeeekeek、eeeeeeeeeeeeeeeeeed、eeeeeeeeeeeeeeeeeey、ennnnnnnnnnnnnnnnnn、及びennnnnnnnnnnnnnnnnneから選択されるここで、糖部分モチーフ(5’から3’)を有し、ここで「e」が2’-MOE糖部分を表し、「n」が2’-NMA糖部分を表し、「k」がcEt糖部分を表し、「d」が2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を表し、「y」が2’-OMe糖部分を表す、実施形態1~9のいずれかのオリゴマー化合物。
【0065】
実施形態11.前記修飾オリゴヌクレオチドが、nnnnnnnnnnnnnnnenn及びnnnnnnnnnnnnnnnnenから選択される糖モチーフ(5’から3’)を有し、ここで、「e」が2’-MOE糖部分を表し、「n」が2’-NMA糖部分を表す、実施形態1~9のいずれかのオリゴマー化合物。
【0066】
実施形態12.修飾オリゴヌクレオチドがqqnqqqqqnqnnqnqqnnの糖モチーフ(5’から3’)を有し、各「n」が2’-NMA糖部分を表し、各「q」が2’-O-(N,N-ジメチル)アセトアミド糖部分、2’-O-(N-エチル)アセトアミド糖部分、2’-O-(N-プロピル)アセトアミド糖部分、2’-O-(N-シクロプロピル)アセトアミド糖 部分及び2’-O-(N-シクロプロピルメチル)アセトアミド糖部分からそれぞれ独立して選択される、実施形態1~9のいずれかのオリゴマー化合物。
【0067】
実施形態13.前記修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1個の修飾糖部分を含む、実施形態1~9のいずれかのオリゴマー化合物。
【0068】
実施形態14.前記修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1個の二環式糖部分を含む、実施形態13のオリゴマー化合物。
【0069】
実施形態15.前記二環式修飾糖部分が4’-2’架橋を有し、前記4’-2’架橋が、-CH2-O-及び-CH(CH3)-O-から選択される、実施形態14のオリゴマー化合物。
【0070】
実施形態16.前記修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1個の非二環式修飾糖部分を含む、実施形態13のオリゴマー化合物。
【0071】
実施形態17.前記非二環式修飾糖部分が2’-MOE糖部分、2’-NMA糖部分、2’-OMe糖部分、または2’-F糖部分のいずれかである、実施形態16のオリゴマー化合物。
【0072】
実施形態18.前記修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1個の糖代替物を含む、実施形態13のオリゴマー化合物。
【0073】
実施形態19.前記糖代替物がモルホリノ、修飾モルホリノ、PNA、THP及びF-HNAのいずれかである、実施形態18のオリゴマー化合物。
【0074】
実施形態20.前記修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合を含む、実施形態1~6及び10~19のいずれかのオリゴマー化合物。
【0075】
実施形態21.前記修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、修飾ヌクレオシド間結合である、実施形態20のオリゴマー化合物。
【0076】
実施形態22.前記修飾ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態20または実施形態21のオリゴマー化合物。
【0077】
実施形態23.前記修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1つのホスホジエステルヌクレオシド間結合を含む、実施形態1~20または22のいずれかのオリゴマー化合物。
【0078】
実施形態24.前記各ヌクレオシド間結合が、ホスホジエステルヌクレオシド間結合及びホスホロチオエートヌクレオシド間結合から独立して選択される、実施形態20、22または23のいずれかのオリゴマー化合物。
【0079】
実施形態25.前記修飾オリゴヌクレオチドが、sososssssssssssss、soossssssssssssss、sosssosssssssssss、sosssssosssssssss、sosssssssosssssss、sssoossssssssssss、sssssssoossssssss、sssssssssoossssss、及びsssssssssssoossssから選択されるヌクレオシド間結合モチーフ(5’から3’)を有し、ここで、「s」がホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、「o」がホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す、実施形態13~19のいずれかのオリゴマー化合物。
【0080】
実施形態26.前記修飾オリゴヌクレオチドが修飾核酸塩基を含む、実施形態1~25のいずれかのオリゴマー化合物。
【0081】
実施形態27.前記修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである、実施形態26のオリゴマー化合物。
【0082】
実施形態28.前記修飾オリゴヌクレオチドが、16個、17個、18個、19個または20個の連結ヌクレオシドからなる、実施形態1~27のいずれかのオリゴマー化合物。
【0083】
実施形態29.前記修飾オリゴヌクレオチドが1個または2個の非相補性核酸塩基を含む、実施形態1~28のいずれかのオリゴマー化合物。
【0084】
実施形態30.前記修飾オリゴヌクレオチドが1個または2個の切断可能部分を含む、実施形態1~29のいずれかのオリゴマー化合物。
【0085】
実施形態31.前記切断可能部分がホスホジエステルヌクレオシド間結合である、実施形態30のオリゴマー化合物。
【0086】
実施形態32.前記修飾オリゴヌクレオチドからなる、実施形態1~31のいずれかのオリゴマー化合物。
【0087】
実施形態33.前記オリゴマー化合物が一本鎖オリゴマー化合物である、実施形態1~32のいずれかのオリゴマー化合物。
【0088】
実施形態34.以下の化学表記:mCesAeo
mCesTeoTesTes
mCesAesTesAesAesTesGes
mCesTesGesGes
mCeによる修飾オリゴヌクレオチド(配列番号21)であって、ここで
Aは、アデニン核酸塩基であり、
mCは、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gは、グアニン核酸塩基であり、
Tは、チミン核酸塩基であり、
eは、2’-MOE糖部分であり、
sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、
oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物。
【0089】
実施形態35.以下の化学表記:TeoTes
mCesAes
mCesTesTesTes
mCesAesTesAesAesTesGes
mCesTesGesGeo
mCeによる修飾オリゴヌクレオチド(配列番号22)であって、ここで
Aは、アデニン核酸塩基であり、
mCは、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gは、グアニン核酸塩基であり、
Tは、チミン核酸塩基であり、
eは、2’-MOE糖部分であり、
sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、
oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物。
【0090】
実施形態36.以下の化学表記:TeoTns
mCnsAns
mCnsTnsTnsTns
mCnsAnsTnsAnsAnsTnsGns
mCnsTnsGnsGno
mCeによる修飾オリゴヌクレオチド(配列番号22)であって、ここで
Aは、アデニン核酸塩基であり、
mCは、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gは、グアニン核酸塩基であり、
Tは、チミン核酸塩基であり、
eは、2’-MOE糖部分であり、
nは、2’-NMA糖部分であり、
sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、
oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物。
【0091】
実施形態37.以下の化学表記:mCnsAno
mCnsTnoTnsTns
mCnsAnsTnsAnsAnsTnsGns
mCnsTnsGnsGns
mCnによる修飾オリゴヌクレオチド(配列番号21)であって、ここで
Aは、アデニン核酸塩基であり、
mCは、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gは、グアニン核酸塩基であり、
Tは、チミン核酸塩基であり、
nは、2’-NMA糖部分であり、
sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、
oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物。
【0092】
実施形態38.以下の化学構造:
【化1】
に基づく、修飾オリゴヌクレオチド(配列番号21)またはその塩。
【0093】
実施形態39.ナトリウム塩またはカリウム塩である、実施形態38の修飾オリゴヌクレオチド。
【0094】
実施形態40.以下の化学構造:
【化2】
に基づく、修飾オリゴヌクレオチド(配列番号21)。
【0095】
実施形態41.以下の化学構造:
【化3】
に基づく、修飾オリゴヌクレオチド(配列番号22)またはその塩。
【0096】
実施形態42.ナトリウム塩またはカリウム塩である、実施形態41の修飾オリゴヌクレオチド。
【0097】
実施形態43.以下の化学構造:
【化4】
に基づく修飾オリゴヌクレオチド(配列番号22)。
【0098】
実施形態44.以下の化学構造:
【化5】
に基づく修飾オリゴヌクレオチド(配列番号22)、またはその塩。
【0099】
実施形態45.ナトリウム塩またはカリウム塩である、実施形態44の修飾オリゴヌクレオチド。
【0100】
実施形態46.以下の化学構造:
【化6】
に基づく修飾オリゴヌクレオチド(配列番号22)。
【0101】
実施形態47.以下の化学構造:
【化7】
に基づく修飾オリゴヌクレオチド(配列番号21)、またはその塩。
【0102】
実施形態48.ナトリウム塩またはカリウム塩である、実施形態47の修飾オリゴヌクレオチド。
【0103】
実施形態49.以下の化学構造:
【化8】
に基づく修飾オリゴヌクレオチド(配列番号21)。
【0104】
実施形態50.実施形態1~36のいずれかのオリゴマー化合物または実施形態38~49のいずれかの修飾オリゴヌクレオチド、及び薬学的に許容される担体または希釈剤、を含む、医薬組成物。
【0105】
実施形態51.薬学的に許容される希釈剤を含む実施形態50に記載の医薬組成物であって、前記薬学的に許容される希釈剤が人工CSF(aCSF)またはPBSである、前記医薬組成物。
【0106】
実施形態52.前記医薬組成物が前記修飾オリゴヌクレオチド及び人工CSF(aCSF)から本質的になる、実施形態51の医薬組成物。
【0107】
実施形態53.前記医薬組成物が前記修飾オリゴヌクレオチド及びPBSから本質的になる、実施形態51の医薬組成物。
【0108】
実施形態54.実施形態38~49のいずれかの修飾オリゴヌクレオチドのキラル濃縮集団であって、前記集団が、特定の立体化学的配置を有する少なくとも1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドに対し濃縮されている、前記キラル濃縮集団。
【0109】
実施形態55.前記集団が、(Sp)配置を有する少なくとも1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドのために濃縮されている、実施形態54のキラル濃縮集団。
【0110】
実施形態56.前記集団が、(Rp)配置を有する少なくとも1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドについて濃縮されている、実施形態54のキラル濃縮集団。
【0111】
実施形態57.前記集団が、それぞれのホスホロチオエートヌクレオシド間結合に特定の独立して選択された立体化学的配置を有する修飾オリゴヌクレオチドについて濃縮されている、実施形態54に記載のキラル濃縮集団。
【0112】
実施形態58.前記集団が、各ホスホロチオエートヌクレオシド間結合に(Sp)配置を有する修飾オリゴヌクレオチドについて、または各ホスホロチオエートヌクレオシド間結合に(Rp)配置を有する修飾オリゴヌクレオチドについて濃縮されている、実施形態57のキラル濃縮集団。
【0113】
実施形態59.前記集団が、1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合に(Rp)配置を有し、及び残りのそれぞれのホスホロチオエートヌクレオシド間結合に(Sp)配置を有する修飾オリゴヌクレオチドについて濃縮されている、実施形態57のキラル濃縮された集団。
【0114】
実施形態60.前記集団が、5’から3’の方向にSp、Sp、及びRp配置の少なくとも3個の連続したホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有する修飾オリゴヌクレオチドについて濃縮されている、実施形態57のキラル濃縮集団。
【0115】
実施形態61.前記修飾オリゴヌクレオチドのホスホロチオエートヌクレオシド間結合のすべてがステレオランダムである、実施形態38~49のいずれかの修飾オリゴヌクレオチドの集団。
【0116】
実施形態62.SMN1またはSMN2に関連する疾患を治療する方法であって、SMN1またはSMN2に関連する疾患を有するまたは発症するリスクのある対象に、実施形態50~53のいずれかの医薬組成物の治療上有効な量を投与することを含み、それによってSMN1またはSMN2に関連する疾患を治療する、前記方法。
【0117】
実施形態63.前記SMN1またはSMN2と関連する疾患が、神経変性疾患である、実施形態62の方法。
【0118】
実施形態64.前記神経変性疾患が脊髄性筋萎縮症(SMA)である、実施形態63の方法。
【0119】
実施形態65.前記SMAがI型SMA、II型SMA、III型SMA、またはIV型SMAのいずれかである、実施形態64の方法。
【0120】
実施形態66.SMAの少なくとも1つの症状が寛解される、実施形態64または実施形態65の方法。
【0121】
実施形態67.前記症状が、筋力の低下;背筋を伸ばして座ったり、立ったり及び/または歩いたりすることができない、またはその能力の低下;神経筋活動の低下;1つ以上の筋肉の電気的活性の低下;呼吸の低下;補助なしで食べたり、飲んだり及び/または呼吸したりすることができない、またはその能力の低下;体重の減少または体重増加の減少;及び/または生存率の低下のいずれかである、実施形態66の方法。
【0122】
実施形態68.前記医薬組成物が中枢神経系にまたは全身的に投与される、実施形態62~67のいずれかの方法。
【0123】
実施形態69.前記医薬組成物が中枢神経系にかつ全身的に投与される、実施形態68の方法。
【0124】
実施形態70.前記医薬組成物が、髄腔内、全身、皮下、または筋肉内のいずれかに投与される、実施形態62~67のいずれかの方法。
【0125】
実施形態71.細胞、組織または器官を実施形態1~37のいずれかのオリゴマー化合物、実施形態38~49のいずれかの修飾オリゴヌクレオチド、または実施形態50~53のいずれかの医薬組成物と接触させることを含む、エキソン7を含有するSMN2 RNAを増加させる方法。
【0126】
特定のオリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、結合されたヌクレオシドからなるオリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物を本明細書で提供する。オリゴヌクレオチドは、非修飾オリゴヌクレオチド(RNAまたはDNA)であってもよく、または修飾オリゴヌクレオチドであってもよい。修飾オリゴヌクレオチドは、非修飾のRNAまたはDNAに対して少なくとも1つの修飾を含む。すなわち、修飾オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(修飾糖部分及び/または修飾核酸塩基を含む)及び/またはすくなくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合を含む。
【0127】
特定の修飾ヌクレオシド
修飾ヌクレオシドは、修飾糖部分もしくは修飾核酸塩基、または修飾糖部分及び修飾核酸塩基の両方を含む。
【0128】
特定の糖部分
特定の実施形態では、修飾糖部分は、非二環式の修飾糖部分である。特定の実施形態では、修飾糖部分は二環式または三環式糖部分である。特定の実施形態では、修飾糖部分は、糖代替物である。このような糖代替物は、他のタイプの修飾糖部分の置換基に対応する1つ以上の置換基を含み得る。
【0129】
特定の実施形態では、修飾糖部分は、そのいずれもフラノシル環の2つの原子を架橋して二環式構造を形成しないような1つ以上の置換基を有するフラノシル環を含む非二環式修飾糖部分である。このような非架橋置換基は、これらに限定されないが2’、4’、及び/または5’位の置換基を含む、フラノシルの任意の位置にあってよい。特定の実施形態では、非二環式修飾糖部分の1つ以上の非架橋置換基は分枝している。非二環式修飾糖部分に適した2’-置換基の例には、2’-F、2’-OCH
3(「OMe」または「O-メチル」)、及び2’-O(CH
2)
2OCH
3(「MOE」または「O-メトキシエチル」)、及び2’-O-N-アルキルアセトアミド、例えば、2’-O-N-メチルアセトアミド(「NMA」)、2’-O-N-ジメチルアセトアミド、2’-O-N-エチルアセトアミド、または2’-O-N-プロピルアセトアミドが含まれるが、これらに限定されない。例えば、米国特許第6,147,200号、Prakash et al.,2003,Org.Lett.,5,403-6を参照のこと。「2’-O-N-メチルアセトアミドヌクレオシド」または「2’-NMAヌクレオシド」を以下に示す。
【化9】
【0130】
特定の実施形態で、2’-置換基は、ハロ、アリル、アミノ、アジド、SH、CN、OCN、CF3、OCF3、O-C1~C10アルコキシ、O-C1~C10置換アルコキシ、O-C1~C10アルキル、O-C1~C10置換アルキル、S-アルキル、N(Rm)-アルキル、O-アルケニル、S-アルケニル、N(Rm)-アルケニル、O-アルキニル、S-アルキニル、N(Rm)-アルキニル、O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリル、O-アラルキル、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2ON(Rm)(Rn)、またはOCH2C(=O)-N(Rm)(Rn)のなかから選択され、ここで、各Rm及びRnは独立して、H、アミノ保護基、または置換もしくは非置換C1~C10アルキルであり、前記2’-置換基はCookらの米国特許第6,531,584号、Cookらの米国特許第5,859,221号、及びCookらの米国特許第6,005,087号に記載されている。これらの2’-置換基の特定の実施形態は、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ(NO2)、チオール、チオアルコキシ、チオアルキル、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル及びアルキニルの中から独立して選択される1つ以上の置換基でさらに置換され得る。非二環式修飾糖部分に適した4’-置換基の例としては、これらに限定されるものではないが、アルコキシ(例えば、メトキシ)、アルキル、及びManoharanらの国際特許第WO2015/106128号に記載されているものが挙げられる。非二環式修飾糖部分に好適な5’-置換基の例としては、5’-メチル(RまたはS)、5’-ビニル、及び5’-メトキシが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態で、非二環式修飾糖部分は、複数の非架橋糖置換基、例えば、2’-F-5’-メチル糖部分、ならびにMigawaらの国際特許第WO2008/101157号及びRajeevの米国特許第2013/0203836号に記載される修飾糖部分及び修飾ヌクレオシドを含む。
【0131】
特定の実施形態で、2’-置換非二環式修飾ヌクレオシドは、F、NH2、N3、OCF3、OCH3、O(CH2)3NH2、CH2CH=CH2、OCH2CH=CH2、OCH2CH2OCH3、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2ON(Rm)(Rn)、O(CH2)、ON(CH3)2、O(CH2)2O(CH2)2N(CH3)2及びN-置換アセトアミド(OCH2C(=O)-N(Rm)(Rn))から選択される非架橋2’-置換基を含む糖部分を含み、ここで、各Rm及びRnは独立して、H、アミノ保護基、または置換もしくは非置換のC1~C10アルキル、例えばOCH2C(=O)-N(H)CH3(「NMA」)である。
【0132】
特定の実施形態で、2’-置換非二環式修飾ヌクレオシドは、F、OCF3、OCH3、OCH2CH2OCH3、O(CH2)2SCH3、O(CH2)2ON(CH3)2、O(CH2)2O(CH2)2N(CH3)2及びOCH2C(=O)-N(H)CH3(「NMA」)から選択される非架橋2’-置換基を含む、糖部分を含む。
【0133】
特定の実施形態で、2’-置換非二環式修飾ヌクレオシドは、F、OCH3、OCH2CH2OCH3、及びOCH2C(=O)-N(H)CH3から選択される非架橋2’-置換基を含む、糖部分を含む。
【0134】
特定の修飾糖部分は、フラノシル環の2個の原子を架橋して第2の環を形成することで二環式糖部分を与える、置換基を含む。特定のそのような実施形態で、二環式糖部分は、4’フラノース環原子と2’フラノース環原子の間に架橋を含む。そのような4’から2’への架橋糖置換基としては、これらに限定されないが、4’-CH2-2’、4’-(CH2)2-2’、4’-(CH2)3-2’、4’-CH2-O-2’(「LNA」)、4’-CH2-S-2’、4’-(CH2)2-O-2’(「ENA」)、4’-CH(CH3)-O-2’(「拘束エチル」または「cEt」と呼ばれる)、4’-CH2-O-CH2-2’、4’-CH2-N(R)-2’、4’-CH(CH2OCH3)-O-2’(「拘束MOE」または「cMOE」)及びその類似体(例えば、Sethらの米国特許第7,399,845号、Bhatらの米国特許第7,569,686号、Swayzeらの米国特許第7,741,457号及びSwayzeらの米国特許第8,022,193号を参照)、4’-C(CH3)(CH3)-O-2’及びその類似体(例えば、Sethらの米国特許第8,278,283号を参照)、4’-CH2-N(OCH3)-2’及びその類似体(例えば、Prakashらの米国特許第8,278,425号を参照)、4’-CH2-O-N(CH3)-2’(例えば、Allersonらの米国特許第7,696,345号及びAllersonらの米国特許第8,124,745号を参照)、4’-CH2-C(H)(CH3)-2’(例えば、Zhou, et al.,J.Org.Chem.,2009,74,118-134を参照)、4’-CH2-C(=CH2)-2’及びその類似体(例えば、Sethらの米国特許第8,278,426号を参照)、4’-C(RaRb)-N(R)-O-2’、4’-C(RaRb)-O-N(R)-2’、4’-CH2-O-N(R)-2’、ならびに4’-CH2-N(R)-O-2’が挙げられ、ここで、各R、Ra及びRbは独立して、H、保護基、またはC1~C12アルキル(例えば、Imanishiらの米国特許第7,427,672号を参照)である。
【0135】
特定の実施形態で、このような4’から2’への架橋は、-[C(Ra)(Rb)]n-、-[C(Ra)(Rb)]n-O-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(Ra)=N-、-C(=NRa)-、-C(=O)-、-C(=S)-、-O--Si(Ra)2-、-S(=O)x-及び-N(Ra)-から独立して選択される1~4個の結合基を独立して含み、
ここで、
xは、0、1、または2であり、
nは、1、2、3、または4であり、
各Ra及びRbは、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C1~C12アルキル、置換C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、置換C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、置換C2~C12アルキニル、C5~C20アリール、置換C5~C20アリール、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C5~C7脂環式ラジカル、置換C5~C7脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ1、NJ1J2、SJ1、N3、COOJ1、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)2-J1)、またはスルホキシル(S(=O)-J1)であり、
各J1及びJ2は、独立して、H、C1~C12アルキル、置換C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、置換C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、置換C2~C12アルキニル、C5~C20アリール、置換C5~C20アリール、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、C1~C12アミノアルキル、置換C1~C12アミノアルキル、または保護基である。
【0136】
さらなる二環式糖部分は、当技術分野において公知であり、例えば、Freier et al.,Nucleic Acids Research,1997,25(22),4429-4443,Albaek et al.,J.Org.Chem.,2006,71,7731-7740,Singh et al.,Chem. Commun.,1998,4,455-456;Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607-3630;Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219-2222;Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035-10039;Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.,2007,129,8362-8379;Wengelらの米国特許第7,053,207号;Imanishiらの米国特許第6,268,490号;Imanishiらの米国特許第U.S.6,770,748号;Imanishiらの米国特許第RE44,779号;Wengelらの米国特許第6,794,499号;Wengelらの米国特許第6,670,461号;Wengelらの米国特許第7,034,133号;Wengelらの米国特許第8,080,644号;Wengelらの米国特許第8,034,909号;Wengelらの米国特許第8,153,365号;Wengelらの米国特許第7,572,582号;及びRamasamyらの米国特許第6,525,191号;Torstenらの国際特許第WO2004/106356号;Wengelらの国際特許第WO1999/014226号;Sethらの国際特許第WO2007/134181号;Sethらの米国特許第7,547,684号;Sethらの米国特許第7,666,854号;Sethらの米国特許第8,088,746号;Sethらの米国特許第7,750,131号;Sethらの米国特許第8,030,467号;Sethらの米国特許第8,268,980号;Sethらの米国特許第8,546,556号;Sethらの米国特許第8,530,640号;Migawaらの米国特許第9,012,421号;Sethらの米国特許第8,501,805号;ならびに米国特許公開のAllersonらの米国特許第2008/0039618号、及びMigawaらの米国特許第US2015/0191727号を参照のこと。
【0137】
特定の実施形態では、二環式糖部分及びそのような二環式糖部分を組み込むヌクレオシドは、異性体配置によってさらに定義される。例えば、LNAヌクレオシド(本明細書に記載される)は、α-L配置またはβ-D配置にあり得る。
【0138】
【化10】
α-L-メチレンオキシ(4’-CH
2-O-2’)またはα-L-LNA二環式ヌクレオシドが、アンチセンス活性を示したオリゴヌクレオチドに組み込まれている(Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365-6372)。本明細書において、二環式ヌクレオシドの一般的説明は、両方の異性体配置を含む。本明細書の例示される実施形態において特定の二環式ヌクレオシド(例えば、LNAまたはcEt)の位置が特定される場合、別途明記されない限り、それらはβ-D配置にある。
【0139】
特定の実施形態では、修飾糖部分は1つ以上の非架橋糖置換及び1つ以上の架橋糖置換(例えば5’-置換及び4’-2’架橋糖)を含む。
【0140】
特定の実施形態では、修飾糖部分は、糖代替物である。特定のこのような実施形態では、糖部分の酸素原子は、例えば、硫黄、炭素、または窒素原子と置き換えられている。特定のこのような実施形態では、このような修飾糖部分はまた、本明細書に記載されるような架橋及び/または非架橋置換基も含む。例えば、特定の糖代替物は、4’-硫黄原子ならびに2’位(例えば、Bhatらの米国特許第7,875,733号及びBhatらの米国特許第7,939,677号を参照)及び/または5’位における置換を含む。
【0141】
特定の実施形態では、糖代替物は5個以外の原子を有する環を含む。例えば、特定の実施形態では、糖代替物は、6員のテトラヒドロピラン(「THP」)を含む。このようなテトラヒドロピランは、さらに修飾または置換され得る。このような修飾テトラヒドロピランを含むヌクレオシドとしては、これらに限定されないが、ヘキシトール核酸(「HNA」)、アニトール核酸(「ANA」)、マンニトール核酸(「MNA」)(例えば、Leumann,CJ.Bioorg.& Med.Chem.2002,10,841-854を参照)、フルオロHNA:
【化11】
(「F-HNA」。例えば、Swayzeらの米国特許第8,088,904号、Swayzeらの米国特許第8,440,803号、Swayzeらの米国特許第8,796,437号及びSwayzeらの米国特許第9,005,906号を参照。F-HNAは、F-THPまたは3’-フルオロテトラヒドロピランと称することもできる)、及び以下の式を有する追加の修飾THP化合物を含むヌクレオシドが挙げられ、
【化12】
ここで、独立して、前記修飾THPヌクレオシドのそれぞれにおいて、
Bxは、核酸塩基部分であり、
T
3及びT
4は、それぞれ独立して、修飾THPヌクレオシドをオリゴヌクレオチドの残りの部分と結合するヌクレオシド間結合基であるか、またはT
3及びT
4の一方は、修飾THPヌクレオシドをオリゴヌクレオチドの残りの部分と結合するヌクレオシド間結合基であり、T
3及びT
4の他方は、H、ヒドロキシル保護基、結合コンジュゲート基、または5’もしくは3’末端基であり、
q
1、q
2、q
3、q
4、q
5、q
6及びq
7は、それぞれ独立して、H、C
1~C
6アルキル、置換C
1~C
6アルキル、C
2~C
6アルケニル、置換C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、または置換C
2~C
6アルキニルであり、
R
1及びR
2のそれぞれは、水素、ハロゲン、置換または非置換アルコキシ、NJ
1J
2、SJ
1、N
3、OC(=X)J
1、OC(=X)NJ
1J
2、NJ
3C(=X)NJ
1J
2、及びCNのなかから選択されており、そこで、Xは、O、SまたはNJ
1であり、各J
1、J
2、及びJ
3は、独立して、HまたはC
1~C
6アルキルである。
【0142】
特定の実施形態では、q1、q2、q3、q4、q5、q6及びq7がそれぞれHである修飾THPヌクレオシドが提供される。特定の実施形態では、q1、q2、q3、q4、q5、q6及びq7のうち少なくとも1つはH以外である。特定の実施形態では、q1、q2、q3、q4、q5、q6及びq7のうち少なくとも1つはメチルである。特定の実施形態では、R1及びR2のうちの1つがFである修飾THPヌクレオシドが提供される。特定の実施形態では、R1はFであり、R2はHであり、特定の実施形態では、R1はメトキシであり、R2はHであり、特定の実施形態では、R1はメトキシエトキシであり、R2はHである。
【0143】
特定の実施形態では、糖代替物は、5個よりも多い原子と1個よりも多いヘテロ原子を有する環を含む。例えば、モルホリノ糖部分を含むヌクレオシド、及びオリゴヌクレオチドでのそれらの使用が報告されている(例えば、Braasch et al.,Biochemistry,2002,41,4503-4510、ならびにSummertonらの米国特許第5,698,685号;Summertonらの米国特許第5,166,315号;Summertonらの米国特許第5,185,444号;及びSummertonらの米国特許第5,034,506号を参照)。本明細書で使用する場合、「モルホリノ」という用語は、以下の構造を有する糖代替物を意味する:
【化13】
【0144】
特定の実施形態では、例えば、上記モルホリノ構造に様々な置換基を付加するかまたは改変することによって、モルホリノを修飾することができる。このような糖代替物は本明細書では「修飾モルホリノ」と呼ばれる。
【0145】
特定の実施形態では、糖代替物は非環式部分を含む。このような非環式糖代替物を含むヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドの例としては、これらに限定されるものではないが、ペプチド核酸(「PNA」)、非環式ブチル核酸(例えば、Kumar et al.,Org.Biomol.Chem.,2013,11,5853-5865を参照)、及びManoharanらの国際特許第2011/133876号に記載されるヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドが挙げられる。
【0146】
修飾ヌクレオシドに使用することができる他の多くの二環式糖及び三環式糖ならびに糖代替物の環構造は、当該技術分野では周知である。
【0147】
特定の修飾核酸塩基
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、非修飾核酸塩基を含む1つ以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含む1つ以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、脱塩基ヌクレオシドと呼ばれる、核酸塩基を含まない1つ以上のヌクレオシドを含む。
【0148】
特定の実施形態では、修飾核酸塩基は、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、アルキルまたはアルキニル置換ピリミジン、アルキル置換プリン、ならびにN-2、N-6及びO-6置換プリンから選択される。特定の実施形態では、修飾核酸塩基は、2-アミノプロピルアデニン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-N-メチルグアニン、6-N-メチルアデニン、2-プロピルアデニン、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-プロピニル(-CC-CH3)ウラシル、5-プロピニルシトシン、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-リボシルウラシル(偽ウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル、8-アザ及び他の8-置換プリン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル、5-ハロウラシル、及び5-ハロシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、6-N-ベンゾイルアデニン、2-N-イソブチリルグアニン、4-N-ベンゾイルシトシン、4-N-ベンゾイルウラシル、5-メチル4-N-ベンゾイルシトシン、5-メチル4-N-ベンゾイルウラシル、ユニバーサル塩基、疎水性塩基、無差別塩基、サイズ拡張塩基、及びフッ素化塩基から選択される。さらなる修飾核酸塩基には、1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン、1,3-ジアザフェノチアジン-2-オン、及び9-(2-アミノエトキシ)-1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン(G-クランプ)などの三環式ピリミジンが含まれる。修飾核酸塩基にはまた、プリンまたはピリミジン塩基が、他の複素環、例えば、7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン、及び2-ピリドンと置き換えられているものも含まれ得る。さらなる核酸塩基には、Meriganらの米国特許第3,687,808号に開示されるもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,Kroschwitz,J.I.,Ed.,John Wiley&Sons,1990,858-859、Englisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613、Sanghvi,Y.S.,Chapter 15,Antisense Research and Applications,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,Eds.,CRC Press,1993,273-288に開示されるもの、ならびにChapters 6 and 15,Antisense Drug Technology,Crooke S.T.,Ed.,CRC Press,2008,163-166 and 442-443に開示されるものが含まれる。
【0149】
上記の修飾核酸塩基のうちの特定のもの、及び他の修飾核酸塩基の調製について教示する刊行物としては、これらに限定されるものではないが、Manoharanらの米国特許第2003/0158403号;Manoharanらの米国特許第2003/0175906号;Dinhらの米国特許第4,845,205号;Spielvogelらの米国特許第5,130,302号;Rogersらの米国特許第5,134,066号;Bischofbergerらの米国特許第5,175,273号;Urdeaらの米国特許第5,367,066号;Bennerらの米国特許第5,432,272号;Matteucciらの米国特許第5,434,257号;Gmeinerらの米国特許第5,457,187号;Cookらの米国特許第5,459,255号;Froehlerらの米国特許第5,484,908号;Matteucciらの米国特許第5,502,177号;Hawkinsらの米国特許第5,525,711号;Haralambidisらの米国特許第5,552,540号;Cookらの米国特許第5,587,469号;Froehlerらの米国特許第5,594,121号;Switzerらの米国特許第5,596,091号;Cookらの米国特許第5,614,617号;Froehlerらの米国特許第5,645,985号;Cookらの米国特許第5,681,941号;Cookらの米国特許第5,811,534号;Cookらの米国特許第5,750,692号;Cookらの米国特許第5,948,903号;Cookらの米国特許第5,587,470号;Cookらの米国特許第5,457,191号;Matteucciらの米国特許第5,763,588号;Froehlerらの米国特許第5,830,653号;Cookらの米国特許第5,808,027号;Cookらの米国特許第6,166,199号;及びMatteucciらの米国特許第6,005,096号が挙げられる。
【0150】
特定の修飾ヌクレオシド間結合
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドは任意のヌクレオシド間結合を用いて互いに結合され得る。ヌクレオシド間連結基の2つの主要な種類は、リン原子の存否によって定義される。代表的なリン含有ヌクレオシド間結合としては、これらに限定されるものではないが、ホスホジエステル結合(「P(O2)=O」)(非修飾または天然の結合とも呼ばれる)を含有するホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、メトキシプロピルホスホネート(「MOP」)、ホスホロアミデート、メシルホスホラミデート、及びホスホロチオエート(「P(O2)=S」)、及びホスホロジチオエート(「HS-P=S」)が挙げられる。代表的なリン非含有ヌクレオシド間連結基には、メチレンメチルイミノ(-CH2-N(CH3)-O-CH2-)、チオジエステル、チオノカルバメート(-O-C(=O)(NH)-S-)、シロキサン(-O-SiH2-O-)、及びN,N’-ジメチルヒドラジン(-CH2-N(CH3)-N(CH3)-)が含まれるが、これらに限定されない。天然に存在するホスフェート結合と比較して修飾ヌクレオシド間結合は、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を改変する、通常は増加させるために使用され得る。特定の実施形態では、キラル原子を有するヌクレオシド間結合は、ラセミ混合物として、または別々の鏡像異性体として調製され得る。リン含有及び非リン含有ヌクレオシド間結合の調製方法は、当業者には周知のものである。
【0151】
キラル中心を有する代表的なヌクレオシド間結合には、アルキルホスホネート及びホスホロチオエートが含まれるが、これらに限定されない。キラル中心を有するヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドは、ステレオランダムヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドの集団として、または特定の立体化学的配置のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドの集団として調製できる。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合のすべてがステレオランダムである、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。このような修飾オリゴヌクレオチドは、各ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の立体化学的配置がランダムに選択される合成方法を用いて作製できる。それでも、当業者には十分に理解されるように、それぞれ個々のホスホロチオエートのそれぞれ個々のオリゴヌクレオチド分子は、規定の立体配置を有する。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、独立して選択される特定の立体化学的配置にある1つ以上の特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドが濃縮されている。特定の実施形態では、その特定の配置の特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、その集団内の分子の少なくとも65%に存在する。特定の実施形態では、その特定の配置の特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、その集団内の分子の少なくとも70%に存在する。特定の実施形態では、その特定の配置の特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、その集団内の分子の少なくとも80%に存在する。特定の実施形態では、その特定の配置の特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、その集団内の分子の少なくとも90%に存在する。特定の実施形態では、その特定の配置の特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、その集団内の分子の少なくとも99%に存在する。このようなキラル的に濃縮された修飾オリゴヌクレオチドの集団は、当該技術分野で既知の合成方法、例えば、Oka et al.,JACS 2003,125,8307、Wan et al.Nuc.Acid.Res.,2014,42,13456、及び国際特許第WO2017/015555号に記載される方法を用いて生成され得る。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、(Sp)配置にある少なくとも1つの示されるホスホロチオエートを有する修飾オリゴヌクレオチドが濃縮される。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、(Rp)配置にある少なくとも1つのホスホロチオエートを有する修飾オリゴヌクレオチドが濃縮される。特定の実施形態では、(Rp)及び/または(Sp)ホスホロチオエートを含む修飾オリゴヌクレオチドは、それぞれ以下の式のうちの1つ以上を含み、ここで「B」は、核酸塩基を示す。
【化14】
別途指示されない限り、本明細書に記載される修飾オリゴヌクレオチドのキラルヌクレオシド間結合は、立体的にランダムであり得るか、または特定の立体化学的配置にあり得る。
【0152】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、(5’から3’)soossssssssssssssssssのヌクレオシド間モチーフを含む。特定の実施形態で、修飾オリゴヌクレオチドの特定の立体化学的配置は、(5’から3’)Sp-ooo-Sp-Sp-Sp-Rp-Sp-Sp-Rp-Sp-Sp-Sp-Sp-Sp-Sp-Sp-Sp、またはSp-o-o-o-Sp-Sp-Sp-Rp-Sp-Sp-Sp-Sp-Sp-Sp-Sp-Sp-Sp-Sp-Spであり、ここで、各「Sp」は、S配置のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、Rpは、R配置のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す。
【0153】
中性のヌクレオシド間結合としては、これらに限定されるものではないが、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、MMI(3’-CH2-N(CH3)-O-5’)、アミド-3(3’-CH2-C(=O)-N(H)-5’)、アミド-4(3’-CH2-N(H)-C(=O)-5’)、ホルムアセタール(3’-O-CH2-O-5’)、メトキシプロピル、及びチオホルムアセタール(3’-S-CH2-O-5’)が挙げられる。さらなる中性ヌクレオシド間結合には、シロキサン(ジアルキルシロキサン)、カルボン酸エステル、カルボキサミド、スルフィド、スルホン酸エステル、及びアミドを含む、非イオン結合が含まれる(例えば、Carbohydrate Modifications in Antisense Research;Y.S.Sanghvi and P.D.Cook,Eds.,ACS Symposium Series 580;Chapters 3 and 4,40-65を参照)。さらなる中性ヌクレオシド間結合には、混合したN、O、S及びCH2成分部分を含む非イオン結合が含まれる。
【0154】
特定の実施形態で、修飾ヌクレオシド間結合は、参照により本明細書に組み込まれる、国際特許第WO2021/030778号に記載されたもののいずれかである。
【0155】
特定のモチーフ
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾糖部分を含む1つ以上の修飾ヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含む1つ以上の修飾ヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、1つ以上の修飾ヌクレオシド間結合を含む。このような実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの修飾、未修飾、ならびに別様に修飾された糖部分、核酸塩基、及び/またはヌクレオシド間結合は、パターンまたはモチーフを定義する。特定の実施形態では、糖部分、核酸塩基、及びヌクレオシド間結合のパターンは各々、互いに独立している。したがって、修飾オリゴヌクレオチドは、その糖モチーフ、核酸塩基モチーフ、及び/またはヌクレオシド間結合モチーフにより説明され得る(本明細書で使用される場合、核酸塩基モチーフは、核酸塩基の配列に依存しない核酸塩基に対する修飾を説明する)。
【0156】
特定の糖モチーフ
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、定義されたパターンまたは糖修飾モチーフでオリゴヌクレオチドまたはその部分に沿って配置された1種類以上の修飾糖部分及び/または非修飾糖部分を含む。ある特定の例では、このような糖モチーフには、本明細書で考察される糖修飾のうちのいずれかが含まれるが、これらに限定されない。
【0157】
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、2個の外部領域または「ウィング」と、中央または内部領域または「ギャップ」とによって定義されるギャップマーモチーフを有する。ギャップマーモチーフの3個の領域(5’-ウィング、ギャップ、及び3’-ウィング)は、ヌクレオシドの連続した配列を形成し、ウィングのそれぞれのヌクレオシドの糖部分の少なくとも一部は、ギャップのヌクレオシドの糖部分の少なくとも一部と異なっている。具体的には、各ウィングの、少なくともギャップに最も近いヌクレオシド(5’-ウィングの最も3’側のヌクレオシド及び3’-ウィングの最も5’側のヌクレオシド)の糖部分は、隣接するギャップヌクレオシドの糖部分とは異なり、したがって、ウィングとギャップとの間の境界(すなわち、ウィング/ギャップ連結部)を画定する。特定の実施形態では、ギャップ内の糖部分は、互いに同じである。特定の実施形態では、ギャップは、ギャップの1つ以上の他のヌクレオシドの糖部分とは異なる糖部分を有する、1つ以上のヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、2つのウィングの糖モチーフは、互いに同じである(対称ギャップマー)。特定の実施形態では、5’-ウィングの糖モチーフは、3’-ウィングの糖モチーフと異なる(非対称糖ギャップマー)。
【0158】
特定の実施形態では、ギャップマーの各ウィングは、1~6個の二環式ヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、ギャップマーの各ウィングの各ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、ギャップマーの各ウィングの少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個または少なくとも6個のヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。
【0159】
特定の実施形態では、ギャップマーのギャップは、7~12個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、ギャップマーのギャップの各ヌクレオシドは、2’-デオキシリボシル糖部分を含む。特定の実施形態では、ギャップマーのギャップの少なくとも1個のヌクレオシドが修飾糖部分を含み、残りの各ヌクレオシドは2’-デオキシリボシル糖部分を含む。
【0160】
ここで、ギャップマーの3つの領域の長さ(ヌクレオシドの数)は、[5’-ウィングのヌクレオシドの数]-[ギャップのヌクレオシドの数]-[3’-ウィングのヌクレオシドの数]という表記を使用して付与されることができる。したがって、5-10-5ギャップマーは、各ウィング内の5個の結合ヌクレオシド及びギャップ内の10個の結合ヌクレオシドからなる。このような命名法の後に特定の修飾が続く場合、その修飾は各ウィングの各糖部分の修飾であり、ギャップヌクレオシドは2’-デオキシリボシル糖部分を含む。したがって、5-10-5MOEギャップマーは、5’-ウィングの5個の結合された2’-MOEヌクレオシド、ギャップの10個の結合された2’-デオキシリボヌクレオシド、及び3’-イングの5個の結合された2’-MOEヌクレオシドからなる。
【0161】
特定の実施形態で、修飾オリゴヌクレオチドまたはその一部の各ヌクレオシドは、2’-置換糖部分、二環式糖部分、糖代替物、または2’-デオキシリボシル糖部分を含む。特定の実施形態で、2’-置換糖部分は、2’-MOE糖部分、2’-NMA糖部分、2’-OMe糖部分、及び2’-F糖部分から選択される。特定の実施形態で、二環式糖部分は、cEt糖部分及びLNA糖部分から選択される。特定の実施形態で、糖代替物は、モルホリノ、修飾モルホリノ、PNA、THP、及びF-HNAから選択される。
【0162】
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾糖部分を含むヌクレオシドを少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個または少なくとも20個含む。特定の実施形態で、修飾糖部分は、2’-置換糖部分、二環式糖部分、または糖代替物から独立して選択される。特定の実施形態で、2’-置換糖部分は、2’-MOE糖部分、2’-NMA糖部分、2’-OMe糖部分、及び2’-F糖部分から選択される。特定の実施形態で、二環式糖部分は、cEt糖部分及びLNA糖部分から選択される。特定の実施形態で、糖代替物は、モルホリノ、修飾モルホリノ、THP、及びF-HNAから選択される。
【0163】
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む(「完全修飾型オリゴヌクレオチド」)。特定の実施形態では、完全修飾型オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、2’-置換糖部分、二環式糖部分、または糖代替物を含む。特定の実施形態で、2’-置換糖部分は、2’-MOE糖部分、2’-NMA糖部分、2’-OMe糖部分、及び2’-F糖部分から選択される。特定の実施形態で、二環式糖部分は、cEt糖部分及びLNA糖部分から選択される。特定の実施形態で、糖代替物は、モルフォリノ、修飾モルホリノ、THP、及びF-HNAから選択される。特定の実施形態では、完全修飾型オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、同じ修飾糖部分を含む(「均一修飾型オリゴヌクレオチド」)。特定の実施形態では、均一修飾型糖モチーフは、7~20ヌクレオシド長である。特定の実施形態では、均一修飾型糖モチーフの各ヌクレオシドは、2’-置換糖部分、二環式糖部分、または糖代替物を含む。特定の実施形態で、2’-置換糖部分は、2’-MOE糖部分、2’-NMA糖部分、2’-OMe糖部分、及び2’-F糖部分から選択される。特定の実施形態で、二環式糖部分は、cEt糖部分及びLNA糖部分から選択される。特定の実施形態で、糖代替物は、モルホリノ、修飾モルホリノ、THP、及びF-HNAから選択される。特定の実施形態では、完全修飾型糖モチーフを少なくとも1つ有する修飾オリゴヌクレオチドは、2’-デオキシリボヌクレオシドも少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個または少なくとも4個有してもよい。
【0164】
特定の核酸塩基モチーフ
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、定義されたパターンまたはモチーフでオリゴヌクレオチドまたはその部分に沿って配置された修飾及び/または非修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態では、各核酸塩基が修飾されている。特定の実施形態では、核酸塩基のうちのいずれも修飾されていない。特定の実施形態では、各プリンまたは各ピリミジンが修飾されている。特定の実施形態では、各アデニンが修飾されている。特定の実施形態では、各グアニンが修飾されている。特定の実施形態では、各チミンが修飾されている。特定の実施形態では、各ウラシルが修飾されている。特定の実施形態では、各シトシンが修飾される。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドのシトシン核酸塩基のうちの一部またはすべてが5-メチルシトシンである。特定の実施形態では、シトシン核酸塩基のすべては5-メチルシトシンであり、修飾オリゴヌクレオチドの他の核酸塩基のすべては非修飾核酸塩基である。
【0165】
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基のブロックを含む。特定のこのような実施形態では、ブロックは、オリゴヌクレオチドの3’-末端にある。特定の実施形態では、ブロックは、オリゴヌクレオチドの3’-末端から3ヌクレオシド以内にある。特定の実施形態では、ブロックは、オリゴヌクレオチドの5’-末端にある。特定の実施形態では、ブロックは、オリゴヌクレオチドの5’-末端から3ヌクレオシド以内にある。
【0166】
特定の実施形態では、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含むヌクレオシドを含む。特定のこのような実施形態では、修飾核酸塩基を含む1つのヌクレオシドは、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドの中心ギャップにある。特定のこのような実施形態では、ヌクレオシドの糖部分は、2’-デオキシリボシル糖部分である。特定の実施形態では、修飾核酸塩基は、2-チオピリミジン及び5-プロピンピリミジンから選択される。
【0167】
特定のヌクレオシド間結合モチーフ
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、定義されたパターンまたはモチーフでオリゴヌクレオチドまたはその部分に沿って配置された修飾及び/または非修飾ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態で、各ヌクレオシド間結合基はホスホジエステルヌクレオシド間結合である。特定の実施形態で、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合基は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。特定の実施形態で、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合及びホスホジエステルヌクレオシド間結合から独立して選択される。特定の実施形態では、各ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、ステレオランダムなホスホロチオエート、(Sp)ホスホロチオエート、及び(Rp)ホスホロチオエートから独立して選択される。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフはギャップマーであり、ギャップ内のヌクレオシド間結合はすべて修飾される。特定のそのような実施形態では、ウィング内のヌクレオシド間結合のいくつかまたはすべては、非修飾のホスホジエステルヌクレオシド間結合である。特定の実施形態では、末端ヌクレオシド間結合は、修飾されている。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフはギャップマーであり、ヌクレオシド間結合モチーフは、少なくとも一方のウィングに少なくとも1つのホスホジエステルヌクレオシド間結合を含み、この少なくとも1つのホスホジエステル結合は、末端ヌクレオシド間結合ではなく、残りのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。特定のこのような実施形態では、そのホスホロチオエートヌクレオシド間結合はすべて、ステレオランダムである。特定の実施形態では、そのウィング内のホスホロチオエートヌクレオシド間結合はすべて、(Sp)ホスホロチオエートであり、そのギャップは、Sp、Sp、Rpモチーフを少なくとも1つ含む。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドの集団は、そのようなヌクレオシド間結合モチーフを含む修飾オリゴヌクレオチドについて濃縮される。特定の実施形態で、1つ以上のヌクレオシド間結合は、メシルホスホラミデートヌクレオシド間結合である。特定の実施形態で、各ヌクレオシド間結合は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及びメシルホスホラミデートヌクレオシド間結合から独立して選択される。特定の実施形態で、各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合及びメシルホスホラミデートヌクレオシド間結合から独立して選択される。特定の実施形態で、1つ以上のヌクレオシド間結合は、メトキシプロピルホスホネートヌクレオシド間結合である。特定の実施形態で、各ヌクレオシド間結合は、ホスホジエステルヌクレオシド間結合、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及びメトキシプロピルホスホネートヌクレオシド間結合から独立して選択される。特定の実施形態で、各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合及びメトキシプロピルホスホネートヌクレオシド間結合から独立して選択される。
【0168】
特定の実施形態で、修飾オリゴヌクレオチドは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、または少なくとも19個含む。特定の実施形態で、修飾オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、または少なくとも19個含む。特定の実施形態で、修飾オリゴヌクレオチドはホスホジエステルヌクレオシド間結合を少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、または少なくとも5個含み、残りのヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0169】
特定の長さ
活性を失うことなく、オリゴヌクレオチドの長さを増加または減少させることができる。例えば、Woolf et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1992,89:7305-7309,1992では、核酸塩基13~25個の長さを有する一連のオリゴヌクレオチドが、卵母細胞注入モデルにて標的核酸の切断を誘導する能力について試験した。オリゴヌクレオチドの末端近くに8個または11個のミスマッチ塩基を含む核酸塩基25個の長さのオリゴヌクレオチドは、ミスマッチを含まないオリゴヌクレオチドよりも低い程度であったが、標的核酸の特異的切断を導くことができた。同様に、1個または3個のミスマッチを有するものを含む核酸塩基13個からなるオリゴヌクレオチドを使用して、標的特異的切断が得られた。
【0170】
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチド(修飾オリゴヌクレオチドを含む)は、様々な範囲の長さのいずれかを有することができる。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、X~Y個の結合されたヌクレオシドからなり、ここで、Xは、その範囲の最小数のヌクレオシドを表し、Yは、その範囲の最大数のヌクレオシドを表す。特定のそのような実施形態では、XがY以下であることを条件として、X及びYは、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、及び50からそれぞれ独立して選択される。例えば、特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、12~13個、12~14個、12~15個、12~16個、12~17個、12~18個、12~19個、12~20個、12~21個、12~22個、12~23個、12~24個、12~25個、12~26個、12~27個、12~28個、12~29個、12~30個、13~14個、13~15個、13~16個、13~17個、13~18個、13~19個、13~20個、13~21個、13~22個、13~23個、13~24個、13~25個、13~26個、13~27個、13~28個、13~29個、13~30個、14~15個、14~16個、14~17個、14~18個、14~19個、14~20個、14~21個、14~22個、14~23個、14~24個、14~25個、14~26個、14~27個、14~28個、14~29個、14~30個、15~16個、15~17個、15~18個、15~19個、15~20個、15~21個、15~22個、15~23個、15~24個、15~25個、15~26個、15~27個、15~28個、15~29個、15~30個、16~17個、16~18個、16~19個、16~20個、16~21個、16~22個、16~23個、16~24個、16~25個、16~26個、16~27個、16~28個、16~29個、16~30個、17~18個、17~19個、17~20個、17~21個、17~22個、17~23個、17~24個、17~25個、17~26個、17~27個、17~28個、17~29個、17~30個、18~19個、18~20個、18~21個、18~22個、18~23個、18~24個、18~25個、18~26個、18~27個、18~28個、18~29個、18~30個、19~20個、19~21個、19~22個、19~23個、19~24個、19~25個、19~26個、19~27個、19~28個、19~29個、19~30個、20~21個、20~22個、20~23個、20~24個、20~25個、20~26個、20~27個、20~28個、20~29個、20~30個、21~22個、21~23個、21~24個、21~25個、21~26個、21~27個、21~28個、21~29個、21~30個、22~23個、22~24個、22~25個、22~26個、22~27個、22~28個、22~29個、22~30個、23~24個、23~25個、23~26個、23~27個、23~28個、23~29個、23~30個、24~25個、24~26個、24~27個、24~28個、24~29個、24~20個、25~26個、25~27個、25~28個、25~29個、25~30個、26~27個、26~28個、26~29個、26~30個、27~28個、27~29個、27~30個、28~29個、28~30個、または29~30個の結合されたヌクレオシドからなり得る。
【0171】
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、16個の連結されたヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、17個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、18個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、19個の連結ヌクレオシドからなる。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、20個の連結ヌクレオシドからなる。
【0172】
特定の修飾オリゴヌクレオチド
特定の実施形態では、上記の修飾(糖、核酸塩基、ヌクレオシド間結合)が、修飾オリゴヌクレオチドに組み込まれる。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、それらの修飾モチーフ及び全長によって特徴付けられる。特定の実施形態では、そのようなパラメーターはそれぞれ互いに独立している。故に、別途指示されない限り、ギャップマー糖モチーフを有するオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、修飾されていても、または非修飾であってもよく、糖修飾のギャップマー修飾パターンに従う場合も、従わない場合もある。例えば、糖ギャップマーのウィング領域内のヌクレオシド間結合は、互いに同じかまたは異なっていてよく、糖モチーフのギャップ領域のヌクレオシド間結合と同じかまたは異なっていてよい。同様に、かかる糖ギャップマーオリゴヌクレオチドは、糖修飾のギャップマーパターンとは無関係に1個以上の修飾核酸塩基を含み得る。別途示されない限り、いずれの修飾も、核酸塩基配列から独立している。
【0173】
修飾オリゴヌクレオチドの特定の集団
集団のすべての修飾オリゴヌクレオチドが同じ分子式を有する修飾オリゴヌクレオチドの集団は、ステレオランダムな集団またはキラル濃縮された集団であり得る。すべての修飾オリゴヌクレオチドのすべてのキラル中心は、ステレオランダム集団においてステレオランダムである。キラル濃縮された集団では、少なくとも1つの特定のキラル中心は、集団の修飾オリゴヌクレオチドでステレオランダムではない。特定の実施形態では、キラル濃縮された集団の修飾オリゴヌクレオチドは、β-Dリボシル糖部分について濃縮されており、すべてのホスホロチオエートヌクレオシド間結合はステレオランダムである。特定の実施形態では、キラル濃縮された集団の修飾オリゴヌクレオチドは、特定の立体化学配置のβ-Dリボシル糖部分及び少なくとも1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合の両方について濃縮される。
【0174】
核酸塩基配列
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチド(非修飾または修飾オリゴヌクレオチド)は、それらの核酸塩基配列によってさらに記述される。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、第2のオリゴヌクレオチドまたは標的核酸などの同定されている参照核酸に相補的な核酸塩基配列を有する。特定のそのような実施形態では、オリゴヌクレオチドの一部は、第2のオリゴヌクレオチドまたは標的核酸などの同定されている参照核酸に相補的な核酸塩基配列を有する。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの一部または全長の核酸塩基配列は、第2のオリゴヌクレオチドまたは標的核酸などの核酸と、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%相補的である。
【0175】
特定のオリゴマー化合物
特定の実施形態では、本明細書において、オリゴヌクレオチド(修飾または非修飾)と場合により1つ以上のコンジュゲート基及び/または末端基とからなる、オリゴマー化合物が提供される。コンジュゲート基は、1つ以上のコンジュゲート部分と、コンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに結合するコンジュゲートリンカーとからなる。コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドのどちらかの末端もしくは両端及び/または任意の内部位置に結合させてもよい。特定の実施形態では、コンジュゲート基は、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドの2’位に結合させられる。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドのどちらかの末端または両端に結合させたコンジュゲート基は、末端基である。特定のこのような実施形態では、コンジュゲート基または末端基は、オリゴヌクレオチドの3’末端及び/または5’末端に結合させられる。特定のこのような実施形態では、コンジュゲート基(または末端基)は、オリゴヌクレオチドの3’末端に結合させられる。特定の実施形態では、コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドの3’末端付近に結合させられる。特定の実施形態では、コンジュゲート基(または末端基)は、オリゴヌクレオチドの5’末端に結合させられる。特定の実施形態では、コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドの5’末端付近に結合させられる。
【0176】
末端基の例としては、コンジュゲート基、キャッピング基、リン酸部分、保護基、脱塩基ヌクレオシド、修飾または非修飾ヌクレオシド、及び独立して修飾または非修飾の2つ以上のヌクレオシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0177】
特定のコンジュゲート基
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、1つ以上のコンジュゲート基に共有結合される。特定の実施形態では、コンジュゲート基は、これらに限定されるものではないが、薬力学的特性、薬物動態学的特性、安定特性、結合特性、吸収特性、組織分布特性、細胞分布特性、細胞取り込み特性、電荷特性及びクリアランス特性を含む、結合オリゴヌクレオチドの1つ以上の特性を改変する。特定の実施形態では、コンジュゲート基は、結合オリゴヌクレオチドに新たな特性、例えばオリゴヌクレオチドの検出を可能にする蛍光団またはレポーター基を付与する。特定のコンジュゲート基及びコンジュゲート部分についてはこれまでに記載されており、例えば、コレステロール部分(Letsinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1989,86,6553-6556)、コリン酸(Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1994,4,1053-1060)、チオエーテル、例えばヘキシル-S-トリチルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660,306-309、Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Let.,1993,3,2765-2770)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.Acids Res.,1992,20,533-538)、脂肪族鎖、例えばド-デカン-ジオールまたはウンデシル残基(Saison-Behmoaras et al.,EMBO J.,1991,10,1111-1118、Kabanov et al.,FEBS Lett.,1990,259,327-330、Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75,49-54)、リン脂質、例えばジ-ヘキサデシル-rac-グリセロールまたはトリエチル-アンモニウム1,2-ジ-O-ヘキサデシル-rac-グリセロ-3-H-ホスホネート(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,3651-3654、Shea et al.,Nucl.Acids Res.,1990,18,3777-3783)、ポリアミンまたはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides&Nucleotides,1995,14,969-973)、またはアダマンタン酢酸、パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,1995,1264,229-237)、オクタデシルアミンまたはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996,277,923-937)、トコフェロール基(Nishina et al.,Molecular Therapy Nucleic Acids,2015,4,e220;doi:10.1038/mtna.2014.72及びNishina et al.,Molecular Therapy,2008,16,734-740)、またはGalNAcクラスター(例えば国際特許第WO2014/179620号)である。
【0178】
コンジュゲート部分
コンジュゲート部分としては、これらに限定されるものではないが、インターカレーター、レポーター分子、ポリアミン、ポリアミド、ペプチド、糖、ビタミン部分、ポリエチレングリコール、チオエーテル、ポリエーテル、コレステロール、チオコレステロール、コール酸部分、葉酸、脂質、親油基、リン脂質、ビオチン、フェナジン、フェナントリジン、アントラキノン、アダマンタン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、蛍光団、及び色素が挙げられる。
【0179】
特定の実施形態では、コンジュゲート部分は、有効成分、例えば、アスピリン、ワーファリン、フェニルブタゾン、イブプロフェン、スプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、(S)-(+)-プラノプロフェン、カルプロフェン、ダンシルサルコシン、2,3,5-トリヨード安息香酸、フィンゴリモド、フルフェナム酸、フォリン酸、ベンゾチアジアジン、クロロチアジド、ジアゼピン、インドメタシン、バルビツレート、セファロスポリン、サルファ薬、糖尿病治療薬、抗菌薬または抗生物質を含む。
【0180】
共役リンカー
コンジュゲート部分は、コンジュゲートリンカーを介してオリゴヌクレオチドに結合される。特定のオリゴマー化合物では、コンジュゲートリンカーは単結合である(すなわち、コンジュゲート部分は単結合を介してオリゴヌクレオチドに直接結合される)。特定のオリゴマー化合物では、コンジュゲート部分は、コンジュゲートリンカーを構成するサブユニットである1つ以上のコンジュゲートリンカー部分を含む、より複雑なコンジュゲートリンカーを介してオリゴヌクレオチドに結合される。特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、ヒドロカルビル鎖などの鎖構造、またはエチレングリコール、ヌクレオシドもしくはアミノ酸単位などの繰り返し単位のオリゴマーを含む。
【0181】
特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、アルキル、アミノ、オキソ、アミド、ジスルフィド、ポリエチレングリコール、エーテル、チオエーテル、及びヒドロキシルアミノから選択される1つ以上の基を含む。特定のこのような実施形態では、コンジュゲートリンカーは、アルキル、アミノ、オキソ、アミド、及びエーテル基から選択される基を含む。特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、アルキル及びアミド基から選択される基を含む。特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、アルキル及びエーテル基から選択される基を含む。特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1つのリン部分を含む。特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1つのリン酸基を含む。特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1つの中性連結基を含む。
【0182】
特定の実施形態では、上記のコンジュゲートリンカーを含むコンジュゲートリンカーは、二官能性の結合部分、例えば本明細書で提供されるオリゴヌクレオチドのような親化合物にコンジュゲート基を結合するうえで有用であることが当技術分野で知られているものである。一般に、二官能性結合部分には少なくとも2つの官能基が含まれる。官能基のうち一方は、親化合物の特定の部位に結合するように選択され、他方はコンジュゲート基に結合するように選択される。二官能性結合部分に使用される官能基の例としては、これらに限定されるものではないが、求核性基と反応するための求電子基及び求電子基と反応するための求核性基が挙げられる。特定の実施形態では、二官能性連結部分は、アミノ、ヒドロキシル、カルボン酸、チオール、アルキル、アルケニル、及びアルキニルから選択される1つ以上の基を含む。
【0183】
コンジュゲートリンカーの例としては、これらに限定されるものではないが、ピロリジン、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(ADO)、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)及び6-アミノヘキサン酸(AHEXまたはAHA)が挙げられる。他のコンジュゲートリンカーには、置換もしくは非置換C1~C10アルキル、置換もしくは非置換C2~C10アルケニル、または置換もしくは非置換C2~C10アルキニルが含まれるがこれらに限定されず、ここで、好ましい置換基の非限定的なリストには、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、及びアルキニルが含まれる。
【0184】
特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、1~10個のリンカーヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、2~5個のリンカーヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、ちょうど3個のリンカーヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、TCAモチーフを含む。特定の実施形態では、このようなリンカーヌクレオシドは修飾ヌクレオシドである。特定の実施形態では、このようなリンカーヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態では、リンカーヌクレオシドは、非修飾である。特定の実施形態では、リンカーヌクレオシドは、プリン、置換プリン、ピリミジン、または置換ピリミジンから選択される場合により保護された複素環式塩基を含む。特定の実施形態では、切断可能な部分は、ウラシル、チミン、シトシン、4-N-ベンゾイルシトシン、5-メチルシトシン、4-N-ベンゾイル-5-メチルシトシン、アデニン、6-N-ベンゾイルアデニン、グアニン、及び2-N-イソブチリルグアニンから選択されるヌクレオシドである。リンカーヌクレオシドは、標的組織に到達した後、オリゴマー化合物から切断されることが一般的に望ましい。したがって、リンカーヌクレオシドは、一般的には、切断可能な結合を介して互いに、及びオリゴマー化合物の残りの部分に結合される。特定の実施形態では、そのような切断可能な結合は、ホスホジエステル結合である。
【0185】
本明細書では、リンカーヌクレオシドはオリゴヌクレオチドの一部とはみなされない。したがって、オリゴマー化合物が、特定の数または範囲の結合されたヌクレオシド及び/または参照核酸に対する特定の相補率(%)からなるオリゴヌクレオチドを含み、かつオリゴマー化合物が、リンカーヌクレオシドを含むコンジュゲートリンカーを含むコンジュゲート基も含むような実施形態では、これらのリンカーヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの長さにカウントされず、参照核酸に対するオリゴヌクレオチドの相補率(%)を決定するうえで用いられない。例えば、オリゴマー化合物は、(1)8~30個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチド、及び(2)修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドと隣接する1~10個のリンカーヌクレオシドを含むコンジュゲート基を含み得る。そのようなオリゴマー化合物中の隣接する結合されたヌクレオシドの総数は30よりも多い。あるいは、オリゴマー化合物は、8~30個のヌクレオシドからなり、コンジュゲート基を含まない修飾オリゴヌクレオチドを含んでもよい。そのようなオリゴマー化合物中の隣接する結合されたヌクレオシドの総数は30以下である。特に明記しない限り、コンジュゲートリンカーは10個以下のリンカーヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、5個以下のリンカーヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、3個以下のリンカーヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、2個以下のリンカーヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、コンジュゲートリンカーは、1個のリンカーヌクレオシドを含む。
【0186】
特定の実施形態では、コンジュゲート基はオリゴヌクレオチドから切断されることが望ましい。例えば、特定の状況で、特定のコンジュゲート部分を含むオリゴマー化合物は、特定の細胞型により取り込まれやすいが、オリゴマー化合物が取り込まれた後、コンジュゲート基が切断されて、非コンジュゲートまたは親オリゴヌクレオチドが放出されることが望ましい。したがって、特定のコンジュゲートリンカーは、1つ以上の切断可能な部分を含むことができる。特定の実施形態では、切断可能な部分は、切断可能な結合である。特定の実施形態では、切断可能な部分は、少なくとも1つの切断可能な結合を含む原子団である。特定の実施形態では、切断可能な部分は、1個、2個、3個、4個、または4個よりも多い切断可能な結合を有する原子団を含む。特定の実施形態では、切断可能な部分は、細胞内部またはリソソームなどの細胞内区画内で選択的に切断される。特定の実施形態では、切断可能部分は、ヌクレアーゼなどの内因性酵素によって選択的に切断される。
【0187】
特定の実施形態では、切断可能な結合は、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、ホスホジエステル結合の一方または両方のエステル結合、ホスフェートエステル結合、カルバメート結合、またはジスルフィド結合の中から選択される。特定の実施形態では、切断可能な結合は、ホスホジエステルのエステルの一方もしくは両方である。特定の実施形態では、切断可能な部分は、ホスフェートまたはホスホジエステルを含む。特定の実施形態では、切断可能な部分は、オリゴヌクレオチドとコンジュゲート部分またはコンジュゲート基との間のホスフェート結合である。
【0188】
特定の実施形態では、切断可能な部分は、1つ以上のリンカーヌクレオシドを含むまたはそれからなる。特定のそのような実施形態では、1つ以上のリンカーヌクレオシドは、切断可能な結合を介して互いに、及び/またはオリゴマー化合物の残りの部分に結合される。特定の実施形態では、このような切断可能な結合は、非修飾ホスホジエステル結合である。特定の実施形態では、切断可能な部分は、ホスフェートヌクレオシド間結合によって、オリゴヌクレオチドの3’末端ヌクレオシドまたは5’末端ヌクレオシドのいずれかに結合しているとともに、ホスフェートまたはホスホロチオエートのヌクレオシド間結合によって、そのコンジュゲートリンカーまたはコンジュゲート部分の残部に共有結合している2’-デオキシリボヌクレオシドである。特定のこのような実施形態では、切断可能な部分は、2’-デオキシアデノシンである。
【0189】
特定の末端基
特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、1個以上の末端基を含む。特定のそのような実施形態では、オリゴマー化合物は、安定化された5’-ホスフェートを含む。安定化された5’-ホスフェートとしては、これに限定されないが5’-ビニルホスホネートを含む、5’-ホスファネートが含まれる。特定の実施形態では、末端基は、1つ以上の脱塩基ヌクレオシド及び/または逆ヌクレオシドを含む。特定の実施形態では、末端基は、1つ以上の2’結合ヌクレオシドを含む。特定のそのような実施形態では、2’結合ヌクレオシドは、脱塩基ヌクレオシドである。
【0190】
オリゴマー二本鎖
特定の実施形態では、本明細書に記載されるオリゴマー化合物は、標的核酸の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態では、オリゴマー化合物は第2のオリゴマー化合物と対合してオリゴマー二本鎖を形成する。このようなオリゴマー二本鎖は、標的核酸に相補的な部分を有する第1のオリゴマー化合物と、第1のオリゴマー化合物に相補的な部分を有する第2のオリゴマー化合物とを含む。特定の実施形態では、オリゴマー二本鎖の第1のオリゴマー化合物は、(1)修飾または非修飾オリゴヌクレオチド及び場合によりコンジュゲート基と、(2)第2の修飾または非修飾オリゴヌクレオチド及び場合によりコンジュゲート基と、を含むかまたはそれらからなる。オリゴマー二本鎖の一方または両方のオリゴマー化合物は、コンジュゲート基を含み得る。オリゴマー二本鎖の各オリゴマー化合物のオリゴヌクレオチドは、非相補的な突出ヌクレオシドを含み得る。
【0191】
アンチセンス活性
特定の実施形態では、オリゴマー化合物及びオリゴマー二本鎖は標的核酸にハイブリダイズすることで少なくとも1つのアンチセンス活性を与えることができる。このようなオリゴマー化合物及びオリゴマー二本鎖はアンチセンス化合物である。特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、標準的な細胞アッセイにおいて、標的核酸の量または活性を25%以上低減、調節または増大させる場合に、アンチセンス活性を有する。特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、1つ以上の標的核酸に選択的に影響する。このようなアンチセンス化合物は、1つ以上の標的核酸にハイブリダイズして1つ以上の所望のアンチセンス活性を与え、かつ1つ以上の非標的核酸にはハイブリダイズしないか、または重大な望ましくないアンチセンス活性をもたらすような形で1つ以上の非標的核酸にハイブリダイズしない核酸塩基配列を含む。
【0192】
特定のアンチセンス活性では、アンチセンス化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションによって、標的核酸を切断するタンパク質が動員される。例えば、特定のアンチセンス化合物は、RNaseHを介した標的核酸の切断をもたらす。RNaseHは、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を切断する細胞性エンドヌクレアーゼである。このようなRNA:DNA二本鎖のDNAは、非修飾DNAである必要はない。特定の実施形態では、本明細書において、RNaseH活性を誘発するうえで充分に「DNA様」のアンチセンス化合物を提供する。特定の実施形態では、ギャップマーのギャップ内の1つ以上の非DNA様ヌクレオシドが許容される。
【0193】
特定のアンチセンス活性では、アンチセンス化合物またはアンチセンス化合物の一部がRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に取り込まれ、最終的に標的核酸が切断される。例えば、特定のアンチセンス化合物は、アルゴノートによる標的核酸の切断をもたらす。RISCに取り込まれるアンチセンス化合物はRNAi化合物である。RNAi化合物は、二本鎖(siRNA)または一本鎖(ssRNA)の場合がある。
【0194】
特定の実施形態では、アンチセンス化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションは標的核酸を切断するタンパク質の動員をもたらさない。特定の実施形態では、アンチセンス化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的核酸のスプライシングの変化をもたらす。特定の実施形態では、標的核酸へのアンチセンス化合物のハイブリダイゼーションは、標的核酸とタンパク質または他の核酸との結合相互作用の阻害をもたらす。特定の実施形態では、アンチセンス化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的核酸の翻訳の変化をもたらす。特定の実施形態では、アンチセンス化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションは、エキソン含有をもたらす。特定の実施形態では、アンチセンス化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的核酸の量または活性の増加をもたらす。特定の実施形態では、アンチセンス化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションは、スプライシングが改変されて、RNA含有をもたらす。
【0195】
アンチセンス活性は直接的または間接的に観察することができる。特定の実施形態では、アンチセンス活性の観察または検出は、標的核酸もしくはこのような標的核酸によってコードされるタンパク質の量の変化、核酸もしくはタンパク質のスプライス変異体の比の変化、及び/または細胞もしくは対象の表現型の変化の観察または検出が含まれる。
【0196】
特定の標的核酸
特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、標的核酸に相補的な部分を含むオリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなる。特定の実施形態では、標的核酸は、内因性RNA分子である。特定の実施形態では、標的核酸はタンパク質をコードする。特定のこのような実施形態では、標的核酸は、成熟mRNA及びmRNA前駆体(イントロン、エキソン、及び非翻訳領域を含む)から選択される。特定の実施形態では、標的核酸は、成熟mRNAである。特定の実施形態では、標的核酸は、mRNA前駆体である。特定の実施形態では、標的領域は完全にイントロン内にある。特定の実施形態では、標的領域はイントロン/エキソン接合部にまたがる。特定の実施形態では、標的領域は、少なくとも50%がイントロン内にある。
【0197】
標的核酸との相補性/ミスマッチ
活性を消失させることなくミスマッチ塩基を導入することが可能である。例えば、Gautschi et al(J.Natl.Cancer Inst.93:463-471,March 2001)は、bcl-2 mRNAに対して100%の相補性を有し、かつbcl-xL mRNAに対して3つのミスマッチを有するオリゴヌクレオチドが、in vitoro及びin vivoでbcl-2とbcl-xL両方の発現を低減できることを実証している。さらに、このオリゴヌクレオチドはin vivoで強力な抗腫瘍活性も示した。Maher及びDolnick(Nuc.Acid.Res.16:3341-3358,1988)は、ウサギ網状赤血球アッセイで、一連のタンデムな14個核酸塩基オリゴヌクレオチド、ならびにそれぞれ2つまたは3つのタンデムなオリゴヌクレオチドの配列から構成された28個及び42個核酸塩基オリゴヌクレオチドにおける、ヒトDHFRの翻訳を停止する能力を試験した。3つの14個核酸塩基オリゴヌクレオチドの各々は、単独では、28個または42個核酸塩基オリゴヌクレオチドよりはレベルが低いものの、翻訳を阻害することができた。
【0198】
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの全長にわたって標的核酸に相補的である。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、標的核酸に99%、95%、90%、85%、または80%相補的である。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの全長にわたって標的核酸に少なくとも80%相補的であり、標的核酸に100%または完全に相補的な部分を含む。特定の実施形態では、完全に相補的な部分は、核酸塩基6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、または20個の長さを有する。
【0199】
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、標的核酸に対して1つ以上のミスマッチ核酸塩基を含む。特定の実施形態では、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの5’末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20位にある。
【0200】
SMN2
特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、SMN2をコードする標的核酸に相補的な修飾オリゴヌクレオチドまたはその一部を含むかまたはそれからなる。特定の実施形態で、SMN2は、配列番号1に示される配列を有する(ヌクレオチド19939708から19967777へ切断されたGENBANK受入番号NT_006713.14)。
【0201】
特定の実施形態では、細胞を配列番号1に相補的なオリゴマー化合物と接触させることは、細胞のSMN2 RNAのスプライシングを調節する。特定の実施形態では、細胞を配列番号1に相補的なオリゴマー化合物と接触させると、エキソン7を含有するSMN2 RNAの量が増加する。特定の実施形態では、細胞を配列番号1に相補的なオリゴマー化合物と接触させると、完全長SMN2タンパク質の発現を増加させる。特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、修飾オリゴヌクレオチドからなる。
【0202】
特定の実施形態では、対象の細胞と、配列番号1と相補的なオリゴマー化合物を接触させると、神経変性疾患の1つ以上の症状が寛解する。特定の実施形態で、神経変性疾患は、I型SMA、II型SMA、III型SMA、及びIV型SMAを含むSMAである。特定の実施形態で、症状は、筋力の低下;背筋を伸ばして座ったり、立ったり及び/または歩いたりすることができない、またはその能力の低下;神経筋活動の低下;1つ以上の筋肉の電気的活性の低下;呼吸の低下;補助なしで食べたり、飲んだり及び/または呼吸したりすることができない、またはその能力の低下;体重の減少または体重増加の減少;及び/または生存率の低下;のいずれかである。
【0203】
特定の実施形態で、配列番号1に相補的なオリゴマー化合物は、標準的なin vivoアッセイに従って投与された場合、in vivoでエキソン7を含むSMN2 RNAを少なくとも1倍、2倍、または3倍増加させることができる。特定の実施形態で、配列番号1に相補的なオリゴマー化合物は、標準的なin vivoアッセイに従って投与された場合、in vivoで完全長SMN2タンパク質を少なくとも1倍、2倍、または3倍増加させることができる。
【0204】
特定の組織中の特定の標的核酸
特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、標的核酸に相補的な部分を含むオリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなり、標的核酸は薬理学的に関連する組織において発現される。特定の実施形態では、薬理学的に関連する組織は、中枢神経系(CNS)を含む細胞及び組織である。そのような組織には、脊髄、皮質、及び冠状脳組織などの脳組織が含まれる。
【0205】
特定の医薬組成物
特定の実施形態では、1つ以上のオリゴマー化合物を含む医薬組成物について本明細書で記載する。特定の実施形態では、1つ以上のオリゴマー化合物は、それぞれ修飾オリゴヌクレオチドからなる。特定の実施形態では、医薬組成物には薬学的に許容される希釈剤または担体が含まれる。特定の実施形態では、医薬組成物は、滅菌生理食塩水及び1つ以上のオリゴマー化合物を含むかまたはそれらからなる。特定の実施形態では、滅菌生理食塩水は、医薬品グレードの生理食塩水である。特定の実施形態では、医薬組成物は、1つ以上のオリゴマー化合物及び滅菌水を含むかまたはそれらからなる。特定の実施形態では、滅菌水は医薬品グレードの水である。特定の実施形態では、医薬組成物は、1つ以上のオリゴマー化合物及びリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含むかまたはそれらからなる。特定の実施形態では、滅菌PBSは、医薬品グレードのPBSである。特定の実施形態では、医薬組成物は、1つ以上のオリゴマー化合物及び人工脳脊髄液(「人工CSF」または「aCSF」)を含むかまたはそれらからなる。特定の実施形態では、人工脳脊髄液は、医薬品グレードである。
【0206】
特定の実施形態では、医薬組成物は、修飾オリゴヌクレオチド及び人工脳脊髄液を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、修飾オリゴヌクレオチド及び人工脳脊髄液からなる。特定の実施形態では、医薬組成物は、修飾オリゴヌクレオチド及び人工脳脊髄液から本質的になる。特定の実施形態では、人工脳脊髄液は、医薬品グレードである。
【0207】
特定の実施形態では、医薬組成物は、1つ以上のオリゴマー化合物及び1つ以上の賦形剤を含む。特定のそのような実施形態では、賦形剤は、水、食塩水、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミラーゼ、ステアリン酸マグネシウム、滑石、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンから選択される。
【0208】
特定の実施形態では、オリゴマー化合物は、医薬組成物または製剤を調製するために薬学的に許容される活性及び/または不活性物質と混合することができる。医薬組成物を製剤化するための組成物及び方法は、これらに限定されるものではないが、投与経路、疾患の程度、または投与量を含む多数の基準によって決まる。
【0209】
特定の実施形態では、オリゴマー化合物を含む医薬組成物は、オリゴマー化合物の任意の薬学的に許容される塩、オリゴマー化合物のエステル、またはかかるエステルの塩を包含する。特定の実施形態では、1つ以上のオリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物を含む医薬組成物は、ヒトを含む対象に投与される際、生物学的に活性な代謝物またはその残渣を(直接的または間接的に)与えることができる。したがって、例えば、本開示は、オリゴマー化合物の薬学的に許容される塩、プロドラッグ、かかるプロドラッグの薬学的に許容される塩、及び他の生物学的等価物を対象とする。適当な薬学的に許容される塩としては、これらに限定されるものではないが、ナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられる。特定の実施形態では、プロドラッグは、オリゴヌクレオチドに結合された1つ以上のコンジュゲート基を含み、このコンジュゲート基は、体内の内因性ヌクレアーゼによって切断される。特定の実施形態では、プロドラッグは、オリゴヌクレオチドに結合された1つ以上のコンジュゲート基を含み、このコンジュゲート基は、体内の内因性ヌクレアーゼによって切断される。
【0210】
脂質部分は、核酸療法において様々な方法で用いられている。特定のそのような方法において、オリゴマー化合物のような核酸は、カチオン性脂質と中性脂質との混合物から調製された予め形成されたリポソームまたはリポプレックスに導入される。特定の方法において、モノまたはポリカチオン性脂質とのDNA複合体は、中性脂質の非存在下で形成される。特定の実施形態では、脂質部分は、特定の細胞または組織への医薬品の分布を増加させるように選択される。特定の実施形態では、脂質部分は、脂肪組織への医薬品の分布を増加させるように選択される。特定の実施形態では、脂質部分は、筋肉組織への医薬品の分布を増加させるように選択される。
【0211】
特定の実施形態では、医薬組成物は送達系を含む。送達系の例としては、これらに限定されるものではないが、リポソーム及びエマルジョンが挙げられる。特定の送達系は、疎水性化合物を含むものを含む特定の医薬組成物の調製に有用である。特定の実施形態では、ジメチルスルホキシドなどの特定の有機溶媒が用いられる。
【0212】
特定の実施形態では、医薬組成物は、特定の組織または細胞型に、本明細書で提供されるオリゴマー組成物を含む1つ以上の医薬品を送達するように設計された、1つ以上の組織特異的送達分子を含む。例えば、特定の実施形態では、医薬組成物は、組織特異的抗体でコーティングされたリポソームを含む。
【0213】
特定の実施形態では、医薬組成物は、共溶媒系を含む。特定のそのような共溶媒系は、例えば、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー、及び水相を含む。特定の実施形態では、そのような共溶媒系は、疎水性化合物に用いられる。そのような共溶媒系の非限定的な例にはVPD共溶媒系があり、これは、3w/v%のベンジルアルコール、8w/v%の非極性界面活性剤ポリソルベート80(商標)、及び65w/v%のポリエチレングリコール300を含む無水エタノールの溶液である。そのような共溶媒系の割合は、それらの溶解度及び毒性特性を著しく変化させることなく大幅に変えることができる。さらに、共溶媒成分の同一性は変化し得、例えば、他の界面活性剤をポリソルベート80(商標)の代わりに使用してもよく、ポリエチレングリコールの画分サイズは変化し得、他の生体適合性ポリマーは、ポリエチレングリコール、例えば、ポリビニルピロリドンに取って代わり得、他の糖または多糖は、デキストロースと置き換わり得る。
【0214】
特定の実施形態では、医薬組成物は、経口投与用に調製される。特定の実施形態では、医薬組成物は、口腔投与用に調製される。特定の実施形態では、医薬組成物は、注射投与(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、髄腔内(IT)、脳室内(ICV)など)用に調製される。特定のそのような実施形態では、医薬組成物は、担体を含み、水溶液、例えば、水または生理学的に相溶性の緩衝液、例えば、ハンクス溶液、リンガー溶液、または生理学的生理食塩水緩衝液などの中で製剤化される。特定の実施形態では、他の成分(例えば、溶解に役立つか、または防腐剤の役目を果たす成分)が含まれる。特定の実施形態では、注射可能な懸濁液は、適当な液体担体、懸濁化剤などを用いて調製される。注射用の特定の医薬組成物は、単位剤形で、例えば、アンプル単位で提供されるか、または多用量容器内に提供される。注射用の特定の医薬組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、またはエマルジョンであり、懸濁化剤、安定化剤、及び/または分散剤等の製剤化剤を含有し得る。注射用の医薬組成物での使用に適した特定の溶媒としては、これらに限定されるものではないが、親油性溶媒及び脂肪油、例えば、ゴマ油、合成脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸エチルまたはトリグリセリド、及びリポソームが挙げられる。
【0215】
特定の条件下では、本明細書に開示される特定の化合物は酸として作用する。そのような化合物は、プロトン化(遊離酸)形態で、またはイオン化されカチオンと会合した(塩)形態で図示または記載され得るが、そのような化合物の水溶液は、そのような形態の間で平衡状態で存在する。例えば、水溶液中のオリゴヌクレオチドのホスフェート結合は、遊離酸、アニオン、及び塩形態の間で平衡状態で存在する。別途指示されない限り、本明細書に記載される化合物は、すべてのこのような形態を含むことを意図する。その上、特定のオリゴヌクレオチドは、いくつかのそのような結合を有し、それらの各々が平衡状態である。したがって、溶液中のオリゴヌクレオチドは、すべて平衡状態にある複数の位置の各形態の集合として存在する。「オリゴヌクレオチド」という用語は、そのような形態のすべてを含むことを意図している。描写された構造は、必然的に単一の形態を表す。それでも、別途指示されない限り、そのような図は同様に、対応する形態を含むことを意図する。本明細書において、化合物の遊離酸を示す構造に「またはその塩」という用語が続く場合、完全または部分的にプロトン化/脱プロトン化/カチオンと会合している場合があるすべてのそのような形態を明示的に含む。特定の例では、1つ以上の特定のカチオンが特定される。
【0216】
特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物は、ナトリウムを含む水溶液中に存在する。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物は、カリウムを含む水溶液中に存在する。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物は、PBS中に存在する。特定の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物は、水中に存在する。特定のそのような実施形態では、溶液のpHは、所望のpHが得られるよう、NaOH及び/またはHClで調整される。
【0217】
ここで、特定の具体的用量について記載する。用量は、用量単位の形とすることができる。説明を明確にするため、ミリグラム単位の修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物の用量(または投与単位)は、修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物の遊離酸形態の質量を示す。上記のように、水溶液中では、遊離酸はアニオン型及び塩型と平衡状態にある。しかしながら、用量を計算する目的では、修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物は、無溶媒、酢酸ナトリウムフリー、無水の遊離酸として存在していると仮定する。例えば、修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物がナトリウムを含む溶液中にある場合(例えば、生理食塩水)、修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物は、部分的または完全に脱プロトン化され、Na+イオンと会合し得る。しかしながら、プロトンの質量は、なお用量の重量にカウントされ、Na+イオンの質量は用量の重量にカウントされない。したがって、例えば、10mgの化合物番号1263789、化合物番号1287717、化合物番号1287745及び化合物番号1358996の用量または投与単位は、重さ10mgの完全にプロトン化された分子の数に等しい。これは、10.53mgの無溶媒、ナトリウムアセテートを含まない、無水ナトリウム化化合物番号1263789、10.53mgの無溶媒、ナトリウムアセテートを含まない、無水ナトリウム化化合物番号1287717、10.52mgの無溶媒、酢酸ナトリウムを含まない、無水ナトリウム化化合物番号1287745、及び10.51mgの無溶媒、酢酸ナトリウムを含まない、無水ナトリウム化化合物番号1358996に相当する。オリゴマー化合物がコンジュゲート基を含む場合、コンジュゲート基の質量は、そのようなオリゴマー化合物の用量の計算に含まれる。コンジュゲート基も酸を有する場合、コンジュゲート基は、用量を計算する目的では完全にプロトン化されているものと同様に仮定する。
【0218】
特定の組成物
化合物番号:1263789
特定の実施形態では、化合物番号1263789は、CACTTTCATAATGCTGGC(配列番号21)の配列(5’から3’へ)を有する修飾オリゴヌクレオチドであって、各ヌクレオシドが2’-MOE糖部分であり、ヌクレオシド2~3及び4~5の間のヌクレオシド間結合がホスホジエステルヌクレオシド間結合であり、ヌクレオシド1~2、3~4、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、13~14、14~15、15~16、16~17、及び17~18の間のヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、各シトシンが5-メチルシトシンであるとして特徴付けられる。
【0219】
特定の実施形態では、化合物番号1263789は、以下の化学表記(5’から3’):mCesAeo
mCesTeoTesTes
mCesAesTesAesAesTesGes
mCesTesGesGes
mCe(配列番号21)で表され、
ここで、
Aはアデニン核酸塩基であり、
mCは5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gは、グアニン核酸塩基であり、
Tはチミン核酸塩基であり、
eは、2’-MOE糖部分であり、
sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、
oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である。
【0220】
特定の実施形態では、化合物1263789は、以下の化学構造によって表される:
【化15】
【0221】
構造1.化合物番号1263789
特定の実施形態では、化合物1263789のナトリウム塩は、以下の化学構造によって表される:
【化16】
【0222】
構造2.化合物番号1263789のナトリウム塩
化合物番号:1287717
特定の実施形態では、化合物番号1287717は、TTCACTTTCATAATGCTGGC(配列番号22)の配列(5’から3’)を有する修飾オリゴヌクレオチドであって、各ヌクレオシドが2’-MOE糖部分を含み、ヌクレオシド1~2及び19~20の間のヌクレオシド間結合がホスホジエステル間結合であり、ヌクレオシド2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、13~14、14~15、15~16、16~17、17~18、及び18~19の間のヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、各シトシンが5-メチルシトシンであるものとして特徴付けられる。
【0223】
特定の実施形態では、化合物1287717は、以下の化学表記(5’から3’):
TeoTes
mCesAes
mCesTesTesTes
mCesAesTesAesAesTesGes
mCesTesGesGeo
mCe(配列番号22)によって表され、
ここで、
Aはアデニン核酸塩基であり、
mCは5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gは、グアニン核酸塩基であり、
Tはチミン核酸塩基であり、
eは、2’-MOE糖部分であり、
sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、
oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である。
【0224】
特定の実施形態では、化合物1287717は、以下の化学構造によって表される:
【化17】
【0225】
構造3.化合物番号1287717
特定の実施形態では、化合物1287717のナトリウム塩は、以下の化学構造によって表される:
【化18】
【0226】
構造4.化合物番号1287717のナトリウム塩
化合物番号:1287745
特定の実施形態では、化合物番号1287745は、TTCACTTTCATAATGCTGGC(配列番号22)の配列(5’から3’へ)を有する修飾オリゴヌクレオチドであって、ヌクレオシド1及び20のそれぞれが2’-MOEを含み、ヌクレオシド2~19のそれぞれが2’-NMAを含み、ヌクレオシド1~2及び19~20の間のヌクレオシド間結合がホスホジエステルヌクレオシド間結合であり、ヌクレオシド2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、13~14、14~15、15~16、16~17、17~18、及び18~19の間のヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、各シトシンが5-メチルシトシンであるものとして特徴付けられる。
【0227】
特定の実施形態では、化合物番号1287745は以下の化学表記(5’から3’):
TeoTns
mCnsAns
mCnsTnsTnsTns
mCnsAnsTnsAnsAnsTnsGns
mCnsTnsGnsGno
mCe(配列番号22)によって表され、
ここで、
Aはアデニン核酸塩基であり、
mCは5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gは、グアニン核酸塩基であり、
Tはチミン核酸塩基であり、
eは、2’-MOE糖部分であり、
nは、2’-NMA糖部分であり、
sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、
oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である。
【0228】
特定の実施形態では、化合物1287745は、以下の化学構造によって表される:
【化19】
【0229】
構造5.化合物番号1287745
特定の実施形態では、化合物1287745のナトリウム塩は、以下の化学構造によって表される:
【化20】
【0230】
構造6.化合物番号1287745のナトリウム塩
化合物番号:1358996
特定の実施形態では、化合物番号1358996は、CACTTTCATAATGCTGGC(配列番号21)の配列(5’から3’へ)を有する修飾オリゴヌクレオチドであって、各ヌクレオシドが2’-NMA糖部分であり、ヌクレオシド2~3及び4~5の間のヌクレオシド間結合がホスホジエステルヌクレオシド間結合であり、ヌクレオシド1~2、3~4、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、13~14、14~15、15~16、16~17、及び17~18の間のヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、各シトシンが5-メチルシトシンであるとして特徴付けられる。
【0231】
特定の実施形態では、化合物番号1358996は以下の化学表記(5’から3’):
mCnsAno
mCnsTnoTnsTns
mCnsAnsTnsAnsAnsTnsGns
mCnsTnsGnsGns
mCn(配列番号21)によって表され、
ここで、
Aはアデニン核酸塩基であり、
mCは5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gは、グアニン核酸塩基であり、
Tはチミン核酸塩基であり、
nは、2’-NMA糖部分であり、
sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、
oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である。
【0232】
特定の実施形態では、化合物1358996は、以下の化学構造によって表される:
【化21】
【0233】
構造7.化合物番号1358996
特定の実施形態では、化合物1358996のナトリウム塩は、以下の化学構造によって表される:
【化22】
【0234】
構造8.化合物番号1358996のナトリウム塩
特定の比較組成物
特定の実施形態で、SMAの治療のために承認されたSpinraza(登録商標)(一般名ヌシネルセン;化合物番号396443)は、比較化合物である(例えば、Chiroboga,et al.,Neurology,86(10):890-897,2016;Finkel,et al.,Lancet,338(10063):3017-3026,2016;Finkel,et al.,N.Engl.J.Med.,377(18):1723-1732 2017;Mercuri,et al.,N.Engl.J.Med.,378(7):625-635,2018;Montes,et al.,Muscle Nerve.60(4):409-414,2019;Darras,et al.,Neurology,92(21):e2492-e2506,2019を参照)。Spinraza(登録商標)は、本明細書に参照により組み込まれる国際特許第WO2010120820号に以前に記載されていて、TCACTTTCATAATGCTGG(愛列番号23)の配列(5’から3’)を有しており、各ヌクレオシドが2’-MOE糖部分を含み、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオネートヌクレオシド間結合であり、各シトシンが5-メチルシトシンである。
【0235】
特定の実施形態では、ヒトの治療には承認されていないが、化合物番号387954、396442、443305、及び819735を含む他の以前に記載された化合物は比較化合物である。
【0236】
化合物番号387954は、参照により本明細書に組み込まれる国際特許第WO2014/179620号に以前に記載されていた。化合物番号387954はATTCACTTTCATAATGCTGG(配列番号20)の配列(5’から3’)を有し、各ヌクレオシドが2’-MOE糖部分であり、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、各シトシンが5-メチルシトシンである。
【0237】
化合物番号396442は、参照により本明細書に組み込まれる国際特許第WO2010/120820号に以前に記載されていた。化合物番号396442はCACTTTCATAATGCTGGC(配列番号21)の配列(5’から3’)を有し、各ヌクレオシドが2’-MOE糖部分であり、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、各シトシンが5-メチルシトシンである。
【0238】
化合物番号443305は、参照により本明細書に組み込まれる国際特許第WO2018/014041号に以前に記載されていた。化合物番号443305はTCACTTTCATAATGCTGG(配列番号23)の配列(5’から3’)を有し、各ヌクレオシドが2’-NMA糖部分であり、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、各シトシンが5-メチルシトシンである。
【0239】
化合物番号819735は、参照により本明細書に組み込まれる国際特許第WO2018/014041号に以前に記載されていた。化合物番号819735はCACTTTCATAATGCTGGC(配列番号21)の配列(5’から3’)を有し、各ヌクレオシドが2’-NMA糖部分であり、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、各シトシンが5-メチルシトシンである。
【表1】
【0240】
特定の実施形態で、本明細書で説明される化合物は、それらが1つ以上の改良された特性(例えば、効力、有効性及び忍容性)を示すので、国際特許第WO2007/002390号、国際特許第WO2010/120820号、国際特許第WO2015/161170号及び国際特許第WO2018/014041号に記載されている化合物と比べて優れている。
【0241】
例えば、化合物番号1263789、化合物番号1287745、及び化合物番号1358996はそれぞれ、化合物番号396443と比較してin vivoで改善された効力を示した。実施例5に示すように、化合物番号1263789、化合物番号1287745、及び化合物番号1358996は、脊髄でそれぞれ13.3、8.8、及び7.4のED50を達成した。比較すると、化合物番号396443は脊髄で22.0のED50を達成した。したがって、このアッセイでは、化合物番号1263789、化合物番号1287745、及び化合物番号1358996のそれぞれが、化合物番号396443よりも効力がある。
【0242】
例えば、化合物番号1263789、化合物番号1287717、化合物番号1287745、及び化合物番号1358996はそれぞれ、化合物番号396443、化合物番号387954、及び化合物番号443305と比較して改善された3時間FOBスコアを示した。実施例6に示すように、700μgで、化合物番号1263789、化合物番号1287717、化合物番号1287745、及び化合物番号1358996は、それぞれ、0、3.25、1、及び0の3時間FOBスコアを達成した。比較すると、半分の用量(350μg)で化合物番号396443は4.0の3時間FOBスコアを達成し、同じ用量(700μg)で化合物番号387954と化合物番号443305は、それぞれ4.0と4.75の3時間FOBスコアを達成した。したがって、このアッセイでは、化合物番号1263789、化合物番号1287717、化合物番号1287745、及び化合物番号1358996のそれぞれが、化合物番号396443、化合物番号387954、及び化合物番号443305よりも忍容性が高い。
【0243】
例えば、化合物番号1263789、化合物番号1287717、化合物番号1287745、及び化合物番号1358996はそれぞれ、化合物番号396442及び化合物番号819735と比較して改善された長期忍容性を示した。実施例7に示されるように、化合物番号1263789、化合物番号1287717、化合物番号1287745、及び化合物番号1358996は、有害事象及びプルキンエ細胞喪失を示さず、対照の2倍未満の皮質GFAPmRNAを示した。比較すると、396442と819735はそれぞれ、特定の治療動物で、有害事象、プルキンエ細胞の喪失、及び対照の2倍を超える皮質GFAPmRNAを示した。したがって、このアッセイでは、化合物番号1263789、化合物番号1287717、化合物番号1287745、及び化合物番号1358996のそれぞれが、化合物番号396442及び化合物番号819735よりも忍容性が高い。
【0244】
参照による非限定的な開示及び組み込み
本明細書に列挙される文献及び特許公開のそれぞれは、参照によってその全体を本明細書に組み込む。本明細書に記載の特定の化合物、組成物、及び方法が特定の実施形態に従って具体的に記載されているが、以下の実施例は、本明細書に記載の化合物を例証する役目のみを果たし、それを限定するようには意図されていない。本出願に引用される参考文献、GenBank受入番号などの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0245】
本出願に添付される配列表が必要に応じて各配列を「RNA」または「DNA」のいずれか一方と特定するが、実際には、それらの配列は、化学修飾の任意の組み合わせで修飾され得る。当業者であれば、修飾オリゴヌクレオチドを説明するための「RNA」または「DNA」のような指定が、特定の事例において、任意であることを容易に認識するであろう。例えば、2’-OH糖部分及びチミン塩基を含むヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドは、修飾糖部分(DNAの1個の2’-Hの代わりに2’-OH)を有するDNAとして、または修飾塩基(RNAのウラシルの代わりにチミン(メチル化ウラシル))を有するRNAとして記述することができる。したがって、配列表中のものを含むが、これらに限定されない本明細書に提供される核酸配列は、修飾核酸塩基を有するそのような核酸を含むが、これらに限定されない天然または修飾RNA及び/またはDNAの任意の組み合わせを含有する核酸を包含するよう意図される。さらなる例として、限定するものではないが、核酸塩基配列「ATCGATCG」を有するオリゴマー化合物は、修飾または非修飾に関わらず、配列「AUCGAUCG」を有するようなRNA塩基を含むそのような化合物、及び「AUCGATCG」など一部のDNA塩基と一部のRNA塩基を有するもの、及び「ATmCGAUUCG」(ただし、mCは、5位にメチル基を有するシトシン塩基を示す)など他の修飾核酸塩基を有するオリゴマー化合物を含むが、これらに限定されないそのような核酸塩基配列を有する任意のオリゴマー化合物を包含する。
【0246】
本明細書に記載の特定の化合物(例えば、オリゴヌクレオチド)は1つ以上の不斉中心を含有し、したがって、絶対立体化学に関して(R)もしくは(S)として、糖アノマー等の場合にはαもしくはβとして、またはアミノ酸等の場合では(D)もしくは(L)として定義され得る、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び他の立体異性体配置を生じる。特定の立体異性体配置を有するものとして描写または記述される本明細書で提供される化合物には、示される化合物のみが含まれる。定義されない立体化学によって描写または記述される本明細書で提供される化合物には、別途明記されない限り、それらのステレオランダムな及び光学的に純粋な形態を含むすべてのそのような可能な異性体が含まれる。同様に、本明細書の化合物のすべてのシス及びトランス異性体ならびに互変異性体も、別途明記されない限り含まれる。本明細書に記載のオリゴマー化合物には、キラル的に純粋なまたは濃縮された混合物、ならびにラセミ混合物が含まれる。例えば、複数のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有するオリゴマー化合物には、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合のキラリティーが制御されているかまたはランダムであるような化合物が含まれる。別途明記されない限り、本明細書に記載の化合物は、対応する塩を含むことを意図している。
【0247】
本明細書に記載される化合物は、1個以上の原子が、示された元素の非放射性同位体または放射性同位体で置換された変形例を含む。例えば、水素原子を含む本明細書の化合物は、1H水素原子のそれぞれについてすべての可能な重水素置換を包含する。本明細書の化合物に包含される同位体置換としては、これらに限定されるものではないが、1Hの代わりの2Hまたは3H、12Cの代わりの13Cまたは14C、14Nの代わりの15N、16Oの代わりの17Oまたは18O、及び32Sの代わりの33S、34S、35S、または36Sが挙げられる。特定の実施形態では、非放射性同位体置換は、治療用または研究用のツールとしての使用に有益な新たな性質をオリゴマー化合物に付与することができる。特定の実施形態では、放射性同位体置換は、化合物を、イメージングなどの研究または診断目的に適したものにすることができる。
【実施例】
【0248】
以下の実施例は、本開示の特定の実施形態を例示するものであって、限定するものではない。さらに、特定の実施形態が提供される場合、本発明者らは、それらの特定の実施形態の一般的適用を企図している。
【0249】
実施例1:ヒトSMN2核酸に相補的な修飾オリゴヌクレオチドの設計
ヒトSMN2核酸に相補的な修飾オリゴヌクレオチドを以下の表に示すように設計し、合成した。
【0250】
以下の表の修飾オリゴヌクレオチドは、示すように長さが16、17、18、19、または20ヌクレオシドである。修飾オリゴヌクレオチドは、示すように、2’-MOE糖部分、2’-NMA糖部分、cEt糖部分、2’-OMe糖部分、及び/または2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む。修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、示すように、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合またはホスホジエステルヌクレオシド間結合のいずれかである。シトシンは、示すように、非メチル化シトシンまたは5-メチルシトシンのいずれかである。
【0251】
以下の表に列挙される各修飾オリゴヌクレオチドは、特に記載のない限り、配列番号1(ヌクレオチド19939708~19967777に切断されたGENBANK受入番号NT_006713.14)に100%相補的である。非相補的核酸塩基は、下線付き太字のイタリック体フォントで核酸配列の列に示される。以下の表に列挙されている各修飾オリゴヌクレオチドは、エキソン7含有のためのSMN2転写物の活性部位を標的とする。「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【0252】
表2
以下の表2の修飾オリゴヌクレオチドは、長さが16、17、18、19、または20ヌクレオシドである。各ヌクレオシドは2’-MOE糖部分を含む。各修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフは、糖モチーフ列に記載されており、各「e」は2’-MOE糖部分を表す。各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合またはホスホジエステルヌクレオシド間結合のいずれかである。各修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフは、ヌクレオシド間結合モチーフ列に提供されており、ここで、各「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す。各シトシンは5-メチルシトシンである。
以下の表2に列挙される各修飾オリゴヌクレオチドは、特に記載のない限り、配列番号1(ヌクレオチド19939708~19967777に切断されたGENBANK受入番号NT_006713.14)に100%相補的である。非相補的核酸塩基は、下線付き太字のイタリック体フォントで核酸配列の列に示される。「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【0253】
表3
以下の表3の修飾オリゴヌクレオチドは、長さが16、17、18、19、または20ヌクレオシドである。各ヌクレオシドは2’-NMA糖部分を含む。各修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフは、糖モチーフ列に記載されており、各「n」は2’-NMA糖部分を表す。各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、またはホスホジエステルヌクレオシド間結合のいずれかである。各修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフは、ヌクレオシド間結合モチーフ列に提供されており、ここで、各「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す。各シトシンは5-メチルシトシンである。
【0254】
以下の表3に列挙される各修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1(ヌクレオチド19939708~19967777に切断されたGENBANK受入番号NT_006713.14)に100%相補的である。「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【表3-1】
【表3-2】
【0255】
表4
以下の表4の修飾オリゴヌクレオチドは、長さが18または19ヌクレオシドである。各ヌクレオシドは、2’-MOE糖部分または2’-NMA糖部分のいずれかを含む。各修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフは、糖モチーフ列に記載されており、各「e」は2’-MOE糖部分を表し、各「n」は2’-NMA糖部分を表す。各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。各修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフは、ヌクレオシド間結合モチーフ列に提供されており、ここで、各「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0256】
以下の表4に列挙される各修飾オリゴヌクレオチドは、特に記載のない限り、配列番号1(ヌクレオチド19939708~19967777に切断されたGENBANK受入番号NT_006713.14)に100%相補的である。非相補的核酸塩基は、下線付き太字のイタリック体フォントで核酸配列の列に示される。「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【表4】
【0257】
表5
以下の表5の修飾オリゴヌクレオチドは、長さが16、17または18ヌクレオシドである。各ヌクレオシドは、2’-MOE糖部分またはcEt糖部分のいずれかを含む。各修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフは、糖モチーフ列に記載されており、各「e」は2’-MOE糖部分を表し、各「k」はcEt糖部分を表す。各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。各修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフは、ヌクレオシド間結合モチーフ列に提供されており、ここで、各「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0258】
以下の表5に列挙される各修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1(ヌクレオチド19939708~19967777に切断されたGENBANK受入番号NT_006713.14)に100%相補的である。「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【0259】
表6
以下の表6の修飾オリゴヌクレオチドは、長さが19または20ヌクレオシドである。各ヌクレオシドは、2’-MOE糖部分、2’-NMA糖部分、2’-OMe糖部分、または2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む。各修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフは、糖モチーフ列に記載されており、各「e」は2’-MOE糖部分を表し、各「n」は2’-NMA糖部分を表し、各「y」は2’-OMe糖部分を表し、各「d」は2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を表す。各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合またはホスホジエステルヌクレオシド間結合のいずれかである。ルヌクレオシド間結合モチーフ列に提供される、各修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフは(5’から3’):sssssssssssssssssoであり、ここで、各「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す。シトシンは、非メチル化シトシンまたは5-メチルシトシンのいずれかであり、核酸塩基配列列の各小文字の「c」は非メチル化シトシンを表し、核酸塩基配列列の各大文字の「C」は5-メチルシトシンを表す。
【0260】
以下の表6に列挙される修飾オリゴヌクレオチドの各核酸塩基は、特に記載のない限り、配列番号1(ヌクレオチド19939708~19967777に切断されたGENBANK受入番号NT_006713.14)に相補的である。非相補的核酸塩基は、下線付き太字のイタリック体フォントで核酸配列の列に示される。「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【表6-1】
【表6-2】
【0261】
表7
以下の表7の修飾オリゴヌクレオチドは、長さが19または20ヌクレオシドである。各ヌクレオシドは、2’-MOE糖部分、2’-NMA糖部分、または2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む。各修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフは、糖モチーフ列に記載されており、各「e」は2’-MOE糖部分を表し、各「n」は2’-NMA糖部分を表し、各「d」は2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を表す。各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合またはホスホジエステルヌクレオシド間結合のいずれかである。ルヌクレオシド間結合モチーフ列に提供される、各修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフは(5’から3’):sssssssssssssssssooであり、ここで、各「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す。各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0262】
以下の表7に列挙される修飾オリゴヌクレオチドの各核酸塩基は、特に記載のない限り、配列番号1(ヌクレオチド19939708~19967777に切断されたGENBANK受入番号NT_006713.14)に相補的である。非相補的核酸塩基は、下線付き太字のイタリック体フォントで核酸配列の列に示される。「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【0263】
表8
以下の表8の修飾オリゴヌクレオチドは、それぞれ19ヌクレオシド長である。各ヌクレオシドは、2’-MOE糖部分、2’-NMA糖部分、または2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む。各修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフは、糖モチーフ列に記載されており、各「e」は2’-MOE糖部分を表し、各「n」は2’-NMA糖部分を表し、各「d」は2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を表す。各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合またはホスホジエステルヌクレオシド間結合のいずれかである。ルヌクレオシド間結合モチーフ列に提供される、各修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフは(5’から3’):ssssssssssssosossoであり、ここで、各「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す。各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0264】
以下の表8に列挙される修飾オリゴヌクレオチドの各核酸塩基は、特に記載のない限り、配列番号1(ヌクレオチド19939708~19967777に切断されたGENBANK受入番号NT_006713.14)に相補的である。非相補的核酸塩基は、下線付き太字のイタリック体フォントで核酸配列の列に示される。「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【表8】
【0265】
表9
以下の表9の修飾オリゴヌクレオチドは、それぞれ19ヌクレオシド長である。各ヌクレオシドは、2’-MOE糖部分、2’-NMA糖部分、または2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を含む。各修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフは、糖モチーフ列に記載されており、各「e」は2’-MOE糖部分を表し、各「n」は2’-NMA糖部分を表し、各「d」は2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を表す。各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合またはホスホジエステルヌクレオシド間結合のいずれかである。ルヌクレオシド間結合モチーフ列に提供される、各修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフは(5’から3’):ssssssssssssssossoであり、ここで、各「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す。各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0266】
以下の表9に列挙される修飾オリゴヌクレオチドの各核酸塩基は、特に記載のない限り、配列番号1(ヌクレオチド19939708~19967777に切断されたGENBANK受入番号NT_006713.14)に相補的である。非相補的核酸塩基は、下線付き太字のイタリック体フォントで核酸配列の列に示される。「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【表9】
【0267】
表10
以下の表10の修飾オリゴヌクレオチドは、それぞれ19ヌクレオシド長である。各ヌクレオシドは、2’-MOE糖部分または2’-NMA糖部分を含む。各修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフは、糖モチーフ列に記載されており、各「e」は2’-MOE糖部分を表し、各「n」は2’-NMA糖部分を表す。各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合またはホスホジエステルヌクレオシド間結合のいずれかである。ルヌクレオシド間結合モチーフ列に提供される、各修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフは(5’から3’):osssssssssssssssssであり、ここで、各「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す。各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0268】
以下の表10に列挙される修飾オリゴヌクレオチドの各核酸塩基は、特に記載のない限り、配列番号1(ヌクレオチド19939708~19967777に切断されたGENBANK受入番号NT_006713.14)に相補的である。非相補的核酸塩基は、下線付き太字のイタリック体フォントで核酸配列の列に示される。「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【表10】
【0269】
表11
以下の表11の修飾オリゴヌクレオチドは、それぞれ20ヌクレオシド長である。各ヌクレオシドは、2’-MOE糖部分または2’-NMA糖部分を含む。各修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフは、糖モチーフ列に記載されており、各「e」は2’-MOE糖部分を表し、各「n」は2’-NMA糖部分を表す。各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合またはホスホジエステルヌクレオシド間結合のいずれかである。ルヌクレオシド間結合モチーフ列に提供される、各修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフは(5’から3’):osssssssssssssssssoであり、ここで、各「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す。各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0270】
以下の表11に列挙される各修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1(ヌクレオチド19939708~19967777に切断されたGENBANK受入番号NT_006713.14)に100%相補的である。「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【表11】
【0271】
実施例2:トランスジェニックマウス、単回投与(35μg)でのヒトSMN2に相補的な修飾オリゴヌクレオチドの活性
上記の選択された修飾オリゴヌクレオチドの活性は、ヒトSMN2トランスジェニックマウスで試験された。SMNIII型マウスの台湾株は、Jackson Laboratory(Bar Harbor,Maine)から入手した。これらのマウスはマウスSMNを欠いており、ヒトSMN2に対してホモ接合型(mSMN-/-;hSMN2+/+;FVB.Cg-Tg(SMN2)2HungSMN1tm1Hung/J,ストック番号005058;Bar Harbor,Maine)であるか、HOM/HOM(ストック番号00005058)をFVB/NJ(ストック番号001800)に繁殖させることによって得られたマウスSMNに対してヘテロ接合型、及び ヒトSMN2のヘテロ接合型(mSMN+/-;hSMN2+/-;FVB.Cg-Tg(SMN2)2HungSMN1tm1Hung/J)である。
【0272】
処置
ホモ接合型またはヘテロ接合型のトランスジェニックマウスをそれぞれ4匹のマウスの群に分けた。各マウスに35μgの修飾オリゴヌクレオチドをICVボーラス注射で単回投与した。比較化合物番号387954、396442、及び396443もこのアッセイで試験した。4匹のマウスの一群に陰性対照としてPBSを投与した。
【0273】
RNA分析
処置の二週間後、マウスを屠殺し、皮質脳組織と脊髄からRNAを抽出して、SMN2 RNAのリアルタイムqPCR分析を行った。プライマープローブセットhSMN2vd#4_LTS00216_MGB(順方向配列:GCTGATGCTTTGGGAAGTATGTTA(配列番号11);逆方向配列CACCTTCCTTCTTTTTGATTTTGTC、本明細書では配列番号12と指定;プローブ配列TACATGAGTGGCTATCATACT(配列番号13))を使用して、エキソン7(エキソン7+)を含むSMN2 RNAの量を決定した。プライマープローブセットhSMN2_Sumner68_PPS50481(順方向配列:CATGGTACATGAGTGGCTATCATACTG(配列番号14);逆方向配列:TGGTGTCATTTAGTGCTGCTCTATG(配列番号15);プローブ配列CCAGCATTTCCATATAATAGC(配列番号16))を使用して、エキソン7(エキソン7-)を除くSMN2 RNAの量を決定した。総SMN2 RNAレベルは、プライマープローブセットhSMN2_LTS00935(順方向配列:CAGGAGGATTCCGTGCTGTT(配列番号17);逆方向配列:CAGTGCTGTATCATCCCAAATGTC(配列番号18);プローブ配列:ACAGGCCAGAGCGAT(配列番号19))を使用して測定した。
【0274】
結果は、総SMN2レベルに正規化された、PBS対照と比較したRNAレベルの変化倍率として表す。表12~18は、それぞれ異なる実験を表す。
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【0275】
実施例3:トランスジェニックマウス、単回投与(15μg)でのヒトSMN2に相補的な修飾オリゴヌクレオチドの活性
上記の選択された修飾オリゴヌクレオチドの活性は、本質的に上記の実施例2に記載されたように、ヒトSMN2トランスジェニックマウスで試験された。比較化合番号396443及び819735もこのアッセイで試験された。トランスジェニックマウスを各4匹の群に分けた。各マウスに15μgの修飾オリゴヌクレオチドをICVボーラス注射で単回投与した。4匹のマウスの一群に陰性対照としてPBSを投与した。処置の二週間後、マウスを屠殺し、皮質脳組織と脊髄からRNAを抽出して、SMN2 RNAのリアルタイムqPCR分析を行った。結果は、総SMN2レベルに正規化された、PBS対照と比較したRNAレベルの変化倍率として表す。表19~23は、それぞれ異なる実験を表す。
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【0276】
実施例4:トランスジェニックマウス、単回投与(70μg)でのヒトSMN2に相補的な修飾オリゴヌクレオチドの活性
改変オリゴヌクレオチドの活性は、本質的に上記の実施例2に記載されているように、ヒトSMN2トランスジェニックマウスで試験された。トランスジェニックマウスは、それぞれ4匹のマウスの群に分けられた。各マウスに70μgの修飾オリゴヌクレオチドをICVボーラス注射で単回投与した。4匹のマウスの一群に陰性対照としてPBSを投与した。処置の二週間後、マウスを屠殺し、皮質脳組織と脊髄からRNAを抽出して、SMN2 RNAのリアルタイムqPCR分析を行った。結果は、総SMN2レベルに正規化された、PBS対照と比較したRNAレベルの変化倍率として表す。
【表24】
【0277】
実施例5:トランスジェニックマウス、複数回投与でのヒトSMN2に相補的な修飾オリゴヌクレオチドの活性
上記の選択された修飾オリゴヌクレオチドの活性は、本質的に上記の実施例2に記載されたように、ヒトSMN2トランスジェニックマウスで試験された。比較化合番号396443もこのアッセイで試験された。トランスジェニックマウスを各4匹の群に分けた。各マウスは、以下の表に示されるように複数回投与で修飾オリゴヌクレオチドの単回ICV注射を受けた。4匹のマウスの一群に陰性対照としてPBSを投与した。処置の二週間後、マウスを屠殺し、冠状脳と脊髄からRNAを抽出して、SMN2 RNAのリアルタイムqPCR分析を行った。結果は、総SMN2レベルに正規化された、PBS対照と比較したRNAレベルの変化倍率として表す。エキソン包含(エキソン7
+)のED
50は、非線形回帰、4パラメーター用量反応曲線[Y=Bottom+(Top-Bottom)/(1+(10^logEC50/X)^HillSlope)]を使用してGraphPad Prism7で計算した。
【表25】
【0278】
実施例6:野生型マウス、3時間試験でのSMN2に相補的な修飾オリゴヌクレオチドの忍容性
上記の修飾オリゴヌクレオチドを、忍容性を評価するために野生型雌性C57/Bl6マウスで試験した。野生型雌性C57/Bl6マウスのそれぞれに、以下の表に記載される700μgの修飾オリゴヌクレオチドを単回ICV注射した。比較化合物番号396443も、350μgの用量でこのアッセイで試験した。比較化合物番号387954、396442、443305、及び819735も、700μgの用量でこのアッセイで試験した。各処置群は4匹のマウスで構成された。4匹のマウスの一群に、各実験の陰性対照としてPBSを投与した(以下の別々の表で識別される)。注射の3時間後に7つの異なる基準に従ってマウスを評価した。基準は次のとおりである。(1)マウスは活発、敏感で、反応が良かった。(2)マウスは刺激なしで立ちあがったり、背中を丸めたりした。(3)マウスは刺激なしで何らかの動きを示した。(4)マウスを持ち上げるとマウスは前方への動きを示した。(5)マウスを持ち上げるとマウスは何らかの動きを示した。(6)マウスは尾を摘まむと反応した。(7)規則的な呼吸。7つの基準のそれぞれについて、基準を満たした場合はサブスコア0を与え、満たさなかった場合にはサブスコア1を与えた(機能観察総合スコアまたはFOB)。7つの基準すべてを評価した後、スコアを合計し、各処置群内で平均した。結果を以下の表に示す。表26~表49は、それぞれ異なる実験を表す。
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【表31】
【表32】
【表33】
【表34】
【表35】
【表36】
【表37】
【表38】
【表39】
【表40】
【表41】
【表42】
【表43】
【表44】
【表45】
【表46】
【表47】
【表48】
【表49】
【0279】
実施例7:ラット、長期評価でのヒトSMN2に相補的な修飾オリゴヌクレオチドの忍容性
同じ条件下で行われた別の試験では、スプラーグドーリーラットで上記の選択した修飾オリゴヌクレオチドを試験して、オリゴヌクレオチドの長期忍容性を評価した。比較化合物番号396442及び819735もこのアッセイで試験した。スプラーグドーリーラットの各々に、オリゴヌクレオチド3mgの単回髄腔内(IT)送達用量またはPBSを投与した。処置の1週間後から各動物の体重を測定し、訓練を受けた観察者が毎週有害事象を評価した。有害事象は、PBS処置対照動物では典型的ではない神経学的機能障害として定義され、限定されるものではないが、異常な四肢伸展、異常歩行、振戦、呼吸異常、麻痺、及び痙縮が含まれる。有害事象の発生は、機能障害が最初に記録された際の投薬後の週として定義される。有害事象が観察されなかった場合、発生はない(-)。有害事象の発生は通常、PBS処置動物と同様の体重増加/維持の欠如によって定義される発育不全と相関する。同様の忍容性評価は、Oestergaard et al.,Nucleic Acids Res.,2013Nov,41(21),9634-9650及びSouthwell et al.,Mol Ther.,2014Dec,22(12),2093-2106に記載されている。
【0280】
実験の終わりに、ラットを屠殺して組織を収集した。組織病理学は、カルビンジン染色を使用して小脳の切片で実施された。下の表に示すように、プルキンエ細胞の喪失がカルビンジン染色した小脳切片で観察された。小脳と脊髄も、修飾オリゴヌクレオチドに特異的な抗体を使用して評価した。オリゴヌクレオチドの取り込みがないことを示す動物は、組織病理学的分析から除外した。有害事象のために早期に屠殺した動物の組織学は完了しなかった。さらに、アストログリアのマーカーである皮質GFAP(Abdelhak,et al.,Scientific Reports,2018,8,14798)がRT-PCRを使用して測定され、平均上昇が2倍を超えていることが以下に示される。
【表50】
【0281】
実施例8:非ヒト霊長類、単回または反復投与での修飾オリゴヌクレオチドの忍容性及び薬物動態
カニクイザルを修飾オリゴヌクレオチドで処理して、修飾オリゴヌクレオチドの局所的及び全身忍容性と薬物動態を調べた。各群は、人工CSFまたは修飾オリゴヌクレオチドを単一の腰椎髄腔内ボーラス投与注射(IT)として、または反復投与の群の場合、実験の1日目にITボーラス投与を行い、その後の時点でITボーラス投与を行う。組織は、最後の注射の1週間後に収集される。
【0282】
単回投与試験では、サルに修飾オリゴヌクレオチドの単回投与が行われ、忍容性が評価される。成体のカニクイザルでの単回投与試験の代表的な用量には、1mg、3mg、7mg、及び35mgが含まれる。
【0283】
反復投与試験で、サルは試験の1日目にITボーラス用量を投与され、その後毎週(例えば、4週間の試験では8、15及び22日目)または毎月(例えば、13週間の試験では29、57及び84日目)にITボーラス投与される。成体のカニクイザルでの反復投与試験の代表的な用量には、1mg、3mg、7mg、及び35mgが含まれる。
【0284】
忍容性の評価は、臨床観察、体重、食物消費、感覚運動反射、脳反射及び脊髄反射を含む身体的及び神経学的検査、凝固、血液学、臨床化学(血液及び脳脊髄液(CSF))、細胞数、及び解剖学的病理学の評価に基づく。肉眼での異常を記録して完全な剖検を実施する。臓器重量を測定し、顕微鏡検査を実施する。補体分析のために血液を採取する。さらに、毒物動態評価のために、血液、CSF、及び組織(剖検時)が採取される。
【0285】
修飾オリゴヌクレオチドの忍容性は、修飾オリゴヌクレオチドまたは対照で処理されたカニクイザルのAif1及びGfapレベルを測定することにより、脳及び脊髄組織で分析される。脳と脊髄の試料を採取し、液体窒素で瞬間冷凍し、凍結保存する(-60℃~-90℃)。サンプリング時に、2mmの生検パンチを使用して、RNA分析用の凍結組織から試料を採取する。パンチは、複数の脳と脊髄の領域から取得される。
【0286】
実施例9:化合物番号1263789、1287717、1287745、または1358996を用いた第Ia相ヒト臨床試験
ヒトSMN2に相補的な修飾オリゴヌクレオチドの安全性、忍容性、薬物動態、薬力学、及び有効性は、臨床試験設定で評価される。修飾オリゴヌクレオチドの単回及び/または複数回投与は、I型SMA、II型SMA、III型SMA、またはIV型SMAなどの確認されたSMAの患者で評価される。
【0287】
試験期間中は患者の安全性を綿密に監視する。安全性と忍容性の評価には、身体検査と標準的な神経学的評価(眼底を含む)、バイタルサイン(HR、BP、起立性変化、体重)、ECG、AE及び併用薬、コロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)、CSF安全性ラボ(細胞数、タンパク質、ブドウ糖)、血漿検査室試験(臨床化学、血液学)、及び尿検査が含まれる。
【0288】
年齢と型に適した有効性評価が選択され、例えば、SMAの子供の運動機能を評価するために使用される信頼性の高い検証済みツールであるHammersmith運動機能評価スケール(HFMSE);小児の生活の質(PedsQL(商標))測定4.0一般的尺度、小児の生活の質3.0神経筋モジュール;複合筋活動電位(CMAP);運動単位数推定(MUNE);上肢モジュール(ULM);及び6分間歩行テスト(6MWT)が含まれる(Darras,et al.,Neurology,2019,92:e2492-e2506)。
【0289】
実施例10:ヒトSMN2核酸に相補的な修飾オリゴヌクレオチドの設計
ヒトSMN2核酸に相補的な修飾オリゴヌクレオチドを以下の表に示すように設計し、合成した。
【0290】
以下の表に列挙される各修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1(ヌクレオチド19939708~19967777に切断されたGENBANK受入番号NT_006713.14)に100%相補的である。「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【0291】
以下の表の修飾オリゴヌクレオチドは、18ヌクレオシド長である。各ヌクレオシドは、2’-MOE糖部分または2’-NMA糖部分のいずれかを含む。各修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフは、糖モチーフ列に記載されており、各「e」は2’-MOE糖部分を表し、各「n」は2’-NMA糖部分を表す。各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、ホスホジエステルヌクレオシド間結合、メトキシプロピルホスホネートヌクレオシド間結合、またはメシルホスホルアミデート(MsP)ヌクレオシド間結合のいずれかである。各修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフは、ヌクレオシド間結合モチーフ列に提供され、各「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、各「x」はメトキシプロピルホスホネートヌクレオシド間結合を表し、各「z」は、メシルホスホルアミデート(MsP)ヌクレオシド間結合を表す。各シトシンは、5-メチルシトシンである。修飾オリゴヌクレオチド449320は、国際特許第WO2015/161170A2号に以前に記載されている。
【表51】
【0292】
以下の表の修飾オリゴヌクレオチドはすべて、配列(5’から3’):TCACTTTCATAATGCTGG(配列番号23)からなる。以下の表に記載される各修飾オリゴヌクレオチドは、配列番号1に100%相補的である(上述)。「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も5’側のヌクレオシドを示す。「停止部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【0293】
以下の表の修飾オリゴヌクレオチドは、18ヌクレオシド長である。各ヌクレオシドは、2’-MOE糖部分または2’-NMA糖部分のいずれかを含む。各修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフは、糖モチーフ列に記載されており、各「e」は2’-MOE糖部分を表し、各「n」は2’-NMA糖部分を表す。各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、ホスホジエステルヌクレオシド間結合、またはメシルホスホルアミデート(MsP)ヌクレオシド間結合のいずれかである。各修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合モチーフは、ヌクレオシド間結合モチーフ列に提供され、各「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、各「o」はホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、各「z」は、メシルホスホルアミデート(MsP)ヌクレオシド間結合を表す。各シトシンは、5-メチルシトシンである。以下の表の修飾オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの5’-OHに結合した6-パルミタミドヘキシルホスフェートコンジュゲート基に共役されている。コンジュゲート基の構造は次のとおりである。
【化23】
【表52】
【0294】
以下の表の修飾オリゴヌクレオチドはすべて、配列(5’から3’):TCACTTTCATAATGCTGG(配列番号23)からなり、配列番号1の開始部位27062及び停止部位27079であり(上述)、ここで、「開始部位」は、修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も5’側のヌクレオシドを示し、「停止部位」は修飾オリゴヌクレオチドが標的核酸配列で相補的である最も3’側のヌクレオシドを示す。
【0295】
以下の表の修飾オリゴヌクレオチドは、18ヌクレオシド長である。各修飾オリゴヌクレオチドの糖及びヌクレオシド間結合モチーフは、配列及び化学表記の列に示され、ここで、各下付き文字「n」は2’-NMA糖部分を表し、各下付き文字「[DMA]」は2’-O-(N,N-ジメチル)アセトアミド部分を表し、各下付き文字「[NEA]」は2’-O-(N-エチル)アセトアミド部分を表し、各下付き文字「[NPA]」は2’-O-(N-プロピル)アセトアミド部分を表し、各下付き文字「[NcPA]」は2’O-(N-シクロプロピル)アセトアミド部分を表し、各下付き文字「[McPA]」は2’-O-(N-シクロプロピルメチル)アセトアミド部分を表し、各下付き文字「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。各シトシンは5-メチルシトシンであり、シトシン残基(
mC)の前の上付き文字「m」は5-メチルシトシンを表す。以下の表に示されている各糖の構造は次のとおりである。
【化24】
【表53】
【0296】
実施例11:トランスジェニックマウス、単回投与(35μg)でのヒトSMN2に相補的な修飾オリゴヌクレオチドの活性
上記の選択された修飾オリゴヌクレオチドの活性を、本質的に上記の実施例2に記載されているように、ヒトSMN2トランスジェニックマウスで試験した。
【0297】
処置
トランスジェニックマウスを各4匹からなるマウスの群に分けた。各マウスは、以下の表に示される用量で修飾オリゴヌクレオチドの単回ICVボーラスを投与した。4匹のマウスの一群に陰性対照としてPBSを投与した。処置の二週間後、マウスを屠殺し、冠状脳と脊髄からRNAを抽出して、SMN2 RNAのリアルタイムqPCR分析を行った。結果は、総SMN2レベルに正規化された、PBS対照と比較したRNAレベルの変化倍率として表す。エキソン包含(エキソン7+)のED50は、非線形回帰、4パラメーター用量反応曲線[Y=Bottom+(Top-Bottom)/(1+(10^logEC50/X)^HillSlope)]を使用してGraphPad Prism7で計算した。
【0298】
RNA分析
処置の二週間後、マウスを屠殺し、皮質脳組織と脊髄からRNAを抽出して、SMN2 RNAのリアルタイムqPCR分析を行った。プライマープローブセットhSMN2vd#4_LTS00216_MGBを使用して、エキソン7(エキソン7
+)を含有するSMN2 RNAの量を測定した。プライマープローブセットhSMN2_Sumner68_PPS50481を使用して、エキソン7(エキソン7
-)を除くSMN2 RNAの量を測定した。総SMN2 RNAレベルは、プライマープローブセットhSMN2_LTS00935を使用して測定した。結果は、総SMN2レベルに正規化された、PBS対照と比較したRNAレベルの変化倍率として表す。
【表54】
【表55】
【0299】
実施例12:トランスジェニックマウス、単回投与(15μg)でのヒトSMN2に相補的な修飾オリゴヌクレオチドの活性
上記の選択された修飾オリゴヌクレオチドの活性を、本質的に上記の実施例2に記載されているように、ヒトSMN2トランスジェニックマウスで試験した。
【0300】
処置
トランスジェニックマウスを各4匹からなるマウスの群に分けた。各マウスは、以下の表に示される用量で修飾オリゴヌクレオチドの単回ICVボーラスを投与した。4匹のマウスの一群に陰性対照としてPBSを投与した。処置の二週間後、マウスを屠殺し、冠状脳と脊髄からRNAを抽出して、SMN2 RNAのリアルタイムqPCR分析を行った。結果は、総SMN2レベルに正規化された、PBS対照と比較したRNAレベルの変化倍率として表す。エキソン包含(エキソン7+)のED50は、非線形回帰、4パラメーター用量反応曲線[Y=Bottom+(Top-Bottom)/(1+(10^logEC50/X)^HillSlope)]を使用してGraphPad Prism7で計算した。
【0301】
RNA分析
処置の二週間後、マウスを屠殺し、皮質脳組織と脊髄からRNAを抽出して、SMN2 RNAのリアルタイムqPCR分析を行った。プライマープローブセットhSMN2vd#4_LTS00216_MGBを使用して、エキソン7(エキソン7
+)を含有するSMN2 RNAの量を測定した。プライマープローブセットhSMN2_Sumner68_PPS50481を使用して、エキソン7(エキソン7
-)を除くSMN2 RNAの量を測定した。総SMN2 RNAレベルは、プライマープローブセットhSMN2_LTS00935を使用して測定した。結果は、総SMN2レベルに正規化された、PBS対照と比較したRNAレベルの変化倍率として表す。
【表56】
【0302】
実施例13:トランスジェニックマウス、複数回投与でのヒトSMN2に相補的な修飾オリゴヌクレオチドの活性
上記の選択された修飾オリゴヌクレオチドの活性を、本質的に上記の実施例2に記載されているように、ヒトSMN2トランスジェニックマウスで試験した。
【0303】
処置
トランスジェニックマウスを各4匹の群に分けた。各マウスは、以下の表に示されるように複数回投与で修飾オリゴヌクレオチドの単回ICV注射を受けた。4匹のマウスの一群に陰性対照としてPBSを投与した。処置の二週間後、マウスを屠殺し、冠状脳と脊髄からRNAを抽出して、SMN2 RNAのリアルタイムqPCR分析を行った。結果は、総SMN2レベルに正規化された、PBS対照と比較したRNAレベルの変化倍率として表す。エキソン包含(エキソン7+)のED50は、非線形回帰、4パラメーター用量反応曲線[Y=Bottom+(Top-Bottom)/(1+(10^logEC50/X)^HillSlope)]を使用してGraphPad Prism7で計算した。
【0304】
RNA分析
処置の二週間後、マウスを屠殺し、皮質脳組織と脊髄からRNAを抽出して、SMN2 RNAのリアルタイムqPCR分析を行った。プライマープローブセットhSMN2vd#4_LTS00216_MGBを使用して、エキソン7(エキソン7
+)を含有するSMN2 RNAの量を測定した。プライマープローブセットhSMN2_Sumner68_PPS50481を使用して、エキソン7(エキソン7
-)を除くSMN2 RNAの量を測定した。総SMN2 RNAレベルは、プライマープローブセットhSMN2_LTS00935を使用して測定した。結果は、総SMN2レベルに正規化された、PBS対照と比較したRNAレベルの変化倍率として表す。
【表57】
【表58-1】
【表58-2】
【表59】
【0305】
実施例15:野生型マウスでのSMN2に相補的な修飾オリゴヌクレオチドの忍容性
上記の修飾オリゴヌクレオチドを、オリゴヌクレオチドの忍容性を評価するために野生型雌性C57/Bl6マウスで試験した。野生型雌性C57/Bl6マウスのそれぞれに、700μgの以下の表に記載される修飾オリゴヌクレオチドを単回ICV投与した。各処置群は4匹のマウスで構成された。4匹のマウスの一群に、各実験の陰性対照としてPBSを投与した(以下の別々の表で識別される)。注射の3時間後に7つの異なる基準に従ってマウスを評価した。基準は次のとおりである。(1)マウスは活発、敏感で、反応が良かった。(2)マウスは刺激なしで立ちあがったり、背中を丸めたりした。(3)マウスは刺激なしで何らかの動きを示した。(4)マウスを持ち上げるとマウスは前方への動きを示した。(5)マウスを持ち上げるとマウスは何らかの動きを示した。(6)マウスは尾を摘まむと反応した。(7)規則的な呼吸。7つの基準のそれぞれについて、基準を満たした場合はサブスコア0を与え、満たさなかった場合にはサブスコア1を与えた(機能観察総合スコアまたはFOB)。7つの基準すべてを評価した後、スコアを各マウスについて合計し、各処置群内で平均した。結果を以下の表に示す。
【表60】
ある態様において、本発明は以下であってもよい。
[態様1]16、17、18、19または20個の連結したヌクレオシドからなり、及び配列番号20~50の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも15個または少なくとも16個の連続した核酸塩基を含む前記核酸塩基配列を有する、修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖部分及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、前記オリゴマー化合物。
[態様2]17、18、19または20個の連結したヌクレオシドからなり、及び配列番号20~27、29~30または32~50の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも15個、少なくとも16個または少なくとも17個の連続した核酸塩基を含む前記核酸塩基配列を有する、修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖部分及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、前記オリゴマー化合物。
[態様3]18、19または20個の連結したヌクレオシドからなり、及び配列番号20~27、30または33~50の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個または少なくとも18個の連続した核酸塩基を含む前記核酸塩基配列を有する、修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖部分及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、前記オリゴマー化合物。
[態様4]19または20個の連結したヌクレオシドからなり、及び配列番号20、22、24~27、30、33~50の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個または少なくとも19個の連続した核酸塩基を含む前記核酸塩基配列を有する、修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖部分及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、前記オリゴマー化合物。
[態様5]20個の連結したヌクレオシドからなり、及び配列番号20、22、25、27、35、39~46または49の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも15個、少なくとも16個、または少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続した核酸塩基を含む前記核酸塩基配列を有する、修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾糖部分及び修飾ヌクレオシド間結合から選択される少なくとも1つの修飾を含む、前記オリゴマー化合物。
[態様6]前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列全体にわたって測定した場合、前記修飾オリゴヌクレオチドが、配列番号1の核酸塩基配列に少なくとも80%、85%、87.5%、88.2%、89%、89.4%、90%、93.7%、94%、94.7%、95%または100%相補的である核酸塩基配列を有する、態様1~5のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様7]前記修飾オリゴヌクレオチドが、sososssssssssssss、ssosssssssssssoss、ssosssssosssssoss、ssosssosssosssoss、soossssssssssooss、sooosssssssssooss、sooossssssssoooss、sssssssooosssssss、ssossssssssssssss、ssssossssssssssss、ssssssossssssssss、ssssssssossssssss、ssssssssssossssss、ssssssssssssossss、ssssssssssssssoss、sossssssssssssoss、sosssssssssosssss、sosssssssosssssss、sosssssosssssssss、sosssosssssssssss、ssssosssssssssoss、ssssssosssssssoss、ssssssssosssssoss、ssssssssssosssoss、ssssssssssssososs、soossssssssssssss、sssoossssssssssss、sssssoossssssssss、sssssssoossssssss、sssssssssoossssss、sssssssssssoossss、sssssssssssssooss、sssssssoooossssss、ssoooosssssssssss、ssssoooosssssssss、ssssssssoooosssss、ssssssssssoooosss、sssssssssssooooss、ssssssooooossssss、ssssssoooooosssss、soooosssssssoooss、sssssooooooosssss、ssssssssssssssoss、ssssssssssssosss、sssssssssssssooss、ssssssssssssososs、sssssssssssosssss、sssssssssssososss、ssssssssssossosss、sssssssssosssssss、sssssssssosssosss、ssssssssosssssoss、ssssssssossssosss、sssssssosssssssss、sssssssoossssssss、sssssosssssssssss、sssosssssssssssss、sosssssssssssssss、sossssssossssssss、soossssssssssssss、ossssssssssssssssso、sssssssssssssssssoo、ssssssssssssssssoss、sssssssssssssssooss、ssssssssssssssososs、sssssssssosssssssss、sssssssssossssssoss、ssssssssoosssssssss、sosssssssssssssssss、sossssssssssssssoss、sosssssssosssssssss、sososssssssssssssss、soossssssssssssssss、sssssssssssssssssss、ssssssssssssssssso、ossssssssssssssssss、ssssssssssssososso、sssssssssssssssoss、sssssssssssssososs、ssssssssosssssssss、ssssssssossssssoss、sossssssssssssssss、sosssssssssssssoss、sossssssosssssssss、sosossssssssssssss、ssssssssssooooss、ssssssssoooossss、sssssssooossssss、ssssssoooossssss、ssssssooooosssss、sssssoooooosssss、sssssooooooossss、ssssoooossssssss、ssossssssssssoss、ssosssssossssoss、ssosssosssossoss、ssossossossososs、ssososososososss、ssoooossssssssss、soosssssssssooss、sooossssssssooss、sooosssssssoooss、soooossssssoooss、sssssssssooooss、ssssssssoooosss、ssssssooossssss、ssssssoooosssss、sssssooooosssss、sssssoooooossss、ssssoooosssssss、ssssooooooossss、sssosssosssosss、ssosssssssssoss、ssossossossosss、ssossossosososs、ssososososososs、ssoooosssssssss、soossssssssooss、sooosssssssooss、sooossssssoooss、及びsoooosssssooossから選択される、ヌクレオシド間結合モチーフ(5’から3’)を有し、ここで、「s」がホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、「o」がホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す、態様1~6のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様8]前記修飾オリゴヌクレオチドが、sssssssssssssssxs及びssssssssssssssssxから選択されるヌクレオシド間結合モチーフを有し、ここで、「s」がホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、「o」がホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、「x」がメトキシプロピルホスホネートヌクレオシド間結合を表す、態様1~6のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様9]前記修飾オリゴヌクレオチドが、zzzzzzzzzzzzzzzzz、ssssssssssszzzzzz、ssssszzzzzzssssss、zzooooooooooooozz、zzzzooooooooooozz、zzzzzzooooooooozz、zzzzzzzzooooooozz及びssooooooooooooossから選択されるヌクレオシド間結合モチーフを有し、「s」がホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、「o」がホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、「z」がメシルホスホラミデートヌクレオシド間結合を表す、態様1~6のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様10]前記修飾オリゴヌクレオチドが、eeeeeeeeeeeeeeeeeeee、eeeeeeeeeeeeeeeeeee、eeeeeeeeeeeeeeeeee、eeeeeeeeeeeeeeeee、eeeeeeeeeeeeeeee、nnnnnnnnnnnnnnnn、nnnnnnnnnnnnnnnnn、nnnnnnnnnnnnnnnnnn、nnnnnnnnnnnnnnnnnnn、nnnnnnnnnnnnnnnnnnnn、nennnnneneennnnnnn、nnnnnnnnnnnnenneen、nennnnneneenenneen、nnnnnnnnnnnnnnnnnne、nnnnnnnnnnnnnnnnnnd、nnnnnnnnnnnnnnnnnny、nnnnnnnnnnnnnnnnnndd、nnnnnnnnnnnnnnnnnned、nnnnnnnnnnnnnnnnnnde、nnnnnnnnnnnnnnnnnnee、eeeeeeeeeeeeeeeeeedd、eeeeeeeeeeeeeeeeeeed、eeeeeeeeeeeeeeeeeede、nnnnnnnnnnnnnnnnnnd、nnnnnnnnnnnnnnnnnne、eeeeeeeeeeeeeeeeeed、keekeekeekeekeeeek、keeekeeekeeekeeeek、keeeeekeeeeekeeeek、keeeeeeekeeeeeeeek、keeeeeeeeeeeeeeeek、eeekeekeekeekeekek、eeekeekeekeekeekee、eeeeeekeekeekeekee、eeeeeekeekeekeeeee、eeeeeekeeeeekeeeee、keekeekeekeeeeeeee、eeeeeeeekeekeekeek、keekeekeeeeeeeeeee、eeeeeeeeeeekeekeek、keekeeeeeeeeeeeeee、eeeeeeeeeeeeeekeek、keekeekeekeekeeek,keeekeeekeeekeeek、keeeekeeeeekeeeek、keeeeeeekeeeeeeek,keeeeeeeeeeeeeeek、eekeekeekeekeekek、eekeekeekeekeekee、eeeeekeekeekeekee、eeeeekeekeekeeeee、eeeeekeeeeekeeeee、keekeekeekeeeeeee、eeeeeeekeekeekeek、keekeekeeeeeeeeee、eeeeeeeeeekeekeek、keekeeeeeeeeeeeee、eeeeeeeeeeeeekeek、keekeekeekeekeek、keeekeeekeeekeek、keeeekeeeekeeeek、keeeeeeekeeeeeek、keeeeeeeeeeeeeek、kekeekeekeekeeke、eekeekeekeekeeke、eeeeekeekeekeeke、eeeeekeekeekeeee、eeeeekeeeeekeeee、keekeekeekeeeeee、eeeeeekeekeekeek、keekeekeeeeeeeee、eeeeeeeeekeekeek、keekeeeeeeeeeeee、eeeeeeeeeeeekeek、eeeeeeeeeeeeeeeeeed、eeeeeeeeeeeeeeeeeey、ennnnnnnnnnnnnnnnnn、及びennnnnnnnnnnnnnnnnneから選択されるここで、糖部分モチーフ(5’から3’)を有し、ここで「e」が2’-MOE糖部分を表し、「n」が2’-NMA糖部分を表し、「k」がcEt糖部分を表し、「d」が2’-β-D-デオキシリボシル糖部分を表し、「y」が2’-OMe糖部分を表す、態様1~9のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様11]前記修飾オリゴヌクレオチドが、nnnnnnnnnnnnnnnenn及びnnnnnnnnnnnnnnnnenから選択される糖モチーフ(5’から3’)を有し、ここで、「e」が2’-MOE糖部分を表し、「n」が2’-NMA糖部分を表す、態様1~9のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様12]修飾オリゴヌクレオチドがqqnqqqqqnqnnqnqqnnの糖モチーフ(5’から3’)を有し、各「n」が2’-NMA糖部分を表し、各「q」が2’-O-(N,N-ジメチル)アセトアミド糖部分、2’-O-(N-エチル)アセトアミド糖部分、2’-O-(N-プロピル)アセトアミド糖部分、2’-O-(N-シクロプロピル)アセトアミド糖部分及び2’-O-(N-シクロプロピルメチル)アセトアミド糖部分からそれぞれ独立して選択される、態様1~9のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様13]前記修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1個の修飾糖部分を含む、態様1~9のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様14]前記修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1個の二環式糖部分を含む、態様13に記載のオリゴマー化合物。
[態様15]前記二環式修飾糖部分が4’-2’架橋を有し、前記4’-2’架橋が、-CH
2-O-及び-CH(CH
3)-O-から選択される、態様14に記載のオリゴマー化合物。
[態様16]前記修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1個の非二環式修飾糖部分を含む、態様13に記載のオリゴマー化合物。
[態様17]前記非二環式修飾糖部分が2’-MOE糖部分、2’-NMA糖部分、2’-OMe糖部分、または2’-F糖部分のいずれかである、態様16に記載のオリゴマー化合物。
[態様18]前記修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1個の糖代替物を含む、態様13に記載のオリゴマー化合物。
[態様19]前記糖代替物がモルホリノ、修飾モルホリノ、PNA、THP及びF-HNAのいずれかである、態様18に記載のオリゴマー化合物。
[態様20]前記修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合を含む、態様1~6及び10~16のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様21]前記修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、修飾ヌクレオシド間結合である、態様20に記載のオリゴマー化合物。
[態様22]前記修飾ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、態様20または態様21に記載のオリゴマー化合物。
[態様23]前記修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのホスホジエステルヌクレオシド間結合を含む、態様1~20または22のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様24]前記各ヌクレオシド間結合が、ホスホジエステルヌクレオシド間結合及びホスホロチオエートヌクレオシド間結合から独立して選択される、態様20、22、または23のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様25]前記修飾オリゴヌクレオチドが、sososssssssssssss、soossssssssssssss、sosssosssssssssss、sosssssosssssssss、sosssssssosssssss、sssoossssssssssss、sssssssoossssssss、sssssssssoossssss、及びsssssssssssoossssから選択されるヌクレオシド間結合モチーフ(5’から3’)を有し、ここで、「s」がホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、「o」がホスホジエステルヌクレオシド間結合を表す、態様10~16のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様26]前記修飾オリゴヌクレオチドが、修飾核酸塩基を含む、態様1~25のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様27]前記修飾核酸塩基が、5-メチルシトシンである、態様26に記載のオリゴマー化合物。
[態様28]前記修飾オリゴヌクレオチドが、16個、17個、18個、19個または20個の連結ヌクレオシドからなる、態様1~27のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様29]前記修飾オリゴヌクレオチドが1個または2個の非相補性核酸塩基を含む、態様1~28のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様30]前記修飾オリゴヌクレオチドが1個または2個の切断可能部分を含む、態様1~29のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様31]前記切断可能部分がホスホジエステルヌクレオシド間結合である、態様30に記載のオリゴマー化合物。
[態様32]前記修飾オリゴヌクレオチドからなる、態様1~31のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様33]前記オリゴマー化合物が一本鎖オリゴマー化合物である、態様1~32のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様34]以下の化学表記:
mC
esA
eo
mC
esT
eoT
esT
es
mC
esA
esT
esA
esA
esT
esG
es
mC
esT
esG
esG
es
mC
eによる修飾オリゴヌクレオチド(配列番号21)であって、ここで
Aは、アデニン核酸塩基であり、
mCは、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gは、グアニン核酸塩基であり、
Tは、チミン核酸塩基であり、
eは、2’-MOE糖部分であり、
sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、
oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物。
[態様35]以下の化学表記:T
eoT
es
mC
esA
es
mC
esT
esT
esT
es
mC
esA
esT
esA
esA
esT
esG
es
mC
esT
esG
esG
eo
mC
eによる修飾オリゴヌクレオチド(配列番号22)であって、ここで
Aは、アデニン核酸塩基であり、
mCは、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gは、グアニン核酸塩基であり、
Tは、チミン核酸塩基であり、
eは、2’-MOE糖部分であり、
sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、
oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物。
[態様36]以下の化学表記:T
eoT
ns
mC
nsA
ns
mC
nsT
nsT
nsT
ns
mC
nsA
nsT
nsA
nsA
nsT
nsG
ns
mC
nsT
nsG
nsG
no
mC
eによる修飾オリゴヌクレオチド(配列番号22)であって、ここで
Aは、アデニン核酸塩基であり、
mCは、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gは、グアニン核酸塩基であり、
Tは、チミン核酸塩基であり、
eは、2’-MOE糖部分であり、
nは、2’-NMA糖部分であり、
sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、
oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物。
[態様37]以下の化学表記:
mC
nsA
no
mC
nsT
noT
nsT
ns
mC
nsA
nsT
nsA
nsA
nsT
nsG
ns
mC
nsT
nsG
nsG
ns
mC
nによる修飾オリゴヌクレオチド(配列番号21)であって、ここで
Aは、アデニン核酸塩基であり、
mCは、5-メチルシトシン核酸塩基であり、
Gは、グアニン核酸塩基であり、
Tはチミン核酸塩基であり、
nは、2’-NMA糖部分であり、
sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、
oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合である、前記修飾オリゴヌクレオチドを含む、オリゴマー化合物。
[態様38]以下の化学構造:
【化25-1】
に基づく、修飾オリゴヌクレオチドまたはその塩。
[態様39]前記ナトリウム塩または前記カリウム塩である、態様38に記載の修飾オリゴヌクレオチド。
[態様40]以下の化学構造:
【化25-2】
に基づく、修飾オリゴヌクレオチド。
[態様41]以下の化学構造:
【化25-3】
に基づく、修飾オリゴヌクレオチドまたはその塩。
[態様42]前記ナトリウム塩または前記カリウム塩である、態様41に記載の修飾オリゴヌクレオチド。
[態様43]以下の化学構造:
【化25-4】
に基づく修飾オリゴヌクレオチド。
[態様44]以下の化学構造:
【化25-5】
に基づく、修飾オリゴヌクレオチドまたはその塩。
[態様45]前記ナトリウム塩または前記カリウム塩である、態様44に記載の修飾オリゴヌクレオチド。
[態様46]以下の化学構造:
【化25-6】
に基づく修飾オリゴヌクレオチド。
[態様47]以下の化学構造:
【化25-7】
に基づく、修飾オリゴヌクレオチドまたはその塩。
[態様48]前記ナトリウム塩または前記カリウム塩である、態様47に記載の修飾オリゴヌクレオチド。
[態様49]以下の化学構造:
【化25-8】
に基づく、修飾オリゴヌクレオチド。
[態様50]態様1~37のいずれか一に記載のオリゴマー化合物または態様38~49のいずれか一に記載の修飾オリゴヌクレオチド、及び薬学的に許容される担体または希釈剤、を含む、医薬組成物。
[態様51]医薬的に許容される希釈剤を含む態様50に記載の医薬組成物であって、前記医薬的に許容される希釈剤が人工CSF(aCSF)またはPBSである、前記医薬組成物。
[態様52]前記医薬組成物が前記修飾オリゴヌクレオチド及び人工CSF(aCSF)から本質的になる、態様51に記載の医薬組成物。
[態様53]前記医薬組成物が前記修飾オリゴヌクレオチド及びPBSから本質的になる、態様52に記載の医薬組成物。
[態様54]態様38~49のいずれか一に記載の修飾オリゴヌクレオチドのキラル濃縮集団であって、前記集団が、特定の立体化学配置を有する少なくとも1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドに対し濃縮されている、前記キラル濃縮集団。
[態様55]前記集団が、(Sp)配置を有する少なくとも1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドに対し濃縮されている、態様54に記載のキラル濃縮集団。
[態様56]前記集団が、(Rp)配置を有する少なくとも1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む修飾オリゴヌクレオチドについて濃縮されている、態様54に記載のキラル濃縮集団。
[態様57]前記集団が、それぞれのホスホロチオエートヌクレオシド間結合に特定の独立して選択された立体化学配置を有する修飾オリゴヌクレオチドについて濃縮されている、態様54に記載のキラル濃縮集団。
[態様58]前記集団が、各ホスホロチオエートヌクレオシド間結合に(Sp)配置を有する修飾オリゴヌクレオチドについて、または各ホスホロチオエートヌクレオシド間結合に(Rp)配置を有する修飾オリゴヌクレオチドについて濃縮されている、態様57に記載のキラル濃縮集団。
[態様59]前記集団が、1つの特定のホスホロチオエートヌクレオシド間結合に(Rp)配置を有し、残りのそれぞれのホスホロチオエートヌクレオシド間結合に(Sp)配置を有する修飾オリゴヌクレオチドについて濃縮されている、態様57に記載のキラル濃縮集団。
[態様60]前記集団が、5’から3’の方向にSp、Sp、及びRp配置の少なくとも3個の連続したホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有する修飾オリゴヌクレオチドについて濃縮されている、態様57に記載のキラル濃縮集団。
[態様61]前記修飾オリゴヌクレオチドのホスホロチオエートヌクレオシド間結合のすべてがステレオランダムである、態様38~49のいずれか一に記載の修飾オリゴヌクレオチドの集団。
[態様62]SMN1またはSMN2に関連する疾患を治療する方法であって、SMN1またはSMN2に関連する疾患を有するまたは発症するリスクのある対象に、態様50~53のいずれか一に記載の医薬組成物の治療上有効な量を投与することを含み、それによってSMN1またはSMN2に関連する疾患を治療する、前記方法。
[態様63]前記SMN1またはSMN2と関連する疾患が、神経変性疾患である、態様62に記載の方法。
[態様64]前記神経変性疾患が脊髄性筋萎縮症(SMA)である、態様63に記載の方法。
[態様65]前記SMAがI型SMA、II型SMA、III型SMA、またはIV型SMAのいずれかである、態様64に記載の方法。
[態様66]SMAの少なくとも1つの症状が寛解される、態様64または態様65に記載の方法。
[態様67]前記症状が、筋力の低下;背筋を伸ばして座ったり、立ったり及び/または歩いたりすることができない、またはその能力の低下;神経筋活動の低下;1つ以上の筋肉の電気的活性の低下;呼吸の低下;補助なしで食べたり、飲んだり及び/または呼吸したりすることができない、またはその能力の低下;体重の減少または体重増加の減少;及び/または生存率の低下のいずれかである、態様66に記載の方法。
[態様68]前記医薬組成物が中枢神経系にまたは全身的に投与される、態様62~67のいずれか一に記載の方法。
[態様69]前記医薬組成物が中枢神経系にかつ全身的に投与される、態様68に記載の方法。
[態様70]前記医薬組成物が、髄腔内、全身、皮下、または筋肉内のいずれかに投与される、態様62~67のいずれか一に記載の方法。
[態様71]細胞、組織または器官を態様1~37のいずれか一に記載のオリゴマー化合物、態様38~49のいずれか一に記載の修飾オリゴヌクレオチド、または実施形態50~53のいずれか一に記載の医薬組成物と接触させることを含む、エキソン7を含有するSMN2 RNAを増加させる方法。
【配列表】