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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】電動弁及びその組立方法
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20240301BHJP
   H02K 5/10 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
H02K5/10 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022555188
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-25
(86)【国際出願番号】 CN2021077996
(87)【国際公開番号】W WO2021185048
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】202010179491.6
(32)【優先日】2020-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020380324.3
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516071103
【氏名又は名称】杭州三花研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou Sanhua Research Institute Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.289-2, 12th Street, Economic & Technological Development Area, Hangzhou, Zhejiang 310018 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、 レイ
(72)【発明者】
【氏名】パン、 イーユアン
(72)【発明者】
【氏名】ウ、 リーウェイ
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110701356(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109424777(CN,A)
【文献】中国実用新案第206054875(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/00-31/05
H02K 5/10
F25B 41/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータユニットと弁部材と弁ボディとスリーブとを含み、前記ステータユニットは、前記スリーブの外周に位置し、前記ステータユニットは、前記弁ボディに位置制限されるように接続されるまたは固定接続される電動弁であって、
第1封止部品をさらに含み、
前記ステータユニットは、少なくとも一部の開口が前記弁ボディに向く第1凹部を有し、
前記第1封止部品は、前記スリーブの外周に位置する前記第1凹部に位置して前記弁ボディと前記ステータユニットとの間に位置し、
前記第1凹部は、第1取付面と第2取付面とを有し、
前記第1封止部品は、径方向において内側部が前記スリーブの外周面に当接され、外側部が前記第2取付面に当接され、
前記第1封止部品は、軸方向において前記第1取付面によって位置制限され、
前記第2取付面と前記スリーブの側壁との間に、0°よりも大きく90°よりも小さい夾角があり、
前記第2取付面は、前記スリーブの外周面に相対して設置され、
前記第1取付面は、前記弁ボディに相対して設置されることを特徴とする電動弁。
【請求項2】
前記第2取付面と前記スリーブの側壁との間に、5°よりも大きく18°以下である夾角があることを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項3】
前記電動弁は、押さえナットと支持パッドとをさらに含み、
前記弁ボディと前記弁部材とは、前記押さえナットによって位置制限されるように接続され、
前記スリーブは、前記弁部材に位置制限されるように接続され、
前記支持パッドは、前記押さえナットの上端に位置し、
前記支持パッドと前記押さえナットとは、位置制限されるように接続され、あるいは、一体部品であり、
前記第1凹部における一部の開口は、前記支持パッドに向き、
前記第1封止部品の下端面は、前記支持パッドに当接されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動弁。
【請求項4】
前記支持パッドは、前記押さえナットに位置制限されるように接続され、
前記押さえナットの外周壁には雄ねじがあり、前記弁ボディには雌ねじがあり、
前記押さえナットは、前記弁ボディにネジ接続され、
前記押さえナットは、少なくとも2つの第2凹部をさらに有し、
前記支持パッドは、少なくとも2つの凸起を有し、前記第2凹部と前記凸起とが係合することで、前記支持パッドが位置制限されることを特徴とする請求項3に記載の電動弁。
【請求項5】
前記支持パッドと前記押さえナットとは一体部品であり、前記一体部品の外周壁には雄ねじがあり、前記弁ボディには雌ねじがあり、
前記一体部品は、前記弁ボディにネジ接続され、少なくとも2つの第2凹部をさらに有し、前記第1封止部品の下端面が前記一体部品に当接されることを特徴とする請求項3に記載の電動弁。
【請求項6】
前記ステータユニットは、ステータハウジングと巻線とボビンと射出成形部とをさらに含み、
前記巻線は、前記ステータハウジングの内部に位置し、
前記ボビンは、前記巻線に支持を提供し、
前記射出成形部は、前記巻線、ボビン、ステータハウジングを射出成形インサートとして、一体射出成形で形成され、
前記第1凹部は、前記射出成形部に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかの1項に記載の電動弁。
【請求項7】
前記射出成形部は、前記射出成形部のカバーによって仕切られた第1室、第2室を有し、
前記電動弁は、前記第1室に位置し、前記巻線に電気的に接続される又は信号的に接続される回路基板をさらに有し、
少なくとも一部の前記第2室は、前記ステータユニットの中部に位置し、
少なくとも一部の前記スリーブは、前記第2室に位置することを特徴とする請求項6に記載の電動弁。
【請求項8】
弁部材とスリーブとを組付けてスリーブユニットを形成するステップと、
前記スリーブユニットと弁ボディとを組立て、押さえナットを締め付けることでスリーブユニットと前記弁ボディとを位置制限するように接続して弁座アセンブリを構成するステップと、
支持パッドと前記押さえナットとを位置制限するステップと、
第1封止部品を組付けるステップであって、前記第1封止部品を前記スリーブの一端から外嵌して前記支持パッドに突き当てることを含むステップと、
ステータユニットと前記弁ボディとを位置制限するように接続するステップであって、押さえ板と前記ステータユニットとを固定接続し、前記ステータユニットの第2室と前記スリーブとを位置合わせし、第1凹部と前記第1封止部品とを位置合わせし、それに、前記弁ボディに当接されるとともに前記第1封止部品が前記第1凹部内に位置するまで前記ステータユニットに下向きの力をかけて圧入し、さらに前記押さえ板と前記弁ボディとをねじにより位置制限するように接続することを含むステップと、を含むことを特徴とする電動弁の組立方法。
【請求項9】
前記ステータユニットに、第1取付面と第2取付面とを有する第1凹部が形成され、
前記第1取付面は、前記弁ボディに相対し、
前記第2取付面は、前記スリーブの側壁に相対し、
前記第1封止部品は、前記第2取付面に当接され、
前記第2取付面と前記スリーブの側壁との夾角は、5°よりも大きく18°以下であることを特徴とする請求項8に記載の組立方法。
【請求項10】
前記支持パッドと前記押さえナットとを位置制限するステップは、前記支持パッドを前記スリーブの上端から外嵌して前記押さえナットに接触し、
前記支持パッドの位置決めボスと前記押さえナットの第2凹部とを互いに挿着することにより、前記支持パッドと前記押さえナットとを位置制限することを含むことを特徴とする請求項8に記載の組立方法。
【請求項11】
前記スリーブユニットと前記弁ボディとを組立て、前記押さえナットを締め付けることで前記スリーブユニットと前記弁ボディとを位置制限するように接続して前記弁座アセンブリを構成するステップは、前記弁ボディに突き当てるまで前記押さえナットを前記スリーブの上端から外嵌し、治具によって前記押さえナットの第2凹部に作用することで、前記押さえナットと前記弁ボディとをねじ止め接続することを含むことを特徴とする請求項8に記載の組立方法。
【請求項12】
前記電動弁の組立は、前記ステータユニットと回路基板との組立を完成させ、蓋板と前記ステータユニットの射出成形部とを第2封止リングにより封止して溶接固定するステップをさらに含み、
該ステップは、前記ステータユニットと前記弁ボディとを位置制限するように接続するステップの前または後に配置されてもよいことを特徴とする請求項8に記載の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年03月16日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202010179491.6であり、発明名称が「電動弁及びその組立方法」である出願、及び、2020年3月23日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202020380324.3であり、発明名称が「組付設備電動弁」である出願という2つの中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が援用されることで本出願に結合される。
【0002】
本発明は、電動弁及びその組立方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明は、電動弁は、車両の熱管理システム、または、空気調和システムに適用されることができる。
このような電動弁は、ステータユニットとロータユニットとスリーブとを含み、スリーブは、ロータユニットとステータユニットとの間に位置し、如何に外部の湿気がスリーブとステータユニットとの隙間によりステータユニットに入ることを減少するかは、技術的課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、外部の湿気がスリーブとステータユニットとの隙間を介してステータユニットに入ることを減少する電動弁、および、この電動弁の組立方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明は、以下のようなものを採用する。
【0006】
ステータユニットと、弁部材と弁ボディとスリーブとを含み、前記ステータユニットは、前記スリーブの外周に位置し、前記ステータユニットは、前記弁ボディに位置制限されるように接続されるまたは固定接続される電動弁であって、前記電動弁は、第1封止部品をさらに含み、前記ステータユニットは、少なくとも一部の開口が前記弁ボディに向く第1凹部を有し、前記第1封止部品は、前記スリーブの外周に位置する前記第1凹部に位置して前記弁ボディと前記ステータユニットとの間に位置し、前記第1凹部は、第1取付面と第2取付面とを有し、前記第1封止部品は、径方向において内側部が前記スリーブの側壁である外周面に当接され、前記第1封止部品の外側部が前記第2取付面に当接され、前記第1封止部品は、軸方向において前記第1取付面によって位置制限される電動弁。
【0007】
弁部材とスリーブとを組付けてスリーブユニットを形成するステップと、
このスリーブユニットと弁ボディとを組立て押さえナットを締め付けることでスリーブユニットと弁ボディとを位置制限するように接続して弁座アセンブリを構成するステップと、
支持パッドと押さえナットとを位置制限するステップと、
第1封止部品を組付けるステップであって、第1封止部品をスリーブの一端から外嵌して支持パッドに突き当てることを含むステップと、
ステータユニットと弁ボディとを位置制限するように接続するステップであって、押さえ板とステータユニットとを固定接続し、このステータユニットの第2室とスリーブとを位置合わせて第1凹部と第1封止部品とを位置合わせ、それに弁ボディに当接されるとともに第1封止部品が第1凹部内に位置するまでステータユニットに下向きの力をかけて圧入し、さらに、押さえ板と弁ボディとをねじにより位置制限するように接続することを含むステップと、を含む電動弁の組立方法。
【0008】
本発明の電動弁は、ステータユニットと弁部材との間に第1封止部品を設置するとともに、ステータユニットに形成された第1凹部、スリーブ、対応する弁ボディによって第1封止部品を位置制限することにより、外部環境における湿気がステータユニットとスリーブとの隙間を介してステータユニットに入ることを減少するのにある程度に寄与する。
【0009】
本発明における電動弁の組立方法は、第1封止部品の組立に寄与し、組立プロセスはより簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】電動弁の第1実施例の1つの断面構造図。
図2図1の部分拡大断面図。
図3】ステータユニットの1つの断面構造図。
図4図3におけるI箇所の部分拡大図。
図5】支持パッドの立体構造図。
図6】押さえナットの立体構造図。
図7】押さえナット及び支持パッドの第2実施例の立体構造図。
図8】電動弁の第3実施例の1つの部分拡大断面構造図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図及び実施例を結合して本発明をさらに説明する。
【0012】
図1図7は、電動弁100の第1実施例であり、電動弁100は、システムの流量調整及び開閉制御のために、車両の熱管理システム、または、空気調和システムに適用されることができる。
電動弁100は、ステータユニット1と回路基板2と弁部材3と弁ボディ4とロータユニット31とスリーブ9とを含む。
ステータユニット1は、ロータユニット31の外周または内周に位置してもよく、本実施例におけるステータユニット1は、ロータユニット31の外周に位置し、ステータユニット1及びロータユニット31は、弁部材3を直接または間接的に駆動して運動させることができる。
ステータユニット1は、スリーブ9の外周に位置し、このスリーブ9は、ステータユニット1とロータユニット31との間に位置する。
ステータユニット1は、弁ボディ4に位置制限または固定接続され、このステータユニット1は、回路基板2に電気的に接続されるかまたは信号的に接続される。
そして、このステータユニット1は、このステータユニット1の内部に位置する巻線12を含む。
弁部材3は、弁体32と弁座33とを含み、電動弁100は、弁口331をさらに有し、本実施例において、この弁口331は、弁座33に位置し、他の実施形態として、弁口を弁ボディ4に直接的に設置して弁座を省略してもよい。
電動弁100が作動する場合、回路基板2は、ステータユニット1の巻線12が通電するように制御するとともに、巻線12を通じた電流が所定の法則に応じて変化するように制御することにより、ステータユニット1が変化する励起磁場を発生するように制御し、ロータユニット31は、励起磁場の作用で回動し、ロータユニット31は、弁体32を直接的にまたは間接的に弁口331に対して運動させるとともに、弁口331の開度を調節し、システムの流量調整及び開閉制御を実現することができる。
ここで解釈し説明するように、ステータユニット1がスリーブ9の外周に位置することは、このステータユニット1がスリーブ壁上ではなく、スリーブ壁の外部に位置することを指す。
本文中の外周が言及される他の箇所についても、同様に理解される。
【0013】
さらに、ステータユニット1は、ステータハウジング11とボビン13と射出成形部14とを含み、巻線12、ボビン13は、ステータハウジング11の内部に位置し、ボビン13は、巻線12に支持を提供し、射出成形部14は、巻線12、ボビン13、ステータハウジング11等を射出成形インサートとして、一体射出成形して形成され、このような射出成形部14は、連通しない第1室141、第2室142を有し、第1室141は、巻線12の上方に位置し、第2室142は、ステータユニット1の中部に位置し、第1室141及び第2室142は、射出成形部14の第1カバー143によって仕切られた。
回路基板2は、第1室141に位置し、巻線12は、回路基板2に電気的に接続されるか、または、信号的に接続され、第1室141の上方に蓋板15がさらに設けられ、蓋板15と射出成形部14とは、溶接によって固定される。
蓋板15と射出成形部14との間に第2封止リング6を設置することで第1室141を封止し、外部の水蒸気や不純物等が第1室141に入って回路基板2の正常な作動に影響を及ぼすことを防止する。
【0014】
図2によれば、弁部材3は、接続部品35と、ナット36と、スクリュロッド37とをさらに含み、弁部材3は、少なくとも一部が第2室142に位置する。
スリーブ9は、第2室142内に位置するとともに、一部がロータユニット31とステータユニット1との間に位置し、隔離の作用を奏する。
ロータユニット31は、スクリュロッド37の一端に固定接続される。
ナット36の内壁には、雌ねじセグメント361があり、スクリュロッド37の他端は、ナット36を通って弁体32に接続される。
スクリュロッド37の外周壁に、雌ねじセグメント361と係合する雄ねじセグメントがあり、スクリュロッド37の雄ねじとナット36の雌ねじとが互いに係合することにより、ロータユニット31の周方向の回動を、弁体32が軸方向において移動することに変換することができる。
本実施例において、ナット36は、接続部品35に固定接続され、弁座33は、接続部品35に接続され、弁座33は、弁ボディ4内に位置し、弁体32は、少なくとも一部が弁座33内に位置する。
【0015】
電動弁100は、押さえナット38をさらに含む。
接続部品35は、下端面が弁ボディ4に当接されるフランジ部351を有し、押さえナット38は、接続部品35の本体側壁の径方向外周に外挿され、この押さえナット38は、フランジ部351の上端面に接触し、押さえナット38と弁ボディ4とは、ネジによって接続されることにより、接続部品35と弁ボディ4とは、固定接続される。
電動弁100は、押さえ板7をさらに含み、ステータユニット1は、押さえ板7を介して弁ボディ4に固定接続され、押さえ板7の断面形状は、略L形をなし、この押さえ板7は、一部がステータユニット1に固定接続され、他の一部が、ネジ接続等の方式を採用することで弁ボディ4に固定接続されることができる。
電動弁100のステータユニット1が励起磁場を発生する場合、ロータユニット31は、励起磁場の作用でスクリュロッド37を一緒に回動させ、同時に、スクリュロッド37とナット36とは、ネジ係合により、弁体32を軸方向に沿って移動させることができ、弁体32は、弁口331に近くなること、弁口331から遠くなることにより、弁口331箇所での作動媒体の流通断面積を変更し、さらに、弁口331箇所で絞り及び/または作動媒体の開閉を形成することができる。
【0016】
図1図4を参照すれば、ステータユニット1は、射出成形部14に位置し、この射出成形によって形成され、少なくとも一部の開口が弁ボディ4に向く第1凹部144をさらに有する。
電動弁100の径方向から見ると、第1凹部144は、弁部材3とステータユニット1との間に位置し、電動弁100の軸方向から見ると、該第1凹部144は、弁ボディ4とステータユニット1との間に位置し、具体的には、第1凹部144は、弁ボディ4及びスリーブ9に近い射出成形部14の位置に位置するとともに、スリーブ9の外周に位置する。
電動弁100は、支持パッド34と、第1封止部品5とをさらに含み、支持パッド34は、押さえナット38に位置制限または固定接続され、電動弁100の軸方向から見ると、第1凹部144は、支持パッド34と射出成形部14との間に位置し、電動弁の径方向から見ると、第1凹部144は、スリーブ9と射出成形部14との間に位置し、第1封止部品5は、第1凹部144内に位置する。
本実施例における第1封止部品5は、Oリングであり、他の実施形態として、第1封止部品5は、異形の封止リング、または2つ以上の封止部品から構成された封止ユニットであってもよい。
図4を参照すれば、第1凹部144は、スリーブ9の本体側壁に対して略垂直であり、弁ボディ4に相対して設置される第1取付面1441と、スリーブ9の本体側壁の外周面に相対して設置され、第1取付面1441と接続部により連結される第2取付面1442と、円弧状をなす接続部1443とを有し、勿論、第1凹部144は、接続部を設けなくてもよく、第2取付面1442と第1取付面1441とは直接的に連結されてもよい。
径方向において、第1封止部品5の外側部は、第2取付面1442に当接され、第1封止部品5の内側部は、スリーブ9の外周面に当接され、軸方向において第1封止部品5は、第1取付面1441によって位置制限され、第1封止部品5は、支持パッド34の上方に位置して支持パッド34の上面に当接され、第1封止部品5は、スリーブ9によりステータユニット1及び弁ボディ4と押圧してひずみを発生する。
支持パッド34が押さえナット38に支持され、押さえナット38が弁ボディに固定接続され、第1封止部品5が支持パッド34に支持されることは、一部の第1封止部品5が弁ボディ4に間接的に位置制限され、弁ボディ4によって第1封止部品5に少なくとも一部の支持が提供されることに相当する。
【0017】
押さえナット38の構造は、図6に示すように、この押さえナット38の外周壁に雄ねじ(雄ねじについて図示せず)が形成され、この押さえナット38は、2つの第2凹部381を有する。
この2つの第2凹部381は、組立てる時に、治具がこの2つの第2凹部381に作用して押さえナット38と弁ボディ4とをネジにより締め付けて固定することができるのを作用とする。
従来の電動弁の構造をできるだけ少なく改良するために、本実施例において、押さえナット38の構造を基礎として支持パッド34が追加され、その構造は、図5に示すように、支持パッド34は、主に第1封止部品5を支持する作用を奏し、第1封止部品5を弁ボディ4に間接的に当接させ、第1封止部品5をより安定して強固にさせる。
押さえナット38に対する支持パッド34の回動を制限するために、支持パッド34の下端は、押さえナット38の第2凹部381と整合する2つの位置決めボス341をさらに有し、支持パッド34の位置決めボス341を押さえナット38の第2凹部381に圧入することにより、支持パッド34を位置制限する作用を奏し、電動弁が振動する過程において支持パッド34の揺動または回動による第1封止部品5への損傷を減少することができる。
【0018】
第1取付面1441及び第2取付面1442は、本実施例において平面であり、第2取付面1442とスリーブの本体側壁との間に、0°よりも大きく90°よりも小さい夾角αがある。
第2取付面1442は、スリーブ9から遠くなる側に位置し、図に示す方向において、第1凹部144における巻線12に近い一端が狭く、第1凹部144における弁ボディ4の支持パッド34に近い一端が広く、上部が狭く下部が広い構造が現れる。
図1に示す電動弁の構造では、電動弁における他の構造のサイズをできるだけ変化しないように保持するとともに、第1封止部品が一定の圧縮率、例えば、25%~35%の圧縮率を達成することを満たすために、構造制約下、夾角αについて、5~18°の間にあるように選択することができる。
異なる電動弁の構造のサイズに応じて夾角αの大きさを適当に調節することができる。
【0019】
図4における夾角αは、具体的に10°であり、図4は、図3に存在する若干の線条を省略した。
勿論、第1取付面1441及び第2取付面1442は、平面だけに限定されず(本明細書における平面は、広義の平面であり、滑らかな平面、粗さを有する肉眼で見ると平らな面等を含む)、弧度を有する曲面であってもよく、この場合、第2取付面とスリーブ9の本体側壁との間の夾角αは、第2取付面の切断面とスリーブ9の本体側壁との間の夾角である。
【0020】
本発明は、上記電動弁100の組立方法をさらに提供し、
弁部材3とスリーブ9とを組付けてスリーブユニットを形成するステップと、
スリーブユニットと弁ボディ4とを組立て、押さえナット38を締め付けることでスリーブユニットと弁ボディ4とを位置制限するように接続して弁座アセンブリを構成するステップであって、スリーブユニットと弁ボディとを組立て、押さえナット38を締め付けることでスリーブユニットと弁ボディ4とを位置制限するように接続して弁座アセンブリを構成することの具体的な操作は、弁ボディ4に突き当てるまで押さえナット38をスリーブ9の上端から外嵌し、治具により押さえナット38の第2凹部381に作用することで、この押さえナット38と弁ボディ4とをねじ止め接続することにより、弁ボディ4とスリーブユニットとを固定することであるステップと、
支持パッド34と押さえナット38とを位置制限するステップであって、これらの支持パッド34と押さえナット38とを位置制限することの具体的な操作は、支持パッド34をスリーブ9の上端から外嵌するとともに押さえナット38に接触し、支持パッド34の位置決めボス341と押さえナット38の第2凹部381とを互いに挿着することにより、支持パッド34と押さえナット38とを位置制限することであるステップと、
第1封止部品5を組付けるステップであって、第1封止部品5をスリーブ9の上端から外嵌して支持パッド34に突き当てることを含むステップと、
ステータユニット1と弁ボディ4とを位置制限するように接続するステップであって、押さえ板7とステータユニット1とを固定接続し、このステータユニット1の第2室142とスリーブ9とを位置合わせし、第1凹部144と第1封止部品5とを位置合わせし、それに、弁ボディ4に当接されるとともに第1封止部品5が第1凹部144内に位置するまでステータユニット1に下向きの力をかけて圧入し、さらに、ねじ8によって押さえ板7と弁ボディ4とを固定接続することを含むステップと、を含む。
【0021】
電動弁の組立は、ステータユニット1と回路基板2との組立を完成させ、蓋板15と射出成形部14とを第2封止リング6により封止して溶接固定するステップをさらに含み、このステップは、ステータユニット1と弁ボディ4とを位置制限するように接続するステップの前または後に配置されてもよい。
【0022】
本実施例は、夾角αを設置することにより、第1封止部品5が第1凹部144に押し込まれる過程において第1凹部144内の空気を便利に排出し、組立難度を低減させ、同時にも、第1封止部品5の組立時の摩耗を減少する。
組立てられた第1封止部品5は、ステータユニット1の射出成形部14内の金属材質をある程度、外部から断絶し、外部の水分または不純物がステータユニット1の内部に入る可能性を低減させ、巻線12、ステータハウジング11等の金属材質が腐食するリスク、及び回路基板2が損害するリスクを低減させることができる。
第1凹部144の第2取付面1442がスリーブのα夾角だけずれていなければ、ステータユニット1を取付ける場合、ステータユニット1を弁座アセンブリの方向に向けて下へ嵌合する時に、ステータユニット1の第1凹部144と弁座アセンブリとの間に空気バネが容易に形成され、ステータユニット1の下への嵌合がますます難しくなる。
ステータユニット1と弁座アセンブリとの組立を完成させて押さえ板7のねじ8を締めた後、形成された空気バネにより、ステータユニット1と弁座アセンブリとの間に互いに逸脱する力が長期にわたって存在し、ステータユニット1と弁ボディ4とを固定する作用を奏する押さえ板7に引き続き力がかかられ、長期的には、押さえ板7は、変形し、ステータユニット1と弁座アセンブリとの相対距離は、大きくなってしまう。
【0023】
本発明は、電動弁100の第2実施例をさらに提供し、本実施例において、押さえナット38と支持パッド34とは一体設計されたものである点について、第1実施例と異なり、図7に示すように、一体に設計された後の押さえナット38及び支持パッド34は、以下、一体部品38aといい、一体部品38aの下端は、第1実施例における押さえナットに相当し、一体部品38aの上端は、第1実施例における支持パッド34に相当し、一体部品全体にも、2つの第2凹部381aが設けられており、作用が第1実施例の第2凹部381の作用と同じであり、組立てる時に、治具は、この2つの第2凹部381aに作用して一体部品38aと弁ボディ4とをネジにより締め付けて固定することができる。
押さえナット38と支持パッド34とを一体部品として設計することにより、組立のステップ(支持パッド34と押さえナット38との位置制限接続は省略できる)を簡単化し、組立効率を向上させることができる。
【0024】
電動弁100の組立方法は、
弁部材3とスリーブ9とを組付けてスリーブユニットを形成し、スリーブユニットと弁ボディ4とを組立て、一体部品38aを締め付けることでスリーブユニットと弁ボディ4とを位置制限するように接続して弁座アセンブリを構成するステップと、
第1封止部品5を組付けるステップであって、第1封止部品5をスリーブ9の上端から外嵌して一体部品38aの上端(第1実施例の支持パッド34に相当)に突き当てることを含むステップと、
ステータユニット1と弁ボディ4とを位置制限するように接続するステップであって、押さえ板7とステータユニット1とを固定接続し、ステータユニット1の第2室142とスリーブ9とを位置合わせし、第1凹部144と第1封止部品5とを位置合わせし、それに、弁ボディ4に当接されるとともに第1封止部品5が第1凹部144内に位置するまでステータユニット1に下向きの力をかけて圧入し、さらに、押さえ板7と弁ボディ4とをねじ8で固定接続することを含むステップと、を含む。
【0025】
図8は、電動弁の第3実施例であり、第1実施例と比較すれば、本実施例において、第1封止部品5’は、異形の封止リングであり、この第1封止部品5’の断面形状は、図8に示すように、該断面の外郭は、4つの弧形によって接続して構成され、第1封止部品5’は、図示形状に限定されず、他の規則または不規則な封止部品であってもよい。
第1封止部品5’の頂部は、第1取付面1441に当接されて第1取付面1441によって位置制限され、この第1封止部品5’の外側部は、第2取付面1442に当接され、第1封止部品5’の内側部は、スリーブ9側壁の外周面に当接され、第1封止部品5’の底部は、支持パッド34に当接される。
【0026】
以上の実施例は、本発明を制限するものではなく、本発明を説明するためにのみ使用されるものであり、本明細書は、上記の実施例を参照して本発明を説明したが、本発明に対して補正または等同交替を行うことができ、本発明の精神及び範囲を逸脱しないあらゆる改善は、本発明の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8