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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】太陽電池パネル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20240301BHJP
【FI】
H01L31/04 570
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022565704
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-07
(86)【国際出願番号】 KR2020017185
(87)【国際公開番号】W WO2021221260
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】10-2020-0052658
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522401774
【氏名又は名称】シャンラオ シンユエン ユエドン テクノロジー デベロップメント シーオー.,エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カン,ウージョン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ジンヨン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ミンソク
(72)【発明者】
【氏名】キム,チェスン
【審査官】佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/019929(WO,A1)
【文献】特開2014-179406(JP,A)
【文献】特表2017-528919(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0380120(US,A1)
【文献】特開2016-005002(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0132425(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/078
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに電気的に接続される第1及び第2太陽電池を含む複数の太陽電池;及び
前記複数の太陽電池を電気的に接続する配線部
を含み、
前記配線部は、前記複数の太陽電池のそれぞれに対応するように、前記太陽電池の第1側を通過して外側に延長された第1外側部分を備える第1延長配線と、前記太陽電池の前記第1側と反対側の第2側を通過して外側に延長された第2外側部分を備える第2延長配線を含み、
前記第1太陽電池の前記第2延長配線と前記第2太陽電池の前記第1延長配線が重畳して接続される接続部分を含み、
前記接続部分が前記第1太陽電池の一部に重畳して形成される重畳部分を備え
前記第1外側部分は、前記複数の太陽電池間の領域において、前記第2外側部分の厚みに対応する屈曲部を有し、前記第2外側部分は前記領域において屈曲部を有しない、太陽電池パネル。
【請求項2】
前記第1太陽電池の前記第2延長配線と前記第2太陽電池の前記第1延長配線が互いに平行に延長されて直接接続される請求項1に記載の太陽電池パネル。
【請求項3】
前記第1太陽電池の前記第2延長配線は前記第2太陽電池と離隔して位置する請求項1に記載の太陽電池パネル。
【請求項4】
前記接続部分において前記第1太陽電池の前記第2延長配線の上に前記第2太陽電池の前記第1延長配線が位置する請求項1に記載の太陽電池パネル。
【請求項5】
前記第1外側部分の長さが前記第1又は第2延長配線の幅より大きいか;又は
前記第2外側部分の長さが前記第1又は第2延長配線の幅より大きいか;又は
前記接続部分の長さが前記第1又は第2延長配線の幅より大きいか;又は
前記第2外側部分の長さが前記第2外側部分の外側端部と前記第2太陽電池との間の離隔距離より大きいか同じであるか;又は
前記重畳部分の長さが前記第1又は第2延長配線の幅より大きいか;又は
前記重畳部分の長さが前記第2外側部分の長さより大きいか;又は
前記重畳部分の長さが前記第1又は第2延長配線の内側端部と前記太陽電池の前記第2側または前記第1側との間の端部間隔より大きいか同じである請求項1に記載の太陽電池パネル。
【請求項6】
前記重畳部分が前記第1太陽電池に備えられる第1及び第2電極のうち少なくとも1つと重畳されるように位置する請求項1に記載の太陽電池パネル。
【請求項7】
前記第1延長配線と前記第2延長配線を固定するように前記接続部分の少なくとも一部を含んで形成される固定部を備える請求項1に記載の太陽電池パネル。
【請求項8】
前記接続部分が前記第1太陽電池と前記第2太陽電池の間のセル間領域に位置するセル間部分を備え、
前記固定部が前記セル間部分に対応して部分的に形成され、他の部分と異なる厚さ、表面粗さ、または形状を有する線接合部分で構成される請求項7に記載の太陽電池パネル。
【請求項9】
前記固定部が前記接続部分の少なくとも一部を覆う固定部材を含む請求項7または8に記載の太陽電池パネル。
【請求項10】
前記固定部材が少なくとも前記第1太陽電池及び前記重畳部分の少なくとも一部を覆うように形成される絶縁テープで構成される請求項9に記載の太陽電池パネル。
【請求項11】
前記接続部分の面積が3ないし16.5mmである請求項1に記載の太陽電池パネル。
【請求項12】
前記第1延長配線または前記第2延長配線の降伏強度が80ないし170MPaである請求項1に記載の太陽電池パネル。
【請求項13】
前記複数の太陽電池が接続されて1つの太陽電池ストリングを構成する第1方向と交差する第2方向において複数の太陽電池ストリングを構成し、
前記複数の太陽電池ストリングを端部において前記第2方向に接続するバスバー配線をさらに含み、
前記第1延長配線または前記第2延長配線が前記バスバー配線と異なる物質、異なる溶融点、または異なる降伏強度を有する請求項1に記載の太陽電池パネル。
【請求項14】
前記第1延長配線又は前記第2延長配線の溶融点が前記バスバー配線の溶融点より高いか;又は
前記第1延長配線または前記第2延長配線が錫-ビスマス合金を含み、前記バスバー配線が錫-鉛合金を含むか;又は
前記第1延長配線または前記第2延長配線の降伏強度が前記バスバー配線の降伏強度より低いか同じである請求項13に記載の太陽電池パネル。
【請求項15】
記第1外側部分と前記第2外側部分が異なる長さを有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の太陽電池パネル。
【請求項16】
前記第1外側部分の長さが前記第1又は第2延長配線の幅より大きいか;又は
前記第2外側部分の長さが前記第1又は第2延長配線の幅より大きいか;又は
前記第2外側部分の長さが前記第1又は第2延長配線の内側端部と前記太陽電池の前記第2側または前記第1側との間の端部間隔より大きいか同じであるか;又は
前記複数の太陽電池が接続されて1つの太陽電池ストリングを構成する第1方向において前記第1延長配線の内側端部と前記第2延長配線の内側端部が互いに対称的に位置する請求項15に記載の太陽電池パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネル及びその製造方法に関し、より詳しくは、構造及び工程を改善した太陽電池パネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する装置である。配線に複数の太陽電池を配線を利用して電気的に接続し、これらを保護するためのパッケージング(packaging)工程を行って太陽電池パネルの形態で製造することができる。配線を利用して複数の太陽電池を電気的に接続する構造として多様な構造が適用できる。
【0003】
一例として、国内公開特許第10-2017-0017776号に開示したように、2つの太陽電池にわたるように長く延長される配線を利用して隣接した太陽電池を接続することができる。太陽電池パネルは多様な環境において長期間発電をしなければならないので、長期信頼性が大きく要求されるが、温度の変化などにより複数の太陽電池を接続する配線の膨張及び収縮が繰り返されると、付着力が弱い部分において配線が分離される問題が発生する可能性がある。これにより、太陽電池パネルの出力が低下し、不良率が高く、長期信頼性が低下する。このような問題は配線が2つの太陽電池にわたって長く形成されるほど深刻になり、配線が太陽電池の一面にのみ位置する場合にさらに深刻になる可能性がある。
【0004】
このような問題を考慮して配線が各太陽電池に対応するように形成される場合には、隣接した2つの太陽電池に対応する配線を接続するための別途の配線(例えば、2つの太陽電池の間に位置し、各太陽電池に対応する配線と交差する方向に位置するブリッジ配線)が必要であった。これにより、材料費用が増加し、製造工程が複雑になった。また、各太陽電池に対応する配線とこれを接続するブリッジ配線の接続特性が悪くなったり、これらの安定的な接続のために苛酷な条件で工程を行わなければならない問題があった。これにより、太陽電池パネルの信頼性及び生産性が低下した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施例は、信頼性及び生産性を向上できる太陽電池パネル及びその製造方法を提供しようとする。
【0006】
より具体的に、本実施例は、隣接した太陽電池に接続される配線の接続構造及び工程を単純化しながらも接続特性を向上できる太陽電池パネル及びその製造方法を提供しようとする。
【0007】
特に、本実施例では、一面に各太陽電池に対応する配線が位置する構造において隣接した太陽電池の間に配線と交差する配線を備えないため、構造及び工程を単純化しながらも接続特性を向上できる太陽電池パネル及びその製造方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施例による太陽電池パネルにおいては、互いに電気的に接続される第1及び第2太陽電池を含む複数の太陽電池を接続する配線部の接続構造が改善される。より具体的に、複数の太陽電池それぞれに対応するように配線部が太陽電池の第1側を通過して外側に延長された第1外側部分を備える第1延長配線と、太陽電池の第1側と反対側の第2側を通過して外側に延長された第2外側部分を備える第2延長配線とを含む。第1太陽電池の第2延長配線と第2太陽電池の第1延長配線が重畳して接続される接続部分を含み、接続部分が第1太陽電池の一部に重畳して形成される重畳部分を備える。
【0009】
ここで、第1太陽電池の第2延長配線と第2太陽電池の第1延長配線が互いに平行に延長されて直接接続されてもよい。そして、第1太陽電池の第2延長配線は第2太陽電池と離隔して位置してもよい。この時、接続部分において第1太陽電池の第2延長配線の上に第2太陽電池の第1延長配線が位置してもよい。
【0010】
例えば、第1外側部分の長さが第1又は第2延長配線の幅より大きくてもよい。または、第2外側部分の長さが第1又は第2延長配線の幅より大きくてもよい。または、接続部分の長さが第1又は第2延長配線の幅より大きくてもよい。または、第2外側部分の長さが第2外側部分の外側端部と第2太陽電池の間の離隔距離より大きいか同じであってもよい。または、重畳部分の長さが第1又は第2延長配線の幅より大きくてもよい。または、重畳部分の長さが第2外側部分の長さより大きくてもよい。または、重畳部分の長さが第1又は第2延長配線の内側端部と太陽電池の第2側又は第1側の間の端部間隔より大きいか同じであってもよい。
【0011】
一例として、重畳部分が第1太陽電池に備えられる第1及び第2電極のうち少なくとも1つと重畳するように位置してもよい。
【0012】
本実施例において、第1延長配線と第2延長配線を固定するように接続部分の少なくとも一部を含んで形成される固定部を備えることができる。一例として、接続部分が第1太陽電池と第2太陽電池の間のセル間領域に位置するセル間部分を備えてもよく、固定部がセル間部分に対応して部分的に形成され、他の部分と異なる厚さ、表面粗さ、または形状を有する線接合部分で構成されてもよい。他の例として、固定部が接続部分の少なくとも一部を覆う固定部材を含んでもよい。この時、固定部材が少なくとも第1太陽電池及び重畳部分の少なくとも一部を覆うように形成される絶縁テープで構成されてもよい。
【0013】
本実施例において、接続部分の面積が3ないし16.5mmであってもよい。
【0014】
本実施例において、第1延長配線又は第2延長配線の降伏強度が80ないし170MPaであってもよい。
【0015】
本実施例において、複数の太陽電池が第1方向と交差する第2方向において複数の太陽電池ストリングを構成し、複数の太陽電池ストリングを端部で第2方向に接続するバスバー配線をさらに含んでもよい。第1延長配線又は第2延長配線がバスバー配線と異なる物質、異なる溶融点、又は異なる降伏強度を有してもよい。
【0016】
例えば、第1延長配線又は第2延長配線の溶融点がバスバー配線の溶融点より高くてもよい。または、第1延長配線又は第2延長配線が錫-ビスマス合金を含み、バスリボンが錫-鉛合金を含んでもよい。または、第1延長配線又は第2延長配線の降伏強度がバスバー配線の降伏強度より低いか同じであってもよい。
【0017】
本実施例による太陽電池パネルは、太陽電池と、第1方向において太陽電池の第1側を通過して外側に延長された第1外側部分を備える第1延長配線と、第1方向において太陽電池の第1側と反対側の第2側を通過して外側に延長された第2外側部分を備える第2延長配線とを含む。ここで、第1外側部分と第2外側部分が異なる長さを有する。
【0018】
例えば、第1外側部分の長さが第1又は第2延長配線の幅より大きくてもよい。または、第2外側部分の長さが第1又は第2延長配線の幅より大きくてもよい。または、第2外側部分の長さが第1又は第2延長配線の内側端と太陽電池の第2又は第1側の間の端部間隔より大きいか同じであってもよい。または、第1方向において第1延長配線の内側端部と第2延長配線の内側端部が互いに対称するように位置してもよい。
【0019】
本実施例による太陽電池パネルの製造方法は、互いに電気的に接続される第1及び第2太陽電池を含む複数の太陽電池を製造する段階と、降伏強度を増加させる降伏強度増加工程を含めて配線材を準備する段階と、複数の太陽電池のそれぞれに第1延長配線及び第2延長配線を付着する段階と、第1太陽電池をそのまま投入し、第2太陽電池を180度回転して投入し、第1太陽電池の第2延長配線の上において第1太陽電池の一部に重畳するように第2太陽電池の第1延長配線を位置させる配列段階と、太陽電池ストリングを構成するように第1延長配線と第2延長配線が重畳して接続される接続領域の少なくとも一部に固定部を形成する段階と、第1カバー部材、第1密封材、太陽電池ストリング、第2密封材、第2のカバー部材を積層して熱と圧力を加えて一体化するラミネーション段階とを含む。
【0020】
一例として、接続部分が第1太陽電池と第2太陽電池の間のセル間領域に位置するセル間部分を備え、固定部を形成する段階ではセル間部分を部分的にソルダリングして線接合部分で構成される固定部を形成する。他の例として、固定部を形成する段階では、固定部材が少なくとも第1太陽電池及び重畳部分の少なくとも一部の上に絶縁テーとして構成される固定部材を付着する。
【0021】
降伏強度増加の工程では、降伏強度が50ないし120MPaであるベース配線を解く工程で引張して第1及び第2延長配線が80ないし170MPaの降伏強度を有するようにすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本実施例によれば、各太陽電池に対応し、異なる長さの第1及び第2延長配線を備えて接続部分の面積(特に、重畳部分)の面積を十分確保することで接続特性を向上し、構造的安定性を向上することができる。この時、第1及び第2延長配線が互いに平行に延長されて直接接続され、これと交差する配線を備えない簡単な構造を有することで材料費用を削減し、工程を単純化することができる。これにより、太陽電池パネルの信頼性及び生産性を向上することができる。
【0023】
そして、複数の太陽電池を形成し、その一部はそのまま投入し、他の一部を回転して投入して希望する太陽電池及び配線部の構造及び配列を有する太陽電池パネルを簡単な工程で製造することができる。そして、平行に延長された第1及び第2延長配線が重なる部分を有するように互いに接続してラミネーション工程以前には予備固定のための固定部のみを形成すれば良いので、工程をさらに単純化することができる。また、配線材準備段階で降伏強度増加工程を行うことで第1及び第2延長配線が希望する特性を有するようにすることができる。これにより、優れた信頼性を有する太陽電池パネルの生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施例による太陽電池パネルを概略的に示す分解斜視図である。
図2図1に示した太陽電池パネルに含まれた太陽電池の一例を示す断面図である。
図3a図1に示した太陽電池パネルに含まれた第1太陽電池、配線材、絶縁部材及び接続部材を示す後面平面図である。
図3b図1に示した太陽電池パネルに含まれた第2太陽電池、配線材、絶縁部材及び接続部材を示す後面平面図である。
図4図1に示した太陽電池パネルに含まれた1つの太陽電池ストリングを構成する複数の太陽電池とこれに接続された配線部を概略的に示した後面平面図である。
図5図4のA部分を拡大して示した部分平面図であり、(a)は前面平面図で、(b)は後面平面図である。
図6図5のVI-VI線に対応する太陽電池パネルの断面図である。
図7】本発明の実施例による太陽電池パネルの製造方法を示すフローチャートである。
図8】本発明の他の実施例による太陽電池パネルに含まれる第1及び第2太陽電池を示す平面図である。
図9図8のIX-IX線に対応する太陽電池パネルの断面図である。
図10】本発明の一変形例による太陽電池パネルに含まれる第1及び第2太陽電池を示す平面図である。
図11】実施例1による太陽電池パネルに温度サイクル(thermal cycle、TC)試験を200回繰り返した後に太陽電池パネルの一部を撮影した写真である。
図12】実施例1による太陽電池パネルに温度サイクル試験を200回繰り返した後に太陽電池パネルの一部を撮影した電気ルミネセンス(electro luminescence、EL)写真である。
図13】比較例1による太陽電池パネルに温度サイクル試験を200回繰り返した後に太陽電池パネルの一部を撮影した写真である。
図14】比較例1による太陽電池パネルに温度サイクル試験を200回繰り返した後に太陽電池パネルの一部を撮影した電気ルミネッセンス写真である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。しかしながら、本発明がこのような実施例に限定されるものではなく、多様な形態に変形できることは言うまでもない。
【0026】
図面では本発明を明確かつ簡略に説明するために説明と関係のない部分の図示を省略し、明細書全体をわたって同一または非常に類似した部分に対しては同一の図面参照符号を使用する。そして、図面では、説明をより明確にするために厚さ、広さなどを拡大又は縮小して図示しているが、本発明の厚さ、広さなどは図面の図示に限定されない。
【0027】
そして、明細書の全体において、ある部分が他の部分を「含む」という時、特に反対の記載がない限り他の部分を排除するのではなく、他の部分をさらに含むことができる。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるという時、これは他の部分の「真上に」ある場合だけでなく、その中間に他の部分が位置する場合も含む。層、膜、領域、板などの部分が他の部分「真上に」あるという時は、中間に他の部分が位置しないことを意味する。
【0028】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例による太陽電池パネル及びその製造方法を詳細に説明する。本明細書において「第1」または「第2」の表現は、相互区別のために使用されたものであり、本発明がこれに限定されるものではない。
【0029】
図1は、本発明の実施例による太陽電池パネルを概略的に示す分解斜視図であり、図2は、図1に示した太陽電池パネルに含まれた太陽電池の一例を示す断面図である。参照として、図2は、図3のII-II線による太陽電池の断面図である。
【0030】
図1及び図2に示すように、本実施例による太陽電池パネル100は、互いに接続される第1及び第2太陽電池10a、10bを含む複数の太陽電池10及び複数の太陽電池10を電気的に接続する配線部20を含む。そして、太陽電池パネル100は、太陽電池10及び配線部20を取り囲んで密封する密封材30と、密封材30の上において太陽電池10の一面(一例として、前面)に位置する第1カバー部材42と、密封材30の上において太陽電池10の他面(一例として、後面)に位置する第2カバー部材44とを含む。これをより詳しく説明する。ここで、太陽電池10は、半導体基板110と、半導体基板110の一面(一例として、後面)に位置する第1及び第2電極142、144を含む。
【0031】
本実施例において、太陽電池パネル100は複数の太陽電池10を備え、複数の太陽電池10は配線部20により電気的に直列、並列または直並列に接続されることができる。
【0032】
例えば、配線部20は、少なくとも一部が各太陽電池10の第1及び第2電極142、144と重なって第1及び第2電極142、144に接続される配線材22を含む。配線材22により複数の太陽電池10が第1方向(図面のx軸方向)に接続されて1つの列(すなわち、太陽電池ストリングS)を形成する。そして、配線部20は、太陽電池ストリングSの両端に位置してこれをまた他の太陽電池ストリングSまたは外部回路(例えば、ジャンクションボックス)(図示せず)に接続するバスバー配線28をさらに含んでもよい。
【0033】
密封材30は、配線部20により接続された太陽電池10の前面に位置する第1密封材30aと、太陽電池10の後面に位置する第2密封材30bを含む。第1密封材30aと第2密封材30bは水分と酸素の流入を防止し、太陽電池パネル100の各要素を化学的に結合する。第1及び第2密封材30a、30bは、透光性及び接着性を有する絶縁物質で構成されてもよい。一例として、第1密封材30aと第2密封材30bとしてエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール、ケイ素樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂などが使用されてもよい。第1及び第2密封材30a、30bを用いたラミネーション工程などにより、第2カバー部材44、第2密封材30b、太陽電池10、配線部20、第1密封材30a、第1カバー部材42が一体化して太陽電池パネル100を構成してもよい。図1では、第1及び第2密封材30a、30bを別個に示しているが、第1及び第2密封材30a、30bはラミネーション工程により一体化されて別途の境界を持たない一体化した部分で構成されてもよい。
【0034】
第1カバー部材42は、第1密封材30a上に位置して太陽電池パネル100の一面(一例として、前面)を構成し、第2カバー部材44は第2密封材30b上に位置して太陽電池10の他面(一例として、後面)を構成する。第1カバー部材42及び第2カバー部材44はそれぞれ外部の衝撃、湿気、紫外線などから太陽電池10を保護できる絶縁物質で構成されてもよい。そして、第1カバー部材42は光が透過できる透光性物質で構成され、第2カバー部材44は透光性物質、非透光性物質、または反射物質などで構成されるシートで構成されてもよい。一例として、第1カバー部材42がガラス基板などで構成され、第2カバー部材44がフィルムまたはシートなどで構成されてもよい。第2カバー部材44は、TPT(Tedlar/PET/Tedlar)タイプを有するか、またはベースフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))の少なくとも一面に形成されたポリフッ化ビニリデン(poly vinylidene fluoride、PVDF)樹脂層を含む。
【0035】
しかしながら、本発明がこれに限定されるものではない。従って、第1及び第2密封材30a、30b、第1カバー部材42、又は第2カバー部材44が前述の説明以外の多様な物質を含むことができ、多様な形態を有することができる。例えば、第1カバー部材42又は第2カバー部材44が多様な形態(例えば、基板、フィルム、シートなど)又は物質を有することができる。
【0036】
図2を参照して本発明の実施例による太陽電池パネル100に含まれる太陽電池10の一例をより詳しく説明する。
【0037】
図2に示すように、本実施例による太陽電池10は、半導体基板110を含む光電変換部と、光電変換部に接続される第1及び第2電極142、144を含む。ここで、第1及び第2電極142、144は互いに平行に形成された部分を含むが、本実施例では、互いに反対の極性のキャリアを収集する第1電極142及び第2電極144が光電変換部の一面(一例として、後面)に共に位置しながら互いに平行に形成されてもよい。このように太陽電池10が後面電極構造を有することができる。
【0038】
本実施例において、光電変換部は、半導体基板110と、半導体基板110にまたは半導体基板110の上に位置する導電型領域132、134を含む。本実施例では、互いに反対の極性のキャリアに関与する第1導電型領域132と第2導電型領域134が半導体基板110の一面(一例として、後面)側に共に位置してもよい。ここで、第1及び第2導電型領域132、134が中間膜120を間に置いて半導体基板110とは別個に位置することを例示した。
【0039】
一例として、半導体基板110は、第2導電型ドーパントを含む結晶質半導体(例えば、単結晶または多結晶半導体、一例として、単結晶または多結晶シリコンウエハ、特に単結晶シリコンウエハ)で構成されたベース領域112を含む。このように結晶性が高くて欠陥の少ないベース領域112または半導体基板110を基盤とした太陽電池10は電気的特性に優れている。半導体基板110の前面にはベース領域112と同一の導電型を有するとともにベース領域112より高いドーピング濃度を有する前面電界領域114が位置する。そして、半導体基板110の前面には反射を防止するための反射防止構造(一例として、半導体基板110の(111)面で構成されたピラミッド形状のテクスチャリング構造)を備えてもよく、半導体基板110の後面は鏡面研磨された面で構成されて前面より表面粗さが小さくてもよい。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではなく、多様な変形が可能である。
【0040】
中間膜120は、酸化膜、シリコンを含む誘電膜または絶縁膜、窒化酸化膜、炭化酸化膜などからなる。一例として、中間膜120がシリコン酸化膜であってもよい。中間膜120は、第1及び第2導電型領域132、134に含まれた第1又は第2導電型ドーパントの拡散を防止するドーピングバリア膜または多数のキャリアのトンネリングが発生するトンネリング膜などとして機能することができる。
【0041】
第1及び第2導電型領域132、134は、非晶質半導体、微細結晶半導体、または多結晶半導体(一例として、非晶質シリコン、微細結晶シリコン、または多結晶シリコン)などに第1又は第2導電型ドーパントがドーピングされて形成される。特に、第1及び第2導電型領域132、134が多結晶半導体を有すると、高いキャリア移動度を有することができる。例えば、第1又は第2導電型ドーパントがp型である場合は、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などの3族元素を使用することができる。第1又は第2導電型ドーパントがn型である場合は、リン(P)、ヒ素(As)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)などの5族元素を使用することができる。一例として、第1及び第2導電型ドーパントの1つがボロン(B)であり、他の1つがリン(P)であってもよい。
【0042】
第1導電型領域132が第1方向と交差(一例として、直交)する第2方向(図面のy軸方向)に長く続く複数の第1導電型領域132を含んでもよい。そして、第2導電型領域134が第2方向に長く続く複数の第2導電型領域134を含んでもよい。ここで、第1方向において第1導電型領域132と第2導電型領域134が互いに交互に位置し、第1導電型領域132と第2導電型領域134の間にバリア領域136が位置してもよい。
【0043】
ここで、第1導電型領域132の面積(一例として、幅)が第2導電型領域134の面積(一例として、幅)より大きくてもよい。これによれば、エミッタ領域として機能する第1導電型領域132が後面電界領域として機能する第2導電型領域134より広い面積を有するため、光電変換に有利であり得る。本実施例では、第1及び第2導電型領域132、134が同一の平面に位置した半導体層130に共に位置し、第1及び第2導電型領域132、134の間にドーピングされていない真性半導体で構成されたバリア領域136が備えられる。
【0044】
しかしながら、本発明がこれに限定されるものではない。一例として、中間膜120を備えなくてもよい。または、第1及び第2導電型領域132、134、及び/又はバリア領域136の位置、形状などが多様に変形することができる。または、第1及び第2導電型領域132、134のうち少なくとも1つが半導体基板110の一部にドーパントがドーピングされて形成されて半導体基板110の一部を構成するドーピング領域で構成されてもよい。そして、バリア領域136を備えなくてもよく、バリア領域136が半導体物質以外の他の物質または空き空間で構成されてもよい。その他の多様な変形が可能である。
【0045】
そして、半導体基板110の前面上(より正確には、半導体基板110の前面に形成された前面電界領域114の上)に前面絶縁膜122が全体的に位置する。前面絶縁膜122は、前面パッシベーション膜122a及び反射防止膜122bのうち少なくとも1つを含む。後面パッシベーション膜140がコンタクトホール140aを除いて半導体層130の後面上に全体的に位置する。一例として、前面パッシベーション膜122a、反射防止膜122bまたは後面パッシベーション膜140は、シリコン窒化膜、水素を含むシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、アルミニウム酸化膜、シリコン炭化膜、MgF、ZnS、TiO及びCeOで構成された群から選択されたいずれか1つの単一膜または2つ以上の膜が組み合わされた多層膜構造を有してもよい。
【0046】
そして、第1電極142がコンタクトホール140aを介して第1導電型領域132に電気的に接続(一例として、接触)され、第2電極144がコンタクトホール140aを介して第2導電型領域134に電気的に接続(一例として、接触)できる。第1電極142及び第2電極144は伝導性物質(一例として、金属)で構成されてもよい。コンタクトホール140aの形状、位置、個数などは多様に変形できる。
【0047】
このような太陽電池10は配線材22を含む配線部20により他の太陽電池10と電気的に接続される。以下では、図3a、図3b、図4ないし図6を参照して、本実施例による太陽電池10と配線部20の構造をより詳細に説明する。
【0048】
図3aは、図1に示した太陽電池パネル100に含まれた第1太陽電池10a、配線材22、絶縁部材34及び接続部材32を示す後面平面図であり、図3bは、図1に示した太陽電池パネル100に含まれた第2太陽電池10b、配線材22、絶縁部材34及び接続部材32を示す後面平面図である。
【0049】
本実施例では、第1及び第2電極142、144、これに接続される第1及び第2配線22a、22bの配置などに差がある第1及び第2太陽電池10a、10bを利用して太陽電池ストリングSを構成するが、第1及び第2太陽電池10a、10bにおいて第1及び第2電極142、144と第1及び第2配線22a、22bの接続構造は互いに同一である。従って、太陽電池10において第1及び第2電極142、144と第1及び第2配線22a、22bの接続構造を先に説明した後、第1及び第2太陽電池10a、10bの差を詳細に説明する。
【0050】
図1及び図2と共に図3a及び図3bを参照すると、各太陽電池10において、第1及び第2電極142、144がそれぞれ第1及び第2導電型領域132、134に対応する形状を有する。これにより、第1電極142が複数の第1導電型領域132に対応するように第2方向に長く続く複数の第1電極142を備える。そして、第2電極144が複数の第2導電型領域134に対応するように第2方向に長く続く複数の第2電極144を備える。そして、第1方向において第1導電型領域132及び第2導電型領域134に対応するように第1電極142と第2電極144が互いに交互に位置する。この時、第1及び第2電極142、144がこれに対応する第1及び第2導電型領域132、134と同一または類似した形状を有すると共にこれより小さい幅を有してもよい。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではなく、第1及び第2電極142、144が第1及び第2導電型領域132、134と異なる形状を有することもできる。
【0051】
本実施例において、配線材22は、太陽電池10のそれぞれにおいて第1電極142に接続される第1配線22aと第2電極144に接続される第2配線22bを含む。より具体的に、各太陽電池10において第1配線22aが複数の第1電極142に重畳されてこれらと接続されるように第1方向に長く続くことができる。これと同様に、各太陽電池10において第2配線22bが複数の第2電極144に重畳されてこれらと接続されるように第1方向に長く続くことができる。ここで、各太陽電池10において第1配線22aが各太陽電池10に備えられた第1電極142に接続部材32を介して電気的に接続され、第2電極144に絶縁部材34をにより絶縁されることができる。そして、各太陽電池10において第2配線22bが第2電極144と接続部材32を介して電気的に接続され、第1電極142に絶縁部材34により絶縁されることができる。一例として、第1配線22aと第1電極142の間に位置した接続部材32がこれらにそれぞれ接触し、第2配線22bと第2電極144の間に位置した接続部材32がこれらにそれぞれ接触する。そして、各太陽電池10において第2方向から見ると、複数の第1配線22aと複数の第2配線22bが互いに交互に位置してもよい。そうすると、複数の第1及び第2配線22a、22bが均一な間隔を有するとともに複数の第1及び第2電極142、144に接続されてキャリアを効果的に伝達することができる。
【0052】
本実施例において接続部材32が多様な導電性物質を含み、絶縁部材34が多様な絶縁物質を含むことができる。例えば、接続部材32は、第1及び第2電極142、144及び/又は配線材22に含まれる物質を含む物質またはこれらの混合物質で形成されてもよい。一例として、接続部材32は配線材22を第1又は第2電極142、144の上に置いて熱を加える工程などにより第1及び第2電極142、144及び/又は配線材22の物質を含む。または、接続部材32がソルダーペースト層、エポキシソルダーペースト層などを含む。一例として、接続部材32が低温ソルダーペースト層と高温ソルダーペースト層を一緒に含んでもよい。そして、絶縁部材34はシリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエチレンなどを含んでもよい。しかしながら、本実施例が接続部材32及び絶縁部材34の物質に限定されているものではなく、接続部材32及び絶縁部材34が多様な物質で構成されてもよい。
【0053】
本実施例において、第1及び第2配線22a、22bが太陽電池10にそれぞれ対応するように位置する。ここで、第1配線22aが太陽電池10にそれぞれ対応するとは、第1方向において各太陽電池10に形成された複数の第1電極142に接続部材32を介して接続される第1配線22aが各太陽電池10に個別的に位置するものの、単一で備えられることを意味する。そして、第2配線22bが太陽電池10にそれぞれ対応するとは、第1方向において各太陽電池10に形成された複数の第2電極144に接続部材32を介して接続される第2配線22bが各太陽電池10に個別的に位置するものの、単一備えられることを意味する。これにより、第1配線22aが、複数の太陽電池10に備えられた第1電極142に接続部材32を介して一緒に接続されず、第1方向において1つの太陽電池10に複数で備えられない。これと同様に、第2配線22bが複数の太陽電池10に備えられた第2電極144に接続部材32を介して接続されず、第1方向において1つの太陽電池10に複数で備えられない。これにより、第1配線22a又は第2配線22bは第1方向においての太陽電池10の長さと類似しているか、それより多少長い長さを有することができる。例えば、第1方向において第1配線22a又は第2配線22bの全長が各太陽電池10の長さ(一例として、最大長さ)の120%以内(一例として、110%以内)であり得る。このように、第1配線22a及び第2配線22bが2つの太陽電池10に全体的にわたって形成されないため、第1配線22a及び第2配線22bの長さを減らすことができ、各太陽電池10に個別的に対応するように単一で形成されて構造を単純化することができる。これにより、第1配線22a又は第2配線22bの全長が大きい場合に発生し得る問題を効果的に防止することができる。
【0054】
より具体的に、太陽電池パネル100が位置した環境で温度が変化すると、第1又は第2配線22a、22bの膨張及び収縮が繰り返される。この時、第1又は第2配線22a、22bの膨張及び収縮により配線材22が太陽電池10から分離されたり、配線材22が損なわれたり、ケガをするなどの問題が発生する可能性がある。このような問題は、第1又は第2配線22a、22bの全長が大きくなるほどより深刻に現れる。このような問題が発生すると、太陽電池パネル100が不良に判別され、出力が低下する。特に、本実施例のように第1及び第2電極142、144及び配線材22が太陽電池10の一面にのみ位置する構造では、第1又は第2配線22a、22bの膨張及び収縮による問題がもっと深刻に現れる。
【0055】
これを考慮して、本実施例では相対的に短い全長を有する第1又は第2配線22a、22bを使用して配線材22の膨張及び収縮による問題を防止することができる。これにより、太陽電池パネル100の出力低下及び不良を防止することができ、長期信頼性を向上することができる。
【0056】
また、第1配線22a及び第2配線22bが、それぞれ太陽電池10に対応して個別的に形成されるので、各太陽電池10に第1配線22a及び第2配線22bを付着した後に隣接する太陽電池10(例えば、第1太陽電池10aと第2太陽電池10b)の第1配線22aと第2配線22bを接続または予備固定することにより隣接する太陽電池10を電気的及び/又は物理的に接続することができる。これにより、太陽電池10と配線材22のアライン工程を単純化することができる。そして、配線材22または太陽電池10の損傷などが発生して修理、取り替えなどが必要する時、当該配線材22または太陽電池10のみを取り替えることができるため、修理、取り替えなどが容易である。反面、隣接する2つの太陽電池にわたって延長された単一の配線材を使用する場合には、隣接した2つの太陽電池とこれにわたって単一の配線材を一緒にアラインしなければならないので、アライン工程が複雑になり、アラインミスが発生する可能性が非常に大きい。そして、太陽電池または配線材に損傷がある場合、太陽電池または配線材の修理、取り替えのために配線材を切断するなどの工程が必要であるため、修理、取り替えが難しく、再接続された部位において信頼性が大きく低下するなどの問題が発生する。
【0057】
本実施例において、第1配線22aと第2配線22bのうち太陽電池10の第1側S1(一例として、図3a及び図3bの左側)を通過して外側に延長された第1外側部分24aを有する配線を第1延長配線24、第1側S1と反対側の第2側S2(一例として、図3a及び図3bの右側)を通過して外側に延長された第2外側部分26aを有する配線を第2延長配線26と言う。本実施例では、第1方向において第1延長部分24aの長さL1と第2延長部分26aの長さL2が互いに異なる。隣接する2つの太陽電池10に含まれる第1延長部分24aと第2延長部分26bは互いに重畳接続される接続部分(図5の参照符号CP、以下同一)の少なくとも一部を構成するように延長された部分であり、本実施例では第1延長部分24aの長さL1と第2延長部分26aの長さL2を異なるようにして第1延長配線24と第2延長配線26(すなわち、第1配線22aと第2配線22b)の接続特性を向上することができる。これについては後で詳細に説明する。
【0058】
前述のとおり、本実施例では、第1及び第2電極142、144及び/又は第1及び第2配線22a、22bの配置などが相異なる第1太陽電池10aと第2太陽電池10bを一緒に備える。
【0059】
より具体的に、図3aに示すように、第1太陽電池10aでは第1方向において第1側S1から第2側S2まで第1電極142及び第2電極144の配列を有する一対が繰り返して位置する。これにより、第1太陽電池10aでは第1方向において第1側S1から第2側S2まで第1電極142及び第2電極144、第1電極142及び第2電極144、第1電極142及び第2電極144などの配列が繰り返されることができる。図3bに示すように、第2太陽電池10bでは第1方向において第1側S1から第2側S2まで第2電極144及び第1電極142の配列を有する一対が繰り返して位置する。これにより、第2太陽電池10bでは第1方向において第1側S1から第2側S2まで第2電極144及び第1電極142、第2電極144及び第1電極142、第2電極144及び第1電極142などの配列が繰り返されることができる。すなわち、第1及び第2太陽電池10a、10bにおいて第1方向での第1電極142と第2電極144の配列順序が互いに逆になる。
【0060】
そして、第1及び第2太陽電池10a、10bのそれぞれにおいて第1配線22aが第1延長配線24を構成し、第2配線22bが第2延長配線26を構成することができる。ここで、第1及び第2太陽電池10a、10bでは第2方向において互いに同一位置で相異なる配線が位置するようになる。
【0061】
すなわち、第1及び第2太陽電池10a、10bにおいて、第1方向において同一の位置(一例として、第1位置P1)に第1太陽電池10aの第1配線22aと第2太陽電池10bの第2配線22bが位置する。そして、第1及び第2太陽電池10a、10bに第1方向において第1位置P1と異なる位置(一例として、第2位置P2)で第1太陽電池10aの第2配線22bと第2太陽電池10bの第1配線22bが位置する。そして、第2方向において第1位置P1及び第2位置P2が交互に位置して第1配線22aと第2配線22bが交互に位置する。
【0062】
より具体的に、第2方向において第1太陽電池10aの一側(一例として、図3aの上側)から下側(一例として、図3aの下側)まで第1配線22a及び第2配線22bの配列を有する一対が繰り返して位置する。これにより、第1太陽電池10aでは第2方向において一側から他側まで第1配線22a及び第2配線22b、第1配線22a及び第2配線22b、第1配線22a及び第2配線22bなどの配列を有することができる。そして、第2方向において第2太陽電池10bの一側(一例として、図3bの上側)から下側(一例として、図3bの下側)まで第2配線22b及び第1配線22aの配列を有する一対が繰り返して位置することができる。これにより、第2太陽電池10bでは、第2方向において一側から他側まで第2配線22b及び第1配線22a、第2配線22b及び第1配線22a、第2配線22b及び第1配線22aなどの配列を有することができる。
【0063】
これにより、第1及び第2太陽電池10a、10bにおいて第1位置P1に第1太陽電池10aの第1延長配線24と第2太陽電池10bの第2延長配線26が位置することができる。そして、第1及び第2太陽電池10a、10bにおいて第2位置P2に第1太陽電池10aの第2延長配線26と第2太陽電池10bの第1延長配線24が位置することができる。そして、第2方向において第1位置P1及び第2位置P2が交互に位置して第1延長配線24と第2延長配線26が交互に位置することができる。より具体的に、第2方向において第1太陽電池10aの一側(一例として、図3aの上側)から下側(一例として、図3aの下側)まで第1延長配線24及び第2延長配線26の配列を有する一対が繰り返して位置することができる。これにより、第1太陽電池10aでは、第2方向において一側から他側まで第1延長配線24及び第2延長配線26、第1延長配線24及び第2延長配線26、第1延長配線24及び第2延長配線26などの配列を有することができる。そして、第2方向において第2太陽電池10bの一側(一例として、図3bの上側)から下側(一例として、図3bの下側)まで第2延長配線26及び第1延長配線24の配列を有する一対が繰り返して位置することができる。これにより、第2太陽電池10bでは、第2方向において一側から他側まで第2延長配線26及び第1延長配線24、第2延長配線26及び第1延長配線24、第2延長配線26及び第1延長配線24などの配列を有することができる。
【0064】
すなわち、第1及び第2太陽電池10a、10bにおいて第2方向での第1配線22aと第2配線22bの配列順序、そして第1延長配線24と第2延長配線26の配列順序が互いに逆になる。
【0065】
一例として、第1太陽電池10aと第2太陽電池10bは実質的に同一構造を有するが、第1及び第2配線22a、22b又は第1及び第2延長配線24、26の配置などを互いに異なるようにすることができる。例えば、同一の太陽電池10を複数製造した後、1つはそのまま位置させて第1太陽電池10aとして使用し、これに隣接した他の1つは180度回転させて第2太陽電池10bとして使用することができる。すなわち、第1太陽電池10aと第2太陽電池10bが原点対称の状態で位置することができる。
【0066】
一例として、同一の形状を有するアラインマーク50a、50bが第1太陽電池10aと第2太陽電池10bにおいて互いに異なる位置に位置することができる。例えば、第1太陽電池10aにおいては第1アラインマーク50aが図3aの上部左側に位置し、第2アラインマーク50bが図3aの下部右側に位置する反面、第2太陽電池10bにおいては第1アラインマーク50aが図3bの下部右側に位置し、第2アラインマーク50bが図3bの上部左側に位置する。アラインマーク50a、50bにより第1及び第2太陽電池10a、10bのうち1つはそのまま位置させ、他の1つは180度回転させて配置したことがわかる。
【0067】
このような一対の第1及び第2太陽電池10a、10bが繰り返して位置して複数の太陽電池10で構成された太陽電池ストリングSが形成される。そうすれば、複数の太陽電池10を同じ工程で製造して適用することができ、太陽電池10、そして絶縁部材32及び接続部材34の形成工程を同一に行った後に配線材22の付着以前または以後に太陽電池10を回転して希望する第1及び第2電極42、44の配置、そして第1及び第2配線22a、22b又は第1及び第2延長配線24、26の配置を実現することができる。
【0068】
しかしながら、本発明がこれに限定されるものではない。従って、第1及び第2太陽電池10a、10bを別途製造して使用することもできる。例えば、第1太陽電池10aに適した第1及び第2導電型領域32、34、そして第1及び第2電極42、44の配置を有する太陽電池と、第2太陽電池10bに適した第1及び第2導電型領域32、34、そして第1及び第2電極42、44の配置を有する太陽電池を別途使用することができる。この場合にも、第1太陽電池10a及び第2太陽電池10bにおいて第1及び第2延長配線24、26の配置は、前述のとおりである。この時、第1及び第2配線22a、22bのうち第1延長配線24を形成する配線と第2延長配線26を形成する配線が同一又は反対であるなどの多様な変形が可能である。
【0069】
各太陽電池10を基準に見ると、第1方向での第1延長配線24の第1外側部分24aの長さL1が第2延長配線26の第2外側部分26aの長さL2より長くてもよい。一例として、長さ(L1、L2)が異なること、または、第2外側部分26aの長さL2より第1外側部分24aの長さL1が大きいことは、長いものを基準にして10%以上の差または0.1mm以上の差を有することを意味する。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではなく、互いに異なると判断できる場合をすべて含む。
【0070】
ここで、各太陽電池10の第1側S1及び第2側S2にそれぞれまた他の太陽電池10とセル間距離(図5の参照符号D、以下同一)を置いて位置する。すなわち、各太陽電池10の第1側S1において各太陽電池10とその第1側S1に位置する第1側太陽電池がセル間距離(D)を置いて位置し、各太陽電池10の第2側S2において各太陽電池10とその第2側S2に位置する第2側太陽電池がセル間距離(D)を置いて位置する。ここで、セル間距離(D)は、隣接した太陽電池10の間においてメインエッジである第2側S2と第1側S1の間の距離(例えば、各太陽電池10の角に位置した傾斜部10Sが備えられていない部分において第2側S2と第1側S1の間の距離、一例として、最短距離)を意味する。一例として、図1に示した第1太陽電池10aを基準に見ると、その第1側S1に位置する第2太陽電池10b又は第1端部太陽電池101が第1側太陽電池であり、その第2側S2に位置する第2太陽電池10b又は第1端部太陽電池101が第2側太陽電池でありうる。他の例として、図1に示した第2太陽電池10bを基準に見ると、その第1側S1に位置する第1太陽電池10a又は第2端部太陽電池102が第1側太陽電池であり、その第2側S2に位置する第2太陽電池10b又は第2端部太陽電池102が第2側太陽電池であり得る。
【0071】
本実施例では、第1外側部分24aの長さL1がセル間距離(D)より大きいため、第1側太陽電池に重なる重畳部分(図5の参照符号OP、以下同一)を備えることができ、第2外側部分26aの長さL2がセル間距離(D)より小さいため、第2側太陽電池と離隔することができる。例えば、重畳部分OPの長さ(図5の参照符号L11、以下同一)が第1又は第2延長配線24、26の幅(図5の参照符号W、以下同一)より大きくてもよい。これは、隣接する太陽電池10の配線部22の接続の安定性などを考慮したものであり、これについては後で詳細に説明する。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではなく、重畳部分OPの長さL11が第1又は第2延長配線24、26の幅Wより小さいか同じであってもよい。
【0072】
そして、第1外側部分24aの長さL1(特に、重畳部分OPの長さL11)が第1延長配線24の内側端部24b(すなわち、太陽電池10の第2側S2に隣接する第1延長配線24の内側端部24b)と太陽電池10の第2側S2の間の第1端部間隔ED1又は第2延長配線26の内側端部26b(すなわち、太陽電池10の第1側S1に隣接する第2延長配線26の内側端部26b)と太陽電池10の第1側の間の第2端部間隔ED2より大きいか同じである。特に、重畳部分OPの長さL11が第1端部間隔ED2及び第2端部間隔ED2のそれぞれより大きくてもよい。
【0073】
すなわち、隣接した太陽電池10の第1及び第2延長配線24、26を接続すると、太陽電池10の第2側S2において第2側太陽電池に対応する第1延長配線24の重畳部分OPの外側端部24cが第2延長配線26の内側端部26bより内側に位置することができる。一例として、隣接する太陽電池10の第1及び第2延長配線24、26を接続すると、太陽電池10の第2側S2において第2側太陽電池に対応する第1延長配線24の重畳部分OPが太陽電池10の第2側S2に隣接する第1及び第2電極142、144のうち少なくとも1つの上に重なるように位置することができる。これは隣接する太陽電池10の配線部22の接続の安定性などを考慮したものであり、これについては後で詳細に説明する。
【0074】
一例として、第1端部間隔ED1と第2端部間隔ED2は互いに実質的に同一であり、第1方向から見ると、第1延長配線24の内側端部24bと第2延長配線26の内側端部26bが互いに対称するように位置することができる。ここで、実質的に同一であるとは、第1及び第2端部間隔ED1、ED2のうち大きいものを基準とした小さいものの比率差が10%以内であることを意味する。これにより、第1延長配線24と第2延長配線26の内側端部24b、26bと太陽電池10の第2側S2及び第1側S1との端部間隔ED1、ED2を安定的に確保することができる。これは、第1外側部分24aの長さL1と第2外側部分26aの長さL2が互いに異なって第1方向で非対称であることとは異なる。
【0075】
そして、第2外側部分26aの長さL2が第1端部間隔ED1又は第2端部間隔ED2より大きいか同じであってもよい。一例として、第2外側部分26aの長さL2が第1端部間隔ED1又は第2端部間隔ED2より大きくてもよい。または、第2外側部分26aの長さL2が第2外側部分26aの外側端部26cと第2側太陽電池との離隔距離(図5の参照符号SD、以下同一)(すなわち、セル間距離(D)から第2外側部分26aの長さL2を減算した値)より大きいか同じであってもよい。一例として、第2外側部分26aの長さL2が離隔距離SDより大きくてもよい。隣接する太陽電池10の第1及び第2延長配線24、26を接続すると、第2外側部分26aは第1外側部分24aと重なって接続部分CPの一部を形成する部分である。前述のように、接続部分CPを形成する第2外側部分26aの長さL2を十分に確保すると、隣接した太陽電池10の配線部22の接続の安定性などを向上することができる。これについては後で詳細に説明する。
【0076】
このような第1及び第2太陽電池10a、10bの接続構造、そして、これを含む太陽電池ストリングSを図4ないし図6を参照してより詳細に説明する。
【0077】
図4は、図1に示した太陽電池パネル100に含まれた1つの太陽電池ストリングSを構成する複数の太陽電池10とこれに接続された配線部20を概略的に示す後面平面図である。図5は、図4のA部分を拡大して示す部分平面図であり、(a)は前面平面図で、(b)は後面平面図である。そして、図6は、図5のVI-VI線に対応する太陽電池パネル100の断面図である。明確な理解のために、図5の(b)には第1太陽電池10aにのみ第1及び第2電極142、144を概略的に図示した。
【0078】
図4ないし図6を参照すると、本実施例では、第1方向において第1太陽電池10aと第2太陽電池10bが交互に位置し、隣接する2つの太陽電池10(例えば、第1太陽電池10aと第2太陽電池10b)から延長されて互いに隣接する第1延長配線24と第2延長配線26を接続して太陽電池ストリングSを形成することができる。ここで、バスバー配線28に隣接して端部太陽電池101、102が位置する。端部太陽電池101、102に対応する第1又は第2延長配線242、262において、バスバー配線28と隣接する部分に位置する第1又は第2外側部分242a、262aがバスバー接続部分を構成するように第1及び第2太陽電池10a、10b(すなわち、内部太陽電池)の第1又は第2外側部分24a、26aと異なる長さを有することもできる。参照として、本明細書において、第1及び第2延長配線24、26それぞれは、第1又は第2延長配線242、262を含む意味であり、端部太陽電池101、102に備えられる第1又は第2延長配線24、26に該当する内容である場合にのみ、第1又は第2延長配線242、262の表現を使用する。
【0079】
まず、第1太陽電池10aの第2側S2において第1太陽電池10aの第2延長配線26と第1太陽電池10aの第2側S2に隣接する第2側太陽電池(すなわち、第2太陽電池10b又は第2端部太陽電池102)の第1延長配線24が互いに物理的及び電気的に接続される。以下、第1太陽電池10aの第2側S2において第1太陽電池10aと第2太陽電池10bの接続構造を中心に詳細に説明する。この時、第1太陽電池10aの第2延長配線26と第2太陽電池10bの第1延長配線24が互いに重畳して接続される接続部分CPが備えられ、接続部分CPが第1太陽電池10aの一部に重畳して形成される重畳部分OPを備えることができる。
【0080】
より具体的に、本実施例では、第1太陽電池10aの第2延長配線26と第2太陽電池10bの第1延長配線24が互いに平行な方向に延長されて直接接続または接触接続されることができる。ここで、直接接続されたということは別途の部材(例えば、金属部材、リボン部材、第1及び第2延長配線24、26と交差する方向に接続されるブリッジリボン、別途の配線)などを備えずに接続されることを意味する。この時、直接接続されることは、第1太陽電池10aの第2延長配線26と第2太陽電池10bの第1延長配線24が互いに接触して接続されるだけでなく、接着特性を向上するためのフラックス層、接着層などを介在して接続されることを含む。
【0081】
すなわち、本実施例では、一字型又は第1方向に互いに平行に長く続く形状を有する第1太陽電池10aの第2延長配線26と第2太陽電池10bの第1延長配線24を直接接続または接触接続することができる。このように、第1太陽電池10aの第2延長配線26と第2太陽電池10bの第1延長配線24が折り曲がった部分、折れた部分、交差部分などを備えずに互いに平行に接続されて、折り曲がった部分、折れた部分、交差部分などから発生しうる応力集中、損傷、ねじれなどの問題を効果的に防止できる。
【0082】
ここで、接続部分CPは第1太陽電池10aの一部に重なる重畳部分OPを備え、第2太陽電池10bには離隔される。すなわち、接続部分CPが、第1太陽電池10aの一部に重なる重畳部分OPと、第1太陽電池10aと第2太陽電池10bの間のセル間領域において第1太陽電池10aに隣接し、第2太陽電池10bに離隔して位置するセル間部分SPを含むことができる。
【0083】
このために、第1方向において第1延長配線24の第1外側部分24aの長さL1が第2延長配線26の第2外側部分26aの長さL2より長くてもよい。より具体的に、第2太陽電池10bの第1外側部分24aの長さL1がセル間距離(D)より大きいため、第1太陽電池10aまたはその内部に位置した第2延長配線26に重なる重畳部分OPを備えることができる。そして、第1太陽電池10aの第2外側部分26aの長さL2がセル間距離(D)より小さいため、セル間領域において第2外側部分26aが位置する部分は接続部分CPのセル間部分SPを構成し、第2太陽電池10b側において第2外側部分26aが位置しない部分には接続部分CPが備えられない。これにより、セル間領域において接続部分CPは離隔距離SDを置いて第2太陽電池10bと離隔することができる。
【0084】
この時、接続部分CP(特に、重畳部分OP)において相対的に短い長さL1の第2延長部分26aを有する第1太陽電池10aの第2延長配線26の後面上に相対的に長い長さL2の第1延長部分24aを有する第2太陽電池10bの第1延長配線24が位置することができる。これは第1太陽電池10aの第2延長配線26と第2太陽電池10bの第1延長配線24の安定した積層構造を考慮したものである。
【0085】
このように、第2太陽電池10bの第1延長配線24が第1太陽電池10aと重畳部分OPを備えると、第1太陽電池10aの第2延長配線26と第2太陽電池10bの第1延長配線24の接続部分CPの面積を十分に確保することができ、第1太陽電池10aの上に位置した重畳部分OPにより構造的安定性を向上することができる。これとは異なり、各太陽電池10に個別的に対応する第1及び第2延長配線24、26を重畳部分OPなしにセル間領域においてのみ接続すると、接続部分の面積が少なくて接続特性が低下して温度変化などにより簡単に分離される。
【0086】
そして、第1太陽電池10aの第2延長配線26は、第2太陽電池10bと離隔距離SDを置いて離隔して形成して電気的安定性を向上することができる。すなわち、第2太陽電池10bの第1延長配線24が第1太陽電池10aの第2延長配線26の後面上に位置する場合に第1太陽電池10aの第2延長配線26が離隔距離SDを置かなければ、第1太陽電池10aの第2延長配線26の一部が第2太陽電池10bの前面などに位置するようになるなどの不良が発生する可能性がある。離隔距離SDにより前述の不良などを効果的に防止することができる。
【0087】
例えば、重畳部分OPの長さL11が第1端部間隔ED1より大きいか同じであってもよい。すなわち、第1方向において、第1太陽電池10aの第2側S2において第2太陽電池10bの第1延長配線24の外側端部24cが第1太陽電池10aの第1延長配線24aの内側端部24bより第1太陽電池10aの内側に位置することができる。一例として、第1太陽電池10aにおいて第2太陽電池10bの第1延長配線24(すなわち、重畳部分OP)が第1太陽電池10aの第2延長配線26の上において太陽電池10の第2側S2に隣接する第1及び第2電極142、144のうち少なくとも1つの上に重なるように位置することができる。そして、第1外側部分24aの長さL1が第1又は第2延長配線24、26の幅Wより大きくてもよい。これは、接続部分CPの長さ、すなわち、重畳部分OPの長さL11とセル間部分SPの長さ(すなわち、第2外側部分26aの長さL2)の和(特に、重畳部分OPの長さL11)を十分に確保するためである。
【0088】
そして、重畳部分OPの長さL11が第2外側部分26aの長さL2より大きくてもよい。これによると、重畳部分OPの長さまたは接続部分CPの面積を十分に確保して第1延長配線24と第2延長配線26の接続特性及び構造的安定性を向上して信頼性を向上することができる。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではない。従って、重畳部分OPの長さL11が第2外側部分26aの長さL2より小さいか同じであってもよい。そうすれば、第1外側部分24a又は第1延長配線24の長さを減らして材料費を節減でき、第1外側部分24aのアラインミスがある場合に発生しうるショートなどを防止することができる。そして、重畳部分OPの長さが長くなると、重畳部分OPにおいて互いに積層された第1延長配線24と第2延長配線26の間に密封材30が浸透するなどの問題が発生する可能性があるが、重畳部分OPの長さL11を相対的に短くすれば、このような問題を効果的に防止することができる。
【0089】
そして、第1太陽電池10bの第2外側部分26aの長さL2が第1端部間隔ED1より大きいか同じであってもよい。一例として、第2外側部分26aの長さL2が第1又は第2延長配線24、26の幅Wより大きくてもよい。これは接続部分CPの長さ、すなわち、重畳部分OPの長さL11とセル間部分SPの長さ(すなわち、第2外側部分26aの長さL2)の和(特に、重畳部分OPの長さL11)を十分に確保するためである。または、第1延長配線24と第2延長配線26の接続部分CPの長さが第1又は第2延長配線24、26の幅Wより大きくてもよい。これは接続部分CPの長さを十分に確保するためである。
【0090】
これによれば、第1延長配線24と第2延長配線26の接続部分CPの面積を十分に確保することができる。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではない。第1又は第2延長配線24、26の幅Wが大きくなって接続部分CPの面積が大きくなると、第1外側部分24a及び/又は第2外側部分26aの長さL2、接続部分CPの長さなどを減らすことができる。これにより、第1外側部分24aの長さL1が第1又は第2延長配線24、26の幅Wより小さいか同じであり得る。または、第2外側部分26aの長さL2が第1又は第2延長配線24、26の幅Wより小さいか同じであり得る。または、第1延長配線24と第2延長配線26の接続部分CPの長さが第1又は第2延長配線24、26の幅W小さいか同じであり得る。
【0091】
一例として、第1太陽電池10aの第2延長配線26の外側端部26cと第2太陽電池10bの間の離隔距離SDが0.5mm以上であってもよい。これにより、第2延長配線26と第2太陽電池10bが安定的な離隔距離SDを有しながら離隔されて第2延長配線26と第2太陽電池10bの干渉を最小化することができる。または、第2外側部分26aの長さL2(すなわち、セル間部分SPの長さ)が離隔距離SDより長くてもよい。これにより、第1延長配線24と第2延長配線26の接続部分CPの面積(特に、セル間部分SPの面積)を最大化して構造的安定性を向上することができる。特に、セル間部分SPには第1外側部分24aと第2外側部分26aに予備固定または仮固定が行われて形成された線接合部分APを備えることができる。従って、第2外側部分26aと第1外側部分24aのセル間部分SPの面積を最大化して第1延長配線24と第2延長配線26の予備固定または仮固定の工程安定性を向上することができる。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではなく、離隔距離SD、第2外側部分26aの長さL2などは多様に変化することができる。例えば、第2外側部分26aの長さL2が離隔距離SDより小さいか同じであってもよい。その他にも多様な変形が可能である。
【0092】
本実施例において、セル間部分SPは、第1太陽電池10aの第2延長配線26と第2太陽電池10bの第1延長配線24の予備固定または仮固定工程が行われてラミネーション工程以前に接合される線接合部分APが備えられる部分であり得る。すなわち、本実施例においては、ラミネーション工程以前にセル間部分SPにおいて第1太陽電池10aの第2延長配線26と第2太陽電池10bの第1延長配線24を重ねた状態で、これらに熱及び圧力を加えながら行われるソルダリング工程が行われることができる。このように、セル間部分SPにおいて部分的に行われるソルダリング工程により互いに接して形成される部分が線接合部分APを構成することができる。
【0093】
本実施例において、ラミネーション工程以前にソルダリング工程により形成された線接合部分APは、それ以外の他の部分と異なる厚さ、表面粗さ、または形状を有する部分であり得る。特に、線接合部分APの導電性コーティング層SAの外部側部分が他の部分の導電性コーティング層SAの外部側部分と異なる厚さ、表面粗さ、または形状を有することができる。例えば、線接合部分Aの導電性コーティング層SAの外部側部分が他の部分の導電性コーティング層SAの外部側部分よりも薄い厚さを有するか、線接合部分Aの導電性コーティング層SAの外部側部分が他の部分の導電性コーティング層SAの外部側部分よりも大きな表面粗さを有するか、または線接合部分Aの導電性コーティング層SAの外部側部分が他の部分の導電性コーティング層SAの外部側部分より不規則な形状又は不規則な表面を有することができる。これは、ラミネーション工程以前にソルダリング工程により加えられた圧力により形成されたものであり、一種の押し跡として見ることができる。しかしながら、ソルダリング工程で線接合部分APが形成されたとしても、ラミネーション工程で第1及び第2延長配線24、26の導電性コーティング層SAが全体的に溶融して線接合部分APが最終的に構造において残存しない可能性もある。または、ラミネーション工程で第1及び第2延長配線24、26の導電性コーティング層SAが全体的に溶融してもソルダリング工程で線接合部分APの一部または特性の差などがそのまま残って最終構造において残存する可能性もある。
【0094】
本実施例においては、前述のようにソルダリング工程をセル間部分SPにのみ行って予備固定した後に重畳部分OPはラミネーション工程により固定して、第1太陽電池10aの第2延長配線26と第2太陽電池10bの第1延長配線24の予備固定または仮固定のための工程の工程時間、工程温度などを下げることができる。これについては後で詳細に説明する。
【0095】
一例として、本実施例において接続部分CPの面積が3ないし16.5mm(一例として、6ないし16.5mm)であってもよい。これは、第1延長配線24の長さL1と第2延長配線26の長さL2、そして幅方向において第1延長配線24と第2延長配線26が重なる幅などを全て考慮して第1延長配線24と第2延長配線26の接続特性を最大化し、材料費用を削減できる長さに限定されたものである。または、重畳部分OPの長さL11が1ないし8mm(例えば、2mmないし7mm、一例として、4mm以上)であってもよい。これは、重畳部分OPによる構造的安定性向上の効果を最大化するためである。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではなく、接続部分CPの面積、重畳部分OPの長さL11などが多様に変形されることができる。
【0096】
これと同様に、第1太陽電池10aの第1側S1において第1太陽電池10aの第1延長配線24と第1太陽電池10aの第1側S1に隣接した第1側太陽電池(すなわち、また他の第2太陽電池10b又は第1端部太陽電池101)の第1延長配線24が互いに物理的及び電気的に接続される。前述の第1太陽電池10aの第2延長配線26と第2太陽電池10bの第1延長配線24の接続構造がまた他の第2太陽電池10bの第2延長配線26と第1太陽電池10bの第1延長配線24の接続構造にそのまま適用される。
【0097】
第1端部太陽電池101は一例として第2太陽電池10bと同一の第1及び第2電極142、144並びに第1及び第2延長配線242、262の配置を有するものの、第1バスバー配線28aに接続される第1延長配線242の第1外側部分242aが第1バスバー配線28aとの接続に適合した長さを有することができる。例えば、第1バスバー配線28aに接続される第1延長配線242の第1外側部分242aが第2太陽電池10bの第1延長配線24の第1外側部分24aの長さと同一であるかそれより大きいか小さくてもよい。第2太陽電池10bの第1外側部分24aが相対的に長い長さL1を有するためである。一例として、第1バスバー配線28aに接続される第1延長配線242の第1外側部分242aが第2太陽電池10bの第1延長配線24の第1外側部分242aの長さL1と同一であると、第2太陽電池10bをそのまま第1端部太陽電池101として使用できるため、太陽電池10の製造工程を単純化することができる。
【0098】
そして、第2端部太陽電池102は、一例として、第1太陽電池10aと同一の第1及び第2電極142、144及び第1及び第2延長配線242、262の配置を有するものの、第2バスバー配線28bに接続される第2延長配線262の第2外側部分262aがバスバー配線28aとの接続に適合した長さを有することができる。例えば、第2バスバー配線28aに接続される第2延長配線26の第2外側部分262aが第1太陽電池10aの第2延長配線26の第2外側部分26aの長さより大きくてもよい。これは、第1太陽電池10aの第2外側部分26aが相対的に小さい長さL2を有することを考慮したものである。一例として、第2バスバー配線28bに接続される第2延長配線262の第2外側部分262aの長さが第1太陽電池10a又は第2端部太陽電池102において第1延長配線24の第1外側部分24aの長さL1と同一であると、構造的安定性を向上し、同一な長さを有する配線を第2延長配線262として適用して第2端部太陽電池102を形成することができるため、製造工程を単純化することができる。
【0099】
しかしながら、本発明がこれに限定されるものではなく、第1及び第2バスバー配線28a、28bに接続される第1及び第2端部太陽電池101、102の第1又は第2外側部分242a、262aの長さが多様に変化することができる。
【0100】
前述のように、隣接する太陽電池10、すなわち、第1端部太陽電池101と第1太陽電池10a、第1太陽電池10aと第2太陽電池10b、第2太陽電池10bと第1太陽電池10a、第1太陽電池10aと第2端部太陽電池102の接続構造が繰り返されて太陽電池ストリングSを構成することができる。これにより、隣接する2つの太陽電池10のうち一太陽電池10の第2外側部分26aの上に他の太陽電池20の第1外側部分24aを重ねて接続部分CP(特に、重畳部分OP)を形成する工程を繰り返して実行して第1延長配線24と第2延長配線26を安定的に接続することができる。これにより、太陽電池ストリングSを簡単な製造工程で形成することができる。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではなく、第1太陽電池10a、第2太陽電池10b、第1端部太陽電池101、第2端部太陽電池102の配置などが多様に変形されることができる。
【0101】
この時、本実施例では、第1及び第2延長配線24、26(又は第1及び第2配線22a、22b)がバスバー配線28と異なる物質、異なる熔融点、異なる降伏強度などを有することができる。本実施例において、第1及び第2延長配線24、26の間の接続工程と、第1又は第2延長配線24、26とバスバー配線28の接続工程に差があり得るためである。より具体的に、第1延長配線24と第2延長配線26は、予備固定または仮固定により接続した後にラミネーション工程で実質的に固定し、第1又は第2延長配線24、26(特に、第1又は第2延長配線242、262)とバスバー配線28はラミネーション工程以前にソルダリング工程により固定するためである。
【0102】
本実施例において、第1又は第2延長配線24、26またはバスバー配線28が、それぞれ導電性物質(一例として、金属物質)を含む。一例として、第1又は第2延長配線24、26またはバスバー配線28が金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)のいずれかを含めて導電性を有するコア(CA)と、コア(CA)の表面の上に位置し、錫(Sn)又はそれを含む合金を含む導電性コーティング層(一例として、ソルダー層)(SA)とを含んでもよい。
【0103】
一例として、第1又は第2延長配線24、26またはバスバー配線28のコア(CA)が銅(Cu)で形成されるため、材料費用を削減し、優れた電気伝導度を有することができる。
【0104】
そして、第1又は第2延長配線24、26の熔融点がバスバー配線28の熔融点より低くてもよい。本明細書において、第1又は第2延長配線24、26の溶融点が第1又は第2延長配線24、26の導電性コーティング層SAの溶融点を意味することができ、バスバー配線28の溶融点がバスバー配線28の導電性コーティング層SAの溶融点を意味することができる。一例として、第1又は第2延長配線24、26の溶融点が120℃ないし150℃であり、バスバー配線28の溶融点が150℃ないし180℃(150℃超過、180℃未満)であってもよい。または、第1又は第2延長配線24、26の導電性コーティング層SAが錫-ビスマス合金(SnBi)を含み、バスバー配線28が導電性コーティング層SAが錫-鉛合金(SnPb)を含んでもよい。このような溶融点、物質などは、実施例では第1及び第2延長配線24、26との間の接続工程と、第1又は第2延長配線24、26とバスバー配線28の接続工程を考慮したものである。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではなく、多様な変形が可能である。
【0105】
そして、第1延長配線24と第2延長配線26は、重畳部分OPが備えられることを考慮して相対的に高い降伏強度を有することができる。例えば、第1又は第2延長配線24、26の降伏強度が80ないし170MPa(より具体的に、110Ma以上、一例として、130MPa以上)でありうる。このために、第1又は第2延長配線24、26を太陽電池10に付着する前に第1又は第2延長配線24、26の降伏強度を増加させる工程を追加で行うことができる。これについては後で太陽電池パネル100の製造方法においてより詳細に説明する。すなわち、第1延長配線24が隣接した太陽電池10の一部に重なる重畳部分OPが備えられるので、相対的に高い降伏強度を有することで太陽電池10の変形を最小化することができ、重畳部分OPにおいて第2延長配線26の上に位置した第1延長配線24の浮き上がり現象を防止することができる。
【0106】
そして、バスバー配線28の降伏強度が第1又は第2延長配線24、26の降伏強度より低いか同じであってもよい。特に、バスバー配線28の降伏強度が第1又は第2延長配線24、26の降伏強度より低くてもよい。例えば、バスバー配線28の降伏強度が70ないし120MPaでありうる。バスバー配線28は太陽電池10に直接接続される配線ではないため、別途に降伏強度を増加させる工程を追加しないか、降伏強度を増加させる程度を大きくしないことができるためである。バスバー配線28の降伏強度を相対的に低くしてソルダリング工程により簡単に第1又は第2延長配線24、26(すなわち、第1又は第2延長配線24、26)と容易に接続されるようにすることができる。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではなく、バスバー配線28の降伏強度が第1又は第2延長配線24、26の降伏強度より高くてもよい。その他の多様な変形が可能である。
【0107】
本実施例によれば、各太陽電池10に対応し、相異なる長さL1、L2を有する第1及び第2延長配線24、26を備えて接続部分CPの面積(特に、重畳部分OPの面積)を十分に確保して接続特性を向上し、構造的安定性を向上することができる。この時、第1及び第2延長配線24、26が互いに平行に延長されて直接接続されてこれと交差する配線を備えない簡単な構造を有することで、材料費用を節減し、工程を単純化することができる。これにより、太陽電池パネル100の信頼性及び生産性を向上することができる。
【0108】
前述の太陽電池パネル100の製造方法を、図1ないし図6とともに、図7を参照して説明すると、次のようになる。
【0109】
図7は、本発明の実施例による太陽電池パネル100の製造方法を示すフローチャートである。
【0110】
まず、太陽電池製造段階(ST10)では、図2に示したような複数の太陽電池10を製造する。太陽電池10の製造工程としては知られている多様な工程が適用できる。そして、決まったパターンに応じて接続部材32及び絶縁部材34を形成する。太陽電池10の製造、接続部材32及び絶縁部材34の形成工程としては知られている多様な工程が適用できる。
【0111】
次に、配線材準備段階(ST20)では、太陽電池10に付着される配線材22を用意する。本実施例において、配線材準備段階(ST20)は、配線材22の降伏強度を増加させる降伏強度増加工程を含む。ここで、降伏強度増加工程は、各太陽電池10に対応して付着される第1及び第2延長配線24、26が相対的に高い降伏強度を有するようにするための処理工程である。このように、第1及び第2延長配線24、26が相対的に高い降伏強度を有することで太陽電池10の変形を最小化することができ、重畳部分OPにおいて第2延長配線26上に位置した第1延長配線24の浮き上がり現象を防止することができる。
【0112】
ここで、降伏強度増加工程は多様な方法により実行できるが、例えば、スプール(spool)に巻線されたベース配線を解く工程で引張することにより降伏強度を増加することにより実行できる。この時、第1及び第2延長配線24、26が希望する形状、パターンなどを有するように加工されることもできる。そして、降伏強度増加工程後に一定の長さに切断して希望する降伏強度及び希望する長さを有する第1及び第2延長配線24、26を製造することができる。このようにベース配線を解く工程でベース配線を引張することにより降伏強度増加工程を実行すると、別途の工程追加なしに降伏強度を増加させることができるため、工程を単純化することができる。
【0113】
例えば、ベース配線の降伏強度が50ないし120MPaであり、降伏強度増加工程を実行した第1及び第2延長配線24、26の降伏強度が80ないし170MPaでありうる。一例として、降伏強度増加工程で降伏強度を10ないし100MPa(例えば、20ないし50MPa)ほど増加することができる。降伏強度増加工程で降伏強度が100MPa(例えば、50MPa)を超過すると、工程が難しくなり、降伏強度以外の他の特性が低下して信頼性が低下する可能性がある。
【0114】
次に、配線材付着段階(ST30)では、各太陽電池10に対応する第1延長配線24及び第2延長配線26を接続部材32を用いて付着する。この時、各太陽電池10に対応する第1延長配線24及び第2延長配線26の配置、長さなどは第1太陽電池10a、第2太陽電池10b、第1端部太陽電池101、第2端部太陽電池102での配置、長さなどを考慮して付着できる。すなわち、複数の太陽電池10の上に配線材22を付着するが、第1太陽電池10a、第2太陽電池10b、第1端部太陽電池101、第2端部太陽電池102に対応するように第1延長配線24及び第2延長配線26の配置、長さなどを相異なるようにして付着することができる。
【0115】
そして、各太陽電池10の上に配線材22を付着した後に、より安定した固定のために太陽電池10の後面上において太陽電池10及び配線材22を覆うセル内固定部材をさらに配置することができる。ここで、セル内固定部材は多様な物質または形態を有することができるが、例えば、接着物質または粘着物質を含む絶縁性テープで構成されてもよい。一例として、セル内固定部材は太陽電池10及び配線材22の一部を覆うように第1方向において一定の幅を持ちながら第2方向に長く続く形状を有することができる。セル内固定部材としては、図8及び図9を参照して説明した固定部材29をそのまま適用できるので、詳細な説明を省略する。
【0116】
次に、太陽電池配列段階(ST40)では、回転投入工程を含めて複数の太陽電池10を希望する順に配列することができる。すなわち、配線材22が付着された複数の太陽電池10の一部をそのまま投入し、他の一部を180度回転して投入して太陽電池ストリングSの配列を構成することができる。
【0117】
例えば、第1端部太陽電池101を180度回転して投入することができる。そして、第1太陽電池10aをそのまま投入し、第2太陽電池10bを180度回転して投入する工程を複数回繰り返す。そして、第2端部太陽電池120をそのまま投入する。これにより、太陽電池ストリングSを構成する太陽電池10の配列を完了することができる。
【0118】
この時、互いに隣接した2つの太陽電池10において先に投入された太陽電池10の第2延長配線26の上に以後に投入される太陽電池10の第1延長配線24が位置して接続部分CPを構成するようになる。この時、以後に投入される太陽電池10の第1延長配線24が先に投入された太陽電池10に重なるように配置されて重畳部分OPを備えるようになる。
【0119】
より具体的に、第1端部太陽電池101の第2延長配線262の後面上に第1太陽電池10aの第1延長配線24を配置する。一例として、第1太陽電池10aの第1延長配線24が第1端部太陽電池101内において第2延長配線26の後面上に直接接続されて重畳部分OPを形成した状態で位置する。
【0120】
そして、第1太陽電池10aの第2延長配線26の後面上に第2太陽電池10bの第1延長配線24を位置させる。一例として、第2太陽電池10bの第1延長配線24が第1太陽電池10a内において第2延長配線26の後面上に直接接続されて重畳部分OPを形成した状態で位置する。そして、第2太陽電池10bの第2延長配線26の後面上にまた他の第1太陽電池10aの第1延長配線24を位置させる。一例として、また他の第1太陽電池10aの第1延長配線24が第2太陽電池10b内において第2延長配線26の後面上に直接接続されて重畳部分OPを形成した状態で位置させる。このような工程を繰り返して複数の第1太陽電池10aと複数の第2太陽電池10bを交互に配列する。
【0121】
そして、第2太陽電池10bの第2延長配線26の後面上に第2端部太陽電池102の第1延長配線24を位置させる。一例として、第2端部太陽電池102の第1延長配線24が第2太陽電池10b内において第2延長配線26の後面上に直接接続されて重畳部分OPを形成した状態で位置させる。
【0122】
次に、固定部形成段階(ST50)では、隣接した2つの太陽電池10に備えられた第1及び第2延長配線24、26を固定する固定部を形成する。ここで、固定部は接続部分CPの少なくとも一部を含む領域に形成されることができる。
【0123】
本実施例では、固定部がセル間部分SPに部分的に形成される線接合部分APで構成されてもよい。線接合部分APは熱及び圧力を加えるソルダリング工程により形成できるが、より具体的には、第1及び第2延長配線24、26を予備的に固定する予備ソルダリング工程により形成されることができる。本実施例では、隣接する太陽電池10の第1及び第2延長配線24、26はラミネーション工程で接合されるので、線接合部分APはラミネーション工程以前まで第1及び第2延長配線24、26の歪み、変形などを防止する役割だけを実行すれば良いためである。これにより、線接合部分APを形成する予備ソルダリング工程の温度が複数の配線部20を接続するソルダリング工程(例えば、第1又は第2延長配線242、262とバスバー配線28を接続するソルダリング工程)の温度より低くてもよい。
【0124】
一例として、予備ソルダリング工程の温度が300ないし400℃であり、複数の配線部20を接続するソルダリング工程(例えば、第1又は第2延長配線242、262とバスバー配線28を接続するソルダリング工程)の温度が400ないし500℃(一例として、400℃超過、500℃以下)でありうる。予備ソルダリング工程の温度が相対的に低い温度を有するが、第1及び第2延長配線24、26の溶融点より高い温度を有し、これは工程速度を高めるためのものである。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではなく、多様な変形が可能である。
【0125】
このような予備ソルダリング工程は多様な方法、装置などにより行われるが、一例として、パルスヒータを利用して行うことができる。すなわち、セル間部分SPに圧力を提供しながらパルスヒータによる熱を提供して線接合部分APを形成することができる。パルスヒータは昇温速度が高くて線接合部分APを安定的に形成することができる。前述したように、線接合部分APは他の部分と他の部分と異なる厚さ、表面粗さ、または形状を有することができ、一例として、押し跡を有することができる。
【0126】
次に、バスバー配線付着段階(ST60)では、太陽電池ストリングSを第2方向に複数配列し、太陽電池ストリングSの端部をバスバー配線28により交互に接続することができる。一例として、1つの太陽電池ストリングSと第2方向に隣接した太陽電池ストリングSでは、第2方向において第1端部太陽電池101と第2太陽電池102が交互に位置するように配置されることができる。そして、第1バスバー配線28aは、1つの太陽電池ストリングSの第1端部太陽電池101を第2方向において一側に位置した他の太陽電池ストリングSの第2端部太陽電池102と接続し、第2バスバー配線28bは1つの太陽電池ストリングSの第2端部太陽電池102を第2方向において他の太陽電池ストリングSの第1端部太陽電池101と接続することができる。さらに具体的に、バスバー配線28は第1端部太陽電池101の第1延長配線242と第2端部太陽電池102の第2延長配線262に交差する第2方向に延長されてこれらと重なる部分でのソルダリング工程により固定されることができる。これにより、直列に接続された複数の太陽電池ストリングSを形成することができる。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではなく、多様な変形が可能である。
【0127】
本実施例において、バスバー配線28には降伏強度増加工程を実行しないか、降伏強度増加工程を実行しても第1及び第2延長配線24、26より低いか同一の降伏強度を有するようにすることができる。太陽電池10に直接接続される部分ではないので、相対的に簡単に変形されてバスバー配線28の剥離などを防止することができる。
【0128】
そして、バスバー配線付着段階(ST60)は、ソルダリング工程により行われる。前述したように、線接合部分APを形成する予備ソルダリング工程の温度がバスバー配線付着段階(ST60)を実行するソルダリング工程の温度より低くくてもよく、バスバー配線付着段階(ST60)を実行するソルダリング工程の温度が400ないし500℃(一例として、400℃超過、500℃以下)でありうる。これにより、バスバー配線28と第1及び第2延長配線24、26が重なる部分において完全にソルダリングされることができる。
【0129】
バスバー配線付着段階(ST60)により第1又は第2延長配線24、26とバスバー配線28に他の部分と他の部分と異なる厚さ、表面粗さ、または形状を有する接合部分が形成されることができる。接合部分は線接合部分APと類似した特性を有することができる。
【0130】
例えば、接合部分はその他の部分と異なる厚さ、表面粗さ、または形状を有する部分であり得る。特に、接合部分の導電性コーティング層SAの外部側部分が他の部分の導電性コーティング層SAの外部側部分と異なる厚さ、表面粗さ、または形状を有することができる。例えば、接合部分の導電性コーティング層SAの外部側部分が他の部分の導電性コーティング層SAの外部側部分より薄い厚さを有したり、接合部分の導電性コーティング層SAの外部側部分が他の部分の導電性コーティング層SAの外部側部分より大きい表面粗さを有したり、又は接合部分の導電性コーティング層SAの外部側部分が他の部分の導電性コーティング層SAの外部側部分より不規則な形状又は不規則な表面を有することもある。これは、ラミネーション工程以前にソルダリング工程により加えられた圧力により形成されたものであり、一種の押し跡として見てもよい。
【0131】
次に、ラミネーション段階(ST70)では、熱と圧力により第1カバー部材42、第1密封材30a、バスバー配線28により接続された複数の太陽電池ストリングS、第2密封材30b、第2カバー部材44を一体化して太陽電池パネル100を製造する。
【0132】
より具体的に、ラミネーション装置の作業台の上に第1カバー部材110、第1密封材30a、バスバー配線28により接続された複数の太陽電池ストリングS、第2密封材30b、第2カバー部材44を順に位置させて積層構造体を形成する。一例として、ガラス基板で構成される第1カバー部材42をラミネーション装置の作業台側に位置させてその上に第1密封材30a、バスバー配線28により接続された複数の太陽電池ストリングS、第2密封材30b、第2カバー部材44などを順に位置させることができるが、本発明がこれに限定されるものではなく、多様な変形が可能である。続いて、積層構造体に熱と圧力を加えるラミネーション工程を行う。そうすれば、第1密封材30a及び第2密封材30bが溶融された後に硬化して圧力により圧着されて第1カバー部材42と第2カバー部材44の間の空間を密封材30が完全に充填することができる。これにより、密封材30により第1カバー部材42と第2カバー部材44の間の空間が完全に充填されてバスバー配線28により接続された複数の太陽電池ストリングSが密封されることができる。これにより、希望する形状を有する太陽電池パネル100が製造される。
【0133】
ラミネーション工程は第1及び第2密封材30a、30bを溶融できる温度で実行できるが、例えば、160ないし180℃で実行できる。本実施例では、第1又は第2延長配線24、26の溶融点がラミネーション工程の温度より低くくてもよく、一例として、120℃ないし150℃であってもよい。これにより、第1及び第2延長配線24、26の接続部分CPにおいて全体的に導電性コーティング層SAが溶融されて互いに接合されることができる。これにより、ラミネーション工程以前には第1及び第2延長配線24、26の重畳部分CPを全体的にソルダリングする工程が必要ないため、予備固定または仮固定のためのソルダリング工程などで構成される予備的に行う固定部(線接合部分APまたは固定部材(図9の参照符号29))だけで予備固定することができる。
【0134】
前述したように、ラミネーション工程の温度より低い熔融点を有する第1及び第2延長配線24、26の導電性コーティング層SAがラミネーション工程で全体的に溶融されるので、ラミネーション工程以後に線接合部分APはなくなるか、残存しても他の部分との形態の差が大きくない。そして、線接合部分APにおいて第1及び第2延長配線24、26の導電性コーティング層SAが互いに接する部分がともに全体的に溶融されるので、図6の拡大円に示したように、第1及び第2延長配線24、26の導電性コーティング層SAが一体化されてこれらの間に境界が備えられない。反面、相対的に高い熔融点を有するバスバー配線28の導電性コーティング層SAはラミネーション工程で溶融されないので、ラミネーション工程以後にもバスバー配線28の導電性コーティング層SAに形成された接合部分又は押し跡はそのまま残存したり、線接合部分APに比べて他の部分との形態差がもっと大きくなる可能性がある。そして、バスバー配線28の導電性コーティング層SAの導電性コーティング層SAと第1又は第2延長配線24、26の導電性コーティング層SAは相異なる物質で構成されるので、、ラミネーション工程以後にバスバー配線28の導電性コーティング層SAと第1又は第2延長配線24、26の導電性コーティング層SAの間に境界がそのまま存在するようになる。
【0135】
本実施例による製造方法によると、複数の太陽電池10を形成し、その一部はそのまま投入し、その他の一部を回転して投入して希望する太陽電池10及び配線部20の構造及び配列を有する太陽電池パネル100を簡単な工程で製造することができる。そして、平行に延長された第1及び第2延長配線24、26が重畳部分CPを有するように互いに接続して、ラミネーション工程以前には予備固定のための固定部のみを形成すれば良いので、工程をもっと単純化することができる。また、配線材準備段階(ST20)で降伏強度増加工程を実行して第1及び第2延長配線24、26が希望する特性を有するようにすることができる。これにより、優れた信頼性を有する太陽電池パネル100を簡単な工程で製造することができる。
【0136】
前述の説明においては、配線材付着段階(ST30)以後に行われる太陽電池配列段階(ST40)が回転工程を含むと説明した。しかしながら、他の工程で回転工程を行うこともできる。例えば、配線材付着段階(ST30)の前に一部の太陽電池10の回転工程を先に実行した後に配線材22を付着することもできる。その他の多様な変形が可能である。
【0137】
そして、本実施例では、太陽電池配列段階(ST40)以後に固定部形成段階(ST50)を実行する。この時、太陽電池配列段階(ST40)で太陽電池ストリングSに該当する複数の太陽電池10をすべて配列した後に固定部形成段階(ST50)を実行することもできる。または、太陽電池配列段階(ST40)において太陽電池ストリングSに該当する複数の太陽電池10を配列する工程中に固定部形成段階(ST50)を一緒に実行することも可能である。すなわち、2つの太陽電池10の第1及び第2延長配線24、26を重ねた後に当該第1及び第2延長配線24、26の固定部を形成する工程を実行し、これを繰り返して実行することができる。
【0138】
以下では、本発明の他の実施例による太陽電池パネル及びその製造方法を詳細に説明する。前述の説明と同一又は非常に類似した部分については、詳細な説明を省略し、相異なる部分についてのみ詳細に説明する。そして、前述した実施例またはこれを変形した例と以下の実施例またはこれを変形した例を互いに結合したものも本発明の範囲に属する。
【0139】
図8は、本発明の他の実施例による太陽電池パネルに含まれる第1及び第2太陽電池を示す平面図であり、図9は、図8のIX-IX線に対応する太陽電池パネルの断面図である。
【0140】
図8及び図9に示すように、本実施例では、第1太陽電池10aの第2延長配線26と第2太陽電池10bの第1延長配線24を固定する固定部が接続部分の少なくとも一部を覆う固定部材29を含む。
【0141】
ここで、固定部材29は、第1及び第2延長配線24、26及び第1及び/又は第2太陽電池10a、10bを固定できる多様な物質を含む。一例として、固定部材29は、ベース部材29aと、ベース部材29aの一面に位置し、配線部20に接続される付着層29bを含む、絶縁性テープで構成されることができる。このように、固定部材29がテープで構成されると、テープを付着する単純な工程により固定部材29を希望する位置に固定させることができる。
【0142】
ベース部材29aは固定部材29の強度を高める役割を果たす。一例として、ベース部材29aは樹脂を主成分とするが、例えば、ポリエチレン(polyethylene、PE)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)などを含む。
【0143】
そして、付着層29bは接着物質または粘着物質を含んで配線材22に接着または粘着により固定されることができる。ここで、接着(adhesion)とは、2つの層が物理的に完璧に付着されて2つの層を分離する時、少なくとも1つの層が損傷することを意味し、粘着(cohesion)とは、常温で一定の物理的な力により2つの層が互いに損傷なしに互いに付着又は分離できるように固定されたことを意味する。付着層29bが接着物質を含めると、より優れた固定特性を有することができる。付着層29bが粘着物質を含めると、固定部材29が誤って付着した場合、または太陽電池10の取り替え、修理の時に、簡単に固定部材29を分離することができる。例えば、付着層29bはエポキシ(epoxy)系列、アクリル(acryl)系列またはシリコン(silicone)系列の接着物質または粘着物質を含むことができる。
【0144】
この時、ベース部材29aの厚さが付着層29bの厚さより大きいか同じであってもよい。これにより、固定部材29の強度を向上することができる。例えば、ベース部材29aの厚さが100um以下(一例として、50umないし70um)であり、付着層29bの厚さが100um以下(一例として、10umないし30um)でありうる。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではなく、ベース部材29aの厚さ及び付着層29bの厚さが多様な値を有することができる。
【0145】
そして、固定部材29が絶縁性テープで構成されず、接着物質または粘着物質を塗布して形成されることもできる。
【0146】
本実施例において、固定部材29は、第1太陽電池10a及び/又は第2太陽電池10bの後面上において第1及び第2延長配線24、26の接続部分CP(特に、重畳部分OP)を覆うように形成されることができる。一例として、固定部材29が第1太陽電池10a及び/又は第2太陽電池10bの後面上において第1及び第2延長配線24、26の後面に接着する。そうすると、固定構造を単純化することができる。
【0147】
一例として、固定部材29が図8に示したように、第1及び第2延長配線24、26の延長方向と交差(一例として、直交)する方向に長く続きながら第1及び第2太陽電池10a、10bに全てわたって形成されることができる。このような場合には、第1及び第2延長配線24、26を安定的に固定することができる。
【0148】
しかしながら、本発明がこれに限定されるものではない。一変形例として、図10に示すように、第1及び第2太陽電池10a、10bのうち当該第1及び第2延長配線24、26の重畳部分OPが位置する第1太陽電池10aに対応するように固定部材29が備えられることもできる。そして、固定部材29の平面形状も多様に変形が可能である。また、図8ないし図10においては、固定部材29が第1及び第2延長配線24、26の後面に位置することを例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、固定部材29が第1及び第2延長配線24、26の前面に位置するか、前面及び後面の両方に位置することもできる。固定部材29が第1及び第2延長配線24、26の前面に位置する場合には、一定の色を有して太陽電池パネル100の外観向上に寄与するようにすることができる。例えば、固定部材29が第1及び第2太陽電池10a、10b間のセル間領域に対応する形状を持ちながら不透明な色、太陽電池10と類似した色を有することで太陽電池10の境界面がよく認識されないようにするシールド部材で構成されることができる。その他の多様な変形が可能である。
【0149】
前述の説明は第1及び第2太陽電池10a、10bを基準としたが、前述の説明は第1及び第2端部太陽電池を含む複数の太陽電池10において互いに隣接する2つの太陽電池に適用できる。
【0150】
前述した第1及び第2太陽電池10a、10bを含む太陽電池パネル100の製造方法において、固定部形成段階(ST50)は、第1及び/又は第2太陽電池10a、10b)、そして第1及び第2延長配線24、26の上に固定部材29を付着することにより行われることができる。
【0151】
以下、本発明の実験例に基づいて本発明をより詳細に説明する。しかしながら、本発明の実験例は本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。
【0152】
実施例1
図2に示すような複数の太陽電池を製造し、各太陽電池に絶縁部材及び接続部材を形成し、300℃の温度で予備ソルダリング工程を実行して第1及び第2延長部材を付着した。接続部分を備えるように隣接した2つの太陽電池の第1及び第2延長配線を接続して太陽電池ストリングを形成し、450℃の温度でソルダリング工程を実行して太陽電池ストリングにバスバー配線を付着した。第1カバー部材、第1密封材、バスバー配線が付着された太陽電池ストリング、第2密封材及び第2カバー部材を順に積層し、180℃の温度で圧力を加えるラミネーション工程を実行して太陽電池パネルの製造を完了する。
【0153】
ここで、第1及び第2延長部材は、降伏強度が80MPaであるベース配線に引張する降伏強度増加工程を実行して形成されて降伏強度が110MPaであった。そして、第1及び第2延長配線が錫-ビスマス合金を含み、溶融点が120℃であり、バスバー配線が錫-鉛合金を含み、溶融点が150℃であった。そして、第1及び第2延長配線の接続部分が一太陽電池に重なる重畳部分を有するように位置し、重畳部分の長さが3mmであった。
【0154】
比較例1
第1及び第2延長配線の接続部分が一太陽電池に重なる重畳部分を備えずに隣接した太陽電池の間に離隔領域にのみ位置して接続部分が離隔距離より小さい長さを有するという点を除いては実施例1と同一方法で太陽電池パネルを製造した。
【0155】
実施例1による太陽電池パネルに温度サイクル(thermal cycle、TC)試験を200回繰り返した後に太陽電池パネルの一部を撮影した写真及び電気ルミネセンス(electro luminescence、EL)写真をそれぞれ図11及び図12に添付し、実施例1による太陽電池パネルに温度サイクル試験を200回繰り返した後に太陽電池パネルの一部を撮影した写真及び電気ルミネセンス写真をそれぞれ図13及び図14に添付した。
【0156】
図11を参照すると、実施例1による太陽電池パネルにおいては、第1及び第2延長配線が安定的に接続されたことがわかる。図12を参照すると、実施例1による太陽電池パネルにおいては、電気ルミネセンス写真においても太陽電池内に陰影が発生せず、この点から温度サイクル試験後にも第1及び第2延長配線の浮き上がり現象が発生していないことがわかる。このように重畳部分を備える実施例1では、第1及び第2延長配線が安定的に接続され、第1及び第2延長配線の浮き上がり現象が発生していないため、優れた信頼性を有することが分かる。
【0157】
反面、図13を参照すると、比較例1による太陽電池パネルにおいては、第1及び第2延長配線が安定的に接続されていない部分が発生したことが分かる。図14を参照すると、比較例1による太陽電池パネルにおいては、電気ルミネセンス写真において太陽電池内に他の部分より暗く見える陰影が発生せず、これから温度サイクル試験後にも第1及び第2延長配線の浮き上がり現象が発生したことがわかる。このように重畳部分を備えない比較例1では、第1及び第2延長配線が安定的に接続されていないか、第1及び第2延長配線の浮き上がり現象が発生して信頼性が低下する可能性がある。
【0158】
前述のような特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれ、必ずしも1つの実施例のみに限られるものではない。さらに、各実施例で例示された特徴、構造、効果などは、実施例が属する分野の通常の知識を有する者により他の実施例に対しても組み合わせ又は変形されて実施可能である。従って、このような組み合わせと変形に関する内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14