(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】エレベーターの二酸化炭素回収装置、エレベーター、及びエレベーターの二酸化炭素回収システム
(51)【国際特許分類】
B66B 11/02 20060101AFI20240301BHJP
B66B 5/00 20060101ALI20240301BHJP
B01D 53/06 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
B66B11/02 Z
B66B5/00 G
B01D53/06
(21)【出願番号】P 2023107940
(22)【出願日】2023-06-30
【審査請求日】2023-06-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003568
【氏名又は名称】弁理士法人加藤国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】弓野 空良
(72)【発明者】
【氏名】福岡 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】谷島 誠
(72)【発明者】
【氏名】藤野 潤
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209127843(CN,U)
【文献】国際公開第2017/021749(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第109803749(CN,A)
【文献】中国実用新案第212174181(CN,U)
【文献】特許第7410351(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/02;
5/00
B01D 53/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路内を上下方向へ移動する移動体に設けられており、かつ通気性を有しており、二酸化炭素吸着剤を含む二酸化炭素吸着体が収容される吸着体使用容器、
前記昇降路に設置されている吸着体回収容器、及び
前記吸着体使用容器、前記移動体、及び前記昇降路のうちの少なくともいずれか1つに設けられている入替機構
を備え、
前記吸着体使用容器内に前記二酸化炭素吸着体が収容された状態で前記移動体が移動することにより、前記二酸化炭素吸着体に前記昇降路内の空気が通され、
前記入替機構は、前記吸着体回収容器に対応する位置に前記移動体が停止した際に、前記吸着体使用容器を前記吸着体回収容器に接続し、前記吸着体使用容器内の前記二酸化炭素吸着体を前記吸着体回収容器内に移動させるエレベーターの二酸化炭素回収装置。
【請求項2】
前記入替機構は、水平面に対して前記吸着体使用容器を傾斜させることによって、前記二酸化炭素吸着体の自重により、前記吸着体使用容器内の前記二酸化炭素吸着体を前記吸着体回収容器内に移動させる請求項1記載のエレベーターの二酸化炭素回収装置。
【請求項3】
前記昇降路内に設置されている吸着体補充容器
をさらに備え、
前記入替機構は、前記吸着体補充容器に対応する位置に前記移動体が停止した際に、前記吸着体使用容器を前記吸着体補充容器に接続し、前記吸着体補充容器内の前記二酸化炭素吸着体を前記吸着体使用容器内に移動させる請求項1記載のエレベーターの二酸化炭素回収装置。
【請求項4】
前記吸着体補充容器は、
補充容器本体と、
前記補充容器本体の下部に設けられており、補充容器本体の開口を開閉する補充容器蓋と
を有しており、
前記入替機構は、水平面に対して前記吸着体使用容器を傾斜させるとともに、前記補充容器蓋に開動作をさせることによって、前記二酸化炭素吸着体の自重により、前記吸着体補充容器内の前記二酸化炭素吸着体を前記吸着体使用容器内に移動させる請求項3記載のエレベーターの二酸化炭素回収装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の二酸化炭素回収装置
を備えているエレベーター。
【請求項6】
請求項3又は請求項4に記載の二酸化炭素回収装置
を備え、
前記吸着体回収容器からの前記二酸化炭素吸着体の取り出しと、前記吸着体補充容器への前記二酸化炭素吸着体の補充とが、乗場から実施可能になっているエレベーター。
【請求項7】
前記吸着体回収容器及び前記吸着体補充容器のそれぞれは、乗場敷居の下部に設けられているフェッシャープレートに設けられている請求項6記載のエレベーター。
【請求項8】
請求項3又は請求項4に記載の二酸化炭素回収装置、
前記移動体の運行を制御するとともに、前記二酸化炭素回収装置を制御するエレベーター制御装置、
前記二酸化炭素吸着体の入れ替えの要否を判定する入替判定部と、前記入替判定部によって前記二酸化炭素吸着体の入れ替えが必要であると判定された場合に、入替指令信号を前記エレベーター制御装置に送信する入替指令部とを有している監視装置
を備えているエレベーターの二酸化炭素回収システム。
【請求項9】
前記監視装置は、
前記入替指令部から前記エレベーター制御装置に前記入替指令信号が送信された場合に、前記二酸化炭素吸着体の入れ替えが実施されたことを報知する報知信号を、情報センターに送信する報知部
をさらに有している請求項8記載のエレベーターの二酸化炭素回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターの二酸化炭素回収装置、エレベーター、及びエレベーターの二酸化炭素回収システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の空気調和装置では、高気圧ルームに二酸化炭素除去装置が接続されている。二酸化炭素除去装置は、高気圧ルーム内の二酸化炭素濃度を低下させる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の空気調和装置では、吸気パイプ及び送気パイプを介して、二酸化炭素除去装置が高気圧ルームに接続されている。このため、高気圧ルームにおける吸気パイプの接続口周辺の空気しか二酸化炭素除去装置に取り込むことができず、二酸化炭素を回収すべき空間が大きい場合には、二酸化炭素の回収効率が低くなる。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、昇降路内の二酸化炭素を効率良く回収することができるエレベーターの二酸化炭素回収装置、エレベーター、及びエレベーターの二酸化炭素回収システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る二酸化炭素回収装置は、昇降路内を上下方向へ移動する移動体に設けられており、かつ通気性を有しており、二酸化炭素吸着剤を含む二酸化炭素吸着体が収容される吸着体使用容器、昇降路に設置されている吸着体回収容器、及び吸着体使用容器、移動体、及び昇降路のうちの少なくともいずれか1つに設けられている入替機構を備え、吸着体使用容器内に二酸化炭素吸着体が収容された状態で移動体が移動することにより、二酸化炭素吸着体に昇降路内の空気が通され、入替機構は、吸着体回収容器に対応する位置に移動体が停止した際に、吸着体使用容器を吸着体回収容器に接続し、吸着体使用容器内の二酸化炭素吸着体を吸着体回収容器内に移動させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、昇降路内の二酸化炭素を効率良く回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1によるエレベーターを示す概略の構成図である。
【
図2】
図1のエレベーターの要部を示す側面図である。
【
図3】
図2の吸着体使用容器から吸着体回収容器に二酸化炭素吸着体を移動させた状態を示す側面図である。
【
図4】
図2の吸着体補充容器から吸着体使用容器に二酸化炭素吸着体を移動させた状態を示す側面図である。
【
図5】実施の形態1によるエレベーターの二酸化炭素回収システムを示すブロック図である。
【
図6】
図5の監視装置による入替判定処理を示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態2によるエレベーターの要部を示す側面図である。
【
図8】実施の形態1、2のエレベーター制御装置、監視装置、及び情報センターの各機能を実現する処理回路の第1例を示す構成図である。
【
図9】実施の形態1、2のエレベーター制御装置、監視装置、及び情報センターの各機能を実現する処理回路の第2例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるエレベーターを示す概略の構成図である。図において、昇降路1の上には、機械室2が設けられている。機械室2には、巻上機3、そらせ車4、及びエレベーター制御装置5が設置されている。
【0010】
巻上機3は、駆動シーブ6、図示しない巻上機モーター、及び図示しない巻上機ブレーキを有している。巻上機モーターは、駆動シーブ6を回転させる。巻上機ブレーキは、駆動シーブ6の静止状態を保持する。また、巻上機ブレーキは、駆動シーブ6の回転を制動する。
【0011】
駆動シーブ6及びそらせ車4には、懸架体7が巻き掛けられている。懸架体7としては、複数本のロープ又は複数本のベルトが用いられている。懸架体7の第1端部には、移動体としてのかご8が接続されている。懸架体7の第2端部には、釣合おもり9が接続されている。
【0012】
かご8及び釣合おもり9は、懸架体7により吊り下げられており、駆動シーブ6を回転させることにより昇降路1内を上下方向へ移動する。エレベーター制御装置5は、巻上機3を制御することにより、かご8の運行を制御する。
【0013】
昇降路1内には、図示しない一対のかごガイドレールと、図示しない一対の釣合おもりガイドレールとが設置されている。一対のかごガイドレールは、かご8の昇降を案内する。一対の釣合おもりガイドレールは、釣合おもり9の昇降を案内する。
【0014】
かご8は、かご枠10及びかご室11を有している。かご枠10には、懸架体7が接続されている。かご室11は、かご枠10に支持されている。かご室11の前面には、かごドア12が設けられている。
【0015】
複数階の乗場のそれぞれには、乗場ドア13が設けられている。各乗場ドア13は、かご8の着床時にかごドア12に連動して開閉動作する。
【0016】
かご8の下部には、吸着体使用容器21が取り付けられている。吸着体使用容器21は、かご室11の下方に配置されている。即ち、吸着体使用容器21は、かご室11の外側に配置されている。
【0017】
図2は、
図1のエレベーターの要部を示す側面図である。実施の形態1では、釣合おもり9は、かご8と同じ高さに位置するときに、かご室11の背面に対向する。即ち、釣合おもり9の昇降領域は、乗場から見て、かご8の昇降領域の後方に位置している。
【0018】
かご枠10は、上梁10aと、一対の縦柱10bと、下梁10cとを有している。上梁10aは、一対の縦柱10bの上端部間に水平に固定されている。懸架体7の第1端部は、上梁10aに接続されている。
【0019】
下梁10cは、上梁10aの下方において、一対の縦柱10b間に水平に固定されている。かご室11は、上梁10aの下方において、下梁10c上に支持されている。また、かご室11は、一対の縦柱10bの間に位置している。
【0020】
図1では省略したが、かご室11には、かご敷居14及びエプロン15が設けられている。かご敷居14は、かご室11の前面下部に設けられている。また、かご敷居14は、かごドア12の開閉動作時に、かごドア12の下端を案内する。
【0021】
エプロン15は、かご敷居14に固定されている。また、エプロン15は、かご敷居14から下方へ突出している。
【0022】
吸着体使用容器21は、一対の支持腕16を介して、下梁10cに支持されている。
図2では、一対の支持腕16のうちの一方のみが示されている。なお、
図2では、吸着体使用容器21の断面が示されている。
【0023】
また、吸着体使用容器21は、下梁10cとの間に間隔をおいて、下梁10cの下方に配置されている。これにより、かご室11の下部と吸着体使用容器21との間に、通風路が確保されている。
【0024】
吸着体使用容器21は、使用容器本体21aと、平板状の使用容器蓋21bとを有している。使用容器本体21aは、通気性を有している。かご8が下方向へ移動することにより、使用容器本体21a内には、上方向への気流が生じる。
【0025】
吸着体使用容器21内には、二酸化炭素吸着体31が収容されている。二酸化炭素吸着体31は、通気性を有している。また、二酸化炭素吸着体31は、複数の粒状の二酸化炭素吸着剤を含んでいる。各二酸化炭素吸着剤の外形は、例えばペレット状又はビーズ状である。
【0026】
なお、二酸化炭素吸着体31の構成は、複数の粒状の二酸化炭素吸着剤を含む構成に限らない。例えば、二酸化炭素吸着体31は、ハニカム状の二酸化炭素吸着材により構成されてもよい。
【0027】
かご8の移動により、二酸化炭素吸着体31には、昇降路1内の空気が通される。即ち、かご8が下方向へ移動することにより、使用容器本体21aの下面から吸着体使用容器21内に空気が入る。吸着体使用容器21内に入った空気は、二酸化炭素吸着体31内を通過して、使用容器本体21aの上面から吸着体使用容器21外へ排出される。
【0028】
空気中の二酸化炭素は、吸着体使用容器21を通過する際に、二酸化炭素吸着体31に吸着される。
【0029】
図1では省略したが、昇降路1におけるかご室11の背面に対向する壁1aには、吸着体回収容器22と吸着体補充容器23とが設置されている。吸着体回収容器22と吸着体補充容器23とは、上下方向に互いに間隔をおいて配置されている。
【0030】
また、吸着体使用容器21、吸着体回収容器22、及び吸着体補充容器23は、かご8の幅方向における同じ位置に配置されている。かご8の幅方向は、かごドア12の開閉動作方向に平行な方向であり、
図2の紙面に垂直な方向である。
【0031】
吸着体回収容器22は、筒状の回収容器本体22aと、平板状の回収容器蓋22bとを有している。回収容器本体22aの上端には、回収容器上部開口が設けられている。回収容器本体22aの下端には、回収容器下部開口が設けられている。
【0032】
回収容器蓋22bは、回収容器本体22aの下部に設けられている。また、回収容器蓋22bは、回収容器下部開口を開閉する。
【0033】
吸着体補充容器23は、筒状の補充容器本体23aと、平板状の補充容器蓋23bとを有している。補充容器本体23aの上端には、補充容器上部開口が設けられている。補充容器本体23aの下端には、補充容器下部開口が設けられている。
【0034】
補充容器蓋23bは、補充容器本体23aの下部に設けられている。また、補充容器蓋23bは、補充容器下部開口を開閉する。
【0035】
吸着体回収容器22及び吸着体補充容器23が設けられている壁1aに対向する吸着体使用容器21の一端には、使用容器開口が設けられている。使用容器蓋21bは、使用容器開口を開閉する。
【0036】
吸着体使用容器21、かご8、及び昇降路1のうちの少なくともいずれか1つには、入替機構24が設けられている。実施の形態1の入替機構24は、容器回転装置25と、蓋回転装置26とを有している。容器回転装置25及び蓋回転装置26としては、それぞれモータが用いられている。
【0037】
容器回転装置25は、一対の支持腕16のうちの一方の支持腕16に設けられている。即ち、容器回転装置25は、支持腕16を介してかご8に設けられている。また、容器回転装置25は、かご8の幅方向に平行な軸を中心として、水平状態と傾斜状態との間でかご8に対して吸着体使用容器21を回転させる。
【0038】
水平状態は、
図2に示すように、吸着体使用容器21が水平な状態である。傾斜状態は、
図3及び
図4に示すように、吸着体使用容器21か水平面に対して傾斜した状態である。
【0039】
蓋回転装置26は、使用容器本体21aに対して使用容器蓋21bを回転させることにより、使用容器開口を開閉する。
【0040】
入替機構24は、吸着体回収容器22に対応する位置にかご8が停止した際に、吸着体使用容器21を吸着体回収容器22に接続し、吸着体使用容器21内の二酸化炭素吸着体31を吸着体回収容器22内に移動させる。
【0041】
また、入替機構24は、吸着体補充容器23に対応する位置にかご8が停止した際に、吸着体使用容器21を吸着体補充容器23に接続し、吸着体補充容器23内の二酸化炭素吸着体31を吸着体使用容器21内に移動させる。
【0042】
実施の形態1の二酸化炭素回収装置30は、吸着体使用容器21、吸着体回収容器22、吸着体補充容器23、及び入替機構24を有している。また、二酸化炭素回収装置30は、エレベーター制御装置5により制御される。即ち、容器回転装置25及び蓋回転装置26は、エレベーター制御装置5により制御される。
【0043】
図3は、
図2の吸着体使用容器21から吸着体回収容器22に二酸化炭素吸着体31を移動させた状態を示す側面図である。なお、
図3では、吸着体使用容器21及び吸着体回収容器22の断面が示されている。
【0044】
二酸化炭素吸着済みの二酸化炭素吸着体31を吸着体回収容器22に回収する場合、吸着体回収容器22に対応する位置にかご8を停止させる。この例では、吸着体回収容器22に対応する位置は、吸着体使用容器21が吸着体回収容器22よりも上方に位置する位置であり、かつ吸着体回収容器22に吸着体使用容器21を接続可能な位置である。
【0045】
この後、使用容器開口が下になるように吸着体使用容器21を傾斜させる。そして、使用容器蓋21bを回転させて、使用容器蓋21bの先端を回収容器上部開口に縁部に当てる。
【0046】
これにより、吸着体使用容器21内の二酸化炭素吸着体31は、自重により、吸着体回収容器22内に移動する。即ち、入替機構24は、水平面に対して吸着体使用容器21を傾斜させることによって、二酸化炭素吸着体31の自重により、吸着体使用容器21内の二酸化炭素吸着体31を吸着体回収容器22内に移動させる。
【0047】
図4は、
図2の吸着体補充容器23から吸着体使用容器21に二酸化炭素吸着体31を移動させた状態を示す側面図である。なお、
図4では、吸着体使用容器21及び吸着体補充容器23の断面が示されている。
【0048】
二酸化炭素吸着前の二酸化炭素吸着体31を空の吸着体使用容器21に補充する場合、吸着体補充容器23に対応する位置にかご8を停止させる。この例では、吸着体補充容器23に対応する位置は、吸着体使用容器21が吸着体補充容器23よりも下方に位置する位置であり、かつ吸着体補充容器23に吸着体使用容器21を接続可能な位置である。
【0049】
この後、使用容器開口が上になるように、吸着体使用容器21を傾斜させる。そして、使用容器蓋21bを回転させて使用容器開口を開く。このとき、使用容器蓋21bが補充容器蓋23bに当たり、使用容器蓋21bの回転により補充容器蓋23bも開方向へ回転する。
【0050】
これにより、吸着体補充容器23内の二酸化炭素吸着体31は、自重により、吸着体使用容器21内に移動する。即ち、入替機構24は、水平面に対して吸着体使用容器21を傾斜させるとともに、補充容器蓋23bに開動作をさせることによって、二酸化炭素吸着体31の自重により、吸着体補充容器23内の二酸化炭素吸着体31を吸着体使用容器21内に移動させる。
【0051】
二酸化炭素吸着前の二酸化炭素吸着体31が吸着体使用容器21内に補充されると、使用容器開口が使用容器蓋21bによって閉じられ、吸着体使用容器21が水平状態に戻される。
【0052】
図5は、実施の形態1によるエレベーターの二酸化炭素回収システムを示すブロック図である。二酸化炭素回収システムは、エレベーター制御装置5と、二酸化炭素回収装置30と、監視装置40とを有している。
【0053】
監視装置40は、機能ブロックとして、入替判定部41と、入替指令部42と、報知部43とを有している。
【0054】
入替判定部41は、二酸化炭素吸着体31の入れ替えの要否を判定する。例えば、入替判定部41は、予め設定された入替周期に基づいて、二酸化炭素吸着体31の入れ替えが必要であると判定する。
【0055】
なお、入替判定部41は、かご8の運行情報に基づいて、入れ替えの要否を判定してもよい。この場合、入替判定部41は、エレベーター制御装置5から、かご8の運行情報を取得する。かご8の運行情報としては、例えば、移動時間情報、又は移動距離情報が挙げられる。移動時間情報は、かご8の合計の移動時間の情報である。移動距離情報は、かご8の合計の移動距離の情報である。
【0056】
監視装置40には、移動時間閾値又は移動距離閾値が設定されている。そして、入替判定部41は、かご8の合計の移動時間が移動時間閾値に達したとき、又はかご8の合計の移動距離が移動距離閾値に達したとき、二酸化炭素吸着体31の入れ替えが必要であると判定する。
【0057】
また、二酸化炭素吸着体31の重量は、空気中の二酸化炭素及び水分を吸着するに従って増加していく。また、二酸化炭素及び水分の吸着するに従って、二酸化炭素吸着体31による二酸化炭素の吸着能力は、徐々に低下していく。このため、入替判定部41は、吸着体使用容器21内の二酸化炭素吸着体31の重量に基づいて、入れ替えの要否を判定してもよい。
【0058】
この場合、吸着体使用容器21には、図示しない重量検出器が設けられている。重量検出器は、二酸化炭素吸着体31の重量を検出する。監視装置40は、重量検出器からの情報を直接、又はエレベーター制御装置5を介して取得する。
【0059】
監視装置40には、重量閾値が設定されている。そして、入替判定部41は、二酸化炭素吸着体31の重量が重量閾値に達したとき、二酸化炭素吸着体31の入れ替えが必要であると判定する。
【0060】
また、入替判定部41は、二酸化炭素吸着体31の前回の入れ替えからの経過時間に基づいて、二酸化炭素吸着体31の入れ替えの要否を判定してもよい。
【0061】
この場合、監視装置40には、経過時間閾値が設定されている。そして、入替判定部41は、前回の入れ替えからの経過時間が経過時間閾値に達すると、二酸化炭素吸着体31の入れ替えが必要であると判定する。
【0062】
また、入替判定部41は、吸着体使用容器21を通過した空気における二酸化炭素濃度に基づいて、二酸化炭素吸着体31の入れ替えの要否を判定してもよい。
【0063】
この場合、吸着体使用容器21に、図示しない濃度センサが設けられている。濃度センサは、二酸化炭素の濃度を検出する。
【0064】
監視装置40には、濃度閾値が設定されている。そして、入替判定部41は、吸着体使用容器21を通過した空気における二酸化炭素濃度が、濃度閾値以上になったときに、二酸化炭素吸着体31の入れ替えが必要であると判定する。
【0065】
入替指令部42は、入替判定部41によって二酸化炭素吸着体31の入れ替えが必要であると判定された場合に、入替指令信号をエレベーター制御装置5に送信する。
【0066】
エレベーター制御装置5は、監視装置40からの入替指令信号を受けると、呼び登録が発生していないタイミングで、吸着体使用容器21内の二酸化炭素吸着体31を吸着体回収容器22に移動させる。そして、吸着体補充容器23内の二酸化炭素吸着体31を吸着体使用容器21内に移動させる。
【0067】
報知部43は、入替指令部42からエレベーター制御装置5に入替指令信号が送信された場合に、通信ネットワーク50を介して、情報センター60に報知信号を送信する。報知信号は、二酸化炭素吸着体31の入れ替えが実施されたことを報知する信号である。
【0068】
情報センター60は、報知信号を受けると、二酸化炭素吸着体31の入れ替えが実施されたエレベーターの保守担当者に対して、二酸化炭素吸着体31の入れ替えが実施されたことを連絡する。
【0069】
この後、情報センター60からの連絡を受けた保守担当者により、吸着体回収容器22からの二酸化炭素吸着体31の回収と、吸着体補充容器23への二酸化炭素吸着体31の補充とが行われる。これらの作業は、例えば、かご8上に保守担当者が乗ることにより、行うことができる。
【0070】
二酸化炭素吸着済みの二酸化炭素吸着体31は、図示しない加熱装置により加熱される。これにより、二酸化炭素吸着体31から二酸化炭素が分離され、二酸化炭素吸着体31が二酸化炭素吸着前の状態に戻される。
【0071】
図6は、
図5の監視装置40による入替判定処理を示すフローチャートである。監視装置40は、
図6に示す入替判定処理を設定周期で繰り返し実行する。
【0072】
入替判定処理が開始されると、監視装置40は、ステップS101において、二酸化炭素吸着体31の入れ替えが必要であるかどうかを判定する。二酸化炭素吸着体31の入れ替えが必要でなければ、監視装置40は、その回の処理を終了する。
【0073】
二酸化炭素吸着体31の入れ替えが必要な場合、監視装置40は、ステップS102において、入替指令信号をエレベーター制御装置5に送信する。この後、監視装置40は、ステップS103において、情報センター60に報知信号を送信し、その回の処理を終了する。
【0074】
このようなエレベーター及びその二酸化炭素回収装置30では、吸着体使用容器21がかご8に設けられている。吸着体使用容器21には、二酸化炭素吸着体31が収容されている。吸着体使用容器21に二酸化炭素吸着体31が収容された状態でかご8が移動することにより、二酸化炭素吸着体31に昇降路1内の空気が通され、空気中の二酸化炭素が二酸化炭素吸着体31に吸着される。
【0075】
このため、昇降路1の上下方向長さによらず、巻上機3の駆動力を利用して、昇降路1内の二酸化炭素を効率良く回収することができる。
【0076】
また、昇降路1には、吸着体回収容器22が設置されている。そして、入替機構24は、吸着体使用容器21を吸着体回収容器22に接続し、吸着体使用容器21内の二酸化炭素吸着体31を吸着体回収容器22内に移動させる。
【0077】
このため、かご8における吸着体使用容器21の位置によらず、二酸化炭素吸着剤みの二酸化炭素吸着体31の回収を容易に行うことができ、保守作業の手間を軽減することができる。
【0078】
また、入替機構24は、水平面に対して吸着体使用容器21を傾斜させることによって、二酸化炭素吸着体31の自重により、吸着体使用容器21内の二酸化炭素吸着体31を吸着体回収容器22内に移動させる。このため、簡単な構成により、二酸化炭素吸着剤みの二酸化炭素吸着体31の回収を容易に行うことができる。
【0079】
また、昇降路1には、吸着体補充容器23が設置されている。そして、入替機構24は、吸着体使用容器21を吸着体補充容器23に接続し、吸着体補充容器23内の二酸化炭素吸着体31を吸着体使用容器21内に移動させる。
【0080】
このため、かご8における吸着体使用容器21の位置によらず、二酸化炭素吸着前の二酸化炭素吸着体31の補充を容易に行うことができ、保守作業の手間を軽減することができる。これにより、かご8における吸着体使用容器21の設置位置の自由度を向上させることができる。
【0081】
また、二酸化炭素回収効率をより長期にわたって維持することができ、保守作業のインターバルを長くすることができる。
【0082】
また、入替機構24は、水平面に対して吸着体使用容器21を傾斜させるとともに、補充容器蓋23bに開動作をさせることによって、二酸化炭素吸着体31の自重により、吸着体補充容器23内の二酸化炭素吸着体31を吸着体使用容器21内に移動させる。このため、簡単な構成により、二酸化炭素吸着前の二酸化炭素吸着体31の補充を容易に行うことができる。
【0083】
また、実施の形態1による二酸化炭素回収システムの監視装置40では、二酸化炭素吸着体31の入れ替えの要否が入替判定部41によって判定される。そして、入替判定部41によって二酸化炭素吸着体31の入れ替えが必要であると判定された場合に、入替指令信号がエレベーター制御装置5に送信される。
【0084】
このため、より適切なタイミングで二酸化炭素吸着体31が入れ替えられることにより、二酸化炭素吸着体31の吸着性能が維持され、より長期にわたって二酸化炭素を効率良く回収することができる。
【0085】
また、入替指令部42からエレベーター制御装置5に入替指令信号が送信された場合に、報知部43から情報センター60に報知信号が送信される。このため、より適切なタイミングで、二酸化炭素吸着済みの二酸化炭素吸着体31を回収したり、二酸化炭素吸着前の二酸化炭素吸着体31を補充したりすることができる。これにより、より長期にわたって二酸化炭素を効率良く回収することができるとともに、保守作業の手間を軽減することができる。
【0086】
なお、吸着体回収容器22及び吸着体補充容器23は、かごガイドレールを避けて、昇降路1におけるかご室11の側面に対向する壁に設置されてもよい。
【0087】
実施の形態2.
次に、
図7は、実施の形態2によるエレベーターの要部を示す側面図である。
図1では省略したが、複数階の乗場のそれぞれには、乗場敷居17が設けられている。各乗場敷居17は、乗場ドア13の開閉動作時に、乗場ドア13の下端を案内する。各乗場敷居17の下部には、フェッシャープレート18が設けられている。
【0088】
吸着体回収容器22及び吸着体補充容器23は、互いに異なるフェッシャープレート18に設けられている。また、吸着体回収容器22及び吸着体補充容器23のそれぞれは、フェッシャープレート18の一部又は全体を兼ねている。また、吸着体回収容器22及び吸着体補充容器23のそれぞれは、平板状のフェッシャープレート18に取り付けられた容器であってもよい。
【0089】
吸着体回収容器22及び吸着体補充容器23のそれぞれは、かご8の前後方向について、昇降路1の乗場側の壁1bと、乗場敷居17における昇降路1側の端面との間の範囲内に位置している。かご8の前後方向は、かご8の幅方向に直角、かつ水平な方向である。
【0090】
吸着体回収容器22が設置されている階の乗場壁には、回収容器用ドア27が設けられている。回収容器用ドア27は、図示しない回収容器用開口を開閉する。吸着体回収容器22内の二酸化炭素吸着体31は、回収容器用開口を通して、乗場から取り出すことができる。
【0091】
この場合、吸着体回収容器22が昇降路1内に設置された状態のまま、吸着体回収容器22から二酸化炭素吸着体31が取り出される。また、吸着体回収容器22が乗場に取り出された状態で、吸着体回収容器22から二酸化炭素吸着体31が取り出されてもよい。
【0092】
吸着体補充容器23が設置されている階の乗場壁には、補充容器用ドア28が設けられている。補充容器用ドア28は、図示しない補充容器用開口を開閉する。吸着体補充容器23内には、補充容器用開口を通して、乗場から二酸化炭素吸着体31を補充することができる。
【0093】
この場合、吸着体補充容器23が昇降路1内に設置された状態のまま、吸着体補充容器23に二酸化炭素吸着体31が補充される。また、吸着体補充容器23が乗場に取り出された状態で、吸着体補充容器23に二酸化炭素吸着体31が補充されてもよい。
【0094】
このように、実施の形態2では、吸着体回収容器22からの二酸化炭素吸着体31の取り出しが乗場から実施可能になっている。また、吸着体補充容器23への二酸化炭素吸着体31の補充も、乗場から実施可能になっている。
【0095】
実施の形態2における他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0096】
このような構成によっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、保守作業の手間をさらに軽減することができる。
【0097】
また、吸着体回収容器22内からの二酸化炭素吸着体31の取り出し、及び吸着体補充容器23への二酸化炭素吸着体31の補充を、かご8の運行を止めずに実施することができる。このため、二酸化炭素吸着体31の入れ替え作業をかご8上で行う場合に比べて、入れ替え作業のタイミングの自由度が向上する。これにより、二酸化炭素吸着済みの二酸化炭素吸着体31が吸着体回収容器22内に入ったままとなっている時間、及び吸着体補充容器23が空となっている時間を短縮することができ、昇降路1内の二酸化炭素の回収効率をさらに向上させることができる。
【0098】
また、吸着体回収容器22及び吸着体補充容器23は、それぞれフェッシャープレート18に設けられている。このため、昇降路1内のスペースを有効に利用して、吸着体回収容器22及び吸着体補充容器23を昇降路1内に設置することができる。
【0099】
なお、二酸化炭素吸着済みの二酸化炭素吸着体31を回収する方法は、二酸化炭素吸着済みの二酸化炭素吸着体31が充填された吸着体回収容器22を、空の吸着体回収容器22と交換する方法であってもよい。
【0100】
また、二酸化炭素吸着前の二酸化炭素吸着体31を補充する方法は、空の吸着体補充容器23を、二酸化炭素吸着前の二酸化炭素吸着体31が充填された吸着体補充容器23と交換する方法であってもよい。
【0101】
また、吸着体回収容器22と吸着体補充容器23とを共通の容器としてもよい。即ち、吸着体回収容器22と吸着体補充容器23とを兼ねた回収兼補充容器が用いられてもよい。この場合、二酸化炭素吸着済みの二酸化炭素吸着体31が回収兼補充容器から取り出され、二酸化炭素吸着前の二酸化炭素吸着体31が回収兼補充容器に補充される。また、二酸化炭素吸着前の二酸化炭素吸着体31が回収兼補充容器から吸着体使用容器21に補充され、二酸化炭素吸着済みの二酸化炭素吸着体31が吸着体使用容器21から回収兼補充容器に回収される。
【0102】
また、実施の形態1、2において、吸着体使用容器21は、かご8の下部以外の位置、例えばかご8の上部に設けられてもよい。
【0103】
また、実施の形態1、2において、入替機構24は、かご8又は昇降路1に設けられてもよい。
【0104】
また、実施の形態1、2において、吸着体使用容器21の数、吸着体回収容器22の数、及び吸着体補充容器23の数は、それぞれ2つ以上であってもよい。
【0105】
また、実施の形態1、2において、移動体は、釣合おもり9であってもよい。即ち、吸着体使用容器21は、釣合おもり9に設けられてもよい。また、吸着体使用容器21は、かご8及び釣合おもり9の両方に設けられてもよい。
【0106】
また、実施の形態1、2において、監視装置40は、エレベーター制御装置5と一体化されてもよい。また、監視装置40は、情報センター60に設けられてもよい。
【0107】
また、エレベーターのタイプは、
図1のタイプに限定されるものではなく、例えば2:1ローピング方式であってもよい。また、釣合おもり9の昇降領域は、乗場から見て、かご8の昇降領域の側方に位置してもよい。
【0108】
また、エレベーターは、機械室レスエレベーター、ダブルデッキエレベーター、ワンシャフトマルチカー方式のエレベーター等であってもよい。ワンシャフトマルチカー方式は、上かごと、上かごの真下に配置された下かごとが、それぞれ独立して共通の昇降路を昇降する方式である。
【0109】
また、実施の形態1、2のエレベーター制御装置5、監視装置40、及び情報センター60の各機能は、処理回路によって実現される。
図8は、実施の形態1、2のエレベーター制御装置5、監視装置40、及び情報センター60の各機能を実現する処理回路の第1例を示す構成図である。第1例の処理回路100は、専用のハードウェアである。
【0110】
また、処理回路100は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。また、エレベーター制御装置5、監視装置40、及び情報センター60の各機能それぞれを個別の処理回路100で実現してもよいし、各機能をまとめて処理回路100で実現してもよい。
【0111】
また、
図9は、実施の形態1、2のエレベーター制御装置5、監視装置40、及び情報センター60の各機能を実現する処理回路の第2例を示す構成図である。第2例の処理回路200は、プロセッサ201及びメモリ202を備えている。
【0112】
処理回路200では、エレベーター制御装置5、監視装置40、及び情報センター60の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ202に格納される。プロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。
【0113】
メモリ202に格納されたプログラムは、上述した各部の手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。ここで、メモリ202とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリである。また、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等も、メモリ202に該当する。
【0114】
なお、上述した各部の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。
【0115】
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、上述した各部の機能を実現することができる。
【0116】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0117】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0118】
(付記1)
昇降路内を上下方向へ移動する移動体に設けられており、かつ通気性を有しており、二酸化炭素吸着剤を含む二酸化炭素吸着体が収容される吸着体使用容器、
前記昇降路に設置されている吸着体回収容器、及び
前記吸着体使用容器、前記移動体、及び前記昇降路のうちの少なくともいずれか1つに設けられている入替機構
を備え、
前記吸着体使用容器内に前記二酸化炭素吸着体が収容された状態で前記移動体が移動することにより、前記二酸化炭素吸着体に前記昇降路内の空気が通され、
前記入替機構は、前記吸着体回収容器に対応する位置に前記移動体が停止した際に、前記吸着体使用容器を前記吸着体回収容器に接続し、前記吸着体使用容器内の前記二酸化炭素吸着体を前記吸着体回収容器内に移動させるエレベーターの二酸化炭素回収装置。
(付記2)
前記入替機構は、水平面に対して前記吸着体使用容器を傾斜させることによって、前記二酸化炭素吸着体の自重により、前記吸着体使用容器内の前記二酸化炭素吸着体を前記吸着体回収容器内に移動させる付記1記載のエレベーターの二酸化炭素回収装置。
(付記3)
前記昇降路内に設置されている吸着体補充容器
をさらに備え、
前記入替機構は、前記吸着体補充容器に対応する位置に前記移動体が停止した際に、前記吸着体使用容器を前記吸着体補充容器に接続し、前記吸着体補充容器内の前記二酸化炭素吸着体を前記吸着体使用容器内に移動させる付記1又は付記2に記載のエレベーターの二酸化炭素回収装置。
(付記4)
前記吸着体補充容器は、
補充容器本体と、
前記補充容器本体の下部に設けられており、補充容器本体の開口を開閉する補充容器蓋と
を有しており、
前記入替機構は、水平面に対して前記吸着体使用容器を傾斜させるとともに、前記補充容器蓋に開動作をさせることによって、前記二酸化炭素吸着体の自重により、前記吸着体補充容器内の前記二酸化炭素吸着体を前記吸着体使用容器内に移動させる付記3記載のエレベーターの二酸化炭素回収装置。
(付記5)
付記1から付記4までのいずれか1項に記載の二酸化炭素回収装置
を備えているエレベーター。
(付記6)
付記3又は付記4に記載の二酸化炭素回収装置
を備え、
前記吸着体回収容器からの前記二酸化炭素吸着体の取り出しと、前記吸着体補充容器への前記二酸化炭素吸着体の補充とが、乗場から実施可能になっているエレベーター。
(付記7)
前記吸着体回収容器及び前記吸着体補充容器のそれぞれは、乗場敷居の下部に設けられているフェッシャープレートに設けられている付記6記載のエレベーター。
(付記8)
付記3又は付記4に記載の二酸化炭素回収装置、
前記移動体の運行を制御するとともに、前記二酸化炭素回収装置を制御するエレベーター制御装置、
前記二酸化炭素吸着体の入れ替えの要否を判定する入替判定部と、前記入替判定部によって前記二酸化炭素吸着体の入れ替えが必要であると判定された場合に、入替指令信号を前記エレベーター制御装置に送信する入替指令部とを有している監視装置
を備えているエレベーターの二酸化炭素回収システム。
(付記9)
前記監視装置は、
前記入替指令部から前記エレベーター制御装置に前記入替指令信号が送信された場合に、前記二酸化炭素吸着体の入れ替えが実施されたことを報知する報知信号を、情報センターに送信する報知部
をさらに有している付記8記載のエレベーターの二酸化炭素回収システム。
【符号の説明】
【0119】
1 昇降路、5 エレベーター制御装置、8 かご(移動体)、17 乗場敷居、18 フェッシャープレート、21 吸着体使用容器、22 吸着体回収容器、23 吸着体補充容器、24 入替機構、30 二酸化炭素回収装置、31 二酸化炭素吸着体、40 監視装置、41 入替判定部、42 入替指令部、43 報知部、60 情報センター。
【要約】
【課題】昇降路内の二酸化炭素を効率良く回収することができるエレベーターの二酸化炭素回収装置、エレベーター、及びエレベーターの二酸化炭素回収システムを得ることを目的とする。
【解決手段】監視装置40は、入替判定部41と、入替指令部42と、報知部43とを有している。入替判定部41によって二酸化炭素吸着体31の入れ替えが必要であると判定された場合、入替指令部42からエレベーター制御装置5に入替指令信号が送信され、報知部43から情報センター60に報知信号が送信される。情報センター60は、報知信号を受けると、保守担当者に対して、二酸化炭素吸着体31の入れ替えが実施されたことを連絡する。
【選択図】
図5